(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
非線形制御方式の出力帰還制御によってn相(ただしnは2以上の整数)のスイッチ出力段を所定の位相差で駆動することにより入力電圧から所望の出力電圧を生成するスイッチングレギュレータの制御装置であって、
各相の前記スイッチ出力段それぞれのオン/オフ制御に用いられる各相の制御信号のパルス幅をそれぞれ設定するn相のパルス幅設定部を有し、
各相の前記パルス幅設定部は、それぞれ、所定の基準電圧を生成する基準電圧生成部と、自相以外の前記スイッチ出力段に現れるスイッチ電圧に応じて始点値が変動するスロープ電圧を生成するスロープ電圧生成部と、前記基準電圧と前記スロープ電圧とを比較するコンパレータと、を含むことを特徴とする制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<全体構成>
図1は、スイッチングレギュレータの全体構成を示す図である。本構成例のスイッチングレギュレータXは、半導体装置1と、これに外付けされるディスクリート部品(コイルL1及びL2とキャパシタC1)と、を有し、非線形制御方式(本図ではボトム検出型オン時間制御方式)の出力帰還制御によってn相(ただしnは2以上の整数であり、本図ではn=2)のスイッチ出力段を所定の位相差(望ましくは360°/n)で駆動することにより、入力電圧Vinから所望の出力電圧Voutを生成するマルチフェイズ型(インターリーブ型)のDC/DCコンバータである。
【0022】
半導体装置1は、スイッチングレギュレータXの制御主体となる制御装置(いわゆる電源コントローラIC)であり、装置外部との電気的な接続を確立するための手段として、外部端子T1〜T5を備えている。装置外部の接続について具体的に述べると、外部端子T1(=電源端子)は、入力電圧Vinの入力端に接続されている。外部端子T2(=第1スイッチ端子)は、コイルL1の第1端に接続されている。外部端子T3(=第2スイッチ端子)は、コイルL2の第1端に接続されている。外部端子T4(=接地端子)は、接地端に接続されている。外部端子T5(=帰還端子)は、出力電圧Voutの出力端に接続されている。
【0023】
なお、コイルL1の第2端、コイルL2の第2端、及び、キャパシタC1の第1端は、いずれも、出力電圧Voutの出力端に接続されている。また、キャパシタC1の第2端は、接地端に接続されている。このように接続されたコイルL1及びL2とキャパシタC1は、外部端子T2及びT3それぞれの端子電圧(=入力電圧Vinと接地電圧GNDとの間でパルス駆動される矩形波状のスイッチ電圧SW1及びSW2)を足し合わせて平滑することにより、負荷への出力電圧Voutを生成するLCフィルタを形成する。
【0024】
<半導体装置>
引き続き、
図1を参照しながら、半導体装置1の内部構成について詳細な説明を行う。半導体装置1は、パルス生成部10と、オン時間設定部21及び22と、RSフリップフロップ31及び32と、ドライバ41及び42と、スイッチ出力段51及び52と、を集積化して成る。
【0025】
パルス生成部10は、外部端子T5から出力電圧Voutの帰還入力を受け付けて、所定の位相差を持つセット信号S11及びS21を生成する。なお、パルス生成部10の構成及び動作については、後ほど詳述する。
【0026】
オン時間設定部21は、セット信号S11に応じて制御信号S13がハイレベルにセットされてから所定のオン時間Ton1が経過した時点で制御信号S13がローレベルにリセットされるようにリセット信号S12を生成する。すなわち、オン時間設定部21は、スイッチ出力段51のオン/オフ制御に用いられる制御信号S13のパルス幅(=ハイレベル期間)を設定するためのパルス幅設定部に相当する。
【0027】
オン時間設定部22は、セット信号S21に応じて制御信号S23がハイレベルにセットされてから所定のオン時間Ton2が経過した時点で制御信号S23がローレベルにリセットされるようにリセット信号S22を生成する。すなわち、オン時間設定部22は、スイッチ出力段52のオン/オフ制御に用いられる制御信号S23のパルス幅(=ハイレベル期間)を設定するためのパルス幅設定部に相当する。
【0028】
なお、オン時間設定部21は、スイッチ出力段52に現れるスイッチ電圧SW2(延いてはスイッチ出力段52に流れるコイル電流IL2の大きさ)を反映して、オン時間Ton1(=制御信号S13のパルス幅)を設定する機能を備えている。同様に、オン時間設定部22は、スイッチ出力段51に現れるスイッチ電圧SW1(延いてはスイッチ出力段51に流れるコイル電流IL1の大きさ)を反映して、オン時間Ton2(=制御信号S23のパルス幅)を設定する機能を備えている。これらは、スイッチングレギュレータXの電流バランス機能(=コイルL1及びL2それぞれの抵抗値が異なる場合であっても、コイル電流IL1及びIL2を平衡状態に維持するための機能)を担うものであるが、この点については、後ほど詳述する。
【0029】
RSフリップフロップ31は、パルス生成部10からセット端(S)に入力されるセット信号S11と、オン時間設定部21からリセット端(R)に入力されるリセット信号S12の双方に応じて制御信号S13を生成し、これを出力端(Q)から出力する。なお、制御信号S13は、セット信号S11のトリガパルスに応じてハイレベルにセットされ、リセット信号S12のトリガパルスに応じてローレベルにリセットされる。
【0030】
RSフリップフロップ32は、パルス生成部10からセット端(S)に入力されるセット信号S21と、オン時間設定部22からリセット端(R)に入力されるリセット信号S22の双方に応じて制御信号S23を生成し、これを出力端(Q)から出力する。なお、制御信号S23は、セット信号S21のパルス入力に応じてハイレベルにセットされ、リセット信号S22のパルス入力に応じてローレベルにリセットされる。
【0031】
ドライバ41は、制御信号S13に応じてゲート信号HG1及びLG1を生成することにより、スイッチ出力段51の出力トランジスタP1と同期整流トランジスタN1を相補的に駆動する。なお、基本的には、制御信号S13がハイレベルであるときにゲート信号HG1及びLG1をそれぞれローレベルとすればよく、制御信号S13がローレベルであるときにゲート信号HG1及びLG1をそれぞれハイレベルとすればよい。
【0032】
ドライバ42は、制御信号S23に応じてゲート信号HG2及びLG2を生成することにより、スイッチ出力段52の出力トランジスタP2と同期整流トランジスタN2を相補的駆動する。なお、基本的には、制御信号S23がハイレベルであるときにゲート信号HG2及びLG2をそれぞれローレベルとすればよく、制御信号S23がローレベルであるときにゲート信号HG2及びLG2をそれぞれハイレベルとすればよい。
【0033】
ただし、上記で用いられている「相補的」という文言は、出力トランジスタP*と同期整流トランジスタN*(ただし*=1または2)のオン/オフ状態が完全に逆転している場合のほか、貫通電流防止の観点から、出力トランジスタP*と同期整流トランジスタN*のオン/オフ遷移タイミングに所定の遅延が与えられている場合(=出力トランジスタP*と同期整流トランジスタN*の同時オフ期間が設けられている場合)も含む。
【0034】
スイッチ出力段51は、出力トランジスタP1(本図ではPMOSFET)と、同期整流トランジスタN1(本図ではNMOSFET)とを含むハーフブリッジ出力段である。出力トランジスタP1のソースは、外部端子T1に接続されている。出力トランジスタP1及び同期整流トランジスタN1それぞれのドレインは、いずれも外部端子T2に接続されている。同期整流トランジスタN1のソースは、外部端子T4に接続されている。出力トランジスタP1及び同期整流トランジスタN1それぞれのゲートには、ゲート信号HG1及びLG1がそれぞれ入力されている。従って、出力トランジスタP1は、ゲート信号HG1がハイレベルであるときにオフして、ゲート信号HG1がローレベルであるときにオンする。一方、同期整流トランジスタN1は、ゲート信号LG1がハイレベルであるときにオンして、ゲート信号LG1がローレベルであるときにオフする。
【0035】
例えば、ゲート信号HG1及びLG1がいずれもローレベルであるときには、出力トランジスタP1がオンして同期整流トランジスタN1がオフするので、スイッチ電圧SW1がハイレベルSW1H(=Vin−IL1×Ron(P1)、ただしRon(P1)は出力トランジスタP1のオン抵抗値)となる。一方、ゲート信号HG1及びLG1がいずれもハイレベルであるときには、出力トランジスタP1がオフして同期整流トランジスタN1がオンするので、スイッチ電圧SW1がローレベルSW1L(=−IL1×Ron(N1)、ただしRon(N1)は同期整流トランジスタN1のオン抵抗値)となる。
【0036】
スイッチ出力段52は、出力トランジスタP2(本図ではPMOSFET)と、同期整流トランジスタN2(本図ではNMOSFET)とを含むハーフブリッジ出力段である。出力トランジスタP2のソースは、外部端子T1に接続されている。出力トランジスタP2及び同期整流トランジスタN2それぞれのドレインは、いずれも外部端子T3に接続されている。同期整流トランジスタN2のソースは、外部端子T4に接続されている。出力トランジスタP2及び同期整流トランジスタN2それぞれのゲートには、ゲート信号HG2及びLG2がそれぞれ入力されている。従って、出力トランジスタP2は、ゲート信号HG2がハイレベルであるときにオフして、ゲート信号HG2がローレベルであるときにオンする。一方、同期整流トランジスタN2は、ゲート信号LG2がハイレベルであるときにオンして、ゲート信号LG2がローレベルであるときにオフする。
【0037】
例えば、ゲート信号HG2及びLG2がいずれもローレベルであるときには、出力トランジスタP2がオンして同期整流トランジスタN2がオフするので、スイッチ電圧SW2がハイレベルSW2H(=Vin−IL2×Ron(P2)、ただしRon(P2)は出力トランジスタP2のオン抵抗値)となる。一方、ゲート信号HG2及びLG2がいずれもハイレベルであるときには、出力トランジスタP2がオフして同期整流トランジスタN2がオンするので、スイッチ電圧SW2がローレベルSW2L(=−IL2×Ron(N2)、ただしRon(N2)は同期整流トランジスタN2のオン抵抗値)となる。
【0038】
なお、スイッチ出力段51及び52それぞれの出力形式については、降圧型に限らず、昇圧型、昇降圧型、反転型などを採用してもよい。また、スイッチ出力段51及び52それぞれの整流方式については、同期整流方式に限らず、ダイオード整流方式であっても構わない。また、スイッチ出力段51及び52は、半導体装置1に外付けされるディスクリート部品で形成することも可能である。
【0039】
<パルス生成部>
図2はパルス生成部10の一構成例を示す図である。本構成例のパルス生成部10は、第1フィルタ110と、第2フィルタ120と、差動アンプ130と、コンパレータ140と、ワンショット生成部150と、分配信号生成部160と、論理積演算部170及び180と、を含む。
【0040】
第1フィルタ110は、抵抗111a及び111bとキャパシタ112を含み、スイッチ電圧SW1及びSW2と出力電圧Voutの入力を受け付けて正相信号CSPを生成する。抵抗111aの第1端は、スイッチ電圧SW1の入力端に接続されている。抵抗111bの第1端は、スイッチ電圧SW2の入力端に接続されている。抵抗111a及び111bそれぞれの第2端とキャパシタ112の第1端は、正相信号CSPの出力端に接続されている。キャパシタ112の第2端は、出力電圧Voutの入力端に接続されている。なお、第1フィルタ110で生成される正相信号CSPは、コイル電流IL1とコイル電流IL2との合算電流(=IL1+IL2)を疑似したリップル成分を持つ。
【0041】
第2フィルタ120は、抵抗121a〜121fとキャパシタ122a〜122eとを含み、スイッチ電圧SW1及びSW2と出力電圧Voutの入力を受け付けて逆相信号CSNを生成する。抵抗121aの第1端は、スイッチ電圧SW1の入力端に接続されている。抵抗121aの第2端は、抵抗121c及びキャパシタ122aそれぞれの第1端に接続されている。抵抗121bの第1端は、スイッチ電圧SW2の入力端に接続されている。抵抗121bの第2端は、抵抗121d及びキャパシタ122bそれぞれの第1端に接続されている。抵抗121c及び121dそれぞれの第2端とキャパシタ122cの第1端は、抵抗121eの第1端に接続されている。抵抗121eの第2端とキャパシタ122dの第1端は、抵抗121fの第1端に接続されている。抵抗121fの第2端とキャパシタ122eの第1端は、逆相信号CSNの出力端に接続されている。キャパシタ122a〜122eそれぞれの第2端は、出力電圧Voutの入力端に接続されている。なお、第2フィルタ120で生成される逆相信号CSNは、コイル電流IL1とコイル電流IL2の平均電流(延いては出力電流Iout)に応じたDC成分を持つ。
【0042】
差動アンプ130は、第1フィルタ110から正相入力端(+)に入力される正相信号CSPと、第2フィルタ120から逆相入力端(−)に入力される逆相信号CSNとの差分(=CSP−CSN)に応じた帰還信号FBを生成し、これを正相出力端(+)から出力する。なお、差動アンプ130の逆相出力端(−)には、出力電圧Voutが印加されている。すなわち、差動アンプ130で生成される帰還信号FBは、出力電圧Voutに先出のリップル成分を重畳した電圧信号となる。
【0043】
コンパレータ140は、正相入力端(+)に入力される所定の基準信号REFと、逆相入力端(−)に入力される帰還信号FBとを比較することにより、比較信号CMPを生成する。なお、比較信号CMPは、帰還信号FBが基準信号REFよりも高いときにローレベルとなり、帰還信号FBが基準信号REFよりも低いときにハイレベルとなる。
【0044】
ワンショット生成部150は、コンパレータ140から比較信号CMPの入力を受け付けてワンショット信号S0を生成する。より具体的に述べると、ワンショット生成部150は、比較信号CMPがローレベルからハイレベルに立ち上がったときに、ワンショット信号S0のパルス生成を行う。
【0045】
分配信号生成部160は、ワンショット信号S0に順次生成されるパルス列をセット信号S11及びS21それぞれのパルスとして交互に分配するための分配信号S1及びS2を生成する。なお、分配信号S1及びS2は、互いに論理レベルが反転された2値信号とすればよい(詳細は後述)。
【0046】
論理積演算部170は、ワンショット信号S0と分配信号S1との論理積演算を行うことによりセット信号S11を生成する。従って、分配信号S1がハイレベルであるときには、ワンショット信号S0がセット信号S11としてスルーされる状態となる。一方、分配信号S1がローレベルであるときには、ワンショット信号S0がマスクされる状態となり、その論理レベルに依ることなくセット信号S11がローレベルに維持される。
【0047】
論理積演算器180は、ワンショット信号S0と分配信号S2との論理積演算を行うことによりセット信号S21を生成する。従って、分配信号S2がハイレベルであるときには、ワンショット信号S0がセット信号S21としてスルーされる状態となる。一方、分配信号S2がローレベルであるときには、ワンショット信号S0がマスクされる状態となり、その論理レベルに依ることなくセット信号S21がローレベルに維持される。
【0048】
図3は、パルス生成部10の一動作例を示すタイミングチャートであり、上から順に、スイッチ電圧SW1及びSW2、帰還信号FB及び基準信号REF、ワンショット信号S0、分配信号S1及びS2、並びに、セット信号S11及びS21が描写されている。
【0049】
帰還信号FBは、スイッチ電圧SW1及びSW2の一方がハイレベルである期間(=時刻t1〜t2、時刻t3〜t4、時刻t5〜t6、及び、時刻t7〜t8)に上昇し、スイッチ電圧SW1及びSW2の双方がローレベルである期間(=時刻t2〜t3、時刻t4〜t5、時刻t6〜t7、及び、時刻t8〜t9)に低下するリップル波形となる。
【0050】
ワンショット信号S0には、帰還信号FBが基準信号REFを下回るタイミング(=時刻t1、時刻t3、時刻t5、時刻t7、及び、時刻t9)で順次パルスが生成される。
【0051】
分配信号S1は、例えば、スイッチ電圧SW2のローレベル遷移タイミング(=時刻t4及びt8、若しくは、当該タイミングから所定の最小ローレベル時間が経過した時点)でハイレベルとなり、スイッチ電圧SW1のローレベル遷移タイミング(=時刻t2及びt6、若しくは、当該タイミングから所定の最小ローレベル時間が経過した時点)でローレベルとなる。
【0052】
一方、分配信号S2は、例えば、スイッチ電圧SW1のローレベル遷移タイミング(=時刻t2及びt6、若しくは、当該タイミングから所定の最小ローレベル時間が経過した時点)でハイレベルとなり、スイッチ電圧SW2のローレベル遷移タイミング(=時刻t4及びt8、若しくは、当該タイミングから所定の最小ローレベル時間が経過した時点)でローレベルとなる。
【0053】
その結果、分配信号S1のハイレベル期間(時刻t1〜t2、時刻t4〜t6、及び、時刻t8〜t9)には、ワンショット信号S0のパルスがセット信号S11のパルスとして出力され、分配信号S2のハイレベル期間(時刻t2〜t4、及び、時刻t6〜t8)には、ワンショット信号S0のパルスがセット信号S12のパルスとして出力される。このようにして、パルス生成部10では、ワンショット信号S0に順次生成されるパルス列がセット信号S11及びS21それぞれのパルスとして交互に分配される。
【0054】
<電流バランス>
次に、スイッチングレギュレータXで新規に導入された電流バランス機能の説明に先立ち、当該機能が設けられていない場合の出力挙動について、
図4及び
図5を参照しながら簡単に説明しておく。
【0055】
図4は、コイルL1及びL2それぞれの抵抗値が等しいときの出力波形図であり、上から順に、スイッチ電圧SW1及びSW2、出力電圧Vout、並びに、コイル電流IL1及びIL2が描写されている。本図で示したように、コイルL1及びL2それぞれの抵抗値が等しいときには、仮に電流バランス機能が設けられていなくても、コイル電流IL1及びIL2の平衡状態が大きく崩れることはない。
【0056】
一方、
図5は、コイルL1及びL2それぞれの抵抗値が異なるとき(例えば±30%のばらつきが生じたとき)の出力波形図であり、先の
図4と同じく、上から順に、スイッチ電圧SW1及びSW2、出力電圧Vout、並びに、コイル電流IL1及びIL2が描写されている。本図で示したように、コイルL1及びL2それぞれの抵抗値が異なるときには、電流バランス機能を設けない限り、コイル電流IL1及びIL2の平衡状態がどんどん崩れていく。
【0057】
<オン時間設定部(第1実施形態)>
図6は、オン時間設定部21の第1実施形態を示す図である。本実施形態のオン時間設定部21は、基準電圧生成部210と、スロープ電圧生成部220と、コンパレータ230と、を含む。
【0058】
基準電圧生成部210は、抵抗211a〜211cとキャパシタ212a〜212cとを含み、スイッチ電圧SW1と出力電圧Voutの入力を受け付けて所定の基準電圧V1を生成する。抵抗211aの第1端は、スイッチ電圧SW1の入力端に接続されている。抵抗211aの第2端とキャパシタ212aの第1端は、抵抗211bの第1端に接続されている。抵抗211bの第2端とキャパシタ212bの第1端は、抵抗211cの第1端に接続されている。抵抗211cの第2端とキャパシタ212cの第1端は、基準電圧V1の出力端に接続されている。キャパシタ212a〜212cそれぞれの第2端は、出力電圧Voutの入力端に接続されている。このように、スイッチ電圧SW1をフィルタリングして生成される基準電圧V1は、スイッチ電圧SW1のオンデューティ(延いては出力電圧Vout)に応じたDC成分を持つ。
【0059】
スロープ電圧生成部220は、抵抗221a〜221cと、キャパシタ222と、スイッチ223a及び223bと、論理積演算器224と、ワンショット生成部225と、を含み、鋸波状のスロープ電圧V2を生成する。抵抗221aの第1端は、スイッチ電圧SW1の入力端に接続されている。抵抗221aの第2端と抵抗221bの第1端は、スロープ電圧V2の出力端に接続されている。抵抗221bの第2端は、キャパシタ222の第1端に接続されている。キャパシタ222の第2端は、接地端に接続されている。抵抗221cの第1端は、スイッチ電圧SW2の入力端に接続されている。抵抗221cの第2端は、スイッチ223aの第1端に接続されている。スイッチ223aの第2端とスイッチ223bの第1端は、キャパシタ222の第1端に接続されている。スイッチ223bの第2端は、接地端に接続されている。
【0060】
論理積演算器224は、ゲート信号LG1及びLG2の論理積演算を行うことにより、スイッチ制御信号Saを生成する。すなわち、スイッチ制御信号Saは、ゲート信号LG1及びLG2の双方がハイレベルであるときにハイレベルとなり、ゲート信号LG1及びLG2の少なくとも一方がローレベルであるときにローレベルとなる。
【0061】
ワンショット生成部225は、ゲート信号LG1がローレベルからハイレベルに立ち上がるタイミング(=スイッチ電圧SW1がハイレベルからローレベルに立ち下がるタイミング)で、スイッチ制御信号Sbのワンショットパルスを生成する。
【0062】
上記構成から成るスロープ電圧生成部220において、抵抗221a及び221bは、スイッチ電圧SW1から充電電流Ichgを生成してキャパシタ222を充電する充電部に相当する。なお、オン時間Ton1の設定時(後述)における充電電流Ichgの電流値は、スイッチ電圧SW1のハイレベルSW1Hに応じた可変値となる。
【0063】
また、抵抗221c、スイッチ223a、及び、論理積演算器224は、スイッチ電圧SW2のローレベルSW2Lを用いてキャパシタ222を放電する第1放電部として機能する。なお、スイッチ223aのオン期間中には、キャパシタ222からスイッチ電圧SW1の入力端に至る電流経路を無視することができるように、抵抗221aの抵抗値Raは、抵抗221cの抵抗値Rcよりも十分に高い値(例えば、Ra=160kΩ、Rc=3kΩ)に設定しておくことが望ましい。
【0064】
さらに、スイッチ223b及びワンショット生成部225は、上記の第1放電部(221c、223a、224)によるキャパシタ222の放電動作に先立ち、キャパシタ222の両端間を瞬時的に短絡する第2放電部として機能する。
【0065】
このように、スロープ電圧生成部220は、キャパシタ222の充放電を行うことにより、スロープ電圧V2を生成する。なお、スロープ電圧生成部220で生成されるスロープ電圧V2は、スイッチ電圧SW2のローレベルSW2Lに応じてボトム値V2Bが変動する鋸波状となるが、その詳細については後述する。
【0066】
コンパレータ230は、反転入力端(−)に入力される基準電圧V1と、非反転入力端(+)に入力されるスロープ電圧V2と、を比較してリセット信号S12を生成する。リセット信号S12は、基準電圧V1がスロープ電圧V2よりも高いときにローレベルとなり、基準電圧V1がスロープ電圧V2よりも低いときにハイレベルとなる。
【0067】
なお、オン時間設定部22は、基本的にオン時間設定部21と同様の構成であり、上記の説明について、「SW1」→「SW2」、「SW2」→「SW1」、「LG1」→「LG2」、「LG2」→「LG1」、及び、「S12」→「S22」というように、符号を読み替えることにより、その構成を理解することができる。
【0068】
図7は、オン時間設定部21の一動作例を示すタイミングチャートであり、上から順番に、基準電圧V1及びスロープ電圧V2、リセット信号S12、スイッチ電圧SW1及びSW2、スイッチ制御信号Sa及びSb、並びに、コイル電流IL1及びIL2が描写されている。
【0069】
時刻t11において、スロープ電圧V2が基準電圧V1よりも高くなり、リセット信号S12がローレベルからハイレベルに立ち上げられると、スイッチ電圧SW1がハイレベル期間からローレベル期間(=時刻t11〜t14)に移行される。
【0070】
このとき、スイッチ制御信号Sbには、ワンショットパルスが生成されるので、キャパシタ222の両端間が瞬時的に短絡されて、スロープ電圧V2がゼロ値(=GND)まで遅滞なく引き下げられる。ただし、スロープ電圧V2の急速放電が必須でない場合(例えば、スイッチング周波数がそれほど高くない場合)には、スロープ電圧生成部220のスイッチ223bとワンショット生成部225を省略しても構わない。
【0071】
また、スイッチ電圧SW1のローレベル期間において、スイッチ電圧SW2もローレベルであるとき(時刻t11〜t12、並びに、時刻t13〜t14)には、ゲート信号LG1及びLG2がいずれもハイレベルとなるので、スイッチ制御信号Saがハイレベルとなる。その結果、キャパシタ222の第1端とスイッチ電圧SW2の入力端との間が導通されるので、スロープ電圧V2がゼロ値(=GND)から負のボトム値V2B(=SW2L)までさらに引き下げられる。
【0072】
なお、スイッチ電圧SW1のローレベル期間において、スイッチ電圧SW2がハイレベルであるとき(時刻t12〜t13)には、スイッチ制御信号Saがローレベルとなる。従って、スイッチ電圧SW2のハイレベルSW2Hを用いてスロープ電圧V2が充電されることはない。
【0073】
その後、時刻t14において、スイッチ電圧SW1がローレベル期間から再びハイレベル期間に移行されると、スイッチ制御信号Saがローレベルとなる。その結果、キャパシタ222の放電経路が遮断されるので、充電電流Ichgを用いたキャパシタ222の充電動作により、スロープ電圧V2が負のボトム値V2Bから所定の傾きで上昇し始める。
【0074】
そして、時刻t15において、スロープ電圧V2が基準電圧V1よりも高くなり、リセット信号S12がローレベルからハイレベルに立ち上げられると、スイッチ電圧SW1がハイレベル期間から再びローレベル期間に移行される。時刻t15以降においても、上記と同様の動作が繰り返される。
【0075】
このように、本実施形態のオン時間設定部21では、スロープ電圧V2が始点値(=V2B)から終点値(=V1)に至るまでの所要時間(=時刻t14〜t15)がスイッチ出力段51のオン時間Ton1として設定されることになる。
【0076】
なお、基準電圧V1がスイッチ電圧SW1のオンデューティ(ないしは出力電圧Vout)に対する依存性を持ち、スロープ電圧V2の傾き(=充電電流Ichgの大きさ)がスイッチ電圧SW1のハイレベルSW1H(延いては入力電圧Vin)に対する依存性を持つように、基準電圧V1及びスロープ電圧V2をそれぞれ生成することにより、スイッチング周波数の変動を抑制することが可能となる。ただし、このような機能が必要でない場合には、例えば、充電電流Ichgを固定値としても構わない。
【0077】
また、本実施形態のオン時間設定部21において、オン時間Ton1を設定するためのスロープ電圧V2は、ゼロ値(=GND)からではなく、スイッチ電圧SW2のローレベルSW2Lに応じた負のボトム値V2Bから上昇し始める。
【0078】
なお、
図8(=
図7の領域αの拡大図)で示したように、スイッチ電圧SW2のローレベルSW2Lは、コイル電流IL2に応じた電圧値(=−IL2×Ron(N2))を持つ。従って、オン時間設定部21では、コイル電流IL2を反映したオン時間Ton1の設定が行われる。
【0079】
一方、オン時間設定部22では、上記と逆に、コイル電流IL1を反映したオン時間Ton2の設定が行われる。これらのオン時間設定動作により、コイルL1及びL2それぞれの抵抗値が異なるときでも、コイル電流IL1及びIL2の平衡状態を維持することが可能となる。以下では、
図9を参照しながら、電流バランス機能の動作原理を説明する。
【0080】
図9は、コイル電流IL1及びIL2とオン時間Ton1及びTon2との相関図である。本図の上段には、オン時間設定部21の基準電圧V1及びスロープ電圧V2が描写されており、本図の下段には、オン時間設定部22の基準電圧V3及びスロープ電圧V4が描写されている。なお、基準電圧V3及びスロープ電圧V4は、それぞれ、基準電圧V1及びスロープ電圧V2に対応する電圧信号として理解すればよい。
【0081】
例えば、IL1=IL2である平衡状態(紙面中央)からIL1>IL2である非平衡状態(紙面左側)に遷移した場合を考える。この場合、コイル電流IL2の減少に伴ってスロープ電圧V2のボトム値V2Bが上昇し、コイル電流IL1の増大に伴ってスロープ電圧V4のボトム値V4Bが低下する。その結果、オン時間Ton1が短縮されてオン時間Ton2が延長される。すなわち、コイル電流IL1を減らしてコイル電流IL2を増やすように帰還が掛かるので、コイル電流IL1及びIL2が平衡状態に戻る。
【0082】
また、IL1=IL2である平衡状態(紙面中央)からIL1<IL2である非平衡状態(紙面右側)に遷移した場合を考える。この場合、コイル電流IL2の増大に伴ってスロープ電圧V2のボトム値V2Bが低下し、コイル電流IL1の減少に伴ってスロープ電圧V4のボトム値V4Bが上昇する。その結果、オン時間Ton1が延長されてオン時間Ton2が短縮される。すなわち、コイル電流IL1を増やしてコイル電流IL2を減らすように帰還が掛かるので、コイル電流IL1及びIL2が平衡状態に戻る。
【0083】
図10は、コイルL1及びL2それぞれの抵抗値が異なるとき(例えば±30%のばらつきが生じたとき)でも電流バランスが取れている様子を示す出力波形図であり、上から順に、スイッチ電圧SW1及びSW2、出力電圧Vout、並びに、コイル電流IL1及びIL2が描写されている。本図で示したように、電流バランス機能の導入により、コイルL1及びL2それぞれの抵抗値が異なるときでも、コイル電流IL1及びIL2の平衡状態を維持することが可能となる。
【0084】
<オン時間設定部(第2実施形態)>
図11は、オン時間設定部21の第2実施形態を示す図である。本実施形態のオン時間設定部21は、先の第1実施形態(
図6)をベースとしつつ、3相のスイッチ出力段を備えたスイッチングレギュレータXへの適用が考慮されている点に特徴を有する。そこで、第1実施形態と同様の構成要素については、
図6と同一の符号を付すことにより重複した説明を割愛し、以下では、本実施形態の特徴部分について重点的な説明を行う。
【0085】
本実施形態のオン時間設定部21では、スイッチングレギュレータXの相数nが「2」から「3」に増えたことに伴い、スロープ電圧生成部220の回路構成に若干の変更が加えられている。
【0086】
まず、第1の変更点として、スイッチ223aの第1端は、抵抗221cを介してスイッチ電圧SW2の入力端に接続されているだけでなく、別途新たに追加された抵抗221dを介してスイッチ電圧SW3(=3相目のスイッチ出力段に現れるスイッチ電圧)の入力端にも接続されている。すなわち、スイッチ223aがオンされているときには、スイッチ電圧SW2及びSW3双方を用いてキャパシタ222が放電される。
【0087】
また、第2の変更点として、論理積演算器224には、ゲート信号LG1及びLG2だけでなく、ゲート信号LG3(=3相目のスイッチ出力段に供給される下側ゲート信号)も入力されている。すなわち、スイッチ223aは、ゲート信号LG1〜LG3がいずれもハイレベルであるときにオンし、ゲート信号LG1〜LG3の少なくとも一つがローレベルであるときにオフする。
【0088】
このように、スイッチ出力段の相数nを増やしても、オン時間設定部21は、これまでに説明してきた回路構成と基本的に同様であり、自相以外のスイッチ出力段に現れるスイッチ電圧SW2〜SWn(延いては自相以外のスイッチ出力段に流れるコイル電流IL2〜ILnの大きさ)を反映して、オン時間Ton1(=制御信号S13のパルス幅)を設定するように、若干の変更を加えれば足りる。
【0089】
なお、オン時間設定部22(及びその他のオン時間設定部)についても、基本的にオン時間設定部21と同様の構成であるので、重複した説明は割愛する。
【0090】
<オン時間設定部(第3実施形態)>
図12は、オン時間設定部21の第3実施形態を示す図である。本実施形態のオン時間設定部21は、先の第1実施形態(
図6)をベースとしつつ、軽負荷時の出力スキップ機能を備えたスイッチングレギュレータXへの適用が考慮されている点に特徴を有する。そこで、第1実施形態と同様の構成要素については、
図6と同一の符号を付すことにより重複した説明を割愛し、以下では、本実施形態の特徴部分について重点的な説明を行う。
【0091】
上記の出力スキップ機能とは、軽負荷時にスイッチ出力段51及び52をいずれも出力ハイインピーダンス状態としてスイッチングレギュレータXの消費電力を削減する機能である。なお、出力スキップ機能の導入に際しては、例えば、コイル電流IL1及びIL2の逆流検出時にハイレベルとなる出力スキップ信号SKIPを用意しておき、この出力スキップ信号SKIPを用いてドライバ41及び42の出力可否を制御してやればよい。
【0092】
ところで、出力スキップ中(SKIP=H)には、スイッチ出力段51及び52をいずれも出力ハイインピーダンス状態とすべく、HG1=HG2=H、かつ、LG1=LG2=Lとなる。そのため、第1実施形態(
図6)の構成では、Sa=Sb=Lとなり、スイッチ223a及び223bがいずれもオフするので、キャパシタ222がスイッチ電圧SW1(出力スキップ中はSW=Vout)を用いて充電された状態となる。
【0093】
一方、本実施形態のオン時間設定部21は、スイッチ制御信号Sbと出力スキップ信号SKIPとの論理和演算によりスイッチ制御信号Sb’を生成する論理和演算器226をさらに含み、このスイッチ制御信号Sb’を用いてスイッチ223bのオン/オフ制御を行う構成とされている。なお、出力スキップ信号SKIPがローレベル(=出力スキップ解除時の論理レベル)であるときには、Sb’=Sbとなり、出力スキップ信号SKIPがハイレベル(=出力スキップ時の論理レベル)であるときには、スイッチ制御信号Sbの論理レベルに依ることなく、スイッチ制御信号Sb’がハイレベルに固定される。
【0094】
すなわち、軽負荷時の出力スキップ中(SKIP=H)には、スイッチ223bをオンしてキャパシタ222の両端間を短絡し続けることができるので、スロープ電圧V2を接地電圧GNDに固定しておくことが可能となる。
【0095】
また、軽負荷時の出力スキップ中(LG1=LG2=L)には、スイッチ制御信号Saがローレベルとなり、スイッチ223aがオフするので、スイッチ電圧SW2がマスクされた状態となる。
【0096】
なお、オン時間設定部22についても、基本的にオン時間設定部21と同様の構成であるので、重複した説明は割愛する。
【0097】
<その他の変形例>
なお、上記の実施形態では、ボトム検出型オン時間制御方式のスイッチングレギュレータを例示したが、スイッチングレギュレータの出力帰還制御方式は、これに限定されるものではなく、その他の非線形制御方式(ピーク検出型オフ時間制御方式など)を採用することも可能である。
【0098】
このように、本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。