特許第6863794号(P6863794)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6863794
(24)【登録日】2021年4月5日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】計量機構
(51)【国際特許分類】
   G01G 17/04 20060101AFI20210412BHJP
【FI】
   G01G17/04 Z
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-65475(P2017-65475)
(22)【出願日】2017年3月29日
(65)【公開番号】特開2018-169229(P2018-169229A)
(43)【公開日】2018年11月1日
【審査請求日】2019年10月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000219314
【氏名又は名称】東レエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井中 千草
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 主
(72)【発明者】
【氏名】中北 和徳
【審査官】 岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−69150(JP,A)
【文献】 特開2000−051685(JP,A)
【文献】 特開平9−10568(JP,A)
【文献】 米国特許第6000445(US,A)
【文献】 特開平7−63598(JP,A)
【文献】 特開昭63−274440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 1/00−23/48
B01F15/04
B01J 4/02
B01J14/00
B07B61/00
G01N35/00−35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の溶液を選択的に取得して計量する計量機構であって、
前記溶液が通る配管の下流側端部側を保持する保持部と、前記配管の下流側端部から流出した溶液を受ける計量容器と、前記計量容器における重量を測定する重量センサと、前記計量容器を収容すると共にガスが充填される密閉容器と、前記密閉容器内のガスの圧力を調整する調整手段と、を備え、
前記保持部と前記計量容器とは非接触の状態で設けられていて、
前記保持部と前記計量容器とが非接触とされていることで形成されている当該計量容器の開口を通じて、当該計量容器内の溶液に作用する前記ガスの圧力によって、当該計量容器内の溶液を外部へ圧送する、計量機構。
【請求項2】
前記保持部は、複数種類の前記溶液それぞれが通る複数の配管を集約して保持し、前記計量容器は、複数の前記配管から流出した溶液を受ける、請求項1に記載の計量機構。
【請求項3】
前記計量容器と接続されており計量した溶液を別領域に送り出すための出口側配管を備えており、前記出口側配管は、一端部が前記計量容器に接続されかつ他端部が別部材に支持され当該一端部と当該他端部との間の距離よりも長く形成され全体として変形可能である余長部により構成されている、請求項1又は2に記載の計量機構。
【請求項4】
複数種類の溶液を選択的に取得して計量し計量した溶液を反応容器に送るための計量機構であって、
複数種類の前記溶液それぞれが通る複数の配管を集約して複数の当該配管の下流側端部側を保持する保持部と、
複数の前記配管の下流側端部から流出した溶液を受ける計量容器と、
前記計量容器における重量を測定する重量センサと、
を備え、
前記計量容器の開口部に複数の前記配管が集約して設けられていて、前記保持部が保持する複数の前記配管の下流側端部はそれぞれ互いに非接触であり、かつ、当該複数の配管の下流側端部と前記計量容器とは非接触の状態で設けられていて、
前記計量容器を吊り下げた状態で支持し当該計量容器における重量を受けるアーム部を更に備え、前記重量センサは前記アーム部を介して前記重量を測定し、
前記計量容器において計量した溶液を前記反応容器に送り出すための出口側配管を更に備え、当該出口側配管は前記計量容器の下端に接続されている、計量機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンパク質、ペプチド、核酸等を化学合成するための合成装置等に用いられる計量機構に関する。
【背景技術】
【0002】
タンパク質、ペプチド、核酸等を化学合成する方法として、反応容器に複数種類の溶液(試薬)を順に供給し、この反応容器内において反応を進める方法がある。例えば、核酸を合成する場合、反応容器内にビーズを多数設け、この反応容器に溶液を順次供給しながら、脱トリチル化、カップリング、酸化、及びキャッピングの処理を繰り返し行い、ビーズから塩基を次々と結合させる。
【0003】
用いられる溶液は数十種類(例えば20種類)とされることもあり、これら溶液を選択的に反応容器へ送り、溶液に含まれる分子材料により合成物(核酸)が生成される。このような化学合成を行うための装置として例えば特許文献1に記載の合成装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2002−518526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図4は、従来の合成装置を簡略化して示す説明図である。この合成装置は、複数種類の溶液99a,99b,99cをそれぞれ別々に収容する収容容器90a,90b,90cと、溶液99a,99b,99cを混合させる反応容器94と、この反応容器94を収容するチャンバー95とを備えており、それぞれの収容容器90a,90b,90cと、チャンバー95とが配管91a,91b,91cにより接続されている。図4の例では、配管91a,91b,91cが、それぞれ第一の位置P1、第二の位置P2、第三の位置P3に対応して設けられている。一方、反応容器94は、チャンバー95内を図外のアクチュエータによって移動できるように構成されており、第一の位置P1、第二の位置P2、第三の位置P3に移動し、停止できるようになっている。このため、反応容器94は、合成物(核酸)の生成に必要となる混合すべき溶液99a,99b,99cの位置(第一の位置P1、第二の位置P2、第三の位置P3)に選択的に移動し、各位置で、配管91a,91b,91cの下流側端部から供給される溶液99a,99b,99cを順次受け取るように構成されている。
【0006】
そして、反応容器94への溶液99a,99b,99cの供給は、収容容器90a,90b,90c内の溶液99a,99b,99cを加圧することにより行われ、収容容器90a,90b,90c内に不活性ガス等を供給することにより送液されるようになっている。ところが、圧送により溶液99a,99b,99cを供給すると、圧力と時間の設定だけで送液されるため、圧力変動等の影響により送液量にバラツキが生じやすい。そのため、反応容器94への供給量に過不足が生じることにより、予定された薬液の合成が行えない結果になる虞がある。そこで、安全を見て、複数種類の溶液99a,99b,99cそれぞれに関して、理論上必要とされる量よりも数倍を超える量を反応容器94に供給している。このように従来では、過剰の溶液を用いており、特に合成物を量産化する場合、コスト高となってしまう。
【0007】
そこで、本発明は、溶液の利用効率を改善するために、溶液の計量を正確に行う計量機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数種類の溶液を選択的に取得して計量する計量機構であって、前記溶液が通る配管の下流側端部側を保持する保持部と、前記配管の下流側端部から流出した溶液を受ける計量容器と、前記計量容器における重量を測定する重量センサと、を備え、前記保持部と前記計量容器とは非接触の状態で設けられている。
本発明によれば、溶液の量を管理することが可能となる。そして、溶液が通る配管が計量容器と接触していると、例えば配管に張力が作用している場合、重量センサによる計量結果に悪影響を及ぼすが、前記構成によれば、配管の影響を重量センサに及ぼすことがなく、精度の高い計量が可能となる。
【0009】
また、前記保持部は、複数種類の前記溶液それぞれが通る複数の配管を集約して保持し、前記計量容器は、複数の前記配管から流出した溶液を受けるのが好ましい。この場合、必要となる溶液は複数種類存在しているが、計量のために用いられる計量容器及びセンサを共通化することができる。
【0010】
また、前記計量機構は、更に、前記計量容器を収容すると共にガスが充填される密閉容器を備えているのが好ましい。この構成によれば、使用される複数種類の溶液の中に、大気(外気)と接触すると変質したり劣化したりする溶液が含まれていても、品質を落とさずに済む。
【0011】
また、前記計量機構は、前記計量容器と接続されており計量した溶液を別領域に送り出すための出口側配管を備えており、前記出口側配管は、一端部が前記計量容器に接続されかつ他端部が別部材に支持され当該一端部と当該他端部との間の距離よりも長く形成され全体として変形可能である余長部により構成されているのが好ましい。前記出口側配管に外力として例えば張力が作用している場合、重量センサによる計量結果に悪影響を及ぼすが、前記構成によれば、余長部が全体として弾性変形することにより前記外力を逃がすことができ、出口側配管の影響が重量センサに及び難くなり、精度の高い計量が可能となる。
【0012】
また、前記密閉容器を備えている前記計量機構は、更に、前記密閉容器内のガスの圧力を調整する調整手段を備え、前記保持部と前記計量容器とが非接触とされていることで形成されている当該計量容器の開口を通じて、当該計量容器内の溶液に作用する前記ガスの圧力によって、当該計量容器内の溶液を外部へ圧送するのが好ましい。この構成によれば、密閉容器内のガスによって計量容器の溶液を圧送することができる。このため、送液のポンプが不要となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、溶液の利用効率を改善するために、溶液の量を管理することが可能となり、また、精度の高い計量を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の計量機構を備えている合成装置の一例を示す構成図である。
図2】計量機構の概略構成を示す図である。
図3】保持部を下から見た説明図である。
図4】従来の合成装置を簡略化して示す説明図である。
図5】ポンプを用いた合成装置の参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
〔合成装置の全体構成について〕
図1は、本発明の計量機構を備えている合成装置の一例を示す構成図である。この合成装置は、タンパク質、ペプチド、核酸等を化学合成するための装置であり、反応容器9に複数種類の溶液(試薬)を順に供給し、この反応容器9内において化学合成を進める。核酸を合成する場合、反応容器9内にビーズを多数設け、この反応容器9に溶液を順次供給しながら、脱トリチル化、カップリング、酸化、及びキャッピングの処理を繰り返し行い、ビーズから例えば塩基のような分子材料を次々と結合させる。用いられる溶液は数十種類(例えば20種類)とされ、これら溶液を選択的に反応容器9へ送り、溶液に含まれる分子材料により合成物(核酸)が生成される。
【0016】
本実施形態では、用いられる溶液(試薬)は19種類である。なお、この数は化学合成する生成物に応じて変更される。溶液の種類と同数(19個)の収容容器(試薬瓶)2−1、2−2、・・・を設ける領域を合成装置3は備えており、収容容器2−1、2−2・・・それぞれに各溶液が溜められている。なお、図1では、二つの収容容器(2−1と2−2)のみを示しており、その他の収容容器(2−3〜2−19)については図示省略している。また、合成装置3は、洗浄液を溜める収容容器2−20も備えている。収容容器2−1〜2−20はそれぞれ(大きさ等は異なることがあるが)同様の構成である。以下において、収容容器に付する符号を単に「2」とする。各収容容器2は、密閉容器であるが、導入管5及び導出管6が繋がっている。
【0017】
合成装置3は、加圧ガスを溜めているタンク4、前記導入管5、前記導出管6、中間容器7、中間配管8、反応容器9、計量機構15、及び制御装置16を備えている。タンク4には大気よりも高圧のガスが充填されており、本実施形態では、不活性ガスとしてアルゴンガスが充填されている。不活性ガスの代わりに無菌化されたガス(エア)であってもよい。複数の収容容器2と同数(本実施形態では20本)の導入管5は、共通する上流側配管10から分岐した配管であり、この上流側配管10にはレギュレータ(電空レギュレータ)11及び開閉バルブ12が設けられている。上流側配管10は、タンク4と接続されており、加圧ガスが各収容容器2に供給され、レギュレータ11により各収容容器2の内圧が調整される。加圧ガスにより各収容容器2の内圧が高まり、収容容器2の溶液は導出管6から圧送される。つまり、各収容容器2と中間容器7との差圧で各収容容器2の溶液が導出管6を通じて中間容器7へ圧送される。以上より、本実施形態では、収容容器2の溶液を送る送液手段24は圧送方式のものであり、この送液手段24には、タンク4、上流側配管10、レギュレータ11、開閉バルブ12、及び導入管5が含まれる。
【0018】
溶液を収容している収容容器2と接続されている導出管6それぞれにはバルブ14が設けられている。本実施形態のバルブ14はピンチバルブである。導出管6は、少なくとも一部が弾性変形可能な配管(チューブ)によって構成されており、ピンチバルブ14は、この導出管6(前記一部)を潰すことにより、導出管6において収容容器2からの溶液の流れを停止させる機能を有すると共に、流れる溶液の流量を調整する機能を有する。開状態とするピンチバルブ14を選択することで、複数の収容容器2の溶液の中から所定の溶液を選択的に導出管6を通じて中間容器7へ送る(圧送する)ことができる。開状態とするピンチバルブ14の選択は制御装置16によって行われる。つまり、制御装置16が、その内部メモリに記憶されているプログラムに従って、開状態とするための信号を所定のピンチバルブ14に送信し、他のピンチバルブ14は閉状態を維持させる。なお、導出管6に設けられるバルブは、ピンチバルブ14以外であってもよい。
【0019】
中間容器7は、後にも説明するが、各溶液を計量するための容器となる。この中間容器7は、各溶液を溜めることができる有底筒状の容器であり(図2参照)、本実施形態では、中間容器7の入口領域(開口部7a)に複数の導出管6が集約して設けられている。このため、選択的に導出管6を通じて送られた溶液が中間容器7に導入され、この中間容器7に溜められる。中間容器7は収容容器2の数よりも少なくされており、本実施形態では、中間容器7が一つのみ設けられている。つまり、複数種類の溶液のために中間容器7は共用されている。
【0020】
計量機構15は、中間容器7に溜められる溶液を計量するものである。この計量機構15では、中間容器7を計量容器として機能させる。計量機構15による計量結果は、制御装置16(図1参照)に送信され、制御装置16は、計量結果に基づいてピンチバルブ14の開閉動作制御を行い、規定量の溶液を中間容器7において取得する。そして、この規定量の溶液を中間配管8を通じて反応容器9へ送る。中間配管8には、開閉バルブ21が設けられており、計量を行う際、開閉バルブ21は閉状態にある。
【0021】
中間容器7から反応容器9への溶液の供給方式は圧送であり、タンク4の加圧ガスを用いる。この圧送の際、開閉バルブ21は開状態となる。この圧送のために、計量機構15は、中間容器7を収容する密閉容器29を備えている。密閉容器29とタンク4との間には加圧ガス用の配管17が設けられている。この配管17には、第二のレギュレータ(電空レギュレータ)18が設けられている。後にも説明するが、中間容器7は、密閉容器29内で開口しており(開口部7a)、密閉容器29内の加圧ガスの圧力(内圧)が中間容器7に溜められている溶液に作用し、密閉容器29(中間容器7)と反応容器9との差圧で中間容器7の溶液が中間配管8を通じて反応容器9へ圧送される。
【0022】
以上より、複数の収容容器2の内の少なくとも一つから溶液が選択的に中間容器7へ送られ、この中間容器7で計量が行われると、反応容器9へ送られる。このような反応容器9への溶液の供給が、溶液の種類を変更しながら繰り返し行われ、複数種類の溶液が反応容器9に順に供給され、この反応容器9内において化学合成が進められる。本実施形態では、反応容器9には、多数のビーズが設けられており、ビーズから塩基を次々と結合させ、核酸が合成される。
【0023】
反応容器9では、中間配管(一次側流路)8から溶液が供給されると、この溶液を通過させ、排出側の配管19(二次側流路)を通じて排出する。
【0024】
前記の各種バルブ(ピンチバルブ14、開閉バルブ12,21)の動作制御は、制御装置16によって行われる。また、レギュレータ11,18の動作制御も制御装置16によって行われる。
【0025】
以上のように、この合成装置3は、複数種類の溶液を選択的に反応容器9に送って、この反応容器9において、各溶液に含まれる材料を用いて化学合成をする。本実施形態では、複数種類の溶液が収容されている複数の収容容器2それぞれから、複数の配管として複数の導出管6が延びて設けられており、タンク4、上流側配管10及び導入管5等を含む送液手段24によって、各収容容器2の溶液が導出管6を通じて中間容器7へ送られ、更に反応容器9へ送られる構成である。そして、各収容容器2から反応容器9までの間であって、複数の前記配管(導出管6)を含む全体流路25の途中に、計量機構15が設けられており、この計量機構15によって、反応容器9に送る溶液が中間容器7において計量される。反応容器9では、複数の収容容器2から選択的に送られた規定量の溶液が入れられ、各溶液に含まれる材料により合成物が生成される。なお、前記全体流路25には、収容容器2よりも下流側(反応容器9側)の流路が含まれ、導出管6の他に、中間配管8が含まれる。全体流路25に含まれる配管や各機器は、溶液の溶剤(溶媒)に耐える性質(耐溶剤性)を有している。
【0026】
〔計量機構15について〕
計量機構15は、計量容器として機能する前記中間容器7と、センサ26とを有している。中間容器(計量容器)7は、前記のとおり、全体流路25の途中に設けられており、複数の導出管6から選択的に流出した溶液を受ける。図2に示す計量機構15が有するセンサ26は、中間容器7における重量を測定する。具体的構成を説明すると、センサ26は重量センサであり、本実施形態ではひずみ式のロードセルにより構成されている。この計量機構15によれば、中間容器7に溜められる溶液の重量を測定することで、中間容器7において溶液を精度よく計測することができる。なお、本実施形態では、ひずみ式のロードセルを用いる例について説明するが、電磁式、圧電素子式、静電容量型、磁歪式、ジャイロ式などあらゆるロードセルを使用することができ、これらを用いて本発明の重量センサを構成してもよい。
【0027】
図2に示す計量機構15は、導出管6から流出した溶液を受ける中間容器7、及び、この中間容器7における重量を測定する重量センサ26の他に、保持部27を有している。保持部27は、中間容器7の開口部7aの近傍に設けられており、複数の導出管6を一箇所に集約して保持している。本実施形態では、収容容器2と同数である20本の導出管6が集約されて、保持部27によって保持されている。図2に示すように、密閉容器29の上壁29aに設けられているフランジ部36を、複数の導出管6が貫通しており、これら導出管6の下流側端部6a側を保持部27が集約して保持している。導出管6がフランジ部36を貫通しているが、これらの間は気密性が確保されている(つまり、シールされている)。なお、本実施形態では、導出管6と収容容器2とが同数の場合について説明するが、計量を必要としない溶液の収容容器2がある場合には、その収容容器2から延びる導出管6は、保持部27に保持されることなく、中間容器7よりも下流側に位置する中間配管8に接続させるように構成してもよい。
【0028】
中間容器7は、密閉容器29内において吊り下げられた状態で設けられている。このために、密閉容器29内に支持部材28が設けられており、この支持部材28が有する第一アーム部28aに中間容器7が支持されており、中間容器7及びこの中間容器7に溜められる溶液の重量は、第一アーム部28aが受ける構成となっている。第一アーム部28aの基部側に重量センサ(ロードセル)26が取り付けられており、重量センサ26はアーム部28aを介して中間容器7(溶液を含む)の重量を測定する。重量センサ26の信号は制御装置16(図1参照)に入力される。また、支持部材28が有する第二アーム部28bに保持部27(第一部材27a)が支持されている。第一アーム部28aと第二アーム部28bとは独立して設けられており、相互間で力の伝達は生じない。
【0029】
保持部27は、複数の導出管6の下流側端部6aよりも上流側の部分6bを集約して保持している第一部材27aと、下流側端部6aを集約して保持している第二部材27bとを有しており、これらは互いに図示しない連結部で連結されている。第一部材27aは板状の部材であり、導出管6が貫通している。図3は、保持部27(第二部材27b)を下から見た説明図である。第二部材27bは板状の部材であり、導出管6の下流側端部6aが貫通している。第二部材27bでは、全ての下流側端部6aが第一部材27aが保持する間隔よりも狭い間隔で互いに離れて配置されている。つまり、第二部材27bは、スペーサとしての機能を有し、一つの下流側端部6aを他の下流側端部6aと非接触の状態とし、一つの導出管6の下流側端部6aから流出する溶液が、他の導出管6の下流側端部6aに接触しないようにしている(つまり、供給すべき一つの導出管6の下流側端部6aから流出する溶液と、他の導出管6の下流側端部6aに付着した溶液とが混ざらないようにしている)。
【0030】
図2において、第一部材27aは、中間容器7の上方(外側)に位置しており、第二部材27bは、中間容器7の内側に位置しているが、これら第一部材27a及び第二部材27bを含む保持部27、並びにこの保持部27に保持されている複数の導出管6(下流側端部6a)は、中間容器7に非接触の状態にある。このため、中間容器7は、上部において開口した状態となっており、つまり、保持部27によって蓋がされておらず、中間容器7は、密閉容器29内で開口した状態にある。これにより、前記のとおり、密閉容器29内の加圧ガスの圧力(内圧)が中間容器7に溜められる溶液に作用することができ、計量後、密閉容器29と反応容器9との差圧で中間容器7の溶液が反応容器9へ圧送される。
【0031】
このように、本実施形態の計量機構15では、複数本の導出管6が中間容器7に集約されており、複数本の導出管6から選択的に溶液が供給されることから、複数種類の溶液を選択的に取得して計量することが可能となる。このため、溶液の量を管理することが可能となり、規定量の溶液を正確に反応容器9へ送ることができる。そして、前記のとおり、保持部27と中間容器7とは非接触の状態で設けられている。このため、導出管6には張力が作用する場合があるが、この張力による荷重が、重量センサ26の測定に影響を与えない。仮に、導出管6(及び保持部27)が中間容器7と接触していると、導出管6に張力が作用している場合、重量センサ26による計量結果に悪影響を及ぼす。しかし、本実施形態の構成によれば、導出管6の影響を重量センサ26に及ぼすことがなく、精度の高い計量が可能となり、規定量の溶液をより一層正確に反応容器9へ送ることができる。
【0032】
図2に示すように、計量機構15は、中間容器7と接続されている出口側配管30を有しており、出口側配管30は中間配管8と接続されている。出口側配管30は、中間容器7において計量した溶液を、中間配管8を通じて反応容器9(別領域)に送り出すための流路である。出口側配管30は、密閉容器29内に配置されており、出口側配管30の一端部30aが中間容器7の下端に接続されており、出口側配管30の他端部30bが密閉容器29の底壁29b(別部材)に支持されている。そして、出口側配管30は全体として螺旋形状である弾性チューブにより構成されている。出口側配管30に外力として張力が作用している場合、重量センサ26による計量結果に悪影響を及ぼすが、本実施形態の構成によれば、螺旋形状のチューブが全体として弾性変形することにより前記張力を逃がすことができる。この結果、出口側配管30の影響が重量センサ26に及び難くなり、より一層精度の高い計量が可能となる。なお、本実施形態の出口側配管30は、螺旋形状を有する場合について説明したが、計量容器7を保持する重量センサ26に影響を与えない程度に余長を有する形状であればよく、U字形状に曲げたもの等であってもよい。このように、出口側配管30は、一端部30aが中間容器7に接続されかつ他端部30bが密閉容器29に支持されており、これら一端部30aと他端部30bとの間の距離(直線距離)よりも長く形成され全体として変形可能である余長部により構成されていればよい。つまり、前記余長部を、螺旋形状のチューブや、U字形状に曲げられたチューブとすればよい。
【0033】
前記のとおり、密閉容器29は中間容器7を収容しており、中間容器7の上部は密閉容器29内において開口している。このため、密閉容器29内のガスが、中間容器7に導入された溶液に触れることとなる。そこで、密閉容器29には、前記溶液への影響が小さいガスが充填されている。このガスとしては、前記のとおり、不活性ガスや無菌化されたガス(エア)を採用することができる。本実施形態では、密閉容器29には不活性ガスとしてアルゴンガスが充填されており、このガスはタンク4から供給される。このため、合成装置3において使用される複数種類の溶液の中に、大気(外気)と接触すると変質したり劣化したりする溶液が含まれていても、品質を落とすことなく合成物の生成が可能となる。
【0034】
密閉容器29に充填されるガスは、更に、中間容器7において溜められた(計量された)溶液を反応容器9へ圧送するための媒体としても用いられる。密閉容器29とタンク4とを繋ぐ加圧ガス用の配管17(図1参照)に設けられているレギュレータ18は、密閉容器29へ供給するガス量を調整する。これにより、密閉容器29の内圧が調整され、中間容器7に溜められている溶液の圧力が制御される。これにより、密閉容器29(中間容器7)と反応容器9との間に圧力差を生じさせ、この圧力差によって中間容器7の溶液を反応容器9へ圧送する。
【0035】
以上のように、本実施形態の計量機構15は、中間容器7に溜められ計量された溶液を反応容器9へ送るための機能も備えている。つまり、密閉容器29内のガスの圧力を調整する調整手段としてレギュレータ18を備えている。そして、前記のとおり、複数の導出管6を集約して保持している保持部27と、中間容器7とが非接触とされていることで、密閉容器29内において、中間容器7には開口部7aが形成されている。この開口部7aを通じて、中間容器7内の溶液に作用する前記ガスの圧力によって、この中間容器7内の溶液を外部へ圧送することができる。
【0036】
本実施形態では、複数の収容容器2から中間容器7への溶液の送り、及び、中間容器7から反応容器9への溶液の送りは、タンク4を含む送液手段24により行われることから、送液のためのポンプ(電動ポンプや油圧ポンプ)が不要となる。また、複数の収容容器から中間容器7への溶液の送りと、中間容器7から反応容器9への溶液の送りとを、共通するタンク4の加圧エアによって行うことで、合成装置3を簡素化することができる。
【0037】
〔計量の処理について〕
以上の構成を備えている合成装置3において、計量機構15が行う溶液の計量処理について説明する。
計量の精度を高めるために合成装置3は、溶液の送液速度を調整する調整手段32(図1参照)を備えている。調整手段32を各導出管6に設け、導出管6それぞれにおいて流れる溶液の送液速度(単位時間あたりの流量)を調整する構成としてもよいが、本実施形態では、上流側配管10に設けられているレギュレータ11を前記調整手段32として機能させている。この構成により、複数の導出管6それぞれに調整手段32を設ける必要がなくなり、合成装置3を簡素化することができる。
【0038】
本実施形態では、前記のとおり、各収容容器2から、計量が行われる中間容器7への溶液の送液は圧送方式による。収容容器2の内圧を高くすると中間容器7へ溶液を供給する際の送液速度は高くなり、内圧を低くすると中間容器7へ溶液を供給する際の送液速度は低くなる。つまり、レギュレータ11を調節することによって収容容器2の内圧を高くすることにより、中間容器7への送液速度を高くすることができる。逆に、レギュレータ11を調節することによって収容容器2の内圧を低くすることにより、中間容器7への送液速度を低下させることができる。
【0039】
そこで、本実施形態では、中間容器7において計量の処理を行うために中間容器7に溶液を圧送するが、計量を行う対象となる溶液の送液速度をレギュレータ11(調整手段32)によって調整する。これは、送液速度が高い場合、特に計量の目標量が少ないと、計量において誤差が生じやすいためである。例えば、目標量を越えて計量されてしまう可能性が高くなる。そこで、本実施形態では、レギュレータ11によって中間容器7への溶液の送液速度を、予め設定されている閾値よりも低下させる。これにより計量誤差を抑制している。
【0040】
しかし、計量のために送液速度を終始低下させると時間を要して作業効率が低下する場合がある。また、計量のために送液速度を終始高くすると計量誤差が生じやすい。そこで、本実施形態では、中間容器7へ溶液を供給している途中で送液速度を変更している。すなわち、計量において規定量(目標量)に到達しない時間帯(前半)では、送液速度を比較的高くし(閾値よりも高くし)、送液の時間短縮を図る。そして、規定量(目標量)に到達する時間帯(後半)では、送液速度を比較的低く変更し(閾値よりも低く変更し)、計量誤差を抑制している。このように、レギュレータ11は、計量のための送液の終了時間帯では、それ以前の時間帯(終了時間帯よりも前の時間帯)よりも、送液速度を低下させる。なお、レギュレータ11の動作制御は、制御装置16からレギュレータ11に与えられる動作信号に基づいて行われる。この結果、計量のために中間容器7へ溶液を供給する際に、溶液の送液速度を二段階とする。これにより、始め送液速度を高めることにより作業効率を向上させることが可能となり、そして、計量の終了の際に送液速度を低下させることで計量誤差を抑制することが可能となる。
【0041】
送液速度を変更するタイミングは、制御装置16が有するタイマ機能により管理してもよいが、本実施形態では、前記のとおりセンサ26が刻々と重量を検知していることから、規定量未満の所定量(例えば規定量の70%)について溶液が中間容器7に供給されると、制御装置16がレギュレータ11へ信号を出力し、送液速度を低下させるように制御している。
【0042】
また、計量誤差を小さくするために、更に、本実施形態の合成装置3は次の構成を備えている。導出管6それぞれに設けられているバルブ(ピンチバルブ14)は、計量のための中間容器7への送液を停止させるバルブとして機能する。このピンチバルブ14の開閉の動作は、制御装置16からの指令信号に基づく。そこで、制御装置16は、中間容器7に溜まっていく溶液が規定量(目標量)に達する前に、ピンチバルブ14に対して閉動作の指令信号を出力する。なお、このように閉動作を早めに開始させる処理を行うために、ピンチバルブ14の閉動作に要する時間が測定されており、この時間についての情報に基づいて、制御装置16は、溶液が規定量(目標量)に達する前にピンチバルブ14に閉動作を開始させる。または、別の手段として、閉動作を早めに開始させる処理を行うために、ピンチバルブ14の閉動作中に送液される溶液の流量の情報が予め取得されており、この流量の情報に基づいて、制御装置16は、溶液が規定量(目標量)に達する前にピンチバルブ14に閉動作を開始させる。更に、別の手段として、ピンチバルブ14の閉動作に要する時間が測定されており、かつ、閉動作中に送液される溶液の流量の情報が予め取得されており、この時間についての情報と、閉動作中の前記流量の情報とに基づいて、制御装置16は、溶液が規定量(目標量)に達する前にピンチバルブ14に閉動作を開始させてもよい。前記各形態の構成によれば、ピンチバルブ14の閉動作の間に流れる溶液を見込んで、ピンチバルブ14を予め早いタイミングで閉動作を開始させることにより、規定量(目標量)を精度良く得ることが可能となる。
【0043】
計量のために中間容器7に溶液が供給されている間、センサ26は刻々と測定を行い、制御装置16は、計量のためのセンサ26の信号を刻々と取得し、この信号に基づいてピンチバルブ14に閉動作開始の信号を出力する。これにより、中間容器7に供給された溶液が、規定量(目標量)前に到達すると、前記のとおりピンチバルブ14に閉動作を開始させることができる。この構成により、リアルタイムに溶液の計量が可能になる。すなわち、この構成では、目標とする規定量を監視しつつ計量することができるため、圧送方式やポンプ方式で計量する場合に比べて、機械的な計量誤差等を回避して結果として規定量の溶液を精度良く得ることが可能となる。
【0044】
また、センサ26の検知によりピンチバルブ14が閉動作し、中間容器7への溶液の供給が停止されると、中間容器7に溜められている溶液が規定量とおりに正確であるか否かの判定を、制御装置16は行うことができる。正確(規定誤差の範囲内)であると判定した場合、中間容器7の溶液は反応容器9へ送られる。正確で無いと判定されると、不合格処理が行われる。不合格処理としては、例えば、中間容器7の溶液は排液として処理される。
【0045】
〔合成装置3について〕
以上のように、本実施形態の合成装置3は、複数の収容容器2から複数種類の溶液を選択的に送って化学合成をするための装置であり、選択的に送られた溶液が入れられこの溶液に含まれる材料により合成物が生成される反応容器9と、収容容器2から反応容器9までの間に設けられ反応容器9に送る溶液を計量する計量機構15とを備えている。この合成装置3によれば、計量機構15により必要量の溶液を計量して反応容器9に送ることができ、溶液の利用効率を従来よりも改善することが可能となる。
【0046】
前記実施形態(図2参照)では、計量機構15は、中間容器7における重量を測定するセンサ26を有している。ここで、溶液を送るためにポンプ93を用いる装置(図5参照)が考えられる。この図5に示すポンプ93を用いる装置では、ポンプ93による単位時間あたりの送液量(定格送液量)と、ポンプ93の動作時間とに基づいて、総送液量を演算によって求めることが考えられる。しかし、流路での損失等によって演算による総送液量は不正確であることが予想される。つまり、ポンプ93を用いた場合、実際の送液量と演算による値とが乖離することが多く、そのために、ポンプを用いた装置であっても、複数種類の溶液それぞれに関して、理論上必要とされる量よりも多くの量を供給し、過剰の溶液を用いていることから、特に合成物を量産化する場合、コスト高となる。そこで、本実施形態では、溶液を中間容器7に一旦溜めて計量することにより、対象となる溶液を送液条件で計量するのではなく、送液された結果としての溶液を直接計量しているため高精度に計量でき、計量した溶液を反応容器9に送ることから、溶液の無駄使いを抑えることが可能となり、コスト削減が可能となる。このように、本実施形態のような計量機構15を備えている点は、ポンプ93の駆動に基づく流量管理と、技術的に全く異なる。
【0047】
また、図5の例では、溶液の送液をプランジャポンプ93により行っており、このプランジャポンプ93の単位時間あたりの送液量(定格送液量)等の制御によって、仮に精度よく溶液の計量ができたとしても、プランジャポンプ93内で溶液が結晶化することによりプランジャポンプ93に負荷がかかるおそれがあり、このため、シール破損など、駆動系に損傷を与える結果となり、装置全体の耐久性が落ちやすいという問題がある。これに対して、本実施形態の合成装置3では、送液のためにポンプを用いていないため、装置全体の耐久性を高めることができる。
【0048】
また、計量機構15は、複数種類の溶液を選択的に取得して計量することができ、このために、計量機構15は、複数種類の溶液それぞれが通る複数の導出管6を集約して保持する保持部27と、これら導出管6から流出した溶液を受ける中間容器(計量容器)7と、この中間容器7における重量を測定する重量センサ26とを備えている。そして、前記のとおり、保持部27と中間容器7とは非接触の状態で設けられている。このため、計量の精度を高くすることが可能となる。これは、前記のとおり、溶液が通る導出管6が、仮に中間容器7と接触していると、例えば導出管6に張力が作用している場合、重量センサ26による計量結果に悪影響を及ぼすが、本実施形態の構成によれば、導出管6の影響を重量センサ26に及ぼすことがないためである。
【0049】
また、中間容器7の下流側に接続されている出口側配管30は、前記のとおり、螺旋形状の弾性チューブにより構成されていることから、出口側配管30に外力として張力が作用している場合であっても、このチューブが全体として弾性変形することにより前記外力を逃がすことができる。この結果、重量センサ26による計量結果に前記外力の影響が及び難く、精度の高い計量が可能となる。
【0050】
また、本実施形態では、中間容器7には、複数の導出管6が集約して設けられており、これら導出管6それぞれから溶液が導入される構成となっている。このため、必要となる溶液は複数種類存在しているが、計量のために用いられる計量機構15(中間容器7及びセンサ26)は1セットで済む。つまり、中間容器7を共用することで、導出管6(溶液)毎に計量機構15が不要であり、合成装置3の構成を簡素化することができる。また、中間容器7へ供給する溶液を二種類以上とすることで、中間容器7において複数種類の溶液を混合して計量することもできる。この場合、反応容器9に各溶液を導入するよりも前の段階で、溶液の混合が行われることから、混合時間の短縮化が可能となる。
【0051】
図1に示す合成装置3では、溶液を送る手段が圧送方式であり、タンク4に充填されているガスを用いて、上流側の容器と下流側の容器との圧力差により送液が行われる構成である。このため、全体流路25におけるコンタミネーション、異物の詰まりによる故障、ディスポーザブルの点で、送液手段にポンプ(電動ポンプや油圧ポンプ)が含まれる場合よりも有利である。つまり、ポンプが用いられる場合、ポンプの可動部が流路中に露出することから、この可動部が有する摺動部材等の剥離や摩耗粉の発生により、コンタミネーション及び異物の詰まりの点で不利である。また、溶液に含まれている溶剤が硬化(結晶化)すると、ポンプの故障の原因となる。更に、合成装置3では、定期的にまたは所定のタイミングで(所定の頻度で)溶液が接する配管や機器等の接液部を交換する必要がある。前記のとおり、本実施形態では、各収容容器2から中間容器7への溶液の供給の開始及び停止は、ピンチバルブ14によって行われるが、このピンチバルブ14は、駆動部が溶液と接することがないため、交換対象とはならない。つまり、ピンチバルブ14によって挟まれる軟性のチューブのみを交換すればよいことから、ディスポーザブルの点で有利である。
【0052】
以上のとおり開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。つまり、本発明の計量機構、及びこの計量機構を備えている合成装置は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。例えば、計量機構15が備えているセンサ26をひずみ式のロードセルによる重量センサとして説明したが、他の構成による重量センサとしてもよい。また、このセンサ26を取り付けるための構成を、図示した形態以外とすることもできる。中間容器7への溶液の送液速度を調整する速度調整手段32を、上流側配管10に設けられているレギュレータ11により構成する場合について説明したが、この構成以外であってもよい。前記実施形態では、溶液を送る手段を全て圧送としたが、一部又は全部において、その他の動力によるものであってもよい。前記実施形態では、各収容容器2から中間容器7への溶液の供給の停止を行うバルブとして、ピンチバルブ14を採用する場合について説明したが、他の形式のバルブであってもよい。
【符号の説明】
【0053】
6:導出管(配管) 7:中間容器(計量容器) 15:計量機構
18:レギュレータ(調整手段) 26:(重量)センサ
27:保持部 29:密閉容器 30:出口側配管
30a:一端部 30b:他端部
図1
図2
図3
図4
図5