(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記不意押し抑制部は、前記こんろ本体の前記前面から前方に突出した突出部分の形状が、前記点消火用操作部材において前記こんろ本体の前記前面から前方に突出した突出部分の形状と左右方向に見て同じ形状であり、
前記不意押し抑制部の前記突出部分は、左右方向に見て、前記点消火用操作部材の前記突出部分と重なることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガスこんろ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に本実施形態のガスこんろ1を示す。本実施形態のガスこんろ1は、ビルトイン式のグリル付きガスこんろである。
【0010】
ガスこんろ1は、上方に開口した矩形箱状のこんろ本体2を備えている。以下では、こんろ本体2の対向する一対の壁部のうち、一方の壁部から他方の壁部(後述する壁部20)に向かう方向を前方、これと逆向きの方向を後方と定義し、ガスこんろ1を前方から見たときを基準に左右方向を規定して、ガスこんろ1の各構成について説明する。
【0011】
ガスこんろ1のユーザーは、こんろ本体2の前方からガスこんろ1を利用する。ガスこんろ1は、複数のガスバーナー3と天板4とをさらに備えている。天板4はこんろ本体2の上面開口部を覆うようにこんろ本体2上に設置されている。
【0012】
こんろ本体2は、上方に開口した矩形箱状の筐体24で主体が構成されている。こんろ本体2における前側の壁部20(以下、前壁部20という)は、筐体24の前側の壁部25と、この壁部25に取り付けられた左右の操作ユニット5,6の一部によって構成されている。こんろ本体2の左右両側の壁部は、筐体24の左右両側の壁部によってそれぞれ構成され、こんろ本体2における後側の壁部は、筐体24の後側の壁部によって構成されている。
【0013】
本実施形態のガスこんろ1は、複数のガスバーナー3として、複数のこんろバーナー30〜32と、図示しないグリルバーナーとを備えている。
【0014】
複数のこんろバーナー30〜32は、筐体24の内側に設置されている。各こんろバーナー30〜32は天板4を貫通して天板4の上方に突出している。ガスこんろ1は、複数のこんろバーナー30〜32にそれぞれ一対一で対応し、天板4上に設置される複数の五徳10〜12をさらに備えている。
【0015】
本実施形態のガスこんろ1は、複数のこんろバーナー30〜32として、筐体24の左側前部に配置された左こんろバーナー30と、筐体24の右側前部に配置された右こんろバーナー31と、筐体24の左右方向における中央の後部に配置された後こんろバーナー32とを備えている。
【0016】
ガスこんろ1は、筐体24の左右方向における中央部に設置され筐体24の前面から前方に開口するグリル庫13と、グリル庫13の前面開口部を開閉するグリル扉14とをさらに備えている。図示しないグリルバーナーは、グリル庫13内に設けられている。
【0017】
(操作ユニット)
本実施形態のガスこんろ1は、左右一対の操作ユニット5,6を備えている。左右の操作ユニット5,6は、筐体24の前側の壁部25においてグリル扉14を挟んだ左右両側の部分にそれぞれ取り付けられている。左右の操作ユニット5,6は、共通の構成を有している。以下では、右側の操作ユニット6について詳述し、左側の操作ユニット5において右側の操作ユニット6と共通する構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0018】
図2に示すように、操作ユニット6は、壁構成部60、複数の点消火用操作部材61,62、設定用操作部材63及びロック用操作部材64を備えている。
【0019】
図1に示すように、壁構成部60は、筐体24の前側の壁部25に取り付けられている。本実施形態では、こんろ本体2の前壁部20のうち、グリル扉14の左方に位置する部分が左側の操作ユニット5の壁構成部60で構成されており、グリル扉14の右方に位置する部分が右側の操作ユニット6の壁構成部60で構成されている。壁構成部60には、複数の点消火用操作部材61,62、設定用操作部材63及びロック用操作部材64が設けられている。
【0020】
壁構成部60は、
図3に示す、フレーム65、上下の枠体66,67、及び化粧パネル68を備えている。図示は省略するが、フレーム65は筐体24の前側の壁部25に取り付けられている。フレーム65は正面視矩形枠状に形成されており、フレーム65の内側には前後方向に貫通した嵌込孔69が形成されている。
【0021】
上下の枠体66,67のうちの上側の枠体66である上枠体66は、嵌込孔69の上部に嵌め込まれた状態でフレーム65に取り付けられており、下側の枠体67である下枠体67は、嵌込孔69の下部に嵌め込まれた状態でフレーム65に取り付けられている。下枠体67は上枠体66の下方に位置し、下枠体67の上端部は上枠体66の下端部に連結されている。
【0022】
上枠体66は、前面を構成する正面視矩形板状の前板部70と、前板部70の外周部から後方に突出した枠部71とを備えている。前板部70には、前板部70の前面を覆う化粧パネル68が取り付けられている。化粧パネル68の前面は、こんろ本体2の前面の一部を構成している。
図4に示すように枠部71は後方から見て矩形枠状に形成されている。
【0023】
上枠体66には
図3に示す複数の点消火用操作部材61,62が取り付けられている。本実施形態の上枠体66には、左右方向に並んだ2つの点消火用操作部材61,62が取り付けられており、このうち、左側の点消火用操作部材61は、グリルこんろバーナーに対応し、右側の点消火用操作部材62は右こんろバーナー31に対応する。
図1に示す左側の操作ユニット5の2つの点消火用操作部材61,62のうち、左側の点消火用操作部材61は、左こんろバーナー30に対応し、右側の点消火用操作部材62は後こんろバーナー32に対応する。ユーザーは各点消火用操作部材61,62を操作することで、対応するガスバーナー3の点火と消火とを切り替えることができる。
【0024】
図3に示すように、上枠体66にはロック用操作部材64が取り付けられている。ユーザーは、ロック用操作部材64を操作することで、操作ユニット6に設けられた複数の点消火用操作部材61,62の操作の規制とこの規制の解除とを切り替えることができる。
【0025】
下枠体67には、ガスバーナー3による自動調理の設定を行うための設定用操作部材63が取り付けられている。この設定は、例えば、各こんろバーナの加熱モード(おかゆモード、ご飯モード、湯沸しモード等)の設定、グリルバーナの加熱モード(姿焼モード、切身モード、干物モード等)の設定である。
【0026】
本実施形態の設定用操作部材63は、いわゆるカンガルーポケット式の操作部材である。設定用操作部材63の上面には、各種の操作ボタンが設けられており、設定用操作部材63の下端部は、下枠体67に対して左右軸回り方向に回転可能に支持されている。ここで、「左右軸回り方向に回転可能」とは、左右方向と平行な仮想回転軸を中心に回転可能であることを意味する。
【0027】
ユーザーは、設定用操作部材63を下枠体67に対して左右軸回り方向に回転させることで、設定用操作部材63を、こんろ本体2の前方に突出して設定用操作部材63の上面が露出した使用位置と、こんろ本体2に隠れるように下枠体67内に収納されて設定用操作部材63の上面が露出しない収納位置とに切替えることができる。
【0028】
本実施形態のガスこんろ1は、
図1に示すように、複数の火力調整用操作部材15〜17をさらに備えている。複数の火力調整用操作部材15〜17は、複数のこんろバーナー30〜32にそれぞれ1対1で対応する。各火力調整用操作部材15〜17は筐体24内に設置されている。本実施形態の各火力調整用操作部材15〜17は、操作レバーである。
【0029】
左こんろバーナー30に対応する火力調整用操作部材15及び後こんろバーナー32に対応する火力調整用操作部材16は、左側の操作ユニット5の前板部70及び化粧パネル68を貫通して当該化粧パネル68の前方に突出している。
【0030】
右こんろバーナー31に対応する火力調整用操作部材17は、右側の操作ユニット6の前板部70及び化粧パネル68を貫通して化粧パネル68の前方に突出している。
【0031】
ユーザーは各火力調整用操作部材15〜17を操作することで、対応するこんろバーナー31の火力を変更することができる。
【0032】
(点消火用操作部材)
図3に示す本実施形態の各点消火用操作部材61,62は、押し操作式のスイッチである。各点消火用操作部材61,62は、後側の上端部が上枠体66に左右軸回り方向に回転可能に支持されており、前後に揺動可能である。
【0033】
上枠体66の前板部70には、点消火用操作部材61,62と同数の孔73が左右方向に並んで形成されている。各孔73は前板部70を前後方向に貫通している。各孔73には点消火用操作部材61,62が配置されている。
【0034】
化粧パネル68において点消火用操作部材61及び点消火用操作部材62に対応する箇所には、1つの連続した窓孔74が形成されている。各点消火用操作部材61,62は、窓孔74を通して、化粧パネル68から前方に突出している。
【0035】
各点消火用操作部材61,62は、上枠体66に対して左右軸回り方向に回転させることで、化粧パネル68から前方に大きく突出した点火受付姿勢と、点火受付姿勢よりも化粧パネル68からの前方への突出量が小さい消火受付姿勢とに切り替えることができる。なお、以下では、特に記載する場合を除き、各点消火用操作部材61,62が点火受付姿勢にある状態について説明する。
【0036】
図2に示すように、各点消火用操作部材61,62は、化粧パネル68から前方に突出した突出部分75を備えている。
【0037】
突出部分75は、頂部76、底部77及び左右の側部78,79を備えている。頂部76は、突出部分75の上面を構成し、前方の部分ほど下方に位置するように傾斜した板状に形成されている。底部77は、突出部分75の下面を構成し、底部77の前端部は頂部76の前端部と繋がっている。底部77は、後方の部分ほど下方に位置するように傾斜した板状に形成されている。左右の側部78,79は、それぞれ突出部分75の左右の側面を構成している。頂部76と底部77とで構成された側断面く字状の部分の左右両端は、左右の側部78,79で閉塞されている。
【0038】
図示は省略するが、こんろ本体2には、各ガスバーナー3の点火と消火とを切り替える切替手段として、各点消火用操作部材61,62の操作に連動する器具栓と、各点消火用操作部材61,62の操作に連動する点火プラグとが内蔵されている。
【0039】
ユーザーは、点火受付姿勢にある点消火用操作部材61,62の頂部76を前側に押し込むことで、対応するガスバーナー3を点火することができる。ユーザーは、消火受付姿勢にある点消火用操作部材61,62の頂部76を前側から後側に押し込むことで、対応するガスバーナー3を消火することができる。図示は省略するが、点消火用操作部材61,62と器具栓とを連動させる連動機構は、ばね等の付勢手段を備えており、消火受付姿勢から前側に押し込まれた点消火用操作部材61,62は、付勢手段の付勢力によって点火受付姿勢に復帰する。
【0040】
(ロック用操作部材)
次に点消火用操作部材61,62の操作の規制(ロック)と、この規制の解除(アンロック)とを切り替えるためのロック用操作部材64について詳述する。ロック用操作部材64は、上枠体66が備えた不意押し抑制部80に設けられている。
【0041】
図3に示すように、不意押し抑制部80は、上枠体66の前板部70から前方に突出し、左右方向において点消火用操作部材61,62と隣接している。不意押し抑制部80は、ユーザーが、隣接する点消火用操作部材61,62に不意に接触して、点消火用操作部材61,62が意図せずに操作されることを抑制する。
【0042】
本実施形態の不意押し抑制部80は、前板部70と一体に形成されており、前板部70における2つの孔73の間の部分から前方に突出している。不意押し抑制部80は、左右方向に並んだ2つの点消火用操作部材61,62の間に配置されており、これら2つの点消火用操作部材61,62と左右方向において隣接している。このため、本実施形態の不意押し抑制部80は、左右両側の点消火用操作部材61,62が意図せずに操作されることを抑制する。
【0043】
図2に示すように、不意押し抑制部80は、窓孔74を通して化粧パネル68の前方に突出している。不意押し抑制部80において化粧パネル68(こんろ本体2)よりも前方に突出した突出部分81の形状は、点消火用操作部材61,62において化粧パネル68(こんろ本体2)から前方に突出した突出部分75の形状と左右方向に見て同じ形状である。
【0044】
不意押し抑制部80の突出部分81は、頂部82、底部83及び左右の側部84,85を備えている。頂部82は、突出部分81の上面を構成し、前方の部分ほど下方に位置するように傾斜した板状に形成されている。底部83は、突出部分81の下面を構成し、底部83の前端部は頂部82の前端部と繋がっており、後方の部分ほど下方に位置するように傾斜した板状に形成されている。左右の側部84,85は、それぞれ突出部分81の左右の側面を構成している。頂部82と底部83とで構成された側断面く字状の部分の左右両端は、左右の側部84,85で閉塞されている。
【0045】
不意押し抑制部80の突出部分81は、左右方向に見て、点消火用操作部材61,62の突出部分75と重なっている。不意押し抑制部80の傾斜した頂部82の上面は、左右の点消火用操作部材61,62の頂部76の上面と面一であり、不意押し抑制部80の傾斜した底部83の下面は、左右の点消火用操作部材61,62の底部77の下面と面一である。このため、左右の点消火用操作部材61,62は、不意押し抑制部80を介して連続したような外観であって見栄えがよい。
【0046】
ロック用操作部材64は、
図4に示すように、不意押し抑制部80の後方に配置されており、こんろ本体2に対して左右方向に移動可能に取り付けられている。ユーザーは、ロック用操作部材64を左右方向に移動することで、左右の点消火用操作部材61,62の操作を規制するロック位置(
図5参照)と、左右の点消火用操作部材61,62の操作の規制を解除するアンロック位置(
図4参照)とに切換可能である。
【0047】
図6に示す本実施形態のロック用操作部材64は、合成樹脂製であって一体成形品である。ロック用操作部材64は、取付片部87、操作片部88及び規制部89,90を備えている。取付片部87は、上枠体66に形成された矩形枠状の枠部71の下辺を構成する下辺部86(
図4参照)に対して左右方向に移動可能に取り付けられている。操作片部88は、ユーザーによって操作される。規制部89,90は、点火受付姿勢にある点消火用操作部材61,62の操作を規制する。
【0048】
取付片部87は、上下方向に直交した板状に形成されている。取付片部87は、上枠体66の下辺部86(
図7参照)の上面に沿って配置されており、下辺部86の上面に沿って左右方向にスライド可能である。
【0049】
取付片部87には、下方に向かって突出した複数の係止部91が形成されている。複数の係止部91は、
図7に示すように、下辺部86を貫通して下辺部86の下面に対して左右方向にスライド可能に係止されている。これにより、ロック用操作部材64はこんろ本体2に対して左右方向に移動可能に取り付けられている。
【0050】
取付片部87には操作片部88が繋がっている。操作片部88は、左右方向に直交した板状に形成されており、取付片部87の左右方向の中央部から上方に突出している。操作片部88は、取付片部87の前斜め上方に位置した操作部分92と、操作部分92と取付片部87とを繋いだ連結部分93とを備えている。
【0051】
操作部分92はユーザーの指で操作される部分であり、操作片部88の前端部に位置している。連結部分93は取付片部87から上方に延びた立ち上がり部94と、立ち上がり部94の上端部から前方に張り出して前端部が操作部分92に繋がった張出部95とを備えている。操作部分92は張出部95の前端部から下方に突出している。
【0052】
張出部95は不意押し抑制部80の内側に配置されている。張出部95の下方には、不意押し抑制部80の底部83が位置しており、底部83には上下方向に貫通した孔96が形成されている。操作部分92は孔96を貫通して不意押し抑制部80の底部83から下方に突出している。これにより、ロック用操作部材64は、操作部分92のみがこんろ本体2の外部に露出している。
【0053】
ユーザーは操作部分92を指で操作することで、ロック用操作部材64を左右方向に移動することができる。ロック用操作部材64の左右方向の移動範囲は、例えば張出部95が不意押し抑制部80の左右の側部84,85に当たること、あるいは操作部分92が孔96の縁部に当たること等によって一定の範囲に制限される。
【0054】
本実施形態のロック用操作部材64は、
図5に示すロック位置に配置されたときに操作部分92が孔96の右側端部に配置され、
図4に示すアンロック位置に配置されたときに操作部分92が孔96の左側端部に配置される。
【0055】
ロック用操作部材64は、左側の点消火用操作部材61の操作を規制する左側の規制部89と、右側の点消火用操作部材62の操作を規制する右側の規制部90とを備えている。
【0056】
左右の規制部89,90は、取付片部87の左右両側部分からそれぞれ上方に突出している。
【0057】
左右の点消火用操作部材61,62が点火受付姿勢にある状態で、ロック用操作部材64が
図4に示すアンロック位置に配置された状態では、左右の規制部89,90は、対応する点消火用操作部材61,62が通過する位置から外れた位置に配置される。このため、各点消火用操作部材61,62は、対応するガスバーナー3が点火される位置まで後方に移動可能なアンロック状態となる。このように各点消火用操作部材61,62がアンロックされた状態では、ユーザーは各点消火用操作部材61,62を操作して、対応するガスバーナー3を点火することができる。
【0058】
左右の点消火用操作部材61,62が点火受付姿勢にある状態で、ロック用操作部材64が
図5に示すロック位置に配置された状態では、左右の規制部89,90は対応する点消火用操作部材61,62の後方に位置して対向する。このため、各点消火用操作部材61,62は、後方に押されても、対応する規制部89,90に当たってそれ以上後方に移動しない。
【0059】
従って、ユーザーは、操作部分92(
図2参照)を操作してロック用操作部材64をロック位置に切り替えることで、左右の点消火用操作部材61,62を同時にロック状態とすることができ、これにより、子供等が左右の点消火用操作部材61,62を操作してガスバーナー3が点火状態になることが抑制される。また、ユーザーは、操作部分92を操作してロック用操作部材64をアンロック位置に切り替えることで、左右の点消火用操作部材61,62のロック状態を同時に解除することができる。
【0060】
本実施形態のガスこんろ1は、ロック用操作部材64がロック位置とアンロック位置とに切り替えられたときに、ユーザーに対してクリック感を付与するためのクリック感付与手段を備えている。
【0061】
クリック感付与手段は、
図7に示すロック用操作部材64が備えたクリック感付与部97と、こんろ本体2が備えた突起部98とを備えており、ロック用操作部材64がロック位置とアンロック位置との間を移動する際に、クリック感付与部97が弾性変形しながら突起部98を乗り越えることで、ユーザーに対してクリック感を与える。
【0062】
クリック感付与部97は、操作片部88に一体に繋がっており、上枠体66の前板部70の後方に配置されている。クリック感付与部97は、前後方向を厚み方向とした上下に長い板状に形成されており、張出部95から下方に突出している。
【0063】
クリック感付与部97が突起部98を乗り越える際に弾性変形する方向は前後方向である。従って、クリック感付与部97は、弾性変形する方向を厚み方向とした板状に形成されていると言える。
【0064】
図6に示すクリック感付与部97の左右幅bは、操作片部88の板厚(左右方向の寸法)t1と同じであるが、クリック感付与部97の板厚(前後方向の厚さ)t2は、操作片部88の板厚t1よりも小さい。また、クリック感付与部97の板厚t2は、取付片部87の板厚(上下方向の寸法)t3よりも小さい。このため、クリック感付与部97は、前後方向に力が加えられたときに弾性変形しやすくなっている。
【0065】
クリック感付与部97が乗り越える突起部98は、
図7に示すように上枠体66の前板部70の後面に形成されており、前板部70において不意押し抑制部80の下方に位置する部分から後方に突出している。突起部98は水平断面円弧状の後面99を備えた半円柱状に形成されており、左右方向における中央部に近い部分ほど後方に突出している。
【0066】
突起部98は、ロック位置及びアンロック位置の各々に配置されたロック用操作部材64のクリック感付与部97と、左右方向から見て重なる位置に配置される。すなわち、突起部98はクリック感付与部97が通過する位置に配置されている。
【0067】
ロック用操作部材64がロック位置からアンロック位置に切り替えられる際、及びアンロック位置からロック位置に切り替えられる際において、ロック用操作部材64がロック位置とアンロック位置との中間位置を移動するとき、クリック感付与部97は突起部98の後面に沿ってスライドする。このとき、板状のクリック感付与部97は、突起部98によって後方に押されることで、前後方向に弾性変形して撓みながら突起部98を乗り越え、この後、その形状が元に戻る。これにより、ロック用操作部材64を操作するユーザーに対してクリック感が付与される。
【0068】
ところで、ロック用操作部材64において不意押し抑制部80の底部83から下方に突出した操作部分92が、上方に押し込まれると、上枠体66に取り付けられたロック用操作部材64が上方に外れる可能性がある。このため、本実施形態の不意押し抑制部80は、
図4に示すように、ロック用操作部材64の上方に位置してロック用操作部材64が上枠体66から外れることを抑制するストッパー部100をさらに備えている。
【0069】
ストッパー部100は、不意押し抑制部80の突出部分81の内側に形成されている。本実施形態のストッパー部100は、上下方向に直交する板状に形成されている。ストッパー部100の左右両端部は、不意押し抑制部80の左右の側部84,85にそれぞれ繋がっており、ストッパー部100の前端部は不意押し抑制部80の底部83に繋がっている。
【0070】
ロック用操作部材64が操作されて左右方向に移動するとき、張出部95の上端面は、ストッパー部100の下面に沿ってスライドする。ロック用操作部材64がロック位置及びアンロック位置に配置された状態では、ストッパー部100の下方に張出部95が位置する。このため、操作部分92が上方に押し込まれる等して、ロック用操作部材64に上向きの力が加わったとしても、張出部95がストッパー部100に当たることで、ロック用操作部材64が上方に移動することが規制される。これにより、ロック用操作部材64が上枠体66から外れることが抑制される。
【0071】
また、本実施形態のストッパー部100には、メンテナンス等を行うにあたって、上枠体66からのロック用操作部材64の取り外しを容易にするため、上下方向に貫通した切欠101が形成されている。切欠101は、ロック位置とアンロック位置との間の中間に位置するロック用操作部材64の張出部95の上方に位置しており、後方に開口している。このため、ガスこんろ1のメンテナンス等を行う作業者等は、ロック用操作部材64をロック位置とアンロック位置との間の中間に位置させた状態で、張出部95が切欠101を通過するようにロック用操作部材64を上方に移動させることで、ロック用操作部材64を上枠体66から容易に取り外すことができる。
【0072】
本実施形態のロック用操作部材64は、複数の点消火用操作部材61,62のロック状態とアンロック状態とを切替可能であるが、1つのみの点消火用操作部材のロック状態とアンロック状態とを切替可能であってもよい。
【0073】
また、本実施形態のロック用操作部材64は、点消火用操作部材61,62の操作を規制する規制部89,90を備えているが、例えば規制部89,90はロック用操作部材64とは別部材でロック用操作部材64に連動する連動部材で構成されてもよい。
【0074】
また、ロック用操作部材64の移動方向は、左右方向に限られず、例えば上下方向であってもよい。
【0075】
また、ロック用操作部材64の形状は適宜変更可能である。また、ロック用操作部材64のクリック感付与部97及びこんろ本体2の突起部98は省略可能である。また、不意押し抑制部80のストッパー部100も省略可能である。
【0076】
また、本実施形態の不意押し抑制部80は、左右方向に並んだ点消火用操作部材61,62の間に配置されて両点消火用操作部材61,62に隣接しているが、不意押し抑制部80は1つの点消火用操作部材にのみ隣接してもよい。
【0077】
また、本実施形態のロック用操作部材64は、不意押し抑制部80の底部83に設けられているが、頂部82や側部84,85に設けられてもよい。また、本実施形態の不意押し抑制部80は、上枠体66の前板部70と一体に形成されているが、上枠体66とは別部材であってもよい。また、不意押し抑制部80の突出部分81は、隣接する点消火用操作部材61,62の突出部分75と、左右方向に見て異なる形状であってもよい。
【0078】
また、本実施形態のガスこんろ1は、複数のガスバーナー3を備えているが、ガスこんろ1はガスバーナー3を1つだけ備えてもよい。この場合、ガスこんろ1には、点消火用操作部材及び不意押し抑制部は1つずつ設けられる。
【0079】
また、この他、本実施形態のガスこんろ1は、適宜設計変更可能である。
【0080】
(効果)
以上説明した本実施形態のガスこんろ1は、以下に示す特徴を有している。ガスこんろ1は、こんろ本体2、ガスバーナー3、点消火用操作部材61,62及びロック用操作部材64を備える。ガスバーナー3は、こんろ本体2に設けられる。点消火用操作部材61,62は、こんろ本体2に設けられ、こんろ本体2の前面から前方に突出し、ガスバーナー3の点火と消火とを切り替える際に操作される。ロック用操作部材64は、点消火用操作部材61,62の操作の規制と当該規制の解除とを切り替える際に操作される。こんろ本体2は、不意押し抑制部80を備える。不意押し抑制部80は、こんろ本体2の前面から前方に突出し、左右方向において点消火用操作部材61,62と隣接する。ロック用操作部材64が不意押し抑制部80に設けられる。以下、この特徴を有するガスこんろ1を第1の態様のガスこんろ1という。
【0081】
第1の態様のガスこんろ1は、ロック用操作部材64が不意押し抑制部80に設けられており、ユーザーが意図せずにロック用操作部材64に接触することが不意押し抑制部80によって抑制される。このため、ユーザーがロック用操作部材64に接触して、点消火用操作部材61,62の操作が意図せずに規制されたり、この規制が意図せずに解除されたりすることが抑制される。また、例えば本実施形態のガスこんろ1のように化粧パネル68を設けたガスこんろ1において、ロック用操作部材64を不意押し抑制部80とは別に設けた場合、化粧パネル68には不意押し抑制部80を貫通させるための孔とは別に、ロック用操作部材64を貫通させるための孔を形成する必要があり、この場合、ガスこんろ1の意匠性が低下する可能性がある。しかし、第1の態様のガスこんろ1は、ロック用操作部材64が不意押し抑制部80に設けられるため、化粧パネル68には不意押し抑制部80を貫通させるための孔(窓孔74)だけを形成すればよく、ガスこんろ1の意匠性が向上する。
【0082】
また、前記実施形態のガスこんろ1は、第1の態様のガスこんろ1が有する特徴に加えて、以下に示す付加的な特徴を有する。ガスこんろ1は、一対のガスバーナー3と、一対のガスバーナー3のそれぞれに対応する一対の点消火用操作部材61,62とを備える。一対の点消火用操作部材61,62は、左右方向に並んでおり、不意押し抑制部80は、一対の点消火用操作部材61,62の間に配置される。ロック用操作部材64は一対の点消火用操作部材61,62の操作の規制と当該規制の解除とを切替可能である。以下、このガスこんろ1を第2の態様のガスこんろ1という。
【0083】
第2の態様のガスこんろ1は、1つのロック用操作部材64を操作するだけで、一対の点消火用操作部材61,62の操作の規制と当該規制の解除とを切り替えることができる。このため、点消火用操作部材61,62毎にロック用操作部材を設ける場合と比較して、操作回数が減り、操作性が向上する。また、ロック用操作部材64は一対の点消火用操作部材61,62の間に配置されるため、ユーザーはロック用操作部材64により操作の規制対象となる点消火用操作部材61,62が、一対の点消火用操作部材61,62であることを認識しやすく、操作性が一層向上する。
【0084】
また、前記実施形態のガスこんろ1は、第1又は第2の態様のガスこんろ1が有する特徴に加えて、以下に示す付加的な特徴を有する。不意押し抑制部80は、こんろ本体2の前面から前方に突出した突出部分81の形状が、点消火用操作部材61,62においてこんろ本体2の前面から前方に突出した突出部分75の形状と左右方向に見て同じ形状である。不意押し抑制部80の突出部分81は、左右方向に見て、点消火用操作部材61,62の突出部分75と重なる。以下、このガスこんろ1を第3の態様のガスこんろ1という。
【0085】
第3の態様のガスこんろ1は、不意押し抑制部80と点消火用操作部材61,62とが連続したような外観となり、意匠性がさらに向上する。
【0086】
また、前記実施形態のガスこんろ1は、第1〜第3のいずれかの態様のガスこんろ1が有する特徴に加えて、以下に示す付加的な特徴を有する。不意押し抑制部80は、前方の部分ほど下方に位置するように傾斜した頂部82と、頂部82の前端部から後方に延びて、後方の部分ほど下方に位置するように傾斜した底部83とを備える。ロック用操作部材64は底部83に設けられる。以下、このガスこんろ1を第4の態様のガスこんろ1という。
【0087】
第4の態様のガスこんろ1は、ロック用操作部材64が不意押し抑制部80の底部83に設けられるため、点消火用操作部材61,62を上方から操作するユーザーの手等がロック用操作部材64に接触し難くなる。このため、点消火用操作部材61,62の操作が意図せずに規制されたり、この規制が意図せずに解除されたりすることを一層抑制できる。
【0088】
また、前記実施形態のガスこんろ1は、第1〜第4のいずれか1つの態様のガスこんろ1が有する特徴に加えて、以下に示す付加的な特徴を有する。ロック用操作部材64は、こんろ本体2に対して上方に取り外し可能に取り付けられている。ロック用操作部材64は、左右方向に移動することで、点消火用操作部材61,62の操作を規制するロック位置と、点消火用操作部材61,62の操作の規制を解除するアンロック位置とに切換可能である。不意押し抑制部80は、ロック位置及びアンロック位置に配置されたロック用操作部材64の上方への移動を規制するストッパー部100を備える。ストッパー部100に、ロック位置とアンロック位置との間に位置するロック用操作部材64の上方に位置し、上下方向に貫通した切欠101が形成される。以下、このガスこんろ1を第5の態様のガスこんろ1という。
【0089】
第5の態様のガスこんろ1は、ロック位置及びアンロック位置に配置されたロック用操作部材64が、上方に移動することをストッパー部100によって規制する。このため、ロック用操作部材64が上方に押される等して、ロック用操作部材64がこんろ本体2から外れることが抑制される。また、ガスこんろ1のメンテナンス等を行う作業者は、ロック用操作部材64をロック位置とアンロック位置との間に位置させて、ロック用操作部材64を切欠101を通過するように上方に移動することで、ロック用操作部材64を簡単に取り外すことができる。
【0090】
また、前記実施形態のガスこんろ1は、第1〜第5のいずれかの態様のガスこんろ1が有する特徴に加えて、以下に示す付加的な特徴を有する。ロック用操作部材64は、点消火用操作部材61,62の操作を規制するロック位置と、点消火用操作部材61,62の操作の規制を解除するアンロック位置とに移動可能である。ロック用操作部材64は、弾性変形可能なクリック感付与部97を備える。こんろ本体2は、ロック用操作部材64がロック位置とアンロック位置との間を移動する際に、クリック感付与部97が弾性変形しながら乗り越える突起部98を備える。以下、このガスこんろ1を第6の態様のガスこんろ1という。
【0091】
第6の態様のガスこんろ1は、ロック用操作部材64がロック位置とアンロック位置との間を移動し、クリック感付与部97が突起部98を乗り越えたときに、ユーザーに対してクリック感を付与できる。このため、ユーザーは、ロック用操作部材64がロック位置とアンロック位置とに切り替えられたことを、容易に認識することができる。
【0092】
また、前記実施形態のガスこんろ1は、第6の態様のガスこんろ1が有する特徴に加えて、以下に示す付加的な特徴を有する。ロック用操作部材64は、ユーザーによって操作される板状の操作片部88を備える。クリック感付与部97は、板状に形成されて操作片部88に一体に繋がっており、クリック感付与部97の板厚t2が操作片部88の板厚t1よりも小さい。以下、このガスこんろ1を第7の態様のガスこんろ1という。
【0093】
第7の態様のガスこんろ1は、クリック感付与部97の板厚t2が操作片部88の板厚t1よりも小さいので、クリック感付与部97が突起部98を乗り越える際に弾性変形しやすくなる。このため、ユーザーはロック用操作部材64をロック位置とアンロック位置とに容易に切り替えることができる。