(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
金属板の一方の側の面に形成された、半導体パッケージの底面サイズよりも小さく、半導体素子の底面サイズよりも大きい凹部と、前記凹部の底面の中央部にめっき層で形成されたパッド部と、前記パッド部の周辺であって前記凹部の前記底面から側面および該凹部の外側の面にわたる所定位置に段差をつけて形成された、めっき層からなる複数の端子部を有することを特徴とする半導体素子搭載用基板。
金属板の一方の側の面上に、半導体パッケージの底面サイズよりも小さく、半導体素子の底面サイズよりも大きい開口部を有するエッチング用レジストマスクを形成するとともに、前記金属板の他方の側の面上に、全面を覆うエッチング用レジストマスクを形成する工程と、
前記金属板の一方の側からハーフエッチング加工を施し、凹部を形成する工程と、
前記金属板の一方の側の面上に形成した前記エッチング用レジストマスクを除去する工程と、
前記金属板の一方の側の面上に、1つの前記凹部の底面から側面および該凹部の外側の面にわたる所定位置に対応する領域に複数の開口部を有するめっき用レジストマスクを形成する工程と、
前記めっき用レジストマスクの開口部にめっき加工を施し、段差のついた複数の端子部を形成する工程と、
前記金属板の両面上に形成したレジストマスクを除去する工程と、
を有することを特徴とする半導体素子搭載用基板の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0021】
実施形態の説明に先立ち、本発明を導出するに至った経緯及び本発明の作用効果について説明する。
まず、本件発明者は、半導体パッケージの半田接続部分を目視可能にするための従来技術である特許文献1に記載の技術について検討・考察した。
特許文献1に記載の技術について
図7を用いて説明する。
図7中、(a)は半導体パッケージに用いるリードフレームの外部機器と接続する側からみた図、(b)は(a)のリードフレームを用いて組み立てた半導体パッケージにおける(a)のA−A断面図、(c)は(b)の半導体パッケージの外部接続用端子を外部機器に半田接続した状態を示す図、(d)は(a)のリードフレームにおける外部接続用端子となる端子部を示すB−B断面図である。
【0022】
図7(a)に示す半導体パッケージに用いるリードフレームは、リードフレームにおけるリードの裏面側の外部接続用端子となる端子部51の切断位置(
図7(a)における一点鎖線上の位置)に、リードを横断する溝51bがFe−Ni合金やCu合金等の金属板からなるリードフレームに対してエッチング加工やプレス加工を施すことによって形成されている。なお、
図7(a)中、52は半導体素子を搭載するパッド部、60は半導体素子である。
そして、リードフレームのパッド部52に半導体素子60を搭載し、リードにおける半導体素子60搭載側の内部接続端子となる端子部と半導体素子60とをボンディングワイヤ61で接続し、半導体素子搭載側を封止樹脂70で封止した状態の半導体パッケージを切断位置に沿って切断することによって、
図7(b)に示すように、個々に切断された半導体パッケージの裏面に露出するリードの外部接続用端子51に、端縁部にかけて空間部51aが設けられる。
このように形成された半導体パッケージは、
図7(c)に示すように、外部機器80の端子81に半田接続した状態では、半田90は外部接続用端子51の裏面から端縁部にかけて形成されている空間部51aに介在する。このため、半導体パッケージの側面に露出した外部接続用端子51の半田接続部分を目視確認でき、半導体パッケージの外部機器80との半田接続状態の良・不良を目視検査できる。
【0023】
ところで、特許文献1に記載の技術では、半田接続部分を目視可能にするためのリードを横断する溝51bをFe−Ni合金やCu合金等の金属板からなるリードフレームに対してエッチング加工やプレス加工を施すことにより形成している。
しかし、金属板を除去して裏面に露出しためっき層が外部接続用端子として機能する端子部を構成するタイプの半導体パッケージを製造するための半導体素子搭載用基板の場合、めっき層に対してエッチング加工やプレス加工を施すことにより、溝を形成することは非常に難しい。
また、特許文献1に記載の技術のように、リードフレームにおけるリードの裏面側の外部接続用端子51となる端子部の切断位置に、リードを横断する溝51bを形成すると、半導体パッケージの組立てにおける樹脂封止の際に、端子部の溝51bに樹脂が入り込み、半田接続部分を目視可能にするための空間部51aが形成されない虞がある。
即ち、リードフレームにおけるリードの裏面側の外部接続用端子となる端子部51にリードを横断する溝51bを形成すると、外部接続用端子となる端子部51は、切断位置において、
図7(d)に示すようにリードの幅方向が全体にわたり薄肉状に形成される。一般に、リードフレームの半導体素子搭載側を樹脂封止する際には、リードフレームの裏面の溝に樹脂が入り込まないようにするためにリードフレームの裏面には、シート状のテープを貼り付ける。しかし、リードの幅方向に沿う溝51bの外側部分にはシート状のテープと密着する面が存在しないため、リードの幅方向に沿う溝51bの外側部分はシート状のテープから離れてしまう。ここで、シート状のテープを溝51bの面に密着させようとしても、シート状のテープが大きく変形することになり、溝51bに完全に密着させることが難しく、シート状のテープと溝51bの面とに隙間が生じ易い。その結果、樹脂封止する際にシート状のテープと溝51bの面との隙間から樹脂が回り込んで、端子部51の溝51bに樹脂が入り込み、半田接続部分を目視検査可能にするための空間部が形成されず、半導体パッケージ製品の歩留まりが悪くなる虞がある。
【0024】
次に、特許文献2に記載の技術も、パターン形成された金属板からなるリードフレームに対してプレス加工を施すことにより、半田接続部分を目視可能にするためスルーホールやスリットを形成する前段階の凹部を形成しているが、金属板を除去して裏面側に露出しためっき層が外部接続用端子となる端子部を構成するタイプの半導体装置を製造するための半導体素子搭載用基板の場合、めっき層に対してプレス加工を施すことにより、凹部を形成することは非常に難しい。
また、樹脂封止後に、ブレードを用いてハーフカットとフルカットの2回の切断工程が必要となり、生産効率が悪く、コストが増大してしまう。しかも、外部接続用端子が横方向へ突出するため、半導体パッケージ製品を小型化し難い。
【0025】
そこで、本件発明者は、半導体素子が搭載された領域を封止樹脂で封止した樹脂封止体から金属板を除去することによって製造され、裏面側に露出するめっき層からなる外部接続用端子がプリント基板等の外部機器と接続されるタイプの半導体パッケージの製造に用いる半導体素子搭載用基板において、半導体パッケージ製品の歩留まりや、生産効率が向上し、小型化にも対応でき、しかも、半田接続部分を目視可能とするために、試行錯誤を重ね、本発明の半導体素子搭載用基板及びその製造方法を導出するに至った。
【0026】
本発明の一態様による半導体素子搭載用基板は、金属板の一方の側の面に形成された、半導体パッケージの底面サイズよりも小さく、半導体素子の底面サイズよりも大きい凹部と、
1つの凹部の底面から側面および凹部の外側の面にわたる所定位置に段差をつけて形成された、めっき層からなる複数の端子部を有する。
また、本発明の他の態様による半導体素子搭載用基板は、金属板の一方の側の面に形成された、半導体パッケージの底面サイズよりも小さく、半導体素子の底面サイズよりも大きい凹部と、凹部の底面の中央部にめっき層で形成されたパッド部と、パッド部の周辺であって凹部の底面から側面および凹部の外側の面にわたる所定位置に段差をつけて形成された、めっき層からなる複数の端子部を有する。
【0027】
本発明の半導体素子搭載用基板のように、金属板の一方の側の面に形成された、半導体パッケージの底面サイズよりも小さく、半導体素子の底面サイズよりも大きい凹部と、凹部の底面から側面および凹部の外側の面にわたる所定位置に段差をつけて形成された、めっき層からなる複数の端子部を有して構成すれば、本発明の半導体素子搭載用基板を用いて半導体パッケージを製造した場合、半導体素子が搭載された領域を封止樹脂で封止した樹脂封止体から金属板を除去することによって露出するめっき層からなる端子部の裏面の外部接続用端子部が、半導体パッケージの底面から側面に向かって段差を有した形状に形成され、側面側の段差部分に空間部が設けられる。このため、半導体パッケージを外部基板に
半田を介して接続するときに、リフローにより溶けた半田が、外部接続用端子部の段差が形成されることによって設けられた空間部に濡れ広がる。その結果、半導体素子が搭載された領域を封止樹脂で封止した樹脂封止体から金属板を除去することによって製造され、裏面側に露出するめっき層からなる外部接続用端子がプリント基板等の外部機器と接続されるタイプの半導体パッケージの製造に用いる半導体素子搭載用基板であっても、半導体パッケージを、
半田を介して外部基板に接続したときの半田の接続状態を、半導体パッケージの側面に露出しためっき層からなる外部接続用端子の端縁部の側から目視確認することができる。
【0028】
また、本発明の半導体素子搭載用基板のように構成すれば、段差をつけて形成されためっき層からなる複数の端子部は、金属板の凹部の底面から側面および凹部の外側の面にわたって隙間のない状態で密着する。このため、特許文献1に記載の技術における溝部とは異なり、樹脂封止の際に、端子部の溝に樹脂が入り込んで半導体パッケージ製品の歩留まりが悪くなるような虞がない。
【0029】
また、本発明の半導体素子搭載用基板のように構成すれば、特許文献2に記載の技術とは異なり、樹脂封止後に、ブレードを用いたハーフカットとフルカットの2回の切断工程が不要であり、生産効率が良く、コストを低減できる。また、外部接続用端子が側方へ突出しないため、半導体パッケージ製品を小型化し易くなる。
【0030】
なお、本発明の半導体素子搭載用基板において、段差をつけて形成されためっき層からなる夫々の端子部の半導体素子搭載側の面は、半導体素子の電極と接続する内部接続用端子部となるが、段差のついためっき層からなる夫々の端子部の上段と下段のいずれの領域も、半導体素子の電極と接続することが可能である。
例えば、段差のついためっき層からなる夫々の端子部の下段と上段のいずれの面にも、半導体素子をフリップチップ実装することができる。
段差のついためっき層からなる夫々の端子部の下段の面に半導体素子をフリップチップ実装すると、半導体パッケージの厚みをめっき層の段差分薄くすることができる。
また、段差のついためっき層からなる夫々の端子部の上段の面に半導体素子をフリップチップ実装すると、封止樹脂で封止したときに、半導体素子の裏面側に回り込む封止樹脂の層を厚く形成でき、封止樹脂とめっき層との密着面積も広く確保できるため、封止樹脂と端子部との接続強度を高く保つことができる。また、パッド部の面と半導体素子との間の空間を十分に確保でき、絶縁性が向上してノイズを拾い難くなる。
また、本発明の半導体素子搭載用基板は、例えば、凹部の底面の中央部にめっき層で形成されたパッド部を設け、パッド部の周辺であって凹部の底面から側面および凹部の外側の面にわたる所定位置に、段差をつけて形成されためっき層からなる複数の端子部を設け、パッド部の面に半導体素子を搭載し、半導体素子の電極と夫々の端子部の上段の面とをワイヤボンディングにより接続することができるようにしても良い。
【0031】
また、本発明の半導体素子搭載用基板においては、好ましくは、凹部の深さが、0.005mm〜0.11mmである。
例えば、凹部の深さを0.005mm〜0.025mm程度となるように形成すれば、凹部に形成された端子部等となるめっき層が半導体パッケージの裏面から大きくは突出しないため、半導体パッケージの製造において、封止樹脂体から金属板を引き剥がし除去する際における、凹部に形成されためっき層の金属板への引っ掛かりを防止でき、金属板を引き剥がし易くなる。
また、例えば、凹部の深さを0.03mm〜0.06mm程度となるように形成すれば、半導体素子搭載後の半導体素子の裏面側のパッド部等の面との空間を、ノイズ対策(絶縁性を向上させてノイズを拾い難くする)や半田ブリード対策(半導体素子を凹部の底面に形成された端子部等となるめっき層に半田接続したときにおける、めっき層表面と半導体素子との結合点以外のめっき層全域への半田の濡れ広がりを食い止め、めっき層表面と封止樹脂との密着性が阻害されることを防止し、また、半導体パッケージを外部機器へ半田接続したときにおける、隣接する端子側への半田の濡れ広がりを食い止め、電気的なショートを防止する)を講じることが可能な程度確保できる。
また、例えば、凹部の深さを0.08mm〜0.11mm程度となるように形成すれば、段差を有する端子部の裏面の外部接続用端子において半導体パッケージの側面側の段差部分に設けられる、半田を介在させうる空間部の領域が半導体パッケージの厚さ方向に増えることになる。その結果、半導体パッケージを製造後の外部接続用端子と外部機器との半田接続状態をより観察し易くなる。
また、凹部の深さを0.08mm〜0.11mm程度となるように形成すれば、半導体素子を搭載し、封止樹脂で封止後に、基材をなす金属板の除去を薬液の溶解により行う場合に、凹部の深さを深くした分、溶解させる金属板の体積がより少なくなる。その結果、薬液中に溶解される金属板成分の濃度の上昇を抑え、安定した溶解状態を保つことができ、薬液調整(金属板成分の濃度が高くなった溶液の汲み出し及び新しい溶液の補充)を軽減することができる。
【0032】
また、本発明の半導体素子搭載用基板においては、一つの半導体パッケージ領域において深さの異なる凹部を複数有しても良い。
また、本発明の半導体素子搭載用基板においては、凹部の底面が段差を有し、端子部が3つ以上の高さの異なる面を有しても良い。
端子部が3つ以上の高さの異なる面を有するようにすれば、半導体パッケージを外部機器へ半田接続したときに、複数の段差を有する面を介して半田を最も広い空間領域まで導き、最も広い空間領域で半田を介在させた状態に留め易くなる。その結果、半田ブリード対策(半導体素子を凹部の底面に形成された端子部等となるめっき層に半田接続したときにおける、めっき層表面と半導体素子との結合点以外のめっき層全域への半田の濡れ広がりを食い止め、めっき層表面と封止樹脂との密着性が阻害されることを防止し、また、半導体パッケージを外部機器へ半田接続したときにおける、隣接する端子側への半田の濡れ広がりを食い止め、電気的なショートを防止する)を講じ易くなる。
【0033】
そして、このような本発明の半導体素子搭載用基板は、金属板の一方の側の面上に、半導体パッケージの底面サイズよりも小さく、半導体素子の底面サイズよりも大きい開口部を有するエッチング用レジストマスクを形成するとともに、金属板の他方の側の面上に、全面を覆うエッチング用レジストマスクを形成する工程と、金属板の一方の側からハーフエッチング加工を施し、凹部を形成する工程と、金属板の一方の側の面上に形成したエッチング用レジストマスクを除去する工程と、金属板の一方の側の面上に、
1つの凹部の底面から側面および凹部の外側の面にわたる所定位置に対応する領域に複数の開口部を有するめっき用レジストマスクを形成する工程と、めっき用レジストマスクの開口部にめっき加工を施し、段差のついた複数の端子部を形成する工程と、金属板の両面上に形成したレジストマスクを除去する工程と、を有することによって製造できる。
【0034】
従って、本発明によれば、半導体素子が搭載された領域を封止樹脂で封止した樹脂封止体から金属板を除去することによって製造され、裏面側に露出するめっき層からなる外部接続用端子がプリント基板等の外部機器と接続されるタイプの半導体パッケージの製造に用いる半導体素子搭載用基板において、半導体パッケージ製品の歩留まりや、生産効率が向上し、小型化にも対応でき、しかも、半田接続部分を目視可能な半導体素子搭載用基板及びその製造方法が得られる。
【0035】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行うこととする。
【0036】
図1は本発明の一実施形態に係る半導体素子搭載用基板の要部構成の一例を示す説明図で、(a)は端子部の構造を示す断面図、(b)は(a)の半導体素子搭載用基板が多列配列された多列型半導体素子搭載用基板の一例を示す上面図、(c)は(a)の半導体素子搭載用基板に半導体素子を搭載する一態様を示す説明図、(d)は(a)の半導体素子搭載用基板に半導体素子を搭載する他の態様を示す説明図、(e)は(a)の半導体素子搭載用基板の一変形例を示す説明図である。
図2は
図1(a)、
図1(b)の半導体素子搭載用基板における隣り合う半導体パッケージ領域の端子部同士の配置態様の他の例を示す図で、(a)は断面図、(b)は(a)の半導体素子搭載用基板が多列配列された多列型半導体素子搭載用基板の上面図である。
図3は本発明の他の実施形態に係る半導体素子搭載用基板の要部構成の一例を示す説明図で、(a)は端子部の構造を示す断面図、(b)は(a)の半導体素子搭載用基板が多列配列された多列型半導体素子搭載用基板の一例を示す上面図、(c)は(a)の半導体素子搭載用基板に半導体素子を搭載する一態様を示す説明図である。
【0037】
本実施形態の半導体素子搭載用基板1は、例えば、
図1(a)に示すように、凹部11と、複数の端子部12を有し、
図1(b)に示すように、多列配列されている。
凹部11は、金属板10の一方の側の面10aに形成され、半導体パッケージの底面サイズよりも小さく、半導体素子の底面サイズよりも大きいサイズを有している。
端子部12は、
1つの凹部11の底面11aから側面11bおよび凹部11の外側の面(即ち、金属板10の一方の側の面10a)にわたる所定位置に段差をつけて形成されためっき層で構成されている。
そして、複数の端子部12は、
図1(c)、
図1(d)に示すように、半田15等の接続部材を介して、端子部12の下段(
図1(c)の例)又は端子部12の上段(
図1(d)の例)に、半導体素子20をフリップチップ実装することができるようになっている。
なお、本実施形態の半導体素子搭載用基板1は、
図1(a)、
図1(b)の例では、隣り合う半導体パッケージ領域(不図示)の端子部同士が接続した態様に配置されているが、
図2(a)、
図2(b)に示すように、隣り合う半導体パッケージ領域(不図示)の端子部同士が離れた態様に配置されたものであってもよい。
また、本実施形態の半導体素子搭載用基板1は、
図3(a)、
図3(b)に示すように、凹部11の底面11aの中央部にめっき層で形成されたパッド部12−1と、パッド部12−1の周辺であって凹部11aの底面11aから側面11bおよび凹部11の外側の面にわたる所定位置に、段差をつけて形成されためっき層で構成された複数の端子部12−2を有し、
図3(c)に示すように、パッド部12−1に半導体素子20を搭載するとともに、ボンディングワイヤ16等の接続部材を介して、端子部12−1の上段と、半導体素子20とをワイヤボンディングすることができるように構成されたものであってもよい。
【0038】
その他、本実施形態の半導体素子搭載用基板1においては、凹部11の深さは、0.005〜0.11mmに形成されているのが好ましい。
また、本実施形態の半導体素子搭載用基板1においては、一つの半導体パッケージ領域において深さの異なる凹部11を複数有しても良い。
また、本実施形態の半導体素子搭載用基板1においては、
図1(e)に示すように、凹部11の底面11aが段差を有し、端子部12が3つ以上の高さの異なる面を有して構成されたものであっても良い。
【0039】
次に、
図1(a)、
図1(b)のように構成される本実施形態の半導体素子搭載用基板1の製造工程の一例を、
図4を用いて説明する。なお、製造の各工程において実施される、薬液洗浄や水洗洗浄を含む前処理・後処理等は、便宜上説明を省略する。
まず、銅または銅合金の金属板10をリードフレーム材料として準備する(
図4(a)参照)。
次に、金属板10にハーフエッチング加工を施して凹部11を形成する。詳しくは、金属板10の両面にドライフィルムレジスト等の第1のレジスト層R1を形成する(
図4(b)参照)。次いで、
図1(a)、
図1(b)に示した凹部11に対応する所定のパターンが描画されたガラスマスクを用いて、金属板10の一方の側の第1のレジスト層R1を露光するとともに、金属板10の他方の側の第1のレジスト層R1を全面にわたって露光し、露光後に夫々の第1のレジスト層R1を現像する。そして、金属板10の一方の側の面上に、半導体パッケージの外形よりも小さく、半導体素子の底面よりも大きいサイズの開口部を有するエッチング用レジストマスク31を形成するとともに、金属板10の他方の側の面上に、全面を覆うエッチング用レジストマスク31を形成する(
図4(c)参照)。次いで、金属板10の一方の側からハーフエッチング加工を施し、凹部11を形成する(
図4(d)参照)。次いで、金属板10の一方の側の面上に形成したエッチング用レジストマスク31を除去する(
図4(e)参照)。
次に、金属板10の一方の側における、
1つの凹部11の底面11aから側面11bおよび凹部11の外側の面にわたる所定位置にめっき層からなる複数の端子部12を形成する。詳しくは、金属板10の一方の側の面に、ドライフィルムレジスト等の第2のレジスト層R2を形成する(
図4(f)参照)。次いで、
図1(a)、
図1(b)に示した端子部12に対応する所定のパターンが描画されたガラスマスクを用いて、金属板10の一方の側の第2のレジスト層R2を露光し、露光後に第2のレジスト層R2を現像する。そして、金属板10の一方の側の面上に、
1つの凹部11の底面11aから側面11bおよび凹部11の外側の面にわたる端子部12に対応する領域に複数の開口部を有するめっき用レジストマスク32を形成する(
図4(g)参照)。次いで、めっき用レジストマスク32の開口部に、例えば、Au、Pd、Ni、Pdの順でめっき加工を施し、段差のついた複数の端子部12を形成する(
図4(h)参照)。
なお、めっき層の表面は、粗化処理を施すのが良い。めっき層の表面を粗化処理する場合、例えば、めっき層の形成をNiめっきで終えて、Niめっき層を粗化めっきで形成しても良い。また、例えば、平滑なNiめっき層を形成した後に、Niめっき層の表面をエッチングにて粗化処理しても良い。また、例えば、めっき層の形成をCuめっきで終えて、Cuめっき層の表面を陽極酸化処理又はエッチングにて粗化処理してもよい。さらに、例えば、粗化めっき層形成後に、順に、Pd/Auめっき層を積層してもよい。
次いで、金属板10の両面上に形成したレジストマスク31、32を除去する(
図4(i)参照)。
これにより、本実施形態の半導体素子搭載用基板1が出来上がる。
【0040】
次に、本実施形態の半導体素子搭載用基板1を用いた半導体パッケージの製造手順を、
図5を用いて説明する。
まず、端子部12の表面の内部端子接続部に
半田15等を介して半導体素子20をフリップチップ接続する(
図5(a)参照)。
次に、図示しないモールド金型をセットし、半導体素子搭載側を封止樹脂21で封止する(
図5(b)参照)。
次に、金属板10を除去し(
図5(c)参照)、所定の半導体パッケージの寸法に切断する(
図5(d)参照)。これにより、本実施形態の半導体素子搭載用基板1を用いた半導体パッケージ40が完成する(
図5(e)参照)。
【0041】
本実施形態の半導体素子搭載用基板1によれば、金属板10の一方の側の面に形成された、半導体パッケージの底面サイズよりも小さく、半導体素子の底面サイズよりも大きい凹部11と、凹部11の底面11aから側面11bおよび凹部11の外側の面にわたる所定位置に段差をつけて形成されためっき層からなる複数の端子部12を有して構成したので、半導体素子が搭載された領域を封止樹脂で封止した樹脂封止体から金属板10を除去することによって露出するめっき層からなる端子部12の裏面の外部接続用端子部が、半導体パッケージ40の底面から側面に向かって段差を有した形状に形成され、側面側の段差部分に空間部が設けられる。このため、本実施形態の半導体素子搭載用基板1を用いて半導体パッケージ40を製造した場合、例えば、
図6(a)〜
図6(c)に示すように、半導体パッケージ40を外部機器(例えば、プリント基板80)に
半田90を介して接続するときに、リフローにより溶けた半田が、端子部12の裏面の外部接続用端子部の段差が形成されることによって設けられた空間部に濡れ広がる。その結果、半導体素子20が搭載された領域を封止樹脂21で封止した樹脂封止体から金属板10を除去することによって製造され、裏面側に露出するめっき層からなる外部接続用端子がプリント基板等の外部機器と接続されるタイプの半導体パッケージの製造に用いる半導体素子搭載用基板であっても、半導体パッケージ40を、
半田90を介して外部基板80に接続したときの半田の接続状態を、半導体パッケージ40の側面に露出しためっき層からなる外部接続用端子の端縁部の側から目視確認することができる。
【0042】
また、本実施形態の半導体素子搭載用基板1によれば、段差をつけて形成されためっき層からなる複数の端子部12は、金属板10の凹部11の底面11aから側面11bおよび凹部11の外側の面にわたって隙間のない状態で密着する。このため、特許文献1に記載の技術における溝部とは異なり、樹脂封止の際に、端子部の溝に封止樹脂が入り込んで半導体パッケージ製品の歩留まりが悪くなるような虞がない。
【0043】
また、本実施形態の半導体素子搭載用基板1によれば、特許文献2に記載の技術とは異なり、樹脂封止後に、ブレードを用いたハーフカットとフルカットの2回の切断工程が不要であり、生産効率が良く、コストを低減できる。また、外部接続用端子が側方へ突出しないため、半導体パッケージ製品を小型化し易くなる。
【0044】
また、本実施形態の半導体素子搭載用基板1において、
図1(c)に示したように、段差のついためっき層からなる夫々の端子部12の下段の面に半導体素子20をフリップチップ実装すれば、半導体パッケージの厚みをめっき層の段差分薄くすることができる。
【0045】
また、本実施形態の半導体素子搭載用基板1において、
図1(d)に示したように、段差のついためっき層からなる夫々の端子部12−2の上段の面に半導体素子20をフリップチップ実装すれば、封止樹脂で封止したときに、半導体素子20の裏面側に回り込む封止樹脂の層を厚く形成でき、封止樹脂とめっき層との密着面積も広く確保できるため、封止樹脂と端子部12との接続強度を高く保つことができる。また、パッド部12−1の面と半導体素子20との間の空間を十分に確保でき、絶縁性が向上してノイズを拾い難くなる。
【0046】
また、本実施形態の半導体素子搭載用基板1において、凹部11の深さを0.005mm〜0.025mm程度となるように形成すれば、凹部11に形成された端子部12等となるめっき層が半導体パッケージ40の裏面から大きくは突出しないため、半導体パッケージ40の製造において、封止樹脂体から金属板10を引き剥がし除去する際における、凹部11に形成されためっき層の金属板への引っ掛かりを防止でき、金属板10を引き剥がし易くなる。
【0047】
また、本実施形態の半導体素子搭載用基板1において、凹部11の深さを0.03mm〜0.06mm程度となるように形成すれば、半導体素子搭載後の半導体素子20の裏面側のパッド部等の面との空間を、ノイズ対策(絶縁性を向上させてノイズを拾い難くする)や半田ブリード対策(半導体素子20を凹部11の底面に形成された端子部12等となるめっき層に半田接続したときにおける、めっき層表面と半導体素子20との結合点以外のめっき層全域への半田の濡れ広がりを食い止め、めっき層表面と封止樹脂との密着性が阻害されることを防止し、また、半導体パッケージを外部機器へ半田接続したときにおける、隣接する端子側への半田の濡れ広がりを食い止め、電気的なショートを防止する)を講じることが可能な程度確保できる。
また、本実施形態の
図1(e)の半導体素子搭載用基板によれば、端子部12が3つ以上の高さの異なる面を有するので、半導体パッケージを外部機器へ半田接続したときに、複数の段差を有する面を介して半田を最も広い空間領域まで導き、最も広い空間領域で半田を介在させた状態に留め易くなる。その結果、半田ブリード対策(半導体素子20を凹部11の底面に形成された端子部12等となるめっき層に半田接続したときにおける、めっき層表面と半導体素子20との結合点以外のめっき層全域への半田の濡れ広がりを食い止め、めっき層表面と封止樹脂との密着性が阻害されることを防止し、また、半導体パッケージを外部機器へ半田接続したときにおける、隣接する端子側への半田の濡れ広がりを食い止め、電気的なショートを防止する)を講じ易くなる。
【0048】
また、本実施形態の半導体素子搭載用基板1において、凹部11の深さを0.08mm〜0.11mm程度となるように形成すれば、段差を有する端子部12の裏面の外部接続用端子において半導体パッケージ40の側面側の段差部分に設けられる、半田を介在させうる空間部の領域が半導体パッケージ40の厚さ方向に増えることになる。その結果、半導体パッケージを製造後の外部接続用端子と外部機器との半田接続状態をより観察し易くなる。
また、凹部11の深さを0.08mm〜0.11mm程度となるように形成すれば、半導体素子20を搭載し、封止樹脂で封止後に、基材をなす金属板10の除去を薬液の溶解により行う場合に、凹部11の深さを深くした分、溶解させる金属板10の体積がより少なくなる。その結果、薬液中に溶解される金属板10成分の濃度の上昇を抑え、安定した溶解状態を保つことができ、薬液調整(金属板成分の濃度が高くなった溶液の汲み出し及び新しい溶液の補充)を軽減することができる。
【0049】
従って、本実施形態によれば、半導体素子が搭載された領域を封止樹脂で封止した樹脂封止体から金属板を除去することによって製造され、裏面側に露出するめっき層からなる外部接続用端子がプリント基板等の外部機器と接続されるタイプの半導体パッケージの製造に用いる半導体素子搭載用基板において、半導体パッケージ製品の歩留まりや、生産効率が向上し、小型化にも対応でき、しかも、半田接続部分を目視可能な半導体素子搭載用基板及びその製造方法が得られる。
【実施例】
【0050】
次に、本発明のリードフレームとその製造方法の実施例を説明する。
実施例1
まず、金属板10として、厚さ0.20mmの銅系材料を準備し(
図4(a)参照)、両面に、第1のレジスト層R1としてドライフィルムレジストをラミネートした(
図4(b)参照)。
【0051】
次に、
図1(a)、
図1(b)に示した凹部11に対応する所定のパターンが描画されたガラスマスクを用いて金属板10の一方の側の第1のレジスト層R1を露光するとともに、金属板10の他方の側の第1のレジスト層R1を全面にわたって露光し、露光後に夫々の第1のレジスト層R1を現像して、金属板10の一方の側の面上に、半導体パッケージの底面サイズよりも小さく、半導体素子の底面サイズよりも大きい開口部を有するエッチング用レジストマスク31を形成するとともに、金属板10の他方の側の面上に、全面を覆うエッチング用レジストマスク31を形成した(
図4(c)参照)。
次に、金属板10の一方の側から深さ0.015mmのハーフエッチング加工を施し、金属板におけるハーフエッチング加工を施した深さにおいて凹部11を形成した(
図4(d)参照)。なお、エッチング液は、塩化第二鉄液を使用した。
次に、金属板10の一方の側の面上に形成したエッチング用レジストマスク31を剥離した(
図4(e)参照)。
【0052】
次に、金属板10の一方の側の面に、第2のレジスト層R2としてドライフィルムレジストをラミネートした(
図4(f)参照)。
次に、
図1(a)、
図1(b)に示した端子部12に対応する所定のパターンが描画されたガラスマスクを用いて、金属板10の一方の側の第2のレジスト層R2を露光し、露光後に第2のレジスト層R2を現像して、金属板10の一方の側の面上に、
1つの凹部11の底面11aから側面11bおよび凹部11の外側の面にわたる端子部12に対応する領域に複数の開口部を有するめっき用レジストマスク32を形成した(
図4(g)参照)。
次に、めっき用レジストマスク32の開口部に、Auを0.01μm、Pdを0.03μm、Niを30.0μm、Pdを0.03μmの厚さで順次めっき加工を施し、段差のついた複数の端子部12を形成した(
図4(h)参照)。
次に、金属板10の両面上に形成したレジストマスク31、32を剥離し(
図4(i)参照)、実施例1の半導体素子搭載用基板1を得た。
【0053】
次に、実施例1の半導体素子搭載用基板1における端子部12の表面の内部端子接続部に
半田15等を介して半導体素子20をフリップチップ接続し(
図5(a)参照)、図示しないモールド金型をセットし、半導体素子搭載側を封止樹脂21で封止した(
図5(b)参照)。
次に、金属板10を除去した(
図5(c)参照)。
【0054】
このとき、金属板10を除去した封止樹脂体における半導体素子搭載側とは反対側の面(裏面)が凸形状に形成され、凸形状に形成された封止樹脂体の面から外部接続用端子となる端子部12を構成するめっき層が露出した状態に仕上がった。
次に、所定の半導体パッケージの寸法に切断した(
図5(d)参照)。これにより、実施例1の半導体素子搭載用基板1を用いた半導体パッケージ40を得た(
図5(e)参照)。
次に、実施例1の半導体素子搭載用基板1を用いた半導体パッケージ40の外部接続用端子を外部機器であるプリント基板80の端子に半田接続して、プリント基板80に装着した。このとき、リフローにより溶けた半田90が、端子部12の裏面の外部接続用端子部の段差が形成されることによって設けられた空間部に濡れ広がり、半導体パッケージ40の側面に露出した外部接続用端子12の半田接続部分を目視確認でき、半導体パッケージ40の外部機器であるプリント基板80との半田接続状態の良・不良を目視検査できる状態となった(
図6(a)〜
図6(c)参照)。
【0055】
比較例1
比較例1では、実施例1におけるハーフエッチング加工による凹部11の形成工程を省き、それ以外は、実施例1と略同様の条件及び手順で、半導体素子搭載用基板を製造した。
より詳しくは、金属板の両面に第1のレジスト層として、ドライフィルムレジストをラミネートし、
図1(b)に示した端子部12に対応する所定のパターンが描画されたガラスマスクを用いて、金属板の一方の側の第1のレジスト層を露光するとともに、金属板の他方の側の第1のレジスト層を全面にわたって露光し、露光後に夫々の第1のレジスト層を現像して、金属板の一方の側の面上に、
図1(b)に示した端子部12に対応する領域に複数の開口部を有するめっき用レジストマスクを形成するとともに、金属板の他方の側の面上に、全面を覆うめっき用レジストマスクを形成した。
次に、めっき用レジストマスクの開口部に、Auを0.01μm、Pdを0.03μm、Niを30.0μm、Pdを0.03μmの厚さで順次めっき加工を施し、複数の端子部を形成した。
次に、金属板の両面上に形成したレジストマスクを剥離し、比較例1の半導体素子搭載用基板を得た。
【0056】
次に、実施例1と同様、比較例1の半導体素子搭載用基板における端子部の表面の内部端子接続部に
半田等を介して半導体素子をフリップチップ接続し、図示しないモールド金型をセットし、半導体素子搭載側を封止樹脂で封止し、その後、金属板を除去した。
このとき、金属板を除去した封止樹脂体における半導体素子搭載側とは反対側の面が平坦に形成され、平坦に形成された封止樹脂体の面から外部接続用端子となる端子部を構成するめっき層が露出した状態に仕上がった。
次に、所定の半導体パッケージの寸法に切断した。これにより、比較例1の半導体素子搭載用基板を用いた半導体パッケージを得た。
次に、比較例1の半導体素子搭載用基板を用いた半導体パッケージの外部接続用端子を外部機器であるプリント基板の端子に半田接続して、プリント基板に装着した。
【0057】
外部機器接続後の半田接続状態の外観観察のし易さの比較
実施例1及び比較例1の夫々の半導体素子搭載用基板を用いて製造した夫々の半導体パッケージを、
半田を介して外部機器であるプリント基板の端子へ接続後の半田接続状態の外観観察のし易さを比較した。
比較例1の半導体素子搭載用基板を用いて製造した半導体パッケージを外部機器であるプリント基板の端子へ接続した場合、半導体パッケージの側面からの半田のはみ出しが無く、外部接続用端子部と外部機器であるプリント基板の端子との半田接続状態を目視確認することが難しかった。
これに対し、実施例1の半導体素子搭載用基板1を用いて製造した半導体パッケージ40を外部機器であるプリント基板80の端子へ接続した場合、半導体パッケージ40の側面に全ての端子部12の外部機器側の面と外部機器であるプリント基板80の端子との間に半田が充填されていることを、半導体パッケージ40の側面に露出しためっき層からなる外部接続用端子の端縁部の側から目視で確認することができた。
【0058】
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施形態及び実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態及び実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。