(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ハンドルは、前記カバー部材を上側に移動させるために前記ハンドルを持ち上げる操作を行ったときに上方移動するように、且つ前記カバー部材を下側に移動させるために前記ハンドルを持ち下げる操作を行ったときに下方移動するように、前記カバー部材に対して上下移動可能に設けられており、
前記解除機構は、前記ハンドルの前記上方移動が前記第1の操作となり、且つ前記ハンドルの前記下方移動が前記第2の操作となるように、前記ハンドルに連結されている、請求項1又は2に記載の塵芥収集車。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
[全体構成]
図1は、本発明の第1実施形態に係る塵芥収集車の後部を示す側断面図である。以下、本明細書では、塵芥収集車の前後方向を「前後方向」といい、塵芥収集車の上下方向を「上下方向」といい、塵芥収集車を前方または後方から見た左右方向を「車幅方向」という。また、前記「車幅方向」のうち、塵芥収集車の前記左右方向の中央部から右側又は左側へ向かう方向を「車幅方向外側」といい、前記左右方向の右側又は左側から中央部へ向かう方向を「車幅方向内側」という。
【0022】
本実施形態の塵芥収集車1は、車体1a上に搭載された塵芥収容箱2と、塵芥収容箱2の後方に配置して連設された塵芥投入箱3とを備えている。塵芥収容箱2の後面には、塵芥を塵芥収容箱2内に積み込むための開口部2aが形成されている。塵芥投入箱3は、その後部に塵芥が投入される投入口3aを有する。
【0023】
塵芥投入箱3は、上部に設けられた支点Pを中心に上下方向に回動可能であり、これによって塵芥収容箱2に対しての開閉動作が可能である。すなわち、塵芥投入箱3は、
図1に示す位置で塵芥収容箱2の開口部2aを閉鎖し、図示しない上方へ回動した位置で前記開口部2aを開放して塵芥収容箱2内の塵芥を排出することができる状態となる。
【0024】
塵芥投入箱3内には、投入口3aから投入された塵芥を塵芥収容箱2に積み込み可能な積込装置Tが設けられている。本実施形態の積込装置Tは、塵芥の積込動作に圧縮行程を有するプレス式である。積込装置Tは、スライダ5と、このスライダ5の下端部にピン6を介して回動自在に取り付けられている押込板7とを有している。スライダ5は、塵芥投入箱3の左右の側壁3cに設けられたガイドレール4に沿って移動することができる。塵芥投入箱3内の左右両側において、スライダ5の側面部材5aと塵芥投入箱3の側壁3cとの間にはプッシュシリンダ8が取り付けられている。また、押込板7の側面部材7aとスライダ5の側面部材5aとの間にはプレスシリンダ9が取り付けられている。
【0025】
積込装置Tは、以下のように動作する。まず、
図1の実線で示す状態から、プレスシリンダ9の収縮動作により押込板7を反時計回り方向に回動させ、押込板7を反転させる(反転工程)。次に、プッシュシリンダ8の収縮動作によりスライダ5と押込板7とを共に斜め後方に降下させ、投入口3aから投入された塵芥を押込板7を圧縮する(一次圧縮工程)。そして、プレスシリンダ9の伸長動作により押込板7を時計回り方向に回動させ二次圧縮を行う(二次圧縮工程)。
【0026】
次に、プッシュシリンダ8の伸長動作によりスライダ5と押込板7とを斜め前方に上昇させ、圧縮した塵芥を塵芥収容箱2側へ押し込む(
図1の二点鎖線で示した状態から実線で示した状態へ移動させる押込工程)。このように、積込装置Tは、順に反転工程、一次圧縮工程、二次圧縮工程、及び押込工程を1サイクルとして行い、塵芥投入箱3に投入された塵芥を前記開口部2aを通じて塵芥収容箱2に積み込む動作を行うことができる。
【0027】
図2は、塵芥投入箱3を車両後方から見た正面図である。
図1及び
図2において、塵芥投入箱3には、投入口3aの下部に載置台10が設けられている。載置台10は、塵芥投入箱3に対して水平軸回りに回動可能に取り付けられており、起立姿勢(
図1の実線位置)と展開姿勢(
図1の一点鎖線位置)とに姿勢変化することができる。つまり、
図1の実線位置にある載置台10は、その基端部を中心として下方(後方)へ回動可能とされており、下方へ90°回動して展開された状態(
図1の一点鎖線位置)となる。
【0028】
載置台10が展開された展開姿勢となると、作業者が塵芥を投入口3aから投入する際に、載置台10上に塵芥を一旦載置することができ、塵芥投入の作業性を高めることができる。載置台10は、投入口3aの車幅方向の全長にわたって形成されている。これにより、載置台10は、起立姿勢となると、投入口3aの下部を閉鎖する。
【0029】
[カバー部材]
図1及び
図2において、塵芥収集車1は、塵芥投入箱3の投入口3aを開閉するためのカバー部材20と、このカバー部材20を上下方向にスライド可能に案内するレール部材21とをさらに備えている。
【0030】
カバー部材20は、投入口3aの車幅方向の全長にわたって形成されており、投入口3aの下部を除く他部、つまり、投入口3aにおいて起立姿勢時の載置台10よりも上側部分を開閉するものである。カバー部材20の後面下側の中央部には、カバー部材20を上下方向にスライド操作するためのハンドル11が設けられている。ハンドル11の詳細については後述する。
【0031】
レール部材21は、塵芥投入箱3の側壁3cにおいて、投入口3aの車幅方向の側端部に沿って上下方向に延びて設けられている。なお、レール部材21は、図示を省略するが、塵芥投入箱3の左右の側壁3cにおいて、投入口3aの車幅方向の両側端部に沿って設けられている。
【0032】
カバー部材20の車幅方向の両端部には、それぞれガイドローラ(図示省略)が回転自在に設けられており、これらのガイドローラが各レール部材21に沿って上下方向に移動するようになっている。これにより、カバー部材20は、塵芥投入箱3に対して、上下方向にスライド可能とされている。
【0033】
図3は、塵芥投入箱3の側面図である。
図3に示すように、載置台10が起立姿勢のとき、カバー部材20は、上位置(
図3の二点鎖線位置)と、下位置(
図3の実線位置)との間でスライド可能とされている。したがって、
図3の実線で示すように、下位置にスライドさせたカバー部材20と、起立姿勢とした載置台10とが上下に連続して配置されることで、投入口3a全体が閉鎖される。そして、この閉鎖状態から、
図3の二点鎖線で示すように、カバー部材20を上位置までスライドさせるとともに、載置台10を展開姿勢(
図1参照)とすることで、投入口3a全体が開放される。
【0034】
なお、レール部材21は、載置台10の起立姿勢時の上端よりも下方に延びて形成されている。これにより、図示を省略するが、載置台10を展開姿勢としたときに、カバー部材20は、レール部材21に沿って下位置(
図3の実線位置)よりも下方の最下位置までスライド可能とされている。このようにカバー部材20を最下位置とすることで、投入口3a全体を一時的に閉鎖することができる。
【0035】
側壁3cの外側面の前端部には、その上下方向の略中央部に固定されたブラケット23を介して、アーム部材24の下端部が上下スライド可能かつ上下回動可能に連結されている。アーム部材24の上端部は、カバー部材20の上端部に連結されている。これにより、カバー部材20が上下方向にスライドすると、アーム部材24は、その下端部を上下に移動させながら、当該下端部を中心として上下方向に回動するようになっている。
【0036】
アーム部材24の下端部側には、例えばスプリング等の補助部材25の一端が連結されており、補助部材25の他端は、側壁3cの外側面の上端部に連結されている。これにより、補助部材25は、アーム部材24を常に上方へ回動させるように付勢している。したがって、カバー部材20は、補助部材25の付勢力によって、上位置と最下位置との間で常に上側に向かってスライドするように付勢されている。
【0037】
補助部材25の両端は、カバー部材20が最下位置にあるときに付勢力が最も大きくなり、カバー部材20が上位置にあるときに付勢力が最も小さくなるように、アーム部材24及び側壁3cにそれぞれ連結されている。なお、ブラケット23、アーム部材24、及びレール部材21は、図示を省略するが、塵芥投入箱3の左右の側壁3cそれぞれに設けられている。
【0038】
[ロック装置]
図4は、下位置にあるカバー部材20を前面側(裏面側)から見た正面図である。塵芥収集車1は、カバー部材20が下位置から上側にスライドするのを規制及び規制解除するとともに、カバー部材20が上位置から下側にスライドするのを規制及び規制解除するロック装置30を備えている。ロック装置30は、カバー部材20に設けられたロックピン31及びスプリング(付勢部材)32と、塵芥投入箱3の側壁3cに設けられた下係合部33及び上係合部34とを備えている。
【0039】
ロックピン31は、カバー部材20の前面における車幅方向の端部に固定された取付部材35に対して車幅方向に移動可能に取り付けられている。ロックピン31の車幅方向の内側には、スプリング32が挿入されており、このスプリング32の付勢力により、ロックピン31は常に車幅方向外側に向けて付勢されている。ロックピン31の車幅方向内端には、後述する解除機構50のワイヤ62の端部が接続されている。なお、ロックピン31、スプリング32、及び取付部材35は、図示を省略するが、カバー部材20の車幅方向の両端部にそれぞれ設けられている。
【0040】
下係合部33は、カバー部材20が下位置にあるときに、スプリング32により付勢されたロックピン31と係合して当該ロックピン31が上側に移動するのを規制するものである。本実施形態の下係合部33は、側壁3cの内側面(投入口3aの車幅方向の側端部)の下部において、車幅方向内側に突出して固定されている。
【0041】
下係合部33の下面は、水平方向に延びて形成されており、スプリング32により付勢されたロックピン31が係合する係合面33aとされている。この係合面33aにロックピン31が係合することで、カバー部材20が上記補助部材25(
図3参照)の付勢力によって下位置から上側にスライドするのを規制することができる。下係合部33の係合面33aよりも上方には、傾斜面33bが形成されている。傾斜面33bは、車幅方向外側から車幅方向内端に向かうに従って高さが下がるように傾斜している。
【0042】
下係合部33の直下における側壁3cの内側面には、車幅方向内側に突出する規制部36が固定されている。規制部36の上面は、水平方向に延びて形成されており、ロックピン31が係合する係合面36aとされている。この係合面36aにロックピン31が係合することで、カバー部材20が下位置からさらに下側にスライドするのを規制することができる。本実施形態の規制部36は、上係合部34と同一形状に形成されており、下係合部33よりも車幅方向内側に突出して固定されている。
【0043】
規制部36の係合面36aよりも下方には、傾斜面36bが形成されている。傾斜面36bは、車幅方向外側から車幅方向内端に向かうに従って高さが上がるように傾斜している。これにより、カバー部材20を最下位置から下位置までスライドさせるときに、ロックピン31は、規制部36の傾斜面36bに当接することで、スプリング32の付勢力に抗して、当該傾斜面36bに沿いながら車幅方向内側へ移動し、規制部36を乗り越える。これにより、ロックピン31は下位置で係合面36aに係合する。その際、ロックピン31が係合面36aに係合する感触は、ハンドル11を介して作業者の手に伝わるため、作業者はカバー部材20が下位置に達したことを容易に把握することができる。
【0044】
上係合部34は、カバー部材20が上位置にあるときに、スプリング32により付勢されたロックピン31と係合して当該ロックピン31が下側に移動するのを規制するものである。本実施形態の上係合部34は、側壁3cの内側面の上部において、下係合部33よりも車幅方向内側に突出して固定されている。
【0045】
上係合部34の上面は、水平方向に延びて形成されており、スプリング32により付勢されたロックピン31が係合する係合面34aとされている。この係合面34aにロックピン31が係合することで、カバー部材20が自重によって上位置から下側へスライドするのを規制することができる。上係合部34の係合面34aよりも下方には、傾斜面34bが形成されている。傾斜面34bは、車幅方向外側から車幅方向内端に向かうに従って高さが上がるように傾斜している。
【0046】
上係合部34の下方における側壁3cの内側面には、車幅方向内側に突出する係合部37が固定されている。この係合部37は、例えば、低身長の作業者がカバー部材20を上位置までスライドさせることができない場合に、カバー部材20を上位置よりも少し低い高さ位置までスライドさせたときに、スプリング32により付勢されたロックピン31と係合して当該ロックピン31が下側に移動するのを規制するものである。本実施形態の係合部37は、上係合部34と同一形状に形成されており、下係合部33よりも車幅方向内側に突出して固定されている。
【0047】
係合部37の上面は、水平方向に延びて形成されており、スプリング32により付勢されたロックピン31が係合する係合面37aとされている。この係合面37aにロックピン31が係合することで、カバー部材20が自重によって前記高さ位置から下側へスライドするのを規制することができる。係合部37の係合面37aよりも下方には、傾斜面37bが形成されている。傾斜面37bは、車幅方向外側から車幅方向内端に向かうに従って高さが上がるように傾斜している。
【0048】
係合部37の直上における側壁3cの内側面には、車幅方向内側に突出する規制部38が固定されている。規制部38の下面は、水平方向に延びて形成されており、ロックピン31が係合する係合面38aとされている。この係合面38aにロックピン31が係合することで、カバー部材20がスプリング32の付勢力等によって前記高さ位置から上側にスライドするのを規制することができる。
【0049】
規制部38の係合面38aよりも上方には、傾斜面38bが形成されている。傾斜面38bは、車幅方向外側から車幅方向内端に向かうに従って高さが下がるように傾斜している。なお、下係合部33、上係合部34、規制部36、係合部37、及び規制部38は、図示を省略するが、塵芥投入箱3の左右の側壁3cそれぞれに設けられている。
【0050】
図5は、下係合部33、上係合部34、規制部36、係合部37、及び規制部38の変形例を示す図である。本変形例の下係合部33は、側壁3cに穿設された係合孔41からなり、この係合孔41の周面の上側が、下係合部33の係合面33aとされている。これにより、ロックピン31が係合孔41に挿入して係合面33aと係合することで、当該ロックピン31が上側に移動するのを規制することができる。
【0051】
本変形例の規制部36は、前記係合孔41と、その直下において側壁3cの内側面から車幅方向内側へ隆起するように一体に形成された隆起部46とからなる。そして、係合孔41の周面の下側と、隆起部46の上面とが、規制部36の係合面36aとされている。これにより、ロックピン31が係合孔41に挿入して係合面36aと係合することで、当該ロックピン31が下側にスライドするのを規制することができる。
【0052】
本変形例の上係合部34は、側壁3cに穿設された係合孔43と、その直下において側壁3cの内側面から車幅方向内側へ隆起するように一体に形成された隆起部42とからなる。そして、係合孔43の周面の下側と、隆起部42の上面とが、上係合部34の係合面34aとされている。これにより、ロックピン31が係合孔43に挿入して係合面34aと係合することで、当該ロックピン31が下側に移動するのを規制することができる。係合面34aよりも下方となる隆起部42の下側には、上係合部34の傾斜面34bが形成されている。傾斜面34bは、車幅方向外側から車幅方向内端に向かうに従って高さが上がるように傾斜している。
【0053】
本変形例の係合部37は、側壁3cに穿設された係合孔45と、その直下において側壁3cの内側面から車幅方向内側へ隆起するように一体に形成された隆起部44とからなる。そして、係合孔45の周面の下側と、隆起部44の上面とが、係合部37の係合面37aとされている。これにより、ロックピン31が係合孔45に挿入して係合面37aと係合することで、当該ロックピン31が下側に移動するのを規制することができる。係合面37aよりも下方となる隆起部44の下側には、係合部37の傾斜面37bが形成されている。傾斜面37bは、車幅方向外側から車幅方向内端に向かうに従って高さが上がるように傾斜している。
【0054】
前記係合孔45は、本変形例の規制部38も兼ねており、係合孔45の周面の上側が、規制部38の係合面38aとされている。これにより、ロックピン31が係合孔45に挿入して係合面38aと係合することで、当該ロックピン31が上側にスライドするのを規制することができる。
【0055】
[ハンドル]
図6(a)は、カバー部材20を上下方向にスライド操作するための前記ハンドル11の正面図であり、
図6(b)は、そのハンドル11の底面図である。また、
図7は、ハンドル11の側面図である。
図6及び
図7において、ハンドル11の車幅方向の両端部は、カバー部材20の後面に固定された左右一対の台座12に連結されている。各台座12は、カバー部材20の後方に突出する台座本体12aと、カバー部材20の前方に突出する箱部12bとを有している。
【0056】
図8は、
図6(a)のA−A矢視断面図である。
図8に示すように、箱部12bは、前側が開口しており、その開口は蓋板12cによって覆われている。これにより、箱部12bには、蓋板12cにより密閉された内部空間12dが形成されている。台座本体12aの車幅方向内側には、回転ブラケット13が軸線X回りに回転可能に取り付けられている。回転ブラケット13の車幅方向内側の端部には、連結ビス14を介してハンドル11の車幅方向の端部が固定されている。
【0057】
これにより、ハンドル11は、台座12に対して、軸線Xを中心として回転ブラケット13と共に上下回動可能とされている。具体的には、ハンドル11は、
図7の一点鎖線で示す上回動位置と、
図7の二点鎖線で示す下回動位置との間で回動可能とされている。そして、上回動位置または下回動位置に回動させたハンドル11から手を離すと、ハンドル11は、上回動位置と下回動位置との間の中立位置まで回動し、その中立位置で保持されるようになっている。
【0058】
[解除機構]
ロック装置30は、ハンドル11の回動操作によって、ロックピン31と下係合部33との係合、及びロックピン31と上係合部34(係合部37)との係合をそれぞれ解除するための解除機構50をさらに備えている。
図9は、
図8のB−B矢視断面図である。また、
図10は、
図8のC矢視図である。なお、
図10では、説明の便宜上、蓋板12cの図示を省略している。
【0059】
図8及び
図10において、解除機構50は、主に台座12の箱部12b内に収容されており、アーム51、当接ピン52、ストッパ53、一対の第1及び第2揺動プレート54,55、第1及び第2固定ピン56,57、第1及び第2突出ピン58,59、連結ピン60、連結ブラケット61、及びワイヤ(連結手段)62を備えている。なお、これらの部材51〜62は、
図6(b)の右側に配置された台座12(箱部12b)側に配置されているが、
図6(b)の左側に配置された台座12(箱部12b)側にも配置されている。
【0060】
図8において、アーム51の基端部は、台座本体12aの内部において箱部12bの内部空間12dと連通して形成された溝部12eに配置され、回転ブラケット13の車幅方向外側の端部に固定されている。アーム51の先端部は、前記内部空間12dに配置されており、当該先端部には、車幅方向外側に向かって突出する当接ピン52が固定されている。これにより、
図9に示すように、ハンドル11の上下回動と連動して回転ブラケット13が軸線X回りに回転することで、アーム51の先端部は、箱部12bの内部空間12dにおいて当接ピン52と共に上下方向に回動する。本実施形態では、ハンドル11の上方回動によりアーム51は下方回動し、ハンドル11の下方回動によりアーム51は上方回動する。
【0061】
図9において、箱部12b内の下面には、アーム51の下方回動途中に当接ピン52が当接するストッパ53が固定されている。これにより、アーム51は、当接ピン52がストッパ53に当接する第1回動位置(
図9の一点鎖線位置)まで下方回動する。
一方、箱部12b内の上面には、アーム51の上方回動途中に当接ピン52が当接するストッパは設けられていない。このため、アーム51は、その基端部が台座本体12aの溝部12eの内面に当接する第2回動位置(
図9の二点鎖線位置)まで上方回動する。
【0062】
以上より、ハンドル11を中立位置(
図7の実線位置)から上回動位置(
図7の一点鎖線位置)まで上方回動させる第1の操作を行うと、アーム51は、当接ピン52と共に、回転ブラケット13を介して、
図9の実線位置から、当接ピン52がストッパ53に当接する第1回動位置(
図9の一点鎖線位置)まで下方回動する。
【0063】
また、ハンドル11を前記中立位置から下方回動位置(
図7の二点鎖線位置)まで下方回動させる第2の操作を行うと、アーム51は、当接ピン52と共に、回転ブラケット13を介して、
図9の実線位置から第2回動位置(
図9の二点鎖線位置)まで上方回動する。その際、当接ピン52はストッパ53に当接しないため、ハンドル11の中立位置から下回動位置までの下方回動ストロークは、中立位置から上回動位置までの上方回動ストロークよりも大きくなる。
【0064】
図9及び
図10において、第1揺動プレート54は、例えば略三角形状の平板部材からなり、前記内部空間12dの前側において蓋板12cに近接して配置されている。第1揺動プレート54の一の頂部(
図10の下側の頂部)は、蓋板12cに固定された第1固定ピン56に対して、その軸線Y1を中心として揺動可能に取り付けられている。第1揺動プレート54における他の一の頂部(
図10の車幅方向内側の頂部)には、第1突出ピン58が後方に突出して固定されている。第1突出ピン58の外周面には、前記当接ピン52の外周面が当接する。
【0065】
第2揺動プレート55は、第1揺動プレート54と同じ形状(略三角形状)の平板部材からなり、前記内部空間12dの前側において第1揺動プレート54の後側に近接して配置されている。第2揺動プレート55の一の頂部(
図10の上側の頂部)は、蓋板12cに固定された第2固定ピン57に対して、その軸線Y2を中心として揺動可能に取り付けられている。第2揺動プレート55における他の一の頂部(
図10の車幅方向内側の頂部)には、第2突出ピン59が後方に突出して固定されている。第2突出ピン59の外周面には、前記当接ピン52の外周面が当接する。
【0066】
図8及び
図10において、第1揺動プレート54における残りの頂部(
図10の車幅方向外側の頂部)、及び第2揺動プレート55における残りの頂部(
図10の車幅方向外側の頂部)は、互いに前後方向に重なって配置されており、連結ピン60の一端部によって互いに連結されている。なお、第1揺動プレート54には、図示を省略するが、連結ピン60を貫通する長孔が形成されている。
【0067】
連結ピン60の他端部は、蓋板12cに形成された長孔12fを貫通して、箱部12bの前方に突出している。そして、連結ピン60の他端部には、断面L字状に形成された連結ブラケット61を介してワイヤ62の一端部が連結されている。ワイヤ62の他端部は、上記のように、ロックピン31に接続されている(
図4参照)。
【0068】
[投入口を開放するときのカバー部材の操作方法]
次に、下位置にあるカバー部材20を上位置までスライドさせて投入口3aを開放するときに行われるハンドル11の操作方法とロック装置30の動きについて説明する。
まず、ハンドル11を持ち上げる操作を行う。これにより、ハンドル11を中立位置(
図7の実線位置)から上回動位置(
図7の一点鎖線位置)まで上方回動させる前記第1の操作が行われる。
【0069】
前記第1の操作が行われると、ロック装置30の解除機構50では、ハンドル11に連結されている回転ブラケット13を介して、アーム51が、
図9の実線及び
図10に示す状態から、当接ピン52と共に下方回動を始める。そうすると、当接ピン52が第1突出ピン58を下方へ押し下げるので、第1揺動プレート54は、軸線Y1を中心として、
図10の時計回り方向に揺動する。
【0070】
そして、第1揺動プレート54の前記揺動によって、連結ピン60は車幅方向内側へ移動しようとするので、この連結ピン60に連結された第2揺動プレート55は、軸線Y2を中心として、
図10の反時計回り方向に揺動する。このように、第1及び第2揺動プレート54,55が揺動することにより、連結ピン60は、
図11に示すように、当接ピン52がストッパ53に当接するまで、車幅方向内側へ移動する。
【0071】
連結ピン60が車幅方向内側へ移動すると、連結ブラケット61を介してワイヤ62の一端部が車幅方向内側へ引っ張られる。そうすると、ワイヤ62の他端部に接続されているロックピン31は、
図4の実線で示す位置から、スプリング32の付勢力に抗して車幅方向内側へ移動する。そして、上記のように当接ピン52がストッパ53に当接することで、ロックピン31は、
図12に示すように、下係合部33との係合が解除された第1解除位置まで引き込まれる。
【0072】
前記第1解除位置において、ロックピン31の車幅方向外端は、
図12の破線で示すように、下係合部33及び規制部38よりも車幅方向内側に位置するとともに、上係合部34、係合部37及び規制部36の各車幅方向内端よりも車幅方向外側に位置する。すなわち、前記第1解除位置は、カバー部材20を下位置から上側へ移動させたときに、ロックピン31の車幅方向外端が、係合部37の傾斜面37bおよび上係合部34の傾斜面34bにそれぞれ当接する位置に設定されている。また、前記第1解除位置において、ロックピン31は、スプリング32の付勢力に抗して、さらに車幅方向内側へ移動できるようになっている。なお、
図5の変形例の場合でも、前記第1解除位置において、ロックピン31の車幅方向外端は、下係合部33及び規制部38よりも車幅方向内側に位置するとともに、上係合部34、係合部37及び規制部36の各車幅方向内端よりも車幅方向外側に位置する。
【0073】
次に、ハンドル11をさらに持ち上げる操作を行う。これにより、ハンドル11を上回動位置で保持した状態、すなわちロックピン31を第1解除位置に引き込んだ状態のまま、カバー部材20は下位置から上側へスライドする。そして、カバー部材20のスライド途中において、ロックピン31の車幅方向外端が係合部37の傾斜面37bに当接することで、ロックピン31には、傾斜面37bから車幅方向内側へ押される反力(外力)が作用する。そうすると、ロックピン31は、これに接続されているワイヤ62を撓ませながら、スプリング32の付勢力に抗して、傾斜面37bに沿いながら車幅方向内側へ移動する。これにより、ハンドル11を上回動位置で保持した状態のまま、ロックピン31の車幅方向外端は、第1解除位置からさら車幅方向内側へ移動して係合部37を乗り越える。
【0074】
ロックピン31の車幅方向外端は、係合部37を乗り越えてその上側まで移動すると、係合部37からの反力が作用しなくなるので、
図12の二点鎖線で示すように、スプリング32の付勢力により自動的に車幅方向外側へ移動し、撓んだワイヤ62が再び引っ張られた状態となる第1解除位置に戻る。
このように、本実施形態の解除機構50は、ロックピン31と連結ブラケット61とを連結するワイヤ62によって、第1解除位置のロックピン31に外力が作用したときに当該ロックピン31をさらに車幅方向内側へ移動するのを許容するとともに、前記外力が作用しなくなるとロックピン31が第1解除位置に戻るのを許容する移動許容機能を有している。
【0075】
その後、カバー部材20がさらに上側へスライドすると、ロックピン31の車幅方向外端は、規制部38よりも車幅方向内側を通過して、上係合部34の傾斜面34bに当接する。この状態から、ハンドル11をさらに持ち上げる操作を行うと、ロックピン31には、傾斜面34bから車幅方向内側へ押される反力が作用するので、上記移動許容機能により、ロックピン31は、これに接続されているワイヤ62を撓ませながら、スプリング32の付勢力に抗して、傾斜面34bに沿いながら車幅方向内側へ移動する。これにより、ハンドル11を上回動位置で保持した状態のまま、ロックピン31の車幅方向外端は、第1解除位置からさら車幅方向内側へ移動して上係合部34を乗り越える。
【0076】
そして、カバー部材20が上位置に達すると、ロックピン31の車幅方向外端は、上係合部34からの反力が作用しなくなるので、
図12の一点鎖線で示すように、スプリング32の付勢力により自動的に車幅方向外側へ移動し、撓んだワイヤ62が再び引っ張られた状態となる第1解除位置に戻る。これにより、ロックピン31の車幅方向外端は、上係合部34の係合面34aに係合する。
【0077】
次に、ハンドル11から手を離す。そうすると、ワイヤ62を介してロックピン31を車幅方向内側へ引っ張る力が解除されるため、ロックピン31は、上係合部34の係合面34aに係合した状態を維持しながら、スプリング32の付勢力により第1解除位置から車幅方向外側へ移動し、
図4の一点鎖線で示す状態となる。これにより、カバー部材20が自重によって上位置から下側へスライドするのを規制することができる。
【0078】
なお、ロックピン31がスプリング32の付勢力により第1解除位置から車幅方向外側へ移動すると、ワイヤ62及び連結ブラケット61を介して、連結ピン60、第1揺動プレート54(第1突出ピン58)、第2揺動プレート55(第2突出ピン59)、及びアーム51(当接ピン52)が、それぞれ上記と逆の方向に移動することで、ハンドル11は中立位置に戻る。これにより、
図10に示すように、第1及び第2突出ピン58,59が当接ピン52を上下方向から挟持することで、アーム51の上下回動が規制されるため、ハンドル11は中立位置で保持される。
【0079】
以上のように、カバー部材20が上側にスライドする途中において、ロックピン31は、上係合部34の傾斜面34bに当接することで、スプリング32の付勢力に抗して車幅方向外側へ移動して上係合部34を乗り越える。そして、カバー部材20が上位置に達すると、ロックピン31は、スプリング32の付勢力により自動的に車幅方向外側へ移動して上係合部34の係合面34aに係合する。すなわち、ロック装置30により下位置にあるカバー部材20のスライド規制を解除したまま、カバー部材20を上側にスライドさせても、カバー部材20が上位置に達したときに、ロックピン31は自動的に上係合部34の係合面34aに係合する。
【0080】
したがって、カバー部材20を上位置までスライドさせた状態でハンドル11から手を離しても、ロックピン31は既に上係合部34に係合してカバー部材20の下側への移動を規制しているので、カバー部材20が自重によって上位置から下側へスライドするのを確実に防止することができる。
また、カバー部材20が上位置までスライドしたときにロックピン31が上係合部34に係合する感触は、ハンドル11を介して作業者の手に伝わるため、作業者はカバー部材20が上位置に達したことを容易に把握することができる。
【0081】
また、下位置にあるカバー部材20を上側にスライドさせるためにハンドル11を持ち上げる操作を行うと、解除機構50の第1の操作が行われてロックピン31と下係合部33との係合が解除される。このように、カバー部材20を上側にスライドさせるハンドル11の操作と連動して、ロックピン31と下係合部33との係合を解除させる第1の操作が行われるため、第1の操作を容易に行いながら、カバー部材20が上位置から下側へスライドするのを確実に規制することができる。
【0082】
また、本実施形態では、カバー部材20が上位置までスライドする途中において、上記のように、ロックピン31の車幅方向外端が係合部37の傾斜面37bに当接することで、ロックピン31には、傾斜面37bから車幅方向内側へ押される反力が作用する。そうすると、上記移動許容機能により、ロックピン31は、これに接続されているワイヤ62を撓ませながら、スプリング32の付勢力に抗して、傾斜面37bに沿いながら車幅方向内側へ移動する。これにより、ハンドル11を上回動位置で保持した状態のまま、ロックピン31の車幅方向外端は、第1解除位置からさら車幅方向内側へ移動して係合部37を乗り越える。そして、ロックピン31の車幅方向外端は、係合部37よりも上側に移動すると、係合部37からの反力が作用しなくなるので、
図12の二点鎖線で示すように、スプリング32の付勢力により自動的に車幅方向外側へ移動し、撓んだワイヤ62が再び引っ張られた状態となる第1解除位置に戻る。このとき、カバー部材20は上位置よりも少し低い高さ位置に達し、ロックピン31の車幅方向外端は、係合部37の係合面37aに係合した状態となる。
【0083】
したがって、この状態でハンドル11から手を離すと、ワイヤ62を介してロックピン31を車幅方向内側へ引っ張る力が解除されるため、ロックピン31は、係合部37の係合面37aに係合した状態を維持しながら、スプリング32の付勢力により第1解除位置(
図12の二点鎖線位置)から車幅方向外側へ移動し、
図4の二点鎖線で示す状態となる。
【0084】
これにより、低身長の作業者がカバー部材20を上位置までスライドさせることができない場合には、カバー部材20が上位置よりも少し低い高さ位置に達したときに、ハンドル11から手を離すことで、カバー部材20を当該高さ位置に保持させることができる。その際、ハンドル11から手を離しても、ロックピン31は既に係合部37に係合してカバー部材20の下側への移動を規制しているので、カバー部材20が自重によって前記高さ位置から下側へスライドするのを確実に防止することができる。
また、カバー部材20が前記高さ位置までスライドしたときにロックピン31が係合部37に係合する感触は、ハンドル11を介して作業者の手に伝わるため、作業者はカバー部材20が前記高さ位置に達したことを容易に把握することができる。
【0085】
[投入口を閉鎖するときのカバー部材の操作方法]
次に、上位置にあるカバー部材20を下位置までスライドさせて投入口3aを閉鎖するときに行われるハンドル11の操作方法とロック装置30の動きについて説明する。
まず、ハンドル11を持ち下げる操作を行う。これにより、ハンドル11を中立位置(
図7の実線位置)から下回動位置(
図7の二点鎖線位置)まで下方回動させる前記第2の操作が行われる。
【0086】
前記第2の操作が行われると、ロック装置30の解除機構50では、ハンドル11に連結されている回転ブラケット13を介して、アーム51が、
図9の実線及び
図10に示す状態から、当接ピン52と共に上方回動を始める。そうすると、当接ピン52が第2突出ピン59を上方へ押し上げるので、第2揺動プレート55は、軸線Y2を中心として、
図10の反時計回り方向に揺動する。
【0087】
そして、第2揺動プレート55の前記揺動によって、連結ピン60は車幅方向内側へ移動しようとするので、この連結ピン60に連結された第1揺動プレート54は、軸線Y1を中心として、
図10の時計回り方向に揺動する。このように、第1及び第2揺動プレート54,55が揺動することにより、連結ピン60は、
図13に示す位置まで、車幅方向内側へ移動する。その際、アーム51の上方回動途中に当接ピン52が当接するストッパは存在しないため、上記のようにアーム51の下方回動途中に当接ピン52がストッパ53に当接する場合(
図11参照)よりも、連結ピン60は、車幅方向内側へ移動する。
【0088】
連結ピン60が車幅方向内側へ移動すると、連結ブラケット61を介してワイヤ62の一端部が車幅方向内側へ引っ張られる。そうすると、ワイヤ62の他端部に接続されているロックピン31は、
図4の一点鎖線で示す位置から、スプリング32の付勢力に抗して、
図14に示すように、前記第1解除位置(
図12参照)よりも車幅方向内側へ移動し、上係合部34との係合が解除された第2解除位置まで引き込まれる。
【0089】
すなわち、前記第2解除位置において、ロックピン31の車幅方向外端は、
図14の破線で示すように、上係合部34、下係合部33、係合部37及び規制部36,38よりも車幅方向内側に位置する。これにより、カバー部材20を上位置から下側にスライドさせることができる状態となる。
なお、
図5の変形例の場合でも、前記第2解除位置において、ロックピン31の車幅方向外端は、上係合部34、下係合部33、係合部37及び規制部36,38よりも車幅方向内側に位置する。
【0090】
次に、ハンドル11をさらに持ち下げる操作を行う。これにより、ハンドル11を下回動位置で保持した状態、すなわちロックピン31を第2解除位置に引き込んだ状態のまま、カバー部材20は上位置から下側へスライドする。そのスライド途中において、ロックピン31の車幅方向外端は、規制部38、係合部37及び下係合部33の車幅方向内側を通過する。
【0091】
そして、カバー部材20が下位置に達すると、ロックピン31は、
図14の一点鎖線で示すように、下係合部33よりも下側であって、且つ規制部36よりも上側に位置した状態となる。この状態からハンドル11から手を離すと、ワイヤ62を介してロックピン31を車幅方向内側へ引っ張る力が解除されるため、ロックピン31は、スプリング32の付勢力により第2解除位置から車幅方向外側へ移動し、
図4の実線で示すように、下係合部33の係合面33aに係合した状態となる。これにより、カバー部材20が補助部材25の付勢力によって下位置から上側にスライドするのを規制することができる。また、走行中の振動によってカバー部材20が下位置から上側に跳ね上がるのを確実に防止することができる。
【0092】
なお、ロックピン31がスプリング32の付勢力により第2解除位置から車幅方向外側へ移動すると、ワイヤ62及び連結ブラケット61を介して、連結ピン60、第1揺動プレート54(第1突出ピン58)、第2揺動プレート55(第2突出ピン59)、及びアーム51(当接ピン52)が、それぞれ上記と逆の方向に移動することで、ハンドル11は中立位置に戻り、この状態で保持される。
【0093】
[第2実施形態]
図15は、本発明の第2実施形態に係る塵芥収集車1のロック装置30における解除機構50を示す断面図(
図9に相当する図)である。また、
図16は、その解除機構50の説明図(
図10に相当する図)である。
図15及び
図16において、本実施形態の解除機構50は、ストッパ53が箱部12b内の上面に固定されている点で、第1実施形態と相違する。
【0094】
したがって、本実施形態では、ハンドル11を中立位置から上回動位置まで上方回動させる第1の操作を行うと、アーム51は、
図15の実線位置から、その基端部が台座本体12aの溝部12eの内面に当接する第1回動位置(
図15の一点鎖線位置)まで下方回動する。また、ハンドル11を中立位置から下方回動位置まで下方回動させる第2の操作を行うと、アーム51は、
図15の実線位置から、当接ピン52がストッパ53に当接する第2回動位置(
図15の二点鎖線位置)まで上方回動する。
これにより、ハンドル11の中立位置から上回動位置までの上方回動ストロークは、当接ピン52がストッパ53に当接しない分だけ、中立位置から下回動位置までの下方回動ストロークよりも大きくなる。
【0095】
図17は、第2実施形態において下位置にあるカバー部材20を前面側(裏面側)から見た正面図である。
図17において、本実施形態のロック装置30は、下係合部33及び規制部38が上係合部34及び係合部37よりも車幅方向内側に突出して設けられている点で、第1実施形態と相違する。
なお、第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0096】
[投入口を開放するときのカバー部材の操作方法]
次に、本実施形態において、下位置にあるカバー部材20を上位置までスライドさせて投入口3aを開放するときに行われるハンドル11の操作方法とロック装置30の動きについて説明する。
まず、ハンドル11を持ち上げる操作を行う。これにより、ハンドル11を中立位置(
図7の実線位置)から上回動位置(
図7の一点鎖線位置)まで上方回動させる第1の操作が行われる。
【0097】
前記第1の操作が行われると、ロック装置30の解除機構50では、ハンドル11に連結されている回転ブラケット13を介して、アーム51が、
図15の実線位置から、当接ピン52と共に下方回動を始める。そうすると、当接ピン52が第1突出ピン58を下方へ押し下げるので、第1揺動プレート54は、軸線Y1を中心として、
図16の時計回り方向に揺動する。
【0098】
そして、第1揺動プレート54の前記揺動によって、連結ピン60は車幅方向内側へ移動しようとするので、この連結ピン60に連結された第2揺動プレート55は、軸線Y2を中心として、
図16の反時計回り方向に揺動する。このように、第1及び第2揺動プレート54,55が揺動することにより、連結ピン60は、
図18に示す位置まで、車幅方向内側へ移動する。その際、アーム51の下方回動途中に当接ピン52が当接するストッパは存在しないため、後述するようにアーム51の上方回動途中に当接ピン52がストッパ53に当接する場合(
図20参照)よりも、連結ピン60は、車幅方向内側へ移動する。
【0099】
連結ピン60が車幅方向内側へ移動すると、連結ブラケット61を介してワイヤ62の一端部が車幅方向内側へ引っ張られる。そうすると、ワイヤ62の他端部に接続されているロックピン31は、
図17の実線で示す位置から、スプリング32の付勢力に抗して車幅方向内側へ移動し、
図19に示すように、下係合部33との係合が解除された第1解除位置まで引き込まれる。
【0100】
すなわち、前記第1解除位置において、ロックピン31の車幅方向外端は、
図19の破線で示すように、下係合部33、上係合部34、規制部36、係合部37及び規制部38よりも車幅方向内側に位置する。また、前記第1解除位置は、後述する第2解除位置(
図21参照)よりも車幅方向内側の位置となる。これにより、カバー部材20を下位置から上側にスライドさせることができる状態となる。
【0101】
次に、ハンドル11をさらに持ち上げる操作を行う。これにより、ハンドル11を上回動位置で保持した状態、すなわちロックピン31を第1解除位置に引き込んだ状態のまま、カバー部材20は下位置から上側へスライドする。そのスライド途中において、ロックピン31の車幅方向外端は、下係合部33、係合部37、及び規制部38の車幅方向内側を通過する。
【0102】
そして、カバー部材20が上位置に達すると、ロックピン31は、
図19の一点鎖線で示すように、上係合部34よりも上側に位置した状態となる。この状態からハンドル11から手を離すと、ワイヤ62を介してロックピン31を車幅方向内側へ引っ張る力が解除されるため、ロックピン31は、スプリング32の付勢力により第1解除位置から車幅方向外側へ移動し、
図17の一点鎖線で示すように、上係合部34の係合面34aに係合した状態となる。これにより、カバー部材20が自重によって上位置から下側にスライドするのを規制することができる。
【0103】
なお、ロックピン31がスプリング32の付勢力により第1解除位置から車幅方向外側へ移動すると、ワイヤ62及び連結ブラケット61を介して、連結ピン60、第1揺動プレート54(第1突出ピン58)、第2揺動プレート55(第2突出ピン59)、及びアーム51(当接ピン52)が、それぞれ上記と逆の方向に移動することで、ハンドル11は中立位置に戻り、この状態で保持される。
【0104】
また、低身長の作業者がカバー部材20を上位置までスライドさせることができない場合には、ロックピン31が規制部38と上係合部34との間に位置する状態で、カバー部材20の上側へのスライドを停止させ、ハンドル11を持ち下げる操作を行ってカバー部材20を下側へスライドさせる。その際、後述するように、ハンドル11を持ち下げる操作によって、ロックピン31は、第2解除位置の状態(
図21参照)となり、さらにカバー部材20が下側へスライドすることによって、規制部38の傾斜面38bに当接する。
【0105】
そうすると、傾斜面38bからの反力によって、ロックピン31は、これに接続されているワイヤ62を撓ませながら、スプリング32の付勢力に抗して、傾斜面38bに沿いながら車幅方向内側へ移動する。これにより、ハンドル11を下回動位置で保持した状態のまま、ロックピン31の車幅方向外端は、第2解除位置からさら車幅方向内側へ移動して規制部38を乗り越える。
【0106】
ロックピン31の車幅方向外端は、規制部38を乗り越えてその下側まで移動すると、規制部38からの反力が作用しなくなるので、
図21の二点鎖線で示すように、スプリング32の付勢力により自動的に車幅方向外側へ移動し、撓んだワイヤ62が再び引っ張られた状態となる第2解除位置に戻る。この状態からハンドル11から手を離すと、ワイヤ62を介してロックピン31を車幅方向内側へ引っ張る力が解除されるため、ロックピン31は、スプリング32の付勢力により第2解除位置から車幅方向外側へ移動し、
図17の二点鎖線で示すように、係合部37の係合面37aに係合した状態となる。
【0107】
このように、低身長の作業者がカバー部材20を上位置までスライドさせることができない場合には、カバー部材20が上位置よりも少し低い高さ位置に達したときに、ハンドル11から手を離すことで、カバー部材20を当該高さ位置に保持させることができる。これにより、カバー部材20が自重によって前記高さ位置から下側にスライドするのを規制することができる。
【0108】
また、ロックピン31が規制部38の傾斜面38bに当接して当該規制部38を乗り越えたときの感触は、ハンドル11を介して作業者の手に伝わるため、作業者はカバー部材20が前記高さ位置に達したことを容易に把握することができる。
また、作業者の身長に関わらず、雨天時にカバー部材20を前記高さ位置に保持させることで、雨水が投入口3aから塵芥投入箱3内に入り込むのを抑制することができる。
【0109】
[投入口を閉鎖するときのカバー部材の操作方法]
次に、本実施形態において、上位置にあるカバー部材20を下位置までスライドさせて投入口3aを閉鎖するときに行われるハンドル11の操作方法とロック装置30の動きについて説明する。
まず、ハンドル11を持ち下げる操作を行う。これにより、ハンドル11を中立位置(
図7の実線位置)から下回動位置(
図7の二点鎖線位置)まで下方回動させる第2の操作が行われる。
【0110】
前記第2の操作が行われると、ロック装置30の解除機構50では、ハンドル11に連結されている回転ブラケット13を介して、アーム51が、
図15の実線位置から、当接ピン52と共に上方回動を始める。そうすると、当接ピン52が第2突出ピン59を上方へ押し上げるので、第2揺動プレート55は、軸線Y2を中心として、
図16の反時計回り方向に揺動する。
【0111】
そして、第2揺動プレート55の前記揺動によって、連結ピン60は車幅方向内側へ移動しようとするので、この連結ピン60に連結された第1揺動プレート54は、軸線Y1を中心として、
図16の時計回り方向に揺動する。このように、第1及び第2揺動プレート54,55が揺動することにより、連結ピン60は、
図20に示すように、当接ピン52がストッパ53に当接するまで、車幅方向内側へ移動する。
【0112】
連結ピン60が車幅方向内側へ移動すると、連結ブラケット61を介してワイヤ62の一端部が車幅方向内側へ引っ張られる。そうすると、ワイヤ62の他端部に接続されているロックピン31は、
図17の一点鎖線で示す位置から、スプリング32の付勢力に抗して車幅方向内側へ移動する。そして、上記のように当接ピン52がストッパ53に当接することで、ロックピン31は、
図21に示すように、上係合部34との係合が解除された第2解除位置まで引き込まれる。
【0113】
前記第2解除位置において、ロックピン31の車幅方向外端は、
図21の破線で示すように、上係合部34、係合部37及び規制部36よりも車幅方向内側に位置するとともに、規制部38及び下係合部33及びの車幅方向内端よりも車幅方向外側に位置する。すなわち、前記第2解除位置は、カバー部材20を上位置から下側へ移動させたときに、ロックピン31の車幅方向外端が、規制部38の傾斜面38b及び下係合部33の傾斜面33bにそれぞれ当接する位置に設定されている。また、前記第2解除位置において、ロックピン31は、スプリング32の付勢力に抗して、さらに車幅方向内側へ移動できるようになっている。
【0114】
次に、ハンドル11をさらに持ち下げる操作を行う。これにより、ハンドル11を下回動位置で保持した状態、すなわちロックピン31を第2解除位置に引き込んだ状態のまま、カバー部材20は上位置から下側へスライドする。そして、カバー部材20のスライド途中において、ロックピン31の車幅方向外端が規制部38の傾斜面38bに当接することで、ロックピン31には、傾斜面38bから車幅方向内側へ押される反力(外力)が作用する。そうすると、ロックピン31は、これに接続されているワイヤ62を撓ませながら、スプリング32の付勢力に抗して、傾斜面38bに沿いながら車幅方向内側へ移動する。これにより、ハンドル11を下回動位置で保持した状態のまま、ロックピン31の車幅方向外端は、第2解除位置からさら車幅方向内側へ移動して規制部38を乗り越える。
【0115】
ロックピン31の車幅方向外端は、規制部38を乗り越えてその下側まで移動すると、規制部38からの反力が作用しなくなるので、
図21の二点鎖線で示すように、スプリング32の付勢力により自動的に車幅方向外側へ移動し、撓んだワイヤ62が再び引っ張られた状態となる第2解除位置に戻る。
このように、本実施形態の解除機構50は、ロックピン31と連結ブラケット61とを連結するワイヤ62によって、第2解除位置のロックピン31に外力が作用したときに当該ロックピン31をさらに車幅方向内側へ移動するのを許容するとともに、前記外力が作用しなくなるとロックピン31が第2解除位置に戻るのを許容する移動許容機能を有している。
【0116】
その後、カバー部材20がさらに下側へスライドすると、ロックピン31の車幅方向外端は、係合部37よりも車幅方向内側を通過して、下係合部33の傾斜面33bに当接する。この状態から、ハンドル11をさらに持ち下げる操作を行うと、ロックピン31には、傾斜面33bから車幅方向内側へ押される反力が作用するので、上記移動許容機能により、ロックピン31は、これに接続されているワイヤ62を撓ませながら、スプリング32の付勢力に抗して、傾斜面33bに沿いながら車幅方向内側へ移動する。これにより、ハンドル11を下回動位置で保持した状態のまま、ロックピン31の車幅方向外端は、第2解除位置からさら車幅方向内側へ移動して下係合部33を乗り越える。
【0117】
そして、カバー部材20が下位置に達すると、ロックピン31の車幅方向外端は、下係合部33からの反力が作用しなくなるので、
図21の一点鎖線で示すように、スプリング32の付勢力により自動的に車幅方向外側へ移動し、撓んだワイヤ62が再び引っ張られた状態となる第2解除位置に戻る。これにより、ロックピン31の車幅方向外端は、下係合部33の係合面33aに係合する。
【0118】
次に、ハンドル11から手を離す。そうすると、ワイヤ62を介してロックピン31を車幅方向内側へ引っ張る力が解除されるため、ロックピン31は、下係合部33の係合面33aに係合した状態を維持しながら、スプリング32の付勢力により第2解除位置から車幅方向外側へ移動し、
図17の実線で示す状態となる。これにより、カバー部材20が補助部材25の付勢力によって下位置から上側へスライドするのを規制することができる。また、走行中の振動によってカバー部材20が下位置から上側に跳ね上がるのを下係合部33により確実に防止することができる。
【0119】
なお、ロックピン31がスプリング32の付勢力により第2解除位置から車幅方向外側へ移動すると、ワイヤ62及び連結ブラケット61を介して、連結ピン60、第1揺動プレート54(第1突出ピン58)、第2揺動プレート55(第2突出ピン59)、及びアーム51(当接ピン52)が、それぞれ上記と逆の方向に移動することで、ハンドル11は中立位置に戻り、この状態で保持される。
【0120】
以上のように、カバー部材20が下位置にスライドする途中において、ロックピン31は、下係合部33の傾斜面33bに当接することで、スプリング32の付勢力に抗して車幅方向外側へ移動して下係合部33を乗り越える。そして、カバー部材20が下位置に達すると、ロックピン31は、スプリング32の付勢力により自動的に車幅方向外側へ移動して下係合部33の係合面33aに係合する。すなわち、ロック装置30により上位置にあるカバー部材20のスライド規制を解除したまま、カバー部材20を下側にスライドさせても、カバー部材20が下位置に達したときに、ロックピン31は自動的に下係合部33の係合面33aに係合する。
【0121】
したがって、カバー部材20を下位置までスライドさせた状態でハンドル11から手を離しても、ロックピン31は既に下係合部33に係合してカバー部材20の上側への移動を規制しているので、カバー部材20が補助部材25の付勢力によって下位置から上側へスライドするのを確実に防止することができる。
また、カバー部材20が下位置までスライドしたときにロックピン31が下係合部33に係合する感触は、ハンドル11を介して作業者の手に伝わるため、作業者はカバー部材20が下位置に達したことを容易に把握することができる。
【0122】
さらに、上位置にあるカバー部材20を下側にスライドさせるためにハンドル11を持ち下げる操作を行うと、解除機構50の第2の操作が行われてロックピン31と上係合部34との係合が解除される。このように、カバー部材20を下側にスライドさせるハンドル11の操作と連動して、ロックピン31と上係合部34との係合を解除させる第2の操作が行われるため、第2の操作を容易に行いながら、カバー部材20が下位置から上側へスライドするのを確実に規制することができる。
【0123】
[その他]
上記各実施形態における解除機構50は、ロックピン31と連結ブラケット61とを連結する連結手段としてワイヤ62を用いているが、上記移動許容機能を有していればロッド等の他の連結手段を用いてもよい。また、本実施形態では、上記移動許容機能において、外力が作用しなくなったときにロックピン31に第1又は第2解除位置へ戻す力を作用させるものとして、スプリング(付勢部材)32が兼用しているが、前記戻す力を作用させる部材を別途設けてもよい。また、前記戻す力を作用させる部材として、スプリング32以外にゴム等の他の付勢部材を用いてもよい。
上記各実施形態における塵芥収集車1は、プレス式の積込装置Tを備えているが、回転板と押込板とにより塵芥を積み込む回転板式の積込装置を備えたものであってもよい。
【0124】
また、上記第1実施形態の規制部38の車幅方向内端は、下係合部33の車幅方向内端よりも車幅方向外側に位置していてもよいし、第1解除位置のロックピン31(
図12参照)の車幅方向外端よりも車幅方向外側に位置していれば、下係合部33の車幅方向内端よりも車幅方向内側に位置していてもよい。
また、上記第1実施形態の規制部36,37の車幅方向内端は、第1解除位置のロックピン31(
図12参照)の車幅方向外端よりも車幅方向内側に位置していれば、上係合部34の車幅方向内端よりも車幅方向外側に位置していてもよいし、第2解除位置のロックピン31(
図14参照)の車幅方向外端よりも車幅方向外側に位置していれば、上係合部34の車幅方向内端よりも車幅方向内側に位置していてもよい。
【0125】
また、上記第2実施形態の規制部38の車幅方向内端は、第2解除位置のロックピン31(
図21参照)の車幅方向外端よりも車幅方向内側に位置していれば、下係合部33の車幅方向内端よりも車幅方向外側に位置していてもよいし、第1解除位置のロックピン31(
図19参照)の車幅方向外端よりも車幅方向外側に位置していれば、下係合部33の車幅方向内端よりも車幅方向内側に位置していてもよい。
また、上記第2実施形態の規制部36,37の車幅方向内端は、上係合部34の車幅方向内端よりも車幅方向外側に位置していてもよいし、第2解除位置のロックピン31(
図21参照)の車幅方向外端よりも車幅方向外側に位置していれば、上係合部34の車幅方向内端よりも車幅方向内側に位置していてもよい。
また、上記各実施形態及び変形例では、上係合部34の下方に係合部37及び規制部38を設けているが、係合部37及び規制部38は必ずしも設ける必要はない。
【0126】
また、
図5に示す変形例では、下係合部33を係合孔41とし、上係合部34を側壁3cに一体に形成された隆起部42及び係合孔43としているが、下係合部33を係合孔41とし、上係合部34を
図4に示すように側壁3cと別体に設けたものとしてもよい。
また、第2実施形態の下係合部33及び上係合部34は、第1実施形態と同様に側壁3cと別体に設けられているが、上記変形例(
図5参照)のように、下係合部33を側壁3cに一体に形成された隆起部及び係合孔とし、上係合部34を係合孔としてもよい。また、下係合部33を側壁3cと別体としたまま、上係合部34のみを係合孔としてもよい。
【0127】
また、上記実施形態では、ハンドル11を上下方向に回動させることで第1及び第2の操作を行っているが、ハンドル11を上下方向にスライドさせるなど、カバー部材20を上下方向に移動させるハンドル11の操作と連動させることができれば、回動以外の方法でハンドル11を上下方向に移動させて第1及び第2の操作を行ってもよい。
また、上記実施形態では、単一のハンドル11で、第1及び第2の操作を行っているが、カバー部材20に2個のハンドル11を設け、一方のハンドル11で第1の操作を行い、他方のハンドル11で第2の操作を行ってもよい。
【0128】
また、上記実施形態では、ハンドル11を上下移動させることで第1及び第2の操作を行っているが、カバー部材20を上下方向に移動させるハンドル11の操作と連動しない方法で第1及び第2の操作を行ってもよい。
例えば、ハンドル11をカバー部材20に対して車幅方向両側にそれぞれ移動させることで第1及び第2の操作を行ってもよい。また、カバー部材20に対してハンドル11を固定し、そのハンドル11の近傍に第1及び第2の操作を行うための専用の操作部材(例えば2種類のレバー又は2種類のスイッチ等)を設けてもよい。
【0129】
また、上記実施形態では、投入口3aの下部に載置台10を設けているが、この載置台10は必ずしも設ける必要はない。載置台10を設けない場合、カバー部材20の投入口3aを閉鎖する下位置は、上記実施形態におけるカバー部材20の最下位置となる。
また、上記実施形態のカバー部材20は、上下方向にスライドするようになっているが、スライド以外の方法で上下移動させるようにしてもよい。
【0130】
また、上記実施形態のカバー部材20は、最下位置まで移動するようになっているが、下位置から下側への移動を規制するようにしてもよい。この場合、例えばレール部材21に設けたストッパにより、カバー部材20が下位置から下側へ移動するのを規制すれば、規制部36は不要となる。
【0131】
また、上記実施形態において、カバー部材20を常に上側に向かって付勢する補助部材25は、アーム部材24を介してカバー20を付勢しているが、アーム部材24を介さずにカバー部材20を直接付勢してもよい。
また、補助部材25として、スプリング以外に、巻取装置又はガスシリンダ等を用いてもよい。巻取装置を用いる場合には、カバー部材20を例えば可撓性のシートによって構成し、塵芥投入箱3の投入口3aの上側に設けた巻取装置によってカバー部材20を常に巻き取るようにすればよい。
【0132】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。