(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下の実施形態は本発明を例示するものに過ぎず、実施形態に示す特徴の全てが発明の解決手段に必須になるとは限らない。
【0012】
(1)本技術の概要:
まず、
図1〜19に示される例を参照して本発明に含まれる技術の概要を説明する。尚、
図1〜19は模式的に例を示す図であり、これらの図に示される各方向の拡大率は異なることがあり、各図は整合していないことがある。
【0013】
[態様1]
本技術の一態様に係る巻取装置1は、スクリーン2と、該スクリーン2を巻き取る巻取軸3と、該巻取軸3を収容する収容部4と、前記巻取軸3の端部(例えば出張り部3b)を回転可能に支持する繊維集合体5と、を備える。繊維集合体5で巻取軸3の端部(3b)が回転可能に支持されることにより、温度変化による収容部4の寸法ばらつきを考慮しても、巻取装置1に加わる振動が繊維集合体5で吸収され、異音発生が抑制される。従って、本態様は、振動入力時や巻取軸回転時の異音発生を抑制することが可能となる。
【0014】
ここで、スクリーンは、シェード、ブラインド、シート、等を含む概念であり、透過光の少なくとも一部を遮るものであればよく、日除け用に限定されない。スクリーンには、網目を有するスクリーン、網目の無いシート、等が含まれ、具体的には、サンシェード、トノカバー、等が含まれる。
繊維集合体は、繊維が集合した物を意味し、繊維のみで形成されてもよいし、繊維以外の物が含まれてもよい。
【0015】
[態様2]
前記巻取軸3は、前記スクリーン2の一端(例えば基端縁2b)を留めた本体部3aと、当該巻取軸3の中心線方向D1における前記本体部3aの端面3a1から前記中心線方向D1へ出て前記繊維集合体5に対して回転可能に支持される出張り部3bと、を有してもよい。ここで、中心線方向における端面とは、中心線方向における端にあって中心線方向と交差する面(例えば直交する面)を意味する。出張り部は、出っ張った部位を意味し、突出した部位、膨出した(膨らみ出た)部位、等を含む。本巻取装置1は、前記繊維集合体5を前記本体部3aの端面3a1から離れた状態に保つ維持構造6をさらに備えてもよい。巻取軸3の出張り部3bを回転可能に支持する繊維集合体5が巻取軸本体部3aの端面3a1から離れた状態に保たれるので、本態様は、繊維集合体が巻取軸本体部の端面に接触することによる回転抵抗を抑制することが可能となる。
尚、出張り部の無い巻取装置も、本技術に含まれる。
【0016】
[態様3]
前記維持構造6は、前記中心線方向D1において前記本体部3aの端面3a1と前記繊維集合体5との間に配置された壁部61であって前記巻取軸3の出張り部3bを通す貫通穴62が形成された壁部61を含んでもよい。この態様は、簡易な構造で繊維集合体が巻取軸本体部の端面に接触することによる回転抵抗が生じないようにすることが可能となる。尚、壁部に形成された貫通穴が巻取軸を通すことが可能な大きさであっても、中心線方向において壁部が本体部端面と繊維集合体との間に配置されていることに含まれる。
前記壁部61は、前記収容部4に形成されてもよいし、前記収容部4以外の部位に形成されてもよい。
【0017】
[態様4]
また、
図13に例示されるように、前記維持構造6は、前記中心線方向D1において前記本体部3aの端面3a1と前記繊維集合体5との間に配置されて前記出張り部3bに形成された拡大部65を含んでもよい。この態様は、出張り部に形成された拡大部という簡易な構造で繊維集合体が巻取軸本体部の端面に接触することによる回転抵抗が生じないようにすることが可能となる。
前記拡大部には、前記繊維集合体から前記本体部の端面に向かって太くなるテーパー形状等が含まれる。
【0018】
[態様5]
本巻取装置1は、前記繊維集合体5が前記巻取軸3から当該巻取軸3の中心線方向D1の外側D1oへ移動することを妨げる構造(例えば阻止構造8)をさらに備えてもよい。この態様は、繊維集合体5が巻取軸3から中心線方向D1の外側D1oへずれることを抑制することが可能となる。
前記構造(8)には、前記繊維集合体が収容された繊維集合体収容部に対してヒンジ構造で繋がった蓋部(例えば
図4に示す蓋部80)、前記繊維集合体収容部に対して嵌合した別体の蓋(例えば
図10に示す蓋83や
図16に示すキャップ180)、等が含まれる。
尚、前記構造(8)の無い巻取装置も、本技術に含まれる。
【0019】
[態様6]
本巻取装置1は、前記巻取軸3の中心線方向D1において前記繊維集合体5の端面5aから該繊維集合体5側に入った凸部7をさらに備えてもよい。凸部は、膨出した部位、突出した部位、等を含む。本態様は、繊維集合体5の剛性が高まるので、耐久性をさらに向上させることが可能となる。
前記凸部7は、前記構造(8)に形成されてもよいし、前記巻取軸3の出張り部3bを通す貫通穴62が形成された壁部61に形成されてもよいし、さらに他の部位に形成されてもよい。
【0020】
[態様7]
図6(b),(c)に例示されるように、前記中心線方向D1における前記繊維集合体5の端面5aのうち、前記巻取軸3の中心線AX1から前記スクリーン2を引き出す側SD1において前記凸部7が前記繊維集合体5側に入った部分の面積S1は、前記巻取軸3の中心線AX1から前記スクリーン2を引き出す側SD1とは反対側SD2において前記凸部7が前記繊維集合体5側に入った部分の面積S2よりも大きくてもよい。尚、スクリーンを引き出す側をスクリーン引出側とも呼び、スクリーンを引き出す側とは反対側をスクリーン引込側とも呼ぶことにする。収容部4からスクリーン2を引き出すことを繰り返すと、繊維集合体5は、スクリーン引出側SD1の部位の方がスクリーン引込側SD2の部位よりも潰れ易い傾向にある。本態様は、スクリーン引出側SD1において凸部7が繊維集合体5に入ることにより繊維集合体5におけるスクリーン引出側SD1の部位の剛性が高まっているので、耐久性を維持しながら組み立て易い巻取装置を提供することができる。
尚、凸部の無い巻取装置も、本技術に含まれる。
【0021】
[態様8]
図14,15に例示されるように、本技術の別の態様に係る巻取装置1は、スクリーン2と、端部に開口3dを有し該スクリーン2を巻き取る巻取軸3と、該巻取軸3を収容する収容部4と、前記巻取軸3の中心線方向D1に沿った穴51を有し前記巻取軸3の開口3dに挿入された繊維集合体5と、該繊維集合体5の穴51に挿入され該繊維集合体5を回転可能に支持する支持軸9と、を備える。巻取軸3の開口3dに挿入された繊維集合体5が支持軸9で回転可能に支持されることにより、温度変化による収容部4の寸法ばらつきを考慮しても、巻取装置1に加わる振動が繊維集合体5で吸収され、異音発生が抑制される。従って、本態様も、振動入力時や巻取軸回転時の異音発生を抑制することが可能となる。
【0022】
(2)巻取装置の具体例:
図1は、巻取装置1を自動車800のサイドドア802のサンシェード装置として使用する例を示し、ドアトリム805の上部を切断して巻取装置1を示している。
図1に示す自動車800は、道路上で使用されるように設計及び装備された路上走行自動車とされ、前席及び後席を囲む車室C1が形成された乗用自動車とされている。車室C1の側面部には、ドア802及びピラー803が配置されている。このドア802にサンシェード装置としての巻取装置1が組み付けられている。巻取装置は、遮蔽装置やシェード装置やブラインド装置と呼ばれるものを含む。
図1に示す巻取装置1は、サイドドアの内装材としてドアトリム805の上縁内部に取り付けられ、スクリーン2を引き出し可能な巻取装置である。
【0023】
ドア802は、ドアパネル804、ドアトリム805、ドアウィンドウ806、フック部810、等が設けられている。ドアパネル804は、鋼板製といった金属製の車体パネルの一種である。トリム805は、パネル804の車室側に装着される内装材であり、熱可塑性樹脂といった樹脂材料を射出成形等により成形した成形品、樹脂材料の内装基材に不織布、織物、編物、といった表皮材を積層したもの、等を用いることができる。
図1に示すトリム805は、乗員が姿勢を楽に保つために肘を掛けることが可能な形状のアームレスト807が設けられている。このアームレスト807よりも上側においてトリム805の裏面に巻取装置1が配置されている。フック部810は、ウィンドウ806よりも上側においてパネル804に固定されている。
【0024】
図1は、スクリーン2が巻取軸3に巻き取られた(収容された)巻取装置1を模式的に例示し、スクリーン2が上方に引き出された状態を二点鎖線で例示している。
図2は、巻取装置1を模式的に例示する垂直断面図であり、操作部23を通る垂直断面を示している。
図3(a)は、巻取装置1を模式的に例示する平面図である。
図3(b)は、巻取軸3が設けられたケース40(収容部4の例)を模式的に例示する側面図であり、巻取軸3の要部を拡大した断面図も示している。
図4は、巻取装置1の要部を模式的に例示する縦断面図であり、ケース40の壁部61(維持構造6の例)を巻取軸3の中心線方向D1の内側D1iから見た図、及び、蓋部80(阻止構造8の例)を巻取軸3の中心線方向D1の外側D1oから見た図も示している。
図4では、ケース40、トリム805、及び、フェルト50(繊維集合体5の例)を断面視している。尚、「中心線方向内側」及び「中心線方向外側」は、方向を指す用語ではなく、場所を指す用語である。従って、例えば、「中心線方向外側へ」は、ある基準から外側となる範囲にある場所に向かうことを意味し、中心線方向D1からずれた向きを含む。
図5は、巻取装置1の要部を模式的に例示する分解図であり、筒状体31を中心線方向外側D1oから見た図、端部材32を中心線方向内側D1iから見た図、端部材32を中心線方向外側D1oから見た図、及び、フェルト50を中心線方向内側D1iから見た図も示している。
【0025】
尚、符号D21はスクリーン2の収容方向を示し、符号D22はスクリーン2の引出方向を示し、符号AX1は巻取軸3の中心線を示し、符号D11はトリム805からケース40に向かうケース方向を示し、符号D12はケース40からトリム805に向かうトリム方向を示し、符号DR1はスクリーン2の巻取方向を示している。収容方向D21と引出方向D22とは互いに反対の方向であり、例えば、収容方向D21が略下方、引出方向D22が略上方となる。ケース方向D11とトリム方向D12とは互いに反対の方向であり、例えば、ケース方向D11が自動車800の車幅方向の略外側方向、トリム方向D12が自動車800の車幅方向の略内側方向となる。
【0026】
スクリーン2は、遮蔽シートやブラインドシートとも呼ばれ、透過光の少なくとも一部を遮る。スクリーン2のスクリーン本体2aは、所定の巻取位置P11から所定の引出位置P12まで引き出し可能な柔軟性を有する薄い材料で形成され、引出位置P12から巻取位置P11へ巻取可能である。スクリーン本体は、網目を有する材料でもよいし、網目の無いシート状材料でもよく、ポリエステル織物といった布、樹脂材料を用いたレザー、樹脂材料を成形したシート、等を用いることができる。スクリーン本体は、半透明シート、紫外線を遮断する透明シート、等でもよい。紫外線等も、透過光に含まれる。サンシェード装置用のスクリーン本体は、例えば、遮光性50〜90%程度で可撓性を有する軟質材料を所要の形状に裁断することにより形成され、ハーフケース40から上方へ引き出されて、車両用ドアウィンドウを車室内側から覆う。巻取装置1は、乗員の防眩のために太陽光を遮ったり、プライバシーの保護や駐車時の防犯のために車外からの視認性を低下させたりする。
【0027】
図2に示すスクリーン本体2aの基端縁2bは、例えば両面テープにより巻取軸3の筒状体31(本体部3aの主要部)の外側面と貼り合わされる。これにより、筒状体31は、スクリーン2の基端縁(一端)2bを留めている。
図3に示すスクリーン2の引出端20は、袋状部21と芯材22を有している。袋状部21には、樹脂製操作部23を貫通した芯材22が挿入されている。操作部23は、レバー状であり、操作部23を摘むことによって収容部4から容易にスクリーン本体2aを引き出すことができる。スクリーン本体2aを引き出した際にドア側のフック部810を係止孔21dに挿入してフック部810に引出端20を引っ掛けると、スクリーン本体2aの引き出し状態を保持することができる。
【0028】
図3(b)及び
図5等に示す巻取軸3は、筒状体31、端部材32、壁部42側の軸受部38、を有し、ばね36(付勢機構35)が設けられ、該ばね36の付勢力によりスクリーン本体2aを巻き取り可能である。
筒状体31は、ケース40内において中心線AX1を中心として回転可能に配置され、外周面31oにおいてスクリーン本体2aの基端縁2bを留めている。筒状体31は、円筒状といった筒状でもよいし、円柱状といった棒状でもよい。
図3(b)等に示す筒状体31は、両端が開口した長尺な筒状部材であり、中心線AX1に沿った中空部31aにばね36の掛止部31cが挿入されている。このような筒状体31は、バレル等とも呼ばれる。筒状体31の一方の端部には
図4に示す端部材32が取り付けられ、筒状体31の他方の端部には軸受部38が取り付けられている。
図5に示すように、筒状体31の内周部31iは、中心線方向D1に対する断面が非円形であり、中心線方向D1に沿った溝31dが複数形成されている。筒状体31には、アルミニウムの押出成形品といった金属の加工品が好ましいものの、熱可塑性樹脂の押出成形品といった合成樹脂の成形品等も用いることができる。円筒状の筒状体の大きさは、特に限定されず、例えば、内径を4〜20mm程度、外径を6〜30mm程度とすることができる。
【0029】
図5等に示す端部材32は、外周面33oが筒状体31の外周面31oに合わせられた基部33(本体部3aの一部)、筒状体31の端部の開口31bに嵌入される嵌入部34(本体部3aの一部)、及び、基部33の中心線方向外側D1oの端面3a1から中心線方向外側D1oへ突出した出張り部3bを有している。従って、筒状体31、嵌入部34、及び、基部33は、巻取軸の本体部の具体例である。また、出張り部3bは、巻取軸の端部の具体例である。
図5に示す嵌入部34は、基部33の中心線方向内側D1iの端面から中心線方向内側D1iへ突出している。嵌入部34の外周部は、中心線方向D1に対する断面が非円形であり、中心線方向D1に沿った突条34dが複数形成されている。中心線方向D1に対する嵌入部34の外周部の断面形状は、筒状体31の内周部31iの断面形状に合わせられている。基部33から中心線方向内側D1iへ出た嵌入部34の各突条34dが筒状体31の溝31dに入ることにより、端部材32は、筒状体31に対して相対的に回転不能に取り付けられ、筒状体31とともに中心線AX1を中心として回転可能とされる。
【0030】
図5等に示す出張り部3bは、外径が基部33の外径よりも小さく、壁部61側の軸受部となるフェルト50の貫通穴51に挿入されてフェルト50に対して回転可能に支持される。出張り部3bは、円柱状といった棒状でもよいし、円筒状といった筒状でもよい。
端部材32には、合成樹脂の射出成形品といった成形品等を用いることができる。この合成樹脂には、ポリアミド、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、といった熱可塑性樹脂等を用いることができる。これらの樹脂に補強用繊維等といった添加材が添加されてもよい。
【0031】
図3(b)に示す軸受部38は、長尺状の巻取軸3において端部材32とは反対側の端部に設けられている。軸受部38は、長尺状のケース40において壁部61とは反対側の壁部42に固定される出張り部3cを有し、外側に筒状体31が回転可能に嵌められている。軸受部38の固定部分には、コイルスプリングであるばね36の一端が固定されている。ばね36の他端は、掛止部31cに固定されている。この掛止部31cは、筒状体31に対して相対的に回転不能に挿入され、筒状体31とともに中心線AX1を中心として回転可能とされる。ばね36は、スクリーン2を収容方向D21へ付勢する。通常、付勢機構35を設けた巻取軸3は、ケース40にスクリーン2が収納されてもスクリーン2に巻取方向DR1への付勢力を加える状態でケース40に取り付けられる。
【0032】
尚、付勢機構は、筒状体31の内周側に配置される以外にも、筒状体の外周側、筒状体の長手方向における端部の外側、等に配置されてもよい。付勢機構は、ユニット化されてもよく、筒状体に挿入される内ばねユニットでもよいし、特開2015-42505号公報に例示されるように筒状体の外側に設けられる外ばねユニットでもよい。付勢機構は、渦巻きばね、エラストマーやゴムといった弾性部材、等でもよい。
さらに、モーター駆動によりスクリーンの引き出しや巻き取りを行う電動タイプ、巻取軸に付勢機構が無く手動でスクリーンを巻き取る場合、等も、本技術に含まれる。
【0033】
図2及び
図3(a),(b)等に示すハーフケース40は、巻取軸3の中心線方向D1の両端部に形成された一対の壁部61,42、及び、開口部47が形成された側面部46を有し、巻取軸3を収容する。尚、「側面」には角柱、円柱、等の底面以外の面という意味があるように、側面部46はケース40に収容された巻取軸3の周りにある部位を意味する。従って、背部46aのようにユーザーから見て前後に配置される部位や、底部46bのように上下に配置される部位も、側面部46に含まれる。ハーフケース40は、巻取装置1のハウジング部分の一部を構成する半割体であり、トリム805と合わせられることによって巻取軸3等の収容空間SP1を形成する。
図2に示すケース40は、背部46aからケース方向D11へ延出した外方延出部43を有している。巻取装置1は、収容空間SP1からスクリーン本体2aが引き出されるスリット48を外方延出部43とトリム805との間に有している。尚、ケース40は、スクリーン2等の構成部品が予め組み付けられてユニット化されてもよい。ユニット化されたケース40に形成された複数の穴40a(
図1参照)にスクリューなど公知の締結手段を挿通させることにより、このケース40がトリム805に締結され、巻取装置1が車両本体に一体化される。
【0034】
図4,5等に示す壁部61は、巻取軸3の出張り部3bを通す貫通穴62が形成され、中心線方向D1において端部材32の端面3a1とフェルト50との間に配置されている。貫通穴62は、フェルト50が通らない大きさとされている。これにより、壁部61は、フェルト50が中心線方向内側D1iへ移動することを妨げ、フェルト50を端部材端面3a1から離れた状態に保つ。
図4等に示す貫通穴62は、内径がフェルト50の貫通穴51よりも大きい円形状であり、巻取軸3の本体部3aを通すことが可能な大きさとされている。これにより、貫通穴62に本体部3aを通してからケース40に巻取軸3を装着することができる。尚、端部材32の端面3a1とフェルト50とが接触しないように、壁部42側の軸受部38により巻取軸3の中心線方向D1への移動が規制されている。
【0035】
むろん、貫通穴62に本体部3aを差し込まなくてもケース40に巻取軸3を装着可能であれば、貫通穴62は、出張り部3bを通すことができる限り本体部3aが通らない大きさでもよい。この場合も、壁部61は、出張り部3bと接触しないようにされる。尚、貫通穴62が本体部3aを通すことができない大きさである場合であっても、貫通穴62が本体部3aを通すことが可能な大きさである場合であっても、中心線方向D1において壁部61が本体部端面3a1とフェルト50との間に配置されていることに含まれる。
また、貫通穴62の形状は、円形状に限定されず、楕円形状、多角形状、等でもよい。
【0036】
壁部61の中心線方向外側D1oには、フェルト50を支持するフェルト支持部(繊維集合体支持部)63が形成されている。フェルト支持部63には、インテグラルヒンジ81により蓋部80が繋がり、この蓋部80の貫通穴80cに挿入されて撓み動作後に蓋部80を係止するフック部82が形成されている。
図3(a),(b)及び
図4,5には、壁部61,42、外方延出部43、及び、側面部46とともに、フェルト支持部63、蓋部80、ヒンジ81、及び、フック部82を一体成形した樹脂製ケース40を例示している。尚、これらの部位の一部を残部とは別に成形し該残部に組み付けてケース40を形成する等、複数の部品を組み合わせてケース40を形成することも、本技術に含まれる。
【0037】
図2等に示す開口部47は、トリム805でほぼ覆われる部分であり、スクリーン本体2aが引き出される部分でもある。
【0038】
ケース40には、合成樹脂の射出成形品といった成形品等を用いることができる。合成樹脂には、ケースに軽量で安価な汎用樹脂等を用いることができる。このような汎用樹脂は、PP、ポリエチレン(PE)、これらの材料に添加材を添加した材料、等を例示することができる。
【0039】
図5等に示すフェルト50は、巻取軸端部材32の出張り部3bを通す貫通穴51を有し、繊維が集合して筒状に形成されている。フェルト50は、ケース40のフェルト支持部63に挿入された状態で端部材32の出張り部3bを回転可能に支持する。フェルト50における中心線方向外側D1oの端面50a(繊維集合体の端面5a)には蓋部80に形成された凸部7が挿入され、これによりフェルト50が圧縮される。尚、フェルト50の穴は、貫通穴に限定されず、中心線方向外側D1oの端面50aが閉塞された穴でもよい。
【0040】
フェルト50を形成する繊維には、羊毛、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート(PET))やポリオレフィンやポリアミドといった合成樹脂(エラストマーを含む)の繊維、合成樹脂に添加剤を添加した繊維、レーヨン、これらの組合せ、等を用いることができる。フェルト50には、バインダー等、繊維以外の材料が含まれてもよい。
【0041】
フェルト50の密度は、例えば、0.02〜0.4g/cm
3程度(好ましくは0.1〜0.3g/cm
3程度)とすることができる。スクリーンの引き出し及び巻き取りを繰り返したときのフェルトの潰れを小さくするためにはフェルトの密度を高くすればよく、回転する巻取軸の出張り部とフェルトとの摩擦による音を小さくするためにはフェルトの密度を低くすればよい。
フェルト50の肉厚T1は、例えば、2〜20mmとすることができる。
【0042】
図4等に示す凸部7は、中心線方向D1においてフェルト50の端面50aからフェルト50側に入っている。
図6(a)は、複数の凸部7が形成された蓋部80(阻止構造8)を中心線方向内側D1iから見た模式図である。これらの凸部7は、フェルト支持部63に装着された状態の蓋部80の内面(凸部形成面80a)から中心線方向内側D1iへ略半球状に膨出している。むろん、凸部7の形状は、半球状に限定されず、円柱状や角柱状といった柱状、円錐状や角錐状といった錐体状、等でもよい。蓋部80の凸部形成面80aに凸部7が形成されていることにより、フェルト支持部63に蓋部80を装着すると、フェルト50の端面50aからフェルト50に凸部7が押し込まれ、フェルト50が圧縮される。
凸部7の位置は、特に限定されず、フェルト支持部63に接触する位置でもよい。出張り部3bに対する回転抵抗を抑制する観点から、凸部7の位置は出張り部3bに接触しない位置が好ましい。
【0043】
図6(a)に示す凸部7は、巻取軸3の中心線AX1からスクリーン引出側SD1に存在し、中心線AX1からスクリーン引込側SD2には存在しない。
図6(b)は、
図6(a)に示す蓋部80をフェルト支持部63に装着したときに中心線方向D1におけるフェルト50の端面50aに対する凸部7の配置を模式的に示している。
図6(b)には、フェルト端面50aのうち巻取軸3の中心線AX1からスクリーン引出側SD1において凸部7がフェルト50側に入った部分の面積をS1で示し、フェルト端面50aのうち巻取軸3の中心線AX1からスクリーン引込側SD2において凸部7がフェルト50側に入った部分の面積をS2で示している。
図6(b)に示すように、S1>S2である。
【0044】
図7(a)は、スクリーン2の引き出し及び巻き取りを繰り返す耐久試験を行う前のフェルトの例を模式的に示している。
図7(b)は、蓋部80に凸部7が形成されていない巻取装置において前記の耐久試験を行った後の繊維集合体の例を模式的に示している。
図7(c)は、
図6(a)に示すような凸部7が蓋部80に形成されている巻取装置において前記の耐久試験を行った後の繊維集合体の例を模式的に示している。
図7(a)〜(c)ではフェルトの繊維の模様を省略し、
図7(a)〜(c)の左側には中心線方向外側D1oから見たフェルトを示し、
図7(a)〜(c)の右側には前記フェルトの左側面を示している。尚、耐久試験前のフェルト50は、貫通穴51の直径R1が6mm、肉厚T1が5mm、中心線方向D1における長さL1が7mmであった。前記の耐久試験では、スクリーン2の引き出し及び巻き取りを20000回行った。
【0045】
図7(b)に示すように、蓋部80に凸部7が無い場合、スクリーン引出側SD1においてフェルト50が引出方向D22の方へ少し潰れ、貫通穴51の直径R2が7mm、肉厚T2が3mm、中心線方向D1における長さL2が10mmとなった。引き出されたスクリーン本体2aには巻取軸3の傾きによる若干のしわが見られたものの、異音の発生は抑制された。
【0046】
図7(c)に示すように、スクリーン引出側SD1において蓋部80に凸部7が有る場合、スクリーン引出側SD1におけるフェルト50の潰れが少なくなり、貫通穴51の直径R3は7mmに維持され、肉厚T3が4.8mmと減少が抑制され、中心線方向D1における長さL3が8mmと増加が抑制された。これは、スクリーン引出側SD1において、凸部7がフェルト50に押し込まれることによりフェルト50が圧縮されて剛性が高まったためと推測される。一方、スクリーン引込側SD2には凸部7が無いので、フェルト50が挿入されたフェルト支持部63に蓋部80を装着する際に凸部7をフェルト50に押し込む力が少なくて済む。従って、
図6(a),(b)に示すように凸部7を配置した具体例は、耐久性をさらに向上させながら組み立て易い巻取装置を提供することができる。
【0047】
尚、
図6(c),(d)に例示するように、スクリーン引込側SD2にも凸部7が配置されてもよい。
図6(c)に示す複数の凸部7には、両側SD1,SD2に跨った凸部7aが含まれている。この場合、スクリーン引込側SD2の凸部7の面積S2は、0ではないが、スクリーン引出側SD1の面積S1よりも小さい。従って、
図6(c)に示すように凸部7を配置した具体例は、耐久性をさらに向上させながら組み立て易い巻取装置を提供することができる。一方、
図6(d)に示す複数の凸部7は両側SD1,SD2に略均等に配置され、S1=S2である。従って、フェルト50が挿入されたフェルト支持部63に蓋部80を装着する際に凸部7をフェルト50に強く押し込む必要があるものの、耐久性をさらに向上させることができる。
【0048】
図4,5等に示す蓋部80は、フェルト支持部63に対してヒンジ81を中心として開閉可能であり、巻取軸3の出張り部3bが挿入される貫通穴80b、及び、フック部82が挿入される貫通穴80cが形成されている。
図4に示す貫通穴80bは、出張り部3bの位置がスクリーン2の引出方向D22及び収容方向D21へ若干変わることを考慮して引出方向D22及び収容方向D21に長径を向けた楕円状とされている。むろん、貫通穴80bの形状は、楕円状に限定されず、正円状、多角形状、等でもよい。フック部挿通用の貫通穴80cにフック部82が挿入されて蓋部80がフック部82に係止されると、凸部形成面80aはフェルト50が中心線方向外側D1oへ移動することを妨げる。ヒンジ81を介してフェルト支持部63に蓋部80が繋がっていることにより、フェルト50が中心線方向外側D1oへ移動することを妨げる構造のための別部品が不要となる。
【0049】
(3)具体例に係る巻取装置の作用、及び、効果:
筒状体31をアルミニウムで形成し、ケース40を安価なPPで形成すると、ケース40の線膨張係数が筒状体31の線膨張係数よりもかなり大きくなる。このため、温度変化による部品、特にケース40の寸法ばらつきを考慮して部品を設計する必要がある。一方、自動車に組み付けられる巻取装置1には、運転時に自動車から振動が加わる。また、巻取装置1にはスクリーン2を引き出す操作やスクリーン2を収容する操作が繰り返し行われ、これらの操作時に巻取軸3が回転する。巻取軸の出張り部の軸受部が繊維集合体でなく樹脂製又は金属製である場合、前述の寸法ばらつきを考慮した設計により巻取軸の出張り部と軸受部との間に隙間が生じると、巻取装置に振動が加わった時や巻取軸の回転時に異音が発生することがある。尚、線膨張係数を小さくするための特別な樹脂材料をケースに使用すると、ケースを形成する樹脂材料が高価になる。
【0050】
上述した巻取装置1の巻取軸3の出張り部3bはフェルト50で回転可能に支持されているので、温度変化によるケース40の寸法ばらつきを考慮した設計であっても、巻取装置1に加わる振動がフェルト50で吸収され、異音発生が抑制される。従って、本具体例は、振動入力時や巻取軸回転時の異音発生を抑制することが可能となる。
【0051】
また、
図8に例示するように、引き出されたスクリーン2の縁部2cの弛みを抑制する効果も得られる。
図8の状態ST1には、フェルト50が弾性変形しないと仮定した場合にスクリーン本体2aの両縁部2c,2dのうちフェルト50から遠い側の縁部2cに弛みが生じることとなることが示されている。実際には、
図8の括弧内に例示するようにフェルト50にばねのように弾性変形する性質があるので、状態ST2のように出張り部3bが引出方向D22へ若干移動し、スクリーン本体2aが巻取軸3に若干巻き取られ、縁部2cの弛みが無くなる(減る)。このように、弾性変形可能なフェルト50には巻取軸3の中心線AX1を調整する調芯機能があり、これにより縁部2cの弛みが抑制され、スクリーン2の見映えが向上する。
【0052】
さらに、
図18に例示するようにフェルト50を巻取軸本体部3aの端面3a1から離れた状態に保つ維持構造6が無い場合でも、振動入力時や巻取軸回転時の異音発生を抑制する効果が得られる。一方で、巻取軸3の繰り返しの回転や部品の熱膨張により、
図19に例示するようにフェルト50が中心線方向内側D1iへ移動して巻取軸本体部3aの端面3a1に接触すると、これによる回転抵抗が巻取軸3に生じ、また、端面3a1周辺の隙間にフェルト50が入り込んで変形することがある。
図4等に示す維持構造6が巻取装置1にあることにより、フェルト50が巻取軸本体部3aの端面3a1に接触することによる回転抵抗が抑制され、フェルト50の変形が抑制され、巻取装置の耐久性が向上する。
【0053】
さらに、
図4等に示すように凸部7がフェルト50に押し込まれることにより、フェルト50が圧縮されてフェルト50の剛性が高まる。凸部7が中心線方向D1においてフェルト端面50aからフェルト50側に入っていることにより、巻取装置の耐久性が向上する。特に、
図6(a)〜(c)に示すように中心線方向D1におけるフェルト端面50aのうち中心線AX1からスクリーン引出側SD1の凸部7の面積S1がスクリーン引込側SD2の凸部7の面積S2よりも大きい場合、蓋部80の装着時に凸部7をフェルト50に押し込む力が少なくて済む。従って、
図6(a)〜(c)に示すように凸部7を配置した具体例は、耐久性をさらに向上させながら組み立て易い巻取装置を提供することができる。
【0054】
(4)変形例:
本発明は、種々の変形例が考えられる。
サンシェード装置としての巻取装置の設置箇所は、サイドウィンドウ以外にも、リヤウィンドウ、ルーフウィンドウ、フロントウィンドウ、等でもよい。巻取装置は、トノカバー装置等でもよい。スクリーンの引出方向は、上方以外にも、下方、水平方向、等でもよい。
巻取軸を設ける箇所は、ハーフケース以外にも、巻取軸のほぼ全周を囲むケースでもよいし、ドアトリムといったトリムでもよい。
【0055】
凸部7の形成位置は、蓋部80(阻止構造8)に限定されず、維持構造6等でもよい。
図9は、凸部7が形成された壁部61(維持構造6)を有する巻取装置の例を模式的に示している。以後説明する変形例は、上述した例と類似する構成要素に同じ符号を付して該構成要素の説明を省略する。
【0056】
図9に示す凸部7は、中心線方向D1においてフェルト50の端面50b(繊維集合体の端面5a)からフェルト50側に入っている。壁部61の壁面61aに凸部7が形成されていることにより、フェルト支持部63に蓋部80を装着すると、フェルト50の端面50bからフェルト50に凸部7が押し込まれ、フェルト50が圧縮されて剛性が高まる。凸部7が中心線方向D1においてフェルト端面50bからフェルト50側に入っていることにより、巻取装置の耐久性が向上する。
むろん、蓋部80と壁部61の両方に凸部7を形成してもよい。
【0057】
また、フェルト50が中心線方向外側D1oへ移動することを妨げる阻止構造8は、ヒンジでフェルト支持部63に繋がった蓋部に限定されず、フェルト支持部63とは別体の蓋、トリム、等でもよい。
図10は、別体の蓋83を有する巻取装置1の要部を模式的に例示する縦断面図であり、壁部61を中心線方向内側D1iから見た図、及び、蓋83(阻止構造8の例)を中心線方向外側D1oから見た図も示している。
図11は、別体の蓋83を有する巻取装置1の要部を模式的に例示する分解図であり、筒状体31を中心線方向外側D1oから見た図、端部材32を中心線方向内側D1iから見た図、端部材32を中心線方向外側D1oから見た図、及び、フェルト50を中心線方向内側D1iから見た図も示している。
【0058】
図10,11に示す蓋83は、フェルト支持部63に対して着脱可能であり、内面83aに凸部7が形成され、巻取軸3の出張り部3bが挿入される貫通穴83bが形成されている。この蓋83の内周部83iには、中心線AX1を中心として1周した環状溝85が複数本形成されている。
図10,11に示すフェルト支持部63の外周部63oには、中心線AX1を中心として1周した環状突条84が複数本形成されている。フェルト50が挿入されたフェルト支持部63に蓋83を装着する際、突条84が弾性変形後に溝85に挿入された位置においてフェルト支持部63に蓋83が保持される。突条84と溝85が複数本ずつあるので、フェルト支持部63に対して保持される蓋83の中心線方向D1における位置を段階的に変えることができる。これにより、フェルト50の密度や寸法等にばらつきがあってもフェルト50の剛性を適度に揃えることができる。
尚、フェルト支持部63に対して保持される蓋83の位置が1箇所しかない場合も、本技術に含まれ、振動入力時や巻取軸回転時の異音発生を抑制する効果が得られる。
【0059】
図12は、ドアトリム805に形成された阻止構造8を有する巻取装置1を模式的に例示する縦断面図であり、壁部61を中心線方向内側D1iから見た図も示している。
図12に示すトリム805には、中心線方向内側D1iへ出た凸部86(阻止構造8の例)が形成されている。この凸部86には、巻取軸3の出張り部3bが挿入される貫通穴86bが形成されている。凸部86の中心線方向内側D1iの端面86aは、フェルト50の中心線方向外側D1oの端面50aに接触し、フェルト50が中心線方向外側D1oへ移動することを妨げる。従って、本具体例も、フェルト50が巻取軸3から中心線方向外側D1oへずれることを抑制可能である。
【0060】
さらに、フェルト50を巻取軸本体部3aの端面3a1から離れた状態に保つ維持構造6は、壁部61に限定されず、出張り部3bに形成された拡大部65等でもよい。
図13は、拡大部65(維持構造6の例)が形成された出張り部3bを有する巻取装置1を模式的に例示する縦断面図である。拡大部65は、中心線方向D1において巻取軸本体部3aの端面3a1とフェルト50との間に配置されて出張り部3bに形成されている。拡大部65の外径はフェルト50の穴51の内径よりも大きいので、フェルト50が巻取軸本体部3aの端面3a1から離れた状態に保たれる。
【0061】
図13に示す拡大部65は、フェルト50から巻取軸本体部3aの端面3a1に向かって太くなるテーパー形状とされている。これにより、中心線方向D1においてフェルト50が拡大部65に向かって押圧されても、フェルト50における中心線方向内側D1iの部位が圧縮されて剛性が高まり、フェルト50が巻取軸本体部3aの端面3a1から離れた状態に保たれる。
尚、拡大部65の形状は、テーパー形状に限定されず、フェルト50から巻取軸本体部3aの端面3a1に向かって段階的に太くなる形状等でもよい。
【0062】
さらに、巻取軸3とともに回転する繊維集合体5が別の軸に対して回転可能に支持されてもよい。
図14は、端部材32の開口3dに挿入されたフェルト50を有する巻取装置1の要部を模式的に例示する縦断面図である。
図14では、巻取軸3等の縦断面も示している。
図15は、端部材32の開口3dに挿入されたフェルト50を有する巻取装置1の要部を模式的に例示する分解図であり、端部材32を中心線方向外側D1oから見た図、及び、支持軸9を中心線方向内側D1iから見た図も示している。
【0063】
図14,15に示す端部材32は、出張り部3bが無く、外周面33oが筒状体31の外周面31oに合わせられた基部33、及び、筒状体31の端部の開口31bに嵌入される嵌入部34を有している。従って、筒状体31、及び、端部材32は、巻取軸の具体例である。
基部33は、中心線方向外側D1oの端面に形成された円形の開口3dから中心線方向内側D1iへ凹んだ凹部33aを有している。開口3dから挿入されたフェルト50は、凹部33aに収容され、中心線方向内側D1iへ移動することが妨げられる。基部33の外周面33oには、環状突条84が複数本形成されている。
【0064】
図14,15に示すフェルト50は、中心線方向D1に沿った貫通穴51を有し、凹部33aに収容された状態で支持軸9に対して回転可能に支持される。
図14,15に示す蓋87(阻止構造8の例)は、端部材32の基部33に対して着脱可能であり、支持軸9が挿入される貫通穴87bが形成されている。この蓋87の内周部87iには、中心線AX1を中心として1周した環状溝85が複数本形成されている。フェルト50が挿入された基部33に蓋87を装着する際、突条84が弾性変形後に溝85に挿入された位置において基部33に蓋87が保持される。突条84と溝85が複数本ずつあるので、基部33に対して保持される蓋87の中心線方向D1における位置を段階的に変えることができる。これにより、フェルト50の密度や寸法等にばらつきがあってもフェルト50の剛性を適度に揃えることができる。むろん、基部33に対して保持される蓋87の位置が1箇所しかない場合も、本技術に含まれる。また、突条84の代わりに雄ねじが基部33の外周面33oに形成されてもよく、溝85の代わりに雌ねじが蓋87の内周部87iに形成されてもよい。
【0065】
図14,15に示す支持軸9は、壁部61と一体的に形成され、壁61から中心線方向内側D1iへ突出している。支持軸9は、蓋87の貫通穴87b、及び、フェルト50の穴51を通り抜けてフェルト50を回転可能に支持するように、断面円形の固定軸とされている。フェルト50を収容した端部材32に蓋87を取り付け、端部材32の嵌入部34を筒状体31の端部の開口31bに嵌入し、蓋87の貫通穴87b、及び、フェルト50の穴51に支持軸9を挿入すると、
図14に示す巻取装置1が組み立てられる。
【0066】
上述した巻取装置1の巻取軸3の開口3dに挿入されたフェルト50は支持軸9で回転可能に支持されているので、温度変化によるケース40の寸法ばらつきを考慮した設計であっても、巻取装置1に加わる振動がフェルト50で吸収され、異音発生が抑制される。従って、本具体例も、振動入力時や巻取軸回転時の異音発生を抑制することが可能となる。
【0067】
さらに、
図16,17に例示するように、繊維集合体5の外周5oに沿って繊維集合体5の端面5aを押圧する凸部7を蓋部80に形成してもよい。
図16は、このような凸部7を有する巻取装置1の要部を模式的に例示する縦断面図であり、別体のキャップ180(阻止構造8及び蓋部80の例)の斜視図も示している。
図17は、キャップ180を有する巻取装置1の要部を模式的に例示する分解図である。尚、
図17では、
図16とは上下逆に示している。
【0068】
図16,17に示すキャップ180は、フランジ部181、主環状部182、及び、抜け止め部183を有し、壁部61に形成されたフェルト支持部63に対して着脱可能である。フランジ部181は、フェルト支持部63に入らない大きさの外径を有し、中心線方向D1においてフェルト支持部63に突き当たるようにされている。主環状部182と抜け止め部183は、主環状部182よりも抜け止め部183が小さくなるようにスリット184,184で分離され、フェルト50の外周50o(繊維集合体の外周5oの例)に沿ってフランジ部181から中心線方向D1の内側D1iへ延出し、フェルト支持部63に挿入可能である。フランジ部181がフェルト支持部63に突き当たっている状態で、主環状部182及び抜け止め部183の先端部は、フェルト50の端面50aからフェルト50側に入り込む。すなわち、主環状部182と抜け止め部183は、フェルト50の端面50aからフェルト50側に入った凸部7の例である。キャップ180には、フランジ部181から主環状部182及び抜け止め部183にかけて中心線方向D1へ貫通した貫通穴180bが形成されている。この貫通穴180bの内径は、巻取軸3の出張り部3bの外径よりも大きく、フェルト50の外径よりも小さくされている。貫通穴180bには、出張り部3bがキャップ180に接触しないように挿入される。
【0069】
キャップ180の回転防止のため、主環状部182には、中心線AX1を中心として径方向外側へ出た略直方体状の位置決め凸部182bが形成されている。主環状部182が挿入されるフェルト支持部63には、位置決め凸部182bの形状に合わせた位置決め凹部66が形成されている。この位置決め凹部66に位置決め凸部182bが挿入されることにより、フェルト支持部63に対してキャップ180が中心線AX1を中心として回転しないように取り付けられる。
【0070】
キャップ180の脱落防止のため、抜け止め部183には、中心線AX1を中心として径方向外側へ出たフック状の爪部183bが形成されている。この爪部183bは、中心線方向D1の内側Di1にC面とされたテーパー部183tを有し、中心線方向D1の外側D1oに中心線AX1と略直交する面を有している。抜け止め部183が挿入されるフェルト支持部63には、フランジ部181がフェルト支持部63に突き当たった状態で爪部183bが挿入される係止孔67が形成されている。抜け止め部183が弾性変形することによりフェルト支持部63の内壁を乗り越えた爪部183bが係止孔67に挿入されることにより、フェルト支持部63に対してキャップ180が中心線方向D1の外側D1oへ抜け落ちないように取り付けられる。
【0071】
フランジ部181から延出した主環状部182及び抜け止め部183の先端部には、C面とされた先細り状のテーパー部185が形成されている。これらのテーパー部185は、主環状部182及び抜け止め部183において中心線AX1を向く内面に形成されている。すなわち、各テーパー部185は、中心線方向D1の内側D1iとなるほど中心線AX1から離れるC面を有する。これらのテーパー部185がフェルト50の端面50aからフェルト50側に入ることにより、フェルト50の特に外周部の剛性が高められ、巻取装置の耐久性が特に向上し、振動入力時や巻取軸回転時の異音発生を抑制する効果が得られる。
【0072】
図16,17に示す巻取装置1は、例えば、以下のようにして組み立てることができる。
まず、作業者は、フェルト支持部63にフェルト50を入れ、位置決め凹部66に位置決め凸部182bを合わせて主環状部182及び抜け止め部183をフェルト支持部63に挿入すればよい。弾性変形した抜け止め部183の爪部183bが係止孔67に挿入されると、フェルト支持部63に係止されたキャップ180によりフェルト50が圧縮状態でフェルト支持部63に固定される。次に、作業者は、壁部61の貫通穴62を介してフェルト50の穴51に巻取軸3の出張り部3bを挿入すればよい。むろん、組み立て作業の各工程の順番は、適宜、変更可能である。
【0073】
(5)結び:
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、振動入力時や巻取軸回転時の異音発生を抑制することが可能な技術等を提供することができる。むろん、従属請求項に係る構成要件を有しておらず独立請求項に係る構成要件のみからなる技術でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態及び変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。