(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
ひとつの方面において、本発明は、表示パネルであって、第1基板と、前記第1基板に対向する第2基板と、を備え、前記第1基板は、ベース基板と、前記ベース基板上に設けられるパッシベーション層と、を備え、前記パッシベーション層は、ベース部と、前記ベース部の前記ベース基板から離れた側に設けられる突起部と、を備え、前記突起部は、前記表示パネルの周辺領域に設けられ、前記表示パネルの表示領域を囲む、表示パネルを提供する。
【0005】
表示パネルは、前記突起部の前記ベース部から離れた側にシーラント層をさらに備え、前記シーラント層は、前記表示パネルの前記周辺領域に位置し、前記第1基板と前記第2基板とを互いにシーリングしてセルを形成するように構成されてもよい。
【0006】
前記突起部及び前記ベース部は、前記パッシベーション層の一体化部分であり、同一材料を含んでもよい。
【0007】
前記突起部及び前記ベース部は窒化ケイ素を含んでもよい。
【0008】
前記パッシベーション層は全厚みが約5μmから約20μmの範囲にあり、前記突起部は厚みが約2μmから約19μmの範囲にあってもよい。
【0009】
前記シーラント層の厚みは、前記突起部の厚みの50%未満であってもよい。
【0010】
前記表示パネルは有機発光ダイオード表示パネルであり、前記ベース基板上に設けられる有機発光層と、前記有機発光層の前記ベース基板から離れた側に設けられる、前記有機発光層を封止するための封止フィルムと、をさらに備えてもよい。
【0011】
前記表示パネルは、前記パッシベーション層の前記ベース基板に近い側に設けられる薄膜トランジスタと、前記パッシベーション層の前記ベース基板から離れた側に設けられる画素電極と、をさらに備え、前記画素電極は、前記パッシベーション層を貫通するビアを介して前記薄膜トランジスタのソース電極に接続されてもよい。
【0012】
前記突起部は前記ベース部から離れた側に波状面を有してもよい。
【0013】
別の方面において、本発明は本開示で述べる表示パネルを備える表示装置を提供する。
【0014】
別の方面において、本発明は、表示基板であって、ベース基板と、前記ベース基板上に設けられるパッシベーション層と、を備え、前記パッシベーション層は、ベース部と、前記ベース部の前記ベース基板から離れた側に設けられる突起部と、を備え、前記突起部は、前記表示基板の周辺領域に設けられ、前記表示基板の表示領域を囲む、表示基板を提供する。
【0015】
前記突起部及び前記ベース部は、前記パッシベーション層の一体化部分であり、同一材料を含んでもよい。
【0016】
前記突起部及び前記ベース部は窒化ケイ素を含んでもよい。
【0017】
前記パッシベーション層は全厚みが約5μmから約20μmの範囲にあり、前記突起部は厚みが約2μmから約19μmの範囲にあってもよい。
【0018】
別の方面において、本発明は、表示基板の製造方法であって、ベース基板上にパッシベーション層を形成し、前記パッシベーション層は、ベース部と、前記ベース部の前記ベース基板から離れた側に設けられる突起部と、を備えるように形成される工程を含み、前記突起部は、前記表示基板の周辺領域に形成され、前記表示基板の表示領域を囲む、表示基板の製造方法を提供する。
【0019】
前記パッシベーション層を形成する工程は、前記ベース基板上にパッシベーション材料層を形成する工程と、前記パッシベーション材料層の前記ベース基板から離れた側に第1フォトレジスト層を形成し、前記第1フォトレジスト層は前記突起部に対応する第1領域内に位置する工程と、前記第1領域の外側に位置する前記パッシベーション材料層の厚みを減少させて前記ベース部を形成する工程と、前記第1領域の外側に位置する前記パッシベーション材料層の厚みを減少させた後、前記第1フォトレジスト層を除去して前記突起部を形成する工程と、を含んでもよい。
【0020】
この方法は、前記第1フォトレジスト層を形成する前に、前記パッシベーション材料層の前記ベース基板から離れた側に第2フォトレジスト層を形成し、前記第2フォトレジスト層は前記パッシベーション層における第1ビアに対応する第2領域の外側の領域に位置する工程と、前記第2領域内の前記パッシベーション材料層を部分的に除去して第2ビアを形成する工程と、前記第1領域の外側に位置する前記第2フォトレジスト層を除去して前記第1フォトレジスト層を形成する工程と、をさらに含み、前記第1領域の外側に位置する前記パッシベーション材料層の厚みを減少する際に、前記第2領域内の前記パッシベーション材料層は完全に除去されて前記第1ビアが形成され、前記第1ビアが前記パッシベーション層を貫通してもよい。
【0021】
この方法は、前記パッシベーション材料層を形成する前に、前記ベース基板上に、ソース電極を備える薄膜トランジスタを形成する工程をさらに含み、前記第1ビア、前記ベース部及び前記突起部を形成した後、前記パッシベーション層の前記ベース基板から離れた側に画素電極を形成する工程をさらに含み、前記画素電極は前記第1ビアを介して前記ソース電極に接続されてもよい。
【0022】
前記ベース部、前記突起部及び前記第1ビアは、一つのマスク板を用いて単一のプロセスにおいて形成されてもよい。
【0023】
別の方面において、本発明は、表示パネルの製造方法であって、本開示に記載の方法により第1基板を形成する工程と、第2基板を形成する工程と、前記第1基板及び前記第2基板をセルに組み立てる工程と、を含み、前記第2基板を形成する工程は、第2ベース基板上にシーラント材層を形成する工程を含み、前記シーラント材層は前記第2基板の周辺領域内に形成され、前記第2基板の表示領域を囲み、前記第1基板及び前記第2基板を前記セルに組み立てる工程は、前記シーラント材層を前記突起部に接着して前記表示パネルの表示領域をシーリングするシーラント層を形成する工程を含む、表示パネルの製造方法を提供する。
【0024】
前記第2基板を形成する工程は、前記第2基板の表示領域内に位置する前記第2ベース基板上に封止フィルムを形成する工程と、前記第1基板及び前記第2基板を組み立てた後、前記封止フィルムは前記表示パネルの前記表示領域内に位置する表示ユニットを封止する工程と、をさらに含んでもよい。
【0025】
以下の図面は開示された様々な実施形態の例にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、実施形態を参照しつつ、本開示について具体的に説明する。なお、いくつかの実施形態に関する以下の説明は例示及び説明としてのものに過ぎず、全てを網羅している訳ではなく、また、開示されるそのままの形態に本発明を限定するものでもない。
【0028】
従来の表示パネルにおけるアレイ基板及び対向基板は、通常、シーラント層により互いにシーリングされる。
図1は、従来の表示パネルの構造を示す模式図である。
図1を参照すると、従来の表示パネルにおけるシーラント層902は、アレイ基板と対向基板との間の空間をほぼ貫通して延びている。シーラント層902の厚みd’は、アレイ基板と対向基板との間の距離と略同一である。このため、従来の表示パネルにおけるシーラント層902は大きい面積が外部環境に露出されている。通常、シーラント層902は硬化可能な有機シーラント材からなる。硬化したシーラント材は多孔質で、硬化工程において欠陥が生じやすい。酸素と水分はシーラント層902の孔及び欠陥に浸透し、表示領域における表示部品の電気性能を損ない、表示パネルの寿命を短縮させる。
【0029】
そこで、本開示は、特に、従来技術における制限及び欠点に起因する一つ以上の課題を実質的に解消する、表示基板、表示パネル、表示装置、並びに表示基板及び表示パネルの製造方法を提供する。ひとつの方面において、本開示は表示パネルを提供する。いくつかの実施形態において、表示パネルは、第1基板と、第1基板に対向する第2基板と、を備える。いくつかの実施形態における表示パネル内の第1基板は、ベース基板と、ベース基板上に設けられるパッシベーション層と、を備え、パッシベーション層は、ベース部と、ベース部のベース基板から離れた側に設けられる突起部と、を備える。突起部は、表示パネルの周辺領域に設けられ、表示パネルの表示領域を囲んでもよい。
【0030】
本明細書において「周辺領域」とは、表示パネル又は表示パネル内の表示基板(例えば、アレイ基板又は対向基板)の、表示パネル又は表示基板へ信号を送信するための様々な回路や配線が設けられた領域を指す。表示装置の透明性を高めるため、表示装置の非透明又は不透明部品(例えば、電池、プリント回路板、金属フレーム)を、表示領域ではなく周辺領域に配置することができる。本明細書において「表示領域」とは、表示パネル又は表示パネル内の表示基板(例えば、アレイ基板又は対向基板)の、画像が実際に表示される領域を指す。
【0031】
図2は、本開示のいくつかの実施形態における表示パネルの構造を示す模式図である。
図2を参照すると、いくつかの実施形態における表示パネルは、表示領域A及び周辺領域Bを含む。表示領域Aは、画像を表示するための複数のサブ画素を含む。
図2に示すように、表示パネルは、第1基板S1と、第1基板S1に対向する第2基板S2と、を備える。第1基板S1は、第1ベース基板1と、第1ベース基板1上に設けられるパッシベーション層4と、を備える。パッシベーション層4は、ベース部42と、ベース部42の第1ベース基板1から離れた側に設けられる突起部41と、を備える。突起部41は、表示パネルの周辺領域Bに設けられ、表示パネルの表示領域Aを囲む。ベース部42は、表示領域A及び周辺領域B全体に伸びる。
【0032】
いくつかの実施形態における第2基板S2は、第2ベース基板10と、第2ベース基板10上に設けられるシーラント層901と、を備える。シーラント層901は、突起部41に対応する。シーラント層901は、突起部41のベース部42から離れた側に設けられ、且つ表示パネルの周辺領域B内に設けられる。シーラント層901は、第1基板S1(具体的には、突起部41)と第2基板S2とを互いにシーリングしてセルを形成するように構成される。
【0033】
第2基板S2と第1基板S1との間の距離は、第2基板S2の第2ベース基板10の表面と、パッシベーション層4のベース部42の表面との間の距離dであると定義される。距離dは、シーラント層901の高さに等しい距離d1と突起部41の高さに等しい距離d2の和である。シーラント層901は、突起部41に接着して第1基板S1と第2基板S2とを互いにシーリングするシーラント材(例えば、UV硬化型樹脂)を含む。突起部41を設けることで、本発明の表示パネルをシーリングするのに必要とされるシーラント材の量が大幅に減少している。例えば、
図1に示す従来の表示パネルでは、厚みがdであるシーラント層902により表示パネルをシーリングする必要があるが、本発明の表示パネルにおいては、シーラント層901の厚みがd1まで顕著に減少する。外部環境に露出されるシーラント層901の総面積が従来の表示パネルよりも大幅に少ないため、シーラント層901の孔及び欠陥から酸素及び水分が浸透する問題は解決される。突起部41は、表示パネル内部を外部環境から隔離するバリアの主要部分をなす。突起部41は気密性の高いパッシベーション材料から作製されるため、本発明の表示パネルは耐酸化性及び耐湿性に優れている。
【0034】
いくつかの実施形態において、シーラント層901の厚みd1は、突起部41の厚みd2の50%未満である。厚みd1は、突起部41の厚みd2の25%未満であってもよい。厚みd1は、突起部41の厚みd2の10%未満であってもよい。厚みd1は、突起部41の厚みd2の5%未満であってもよい。
【0035】
いくつかの実施形態において、厚みd1は、第2基板S2と第1基板S1との間の厚みdの35%未満である。厚みd1は、厚みdの25%未満であってもよい。厚みd1は、厚みdの10%未満であってもよい。厚みd1は、厚みdの5%未満であってもよい。厚みd1は、厚みdの2.5%未満であってもよい。
【0036】
突起部41の厚みd2は約2μmから約19μmの範囲にあってもよく、例えば、約2μmから約5μm、約5μmから約10μm、約10μmから約19μmであってもよい。パッシベーション層の全厚み(例えば、d2とd3の和)は約5μmから約20μmの範囲にあってもよい。
【0037】
いくつかの実施形態において、突起部41及びベース部42はパッシベーション層4の一体化部分である。例えば、突起部41及びベース部42は、同一の材料から作製され、単一のパターニングプロセスにおいて形成される。本明細書において「単一のパターニングプロセス」とは、一つ以上の層又は部分を製造するのに一つのマスク板を用いるパターニングプロセスを指す。単一のパターニングプロセスでは、一つのマスクを用いて基板を一度のみ露光した後、一つ以上の現像工程、一つ以上のエッチング工程、及び一つ以上のプラズマ処理工程、一つ以上のドーピング工程、一つ以上のイオン注入工程等により一つ以上の層又は部分を形成してもよい。
【0038】
様々な適切な絶縁材及び様々な適切な製造方法によりパッシベーション層4を製造することができる。例えば、パッシベーション層4はリソグラフィー法により製造してもよい。パッシベーション層4は無機絶縁材により作製してもよい。パッシベーション層4の作製に適した材料の例には、無機絶縁材及び有機絶縁材が含まれるが、これらに限らない。適切な無機絶縁材の例には、酸化ケイ素、窒化ケイ素(例えば、Si
3N
4)及び酸窒化ケイ素(SiO
xN
y)が含まれるが、これらに限らない。適切な有機絶縁材の例には、樹脂、ポリイミド等が含まれるが、これらに限らない。パッシベーション層4は無機材料から作製されてもよい。突起部41及びベース部42のいずれも気密性の高い窒化ケイ素により作製されてもよい。
【0039】
図2を参照すると、いくつかの実施形態における第1基板S1は、複数のサブ画素に各々複数の薄膜トランジスタ2をさらに備える。複数の薄膜トランジスタ2は各々パッシベーション層4のベース基板1に近い側に設けられる。複数の薄膜トランジスタ2は各々ソース電極3を備える。第1基板S1は、パッシベーション層4のベース基板1から離れた側に画素電極71をさらに備える。ソース電極3と画素電極71とは、パッシベーション層4を貫通する第1ビア61を介して電気的に接続される。
【0040】
いくつかの実施形態において、表示パネルは有機発光ダイオード表示パネルであり、表示パネルは、パッシベーション層4のベース基板1から離れた側に設けられる有機発光層8と、有機発光層8のベース基板1から離れた側に設けられる、表示パネルの表示ユニット(例えば、有機発光層8)を封止するための封止フィルム11と、をさらに備える。
【0041】
いくつかの実施形態において、表示パネルは液晶表示パネルである。
【0042】
第1基板S1はアレイ基板であり、第2基板S2は対向基板(例えば、有機発光ダイオード表示装置における封止基板)であってもよい。第1基板S1は対向基板であり、第2基板S2はアレイ基板であってもよい。
【0043】
いくつかの実施形態において、突起部41はベース部42から離れた側に波状面を有する。突起部41に波状面を有することで、シーラント層901及び突起部41は協働して第1基板S1及び第2基板S2をシーリングする。例えば、シーラント層901と突起部41との間のインターフェースにおいて、シーラント層901のシーラント材が突起部41と接触する(例えば、ボンディングする)。インターフェースには、外部の酸素又は水分が基本的に浸透しない。シーラント層と基板との間のインターフェースが略平面である従来の表示パネルに比べ、本発明のインターフェースには凹凸があるため、外部の酸素及び水分が表示パネル内に浸透するのは極めて困難である。その結果、本発明の表示パネルは耐酸化性及び耐湿性において優れたものとなっている。
【0044】
本明細書において「波状面」とは、複数の突起及び複数の突起に対応する複数の凹部を有する非平坦面を指す。波状面は、様々な規則的又は非規則的な構造、変形、誘導された粗度、起伏、テクスチャリング又はそれらの組み合わせを含んでもよい。複数の波状突起は、複数の凹部により間隔を置いて設けられてもよい。本開示に関連して、波状面は波状突起の2つの隣接する頂点間の通常の距離が約0.1mmから約1mmの範囲にあってもよい。本開示に関連して、波状面は波状凹部の2つの隣接する最低点間の通常の距離が約0.1mmから約1mmの範囲にあってもよい。本開示に関連して、波状面は波状突起の頂点と隣接する波状凹部の最低点との間の通常の高低差が約0.1mmから約1mmの範囲にあってもよい。
【0045】
別の方面において、本開示は表示基板を提供する。いくつかの実施形態において、表示基板は、ベース基板と、ベース基板上に設けられるパッシベーション層と、を備え、パッシベーション層は、ベース部と、ベース部のベース基板から離れた側に設けられる突起部と、を備える。突起部は、表示基板の周辺領域に設けられ、表示基板の表示領域を囲む。ベース部は、表示領域及び周辺領域全体に伸びってもよい。
【0046】
いくつかの実施形態において、突起部及びベース部はパッシベーション層の一体化部分である。例えば、突起部及びベース部は、同一の材料からなり、単一のパターニングプロセスにおいて形成される。突起部及びベース部は、同一の無機絶縁材、例えば、窒化ケイ素により作製されてもよい。
【0047】
突起部41の厚みd2は、約2μmから約19μmの範囲にあってもよく、例えば、約2μmから約5μm、約5μmから約10μm、約10μmから約19μmであってもよい。パッシベーション層の全厚み(例えば、d2とd3の和)は、約5μmから約20μmの範囲にあってもよい。
【0048】
いくつかの実施形態において、表示基板は、表示基板の複数のサブ画素エリア内にそれぞれ複数の薄膜トランジスタをさらに備える。複数の薄膜トランジスタは各々パッシベーション層のベース基板に近い側に設けられる。複数の薄膜トランジスタは各々ソース電極を備える。いくつかの実施形態における表示基板は、パッシベーション層のベース基板から離れた側に画素電極をさらに備える。ソース電極及び画素電極は、パッシベーション層を貫通する第1ビアを介して電気的に接続される。
【0049】
いくつかの実施形態において、表示基板は有機発光ダイオード表示基板であり、この表示基板は、パッシベーション層のベース基板から離れた側に設けられる有機発光層と、有機発光層のベース基板から離れた側に設けられる、表示基板の表示ユニット(例えば、有機発光層)を封止するための封止フィルムと、をさらに備える。
【0050】
表示基板はアレイ基板であってもよい。表示基板は対向基板、例えば、有機発光ダイオード表示装置における封止基板であってもよい。
【0051】
別の方面において、本開示は表示基板の製造方法を提供する。いくつかの実施形態において、この方法はベース基板上にパッシベーション層を形成する工程を含む。パッシベーション層を形成する工程は、パッシベーション層のベース部を形成し、パッシベーション層の突起部を形成する工程を含む。パッシベーション層は、ベース部と、ベース部のベース基板から離れた側に設けられる突起部と、を備えるように形成されてもよい。突起部は、表示基板の周辺領域に設けられ、表示基板の表示領域を囲む。ベース部は、表示領域及び周辺領域全体に伸びるように形成される。ベース部と突起部は別々に形成されてもよい。ベース部及び突起部は単一のパターニングプロセスにおいて形成されてもよい。
【0052】
いくつかの実施形態において、パッシベーション層を形成する工程は、ベース基板上にパッシベーション材料層を形成する工程と、単一のパターニングプロセスにおいてパッシベーション材料層のパターニングを行ってベース部及び突起部を形成する工程と、を含む。この方法は、パッシベーション層を貫通する第1ビアを形成する工程をさらに含んでもよい。第1ビア、ベース部及び突起部は単一のパターニングプロセスにおいて、例えば、一つのマスク板を用いて形成してもよい。パッシベーション材料層は、ハーフトーンマスク板又はグレイトーンマスク板を用いてパターニングを行ってもよい。
【0053】
いくつかの実施形態において、パッシベーション層を形成する工程は、ベース基板上にパッシベーション材料層を形成する工程と、パッシベーション材料層上のベース基板から離れた側に第1フォトレジスト層を形成し、第1フォトレジスト層が突起部に対応する第1領域に位置する工程と、第1領域の外側に位置するパッシベーション材料層の厚みを減少させてベース部を形成する工程と、第1領域の外側に位置するパッシベーション材料層の厚みを減少させた後に第1フォトレジスト層を除去して突起部を形成する工程と、を含む。
【0054】
いくつかの実施形態において、この方法は、第1フォトレジスト層を形成する前に、パッシベーション材料層のベース基板から離れた側に第2フォトレジスト層を形成し、第2フォトレジスト層はパッシベーション層の第1ビアに対応する第2領域の外側の領域に位置する工程と、第2領域内に位置するパッシベーション材料層を部分的に除去して第2ビアを形成する工程と、第1領域の外側に位置する第2フォトレジスト層を除去して第1フォトレジスト層を形成する工程と、をさらに含む。第1領域の外側におけるパッシベーション材料層の厚みを減少させる工程において、第2領域に位置するパッシベーション材料層は完全に除去されて第1ビアが形成され、第1ビアはパッシベーション層を貫通する。
【0055】
いくつかの実施形態において、この方法は、パッシベーション材料層を形成する前に、ベース基板上に、ソース電極を備える薄膜トランジスタを形成する工程をさらに含む。この方法は、第1ビア、ベース部及び突起部を形成した後、パッシベーション層のベース基板から離れた側に画素電極を形成し、画素電極は第1ビアを介してソース電極に接続される工程をさらに含んでもよい。
【0056】
図3〜12は、本開示のいくつかの実施形態における表示パネルのアレイ基板の形成工程を示す。
図3を参照すると、いくつかの実施形態において、この方法は、アレイ基板の表示領域A内に設けられたベース基板1上に薄膜トランジスタ2を形成する工程を含む。薄膜トランジスタを形成する工程は、ソース電極3を形成する工程を含む。
図4を参照すると、この方法は、薄膜トランジスタ2上のベース基板1から離れた側にパッシベーション材料層4’を形成する工程をさらに含む。パッシベーション材料層4’は、アレイ基板の表示領域A及び周辺領域Bの両方に形成される。
図5を参照すると、この方法は、パッシベーション材料層4’上のベース基板1から離れた側にフォトレジスト材料層5を形成する工程をさらに含む。
図6を参照すると、いくつかの実施形態において、この方法は、パッシベーション材料層4’のベース基板1から離れた側に第2フォトレジスト層50を形成し、第2フォトレジスト層50がパッシベーション層の第1ビアに対応する第3ゾーン503の外側の領域に位置する工程をさらに含む。第2フォトレジスト層50を形成する工程は、フォトレジスト材料層5をマスク板を用いて露光し、露光したフォトレジスト材料層を現像して第3ゾーン503の外側に位置する第1セクション及び第3ゾーン503に対応する第2セクションを有するフォトレジストパターンを取得し、フォトレジスト材料を第3ゾーン503から除去して第3ゾーン503の外側に位置する領域に第2フォトレジスト層50を形成する工程を含んでもよい。
【0057】
図7を参照すると、いくつかの実施形態において、この方法は、第3ゾーン503内のパッシベーション材料を一部除去して第2ビア6を形成する工程をさらに含む。この工程において、第3ゾーン503におけるパッシベーション材料は完全には除去されず、即ち、第2ビア6はパッシベーション材料層4’を貫通しない。
図7に示すように、パッシベーション材料層4’の厚みはd0であり、第2ビア6の奥行きはd01であり、d01<d0である。第2ビア6を形成する工程において、パッシベーション材料層4’下方のソース電極3は露出しない。例えば、エッチング剤として六フッ化硫黄を用いたイオン導電プラズマ法により、パッシベーション材料層4’をエッチングして第3ゾーン503内のパッシベーション材料を一部除去してもよい。
【0058】
いくつかの実施形態において、マスク板は、ハーフトーンマスク板又はグレイトーンマスク板である。第3ゾーン503の外側に位置する第1セクションは、第1ゾーン501及び第2ゾーン502を含む。フォトレジスト材料層5をマスク板を用いて露光する工程において、第3ゾーン503は完全に露光され、第1ゾーンは501は基本的に露光されず、第2ゾーン502は部分的に露光される。第1ゾーン501における第2フォトレジスト層は第2ゾーン502におけるそれよりも厚い。第1ゾーン501はパッシベーション層の突起部に対応する。第2ゾーン502はパッシベーション層の残りの部分に対応する。
【0059】
図7及び8を参照すると、いくつかの実施形態において、この方法は、第1ゾーン501の外側に位置するフォトレジスト材料を除去する工程、例えば、第2ゾーン502内のフォトレジスト材料を除去して、第1フォトレジスト層500を形成する工程をさらに含む。第1フォトレジスト層500はパッシベーション材料層4’のベース基板1から離れた側に設けられ、第1フォトレジスト層は第1ゾーン501内に位置し、例えば、突起部に対応する領域に位置する。第1ゾーン501の外側に位置するフォトレジスト材料を除去する工程では、第2フォトレジスト層50をアッシングして第2ゾーン502内のフォトレジスト材料を除去することで、第2ゾーン502内のパッシベーション材料層4’を露出してもよい。第1ゾーン501内のフォトレジスト材料はアッシング工程の後に減少した厚みを保ちつつ、第1フォトレジスト層500を形成する。
【0060】
図9を参照すると、いくつかの実施形態において、この方法は、第1ゾーン501の外側(例えば、第2ゾーン502及び第3ゾーン503)に位置するパッシベーション材料層4’の厚みを減少してベース部42を形成する工程をさらに含む。この方法は、第1ゾーン501の外側に位置するパッシベーション材料層4’の厚みを減少させた後に第1フォトレジスト層500を除去して突起部41を形成する工程をさらに含んでもよい。
図9に示すように、第1ゾーン501の外側に位置するパッシベーション材料層4’の厚みは、突起部41の厚みであるd03により減少する。さらに、第3ゾーン503におけるパッシベーション材料層4’の厚みがこの工程でさらに減少し、これにより、パッシベーション層4を貫通する第1ビア61が形成され、ソース電極3が露出される。第3ゾーン503内のパッシベーション材料は完全に除去される。
図9に示すように、第1ビア61の奥行きはd02である。第3ゾーン503内のパッシベーション材料を完全に除去するため、通常、d02はd03以下である。次に、パッシベーション層4上に画素電極が形成され、第1ビア61を介してソース電極3に電気的に接続される。第1ビア61において画素電極線が開路するのを防ぐため、第1ビア61の適切な奥行きd02が選択され、通常、d02は約0.5μmから約2μmの範囲にある。
図8及び9を参照し、d01+d02=d0としてもよい。第1ゾーン501の外側に位置するパッシベーション材料層4’の厚みを減少する工程は、エッチング方法、例えば、エッチング剤として六フッ化硫黄を用いたイオン導電プラズマ法により行ってもよい。
【0061】
いくつかの実施形態において、この方法は、第1ビア、ベース部及び突起部を形成した後、パッシベーション層4のベース基板1から離れた側に画素電極を形成し、画素電極は第1ビア61を介してソース電極3に接続される工程をさらに含む。
図10を参照すると、画素電極を形成する工程は、パッシベーション層4上のベース基板1から離れた側に画素電極材料層7を形成する工程を含む。様々な適切な材料及び様々な適切な製造方法により画素電極材料層7を作製することができる。例えば、マグネトロンスパッタリングにより画素電極材料を基板上に堆積してもよい。画素電極の作製に適した材料の例には、酸化インジウムスズ、酸化インジウム亜鉛及び酸化アルミニウム亜鉛等の金属酸化物が含まれるが、これらに限らない。
図10に示すように、画素電極材料層7は第1ビア61を介してソース電極3に電気的に接続される。
【0062】
図11を参照すると、いくつかの実施形態において、この方法は、画素電極材料層をパターニングして画素電極層71を形成する工程ををさらに含む。画素電極層71は第1ビア61を介してソース電極3に電気的に接続される。
【0063】
図12を参照すると、いくつかの実施形態において、この方法は、画素電極層71及びパッシベーション層4上のベース基板1から離れた側に有機発光層8を形成する工程をさらに含む。
【0064】
別の方面において、本開示は表示パネルの製造方法を提供する。いくつかの実施形態において、この方法は、第1基板を形成する工程と、第2基板を形成して、第1基板及び第2基板をセルに組み立てる工程と、を含む。第1基板はアレイ基板であり、第2基板は対向基板、例えば、有機発光ダイオード表示装置における封止基板であってもよい。第1基板は対向基板であり、第2基板はアレイ基板であってもよい。
【0065】
いくつかの実施形態において、第1基板はアレイ基板であり、第1基板を形成する工程は、前述し、
図3〜12で示したアレイ基板の形成方法による。いくつかの実施形態において、第2基板は対向基板、例えば、有機発光ダイオード表示装置における封止基板である。
図13〜14は、本開示のいくつかの実施形態における表示パネルの対向基板の形成工程を示す。
図13を参照すると、この方法は、第2ベース基板10上にシーラント材層9を形成する工程を含み、シーラント材層9は第2基板の周辺領域B’に形成され、第2基板の表示領域A’を囲む。
図14を参照すると、いくつかの実施形態において、この製造方法は、第2ベース基板の表示領域A’内に設けられた第2ベース基板10上に封止フィルム11を形成する工程をさらに含む。封止フィルム11の厚みは、突起部の厚みと略同一であってもよい。封止フィルム11の厚みは約2μmから約19μmの範囲にあってもよく、例えば、約2μmから約5μm、約5μmから約10μm、約10μmから約19μmであってもよい。
【0066】
様々な適切な封止材及び様々な適切な製造方法により封止フィルム11を作製することができる。例えば、封止フィルム11は、スパッタリング、化学気相成長法又はプラズマ強化化学気相成長法により製造することができる。封止フィルム11の作製に適した材料の例には、有機材料及び無機材料が含まれる。封止フィルム11を作製するための有機材料の例には、パリレン(ポリパラキシリレン)(PPX)、ポリモノクロロパラキシリレン(PCPX)、ポリ[2−メトキシ−r−(2′エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン]、樹脂、ポリイミド等が含まれるが、これらに限らない。封止フィルム11の作製に用いる無機材料の例には、酸化ケイ素、窒化ケイ素(例えば、Si
3N
4)及び酸窒化ケイ素(SiO
xN
y)が含まれるが、これらに限らない。封止フィルム11は有機材料により作製してもよい。
【0067】
図15〜17は、本開示のいくつかの実施形態におけるアレイ基板及び対向基板の組立工程を示す。
図15を参照すると、いくつかの実施形態において、第1基板S1及び第2基板S2をセルに組み立てる工程は、突起部41にシーラント材層(例えば、
図13及び
図14のシーラント材層9を参照)を接着して表示パネルの表示領域をシーリングする工程を含む。第1基板S1及び第2基板S2を組み立てた後、封止フィルム11は表示パネルの表示領域に位置する表示ユニット(例えば、有機発光層8)を封止する。
図16を参照すると、この方法は、例えば、紫外線照射により、シーラント層901を硬化する工程をさらに含む。
図17は本発明の方法により製造された表示パネルを示す。
【0068】
本発明の方法により製造された表示パネルにおいては、突起部を設けることで、本発明の表示パネルをシーリングするのに必要とされるシーラント材の量が大幅に減少している。例えば、
図1に示す従来の表示パネルでは、厚みがdであるシーラント層902により表示パネルをシーリングする必要があるが、本発明の方法により製造される表示パネルにおいては、シーラント層901の厚みがd1まで顕著に減少している。外部環境に露出されるシーラント層901の総面積が従来の表示パネルよりもはるかに小さいため、シーラント層901の孔及び欠陥から酸素及び水分が浸透する問題は解決される。突起部41は、表示パネルの内部を外部環境から隔離するバリアの主要部分をなす。突起部41は気密性の高いパッシベーション材料から作製されるため、本発明の表示パネルは耐酸化性及び耐湿性に優れている。
【0069】
別の方面において、本開示は、本開示で述べる、又は本開示で述べる方法により製造される表示パネルを有する表示装置を提供する。適切な表示装置の例には、電子ペーパー、携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビ、モニタ、ノートパソコン、電子アルバム、GPS等が含まれるが、これらに限らない。表示装置は、有機発光ダイオード表示装置であってもよい。表示装置は、液晶表示装置であってもよい。
【0070】
本発明の実施形態に関する以上の記載は例示と説明を目的としており、全てを網羅している訳ではなく、また開示された形態そのものに本発明を限定するものでもない。それ故、上記記載は限定ではなく例示を目的としていると見なすべきであり、多くの変更や変形は当業者にとって明らかであろう。本発明の原理とそれが実際に適用される最良の形態を最も説明しやすいような実施形態を選択しそれについて記載することで、特定の用途又は想定される適用に適した本発明の様々な実施形態及び様々な変更を当業者に理解させることを目的としている。本開示に付した請求項及びその均等物により本発明の範囲を定義することが意図され、別途示唆しない限り、すべての用語は合理的な範囲内で最も広く解釈されるべきである。従って、「本発明」、「本開示」又はこれに類する用語は請求項の範囲を必ずしも特定の実施形態に限定せず、本発明の例示的実施形態に対する参照は本発明への限定を示唆するものではなく、かかる限定を推論すべきではない。本発明は付属する請求項の構想と範囲のみにより限定される。さらに、これらの請求項では後に名詞又は要素を伴って「第1」「第2」等という表現を用いる場合がある。特定の数量が示されない限り、このような用語は専用語であると理解すべきであり、修飾された要素の数量が上記専用語により限定されると解釈してはならない。記載した効果や利点はいずれも本発明のすべての実施形態に適用されるとは限らない。当業者であれば、以下の請求項により定義される本発明の範囲から逸脱せずに、記載した実施形態を変形できることが理解されよう。さらに、以下の請求項に明記されているか否かを問わず、本開示の要素及び部品のいずれも公衆に捧げる意図はない。