(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態の電磁波シールドフィルム101は、
図1に示すように、導電性接着剤層111と、絶縁保護層112と、絶縁保護層112における導電性接着剤層111と反対側の表面に、離型剤層114を介して設けられた剥離フィルム115を有している。絶縁保護層112は、85°光沢度が15未満であり、剥離フィルム115の絶縁保護層112側の面の85°光沢度は3未満であり、離型剤層114の厚さは、10μm未満である。
【0013】
図1において、導電性接着剤層111と絶縁保護層112との間に導電性のシールド層113が設けられているが、導電性接着剤層111がシールドとして機能する場合には、シールド層113が設けられていない構成とすることができる。
【0014】
本実施形態の電磁波シールドフィルム101は、
図2に示すようにプリント配線基板102に接着され、シールド配線基板を形成できる。プリント配線基板102は、例えばベース層121とベース層121の表面に設けられた回路パターン122と、回路パターン122を覆うようにベース層121に接着剤層123を介して接着された絶縁フィルム124とを有している。
【0015】
絶縁保護層112を着色して不透明にすれば、回路パターン122を直接視認することはできなくなる。しかし、回路パターン122によって、絶縁保護層112の表面に凹凸が形成される。一般的な回路パターン122は、銅のラインにより形成されており、その高さは数μm〜十数μmである。ラインが存在する部分と、存在しない部分との高さの差は、接着剤層123及び導電性接着剤層111が埋め込まれることにより小さくなるため、絶縁保護層112の表面に生じる凹凸の高さは、数μmである。しかし、このような僅かな凹凸であっても、光を反射しやすい光沢のある表面においては、凹凸の存在を視認でき、回路パターン122を隠蔽することができない。
【0016】
本願発明者らは、絶縁保護層112の85°光沢度を15未満、好ましくは13未満、より好ましくは10未満とすることにより、回路パターンの隠蔽性を大きく向上できることを見いだした。なお、絶縁保護層112の85°光沢度は、JIS Z 8741に準拠した方法により測定することができる。
【0017】
絶縁保護層112は、剥離フィルム115の表面に、絶縁保護層用樹脂組成物を塗布し、シート状とすることにより形成できる。この場合、剥離フィルム表面115の凹凸が絶縁保護層112の表面に転写される。従って、表面粗度が大きい、つまり光沢度が小さい剥離フィルム117を用いて絶縁保護層112を形成すれば、光沢度が小さい絶縁保護層112が得られると期待される。しかし、剥離フィルム115の光沢度を小さくすると、剥離フィルム115と絶縁保護層112との密着性が高くなり、剥離フィルム115を剥離する際に大きな力が必要となる。剥離に要する力が大きくなると、生産性が低下するだけでなく、絶縁保護層112が破壊されて欠損が生じたりするおそれがある。剥離フィルム115は、電磁波シールドフィルム101をプリント配線基板102に接着した後で剥離するため、剥離フィルム115がきれいに剥離できないと、最終製品が不良品となってしまう。
【0018】
剥離フィルム115の表面に設ける離型剤層114を厚くすれば、剥離フィルム115の剥離は容易となる。しかし、この場合、剥離フィルム115の表面に存在する凹凸が離型剤により埋められるため、絶縁保護層112の表面が平滑となり光沢度が上昇してしまう。
【0019】
本願発明者らが検討したところ、85°光沢度が3未満の剥離フィルム115の表面に、厚さが0.1μm以上、好ましくは0.4μm以上、10μm未満、好ましくは4μm未満の離型剤層114を設けた場合には、形成された絶縁保護層112の85°光沢度を15未満にできると共に、剥離フィルム115の剥離性を良好にできることを見いだした。なお、剥離フィルム115の85°光沢度及び剥離性は、実施例に記載する方法により測定することができる。
【0020】
剥離フィルム115は、光沢度が所定の値を満たせば、その材質は特に限定されず、例えば、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリイミド系、又はポリフェニレンサルファイド系等のフィルムを用いることができる。剥離フィルムの厚さは、特に限定されないが、剥離性の観点から、25μm以上、100μm以下が好ましい。
【0021】
離型剤層114は、所定の厚さを満たせば、その材質は特に限定されず、例えば、メラミン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキッド系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、パラフィン樹脂、尿素樹脂、等を用いることができる。離型剤層の厚さは、各種コーティング方法の厚み調整方法が適用でき、例えばダイレクトグラビア方式の場合、版の線数、版深の調整やコーティング剤の固形分の調整などをすることにより制御できる。また、離型剤層の厚さは実施例に示す方法により測定することができる。
【0022】
絶縁保護層112は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は活性エネルギー線硬化性樹脂等により形成することができる。熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、スチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、イミド系樹脂、又はアクリル系樹脂等を用いることができる。熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、末端にイソシアネート基を有するウレタン系樹脂、末端にイソシアネート基を有するウレア系樹脂、末端にイソシアネート基を有するウレタンウレア系樹脂、メラミン系樹脂、又はアルキッド系樹脂等を用いることができる。また、活性エネルギー線硬化性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性化合物等を用いることができる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0023】
絶縁保護層112は、光沢度を低減する観点から、黒色系着色剤を含んでいることが好ましい。黒色系着色剤は、黒色顔料又は、複数の顔料を減色混合して黒色化した混合顔料等とすることができる。黒色顔料は、例えばカーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ(CNT)、ペリレンブラック、チタンブラック、鉄黒、及びアニリンブラック等のいずれか又はこれらの組み合わせとすることができる。混合顔料は、例えば赤色、緑色、青色、黄色、紫色、シアン及びマゼンタ等の顔料を混合して用いることができる。黒色系着色剤の添加量は、光沢度を低減する観点から、樹脂100質量部に対して0.5質量%以上とすることが好ましく、1質量%以上とすることがより好ましい。
【0024】
絶縁保護層112には、必要に応じて、硬化促進剤、粘着性付与剤、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング剤、充填剤、難燃剤、粘度調節剤、及びブロッキング防止剤等の少なくとも1つが含まれていてもよい。
【0025】
また、絶縁保護層112の厚さは、特に限定されず、必要に応じて適宜設定することができるが、1μm以上、好ましくは4μm以上、そして20μm以下、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下とすることができる。絶縁保護層112の厚さを1μm以上とすることにより導電性接着剤層111及びシールド層113を充分に保護することができる。絶縁保護層112の厚さを20μm以下とすることにより、電磁波シールドフィルム101の屈曲性を確保することができ、屈曲性が要求される部材へ、電磁波シールドフィルム101を適用することが容易となる。
【0026】
シールド層113を設ける場合、シールド層113は、金属箔、蒸着膜及び導電性フィラー等により形成することができる。
【0027】
金属箔は、特に限定されないが、ニッケル、銅、銀、錫、金、パラジウム、アルミニウム、クロム、チタン、及び亜鉛等のいずれか、又は2つ以上を含む合金からなる箔とすることができる。
【0028】
蒸着膜は、特に限定されないが、ニッケル、銅、銀、錫、金、パラジウム、アルミニウム、クロム、チタン、及び亜鉛等を蒸着して形成することができる。蒸着には、電解メッキ法、無電解メッキ法、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法、真空蒸着法、化学気相堆積(CVD)法、又はメタルオーガニック堆積(MOCVD)法等を用いることができる。
【0029】
導電性フィラーによりシールド層113を形成する場合、導電性フィラーを配合した溶剤を、絶縁保護層112の表面に塗布して乾燥することにより、シールド層113を形成することができる。導電性フィラーは、金属フィラー、金属被覆樹脂フィラー、カーボンフィラー及びそれらの混合物を使用することができる。金属フィラーとして、銅粉、銀粉、ニッケル粉、銀コ−ト銅粉、金コート銅粉、銀コートニッケル粉、及び金コートニッケル粉等を用いることができる。これら金属粉は、電解法、アトマイズ法、還元法により作成することができる。金属粉の形状は、球状、フレーク状、繊維状、樹枝状等が挙げられる。
【0030】
本実施形態においてシールド層113の厚さは、求められる電磁シールド効果及び繰り返し屈曲・摺動耐性に応じて適宜選択すればよいが、金属箔である場合には、破断伸びを確保する観点から12μm以下とすることが好ましい。
【0031】
本実施形態において、導電性接着剤層111は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び活性エネルギー線硬化性樹脂等の少なくとも一方と、導電性フィラーとを含んでいる。
【0032】
導電性接着剤層111が熱可塑性樹脂を含む場合、熱可塑性樹脂として例えばスチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、イミド系樹脂、及びアクリル系樹脂等を用いることができる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0033】
導電性接着剤層111が熱硬化性樹脂を含む場合、熱硬化性樹脂として例えばフェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、ポリアミド系樹脂及びアルキッド系樹脂等を用いることができる。活性エネルギー線硬化性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性化合物等を用いることができる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0034】
熱硬化性樹脂は、例えば反応性の第1の官能基を有する第1樹脂成分と、第1の官能基と反応する第2樹脂成分とを含む。第1の官能基は、例えばエポキシ基、アミド基、又は水酸基等とすることができる。第2の官能基は、第1の官能基に応じて選択すればよく、例えば第1官能基がエポキシ基である場合、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基及びアミノ基等とすることができる。具体的には、例えば第1樹脂成分をエポキシ樹脂とした場合には、第2樹脂成分としてエポキシ基変性ポリエステル樹脂、エポキシ基変性ポリアミド樹脂、エポキシ基変性アクリル樹脂、エポキシ基変性ポリウレタンポリウレア樹脂、カルボキシル基変性ポリエステル樹脂、カルボキシル基変性ポリアミド樹脂、カルボキシル基変性アクリル樹脂、カルボキシル基変性ポリウレタンポリウレア樹脂、及びウレタン変性ポリエステル樹脂等を用いることができる。これらの中でも、カルボキシル基変性ポリエステル樹脂、カルボキシル基変性ポリアミド樹脂、カルボキシル基変性ポリウレタンポリウレア樹脂、及びウレタン変性ポリエステル樹脂が好ましい。また、第1樹脂成分が水酸基である場合には、第2樹脂成分としてエポキシ基変性ポリエステル樹脂、エポキシ基変性ポリアミド樹脂、エポキシ基変性アクリル樹脂、エポキシ基変性ポリウレタンポリウレア樹脂、カルボキシル基変性ポリエステル樹脂、カルボキシル基変性ポリアミド樹脂、カルボキシル基変性アクリル樹脂、カルボキシル基変性ポリウレタンポリウレア樹脂、及びウレタン変性ポリエステル樹脂等を用いることができる。これらの中でも、カルボキシル基変性ポリエステル樹脂、カルボキシル基変性ポリアミド樹脂、カルボキシル基変性ポリウレタンポリウレア樹脂、及びウレタン変性ポリエステル樹脂が好ましい。
【0035】
熱硬化性樹脂は、熱硬化反応を促進する硬化剤を含んでいてもよい。熱硬化性樹脂が第1の官能基と第2の官能基とを有する場合、硬化剤は、第1の官能基及び第2の官能基の種類に応じて適宜選択することができる。第1の官能基がエポキシ基であり、第2の官能基が水酸基である場合には、イミダゾール系硬化剤、フェノール系硬化剤、及びカチオン系硬化剤等を使用することができる。これらは1種を単独で使用することもでき、2種以上を併用することもできる。この他、任意成分として消泡剤、酸化防止剤、粘度調整剤、希釈剤、沈降防止剤、レベリング剤、カップリング剤、着色剤、及び難燃剤等を含んでいてもよい。
【0036】
導電性フィラーは、特に限定されないが、例えば、金属フィラー、金属被覆樹脂フィラー、カーボンフィラー及びそれらの混合物を使用することができる。金属フィラーとしては、銅粉、銀粉、ニッケル粉、銀コ−ト銅粉、金コート銅粉、銀コートニッケル粉、及び金コートニッケル粉等を挙げることができる。これら金属粉は、電解法、アトマイズ法、又は還元法等により作製することができる。中でも銀粉、銀コート銅粉及び銅粉のいずれかが好ましい。
【0037】
導電性フィラーは、フィラー同士の接触の観点から、平均粒子径が好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下である。導電性フィラーの形状は特に限定されず、球状、フレーク状、樹枝状、又は繊維状等とすることができる。
【0038】
導電性フィラーの含有量は、用途に応じて適宜選択することができるが、全固形分中で好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。埋め込み性の観点からは、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。また、異方導電性を実現する場合には、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下である。
【0039】
導電性接着剤層111の厚さは、埋め込み性の観点から、1μm〜50μmとすることが好ましい。
【実施例】
【0040】
以下に、本開示の電磁波シールドフィルムについて実施例を用いてさらに詳細に説明する。以下の実施例は例示であり、本発明を限定することを意図するものではない。
【0041】
<電磁波シールドフィルムの作製>
所定の光沢度を有するポリエチレンテレフタレート(PET)からなる剥離フィルムの絶縁層側となる面に、離型剤を、ワイヤーバーを用いて塗布し、所定の厚さの離型剤層を形成した。離型剤層の厚さは、光干渉式膜厚計(K−MAC社製、ST-2000-DLXn)により測定した。離型剤層を形成した剥離フィルムの離型剤層を形成した側の面に、絶縁保護層用組成物を、ワイヤーバーを用いて塗布し、加熱乾燥することで、厚さが5μmの絶縁保護層を形成した。次に、絶縁保護層上にシールド層として0.1μmのAg蒸着膜を形成した。シールド層の上に導電性接着剤層用組成物をワイヤーバーにより塗布した後、100℃×3分の乾燥を行い厚さが15μmの導電性接着剤層を形成した。
【0042】
離型剤には、アルキッド樹脂系のものを用いた。絶縁保護層は、厚さが2μmのポリエステル系透明樹脂のハードコート層と、厚さが3μmのカーボンブラック含有エポキシ系黒色樹脂のソフトコート層との2層構造とした。導電性接着剤層用組成物は、リン系難燃剤含有エポキシ系樹脂に銀被覆銅紛の導電性粒子を用いたものとした。
【0043】
<シールド配線基板の作製>
得られた電磁波シールドフィルムとプリント配線基板とを、プレス機を用いて温度:170℃、時間:3分、圧力:2〜3MPaの条件で接着し、シールド配線基板を作製した。
【0044】
プリント配線基板は、ポリイミドフィルムからなるベース層121の上に、
図3に示すような回路パターン122が形成されたものを用いた。回路パターン122は、線幅が0.1mm、高さが12μmの銅箔により形成した。ベース層121の上には回路パターンを覆うように厚さが25μmの接着剤層と、厚さが12.5μmのポリイミドフィルムからなるカバーレイ(絶縁フィルム)を設けた。
【0045】
<剥離性の評価>
電磁波シールドフィルムをプリント配線基板に接着した後、表面の剥離フィルムを剥離強度テスター((株)パルメック製、PFT50S)を用いて、サンプル幅10mm、剥離角度170°、剥離スピード1000mm/minで剥離性を評価した。剥離時に剥離フィルムが材破無く剥離する場合は剥離性が良好であるとし、剥離時に剥離フィルムが材破する場合は剥離性が不良であるとした。
【0046】
<光沢度の測定>
85°光沢度は、携帯型光沢度計(BYKガードナー・マイクロ-グロス、東洋精機製作所)を用いて、JIS Z 8741に準拠して行った。
【0047】
剥離フィルムの光沢度は、離型剤を塗布する前の剥離フィルムにおける絶縁層保護層側となる面に対して測定した。
【0048】
絶縁保護層の光沢度は、電磁波シールドフィルムをプリント配線基板に接着し、剥離フィルムを剥がした後に測定した。
【0049】
<隠蔽性の評価>
電磁波シールドフィルムを接着したシールド配線基板を、平らなテーブル面上に置き、シールド配線基板の表面の照度が800−1000ルクスの環境下で、電磁波シールドフィルム側から回路パターンが視認できるかどうか評価した。視認角度は、電磁波シールドフィルム面に対して0〜180度の範囲とした。回路パターンを視認できない場合を隠蔽性が良好(○)とし、回路パターンを視認できる場合を隠蔽性が不良(×)とした。
【0050】
(実施例1)
剥離フィルムとして、厚さが50μmで、85°光沢度が2.3のPETフィルムを用いた。剥離フィルムの絶縁保護層側となる面に、厚さが0.7μmの離型剤層を形成した。剥離フィルムの剥離性は良好であった。剥離フィルムを剥離した後の絶縁保護層の85°光沢度は9.2であった。また、隠蔽性は良好であった。
【0051】
(実施例2)
剥離フィルムとして、厚さが50μmで、85°光沢度が2.3のPETフィルムを用いた。剥離フィルムの絶縁保護層側となる面に、厚さが3.0μmの離型剤層を形成した。剥離フィルムの剥離性は良好であった。剥離フィルムを剥離した後の絶縁保護層の85°光沢度は9.6であった。また、隠蔽性は良好であった。
【0052】
(比較例1)
剥離フィルムとして、厚さが50μmで、85°光沢度が19.3のPETフィルムを用いた。剥離フィルムの絶縁保護層側となる面に、厚さが0.4μmの離型剤層を形成した。剥離フィルムの剥離性は良好であった。剥離フィルムを剥離した後の絶縁保護層の85°光沢度は35.4であった。また、隠蔽性は不良であった。
【0053】
(比較例2)
剥離フィルムとして、厚さが50μmで、85°光沢度が2.3のPETフィルムを用いた。剥離フィルムの絶縁保護層側となる面に、厚さが10.0μmの離型剤層を形成した。剥離フィルムの剥離性は不良であった。剥離フィルムを剥離した後の絶縁保護層の85°光沢度は15.5であった。また、隠蔽性は不良であった。
【0054】
(比較例3)
剥離フィルムとして、厚さが50μmで、85°光沢度が2.3のPETフィルムを用いた。剥離フィルムの絶縁保護層側となる面に、厚さが0.05μmの離型剤層を形成した。剥離フィルムの剥離性は不良であった。
【0055】
表1に、各実施形態及び比較例について、まとめて示す。
【0056】
【表1】