特許第6863925号(P6863925)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6863925
(24)【登録日】2021年4月5日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】弾性フロアパネル
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/10 20060101AFI20210412BHJP
   E04F 15/20 20060101ALI20210412BHJP
   B32B 27/12 20060101ALI20210412BHJP
   B32B 27/40 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
   E04F15/10 104A
   E04F15/20
   B32B27/12
   B32B27/40
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-80403(P2018-80403)
(22)【出願日】2018年4月19日
(62)【分割の表示】特願2016-522022(P2016-522022)の分割
【原出願日】2013年10月11日
(65)【公開番号】特開2018-119398(P2018-119398A)
(43)【公開日】2018年8月2日
【審査請求日】2018年5月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】514048073
【氏名又は名称】ヴェーぺーテー ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】WPT GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】とこしえ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ステファン ローゼ
(72)【発明者】
【氏名】グイド ホルスト
(72)【発明者】
【氏名】ウルリッヒ ウィンドメーレル
【審査官】 園田 かれん
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0099524(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/064160(WO,A1)
【文献】 特開2007−291836(JP,A)
【文献】 特開2010−280224(JP,A)
【文献】 特開2000−257248(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/00−15/22
B32B 1/00−43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロアパネルを製造する方法において、
a)ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエステル又は再生可能な原材料の繊維から構成され、繊維の間に隙間を有し、その一面がバリア層によりシールされた繊維マットシートを、搬送路上に、前記バリア層が頂面に来るように置き、
)基材を形成するために、液体のポリウレタン組成物の層を前記繊維マットシート上に塗布し、前記ポリウレタン組成物はポリウレタンと必要に応じて充填材を含み、前記バリア層は、前記繊維の間の前記隙間に前記基材の液体のポリウレタン組成物が浸透又は接着するのを阻止し、前記隙間は、前記フロアパネルを基板に接着するための接着剤を浸透させるために保持され、
c)前記基材の上面側の上に接着剤を塗布し、
d)接着剤で提供されるシート形状の積層複合構造体であって、ポリウレタンが浸み込まれる繊維紙からなる少なくとも一つの装飾層と、ポリオール及び脂肪族イソシアネートから得られるポリウレタンからなるとともに前記装飾層の前記基材と反対側に設けられている耐摩耗表面層と、ガラス繊維マットとを含む積層複合構造体を、前記基材の上面側の上に接着し、
e)前記dの工程で得られたシートをフロアパネルに切断する方法。
【請求項2】
フロアパネルを製造する方法において、
a´)シート形状の積層複合構造体であって、ポリウレタンが浸み込まれる繊維紙からなる少なくとも一つの装飾層と、ポリオール及び脂肪族イソシアネートから得られるポリウレタンからなるとともに前記装飾層の基材と反対側に設けられている耐摩耗表面層と、ガラス繊維マットとを含む積層複合構造体を、搬送路上に置き、
b´)前記基材を形成するために、液体のポリウレタン組成物の層を前記シート形状の積層複合構造体上に塗布し、前記ポリウレタン組成物はポリウレタンと必要に応じて充填材を含み、
c´)前記基材の上面側の上に接着剤を塗布し、
d´)ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエステル又は再生可能な原材料の繊維から構成され、繊維の間に隙間を有し、その一面がバリア層によりシールされた繊維マットシートを、前記基材の上面側の上に接着し、前記バリア層は、前記繊維の間の前記隙間に前記基材の液体のポリウレタン組成物が浸透又は接着するのを阻止し、前記隙間は、前記フロアパネルを基板に接着するための接着剤を浸透させるために保持され、
e´)前記d´の工程で得られたシートをフロアパネルに切断する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレタン製の寸法安定性を有する基材と、当該基材上に設けられた積層複合構造体とを有する、シート形状の弾性フロアパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
フロアパネルから組み立てられる床仕上げ材は、著しく異なる材料から製造されることがある。従来、MDFやHOFのような木材からなるフロアパネルは、幾つかのパネルを接合した形で提供されるものとして知られている。この種のパネルは、その上面に、装飾層や耐摩耗表面層を通常備え、その背面に耐引張り層が存在する。
【0003】
また、PVCなどのプラスチック材料からなるフロアパネルも知られている。ポリウレタンは、この種のフロアパネルの材料として好ましいものである。少なくとも基材がポリウレタンから構成され、当該ポリウレタンは、再生可能な原材料のポリエステルポリオールと芳香族イソシアネートから得られる床仕上げ材は、例えば、本願出願人の国際出願WO2013/064160により知られている。中でもこれは、環境適合性に優れている。またこの場合、基材上に設けられた装飾層と、耐摩耗表面層とを有する。この発明の範囲において、基材上の層は、一般的に積層複合構造体と称され、この積層複合構造体は異なるように構成されてもよく、例えば付加的に又は異なる層を有してもよい。したがって、ここで用いられている積層複合構造体の考え方は、WO2013/064160に開示された連続した層に限定されるものではない。
【0004】
この種の床仕上げ材は、パネルに切断することができ、そのパネルは端部に接合断面が表れた状態で提供される。しかし、端部の断面を無視して、互いに接合するべくスクリードに接着剤を付けることにより敷設することができる。フロアパネルが一定の柔軟性を備えていれば、足音を遮音し、負荷時の痕跡挙動が良好であり、スポーツ機能特性に関する力の減衰といった実用的な使用特性も発揮するので有利である。しかし、ポリウレタン製基材は、寸法的(形態的)に安定している、すなわち弾性変形させたとしても外力が過剰でない限りパネル形状は維持され、床仕上げ材はくるくる巻くことができるシート状であるのに対し、フロアパネルは全体として安定してびくともしない物として取り扱われ得る。
【0005】
フロアパネルを基板に対して高信頼性で全表面を接着させた場合、その背面は、接着剤と良好な接着状態が形成されている必要がある。この目的のため、従来は、フロアパネルの背面を接着剤で接着することや、接着剤が良好に浸透し得る、ハニカム構造などのような表面構造を背面に設けることが、一般的であった。このような付加的な手段を講じることなく、塗布された接着剤とフロアパネルの背面との接着状態は、不充分であることが少なくなかった。
【0006】
しかも、その背面の適切な設計により、上述したフロアパネルの実用的特性を更にもっと改良することが望まれている。例えば、足音の遮音性能や、スポーツ場の床に使用されるフロアパネルへの力の導入性能を改善することは可能である。こうした改善は、フロアパネルが基板に接着されず、上述したように、互いに接合された断面を曝したまま大雑把に敷設される場合に効果を発揮する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第WO2013/064160号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、必要に応じて基板に高信頼性で接着し、特に足音の遮音性及び弾性がより改善されたフロアパネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は、請求項1に記載の構成を備える弾性フロアパネルに係る発明により達成される。
【0010】
本発明に係る弾性フロアパネルは、その背面が繊維マットで被覆され、当該繊維マットの繊維は、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエステル又は再生可能な原材料からなる。基材に面する側において、マットの繊維本体は、バリア層によりシールされている。
【0011】
スクリード上に塗布される液体接着剤は、マットの繊維の間に浸透することができ、これにより接着剤と繊維マット、すなわちフロアパネルの全体が均一に相互接合され得る。この接合は、単に底面に置いたり、背面に凹凸を付けたりしたフロアパネルの場合の接合に比べて著しく信頼性が高い。フロアパネルを破壊しない限り持ち上げる(引き剥がす)ことはできない。バリア層は、フロアパネルを製造中に、製造工程に応じて繊維の隙間に接着剤が満たされたり基材の材料を接着したりすることなく、繊維マットが床仕上げ材の背面に積層又は接着され得るのを確実にする。したがって、マットの良好な使用特性に悪影響を与えることなく、液体材料は、製造工程において繊維マットに塗布され得る。
【0012】
マットの繊維は比較的大雑把に密着しているので、フロアパネルが大雑把に、すなわち接着されることなく敷設された場合に、繊維マットは、所定の弾性を有してもよく、全体としてフロアパネルの特性に実用的な効果を付与する。例えば、力が、スポーツ場の床として使用されるフロアパネルへ導入されることにより、足音の遮音性能が改善され得る。最終的に、繊維マットは、フロアパネルの上面の積層複合構造体に対する耐引張り層を形成する。
【0013】
概して、本発明に係るフロアパネルは、複合積層構造体を提供する。これにより、上述した従来技術のものに比べて、改善された特性を有すると同時に、より信頼性高く、より永久に敷設し得る。
【0014】
本発明の好ましい実施形態において、繊維マットの繊維は、不織布を形成する。本発明の他の好ましい実施形態において、繊維マットの繊維は、織物を形成するように織り込まれている。いずれの場合においても、液体接着剤が浸透しフロアパネルとの望ましい接着を分担する隙間が、繊維の間に維持され得る。
【0015】
本発明の他の好ましい実施形態において、繊維マットは基材の背面に接着される。この目的で使用される接着剤は、繊維マットに浸透しない。バリア層により信頼性高く阻止されるからである。すなわち、繊維の間の隙間は、フロアパネルをスクリードに接着するための接着剤を取り上げるために保持される。
【0016】
本発明の他の好ましい実施形態において、バリア層は、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)又は熱可塑性ポリウレタン(TPU)からなる。さらに、好ましくは、基材は、再生可能な原材料のポリエステルポリオールと、脂肪族イソシアネートとから得られるポリウレタンからなる。ここで、これは生体ポリオールの問題であり、生体ポリオールは、環境適合性につき良好な特性を有し、環境破壊することなく継続して製造することができる。
【0017】
本発明の他の好ましい実施形態において、基材上に形成されるフロアパネルの積層複合構造体は、少なくとも一つの装飾層と、耐摩耗表面層と、ガラス繊維マットとを含み、前記装飾層は、ポリウレタンが浸み込まれる繊維紙からなり、前記耐摩耗表面層は、ポリオールと脂肪族イソシアネートから得られるポリウレタンを含み、前記装飾層の前記基材と反対側に設けられている。これにより、寸法(形態)安定性だけでなく痕跡挙動及び復元挙動も改善できる。
【0018】
本発明の他の好ましい実施形態において、本発明に係るフロアパネルは、少なくとも2つの反対側の外端部の輪郭を有する。この構成により、2つの隣り合うパネルを互いに敷設する接続輪郭が設けられてもよい。
【0019】
また、基材は重量を増加させるために充填材を含んでもよい。したがってこの場合、基材は全く純粋なポリウレタンからなるのではなく、その代わりに、例えばポリウレタンより特別大きい重量を有する無機充填材が、基材を構成するためにポリウレタン組成物に添加される。
【0020】
上述したタイプのフロアパネルを製造する方法は、
a)ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエステル又は再生可能な原材料から形成された繊維マットシートを、搬送路上に、バリア層が頂面に来るように置き、
b)ポリウレタン組成物、ポリウレタン及び必要に応じて充填材を含む前記基材を形成するために、ポリウレタン組成物の層を前記繊維マットシート上に塗布し、
c)前記基材の上面側に接着剤を塗布し、
d)接着剤で提供されるシート形状の積層複合構造体を、前記基材の上面側の上に接着し、
e)dの工程で得られたシートを切断してフロアパネルにすることを含む。
【0021】
上記ステップa)において、繊維マットシートは、例えばホットプレートの上を通過するコンベアベルト上に置いてよい。基材を形成するためのステップb)において繊維マット上に塗布されるポリウレタン層は、ホットプレートの熱作用によってその反応を完遂してよい。繊維マットのバリア層により、液状で塗布されたポリウレタンは、その下の繊維マットシートの繊維の間に浸透することができず、その結果、繊維の間の隙間は保持される。ステップd)において接着される積層複合構造体は、既に前もって製造してもよい。最後にステップeにおいて切断することによりフロアパネルが製造される。フロアパネルの寸法(形態)は載置するために適し、寸法的に安定している。すなわち、大きな外力がその上に作用してもパネル形状は維持される。例えば、木材やプラスチック製の従来のフロアパネルのように、これらのフロアパネルは積み重ねることができ、適当なパッケージで搬送されてよい。
【0022】
本発明に係る代替的な実施形態としては、フロアパネルを製造する方法において、
a´)シート形状の積層複合構造体を、搬送路上に置き、
b´)ポリウレタン組成物、ポリウレタン及び必要に応じて充填材を含む前記基材を形成するために、ポリウレタン組成物の層を前記シート形状の積層複合構造体上に塗布し、
c´)前記基材の上面側の上に接着剤を塗布し、
d´)ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエステル又は再生可能な原材料からなり、その一面がバリア層によりシールされた繊維マットシートを、前記基材の上面側の上に接着し、
e´)d´の工程で得られたシートを切断してフロアパネルにする。
【0023】
この代替的な方法のため、各層は順序が逆の連続物で製造される。まず載置された状態でフロアパネルの上側を形成する積層複合構造体が、ステップa´)において搬送路上に置かれ、連続物の更なる層が、ステップd´)においてフロアパネル上に接着され、その背面を形成する最終物である繊維マットシートの上に、その後に塗布される。ここで繊維マットシートのバリア層は、ステップc´)において基材の上側に塗布された接着剤が、繊維の間に浸透してこれらの繊維が互いに接着するのを阻止する。
【0024】
基材を形成するためにステップd又はd´で使用されたポリウレタン組成物は、純粋なポリウレタン又は骨材若しくは充填材を含むポリウレタンであってよい。一般に、ポリウレタンの重量より特定の重量を有する充填材は、重量を増加させるためである。
【0025】
好ましくは、上述したステップc)又はc´)の間又はその後において、基材を形成するためにポリウレタン層に熱を印加する。例えば、既述した搬送路の下側のホットプレートにより達成してよい。しかしながら代替的に、ポリウレタン層の上から赤外線作用を印加することも可能である。
【0026】
この場合に、繊維マットシートは、不織布であることが好ましい。また、繊維マットシートは、織物シートであることが好ましい。
【0027】
本方法の他の好ましい実施形態において、ステップe又はe´において小さく切断した後、フロアパネルは、少なくとも2つの反対側の外端部の輪郭を有する。以下において、本発明の好ましい実施形態を図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明に係る弾性フロアパネルの一実施の形態の層構造を示す断面図である。
図2】本発明の弾性フロアパネルの製造方法を示す図である。
図3】本発明の弾性フロアパネルの他の製造方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1に、層構造を有する弾性フロアパネル10の断面を示す。このフロアパネル10は、(頂面から底面、すなわちその使用面からその反対面まで)フロアパネル10の上側に形成された透明な耐摩耗表面層12と、当該耐摩耗表面層の下に設けられ装飾するための装飾層14と、装飾層14の下のガラス繊維マット16と、柔軟性を有する基材18と、フロアパネル10の層構造の基板に対する仕切をする繊維マット20と、を備える。この層構造の詳細は、以下においてより詳しく説明する。
【0030】
耐摩耗表面層12は、ポリオールと、脂肪族イソシアネートから得られるポリウレタン(PU)から完全になる。この場合、当該ポリオールは生体ポリオールではなく、したがって再生可能原材料を出発材料とするものではない。また、耐摩耗表面層12は、耐引っかき性が高く、洗浄が容易で、紫外線安定性が高く、良好な痕跡挙動及び復元挙動を示し、火災時の有毒ガスの排出量も少ない。痕跡挙動は、機械的負荷が印加された場合の材料の挙動であると考えられている。フロアパネル10の表面は、そのような効果に著しい耐性がある。例えば間欠的な圧力により痕跡が形成された場合、機械的負荷が除去されるとこれらの痕跡は再び完全に消失する。
【0031】
本例において、耐摩耗表面層12は、0.1〜0.5mmの厚さとされている。
【0032】
耐摩耗表面層12の下の装飾層14は、装飾紙、すなわちポリウレタンが浸み込んだセルロース層からなる。このポリウレタンは、再生可能な原材料から得られる生体ポリオールから合成されてもよい。装飾は、装飾紙の上側に印刷されている。
【0033】
フロアパネル10の寸法安定性を増大させ、痕跡挙動及び復元挙動をさらに改善するために、層構造は、さらに、装飾層14とその下の基材18との間にガラス繊維マット16を備える。またガラス繊維マットは、生体ポリオールから製造されたポリウレタンが浸み込んでいる。ガラス繊維マットの厚さは、0.2〜0.5mmである。
【0034】
本例において、基材18は、再生可能な原材料のポリエステルポリオールと芳香族イソシアネートから得られるポリウレタンからなる。一般に、芳香族イソシアネートの特性は脂肪族イソシアネートの特性より低いが、基材18はフロアパネル10の上側に曝されないので、ここでは低特性の材料の使用が許容される。それにも拘らず、基材18は、環境適合性に関して良好な特性を有し、殆ど排出物質を出さない。
【0035】
基材18は、適度に固く、したがって弾力的に圧縮されるが、無負荷状態では寸法的に安定している。これは、取り扱われ、許容される自重の下において少し歪んだときに、基材18及び延いてはフロアパネル10の全体が、大きくそのパネル形状を保持することを意味する。この寸法安定性により、本発明の弾性フロアパネルを他の従来のプラスチック又は木材性のフロアパネルと同等に取り扱うことができ、すなわち、通常のフロアパネルやフロアタイルと同様に敷設することができる。したがって、本発明の弾性フロアパネル10は、取り扱い性及び敷設性に関する従来のフロアパネルの長所と、弾性床仕上げ材、特に足音の遮音性と床仕上げ材への力の導入性の長所とを兼ね備えたものである。
【0036】
ここに示すフロアパネル10は、微粒化接着剤によってスクリードに接着することができ、次々に配置されたフロアパネル10が床仕上げ材を形成する。この目的のため、フロアパネル10の背面は、例えば不織布マットとしてよい繊維マット20を有する。しかしながら、繊維マット20として織物マットを使用することも考えられる。予めスクリードに塗布される液体噴霧接着剤は、繊維の間に浸透することができる。堅固な結合は、基板とフロアパネル10との間でこのようにして作られる。したがって、フロアパネル10は、もはや破壊することなく基板から取り除くことはできない。
【0037】
繊維マット20の繊維は、例えばガラス繊維又はPET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、ポリエステル若しくは再生可能な原材料、すなわち天然繊維から構成することができる。基材18に対面する図1の上側において、繊維マット20は、ポリオレフィンのバリア層22によってシールされている。ただし、バリア層22は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)又は熱可塑性ポリウレタン(TPU)のような他の材料から構成してもよい。とりわけ、バリア層22の機能は液体がフロアパネル10の上側から繊維マット20の中へ浸透して繊維の間の隙間に充填するのを阻止することにある。これは弾性フロアパネル10を製造する上で重要なことである。特に繊維マット20は、例えば基材18の背面に液体接着剤を塗布することで接着される。したがって、バリア層22は、基材18と繊維マット20の間の接着剤が、繊維の間に浸透するのを阻止する。
【0038】
フロアパネル10を接着するために接着剤を持ち上げる機能は別として、繊維マット20は、フロアパネル10の品質に影響するさらに他の機能を有してもよい。例えば、繊維マット20は、フロアパネル10の下側において耐引張り層を形成し、後者の寸法安定性に寄与してもよい。さらに、繊維の間の比較的大雑把な接合の故、繊維マット20は、圧力負荷に対して一定の弾力性を有してもよい。接着剤が基板から繊維マット20の中に完全に浸透せず、接着剤のない中間層が繊維マット20の中に残っているならば、その中空のスペースは弾性特性を高めることから、この弾力性は、維持されてもよい。これらの方法によって、基板への足音挙動と力の導入も改善してもよい。こうした改善は、フロアパネル10が基板上に大雑把に敷設された場合、すなわち接着剤なしで敷設された場合にも効果を有する。
【0039】
上述したとおり、幾つかのフロアパネル10は基板上に次々に敷設されてよい。加えて、個々のフロアパネル10はその外端部により輪郭形成され、したがって、相互に隣り合うフロアパネルは互いに接続することが可能であることにより、接続輪郭を含んでもよい。そうすれば、フロアパネル10は、相互については偶発的にずれることはない。
【0040】
耐摩耗表面層12、装飾層14及びガラス繊維マット16は、積層複合構造体を一緒に形成してよい。この積層複合構造体24は、上述したフロアパネル10の製造工程において予め組み立てられていてもよく、残余の層、すなわち特に基材18と繊維マット20は、この積層複合構造体24に単に連続して接合される。これは、以下において詳細に説明する。
【0041】
図2は、上述したタイプの、弾性フロアパネル10の製造方法の一実施の形態を示す図である。本図は、本例の方法を実施する製造装置の一部を示す。この製造装置は、搬送路52を備え、当該搬送路52は、図2に示す左から右への矢印A方向へ、ホットプレート54の上を流れている。搬送路52は、ホットプレート54の上側の上に平坦に配置されている。搬送路52は無端ベルトでよく、ホットプレート54上を通過する緊張した側又は搬送路52は、ロール56から繰り出され、製造工程の最後(不図示)において再び巻き取られる。繊維マットシート58がロール60から繰り出され、搬送路52のホットプレート54がある部分に平坦に載置される。本図において、繊維マットシート58が、図1を参照して説明した繊維マット20に対応し、すなわち繊維マットシート58は、ガラス繊維又はPET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、ポリエステル若しくは再生可能な原材料から構成され、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)又は熱可塑性ポリウレタン(TPU)からなるバリア層22により、一方側がシールされている。図2において、このバリア層22は、搬送路52から逸らされ、不織布から構成され又は織物として構成された繊維マットシート58の上面側の上に存在する。
【0042】
続く工程において、基材18を構成するポリウレタン組成物の層62が、載置された繊維マットシート58の上に塗布される。この組成物は、繊維マットシート58の上に液状で吐出又は噴霧される。適当な測定器(不図示)により検証される層62の厚さは、ドクターブレード64により決定される。ポリウレタン組成物は、全く純粋なポリウレタンからなるものでよいが、ポリウレタンの重量より特定の重量を有し、製造するべきフロアパネル10の重量を増加させるために、充填材若しくは他の骨材、例えば無機充填材を含むポリウレタンであってよい。
【0043】
液体ポリウレタン組成物は、熱作用の下で反応を完遂し、層62が硬化する。熱は、搬送路52の下のホットプレート54により供給され、搬送路52及び繊維マットシート58を介して層62に作用する。基材18の製造は、層62が反応し終わった後に完遂する。続いて、本方法のさらなる工程において、接着剤が基材18の上面に塗布される。接着剤はその全体表面へ連続して塗布する必要はないが、微小液滴の形でスプレーすることができる。この目的のため、例えば基材18の上に配置され半径方向に液体接着剤を噴霧するターンテーブル(回転式噴霧器)66を使用してもよい。これにより、基材18上への接着剤の小滴の略均一な塗布が達成される。
【0044】
本例の方法のさらなるステップの中で、シート状の積層複合構造体24は、基材18の上に適用され、基材18に、積層複合4が接着する。積層複合構造体24は、上述したとおり図1に示す耐摩耗表面層12、装飾層14及びガラス繊維マット16を備えてよい。積層複合構造体24は、予め組み立てられた状態で配達され、ロール68から繰り出され、接着剤が塗布された基材18の上面側に置かれる。
【0045】
上述した工程により製造されるシートは、完全に反応した後に、連続したパネルを形成し、さらなる工程により個々のフロアパネル10に切断される。すなわち、寸法的に安定したものであり、結果的に、横方向及び長手方向に分割された領域のようなものである。加えて、隣り合うフロアパネルを繋げるために接続輪郭を形成するために、フロアパネルの外端部を輪郭形成することは可能である。輪郭形成は、切断により達成されてよく、異なる切断工具を用いて幾つかの個別の輪郭形成工程を含んでよい。
【0046】
図2に示す上記方法の代替例として、フロアパネル10を逆順序にて組み立てることができる。これを図3を参照しながら説明する。
【0047】
図3に示す製造装置150も搬送路52を備え、ロール60から繰り出されホットプレート54の上を通過する。これに関し、図3に示す製造装置150は、図2に示す製造装置50と同一である。ロール68から供給されるシート状の積層複合構造体24は、搬送路52の搬送路52の上面側に平坦に置かれ、これとともに矢印A方向にホットプレート54の上を通過するように、搬送路52の上面側に載置される。もう一度、シート状の積層複合構造体24は、耐摩耗表面層12と、装飾層14と、ガラス繊維マット16とを備え、搬送路52の上に置かれ、これにより耐摩耗表面層12は底面に、ガラス繊維マット16は頂面に位置する。
【0048】
続いて、基材18を形成するために液体ポリウレタン組成物の層62が、載置された積層複合構造体24の上に塗布される。この場合、ポリウレタン組成物は、上述したとおり、純粋なポリウレタン又は充填材が添加されたものからなってよい。をこの層62は、ドクターブレード64によって所望の厚さに制限される。層62は、搬送路52及び積層複合構造体24を介して作用するホットプレート54からの熱作用により硬化され得る。なお、層62の上から赤外放射源のような異なる熱源も、ホットプレート54に代えて用いることができる。
【0049】
層62のポリウレタンは、熱作用の基で完全に反応し、その上に接着剤が塗布される基材18を形成する。本例の場合、接着剤はターンテーブル66によって微粒化され層62の上側から放射方向に噴霧される。
【0050】
続いて、繊維マットシート58が、それに接着される基材18の上面側に置かれる。繊維マットシート58は、ロール60から繰り出され、バリア層22が底部、すなわち基材18に対面するように、基材18の上に置かれる。バリア層22は、基材18と繊維マットシート58との間の結合を作る接着剤が、繊維マットシート58の繊維の間に浸透するのを阻止する。繊維マットシート58は、例えば不織布又は織物シートであってよい。
【0051】
上述した工程により製造されたシートは、横方向に分割されることによりフロアパネル10に切り離され、続いてこのフロアパネル10は、切断により2つの反対側の外端部に輪郭が形成される。
【0052】
フロアパネル10の製造方法の本例において、耐摩耗表面層は底部及び上を向くフロアパネル10の背面に位置する。
【0053】
基材18の層62を形成するためのポリウレタンは、再生可能な原材料と芳香族イソシアネートから得られるものでよい。積層複合構造体24の装飾層14は、ポリウレタンが浸み込んだ繊維紙から構成されてよい。耐摩耗表面層12は、ポリオールと脂肪族イソシアネートから得られるポリウレタンで構成してよい。
図1
図2
図3