(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ポリエステル可塑剤が、フタル酸、アジピン酸、またはこれらの混合物の残基と、1,2‐プロパンジオール、1,3‐ブタンジオール、1,4‐ブタンジオールまたはこれらの混合物の残基とを含む、請求項1に記載の配向形態のシュリンクフィルム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
驚くべきことに、所望の収縮特性を有するポリエステルシュリンクフィルムをポリマーポリエステル可塑剤の使用で得ることができることが見出された。ポリエステル可塑剤は、コポリエステルベース材料と共に、相溶性と高い熱安定性を付与することができる。ポリエステル可塑剤は、ガラス転移を下げ、ひいては得られるフィルムの収縮開始温度を低下させることができる。フィルムの収縮力は、可塑剤の量を調整することによっても改善できる。可塑化フィルムは透明のままであり、シュリンクフィルム用途においての使用に適している。高いDEG含有量を有するポリエステルシュリンクフィルムとは異なり、本発明の可塑化フィルムは、大幅により強靭、かつ、フィルム破断なく大幅により速い速度で製造し、薄肉化し、加工し、および適用することが可能である。
【0016】
本発明におけるシュリンクフィルムは、(a)最小結晶化ハーフタイム(t
1/2分)が少なくとも8.6分であるコポリエステル、および(b)重量平均分子量(M
W)が900〜12000g/molであるポリエステル可塑剤を含む。
【0017】
本発明において、最小結晶化ハーフタイムが少なくとも8.6分であることを条件として任意のコポリエステルを使用することができる。結晶化ハーフタイムは、以下の手順に準拠して、示差走査熱量計を用いて測定することができる。アルミニウムパン中にコポリエステルのサンプル10.0mgを入れて密閉し、ヘリウム雰囲気下で320°C/分の速度で290°Cまで加熱し、そして2分間保持した。次いで、このサンプルを320°C/分の速度で140°C〜200°Cの範囲の10°C間隔の等温結晶化温度まで直ちに冷却した。次いで、各々の温度における結晶化ハーフタイムを、発熱カーブのピークに到達するまでに必要な時間として測定した。最小結晶化ハーフタイムは、結晶化速度が最も速い温度におけるものである。
【0018】
文脈で明確な別段の示唆がない限り、用語“ポリエステル”と“コポリエステル”は本開示では互換的に用いられる。用語“ポリエステル”とは、“コポリエステル”を包含する意図であり、また、1種以上の二官能性のカルボン酸(すなわち二塩基酸)と1種以上の二官能性のヒドロキシル化合物(すなわちジオール)との重縮合によって得られる合成ポリマーを意味するものと解される。典型的には、二官能性のカルボン酸はジカルボン酸であり、また、二官能性のヒドロキシル化合物は、例えばグリコールおよびジオール等の二価アルコールである。
【0019】
用語“残基”とは、対応するモノマーを取り込む重縮合反応を通じてポリマーに組み込まれる任意の有機構造を指す。用語“繰り返し単位”は、カルボニルオキシ基を介して結合したジカルボン酸残基(すなわち二塩基酸成分)およびジオール残基(すなわちジオール成分)を有する有機構造を指す。このように、ジカルボン酸残基はジカルボン酸モノマーまたはその類縁体の酸ハライド、エステル、塩、無水物またはこれらの混合物に由来する場合がある。用語“ベースフィルム”は、押し出し、未延伸フィルムを指す。
【0020】
コポリエステルは、半結晶またはアモルファスであってよく、好ましくはアモルファスである。コポリエステルは、それぞれ100mol%のジカルボン酸残基および100mol%のジオール残基を基にしたジカルボン酸およびジオール由来の繰り返し単位を含む。
【0021】
二塩基酸成分は、好ましくは炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸の残基を少なくとも50mol%含む。コポリエステルは、ジカルボン酸残基を100mol%としたとき、炭素数4〜12の脂肪族飽和ジカルボン酸および炭素数8〜12の脂環式ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸以外の1種以上の異なるジカルボン酸の残基が最大50mol%にて任意選択的に変性されてよい。ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4‐シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサンアセト酢酸、ジフェニル‐4,4’‐ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられる。ポリエステルは、上記のジカルボン酸の1種以上から得ることができる。
【0022】
これらの酸の対応する酸無水物、エステル、および酸クロライドの使用は、用語“ジカルボン酸”に含まれるものと解されたい。
【0023】
ジオール成分は、好ましくは炭素数2〜10のジオールの残基を少なくとも80mol%含む。さらに該ジオール成分は、ジオール残基を100mol%としたとき、1つ以上の他のジオールの残基で最大20mol%にて任意選択的に変性されてよい。ジオールの具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロパン‐1,3‐ジオール、ブタン‐1,4‐ジオール、2,2‐ジメチルプロパン‐1,3‐ジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2,4,4‐テトラメチル‐1,3‐シクロブタンジオール、ペンタン‐1,5‐ジオール、ヘキサン‐1,6‐ジオール、1,4‐シクロヘキサンジメタノール、3‐メチル‐ペンタンジオール‐(2,4)、2‐メチルペンタンジオール‐(1,4)、2,2,4‐トリ‐メチルペンタン‐ジオール‐(1,3)、2‐エチルヘキサンジオール‐(1,3)、2,2‐ジエチルプロパン‐ジオール‐(1,3)、ヘキサンジオール‐(1,3)、1,4‐ジ‐(ヒドロキシエトキシ)‐ベンゼン、2,2‐ビス‐(4‐ヒドロキシシクロヘキシル)‐プロパン、2,4‐ジヒドロキシ‐1,1,3,3‐テトラメチル‐シクロブタン、2,2‐ビス‐(3‐ヒドロキシエトキシフェニル)‐プロパン、2,2‐ビス‐(4‐ヒドロキシプロポキシフェニル)‐プロパン等が挙げられる。ポリエステルは、上記のジオール1種以上から得ることができる。
【0024】
該ポリエステルは、トリメリット酸無水物、トリメチロールプロパン、ピロメリット酸二無水物、ペンタエリスリトール、および当分野において一般的に知られている他のポリエステル形成性のポリ酸またはポリオール等の三官能性または四官能性のコモノマーを少量含んでもよい。
【0025】
1つの実施態様において、コポリエステルは、(i)テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4‐シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸、またはこれらの混合物の残基を少なくとも50mol%含む二塩基酸成分、および(ii)炭素数2〜10のジオールの残基を少なくとも80mol%含むジオール成分、とを含む。好ましくは、コポリエステルの二塩基酸成分が、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4‐シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸、またはこれらの混合物の残基を少なくとも80mol%含む。ならびに、好ましくはコポリエステルのジオール成分が、エチレングリコール、1,4‐シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2,2,4,4‐テトラメチル‐1,3‐シクロブタンジオール、またはこれらの混合物の残基を含む。
【0026】
別の実施態様において、コポリエステルは、(i)テレフタル酸残基を少なくとも80mol%含む二塩基酸成分、ならびに(ii)エチレングリコールおよび1,4‐シクロヘキサンジメタノールの残基を少なくとも80mol%含むジオール成分、とを含む。更に別の実施態様において、コポリエステルは、(i)テレフタル酸残基を少なくとも80mol%含む二塩基酸成分、ならびに(ii)エチレングリコール、1,4‐シクロヘキサンジメタノール、およびジエチレングリコールの残基を少なくとも80mol%含むジオール成分、とを含む。更に別の実施態様においてコポリエステルは、(i)テレフタル酸残基を少なくとも80mol%含む二塩基酸成分、ならびに(ii)エチレングリコールおよびネオペンチルグリコールの残基を少なくとも80mol%含むジオール成分、とを含む。更に別の実施態様において、コポリエステルは、(i)テレフタル酸残基を少なくとも80mol%含む二塩基酸成分、ならびに(ii)1,4‐シクロヘキサンジメタノールおよび2,2,4,4‐テトラメチル‐1,3‐シクロブタンジオールの残基を少なくとも80mol%含むジオール成分、とを含む。
【0027】
本発明において有用なコポリエステルは、0.5〜1.2dL/gのインヘレント粘度を有することができる。好ましくは、コポリエステルは、60質量%のフェノールおよび40質量%のテトラクロロエタンからなる溶媒100mLに対し、0.50gのポリマーを用いて25°Cにおいて測定したときに、0.6〜0.9dL/gのインヘレント粘度を有する。本発明において有用なコポリエステルは、40°C〜150°C、好ましくは50°C〜100°C、およびさらに好ましくは50°C〜90°Cのガラス転移温度を有することもできる。
【0028】
コポリエステルは、当分野においてよく知られている従来の重縮合手法によって得ることができる。かかるプロセスとしては、ジカルボン酸(類)とジオール(類)との直接縮合、またはジアルキルジカルボキシレートを用いるエステル交換によるものが挙げられる。例えば、ジメチルテレフタレート等のジアルキルテレフタレートは、触媒の存在下にて昇温するとジオール(類)とエステル交換する。ポリエステルは、固相重合法に供されてもよい。適した手法は、1種以上のジカルボン酸と1種以上のグリコールとを約100°C〜315°Cの温度にて約0.1〜760mmHgの圧力で、ポリエステルを形成するのに十分な時間反応させるステップを含む。ポリエステルの製造方法は、米国特許第3772405号明細書(参照により本開示に組み込まれるかかる手法の開示)を参照のこと。
【0029】
本発明において有用なコポリエステルは、イーストマン ケミカル カンパニーから購入できる。
【0030】
本発明において用いるポリエステル可塑剤は、900〜12000g/molの重量平均分子量(M
W)を有する。好ましくは、可塑剤は1000〜5000g/molのM
Wを有する。
【0031】
可塑剤は、(i)炭素数2〜8のポリオールの残基を含むポリオール成分、および(ii)炭素数4〜12のジカルボン酸の残基を含む二塩基酸成分、とを含む。
【0032】
炭素数2〜8の適したポリオールとしては、エチレングリコール、1,2‐または1,3‐プロパンジオール;1,2‐または1,3‐または1,4‐ブタンジオール;ジエチレングリコール;およびジプロピレングリコールが挙げられる。
【0033】
適したジカルボン酸は、化学式HO(O)CRC(O)OH(式中、Rは炭素数2〜10の直鎖および分岐のアルキレン基ならびにフェニレンからなる群より選択される)で表すことができる。かかるジカルボン酸の具体例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、テレフタル酸、ベンゼン‐1,2‐ジカルボン酸、ベンゼン‐1,4‐ジカルボン酸、およびこれらの混合物が挙げられる。コストおよび可用性に応じて、これらの二塩基酸の無水物を容易に使用することができる。
【0034】
1つの実施態様において、ポリエステル可塑剤は、フタル酸、アジピン酸、またはこれらの混合物の残基;および1,2‐プロパンジオール、1,3‐ブタンジオール、1,4‐ブタンジオール、またはこれらの混合物の残基を含む。
【0035】
本発明に係る該可塑剤は、概して、1種以上のジオール、グリコール、および/またはポリオールと、2つ以上の酸官能基を含む1種以上の環式または脂肪族の有機酸とを、粘度測定または一般的に許容できる他の任意の手法によって測定される所望の分子量が得られるまで反応させることにより得ることができる。ポリマーの分子量は、生成物が所望のヒドロキシル価および/または酸価に到達するまで、ポリエステル鎖の末端の未反応の酸またはアルコールの官能基を、一官能性アルコールまたは一塩基カルボン酸を用いてキャップすることにより制御することができる。ポリエステル可塑剤の典型的なヒドロキシル価は、0〜40mg KOH/gの範囲をとることができ、また、該酸価つまり酸性度指数は、0〜50mg KOH/gの範囲、ならびにより典型的には1〜5mg KOH/gの範囲をとることができる。
【0036】
キャッピング剤は、任意の価数の容易に入手可能なアルコールまたは酸から選択することができる。適したキャッピングアルコールは、2〜18の炭素原子を含むことができ、また、直鎖または分岐鎖であることが可能である。適した一塩基酸キャッピング剤としては、炭素数2〜22のものが挙げられ、C
8〜C
22炭素を含む任意数の脂肪酸、または酢酸もしくは2‐エチルヘキサン酸等の他の一般的な酸が可能である。無水酢酸等の無水物は、該酸の代わりに使用することができる。
【0037】
本発明において有用な可塑剤はまた、イーストマン ケミカル カンパニーから“Admex”
TMという名称にて市販で入手可能である。
【0038】
本発明に係るシュリンクフィルムは、以下の手法で得ることができる。コポリエステルおよび可塑剤の混合物を得る前に、コポリエステル、可塑剤、または両方を、乾燥空気もしくは乾燥窒素の雰囲気中、または減圧下で任意選択的にまず乾燥させてもよい。
【0039】
次に、可塑剤はバッチ混合、単軸または二軸の押し出し等の任意の適した溶融ブレンド工程によりコポリエステルと混合することができる。好ましくは、可塑剤をリキッドまたはソリッドポンプシステムを使用してコポリエステルの溶融物中に注入する。コポリエステル/可塑剤混合物は、重合中に重合が基本的に完結した後に、ポリエステルに可塑剤を添加することによって調製してもよい。溶融コンパウンドが完結した後に押し出し機から出る際に、押し出し物をフィルムに成形してもよい。または、押し出し物をストランド形状で引き出し、そしてペレットにカットしてもよく、もしくはペレットに直接的に成形してもよい。
【0040】
上記のように作製したペレットは、コポリエステルの追加量と混合される濃縮物として使用してもよい。濃縮ペレットとコポリエステルペレットとを混合する手法としては、添加剤フィーダーで濃縮ペレットをフィードすること、ならびにコポリエステルペレットおよび濃縮ペレットを機械的に混合することが挙げられる。コポリエステル/濃縮物ブレンドは、その後乾燥し、溶融ブレンドし、そしてフィルムに押し出すことができる。好ましくは、このフィルム(延伸前)は視覚的に透明である。
【0041】
あるいは、コポリエステル/濃縮物ブレンドは、例えば米国特許第6068910号明細書で開示されているカレンダー処理によりフィルムに加工してもよい。もちろん、他の従来のフィルム形成の手法も同様に使用してよい。
【0042】
フィルムの形状は、なんら限定されるものではない。例えば、フラットシートまたはチューブであってよい。次に、フィルムを例えば、機械方向、機幅方向、またはその両方に、初期寸法の2〜6倍に延伸する。
【0043】
フィルムは、ロール延伸法、ロングギャップ延伸法、テンター延伸法、およびチューブラー延伸法等の任意の通常の手法により延伸してよい。これらの手法のいずれかを使用することで、遂次二軸延伸、同時二軸延伸、一軸延伸、またはこれらの組み合わせを実施することが可能である。上述の二軸延伸で、機械方向および機幅方向の延伸を同時に施してもよい。また、延伸は効果的な二軸延伸をもたらすよう、初めに一方の方向で、そして次に他方の方向で施してもよい。好ましくは、フィルムの延伸はそのガラス転移温度(T
g)を5°C〜80°C超えて予熱されることによってなされる。より好ましくは、フィルムはそのT
gを10°C〜20°C超えて予熱される。好ましくは、その延伸速度は1秒当たり5〜20インチ(12.7〜50.8cm)である。
【0044】
概して、本発明に係るシュリンクフィルムは、0.01〜10質量%のポリエステル可塑剤を含んでよい。好ましくは、シュリンクフィルムは0.1〜5質量%のポリエステル可塑剤を含む。概して、シュリンクフィルムは90〜99.99質量%のコポリエステルを含んでよい。好ましくは、シュリンクフィルムは95〜99.9質量%のコポリエステルを含む。
【0045】
好ましい実施態様において、本発明に係るシュリンクフィルムの、95℃のウォーターバスに10秒間浸漬したときの横方向の収縮量は30〜80%である。
【0046】
別の好ましい実施態様において、本発明に係るシュリンクフィルムは、厚みが25〜75μmである。
【0047】
更に別の好ましい実施態様において、本発明に係るシュリンクフィルムは、400°Fで測定したときの横方向の収縮応力が16MPa未満である。
【0048】
本発明のシュリンクフィルムは、フィルムの得られる性質に不利に影響を及ぼさない範囲でさらに1種以上の添加剤を含んでもよい。添加剤の例としては、酸化防止剤、溶融強度増強剤、鎖延長剤、難燃剤、フィラー、酸掃去剤、染料、着色剤、顔料、色素、ブロッキング防止剤、フロー性向上剤、衝撃改質剤、帯電防止剤、加工助剤、離型添加剤、可塑剤、スリップ剤、安定剤、ワックス、紫外線吸収剤、光学的光沢剤、潤滑剤、固定添加剤、発泡剤、核剤、ガラスビーズ、金属球、セラミックビーズ、カーボンブラック、架橋ポリスチレンまたはアクリルビーズ等が挙げられる。トナーと呼ばれることがある着色剤を、所望のニュートラルヒューおよび/または明度をポリエステルブレンドに付与するために添加してもよい。フィラーの代表的な例としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、ゼオライト、ワラストナイト、カオリン、珪藻土、TiO
2、NH
4Cl、シリカ、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、およびリン酸カルシウムが挙げられる。二酸化チタンおよび他の顔料または染料を含有させて、例えば、フィルムの白色度の制御、または着色したフィルムの作製をしてもよい。
【0049】
本開示では、文脈で明確な別段の示唆がない限り、不定冠詞は1つ以上を意味する。同様に、文脈で明確な別段の示唆がない限り、名詞の単数形はそれらの複数形を含み、逆の場合も同じである。
【0050】
正確となるように試みられる一方で、本開示で記載された数値および範囲は、概算であると解されたい。これらの値および範囲は、本発明によって得ようとする所望の性質、および計測技術で得られる標準偏差に由来する変動に応じて、規定された値から変化する場合がある。さらに、本開示で記載された範囲は、規定された範囲内で全てのサブレンジおよび値を含むことを意図し、特に企図する。例えば、50〜100の範囲は、60〜90および70〜80等のサブレンジを含む該範囲内の全ての値を含むことを意図する。
【0051】
本発明は、つづくこれらの好ましい実施態様の例によってさらに詳しく説明することができるが、これらの例は説明の目的のために単に盛り込まれたに過ぎず、本発明の範囲を制限するものではないと解されよう。別段の示唆がない限り、全ての%は質量による。
【0052】
例
以下の表1および2に、以下の例中で使用する可塑剤およびコポリエステルをそれぞれ記載する。
【0055】
表2中、TPA=テレフタル酸、EG=エチレングリコール、CHDM=1,4‐シクロヘキサンジメタノール、DEG=ジエチレングリコール、NPG=ネオペンチルグリコール、およびTMCD=2,2,4,4‐テトラメチル‐1,3‐シクロブタンジオール。
【0056】
例1〜13
10質量%の可塑剤濃縮物は、リキッドポンプシステムを使用した共回転二軸押し出し機中で、コポリエステルM2の溶融物中に可塑剤P2を注入することにより調製した。押し出し物を次にペレタイズし、そして所望の収縮特性を得るための幾つかのブレンド比でコポリエステルM1、M2、およびM3と混合するための濃縮物として使用した。
【0057】
静電ピンユニットを備える2.5インチODスクリュー押し出し機を用いて、名目10ミル(254ミクロン)以下のベースフィルムをキャストした。次いで、該ベースフィルムを5Xの延伸倍率かつ50fpmのライン速度で機幅方向(TD)に延伸した。全ての配合は、イーストマン ケミカル カンパニーから入手できるブロッキング防止剤PETG C0235を1質量%含んでいた。全ての延伸フィルムサンプルは、名目厚みがそれぞれ40および25ミクロンである例12および13を除いて、名目厚みが50ミクロンであった。各サンプルについての配合およびテンタリング温度を、表3中に示す。
【0059】
表3中に示されたテンタリング温度は、視覚的に透明なフィルム(以下の表4参照)を得るための配合に基づいて調整した。概して、特定のポリマーに対して、可塑剤は、可塑剤なしで可能な温度よりも低い温度においてフィルムを延伸すること、および低いヘーズを維持することを可能にできる。表3は、より高い可塑剤含有率を有するコポリエステルが、より低い温度において延伸できることを示す。
【0060】
例14(比較例)
ベースフィルムは、10質量%の低分子量可塑剤である可塑剤P8とコンパウンドしたコポリエステルM1から例1〜13の手順を用いて作製した。
【0061】
例15
ベースフィルムは、10質量%のポリマー可塑剤P2とコンパウンドしたコポリエステルM2から例1〜13の手順を用いて作製した。
【0062】
例1〜15のフィルムサンプルの透明性を視覚的に確認した。これらのインヘレント粘度、ガラス転移温度(Tg)、および熱的安定性を測定し、以下の表4中に示した。
【0064】
インヘレント粘度
インヘレント粘度(IhV)は、60質量%のフェノールおよび40質量%のテトラクロロエタンからなる溶媒100mLに対し、0.5gのサンプルを用いて25°Cにおいて測定した。
【0065】
表4に示したように、全てのサンプルにおいてのIhVの低下は、妥当であるように思われた。可塑剤濃縮物は、初期に0.661dL/gという低いIhVを有していた(例15)。より高量の可塑剤濃縮物が添加されれば、得られるIhVは理論的にはより低くなるであろう。全てのサンプルは、シュリンクフィルム用途で許容可能である0.7dL/g程度のIhVを有していた。
【0066】
ガラス転移温度
良好な可塑剤の基本的な機能は、ポリマーのTgを下げることである。全てのTgは、DSC中でサンプルを20°C/分で280°Cまで加熱し、−20°Cまで急冷し、そして次に280°Cまで再び加熱することにより測定した。3つのポリマー群M1、M2、およびM3について、窒素雰囲気中における2度目の昇温サイクルから求めたTgを表8に示す。
【0067】
一次回帰により、3つの異なるポリマー中の可塑剤濃縮物(PZ conc.)の添加によるTg低下は、以下の等式(1)〜(3)により表すことができる。
Tg=−0.3096×PZ conc.%+69.143
(M1群の例1〜3) (1)
Tg=−0.481×PZ conc.%+80.369
(M2群の例4〜7) (2)
Tg=−0.5723×PZ conc.%+83.461
(M3群の例8〜11) (3)。
【0068】
所望のTgのフィルムを作製することが可能となるため、これらの相関関係を知ることは望ましい。例えば、コポリエステルM2を用いてコポリエステルM1のTgを70°Cに適合させるために、可塑剤濃縮物の質量%は等式2を用いて計算することができ、20であるとわかる。同様に、上記の等式3を用いて、同様のTgに到達させるためには、コポリエステルM3中に約30質量%の可塑剤濃縮物を必要とするであろう。可塑剤の有効性は、上記の式中の負の傾きの大きさにより示されるように、コポリエステル中のCHDM含有率の増加に伴い向上する。50°C〜90°Cの範囲のTgを有するシュリンクフィルムが、特にスチームシュリンクトンネルが使用されるときには好ましい。
【0069】
熱的安定性
空気中および窒素中で熱分解を行って、異なるポリマー中の様々な可塑剤投入レベルと関係するなんらかの著しい質量減少があるか否か調べた。ASTM D3850‐12を試験手法として用いた。加熱速度は、20°C〜600°Cまでで20°C/分であった。この結果を上記表4に示す。
【0070】
ニートのポリマーと、種々の可塑剤濃縮物を含む同一のポリマーとの間で、10%質量減少時の温度差は、ほとんどまたは全く認識されなかった。これらの結果は、高温においての可塑剤の不安定性による付加的な質量減少はないことを示している。典型的なコンパウンド中および押し出し工程中の温度は、一般的に300°Cを超えることはないであろう。
【0071】
一方、10質量%の低分子量可塑剤P8(DEGDB、M
W=314、例14)を含むコポリエステルM1は、空気中において200°Cで質量が減少し始めた。これは、294°Cにおいて10質量%および400°Cにおいて20質量%減少した。これらの結果は、DEGDBはコポリエステルに対して有効な可塑剤であるが、熱的に安定でないことを示している。
【0072】
収縮試験
例1〜11の配向フィルムを、100mm×100mm四方サンプルにカットした。このサンプルを、ウォーターバス中で種々の温度において10秒間試験した。次いで、収縮量%を以下の等式を用いて算出した。
収縮量%=100−最終的なサンプル長(mm)。
【0073】
このデータから、機幅方向(TD)においての収縮量‐温度曲線(つまり収縮曲線)を描くことができた。収縮開始温度は、TD収縮曲線と温度軸とが交差する温度として定義される。“低”温パッケージングのために適した収縮曲線は、55°C付近の収縮開始温度をもつのがよい。一般的なシュリンクパッケージングにおいて、収縮開始温度は65°C付近であるのがよい。例えばホットティーシュリンクラベリングのようなホットフィル用途において、収縮開始温度は、ラベルが余熱により融着するのを抑制するために75°Cを超えるのがよい。
【0074】
収縮量の結果を以下の表5〜7に示す。
【0075】
表8は、例1〜13のフィルムのいくつかの追加の性質を示す。
【0079】
【表8】
例1〜12は、50ミクロンの名目フィルム厚みを有する。
【0080】
70°CのTgおよび65°Cの収縮開始温度を有するポリマーM1は、シュリンクフィルム用途において非常に有用である。更により低い温度のシュリンクパッケージングにおいても、表5に示すように、ポリマーM1は、本発明の可塑剤で可塑化することができ、より低い収縮開始温度曲線をもたらすことができる。
【0081】
表5からわかるように、70°Cにおいての収縮量は、M1ポリマーに対する可塑剤含有率の増加に伴い増加する。これらのフィルムは全て、同一のテンタリング条件下で延伸した(表3参照)。表4からわかるように、収縮量の増加は、可塑剤によるポリマーのTg低下と相関する。
【0082】
表8からわかるように、収縮開始温度は可塑剤含有率の増加に伴い低下する。シュリンクフィルム中の20質量%の可塑剤濃縮物または正味ちょうど2質量%の可塑剤含有率により、例3の収縮開始温度はニートポリマー(例1)の65°Cから55°Cに下がった。このより低い収縮開始温度は、シュリンクトンネル内において、シュリンクスリーブがより速く終わることを可能にするであろう。これは、牛乳等の熱に敏感な商品のパッケージングにおいて望ましい。しかし1つの注意点は、このシュリンクフィルムが、特に暑い気候の地域の夏季においては、保管中および輸送中に余熱から保護されなければならないことである。
【0083】
より高い80°CのTgで、ニートポリマーM2は、高速生産ラインにおいて部分的に収縮したシュリンクラベルをもたらす高い収縮開始温度を有するため、ある部分においてシュリンクフィルム用途には適していない。このシュリンクフィルムは過度にゆっくりと熱と反応し、また、収縮を終わらせるための十分な滞留時間を有していない。トンネルをより長くすること、またはラインをよりゆっくりと運転することは、今日の生産高重視の製造では好ましくない。
【0084】
しかし、ポリマーM2中に該可塑剤濃縮物を加えることにより、表6中の収縮曲線データが示すように異なる収縮特性を得ることができる。ポリマーM1の収縮特性(表5、例1)は、ポリマーM2中への30質量%の可塑剤濃縮物(正味3質量%の可塑剤含有率)(表6、実験例7)の使用とほぼ同等とみることができる。
【0085】
表8からわかるように、例1および7の収縮開始温度はほとんど同じであった。ポリマーM1に対して、可塑化されたポリマーM2は優位性がある。可塑化されたポリマーM2フィルムは、ポリマーM1のフィルムよりも大幅に強靭であり、その結果、テンタリング、スリッタリング、印刷、スリービング、および注入をフィルム破断が著しく少ない状態で高速運転することを可能にする。いずれかの加工ステップ中のフィルム破断は、生産効率に弊害をもたらす。
【0086】
同様に、ニートポリマーM3は、85°Cというより高いTgのために、ある種のシュリンクフィルム用途には適していない。ポリマーM3の延伸フィルムは、75°Cの高い収縮開始温度および低い最終収縮量を有する(表7、例8参照)。かかるフィルムは、追随性の高いボトルのラベリング用のスチームトンネルにおいて、良好に機能しないであろう。しかし、バッテリーまたはワインキャップ等の低シュリンク用途用のホットエアトンネル中においては、むしろ良好に機能するであろう。それは、より低いTgのポリマーによって生じる可能性があるラベルの軟化をもたらすホットティーまたはホットコーヒーによるものなどの容器の中身においての余熱によるラベルの融着を抑制するためのホットフィルシュリンクラベリングにおいても問題なく使用することができる。
【0087】
ポリマーM3は可塑剤で可塑化することができ、また、得られた収縮曲線を表7に示す。可塑剤含有率の増加に伴う増加した収縮量でも、可塑化されたポリマーM3は依然として全体ラベリングに十分な最終収縮量をもたなかった。しかしこれは、ホットフィル用途で要求されるような追随性が低く、かつ高温のシュリンクラベリングとして使用することができる。
【0088】
収縮力
表8からわかるように、可塑剤の添加はフィルムの収縮力を減少させた。収縮応力は、400°Fにおけるピーク力をサンプルの断面積で除することにより算出した。表8に示すように、ポリマーM2の実験例において、収縮力は可塑剤がない状態で高く、また可塑剤の添加により著しく減少した。ポリマーM3の例において、可塑剤は30質量%の濃縮物またはそれ以上の高い投入量で収縮力を減少させることもできる。
【0089】
フィルム破断
ウェブまたはフィルムの破断は、シュリンクフィルム製造、加工、および適用のどの段階においても問題である。フィルム押し出し中の不適切な乾燥は、通常この問題の大部分に寄与する。フィルムエージング(自由体積の緩和)もまたウェブ破断問題を悪化させる可能性がある。溶媒攻撃および過度のウェブ張力は、印刷工程において問題を引き起こす可能性がある。
【0090】
理想的に、シュリンクフィルムは、ウェブ破断なしに全ての可能性がある張力に適応するために十分な程度に強靭であるのがよい。TD延伸フィルムの延性測定のための1つの方法は、ASTM882に準拠した、350mm/分での機械方向(MD)引張破断伸び試験による。例1〜13のシュリンクフィルムの結果を表8に示す。
【0091】
表8からわかるように、MDでの破断伸びはポリマーM1で比較的低く、また、可塑剤の添加量により大きく影響を受けなかった。この効果の一部は、より高い可塑剤濃縮物投入量で得られるより低いIhV由来である可能性がある。
【0092】
表8に示すように、M1のような高DEGのポリマーと比較して、ポリマーM2はより良好なMD破断伸びを有する。可塑剤の添加が、部分的にはIhVの低下に由来して伸びをわずかに低下させる場合があった一方で、伸びはポリマーM1の伸びより約90倍優れたままであった。ポリマーM3においての可塑剤の効果は、表8に示すように同様であった。ポリマーM3はMD破断伸びにおいて、ポリマーM1よりも10〜20倍優れた結果であった。
【0093】
弾性率(曲げ剛性)
表8は、フィルムの曲げ剛性に比例するMDおよびTDの弾性率の平均弾性率を示している。
【0094】
高い剛性は、高速適用においてスリーブラベルが崩壊することを抑制する。原理的に、効果的な可塑剤は、可塑化されたPVCフィルムと同様に剛直なフィルムをより柔軟にするはずである。しかし、表8に示すように本発明によればポリマー可塑剤は、コポリエステルの弾性率を大きくは変化させなかった。
【0095】
表面エネルギー
印刷適性は、シュリンクフィルムパッケージングにおいて高度に望ましい特性である。表面エネルギーが印刷適性の唯一の指標ではないものの、それは可塑剤が表面へマイグレートしたり、また、全表面エネルギーを減少させるか否かを示すであろう。
【0096】
表8からわかるように、本発明に係る可塑剤が該延伸フィルムの表面エネルギーを変化させたという証拠はない。可塑剤がポリマーであるため、そのフィルム表面へのマイグレーションは仮にあったとしても非常に遅いであろう。
【0097】
熱的安定性データ(表4)から、より高温において認識できる質量減少がほとんどないことから、ポリマーマトリックスと可塑剤との間の親和性は非常に強いものと思われた。
【0098】
薄肉化
既に記載したように、コポリエステルへのDEGの添加は、そのTgを下げ、また、コポリエステルから作製したフィルムの収縮特性を向上させることができる。しかし、得られる組成物は、より高いDEG含有率のためにより脆弱である傾向がある。このように、ポリマーM1から作製されたフィルムは、テンターにおいての延伸、プレスにおいての印刷、および/またはスリーブアプリケーターにおいての注入時に、よりウェブ破断しやすい傾向がある。これは、例えば、厚みが40ミクロンを下回るより薄いフィルムに特に当てはまる。表9に示すように、25ミクロンのポリマーM2のフィルムが良好な収縮で首尾よく製造されたことから、生産性を減じることなく薄肉化を可能とするためには、可塑剤を添加したポリマーM2が見込みのある代替物であるように思われる。また、表9に示すように、可塑剤を含む薄肉化フィルム(25ミクロン)の収縮量および収縮開始温度は、より厚肉のフィルム(40および50ミクロン)のものと近い。
【0100】
コポリエステル組成
高度に配向していても、シュリンクフィルムは典型的にアモルファスである。配向により誘起された結晶化は、フィルムの最終収縮量を減少させる。95°Cにおいての最終収縮量が30%未満であるフィルムは、シュリンク用途においての有用性が低い。コポリエステルM4は、結晶化ハーフタイムのコンセプトを説明するために用いた。
【0101】
M4ポリマーは0.68dL/gのIhVおよび517秒(8.6分)の最小結晶化ハーフタイム(t
1/2分)を有する。結晶化ハーフタイムはPerkin−Elmer Model DSC‐2示差走査熱量計を用いて測定した。アルミニウムパン中に各々のサンプル10.0mgを入れて密閉し、そしてヘリウム雰囲気下で320°C/minの速度で290°Cまで加熱し、2分間保持した。次いで、このサンプルを、320°C/minの速度で140°C〜200°Cの範囲の10°C間隔の等温結晶化温度まで直ちに冷却した。各々の温度における結晶化ハーフタイムは、発熱カーブのピークに到達するまでに必要な時間として評価した。最小結晶化ハーフタイムは、結晶化速度が最も速い温度におけるものである。
【0102】
例16〜21
シュリンクフィルムは、ポリマーM4と、ポリマーM2中に10質量%の可塑剤P2を含む0〜50質量%の可塑剤濃縮物とのブレンドにより、フィルムを85°Cで4X延伸すること以外は例1〜13の手順を用いて作製した。
【0103】
表10からわかるように、より低い可塑剤濃縮物率(0〜30質量%)において、フィルムは延伸後に結晶化した。95°Cにおいてのこれらのフィルムの最終収縮量は、シュリンクフィルム用途に対する実用的な下限である、30%台前半の領域であった。
【0104】
CHDM含有率は、高CHDM含有可塑剤濃縮物のために、可塑剤濃度が高まることに伴い増加した。表10からわかるように、配向したフィルムは、フィルム中の最終的なCHDM含有率が18mol%またはそれ以上であるとき、よりアモルファスかつ低結晶性であった。Tgは、可塑剤含有率の増加に伴い連続的に減少していった。全てのサンプルの95°Cにおいての最終収縮量が多かれ少なかれ30%台前半の領域のままであるにも関わらず、このように、75°Cにおいての収縮量は可塑剤含有率の増加に伴い増加した。シュリンクフィルムのための収縮量要求に基づき、本発明においては、最小結晶化ハーフタイムが少なくとも8.6分であることを条件として、任意のポリエステルを使用できる。
【0106】
例22〜25
28mol%のNPGおよび72mol%のEGを含むポリマー(ポリマーM5)もまた可塑剤濃縮物とブレンドし、シュリンクフィルムに成形し、そして試験した。表11は、本発明に係るポリマー可塑剤の添加がポリマーM5のTgを減少させたことを示す。表12は、Brucknerフィルム延伸機を用いて85°Cにおいて5X延伸したポリマーM5から作製したフィルムのTD収縮量を記録する。表12中のデータは、本発明に係るポリマー可塑剤もまた、NPG含有ポリマーでよく奏効することを示す。
【0109】
例26〜36
フィルム(約254ミクロン厚み)は、表13に記載したポリマーおよび可塑剤を含むブレンドから作製した。それらの視覚的な透明性およびTgを評価した。これを表13中に記録する。
【0110】
ポリカプロラクトン(PCL)は、約−60°CのTgを有するポリエステルである。PCLは、PVC向けのポリマー可塑剤として使用することができる。
【0111】
例26は、10質量%の可塑剤P9(PCL、M
n=10000)を含むコポリエステルM2から作製したベースフィルムである。得られたフィルムは非常に濁っていた。
【0112】
例27は、10質量%の可塑剤P10(PCL、M
n=2000)を含むコポリエステルM2から作製したベースフィルムである。この得られたフィルムもまた濁っていた。
【0113】
得られたフィルムの濁りに基づき、PCLはコポリエステルM2と相溶性がない。
【0114】
例28〜30は、コポリエステルM6(Tg=120°C)と可塑剤P2(M
W=2848)から作製したベースフィルムである。表13からわかるように、フィルムの透明性に基づいてこの組み合わせは相溶性がある。例29〜30のTgは、90°Cを下回り、これは、これらのブレンドから作製したシュリンクフィルムはスチームシュリンクトンネルにおいて特に有用であろうことを示している。
【0115】
表4中の例15および表13中の例31〜36からわかるように、本発明に係る1000〜12000のM
Wを有するポリマー可塑剤は、ポリマーM2と相溶性がある。例36のフィルムは、わずかに濁っており、また、最も少ないTg低下を示し、これは、これらのポリエステル可塑剤およびポリマーM2の、相溶性と分子量の間の関係を示す。
【0117】
要約すると、表14は全ての例の良(○)、可(○)または不可(×)スコアを示す。4つの選定条件は、上述した結晶化、熱的安定性、相溶性、およびガラス転移温度である。ここで留意すべきは、全ての条件をパスしなかった場合にサンプルのシュリンクフィルム材料としての有用性は低いことである。例14および15は、10質量%の可塑剤で50°Cを下回るTgを有する。しかし、これらのブレンドにおいて可塑剤含有率を減少させるとそれらのTgを上昇させることができる。従って、実験例14は熱的安定性試験は不可であるものの、例14および15には、Tg欄で“×”を記載しなかった。結晶化ハーフタイムはコポリエステルの選定条件である。熱的安定性および相溶性は、可塑剤の選定条件である。相溶性およびガラス転移は、ポリマー/可塑剤ブレンドの選定条件である。
【0119】
別段の指定がない限り、以下のASTM手法を用いた。インヘレント粘度にD2857‐96、ガラス転移温度にD3418、熱的安定性にD3850、収縮量にD2732、破断伸びおよび弾性率にD882、および表面エネルギーにD5946。
本発明はこれらの好ましい態様に特に言及して詳細に記載したが、変化および変更は本発明の趣旨および範囲内において生じさせることができると解されるであろう。
本開示は以下も包含する。
[1]
(a)最小結晶化ハーフタイム(t
1/2分)が少なくとも8.6分であるコポリエステル、ならびに
(b)重量平均分子量(M
W)が900〜12000g/molであるポリエステル可塑剤であって、該ポリエステル可塑剤が、
(i)炭素数2〜8のポリオールの残基を含むポリオール成分、および
(ii)炭素数4〜12のジカルボン酸の残基を含む二塩基酸成分、
を含む、ポリエステル可塑剤、
を含むシュリンクフィルムであって、該シュリンクフィルムのガラス転移温度が50〜90℃である、シュリンクフィルム。
[2]
コポリエステルが、
(i)テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4‐シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸またはこれらの混合物の残基を少なくとも50mol%含む二塩基酸成分、および
(ii)炭素数2〜10のジオールの残基を少なくとも80mol%含むジオール成分、
ただし、二塩基酸成分は、コポリエステル中の総二塩基酸残基を100mol%、およびジオール成分はコポリエステル中の総ジオール残基を100mol%とする、
を含む、上記態様1に記載のシュリンクフィルム。
[3]
コポリエステルの二塩基酸成分が、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4‐シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸またはこれらの混合物の残基を少なくとも80mol%含む、上記態様2に記載のシュリンクフィルム。
[4]
コポリエステルのジオール成分が、エチレングリコール、1,4‐シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2,2,4,4‐テトラメチル‐1,3‐シクロブタンジオールまたはこれらの混合物の残基を含む、上記態様2に記載のシュリンクフィルム。
[5]
コポリエステルが、
(i)テレフタル酸残基を少なくとも80mol%含む二塩基酸成分、ならびに
(ii)エチレングリコールおよび1,4‐シクロヘキサンジメタノールの残基を少なくとも80mol%含むジオール成分、
を含む、上記態様2に記載のシュリンクフィルム。
[6]
コポリエステルが、
(i)テレフタル酸残基を少なくとも80mol%含む二塩基酸成分、ならびに
(ii)エチレングリコール、1,4‐シクロヘキサンジメタノール、およびジエチレングリコールの残基を少なくとも80mol%含むジオール成分、
を含む、上記態様2に記載のシュリンクフィルム。
[7]
コポリエステルが、
(i)テレフタル酸残基を少なくとも80mol%含む二塩基酸成分、ならびに
(ii)エチレングリコールおよびネオペンチルグリコールの残基を少なくとも80mol%含むジオール成分、
を含む、上記態様2に記載のシュリンクフィルム。
[8]
コポリエステルが、
(i)テレフタル酸残基を少なくとも80mol%含む二塩基酸成分、ならびに
(ii)1,4‐シクロヘキサンジメタノールおよび2,2,4,4‐テトラメチル‐1,3‐シクロブタンジオールの残基を少なくとも80mol%含むジオール成分、
を含む、上記態様2に記載のシュリンクフィルム。
[9]
ポリエステル可塑剤のポリオール成分が、エチレングリコール、1,2‐プロパンジオール、1,3‐プロパンジオール、1,2‐ブタンジオール、1,3‐ブタンジオール、1,4‐ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールまたはこれらの混合物の残基を含む、上記態様1に記載のシュリンクフィルム。
[10]
ポリエステル可塑剤の二塩基酸成分が、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、テレフタル酸またはこれらの混合物の残基を含む、上記態様1に記載のシュリンクフィルム。
[11]
ポリエステル可塑剤が、フタル酸、アジピン酸、またはこれらの混合物の残基と、1,2‐プロパンジオール、1,3‐ブタンジオール、1,4‐ブタンジオールまたはこれらの混合物の残基とを含む、上記態様1に記載のシュリンクフィルム。
[12]
ポリエステル可塑剤のM
Wが、1000〜5000g/molである、上記態様1に記載のシュリンクフィルム。
[13]
ポリエステル可塑剤を0.01〜10質量%含む、上記態様1に記載のシュリンクフィルム。
[14]
ポリエステル可塑剤を0.1〜5質量%含む、上記態様1に記載のシュリンクフィルム。
[15]
延伸前のフィルムが視覚的に透明である、上記態様1に記載のシュリンクフィルム。
[16]
95℃のウォーターバスに10秒間浸漬したときの横方向の収縮量が30〜80%である、上記態様1に記載のシュリンクフィルム。
[17]
厚みが25〜75μmである、上記態様1に記載のシュリンクフィルム。
[18]
400°Fで測定したときの横方向の収縮応力が16MPa未満である、上記態様1に記載のシュリンクフィルム。
[19]
(I)
(a)最小結晶化ハーフタイム(t
1/2分)が少なくとも8.6分であるコポリエステル、および
(b)重量平均分子量(M
W)が900〜12000g/molであるポリエステル可塑剤、
を含む混合物を調製すること、
(II)該混合物からフィルムを形成すること、ならびに
(III)該フィルムを延伸してシュリンクフィルムを形成することを含み、該ポリエステル可塑剤が、
(i)炭素数2〜8のポリオールの残基を含むポリオール成分、および
(ii)炭素数4〜12のジカルボン酸の残基を含む二塩基酸成分、
を含む、シュリンクフィルムの製造方法。