(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電源消失検出用スイッチは、前記制御電源から出力される電流により発光する発光素子と、前記発光素子から光を受光したときに前記入力端子と前記出力端子との間が通電する受光素子とを有するフォトカプラからなる、請求項1に記載のモータ駆動装置。
前記電源消失検出用スイッチは、前記制御電源から電流が出力されているときは前記入力端子と前記出力端子との間は通電し前記制御電源から電流が出力されていないときは前記入力端子と前記出力端子との間は通電しないA接点リレーからなる、請求項1に記載のモータ駆動装置。
前記電源消失検出用スイッチは、前記制御電源から電流が出力されているときは前記入力端子と前記出力端子との間は通電せず前記制御電源から電流が出力されていないときは前記入力端子と前記出力端子との間は通電するB接点リレーからなる、請求項4に記載のモータ駆動装置。
前記定電圧出力部は、前記高電位側端子がカソードとなり、前記低電位側端子がアノードとなるように接続されたツェナーダイオードからなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のモータ駆動装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下図面を参照して、DCリンクのコンデンサの放電回路を有するモータ駆動装置について説明する。理解を容易にするために、これらの図面は縮尺を適宜変更している。図面に示される形態は実施するための一つの例であり、図示された実施形態に限定されるものではない。
【0012】
まず、本開示の第1の実施形態によるモータ駆動装置の回路構成について説明する。
図1は、本開示の第1の実施形態によるモータ駆動装置を示す図である。
【0013】
一例として、交流電源2に接続されたモータ駆動装置1により、交流モータ(以下、単に「モータ」と称する。)3を1個制御する場合について示す。モータ3の個数は本実施形態を特に限定するものではなくこれ以外の個数であってもよい。例えばモータ駆動装置1において複数のモータ3を駆動する場合は、モータ3ごとにインバータ13が設けられ、したがって複数のインバータ13がDCリンクに接続されることになる。なお、交流電源2及びモータ3の相数は本実施形態を特に限定するものではなく、例えば三相であっても単相であってもよい。交流電源2の一例を挙げると、三相交流400V電源、三相交流200V電源、三相交流600V電源、単相交流100V電源などがある。また、モータ3の種類についても本実施形態を特に限定するものではなく、例えば誘導モータであっても同期モータであってもよい。ここで、モータ3が設けられる機械には、例えば工作機械、ロボット、鍛圧機械、射出成形機、産業機械、各種電化製品、電車、自動車、航空機などが含まれる。
【0014】
図1に示すように、本実施形態によるモータ駆動装置1は、コンバータ11と、コンデンサ12と、インバータ13と、放電回路14と、放電回路駆動部15と、制御部16と、制御電源17とを備える。
【0015】
モータ駆動装置1内の制御部16は、一般的なモータ駆動装置と同様、DCリンクにおける直流電力とモータ3の駆動電力もしくは回生電力である交流電力との間で電力変換を行うインバータ13を制御する。すなわち、制御部16は、モータ3の速度(速度フィードバック)、モータ3の巻線に流れる電流(電流フィードバック)、所定のトルク指令、及びモータ3の動作プログラムなどに基づいて、モータ3の速度、トルク、もしくは回転子の位置を制御するためのスイッチング指令を生成する。制御部16によって作成された電力変換指令に基づいて、インバータ13による電力変換動作が制御される。
【0016】
また、制御部16は、電磁接触器19の開閉動作を制御する。すなわち、制御部16は、モータ駆動装置1の電源投入時は電磁接触器19に対して閉指令を出力し、モータ駆動装置1の電源オフ時は電磁接触器19に対して開指令を出力する。交流電源2とコンバータ11との間を電気的に接続する閉動作は、制御部16から閉指令を受信して電磁接触器19の接点が閉成することにより実現され、交流電源2とコンバータ11との間を電気的に遮断する開動作は、電磁接触器19の接点が開離することにより実現される。なお、制御部16により閉指令を受信した場合
にコンバータ11への交流電力の流入を遮断できるものであれば、電磁接触器19に代えて、例えばリレーやパワー半導体スイッチ素子などであってもよい。
【0017】
なお、制御部16は、例えばソフトウェアプログラム形式で構築されてもよく、あるいは各種電子回路とソフトウェアプログラムとの組み合わせで構築されてもよい。例えばこれらをソフトウェアプログラム形式で構築する場合は、モータ駆動装置1内にある演算処理装置をこのソフトウェアプログラムに従って動作させることで、上述の各部の機能を実現することができる。またあるいは、制御部16を、各部の機能を実現するソフトウェアプログラムを書き込んだ半導体集積回路として実現してもよい。また、制御部16は、例えば工作機械の数値制御装置であってもよい。
【0018】
制御電源17は、モータ3に駆動電力を供給するためのコンバータ11及びインバータ13とは別系統で設けられ、交流電源2からの交流電
力に基づいて制御部16を駆動するための直流電力を生成する。制御電源17は、ここでは図示を省略するが、例えば、交流電源2側から供給された交流電力を直流電力に変換して出力するコンバータ(整流器)とこのコンバータが出力した直流電力を制御電源17のための直流電力に変換して出力するDCDCコンバータとを備える。なお、制御電源17によって生成された直流電力は、モータ駆動装置1の他の周辺機器(図示せず)に供給されてもよい。制御電源17は、例えば3.3[V]、5[V]及び24[V]などの直流電圧を出力する。例えば、3.3[V]及び5[V]は制御部16の駆動に利用され、24[V]は、モータ3に具備されている電磁ブレーキ(図示せず)及びその他制御系などの動作に利用される。
【0019】
コンバータ11及び制御電源17と、交流電源2と、の間には、ブレーカ18が設けられる。ブレーカ18は、配線用遮断器(Molded Case Circuit Breaker)とも称される。ブレーカ18は、正常時には電路を閉成し(閉路)、過負荷や短絡などの要因でモータ駆動装置1(二次側)に異常な過電流が流れたときに電路を開放して(開路)、交流電源2(一次側)からの電源供給を遮断する。ブレーカ18の電路が開放されると、交流電源2からコンバータ11及び制御電源17それぞれへの電源供給が遮断されるので、コンバータ11はDCリンクへ直流電力を出力しなくなり、制御電源17は制御部16へ直流電力を出力しなくなる。
【0020】
コンバータ11は、交流電源2から供給された交流電力を直流電力に変換してDCリンクへ出力する。なお、交流電源2からコンバータ11への交流電力の供給は、ブレーカ18及び電磁接触器19が共に閉路状態にあるときに交流電源2とコンバータ11との間が電気的に接続されているときに行われる。ブレーカ18及び電磁接触器19のうち少なくとも1つが開路状態にあるときは、コンバータ11には交流電力は供給されない。
【0021】
コンバータ11は、供給された交流電力を直流電力に変換して出力することができるものであればよく、例えば、ダイオード整流回路、あるいは内部にスイッチング素子を備えるPWMスイッチング制御方式の整流回路などがある。コンバータ11がダイオード整流器である場合は、交流電力から直流電力への一方向のみの電力変換が可能であり、コンバータ11がPWMスイッチング制御方式の整流回路である場合は、交流電力から直流電力への電力変換及び直流電力から交流電力への電力変換の双方向の電力変換が可能である。コンバータ11は、交流電源2が三相電源である場合は三相のブリッジ回路として構成され、交流電源2が単相電源である場合は単相ブリッジ回路で構成される。コンバータ11がPWMスイッチング制御方式の整流回路である場合は、半導体スイッチング素子及びこれに逆並列に接続されたダイオードのブリッジ回路からなる。この場合、半導体スイッチング素子の例としては、FET、IGBT、サイリスタ、GTO(Gate Turn−OFF thyristor:ゲートターンオフサイリスタ)、SiC(シリコンカーバイド)、トランジスタなどがあるが、半導体スイッチング素子の種類自体は本実施形態を限定するものではなく、その他の半導体スイッチング素子であってもよい。なお、コンバータ11の交流入力側には、交流リアクトルが接続されるが、ここでは図示を省略している。
【0022】
コンバータ11の直流出力側とインバータ13の直流入力側とは、DCリンクを介して接続される。DCリンクには、コンデンサ12が設けられる。コンデンサ12は、DCリンクにおいてエネルギー(直流電力)を蓄積する機能及びコンバータ11の直流側の出力の脈動分を抑える機能を有する。コンデンサ12に電荷が充電されることにより、DCリンクに直流電力が蓄積されることになる。DCリンクに設けられるコンデンサ12の例としては、例えば電解コンデンサやフィルムコンデンサなどがある。なお、DCリンクに設けられるコンデンサ12の正負両極端子間に印加される電圧(DCリンク電圧)は制御部16によるインバータ13の制御に用いられるが、
図1ではDCリンク電圧を検出するための検出部については図示を省略している。
【0023】
インバータ13は、DCリンクにおける直流電力をモータ駆動のための交流電力に変換してモータ3へ出力する。インバータ13は、直流電力を交流電力に変換することができる構成を有していればよく、例えば、内部にスイッチング素子を備えるPWMインバータ回路などがある。インバータ13は、モータ3が三相交流モータである場合は三相のブリッジ回路として構成され、モータ3が単相モータである場合は単相ブリッジ回路で構成される。インバータ13は、制御部16からの電力変換指令を受けてDCリンクにおける直流電力をモータ駆動のための交流電力に変換してモータ3へ出力するとともにモータ回生時にはモータ3で回生された交流電力を直流電力に変換してDCリンク側へ戻す。インバータ13がPWMインバータ回路で構成される場合は、半導体スイッチング素子及びこれに逆並列に接続されたダイオードのブリッジ回路からなる。この場合、半導体スイッチング素子の例としては、FET、IGBT、サイリスタ、GTO(Gate Turn−OFF thyristor:ゲートターンオフサイリスタ)、SiC(シリコンカーバイド)、トランジスタなどがあるが、半導体スイッチング素子の種類自体は本実施形態を限定するものではなく、その他の半導体スイッチング素子であってもよい。
【0024】
放電回路14は、DCリンクにおいてコンデンサ12と並列に設けられる。放電回路14は、後述する放電回路駆動部15の切替駆動により、放電回路14とコンデンサ12とが電気的に接続されてDCリンクにおける直流電力を放電する放電動作と、放電回路14とコンデンサ12との電気的接続が切断される非放電動作と、が選択的に切り替えられる。このため、放電回路14は、放電部21と放電切替用スイッチとを有する。
図1に示す例では、放電回路14内において、高電位側に放電部21、低電位側に放電切替用スイッチを設けたが、これらは入れ替えて設けてもよい。
【0025】
図1に示す例では、放電回路14内の放電切替用スイッチは、放電回路駆動部15による切替駆動に応じて、放電部21とコンデンサ12との電気的に接続し、放電部21とコンデンサ12との電気的接続を切断する半導体スイッチ回路22−1で構成される。放電切替用スイッチとしての半導体スイッチ回路22−1は、例えば半導体スイッチング素子とこれに逆並列に接続されたダイオードとからなる。半導体スイッチング素子の例としては、FET、IGBT、サイリスタ、GTO(Gate Turn−OFF thyristor:ゲートターンオフサイリスタ)、SiC(シリコンカーバイド)、トランジスタなどがあるが、半導体スイッチング素子の種類自体は本実施形態を限定するものではなく、その他の半導体スイッチング素子であってもよい。半導体スイッチ回路22−1は、後述する放電回路駆動部15内の定電圧出力部32の高電位側端子に接続される信号入力端子を有する。放電回路14と放電回路駆動部15との詳細な接続関係については後述する。また、放電切替用スイッチの他の形態についても後述する。
【0026】
放電回路14内の放電部21は、放電切替用スイッチとしての半導体スイッチ回路22−1により放電部21とコンデンサ12とが電気的に接続されなおかつコンバータ11からの直流電力の出力が停止している状態において、DCリンクに設けられたコンデンサ12に蓄積された直流電力を放電するために設けられる。すなわち、コンバータ11からの直流電力の出力が停止しているときに半導体スイッチ回路22−1が放電部21とコンデンサ12とを電気的に接続すると、コンデンサ12と放電部21との間で閉回路が構成され、放電部21にてDCリンクにおける直流電力が消費される。放電部21は、当該放電部21に流れる電気エネルギー(電流)を他のエネルギーに変換することによって消費する機器によって構成される。放電部21の具体例としては、例えば、抵抗素子、LEDや電球などの発光機器、ブザーやスピーカなどの音響機器、及びモータなどがあるが、これら以外の機器であってもよい。
図1では、一例として放電部21を抵抗素子により構成している。
【0027】
例えば放電部21が抵抗によって構成される場合、放電部21を流れる電気エネルギーは抵抗にて熱エネルギーに変換される形で消費される。この場合、作業者は、放電部21が放電中であることを放電部21としての抵抗の発熱により認識できるので、コンデンサ12やその周辺部に触らないといった対応をとることができ、感電リスクが回避され、作業者の安全を確保することができる。
【0028】
例えば放電部21が発光機器によって構成される場合、放電部21を流れる電気エネルギーは発光機器にて光エネルギーに変換される形で消費される。この場合、作業者は、放電部21が放電中であることを放電部21としての発光機器の発光により認識できるので、コンデンサ12やその周辺部に触らないといった対応をとることができ、感電リスクが回避され、作業者の安全を確保することができる。
【0029】
例えば放電部21が音響機器によって構成される場合、放電部21を流れる電気エネルギーは音響機器にて音エネルギーに変換される形で消費される。この場合、作業者は、放電部21が放電中であることを放電部21としての音響機器が発する音により認識できるので、コンデンサ12やその周辺部に触らないといった対応をとることができ、感電リスクが回避され、作業者の安全を確保することができる。
【0030】
例えば放電部21がモータによって構成される場合、放電部21を流れる電気エネルギーはモータにて運動エネルギーに変換される形で消費される。例えば放電部21としてのモータに振動板を付ければ、放電部21を流れる電気エネルギーを振動エネルギーに変換することができる。この場合、作業者は、放電部21が放電中であることを放電部21としてのモータに取り付けられた振動板の振動により認識できるので、コンデンサ12やその周辺部に触らないといった対応をとることができ、感電リスクが回避され、作業者の安全を確保することができる。
【0031】
なお、放電部21は、電気エネルギーをここで例示した以外の他のエネルギーとして変換するものであってもよい。
【0032】
放電回路駆動部15は、放電回路14の放電動作と非放電動作との切替駆動を行う。放電回路駆動部15による切替駆動のための駆動電力として、DCリンクに設けられたコンデンサ12に蓄積された直流電力が用いられる。放電回路駆動部15は、制御電源17からの電力の消失時に、放電回路14に対して非放電動作から放電動作に切り替える切替駆動を行う構成を有する。より詳細に説明すると次の通りである。
【0033】
図1に示すように、放電回路駆動部15は、電流制限抵抗31と、定電圧出力部32と、電源消失検出用スイッチと、を備える。
【0034】
電流制限抵抗31は、コンデンサ12の正側端子に接続される第1端子と、第1端子から入力された電流が出力される第2端子と、を有する。放電回路駆動部15内の電流制限抵抗31の抵抗値は、放電回路14内の放電部21の抵抗値よりも大きい値に設定される。一例を挙げると、放電回路駆動部15内の電流制限抵抗31は数十kΩ〜数百kΩであり、放電回路14内の放電部21は数Ω〜数十Ωである。ここで挙げた数値はあくまでも一例であって、その他の数値であってもよい。
【0035】
定電圧出力部32は、電流制限抵抗31の第2端子に接続される高電位側端子と、コンデンサ12の負側端子に接続される低電位側端子と、を有する。定電圧出力部32は、高電位側端子と低電位側端子との間に所定の定電圧を出力する。定電圧出力部32は、例えば、高電位側端子がカソードとなり、低電位側端子がアノードとなるように接続されたツェナーダイオードからなる。ツェナーダイオードは、定電圧ダイオード(Reference Diode)とも称される。ツェナーダイオードは、順バイアス方向に電圧が印加される場合は通常のダイオードとほぼ同様の特性を示すが、逆バイアス方向に印加される電圧が降伏電圧(ツェナー電圧)を超える場合はアバランシェ降伏により急激に電流が流れる特性を示す。定電圧出力部32としてのツェナーダイオードは、カソードが電流制限抵抗31の第2端子及び放電回路14内の放電切替用スイッチである半導体スイッチ回路22−1の信号入力端子に接続され、アノードがコンデンサ12の負側端子に接続される。よって、電流制限抵抗31の第2端子及び半導体スイッチ回路22−1の信号入力端子からコンデンサ12の負側端子に向う方向が、ツェナーダイオードの逆バイアス方向となる。定電圧出力部32としてのツェナーダイオードに印加される電圧が、当該ツェナーダイオードの降伏電圧を超える場合、アバランシェ降伏により急激に電流が流れ、定電圧出力部32の高電位側端子であるツェナーダイオードのカソードには、降伏電圧に相当する定電圧が現れる。定電圧出力部32の高電位側端子であるツェナーダイオードのカソードには、放電回路14内の放電切替用スイッチである半導体スイッチ回路22−1の信号入力端子が接続されているので、降伏電圧に相当する定電圧は、半導体スイッチ回路22−1内の半導体スイッチング素子の信号入力端子に印加される。本実施形態では、半導体スイッチ回路22−1内の半導体スイッチング素子がオンするような電圧を定電圧出力部32が出力できるよう、ツェナーダイオード及び電流制限抵抗31を選定しておく。なお、ツェナーダイオードに代えて、バリスタ(Varistor)、シリーズレギュレータ、または三端子レギュレータなどで定電圧出力部32を構成してもよい。
【0036】
放電回路駆動部15内の電源消失検出用スイッチは、
図1に示す例では、制御電源17から出力される電流により発光する発光素子と、発光素子から光を受光したときに入力端子と出力端子との間が通電する受光素子とを有するフォトカプラ33−1にて構成される。電源消失検出用スイッチとしてのフォトカプラ33−1は、電流制限抵抗31の第2端子に接続される入力端子と、コンデンサ12の負側端子に接続される出力端子と、を有する。フォトカプラ33−1の発光素子は、制御電源17が制御部16を動作させるための電力を供給するための電源線からの引き出し線に、抵抗34を介して接続される。フォトカプラ33−1の受光素子の入力端子は、電流制限抵抗31の第2端子、定電圧出力部32の高電位側端子、及び放電切替用スイッチである半導体スイッチ回路22−1の信号入力端子に接続される。また、フォトカプラ33−1の受光素子の出力端子は、コンデンサ12の負側端子及び定電圧出力部32の低電位側端子に接続される。制御電源17から電流が出力されているときはフォトカプラ33−1の発光素子は発光するので、受光素子はこれを受光して入力端子と出力端子との間が通電する。制御電源17から電流が出力されていないときはフォトカプラ33−1の発光素子は発光しないので、受光素子は受光せず入力端子と出力端子との間は通電しない。
【0037】
上述したコンデンサ12と、放電回路14と、放電回路駆動部15との接続関係をまとめると次の通りである。コンデンサ12の正側端子と、放電回路駆動部15内の電流制限抵抗31の第1端子とが接続される。放電回路駆動部15内の電流制限抵抗31の第2端子と、定電圧出力部32の高電位側端子であるツェナーダイオードのカソードと、フォトカプラ33−1の受光素子の入力端子と、半導体スイッチ回路22−1の信号入力端子とが接続される。コンデンサ12の低電位側端子と、定電圧出力部32の低電位側端子であるツェナーダイオードのアノードとが接続される。
【0038】
続いて、本開示の第1の実施形態によるモータ駆動装置1の動作について説明する。
【0039】
モータ駆動装置1がモータ3を駆動している状態においては、ブレーカ18及び電磁接触器19は共に閉路状態にあり交流電源2とコンバータ11との間が電気的に接続され、コンバータ11は交流電源2から供給された交流電力を直流電力に変換してDCリンクへ出力する。インバータ13は、制御部16からの電力変換指令を受けて、DCリンクにおける直流電力をモータ駆動のための交流電力に変換してモータ3へ出力する電力変換動作(力行動作)、または、モータ3で回生された交流電力を直流電力に変換してDCリンク側へ戻す電力変換動作(回生動作)を行う。制御部16は、制御電源17から供給された電力によって動作している。したがって、制御電源17から制御部16へ電力が供給されているので、電源消失検出用スイッチとしてのフォトカプラ33−1の発光素子には電流が流れて発光する。このとき、フォトカプラ33−1の受光素子は発光素子の光を受光するので、入力端子と出力端子との間が通電する。よって、電流制限抵抗31の第2端子と、フォトカプラ33−1の受光素子の入力端子と、当該受光素子の出力端子と、定電圧出力部32の低電位側端子であるツェナーダイオードのアノードと、定電圧出力部32の高電位側端子であるツェナーダイオードのカソードとで、閉回路が構成される。つまり、電流制限抵抗31の第2端子と定電圧出力部32の高電位側端子であるツェナーダイオードのカソードとは短絡している。そのため、これら電流制限抵抗31の第2端子及び定電圧出力部32の高電位側端子に接続された半導体スイッチ回路22−1の信号入力端子には、電圧が印加されない。よって、半導体スイッチ回路22−1内の半導体スイッチング素子はオフしたままとなり、放電部21とコンデンサ12との間では閉回路は構成されないことから、コンデンサ12には放電部21は電気的には接続されず、コンデンサ12に蓄積された電力は放電部21では放電されない(非放電動作)。
【0040】
過負荷や短絡などの要因でモータ駆動装置1に異常な過電流が流れると、ブレーカ18は電路を開放し、制御電源17及びコンバータ11には交流電源2の交流電力が供給されなくなる。また、交流電源2に停電が発生した場合も、制御電源17及びコンバータ11には交流電源2の交流電力が供給されなくなる。制御電源17は、交流電源2の交流電力が供給されないので、制御部16を動作させるための電力を出力しなくなる。よって、フォトカプラ33−1の発光素子には電流が流れず、発光しない。フォトカプラ33−1の受光素子は、発光素子の光を受光しないので、入力端子と出力端子との間は通電しない。そのため、コンデンサ12に印加される電圧は、電流制限抵抗31と定電圧出力部32であるツェナーダイオードとの直列回路に印加される。定電圧出力部32であるツェナーダイオードに印加される電圧が、当該ツェナーダイオードの降伏電圧を超える場合、アバランシェ降伏により急激に電流が流れ、定電圧出力部32の高電位側端子であるツェナーダイオードのカソードには、降伏電圧に相当する定電圧が現れる。定電圧出力部32の高電位側端子であるツェナーダイオードのカソードには、放電切替用スイッチである半導体スイッチ回路22−1の信号入力端子が接続されている。よって、半導体スイッチ回路22−1の信号入力端子には、定電圧出力部32であるツェナーダイオードの降伏電圧に相当する定電圧が印加されるので、半導体スイッチ回路22−1内の半導体スイッチング素子はオンする。また、コンバータ11にも交流電源2の交流電力が供給されなくなるので、コンバータ11からの直流電力の出力が停止している。よって、放電部21とコンデンサ12との間で閉回路が構成される。その結果、コンデンサ12と放電部21とが電気的に接続され、コンデンサ12に蓄積された電力は放電部21にて放電される(放電動作)。
【0041】
以上説明したように、過負荷や短絡などの要因でモータ駆動装置1に異常な過電流が流れてブレーカ18が電路を開放した場合や交流電源2に停電が発生した場合、制御電源17及びコンバータ11には交流電源2の交流電力が供給されなくなり、制御電源17から制御部16への電力が消失する。本実施形態では、制御電源17からの制御部16への駆動電力の消失を、電源消失検出用スイッチとしてのフォトカプラ33−1で検知し、この検知結果を放電回路14内の放電切替用スイッチである半導体スイッチ回路22−1の信号入力端子に電気的に伝えてコンデンサ12と放電回路14内の放電部21とを電気的に接続する。本実施形態では、コンデンサ12に蓄積された直流電力に基づき、定電圧出力部32の高電位側端子であるツェナーダイオードのカソードに発生させ、この電圧にて半導体スイッチ回路22−1の半導体スイッチング素子をオンすることで、放電回路14を非放電動作から放電動作に切り替える。つまり、放電回路駆動部15による切替駆動のための駆動電力は、DCリンクに設けられたコンデンサ12に蓄積された直流電力が用いられる。よって、本実施形態によれば、放電回路を非放電動作から放電動作に切り替えるための電力を供給する専用の電源バックアップ回路を設ける必要がなく、回路実装面積や部品点数は増加せず、低コストである。また、放電回路駆動部15の構成は、電源バックアップ回路の構成よりも簡潔であり、部品点数が少ないので、故障のリスクが低く、信頼性が高い。また、放電回路14内の放電部21にてコンデンサ12に蓄積された直流電力を放電させることで放電時間を短縮するので、モータ駆動装置
1の電源オフ後や停電発生後に早期に保守交換作業や復旧作業に着手することができ、感電のリスクは低減され、作業効率も向上する。例えば、放電回路14内の放電部21を、LEDや電球などの発光機器、ブザーやスピーカなどの音響機器、及びモータなどで構成すれば、放電期間中はこれら機器が放電中であることを作業者に見える形で作用するので、作業者に感電リスクを注意喚起することができ、安全性が確保される。また、モータ駆動装置
1の通常運転時には放電回路14では放電は行われないので、無駄な消費電力は発生せず、効率的である。このように、本実施形態によれば、電源消失時において、コンバータ11とインバータ13との間のDCリンクに設けられたコンデンサ12を早期かつ確実に放電させることができる低コストで信頼性の高いモータ駆動装置1を実現することができる。
【0042】
なお、過負荷や短絡などの要因でモータ駆動装置1に異常な過電流が流れてブレーカ18が電路を開放した場合や交流電源2に停電が発生した場合に加えて、さらに、モータ駆動装置1の動作を正常に停止させる場合にも上述のような放電が行われるようにしてもよい。例えば、制御電源17に入力される交流電力を、電磁接触器19とコンバータ11から取り込むようにすれば、モータ駆動装置1の動作を正常に停止させるために電磁接触器19を開状態にすると制御電源17及びコンバータ11には交流電源2の交流電力が供給されなくなるので、放電回
路14及び放電回路
駆動部15に上述の動作を行わせることもできる。また、制御部16からインバータ13に対して停止指令が出力されたとき、当該停止指令を所定の大きさを有する電流まで増幅させてフォトカプラ33−1の発光素子に流すことによっても、放電回
路14及び放電回路
駆動部15に上述の動作を行わせることもできる。
【0043】
図1に示した第1の実施形態では、放電回路駆動部15内の電源消失検出用スイッチとしてフォトカプラ33−1を用いたが、フォトカプラ33−1に代えて、A接点リレーを電源消失検出用スイッチとして用いてもよい。
図2は、本開示の第1の実施形態によるモータ駆動装置における放電回路駆動部のさらなる形態を示す図である。
図2に示すように、放電回路駆動部15内の電源消失検出用スイッチは、A接点リレー33−2からなる。A接点リレー33−2は、電流が流れているときは接点がオンし電流が流れていないときは接点がオフする「ノーマリーオフ」型のリレーである。電源消失検出用スイッチとしてのA接点リレー33−2は、制御電源17から電流が出力されているときは接点がオンして入力端子と出力端子との間は通電し、制御電源17から電流が出力されていないときは接点がオフして入力端子と出力端子との間は通電しない。よって、放電回路駆動部15内の電源消失検出用スイッチをA接点リレー33−2で構成しても、
図1を参照して説明したフォトカプラ33−1と同様の動作を実現することができる。なお、A接点リレー33−2以外の回路構成要素については
図1に示す回路構成要素と同様であるので、同一の回路構成要素には同一符号を付して当該回路構成要素についての詳細な説明は省略する。
【0044】
また、
図1に示した第1の実施形態では、放電回路14内の放電切替用スイッチとして半導体スイッチ回路22−1を用いたが、半導体スイッチ回路22−1に代えて、A接点リレーを放電切替用スイッチとして用いてもよい。
図3は、本開示の第1の実施形態によるモータ駆動装置における放電回路のさらなる形態を示す図である。
図3に示すように、放電回路14内の放電切替用スイッチは、A接点リレー22−2からなる。A接点リレー22−2は、電流が流れているときは接点がオンし電流が流れていないときは接点がオフする「ノーマリーオフ」型のリレーである。放電切替用スイッチとしてのA接点リレー22−2は、定電圧出力部32が出力した定電圧が印加されているときは接点がオンしてコンデンサ12と放電部21とを電気的に接続し、定電圧出力部32が出力した定電圧が印加されていないときは接点がオフしてコンデンサ12と放電部21との電気的接続を切断する。よって、放電回路14内の放電切替用スイッチをA接点リレー22−2で構成しても、
図1を参照して説明した半導体スイッチ回路22−1と同様の動作を実現することができる。なお、A接点リレー22−2以外の回路構成要素については
図1に示す回路構成要素と同様であるので、同一の回路構成要素には同一符号を付して当該回路構成要素についての詳細な説明は省略する。
【0045】
図2を参照して説明した電源消失検出用スイッチとしてのA接点リレー33−2と、
図3を参照して説明した放電切替用スイッチとしてのA接点リレー22−2とを組み合わせて、第1の実施形態における放電回路駆動部15及び放電回路14を実現してもよい。
図4は、本開示の第1の実施形態によるモータ駆動装置における放電回路及び放電回路駆動部のさらなる形態を示す図である。
図4に示すように、放電回路駆動部15内の電源消失検出用スイッチはA接点リレー33−2からなり、放電回路14内の放電切替用スイッチはA接点リレー22−2からなる。電源消失検出用スイッチとしてのA接点リレー33−2は、制御電源17から電流が出力されているときは接点がオンして入力端子と出力端子との間は通電し、制御電源17から電流が出力されていないときは接点がオフして入力端子と出力端子との間は通電しない。放電切替用スイッチとしてのA接点リレー22−2は、定電圧出力部32が出力した定電圧が印加されているときは接点がオンしてコンデンサ12と放電部21とを電気的に接続し、定電圧出力部32が出力した定電圧が印加されていないときは接点がオフしてコンデンサ12と放電部21との電気的接続を切断する。よって、放電回路駆動部15内の電源消失検出用スイッチをA接点リレー33−2で構成し放電回路14内の放電切替用スイッチをA接点リレー22−2で構成しても、
図1を参照して説明したフォトカプラ33−1及び半導体スイッチ回路22−1と同様の動作を実現することができる。なお、A接点リレー22−2及びA接点リレー33−2以外の回路構成要素については
図1に示す回路構成要素と同様であるので、同一の回路構成要素には同一符号を付して当該回路構成要素についての詳細な説明は省略する。
【0046】
続いて、本開示の第2の実施形態によるモータ駆動装置の回路構成について説明する。上述の第1の実施形態では電源消失検出用スイッチを、
図1もしくは
図3に示すフォトカプラ33−1または
図2もしくは
図4に示すA接点リレー33−2にて構成した。本開示の第2の実施形態では、フォトカプラ33−1またはA接点リレー33−2に代えて、B接点リレーにて電源消失検出用スイッチを構成する。
【0047】
図5は、本開示の第2の実施形態によるモータ駆動装置を示す図である。
【0048】
図5では、
図1及び
図3を参照して説明して説明したフォトカプラ33−1に代えて、B接点リレー33−3にて電源消失検出用スイッチを構成する。
図5に示すように、放電回路駆動部15は、電流制限抵抗31と、定電圧出力部32と、電源消失検出用スイッチとしてのB接点リレー33−3と、を備える。
【0049】
電流制限抵抗31は、コンデンサ12の正側端子に接続される第1端子と、第1端子から入力された電流が出力される第2端子と、を有する。
【0050】
電源消失検出用スイッチとしてのB接点リレー33−3は、電流が流れているときは接点がオフし電流が流れていないときは接点がオンする「ノーマリーオン」型のリレーである。B接点リレー33−3は、電流制限抵抗31の第2端子に接続される入力端子と、通電時に入力端子に入力された電流が出力される出力端子と、を有する。B接点リレー33−3は、制御電源17から電流が出力されているときは接点がオフして入力端子と出力端子との間が通電し、制御電源17から電流が出力されていないときは接点がオンして入力端子と出力端子との間は通電しない。
【0051】
定電圧出力部32は、電源消失検出用スイッチであるB接点リレー33−3の出力端子に接続される高電位側端子と、コンデンサ12の負側端子に接続される低電位側端子と、を有する。定電圧出力部32は、高電位側端子と低電位側端子との間に所定の定電圧を出力する。定電圧出力部32は、例えば、高電位側端子がカソードとなり、低電位側端子がアノードとなるように接続されたツェナーダイオードからなる。定電圧出力部32としてのツェナーダイオードは、カソードがB接点リレー33−3の出力端子及び放電回路14内の放電切替用スイッチである半導体スイッチ回路22−1の信号入力端子に接続され、アノードがコンデンサ12の負側端子に接続される。よって、B接点リレー33−3の出力端子及び半導体スイッチ回路22−1の信号入力端子からコンデンサ12の負側端子に向う方向が、ツェナーダイオードの逆バイアス方向となる。定電圧出力部32としてのツェナーダイオードに印加される電圧が、当該ツェナーダイオードの降伏電圧を超える場合、アバランシェ降伏により急激に電流が流れ、定電圧出力部32の高電位側端子であるツェナーダイオードのカソードには、降伏電圧に相当する定電圧が現れる。定電圧出力部32の高電位側端子であるツェナーダイオードのカソードには、放電回路14内の放電切替用スイッチである半導体スイッチ回路22−1の信号入力端子が接続されているので、降伏電圧に相当する定電圧は、半導体スイッチ回路22−1内の半導体スイッチング素子の信号入力端子に印加されるが、本実施形態では、半導体スイッチ回路22−1内の半導体スイッチング素子がオンするような電圧を定電圧出力部32が出力できるよう、ツェナーダイオード及び電流制限抵抗31を選定しておく。なお、ツェナーダイオードに代えて、バリスタ(Varistor)、シリーズレギュレータ、または三端子レギュレータなどで定電圧出力部32を構成してもよい。
【0052】
上述したコンデンサ12と、放電回路14と、放電回路駆動部15との接続関係をまとめると次の通りである。コンデンサ12の正側端子と、放電回路駆動部15内の電流制限抵抗31の第1端子とが接続される。放電回路駆動部15内の電流制限抵抗31の第2端子と、電源消失検出用スイッチとしてのB接点リレー33−3の入力端子とが接続される。電源消失検出用スイッチとしてのB接点リレー33−3の出力端子と、定電圧出力部32の高電位側端子であるツェナーダイオードのカソードと、半導体スイッチ回路22−1の信号入力端子とが接続される。コンデンサ12の低電位側端子と、定電圧出力部32の低電位側端子であるツェナーダイオードのアノードとが接続される。
【0053】
続いて、本開示の第2の実施形態によるモータ駆動装置1の動作について説明する。
【0054】
モータ駆動装置1がモータ3を駆動している状態においては、ブレーカ18及び電磁接触器19は共に閉路状態にあり交流電源2とコンバータ11との間が電気的に接続され、コンバータ11は交流電源2から供給された交流電力を直流電力に変換してDCリンクへ出力する。インバータ13は、制御部16からの電力変換指令を受けて、DCリンクにおける直流電力をモータ駆動のための交流電力に変換してモータ3へ出力する電力変換動作(力行動作)、または、モータ3で回生された交流電力を直流電力に変換してDCリンク側へ戻す電力変換動作(回生動作)を行う。制御部16は、制御電源17から供給された電力によって動作している。したがって、制御電源17から制御部16へ電力が供給されているので、電源消失検出用スイッチとしてのB接点リレー
33−3の接点はオフし、入力端子と出力端子との間は通電しない。そのため、定電圧出力部32の高電位側端子に接続された半導体スイッチ回路22−1の信号入力端子には、電圧が印加されない。よって、半導体スイッチ回路22−1内の半導体スイッチング素子はオフしたままとなり、放電部21とコンデンサ12との間では閉回路は構成されないことから、コンデンサ12には放電部21は電気的には接続されず、コンデンサ12に蓄積された電力は放電部21では放電されない(非放電動作)。
【0055】
過負荷や短絡などの要因でモータ駆動装置1に異常な過電流が流れると、ブレーカ18は電路を開放し、制御電源17及びコンバータ11には交流電源2の交流電力が供給されなくなる。また、交流電源2に停電が発生した場合も、制御電源17及びコンバータ11には交流電源2の交流電力が供給されなくなる。制御電源17には交流電源2の交流電力が供給されなくなると、制御電源17は、制御部16を動作させるための電力を出力しなくなる。よって、電源消失検出用スイッチであるB接点リレー
33−3の接点はオンし、入力端子と出力端子との間が通電する。そのため、コンデンサ12に印加される電圧は、電流制限抵抗31と定電圧出力部32であるツェナーダイオードとの直列回路に印加される。定電圧出力部32であるツェナーダイオードに印加される電圧が、当該ツェナーダイオードの降伏電圧を超える場合、アバランシェ降伏により急激に電流が流れ、定電圧出力部32の高電位側端子であるツェナーダイオードのカソードには、降伏電圧に相当する定電圧が現れる。定電圧出力部32の高電位側端子であるツェナーダイオードのカソードには、放電切替用スイッチである半導体スイッチ回路22−1の信号入力端子が接続されている。よって、半導体スイッチ回路22−1の信号入力端子には、定電圧出力部32であるツェナーダイオードの降伏電圧に相当する定電圧が印加されるので、半導体スイッチ回路22−1内の半導体スイッチング素子はオンする。また、コンバータ11にも交流電源2の交流電力が供給されなくなるので、コンバータ11からの直流電力の出力が停止する。よって、放電部21とコンデンサ12との間で閉回路が構成される。その結果、コンデンサ12と放電部21とが電気的に接続され、コンデンサ12に蓄積された電力は放電部21にて放電される(放電動作)。なお、放電回路14及び放電回路駆動部15以外の回路構成要素については
図5に示す回路構成要素と同様であるので、同一の回路構成要素には同一符号を付して当該回路構成要素についての詳細な説明は省略する。
【0056】
このように
図5を参照して説明した第2の実施形態によっても、第1の実施形態と同様の放電回路14の放電動作及び非放電動作を実現することができる。
【0057】
図2に示した第2の実施形態では、放電回路14内の放電切替用スイッチとして半導体スイッチ回路22−1を用いたが、半導体スイッチ回路22−1に代えて、A接点リレーを放電切替用スイッチとして用いてもよい。
図6は、本開示の第2の実施形態によるモータ駆動装置における放電回路のさらなる形態を示す図である。
図6に示すように、放電回路14内の放電切替用スイッチは、A接点リレー22−2からなる。放電切替用スイッチとしてのA接点リレー22−2は、定電圧出力部32が出力した定電圧が印加されているときは接点がオンしてコンデンサ12と放電部21とを電気的に接続し、定電圧出力部32が出力した定電圧が印加されていないときは接点がオフしてコンデンサ12と放電部21との電気的接続を切断する。よって、放電回路14内の放電切替用スイッチをA接点リレー22−2としても、
図5を参照して説明した半導体スイッチ回路22−1と同様の動作を実現することができる。なお、A接点リレー22−2以外の回路構成要素については
図5に示す回路構成要素と同様であるので、同一の回路構成要素には同一符号を付して当該回路構成要素についての詳細な説明は省略する。