特許第6863953号(P6863953)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6863953テンター装置及びそれを用いた熱処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6863953
(24)【登録日】2021年4月5日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】テンター装置及びそれを用いた熱処理装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 55/08 20060101AFI20210412BHJP
   B29C 55/12 20060101ALI20210412BHJP
   B65H 20/16 20060101ALI20210412BHJP
   B29L 31/12 20060101ALN20210412BHJP
【FI】
   B29C55/08
   B29C55/12
   B65H20/16
   B29L31:12
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-212436(P2018-212436)
(22)【出願日】2018年11月12日
(65)【公開番号】特開2020-78881(P2020-78881A)
(43)【公開日】2020年5月28日
【審査請求日】2020年6月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】390002015
【氏名又は名称】ヒラノ技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【弁理士】
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【弁理士】
【氏名又は名称】前澤 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100203091
【弁理士】
【氏名又は名称】水鳥 正裕
(72)【発明者】
【氏名】中島 健二
【審査官】 正 知晃
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−264647(JP,A)
【文献】 特開2010−046911(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 55/00−55/30
D06B 1/00−23/30
B65H 20/00−20/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエブの搬送路の搬入側に設けられた左右一対の第1スプロケットと、
前記搬送路の搬出側に設けられ、前後方向への移動が固定されたた左右一対の第2スプロケットと、
左右一対の前記第2スプロケットの外側に配された左右一対の第3スプロケットと、
左右一対の前記第1スプロケットの外側に配された左右一対の第4スプロケットと、
前記ウエブを前後方向に走行させるために、左右一対の前記第1スプロケット、左右一対の前記第2スプロケット、左右一対の前記第3スプロケット、左右一対の前記第4スプロケットにそれぞれ架け渡された左右一対の無端状のテンターチェーンと、
左右一対の前記テンターチェーンに所定間隔毎にそれぞれ取り付けられ、前記ウエブの両耳部を固定する左右一対の固定部材と、
左右一対の前記第1スプロケットと左右一対の前記第2スプロケットの間に配され、前記固定部材が走行する複数のテンターレールと、
左右一対の前記第1スプロケットを前後方向のそれぞれと左右方向のそれぞれに移動させる第1スプロケット移動手段と、
を有し、
前記第1スプロケットは、第1スプロケット台から突出した第1軸部に回転自在に支持され、
前記第2スプロケットは、第2スプロケット台から突出した第2軸部に回転自在に支持され、
搬入側の前記テンターレールの端部は、前記第1スプロケット台に固定され、
搬出側の前記テンターレールの端部は、前記第2スプロケット台に固定されている、
テンター装置。
【請求項2】
前記第1スプロケット移動手段は、
前記第1スプロケット台の下面の前部に設けられ、基台の上を走行するキャスターと、
前記第1スプロケット台の下面から前後方向に設けられたスプロケットレールと、
前記基台の上に左右方向に回転自在に設けられたネジ棒と、
前記ネジ棒が螺合する雌ネジ部を有すると共に、前記スプロケットレールに沿って移動する幅移動部と、
前記ネジ棒を回転させる回転手段と、
を有する請求項に記載のテンター装置。
【請求項3】
前記幅移動部の上に移動軸が突出し、
前記移動軸に回転自在に移動ベアリングが設けられ、
前記移動ベアリングが前記スプロケットレール内を前後方向に移動する、
請求項に記載のテンター装置。
【請求項4】
前記基台は、
前記キャスターが走行するキャスター台と、
前記ネジ棒が設けられたスライド台と、
を含み、前記キャスター台と前記スライド台との間には段差があり、
前記キャスター台が前記スライド台より高い位置に設けられている、
請求項に記載のテンター装置。
【請求項5】
前記回転手段は、ハンドル、又はモータである、
請求項に記載のテンター装置。
【請求項6】
ウエブの搬送路の搬入側に設けられた左右一対の第1スプロケットと、
前記搬送路の搬出側に設けられ、前後方向への移動が固定されたた左右一対の第2スプロケットと、
左右一対の前記第2スプロケットの外側に配された左右一対の第3スプロケットと、
左右一対の前記第1スプロケットの外側に配された左右一対の第4スプロケットと、
前記ウエブを前後方向に走行させるために、左右一対の前記第1スプロケット、左右一対の前記第2スプロケット、左右一対の前記第3スプロケット、左右一対の前記第4スプロケットにそれぞれ架け渡された左右一対の無端状のテンターチェーンと、
左右一対の前記テンターチェーンに所定間隔毎にそれぞれ取り付けられ、前記ウエブの両耳部を固定する左右一対の固定部材と、
左右一対の前記第1スプロケットと左右一対の前記第2スプロケットの間に配され、前記固定部材が走行する複数のテンターレールと、
左右一対の前記第1スプロケットを前後方向にそれぞれ移動させる第1スプロケット移動手段と、
を有し、
前記第4スプロケットは、第4スプロケット台から突出した第4軸部に回転自在に支持され、
前記第4スプロケット台を搬入方向に押圧する張力付与手段がが設けられている、
テンター装置。
【請求項7】
前記固定部材は、ピン、又はクリップで前記ウエブの両耳部を固定する、
請求項1又は6に記載のテンター装置。
【請求項8】
請求項1又は6に前記テンター装置と熱処理室を有する熱処理装置であって、
左右一対の前記第1スプロケットから左右一対の前記第2スプロケットまでの往路における左右一対の前記テンターチェーンが、前記熱処理室の内部に配され、
左右一対の前記第3スプロケットから左右一対の前記第4スプロケットまでの帰路における左右一対の前記テンターチェーンが、前記熱処理室の外部に配されている、
熱処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム、布帛、紙などのウエブをクリップで把持して移動させるテンター装置及びそれを用いた熱処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ウエブの両耳部を支持する複数のクリップやピンからなる固定部材と、固定部材を連結するテンターチェーンと、テンターチェーンで連結された固定部材を走行させるテンターレールとを備え、テンターレール上をテンターチェーンが走行することによって、固定部材で固定されたウエブを走行させるテンター装置が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−319648号公報
【特許文献2】特開2010−247393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなテンター装置において、左右一対の搬入側のスプロケットと左右一対の搬出側のスプロケットの間にある左右一対の複数のテンターレールの間隔を、広げたり、狭めたりして、両スプロケットの間の距離が変化した場合や、また、往路のテンターチェーンの長さが、熱処理室に配置されているため高温により伸びて長さが変化した場合に、その変化分を吸収しなければならないという問題点があった。
【0005】
そこで本発明は上記問題点に鑑み、搬入側のスプロケットと搬出側のスプロケットの間の距離が変化した場合に、その変化分を吸収できるテンター装置及びそれを用いた熱処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ウエブの搬送路の搬入側に設けられた左右一対の第1スプロケットと、前記搬送路の搬出側に設けられ、前後方向への移動が固定されたた左右一対の第2スプロケットと、左右一対の前記第2スプロケットの外側に配された左右一対の第3スプロケットと、左右一対の前記第1スプロケットの外側に配された左右一対の第4スプロケットと、前記ウエブを前後方向に走行させるために、左右一対の前記第1スプロケット、左右一対の前記第2スプロケット、左右一対の前記第3スプロケット、左右一対の前記第4スプロケットにそれぞれ架け渡された左右一対の無端状のテンターチェーンと、左右一対の前記テンターチェーンに所定間隔毎にそれぞれ取り付けられ、前記ウエブの両耳部を固定する左右一対の固定部材と、左右一対の前記第1スプロケットと左右一対の前記第2スプロケットの間に配され、前記固定部材が走行する複数のテンターレールと、左右一対の前記第1スプロケットを前後方向のそれぞれと左右方向のそれぞれに移動させる第1スプロケット移動手段と、を有し、前記第1スプロケットは、第1スプロケット台から突出した第1軸部に回転自在に支持され、前記第2スプロケットは、第2スプロケット台から突出した第2軸部に回転自在に支持され、搬入側の前記テンターレールの端部は、前記第1スプロケット台に固定され、搬出側の前記テンターレールの端部は、前記第2スプロケット台に固定されている、熱処理装置である。また、本発明は、ウエブの搬送路の搬入側に設けられた左右一対の第1スプロケットと、前記搬送路の搬出側に設けられ、前後方向への移動が固定されたた左右一対の第2スプロケットと、左右一対の前記第2スプロケットの外側に配された左右一対の第3スプロケットと、左右一対の前記第1スプロケットの外側に配された左右一対の第4スプロケットと、前記ウエブを前後方向に走行させるために、左右一対の前記第1スプロケット、左右一対の前記第2スプロケット、左右一対の前記第3スプロケット、左右一対の前記第4スプロケットにそれぞれ架け渡された左右一対の無端状のテンターチェーンと、左右一対の前記テンターチェーンに所定間隔毎にそれぞれ取り付けられ、前記ウエブの両耳部を固定する左右一対の固定部材と、左右一対の前記第1スプロケットと左右一対の前記第2スプロケットの間に配され、前記固定部材が走行する複数のテンターレールと、左右一対の前記第1スプロケットを前後方向のそれぞれと左右方向のそれぞれに移動させる第1スプロケット移動手段と、を有し、前記第4スプロケットは、第4スプロケット台から突出した第4軸部に回転自在に支持され、前記第4スプロケット台を搬入方向に押圧する張力付与手段がが設けられている、テンター装置である。
【0007】
また、本発明は、上記発明のテンター装置と熱処理室を有する熱処理装置であって、左右一対の前記第1スプロケットから左右一対の前記第2スプロケットまでの往路における左右一対の前記テンターチェーンが、前記熱処理室の内部に配され、左右一対の前記第3スプロケットから左右一対の前記第4スプロケットまでの帰路における左右一対の前記テンターチェーンが、前記熱処理室の外部に配されている、熱処理装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、搬入側の第1スプロケットと搬出側の第2スプロケットの間の距離が変化しても、その変化分を吸収できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】狭い幅のウエブを搬送する状態のテンター装置の平面図である。
図2】広い幅のウエブを搬送する状態のテンター装置の平面図である。
図3】固定部材とテンターレールの縦断面図である。
図4】第1スプロケットの平面図である
図5】第1スプロケットの前面図である。
図6図4のA−A線断面図である。
図7】搬入スプロケットの一部欠裁前面図である。
図8】搬入スプロケット台の裏面図である。
図9】第1レールと第4レールとテンターレールの関係を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態のテンター装置10を有する熱処理装置1について図1図9を参照して説明する。熱処理装置1は、テンター装置10によって拡布状態でウエブWを前後方向に搬送させ、熱処理室12内部に搬入し、熱処理し、その後に搬出する。ウエブWは、フィルム、布帛、紙などである。以下の説明では、ウエブWの幅方向、すなわち、テンター装置10の左右方向をx軸方向、搬入側から搬出側にウエブWが走行する方向を前後方向、すなわちy軸方向という。
【0011】
(1)テンター装置10と熱処理室12
テンター装置10と熱処理室12の概要について図1図2を参照して説明する。
【0012】
テンター装置10は、図1図2に示すように、左右一対のテンターチェーン14,14を有し、左右一対のテンターチェーン14に設けられている複数の固定部材16を走行させ、左右一対の固定部材16,16の間にウエブWを拡布状態で取り付け、搬送路の搬入側から搬出側に走行させる。
【0013】
図1図2に示すように、左右一対のテンターチェーン14,14の往路は、直方体状の熱処理室12の内部を通るように配され、復路は熱処理室12の外側を通るように配されている。
【0014】
左右一対のテンターチェーン14,14を走行させる構造は左右対称であるため、以下の説明では、左側のテンターチェーン14を走行させる構造について説明する。
【0015】
図1図2に示すように、熱処理室12の搬入側には、第1スプロケット18が配されている。
【0016】
図1図2に示すように、熱処理室12の搬出側には、第2スプロケット20が配されている。第2スプロケット20は、駆動スプロケットであり不図示のモータによって回転し、無端状のテンターチェーン14を走行させる。そして、この第2スプロケット20は、前後方向(y軸方向)には固定され、左右方向(x軸方向)にはウエブWの幅に併せて移動可能である。
【0017】
搬出側の第2スプロケット20の外側、すなわち熱処理室12よりも外側に第3スプロケット22が配されている。この第3スプロケット22は、左右方向(x軸方向)と前後方向(y軸方向)共に固定されている。
【0018】
搬入側の第1スプロケット18の外側、すなわち熱処理室12よりも外側に第4スプロケット24が配されている。
【0019】
搬入スプロケット28と第1スプロケット18との間には、第1レール201が設けられている。
【0020】
第2スプロケット20と第3スプロケット22の間には、搬出スプロケット26が配されている。
【0021】
第4スプロケット24と第1スプロケット18の間には、搬入スプロケット28が配されている。
【0022】
第1スプロケット18と第2スプロケット20との間には、複数本に分割されたテンターレール200が設けられている。
【0023】
第2スプロケット20と搬出スプロケット26との間には、1本の第2レール202が設けられている。
【0024】
搬出スプロケット26と第3スプロケット22との間には、1本の第3レール203が設けられている。
【0025】
第3スプロケット22と第4スプロケット24との間には、複数本に分割されたテンターレール200が設けられている。
【0026】
第4スプロケット24と搬入スプロケット28との間には、1本の第4レール204が設けられている。
【0027】
無端状のテンターチェーン14は、上記各レールに沿って回転する第1スプロケット18、第2スプロケット20、搬出スプロケット26、第3スプロケット22、第4スプロケット24、搬入スプロケット28を走行し、第1スプロケット18に戻る。
【0028】
右側のテンターチェーン14についても、左側のテンターチェーン14と左右対称の構造を有している。
【0029】
(2)テンターレール200と固定部材16
テンターレール200と固定部材16について図3を参照して説明する。
【0030】
テンターレール200は、図3に示すように、縦断面が長方形のレール基礎部32の外側面に設けられた縦レール板34と、レール基礎部32の上面に設けられた横レール板36を有している。レール基礎部32は、レール支持板38によって水平に支持されている。
【0031】
図3に示すように、固定部材16は、固定本体40にテンターチェーン14のローラ42、下横車輪44、上横車輪46、縦車輪48が回転自在に取り付けられている。固定本体40は、下枠材50と上枠材52を有している。下枠材50は、内側面が開口したコの字状である。上枠材52は、下枠材50の上面の内端部から上方に突出し、下面が開口したコの字状である。
【0032】
下枠材50のコの字状の内部には、ローラ42が縦方向に回転自在に設けられ、下枠材50の下面には、下横車輪44が横方向に設けられている。
【0033】
上枠材52のコの字状の内部には、上横車輪46が横方向に設けられ、さらに上記で説明した縦レール板34が挿入されている。上枠材52の内側面には、縦車輪48が縦方向に設けられている。
【0034】
そして、下横車輪44と上横車輪46が、縦レール板34を挟むようにテンターレール200を走行し、縦車輪48が横レール板36の上面に沿ってテンターレール200を走行する。
【0035】
下枠材50の上面の外側にはピン支持板54が水平に固定され、このピン支持板54の外端部には複数本のピン56が立設されたピン台58が設けられている。ウエブWの両耳部は、この複数本のピン56によって固定部材16に固定される。
【0036】
(3)第1スプロケット18と第1スプロケット移動手段
左側の第1スプロケット18と第1スプロケット移動手段について図4図6図9を参照して説明する。
【0037】
まず、第1スプロケット18とその取り付け構造について説明する。図4図9に示すように、熱処理室12の搬入口近傍には、第1スプロケット台60が水平に配されている。図5に示すように、第1スプロケット台60のほぼ中央部から第1軸部62が突出している。第1軸部62の下方には、リング状の高さ調整リング64、高さ調整リング64の上には後から説明する第1レール201の端部、第1レール201の端部の上にはリング状の押さえ部材68が取り付けられ、押さえ部材68の上にはベアリング70が設けられている。ベアリング70は、固定軸部72によって第1軸部62に固定されている。ベアリング70の外周には第1スプロケット18が回転自在に設けられている。
【0038】
次に、第1スプロケット移動手段について説明する。図4図6に示すように、第1スプロケット台60の下方には、キャスター台76が水平に設けられ、キャスター台76よりも少し離れた位置にスライド台80が水平に設けられている。図6に示すように、キャスター台76が、スライド台80より高い位置に設けられ、段差がある。キャスター台76とスライド台80は、後から説明するハンドル台94の右側面から突出している。
【0039】
図4図6に示すように、第1スプロケット台60の下面の前部には、2個のキャスター74が所定間隔を開けて左右方向に設けられている。2個のキャスター74は、キャスター台76を前後左右方向に移動できる。
【0040】
図4図6に示すように、第1スプロケット台60の下面であって、前後方向(y軸方向)に沿ってスライドレール78が設けられている。スライドレール78は縦断面形状がコの字状であって、下面が開口している。スライドレール78の下方にスライド台80が配されている。
【0041】
図4図6に示すように、スライドレール78と交差する位置であって、スライド台80の上面には、雌ネジ部が開口した幅移動部82が設けられている。この幅移動部82の上面には、移動軸84が垂直に突出している。この移動軸84には上下方向に2個の移動ベアリング86,88が設けられている。この移動ベアリング86,88はスライドレール78内部を回転自在に前後方向(y軸方向)に移動する。
【0042】
図4図6に示すように、幅移動部82の雌ネジ部には、ネジ棒90が左右方向(x軸方向)に貫通している。
【0043】
図5に示すように、ネジ棒90の一端は、スライド台80の上面に設けられているネジ受け部92に回転自在に支持されている。
【0044】
図4に示すように、ネジ棒90の他端は、第1スプロケット18と搬入スプロケット28の間にあるハンドル台94に挿入され、挿入された部分には歯車104が設けられている。ハンドル台94の内部には、ネジ棒90と直交するようにハンドル棒96が前後方向(y軸方向)に配され、このハンドル棒96の端部にはハンドル98が設けられている。また、ネジ棒90の歯車106と直交するハンドル棒96の位置には、歯車106が設けられ、歯車104と螺合している。
【0045】
図4図6に示すように、ハンドル98を回転させるとハンドル棒96が回転し、歯車106と歯車104とが螺合していることにより、ネジ棒90が回転してスライドレール78と共に第1スプロケット台60が左右方向に移動する。この場合にキャスター台76の上を2個のキャスター74,74が移動することによりスムーズに移動できる。
【0046】
第1スプロケット18は、スライドレール78内部を移動ベアリング86,88が移動することにより、前後方向にも移動できる。
【0047】
そして、第1スプロケット18は、第1軸部62を中心に回転する。また、搬入側のテンターレール200の端部は、第1スプロケット台60に固定されている。
【0048】
右側の第1スプロケット18は、左側の第1スプロケット18と左右対称の構造を有する。
【0049】
(4)搬入スプロケット28と搬入スプロケット移動手段
左側の搬入スプロケット28と搬入スプロケット移動手段について図7図9を参照して説明する。
【0050】
まず、搬入スプロケット28とその取り付け構造について説明する。図9に示すように、第1スプロケット台60の外側には、搬入スプロケット台100が配されている。 図7に示すように、搬入スプロケット台100の中央部の上面から搬入軸部102が突出し、搬入軸部102には第4レール204の端部が配され、その上に第1レール201の端部が配され、第1レール201の端部の上にはリング状の押さえ部材108が配され、その上にベアリング110が配されている。ベアリング110は固定軸部112によって搬入軸部102に固定されている。ベアリング110の外周には搬入スプロケット28が回転自在に設けられている。
【0051】
次に、搬入スプロケット移動手段について説明する。図7に示すように、搬入スプロケット台100の下方には、ハンドル台94の左側面にはテンター台116が設けられている。図7図8に示すように、搬入スプロケット台100の下面の角部には4個のキャスター114が設けられている。4個のキャスター114は、テンター台116の上を前後左右に移動できる。搬入スプロケット台100の下面の左右方向には、突片118が設けられ、この突片118には左右方向に長い長孔120が設けられている。長孔120には、シャフト122が貫通している。このシャフト122は前後方向に配され、その両端部は、テンター台116から突出したシャフト支持部124,124にそれぞれ固定されている。
【0052】
搬入スプロケット28は、図8に示すように、4個のキャスター114によって、長孔120の長さだけ左右方向に移動でき、シャフト122の長さだけ前後方向に移動できる。そして、搬入スプロケット28は、搬入軸部102を中心に回転する。なお、図8は裏面から見た図面であるので、他の図面とは左右が反対に記載されている。
【0053】
右側の搬入スプロケット28は、左側の搬入スプロケット28と左右対称の構造を有する。
【0054】
(5)第1レール201
左側の第1レール201について図3図5図7図9を参照して説明する。第1レール201は、上記で説明したテンターレール200と同じ構造(図3参照)を有するが、レール支持板38の構造が相異する。
【0055】
図5図7図9に示すように、第1レール201は、レール支持板38に対応する第1支持板128を有し、第1支持板128の外側部には、上記で説明した縦レール板34と横レール板36を有するレール基礎部32が設けられている。
【0056】
図5図7図9に示すように、第1支持板128の一端部には、円形の孔を有する第1リング部130が延設され、この第1リング部130は、第1スプロケット18の第1軸部62に係合する。
【0057】
図5図7図9に示すように、第1支持板128の他端部には、円形の孔を有する搬入リング部132が延設され、この搬入リング部132は、搬入スプロケット28の搬入軸部102に係合する。
【0058】
図9に示すように、第1レール201のレール基礎部32に取り付けられている縦レール板34と横レール板36の両端部は、レール基礎部32より突出している。また、横レール板36の両端部は円弧状に切り欠かれ、第1スプロケット18と搬入スプロケット28に当接しないようになっている。
【0059】
右側の第1レール201は、左側の第1レール201と左右対称の構造を有する。
【0060】
(6)第4レール204
左側の第4レール204について図3図7図9を参照して説明する。第4レール204は、上記で説明したテンターレール200と同じ構造(図3参照)を有するが、レール支持板38の構造が相違する。
【0061】
図7図9に示すように、第4レール204は、レール支持板38に対応する第4支持板134を有し、第4支持板134の外側部には、上記で説明した縦レール板34と横レール板36を有するレール基礎部32が設けられている。
【0062】
図7図9に示すように、第4支持板134の一端部には、円形の孔を有する搬入リング部136が延設され、この搬入リング部136は、搬入スプロケット28の搬入軸部102に係合する。
【0063】
図7図9に示すように、第4支持板134の他端部には、円形の孔を有する第4リング部138が延設され、この第4リング部138は、第4スプロケット24をベアリングを介して回転させる第4軸部140に係合している。なお、第4軸部140は、図9に示すように、第4スプロケット台142から突出している。第4スプロケット台142は、左右方向の移動は固定され、移動しない。また、第4スプロケット台142近傍のテンター台146の上には、エアーシリンダよりなる張力付与装置144が設けられている。張力付与装置144は、第4スプロケット台142を搬入方向に押圧し、テンターチェーン14へ一定の張力付与を行っている。
【0064】
図9に示すように、第4レール204のレール基礎部32に取り付けられている縦レール板34と横レール板36の両端部は、レール基礎部32より突出している。また、横レール板36の両端部は円弧状に切り欠かれ、搬入スプロケット28と第4スプロケット24に当接しないようになっている。
【0065】
右側の第4レール204は、左側の第4レール204と左右対称の構造を有する。
【0066】
(7)テンター装置10の搬出側の構造
搬出側にある左右一対の第2スプロケット20は、第2スプロケット台から突出した第2軸部に回転自在に設けられている。第2スプロケット台は、上記したように左右方向には移動可能ではあるが、前後方向には移動しないように固定されている。また、搬出側のテンターレールの端部は、第2スプロケット台に固定されている。
【0067】
左右一対の搬出スプロケット26は、左右一対の搬入スプロケット28と同じ構造を有している。
【0068】
第2スプロケット20と搬出スプロケット26に架け渡された第2レール202は第1レール201と同じ構造を有している。搬出スプロケット26と第3スプロケット22に架け渡された第3レール203は、第4レール204と同じ構造を有している。
【0069】
(8)テンター装置10の動作状態
テンター装置10の動作状態について説明する。
【0070】
搬入側から搬入されたウエブWは、図1図3に示すように、その両耳部が左右一対の固定部材16のピン56に固定されて拡布状態で保持され、テンターチェーン14の移動と共に前後方向に移動し、熱処理室12内部を通過するときに、熱風が吹き付けられ熱処理が行われる。そして、熱処理されたウエブWは、搬出側から搬出される。
【0071】
このとき図1に示す狭い幅L1のウエブWから、図2に示す大きい幅L2(但し、L2>L1である)のウエブWに変更した場合には、左右一対の第1スプロケット18と左右一対の第2スプロケット20,20の間隔を広げる必要がある。
【0072】
第1スプロケット18,18と第2スプロケット20,20の間隔を広げると、左側と右側の無端状のテンターチェーン14が広げた分だけそれぞれ弛むこととなる。そのため、これが弛むことがないように操作を行う。
【0073】
まず、図1図9に示すように、ウエブWの幅がL1のときは、第1スプロケット18と第4スプロケット24よりも搬入スプロケット28は、搬入側に位置し、第1レール201と第4レール204とはV字状をなしている。しかし、第1レール201と第4レール204のなす角度θ1は、180°に近く大きい。
【0074】
次に、左右一対の第1スプロケット18,18の間隔を広げるには、作業員が図4図6に示す左側のハンドル98を回転させることにより、左側の第1スプロケット台60を左方向に移動させる。すると、左側の第1スプロケット18の第1軸部62も左方向に移動する。右側のハンドル98も作業員が回転させることにより、右側の第1スプロケット台60を右方向に移動させる。すると、右側の第1スプロケット18の第1軸部62も右方向に移動する。以下、左側のみを説明するが、右側も左右対称に動作する。
【0075】
次に、左側の第4スプロケット24は左右方向に固定され、左側の第1軸部62が左方向に移動すると、搬入スプロケット28が、図9に示すように、V字状の第1レール201と第4レール204によって搬入側に押圧され、搬入方向に移動する。これにより、図2に示すように、第1レール201と第4レール204とのなす角度θ2が狭くなる。この状態を詳しく説明する。図8に示すように、搬入スプロケット28は、第1レール201によって搬入側に移動する力が掛かると、4個のキャスター114がテンター台116上を移動する。この場合に図7図8に示すように、左右方向は長孔120の長さ、前後方向はシャフト122の長さに規制されつつ、スムーズに移動する。そして、搬入スプロケット28が移動すると、第4レール204も移動し、図2に示すように、鋭角θ2になったV字状となる。これにより、無端状のテンターチェーン14を弛むことなく張った状態で移動させることができる。
【0076】
搬出側においても同様に左右一対の第2スプロケット20を左右方向に広げると、搬出スプロケット26が搬出側に移動し、無端状のテンターチェーン14を弛むことなく張った状態で移動させることができる。
【0077】
広い幅L2のウエブWが取り付けられた状態から、狭い幅L1のウエブWを取り付ける場合には、上記と反対の方向にハンドル98を回転させればよい。
【0078】
(9)効果
本実施形態によれば、左右一対の第1スプロケット18と左右一対の第2スプロケット20の間にある左右一対の複数のテンターレール200の間隔を、広げたり、狭めたりして、第1スプロケット18と第2スプロケット20の間の距離が変更されることがある。このときに第2スプロケット20の第2スプロケット台は、前後方向には固定されているため、第1スプロケット台60の移動で全てを吸収する必要がある。そして、第1スプロケット台60のスライドレール78内部を、移動ベアリング86,88が前後方向に移動できるため、その距離の変化を全て吸収できる。特に、移動ベアリング86,88は回転可能であるため、前後方向からややずれた状態でスライドレール78が移動しても容易にその移動分を吸収できる。
【0079】
また、往路のテンターチェーン14の長さが、熱処理室12に進入しているため高温により伸びても、その伸びた分が第1スプロケット台60の移動、すなわちスライドレール78内部を移動ベアリング86,88が前後方向に移動することにより吸収できる。
【0080】
また、テンターレール200を広げたり、狭めたりして多少傾斜されても、移動ベアリング86,88はスライドレール78内部で回転可能であるため、その傾きを吸収できる。
【0081】
また、張力付与装置144によりテンターチェーン14へ一定の張力付与を行うことができる。
【0082】
また、幅の大きいウエブWを取り付ける場合には、搬入側の第1スプロケット台60をハンドル98で左右方向に移動させると、それに伴って搬入スプロケット28が搬入側に移動し、無端状のテンターチェーン14を弛むことなく張った状態で保持できる。また、搬出側においても搬出スプロケット26が搬出側に移動し、無端状のテンターチェーン14を弛むことなく張った状態で保持できる。また、このときに第4スプロケット24を支持する第4スプロケット台142を、張力付与装置144による搬入方向の移動を最小限にできる。
【0083】
(10)変更例
上記実施形態では、テンターチェーン14の往路は熱処理室12内部にあり、復路は熱処理室12の外部にあったが、これに代えて往路も復路も熱処理室12内部に設けてもよい。
【0084】
また、本実施形態では、搬入側と搬出側の両方に搬出スプロケット26,搬入スプロケット28を設けたが、少なくとも搬入スプロケット28を設ける構造でもあってもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、固定部材16としてピン56で固定したが、これに代えて固定部材16がクリップであってもよい。
【0086】
また、本実施形態では、ウエブWを左右一対の固定部材16に拡布状態で取り付けたが、これに代えて、テンター装置10をウエブWの幅出しのため、すなわち、ウエブWを一定の幅になるようにするために用いてもよい。
【0087】
また、本実施形態では、ハンドル98を手動で回転させていたが、これに代えてハンドル棒をモータで駆動させてもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、キャスター74は、2個であったが、1個、又は3個以上でもよい。
【0089】
また、本実施形態では、第4スプロケット台142を押圧する張力付与装置144は、エアーシリンダであったが、これに代えて油圧シリンダ、バネなどでもよい。
【0090】
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0091】
10・・・テンター装置、12・・・熱処理室、14・・・テンターチェーン、16・・・固定部材、18・・・第1スプロケット、20・・・第2スプロケット、22・・・第3スプロケット、24・・・第4スプロケット、26・・・搬出スプロケット、28・・・搬入スプロケット、200・・・テンターレール、201・・・第1レール、204・・・第4レール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9