特許第6863961号(P6863961)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィナ テクノロジー,インコーポレイティドの特許一覧

特許6863961ファルネセンをベースとする粘着付与樹脂及びそれを含有する接着剤組成物
<>
  • 特許6863961-ファルネセンをベースとする粘着付与樹脂及びそれを含有する接着剤組成物 図000012
  • 特許6863961-ファルネセンをベースとする粘着付与樹脂及びそれを含有する接着剤組成物 図000013
  • 特許6863961-ファルネセンをベースとする粘着付与樹脂及びそれを含有する接着剤組成物 図000014
  • 特許6863961-ファルネセンをベースとする粘着付与樹脂及びそれを含有する接着剤組成物 図000015
  • 特許6863961-ファルネセンをベースとする粘着付与樹脂及びそれを含有する接着剤組成物 図000016
  • 特許6863961-ファルネセンをベースとする粘着付与樹脂及びそれを含有する接着剤組成物 図000017
  • 特許6863961-ファルネセンをベースとする粘着付与樹脂及びそれを含有する接着剤組成物 図000018
  • 特許6863961-ファルネセンをベースとする粘着付与樹脂及びそれを含有する接着剤組成物 図000019
  • 特許6863961-ファルネセンをベースとする粘着付与樹脂及びそれを含有する接着剤組成物 図000020
  • 特許6863961-ファルネセンをベースとする粘着付与樹脂及びそれを含有する接着剤組成物 図000021
  • 特許6863961-ファルネセンをベースとする粘着付与樹脂及びそれを含有する接着剤組成物 図000022
  • 特許6863961-ファルネセンをベースとする粘着付与樹脂及びそれを含有する接着剤組成物 図000023
  • 特許6863961-ファルネセンをベースとする粘着付与樹脂及びそれを含有する接着剤組成物 図000024
  • 特許6863961-ファルネセンをベースとする粘着付与樹脂及びそれを含有する接着剤組成物 図000025
  • 特許6863961-ファルネセンをベースとする粘着付与樹脂及びそれを含有する接着剤組成物 図000026
  • 特許6863961-ファルネセンをベースとする粘着付与樹脂及びそれを含有する接着剤組成物 図000027
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6863961
(24)【登録日】2021年4月5日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】ファルネセンをベースとする粘着付与樹脂及びそれを含有する接着剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C09J 201/00 20060101AFI20210412BHJP
   C09J 11/08 20060101ALI20210412BHJP
   C08F 36/22 20060101ALI20210412BHJP
   C08F 236/22 20060101ALI20210412BHJP
   C08F 4/06 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
   C09J201/00
   C09J11/08
   C08F36/22
   C08F236/22
   C08F4/06
【請求項の数】23
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2018-504883(P2018-504883)
(86)(22)【出願日】2016年7月21日
(65)【公表番号】特表2018-528297(P2018-528297A)
(43)【公表日】2018年9月27日
(86)【国際出願番号】US2016043315
(87)【国際公開番号】WO2017023563
(87)【国際公開日】20170209
【審査請求日】2019年7月11日
(31)【優先権主張番号】14/815,114
(32)【優先日】2015年7月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514138075
【氏名又は名称】フィナ テクノロジー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142387
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 都子
(72)【発明者】
【氏名】キース エー.ネルソン
(72)【発明者】
【氏名】アナイス ピエール−ジュスタン
(72)【発明者】
【氏名】ネスター ハンセン
(72)【発明者】
【氏名】クレール ガルニエ
【審査官】 上坊寺 宏枝
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−502136(JP,A)
【文献】 特表2012−502135(JP,A)
【文献】 特開昭57−080402(JP,A)
【文献】 特開昭63−215787(JP,A)
【文献】 特表2018−516302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00−201/10
C08F 4/06、36/22、236/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エラストマー及び粘着付与樹脂を含む、接着剤組成物であって、
前記粘着付与樹脂はファルネセンを含むモノマーから誘導されたファルネセンポリマーであり
前記ファルネセンポリマーは、ファルネセンモノマー自身に結合する少なくとも1つのファルネセンモノマーによって形成された環状構造を含み、
ファルネセンは、(E)−β−ファルネセン、又は(E)−β−ファルネセンの1つ以上の水素原子が別の原子又は別の原子団により置換されたものである、接着剤組成物。
【請求項2】
前記ファルネセンポリマーの軟化点が80℃以上である、請求項1記載の接着剤組成物。
【請求項3】
前記ファルネセンポリマーは数平均分子量が400〜10,000g/モルである、請求項1又は2記載の接着剤組成物。
【請求項4】
前記エラストマーはスチレン-イソプレンブロックコポリマー、ポリアクリレート樹脂、ポリエチレンビニルアセテート(EVA)樹脂、ポリスチレンブタジエン樹脂、ランダムスチレン-ブタジエン(SBR)コポリマー、スチレン-ブタジエンブロックコポリマー、スチレン-イソプレン-ブタジエン-スチレン(SIBS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン(SEPS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)ブロックコポリマー、非晶質ポリオレフィン(APO)樹脂及びそれらの混合物からなる群より選ばれる、請求項1〜3のいずれか一項記載の接着剤組成物。
【請求項5】
前記粘着付与樹脂は少なくとも部分的に水素化されたものである、請求項1〜4のいずれか一項記載の接着剤組成物。
【請求項6】
ファルネセンモノマー、及び、ジエン、枝分かれモノオレフィン及びビニル芳香族化合物からなる群より選ばれる1種以上の任意のコモノマーから誘導されたモノマー単位を含むファルネセンポリマーであって
前記ファルネセンポリマーは、ファルネセンモノマー自身に結合する少なくとも1つのファルネセンモノマーによって形成された環状構造を含み、
ファルネセンは、(E)−β−ファルネセン、又は(E)−β−ファルネセンの1つ以上の水素原子が別の原子又は別の原子団により置換されたものであり、
前記ファルネセンポリマーの軟化点が80℃以上である、ファルネセンポリマー。
【請求項7】
前記ファルネセンポリマーは0〜90モル%のコモノマーを含む、請求項記載のファルネセンポリマー。
【請求項8】
前記ファルネセンポリマーは0〜40モル%のコモノマーを含む、請求項記載のファルネセンポリマー。
【請求項9】
前記コモノマーはスチレン、α-メチルスチレン、2-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、4-t-ブチルスチレン、4-シクロヘキシルスチレン、4-ドデシルスチレン、2,4-ジイソプロピルスチレン、2,4,6-トリメチルスチレン、2-エチル-4-ベンジルスチレン、4-(フェニルブチル)スチレン、1-ビニルナフタレン、2-ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、4-メトキシスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、ジビニルベンゼン、インデン、メチル-インデン、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、ミルセン、ジペンテン、イソブチレン、2-メチル-2-ブテン、2-メチル-1-ブテン、2-メチル-1-ペンテン、2-メチル-2-ペンテン、2,3-ジメチル-1-ブテン、2,3-ジメチル-2-ブテン、3,3-ジメチル-1-ブテン及び3-メチル-2-ペンテンならびにそれらの異性体からなる群より選ばれる1種以上のモノマーを含む、請求項6〜8のいずれか一項記載のファルネセンポリマー。
【請求項10】
数平均分子量が400〜10,000g/モルである、請求項6〜9のいずれか一項記載のファルネセンポリマー。
【請求項11】
前記ファルネセンポリマーは少なくとも部分的に水素化されたものである、請求項6〜10のいずれか一項記載のファルネセンポリマー。
【請求項12】
エラストマー及び請求項6〜11のいずれか一項記載のファルネセンポリマーを含む、接着剤組成物。
【請求項13】
前記エラストマーはスチレン-イソプレンブロックコポリマー、ポリアクリレート樹脂、ポリエチレンビニルアセテート(EVA)樹脂、ポリスチレンブタジエン樹脂、ランダムスチレンブタジエン(SBR)コポリマー、スチレン-ブタジエンブロックコポリマー、スチレン-イソプレン-ブタジエン-スチレン(SIBS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン(SEPS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)ブロックコポリマー、非晶質ポリオレフィン(APO)樹脂及びそれらの混合物からなる群より選ばれる、請求項12記載の接着剤組成物。
【請求項14】
エラストマー及び粘着付与樹脂を含む、接着剤組成物の製造方法であって、
前記粘着付与樹脂はファルネセンを含むモノマーから誘導されたポリマーを含み
前記ポリマーは、ファルネセンモノマー自身に結合する少なくとも1つのファルネセンモノマーによって形成された環状構造を含み、
ファルネセンは、(E)−β−ファルネセン、又は(E)−β−ファルネセンの1つ以上の水素原子が別の原子又は別の原子団により置換されたものであり、
前記方法が、
ファルネセンモノマー及び溶媒を合わせ、そして任意に、ジエン、枝分かれモノオレフィン及びビニル芳香族化合物からなる群より選ばれる1種以上のコモノマーを添加して、モノマーフィードを提供すること、及び、
前記モノマーフィードをフリーデル-クラフツ触媒と容器内で合わせることにより該モノマーフィードを重合させること、
を含む、方法
【請求項15】
前記モノマーフィードを重合させることは前記モノマーフィード及びフリーデル-クラフツ触媒の両方を前記容器に連続的にフィードすることを含む、請求項14記載の方法
【請求項16】
前記フリーデル-クラフツ触媒はBF3, AlCl3, SnCl4及びTiCl3からなる群より選ばれる、請求項14又は15記載の方法
【請求項17】
前記フリーデル-クラフツ触媒はAlCl3及びBF3の少なくとも1つである、請求項14又は15記載の方法
【請求項18】
前記フリーデル-クラフツ触媒はAlCl3である、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項19】
前記モノマーフィードはモノマーの総モルに基づいて0〜90モル%のコモノマーを含む、請求項14〜18のいずれか一項記載の方法
【請求項20】
前記モノマーフィードはモノマーの総モルに基づいて0〜40モル%のコモノマーを含む、請求項14〜18のいずれか一項記載の方法
【請求項21】
基材、及び、該基材の少なくとも1つの表面に適用された請求項1〜5、12及び13のいずれか一項記載の接着剤組成物を含み、前記基材はテープ及びラベルからなる群より選ばれる、物品。
【請求項22】
木材、不織布及びブックバインディングのうちの少なくとも1つに適用された請求項1〜5、12及び13のいずれか一項記載の接着剤組成物を含む、コート化物品。
【請求項23】
請求項1〜5、12及び13のいずれか一項記載の接着剤組成物をディスペンスする接着剤ステーションを含む、ケース及びカートン組立ライン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年7月31日に出願された、「ファルネセンベースをベースとする粘着付与樹脂及びそれを含有する接着剤組成物」(FARNESENE-BASED TACKIFYING RESINS AND ADHESIVE COMPOSITIONS CONTAINING THE SAME)という発明の名称の米国出願第14/815,114号に関しそしてその利益を主張し、その内容を参照により本明細書中に取り込む。
【0002】
発明の分野
本発明は、ファルネセンモノマーから誘導された粘着付与樹脂を含む接着剤組成物に関する。粘着付与樹脂は、フリーデル・クラフツ触媒を用いて調製された低分子量のファルネセンをベースとするホモポリマー又はコポリマーを含み、軟化点が80℃以上である。
【背景技術】
【0003】
背景
ホットメルト接着剤などの接着剤は、典型的に完全に固体材料であり、いかなる溶媒も含まず又は含む必要がない。それは周囲室温で固体材料であるが、熱の適用によって液体又は流体の状態に転化されることができ、その状態で基材に適用することができる。冷却時に、接着剤はその固体形態を再獲得し、その凝集強さを獲得する。これに関して、ホットメルト接着剤は、蒸発、溶媒の除去、重合又は他の手段によって固体状態を達成する水性接着剤などの他のタイプの接着剤とは異なる。ホットメルト接着剤は、比較的硬く、粘着性がないように配合することができ、又は、対照的に、感圧性であるように、すなわち室温で比較的柔らかく粘着性であるように配合することができる。
【0004】
これらの接着剤は、種々の基材の結合が必要な様々な産業用又は消費者向け製品の製造に特に有用であり、例えば、パッケージ用ラベル、すべての種類のテープ、ラインケース及びカートンアセンブリの端及び閉鎖接着剤、不織布接着剤、木材接着剤、製本接着剤などである。その他の用途には、ワックス変性及びトラフィックストリッピングなどがある。ホットメルト接着剤の利点は、接着剤の適用の間に乾燥工程を必要とする水性又は溶媒系接着剤の場合のような液体キャリアがないことである。適切なホットメルト接着剤は、関与する基材を接着するのに適切な結合強度を有し、また、基材の十分な可撓性、被汚染性又は表面滲みがないこと、適切な粘度及び様々な基材上で機能する開放時間、貯蔵条件下での許容される安定性、及び、通常の塗布温度で許容される熱安定性を示す。
【0005】
ホットメルト接着剤組成物は、典型的には、少なくとも80℃の軟化点を有する粘着付与樹脂を用いる。一般にピペリレンとして知られる1,3-ペンタジエンなどのC5ジエンはカチオン重合された粘着付与樹脂の製造のための基本原料である。ピペリレンは、エチレンの製造を主な目的として石油液体を処理するスチームクラッキング法の副生成物として生成される。2-メチル-1-ブテン、2-メチル-2-ブテン及びジシクロペンタジエンなどの他のオレフィン及びジオレフィンも生成される。C5オレフィン及びジオレフィンから調製された粘着付与樹脂は「脂肪族」樹脂として当業界で知られ、一方、1種以上のビニル系芳香族モノマー、例えばスチレン及びα-メチルスチレンとともにC5オレフィン及びジオレフィンから調製されるものは、「芳香族変性された」樹脂として知られている。
【0006】
高い入手容易性のために、低コストガスは、エチレンの製造のためのスチームクラッキング法において、フィード原料として液体に取って代わる。その結果、より少量のC5ジオレフィンが生成され、粘着付与樹脂の製造のためのこのモノマーが不足することになる。それゆえ、コスト効率が高く容易に入手可能である、粘着付与樹脂製造用の現在の石油系ジオレフィンの補填又はさらには完全な置換のための代替モノマーの必要性が存在する。代替モノマーは、好ましくは、低い臭気及び初期カラーを有する樹脂を生成し、そして所望される特性の中でも、ホットメルト及び感圧接着剤組成物の配合において一般的に使用される接着性樹脂との相溶性を有するべきである。
【発明の概要】
【0007】
発明の要旨
本発明の第一の態様は、ファルネセン系ポリマーを含む粘着付与樹脂を提供することである。ファルネセン系ポリマーは、ファルネセンモノマー、及び、ジエン、枝分かれモノオレフィン及びビニル芳香族からなる群より選ばれる、1種以上の場合により存在するコモノマーから誘導されるモノマー単位を含み、80℃以上の軟化点を有する。
【0008】
本発明の更なる態様は、ファルネセンモノマー及び溶媒を組み合わせ、そして場合により、ジエン、枝分かれモノオレフィン及びビニル芳香族からなる群より選ばれる、1種以上のコモノマーを添加してモノマーフィードを提供し、容器中で該モノマーフィードをフリーデル-クラフツ触媒と組み合わせることによりモノマーフィードを重合させることを含む、粘着付与樹脂を製造する方法を提供することである。
【0009】
本発明のなおも別の態様は、エラストマー及び粘着付与樹脂を含む接着剤組成物であって、該粘着付与樹脂は、ファルネセンを含むモノマーから誘導され、軟化点が80℃以上であるポリマーを含む、接着剤組成物を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図面の簡単な説明
図1図1は本発明の第一の実施形態による接着剤組成物と、同様のC5粘着付与樹脂を含む比較接着剤組成物とを比較するループタックグラフである。
図2図2は本発明の第二の実施形態による接着剤組成物と、同様のC5粘着付与樹脂を含む比較接着剤組成物とを比較するループタックグラフである。
図3図3は本発明の第三の実施形態による接着剤組成物と、同様のC5粘着付与樹脂を含む比較接着剤組成物とを比較するループタックグラフである。
図4図4は本発明の第一の実施形態による接着剤組成物と、同様のC5粘着付与樹脂を含む比較接着剤組成物とを比較する180°剥離接着試験のグラフである。
図5図5は本発明の第二の実施形態による接着剤組成物と、同様のC5粘着付与樹脂を含む比較接着剤組成物とを比較する180°剥離接着試験のグラフである。
図6図6は本発明の第三の実施形態による接着剤組成物と、同様のC5粘着付与樹脂を含む比較接着剤組成物とを比較する180°剥離接着試験のグラフである。
図7図7は本発明の第一の実施形態による接着剤組成物と、同様のC5粘着付与樹脂を含む比較接着剤組成物とを比較するレオロジー評価のグラフである。
図8図8図7のレオロジー評価からのデータを用いた接着剤弾性率のグラフである。
図9図9は本発明の第一の実施形態による接着剤組成物と、同様のC5粘着付与樹脂を含む比較接着剤組成物の溶融接着剤粘度とを比較するグラフである。
図10図10は本発明の第一の実施形態による接着剤組成物と、同様のC5粘着付与樹脂を含む比較接着剤組成物のせん断接着破壊温度とを比較するグラフである。
図11図11は本発明の第四の実施形態による接着剤組成物と、C5粘着付与樹脂を含む比較的接着剤組成物の2つのサンプルを比較するループタックグラフである。
図12図12は本発明の第四の実施形態による接着剤組成物と、C5粘着付与樹脂を含む比較接着剤組成物の2つのサンプルを比較する180°剥離接着試験のグラフである。
図13図13は本発明の第四の実施形態による接着剤組成物と、C5粘着付与樹脂を含む比較接着剤組成物の2つのサンプルのせん断接着破壊温度を比較するグラフである。
図14図14は本発明の第四の実施形態による接着剤組成物と、C5粘着付与樹脂を含む比較接着剤組成物のサンプルの1つの溶融接着剤粘度を比較するグラフである。
図15図15は本発明の第四の実施形態による接着剤組成物と、C5粘着付与樹脂を含む比較接着剤組成物のサンプルを比較するレオロジー評価のグラフである。
図16図16図15のレオロジー評価からのデータを用いた接着剤弾性率のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明の詳細な説明
フリーデル-クラフツ触媒などの強ルイス酸を使用することにより、本発明によるファルネセンモノマーを重合すると、ポリマーの環化がモノマー付加と競合し、高い軟化点を有する低分子量樹脂が得られることを見出した。
【0012】
本明細書及び特許請求の範囲を通して使用されるときに、「フリーデル-クラフツ触媒」は、重合開始剤として機能する強ルイス酸及びその錯体を意味する。本明細書及び請求の範囲を通して使用されるときに、「軟化点」は、ASTM D6090により決定するとおりの樹脂が軟化する温度を意味する。本明細書及び特許請求の範囲を通して使用されるときに、「ポリマー」は、2以上の重合度を有するモノマーの重合生成物である化合物を意味する。
【0013】
本発明により製造された樹脂は、従来のポリマー樹脂を提供するために一般に使用される方法がアニオン性又はフリーラジカル重合のいずれかであり、その両方が低いガラス転移温度を有する材料をもたらす点で、従来のファルネセン系ポリマーとは異なる。
【0014】
ピペリレンをベースとする粘着付与樹脂で達成される高い軟化点は、重合開始剤としてフリーデル-クラフツ触媒を用いることから生じる高度に環状の分子構造の結果であると考えられている。ピペリレン樹脂における環状構造の形成は、樹脂分子の成長端が同一分子内において二重結合を攻撃する「バックバイティング(back biting)」機構の結果であると考えられている。
【0015】
理論に固執することを望むわけではないが、本発明による粘着付与樹脂で得られる高い軟化点は、ファルネセンモノマーによって形成される高度に環状の分子構造の結果であると考えられる。ファルネセンモノマーはまた、バックバイティング機構を介して環状構造を形成することもできる一方、ペンダントのファルネセン側鎖の二重結合が関与する二次反応によってさらなる環状構造を形成することもできる。
【0016】
例えば、下記の図1を参照すると、重合開始剤としてフリーデル・クラフツ触媒を用いた、ファルネセン及びスチレンのモノマーの重合反応は、ファルネセンモノマーから誘導されるアクリルペンダント側鎖であったオレフィンの分子内反応を起こす傾向がある。下記に示す環化は、スチレンとファルネセンのコポリマーで潜在的に起こりうる環化の一例である。
【0017】
【化1】
【0018】
本発明の1つの態様は、ファルネセンモノマーから誘導された粘着付与樹脂を含むホットメルト又は感圧接着剤組成物を提供する。樹脂は、フリーデル・クラフツ触媒を用いて得られた低分子量ファルネセン系ホモポリマー又はコポリマー樹脂を含み、好ましくは、軟化点が80℃以上である。本発明の様々な実施形態により製造される粘着付与樹脂は、低カラー及び良好な相溶性をも示す。本明細書中で使用される「相溶性」は、粘着付与樹脂が接着剤中に存在するときに、ねじれメルトレオメーターなどの動的機械分析によって測定されるTan δ(タンジェントデルタ)ピークが単峰性であることを意味する。
【0019】
樹脂分子の環化を最大化することは、ホットメルト及び感圧接着剤組成物のために理想的である高い軟化点を有する粘着付与樹脂を提供する能力にとって有利であると考えられる。ファルネセンは、樹脂分子の成長端が同一分子内の二重結合を攻撃する「バックバイティング」機構により、モノマーが環状構造を形成する点で特に有用である。この機構は、強ルイス酸の存在下で起こる。得られた脂肪族樹脂は高軟化点を有するが、なおも、一般的な接着剤配合物と相溶性を維持している。さらに、ジエン、枝分かれモノオレフィン及びビニル芳香族化合物などの他のモノマーはファルネセンと組み合わされ、変更された特性及び相溶性を有するコポリマーを形成するように重合されうるモノマーフィードを提供することができる。
【0020】
フリーデル・クラフツ触媒により調製される低分子量のファルネセンをベースとするホモポリマー又はコポリマー樹脂は、ファルネセンのホモポリマー、又は、ファルネセンと、少なくとも1種のジエン、枝分かれモノオレフィン、ビニル芳香族モノマー及びそれらの組み合わせとのコポリマーであることができる。選択されるコモノマーの量及びタイプは樹脂に所望の機能を付与することができる。
【0021】
ファルネセンは、α-ファルネセン((3E,7E)-3,7,11-トリメチル-1,3,6,10-ドデカテトラエン)及びβ−ファルネセン(7,11−ジメチル-3-メチレン-1,6,10-ドデカトリエン)などの異性体形態で存在する。明細書及び特許請求の範囲において使用されるときに、「ファルネセン」は、以下の構造を有する(E)-β-ファルネセン、
【0022】
【化2】
【0023】
ならびに、1つ以上の水素原子が別の原子又は別の原子団により置き換えられた(すなわち、置換された)(E)-β-ファルネセンを意味する。
【0024】
本発明による樹脂の種々の実施形態を製造するために使用されるファルネセンモノマーは、石油資源から化学合成によって調製されることができ、アブラムシなどの昆虫又は植物から抽出されることができる。従って、本発明の利点は、樹脂が再生可能な資源を介して得られるモノマーから誘導され得ることである。好ましくは、糖類由来の炭素源を用いて微生物を培養することにより調製される。本発明によるファルネセン樹脂は、これらの供給源を介して得られるファルネセンモノマーから効率的に調製されうる。
【0025】
使用される糖類は、単糖類、二糖類、多糖類のいずれであってもよく、又は、それらの組み合わせであってもよい。単糖類の例としては、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース及びリボースが挙げられる。二糖類の例としては、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース及びセロビオースが挙げられる。多糖類の例としては、デンプン、グリコーゲン、セルロース及びキチンが挙げられる。
【0026】
炭素源を消費する培養微生物は、培養を介してファルネセンを産生することができる任意の微生物であることができる。その例としては、真核生物、細菌及び古細菌が挙げられる。真核生物の例としては、酵母及び植物が挙げられる。微生物は、宿主微生物に外来遺伝子を導入することにより得られる形質転換体であってよい。外来遺伝子としては、特に限定されるものではなく、それは、好ましくは、ファルネセンの産生に関与する外来遺伝子であり、該外来遺伝子はファルネセンの産生効率を向上させることができるからである。
【0027】
培養微生物からのファルネセンを回収する場合に、微生物は、遠心分離によって回収され、攪乱され、その後、ファルネセンは、攪乱された溶液から溶媒を用いて抽出することができる。このような溶媒抽出は、蒸留などの公知の精製方法と適宜組み合わせてもよい。
【0028】
先に述べたように、本発明による粘着付与樹脂は、1種以上のコモノマーを含む低分子量コポリマーであってもよい。コモノマーの例としては、限定するわけではないが、スチレン、α-メチルスチレン、2-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、4-t-ブチルスチレン、4-シクロヘキシルスチレン、4-ドデシルスチレン、2,4-ジイソプロピルスチレン、2,4,6-トリメチルスチレン、2-エチル-4-ベンジルスチレン、4-(フェニルブチル)スチレン、1-ビニルナフタレン、2-ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、4-メトキシスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、ジビニルベンゼン、インデン、メチルインデン、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、ミルセン、ジペンテン、イソブチレン、2-メチル-2-ブテン、2-メチル-1-ブテン、2-メチル-1-ペンテン、2-メチル-2-ペンテン、2,3-ジメチル-1-ブテン、2,3-ジメチル-2-ブテン、3,3-ジメチル-1-ブテン及び3-メチル-2-ペンテンならびにそれらの異性体が挙げられる。ピペリレン、スチレン、α-メチルスチレン、4-メチルスチレン、インデン及びそれらの異性体は好ましい。
【0029】
本発明の様々な実施形態において、AlCl3及びBF3の少なくとも1つは、ファルネセンモノマー及びコモノマーを含むモノマーフィードを重合するために使用されてよく、ここで、モノマーフィードのコモノマー含有率はモノマーフィード中のモノマーの全モルを基準にして、≦90モル%であり、≦40モル%であり、≦25モル%であり、又は、≦15モル%である。好ましくは、重合開始剤はAlCl3である。
【0030】
本発明の別の実施形態によれば、モノオレフィン連鎖移動剤は、粘着付与樹脂を製造するために使用されるファルネセンモノマーと重合されてもよい。モノ-オレフィンとしては、限定するわけではないが、イソブチレン、2-メチル-2-ブテン、2-メチル-1-ブテン、2-メチル-1-ペンテン、2-メチル-2-ペンテン、2,3-ジメチル-1-ブテン、2,3-ジメチル-2-ブテン、3,3-ジメチル-1-ブテン、3-メチル-2-ペンテン、それらの混合物、それらの二量体及びそれらのオリゴマーが挙げられる。イソブチレン及び2-メチル-2-ブテンは好ましい。
【0031】
上記に説明したように、フリーデル-クラフツ触媒は強ルイス酸触媒であり、該触媒はモノマーをカチオン反応機構によって重合する。本発明の様々な実施形態によると、軟化点が80℃以上である粘着付与樹脂を製造するためのファルネセンを含むモノマーフィードを重合するために使用することができるフリーデル-クラフツ触媒の例としては、限定するわけではないが、三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、四塩化スズ、三塩化チタン、四塩化チタン、塩化鉄(III)、アルミニウムトリブロミド、ジクロロモノエチルアルミニウム及びそれらの錯体、例えば、三フッ化ホウ素-フェノール錯体、三フッ化ホウ素-エタノール錯体、三フッ化ホウ素-エーテル錯体など、特に三フッ化ホウ素-フェノール錯体及び三フッ化ホウ素-エタノール錯体が挙げられる。フリーデル-クラフツ触媒は、液体塩化アルミニウム/塩酸/置換芳香族化合物錯体を含むことができ、芳香族は、例えば、o-キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼンなどであり、例えば、短鎖もしくは長鎖アルキルベンゼンである。アルキル鎖は直鎖であっても又は枝分かれ鎖であってもよく、2〜30個の炭素原子で変化しうる。枝分かれ鎖オレフィンによるベンゼン又は任意の他の置換芳香族化合物(トルエン、キシレン)のアルキル化の間に副生成物として得られる酸性液体のAlCl3を使用することもできる。枝分かれ鎖オレフィンは、プロピレンの三フッ化ホウ素オリゴマー化及び分画により製造されうる(例えば、C12オレフィン又はC24オレフィンは、芳香族化合物とともにアルキル化されうる)。
【0032】
最も好ましいフリーデル-クラフツ触媒はAlCl3及びBF3である。本明細書中に記載の樹脂は、連続溶液重合法により調製することができ、ここで、フリーデル-クラフト触媒、コモノマー及び適切な芳香族又は脂肪族炭化水素溶媒、例えば、トルエン、キシレン又はヘプタンは、反応器に連続的に添加され、所望のホモポリマー又はコポリマーを生成する。あるいは、ファルネセンをベースとするポリマーは、開始剤、モノマー及び溶媒のすべてを反応器内で実質的に同時に合わせるバッチ法により調製することができる。
【0033】
好ましくは、連続重合反応の間に、モノマーフィード及びフリーデル-クラフツ触媒の流量は、触媒フィードがモノマーの合計質量流量に基づいて約0.01〜20wt%であり、より好ましくは0.1〜5wt%であり、最も好ましくは0.1〜3wt%であるように制御される。反応器内の混合物の反応温度は、フリーデル-クラフツ触媒としてBF3を用いた場合には、好ましくは、約-10〜50℃、より好ましくは、約0〜10℃の温度に維持され、AlCl3を用いた場合には、約10〜60℃、より好ましくは、20〜40℃の温度に維持される。
【0034】
本発明の実施形態による樹脂の低分子量のファルネセンをベースとするホモポリマー又はコポリマーはゲル浸透クロマトグラフにより測定して、ポリスチレン検量を用いて変換して、400〜10,000g/モル、好ましくは400〜4000の数平均分子量を有することができる。
【0035】
モノマーフィードの重合の後に、得られた粘着付与樹脂は少なくとも部分的に水素化されてよい。ここで明細書及び特許請求の範囲において使用されるときに、「水素化」又は「水素化された」は不飽和度の減少を意味する。少なくとも部分的に粘着付与樹脂を水素化すると、低カラー及び低臭をもたらし、非水素化形態に対して耐酸化性の改善をもたらすことができる。色を大きく低減し又は排除することに加えて、水素化は酸化による変色に対する耐性を増加させることもできる。
【0036】
当業者により知られている水素化手順は、本発明の粘着付与樹脂で利用することができる。例えば、樹脂の少なくとも部分的な水素化は、触媒の存在下において水素雰囲気下で溶液として行うことができる。触媒の例としては、限定するわけではないが、ニッケル、白金、パラジウム、モリブデン、ニッケル-タングステン、コバルト-モリブデン及びニッケル-モリブデンが挙げられる。粘着付与樹脂は、適切な炭化水素溶媒中の溶液として提供されてよく、そして部分水素化はバッチ法又は連続法において行われてよい。1つの例では、方法は、触媒の分布を最大化するために、ならびに、反応混合物中の水素の溶解を最大にするために、激しく攪拌しながら水素リッチな雰囲気下で反応混合物中でスラリーとして水素化触媒の懸濁液を含むことができる。別の例では、方法は、静止支持体上に堆積された触媒上で水素圧力下に粘着付与樹脂の溶液を通過させることを含むことができる。水素化反応は発熱反応であり、したがって、方法は等温的に又は断熱的に操作されている反応系内で行われてよい。
【0037】
粘着付与樹脂の水素化は、いくつかの例では、選択的であり得る。例えば、芳香族部分を含む粘着付与樹脂の部分水素化は、一般に芳香族部分を保持しながら、色を低減するように達成することができる。粘着付与樹脂の芳香族性を保存するための選択的水素化は、水素化プロセス条件の注意深い選択によって達成されうる。
【0038】
本発明の別の態様は、少なくとも1種のエラストマー及び少なくとも1種の粘着付与樹脂を含む接着剤組成物を提供することである。少なくとも1種の粘着付与樹脂は、上述したとおり、80℃以上の軟化点を有するファルネセン誘導(コ)ポリマーを含有する低分子量樹脂を含むことができる。いくつかの実施形態はまた、ファルネセン誘導(コ)ポリマーと第二の粘着付与樹脂との組み合わせを含む粘着付与樹脂のブレンドも含むことができる。第二の粘着付与樹脂としては、限定するわけではないがC5、C5/C9、C9、純粋モノマー、ロジンエステル及びそれらの水素化形態を挙げることができる。
【0039】
本発明の接着剤組成物の様々な実施形態によると、接着剤樹脂は、スチレン-イソプレンブロックコポリマー、ポリアクリレート樹脂、ポリエチレンビニルアセテート(EVA)樹脂、ポリスチレン-ブタジエン樹脂、ランダムスチレンブタジエン(SBR)コポリマー、スチレン-ブタジエンブロックコポリマー、スチレン-イソプレン-ブタジエン-スチレン(SIBS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン(SEPS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)ブロックコポリマー、非晶質ポリオレフィン(APO)樹脂及びそれらの混合物からなる群より選ばれることができる。
【0040】
本発明の様々な実施形態による接着剤組成物はまた、プロセスオイルを含んでもよい。プロセスオイルの例としては、限定するわけではないが、パラフィン、脂肪族-ナフテン系芳香族樹脂、ポリエチレングリコール、石油系オイル、エステル系可塑剤、加硫植物油、パインタール、フェノール樹脂、石油樹脂、高分子エステル及びロジンが挙げられる。プロセスオイルは、接着剤組成物中の接着剤樹脂の総質量に基づいて、約0〜約50wt%の範囲の量で使用することができ、約5〜35wt%の範囲が好ましい。
【0041】
本発明による粘着付与樹脂は、当業者に既知の任意の方法によって接着組成物中に組み込むことができる。例えば、接着剤組成物の配合の間に1種以上の粘着付与樹脂を添加することができる。
【0042】
例示的な従来のホットメルト接着剤としては、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)ブロックコポリマー、炭化水素(C5又はC5/C9)粘着付与樹脂、ロジンエステル粘着付与剤、及び/又はプロセスオイルを含む。ファルネセンから誘導された粘着付与樹脂は、この代表的な配合物のC5又はC5/C9粘着付与樹脂又はロジンエステル粘着付与剤のすべて又は一部を置換するために使用されうる。Kraton Performance Polymers Inc., Houston, TXにより商品名Kratonで販売されるものなどのSISブロックコポリマーを、ホットメルト接着剤に使用することができる。Total Petrochemicals and Refining, Inc., Houston, TXによりWingtackの商品名で販売されているものなどのC5炭化水素粘着付与樹脂を利用することができる。Nynas AB, Stockholm, Swedenにより商品名Nyflexで販売されているものなどのナフテン系プロセスオイルもホットメルト接着剤に使用することができる。
【0043】
当業者に知られているように、従来のホットメルト接着剤は種々の他の成分を含むことができ、かかる成分としては、限定するわけではないが、デンプン、ワックス、可塑剤、酸化防止剤、安定剤、顔料、染料、殺生物剤、難燃剤、帯電防止剤又はフィラーを挙げることができる。例えば、ホットメルト接着剤は、Albemarle Corporation, Baton Rouge, Lousianaにより販売されている酸化防止剤であるEthanox310を含むことができる。
【0044】
本発明による接着剤組成物の成分は、当業者に既知の任意の方法によって組み合わせることができる。例えば、これらは、従来の接着剤組成物の任意の個々の成分とは別個に、又は、組み合わせて導入することができる。さらなる例として、ファルネセンから誘導された粘着付与樹脂は、スチレン-イソプレン-スチレン(SIS)ブロックコポリマー及び、場合により、炭化水素(C5-C9)粘着付与剤を含む組成物に導入することができる。最後に、鉱油などのプロセスオイルを添加することができる。接着剤組成物は、均一になるまで、例えばシグマブレードミキサーで混合することができる。他の混合方法としては、限定するわけではないが、単軸又は二軸スクリュー、及び、アンカー又はタービンなどのミキサを備えた従来のタンクが挙げられる。
【実施例】
【0045】
本発明の有利な特性は下記の実施例を参照することにより観察でき、これらの実施例は本発明を例示し、それを限定しない。
【0046】
β-ファルネセンの単独での重合又は1種以上のコモノマーを伴う重合を、セミバッチ法により、メカニカルスターラ及び温度制御手段を備えた丸底フラスコ内で行った。β-ファルネセンを単独で、又は、1種以上のコモノマーとともに、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、シクロペンテン及びシクロペンタンを含有する混合パラフィン/オレフィン(MPO)流などの溶媒中の50〜60%溶液(全モノマー)として、少量の2-メチル-2-ブテン及びシス-及びトランス-1,3-ペンタジエン(ピペリレン)と一緒に、反応フラスコに添加した。
最適な触媒活性化のために、フィードブレンド中の湿分含有量を400〜600ppmに調整した。
【0047】
例1 ファルネセン及び2-メチル-2-ブテンの共重合
サンプル1を、窒素で30分間パージしたスターラを備えた丸底フラスコ(反応器)中で調製した。反応器に20gのトルエンを加え、内容物を25℃に温めた。93gのβ-ファルネセンを100gのトルエン溶媒とブレンドしてモノマーフィードを調製した。 2.25gのAlCl3を約0.75gの3つのアリコートに分割した。AlCl3の0.75gアリコートをトルエン装填物に添加し、次いで、モノマーフィードを撹拌されている反応器に4.5ml/分の速度で連続的に添加した。フィードの半量を添加したときに、0.75gAlCl3のさらなるアリコートを添加した。最後のモノマーフィードを加えた後に、0.75gAlCl3の第三のアリコートを加え、混合物をその温度で40分間攪拌した。次いで、100gの水性2-プロパノール(25%)の添加により反応をクエンチした。混合物を攪拌した後に、層を分離させる。有機相を単離し、同量の25%2-プロパノールでもう一回洗浄し、次いで、蒸留水で1回洗浄した。0.2gのテトラキス [メチレン-3-(3’,5'-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを、蒸留用に備えた3つ口丸底フラスコ中の洗浄された有機相に添加した。混合物を230℃に加熱しながら窒素でパージし、その間に揮発性有機物を回収した。温度が230℃に達したら、窒素をスチームで置き換えた。オリゴマー生成物及びスチーム凝縮物を、1gの樹脂生成物当たり約1gのスチーム蒸留物が得られるまで回収した。サンプル4の特性を表1に示す。
【0048】
例2 ファルネセン、ピペリレン、α-メチルスチレン及び2-メチル-2-ブテンの共重合
サンプル2を、窒素で30分間パージしたスターラを備えた丸底フラスコ(反応器)中で調製した。20gのトルエンを反応器に加え、内容物を30℃に温めた。43.6gのβ−ファルネセン、6.0gの2-メチル-2-ブテン、2.8gのα-メチルスチレン及び2.0gのピペリレン濃厚物を48.1gのMPOとブレンドしてモノマーフィードを調製した。1.0gのAlCl3を2つの0.5gアリコートに分割した。AlCl3の0.5gアリコートをトルエン装填物に添加し、次いで、モノマーフィードを撹拌されている反応器に2.5ml /分の一定速度で連続的に添加した。50mLのフィードの添加後に、0.5gのAlCl3の第二のアリコートを添加した。最後のモノマーフィードを反応混合物に添加した後に、混合物をその温度でさらに45分間撹拌した。次いで、50gの水性2-プロパノール(25%)を添加して反応をクエンチした。混合物を攪拌した後に、層を分離させた。有機相を単離し、同量の25%2-プロパノールでもう一回洗浄し、次いで、蒸留水で1回洗浄した。0.1gのテトラキス[メチレン-3-(3’,5'-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを、蒸留用に装備された3つ口丸底フラスコ中の洗浄された有機相に添加した。混合物を230℃に加熱しながら窒素でパージし、その間に揮発性有機物を回収した。温度が230℃に達したら、窒素をスチームに置き換えた。オリゴマー生成物及スチーム凝縮物を、1gの樹脂生成物当たり約1gのスチーム蒸留物が得られるまで回収した。サンプル2の特性を表1に示す。
【0049】
例3 ファルネセン、ピペリレン、α-メチルスチレン及び2-メチル-2-ブテンの共重合
サンプル3を、窒素で30分間パージしたスターラを備えた丸底フラスコ(反応器)中で調製した。20gのトルエンを反応器に添加し、内容物を30℃に温めた。42.1gのβ−ファルネセン、2.5gの2-メチル-2-ブテン、5.5gのα-メチルスチレン及び2.0gのピペリレン濃厚物を、48.1gのMPOとブレンドし、モノマーフィードを調製した。1.0gのAlCl3を2つの0.5gアリコートに分割した。 AlCl3の0.5gアリコートをトルエン装填物に添加し、次いで、モノマーフィードを撹拌されている反応器に2.5ml/分の一定速度で連続的に添加した。50mLのフィードの添加後に、0.5gのAlCl3の第二のアリコートを添加した。最後のモノマーフィードを反応混合物に添加した後に、混合物をその温度でさらに45分間撹拌した。次いで、50gの水性2-プロパノール(25%)を添加して反応をクエンチさせた。混合物を攪拌した後に、層を分離させる。有機相を単離し、同量の25%2-プロパノールでもう一回洗浄し、次いで、蒸留水で1回洗浄した。0.1gのテトラキス[メチレン-3-(3’,5'-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを、蒸留用に装備した3つ口丸底フラスコ中の洗浄された有機相に添加した。混合物を230℃に加熱しながら窒素でパージし、その間に揮発性有機物を回収した。温度が230℃に達したら、窒素をスチームで置き換えた。オリゴマー生成物及びスチーム凝縮物を、1gの樹脂生成物当たりに約1gのスチーム蒸留物が得られるまで回収した。サンプル3の特性を表1に示す。
【0050】
例4 ファルネセン、ピペリレン、α-メチルスチレン及び2-メチル-2-ブテンの共重合
サンプル4を、窒素で30分間パージしたスターラを備えた丸底フラスコ(反応器)中で調製した。30gのトルエンを反応器に加え、内容物を30℃に温めた。28.9gのファルネセン、13.2gの2-メチル-2-ブテン、7.7gのα-メチルスチレン及び40.4gのピペリレン濃厚物を111gのMPOとブレンドし、モノマーフィードを調製した。 2.5gのAlCl3を約0.6gの4つのアリコートに分けた。AlCl3の0.6gアリコートをトルエン装填物に添加し、次いで、2.5ml/分の一定速度でモノマーフィードを撹拌されている反応器に連続的に添加した。70mLのフィードの添加後に、0.6gのAlCl3のさらなるアリコートを添加した。すべての開始剤及びフィードが添加されるまでこのシーケンスを続けた。最後のモノマーフィードを添加した後に、混合物をその温度でさらに45分間撹拌した。次いで、100gの水性2-プロパノール(25%)の添加により反応をクエンチした。混合物を攪拌した後に、層を分離させる。有機相を単離し、同量の25%2-プロパノールでもう一回洗浄し、次いで、蒸留水で1回洗浄した。0.3gのテトラキス[メチレン-3-3',5'-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを、蒸留用に装備された3つ口丸底フラスコ中の洗浄された有機相に添加した。混合物を230℃に加熱しながら窒素でパージし、その間に揮発性有機物を回収した。温度が230℃に達したら、窒素をスチームで置き換えた。オリゴマー生成物及びスチーム凝縮物を、1gの樹脂生成物当たりに約1gのスチーム蒸留物が得られるまで回収した。サンプル4の特性を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
サンプル5を、窒素で30分間パージしたスターラを備えた丸底フラスコ(反応器)中で調製した。ヘプタン及びトルエンの各5gを反応器に加え、内容物を25℃に温めた。104.2gのβ−ファルネセン、3.6gの2-メチル-2-ブテン、39.4gのα-メチルスチレン及び36.1gのピペリレン濃厚物を180gのトルエンとブレンドしてモノマーフィードを調製した。3.4gのAlCl3を4等分のアリコートに分割した。AlCl3の第一のアリコートをヘプタン/トルエン装填物に添加し、次いで、2.5ml/分の一定速度で、撹拌されている反応器へモノマーフィードを連続的に添加した。109mLのフィードの添加後に、第二のアリコートのAlCl3を添加した。フィード及びAlCl3のこのシーケンスをさらに2回繰り返した。最後のモノマーを反応混合物に添加した後に、混合物をその温度でさらに60分間撹拌した。次いで、175gの水性2-プロパノール(25%)の添加により反応をクエンチした。混合物を攪拌した後に、層を分離させる。有機相を単離し、同量の25%2-プロパノールでもう一回洗浄した。0.1gのテトラキス[メチレン-3-(3’,5'-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを、蒸留用に装備した3つ口丸底フラスコ中の洗浄された有機相に添加した。混合物を230℃に加熱しながら窒素でパージし、その間に揮発性有機物を回収した。温度が230℃に達したら、窒素をスチームで置き換えた。オリゴマー生成物及びスチーム凝縮物を、1gの樹脂生成物当たり約1gのスチーム蒸留物が得られるまで回収した。サンプル5の特性を表1-Bに示す。
【0053】
例5の水素化は、2リットルのステンレススチール圧力反応器(Parr Instrument Company, Moline, ILからのモデル4530)中で行った。例5に記載の方法で得られた樹脂160gをヘプタンに溶解して50質量%の溶液を製造した。6.8gのニッケル触媒(Ni5336P, BASF)(全フィード溶液の2%)とともに、この溶液を、スターラ及び窒素及び水素ガスを導入するための手段を装備した圧力反応器に移した。反応器をシールし、攪拌を開始し、窒素を繰り返し加圧しそして解放することにより反応器をパージした。反応器の温度が70℃に達したら、繰り返しの加圧及び解放により水素で反応器をパージした。反応器温度が180℃に達したら、圧力を250psigに制御し、その間、発熱反応の結果として、温度の徐々の増加を観察した。次いで、250psigの水素圧下で反応温度を220℃に制御した。1時間後、加熱を除き、反応器を室温に冷却した。上記と同じように反応器を窒素でパージした後に、反応混合物をろ過し、固体触媒を除去した。
【0054】
無色の生成物溶液を、蒸留用に装備した3つ口丸底フラスコに移した。0.3gのテトラキス[メチレン-3-(3',5'-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを溶液に添加した。この溶液を230℃に加熱しながら窒素でパージし、その間に揮発性有機物を回収した。温度が230℃に達したら、窒素をスチームで置き換えた。オリゴマー生成物及びスチーム凝縮物を、1gの樹脂生成物当たりに約1gのスチーム蒸留物が得られるまで回収した。水素化生成物(サンプル6)の特性を表1-Bに示す。
【0055】
【表2】
【0056】
ファルネセン含有樹脂の接着適用試験
種々のC5樹脂のファルネセン含有類似体は、スチレンブロックコポリマー(SBC)としてスチレンイソプレン直鎖トリブロックコポリマーを利用する伝統的なホットメルト感圧接着剤組成物において評価した。比較サンプルとして使用されるC5樹脂は、様々な等級のWingtack(Total Petrochemicals and Refining, Inc.製、Houston, TX)であり、主としてピペリレンからなるモノマー流から誘導された。
樹脂は、以下の成分から構成された典型的な「一般目的」配合物中でスクリーニングされた。
【0057】
【表3】
【0058】
接着剤配合物の様々なサンプル中に取り込まれる粘着付与樹脂は以下のものを含んだ。
【表4】
【0059】
窒素ブランケットの下で350°F(177℃)のオープントップシグマブレードミキサー中で接着剤組成物を配合した。全ての混合時間を60分未満で維持し、SBCの分解を最小化した。最初に、SBC及び十分なIrganox1010酸化防止剤(AO)を合わせて、最終接着剤配合物中約1質量%のIrganoxを生じ、100rpmで約5〜10分間素練りした。樹脂の約1/3から1/2を混合しながら数分にわたってゆっくりと加えた。組成物をさらに10〜15分間混合した。残りの樹脂を数分にわたってゆっくりと添加し、さらに10〜15分間混合した。最後に、混合しながら油を数分にわたってゆっくりと添加し、さらに10分間混合した。冷却時の接着剤の取り出しを容易にするために剥離型コーティングでコーティングした適切な容器に接着剤組成物を移した。
【0060】
接着剤組成物のサンプルを0.9ミル(22ミクロン)の乾燥厚さで2ミル(50ミクロン)のPET上にコーティングした。接着剤をコーティングしたPETを剥離紙にラミネートし、試験前に24時間の相対湿度50%及び最低73°Fの条件に付した。 1インチ幅のストリップを切断し、感圧テープ評議会(PSTC)によって詳述された方法により試験した。
【0061】
180°剥離接着試験を、1インチ幅の試験片、及び、ステンレススチール(SS)、段ボール紙(CC)及び高密度ポリエチレン(HDPE)試験基材を用いて行った。全ての接着試験結果は、ポンド/インチ幅で報告した。ループタック(Loop Tack)試験は、同じ3つの試験基材を使用して実施し、同じポンド/インチ幅で報告した。室温せん断試験は、幅0.5インチで0.5インチの重なり(全接触面積1/4インチ2)の試験片を用いて行い、500gの錘及びSSパネルならび両面テープで試験パネルに保持された未漂白クラフト紙を用いて試験した。耐熱性は、せん断接着破壊温度(SAFT)を測定することによって決定し、℃で報告した。SAFT測定のための試験片は幅1インチで、接触面積は1インチ2で、重量は1000グラムであった。全ての試験は3回実施し、平均結果を報告した。
【0062】
図1〜3に見られるように、ファルネセンをベースとする製品を、そのWingtack対照物と比較している3つのループタックグラフは同様の性能を示す。段ボール紙サンプルの破損モードは、段ボールの100%層間剥離であり、最も望ましい。
【0063】
図4〜6を参照すると、3つのチャートは180°剥離接着試験の結果を示す。変化するレベルの芳香族含有分を含むファルネセンをベースとする接着剤の結果の間である程度のわずかな変化があるが、一般に、それらの値は試験に関与する実験誤差内に本質的にある。ここでも、段ボール紙に対するすべての試験は段ボール紙の離層をもたらした。
【0064】
ステンレススチールを用いた室温せん断試験の結果を下記の表2に示す。
【表5】
【0065】
全てのサンプルは24,300分(405時間)後になおもつる下げられており、そのとき、次のサンプル群の空間を作るための試験装置から取り外されなければならなかった。したがって、従来のC5フィードを用いて製造した樹脂を含む接着剤接着剤と、ファーネセンをベースとする樹脂を用いて製造した樹脂を含む接着剤組成物の間の性能の差異はなかった。
【0066】
試験片をクラフト紙から除去する際の室温せん断結果は結果の変動性を示した:しかしながら、下記の表3に示したすべての値は、接着剤が、使用する粘着付与樹脂に関係なく、一般目的の接着剤として機能することができるのに十分に高かった。
【0067】
【表6】
【0068】
一般に、ファルネセンをベースとするC5樹脂の類似体の性能は商業用C5樹脂と本質的に同一であった。
【0069】
図7に示したレオロジー評価(温度スィープ)をここで参照すると、ファルネセンをベースとする樹脂を含む接着剤及びC5樹脂を含む接着剤は実質的に同一であった。性能は、しかしながら、70℃以上のあたりから異なり始める。レオロジー曲線によると、ファルネセンをベースとする樹脂はより低い耐熱性を有する接着剤を生じさせた。それはより低い温度で流体になることを意味する。別の言い方をすると、ファルネセンをベースとする接着剤は従来のC5樹脂を含む比較の接着剤組成物より低い粘度を有し、そしてより容易にコート可能であり、そして該比較の接着剤組成物と同等以下の温度でスプレイ可能である。このことは消費者にエネルギーを節約させる。というのは、ファルネセンをベースとする樹脂を用いた接着剤組成物をホットメルト接着剤として基材に適用するために、より低い温度が必要とされるからである。
【0070】
図8中の接着剤弾性率(G’及びG”)に注目すると、ファルネセン含有接着剤の交差はC5樹脂含有接着剤よりも約9℃低いこと (103 対112°C)が明らかである。これは、同様に、それぞれ図9及び10に示されるように、比較接着剤組成物に対する、ファルネセンをベースとする樹脂を含む接着剤のより低い粘度及び耐熱性により反映される(せん断接着破壊温度により測定)。
【0071】
図9に見られるように、ファルネセンをベースとする樹脂を用いるときに、149℃での接着剤の溶融粘度の50%低下がある(137,000から66,000 cps)。これは接着剤粘度の劇的な低下であり、接着剤コータでの適用温度を低減させて、エネルギーを節約することができる。図10中のSAFTにより測定した接着剤の耐熱性はクラフト紙上で3℃しか低下せず、ステンレススチール上で5℃しか低下しない。
【0072】
部分置換の効果を決定するために、2つの異なる接着剤組成物を調製した: Wingtack Extraを用いて製造した対照サンプル及び粘着付与樹脂としてサンプル4を用いて製造した第二の接着剤組成物(Ex-30F)。接着剤は上記と同一の混合物、50% 樹脂、40% SIS、9% オイル及び1%酸化防止剤を用いて製造した。
【0073】
接着剤を0.9ミルの厚さで剥離ライナー上にコーティングし、そして試験のために2ミルのPETにラミネートした。全ての試験はPSTC試験方法に従って実施した。剥離接着力及びループタックは、ステンレススチール(SS)、HDPE及び段ボール紙上で決定した。せん断接着破壊温度(SAFT)はせん断パネルにラミネートされたステンレススチール及びクラフト紙で決定した。
【0074】
図11及び図12に見られるように、剥離接着力及びループタックはWingtack Extraサンプル及びサンプル4を用いて製造した樹脂の間で非常に類似していた。図13に提供されるように、SS上でのSAFTはファルネセン含有樹脂を含む接着剤で約3℃低くなったが、クラフト紙上で試験したときにほぼ同一であった。
【0075】
平行平板レオロジーをTA Instruments Discovery Hybrid Rheometer 2を用いて接着剤に対して決定し、結果を図15及び図16に示した。貯蔵弾性率及び損失弾性率は対象の典型的な温度範囲の0℃〜70℃にわたってほぼ同一である。唯一の有意な違いは交差温度である。ファルネセンをベースとする樹脂を含有する接着剤について観察されるように、30%ファルネセン-C5樹脂を含有する接着剤はまた、対照よりも低い交差温度を有するが、差異は9℃(純粋なファルネセン樹脂)から6℃(ファルネセン-C5樹脂)に低減した。
【0076】
このより低い交差温度は、図14に示すように、300°Fでの接着剤の粘度のほぼ40%の低減を説明する。このより低い粘度は、SAFTが対照とほぼ同一であっても観察される。
【0077】
したがって、ファルネセン延長粘着付与樹脂は、典型的に市販されているC5樹脂を含有する接着剤と比較したときに十分な性能を提供しながら、有意に低い粘度及び類似の耐熱性を有する接着剤を生成した。
【0078】
また、サンプル6の水素化芳香族FENE樹脂を、よく知られ、広く使用されている樹脂であるEscorez 5615(対照)と、単一のスクリーニングメタロセン-ポリオレフィン系接着剤配合物で比較した。サンプル6を含有する接着剤の低温粘度のほうが驚くほどずっと低く、そのことは「低温メルト」型接着剤とするときに有意に利点を与える。低粘度であっても、FENE含有接着剤のSAFTは対照よりわずか5℃低いだけであった(75℃対80℃)。
【0079】
樹脂を、下記の成分から構成される配合物においてスクリーニングした。
【表7】
【0080】
【表8】
【0081】
本発明の好ましい実施形態を本明細書中に示しそして記載したが、このような実施形態は例示のみで提供されていることが理解されるであろう。本発明の主旨から逸脱することなく多くの変更、変化及び置換は当業者になされるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は本発明の主旨及び範囲に入るすべてのこのような変更を網羅することが意図される。
本開示は以下も包含する。
[1] エラストマー及び粘着付与樹脂を含む、接着剤組成物であって、
前記粘着付与樹脂はファルネセンを含むモノマーから誘導されたポリマーを含み、
前記ポリマーは、
ファルネセンモノマー及び溶媒を合わせ、そして場合により、ジエン、枝分かれモノオレフィン及びビニル芳香族化合物からなる群より選ばれる1種以上のコモノマーを添加して、モノマーフィードを提供すること、及び、
前記モノマーフィードをフリーデル-クラフツ触媒と容器内で合わせることにより該モノマーフィードを重合させること、
を含む方法により製造されたものである、接着剤組成物。
[2] 前記モノマーフィードを重合させることは前記モノマーフィード及びフリーデル-クラフツ触媒の両方を前記容器に連続的にフィードすることを含む、上記態様1記載の接着剤組成物。
[3] 前記フリーデル-クラフツ触媒はBF3, AlCl3, SnCl4及びTiCl3からなる群より選ばれる、上記態様1記載の接着剤組成物。
[4] 前記フリーデル-クラフツ触媒はAlCl3及びBF3の少なくとも1つである、上記態様1記載の接着剤組成物。
[5] 前記モノマーフィードはモノマーの総モルに基づいて0〜90モル%のコモノマーを含む、上記態様4記載の接着剤組成物。
[6] 前記モノマーフィードはモノマーの総モルに基づいて0〜40モル%のコモノマーを含む、上記態様4記載の接着剤組成物。
[7] 前記フリーデル-クラフツ触媒はAlCl3である、上記態様1記載の接着剤組成物。
[8] 軟化点が80℃以上である、上記態様1記載の接着剤組成物。
[9] 前記ポリマーは数平均分子量が400〜10,000g/モルである、上記態様1記載の接着剤組成物。
[10] 前記エラストマーはスチレン-イソプレンブロックコポリマー、ポリアクリレート樹脂、ポリエチレンビニルアセテート(EVA)樹脂、ポリスチレンブタジエン樹脂、ランダムスチレン-ブタジエン(SBR)コポリマー、スチレン-ブタジエンブロックコポリマー、スチレン-イソプレン-ブタジエン-スチレン(SIBS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン(SEPS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)ブロックコポリマー、非晶質ポリオレフィン(APO)樹脂及びそれらの混合物からなる群より選ばれる、上記態様1記載の接着剤組成物。
[11] 前記粘着付与樹脂は少なくとも部分的に水素化されたものである、上記態様1記載の接着剤組成物。
[12] ファルネセンモノマー、及び、ジエン、枝分かれモノオレフィン及びビニル芳香族化合物からなる群より選ばれる1種以上の場合により存在するコモノマーから誘導されたモノマー単位を含み、軟化点が80℃以上である、ファルネセンポリマー。
[13] 前記ファルネセンポリマーは0〜90モル%のコモノマーを含む、上記態様12記載のファルネセンポリマー。
[14] 前記ファルネセンポリマーは0〜40モル%のコモノマーを含む、上記態様12記載のファルネセンポリマー。
[15] 前記コモノマーはスチレン、α-メチルスチレン、2-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、4-t-ブチルスチレン、4-シクロヘキシルスチレン、4-ドデシルスチレン、2,4-ジイソプロピルスチレン、2,4,6-トリメチルスチレン、2-エチル-4-ベンジルスチレン、4-(フェニルブチル)スチレン、1-ビニルナフタレン、2-ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、4-メトキシスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、ジビニルベンゼン、インデン、メチル-インデン、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、ミルセン、ジペンテン、イソブチレン、2-メチル-2-ブテン、2-メチル-1-ブテン、2-メチル-1-ペンテン、2-メチル-2-ペンテン、2,3-ジメチル-1-ブテン、2,3-ジメチル-2-ブテン、3,3-ジメチル-1-ブテン及び3-メチル-2-ペンテンならびにそれらの異性体からなる群より選ばれる1種以上のモノマーを含む、上記態様12記載のファルネセンポリマー。
[16] 数平均分子量が400〜10,000g/モルである、上記態様12記載のファルネセンポリマー。
[17] 前記ファルネセンポリマーは少なくとも部分的に水素化されたものである、上記態様12記載のファルネセンポリマー。
[18] エラストマー及び上記態様12記載のファルネセンポリマーを含む、接着剤組成物。
[19] 前記エラストマーはスチレン-イソプレンブロックコポリマー、ポリアクリレート樹脂、ポリエチレンビニルアセテート(EVA)樹脂、ポリスチレンブタジエン樹脂、ランダムスチレンブタジエン(SBR)コポリマー、スチレン-ブタジエンブロックコポリマー、スチレン-イソプレン-ブタジエン-スチレン(SIBS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン(SEPS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)ブロックコポリマー、非晶質ポリオレフィン(APO)樹脂及びそれらの混合物からなる群より選ばれる、上記態様18記載の接着剤組成物。
[20] 基材、及び、該基材の少なくとも1つの表面に適用された上記態様1記載の接着剤組成物を含み、前記基材はテープ及びラベルからなる群より選ばれる、物品。
[21] 木材、不織布及びブックバインディングのうちの少なくとも1つに適用された上記態様1記載の接着剤組成物を含む、コート化物品。
[22] 上記態様1記載の接着剤組成物をディスペンスする接着剤ステーションを含む、ケース及びカートン組立ライン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16