特許第6863970号(P6863970)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6863970
(24)【登録日】2021年4月5日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】ヘテロ環式化合物およびそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20210412BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20210412BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20210412BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20210412BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 13/02 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 17/18 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 7/06 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 7/04 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 21/04 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 5/14 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 5/06 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 19/06 20060101ALI20210412BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20210412BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20210412BHJP
   A61K 31/53 20060101ALI20210412BHJP
【FI】
   C07D471/04 104Z
   C07D471/04CSP
   A61K31/444
   A61K31/437
   A61K31/506
   A61K45/00
   A61P43/00 121
   A61P43/00 111
   A61P35/00
   A61P37/02
   A61P29/00
   A61P35/02
   A61P35/04
   A61P31/00
   A61P13/02
   A61P17/18
   A61P11/02
   A61P11/00
   A61P25/00 101
   A61P19/00
   A61P9/00
   A61P13/12
   A61P21/00
   A61P19/08
   A61P1/16
   A61P1/00
   A61P17/00
   A61P1/02
   A61P1/18
   A61P7/00
   A61P17/06
   A61P37/08
   A61P37/06
   A61P11/06
   A61P17/14
   A61P7/06
   A61P25/00
   A61P9/10
   A61P25/16
   A61P25/28
   A61P3/10
   A61P19/02
   A61P29/00 101
   A61P7/04
   A61P21/04
   A61P5/14
   A61P5/06
   A61P19/06
   A61P25/24
   A61K31/5377
   A61K31/53
【請求項の数】39
【全頁数】70
(21)【出願番号】特願2018-515061(P2018-515061)
(86)(22)【出願日】2016年9月19日
(65)【公表番号】特表2018-527398(P2018-527398A)
(43)【公表日】2018年9月20日
(86)【国際出願番号】US2016052538
(87)【国際公開番号】WO2017053243
(87)【国際公開日】20170330
【審査請求日】2019年9月5日
(31)【優先権主張番号】62/221,508
(32)【優先日】2015年9月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505324881
【氏名又は名称】プレキシコン インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】PLEXXIKON INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】プラバ・エヌ・イブラヒム
(72)【発明者】
【氏名】ウェイン・スピバック
(72)【発明者】
【氏名】ジアジョン・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ソンギュアン・シ
(72)【発明者】
【氏名】ベン・パウエル
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・マー
【審査官】 早乙女 智美
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/145051(WO,A1)
【文献】 特表2015−526441(JP,A)
【文献】 特表2015−526442(JP,A)
【文献】 特表2014−509316(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/182929(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY/MARPAT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】
〔式中、
はシアノ、ハロ、またはハロ、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから成る群から独立して選択される1〜3個の置換基で場合により置換されていてよい−C)アルキルであり;そして
存在するとき、Xはハロである〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体もしくは重水素化アナログ。
【請求項2】
が(C−C)アルキル、シアノまたはフルオロである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がメチルである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
がフルオロである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項5】
がシアノである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項6】
式(II):
【化2】
〔式中、
はシアノ、ハロ、またはハロ、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから成る群から独立して選択される1〜3個の置換基で場合により置換されていてよい−C)アルキルである〕
を有する請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体もしくは重水素化アナログ。
【請求項7】
がフルオロである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
がシアノである、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
がメチルである、請求項6に記載の化合物。
【請求項10】
化合物が次の式:
【化3】
の一つである、請求項6に記載の化合物または上の式のいずれかの薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、立体異性体もしくは重水素化アナログ。
【請求項11】
化合物が
【化4】
である、請求項10に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物および薬学的に許容される添加物または担体を含む、医薬組成物。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物および別の治療剤を含む、医薬組成物。
【請求項14】
ブロモドメインを調節するための医薬の製造における、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物、または請求項12もしくは13に記載の組成物の使用。
【請求項15】
ブロモドメイン介在性疾患または状態を治療するための医薬の製造における、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物、または請求項12もしくは13に記載の組成物の使用。
【請求項16】
疾患または状態が癌、自己免疫性状態、炎症状態またはそれらの組合せから選択される、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
癌が、肺癌、乳癌、結腸癌、正中線癌、間葉腫瘍、肝臓腫瘍、腎臓癌、神経系腫瘍、副腎癌、腺癌細胞腫、聴神経種、腺腫性黒色腫、先端汗腺種、急性好酸球性白血病、急性赤白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性巨核芽球性白血病、急性単球性白血病、急性前骨髄球性白血病、腺癌、腺様嚢胞癌、腺腫、腺様嚢胞がん、腺扁平上皮癌、脂肪組織新生物、副腎皮質癌、成人T細胞白血病/リンパ腫、悪性NK細胞白血病、AIDS関連リンパ腫、肺胞横紋筋肉腫、肺胞軟部肉腫、エナメル上皮線維腫、未分化大細胞リンパ腫、未分化甲状腺癌、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、血管筋脂肪腫、血管肉腫、星状細胞腫、非定形奇形ラブドイド腫瘍、B細胞慢性リンパ球性白血病、B細胞前リンパ球性白血病、B細胞リンパ腫、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、芽細胞腫、骨癌、ブレナー腫瘍、褐色腫瘍、バーキットリンパ腫、脳癌、癌、上皮内癌、癌肉腫、軟骨腫瘍、セメント腫、骨髄肉腫、軟骨腫、脊索腫、絨毛癌、脈絡叢乳頭腫、腎臓明細棒肉腫、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、頸部癌、結腸直腸癌、デゴス病、線維形成性小細胞腫瘍、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、胚芽異形成性神経上皮腫瘍、未分化胚細胞腫、胎生期癌、内分泌腺腫瘍、内胚葉洞腫瘍、腸疾患関連T細胞リンパ腫、食道癌、胎児封入奇形、線維腫、線維肉腫、濾胞性リンパ腫、濾胞性甲状腺癌、神経節細胞腫、消化器癌、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛癌、巨細胞性線維芽腫、骨巨細胞性腫瘍、グリア系腫瘍、多形神経膠芽腫、神経膠腫、神経膠腫症、グルカゴン産生腫瘍、性腺芽腫、顆粒膜細胞腫、半陰陽性卵巣腫瘍、胆嚢癌、胃癌、有毛状細胞性白血病、血管芽腫、頭頸部癌、血管周囲細胞腫、造血器腫瘍、胚芽腫、肝脾T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、浸潤性小葉癌、腸癌、腎臓癌、喉頭癌、悪性黒子、悪性正中線癌、白血病、ライディッヒ細胞腫瘍、脂肪肉腫、肺癌、リンパ管腫、リンパ管肉腫、リンパ上皮腫、リンパ腫、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、肝臓癌、小細胞肺癌、非小細胞性肺癌、MALTリンパ腫、悪性線維性組織球腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、悪性トリトン腫瘍、外套細胞リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、肥満細胞白血病、縦隔胚細胞腫瘍、乳房髄様癌、髄様甲状腺癌、髄芽腫、黒色腫、髄膜腫、メルケル細胞癌、中皮腫、転移尿路上皮癌、ミュラー管混合腫瘍、粘液性腫瘍、多発性骨髄腫、筋肉組織新生物、菌状息肉腫、粘液性脂肪肉腫、粘液腫、粘液性肉腫、鼻咽頭癌、神経線維腫症、神経芽腫、神経線維腫、神経腫、結節型黒色腫、眼癌、乏突起星状細胞腫、乏突起神経膠腫、好酸性顆粒細胞腫、視神経鞘髄膜腫、視神経腫瘍、口腔癌、骨肉腫、卵巣癌、パンコースト腫瘍、甲状腺乳頭癌、傍神経膠腫、松果体芽腫、松果体細胞腫、下垂体細胞腫、下垂体腺腫、下垂体腫瘍、形質細胞腫、多胚芽腫、前駆体Tリンパ芽球性リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、原発性腹膜癌、前立腺癌、膵臓癌、咽頭癌、腹膜偽粘液腫、腎細胞癌、腎髄様癌、網膜芽細胞腫、横紋筋腫、横紋筋肉腫、リヒタートランスフォーメーション、直腸癌、肉腫、シュワノマトーシス、精上皮腫、セルトリ細胞腫瘍、性索間質腫瘍、印環細胞癌、皮膚癌、小円形青色細胞腫瘍、小細胞癌、軟組織肉腫、ソマトスタチノーマ、煤煙性いぼ、脊椎腫瘍、脾性辺縁帯リンパ腫、扁平上皮細胞癌、滑膜肉腫、セザリー病、小腸癌、扁平上皮癌、胃癌、T細胞リンパ腫、精巣癌、卵胞膜細胞腫、甲状腺癌、移行細胞癌、咽喉癌、尿管膜癌、分泌生殖器癌、尿路上皮癌、ぶどう膜黒色腫、子宮癌、尿管膜癌、視覚伝導路神経膠腫、外陰癌、膣癌、ワルデンストレームマクログロブリン血症、ワルチン腫瘍、およびウィルムス腫瘍から成る群から選択される、請求項16に記載の使用。
【請求項18】
自己免疫性状態または炎症性状態が、炎症性骨盤感染症、尿道炎、皮膚日焼け、副鼻腔炎、肺炎、脳炎、髄膜炎、心筋炎、腎炎、骨髄炎、筋炎、肝炎、胃炎、腸炎、皮膚炎、歯肉炎、虫垂炎、膵炎、胆嚢炎、無ガンマグロブリン血症、乾癬、アレルギー、クローン病、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、シェーグレン疾患、組織移植片拒絶、移植臓器の超急性拒絶、喘息、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患、自己免疫性多腺性疾患、自己免疫性脱毛症、悪性貧血、糸球体腎炎、皮膚筋炎、多発性硬化症、強皮症、脈管炎、自己免疫性溶血性および血小板減少状態、グッドパスチャー症候群、アテローム性動脈硬化症、アジソン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、I型糖尿病、敗血症性ショック、全身性エリテマトーデス、リウマチ性関節炎、乾癬性関節炎、若年性関節炎、骨関節症、慢性特発性血小板減少性紫斑病、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、アトピー性皮膚炎、変形性関節疾患、白斑症、自己免疫性下垂体機能低下症、ギランバレー症候群、ベーチェット病、強皮症、菌状息肉腫、急性炎症性応答グレーブス病、およびコロナウイルス感染に関連する全身性炎症性応答症候群(SIRS)から成る群から選択される、請求項16に記載の使用。
【請求項19】
急性炎症性応答が、急性呼吸器窮迫症候群または虚血/再潅流傷害である、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
自己免疫性状態または炎症状態が、リウマチ性関節炎、骨関節症、急性痛風、乾癬、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、炎症性腸疾患、喘息、慢性閉塞性気道疾患、肺炎、心筋炎、心膜炎、筋炎、湿疹、皮膚炎、脱毛症、白斑症、水疱性皮膚疾患、腎炎、脈管炎、アテローム性動脈硬化症、アルツハイマー病、うつ病、網膜炎、ブドウ膜炎、強膜炎、肝炎、膵炎、原発性胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎、アジソン病、下垂体炎、甲状腺炎、I型糖尿病および移植臓器の急性拒絶反応から成る群から選択される、請求項16に記載の使用。
【請求項21】
炎症性腸疾患が、クローン病または潰瘍性大腸炎である、請求項20に記載の使用。
【請求項22】
癌が非小細胞性肺癌、小細胞肺癌、卵巣癌、黒色腫、正中線癌、乳癌、リンパ腫、神経芽腫または去勢抵抗性前立腺癌、骨髄線維症、骨髄異形成症候群または急性骨髄白血病である、請求項16に記載の使用。
【請求項23】
医薬が、キザルチニブと一緒に投与されるための医薬である、請求項16に記載の使用。
【請求項24】
医薬が、一つ以上の他の治療剤と一緒に投与されるための医薬であって、
一つ以上の他の治療剤が、一つ以上のi)アドゼレシン、アルトレタミン、ビゼレシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルボコン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、エストラムスチン、ホテムスチン、ヘプスルファム、イホスファミド、インプロスルファン、イロフルベン、ロムスチン、メクロレタミン、メルファラン、オキサリプラチン、ピポスルファン、セムスチン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、チオテパおよびトレオスルファンから選択されるアルキル化剤;ii)ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、メノガリル、マイトマイシン、ミトキサントロン、ネオカルジノスタチン、ペントスタチンおよびプリカマイシンから選択される抗生物質;iii)アザシチジン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、メトトレキサート、ネララフトラフルビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、チオグアニンおよびトリメトレキサートから成る群から選択される代謝拮抗剤;iv)アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ガリキシマブ、ゲムツズマブ、ニボルマブ、パニツムマブ、ペンブロリズマブ 、ペルツヅマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブおよび90Y イブリツモマブチウキセタンから選択される抗体治療剤;v)アナストロゾール、アンドロゲン、ブセレリン、ジエチルスチルベストロール、エキセメスタン、フルタミド、フルベストラント、ゴセレリン、イドキシフェン、レトロゾール、リュープロリド、マグネストロール、ラロキシフェン、タモキシフェンおよびトレミフェンから選択されるホルモンまたはホルモンアンタゴニスト;vi)DJ−927、ドセタキセル、TPI287、パクリタキセルおよびDHA−パクリタキセルから選択されるタキサン;vii)アリトレチノイン、ベキサロテン、フェンレチニド、イソトレチノイン、およびトレチノインから選択されるレチノイド;viii)エトポシド、ホモハリングトニン、テニポシド、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシンおよびビノレルビンから選択されるアルカロイド;ix)AE−941(GW786034、ネオバスタット)、ABT−510、2−メトキシエストラジオール、レナリドマイドおよびサリドマイドから選択される抗血管新生剤;x)アムサクリン、エドテカリン、エキサテカン、イリノテカン、SN−38(7−エチル−10−ヒドロキシ−カンプトテシン)、ルビテカン、トポテカンおよび9−アミノカンプトテシンから選択されるトポイソメラーゼ阻害剤;xi)エルロチニブ、ゲフィチニブ、フラボピリドール、イマチニブメシレート、ラパチニブ、ソラフェニブ、スニチニブマレート、AEE−788、AG−013736、AMG 706、AMN107、BMS−354825、BMS−599626、UCN−01(7−ヒドロキシスタウロスポリン)、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、トラメチニブ、コビメチニブ セルメチニブおよびバタラニブから選択されるキナーゼ阻害剤;xii)ボルテゾミブ、ゲルダナマイシンおよびラパマイシンから選択される標的シグナルトランスダクション阻害剤;xiii)イミキモド、インターフェロン−αおよびインターロイキン−2から選択される生物学的応答修飾子;xiv)IDO阻害剤;およびxv)3−AP(3−アミノ−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン)、アルトラセンタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、アスパラギナーゼ、ブリオスタチン−1、シレンギチド、エレスコモール、エリブリンメシレート(E7389)、イクサベピロン、ロニダミン、マソプロコール、ミトグアゾン、オブリメルセン、スリンダク、テストラクトン、チアゾフリン、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、Cdk4阻害剤、Akt阻害剤、Hsp90阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤またはアロマターゼ阻害剤(アナストロゾール レトロゾール エキセメスタン)から選択される化学治療剤;xvi)Mek阻害剤;xvii)チロシンキナーゼ阻害剤;xviii)c−Kit変異体阻害剤、xix)EGFR阻害剤およびxx)後成的モジュレーターである、請求項16に記載の使用。
【請求項25】
一つ以上の他の治療剤が:
(a)DNAメチルトランスフェラーゼ
(b)ヒストンおよびタンパク質メチルトランスフェラーゼ;
(c)ヒストンデメチラーゼ;
(d)ヒストンデアセチラーゼ阻害剤;
(e)ヒストンアセチルトランスフェラーゼ;および
(f)他のクロマチンリモデラー
から成る群から選択される後成的モジュレーターである、請求項24に記載の使用。
【請求項26】
後成的モジュレーターが、ボリノスタット、ロミデプシン、チダミド、パノビノスタット、ベリノスタット、バルプロ酸、モセチノスタット、アベキシノスタット、エンチノスタット、レスミノスタット、ギビノスタットおよびキシノスタットから成る群から選択されるヒストンデアセチラーゼ阻害剤である、請求項24に記載の使用。
【請求項27】
一つ以上の他の治療剤が、アパチニブ、チボザニブ、アシチニブ、バルガテフ(Vargatef)、アファチニブ、ブリバニブアラニネート、セジラニブ、クリソファン、クリソファノール、クレノラニブ、ドビチニブ二乳酸塩、塩酸エルロチニブ、フォレチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、メシル酸イマチニブ、ラパチニブ、リニファニブ、マシチニブ、モテサニブ、ムブリチニブ、ネラチニブ、パゾパニブ、ペリチニブ、ポナチニブ、レゴラフェニブ、トシル酸ソラフェニブ、スニチニブリンゴ酸塩、テラチニブ、バンデタニブバタラニブジヒドロクロライド、キザルチニブ、ペキシダルチニブおよびカボザンチニブから成る群から選択されるチロシンキナーゼ阻害剤である、請求項24に記載の使用。
【請求項28】
疾患または状態が、慢性リンパ球性白血病である、請求項24に記載の使用。
【請求項29】
疾患または状態が、ぶどう膜黒色腫である、請求項24に記載の使用。
【請求項30】
一つ以上の他の治療剤が、Mek阻害剤である、請求項29に記載の使用。
【請求項31】
疾患または状態が、急性骨髄性白血病である、請求項24に記載の使用。
【請求項32】
一つ以上の他の治療剤が、キザルチニブである、請求項31に記載の使用。
【請求項33】
一つ以上の他の治療剤が、アザシチジンである、請求項31に記載の使用。
【請求項34】
疾患または状態が、卵巣癌である、請求項24に記載の使用。
【請求項35】
化合物13:
【化5】
13
の製造方法であって化合物12:
【化6】
12
をカリウムtert-ブトキシドおよびヨードメタンと接触させることを含む方法。
【請求項36】
化合物P-002:
【化7】
P-002
の製造方法であって[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)の存在下で、化合物13:
【化8】
13
を、化合物13b:
【化9】
13b
と接触させることを含む方法。
【請求項37】
化合物P-001:
【化10】
P-001
の製造方法であって化合物P-002:
【化11】
P-002
を水酸化リチウムと接触させることを含む方法。
【請求項38】
卵巣癌を治療するための医薬の製造における、カルボプラチンと組み合わせた、
式:
【化12】
で示される化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項39】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物およびカルボプラチンを含む、卵巣癌治療用医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は合衆国法典第35章、第119条(e)のもと、2015年9月21日に出願された米国仮出願番号第62/221,508号の利益を主張するものであり、これはその全体の参照により本出願に包含させる。
【背景技術】
【0002】
本発明はブロモドメインを調節するブロモドメインタンパク質および化合物ならびにそそのための使用に関する。特定の実施態様は、本発明の化合物によるブロモドメインの調節による処置により処置可能な疾患である適応症を企図する。
【発明の概要】
【0003】
本明細書は、以前の研究における化合物と比較して優れた薬物動態(PK)を示す選り抜きの化合物群を記載する。より具体的には、本明細書に開示される式IおよびIIの化合物は、国際公開第2014/145051号の選択発明である。本発明で定義されるR置換基を必要とするジ(ピリジン−2−イル)メチレン部分を有するため、本発明の化合物は国際公開第2014/145051号に開示される特定の化合物と比較して構造的に独特な新規化合物である。対照的に、ジ(ピリジン−2−イル)メチレン部分を有する国際公開第2014/145051号に開示される特定の化合物は、本発明で定義されるR置換基が存在する位置に水素を有する。本明細書において例示するように、ここに記載の新規化合物は、国際公開第2014/145051号に記載の構造的に類似する化合物と比較して驚くほどに良好なPK特性を示し、ここで唯一の構造的差異は、国際公開第2014/145051号に記載の化合物が本発明において定義されるR置換基を有さないことである。
【0004】
本発明は式(I)の化合物:
【化1】
〔式中、
は、シアノ、ハロまたはハロ、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから成る群から独立して選択される1〜3個の置換基で場合により置換されていてよい(C−C)アルキルであり;そして
存在するとき、Xはハロである〕
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログである。
【0005】
本発明の別の実施態様は、式(I)の化合物および薬学的に許容される賦形剤もしくは担体を含む医薬組成物に関する。
【0006】
本発明の別の実施態様は、式(I)の化合物および薬学的に許容される賦形剤もしくは担体、および別の治療剤を含む医薬組成物に関する。
【0007】
別の実施態様は、式(I)の化合物または式(I)の化合物および薬学的に許容される賦形剤もしくは担体を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、ブロモドメインを調節する方法に関する。
【0008】
別の実施態様は、有効量の式(I)の化合物または式(I)の化合物および薬学的に許容される賦形剤もしくは担体を含む医薬組成物を、処置を必要とする対象に投与することを含む、ブロモドメイン介在性疾患または状態を有するまたはそのリスクを有する対象を処置する方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例5に記載の経時的な腫瘍体積の測定結果を表す。上の線で示される腫瘍体積経時測定は、溶媒を表す。下の線で示される腫瘍体積経時測定は、化合物P−001 10mg/kgを表す。中間の線で示される腫瘍体積経時測定は、化合物Z 10mg/kgを表す。
図2】化合物P−001および化合物Zを10mg/kgでnu/nuマウスに7日間投与したときに観察される毒性を示す。下の線で示されるΔ体重測定経時測定は、化合物Zを表す。上の線で示されるΔ体重測定経時測定は、化合物P−001を表す。
【0010】
詳細な説明
I.定義
本明細書で使用される限り、他のことが明らかに示されない限り、以下の定義を適用する。
【0011】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される単数形「ある(a)」、「ある(an)」および「その(the)」は、明確に示されない限り、複数の参照を含むことをここに留意するべきである。
【0012】
本明細書で使用される「標準誤差」は、サンプル標準偏差をサンプルサイズの平方根で割ったものである。
【0013】
「ハロゲン」または「ハロ」は全てのハロゲン、つまりクロロ(Cl)、フルオロ(F)、ブロモ(Br)またはヨード(I)を意味する。
【0014】
「シアノ」とは、−CN基をいう。
【0015】
用語「アルキル」はそれ自体により、または他の置換基の一部として、特に明記しない限り、指定された炭素原子数(すなわちCは1〜6個の炭素)を有する直鎖または分岐鎖の炭化水素を意味する。代表的なアルキル基は、1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基を含む。さらなる代表的なアルキル基は、1個、2個または3個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキル基を含む。
【0016】
本明細書で使用される「任意の(Optional)」または「場合により(Optionally)」は、後に記載される事象または状況が生じても生じなくてもよいこと、およびその記載された事象または状況が起こる場合および起こらない場合を含むことを意味する。例えば、「芳香族基は場合により、1個または2個のアルキル置換基で置換されていてよい」という語句は、アルキルが存在する必要がなくてもよく、その記載は芳香族基がアルキル基で置換されていない状況を含むことを意味する。
【0017】
本発明の化合物に関して本明細書で使用される用語、「合成する(synthesizing)」などの用語は、1以上の前駆物質からの化学的合成を意味する。
【0018】
「保護基」とは、分子内の反応性基に結合したとき、その反応性をマスクし、減少させ、または阻止する原子群をいう。保護基の例は、T.W. Greene and P. G. Wuts, PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC CHEMISTRY, (Wiley, 4th ed. 2006)、Beaucage and Iyer, Tetrahedron 48:2223-2311 (1992)および Harrison and Harrison et al., COMPENDIUM OF SYNTHETIC ORGANIC METHODS, Vols. 1-8 (John Wiley and Sons. 1971-1996)で見ることができる。代表的なアミノ保護基はホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、トリメチルシリル(TMS)、2−トリメチルシリル−エタンスルホニル(SES)、トリチルおよび置換トリチル基、アリルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(FMOC)、ニトロベエラトリルオキシカルボニル(NVOC)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、フェニルスルホニルなどを含む(Boyle, A. L. (編)、カルバメート、アミド、N−スルホニル誘導体、Rが例えば、メチル、エチル、t−ブチル、ベンジル、フェニルエチル、CH=CHCH−などである式−C(O)ORの基、R’が例えば、メチル、フェニル、トリフルオロメチルなどである式−C(O)R’の基、R’’が例えば、トリル、フェニル、トリフルオロメチル、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−イル、2,3,6−トリメチル−4−メトキシフェニルなどである式−SOR’’の基および2−トリメチルシリルエトキシメチル、t−ブチルジメチルシリル、トリイソプロピルシリルなどのようなシラニルを含む基、CURRENT PROTOCOLS IN NUCLEIC ACID CHEMISTRY, John Wiley and Sons, New York, Volume 1, 2000も参照)。
【0019】
「プロドラッグ」は、このようなプロドラッグが哺乳動物対象に投与されたとき、インビボで式(I)の活性親薬物を遊離するあらゆる化合物を意味する。式(I)の化合物のプロドラッグは、修飾体がインビボで開裂し、親化合物を遊離し得るような方法で式(I)の化合物に存在する官能基を修飾することにより製造される。プロドラッグは、修飾体が慣用の操作またはインビボで親化合物に開裂するような方法で式(I)の化合物に存在する官能基を修飾することにより製造される。プロドラッグは化合物中のヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基またはスルフヒドリル基が、インビボで開裂し、遊離のヒドロキシル基、アミノ基またはスルフヒドリル基をそれぞれ再生成し得る何らかの基に結合した式(I)の化合物を含む。プロドラッグの例は、限定されないが、エステル(例えば、アセテート、ホルメートおよびベンゾエート誘導体)、アミド、グアニジン、式(I)の化合物のヒドロキシ官能基のカルバメート(例えば、N,N−ジメチルアミノカルボニル)などを含む。プロドラッグの製造、選択および使用はT. Higuchi and V. Stella, "Pro-drugs as Novel Delivery Systems," Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series; "Design of Prodrugs", ed. H. Bundgaard, Elsevier, 1985;およびBioreversible Carriers in Drug Design, ed. Edward B. Roche, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987で論じられており、これらの各々はそれら全体の参照により本明細書に包含させる。
【0020】
「互変異性体」は、分子の一の原子のプロトンが他の原子に移動する現象により生成する化合物を意味する。Jerry March, Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms and Structures, Fourth Edition, John Wiley & Sons, pages 69-74 (1992)を参照。互変異性体とはまた、平衡で存在し、一の異性体形態から他の異性体形態へ容易に変換される2以上の構造異性体の一つをいう。互変異性体の例は、アセトン/プロペン−2−オール、イミン−エナミン互変異性体などのようなケトーエノール互変異性体、グルコース/2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシ−ヘキサナールなどのような環−鎖互変異性体、ピラゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾールおよびテトラゾールのようなヘテロアリール基の互変異性形態を含む。例えば、化合物がケト基またはオキシム基または芳香族部分を含む場合、互変異性的な異性化(「互変異性化」)が起こり得る。本明細書に記載の化合物は1以上の互変異性体を有し、従って種々の異性体を含む。当業者は他の互変異性環原子配列の可能性があると認識する。これらの化合物の全てのこのような異性形態は、本発明に明確に包含される。
【0021】
「異性体」は、同一の分子式を有するが、それらの原子の結合の性質または配列が異なるか、またはそれらの空間における原子配列が異なる化合物を意味する。空間におけるそれらの配列が異なる異性体は「立体異性体」と称される。「立体異性体」とは、それらが1以上の非対称中心または非対称置換基の二重結合を有するならば、異なる立体異性形態で存在し、従って個々の立体異性体としてまたは混合物として生成し得る化合物をいう。立体異性体はエナンチオマーおよびジアステレオマーを含む。互いに鏡像でない立体異性体は「ジアステレオマー」と称され、互いに重ね合わせることができない鏡像である立体異性体は「エナンチオマー」と称される。例えば化合物が非対称中心を有するとき、それは4つの異なる基に結合し、一対のエナンチオマーが存在し得る。エナンチオマーは、その非対称中心の絶対配置により特徴付けることができ、カーン(Cahn)およびプレログ(Prelog)のRおよびS順位則、または分子が偏光面を回転させる方法により表され、右旋性または左旋性(すなわち、それぞれ(+)−異性体または(−)−異性体)として指定される。キラル化合物は個々のエナンチオマーまたはそれらの混合物として存在し得る。等しい割合を含むエナンチオマーの混合物は「ラセミ混合物」と呼ばれる。特に明記しない限り、記載は個々の立体異性体ならびに混合物を含むことを意図する。立体化学の決定および立体異性体の分離方法は当該技術分野において既知である(ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY, 6th edition J. March, John Wiley and Sons, New York, 2007の第4章、discussionを参照)。本明細書において請求される特定の分子は、種々のエナンチオマーおよびジアステレオマー形態で存在し得る。
【0022】
本発明の化合物はまた、そのような化合物を構成する1以上の原子に、非天然割合の原子同位体を含み得る。例えば化合物は、例えばトリチウム(H)、ヨウ素−125(125I)、炭素−14(14C)、炭素−11(11C)またはフッ素−18(18F)のような放射性同位体を用いて放射性標識され得る。放射性であろうとなかろうと、本発明の化合物の全ての同位体変化体は本発明の範囲内に包含されることが意図される。
【0023】
本特許で請求される特定の分子は、過重水素化アナログを含む1以上の重水素原子で置換された分子の1以上の水素原子を有することがあり、これらの化合物のすべての変化体が請求される。さらに、用語「重水素化アナログ」とは、少なくとも1つの水素原子が重水素原子により置換された化合物をいうことに留意するべきである。本明細書において単独でまたは基の一部として使用される用語「重水素化」は、置換重水素原子を意味する。特定の位置が重水素(「D」または「重水素」という)を有すると指定されるとき、その位置の重水素の存在度は、重水素の天然存在度である0.015%よりもはるかに高い(すなわち、少なくとも50.1%の重水素取り込み)と理解される。
【0024】
本発明の重水素化アナログは全体または一部が重水素置換された誘導体であり得る。本発明の重水素置換化合物は、全体または一部が重水素置換されたアルキル、アリールまたはヘテロアリール基を有し得る。ある実施態様において、本発明の重水素置換化合物は、全体または一部が重水素置換されたアルキル基、例えば−CD、CDCD、−CDCDCDなどを有する。別の実施態様において、本発明の重水素置換化合物は、全体または一部が重水素置換されたフェニルのようなアリール、例えばCまたは全体または一部が重水素置換されたヘテロアリール、例えば、ピリジル−dなどを有する。
【0025】
本発明はまた、本明細書に引用されるものと同一であるが、実際には1以上の原子が、通常天然に見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置換される本発明の同位体標識化合物を包含する。本発明の化合物に包含され得る同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位体、例えば限定されないが、H(重水素、D)、H(トリチウム)、11C、13C、14C、15N、18F、31P、32P、35S、36Clおよび125Iを含む。特に明記しない限り、ある位置が「H」または「水素」と具体的に指定されるとき、その位置は天然存在量の同位体組成物またはその同位体(例えば重水素(D)またはトリチウム(H))で水素を有すると理解される。特定の本発明の同位体標識化合物(例えば、Hおよび14Cで標識したもの)は、化合物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチル化(すなわち、H)および炭素−14(すなわち、14C)およびフッ素−18(18F)同位体はそれらの調製の容易性および検出能のため、有用である。さらに、重水素(すなわち、H)のようなより重い同位体を用いた置換は、はるかに高い代謝安定性(例えば、増加したインビボ半減期または減少した用量要求)に由来する特定の治療的利益を与え得る。従っていくつかの状況において好ましいことがある。本発明の同位体標識化合物は一般に、非同位体標識試薬を同位体標識試薬に置き換えることにより、本明細書にける以下のスキームおよび実施例に開示される方法に類似する方法に従うことにより製造される
【0026】
本発明の特定の化合物は、非溶媒和物形態ならびに水和物を含む溶媒和物形態で存在し得る。「水和物」とは、溶質の分子またはイオンと水分子の組合せにより形成される錯体をいう。「溶媒和物」とは、溶質の分子またはイオンと溶媒分子の組合せにより形成される錯体をいう。溶媒は有機化合物、無機化合物または双方の混合物であり得る。溶媒和物は水和物を含むことを意味する。溶媒のいくつかの例は、限定されないが、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシドおよび水を含む。一般的に、溶媒和物形態は非溶媒和物形態と等価であり、本発明の範囲に包含される。本発明の特定の化合物は、多様な結晶または非晶質形態で存在する。一般的に、全ての物理的形態は本発明により企図される使用について等価であり、本発明の範囲内であることを意図する。
【0027】
「固体形態」とは、治療目的のために意図した動物対象に投与するのに適切な薬学的に活性な化合物の固体製剤(すなわちガスでも液体でもない製剤)をいう。固体形態は、塩、共結晶性または非晶質錯体のようなあらゆる錯体、ならびに化合物のあらゆる多形体を含む。固体形態は実質的に結晶、半結晶または実質的に非晶質であり得る。固体形態は直接的に投与され得るか、または改善した薬学的特性を有する適切な組成物の製造に使用され得る。例えば、固体形態は少なくとも1つの薬学的に許容される担体または賦形剤を含む製剤において使用され得る。
【0028】
用語「薬学的に許容される」は、示された物質が、処置される疾患もしくは状態およびそれぞれの投与方法を考慮して、合理的に慎重な医師に、患者にその物質を投与することを回避させる特性を有さないことを示す。例えば、このような物質は、例えば、注射剤については本質的に無菌であることが一般的に要求される。
【0029】
「薬学的に許容される塩」とは、哺乳動物のような患者への投与が許容される塩(例えば、所定の用量レジメについて許容される哺乳動物安全性を有する塩)をいう。このような塩は、本明細書に記載の化合物に見られる特定の置換基により、薬学的に許容される無機または有機塩基および薬学的に許容される無機または有機酸に由来し得る。本発明の化合物が比較的酸性の官能性を含んでいるとき、中性形態のこのような化合物を十分な量の望ましい塩基と無溶媒でまたは適切な不活性溶媒中で接触させることにより、塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容される無機塩基に由来する塩は、アルミニウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、銅塩、三価鉄塩、二価鉄塩、リチウム塩、マグネシウム塩、第二マンガン塩、第一マンガン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩などを含む。薬学的に許容される有機塩基に由来する塩は、置換アミン、環状アミン、天然に存在するアミン(例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、メグルミン(N−メチル−グルカミン)など)などを含む一級アミン、二級アミン、三級アミンおよび四級アミンの塩を含む。本発明の化合物が相対的に塩基性の官能性を含んでいるとき、中性形態のそのような化合物を十分な量の望ましい酸とニートでまたは適切な不活性溶媒中で接触させることにより、酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容される酸に由来する塩は、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グリコール酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、グルタミン酸塩、馬尿酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ムチン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、パモン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、ヨウ化水素酸塩、炭酸塩、酒石酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ピルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、アントラニル酸塩、メタンスルホン酸塩、サリチル酸塩、p−ヒドロキシ安息香酸塩、フェニル酢酸塩、パモ酸(パモン酸)塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、スルファニル酸塩、ステアリン酸塩、シクロヘキシルアミノスルホン酸塩、アルギン酸塩、ヒドロキシ酪酸塩、ガラクタル酸塩およびガラクツロン酸塩などを含む。
【0030】
アルギニン酸塩などのアミノ酸の塩、およびグルクロン酸およびガラクツロン酸などのような有機酸の塩もまた、含まれる(例えば、Berge, S. M. et al, "Pharmaceutical Salts", J. Pharmaceutical Science, 1977, 66:1-19を参照)。本発明のある特定の化合物は、化合物を塩基付加塩または酸付加塩に変換することを可能にする塩基性および酸性官能性の双方を含む。
【0031】
化合物の中性形態は、塩を塩基または酸に接触させることにより、および従来法における親化合物の単離により再生成され得る。化合物の親形態は、極性溶媒における溶解度のような特定の物理的特性において種々の化合物と異なるが、そうでなければ塩は本発明の目的のための化合物の親形態と同等である。
【0032】
本明細書で使用される用語「組成物」とは、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物および少なくとも1つの薬学的に許容される担体もしくは賦形剤を含む、治療目的のために意図した動物対象に投与するのに適切な製剤をいう。
【0033】
「単位用量形態」とは、疾患または医療状態を有する対象を処置するための単回投与を意図した組成物をいう。各単位投与形態は一般的に、それぞれの本発明の活性成分と薬学的に許容される賦形剤を含む。単位投与形態の例は個々の錠剤、個々のカプセル剤、原末剤、液体溶液剤、軟膏剤、クリーム剤、点眼剤、坐剤、エマルジョン剤または懸濁剤を含む。疾患または状態の処置は単位投与形態の定期的投与(例えば、1単位投薬形態を1日に2回以上、食事毎に1単位、4時間または他の間隔毎に1単位、または1日1単位のみ)が必要である。「経口単位用量形態」という表現は、経口で摂取するように設計された単位用量形態を示す。
【0034】
本明細書において、用語「治療有効量」または「有効量」は、投与するとき、化合物または化合物の量が処置される疾患、障害または医学的状態の1以上の疾患を予防、軽減または改善する、および/または処置される対象の生存を延長するために十分または有効であることを示す。治療有効量は化合物、疾患、障害もしくは状態およびその重症度ならびに処置される哺乳動物の年齢、体重などにより変化する。一般的に、対象における十分な結果は約0.1〜約10g/kg体重の一日用量で得られることが示されている。いくつかの実施態様において、一日用量は約0.10〜10.0mg/kg体重、約1.0〜3.0mg/kg体重、約3〜10mg/kg体重、約3〜150mg/kg体重、約3〜100mg/kg体重、約10〜100mg/kg体重、約10〜150mg/kg体重または約150〜1000mg/kg体重の範囲である。用量は都合よく例えば、1日4回までの分割用量または持続放出形態で投与され得る。
【0035】
ブロモドメインは、基質タンパク質に存在するアセチル化リシン、特にヒストンを特異的に認識する、(約110個のアミノ酸の)構造的にまたは進化的に保存されたタンパク質相互作用モジュールのファミリーである。ブロモドメインはクロマチンリモデリング、細胞シグナル伝達および転写制御に関する巨大なマルチドメイン核タンパク質の成分として存在する。46種類のヒトタンパク質において合計61種のヒトブロモドメインが存在する。既知の機能を有するブロモドメイン含有タンパク質の例は、(i)CREBBP、GCN5、PCAFおよびTAFII250を含むヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT);(ii)ASH1LおよびMLLのようなメチルトランスフェラーゼ;(iii)Swi2/Snf2のようなクロマチンリモデリング錯体成分;および(iv)種々の転写レギュレータ(Florence et al. Front. Biosci. 2001, 6, D1008-1018)を含む。
【0036】
本明細書で使用される「ブロモドメイン介在性」、「BET介在性」、「BRD2介在性」、「BRD3介在性」、「BRD4介在性」および/または「BRDT介在性」障害または状態は、1以上のBETタンパク質(例えばBRD2、BRD3、BRD4および/またはBRDT)のようなブロモドメイン含有タンパク質またはその変異体が役割を果たすことが知られているあらゆる疾患または他の有害な状態を意味する。従って、本発明の別の態様は1以上のBETタンパク質(例えばBRD2、BRD3、BRD4および/またはBRDT)のようなブロモドメイン含有タンパク質またはその変異体が役割を果たすことが知られている1以上の疾患の重症度の処置または減少に関する。例えば、ブロモドメインの生物学的機能が疾患または状態の進行および/または経過に影響を与える、および/またはブロモドメインの調節が進行、経過および/または症状を変化させる疾患または状態。ブロモドメイン介在性疾患または状態は、ブロモドメイン阻害が治療的利益を提供し、例えば、本明細書に記載の化合物を含む化合物ブロモドメイン阻害剤を用いた処置が疾患または状態を有するまたはそれらのリスクを有する対象に対して治療的利益を提供する、疾患または状態を含む。用語「ブロモドメインを阻害する」または「ブロモドメイン阻害剤」は類似のアセチル化タンパク質を有するブロモドメインの結合を阻害する化合物を意味し、例えば、ブロモドメイン阻害剤はアセチル化リシン残基へのブロモドメインの結合を阻害する化合物である。
【0037】
本明細書において、用語「相乗的に有効」または「相乗効果」は、組合せ剤で使用されるとき、治療上有効な2以上の化合物が、単独で使用される各化合物の効果に基づいて予想される相加効果よりもはるかに高い改善した治療的効果を提供することを示す。
【0038】
「アッセイ」は、実験条件の設定および特定の実験条件への曝露の特定の結果についてのデータの収集を意味する。例えば、酵素は検出可能な基質に対して作用するそれらの能力に基づいてアッセイされ得る。化合物は特定の標的分子または分子に結合するそれらの能力に基づいてアッセイされ得る。
【0039】
本明細書で使用される用語「リガンド」および「モジュレーター」は、標的生体分子、例えば、ブロモドメインのようなタンパク質の活性を変化させる(増大または減少させる)化合物を示すために等しく使用される。一般的に、リガンドまたはモジュレーターは小分子であり、ここで「小分子とは1500ダルトン以下、または好ましくは1000ダルトン以下、800ダルトン以下、または600ダルトン以下の分子量を有する化合物をいう。従って、「改良リガンド」は参照化合物より良好な薬理学的および/または薬物動態特性を有するリガンドであり、ここで「より良好な」は、特定の生物系または治療用途について関連する技術分野における当業者により定義され得る。
【0040】
標的化合物と潜在的結合化合物の間の相互作用と関連する用語「結合する」は、潜在的結合化合物が、タンパク質全般との結合(すなわち、非特異的結合)と比較して統計的に有意な程度まで標的と結合していることを示す。従って、用語「結合化合物」とは、標的分子と統計的に有意な結合を有する化合物をいう。好ましくは、結合化合物は1mM以下、1μM以下、100nM以下、10nM以下または1nM以下の解離定数で、特定の標的と相互作用する。
【0041】
本明細書で使用される用語「調節(modulating)」または「調節する(modulate)」とは、生物学的活性、特にブロモドメインタンパク質のような特定の生体分子に関連する生物学的活性を変化させる効果をいう。例えば、特定の生体分子のアゴニストまたはアンタゴニストは生体分子(例えば酵素)の活性を増大(例えばアゴニスト、アクティベーター)または減少(例えばアンタゴニスト、阻害剤)させることにより、その生体分子(例えば酵素)の活性を調節する。このような活性は一般的に、阻害剤またはアクティベーターについての化合物の、例えば酵素に対する、それぞれ阻害濃度(IC50)または興奮濃度(EC50)の観点から示される。
【0042】
モジュレーターである、またはその可能性がある化合物の使用、試験またはスクリーニングの文脈において、用語「接触させる(contacting)」は、化合物を特定の分子、錯体、細胞、組織、生物または他の特定の物質化合物と他の特定の物質の間で潜在的な結合相互作用および/または化学反応が起こり得るために十分近接させることを意味する。
【0043】
本明細書で使用される用語「対象」とは本明細書に記載の化合物を用いて処置される生存している生物をいい、限定されないが、ヒト、他の霊長類、運動競技用動物、ウシのような商業的に関心がある動物、ウマのような農耕用動物またはイヌおよびネコのようなペットのようなあらゆる哺乳動物を含む。
【0044】
用語「投与(administering)」とは、対象への経口投与、坐薬としての投与、局所接触、静脈内、腹腔内、筋肉内、病巣内、鼻腔内もしくは皮下投与、または遅延放出デバイス、例えば小浸透性ポンプの植え込みをいう。投与は非経口および経粘膜(例えば、頬、舌下、口蓋、歯肉、経鼻、膣、直腸または経皮)を含む、あらゆる方法による。非経腸投与は例えば、静脈内、筋肉内、動脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内および頭蓋内を含む。送達の他の様式は、限定されないが、リポソーム製剤、静脈内点滴、経皮パッチなどの使用を含む。
【0045】
本明細書で使用される用語「予防する(prevent)」、「予防すること(preventing)」、「予防(prevention)」およびそれらの文法上の変型は、疾患、障害もしくは状態ならびに/または1以上のその付随症状の開始または再発を一部または完全に遅らせるまたは排除する、または患者が障害または状態を発症するまたは再発することを防止する、または患者の障害もしくは状態または1以上の付随症状を発症するまたは再発するリスクを減少させる方法をいう。
【0046】
アミノ酸または核酸配列に関して、用語「精製した」は、対象分子が組成物中(例えば細胞培養物)において観察される生体分子の割合よりも顕著に高い生体分子の割合を構成することを示し、先の組成物で見られる割合について、より高い割合は2倍、5倍、10倍または10倍以上であり得る。
【0047】
さらに、本明細書で使用される略語は以下のようにそれぞれの意味を有する:
【表1-1】
【表1-2】
【0048】
II.一般
本発明は、ブロモドメインのモジュレーターである式(I)、(II)および全ての一般部分式の化合物、特許請求の範囲に引用される化合物ならびに本明細書に記載の化合物および疾患または状態の処置におけるそのような化合物の使用に関する。また、式(I)および(II)の化合物の合成に有用な化合物も記載される。
【0049】
III.化合物
いくつかの実施態様において、本発明は式(I)の化合物および全ての一般部分式および本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、互変異性体もしくは異性体を提供する。
【0050】
ある実施態様において、本発明は式(I):
【化2】
〔式中、
はシアノ、ハロ、またはハロ、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから成る群から独立して選択される1〜3個の置換基で場合により置換されていてよい(C−C)アルキルであり;そして
存在するとき、Xはハロである〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログを提供する。
【0051】
式(I)の別の実施態様において、Rは(C−C)アルキル、シアノまたはフルオロである。
【0052】
式(I)の別の実施態様において、Rはメチル、シアノまたはフルオロである。
【0053】
式(I)の別の実施態様において、Rは(C−C)アルキルである。式(I)の別の実施態様において、Rはメチルである。式(I)の別の実施態様において、Rはシアノである。式(I)の別の実施態様において、Rはハロである。式(I)の別の実施態様において、Rはフルオロである。
【0054】
式(I)の別の実施態様において、Rはハロ、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから成る群から独立して選択される1〜3個の置換基で場合により置換されていてよい(C−C)アルキルである。式(I)の別の実施態様において、Rはハロ、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから成る群から独立して選択される1〜3個の置換基で場合により置換されていてよいメチルである。
【0055】
式(I)の別の実施態様において、Xは存在しない。式(I)の別の実施態様において、Xはハロである。式(I)の別の実施態様において、Xはフルオロである。式(I)の別の実施態様において、Xはクロロである。
【0056】
式(I)の別の実施態様において、Rは(C−C)アルキルであり、Xは存在しない。式(I)の別の実施態様において、Rは(C−C)アルキルであり、Xはハロである。式(I)の別の実施態様において、Rは(C−C)アルキルであり、Xはフルオロである。式(I)の別の実施態様において、Rは(C−C)アルキルであり、Xはクロロである。式(I)の別の実施態様において、Rは(C−C)アルキルであり、Xは存在しない。式(I)の別の実施態様において、Rは(C−C)アルキルであり、Xはハロである。式(I)の別の実施態様において、Rは(C−C)アルキルであり、Xはフルオロである。式(I)の別の実施態様において、Rは(C−C)アルキルであり、Xはクロロである。
【0057】
式(I)の別の実施態様において、Rはハロ、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから成る群から独立して選択される1〜3個の置換基で場合により置換されていてよい(C−C)アルキルであり、Xは存在しない。式(I)の別の実施態様において、Rはハロ、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから成る群から独立して選択される1〜3個の置換基で場合により置換されていてよい(C−C)アルキルであり、Xはハロである。式(I)の別の実施態様において、Rはハロ、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから成る群から独立して選択される1〜3個の置換基で場合により置換されていてよい(C−C)アルキルであり、Xはフルオロである。式(I)の別の実施態様において、Rは(C−C)アルキルであり、Xはクロロである。
【0058】
式(I)の別の実施態様において、Rはハロ、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから成る群から独立して選択される1〜3個の置換基で場合により置換されていてよい(C−C)アルキルであり、Xは存在しない。
【0059】
式(I)の別の実施態様において、Rはハロ、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから成る群から独立して選択される1〜3個の置換基で場合により置換されていてよい(C−C)アルキルであり、Xはハロである。式(I)の別の実施態様において、Rはハロ、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから成る群から独立して選択される1〜3個の置換基で場合により置換されていてよい(C−C)アルキルであり、Xはフルオロである。式(I)の別の実施態様において、Rはハロ、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから成る群から独立して選択される1〜3個の置換基で場合により置換されていてよい(C−C)アルキルであり、Xはクロロである。
【0060】
式(I)の別の実施態様において、Rはメチルであり、Xは存在しない。式(I)の別の実施態様において、Rはメチルであり、Xはハロである。式(I)の別の実施態様において、Rはメチルであり、Xはフルオロである。式(I)の別の実施態様において、Rはメチルであり、Xはクロロである。
【0061】
式(I)の別の実施態様において、Rはハロ、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから成る群から独立して選択される1〜3個の置換基で場合により置換されていてよいメチルであり、Xは存在しない。式(I)の別の実施態様において、Rはハロ、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから成る群から独立して選択される1〜3個の置換基で場合により置換されていてよいメチルであり、Xはハロである。式(I)の別の実施態様において、Rはハロ、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから成る群から独立して選択される1〜3個の置換基で場合により置換されていてよいメチルであり、Xはフルオロである。式(I)の別の実施態様において、Rはハロ、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから成る群から独立して選択される1〜3個の置換基で場合により置換されていてよいメチルであり、Xはクロロである。
【0062】
式(I)の別の実施態様は式(II):
【化3】
〔式中、Rはシアノ、ハロまたはハロ、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから成る群から独立して選択される1〜3個の置換基により場合により置換されていてよい(C−C)アルキルである〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログである。
【0063】
式(II)の別の実施態様において、Rは(C−C)アルキル、シアノまたはフルオロである。
【0064】
式(II)の別の実施態様において、Rはメチル、シアノまたはフルオロである。
【0065】
式(II)の別の実施態様において、Rはシアノ、ハロ、または1以上のハロで場合により置換されていてよい(C−C)アルキルである。式(II)の別の実施態様において、Rはシアノ、ハロまたは1以上のハロで場合により置換されていてよいメチルである。式(II)の別の実施態様において、Rはメチルである。式(II)の別の実施態様において、Rは1〜3個のハロで場合により置換されていてよいメチルである。式(II)の別の実施態様において、Rは1〜3個のクロロで場合により置換されていてよいメチルである。式(II)の別の実施態様において、Rは1〜3個のフルオロで場合により置換されていてよいメチルである。式(II)の別の実施態様において、Rはシアノである。式(II)の別の実施態様において、Rはフルオロである。
【0066】
式(II)の別の実施態様において、Rはシアノ、ハロ、またはハロ、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから成る群から独立して選択される1〜3個の置換基で場合により置換されていてよい(C−C)アルキルである。式(II)の別の実施態様において、Rはハロ、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシから成る群から独立して選択される1〜3個の置換基で場合により置換されていてよいメチルである。
【0067】
式IまたはIIの化合物の別の態様は、表Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体または表Iのいずれかの化合物の重水素化アナログである。
【表2】
【0068】
本発明の別の実施態様は、式(I)、式(II)の化合物または表Iに列挙する化合物の合成に有用な中間体化合物に関し、ここで該中間体化合物は以下の式:
【化4】
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログの一つである。
【0069】
有機合成技術
潜在的なモジュレーターの構築を容易にするための広範な有機合成技術が存在する。これらの有機合成法の多くは、当業者により使用される標準的な文献ソースに記載されている。そのような文献の一例は、Reactions, Mechanisms and Structure, New York, McGraw Hillである。従って、ブロモドメイン機能の潜在的なモジュレーターを合成するために有用な技術は、有機化学合成の当業者にとって容易に利用可能である。
【0070】
別の化合物形態または誘導体
本明細書において企図される化合物は、一般式および特定の化合物の両方に関して記載される。さらに、本明細書に開示される化合物は、本発明の範囲においては全て、多くの種々の形態または誘導体として存在し得る。別の化合物形態または誘導体は例えば、(a)プロドラッグおよび活性な代謝物、(b)互変異性体、異性体(立体異性体および位置異性体を含む)およびラセミ混合物、(c)薬学的に許容される塩および(d)種々の結晶形態、多形または非晶質固体、その水和物および溶媒和物ならびに他の形態を含む固体形態を含む。
【0071】
(a)プロドラッグおよび代謝物
本明細書に記載の式および化合物に加えて、本発明はまた、プロドラッグ(一般に薬学的に許容されるプロドラッグ)、活性な代謝誘導体(活性代謝物)およびそれらの薬学的に許容される塩を含む。
【0072】
プロドラッグは、生理学的条件下で代謝されたときまたは加溶媒分解により変換されたとき、所望の活性化合物を生成する化合物またはその薬学的に許容される塩である。プロドラッグは、限定されないが、活性化合物のエステル、アミド、カルバメート、カーボネート、ウレイド、溶媒和物または水和物を含む。一般的に、プロドラッグは不活性であるかまたは活性化合物よりも低活性であるが、1以上の有利な取扱い、投与および/または代謝特性を提供する。例えば、いくつかのプロドラッグは活性化合物のエステルであり;代謝中、エステル基が開裂して活性薬物が生成する。エステルは例えば、カルボン酸基のエステル、またはチオール、アルコールもしくはフェノール基のS−アシルもしくはO−アシル誘導体を含む。この関係において、一般的な例はカルボン酸のアルキルエステルである。プロドラッグはまた、化合物の−NH基が1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン環の1位または本明細書に記載の化合物のスルホンアミドの窒素のように、アシル化を受け、アシル基の開裂が活性薬物の遊離の−NH基を提供するバリアントを含む。いくつかのプロドラッグは酵素的に活性化されて活性化合物を生成するか、または化合物はさらなる化学反応を経て活性化合物を生成し得る。プロドラッグは、プロドラッグ形態から一段階で活性形態に進むことがあり、またはそれ自体が活性を有するかまたは不活性であり得る1以上の中間形態を有し得る。
【0073】
The Practice of Medicinal Chemistry, Ch. 31-32 (Ed. Wermuth, Academic Press, San Diego, CA, 2001)に記載されるように、プロドラッグは概念上、生物学的前駆体プロドラッグおよび担体プロドラッグの2つの非排他的なカテゴリに分けられ得る。一般的に、生物学的前駆体プロドラッグは不活性なまたは対応する活性薬物化合物と比較して低い活性を有し、1以上の保護基を含み、代謝または加溶媒分解により活性形態に変換される化合物である。放出される活性薬物形態およびあらゆる代謝生成物は許容できる低い毒性を有するべきである。一般に、活性薬物化合物の形成は、以下のタイプの一つの代謝過程または反応を含む。
【0074】
酸化的反応:酸化的反応は、アルコール、カルボニルおよび酸官能基の酸化、脂肪族炭素のヒドロキシル化、脂環式炭素原子のヒドロキシル化、芳香族炭素原子の酸化、炭素−炭素二重結合の酸化、含窒素官能基の酸化、ケイ素、リン、ヒ素および硫黄の酸化、酸化的N−脱アルキル化、酸化的O−脱アルキル化およびS−脱アルキル化、酸化的脱アミノ化ならびに他の酸化的反応のような反応が例であるが、これらに限定されない。
【0075】
還元的反応:還元的反応は、カルボニル官能基の還元、アルコール官能基の還元および炭素−炭素二重結合の還元、含窒素官能基の還元ならびに他の還元反応のような反応が例であるが、これらに限定されない。
【0076】
酸化状態の変化がない反応:酸化状態の変化がない反応は、エステルおよびエーテルの加水分解、炭素−窒素単結合の加水分解性開裂、非芳香族ヘテロ環の加水分解性開裂、多重結合の水和および脱水、脱水反応から生じる新たな原子結合、加水分解性脱水、ハロゲン化水素分子の除去ならびに他のそのような反応のような反応が例であるが、これらに限定されない。
【0077】
担体プロドラッグは、例えば活性部位への取り込みおよび/または局所送達を改善する輸送部分を含む、化合物である。そのような担体プロドラッグについて望ましくは、薬物部分と輸送部分の間の結合が共有結合であり、プロドラッグは不活性であるか薬物化合物よりも低い活性であり、プロドラッグおよびあらゆる遊離される輸送部分が許容される非毒性である。輸送部分が取り込みの向上を意図するプロドラッグについて、一般的に、輸送部分の遊離は迅速であるべきである。他の場合において、遅延放出を提供する部分、例えばシクロデキストリンのような特定のポリマーまたは他の部分を利用することが望ましい(例えば、参照により包含させるCheng et al.,米国特許公開第20040077595号、出願番号第10/656,838号を参照)。このような担体プロドラッグはしばしば、経口投与薬物に有利である。いくつかの場合において、輸送部分は薬物の標的送達を提供する。例えば、薬物は抗体または抗体フラグメントにコンジュゲートし得る。担体プロドラッグは、例えば、1以上の次の特性を改善するために使用される:増加した親油性、延長した薬理効果の持続時間、増加した部位特異性、減少した毒性および有害反応、および/または薬物製剤の改善(例えば、安定性、水溶解度、感覚刺激的または物理化学的特性の抑制)。例えば親油性は、親油性のカルボン酸を用いたヒドロキシル基のエステル化、またはアルコール(例えば脂肪族アルコール)を用いたカルボン酸のエステル化により増加する。上記Wermuth。
【0078】
代謝物、例えば活性な代謝物は、上記プロドラッグ、例えば、生物学的前駆体プロドラッグと重複する。従って、そのような代謝物は薬理学的に活性な化合物または対象の身体における代謝過程から生じる誘導体である薬理学的に活性な化合物へさらに変換される化合物である。これらについて、活性代謝物はそのような薬理学的に活性な誘導体化合物である。プロドラッグについて、プロドラッグ化合物は一般的に不活性であるか、代謝生成物より活性が低い。活性代謝物について、親化合物は活性化合物であり得るか、または不活性なプロドラッグであり得る。例えば、いくつかの化合物において、1以上のアルコキシ基は薬理学的活性を保持しながらヒドロキシル基へ代謝され得て、および/またはカルボキシル基はエステル化、例えば、グルクロニド化され得る。いくつかの場合において、中間代謝物がさらに代謝されて活性代謝物を提供する場合、1以上の代謝物が存在し得る。例えば、いくつかの場合において、代謝グルクロニド化により生じる誘導体化合物は不活性または低活性であり得て、さらに代謝されて活性代謝物を提供し得る。
【0079】
化合物の代謝物は、当該技術分野における所定の技術を用いて特定され得て、それらの活性は本明細書に記載の試験を用いて決定される。例えば、Bertolini et al., 1997, J. Med. Chem., 40:2011-2016; Shan et al., 1997, J Pharm Sci 86(7):756-757; Bagshawe, 1995, Drug Dev. Res., 34:220-230;上記Wermuthを参照。
【0080】
(b)互変異性体、立体異性体および位置異性体
いくつかの化合物は互変異性を示し得ると理解される。そのような場合において、本明細書に提供される式は、可能性のある互変異性形態の一つのみを明確に表す。従って、本明細書に提供される式は、表される化合物の互変異性体のいずれかを表すことを意図し、式の図により表される特定の互変異性体を単に限定するものではない。
【0081】
同様に、本発明の化合物のいくつかは立体異性体として存在し得る。すなわち原子の空間的位置が全く異なる共有結合した原子の同一の原子結合性を有する。例えば、化合物は1以上のキラル中心を含む光学異性体であり得て、従って、2以上の立体異性形態(例えばエナンチオマーまたはジアステレオマー)で存在し得る。従って、そのような化合物は単一の立体異性体(すなわち、本質的に他の立体異性体を含まない)、ラセミ体ならびに/またはエナンチオマーおよび/もしくはジアステレオマーの混合物として存在し得る。別の例として、立体異性体は、二重結合の隣接炭素上のcis配置またはtrans配置のような幾何異性体を含む。全てのこのような単一の立体異性体、ラセミ体およびその混合物は、本発明の範囲内であると意図される。特に明記されない限り、全てのそのような立体異性形態は本明細書で提供される式に含まれる。
【0082】
いくつかの実施態様において、本発明のキラル化合物は、単一の異性体を少なくとも80%(60%エナンチオマー過剰率(「e.e.」)またはジアステレオマー過剰率(「d.e.」))、または少なくとも85%(70%e.e.またはd.e.)、90%(80%e.e.またはd.e.)、95%(90%e.e.またはd.e.)、97.5%(95%e.e.またはd.e.)、または99%(98%e.e。またはd.e.)含む形態である。当業者により一般的に理解されるように、1つのキラル中心を有するエナンチオマー的に純粋な化合物は本質的に可能性のある2つのエナンチオマーの一つから成る(すなわち、エナンチオマー的に純粋である)化合物であり、1以上のキラル中心を有するエナンチオマー的に純粋な化合物は、ジアステレオマー的にもエナンチオマー的にも純粋な化合物である。いくつかの実施態様において、化合物は当該技術分野で知られる方法により(例えば、再結晶技術、キラル合成技術(光学的に純粋な出発物質からの合成を含む)およびキラルカラムを用いたクロマトグラフィー分割により)製造および/または単離された光学的に純粋な形態のような、光学的に純粋な形態で存在する。
【0083】
(c)薬学的に許容される塩
特に明記しない限り、本明細書に記載の化合物の指定はそのような化合物の薬学的に許容される塩を含む。従って、本明細書に記載されるおよび特許請求の範囲のいずれかにおいて引用される化合物は、薬学的に許容される塩の形態を含むか、または薬学的に許容される塩トして製剤される。想定される薬学的に許容される塩形態は、限定されないが、モノ、ビス、トリス、テトラキスなどを含む。薬学的に許容される塩は、投与される量において非毒性である。そのような塩の調製は、化合物が生物学的効果を発揮することを妨げることなくその物理的性質を変化させることにより、薬理学的使用を容易にし得る。物理的特性における有用な変化は、融点が低下して経粘膜投与が容易になることおよび溶解度を上昇させてより高濃度の薬物を投与することを可能にすることを含む。本発明の化合物は、十分に塩基性の基、または両性の基を有し、従って多くの無機もしくは有機塩基ならびに無機もしくは有機酸と反応し、薬学的に許容される塩を形成し得る。
【0084】
薬学的に許容される塩はクロライド塩、ブロマイド塩、アイオダイド塩、ヒドロクロライド塩、アセテート塩、フェニルアセテート塩、アクリレートン塩、アスコルベート塩、アスパルテート塩、ベンゾエート塩、2−フェノキシベンゾエート塩、2−アセトキシベンゾエート塩、ジニトロベンゾエート塩、ヒドロキシベンゾエート塩、メトキシベンゾエート塩、メチルベンゾエート塩、ビカーボネート塩、ブチン−1,4−ジオエート塩、ヘキシン−1,6−ジオエート塩、カプロエート塩、カプリレート塩、クロロベンゾエート塩、シンナメート塩、シトレート塩、デカノエート塩、ホルメート塩、フマレート塩、グリコレート塩、グルコネート塩、グルカレート塩、グルクロネート塩、グルコース−6−ホスフェート塩、グルタメート塩、、ヘプタノエート塩、ヘキサノエート塩、イセチオネート塩、イソブチレート塩、γ−ヒドロキシブチレート塩、フェニルブチレート塩、ラクテート塩、マレート塩、マレアート塩、ヒドロキシマレアート塩、メチルマレアート塩、マロネート塩、マンデラート塩、ニコチネート塩、ニトレート塩、イソニコチネート塩、オクタノエート塩、オレエート塩、オキサレート塩、パモエート塩、ホスフェート塩、モノヒドロホスフェート塩、ジヒドロホスフェート塩、オルソホスフェート塩、メタホスフェート塩、ピロホスフェート塩、2−ホスホグリセレート塩、3−ホスホグリセレート、フタレート塩、プロピオネート塩、フェニルプロピオネート塩、プロピオレート塩、ピルベート塩、キネート塩、サリチレート、4−アミノサリチレート塩、セバケート塩、ステアレート塩、スベレート塩、スクシネート塩、スルフェート塩、ピロスルフェート塩、ビスルフェート塩、スルファイト塩、ビスルファイト塩、スルファメート塩、スルホネート塩、ベンゼンスルホネート塩(すなわちベシレート塩)、エタンスルホネート塩(すなわちエシレート塩)、エタン−1,2−ジスルホネート塩、2−ヒドロキシエタンスルホネート塩(すなわちイセチオネート塩)、メタンスルホネート塩(すなわちメシレート)、ナフタレン−1−スルホネート塩、ナフタレン−2−スルホネート塩(すなわちナフシレート塩)、プロパンスルホネート塩、p−トルエンスルホネート塩(すなわちトシレート塩)、キシレンスルホネート塩、シクロヘキシルスルファメート塩、タートレート塩およびトリフルオロアセテート塩のような塩を含むような酸付加塩を含む。これらの薬学的に許容される酸付加塩は、適切な対応する酸を用いて調製され得る。
【0085】
カルボン酸またはフェノールのような酸性官能基が存在するとき、薬学的に許容される塩もまた、ベンザチン塩、クロロプロカイン塩、コリン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、t−ブチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、エチレンジアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、メグルミン塩、ヒドロキシエチルピロリジン塩、ピペリジン塩、モルホリン塩、ピペラジン塩、プロカイン塩、アルミニウム塩、カルシウム塩、銅塩、鉄塩、リチウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩、アンモニウム塩、モノアルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩もしくはトリアルキルアミン塩(例えばジエチルアミン塩)、またはL−ヒスチジン、L−グリシン、L−リシンおよびL−アルギニンのようなアミノ酸に由来する塩を含む塩のような塩基付加塩を含む。例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, 19th ed., Mack Publishing Co., Easton, PA, Vol. 2, p. 1457, 1995を参照。これらの薬学的に許容される塩基付加塩は、適切な対応する塩基を用いて調製され得る。
【0086】
薬学的に許容される塩は標準的な技術により調製され得る。例えば、化合物の遊離塩基形態を適切な酸を含む水溶液または水性アルコール溶液のような適切な溶媒に溶解し、その後溶液を濃縮することにより単離され得る。別の例において、塩は遊離塩基および遊離酸を有機溶媒中で反応させることにより調製され得る。特定の化合物が酸ならば、所望の薬学的に許容される塩は、任意の適切な方法、例えば適切な無機または有機塩基を用いた遊離酸の処理により調製され得る。
【0087】
(d)他の化合物形態
固体物質の場合、化合物および塩は種々の結晶または多形形態で存在し得て、共結晶として製剤化され得るか、または非晶質形態で存在し得るか、それらのいずれかの組合せ(例えば部分結晶、部分非晶質、または多形の混合物)で存在し得て、これらは全て本発明および特定の式の範囲内であることが意図されると当業者により理解される。塩は酸/塩基付加、すなわち目的の形態の化合物遊離塩基または遊離酸が対応する付加塩基または付加酸とそれぞれ酸/塩基との反応を形成することにより形成されてイオン電荷相互作用が生じるが、共結晶は中性化合物間で形成される新たな化学種であり、同一の結晶構造中に化合物および付加分子をもたらす。
【0088】
いくつかの場合において、本発明の化合物は、アンモニウム塩、ジエチルアミン塩、エタノールアミン塩、エチレンジアミン塩、ジエタノールアミン塩、t−ブチルアミン塩、ピペラジン塩、メグルミン塩のような塩基付加塩;アセテート塩、アセチルサリチレート塩、ベシレート塩、カンシレート塩、シトレート塩、ホルメート塩、フマレート塩、グルタレート塩、ヒドロクロレート塩、マレアート塩、メシレート塩、ニトレート塩、オキサレート塩、ホスフェート塩、スクシネート塩、スルフェート塩、タートレート塩、チオシアネート塩およびトシレート塩のような酸付加塩;およびアラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンまたはバリンのようなアミノ酸を含む酸または塩基と錯体を形成する。本発明の化合物と酸または塩基の組合せにおいて、一般的な塩または共結晶のような結晶性物質ではなく非晶質が形成されることが好ましい。いくつかの場合において、錯体の非晶質形態は、酸または塩基と混合した親化合物のスプレードライ、ローラー圧縮のようなメカノケミカル法またはマイクロ波照射のようなさらなる処理により容易になる。そのような方法はまた、限定されないが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(HPMCAS)およびメタクリル酸コポリマー(例えばEudragit(登録商標)L100−55)を含む、錯体の非晶質性をさらに安定化させるイオン性または非イオン性ポリマー系の付加を含み得る。そのような非晶質錯体は、いくつかの利益を提供する。例えば、遊離塩基と比較して融点が低下するため、熱溶解噴出のようなさらなる処理が容易になり、化合物の生物薬剤学的性質がさらに改善される。また、非晶質錯体は容易に崩壊し、固体をカプセルに充填するためのまたは錠剤形態への改善された圧縮を提供する。
【0089】
さらに、式は特定の構造の水和物または溶媒和物ならびに非水和物または非溶媒和物形態も含むことが意図される。例えば、示された化合物は水和物および非水和物形態の双方を含む。溶媒和物の他の例は、イソプロパノール、エタノール、メタノール、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、酢酸またはエタノールアミンのような適切な溶媒との組合せの構造を含む。
【0090】
製剤および投与
別の態様において、本発明は薬学的に許容される担体、賦形剤および/または希釈剤および本明細書に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む/含有する医薬組成物を提供する。典型的な実施態様において、本発明は本明細書に記載の化合物を含む/含有する医薬製剤を提供する。いくつかの実施態様において、本発明は式(I)または(II)の化合物;または薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体、または式(I)もしくは(II)の重水素化アナログ;または表Iのいずれかの化合物、および薬学的に許容される担体、賦形剤および/または希釈剤を含む/含有する医薬組成物を提供する。
【0091】
方法および化合物は一般的に、ヒト対象に対する治療に使用される。しかしながら、それらはまた、他の動物対象における同様または同一の症状を処置するために使用され得る。本明細書に記載の化合物は、注射(すなわち、静脈内、腹腔内、皮下、および筋肉内を含む非経腸)剤、経口剤、経皮剤、経粘膜剤、直腸剤または吸入剤を含む種々の方法により投与され得る。このような投与形態は、化合物が標的細胞に到達することを可能にするべきである。他の要因は当該技術分野でよく知られており、化合物または組成物がその効果を発揮するのを遅らせる毒性および投与形態のような懸念を含む。技術および製剤は一般的に、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st edition, Lippincott, Williams and Wilkins, Philadelphia, PA, 2005(参照により本明細書に包含させる)に見られる。
【0092】
いくつかの実施態様において、組成物は充填剤、結合剤、崩壊剤、流動促進剤、滑沢剤、錯化剤、可溶化剤および界面活性剤のような、特定の方法による化合物の投与を容易にするために選択され得る薬学的に許容される担体または賦形剤を含む。担体の例は、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ラクトース、グルコースまたはスクロースのような種々の糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、脂質、リポソーム、ナノパーティクルなどを含む。担体はまた、例えば、注射用無菌水溶液(WFI)、食塩水溶液、デキストロース溶液、ハンクス液、リンゲル液、植物油、鉱油、動物油、ポリエチレングリコール、液体パラフィンなどを含む溶媒としてまたは混合物に対して生理学的に混合可能な液体を含む。添加物はまた、例えば、コロイド性二酸化ケイ素、シリカゲル、タルク、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸ナトリウム、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、微晶質セルロース、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースケイ酸、安息香酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、シロイド、ステアロウェットC、酸化マグネシウムオキシド、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセリル、グリセリルジベヘネート、パルミトステアリン酸グリセリル、水素化植物油、水素化綿実油、ヒマシ油、鉱油、ポリエチレングリコール(例えばPEG400−8000)、ポリオキシエチレングリコール、ポロキサマー、ポビドン、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、アルギン酸、カゼイン、メタクリル酸ジビニルベンゼンコポリマー、ドキュセートナトリウム、シクロデキストリン(例えば2−ヒドロキシプロピル−δ−シクロデキストリン)、ポリソルベート(例えばポリソルベート80)、セトリミド、TPGS(d−α−トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート)、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリエチレングリコールエーテル、ポリエチレングリコールのジ脂肪酸エステル、またはポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンエステルTween(登録商標))、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル(例えばオレイン酸、ステアリノン酸、パルミチン酸のような脂肪酸に由来するソルビタン脂肪酸エステル)、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、マルトース、ラクトース、ラクトース一水和物またはスプレードライラクトース、スクロース、フルクトース、リン酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、三塩基性リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、デキストレート、デキストラン、デキストリン、デキストロース、セルロースアセテート、マルトデキストリン、シメチコン、ポリデキストロース、キトサン、ゼラチン、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)、ヒドロキシエチルセルロースなどを含み得る。
【0093】
医薬製剤は単位用量あたり所定量の活性成分を含む単位用量形態に存在し得る。そのような単位は、処置される条件、投与方法および患者の年齢、体重および状態により、例えば0.5mg〜1g、好ましくは1mg〜700mg、より好ましくは5mg〜100mgの本発明の化合物を(遊離塩基、溶媒和物(水和物を含む)または塩として、いずれかの形態で)含み得る。好ましい単位用量製剤は、活性成分の一日用量、週用量、月用量、副用量またはその適切な画分を含む製剤である。さらに、このような医薬製剤は、製薬技術分野で既知の任意の方法によって調製できる。
【0094】
医薬製剤は、任意の適切な方法による、例えば経口(カプセル、錠剤、液体充填カプセル剤、崩壊錠剤、即時放出錠剤、遅延放出錠剤および制御放出錠剤、オーラルストリップ剤、溶液剤、シロップ剤、口腔および舌下を含む)、直腸、経鼻、吸入、局所(経皮を含む)剤、膣剤または非経腸(皮下、筋肉内、静脈内または皮内)方法による投与に適用され得る。そのような製剤は、例えば、活性成分を担体、賦形剤または希釈剤と会合させることによって、医薬分野で知られる任意の方法によって調製することができる。このような製剤は、医薬分野で知られるいずれかの方法により、有効成分を担体、添加物または希釈剤と合わせることにより調製され得る。一般に、医薬製剤において使用される担体、添加物または希釈剤は「非毒性」(それ/それらが医薬組成物に送達される量での消費に対して安全であるとみなされることを意味する)であり、「不活性」(それ/それらが明確に反応しないまたは活性成分の治療活性に対して望ましくない影響をもたらさないことを意味する)である。
【0095】
いくつかの実施態様において、経口投与が使用され得る。経口使用のための医薬製剤は、個別の単位のカプセル剤、錠剤、およびシロップ剤、エリキシル剤および濃縮液剤のような液体製剤のような従来の経口剤形に製剤化され得る。本明細書に記載の化合物は、固体錠剤と混合し、場合により得られた混合物を粉砕し、所望により適切な補助剤を添加した後、顆粒混合物を処理し、例えば錠剤、被覆錠剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、溶液(例えば水性、アルコール性、または油性溶液)剤が得られ得る。適切な添加物は特に、ラクトース、グルコース、スクロース、マンニトールまたはソルビトールを含む糖のような充填剤;セルロース製剤、例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ポテトデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)および/またはポリビニルピロリドン(PVP:ポビドン);ヒマワリ油、オリーブ油またはタラ肝油のような植物油および動物油を含む油添加物である。経口投与製剤はまた、架橋ポリビニルピロリドン、寒天またはアルギン酸またはアルギン酸ナトリウムのようなその塩のような崩壊剤;タルクまたはステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤;グリセロールまたはソルビトールのような可塑剤;スクロース、フルクトース、ラクトースまたはアスパルテームのような甘味剤;ペパーミント、冬緑油またはチェリー香味剤のような天然または人工の香味剤;または単回投与のような種々の投与または組合せを特定または特徴図蹴るために使用され得る染料もしくは色素を含む。適切なコーティングを有する糖衣錠コアもまた、提供される。この目的のために、濃縮した糖溶液が使用され、これらは場合により、例えばアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタン、ラッカー溶液および適切な有機溶媒または溶媒混合物を含んでよい。溶液剤、シロップ剤およびエリキシル剤のような経口流体は、所定量が所定の化合物を含有するように用量単位形態で製造される。
【0096】
経口的に使用される医薬製剤は、ゼラチンから成るプッシュフィットカプセル剤(「ジェルキャップ」)ならびにゼラチンから成る軟カプセル剤、封入カプセル剤およびグリセロールまたはソルビトールのような可塑剤を含む。プッシュフィットカプセル剤は、活性成分を、ラクトースのような増量剤、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクまたはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤ならびに場合により安定剤と混合された活性成分を含み得る。軟カプセルにおいて、活性化合物は脂肪油、液体パラフィンまたは液体ポリエチレングリコールのような適切な液体に溶解または懸濁され得る。
【0097】
いくつかの実施態様において、注射剤(非経腸投与)は、例えば、筋肉内、静脈内、腹腔内、および/または皮下に使用される。注射について本明細書記載の化合物は、無菌液体溶液、好ましくは食塩水溶液、ハンクス液またはリンゲル液のような生理学的に混合可能な緩衝液または溶液中で製剤化され得る。分散剤はまた、グリセロール、プロピレングリコール、エタノール、液体ポリエチレングリコール、トリアセチンおよび植物油中のような非水溶液で調製され得る。溶液剤はまた、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどのような防腐剤を含む。さらに化合物は例えば、凍結乾燥形態を含む固体形態で製剤化され、使用前に再溶解または懸濁され得る。製剤は単位用量または複数用量容器、例えば封入アンプルおよびバイアルで存在し得て、および使用の直前に無菌液体担体、例えば注射水の添加のみが必要なフリーズドライ(凍結乾燥)条件で保存され得る。
【0098】
いくつかの実施態様において、経粘膜、局所または経皮投与が使用され得る。本明細書に記載の化合物のこのような製剤において、浸透する障壁に適切な浸透剤が使用される。このような浸透剤は一般的に、例えば、経粘膜投与に対しては、胆汁塩およびフシジン酸誘導体を含む。さらに、洗剤は浸透を容易にするために使用され得る。例えば、経粘膜投与は経鼻スプレーまたは坐薬(直腸または膣)による。局所投与についての本明細書に記載の化合物の組成物は、当分野で知られる適切な担体の選択により、油、クリーム、ローション、軟膏などを含み得る。適切な担体は、植物または鉱油、白色ワセリン(白色軟パラフィン)、分岐鎖脂質または油、動物脂質および高分子量アルコール(C12より大きいもの)を含む。いくつかの実施態様において、担体は活性成分が可溶性であるように選択される。乳化剤、安定化剤、湿潤剤および抗酸化剤ならび色彩または芳香を与える物質もまた、所望により含まれ得る。局所適用のためのクリームは、好ましくは少量の溶媒(例えば油)に溶解した活性成分が混合される鉱油、自己乳化型蜜蝋および水の混合物から製剤化される。さらに、経皮の方法による投与は、活性成分および場合により1以上の当分野で知られる担体または希釈剤に含浸させたバンテージのような経皮パッチおよび包帯を含み得る。経皮送達系の形態で投与するために、用量投与は用量レジメンをとおして断続的ではなく継続的である。
【0099】
いくつかの実施態様において、化合物は吸入剤として投与される。本明細書に記載の化合物は乾燥粉末または適切な溶液、懸濁液、またはエアロゾルとして製剤化され得る。粉末および溶液は、当分野で知られる適切な添加剤と共に製剤化され得る。例えば、粉末はラクトースまたはデンプンのような適切な粉末基剤を含み得て、溶液は、プロピレングリコール、無菌水、エタノール、塩化ナトリウムおよび酸、アルカリおよび緩衝液塩のような他の添加剤を含み得る。このような溶液または懸濁液は、スプレー、ポンプ、アトマイザー、またはネブライザーなどにより吸入することにより投与され得る。本明細書に記載の化合物はまた、他の吸入治療剤、例えばフルチカゾンプロピオネート、ベクロメタゾンジプロピオネート、トリアムシノロンアセトニド、ブデソニドおよびモメタゾンフロエートのようなコルチコステロイド;アルブテロール、サルメテロールおよびフォルモテロールのようなβアゴニスト;イプラトロピウムブロマイドまたはチオトロピウムのような抗コリン作動剤;トレプロスチニルおよびイロプロストのような血管拡張剤;DNAアーゼのような酵素;治療用タンパク質;免疫グロブリン抗体;一本鎖または二本鎖DNAまたはRNA、siRNAのようなオリゴヌクレオチド;トブラマイシンのような抗生物質;ムスカリン受容体アンタゴニスト;ロイコトリエンアンタゴニスト;サイトカインアンタゴニスト;プロテアーゼ阻害剤;クロモリンナトリウム;ネドクリルナトリウム;およびナトリウムクロモグリケートとの組合せで使用され得る。
【0100】
投与される種々の化合物の量は、化合物活性(インビトロ、例えば標的に対する化合物IC50、または動物効能モデルにおけるインビボ活性)、動物モデルにおける薬物動態(例えば生物学的半減期またはバイオアベイラビリティ)、対象の年齢、体格および体重ならびに対象に関する障害のような要因を考慮して標準的な方法により決定され得る。これらおよび他の要因の重要性は当業者に既知である。一般的に、用量は処置される対象の約0.01〜50mg/kg、また約0.1〜20mg/kgの範囲内である。複数回投与が使用され得る。
【0101】
本明細書に記載の化合物はまた、同一の疾患を処置するための他の治療剤との組合せで使用され得る。このような組合せでの使用は、異なる時期の化合物および1以上の他の治療剤の投与、または化合物および共投与および1以上の他の治療剤の共投与を含む。いくつかの実施態様において、用量は当業者に既知の方法により、1以上の本発明の化合物または組合せで使用される他の治療剤に対して変更され得る、例えば単独で使用される化合物または治療剤と比較して用量が減少され得る。
【0102】
組合せでの使用は、他の治療剤または方法が本明細書に記載の化合物と異なる時期(例えば時間内(例えば1時間、2時間、3時間、4〜24時間)のような短期間またはより長期間(例えば1〜2日、2〜4日、4〜7日、1〜4週間))で、または本明細書に記載の化合物と同時期に投与され得る場合、他の治療剤、薬物、医療処置などを含むと理解される。組合せでの使用はまた、他の療法または医療処置の前後の短期間またはより長期間で投与される本明細書に記載の化合物と共に、手術などの一回またはまれに投与される療法または医療処置との使用も含む。いくつかの実施態様において、本発明は種々の投与方法によりまたは同一の投与方法により送達される本明細書に記載の化合物および他の薬物治療剤の送達について提供される。任意の投与方法に対する組合せにおける使用は、投与されたときに2つの化合物がそれらの治療活性を維持するような方法で化学的に結合している製剤を含むあらゆる製剤で同一の投与方法により共に送達される本明細書に記載の化合物および他の薬物治療剤の送達を含む。ある態様において、他の薬物治療剤は本明細書に記載の化合物と共投与され得る。共投与による組合せでの使用は、化学的に結合した化合物の共製剤もしくは製剤の投与または互いに短期間(1時間、2時間、3時間、最大24時間)で同一もしくは異なる方法により投与される別個の製剤における2以上の化合物の投与を含む。別個の製剤の共投与は、互いに短期間でのある装置、例えば同一の吸入剤装置、同一のシリンジなどによる送達または別のデバイスからの投与を含む。同一の方法により送達される本明細書に記載のおよび1以上のさらなる薬物治療剤の共製剤は、ある製剤に配合された別個の化合物、または修飾される化合物を含む装置により投与できるか、または化学的に結合するように修飾された化合物がそれらの生物活性を維持するような一体となる物質の調製を含む。このような化学的に結合した化合物は、実質的にインビボで維持される結合を有することがあるか、または該結合はインビボで開裂し、2つの活性成分に分離することがある。本明細書に開示される化合物は、本明細書に記載の他の療法または治療剤と組み合わせてアジュバントまたはネオアジュバント療法において使用され得る。
【0103】
V.疾患適応症およびブロモドメインの調節
ブロモドメインに関連する典型的な疾患
ブロモドメインタンパク質(BRD2、BRD3、BRD4およびBRDT)のBET(Bromodomain and Extra Terminal)ファミリーのメンバーは、神経学的疾患、自己免疫性および炎症性疾患、代謝疾患を含む種々の障害(Muller et al. Expert Rev. Mol. Med. 2011, Sep 13; 13:e29; Prinjha et al. Trends Pharmacol. Sci. 2012, 33, 146-153; Belkina et al. J. Immunol. 2013, 190, 3670-3678;およびBelkina et al. Nature Rev. Cancer 2012, 12, 465-477)および癌(Alsarraj et al. International Journal of Breast Cancer 2012, 1-7; Barbieri et al. Briefings in Functional Genomics 2013, 1-12; Blobel et al. Cancer Cell 2011, 20, 287-288; Dang Cell 2012, 149, 22-35)と関連している。さらに、いくつかのウイルスはウイルス複製過程の一部として、宿主細胞のクロマチンとそれらのゲノムをつなぐためにこれらのタンパク質を使用する(You et al Cell, 2004 117, 349-60)。
【0104】
式(I)または(II)の化合物、または本明細書に記載のいずれかの化合物は、アセチルリシン認識モチーフを含むタンパク質、すなわち、ブロモドメイン(例えば、BRD2、BRD3、BRD4および/またはBRDTのようなBETタンパク質)を含むタンパク質のような後成的調節に含まれる1以上のタンパク質に関する障害および例えば、とりわけ細胞増殖性障害、癌、慢性自己免疫状態、炎症状態を含むブロモドメインの過剰発現に関する疾患を処置するために有用である。
【0105】
ブロモドメインの存在は、以下に記載のように、多くの異なるタイプの癌ならびに他の疾患および状態に関連する。式(I)または(II)の化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体、もしくは重水素化アナログ;本明細書に記載の式IまたはIIの全ての実施態様;表Iに記載のいずれかの化合物のようなブロモドメイン阻害剤は、全身性または組織性炎症、感染または低酸素症に対する炎症性応答、細胞活性化および細胞増殖、脂質代謝、線維症の処置ならびにウイルス感染の予防および処置において有用である。
【0106】
式(I)または(II)の化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;本明細書に記載の式IまたはIIの全ての実施態様;表Iに記載のいずれかの化合物のようなブロモドメイン阻害剤は、リウマチ性関節炎、骨関節症、急性痛風、乾癬、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎)、喘息、慢性閉塞性気道疾患、肺炎、心筋炎、心膜炎、筋炎、湿疹、皮膚炎、脱毛症、白斑症、水疱性皮膚疾患、腎炎、脈管炎、アテローム性動脈硬化症、アルツハイマー病、うつ病、網膜炎、ブドウ膜炎、強膜炎、肝炎、膵炎、原発性胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎、アジソン病、下垂体炎、甲状腺炎、I型糖尿病および移植臓器の急性拒絶反応のような慢性自己免疫性および炎症状態の予防および処置において有用である。
【0107】
式(I)または(II)の化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;本明細書に記載の式IまたはIIの全ての実施態様;表Iに記載のいずれかの化合物のようなブロモドメイン阻害剤は、限定されないが、例えば急性痛風、巨細胞性動脈炎、狼瘡腎炎を含む腎炎、糸球体腎炎を含む臓器関与の脈管炎、巨細胞性動脈炎を含む脈管炎、ウェゲナー肉芽腫症、結節性多発性動脈炎、ベーチェット病、川崎病、高安動脈炎、臓器が関与する脈管炎および移植臓器の急性拒絶反応を含む急性炎症状態の予防および処置において有用である。
【0108】
式(I)または(II)の化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;本明細書に記載の式IまたはIIの全ての実施態様;表Iに記載のいずれかの化合物のようなブロモドメイン阻害剤は、ヘルペスウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、アデノウイルスおよびポックスウイルスおよび他のDNAウイルスのようなウイルスへの感染に対する炎症性応答;敗血症、敗血症症候群、敗血症性ショック、内毒素血症、全身性炎症性応答症候群(SIRS)多臓器機能不全症候群、毒素ショック症候群、急性肺傷害、ARDS(成人呼吸窮迫症候群)、急性腎不全、劇症肝炎、火傷、急性膵炎、術後症候群、サルコイドーシス、ヘルクスハイマー反応、脳炎、脊髄炎、髄膜炎、マラリアおよびインフルエンザ、帯状ヘルペス、単純ヘルペスおよびコロナウイルスのようなウイルス感染に関連するSIRSのような細菌、寄生虫またはそれらの毒素を含む自己免疫性および炎症性疾患または状態の予防および処置において有用である。
【0109】
式(I)または(II)の化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;本明細書に記載の式(I)または(II)の全ての実施態様;表Iに記載のいずれかの化合物のようなブロモドメイン阻害剤は、限定されないが、心筋梗塞、脳血管虚血(卒中)、急性冠血管症候群、腎臓再灌流傷害、臓器移植、冠動脈バイパスグラフト、心肺バイパス術、肺塞栓症、腎塞栓症、肝塞栓症、胃腸塞栓症または末梢四肢塞栓症を含む虚血再灌流傷害に関連する疾患または状態の予防および処置において有用である。
【0110】
式(I)または(II)の化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;本明細書に記載の式(I)または(II)の全ての実施態様;表Iに記載のいずれかの化合物のようなブロモドメイン阻害剤は、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症およびアルツハイマー病の予防および処置において有用である。
【0111】
式(I)または(II)の化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;本明細書に記載の式(I)または(II)の全ての実施態様;表Iに記載のいずれかの化合物のようなブロモドメイン阻害剤は、限定されないが、肺癌、乳癌および結腸癌、正中線癌、間葉癌、肝臓癌、腎臓癌、神経系腫瘍、副腎癌、腺癌細胞腫、聴神経種、腺腫性黒色腫、先端汗腺種、急性好酸球性白血病、急性赤白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性巨核芽球性白血病、急性単球性白血病、急性前骨髄球性白血病、腺癌、腺様嚢胞癌、腺腫、腺様嚢胞癌、腺扁平上皮癌、脂肪組織新生物、副腎皮質癌、成人T細胞白血病/リンパ腫、悪性NK細胞白血病、AIDS関連リンパ腫、肺胞横紋筋肉腫、肺胞軟部肉腫、エナメル上皮線維腫、未分化大細胞リンパ腫、未分化甲状腺癌、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、血管筋脂肪腫、血管肉腫、星状細胞腫、非定形奇形ラブドイド腫瘍、B細胞慢性リンパ球性白血病、B細胞前リンパ球性白血病、B細胞リンパ腫、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、芽細胞腫、骨癌、ブレナー腫瘍、褐色腫瘍、バーキットリンパ腫、乳癌、脳癌、癌腫、上皮内癌、癌肉腫、軟骨腫瘍、セメント腫、骨髄肉腫、軟骨腫、脊索腫、絨毛癌、脈絡叢乳頭腫、腎臓明細胞肉腫、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、子宮頸癌、結腸直腸癌、デゴス病、線維形成性小細胞腫瘍、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、異常肺細胞性神経上皮腫瘍、胚芽細胞腫、胎生期癌、内分泌腺新生物、内胚葉洞腫瘍、腸疾患関連T細胞リンパ腫、食道癌、胎児封入奇形、線維腫、線維肉腫、濾胞性リンパ腫、濾胞性甲状腺癌、神経節細胞腫、消化器癌、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛癌、巨細胞性線維芽腫、骨巨細胞性腫瘍、グリア系腫瘍、多形神経膠芽腫、神経膠腫、神経膠腫症、グルカゴン産生腫瘍、性腺芽腫、顆粒膜細胞腫、半陰陽性卵巣腫瘍、胆嚢癌、胃癌、有毛状細胞性白血病、血管芽腫、頭頸部癌、血管周囲細胞腫、造血器腫瘍、胚芽腫、肝脾臓T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、浸潤性小葉癌、腸癌、腎臓癌、喉頭癌、悪性黒子、悪性正中線癌、白血病、ライディッヒ細胞腫瘍、脂肪肉腫、肺癌、リンパ管腫、リンパ管肉腫、リンパ上皮腫、リンパ腫、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、肝臓癌、小細胞肺癌、非小細胞性肺癌、MALTリンパ腫、悪性線維性組織球腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、悪性トリトン腫瘍、外套細胞リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、肥満細胞白血病、縦隔胚細胞腫瘍、乳房髄様癌、髄様甲状腺癌、髄芽腫、黒色腫、髄膜腫、メルケル細胞癌、中皮腫、転移尿路上皮癌、ミュラー管混合腫瘍、粘液性腫瘍、多発性骨髄腫、筋肉組織新生物、菌状息肉腫、粘液性脂肪肉腫、粘液腫、粘液性肉腫、鼻咽頭癌、神経線維腫症、神経芽腫、神経線維腫、神経腫、結節型黒色腫、眼癌、乏突起星状細胞腫、乏突起神経膠腫、好酸性顆粒細胞腫、視神経鞘髄膜腫、視神経腫瘍、口腔癌、骨肉腫、卵巣癌、パンコースト腫瘍、甲状腺乳頭癌、傍神経膠腫、松果体芽腫、松果体細胞腫、下垂体細胞腫、下垂体腺腫、下垂体腫瘍、形質細胞腫、多胚芽腫、前駆体Tリンパ芽球性リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、原発性腹膜癌、前立腺癌、膵臓癌、咽頭癌、腹膜偽粘液腫、腎細胞癌、腎髄様癌、網膜芽細胞腫、横紋筋腫、横紋筋肉腫、リヒタートランスフォーメーション、直腸癌、肉腫、シュワノマトーシス、精上皮腫、セルトリ細胞腫瘍、性索間質腫瘍、印環細胞癌、皮膚癌、小円形青色細胞腫瘍、小細胞癌、軟組織肉腫、ソマトスタチノーマ、煤煙性いぼ、脊椎腫瘍、脾性辺縁帯リンパ腫、扁平上皮細胞癌、滑膜肉腫、セザリー病、小腸癌、扁平上皮癌、胃癌、T細胞リンパ腫、精巣癌、卵胞膜細胞腫、甲状腺癌、移行細胞癌、咽喉癌、尿管膜癌、分泌生殖器癌、尿路上皮癌、ぶどう膜黒色腫、子宮癌、尿管膜癌、視覚伝導路神経膠腫、外陰癌、膣癌、ワルデンストレームマクログロブリン血症、ワルチン腫瘍およびウィルムス腫瘍を血液癌、上皮癌の予防および処置において有用である。
【0112】
ブロモドメイン活性アッセイ
ブロモドメイン活性についての種々のアッセイは活性モジュレーターについてアッセイする、および/または特定のブロモドメインまたは群についてのモジュレーターの特異性を決定するために利用され得る。以下の実施例で言及するアッセイに加えて、当業者は、利用され得る他のアッセイを知り、特定の用途のアッセイを変更し得る。
【0113】
特定の実施態様において、式(I)または(II)の化合物または表Iに列挙される化合物は一般的に、般に認められるブロモドメイン活性アッセイまたは本明細書に記載のブロモドメイン活性アッセイで決定されるように、100nM未満、50nM未満、20nM未満、10nM未満、5nM未満、または1nM未満のIC50を有する。いくつかの実施態様において、ブロモドメイン活性を測定するためのアッセイは、実施例6に記載のアッセイ(例えば、生化学または細胞ベースアッセイ)または当分野で知られるアッセイのようなアッセイを含む
【0114】
ブロモドメインの調節
別の態様において、本発明はブロモドメインタンパク質を調製妻他は阻害する方法を提供する。該方法は有効量の式(I)または(II)の化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;または表Iに記載のいずれかの化合物;または本明細書に記載の化合物を含み、それによりブロモドメインを調節または阻害する組成物を対象に投与すること含む。いくつかの実施態様において、該方法は細胞をインビボまたはインビトロで式(I)または(II)の化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;本明細書に記載の式IまたはIIの全ての実施態様;または表Iに記載のいずれかの化合物または本明細書に記載のいずれかの式の化合物を含む組成物と接触させることを含む。
【0115】
VI.ブロモドメイン介在性状態を処置する方法
別の態様において、本発明はブロモドメインの阻害が役割を果たすかまたは利益を提供するブロモドメイン介在性疾患または状態を有するまたはそのリスクを有する対象を処置するための方法を提供する。該方法は有効量の式(I)または(II)の化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;または表Iに記載のいずれかの化合物;または本明細書に記載のいずれかの式の化合物を含む組成物を対象に投与すること含む。特定の実施態様において、該方法は有効量の本明細書に記載の任意の1以上の化合物を疾患または状態に対する1以上の他の療法または治療剤と組み合わせて対象に投与することを含む。いくつかの実施態様において、該方法は有効量の本明細書に記載の任意の1以上の化合物を疾患または状態に対する1以上の他の療法または治療剤と組み合わせて対象に投与することを含む。
【0116】
いくつかの実施態様において、本発明はブロモドメイン介在性腫瘍細胞の望ましくない増殖を抑制する方法を提供する。腫瘍細胞を有効量の式(I)または(II)のいずれかの化合物、または表Iに列挙されるいずれかの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、互変異性体または異性体、または本明細書に記載の化合物を含む組成物と接触させることを含む。いくつかの場合において、腫瘍細胞はBETタンパク質、BRD4タンパク質またはそれらの変異体により介在される。
【0117】
特定の実施態様において、本発明はブロモドメイン(例えば、BETタンパク質またはBRD4タンパク質)の阻害が利益を提供する、患者を処置するための方法を提供する。該方法は有効量の式(I)または(II)のいずれかの化合物、または表Iに列挙されるいずれかの化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体または異性体、または本明細書に記載の化合物を含む組成物を、処置を必要とする患者に投与することを含む。
【0118】
いくつかの実施態様において、本発明はブロモドメイン介在性疾患または状態を有するまたはそのリスクを有する対象を治療するための方法であって、前記方法が有効量の式(I)または(II)の化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;または表Iに列挙されるいずれかの化合物、または本明細書に記載のそれらのいずれかの医薬組成物を、必要とする患者に投与することを含み、該疾患または症状が癌、自己免疫状態、炎症状態またはこれらの組合せである、方法を提供する。
【0119】
いくつかの実施態様において、本発明の化合物で処置可能な疾患または状態は、限定されないが、例えば、肺、乳癌および結腸癌、正中線癌、間葉性、肝臓、腎臓、神経系腫瘍、副腎癌、腺癌細胞腫、聴神経種、腺腫性黒色腫、先端汗腺種、急性好酸球性白血病、急性赤白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性巨核芽球性白血病、急性単球性白血病、急性前骨髄球性白血病、腺癌、腺様嚢胞癌、腺腫、腺様嚢胞がん、腺扁平上皮癌、脂肪組織新生物、副腎皮質癌、成人T細胞白血病/リンパ腫、悪性NK細胞白血病、AIDS関連リンパ腫、肺胞横紋筋肉腫、肺胞軟部肉腫、エナメル上皮線維腫、未分化大細胞リンパ腫、未分化甲状腺癌、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、血管筋脂肪腫、血管肉腫、星状細胞腫、非定形奇形ラブドイド腫瘍、B細胞慢性リンパ球性白血病、B細胞前リンパ球性白血病、B細胞リンパ腫、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、芽細胞腫、骨癌、ブレナー腫瘍、褐色腫瘍、バーキットリンパ腫、乳癌、脳癌、癌腫、上皮内癌、癌肉腫、軟骨腫瘍、セメント腫、骨髄肉腫、軟骨腫、脊索腫、絨毛癌、脈絡叢乳頭腫、腎臓明細棒肉腫、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、頸部癌、結腸直腸癌、デゴス病、線維形成性小細胞腫瘍、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、胚芽異形成性神経上皮腫瘍、未分化胚細胞腫、胎生期癌、内分泌腺腫瘍、内胚葉洞腫瘍、腸疾患関連T細胞リンパ腫、食道癌、胎児封入奇形、線維腫、線維肉腫、濾胞性リンパ腫、濾胞性甲状腺癌、神経節細胞腫、消化器癌、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛癌、巨細胞性線維芽腫、骨巨細胞性腫瘍、グリア系腫瘍、多形神経膠芽腫、神経膠腫、神経膠腫症、グルカゴン産生腫瘍、性腺芽腫、顆粒膜細胞腫、半陰陽性卵巣腫瘍、胆嚢癌、胃癌、有毛状細胞性白血病、血管芽腫、頭頸部癌、血管周囲細胞腫、造血器腫瘍、胚芽腫、肝脾T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、浸潤性小葉癌、腸癌、腎臓癌、喉頭癌、悪性黒子、悪性正中線癌、白血病、ライディッヒ細胞腫瘍、脂肪肉腫、肺癌、リンパ管腫、リンパ管肉腫、リンパ上皮腫、リンパ腫、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、肝臓癌、小細胞肺癌、非小細胞性肺癌、MALTリンパ腫、悪性線維性組織球腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、悪性トリトン腫瘍、外套細胞リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、肥満細胞白血病、縦隔胚細胞腫瘍、乳房髄様癌、髄様甲状腺癌、髄芽腫、黒色腫、髄膜腫、メルケル細胞癌、中皮腫、転移尿路上皮癌、ミュラー管混合腫瘍、粘液性腫瘍、多発性骨髄腫、筋肉組織新生物、菌状息肉腫、粘液性脂肪肉腫、粘液腫、粘液性肉腫、鼻咽頭癌、神経線維腫症、神経芽腫、神経線維腫、神経腫、結節型黒色腫、眼癌、乏突起星状細胞腫、乏突起神経膠腫、好酸性顆粒細胞腫、視神経鞘髄膜腫、視神経腫瘍、口腔癌、骨肉腫、卵巣癌、パンコースト腫瘍、甲状腺乳頭癌、傍神経膠腫、松果体芽腫、松果体細胞腫、下垂体細胞腫、下垂体腺腫、下垂体腫瘍、形質細胞腫、多胚芽腫、前駆体Tリンパ芽球性リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、原発性腹膜癌、前立腺癌、膵臓癌、咽頭癌、腹膜偽粘液腫、腎細胞癌、腎髄様癌、網膜芽細胞腫、横紋筋腫、横紋筋肉腫、リヒタートランスフォーメーション、直腸癌、肉腫、シュワノマトーシス、精上皮腫、セルトリ細胞腫瘍、性索間質腫瘍、印環細胞癌、皮膚癌、小円形青色細胞腫瘍、小細胞癌、軟組織肉腫、ソマトスタチノーマ、煤煙性いぼ、脊椎腫瘍、脾性辺縁帯リンパ腫、扁平上皮細胞癌、滑膜肉腫、セザリー病、小腸癌、扁平上皮癌、胃癌、T細胞リンパ腫、精巣癌、卵胞膜細胞腫、甲状腺癌、移行細胞癌、咽喉癌、尿管膜癌、分泌生殖器癌、尿路上皮癌、ぶどう膜黒色腫、子宮癌、尿管膜癌、視覚伝導路神経膠腫、外陰癌、膣癌、ワルデンストレームマクログロブリン血症、ワルチン腫瘍およびウィルムス腫瘍を含む血液癌、上皮癌を含む。特定の実施態様において、本発明の化合物で処置可能な癌は、腺癌、成人T細胞白血病/リンパ腫、膀胱癌、芽細胞腫、骨癌、乳癌、脳癌、癌腫、骨髄肉腫、子宮頸癌、結腸直腸癌、食道癌、消化器癌、多形神経膠芽腫、神経膠腫、胆嚢癌、胃癌、頭頸部癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、腸癌、腎臓癌、喉頭癌、白血病、肺癌、リンパ腫、肝臓癌、小細胞肺癌、非小細胞性肺癌、中皮腫、多発性骨髄腫、眼癌、視神経腫瘍、口腔癌、卵巣癌、下垂体腫瘍、原発性中枢神経系リンパ腫、前立腺癌、膵臓癌、咽頭癌、腎細胞癌、直腸癌、肉腫、皮膚癌、脊椎腫瘍、小腸癌、胃癌、T細胞リンパ腫、精巣癌、甲状腺癌、咽喉癌、分泌生殖器癌、尿路上皮癌、子宮癌、膣癌またはウィルムス腫瘍から選択される。他の実施態様において、本発明の化合物により処置可能な癌または腫瘍は、良性軟組織腫瘍、骨腫瘍、脳腫瘍および脊椎腫瘍、眼瞼腫瘍および眼窩腫瘍、肉芽腫、脂肪腫、髄膜腫、多発性内分泌腺腫、鼻ポリープ、下垂体腫瘍、プロラクチノーマ、偽脳腫瘍、脂漏性角化症、胃ポリープ、甲状腺結節、膵臓嚢胞性新生物、血管腫、声帯結節、ポリープおよび嚢胞、キャッスルマン病、慢性毛巣病、皮膚線維腫、毛嚢胞、化膿性肉芽腫ならびに若年性ポリポーシス症候群を含む。別の実施態様において、本発明の化合物により処置可能な疾患または状態は、非小細胞性肺癌、小細胞肺癌、卵巣癌、黒色腫、正中線癌、乳癌、リンパ腫、神経芽腫、または去勢抵抗性前立腺癌、骨髄線維症、骨髄異形成症候群、または急性骨髄白血病を含む。別の実施態様において、本発明の化合物により処置可能な疾患または状態は、非小細胞性肺癌、小細胞肺癌、卵巣癌、黒色腫、神経芽腫および去勢抵抗性前立腺癌を含む。
【0120】
本発明の別の実施態様において、本発明の化合物により処置され得る疾患または症状は、リソソーム蓄積障害である。リソソーム蓄積障害の非限定的な例は、粘液脂質症、α−マンノシドーシス;アスパルチルグルコサミン尿症;バッテン病;β−マンノシドーシス;シスチン症;ダノン病;ファブリー病;ファーバー病;フコドーシス;ガラクトシアリドーシス;ゴーシュ病;ガングリオシドーシス(例えば、GM1ガングリオシドーシスおよびGM2ガングリオシドーシスABバリアント);クラッベ病;異染性白質ジストロフィー;ムコポリサッカリドーシス病(例えば、MPS1−ハーラー症候群、MPS II ハンター症候群、MPS III サンフィリッポ症候群(A、B、C、D)、MPS IVA モルキオ症候群、MPS IX ヒアルロニダーゼ、欠損症、MPS VI マロトー・ラミー症候群、またはMPS VII スライ症候群);I型ムコリピドーシス(シアリドーシス);II型ムコリピドーシス(I−細胞疾患);III型ムコリピドーシス(シュード−ハーラーポリジストロフィー);IV型ムコリピドーシス;スルファターゼ欠損症;ニーマン−ピック病A型、B型、C型;ポンペ病(グリコーゲン蓄積病);結膜炎;サンドホフ病;シンドラー病;サラ病/シアル酸蓄積病;テイ−サックス病;およびウォルマン病を含む。
【0121】
いくつかの実施態様において、本発明は有効量の式(I)または(II)の化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;または表Iのいずれかの化合物、または本明細書に記載のいずれかのその医薬組成物の投与により対象における自己免疫性および炎症性疾患もしくは状態を処置するための方法を提供する。本発明の化合物処置可能な該疾患または症状は、限定されないが、炎症性骨盤感染症、尿道炎、皮膚日焼け、副鼻腔炎、肺炎、脳炎、髄膜炎、心筋炎、腎炎、骨髄炎、筋炎、肝炎、胃炎、腸炎、皮膚炎、歯肉炎、虫垂炎、膵炎、胆嚢炎、無ガンマグロブリン血症、乾癬、アレルギー、クローン病、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、シェーグレン疾患、組織移植片拒絶、移植臓器の超急性拒絶反応、喘息、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、自己免疫性多腺性疾患(自己免疫性多腺性症候群としても知られる)、自己免疫性脱毛症、悪性貧血、糸球体腎炎、皮膚筋炎、多発性硬化症、強皮症、脈管炎、自己免疫性溶血および血小板減少、グッドパスチャー症候群、アテローム性動脈硬化症、アジソン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、I型糖尿病、敗血症性ショック、全身性エリテマトーデス(SLE)、リウマチ性関節炎、乾癬性関節炎、若年性関節炎、骨関節症、慢性特発性血小板減少性紫斑病、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、アトピー性皮膚炎、変形性関節疾患、白斑症、自己免疫性下垂体機能低下症、ギランバレー症候群、ベーチェット病、強皮症、菌状息肉腫、急性炎症性応答(例えば急性呼吸器窮迫症候群および虚血/再潅流傷害)およびグレーブス病を含む。特定の実施態様において、本発明の化合物で処置可能な疾患および状態は、全身または組織炎症、感染または低酸素症に対する炎症性応答、細胞活性化および増殖、脂質代謝、線維症およびウイルス感染を含む。
【0122】
いくつかの実施態様において、本発明は有効量の式(I)または(II)の化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;または表Iのいずれかの化合物、または本明細書に記載のいずれかのその医薬組成物を、処置を必要とする対象に投与することによる慢性自己免疫および炎症状態を有するまたはそのリスクがある対象を処置する方法を提供する。本発明の化合物で処置可能な慢性自己免疫および炎症状態は、限定されないが、リウマチ性関節炎、骨関節症、急性痛風、乾癬、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎)、喘息、慢性閉塞性気道疾患、肺炎、心筋炎、心膜炎、筋炎、湿疹、皮膚炎、脱毛症、白斑症、水疱性皮膚疾患、腎炎、脈管炎、アテローム性動脈硬化症、アルツハイマー病、うつ病、網膜炎、ブドウ膜炎、強膜炎、肝炎、膵炎、原発性胆汁性肝硬変、硬化性胆管炎、アジソン病、下垂体炎、甲状腺炎、I型糖尿病および移植臓器の急性拒絶反応を含む。ある実施態様において、該疾患または状態は敗血症、火傷、膵炎、大外傷、出血または虚血を含む。別の実施態様において、本発明の化合物で処置可能な疾患または状態は、敗血症、敗血症候群、敗血症性ショックまたは内毒素血症を含む。別の実施態様において、本発明の化合物で処置可能な疾患または状態は、急性または慢性膵炎を含む。別の実施態様において、本発明の化合物で処置可能な疾患または状態は火傷を含む。
【0123】
いくつかの実施態様において、本発明は有効量の式(I)または(II)の化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;表Iのいずれかの化合物、または本明細書に記載のいずれかのその医薬組成物を、処置を必要とする対象に投与することによる、急性炎症状態を有するまたはそのリスクを有する対象を処置するための方法を提供する。該急性炎症状態は、限定されないが、急性痛風、巨細胞性動脈炎、狼瘡腎炎を含む腎炎、糸球体腎炎のような臓器関与の脈管炎、巨細胞性動脈炎を含む脈管炎、ウェゲナー肉芽腫症、結節性多発性動脈炎、ベーチェット病、川崎病、高安動脈炎、臓器関与の脈管炎および移植臓器の急性拒絶反応を含む。
【0124】
いくつかの実施態様において、本発明は有効量の式(I)または(II)の化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;表Iのいずれかの化合物、または本明細書に記載のいずれかのその医薬組成物を、処置を必要とする対象に投与することによる、自己免疫性および炎症性疾患または状態を有するまたはそのリスクを有する対象を処置するための方法を提供する。本発明の化合物により処置可能な自己免疫性および炎症性疾患または状態は、ヘルペスウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、アデノウイルスおよびポックスウイルスおよび他のDNAウイルスのようなウイルス;敗血症、敗血症症候群、敗血症性ショック、内毒素血症、全身性炎症性応答症候群(SIRS)多臓器機能不全症候群、毒素ショック症候群、急性肺傷害、ARDS(成人呼吸窮迫症候群)、急性腎不全、劇症肝炎、火傷、急性膵炎、術後症候群、サルコイドーシス、ヘルクスハイマー反応、脳炎、脊髄炎、髄膜炎、マラリアおよびインフルエンザ、帯状ヘルペス、単純ヘルペスおよびコロナウイルスのようなウイルス感染に関連するSIRSのような細菌、ウイルスへの感染に対する炎症性応答を含む。
【0125】
いくつかの実施態様において、本発明は有効量の式(I)または(II)の化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;表Iのいずれかの化合物、または本明細書に記載のその医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することによる、虚血再灌流傷害を有するまたはそのリスクを有する対象を処置するための方法を提供する。該虚血再灌流傷害は、限定されないが、心筋梗塞、脳血管虚血(卒中)、急性冠血管症候群、腎臓再灌流傷害、臓器移植、冠動脈バイパスグラフト、心肺バイパス術、肺、腎臓、肝臓、胃腸および末梢肢塞栓症を含む。
【0126】
いくつかの実施態様において、本発明は有効量の式(I)または(II)の化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;表Iのいずれかの化合物、または本明細書に記載のいずれかのその医薬組成物を、処置を必要とする患者に投与することによる、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症またはアルツハイマー病を有するまたはそのリスクを有する対象を処置するための方法を提供する。
【0127】
いくつかの実施態様において、本発明は必要とする動物対象にあらゆるブロモドメイン変異体介在性疾患または状態を含むあらゆるブロモドメイン介在性疾患または状態を処置する方法であって、有効量の1以上の本明細書に記載のいずれかの化合物を投与することを含む、方法を提供する。特定の実施態様において、該方法は有効量の1以上の本明細書に記載の化合物または本明細書に記載のいずれかのその医薬組成物と疾患または状態に対する1以上の他の療法または治療剤との組み合わせを含む。
【0128】
いくつかの実施態様において、式(I)または(II)の化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;または表Iのいずれかの化合物は、ブロモドメイン阻害剤であり、一般に認められるブロモドメイン活性アッセイで決定されるように、500nM未満、100nM未満、50nM未満、20nM未満、10nM未満、5nM未満または1nM未満のIC50を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載の化合物は、ブロモドメイン、例えば、BETタンパク質、BRD2タンパク質、BRD3タンパク質またはBRD4タンパク質について500nM未満、100nM未満、50nM未満、20nM未満、10nM未満、5nM未満または1nM未満のIC50を有する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載の化合物は1以上の他のタンパク質に関する1以上のブロモドメインを選択的に阻害する。
【0129】
いくつかの実施態様において、本発明はブロモドメインまたは変異体ブロモドメインを阻害するための方法を提供する。該方法は式(I)または(II)の化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;表Iに記載のいずれかの化合物、または本明細書に記載のいずれかのその医薬組成物を、インビトロまたはインビボで細胞またはブロモドメインタンパク質に接触させることを含む。
【0130】
特定の実施態様において、本発明は、本明細書に記載の疾患または状態を処置するための医薬の製造における、式(I)または(II)の化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;表Iに記載のいずれかの化合物、または本明細書に記載のいずれかのその医薬組成物の使用に関する。他の実施態様、本発明は、本明細書に記載の疾患または状態の処置において使用するための式(I)または(II)の化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;表Iに記載のいずれかの化合物、または本明細書に記載のいずれかのその医薬組成物を提供する。
【0131】
併用療法
ブロモドメインモジュレーターは他の薬理学的活性化合物、または2以上の薬理学的活性化合物と、特に本明細書に記載の癌および他の疾患および兆候の治療に役立つように組み合わせられ得る。ある実施態様において、組成物は同一の兆候に対して治療上有効な1以上の化合物と共に本明細書に記載の1以上の化合物を含み、ここで該化合物は疾患兆候に対して相乗効果を有する。ある実施態様において、組成物は癌の処置に有用な1以上のいずれかの化合物および同一の癌の処置に有効な1以上の他の化合物を含み、さらにここで化合物は癌の処置において相乗的に有効である。
【0132】
いくつかの実施態様において、本発明は処置を必要とする動物対象におけるブロモドメインまたは変異体ブロモドメイン介在性疾患または状態を処置するための方法を提供し、ここで該方法は有効量の1以上の本明細書に記載のいずれかの化合物、または1以上の式(I)または(II)の化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;表Iのいずれかの化合物、または本明細書に記載のいずれかのその医薬組成物を1以上の本明細書に記載の他の治療剤を組み合わせて投与することを含む。特定の実施態様において、本発明は処置を必要とする対象におけるブロモドメインまたは変異体ブロモドメイン介在性疾患または状態を処置するための方法を提供し、ここで該方法は有効量の1以上の式(I)または(II)のいずれかの化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;表Iのいずれかの化合物、または本明細書に記載のいずれかのその医薬組成物を、疾患または症状に対する1以上の他の治療剤と組み合わせて投与することを含む。
【0133】
いくつかの実施態様において、本発明は組成物、例えば、式(I)または(II)の化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;表Iのいずれかの化合物、または本明細書に記載のいずれかのその医薬組成物および1以上の他の治療剤を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施態様において、1以上の他の治療剤は、限定されないが、アドゼレシン、アルトレタミン、ベンダムスチン、ビゼレシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルボコン、カルモフール、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、エストラムスチン、エトグルシド、ホテムスチン、ヘプスルファム、イホスファミド、インプロスルファン、イロフルベン、ロムスチン、マンノスルファン、メクロレタミン、メルファラン、ミトブロニトール、ネダプラチン、ニムスチン、オキサリプラチン、ピポスルファン、プレドニムスチン、プロカルバジン、ラニムスチン、サトラプラチン、セムスチン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、チオテパ、トレオスルファン、トリアジコン、トリエチレンメラミン、トリプラチンテトラニトレート、トロホスファミド、およびウラムスチンを含むアルキル化剤;限定されないが、アクラルビシン、アムルビシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エルサミトラクシン、エピルビシン、イダルビシン、メノガリル、マイトマイシン、ネオカルジノスタチン、ペントスタチン、ピラルビシン、プリカマイシン、バルルビシンおよびゾルビシンを含む抗生物質;限定されないが、アミノプテリン、アザシチジン、アザチオプリン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、メトトレキサート、ネララビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、テガフール−ウラシル、チオグアニン、トリメトプリム、トリメトレキサートおよびビダラビンを含む代謝拮抗剤;限定されないが、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ガリキシマブ、ゲムツズマブ、パニツムマブ、ペルツヅマブ、リツキシマブ、ブレンツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、90Y イブリツモマブチウキセタン、イピリムマブ、トレメリムマブおよび抗CTLA−4抗体を含む免疫療法、抗体療法;限定されないが、アナストロゾール、アンドロゲン、ブセレリン、ジエチルスチルベストロール、エキセメスタン、フルタミド、フルベストラント、ゴセレリン、イドキシフェン、レトロゾール、リュープロリド、マグネストロール、ラロキシフェン、タモキシフェンおよびトレミフェンを含むホルモンまたはホルモンアンタゴニスト;限定されないが、DJ−927、ドセタキセル、TPI 287、ラロタキセル、オルタタキセル、パクリタキセル、DHA−パクリタキセルおよびテセタキセルを含むタキサン;限定されないが、アリトレチノイン、ベキサロテン、フェンレチニド、イソトレチノインおよびトレチノインを含むレチノイド;限定されないが、デメコルチン、ホモハリングトニン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、およびビノレルビンを含むアルカロイド;限定されないが、AE−941(GW786034、ネオバスタット)、ABT−510、2−メトキシエストラジオール、レナリドマイドおよびサリドマイドを含む抗血管新生剤;限定されないが、アムサクリン、ベロテカン、エドテカリン、エトポシド、エトポシドホスフェート、エキサテカン、イリノテカン(活性代謝物SN−38(7−エチル−10−ヒドロキシ−カンプトテシン)としても知られる)、ルカントン、ミトキサントロン、ピクサントロン、ルビテカン、テニポシド、トポテカンおよび9−アミノカンプトテシンを含むトポイソメラーゼ阻害剤;限定されないが、アクシチニブ(AG 013736)、ダサチニブ(BMS 354825)、エルロチニブ、ゲフィチニブ、フラボピリドール、イマチニブメシレート、ラパチニブ、モテサニブジホスフェート(AMG 706)、ニロチニブ(AMN107)、セリシクリブ、ソラフェニブ、スニチニブマレート、AEE−788、BMS−599626、UCN−01(7−ヒドロキシスタウロスポリン)、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、セルメチニブ、LGX818、BGB−283、ペキシダルチニブ(PLX3397)およびバタラニブを含むキナーゼ阻害剤;限定されないが、ボルテゾミブ、ゲルダナマイシン、およびラパマイシンを含む標的シグナルトランスダクション阻害剤;限定されないが、イミキモド、インターフェロン−α、およびインターロイキン−2を含む生物学的応答修飾子;および限定されないが、3−AP(3−アミノ−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン)、アルトラセンタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、アスパラギナーゼ、ブリオスタチン−1、シレンギチド、エレスコモール、エリブリンメシレート(E7389)、イクサベピロン、ロニダミン、マソプロコール、ミトグアゾン、オブリメルセン、スリンダク、テストラクトン、チアゾフリン、mTOR阻害剤(例えばシロリムス、テムシロリムス、エベロリムス、デフォロリムス)、PI3K阻害剤(例えばBEZ235、GDC−0941、XL147、XL765、BMK120)、Cdk4阻害剤(例えばPD−332991)、Akt阻害剤、Hsp90阻害剤(例えばゲルダナマイシン、ラジシコール、タネスピマイシン)、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(例えばティピファルニブ)およびアロマターゼ阻害剤(アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタン)を含む他の化学治療剤から選択される。ある実施態様において、癌を処置する方法は、有効量の1以上の式(I)または(II)のいずれかの化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;または表Iのいずれかの化合物を含む組成物を、カペシタビン、5−フルオロウラシル、カルボプラチン、ダカルバジン、ゲフィチニブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、SN−38、テモゾロミド、ビンブラスチン、ベバシズマブ、セツキシマブ、インターフェロン−α、インターロイキン−2またはエルロチニブから選択される化学治療剤と組み合わせて対象に投与することを含む。別の実施態様において、該化学治療剤はMek阻害剤である。典型的なMek阻害剤は、限定されないが、AS703026、AZD6244(セルメチニブ)、AZD8330、BIX 02188、CI−1040(PD184352)、GSK1120212(JTP−74057)、PD0325901、PD318088、PD98059、RDEA119(BAY 869766)、TAK−733およびU0126−EtOHを含む。別の実施態様において、該化学治療剤はチロシンキナーゼ阻害剤である。典型的なチロシンキナーゼ阻害剤は、限定されないが、AEE788、AG−1478(チロホスチンAG−1478)、AG−490、アパチニブ(YN968D1)、AV−412、AV−951(チボザニブ)、アクシチニブ、AZD8931、BIBF1120(バルガテフ(Vargatef)、BIBW2992(アファチニブ)、BMS794833、BMS−599626、ブリバニブ(BMS−540215)、ブリバニブアラニネート(BMS−582664)、セジラニブ(AZD2171)、クリソファン酸(クリソファノール)、クレノラニブ(CP−868569)、CUDC−101、CYC116、ドビチニブ二乳酸塩(TKI258 二乳酸塩)、E7080、エルロチニブヒドロクロライド(タルセバ、CP−358774、OSI−774、NSC−718781)、フォレチニブ(GSK1363089、XL880)、ゲフィチニブ(ZD−1839またはイレッサ)、イマチニブ(グリーベック)、イマチニブメシレート、Ki8751、KRN 633、ラパチニブ(タイケルブ)、リニファニブ(ABT−869)、マチニブ(Masivet、AB1010)、MGCD−265、モテサニブ(AMG−706)、MP−470、ムブリチニブ(TAK 165)、ネラチニブ(HKI−272)、NVP−BHG712、OSI−420(デスメチルエルロチニブ,CP−473420)、OSI−930、パゾパニブHCl、PD−153035 HCl、PD173074、ペリチニブ(EKB−569)、PF299804、ポナチニブ(AP24534)、PP121、RAF265(CHIR−265)、Raf265誘導体、レゴラフェニブ(BAY 73−4506)、ソラフェニブトシレート(ネクサバール)、スニチニブマレート(スーテント)、テラチニブ(BAY 57−9352)、TSU−68(SU6668)、バンデタニブ(ザクティマ)、バタラニブジヒドロクロライド(PTK787)、WZ3146、WZ4002、WZ8040、キザルチニブ、カボザンチニブ、XL647、EGFR siRNA、FLT4 siRNA、KDR siRNA、メトホルミン、PPARアゴニスト(ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、ベザフィブラート、シプロフィブラート、クロフィブラート、ゲムフィブロジル、フェノフィブラート、インテグリタザル)のような抗糖尿病剤およびDPP4阻害剤(シタグリプチン、ビルダグリプチン、サクサグリプチン、デュトグリプチン、ゲミグリプチン、アルゴグリプチン)を含む。別の実施態様において、該薬剤はEGFR阻害剤である。典型的なEGFR阻害剤は、限定されないが、AEE−788、AP−26113、BIBW−2992(Tovok)、CI−1033、GW−572016、イレッサ、LY2874455、RO−5323441、タルセバ(エルロチニブ、OSI−774)、CUDC−101およびWZ4002を含む。別の実施態様において、組合せ剤の治療剤は米国特許出願公開第2009/0076046号および第2011/0112127号に記載のc−Fms阻害剤および/またはc−Kit阻害剤であり、それらの全体のおよび全て目的に対して参照により包含させる。ある実施態様において、癌を治療する方法は、有効量の1以上の本明細書に記載の化合物を含むいずれかの化合物を、カペシタビン、5−フルオロウラシル、カルボプラチン、ダカルバジン、ゲフィチニブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、SN−38、テモゾロミド、ビンブラスチン、ベバシズマブ、セツキシマブ、インターフェロン−α、インターロイキン−2またはエルロチニブから選択される化学治療剤と組み合わせて投与することを含む。いくつかの実施態様において、ブロモドメインモジュレーター、特に式(I)または(II)のいずれかの化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;または表Iのいずれかの化合物は、一以上の上記剤と組み合わせて同時に、逐次的にまたは別個に投与され得る。
【0134】
いくつかの実施態様において、本発明は組成物、例えば、式(I)または(II)の化合物;または式(I)もしくは(II)薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;表Iのいずれかの化合物、または本明細書に記載のいずれかのその医薬組成物および1以上の他の治療剤を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施態様において、1以上の他の治療剤は、限定されないが、アドゼレシン、アルトレタミン、ベンダムスチン、ビゼレシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルボコン、カルモフール、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、エストラムスチン、エトグルシド、ホテムスチン、ヘプスルファム、イホスファミド、インプロスルファン、イロフルベン、ロムスチン、マンノスルファン、メクロレタミン、メルファラン、ミトブロニトール、ネダプラチン、ニムスチン、オキサリプラチン、ピポスルファン、プレドニムスチン、プロカルバジン、ラニムスチン、サトラプラチン、セムスチン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、チオテパ、トレオスルファン、トリアジコン、トリエチレンメラミン、トリプラチンテトラニトレート、トロホスファミドおよびウラムスチンを含むアルキル化剤;限定されないが、アクラルビシン、アムルビシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エルサミトラクシン、エピルビシン、イダルビシン、メノガリル、マイトマイシン、ネオカルジノスタチン、ペントスタチン、ピラルビシン、プリカマイシン、バルルビシンおよびゾルビシンを含む抗生物質;限定されないが、アミノプテリン、アザシチジン、アザチオプリン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、メトトレキサート、ネララビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、テガフール−ウラシル、チオグアニン、トリメトプリム、トリメトレキサートおよびビダラビンを含む代謝拮抗剤;限定されないが、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ガリキシマブ、ゲムツズマブ、パニツムマブ、ペルツヅマブ、リツキシマブ、ブレンツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、90Y イブリツモマブチウキセタン、イピリムマブ、トレメリムマブおよび抗CTLA−4抗体を含む免疫療法;限定されないが、アナストロゾール、アンドロゲン、ブセレリン、ジエチルスチルベストロール、エキセメスタン、フルタミド、フルベストラント、ゴセレリン、イドキシフェン、レトロゾール、リュープロリド、マグネストロール、ラロキシフェン、タモキシフェンおよびトレミフェンを含むホルモンまたはホルモンアンタゴニスト;限定されないが、DJ−927、ドセタキセル、TPI 287、ラロタキセル、オルタタキセル、パクリタキセル、DHA−パクリタキセルおよびテセタキセルを含むタキサン;限定されないが、アリトレチノイン、ベキサロテン、フェンレチニド、イソトレチノインおよびトレチノインのようなレチノイド;限定されないが、デメコルチン、ホモハリングトニン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニンおよびビノレルビンを含むアルカロイド;限定されないが、AE−941(GW786034、ネオバスタット)、ABT−510、2−メトキシエストラジオール、レナリドマイドおよびサリドマイドを含む抗血管新生剤;、限定されないが、アムサクリン、ベロテカン、エドテカリン、エトポシド、エトポシドホスフェート、エキサテカン、イリノテカン(活性代謝物SN−38(7−エチル−10−ヒドロキシ−カンプトテシン)としても知られる)、ルカントン、ミトキサントロン、ピクサントロン、ルビテカン、テニポシド、トポテカンおよび9−アミノカンプトテシンを含むトポイソメラーゼ阻害剤;限定されないが、アクシチニブ(AG013736)、ダサチニブ(BMS 354825)、エルロチニブ、ゲフィチニブ、フラボピリドール、イマチニブメシレート、ラパチニブ、モテサニブジホスフェート(AMG 706)、ニロチニブ(AMN107)、セリシクリブ、ソラフェニブ、スニチニブマレート、AEE−788、BMS−599626、UCN−01(7−ヒドロキシスタウロスポリン)、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、セルメチニブ、パラドックスブレーカー(例えばPLX8394またはPLX7904)、LGX818、BGB−283、ペキシダルチニブ(PLX3397)およびバタラニブを含むキナーゼ阻害剤;限定されないが、ボルテゾミブ、ゲルダナマイシンおよびラパマイシンを含む標的シグナルトランスダクション阻害剤;限定されないが、イミキモド、インターフェロン−α、およびインターロイキン−2を含む生物学的応答修飾子;および限定されないが、3−AP(3−アミノ−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン)、アルトラセンタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、アスパラギナーゼ、ブリオスタチン−1、シレンギチド、エレスコモール、エリブリンメシレート(E7389)、イクサベピロン、ロニダミン、マソプロコール、ミトグアゾン、オブリメルセン、スリンダク、テストラクトン、チアゾフリン、mTOR阻害剤(例えばシロリムス、テムシロリムス、エベロリムス、デフォロリムス、INK28、AZD8055、PI3K阻害剤(例えばBEZ235、GDC−0941、XL147、XL765、BMK120)、Cdk4阻害剤(例えばPD−332991)、Akt阻害剤、Hsp90阻害剤(例えばゲルダナマイシン、ラジシコール、タネスピマイシン)、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(例えばティピファルニブ)およびアロマターゼ阻害剤(アナストロゾール レトロゾール エキセメスタン)を含む他の化学治療剤から選択される。ある実施態様において、癌を処置する方法は、任意の1以上の式(I)または(II)の化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;または表Iのいずれかの化合物を含む有効量の組成物を、カペシタビン、5−フルオロウラシル、カルボプラチン、ダカルバジン、ゲフィチニブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、SN−38、テモゾロミド、ビンブラスチン、ベバシズマブ、セツキシマブ、インターフェロン−α、インターロイキン−2、またはエルロチニブから選択される化学治療剤と組み合わせて投与することを含む。別の実施態様において、該化学治療剤はMek阻害剤である。典型的なMek阻害剤は、限定されないが、AS703026、AZD6244(セルメチニブ)、AZD8330、BIX 02188、CI−1040(PD184352)、GSK1120212(トラメチニブまたはJTP−74057としても知られる)、コビメチニブ、PD0325901、PD318088、PD98059、RDEA119(BAY 869766)、TAK−733およびU0126−EtOHを含む。別の実施態様において、該化学治療剤はチロシンキナーゼ阻害剤である。典型的なチロシンキナーゼ阻害剤は、 include、限定されないが、AEE788、AG−1478(チロホスチン AG−1478)、AG−490、アパチニブ(YN968D1)、AV−412、AV−951(チボザニブ)、アクシチニブ、AZD8931、BIBF1120(バルガテフ(Vargatef)、BIBW2992(アファチニブ)、BMS794833、BMS−599626、ブリバニブ(BMS−540215)、ブリバニブアラニネート(BMS−582664)、セジラニブ(AZD2171)、クリソファン酸(クリソファノール)、クレノラニブ(CP−868569)、CUDC−101、CYC116、ドビチニブ二乳酸塩(TKI258 二乳酸塩)、E7080、エルロチニブヒドロクロライド(タルセバ、CP−358774、OSI−774、NSC−718781)、フォレチニブ(GSK1363089、XL880)、ゲフィチニブ(ZD−1839またはイレッサ)、イマチニブ(グリーベック)、イマチニブメシレート、Ki8751、KRN 633、ラパチニブ(タイケルブ)、リニファニブ(ABT−869)、マチニブ(マシベット、AB1010)、MGCD−265、モテサニブ(AMG−706)、MP−470、ムブリチニブ(TAK 165)、ネラチニブ(HKI−272)、NVP−BHG712、OSI−420(デスメチルエルロチニブ,CP−473420)、OSI−930、パゾパニブHCl、PD−153035 HCl、PD173074、ペリチニブ(EKB−569)、PF299804、ポナチニブ(AP24534)、PP121、RAF265(CHIR−265)、Raf265誘導体、レゴラフェニブ(BAY 73−4506)、ソラフェニブトシレート(ネクサバール)、スニチニブマレート(スーテント)、テラチニブ(BAY 57−9352)、TSU−68(SU6668)、バンデタニブ(ザクティマ)、バタラニブジヒドロクロライド(PTK787)、WZ3146、WZ4002、WZ8040、キザルチニブ、カボザンチニブ、XL647、EGFR siRNA、FLT4 siRNA、KDR siRNA、メトホルミン、PPARアゴニスト(ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、ベザフィブラート、シプロフィブラート、クロフィブラートe、ゲムフィブロジル、フェノフィブラート、インテグリタザル)のような抗糖尿病剤、およびDPP4阻害剤(シタグリプチン、ビルダグリプチン、サクサグリプチン、デュトグリプチン、ゲミグリプチン、アルゴグリプチン)を含む。別の実施態様において、該薬剤はEGFR阻害剤である。EGFR阻害剤は、限定されないが、AEE−788、AP−26113、BIBW−2992(Tovok)、CI−1033、GW−572016、イレッサ、LY2874455、RO−5323441、タルセバ(エルロチニブ、OSI−774)、CUDC−101およびWZ4002を含む。別の実施態様において、組合せ剤の治療剤は米国特許出願公開第2009/0076046号および第2011/0112127号に記載のc−Fms阻害剤および/またはc−Kit阻害剤であり、それらの全体のおよび全て目的に対して参照により包含させる。ある実施態様において、癌を治療する方法は、有効量の1以上の本明細書に記載の化合物を含むいずれかの化合物を、カペシタビン、5−フルオロウラシル、カルボプラチン、ダカルバジン、ゲフィチニブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、SN−38、テモゾロミド、ビンブラスチン、ベバシズマブ、セツキシマブ、インターフェロン−α、インターロイキン−2またはエルロチニブから選択される化学治療剤と組み合わせて投与することを含む。いくつかの実施態様において、ブロモドメインモジュレーター、特に式(I)または(II)のいずれかの化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;または表Iのいずれかの化合物は、一以上の上記剤と組み合わせて同時に、逐次的にまたは別個に投与され得る。
【0135】
別の実施態様において、本発明は組成物、例えば、式(I)または(II)の化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;化合物Iのいずれかの化合物、または本明細書に記載のいずれかのその医薬組成物、ならびにi)アドゼレシン、アルトレタミン、ビゼレシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルボコン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、エストラムスチン、ホテムスチン、ヘプスルファム、イホスファミド、インプロスルファン、イロフルベン、ロムスチン、メクロレタミン、メルファラン、オキサリプラチン、ピポスルファン、セムスチン、ストレプトゾシン、テモゾロミド、チオテパおよびトレオスルファンから選択されるアルキル化剤;ii)ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、メノガリル、マイトマイシン、ミトキサントロン、ネオカルジノスタチン、ペントスタチンおよびプリカマイシンから選択される抗生物質;iii)アザシチジン、カペシタビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、フトラフル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、メトトレキサート、ネララビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、チオグアニンおよびトリメトレキサートから成る群から選択される代謝拮抗剤;iv)アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ガリキシマブ、ゲムツズマブ、ニボルマブ、パニツムマブ、ペンブロリズマブ、ペルツヅマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、および90Y イブリツモマブチウキセタンから選択される抗体治療剤;v)アナストロゾール、アンドロゲン、ブセレリン、ジエチルスチルベストロール、エキセメスタン、フルタミド、フルベストラント、ゴセレリン、イドキシフェン、レトロゾール、リュープロリド、マグネストロール、ラロキシフェン、タモキシフェンおよびトレミフェンから成る群から選択されるホルモンまたはホルモンアンタゴニスト;vi)DJ−927、ドセタキセル、TPI287、パクリタキセルおよびDHA−パクリタキセルから選択されるタキサン;vii)アリトレチノイン、ベキサロテン、フェンレチニド、イソトレチノインおよびトレチノインから選択されるレチノイド;viii)エトポシド、ホモハリングトニン、テニポシド、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシンおよびビノレルビンから選択されるアルカロイド;ix)AE−941(GW786034、ネオバスタット)、ABT−510、2−メトキシエストラジオール、レナリドマイドおよびサリドマイドから選択される抗血管新生剤;x)アムサクリン、エドテカリン、エキサテカン、イリノテカン、SN−38(7−エチル−10−ヒドロキシ−カンプトテシン)、ルビテカン、トポテカンおよび9−アミノカンプトテシンから選択されるトポイソメラーゼ阻害剤;xi)エルロチニブ、ゲフィチニブ、フラボピリドール、イマチニブメシレート、ラパチニブ、ソラフェニブ、スニチニブマレート、AEE−788、AG−013736、AMG 706、AMN107、BMS−354825、BMS−599626、UCN−01(7−ヒドロキシスタウロスポリン)、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、トラメチニブ、コビメチニブ セルメチニブおよびバタラニブから選択されるキナーゼ阻害剤;xii)ボルテゾミブ、ゲルダナマイシンおよびラパマイシンから選択される標的シグナルトランスダクション阻害剤;xiii)イミキモド、インターフェロン−αおよびインターロイキン−2から選択される生物学的応答修飾子;xiv)IDO阻害剤;およびxv)3−AP(3−アミノ−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン)、アルトラセンタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、アスパラギナーゼ、ブリオスタチン−1、シレンギチド、エレスコモール、エリブリンメシレート(E7389)、イクサベピロン、ロニダミン、マソプロコール、ミトグアゾン、オブリメルセン、スリンダク、テストラクトン、チアゾフリン、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、Cdk4阻害剤、Akt阻害剤、Hsp90阻害剤、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤またはアロマターゼ阻害剤(アナストロゾールレトロゾールエキセメスタン)から選択される化学治療剤;xvi)Mek阻害剤;xvii)チロシンキナーゼ阻害剤;xviii)c−Kit変異体阻害剤、xix)EGFR阻害剤、またはxx)後成的モジュレーターから成る群から選択される1以上の他の治療剤を含む医薬組成物を提供する。さらなる実施態様において、ブロモドメインモジュレーター、特に式(I)または(II)のいずれかの化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;または表Iのいずれかの化合物は1以上の上記薬剤と組み合わせて同時に、逐次的にまたは別個に投与され得る。
【0136】
後成的モジュレーターは、DNAメチル化剤およびクロマチン修飾剤によるヒストンおよび/またはタンパク質の翻訳後修飾を調節する薬剤を含む。後成的モジュレーターの非限定的な例は次のものを含む:
(a)DNAメチルトランスフェラーゼ(例えば、アザシチジン、デシタビンまたはゼブラリン);
(b)限定されないが、EPZ004777(7−[5−Deオキシ−5−[[3−[[[[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]アミノ]カルボニル]アミノ]プロピル](1−メチルエチル)アミノ]−β−D−リボフラノシル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン)、EZH1阻害剤、EZH2阻害剤またはEPX5687のようなDOT1L阻害剤を含むヒストンメチルトランスフェラーゼおよびタンパク質メチルトランスフェラーゼ;
(c)ヒストンデメチラーゼ;
(d)限定されないが、ボリノスタット、ロミデプシン、チダミド、パノビノスタット、ベリノスタット、バルプロ酸、モセチノスタット、アベキシノスタット、エンチノスタット、レスミノスタット、ギビノスタットまたはキシノスタットを含むヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDAC阻害剤);
(e)限定されないが、C−646、(4−[4−[[5−(4,5−ジメチル−2−ニトロフェニル)−2−フラニル]メチレン]−4,5−ジヒドロ−3−メチル−5−オキソ−1H−ピラゾール−1−イル]安息香酸a)、CPTH2(シクロペンチリデン−[4−(4’−クロロフェニル)チアゾール−2−イル]ヒドラジン)、CTPB(N−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−2−エトキシ−6−ペンタデシル−ベンズアミド)、ガルシノール((1R,5R,7R)−3−(3,4−ジヒドロキシベンゾイル)−4−ヒドロキシ−8,8−ジメチル−1,7−ビス(3−メチル−2−ブテン−1−イル)−5−[(2S)−5−メチル−2−(1−メチルエテニル)−4−ヘキセン−1−イル]ビシクロ[3.3.1]−ノナ−3−エン−2,9−ジオン)、アナカルジン酸、EML425(5−[(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル)メチレン]−1,3−ビス(フェニルメチル)−2,4,6(1H,3H,5H)−ピリミジントリオン)、ISOX DUAL([3−[4−[2−[5−(ジメチル−1,2−オキサゾール−4−イル)−1−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]−1H−1,3−ベンゾジアゾール−2−イル]エチル]フェノキシ]プロピル]ジメチルアミン)、L002(4−[O−[(4−メトキシフェニル)スルホニル]オキシム]−2,6−ジメチル−2,5−シクロヘキサジエン−1,4−ジオン)、NU 9056(5−(1,2−チアゾール−5−イルジスルファニル)−1,2−チアゾール)、SI−2 ヒドロクロライド(1−(2−ピリジニル)エタノン 2−(1−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)ヒドラゾンヒドロクロライド)を含むヒストンアセチルトランスフェラーゼ阻害剤(HAT阻害剤とも称される);または
(f)他のクロマチンリモデラー。
【0137】
別の実施態様において、後成的モジュレーターはボリノスタット、ロミデプシン、ベリノスタットまたはパノビノスタットである。
【0138】
いくつかの実施態様において、本発明は1以上の本明細書に記載のいずれかの化合物を含む有効量の組成物を、本明細書に記載の1以上の他の治療剤と組み合わせて対象に投与することによる、いずれかの変異体を含むブロモドメインにより介在される疾患または状態を処置するための方法を提供する。他の実施態様において、本発明は1以上の本明細書に記載のいずれかの化合物を含む有効量の組成物を、疾患または状態を処置するために1以上の他の適切な治療剤と組み合わせて投与することによる、いずれかの変異体を含むブロモドメインタンパク質またはその変異体ブロモドメインタンパク質により介在される疾患または状態を処置する方法を提供する。ある実施態様において、本発明は、本明細書に記載の1以上のいずれかの化合物を含む有効量の組成物を対象に投与することによる、ブロモドメインまたは変異体ブロモドメイン介在性の癌を処置するための方法を提供する。ある実施態様において、本発明は、本明細書に記載の1以上のいずれかの化合物を含む有効量の組成物を1以上の化学治療剤、または本明細書に記載の薬剤のような1以上の適切な抗癌治療剤と組み合わせて投与することによる、ブロモドメイン介在性の癌を処置するための方法を提供する。
【0139】
いくつかの実施態様において、提供される組成物は、2以上の本明細書に記載のいずれかの化合物との組み合わせを含む、治療有効量の1以上の本明細書に記載の化合物および少なくとも1つの薬学的に許容される担体、添加物、および/または希釈剤を含む。組成物はさらに、複数の本明細書に記載の化合物を含む複数の異なる薬理学的活性化合物を含み得る。特定の実施態様において、組成物は同一の疾患兆候に対して治療上有効な1以上の化合物とともに、本明細書に記載の1以上のいずれかの化合物を含み得る。ある態様において、組成物は同一の疾患兆候に対して治療上有効な1以上の化合物とともに、本明細書に記載の1以上のいずれかの化合物を含み、ここで該化合物は疾患兆候に対して相乗効果を有する。ある実施態様において組成物は癌の処置に有効な1以上の本明細書に記載の化合物および同一の癌の処置に有効な1以上の他の化合物を含み、さらにここで該化合物は癌の処置において相乗的に有効である。化合物は同時にまたは逐次的に投与され得る。
【0140】
いくつかの実施態様において、本発明は組成物、例えば、式(I)または(II)の化合物、表Iのいずれかの化合物、または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;または表Iのいずれかの化合物とキザルチニブまたはペキシダルチニブのようなFMS阻害剤との組合せ剤を含む医薬組成物を提供する。
【0141】
ある実施態様において、本発明は、有効量の式(I)または(II)の化合物、表Iのいずれかの化合物、または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;または表Iのいずれかの化合物を、疾患または状態を処置するためにキザルチニブと組み合わせて対象に投与することによる、タンパク質または変異体ブロモドメインタンパク質介在性疾患または状態を処置するための方法を提供する。
【0142】
いくつかの実施態様、本発明は、本明細書に記載の疾患または状態を有する対象を治療する方法を提供し、前記方法は有効量の式(I)または(II)、表Iのいずれかの化合物、または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;または表Iのいずれかの化合物を、変異体c−Kitタンパク質キナーゼ阻害剤と組み合わせて投与することを含む。別の実施態様において、変異体c−Kitタンパク質キナーゼ阻害剤は、(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−(3−ピリジル)メタノール、(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−(3−ピリジル)メタノン、N−(3−カルバモイルフェニル)−2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド、2−フェニル−N−(1H−ピラゾール−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボキサミド、4−ブロモ−N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、エチル 3−[(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)カルバモイルアミノ]プロパノエート、3,4−ジメチル−N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、4−メチル−3−フェニル−N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、3−シクロプロピル−N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、5−フルオロ−N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド、N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリミジン−4−カルボキサミド、3−フルオロ−N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリジン−2−カルボキサミド、3,5−ジメチル−N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)イソキサゾール−4−カルボキサミド、N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリダジン−3−カルボキサミド、N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−2H−トリアゾール−4−カルボキサミド、3−メチル−N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)ピリジン−2−カルボキサミド、4,5−ジメチル−N−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)イソキサゾール−3−カルボキサミドまたはN−(2−フェニル−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1H−ピラゾール−4−スルホンアミドから選択される。別の実施態様において、式(I)または(II)の化合物、表Iのいずれかの化合物、または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;または表Iのいずれかの化合物は、限定されないが、第1選択GIST、第2選択GISTおよびネオアジュバントGISTを含むGISTを処置するために本明細書に記載の変異体c−Kit変異体阻害剤のいずれかと組み合わせられる。
【0143】
いくつかの実施態様において、本発明は組成物、例えば、少なくとも1つの薬学的に許容される担体または添加物および表IIのいずれか1つの化合物、または表IIのいずれかの化合物の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログをキザルチニブまたはペキシダルチニブのようなFMS阻害剤との組み合わせ剤で含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施態様において、本発明は少なくとも1つの薬学的に許容される担体または添加物および表IIのいずれか1つの化合物、または表IIのいずれかの化合物の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;薬学的に許容される担体;およびキザルチニブを含む組成物を提供する。
【0144】
いくつかの実施態様において、本発明はブロモドメイン介在性疾患または状態を有するまたはそのリスクを有する対象を処置する方法を提供し、前記方法は有効量の表IIの化合物のいずれかまたは表IIの化合物のいずれか1つの薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ、または表IIの化合物のいずれかまたは表IIの化合物のいずれか1つの薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログおよび薬学的に許容される添加物または担体をキザルチニブとの組み合わせ剤で含む組成物を、処置を必要とする対象に投与することを含む。
【0145】
いくつかの実施態様において、本発明はブロモドメイン介在性疾患または状態を有するまたはそのリスクを有する対象を処置するための方法を提供し、前記方法は表IIのいずれか1つの化合物、または表IIのいずれかの化合物の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;または表IIのいずれかの化合物、少なくとも1つの薬学的に許容される添加物または担体;およびキザルチニブを含む有効量の医薬組成物を、処置を必要とする対象に投与することを含む。
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【0146】
化合物はそれらの製造方法を含めて国際公開第2014/145051号に開示されており、国際公開第2014/145051号の内容は参照により全体に包含させる。
【0147】
いくつかの実施態様において、本発明は有効量の化合物または1以上の本明細書に記載の化合物を含む組成物を、1以上の癌の処置に有効な他の療法または医療処置と組み合わせて対象に投与することによる、処置を必要とする対象における本明細書に記載の癌を処置する方法を提供する。他の療法または医療処置は、適切な抗癌療法(例えば薬物療法、ワクチン療法、遺伝子療法、光化学療法)または医療処置(例えば手術、放射線療法、温熱療法、骨髄または幹細胞移植)を含む。ある実施態様において、1以上の適切な抗癌療法または医療処置は化学治療剤(例えば化学療法薬物)、放射線治療(例えばX線、γ線または電子、プロトンビーム、ニュートロンビームもしくはαパーティクルビーム)、温熱療法(例えばマイクロ波、超音波、高周波アブレーション)、ワクチン療法(例えばAFP遺伝子肝細胞癌ワクチン、AFPアデノウイルスベクターワクチン、AG−858、同種異形GM−CSF分泌乳癌ワクチン、樹状細胞ペプチドワクチン)、遺伝子療法(例えばAd5CMV−p53ベクター、MDA7をコードするアデノベクター、アデノウイルス5−腫瘍壊死因子α)、光化学治療(例えばアミノレブリン酸、モテクサフィンルテチウム)、腫瘍溶解性ウイルスまたは細菌療法、手術、または骨髄および幹細胞移植を用いた治療から選択される。特定の実施態様において、本発明は有効量の本明細書に記載の化合物を対象に投与することによる、および本明細書に記載の放射線治療を別個にまたは同時に利用することによる、処置を必要とする対象における癌を治療する方法を提供する。ある実施態様において、本発明は有効量の本明細書に記載の化合物の後に放射線療法(例えばX線、γ線または電子、プロトンビーム、ニュートロンビームもしくはαパーティクルビーム)を対象に投与することによる、処置を必要とする対象における癌を処置する方法を提供する。別の実施態様において、本発明は放射線療法(例えばX線、γ線または電子、プロトンビーム、ニュートロンビームもしくはαパーティクルビーム)を利用した後に有効量の本明細書に記載の化合物を対象に投与することによる、処置を必要とする対象における癌を治療する方法を提供する。さらに別の実施態様において、本発明は本明細書に記載の化合物の後に放射線療法(例えばX線、γ線または電子、プロトンビーム、ニュートロンビームもしくはαパーティクルビーム)を対象に投与することによる、処置を必要とする対象における癌を治療する方法を提供する。
【0148】
別の態様において、本発明は式(I)または(II)の化合物;または式(I)もしくは(II)の薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログ;または表Iのいずれかの化合物、または本明細書に記載のその医薬組成物を含むキットまたは容器を提供する。いくつかの実施態様において、化合物または組成物は、さらに箱、包装材またはバッグに包装され得るバイアル、ボトル、フラスコに充填され;該化合物または組成物は哺乳動物、例えばヒトへの投与について米国食品医薬品局または同様の規制当局により承認され;該化合物または組成物はブロモドメインタンパク質介在性疾患または状態について、哺乳動物、例えばヒトへの投与について承認され;本明細書に開示されるキットまたは容器は使用のための指示書および/または化合物または組成物がブロモドメインタンパク質介在性疾患または状態について、哺乳動物、例えばヒトへの投与に適切であるかまたは承認されている他の指示書を含み;および化合物または組成物は例えば、例えば、単回用量ピル、カプセルなどのような単位用量または単回用量で包装され得る。
【0149】
VII.実施例
以下の実施例は説明するために提供され、本発明を限定するものではない。
【0150】
本発明の範囲内の化合物は、当業者に知られる種々の反応を用いて、以下に記載されるように合成され得る。当業者はまた、本発明の標的化合物を合成するために代替法が使用され得ること、および本出願の範囲内に記載されるアプローチは包括的ではないが目的の化合物に対して幅広く適用可能であり、実践的な方法を提供すると認識する。いくつかの例において、化合物について示された質量分析結果はブロモまたはクロロ置換基を有する化合物のように、分子内の原子の同位体分布のため、ある値以上を示し得る。
【0151】
当業者はまた、有機化学における標準的な後処理に酸および塩基がしばしば使用され得ると認識する。それらが内在性の酸性および塩基性を有するならば、本明細書に記載の実験方法において、親化合物の塩が生成することがある。
【0152】
実施例1A
【化5】
工程1:tert−ブチル 6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−3−ヨード−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート(2)の製造
4−(3−ヨード−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−6−イル)−3,5−ジメチルイソキサゾール(1、25.3g、74.6mmol)およびDMAP(455mg、3.73mmol)混合物のテトラヒドロフラン(250mL)溶液に、ジ−tert−ブチルカーボネート(19.54g、89.52mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液を滴下添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、減圧下で濃縮した。粗製の物質をカラムシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜30%酢酸エチル)により生成した。生成物を含むフラクションを合わせて、減圧下で濃縮し、高真空下で一晩乾燥させ、tert−ブチル 6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−3−ヨード−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート(2)を得た。MS(ESI)[M+H=440.1。
【0153】
工程2:tert−ブチル 6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−3−(4−(メトキシカルボニル)フェニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート(3)の製造
tert−ブチル 6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−3−ヨード−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート(2、15.0g、34.15mmol)および(4−メトキシカルボニルフェニル)ボロン酸(12.3g、68.32mmol)のトルエン(230mL)およびエタノール(70mL)溶液を充填した圧力容器に、2M NaCO水溶液(51mL、102.5mmol)とその後[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(1.25g、1.7mmol)を添加した。得られた混合物を窒素下で5分間撹拌した。容器をその後密封し、105〜110℃で2.5時間撹拌した。完了後、反応混合物を室温まで冷却し、ジクロロメタン(300mL)で希釈し、セライトパッドでろ過した。溶媒を減圧下で濃縮し、残渣を飽和NaHCO水溶液(300mL)に注ぎ、酢酸エチル(2x200mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2x200mL)および塩水(200mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をEtOAc/EtO/ヘキサンで結晶化させ、得られた固体をろ過により回収した。固体をEtOAc/EtOの混合物で洗浄し、その後高真空下で乾燥させ、tert−ブチル 6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−3−(4−(メトキシカルボニル)フェニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート(3)を得た。MS(ESI)[M+H=447.48。
【0154】
工程3:メチル 4−(6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)ベンゾエート ヒドロクロライド(4)の製造
tert−ブチル 6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−3−(4−(メトキシカルボニル)フェニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−1−カルボキシレート(3、39.5g、88.3mmol)のCHCl/MeOH(2:1、350mL)溶液に、0℃で4M HCl ジオキサン溶液(220mL、88mmol)を添加し、混合物を環境温度で2日間撹拌した。固体をろ過により回収し、冷却したジクロロメタン(150mL)およびジエチルエーテル(3x100mL)で洗浄し、その後高真空下で乾燥させ、メチル 4−(6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)ベンゾエート ヒドロクロライド(4)を得た。MS(ESI)[M+H=347.12。
【0155】
工程4:メチル 4−(1−(ジ(ピリジン2−イル)メチル)−6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)ベンゾエート(5)の製造:
メチル 4−[6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル]ベンゾエート ヒドロクロライド(4、1.33g、3.47mmol)のTHF(20mL)溶液に、炭酸セシウム(3.39g、10.4mmol)および2−[ブロモ(2−ピリジル)メチル]ピリジン(1.04g、4.16mmol)を添加した。混合物を加熱し、70℃で24時間撹拌した。LC−MSは出発物質である(メチル 4−(6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)ベンゾエート)が未だ存在していることを示した。その後、追加の2−[ブロモ(2−ピリジル)メチル]ピリジン(500mg、2.01mmol)を反応混合物に添加し、70℃でさらに24時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、ろ過した。揮発性物質を真空下で除去し、粗製物質を得て、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0〜80%酢酸エチル)により精製した。生成物を含むフラクションを合わせ、減圧下で濃縮し、高真空下で一晩乾燥させてメチル 4−(1−(ジ(ピリジン2−イル)メチル)−6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)ベンゾエート(5)を得た。MS(ESI)[M+H=515.56。
【0156】
工程5:メチル 4−(1−(1,1−ジ(ピリジン−2−イル)エチル)−6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)ベンゾエート(P−002)の製造:
メチル 4−[1−[ビス(2−ピリジル)メチル]−6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル]ベンゾエート(5、0.36g、0.7mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%、0.03g、0.8mmol)を添加した。混合物を室温で10分間撹拌した。その後、ヨードメタン(0.5g、3.5mmol)を添加し、反応混合物を室温で20時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、ろ過した。揮発性物質を真空下で除去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0〜100%酢酸エチル)により精製した。生成物を含むフラクションを合わせ、減圧下で濃縮し、高真空下で一晩乾燥させてメチル 4−(1−(1,1−ジ(ピリジン2−イル)エチル)−6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)ベンゾエート(P−002)を得た。MS(ESI)[M+H=529.59。
【0157】
工程6:4−(1−(1,1−ジ(ピリジン−2−イル)エチル)−6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸(P−001)の製造:
メチル 4−[1−[1,1−ビス(2−ピリジル)エチル]−6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル]ベンゾエート(P−002、180mg、0.34mmol)のTHF(15mL)に、1M 水酸化リチウム水溶液(7.5mL)を添加した。反応混合物を加熱し、50℃で2時間撹拌した。反応混合物を酢酸5mLとともに水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、ろ過した。揮発性物質を真空下で除去し、残渣をアセトニトリルに溶解し、加熱して還流した。室温まで冷却した後、溶液を冷蔵庫で一晩静置した。生成物をろ過により回収し、4−(1−(1,1−ジ(ピリジン2−イル)エチル)−6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸(P−001)を得た。MS(ESI)[M+H=515.56。
【0158】
あるいは、P−001は実施例1Bにより合成され得る。
【化6】
【0159】
工程1:3,5−ジメチル−4−(1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−6−イル)イソキサゾール(8)
6(Synnovatorから購入)の懸濁液(196.5g、0.997mol、1当量)に、7(Oakwood Productsから購入)(183g、1.296mol、1.3当量)、炭酸カリウム(413g、2.992mol、3当量)および塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(34.9g、49.9mmol、114mmol、0.05当量)のジオキサン(2.8L)および水(852mL)溶液に、窒素を10分間通気した。LC/MSが反応が完結したことを示した点で、反応混合物を90℃で一晩加熱した。反応物を酢酸エチル(4L)および水(4L)で希釈した。層を分離し、有機層をシリカゲル(0.5kg)に通して追加の酢酸エチル(2L)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮し、粗製の残渣をMTBE(約2L)を用いて結晶化させ、化合物3を得た。
【0160】
工程2:4−(3−ヨード−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−6−イル)−3,5−ジメチルイソキサゾール(2)
N−ヨードスクシンイミド(198g、882mmol、1.1当量)を、化合物3(171g、802mmol、1当量)のアセトニトリル(7.3L)およびジメチルアセトアミド(730mL)の混合溶液に添加した。LC/MSが反応が完結したことを示した点で、反応物を室温で一晩撹拌した。アセトニトリルを減圧下で除去し、残渣を温水(8L)および飽和チオ硫酸ナトリウム(2L)の混合物中でスラリー状にした。固体をろ過により回収し、追加の水(2L)で洗浄した。粗製の固体をMTBE(約2L)を用いて結晶化させ、対流式オーブン中50℃で2日間乾燥させた後、2を得た。
【0161】
工程3:ジ(ピリジン−2−イル)メタノール(10)
0℃で、水素化ホウ素ナトリウム(27.1g、716mmol、0.38当量)を9(RennoteTechから購入)(350g、1900mmol、1当量)のメタノール(7L)溶液に分割して添加した。LCMSが9の完全な消費を示した点で、反応物を1.5時間撹拌した。溶液を減圧下で濃縮した。残渣を1N 塩酸(2.56L)に溶解した。固体の重炭酸ナトリウム(344g)を用いてpHを約8に調整した。溶液を酢酸エチル(2x3L)で2回抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮して10を得て、これを続けて次の工程で使用した。
【0162】
工程4:2,2’−(ブロモメチレン)ジピリジン二臭化水素酸(11)
室温で、トリフェニルホスフィンジブロマイド(322.5g、764mmol、2当量)を9(71.2g、382mmol、1当量)のジクロロメタン(1.6L)溶液に分割して添加した。反応を室温で一晩撹拌した。懸濁液を窒素下でろ過し、ジクロロメタン(2x100mL)で洗浄した。固体を真空オーブン下、40℃で3時間乾燥させて11を得た。固体は吸湿性であり、空気にさらさなかった。
【0163】
工程5:4−(1−(ジ(ピリジン−2−イル)メチル)−3−ヨード−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−6−イル)−3,5−ジメチルイソキサゾール(12):
11(178.4g、435mmol、1.58当量)を重炭酸ナトリウムの飽和溶液(2L)に懸濁し、ジクロロメタン(3x1L)で抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮し、11(108.2g、435mmol、1.58当量)の遊離塩基を得た。11(108.2g、435mmol、1.58当量)の遊離塩基、2(93.5g、276mmol、1当量)および炭酸セシウム(208g、638mmol、2.3当量)をTHF(3L)に溶解し、一晩還流した。溶液を飽和食塩水(3L)で洗浄した。有機層を分離し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲル(2x700g)で2回、それぞれジクロロメタン中0〜100%酢酸エチルの勾配で溶出させて精製した。物質をMTBE(500mL)で12へ結晶化させた。
【0164】
工程6:4−(1−(1,1−ジ(ピリジン−2−イル)エチル)−3−ヨード−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−6−イル)−3,5−ジメチルイソキサゾール(13)
カリウムtert−ブトキシド(29.4g、239mmol、1.2当量)を、12(101.0g、199mmol、1当量)およびヨードメタン(37.2mL、597mmol、3当量)の無水THF溶液に分割して添加した。反応物を室温で一晩撹拌した。溶液を飽和食塩水(2L)でクエンチした。有機層を分離し、減圧下で濃縮した。残渣を一部シリカゲル(1kg)で精製し、ジクロロメタン中0〜40%酢酸エチルの勾配で溶出させた。混合したフラクションを同一のAnaLogixカラム(220g)上で2つのバッチで精製し、ジクロロメタン中0〜50%酢酸エチルでそれぞれ溶出させた。正常なフラクションを合わせて13を得た。
【0165】
工程7:メチル 4−(1−(1,1−ジ(ピリジン−2−イル)エチル)−6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)ベンゾエート(P−002)
13(73.4g、141mmol、1当量)および13b(Angene Internationalから購入)(50.7g、282mmol、2当量)および炭酸カリウム(58.3g、422mmol、3当量)の混合物のジオキサン(730mL)および水(245mL)溶液に窒素を10分間通気した。[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(6.2g、8.4mmol、0.06当量)を添加して反応物を80℃で1.5時間撹拌した。室温まで冷却した後、溶液をTHF(500mL)で希釈し、セライト(95g)でろ過し、追加のTHF(600mL)で洗浄した。セライトパッドをジクロロメタン(1L)中でスラリー状にしてろ過した。2つのろ液を合わせ、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲル(1kg)で精製し、ヘプタン中0〜100%酢酸エチルの勾配で溶出させた。混合したフラクションを合わせ、MTBE(200mL)で結晶化させた。ろ液を減圧下で濃縮し、AnaLogixカラム(220g)上で精製し、ヘプタン中0〜50%酢酸エチルの勾配で溶出させた。全ての清浄な物質を合わせてP−002を得た。
【0166】
工程8:4−(1−(1,1−ジ(ピリジン−2−イル)エチル)−6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸(P−001)
P−002(79.2g、150mmol、1当量)および2M 水酸化リチウム(1.125L、2250mmol、15当量)の混合物のTHF(2.2L)溶液を55℃で一晩加熱した。溶液を飽和食塩水(2L)で希釈した。1N 塩酸(1.6L)でpHを約5に調整した。溶液を酢酸エチル(2.2L)で抽出した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタン(1L)に溶解し、ろ過して不溶性の粒子を除去した。ろ液をアセトニトリル(1L)で希釈し、厚いスラリーまで濃縮した。懸濁液をろ過した。単離可能な物質が残らなくなるまで、ろ液を同様の方法で繰り返し処理した。全ての固体を合わせてP−001を得た。
【0167】
実施例2
【化7】
工程1−メチル 4−(6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1−(フルオロジ(ピリジン−2−イル)メチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)ベンゾエート(P−003)および4−(6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1−(フルオロジ(ピリジン−2−イル)メチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸(P−004)の製造
メチル 4−[1−[ビス(2−ピリジル)メチル]−6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル]ベンゾエート(5、0.09g、0.17mmol)および水酸化カリウム(150mg、2.68mmol)を充填したバイアルに、N,N−ジメチルホルムアミド(2mL)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、N−フルオロベンゼンスルホンアミド(100mg、0.315.34mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(1mL)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を5mLの酢酸と共に水に注ぎ、その後酢酸エチルで抽出した。有機層を水および塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、ろ過した。粗生成物を分取HPLCにより精製した。純粋なフラクションを合わせて凍結乾燥し、メチル 4−(6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1−(フルオロジ(ピリジン−2−イル)メチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)ベンゾエート(P−003、6mg、7%)、MS(ESI)[M+H=533.55;および4−(6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−1−(フルオロジ(ピリジン−2−イル)メチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル)安息香酸(P−004)、MS(ESI)[M+H=519.52を得た。
【0168】
実施例3
【化8】
工程1−メチル 4−[1−[シアノ−ビス(2−ピリジル)メチル]−6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル]ベンゾエート(P−005)の製造
メチル 4−[1−[ビス(2−ピリジル)メチル]−6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル]ベンゾエート(5、0.08g、0.16mmol)および水酸化カリウム(0.15g、2.67mmol)を充填したバイアルに、N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)を添加し、混合物を室温で10分間撹拌した。その後、反応物にフェニルシアネート(20%、0.4g、0.67mmol)のジクロロメタン溶液を添加し、室温で1時間撹拌した。LC−MSが反応が完了していないことを示したため、追加のフェニルシアネート(20%、0.3グラム、0.502mmol)を添加した。反応混合物を室温でされに2時間撹拌した。反応混合物を5mLの酢酸とともに水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させた。粗製の物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜80%酢酸エチル)により精製した。生成物を含むフラクションを合わせ、減圧下で濃縮し、高真空下で一晩乾燥させてメチル 4−[1−[シアノ−ビス(2−ピリジル)メチル]−6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル]ベンゾエート(P−005)を得た。MS(ESI)[M+H=540.57。
【0169】
工程2−4−[1−[シアノ−ビス(2−ピリジル)メチル]−6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル]安息香酸(P−006)の製造
適切な出発物質を用いて実施例1の工程6に記載のようにして、生成物(P−006、4−[1−[シアノ−ビス(2−ピリジル)メチル]−6−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)ピロロ[3,2−b]ピリジン−3−イル]安息香酸)を製造した。MS(ESI)[M+H=526.54。
【0170】
本発明の別の実施態様は、以下の式:
【化9】
の1つを有する請求項1の化合物の合成に有用な化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、異性体もしくは重水素化アナログに関する。
【0171】
実施例4:化合物P−001と化合物ZのラットPKの比較
IVについて3匹のラットおよびPOについて3匹のラットの各々に5つの化合物を投与したカセット用量形式を用いてラットPKデータを決定した。IV用量は8.75体積% ソルトール、8.75体積% エタノール、12.5体積% DMSOおよび70体積% 水の各化合物について1mg/kgであった。PO用量は水中1体積%のメチルセルロース、10体積% DMSOの各化合物について2mg/kgであった。血漿IVサンプルを15分、30分、1時間、2時間、4時間、8時間および24時間で回収した。血漿POサンプルを30分、1時間、2時間、4時間、8時間および24時間で回収した。各試験物についての標準曲線較正の後、血漿薬物濃度をLC/MS/MSによって決定した。試験物質について投与溶液もまた分析し、投与された用量を計算するために使用した。PKパラメーターは、非コンパートメントモデルを使用してWinNonLin(v 6.3、Phoenix 64、Pharsight)を使用して計算した。
【0172】
表1および2は、本発明の化合物P−001および国際公開第2014/145051号に記載の類似構造の化合物、化合物Zについてのラットにおける静脈内(IV)および経口(PO)投与双方の比較データを示す。値は、括弧内の標準誤差を伴う平均値(SE)として報告される。化合物ZのラットPKと比較したとき、このデータは化合物P−001のラットPKの劇的な改善を示す。
【表4】
【表5】
【0173】
実施例5:IPC298異種移植モデルを用いた化合物P−001と化合物Zの有効性比較
処置:腫瘍播種後11日に、平均腫瘍サイズが約150mmに達したとき、処置を開始した。マウスを10の試験群に無作為化し、各群は8匹のマウスで構成された。表3に示す所定の処置レジメンに従って、腫瘍を有するマウスに試験物質を投与した。
【表6】
【0174】
腫瘍測定およびエンドポイント:主なエンドポイントは腫瘍増殖が遅延または退行し得るかどうかを観察することである。キャリパーを用いて腫瘍サイズを二次元で1週間に2回測定し、体積を式:V=0.5a×b(ここでaおよびbはそれぞれ腫瘍の長径および短径である)を用いてで表した。その後腫瘍サイズを腫瘍増殖阻害(TGI、パーセント)の計算に使用した。TGI値は抗腫瘍効果の指標である:TGI=(1−T/C)x100%。TおよびCはそれぞれ、処置群および対照群の相対腫瘍体積の平均である。TおよびCは式:T=T/Tx100%、C=C/Cx100%(ここでTおよびCはそれぞれ、腫瘍播種後28日の処置動物および対照動物の腫瘍体積であり、TおよびCはそれぞれ、処置開始時の処置動物および対照動物の腫瘍体積である)を用いて計算される。
【0175】
種々の時点での種々の群における腫瘍体積を表4および表5ならびに図1に示す。化合物P−001は単独で99.2mmの平均腫瘍サイズ(表4)およびTGI=112%(表5)とともに強力な抗腫瘍活性を示したが、化合物Zは141.5mmの平均腫瘍サイズ(表4)およびTGI=92%(表5)とともに中程度の抗腫瘍活性を示した。
【表7】
【表8】
【0176】
従って、化合物Zは中程度の抗腫瘍活性を示したが、化合物P−001は強力な治療効果を示した。試験物質は腫瘍を有する動物により十分に耐容された。
【0177】
実施例5:化合物P−001および化合物Zの毒性プロファイル比較
前単球細胞株、Ba/F3は細胞培養における増殖についてIL−3の添加に依存する。いずれにしても、完全長癌遺伝子を発現するように設計されたBa/F3細胞はBa/F3細胞を因子非依存性にすることができるが、癌遺伝子または下流シグナル伝達が小分子阻害剤の添加により阻害されるとき、アポトーシス性になる。ヌードマウスの尾静脈に注射したとき、因子非依存性Ba/F3細胞は脾臓に進入し、増殖してマークされた脾腫をもたらす。因子非依存性Ba/F3細胞のインビボ増殖および脾腫の発生はBa/F3細胞の活性に直接依存し、有効な細胞増殖阻害剤である化合物の投与によりブロックされ得る。従って、本動物モデルはBa/F3細胞阻害に効果的な用量、PK/PD効果ならびに毒性もしくはMTDの読み出しの両方の効果の評価を確認するために使用され得る。
【0178】
表6は試験設計の概要を提供する。
【表9】
【0179】
図2は化合物P−001および化合物Zを10mg/kgでnu/nuマウスに7日間投与したときに観察された毒性を示す。表7は投与期間中のΔ体重変化を含む。
【表10】
【0180】
従って、化合物P−001は化合物Zよりも顕著に改善された毒性プロファイルを示す。上で見られるように、本薬理学モデルにおける投与試験期間中、化合物P−001について毒性は全く観察されなかった。化合物Zは投与2日後に顕著な毒性を示し、残りの試験期間中マウスは悪化し続けた。
【0181】
実施例6:化合物特性
ブロモドメインおよびその変異体に対する化合物の阻害活性は疾患の処置におけるそれらの活性に重要であるが、本明細書に記載の化合物は薬学的な利益もまた提供する好ましい特性を示す。
【0182】
本明細書に記載の化合物は、ブロモドメインタンパク質およびその変異体に関連する障害を処置するために有用である。
【0183】
アルファスクリーン結合アッセイ
アルファスクリーン結合アッセイを用いて、式(I)の化合物のブロモドメイン2、3および4との結合を評価した。組み換えBRDタンパク質、アセチル化ヒストン4ペプチドおよびアルファスクリーンTM技術を用いて、ブロモドメインとそのアセチル化標的タンパク質(Filippakopoulos P et al., 2012)の相互作用の阻害を定量的に測定した。阻害の非存在下、アルファスクリーンTMニッケルキレートアクセプタービーズに結合したBRDタンパク質は、アルファスクリーンTMストレプトアビジン被覆ビーズにより固定化されたアセチル化ヒストン4ペプチドと相互作用し得る。この相互作用によりドナーおよびアクセプタービーズが近接する。近接することにより、ドナービーズのレーザー励起によって生成した一重項酸素がアクセプタービーズに到達して発光シグナルを生成することが可能となる。BRD阻害剤はBRD−アセチル化ペプチド相互作用の阻害により、近接シグナルの減少をもたらす。
【0184】
N末端ブロモドメイン(BRD2−BD1(71−194)、BRD3−BD1(24−144)およびBRD4−BD1(44−164))または二重ブロモドメイン(BRD4−BD12(1−477)、BRD4−BD12(1−472))を含む組み換えヒトブロモドメインを、タンパク質発現および精製セッションに記載のとおり調製および精製した。ペプチドはヒトヒストンH41−21K5AcK8AcK12AcK16Ac−ビオチン(Anaspec CA、アメリカ合衆国)である。
【0185】
BRD2、BRD3およびBRD4アッセイについてのプロトコル
全ての成分を50mM HEPES pH7.5、100mM NaCl、0.01% BSA、0.01%トリトンX−100、2mM DTTから成る緩衝液中で調製する。アルファプレート(PerkinElmer GA、アメリカ合衆国)でブロモドメインタンパク質(7μL)およびペプチド(7μL)を種々の濃度の式(I)の試験化合物またはDMSO溶媒(1μL)を含むウェルに添加し、1時間室温でインキュベートする。その後4μLのドナーおよびアクセプタービーズ混合物を7.5μg/mLの最終濃度で添加した。ビーズを添加して30分後、アルファシグナルをEnvisionスペクトロメーター(λEx 680nM、λEm 520〜620nM)で読む。最終ブロモドメインタンパク質およびペプチドの最終濃度を以下に示す。
【表11】
【0186】
すべてのデータを、各プレート上の16個の高対照ウェルおよび16個の低対照ウェルの平均値に対して標準化した。以下の式の4つのパラメーター曲線を適用した:
【数1】
〔式中、「a」は最小値であり、「b」は最大値であり、「c」はpIC50であり、「d」はHill勾配である〕。
【0187】
タンパク質発現および精製
N末端6−Hisタグを用いて、N末端ブロモドメイン(BRD2−BD1(71−194)、BRD3−BD1(24−144)およびBRD4−BD1(44−164))または二重ブロモドメイン(BRD4−BD12(1−477)、BRD4−BD12(1−472))を含む組み換えヒトブロモドメインをE.coli細胞で(修飾pETベクターで)発現させ、IMAC(Ni親和性)およびサイズ排除クロマトグラフィー工程の組合せを用いて精製した。
【0188】
E.coli株BL21−CodonPlus(DE3)(Agilent Technologies CA、アメリカ合衆国)を用いて組み換えBRDタンパク質を発現させた。細胞をTerrific Broth(TB)培地中、37℃でOD600が1.2になるまで増殖させ、温度を25℃に下げ、タンパク質を1.0mMのイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(「IPTG」)で12〜18時間誘導し、8000xgで20分間、遠心分離することにより回収した。細胞を0.2mg/mL リゾチーム、2.0mM フェニルメタンスルホニルフルオライド(「PMSF」)、25μg/mL DNアーゼIとともに0.1M KPO pH8.0、250mM NaCl、10% グリセロール、0.75% NP−40、25mM イミダゾール、5mM ベータ−メルカプトエタノール(「BME」)中で再懸濁し、氷上で30分間インキュベートし、細胞破砕機(MicroFluidics MA、アメリカ合衆国)で溶解した。溶解物を20,000xgで2時間、遠心分離することにより浄化した。タンパク質をNi−NTA樹脂(Life Technologies、アメリカ合衆国)で捕捉した。汚染されたタンパク質を25mM トリス−HCl pH8.3、250mM NaCl、12%グリセロールおよび 50mM イミダゾールで洗浄して除去した。3回洗浄工程の後、タンパク質を50 mM HEPES pH7.5、500mM NaClおよび400mM イミダゾールで段階的に溶出させた。50mM HEPES pH7.5、250mM NaCl中でゲルろ過カラム 26/600 Superdex 200(GE Biosciences NJ、アメリカ合衆国)を用いてタンパク質をさらに精製した。タンパク質を等分し、液体窒素で急速凍結させた。
【0189】
腫瘍学細胞増殖アッセイ
公表されているブロモドメイン阻害剤 JQ1およびiBET 151は、白血病およびリンパ腫、多発性骨髄腫細胞、NUT正中線癌および神経膠芽腫細胞のような種々の癌細胞において活性を示している(Dawson MA et al. 2011; Delmore JE 2011; Chen Z et al. 2013; Filippakopoulos P et al. 2010; Mertz JA et al. 2011; Ott CJ et al. 2012)。本試験において、我々は種々の癌細胞株において化合物を試験した。MV−4−11およびMOLM−13はMLL−AF4およびMLL−AF9転座をそれぞれ有するAML細胞株である。MM.1Sは多発性骨髄腫細胞株である。SK−N−AS、IMR−32およびSK−N−BE(2)は神経芽腫細胞株である。IMR−32およびSK−N−BE(2)細胞株はMYCN増幅因子を有する。
【0190】
MV−4−11、MM.1S、IMR−32、SK−N−ASおよびSK−N−BE(2)はATCC(IL、アメリカ合衆国)より入手し、MOLM−13はDSMZ(Braunschweig、ドイツ)より購入した。細胞をそれらの入手元により推奨されるとおりに培養する。増殖阻害試験において、3000個の細胞を96ウェルプレートのウェルの75μLの培養培地に播種する。数時間後、式(I)の化合物を含む増殖培地をウェルに添加する。DMSOを対照として合計8点の力価測定のために5mMの最大濃度の化合物を1:3で連続的に希釈した。各希釈点の1μL量を249μLの増殖培地に添加し、細胞を含む各ウェルに75μL添加し、最大濃度点で10μMの化合物を提供する。全てのウェルにおけるDMSOの最終濃度は0.2%である。細胞を72時間インキュベートし、25μLのCellTiter Glo試薬(Promega GA、アメリカ合衆国)を各ウェルに添加する。プレートを約10分間振盪し、化学発光シグナルをTecanマイクロプレートリーダーで読む。測定された発光は細胞数と直接的に相関する。
【0191】
すべてのデータは、各プレートの8つのDMSO高対照ウェルの平均値に対して標準化する。以下の式の4パラメーター曲線フィットをその後適用した:
【数2】
〔式中、「a」は最小値であり、「b」は最大値であり、「c」はpIC50であり、「d」はHill勾配である〕
これらのデータは上記アッセイで試験されたブロモドメイン阻害剤が癌細胞株における細胞増殖を阻害することを示す。
【0192】
Mycレポーターアッセイ
MV−4−11細胞において、BRD2、BRD3およびBRD4はMYCのプロモーター領域に結合し、その転写を制御する(Dawson MA et al. 2011)。文献のブロモドメイン阻害剤iBET 151はMYCプロモーターへのBRD4動員を妨害し、続いてc−myc転写(Dawson MA et al. 2011)を下方制御し得る。Mycタンパク質は必須パートナーであるMaxとヘテロ二量化し、細胞増殖、分化、およびアポトーシスに重要な遺伝子の転写を制御する転写因子である。このMycレポーターアッセイはMyc依存性遺伝子発現に対する式(I)の化合物の阻害効果をモニタリングするために使用される。有効な化合物はMyc駆動腫瘍において潜在的な治療効果を有し得る。
【0193】
MV−4−11 Mycレポーター細胞株は、最小(m)CMVプロモーターの制御下で蛍ルシフェラーゼ遺伝子を発現するVSV−g偽型レンチウイルスおよびE−box転写応答因子(TRE)(Qiagen IL、アメリカ合衆国)のタンデムリピートをMV−4−11に感染させ、そして2.5μg/mL ピューロマイシン中で細胞を選択することにより確立される。
【0194】
10% FBS、1% PenStepおよび2.5μg/mL ピューロマイシンを含むIscove's Modified Dulbecco's培地中でMV−4−11 Mycレポーター細胞株を維持する。細胞を5% COの湿潤雰囲気で、37℃でインキュベートする。25,000個の細胞を50μLの培養培地で96ウェルプレートに播種する。数時間後、2X 化合物を含む増殖培地をウェルに添加する。合計8点の力価測定のために5mMの最大濃度の化合物を1:3で連続的に希釈する。各希釈点の1μLアリコートを249μLの増殖培地に添加し、細胞を含む各ウェルに50μL添加し、最大濃度点で10μMの化合物を提供する。DMSO処理細胞は高対照の役割を果たし、10μM JQ1標的化細胞は低対照の役割を果たす。細胞さらに24時間インキュベートし、25μLのCellTiter−Fluo試薬(Promega GA、アメリカ合衆国)を各ウェルに添加した。プレートをおよそ2分間振盪し、37℃で0.5時間インキュベートする。蛍光シグナルをTecanプレートリーダー(λex=400nM、λem=505nm)で読む。25μLのOne−Glo試薬(Promega GA、アメリカ合衆国)をその後プレートに添加する。化学発光シグナルをTecanプレートリーダーで読む。バックグラウンド補正のために、無細胞ウェルからの値を全てのサンプルから減算する。バックグラウンド補正された蛍光は細胞数と直接的に相関し、発光はMycレポーター活性と直接的に相関する。
【0195】
全てのデータは、各プレート上の8個の高対照ウェルおよび4個の低対照ウェルの平均に対して標準化する。次の式の4パラメーター曲線フィットをその後適用した。
【数3】
〔式中、「a」は最小値であり、「b」は最大値であり、「c」はpIC50であり、「d」はHill勾配である〕
【0196】
これらのアッセイの結果は、アッセイの条件が異なれば、変化し得ると理解される。本明細書に記載の条件下で決定される阻害レベルは、使用される特定の条件下で試験される化合物についての相対的な活性を示す。細胞ベースのアッセイは、系の複雑さおよびアッセイ条件の何らかの変化に対するその感受性ため、変動性を示す可能性が高い。このように、細胞ベースのアッセイにおけるいくつかの阻害レベルは、化合物がそれらの細胞に対していくらかの阻害活性を有することを示すが、試験される最高濃度の閾値未満の阻害の欠如は、必ずしも化合物が細胞に対して阻害活性を有さないことを示さず、試験された条件下で阻害が観察されなかったことしか示さない。いくつかの場合において、化合物は全てのアッセイで試験されず、またはアッセイ結果は有効ではなかった。
【0197】
本明細書で引用される全ての特許、特許出願および他の文献は本発明に関する当業者の技術レベルを示すものであり、あらゆる表および図を含めて、各文献がその全体の参照により別個に包含されるような同一の範囲まで、それらの全体の参照により包含させる。提供される情報は読み手の理解を支援すること意図するに過ぎない。提供される情報も引用文献も、いずれも本発明の先行技術であるとは認められない。引用文献の各々はその全体においておよびあらゆる目的のために本明細書に包含させる。
【0198】
当業者は、上記の目的および利点、ならびにそれらに固有の目的および利点を得るために本発明が十分に適合することを容易に理解する。好ましい実施態様の方法、変化および組成物は例示的なものであり、本発明の範囲を限定することを意図しない。それらにおける変化および他の使用が当業者に対して生じ、それらは本発明の概念の範囲内に包含され、特許請求の範囲により定義される。
【0199】
本明細書は特定の実施態様を参照して記載しているが、本発明の他の実施態様および変化が、本発明の概念および範囲から逸脱することなく他の当業者により考案され得ることは明らかである。
【0200】
さらに、本発明の特徴または態様は、マーカッシュグループまたは代替の他のグループに関して記載されている場合、当業者は、本発明はまたそれにより個々の要素またはマーカッシュグループもしくは他のグループの要素のサブグループに関して記載されることを認識する。
【0201】
また、特に明記しない限り、種々の数値が実施態様に対して提供される場合、さらなる実施態様は範囲の終点として2つの異なる値をとることにより表される。このような範囲もまた、本発明の範囲内である。
図1
図2