(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シロキサン共重合体は、ポリ(ジアルキルシロキサン−co−アリールアルキルシロキサン)及びポリ(ジアルキルシロキサン−co−ジアリールシロキサン)のうち1種以上を含むことを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
前記熱可塑性樹脂組成物は、UL−94垂直試験方法で測定した1.5mm厚の試験片の難燃性がV−0以上であることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、難燃性、透明性、剛性、これらの物性バランスなどに優れた熱可塑性樹脂組成物及びこれを含む成形品を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、耐熱性などに優れた熱可塑性樹脂組成物及びこれを含む成形品を提供することにある。
【0008】
本発明の前記目的及びその他の目的は、下記で説明する本発明によって全て達成され得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一つの観点は熱可塑性樹脂組成物に関する。前記熱可塑性樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂;下記式1で表される繰り返し単位及び下記式2で表される繰り返し単位を含むシロキサン共重合体;芳香族スルホン酸金属塩;フッ素化オレフィン系樹脂;及び前記ポリカーボネート樹脂との屈折率差が約0〜約0.01である無機充填剤;を含むことを特徴とする:
【0010】
【化1】
【0011】
前記式1において、R
1及びR
2は、それぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル基である;
【0012】
【化2】
【0013】
前記式2において、R
3及びR
4は、それぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基であって、R
3及びR
4のうち少なくとも一つはアリール基である。
【0014】
具体例において、前記熱可塑性樹脂組成物は、前記ポリカーボネート樹脂約100重量部、前記シロキサン共重合体約0.01重量部〜約1重量部、前記芳香族スルホン酸金属塩約0.01重量部〜約5重量部、前記フッ素化オレフィン系樹脂約0.01重量部〜約0.4重量部及び前記無機充填剤約0.1重量部〜約5重量部を含んでもよい。
【0015】
具体例において、前記ポリカーボネート樹脂は、重量平均分子量(Mw)が約10,000g/mol〜約200,000g/molであってもよい。
【0016】
具体例において、前記シロキサン共重合体は、アリール基の含有量が全置換基100モル%のうち約30モル%〜約50モル%であってもよい。
【0017】
具体例において、前記シロキサン共重合体は、ポリ(ジアルキルシロキサン−co−アリールアルキルシロキサン)及びポリ(ジアルキルシロキサン−co−ジアリールシロキサン)のうち1種以上を含んでもよい。
【0018】
具体例において、前記シロキサン共重合体の粘度は、25℃で約1cSt〜約500cStであってもよい。
【0019】
具体例において、前記芳香族スルホン酸金属塩は、下記式3で表され得る:
【0020】
【化3】
【0021】
前記式3において、R
5及びR
6は、それぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基であり、Mは、それぞれ独立してリチウム(Li)、ナトリウム(Na)又はカリウム(K)であり、mは0〜6の整数であり、nは1〜6の整数である。
【0022】
具体例において、前記熱可塑性樹脂組成物は、UL−94垂直試験(vertical test)方法で測定した1.5mm厚の試験片の難燃性がV−0以上であってもよい。
【0023】
具体例において、前記熱可塑性樹脂組成物は、ASTM D1003によって測定した1.0mm厚の試験片の透過度が約82%〜約95%であってもよい。
【0024】
具体例において、前記熱可塑性樹脂組成物は、ISO R306に基づいて5kgの荷重、50℃/hrの条件で測定したビカット軟化温度(Vicat Softening Temperature:VST)が約140℃以上であってもよい。
【0025】
本発明の他の観点は、前記熱可塑性樹脂組成物から形成された成形品に関する。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、難燃性、透明性、剛性、耐熱性、これらの物性バランスなどに優れた熱可塑性樹脂組成物及びこれを含む成形品を提供するという効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[発明を実施するための最善の形態]
以下、本発明を詳細に説明する。
【0028】
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、(A)ポリカーボネート樹脂;(B)シロキサン共重合体;(C)芳香族スルホン酸金属塩;(D)フッ素化オレフィン系樹脂;及び(E)無機充填剤;を含む。
【0029】
(A)ポリカーボネート樹脂
本発明の一具体例に係るポリカーボネート樹脂としては、通常の熱可塑性ポリカーボネート樹脂を制限なく使用できる。例えば、一つ以上のジフェノール類(芳香族ジヒドロキシ化合物)をホスゲン、ハロゲンホルメート、炭酸ジエステルなどのカーボネート前駆体と反応させることによって製造される芳香族ポリカーボネート樹脂を使用してもよい。
【0030】
具体例において、前記ジフェノール類としては、4,4’−ビフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、及びこれらの混合物などを例示できるが、これに制限されない。例えば、前記ジフェノール類として、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどを使用してもよく、具体的に、ビスフェノールAとも呼ばれる2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを使用してもよい。
【0031】
前記ポリカーボネート樹脂は、分枝鎖を有するものであってもよく、例えば、重合に使用されるジフェノール類全体に対して、約0.05モル%〜約2モル%の3価又はそれ以上の多官能化合物、例えば、3価又はそれ以上のフェノール基を有する化合物を添加して製造してもよい。前記ポリカーボネート樹脂は、ホモポリカーボネート樹脂、コポリカーボネート樹脂又はこれらのブレンド形態で使用してもよい。また、前記ポリカーボネート樹脂の一部又は全部を、エステル前駆体、例えば、2官能カルボン酸の存在下で重合反応させて得られた芳香族ポリエステル−ポリカーボネート樹脂で置き換えることも可能である。
【0032】
具体例において、前記ポリカーボネート樹脂は、ゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography:GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)が約10,000g/mol〜約200,000g/mol、例えば、約15,000g/mol〜約80,000g/molであってもよい。前記範囲であれば、熱可塑性樹脂組成物の加工性、機械的物性などが優秀になり得る。
【0033】
具体例において、前記ポリカーボネート樹脂は、屈折率が約1.58〜約1.59、例えば、約1.581〜約1.587であってもよい。前記範囲であれば、熱可塑性樹脂組成物の透明性などが優秀になり得る。
【0034】
(B)シロキサン共重合体
本発明の一具体例に係るシロキサン共重合体は、ポリジアルキルシロキサンのアルキル基の一部をアリール基に置換したものであって、下記式1で表される繰り返し単位及び下記式2で表される繰り返し単位を含む。
【0036】
前記式1において、R
1及びR
2は、それぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert−ブチル基などであってもよい。
【0038】
前記式2において、R
3及びR
4は、それぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert−ブチル基などであるか、炭素数6〜12のアリール基、例えば、フェニル基、ベンジル基、トリル基、o−キシリル基、m−キシリル基などであってもよく、R
3及びR
4のうち少なくとも一つはアリール基である。
【0039】
一般に、ポリジメチルシロキサンなどのポリジアルキルシロキサンは、低いガラス転移温度(Tg)を有しており、熱可塑性樹脂組成物の低温衝撃強度を向上させる衝撃補強剤として使用されているが、ポリカーボネート樹脂との屈折率差が大きいので、少量添加した場合にも透明性が大きく低下するという問題を有する。そこで、本発明は、ポリジアルキルシロキサンの代わりに、アリール基を含むシロキサン共重合体を使用することによって、ポリカーボネート樹脂との屈折率差を減少させ、優れた透明性、耐衝撃性などを有する熱可塑性樹脂組成物を得たものである。
【0040】
具体例において、前記シロキサン共重合体は、アリール基の含有量が全置換基(R
1、R
2、R
3及びR
4)100モル%のうち約30モル%〜約50モル%、例えば、約35モル%〜約45モル%であってもよい。前記範囲であれば、熱可塑性樹脂組成物の透明性、外観特性、耐衝撃性などが優秀になり得る。
【0041】
具体例において、前記シロキサン共重合体は、ポリ(ジメチルシロキサン−co−フェニルメチルシロキサン)などのポリ(ジアルキルシロキサン−co−アリールアルキルシロキサン);ポリ(ジメチルシロキサン−co−ジフェニルシロキサン)などのポリ(ジアルキルシロキサン−co−ジアリールシロキサン);及びこれらの組み合わせなどであってもよい。具体的に、前記ポリ(ジアルキルシロキサン−co−アリールアルキルシロキサン)は、前記式1のR
1及びR
2がアルキル基で、前記式2のR
3がアリール基、R
4がアルキル基であるシロキサン共重合体であってもよく、前記ポリ(ジアルキルシロキサン−co−ジアリールシロキサン)は、前記式1のR
1及びR
2がアルキル基で、前記式2のR
3及びR
4がアリール基であるシロキサン共重合体であってもよい。
【0042】
具体例において、前記シロキサン共重合体は、ウベローデ(Ubbelohde)粘度計を使用して25℃で測定した粘度が約1cSt〜約500cSt(centistokes)、例えば、約4cSt〜約300cStであってもよい。前記範囲であれば、熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性、透明性、難燃性などが優秀になり得る。
【0043】
具体例において、前記シロキサン共重合体は、屈折率が約1.57〜約1.59、例えば、約1.575〜約1.585であってもよく、前記ポリカーボネート樹脂との屈折率差が約0.01以下、例えば、約0.001〜約0.01、具体的に、約0.002〜約0.008であってもよい。前記範囲であれば、ポリカーボネート樹脂組成物の透明性などが優秀になり得る。
【0044】
具体例において、前記シロキサン共重合体は、前記ポリカーボネート樹脂約100重量部に対して、約0.01重量部〜約1重量部、例えば、約0.1重量部〜約0.7重量部で含まれてもよい。前記範囲であれば、熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性、透明性、耐熱性などが優秀になり得る。
【0045】
(C)芳香族スルホン酸金属塩
本発明の一具体例に係る芳香族スルホン酸金属塩は、加工時、ポリカーボネート樹脂の分解を低減させ、熱可塑性樹脂組成物の難燃性、熱安定性、剛性などを向上できるものであって、下記式3で表され得る。
【0047】
前記式3において、R
5及びR
6は、それぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基、例えば、炭素数1〜20のアルキレン基又は炭素数6〜
20のアリーレン基、具体的に、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、フェニレン基、ナフチレン基、アルキル置換されたフェニレン基などであり、Mは、それぞれ独立してリチウム(Li)、ナトリウム(Na)又はカリウム(K)であり、mは0〜6の整数であり、nは1〜6の整数である。ここで、mが0である場合、R
5は、例えば、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜
20のアリール基であってもよい。
【0048】
具体例において、前記芳香族スルホン酸金属塩としては、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸の金属塩、ジフェニルスルホン−4−スルホン酸の金属塩、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸の金属塩及びジフェニルスルホン−3,4’−ジスルホン酸の金属塩などが使用されてもよい。
【0049】
具体例において、前記芳香族スルホン酸金属塩は、平均粒径が約50μm〜約500μm、例えば、約150μm〜約350μmであってもよい。前記範囲であれば、熱可塑性樹脂組成物の熱安定性、難燃性、剛性などが優秀になり、粒子が互いに凝集することによって成形品の表面が粗くなることを低減させることができる。
【0050】
具体例において、前記芳香族スルホン酸金属塩は、前記ポリカーボネート樹脂約100重量部に対して、約0.01重量部〜約5重量部、例えば、約0.05重量部〜約2重量部で含まれてもよい。前記範囲であれば、熱可塑性樹脂組成物の難燃性、熱安定性、剛性、外観特性などが優秀になり得る。
【0051】
具体例において、前記シロキサン共重合体(B)及び前記芳香族スルホン酸金属塩(C)は、約3:1〜約1:1の重量比(B:C)で含まれてもよい。前記範囲であれば、熱可塑性樹脂組成物の難燃性、耐熱性などがさらに優秀になり得る。
【0052】
(D)フッ素化オレフィン系樹脂
本発明の一具体例に係るフッ素化オレフィン系樹脂は、熱可塑性樹脂組成物の押出時、樹脂組成物内で繊維ネットワーク(fibrillar network)を形成し、燃焼時に熱可塑性樹脂組成物の溶融粘度を低下させ、収縮率を増加させることによって滴下現象を防止できるものである。フッ素化オレフィン系樹脂の例としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン/ビニリデンフルオライド共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、及びこれらの組み合わせなどを例示できるが、これに制限されない。例えば、粒径が約0.05μm〜約1,000μmであり、比重が約1.2g/cm
3〜約2.3g/cm
3であるポリテトラフルオロエチレン(商品名:テフロン(登録商標))を使用してもよい。
【0053】
具体例において、前記フッ素化オレフィン系樹脂は、公知の重合方法を用いて製造可能であり、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウムペルオキシジスルフィドなどのフリーラジカル形成触媒が入っている水性媒体内で製造され得る。
【0054】
具体例において、前記フッ素化オレフィン系樹脂は、エマルジョン状態又は粉末状態で使用されてもよい。エマルジョン状態のフッ素化オレフィン系樹脂は、分散性に優れるが、製造工程が複雑であるので、粉末状態で適宜分散され得るのであれば、粉末状態で使用することが好ましい。
【0055】
具体例において、前記フッ素化オレフィン系樹脂は、前記ポリカーボネート樹脂約100重量部に対して、約0.01重量部〜約0.4重量部、例えば、約0.05重量部〜約0.3重量部で含まれてもよい。前記範囲であれば、熱可塑性樹脂組成物の難燃性、透明性、加工性などが優秀になり得る。
【0056】
具体例において、前記芳香族スルホン酸金属塩(C)及び前記フッ素化オレフィン系樹脂(D)は、約0.5:1〜約3:1の重量比(C:D)で含まれてもよい。前記範囲であれば、熱可塑性樹脂組成物の透明性などがさらに優秀になり得る。
【0057】
(E)無機充填剤
本発明の一具体例に係る無機充填剤は、ポリカーボネート樹脂の透明性が低下することなく、熱可塑性樹脂組成物の剛性などを向上できるものであって、前記ポリカーボネート樹脂との屈折率差が約0〜約0.01、例えば、約0〜約0.008であってもよい。ポリカーボネート樹脂と無機充填剤との屈折率差が約0.01を超える場合、熱可塑性樹脂組成物の透明性が大きく低下するおそれがある。前記無機充填剤としては、ポリカーボネート樹脂との屈折率差が前記範囲を満足するものであれば、形態及び種類の制限なく、当業者に公知となっているいかなるものも使用することができる。
【0058】
具体例において、前記無機充填剤は、タルク、珪灰石、ウィスカー、シリカ、マイカ、及びこれらの混合物などを含んでもよい。このような無機充填剤は、円形、楕円形、矩形などの多様な形状の断面を有し得る。
【0059】
具体例において、前記無機充填剤は、繊維型、板状型などであってもよく、例えば、繊維型無機充填剤は、断面直径が約5μm〜約20μm、加工前の長さが約2mm〜約5mmであってもよく、板状型無機充填剤は、断面直径が約1.5μm〜約10μmであってもよく、加工前の長さが約2mm〜約5mmであってもよい。前記範囲であれば、熱可塑性樹脂組成物の加工性が優秀になり、成形品の剛性などの機械的物性のみならず、外観特性も向上し得る。
【0060】
具体例において、前記無機充填剤は、ポリカーボネート樹脂との結合力を増加させるために表面に表面処理剤をコーティングしたものであってもよい。前記表面処理剤としては、シラン化合物、ウレタン化合物、エポキシ化合物などを例示できるが、これに制限されない。
【0061】
具体例において、前記無機充填剤は、前記ポリカーボネート樹脂約100重量部に対して、約0.1重量部〜約5重量部、例えば、約0.5重量部〜約1.5重量部で含まれてもよい。前記範囲であれば、熱可塑性樹脂組成物の難燃性、透明性、剛性などが優秀になり得る。
【0062】
本発明の一具体例に係る熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて、通常の添加剤をさらに含んでもよい。前記添加剤としては、難燃剤、難燃補助剤、酸化防止剤、滑剤、離型剤、核剤、帯電防止剤、安定剤、顔料、染料、及びこれらの混合物などを例示できるが、これに制限されない。前記添加剤の含有量は、前記ポリカーボネート樹脂約100重量部に対して、約0.01重量部〜約20重量部であってもよいが、これに制限されない。
【0063】
本発明の一具体例に係る熱可塑性樹脂組成物は、UL−94垂直試験方法で測定した1.5mm厚の試験片の難燃性がV−0以上であってもよい。
【0064】
具体例において、前記熱可塑性樹脂組成物は、ASTM D1003によって測定した1.0mm厚の試験片の透過度が約82%〜約95%、例えば、約82%〜約90%であってもよい。
【0065】
具体例において、前記熱可塑性樹脂組成物は、ISO R306に基づいて5kgの荷重、50℃/hrの条件で測定したビカット軟化温度(Vicat Softening Temperature:VST)が約140℃以上、例えば、約143℃〜約160℃であってもよい。
【0066】
本発明に係る成形品は、前記熱可塑性樹脂組成物から形成される。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、公知の熱可塑性樹脂組成物の製造方法で製造可能であり、例えば、前記構成成分と、必要に応じてその他の添加剤とを混合した後、押出機で溶融及び押出することによってペレット、チップなどの形態で製造することができる。製造されたペレット、チップなどの熱可塑性樹脂組成物は、射出成形、押出成形、真空成形、キャスティング成形などの成形方法を通じて多様な成形品(製品)に製造され得る。このような成形方法は、本発明の属する分野で通常の知識を有する者によく知られている。前記成形品は、厚さが薄くても難燃性に優れ、透明性、剛性、耐熱性、これらの物性バランスなどに優れるので、自動車部品又は電気/電子製品の部品、外装材などに有用である。
【0067】
[発明を実施するための形態]
以下、本発明の好ましい実施例を通じて本発明の構成及び作用をより詳細に説明する。但し、これは、本発明の好ましい例示として提示したものであって、如何なる意味でも、これによって本発明が制限されると解釈してはならない。
【実施例】
【0068】
下記の実施例及び比較例で使用された各成分の仕様は、次の通りである:
(A)ポリカーボネート樹脂
ビスフェノール−A型ポリカーボネート樹脂(屈折率:1.583、重量平均分子量:25,000g/mol)を使用した。
【0069】
(B)シロキサン共重合体
ポリ(ジメチルシロキサン−co−ジフェニルシロキサン)(製造社:GE東芝シリコーン株式会社、製品名:TSF−437、屈折率:1.58(理論値)、粘度:22cSt)を使用した。
【0070】
(C)芳香族スルホン酸金属塩
ジフェニルスルホン−3−スルホン酸のカリウム塩(potassium diphenyl sulfone−3−sulfonate、製造社:Seal Sands Chemicals Co.,Ltd.、製品名:KSS)を使用した。
【0071】
(D)フッ素化オレフィン系樹脂
ポリテトラフルオロエチレン(製造社:デュポン社、製品名:CFP 614A)を使用した。
【0072】
(E)無機充填剤
(E1)屈折率1.58のタルク(製造社:林化成株式会社、製品名:HS−T 0.5)を使用した。
(E2)屈折率1.533のカオリン(kaolin、製造社:Australian China Clays Limited、製品名:Microbrite C80/95 C1)を使用した。
【0073】
[実施例1〜4及び比較例1〜3]
下記の表1の組成及び含有量によって、前記構成成分をタンブラーミキサーで10分間混合した後、L/D=44、直径45mmである二軸(twin screw type)押出機に添加し、240℃〜300℃及び撹拌速度250rpmの条件で溶融及び押出することによってチップ形態の熱可塑性樹脂組成物を製造した。製造されたチップは、80℃で5時間以上乾燥させた後、240℃〜300℃でスクリュー式射出機(製造社:LG電線、製品名:LGH−140N)で射出成形することによって試験片を製造した。製造された試験片に対して下記の方法で物性を評価し、その結果を下記の表1に示した。
【0074】
物性測定方法
(1)難燃性評価:UL9−4垂直試験方法で厚さ1.5mmの試験片の難燃性を測定した。
(2)透過度(単位:%):ASTM D1003に基づいて、日本電色工業株式会社のヘーズメーター(Haze Meter)(YDP02−0D)で1.0mm厚の試験片の透過度を測定した。
(3)耐熱性評価:ISO R306に基づいて5kgの荷重、50℃/hrの条件でビカット軟化温度(Vicat Softening Temperature:VST)(単位:℃)を測定した。
【0075】
【表1】
【0076】
前記結果から、本発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、難燃性、透明性、耐熱性、これらの物性バランスなどに優れることが分かる。
【0077】
その一方、ポリカーボネート樹脂との屈折率差が0.01を超える無機充填剤を使用した比較例1の場合、透明性及び難燃性が低下することが分かり、芳香族スルホン酸金属塩を使用していない比較例2及び無機充填剤を使用していない比較例3の場合、難燃性が大きく低下することが分かる。
【0078】
本発明の単純な変形及び変更は、本分野で通常の知識を有する者によって容易に実施可能であり、このような変形や変更は、いずれも本発明の領域に含まれるものと見なすことができる。