【実施例】
【0224】
以下の実施例は、本開示の主題の代表的な態様を実施するために当業者に指針を提供するために含まれている。本開示および当技術分野における一般的な水準に照らして、当業者であれば、以下の実施例は例示のみを意図していること、ならびに本開示の主題の範囲から逸脱することなく多数の変更、修飾、および改変を採用し得ることを認識し得る。以下の合成の記載および具体的な例は、説明の目的を意図するのみであり、別の方法によって本開示の化合物を作製することを何ら制限するものではないと解釈される。
【0225】
実施例1
方法
一般的手順:市販のHPLCグレードのメタノール、触媒および試薬グレードの材料を入手したまま用いた。シリカゲル60 F254コーティングアルミニウムシート(Merck)にTLCを実施し、硫酸(10%)中のCe(SO
4)
2.4H
2O(1%)およびH
3P(Mo
3O
10)
4(2%)の溶液によってスポットを検出した。Isolera One HPFCシステム(Biotage、Inc.)を用いてシリカゲル60(0.040〜0.063mm、Fluka)に、またはBiotage(登録商標)KP-C18-HSもしくはKP-Sil(登録商標)SNAPカートリッジにフラッシュクロマトグラフィーを実施した。すべての化学物質はSigma-Aldrichから購入し、さらなる精製をせずに用いた。
1H NMRスペクトルは400.1MHz、500.1MHzまたは600.1MHzで、
13C NMRスペクトルは100.8MHz、125.7MHzまたは150.9MHzで測定した。
1H NMRスペクトルの標準化のために、TMSの内部シグナル(δ0.0、CDCl
3)または溶媒の残留シグナル(CDCl
3についてはδ7.26、CD
3COCD
3についてはδ2.05、およびCD
3ODについてはδ3.31)を用いた。
13Cスペクトルの場合には、溶媒の残留シグナル(CDCl
3についてはδ77.00、CD
3COCD
3についてはδ29.84およびδ206.26、CD
3ODについてはδ49.00)を用いた。化学シフトはδスケールで与えられ、結合定数JはHzで与えられる。ESI質量スペクトルは、ESCiマルチモードイオン源を備え、MassLynxソフトウェアによって制御されたZQマイクロマス質量分析計(Waters)を用いて記録した。あるいは、低分解能ESI質量スペクトルは、四重極直交加速飛行時間型タンデム質量分析計(Q-Tof micro、Waters)を用い、高分解能ESI質量スペクトルは、リニアイオントラップMSおよびOrbitrap質量分析器(LTQ Orbitrap XL、Thermo Fisher Scientific)を組み合わせたハイブリッドFT質量分析計を用いて記録した。条件は、ESI Orbitrap源における好適なイオン化に最適化させた(窒素のシースガス(sheat gas)流量35a.u.、補助ガス流量10a.u.、ソース電圧4.3kV、キャピラリー電圧40V、キャピラリー温度275℃、チューブレンズ電圧155V)。試料をメタノールに溶解し直接注入により適用した。旋光度は、Autopol IV装置(Rudolph Research Analytical)を用いてCHCl
3またはDMF中で測定した。IRスペクトルは、CHCl
3またはKBr中で測定した。
【0226】
マウス有効性試験。すべてのマウス有効性試験は、Johns Hopkins UniversityのAnimal Care and Use Committeeによって承認されたプロトコル#MO13M69に従って行った。25〜30gの間の雌無胸腺(RH-Foxn1nuマウス)マウスを取得し(Harlan Sprague Dawley Inc、インディアナ州インディアナポリス)、食料および水を自由摂取させて12時間の明暗サイクルに維持した。U87ヒト神経膠腫細胞を各マウスの側腹部の4個所にs.c.注射した(100mlのPBS中5×10
6細胞)。腫瘍が約200mm
3の平均体積まで成長したら、マウスをビヒクル(HEPES緩衝食塩水、i.p.)またはDON(1;0.8mg/kg、i.p.)のいずれかに無作為に分けた。一方のコホートでは、マウスに単回用量の適切な溶液を投与し、この2時間後に以前に記載されているように(Le et al., 2012)腫瘍におけるグルタミンレベルを定量した。端的には、腫瘍を採取し、急速冷凍(snap frozen)し、液体N
2中でホモジナイズし、次いでメタノールおよびDI水を用いて代謝産物の抽出に供した。Agilent1290 HPLCを備えたAgilent6520四重極飛行時間型(Q-TOF)質量分析計を用い、かつAgilent Mass HunterおよびAgilent Qualitative and Quantitative Analysis Softwareパッケージを用いて定量を実施した。相対強度として図示されるグルタミン含有量を個々の腫瘍について群毎に平均し(n=3〜4/群)、片側t検定によって分析した。2つ目のコホートでは有効性実験を行った。マウスに1日1回6日間注射し;処置の開始後2、4および6日目に腫瘍の体積をデジタル測径器を用いて測定し、式:[体積=(最大腫瘍寸法)×(最小腫瘍寸法)
2×0.52]に従って計算した。個々の腫瘍(n=8〜10/群)をその処理前の体積に対してノーマライズし、平均し、二元配置反復測定分散分析(ANOVA)の反復測定によって分析した。有意であれば、Bonferroni post hoc試験をその後に適用した。有意性は、p<.05と規定した。
【0227】
インビトロ安定性試験:ほとんどのプロドラッグの原液は、インビトロ試験をするためにDMSO中の10mM溶液として調製した。
【0228】
プロドラッグの化学的安定性は、模擬胃液(SGF;pH1.2)およびリン酸緩衝生理食塩水(PBS;pH7.4)を用いて評価した。簡潔には、プロドラッグをそれぞれの溶液に添加し(10μM)、37℃で1時間インキュベートした。所定の時点(0、30および60分)で、100μLの分量を取り出し、100μLの水で希釈した。プロドラッグの消失は、下に記載する開発した液体クロマトグラフィーおよびタンデム質量分析(LC/MS/MS)法を用いてモニタリングした。
【0229】
代謝安定性については、血漿(イヌ、ヒト、サル、マウスおよびブタおよびヒト)を用いた。安定性については、プロドラッグ(10μM)を各マトリクスに添加し、37℃のオービタルシェーカーにおいてインキュベートした。所定の時間(0、30および60分)に、混合物の100μLの分量を3回取り出し、内部標準(ロサルタン0.5μM)を添加した氷冷アセトニトリルを3倍の容量で加えて反応をクエンチした。試料を30秒間ボルテックスし、12000gで10分間遠心分離した。50μLの水で希釈した50μLの上清を、テフロンキャップで密閉した250μLのポリプロピレンバイアルに移した。プロドラッグの消失は、下に記載するように液体クロマトグラフィーおよびタンデム質量分析(LC/MS/MS)法を用いて経時的にモニタリングした。
【0230】
LC/MS/MSについては、Agilent C18(100x 2.1mm id)UPLCカラム上でAccelaオープンオートサンプラーに接続したThermo Scientific Accela UPLCシステムでプロドラッグを分離した。オートサンプラーを温度制御し、10℃で作動させた。クロマトグラフィー分離に用いた移動相は、0.1%ギ酸を含有するアセトニトリル/水からなり、勾配溶出を用いて0.5mL/分の流速で4.5分間流した。カラム溶出液は、陽イオン化モードに設定したエレクトロスプレープローブを備えたTSQ Vantage三重四重極質量分析検出器を用いてモニタリングした。試料は、加熱した噴霧プローブ(nebulized probe)(350℃)を通じてイオン化源に導入した。
【0231】
残存する化合物の定量のために、プロドラッグの消失は、ISに対する分析物のピーク面積の比から測定した。残存率(%)は、次の様式で算出した:
[この文献は図面を表示できません]
式中、応答=[(分析物の面積)/(内部標準の面積)]
*平均応答は、各時点での2つの試料の平均である。
【0232】
マウスにおける薬物動態試験。マウスにおけるすべての薬物動態試験は、Johns Hopkins UniversityのAnimal Care and Use Committeeによって承認されたプロトコル(#MO13M113)に従って行った。25〜30gの間のC57BL/6マウスをHarlanから取得し、食料および水を自由摂取させて12時間の明暗サイクルに維持した。DONおよびそのプロドラッグ5cの脳および血漿薬物動態を評価するために、8〜12週齢のC57BL/6にDON(1;0.8mg/kg、リン酸緩衝食塩水中でp.o.)およびそのプロドラッグ5c(DON(1)の0.8mg/kg当量にて、5%EtOHおよび5%Tween-80とのリン酸緩衝食塩水中でp.o.)を投与した。薬物投与の10、30および90分後にペントバルビタール注射によってマウスを屠殺し、心臓穿刺により採血し、氷冷EDTAコーティングBDマイクロティナに入れた。血液試料を2,000gで15分間回転させ、血漿を取り出し、-80℃で保存した。採血に続いて脳組織を採取し、直ちに液体窒素中で急速冷凍し、LC/MS分析まで-80℃で保存した。
【0233】
非ヒト霊長類における薬物動態試験。すべてのサルの試験は、Johns Hopkins UniversityのAnimal Care and Use Committeeによって承認されたプロトコル(#PR15M298)に従って行った。2匹の雌ピグテールサル(およそ3.5kg、ドラックナイーブではない)をソーシャル・インタラクション・ラック(social interaction rack)のステンレススチールケージ(それぞれ幅32.5"x奥行き28"x高さ32"のケージを4つ含む)に隣り合わせに収容し、USDA Animal Welfare Act(9 CFR, Parts 1, 2および3)に準拠して64〜84°Fの温度、30〜70%の湿度を維持し、14時間と10時間の明/暗サイクルを繰り返した。食料は、動物の大きさおよび年齢に適切な量で毎日与え、RO精製水は、ケージ内リキシットバルブを通じて自由に与えた。栄養補助剤は月曜日から金曜日まで与えた。薬物投与の前に、ケタミンを筋肉内注射してマカクを被験物質投与の前に鎮静状態にした。血液および脳脊髄液(CSF)試料採取の間中、15mg/kgの開始割合、最初の1時間に20〜30mgの追加用量のケタミンで鎮静状態を維持した。その後の時点でケタミンを10〜15mg/kg与えた。DON(50mM HEPES緩衝食塩水)および5c(ジアステレオ異性体1)(5%エタノールおよび5%ツイーンを含有する50mM HEPES緩衝食塩水)を1mL/kgの投薬容量で動物に静脈内投与した(1.6mg/kg当量)。CSF試料(50μL目標)は、投薬30分後に大槽の経皮穿刺により取得した。末梢静脈の経皮穿刺により、投薬15、30、1、2 4および6時間後に血液試料(1mL)を採取した。試料を血漿用に処理した(4℃の温度で3,000xgにて10分間遠心分離した)。すべての試料を処理中は氷上での冷却状態に維持した。微小遠心管に試料を採取し、瞬間冷凍(flash frozen)し、LC/MS分析まで-80℃を維持するように設定した冷凍庫に入れた。
【0234】
DONの生物分析。生物学的マトリクスにおけるDONの分析のための高感度法が以前に公開されている(Alt, et al., 2015)。しかしながら、DONおよびそのプロドラッグの化学的不安定性のために、塩化ダブシルを採用したより穏やかな誘導体化方法が開発され有効性が認められている。簡潔には、少量保持管(low retention tube)においてボルテックスすることによってグルタメート-d5(10μM ISTD)を含有する250μLのメタノールで試料(50mg)からDONを抽出した。試料を16,000Xgで5分間遠心分離してタンパク質を沈降させた。上清(200μL)を新たな管に移し、45℃で真空下1時間乾燥させた。各管に、50μLの0.2M重炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)および100μLの10mM塩化ダブシルのアセトン溶液を加えた。ボルテックスした後、誘導体化するために試料を60℃で15分間インキュベートした。試料(2μL)を注入し、20〜95%アセトニトリル+0.1%ギ酸の2.5分勾配でAgilent Eclipse plus C18 RRHD 2.1 X100mmカラムを備えたAgilent 1290で分離し、Agilent 6520 QTOF質量分析計で定量した。DONについて血漿およびCSF中の.005〜17.1μg/mLの範囲にわたる較正曲線を、1/(名目濃度)の重み付け係数で線形回帰を用いて内部標準に対する分析物のピーク面積比から構築した。0.99を超える相関係数がすべての分析ランで取得された。すべての分析物についての標準物およびQCの逆算濃度の平均予測相対標準偏差は、全体の確度および精度がそれぞれ6.7%および6.6%である80〜120%の範囲内にある最低濃度を除いて85〜115%の範囲内であった。
【0235】
薬物動態解析。薬物動態解析には平均濃度-時間データを用いた。WinNonlin(登録商標)(バージョン5.3)のノンコンパートメント解析モジュールを用いて薬物動態パラメータを調べた。ピーク血漿中濃度(C
max)およびC
max到達時間(T
max)が観測値であった。曲線下面積(AUC)は、試料採取の終了(AUC
last)まで対数線形台形公式により算出した。
【0236】
DONのそのプロドラッグからの放出に関する薬物動態解析の手順:少量保持管においてボルテックスすることによって、グルタメート-d5(10μM ISTD)を含有する250μLのメタノールで試料(50μL)からDONを抽出する。試料を16,000Xgで5分間遠心分離してタンパク質を沈降させる。上清(200μL)を新たな管に移し、真空下45℃で乾燥させる(およそ1時間)。各管に、50μLの0.2M重炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)および100μL塩化ダブシル原液を加える。ボルテックスした後、誘導体化するために試料を60℃で15分間インキュベートする。試料(2〜10μL)を注入し、SB-AQカラムを備えたAgilent 1290で20〜95%アセトニトリル+0.1%ギ酸の4分間勾配で分離し、Agilent 6520 QTOF質量分析計で定量する。
【0237】
実施例2
プロドラッグ手法―カルボキシル官能基をマスキング
1つの態様では、α−アミノ基が保護されていないDONのアルキルエステルを用いて、カルボキシル官能基のみをマスクすることによってDONプロドラッグを設計した。α−アミノ官能基が保護されていないDONのアルキルエステルのいくつかは、しかしながら、環化して5員環シッフ塩基を形成することがわかった。観察された環化は、pH依存性であり、pH5〜7では急速であった。通常は環化を防止するかまたは逆行させるであろうさらに低いpHではジアゾ官能基が不安定になった。結果として、環化は実質的には不可逆的であり、N-α-遊離アルキルエステルのいくつかをDONプロドラッグとしては望ましくないものにした(
図1A)。
【0238】
実施例3
プロドラッグ手法−アミノ官能基をマスキング
別の態様では、カルボキシ官能基が保護されていないDonのN-保護誘導体を用いてアミノ官能基のみをマスクすることによってDONプロドラッグを設計した。カルボキシ官能基が保護されていないDONのN-保護誘導体(
図1Bおよび
図1C)もそれほど安定ではなかった。より詳細には、酸性カルボキシ官能基は、ジアゾ基の漸進的な緩やかな分解を引き起こした。特定の塩形態では、カルボン酸アニオンはN-α―保護基を不安定化する。さらに、
図1D、
図1E、
図1F、
図1Gおよび
図1Hに示されるように、遊離カルボキシル基を有する試験した多くのプロドラッグ(26を除く)は、経口投与された場合にDONと比較してごくわずかな暴露しか示さず、経口利用能のためにはカルボキシル官能基およびアミン官能基を両方誘導体化することの利点をさらに示唆している。
【0239】
実施例4
合成
代表的なプロドラッグ化合物の合成のためのスキームを下に示す(スキーム1、スキーム2、スキーム3、スキーム4、スキーム5、スキーム6、スキーム7、およびスキーム8)。
[この文献は図面を表示できません]
【0240】
6-ジアゾ-2-((ジフェノキシホスホリル)アミノ)-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(4)の合成
5-オキソプロリン酸1-メチルエチルJAM0256。
[この文献は図面を表示できません]
この化合物は公知の文献から調製した。
1H NMRおよび
13C NMRスペクトルは、公開されたデータと一致していた。
【0241】
5-オキソピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-(9H-フルオレン-9-イルメチル)2-(1-メチルエチル)(1)。
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スキーム1を参照して、先の化合物JAM0256(US2008/107623 A1)(2.94g、17.16mmol)を無水THF(90mL)にアルゴン下で溶解し、-78℃まで冷却した。LiHMDSの溶液(ヘキサン中1M、16.3mL、16.302mmol、0.95当量)を滴下し、溶液を同じ温度で15分間撹拌した。得られた黄色の混合物を-78℃で無水THF(90mL)中の塩化Fmoc(22.2g、85.8mmol、5当量)の溶液にカニューレを介して移した。反応混合物を-78℃で2時間撹拌した。この期間後、反応を飽和NH
4Cl(100mL)でクエンチした。次いでそれを酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、合わせた有機層を水(40mL)、ブライン(40mL)で洗浄し、無水MgSO
4で乾燥させた。有機溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル2:1)に供して所望の生成物1(6.2g、92%)を無色の固体として生じた。
[この文献は図面を表示できません]
【0242】
2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(2)。
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スキーム1を参照して、トリメチルシリルジアゾメタン溶液(ジエチルエーテル中2M、6mL、11.93mmol、1.2当量)をアルゴン下で無水THF(55mL)に溶解し、-98℃まで冷却した。n-ブチルリチウムの溶液(ヘキサン中2.5M、4.9mL、12.23mmol、1.23当量)を滴下し、溶液を-98℃で30分間撹拌した。得られた混合物を-116℃で無水THF(100mL)中の先の化合物1(3.91g、9.94mmol、1当量)の溶液にカニューレを介して移した。反応混合物をゆっくりと-78℃まで温め、次いで飽和NH
4Clでクエンチした。次いでそれを酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、合わせた有機層を水(40mL)、ブライン(40mL)で洗浄し、無水MgSO
4で乾燥させた。有機溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(クロロホルム−アセトン20:1)に供して所望の生成物2(3.68g、85%)を黄色がかった固体として生じた。
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【0243】
2-アミノ-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(3)。
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スキーム1を参照して、先の化合物2(900mg、2.07mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解した。ピペリジン(514μL 5,17mmol、2.5当量)を加え、反応混合物を室温で4時間撹拌した。有機溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(クロロホルム-メタノール30:1)に供して所望の生成物(290mg、66%)を黄色の油として生じた。
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【0244】
6-ジアゾ-2-((ジフェノキシホスホリル)アミノ)-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(4)。
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スキーム1を参照して、イソプロピルDON3(80mg、0.38mmol)を無水ジクロロメタン(4mL)に溶解し、トリエチルアミン(210μL、1.5mmol、4当量)を加えた。この溶液を0℃まで冷却し、クロロリン酸ジフェニル(156μL、0.75mmol、2当量)を滴下した。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで冷却浴を除去した。反応混合物を次いで室温で2時間撹拌した。有機溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(クロロホルム-アセトン30:1)に供して所望の生成物(131mg、78%)を黄色の固体として生じた。
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【0245】
2-((((4-アセトキシベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸エチル(6)の合成
5-オキソピロリジン-1,2-ジカルボン酸1-[4-(アセチルオキシ)ベンジル]2-エチル(5)。
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0℃まで冷却したホスゲンの溶液(トルエン中15重量%、10mL、14mmol、2.5当量)にトルエン(6.7mL)中の4-アセトキシベンジルアルコール(934mg、5.6mmol)の溶液を加えた。反応混合物を同じ温度で一晩撹拌した。揮発性物質を真空中で除去し、生成物クロロギ酸4-(アセトキシ)ベンジルをTHF(5mL)に溶解し、何ら精製することなく用いた。ピログルタミン酸エチル(800mg、5.1mmol)をアルゴン下で無水THF(13mL)に溶解し、-78℃まで冷却した。LiHMDSの溶液(ヘキサン中1M、6.12mL、6.12mmol、1.2当量)を滴下し、溶液を同じ温度で15分間撹拌した。得られた黄色の混合物を-78℃でクロロギ酸4-(アセトキシ)ベンジル(5.6mmol、1当量)の溶液にカニューレを介して移した。反応混合物を-78℃で2時間撹拌した。この期間後、反応を飽和NH
4Cl(100mL)でクエンチした。次いでそれを酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、合わせた有機層を水(40mL)、ブライン(40mL)で洗浄し、無水MgSO
4で乾燥させた。有機溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(ヘキサン―酢酸エチル1:1)に供して所望の生成物5(1.16g、65%)を無色の固体として生じた。
[この文献は図面を表示できません]
【0246】
2-((((4-アセトキシベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸エチル(6)。
[この文献は図面を表示できません]
トリメチルシリルジアゾメタン溶液(ジエチルエーテル中2M、1.7mL、3.43mmol、1.2当量)をアルゴン下で無水THF(17mL)に溶解し、-98℃まで冷却した。n-ブチルリチウムの溶液(ヘキサン中2.5M、1.4mL、3.52mmol、1.23当量)を滴下し、溶液を-98℃で30分間撹拌した。得られた混合物を-116℃で無水THF(27mL)中の先の化合物5(1.0g、2.86mmol、1当量)の溶液にカニューレを介して移した。反応混合物をゆっくりと-78℃まで温め、次いで飽和NH
4Clでクエンチした。次いでそれを酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、合わせた有機層を水(40mL)、ブライン(40mL)で洗浄し、無水MgSO
4で乾燥させた。有機溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(クロロホルム−アセトン20:1)に供して所望の生成物6(460mg、41%)を黄色がかった固体として生じた。
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【0247】
2,6-ビス[4-(1λ
5-ジアジニリデン)-3-オキソブチル]-9-メチル-7-オキソ-4-フェノキシ-8-オキサ-3,5-ジアザ-4-ホスファデカン-1-酸1-メチルエチル4-オキシド(7)の合成
2,6-ビス[4-(1λ
5-ジアジニリデン)-3-オキソブチル]-9-メチル-7-オキソ-4-フェノキシ-8-オキサ-3,5-ジアザ-4-ホスファデカン-1-酸1-メチルエチル4-オキシド(7)。
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スキーム1を参照して、イソプロピルDON3(100mg、0.38mmol)を無水ジクロロメタン(3mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(327μL、1.88mmol、4当量)を加えた。この溶液を0℃まで冷却し、ジクロロリン酸フェニル(31.6μL、0.21mmol、0.45当量)を滴下した。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで冷却浴を除去した。反応混合物を次いで室温で2時間撹拌した。有機溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(酢酸エチル-メタノール40:1)に供して所望の生成物(78mg、66%)を黄色の油として生じた。
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【0248】
2-(2-アミノ-4-メチルペンタンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(9)の合成
2-(2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-4-メチルペンタンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(8)。
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スキーム1を参照して、Fmoc-NH-(L)-Leu-COOH(874mg、2.47mmol、1.1当量)およびHBTU(1023mg、2.70mmol、1.2当量)をドライDCM(15mL)に懸濁させた。DIEA(872mg、1.18mL、6.75mmol、3当量)次いでドライDCM(5mL)中のNH
2-DON-COOiPr(448mg、2.25mmol、1当量)の溶液をシリンジによって加えた。反応混合物を室温で2時間不活性雰囲気下で撹拌した。DCM(20mL)を加え、有機相を飽和NaHCO
3(40mL)、1M HCl(40mL)、水(2x40mL)および飽和NaCl(40mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。DCMを蒸発させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(DCM/EtOAc 4:1、R
f0.27)によって精製し、淡黄色の固体(949mg)を収率79%で取得した。
[この文献は図面を表示できません]
【0249】
2-(2-アミノ-4-メチルペンタンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(9)。
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先の化合物3と同じ調製方法を用いた。スキーム1を参照して、化合物8(90mg、0.164mmol)、ジクロロメタン(1mL)、ピペリジン(41μL、0.41mmol、2.5当量)。シリカゲル上のクロマトグラフィー(クロロホルム-メタノール20:1)。黄色の固体としての生成物(31mg、66%)。
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【0250】
L-ロイシル-L-ロイシル-6-(1l
5-ジアジイリデン)-5-オキソ-L-ノルロイシン酸1-メチルエチル(11)の合成
N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-L-ロイシル-L-ロイシル-6-(1l
5-ジアジニリデン)-5-オキソ-L-ノルロイシン酸1-メチルエチル(10)。
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Fmoc-NH-(L)-Leu-COOH(224mg、0.634mmol、1.1当量)およびテトラフルオロホウ酸2.ベンゾトリアゾール-1-イル-テトラメチルウロニウム(TBTU)(222mg、0.69mmol、1.2当量)を無水ジクロロメタン(5mL)に懸濁させ、ジイソプロピルエチルアミン(301μL、1.73mmol、3当量)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌し、次いでドライジクロロメタン(3mL)中の9(188mg、0.58mmol)の溶液をシリンジによって加えた。反応混合物を2時間室温で不活性雰囲気下で撹拌した。有機溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、1:1)に供して所望の生成物10(188mg、49%)を黄色がかった非晶質固体として生じた。
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【0251】
L-ロイシル-L-ロイシル-6-(1l
5-ジアジニリデン)-5-オキソ-L-ノルロイシン酸1-メチルエチル(11)。
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化合物10(180mg、0.272mmol)をジクロロメタン(4mL)に溶解した。ピペリジン(67μL 0.68mmol、2.5当量)を加え、反応混合物を室温で4時間撹拌した。有機溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール、30:1)に供して所望の生成物11(80mg、67%)を黄色の非晶質固体として生じた。
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【0252】
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【0253】
6-(1λ
5-ジアジニリデン)-N-{[(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソル-4-イル)メトキシ]カルボニル}-5-オキソ-L-ノルロイシン酸1-メチルエチル(13)の合成
炭酸2,5-ジオキソピロリジン-1-イル-((5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソル-4-イル)メチル(12)。
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4-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-1,3-ジオキソル-2-オン(1.00g、7.89mmol、1当量)をドライEt
2O(30ml)に溶解し、溶液を0℃まで冷却した。この温度でピリジン(608mg、619μL、7.69mmol、1当量)を加え、最後にドライEt
2O(8mL)中のカルボノクロリドチオン酸S-エチル(1.04g、874μL、8.38mmol、1.09当量)を滴下した。混合物を1時間0℃でおよび一晩室温(18時間)で撹拌した。Et
2Oを真空除去し、DCM(70mL)を加えた。反応混合物を飽和NaHCO3(40mL)でおよび水(3x40mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、DCMをロータリーエバポレーターによって除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 5:1、R
f0.24)によって精製した。淡黄色の液体(1.29g)が収率77%で取得された。カルボノチオ酸S-エチルO-((5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソル-4-イル)メチル)(800mg、3.67mmol、1当量)およびN-ヒドロキシスクシンイミド(844mg、7.33mmol、2当量)をドライDCM(8mL)に懸濁させた。溶液を0℃まで冷却し、過酢酸(836mg(100%)、2.32g(36%)、11.00mmol、3当量、酢酸中36%溶液)を10分間で滴下した。最終混合物を30分間0℃でおよび2時間室温で撹拌した。DCM(20mL)を加え、有機相を水(2x35mL)および飽和NaCl(35mL)で洗浄した。DCMを蒸発させ、生成物12を無色の固体化合物(750mg)として収率76%で取得した。
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【0254】
6-(1λ
5-ジアジニリデン)-N-{[(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソル-4-イル)メトキシ]カルボニル}-5-オキソ-L-ノルロイシン酸1-メチルエチル(13)。
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スキーム2を参照して、化合物12(70mg、0.258mmol、1.1当量)を無水ジクロロメタン(2mL)に溶解した。この溶液を0℃まで冷却し、ジクロロメタン(1mL)中の3(50mg、0.235mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を15分間0℃で撹拌し、冷却浴を除去した。反応混合物を次いで室温で1時間撹拌した。有機溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(クロロホルム:アセトン、10:1)に供して所望の生成物13(72mg、83%)を黄色の油として生じた。
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【0255】
6-(1λ
5-ジアジニリデン)-N-({1-[(2,2-ジメチルプロパノイル)オキシ]エトキシ}カルボニル)-5-オキソ-L-ノルロイシン酸1-メチルエチル(14a)および(14b)の合成
ピバル酸1-((((2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)エチル(LTP174)。
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この化合物は、文献の手順(WO 2008033572 A1)に従って調製した。
【0256】
6-(1λ
5-ジアジニリデン)-N-({1-[(2,2-ジメチルプロパノイル)オキシ]エトキシ}カルボニル)-5-オキソ-L-ノルロイシン酸1-メチルエチル(14a)および(14b)。
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スキーム2を参照して、化合物14aおよび14bは、ジクロロメタン(8mL)およびピバル酸1-((((2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)エチル(297mg、1.032mmol、1.1当量)を用いて13の調製について記載したように3(200mg、0.938mmol)から調製し、続けてシリカゲル上のクロマトグラフィー(クロロホルム:アセトン、20:1)を行い、2つのジアステレオ異性体14a(90mg、R
f=0.25)および14b(50mg、R
f=0.2)が黄色の油(39%)として得られた。
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ジアステレオマー14aをすべての生物学的試験に用いた。
【0257】
6-ジアゾ-2-(((1-((3-メチルブタノイル)オキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ)-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(JAM0335)の合成
イソ酪酸1-((((2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)エチル(LTP150)
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この化合物は、文献の手順(Magill et al., 1957に従って調製した。
【0258】
6-ジアゾ-2-(((1-((3-メチルブタノイル)オキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ)-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(JAM0335)。
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先の化合物13と同じ調製方法を用いた。スキーム2を参照して、LTP150(74mg、0.258mmol、1.1当量)、ジクロロメタン(2mL)。化合物3(50mg、0.235mmol)、ジクロロメタン(1mL)、シリカゲル上のクロマトグラフィー(クロロホルム-アセトン20:1)。生成物(31mg、66%)を黄色の油として単離した。
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【0259】
6-(1λ
5-ジアジニリデン)-N-({1-[(2-メチルプロパノイル)オキシ]エトキシ}カルボニル)-5-オキソ-L-ノルロイシン酸1-メチルエチル(15)の合成
6-(1λ
5-ジアジニリデン)-N-({1-[(2-メチルプロパノイル)オキシ]エトキシ}カルボニル)-5-オキソ-L-ノルロイシン酸1-メチルエチル(15)。
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化合物15は、2-メチルプロピオン酸1-[[[(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)オキシ]カルボニル]オキシ]エチル(WO 2005066122によって調製、423mg、1.55mmol、1.1当量)およびジクロロメタン(4mL)を用いて13の調製について記載したように3(300mg、1.4mmol)から調製し、続けてシリカゲル上のクロマトグラフィー(クロロホルム:アセトン、20:1)を行った。黄色の油(426mg、82%)。
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【0260】
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【0261】
4-(4-ジアゾ-3-オキソブチル)-5-オキソオキサゾリジン-3-カルボン酸4-アセトキシベンジル(17)の合成
3-(3-(((4-アセトキシベンジル)オキシ)カルボニル)-5-オキソオキサゾリジン-4-イル)プロパン酸(16)。
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スキーム3参照して、PhCH
3(15mL)中のホスゲン(15容量%)(2.12g、2.25mL、21.43mmol、2.21当量)の溶液を0℃まで冷却した。PhCH
3(15mL)中の酢酸4-(ヒドロキシメチル)フェニル(1.61g、9.70mmol、1当量)を15分かけて滴下した。反応混合物を1時間0℃で、次いで室温で一晩(20時間)撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗生成物酢酸4-{[(クロロカルボニル)オキシ]メチル}フェニル(LTP086)を精製せずに次の工程に用いた。L-グルタミン酸(951mg、6.46mmol、1当量)を水(8mL)に懸濁させ、NaHCO
3(1.37g、16.30mmol、2.52当量)を少量ずつ加えた。15分間の撹拌後、粗LTP 086(2.2g、9.70mmol、1当量)をシリンジによって2分間かけて室温で加えた。混合物を室温で一晩(20時間)撹拌した。混合物がpH1になるまで1M HClを加え、次いで水相をEtOAc(10x15mL)で抽出した。合わせた有機画分を飽和NaCl(150mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、溶媒を蒸発させた。粗生成物N-[[[4-(アセチルオキシ)フェニル]メトキシ]カルボニル]-L-グルタミン酸(LTP087)(2.2g、6.48mmol、1当量)を精製せずに次の工程に用いた。LTP087(2.2g、6.48mmol、1当量)をPhCH
3(45mL)に溶解した。パラホルムアルデヒド(389mg、12.97mmol、2当量)およびp-トルエンスルホン酸(PTSA)(123mg、0.648mmol、0.1当量)を加え、混合物を1時間還流させた。トルエンを蒸発させ、粗生成物をカラムクロマトグラフィー(CHCl
3/MeOH 20:1)によって精製した。所望の生成物16が3段階で無色の粘性油(280mg)として収率12%で取得された。
【0262】
4-(4-ジアゾ-3-オキソブチル)-5-オキソオキサゾリジン-3-カルボン酸4-アセトキシベンジル(17)。
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化合物LTP088(257mg、0.732mmol)を無水THF(3mL)に溶解し、-15℃まで冷却し、トリエチルアミン(153μL、1.097mmol、1.5当量)を滴下した。次いでクロロギ酸エチルを加え、反応混合物を-15℃で1.5時間撹拌した。次いでジアゾメタンの溶液を加え、反応混合物をさらに30分間-15℃で撹拌し、次いで冷却浴を除去した。反応混合物を次いで室温で2時間撹拌した。有機溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル1:1)に供して所望の生成物(220mg、66%)を黄色の非晶質固体として生じた。
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【0263】
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【0264】
2-(2-アミノプロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸エチル(22)の合成
1-(9H-フルオレン-9-イルメチル)-2-エチル-5-オキソピロリジン-1,2-ジカルボキシレート(18)。
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スキーム4を参照して、5-オキソ-L-プロリンエチルエステル(4.00g、25.45mmol、1当量)を無水THF(120mL)に不活性下で溶解し、-78℃まで冷却した。LiHMDS(THF中1M、24.2mL、24.18mmol、0.95当量)の溶液を滴下し、溶液を同じ温度で20分間撹拌した。得られた黄色の混合物を-78℃で無水THF(90mL)中の塩化Fmoc(32.9g、127.3mmol、5当量)の溶液にカニューレを介して移した。反応混合物を-78℃で2時間および室温で一晩(18時間)撹拌した。この期間後、反応を飽和NH
4Cl(34mL)および水(18mL)でクエンチした。水相をEtOAc(60mL)で抽出し、合わせた有機部分をブライン(2×100mL)で洗浄し、無水MgSO
4で乾燥させた。有機溶媒を真空下で蒸発させた。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc 3:1〜1:1)および最終的に逆相LC(MeOH:H
2O、2:1〜100%MeOH)に供して所望の生成物18(8.40g、87%)を無色の固体として生じた。
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【0265】
2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸エチル(19)。
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トリメチルシリルジアゾメタン溶液(ジエチルエーテル中2M、7.9mL、15.81mmol、1.2当量)をアルゴン下で無水THF(70mL)に溶解し、-98℃まで冷却した。n-ブチルリチウムの溶液(ヘキサン中2.5M、6.5mL、16.21mmol、1.23当量)を滴下し、溶液を-98℃で30分間撹拌した。得られた混合物を-116℃で無水THF(120mL)中の18(5.00g、13.18mmol、1当量)の溶液にカニューレを介して移した。反応混合物を30分間この温度で撹拌し、次いでゆっくりと-78℃まで温め、飽和NH
4Cl(150mL)でクエンチした。水相を酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、無水MgSO
4で乾燥させた。有機溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(CHCl
3:アセトン、20:)に供して所望の生成物19(4.42g、80%)を黄色がかった固体として生じた。
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【0266】
2-アミノ-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸エチル(20)。
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化合物20は、ジクロロメタン(10mL)およびピぺリジン(58μL 0.59mmol、2.5当量)を用いて3の調製について記載したように19(100mg、0.237mmol)から調製し、続けてシリカゲル上のクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール、30:1)を行った。黄色の油(31mg、66%)。
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【0267】
2-(2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸エチル(21)。
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Fmoc-NH-(L)-Ala-COOH(483mg、1.55mmol、1.1当量)およびHBTU(642mg、1.69mmol、1.2当量)をドライDCM(10mL)に懸濁させた。DIEA(547mg、737μL、4.32mmol、3当量)次いでドライDCM(3mL)中の20(281mg、1.41mmol、1当量)の溶液をシリンジによって加えた。反応混合物を2時間室温で不活性雰囲気下で撹拌した。DCM(15mL)を加え、有機相を飽和NaHCO
3(25mL)、1M HCl(25mL)、水(2x25mL)および飽和NaCl(25mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。DCMを蒸発させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(DCM:EtOAc、1:1、R
f0.40)によって精製し、21を淡黄色の固体(452mg、65%)として与えた。
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【0268】
2-(2-アミノプロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸エチル(22)。
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化合物21(225mg、0.457mmol、1当量)をドライDCM(4mL)に溶解した。ジエチルアミン(167mg、236μL、2.28mmol、5当量)をシリンジによって加えた。反応混合物を6時間室温で不活性雰囲気下で撹拌した。DCMを蒸発させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(CHCl
3:MeOH、15:1, R
f0.07)によって精製し、22を淡黄色の固体(101mg、82%)として与えた。
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【0269】
2-(2-アミノプロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸(23)の合成
2-(2-アミノプロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸(23)。
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スキーム4を参照して、化合物22(225mg、0.457mmol、1当量)をEtOH(3mL)およびTHF(3mL)に懸濁させた。NaOH(16mg、397μL、0.95当量)の1M溶液を加え、混合物を15分間撹拌した。反応を1Mギ酸(397μL、0.95当量)でクエンチし、10分間の撹拌後、混合物を蒸発乾固させた。粗生成物を、Et
3N/CH
3COOH緩衝液との分取HPLCによって精製した。所望の生成物23が淡橙色の固体(50mg)として収率52%で取得された。
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【0270】
2-(2-アミノ-4-メチルペンタンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸エチル(25)の合成
2-(2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-4-メチルペンタンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸エチル(24)。
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スキーム4を参照して、Fmoc-NH-(L)-Leu-COOH(874mg、2.47mmol、1.1当量)およびHBTU(1023mg、2.70mmol、1.2当量)をドライDCM(15mL)に懸濁させた。DIEA(872mg、1.18mL、6.75mmol、3当量)次いでドライDCM(5mL)中の20(448mg、2.25mmol、1当量)の溶液をシリンジによって加えた。反応混合物を2時間室温で不活性雰囲気下で撹拌した。DCM(20mL)を加え、有機相を飽和NaHCO
3(40mL)、1M HCl(40mL)、水(2x40mL)および飽和NaCl(40mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。DCMを蒸発させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(DCM:EtOAc、4:1、R
f0.27)によって精製し、24を淡黄色の固体(949mg、79%)として与えた。
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【0271】
2-(2-アミノ-4-メチルペンタンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸エチル(25)。
[この文献は図面を表示できません]
スキーム4を参照して、化合物24(945mg、1.77mmol、1当量)をドライDCM(9mL)に溶解した。ジエチルアミン(646mg、914μL、8.84mmol、5当量)をシリンジによって加えた。反応混合物を4時間室温で不活性雰囲気下で撹拌した。DCMを蒸発させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(CHCl
3:MeOH、15:1、R
f0.38)によって精製して、25を無色の固体(500mg、91%)として与えた。
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【0272】
2-(2-アミノ-4-メチルペンタンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸トリエチルアンモニウム塩(26)の合成
2-(2-アミノ-4-メチルペンタンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸トリエチルアンモニウム塩(26)。
[この文献は図面を表示できません]
化合物25(134mg、0.429mmol、1当量)をEtOH(3mL)およびTHF(3mL)に懸濁させた。NaOH(16mg、408μL、0.95当量)の1M溶液を加え、混合物を15分間撹拌した。反応を1Mギ酸(408μL、0.95当量)でクエンチし、10分間の撹拌後、混合物を蒸発乾固させた。粗生成物を、Et
3N/CH
3COOH緩衝液と共に分取HPLCによって精製した。所望の生成物26が淡橙色の固体(46mg)として収率40%で取得された。
[この文献は図面を表示できません]
【0273】
2-(2-(2-アミノ-4-メチルペンタンアミド)-4-メチルペンタンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸エチル(28)の合成。
11-(4-ジアゾ-3-オキソブチル)-1-(9H-フルオレン-9-イル)-5,8-ジイソブチル-3,6,9-トリオキソ-2-オキサ-4,7,10-トリアザドデカン-12-酸エチル(27)。
[この文献は図面を表示できません]
スキーム4を参照して、Fmoc-NH-(L)-Leu-COOH(125mg、0.352mmol、1.1当量)およびHBTU(146mg、0.384mmol、1.2当量)をドライDCM(3mL)に懸濁させた。DIEA(124mg、167μL、0.960mmol、3当量)次いでドライDCM(3mL)中の25(100mg、0.320mmol、1当量)の溶液をシリンジによって加えた。反応混合物を3時間室温で不活性雰囲気下で撹拌した。DCM(10mL)を加え、有機相を飽和NaHCO
3(20mL)、1M HCl(20mL)、水(2x20mL)および飽和NaCl(20mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。DCMを蒸発させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(DCM:EtOAc、2:1、R
f0.35)によって精製し、27を無色の固体(145mg、79%)として与えた。
[この文献は図面を表示できません]
【0274】
2-(2-(2-アミノ-4-メチルペンタンアミド)-4-メチルペンタンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸エチル(28)。
[この文献は図面を表示できません]
化合物27(136mg、0.210mmol、1当量)をドライDCM(3mL)に溶解した。ジエチルアミン(77mg、109μL、1.05mmol、5当量)をシリンジによって加えた。反応混合物を8時間室温で不活性雰囲気下で撹拌した。DCMを蒸発させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(CHCl
3/MeOH、20:1、R
f0.30)によって精製し、28を淡黄色の油(77mg、87%)として与えた。
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【0275】
[この文献は図面を表示できません]
【0276】
6-ジアゾ-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ)-5-オキソヘキサン酸トリエチルアンモニウム塩(29)の合成
6-ジアゾ-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ)-5-オキソヘキサン酸トリエチルアンモニウム塩(29)。
[この文献は図面を表示できません]
スキーム5を参照して、化合物20(121mg、0.607mmol、1当量)をTHF(5mL)に溶解した。NaOH(24mg、607μL、1当量)の1M溶液を加え、混合物を1時間撹拌した。水(2mL)およびTHF(3mL)中の2-メチルプロパン酸1-[[[(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)オキシ]カルボニル]オキシ]エチル(LTP150)(183mg、0.668mmol、1.1当量)を加えた。溶液を次の2時間室温で撹拌した。反応を1Mギ酸(607μL、1当量)でクエンチし、5分間の撹拌後、混合物を蒸発乾固させた。粗生成物をEt
3N/CH
3COOH緩衝液と共に分取HPLCによって精製して、29を淡橙色の固体(106mg、53%)として与えた。
[この文献は図面を表示できません]
【0277】
6-(ジアゾ-2-(((1-(ピバロイルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ)-5-オキソヘキサン酸トリエチルアンモニウム塩(30)の合成
6-(ジアゾ-2-(((1-(ピバロイルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ)-5-オキソヘキサン酸トリエチルアンモニウム塩(30)。
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スキーム5を参照して、化合物20(89mg、0.446mmol、1当量)をTHF(3mL)に溶解した。NaOH(18mg、446μL、1当量)の1M溶液を加え、混合物を1時間撹拌した。水(1mL)およびTHF(1.5mL)中のピバル酸1-((((2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)エチル(LTP174)(141mg、0.490mmol、1.1当量)を加えた。溶液を次の2時間室温で撹拌した。反応を1Mギ酸(446μL、1当量)でクエンチし、5分間の撹拌後、混合物を蒸発乾固させた。粗生成物をEt
3N/CH
3COOH緩衝液と共に分取HPLCによって精製して、30を淡橙色の固体(64mg)として収率42%で与えた。
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【0278】
6-ジアゾ-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ)-5-オキソヘキサン酸エチル(31)の合成
6-ジアゾ-2-(((1-(イソブチリルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ)-5-オキソヘキサン酸エチル(31)
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2-メチルプロパン酸1-[[[(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)オキシ]カルボニル]オキシ]エチル(226mg、0.828mmol、1.1当量)をドライDCM(6mL)に懸濁させた。反応混合物を0℃まで冷却し、ドライDCM(3mL)中の化合物20(150mg、0.753mmol、1当量)を滴下によって加えた。混合物を15分間0℃次いで1時間室温で撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン1:10〜1:2)によって精製し、所望の化合物31が収率56%(150mg)で黄色の油(2つの立体異性体の混合物1:1)として取得された。
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【0279】
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試薬および条件:(a)POM-NHS、DCM、40%(b)Me-POM-NHS、DCM、68%
【0280】
6-ジアゾ-2-(((1-(ピバロイルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ)-5-オキソヘキサン酸エチル(32)の合成
6-ジアゾ-2-(((1-(ピバロイルオキシ)エトキシ)カルボニル)アミノ)-5-オキソヘキサン酸エチル(32)。
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スキーム6を参照して、ピバル酸1-((((2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)エチル(238mg、0.828mmol、1.1当量)をドライDCM(6mL)に懸濁させた。反応混合物を0℃まで冷却し、ドライDCM(3mL)中の化合物20(150mg、0.753mmol、1当量)を滴下によって加えた。混合物を15分間0℃次いで1時間室温で撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン1:10〜1:2)によって精製し、所望の化合物32が収率68%(190mg)で黄色の油(2つの立体異性体の混合物1:1)として取得された。
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【0281】
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試薬および条件:(a)Fmoc-NH-(L)-Trp-COOH、HBTU、DIEA、DCM 33については(66%)および37については(46%);(b)ピぺリジン、DCM、室温、34については50%;38については53%。
【0282】
2-(2-アミノ-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸エチル(34)の合成
2-(2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸エチル(33)。
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スキーム7を参照して、Fmoc-NH-(L)-Trp-COOH(353mg、0.828mmol、1.1当量)およびHBTU(343mg、0.904mmol、1.2当量)をドライDCM(5mL)に懸濁させた。DIEA(292mg、394μL、2.26mmol、3当量)次いでドライDCM(3mL)中の20(150mg、0.753mmol、1当量)の溶液をシリンジによって加えた。反応混合物を2時間室温で不活性雰囲気下で撹拌した。DCM(20mL)を加え、有機相を飽和NaHCO
3(20mL)、1M HCl(20mL)、水(30mL)および飽和NaCl(30mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。DCMを蒸発させた。粗生成物をLC(DCM/EtOAc 2:1、R
f0.21)によって精製し、33を淡黄色の固体(303mg)として収率66%で与えた。
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【0283】
2-(2-アミノ-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸エチル(34)。
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スキーム7を参照して、化合物33(303mg、0.499mmol、1当量)をドライDCM(5mL)に溶解した。ピぺリジン(212mg、244μL、2.49 mmol、5当量)をシリンジによって加えた。反応混合物を4.5時間室温で不活性雰囲気下で撹拌した。DCMを蒸発させた。粗生成物をカラムLC(CHCl
3/MeOH 20:1〜10:1、R
f0.29)によって精製し無色の固体34(96mg)が収率50%で取得された。
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【0284】
6-ジアゾ-2-((((5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソル-4-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-5-オキソヘキサン酸トリエチルアンモニウム塩(35)の合成
6-ジアゾ-2-((((5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソル-4-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-5-オキソヘキサン酸トリエチルアンモニウム塩(35)。
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スキーム5を参照して、化合物20(238mg、1.19mmol、1当量)をTHF(10mL)に溶解した。NaOH(48mg、1.18mL、1当量)の1M溶液を加え、混合物を1時間撹拌した。水(4mL)およびTHF(10mL)中の12(389mg、1.43mmol、1.2当量)を加えた。溶液を次の2時間室温で撹拌した。反応を1Mギ酸(1.15mL、0.95当量)でクエンチし、5分間の撹拌後、混合物を蒸発乾固させた。粗生成物をEt
3N/CH
3COOH緩衝液と共に分取HPLCによって精製した。所望の生成物35が淡橙色の固体(50mg)として収率13%で取得された。
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【0285】
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試薬および条件:(a)カルボノクロリドチオン酸S-エチル、ピリジン、Et
2O;NHS、過酢酸、DCM 58%;(b)DCM、0℃〜室温、65%
【0286】
6-ジアゾ-2-((((5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソル-4-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-5-オキソヘキサン酸エチル(36)の合成
6-ジアゾ-2-((((5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソル-4-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-5-オキソヘキサン酸エチル(36)。
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スキーム8を参照して、化合物12(180mg、0.663mmol、1.1当量)をドライDCM(5mL)に懸濁させた。反応混合物を0℃まで冷却し、ドライDCM(3mL)中の化合物20(120mg、0.602mmol、1当量)を滴下によって加えた。混合物を15分間0℃次いで1時間室温で撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン、1:1)によって精製し、所望の化合物36は収率65%(139mg)で黄色の油として取得された。
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【0287】
2-(2-アミノ-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(38)の合成
2-(2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(37)。
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スキーム7を参照して、Fmoc-NH-(L)-Trp-COOH(880mg、2.06mmol、1.1当量)およびHBTU(854mg、2.25mmol、1.2当量)をドライDMF(14mL)に懸濁させた。DIEA(727mg、980μL、5.63mmol、3当量)次いでドライDMF(5mL)中の3(400mg、1.88mmol、1当量)の溶液をシリンジによって加えた。反応混合物を4時間室温で不活性雰囲気下で撹拌した。DMFを蒸発させ、DCM(100mL)を加え、有機相を飽和NaHCO
3(100mL)、水(100mL)、1M HCl(100mL)、水(100mL)および飽和NaCl(100mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。DCMを蒸発させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(DCM:EtOAc、5:1、R
f0.15)によって精製し、37を淡黄色の固体(540mg)として収率46%で与えた。
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【0288】
2-(2-アミノ-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(38)。
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スキーム7を参照して、化合物37(500mg、0.804mmol、1当量)をドライDCM(15mL)に溶解した。ピペリジン(342mg、393μL、4.02mmol、5当量)をシリンジによって加えた。反応混合物を4時間室温で不活性雰囲気下で撹拌した。DCMを蒸発させた。粗生成物をLC(CHCl
3/MeOH 30:1、R
f0.14)によって精製し、38を黄色の非晶質固体(170mg)として収率53%で与えた。
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【0289】
6-ジアゾ-2-(((2-メチル-1-(ピバロイルオキシ)プロポキシ)カルボニル)アミノ)-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(40)の合成
ピバル酸1-((((2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)-2-メチルプロピル(39)。
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1-クロロ-2-メチルプロピルカルボノクロリデート(2.00g、1.71mL、11.69mmol、1当量)をドライEt
2O(20mL)に溶解した。反応混合物を0℃まで冷却し、ドライEt
2O(10mL)に溶解したEt
3N(1.18g、1.63mL、11.69mmol、1当量)およびEtSH(727mg、866μL、11.69mmol、1当量)の混合液を10分間の間に滴下法によって加えた。反応混合物を一晩(23時間)室温で撹拌し、析出物をセライトのパッドでろ過し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物カルボノチオ酸O-(1-クロロ-2-メチルプロピル)S-エチル(無色の液体、2.20g、96%)を精製せずにさらなる工程に用いた。カルボノチオ酸O-(1-クロロ-2-メチルプロピル)S-エチル(1.20g、6.10mmol、1当量)をピバル酸(3.74g、4.20mL、36.61mmol、6当量)に溶解し、新たに調製したピバル酸(1.87g、2.10mL、18.31mmol、3当量)とDIEA(2.37g、3.19mL、18.31mmol、3当量)との塩を少量ずつ加えた。反応混合物を60℃まで70時間加熱した。EtOAc(100mL)を加え、有機相を水(50mL)、飽和NaHCO
3(3×50mL)、飽和NaCl(50mL)で抽出し、MgSO
4で乾燥させ、溶媒を蒸発させた。粗生成物ピバル酸1-(((エチルチオ)カルボニル)オキシ)-2-メチルプロピル(淡黄色の液体、1.32g、83%)を精製せずにさらなる工程に用いた。ピバル酸1-(((エチルチオ)カルボニル)オキシ)-2-メチルプロピル(1.28g、4.88mmol、1当量)をドライDCM(13mL)に溶解し、N-ヒドロキシスクシンイミド(1.12g、9.76mmol、2当量)を加え、懸濁液を0℃まで冷却した。過酢酸(1.11g(100%)、3.09g(36%)、14.64mmol、3当量、酢酸中の36%溶液)を10分間で滴下によって加えた。最終混合物を60分間0℃でおよび2時間室温で撹拌した。DCM(40mL)を加え、有機相を水(20mL)および飽和NaCl(20mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。DCMを蒸発させ、生成物をLC(ヘキサン/EtOAc 5:3、R
f0.26)によって精製した。生成物39が淡黄色の油(863mg)として収率56%(3工程で)で取得された。
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【0290】
6-ジアゾ-2-(((2-メチル-1-(ピバロイルオキシ)プロポキシ)カルボニル)アミノ)-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(40)。
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化合物39(399mg、1.27mmol、0.9当量)をドライDCM(7mL)に懸濁させた。反応混合物を0℃まで冷却し、ドライDCM(3mL)中の化合物3(300mg、1.41mmol、1当量)を滴下した。混合物を15分間0℃および2時間室温で撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン1:2、R
f0.29および0.31)によって精製し、所望の化合物40が収率54%(285mg)黄色の油(2つの立体異性体の混合物1:1)として取得された。
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【0291】
6-ジアゾ-5-オキソ-2-((((ピバロイルオキシ)メトキシ)カルボニル)アミノ)ヘキサン酸イソプロピル(42)の合成
ピバル酸((((2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)メチル(41)。
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クロロメチルカルボノクロリデート(2.00g、1.38mL、15.51mmol、1当量)をドライEt
2O(20mL)に溶解した。反応混合物を0℃まで冷却し、ドライEt
2O(5mL)に溶解したEt
3N(1.57g、2.16mL、15.51mmol、1当量)およびEtSH(964mg、1.15mL、15.51mmol、1当量)の混合物を5分間の間に滴下法によって加えた。反応混合物を一晩(25時間)室温で撹拌し、析出物をセライトのパッドでろ過し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物カルボノチオ酸O-(クロロメチル)S-エチル(無色の液体)を、精製せずにさらなる工程に用いた。カルボノチオ酸O-(クロロメチル)S-エチル(2.40g、15.51mmol、1当量)をピバル酸(9.51g、93.14mmol、6当量)に溶解し、新たに調製したピバル酸(4.76g、46.57mmol、3当量)とDIEA(6.02g、8.1mL、46.57mmol、3当量)との塩を少量ずつ加えた。反応混合物を60℃まで22時間加熱した。EtOAc(100mL)を加え、有機相を水(100mL)、飽和NaHCO
3(3×100mL)、飽和NaCl(100mL)で抽出し、MgSO
4で乾燥させ、溶媒を蒸発させた。粗生成物ピバル酸(((エチルチオ)カルボニル)オキシ)メチル(淡黄色の液体、3.30g、97%)を精製せずにさらなる工程に用いた。ピバル酸(((エチルチオ)カルボニル)オキシ)メチル(3.20g、14.53mmol、1当量)をドライDCM(40mL)に溶解し、N-ヒドロキシスクシンイミド(3.34g、29.05mmol、2当量)を加え、懸濁液を0℃まで冷却した。過酢酸(3.31g(100%)、9.21g(36%)、43.58mmol、3当量,酢酸中の36%溶液)を15分間で滴下によって加えた。最終混合物を60分間0℃でおよび2時間室温で撹拌した。DCM(50mL)を加え、有機相を水(30mL)および飽和NaCl(30mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。DCMを蒸発させ、生成物をLC(ヘキサン:EtOAc、2:1、R
f0.27)によって精製した。生成物41が無色の固体(2.54g)として収率64%(3工程で)で取得された。
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【0292】
6-ジアゾ-5-オキソ-2-((((ピバロイルオキシ)メトキシ)カルボニル)アミノ)ヘキサン酸イソプロピル(42)。
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スキーム6を参照して、化合物41(320mg、1.17mmol、1.0当量)をドライDCM(6mL)に懸濁させた。反応混合物を0℃まで冷却し、ドライDCM(3mL)中のNH
2-DON-COOEt(250mg、1.17mmol、1当量)を滴下した。混合物を15分間0℃次いで2時間室温で撹拌した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン、1:2、R
f0.21)によって精製し、所望の化合物42が収率40%(175mg)で黄色の油として取得された。
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【0293】
6-ジアゾ-5-オキソ-2-((((2-(ピバロイルオキシ)プロパン-2-イル)オキシ)カルボニル)アミノ)ヘキサン酸イソプロピル(44)の合成
ピバル酸2-(((4-ニトロフェニルオキシ)カルボニル)オキシ)プロパン-2-イル(43)。
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炭酸2-クロロプロパン-2-イル(4-ニトロフェニル)(US 2006/229361 A1に報告された方法によって調製、300mg、1.16mmol、1当量)をドライDCM(15mL)に溶解した。ピバル酸水銀(559mg、1.39mmol、1.2当量)を加え、反応混合物を一晩(19時間)室温で不活性下で撹拌した。固体析出物(HgCl
2)をろ過によって除去し、DCM(15mL)を加え、RMを飽和NaHCO
3(15mL)、飽和ブライン(15mL)で抽出し、MgSO
4で乾燥させ、溶媒を蒸発させた。生成物43が淡黄色の油(301mg)として収率80%で取得された。
[この文献は図面を表示できません]
【0294】
6-ジアゾ-5-オキソ-2-((((2-(ピバロイルオキシ)プロパン-2-イル)オキシ)カルボニル)アミノ)ヘキサン酸イソプロピル(44)。
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化合物43(48mg、0.148mmol、1当量)をドライDMF(2mL)に溶解し、反応混合物を0℃まで冷却した。ドライDMF(1mL)に溶解した化合物3(79mg、0.369mmol、2.5当量)をシリンジによって加えた。反応混合物を0℃で不活性下で一晩3時間撹拌した。DMFを蒸発させ、粗混合物をLC(ヘキサン:EtOAc、2:1)によって精製した。生成物44が淡黄色の油(49mg)として収率83%で取得された。
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【0295】
6-ジアゾ-5-オキソ-2-(((フェニル(ピバロイルオキシ)メトキシ)カルボニル)アミノ)ヘキサン酸イソプロピル(47)の合成
炭酸クロロ(フェニル)メチル(4-ニトロフェニル)(45)。
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クロロ(フェニル)メチルカルボノクロリデート(US20110319422によって調製、900mg、4.39mmol、1当量)をドライDCM(20mL)に溶解した。4-ニトロフェノール(611mg、4.39mmol、1当量)を加え、混合物を0℃まで冷却した。ドライDCM(5mL)に溶解したピリジン(347mg、355μL、4.39 mmol、1当量)を5分間の間に滴下法によって加えた。反応混合物を2時間室温で撹拌した。DCMを蒸発させ、粗生成物をLC(DCM:ヘキサン、1:1)によって精製した。生成物45が無色の固体(520mg)として収率39%で取得された。
[この文献は図面を表示できません]
【0296】
ピバル酸(((4-ニトロフェニルオキシ)カルボニル)オキシ)(フェニル)メチル(46)。
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化合物45(100mg、0.325mmol、1当量)およびピバル酸水銀(157mg、0.390mmol、1.2当量)をドライDCM(6mL)に溶解した。反応混合物を室温で不活性下で一晩(16時間)撹拌した。DCM(10mL)を加え、反応混合物を飽和NaHCO
3(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、有機相をMgSO
4で乾燥させ、DCMを蒸発させた。生成物46(115mg)が収率95%で取得され、何ら精製せずにさらなる工程に用いられた。
[この文献は図面を表示できません]
【0297】
6-ジアゾ-5-オキソ-2-(((フェニル(ピバロイルオキシ)メトキシ)カルボニル)アミノ)ヘキサン酸イソプロピル(47)。
[この文献は図面を表示できません]
化合物46(115mg、0.308mmol、1当量)をドライDCM(3mL)に溶解した。ドライDCM(2mL)に溶解したDON iPrエステル(72mg、0.339mmol、1.1当量)をシリンジによって加えた。反応混合物を室温で不活性下で一晩(24時間)不活性下で撹拌した。さらに、ドライDCM(2mL)に溶解したDON iPrエステル(72mg、0.339mmol、1.1当量)を加え、次の24時間撹拌を継続した。DCMを蒸発させ、粗混合物を分取HPLC(AcN/H
2O、HCOOH)によって精製した。生成物47が薄茶色の油(66mg)として収率48%で取得された。
[この文献は図面を表示できません]
【0298】
6-ジアゾ-2-((((イソブチリルオキシ)メトキシ)カルボニル)アミノ)-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(49)の合成
イソ酪酸((((2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)メチル(48)。
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クロロメチルカルボノクロリデート(1.00g、690μL、7.76mmol、1当量)をドライEt
2O(10mL)に溶解した。反応混合物を0℃まで冷却し、ドライEt
2O(3mL)に溶解したEt
3N(785mg、1081μL、7.76mmol、1当量)およびEtSH(482mg、574μL、7.76mmol、1当量)の混合物を5分間にわたって滴下法によって加えた。反応混合物を一晩(18時間)室温で撹拌し、析出物をセライトのパッドでろ過し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物カルボノチオ酸-(クロロメチル)S-エチル(無色の液体)を、精製せずにさらなる工程に用いた。カルボノチオ酸O-(クロロメチル)S-エチル(1.10g、7.11mmol、1当量)をイソ酪酸(1.88g、1.94mL、21.35mmol、3当量)に溶解し、新たに調製したイソ酪酸(1.88g、1.94 mL、21.35mmol、3当量)とDIEA(2.76g、3.81mL、21.35mmol、3当量)との塩を少量ずつ加えた。反応混合物を60℃まで20時間加熱した。EtOAc(50mL)を加え、有機相を水(50mL)、飽和NaHCO
3(3×50mL)、飽和NaCl(50mL)で抽出し、MgSO
4で乾燥させ、溶媒を蒸発させた。粗生成物イソ酪酸(((エチルチオ)カルボニル)オキシ)メチル(淡黄色の液体、1.14g、72%)を精製せずにさらなる工程に用いた。イソ酪酸(((エチルチオ)カルボニル)オキシ)メチル(1.12g、5.04mmol、1当量)をドライDCM(15mL)に溶解し、N-ヒドロキシスクシンイミド(1.16g、10.08mmol、2当量)を加え、懸濁液を0℃まで冷却した。過酢酸(1.15g(100%)、3.19g(36%)、15.12mmol、3当量、酢酸中の36%溶液)を10分間で滴下によって加えた。最終混合物を60分間0℃でおよび2時間室温で撹拌した。DCM(20mL)を加え、有機相を水(15mL)および飽和NaCl(15mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させた。DCMを蒸発させ、生成物をLC(ヘキサン:EtOAc、2:1、R
f0.24)によって精製した。生成物48が無色の油(842mg)として収率64%(3工程で)で取得された。
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【0299】
6-ジアゾ-2-((((イソブチリルオキシ)メトキシ)カルボニル)アミノ)-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(49)。
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化合物48(268mg、1.03mmol、1.1当量)を無水ジクロロメタン(8mL)に溶解した。この溶液を0℃まで冷却し、ジクロロメタン(1mL)中の化合物3(200mg、0.94mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を15分間0℃で冷却浴中で撹拌した。反応混合物を次いで室温で1時間撹拌した。有機溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(クロロホルム:アセトン、10:1)に供して所望の生成物49(180mg、54%)を黄色の非晶質固体として生じた。
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【0300】
2-((((4-(2-(2-アミノ-3-メチルブタンアミド)-5-ウレイドペンタンアミド)ベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(51)の合成
2-((((4-(2-(2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-3-メチルブタンアミド)-5-ウレイドペンタンアミド)ベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(50)。
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炭酸9-フルオレニルメチルオキシカルボニル-バリル-シトルリル-(4-アミノベンジル)-(4-ニトロフェニル)(191mg、0.249mmol、1.2当量)をドライDMF(2.0mL)に溶解し、ドライDMF(1.0mL)中の化合物3(44mg、0.208mmol)の溶液を滴下した。この反応混合物に、ジイソプロピルエチルアミン(130μL、0.747mmol、3当量)を滴下した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。有機溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール、15:1)に供して所望の生成物50(110mg、53%)を白色の非晶質固体として得た。
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【0301】
2-((((4-(2-(2-アミノ-3-メチルブタンアミド)-5-ウレイドペンタンアミド)ベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(51)。
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化合物50(110mg、0.131mmol)をドライDMF(0.5mL)に溶解した。ピペリジン(32μL 0.327mmol、2.5当量)を加え、反応混合物を室温で4時間撹拌した。有機溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール、2:1)に供して所望の生成物51(70mg、87%)を白色の非晶質固体として生じた。
【0302】
2-((((4-(2-(2-アセトアミド-3-メチルブタンアミド)-5-ウレイドペンタンアミド)ベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(52)の合成
2-((((4-(2-(2-アセトアミド-3-メチルブタンアミド)-5-ウレイドペンタンアミド)ベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(52)。
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化合物51(100mg、0.162mmol)をドライDMF(2mL)に溶解し、この溶液にジイソプロピルエチルアミン(144μL、0.842mmol、5.1当量)続いて無水酢酸(acetanhydride)(76.5μL、0.81mmol、5.0当量)を滴下した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。有機溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール、7:1)に供して所望の生成物52(97mg、91%)を黄色の非晶質固体として生じた。
【0303】
2-(2-(2-アミノ-3-メチルブタンアミド)-5-ウレイドペンタンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(56)の合成
2-(2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-5-ウレイドペンタンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(53)。
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Fmoc-Cit-COOH(2.05g、5.16mmol、1.1当量)およびTBTU(1.81g、5.63mmol、1.2当量)を無水DMF(40mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(2.51mL、14.07mmol、3当量)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌し、次いで無水DMF(20mL)中の3(1.0g、4.69mmol)の溶液をシリンジによって加えた。反応混合物を2時間室温で不活性雰囲気下で撹拌した。有機溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール、15:1)に供して所望の生成物53(1.84g、66%)を黄色の非晶質固体として生じた。
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【0304】
2-(2-アミノ-5-ウレイドペンタンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(54)。
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化合物53(1.84g、3.11mmol)をドライDMF(24mL)に溶解した。ピペリジン(767μL 7,76mmol、2.5当量)を加え、反応混合物を室温で4時間撹拌した。有機溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール、2:1)に供して所望の生成物54(874mg、76%)を白色の非晶質固体として生じた。
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【0305】
11-(4-ジアゾ-3-オキソブチル)-1-(9H-フルオレン-9-イル)-5-イソプロピル-3,6,9-トリオキソ-8-(3-ウレイドプロピル)-2-オキサ-4,7,10-トリアザドデカン-12-酸イソプロピル(55)。
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Fmoc-Val-COOH(484mg、1.43mmol、1.1当量)およびTBTU(499mg、1.55mmol、1.2当量)を無水DMF(10mL)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(677μL、3.89mmol、3当量)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌し、次いで無水DMF(5mL)中の化合物54(480mg、1.30mmol)の溶液をシリンジによって加えた。反応混合物を3時間室温で不活性雰囲気下で撹拌した。有機溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール、15:1)に供して所望の生成物55(750mg、84%)を白色の非晶質固体として生じた。
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【0306】
2-(2-(2-アミノ-3-メチルブタンアミド)-5-ウレイドペンタンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(56)。
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化合物55(200mg、0.289mmol)をドライDMF(3mL)に溶解した。ピペリジン(71μL 0.723mmol、2.5当量)を加え、反応混合物を室温で4時間撹拌した。有機溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール、2:1)に供して所望の生成物56(110mg、81%)を白色の非晶質固体として生じた。
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【0307】
2-(2-(2-アセトアミド-3-メチルブタンアミド)-5-ウレイドペンタンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(57)の合成
2-(2-(2-アセトアミド-3-メチルブタンアミド)-5-ウレイドペンタンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(57)。
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化合物56(50mg、0.107mmol)をドライDMF(1mL)に溶解し、この溶液にジイソプロピルエチルアミン(95μL、0.543mmol、5.1当量)続いて無水酢酸(50μL、0.532mmol、5.0当量)を滴下した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。有機溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール、7:1)に供して所望の生成物57(50mg、92%)を黄色の非晶質固体として生じた。
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【0308】
(S)-6-ジアゾ-5-オキソ-2-((((4-(((2S,3R,4S,5S,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)ベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)ヘキサン酸(59)の合成
三酢酸2-(アセトキシメチル)-6-(4-((((6-ジアゾ-1-エトキシ-1,5-ジオキソヘキサン-2-イル)カルバモイル)オキシ)メチル)フェノキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイル(58)。
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2,3,4,6-四酢酸4-[[[(4-ニトロフェノキシ)カルボニル]オキシ]メチル]フェニル-β-D-グルコピラノシド(Angew. Chem. Int. Ed. 2006, 45, 5345-5348で報告されたものと類似の方法を用いて調製、800mg、1.3mmol)をドライDMF(6mL)に溶解し、ドライDMF(3mL)中の化合物20(330mg、1.66mmol、1.3当量)の溶液を滴下した。この反応混合物に、ジイソプロピルエチルアミン(0.91mL、5.2mmol、4当量)を滴下した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。有機溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(クロロホルム:アセトン、7:1)に供して所望の生成物58(596mg、68%)を黄色の非晶質固体として生じた。
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【0309】
(S)-6-ジアゾ-5-オキソ-2-((((4-(((2S,3R,4S,5S,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)ベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)ヘキサン酸エチル(59)。
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化合物58(833mg、1.3mmol)をメタノール(20mL)に溶解し、水中のヒドラジン水和物溶液50〜60%(417μL、7.36mmol、6.0当量)を滴下した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。有機溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(クロロホルム-メタノール7:1)に供して所望の生成物59(240mg、37%)を黄色の非晶質固体として生じた。
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【0310】
2-(2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(60)の合成
2-(2-アセトアミド-3-(1H-インドール-3-イル)プロパンアミド)-6-ジアゾ-5-オキソヘキサン酸イソプロピル(60)。
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化合物38(425mg、1.06mmol、1当量)をドライDMF(8mL)に溶解した。ピリジン(168mg、171μL、2.13mmol、2当量)続いて無水酢酸(130mg、121μL、1.28mmol、1.2当量)をシリンジによって加えた。反応混合物を2時間室温で不活性雰囲気下で撹拌した。DMFを蒸発させた。粗生成物をカラムLC(CHCl
3:MeOH、20:1)によって精製して423mgの生成物60を黄色の非晶質固体(収率90%)として与えた。
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【0311】
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試薬および条件:(a)LiHMDS、FMOC-Cl、THF、-78℃、7aについては87%、7bについては92%;(b)n-BuLi、TMSジアゾメタン、THF、-116〜-78℃、8aについては80%、8bについては85%;(c)ピぺリジン、DCM、室温、2aについては66%および2bについては66%;(d)CH
3CN、60℃、9aについては50%;CDCl
3、室温、一晩、9bについては41%。
【0312】
5-(ジアゾメチル)-3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-カルボン酸エチル(9a)
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スキーム9を参照して、化合物20(117mg、0.588mmol、1当量)をCH
3CN(1mL)に溶解した。反応混合物を2時間60℃で不活性雰囲気下で加熱した。CH
3CNを蒸発させ、粗生成物をHPLC(CH
3CN/H
2O、HCOOH)によって精製して、薄橙色の油(53mg)が収率50%で生じた。
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【0313】
5-(ジアゾメチル)-3,4-ジヒドロ-2H-ピロール-2-カルボン酸イソプロピル(9b)。
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スキーム9を参照して、化合物3(100mg、0.469mmol、1当量)をCDCl
3(2mL)に溶解した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。CDCl
3を蒸発させ、粗生成物をHPLC(CH
3CN/H
2O、HCOOH)によって精製して、薄橙色の油(41mg)が収率45%で取得された。
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【0314】
実施例5
DONプロドラッグの評価
概要。本開示の主題は、GBMのマウスモデルにおけるDONの顕著な有効性を実証しているが明らかな毒性が観察された。DONの治療指数を増加しようとしていくつかのDONプロドラッグを系統的に合成した。最初の手法は、エチルエステル20およびイソプロピルエステル3(
図20)などの単純なアルキルエステルでDONのカルボン酸をマスクすることを伴った。しかしながら、3および20は、特有のジアゾ-イミンを形成するように環化する化学的不安定性を呈した。この不安定性を考慮して、次にDONの第一級アミンおよびカルボキシレートを両方プロドラッグ部分でマスクした。(オキソジオキソレニル)メチルカルバミン酸エステル(13および36)、ジペプチド(9および25)、およびピバロイル-オキシ-メチル(POM)系エステル(14、32および42)を含む3種類のアミンプロ部分を用いた。二重プロ部分含有プロドラッグ(プロ部分を2つ含有するプロドラッグ)は、十分な化学的安定性をもたらし、インビトロ代謝安定性アッセイにおけるさらなる評価を可能にした。すべてのプロドラッグがマウスの血漿においては急速な代謝を呈した一方で、いくつかはサルおよびヒトにおいて優れた血漿中安定性を提供した。インビボで評価された場合は、最も安定したDONプロドラッグ(5c、メチル-POM-DON-イソプロピル-エステル)は、サルにおいてはDONと比べて10倍に高い脳:血漿比を達成し、よってGBM患者におけるDONの利用への見込みある臨床経路を提供する。
【0315】
化学作用。スキーム9は、DONのエステル系プロドラッグ20および3の合成および特性決定、ならびに新規なジアゾ-イミン9a-bへのそれらのその後の環化を概説している。ピログルタミン酸エステル6a-b(D'Andrea, et al., 2008)はFMOC保護され化合物18および1が生じた。ジアゾケトン19および2の形成は、TMSジアゾメタンを用いて良好な収率で達成された。ピペリジンとの急速な脱保護によりエステル系プロドラッグ20および3が生じた。穏やかな条件下(例えば、室温にてクロロホルム中で撹拌)であっても予想外に遅い環化が観察され、新規なジアゾ-イミン9aおよび9bを生じた。これが、化学文献に記載されたこの官能性基の最初の例であると考えられる。アミンをプロトン化するよう塩形成によって20および3の環化を回避しようとするとジアゾ基が不安定性になった。さらに、ほとんどのイミンとは異なり、5員環ジアゾイミン9a-bは、酸性のpHであっても安定であることがわかり、DONエステルには戻らなかった(結果は示さず)。
【0316】
(表3)新規なジアゾ-イミン
[この文献は図面を表示できません]
【0317】
それらの十分な化学的安定性を考慮して、化合物20および3を二重プロ部分プロドラッグ(プロ部分が2つのプロドラッグ)の調製のための合成中間体として利用した(スキーム8および2)。カルバミン酸(オキソジオキソレニル)メチル付加物36および13は、スキーム8および2に概説したように合成した。4-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-1,3-ジオキソル-2-オンをカルボノクロリドチオン酸S-エチル(Keicher, et al., 2009)続いてN-ヒドロキシスクシンイミドと反応させて12を提供した。12との20および3の反応は、カルバミン酸(オキソジオキソレニル)メチルエステル36および13を優れた収率で生じた。
【0318】
スキーム1、4、および7が、DONジペプチドエステルの合成を概説している。DONエステル20および3は、HBTUを用いてFmoc-L-ロイシンまたはFmoc-L-トリプトファンとカップリングされて高収率で保護ジペプチド33および37を形成した(スキーム7)。ジエチルアミンまたはピペリジンによる脱保護は、所望のロイシン-DON25(スキーム4)および9(スキーム1)ならびにトリプトファン-DONプロドラッグ34および38(スキーム7)を生じた。
【0319】
スキーム6に示すように、POM誘導体42は、POM-N-ヒドロキシコハク酸(hydroxysuccinimate)エステル(Gallop, et al., 2008)を用いて20から40%の収率で合成した。POMエステルにおけるメチル基の導入は、追加のキラル中心があるメチル-POM誘導体32(スキーム6)および14(スキーム2)の形成につながった。32および14は両方ピバル酸1-((((2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)オキシ)カルボニル)オキシ)エチルを用いて20および3から合成された(Gallop, et al., 2008)。32は、2つのジアステレオマーの混合物(1:1比)として収率68%で取得された。14もジアステレオマー混合物(1:1)比で取得されたが、その対応するジアステレオマー1および2までさらに精製され、そのうちジアステレオマー1は、下に記載のようにその後の生物学的試験に用いられた。
【0320】
結果および考察。
DONは、マウスGBMモデルにおいてグルタミン代謝の強力な阻害および抗腫瘍効果を示した。GBMにおけるグルタミン代謝を標的とすることの潜在的な治療有効性を表すいくつかの証拠があるにもかかわらず、GBM腫瘍成長に対するDONの効果はインビボでは未だに報告されていない。GBMのU87側腹部異種移植マウスモデルを用いて(Eshleman, et al., 2002)、DON(0.8mg/kg、i.p.)の全身投与が、他のモデル系と同様に腫瘍における内在性グルタミンの蓄積によって反映されるようにグルタミン代謝を阻害することがまず確認された(
図21A;p<0.05)。(Willis, et al., 1977; Windmueller, et al., 1974)次いでその抗腫瘍効果が評価され、DONが腫瘍成長を止めるだけでなく効果的に腫瘍の退縮を誘導することも観察された。具体的には、ビヒクル処置マウスは実験の過程にわたり有意な腫瘍成長を見せた一方で、DONで処置したマウス(0.8mg/kg、i.p、q.d.)は、腫瘍体積の>50%の低下を呈した(
図21B;時間の主な影響[F(3,48)=6.049、p=0.0014];処置[F(1,16)=33.42、p<0.0001];相互作用[F(3,48)=21.70、p<0.0001])。DONは優れた抗腫瘍有効性を呈したが、DONの投与を受けたすべてのマウスが体重減少(12±4.1%)、脊柱後弯、眼瞼下垂、および嗜眠を含む有意な毒性徴候を見せた。これらの知見は、インビトロおよびインビボ両方におけるDONの有効性および毒性の他の報告と一致している。(Fogal, et al., 2015; Cervantes-Madrid, et al., 2015; Potter, et al., 2015)
【0321】
いくつかの単純なDONアルキルエステルプロドラッグは不安定であることがわかった。DONのカルボキシル官能基およびアミン官能基を両方マスクすることが、特定のプロドラッグの安定性を高めた。プロドラッグ手法は、有効性のある薬物の組織への浸透を高めかつ薬物動態パラメータを変更するためにしばしば採用される。実際に、プロドラッグ手法は、承認された世界中の薬物の5〜7%がプロドラッグであるように(Rautio, et al., 2008)薬物開発においては一般的である。DONについての最初のプロドラッグ手法は、エチル20およびイソプロピル3など単純なアルキルエステルでカルボン酸をマスクすることを伴った。これらの2つの誘導体の合成は明快であり、化合物20および3を良好な収率で生じた。DONの化学作用および利用は多数のグループによって60年以上にわたって記載されてきた(Magill, et al., 1957; Dion, et al., 1956; Magill, et al., 1956; Coffey, et al., 1956)ことを考慮すると、これらの単純なDONアルキルエステルが化学文献ではこれまで報告されていなかったことは驚くべきことである。1つの考えられる理由は、20および3が不安定であり、特有のジアゾ-イミン9aおよび9bを形成するようゆっくりと環化することが発見されたことである。これらの2つの特有の誘導体は、酸性のpHであっても化学的に安定であることが分かり、DONプロドラッグとしてのそれらの使用を妨げている。
【0322】
特定の単純なエステルプロドラッグの不安定性を考慮して、DONの第一級アミンおよびカルボキシレート両方がプロドラッグ部分でマスクされた。この二重プロ部分手法が、環化の可能性を排除しかつ潜在的には親油性をさらに向上させると合理的に説明がついた。カルバミン酸(オキソジオキソレニル)メチルエステル(
図20、化合物36、13)、ジペプチド(25および38)、およびピバロイル-オキシ-メチル(POM)系エステル(42、32、14)を含む3種類のアミンプロ部分が用いられた。これらのプロ部分は、それぞれパラオキソナーゼ、アミノペプチダーゼ、およびカルボキシルエステラーゼを含む明確な代謝酵素を標的とするので選ばれた。POM誘導体(表3、42)にさらなる代謝安定性を付与するために、対応するメチル-POM類似体を調製した(32、14)。すべての二重プロ部分含有プロドラッグは、さらなる評価を可能にする十分な化学的安定性を呈した。
【0323】
すべてのDONプロドラッグは、マウスの血漿では急速に代謝されたが、32および14は、ヒトおよびサルの血漿では安定であることが分かった。表3は、DONプロドラッグ36、13、25、9、34、38、42、32および14の血漿中安定性を概説している。すべてのプロドラッグは、60分間のインキュベーション時間内にマウスの血漿では完全に代謝された。しかしながら、サルおよびヒトの血漿では、アミン上にメチル-POMおよびカルボキシレート上にエチルまたはイソプロピルエステルをそれぞれ備えたプロドラッグ32および14は、60分間のインキュベーション時間内でサルの血漿ではプロドラッグの60〜75%が残存し、ヒトの血漿では80〜90%残存するという中程度/高度な安定性を実証した。ヒトの血漿では14が最も良好な安定性プロファイルを有していたことを考慮して、それを薬物動態試験におけるさらなる評価のために選択し、脳に浸透してDONを遊離するその能力についてDONと比較した。
【0324】
(表4)
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【0325】
リードプロドラッグ14は、サルではDONの脳送達を高めたがマウスでは高めなかった。
【0326】
マウスの血漿で完全に代謝されるDONプロドラッグから予想されるように、DON(1)(0.8mg/kg)および14(0.8mg/kg当量)の経口投与が、マウスに投薬した場合は同様のDONの血漿(
図22A)および脳(
図22B)濃度プロファイルを呈することが分かった。血漿におけるDONおよび14の投与に続くDONのAUC
0-tは、それぞれ1.25nmol
*h/mLおよび1.22nmol
*h/mLであり、インビボでは14からのDONの急速かつ完全な遊離を示唆した。マウスの脳では同様に、DONまたは14の投与に続くDONのAUC
0-tは、それぞれ0.57nmol
*h/gおよび0.69nmol
*h/gであり、DONからは脳/血漿がおよそ0.46であったのに対してプロドラッグ14からは0.56であった。これらの薬物動態結果は、マウスの血漿においては14が完全にDONまで変換されることを示唆するインビトロ代謝試験を裏付けた。
【0327】
マウス試験に続いて、サルがヒト血漿中安定性プロファイルをよりよく模倣しているので、DONおよび14aの薬物動態をサルにおいて評価した。ピグテールマカクにおいて、DONおよび14(1.6mg/kgDON当量)のi.v.投与は、有意に異なるDONの血漿中プロファイルを実証した
図23A)。DONの投与は、42.7nmol
*h/mLのAUC
0-tという高い血漿暴露を提供した。対照的に、14の投与は、5.71nmol
*h/mLのAUC
0-tという約7倍低い血漿暴露になるDONを送達した。CSFにおいては、14の投与後には高いDONレベルが観察されるという逆の所見が見られた。CSFにおいては投薬の30分後では、DONの投与は、0.33nmol/g DONをもたらした一方で、14では1.43nmol/g DONを送達した。30分後に血漿対CSF比率を比較すると、14は、DONに対して10倍高いDONのCSF送達を実証した(
図23B)。
【0328】
グルタミンアンタゴニスト6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン(DON、1)は、前臨床および臨床試験において強い抗がん効果を示したが、その開発は著しい全身毒性のために中止された。本明細書においては、毒性が観察されたが、DONは、グルタミン代謝を阻害し、神経膠芽腫のマウスモデルにおいて抗腫瘍効果を提供することが実証された。DONの治療指数を高めるために、プロドラッグ手法を用いてその脳送達を増やし、全身暴露を制限した。意外にも、単純なアルキルエステル系プロドラッグは、特有のジアゾ-イミンを形成するように環化して化学的に不安定なため効果的ではなかった。しかしながら、DONのアミン官能基およびカルボキシル官能基を両方マスクすることが生物学的検査のための十分な化学的安定性を付与した。これらの二重部分プロドラッグは、マウスの血漿では急速な代謝を呈した一方で、いくつかは、サルおよびヒトの血漿では優れた安定性を提供した。最も安定した化合物(14、メチル-POM-DON-イソプロピル-エステル)は、サル、ヒト、ブタおよびイヌからの血漿では安定性が高いが、マウスでは急速に代謝される。サルにおいて等モル用量で評価された場合は、14は、DONと比べて、血漿へ送達されたDONのレベルは低かったが、CSFではレベルは高く、10倍高い脳:血漿比を達成した。この手法は、GBM患者におけるDONの利用へ筋道を提供する可能性がある。
【0329】
参照文献
明細書において言及したすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、本開示の主題が関連する技術分野の当業者の水準を示している。すべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、個々の刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献が参照により組み入れられることが具体的にかつ個別に示されたのと同程度に参照により本明細書に組み入れられる。多くの特許出願、特許、および他の参考文献が本明細書において参照されているが、そのような参照は、これらの文書のいずれかが当技術分野における共通の一般的な知識の一部をなしていることを認めているのではないことが理解されるであろう。明細書と組み込まれた参考文献のいずれかとの間に矛盾がある場合は、本明細書(組み込まれた参考文献に基づいている可能性があるその補正を含めて)が優先するものとする。別途示されていない限り、標準的な当技術分野で許容されている用語の意味が本明細書において用いられる。様々な用語について標準的な略語が本明細書において用いられる。
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【0330】
前述の主題は、理解の明瞭化を目的として図示および例示よってある程度詳細に記載したが、添付の特許請求の範囲内で何らかの変更および改変が実施され得ることが当業者には理解されるであろう。