(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ベアリングブロックは前記移動式支持部に、前記駆動機構又は前記連結機構の少なくとも一方に関連する振動を最小化するように構成された減衰機構を介して連結される、請求項5に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図中、同じ参照符号を有する要素は同じ又は同様の機能を有する。
【0010】
以下の説明において、特定の実施形態を説明するために具体的な詳細事項を示すことができる。しかしながら、当業者であればわかるように、開示されている実施形態は、これらの具体的な詳細事項の一部又は全部がなくても実施されてよい。本明細書において、具体的及び/又は例示的であるが、限定的ではない実施形態を提示できる。当業者は、本明細書に特に記載されていないその他の主題も本開示の範囲と主旨に含められることに気付くであろう。
【0011】
本開示は、光学アレイを使って光源からのシングルビームを分割する機器、システム、及び方法を説明する。各々が光ビームの一部を反射させ、光ビームの一部を透過させる1つ又は複数の光学素子を有する光学アレイ。それゆえ、光源からのシングルビームは、反射光ビームと透過光ビームとに分割できる。これらの反射及び透過光ビームは、手術コンソール又はその照明サブシステムの異なるポートへと向けることができる。照明機器の光ファイバは、ポートのうちの1つに連結できる。照明機器は、反射又は透過ビームを、患者の眼等の術野に送達して、その術野を照明できる。光学アレイの光学素子は、異なる量の光を反射及び透過させることができる。それゆえ、各ポートに送達される光の量は、光と相互作用する光学素子に依存することができる。光学アレイは、光ビームが所望の光学素子と相互作用するように移動できる。モータ等の駆動機構は、光学アレイを移動させることができる。光学アレイと駆動機構は各々、中間移動式支持部に接続できる。駆動機構は、光学アレイがそれに対応して移動するように移動式支持部を移動させることができる。駆動機構は、ベルトプーリシステム、ラックアンドピニオンシステム、及び親ねじとベアリングブロックのシステム等の連結機構を介して移動式支持部に運動を付与することができる。
【0012】
本開示の機器、システム、及び方法は多くの利点を提供し、これには(1)駆動機構を中間移動式支持部に連結することにより、駆動機構の振動から生じる光ビームの歪みが最小化されること、(2)比較的高精度の連結機構で光学アレイを移動させることにより、光の配向が改善されること、(3)駆動機構と光学アレイを中間移動式支持部に連結することにより、異なる構成要素の誤差の複合的な影響が最小化されること、及び(4)高い安定性の結果として、光ビームに関する狭い誤差要件を実現できること、が含まれる。
【0013】
図1及び2は、例示的な眼科用照明システム100を示している。
図1は、眼科用照明システム100の概略図とすることができる。
図2は、眼科用照明システム100の照明サブシステム110の概略図とすることができる。眼科用照明システム100は、ビームガイド130を含むことができる。ビームガイド130は、移動式支持部150と、移動式支持部150に連結される光学アレイ140を含むことができる。光学アレイ140は、光源120からの光ビーム122と相互作用するように位置付けることができる。光学アレイ140は、
図3A〜9に示されているような光学素子142、144、146、148のうちの1つ又は複数等、複数の光学素子を含むことができる。光学素子の1つは、光学ビーム122のうち第一の関連する量を反射及び透過させるように構成できる。光学素子の別の1つは、光ビーム122のうち第二の関連する量を反射及び透過させるように構成できる。光ビーム122の第一及び第二の関連する量は異なるようにすることができる。ビームガイド130はまた、移動式支持部150に連結された駆動機構170を含むことができる。例えば、駆動機構170は、連結機構160を介して移動式支持部150に連結できる。駆動機構170は、移動式支持部150に光学アレイ140を選択的に移動させるように構成できる。光ビーム122は、光学素子の1つに選択的に入射させることができる。
【0014】
眼科用照明システム100は、前眼部への処置、後眼部への処置、網膜硝子体への処置、白内障の処置、及び/又はその他の所望の処置を含む各種の眼科手術を施行するために使用できる。術野は、前眼部、後眼部、角膜、水晶体、硝子体眼房、透明膜、血管、網膜、粘膜、小窩、中心窩、傍中心窩、周中心窩、視神経乳頭、眼杯、及び/又はその他の生物組織を含む患者の眼の何れの適当な生理機能部位を含むこともできる。
【0015】
光源120は、光ビーム122を発して術野を照明するように構成できる。光源120としては、スーパコンティニウムレーザ光源等のレーザ光源、白熱電流、ハロゲン電球、メタルハライド電球、キセノン電球、水銀ランプ電球、発光ダイオード(LED)、その他の適当な光源、及び/又はそれらの組合せを含むことができる。例えば、光源120は、明るい、広帯域の、及び/又は白色光を術野へと発するように構成できる。光源120は、可視光、赤外線、紫外(UV)線等、何れの適当な波長の光を発するようにも構成できる。例えば、光ビーム122の波長は、約250nm〜約2500nm、約250nm〜約750nm、約380nm〜約750nm、約750nm〜約2500nm、及び/又はそれより大小の両方を含めた他の適当な数値とすることができる。光源120は、波長可変又は波長掃引光源とすることができる。光源120は、固定波長光源とすることができる。光源120は、光ビーム122の波長又は色を変化させるように構成されるレンズ、ミラー、フィルタ、及び/又は回折格子等の光学部と通信できる。光ビーム122は、コリメートビームとすることができる。それに関して、照明サブシステム110は、1つ又は複数のレンズ、ミラー、フィルタ、及び/又は回折格子を有するコリメータ等、光ビーム122をコリメートするための1つ又は複数の追加の光学構成要素を含むことができる。光源120は、照明サブシステム110の筐体内に固定することができる。その結果、光ビーム122は、固定位置に向けることができる。本明細書に記載されているように、光学アレイ140は、光ビーム122に関する光学素子142、144、146、148の適正な位置付け、水平さ、及び/又は整列状態を保つような方法で光ビーム122の光路の中に移動させることができる。
【0016】
一般に、ビームガイド130及び/又は光学アレイ140は、ビームスプリッタとして特徴付けることができる。例えば、ビームガイド130及び/又は光学アレイ140は、光ビーム122を透過ビーム124と反射ビーム126に分割できる。本明細書に記載されているように、光ビーム122のうち透過及び/又は反射する量又は割合は、光ビーム122と相互作用する光学素子(例えば、光学素子142)によって決定できる。透過ビーム124と反射ビーム126は、それぞれ異なる光路に関連付けることができる。各光路は、透過ビーム124又は反射ビーム126をさらにマルチビームに分割するためのビームスプリッタ又はビームガイド等の追加の構成要素を含むことができる。各光路はまた、所望の特性を有する光を術野に送達しやすくするためのフィルタ、集光器、及び/又はその他の光学素子も含むことができる。
【0017】
再び
図1及び2を参照すると、透過ビーム124は、ポート112へと向けることができる。反射ビーム114は、ポート114へと向けることができる。ポート112、114は、照明サブシステム110の筐体の外部に配置できる。光学アレイ140、移動式支持部150、連結機構160、駆動機構170、及びベースプレート170の他、光源120は照明サブシステム110の筐体内に位置付けることができる。照明機器260の光ファイバ262は、ポート112において照明サブシステム110に連結できる。透過ビーム124は、ポート112において光ファイバ262に送達できる。照明機器270の光ファイバは、ポート114において照明サブシステム110に連結できる。反射ビーム126は、ポート114において光ファイバ272に送達できる。照明機器260及び/又は照明機器270は、術野を選択的に照明できる。例えば、使用者は、それぞれポート112、114における光の送達を選択的に有効化又は無効化することによって照明機器260、270の何れかを選択できる。使用者は、外科医、その他の医療専門家、又は技術者とすることができる。ある時点で、光ファイバ262、272の一方又は両方を使用できる。光ファイバ262、272は、単一の照明機器に連結できる。照明機器260及び/又は270は、スポット照明装置、シャンデリア照明装置、眼内照明装置、及び/又はその他の適当な照明プローブとすることができる。
【0018】
光ファイバ262及び/又は272は、外科用プローブに連結できる。例えば、外科用プローブと光源120は、レーザビーム送達システム、光凝固システム、光線力学的治療システム、網膜レーザ治療システム等の治療用ビーム送達システムの一部の一部とすることができる。
【0019】
図1に関して、光学アレイ140は、光ビーム122と相互作用して光を分割し、反射及び/又は透過させるように構成された1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上の光学素子を含むことができる。光学アレイ140は、光ビーム122の光路内に位置付けて、光ビーム122を横切るようにすることができる。3つの光学素子(例えば、光学素子142、144、146)を含む光学アレイ140を
図3A〜6Cに示すことができる。2つの光学素子(例えば、光学素子142、144)を含む光学アレイ140を
図7に示すことができる。4つの光学素子(例えば、光学素子142、144、146、148)を含む光学アレイ140を
図8に示すことができる。1つの光学素子(例えば、光学素子142)を含む光学アレイ140を
図9に示すことができる。光学素子142、144、146、148の1つ又は複数は、ガラス、石英ガラス、隕石ガラス、ゲルマニウム、蛍石、プラスチック、高屈折率プラスチック、トライベックス、アクリル、ポリカーボネート、又はその他の適当な材料で製作し、又はこれを含むことができる。光学素子142、144、146、148は、相互に隣接して水平、垂直、及び/又はその他の適当な構成で位置付けることができる。光学素子142、144、146、148は、例えば接着剤又は機械的アタッチメントを利用して相互に連結できる。
【0020】
光学素子142、144、146、148は、光ビーム122のうちの関連する量又は割合を反射及び透過させるように構成できる。それに関して、光学素子142、144、146、148の各々は、光ビーム122のうちの異なるパーセンテージ、例えば約1%〜約99%、約10%〜約90%、約20%〜約80%、及び/又はそれより大小の両方を含むその他の適当な数値を反射及び透過させるように構成できる。反射及び透過させられる光の量は、不完全な反射/透過の結果としてのあらゆる損失を含めてその合計が100%と等しくなるという点で関連付けることができる。例えば、光学素子142は、入射光の75%を反射させ、25%を透過させるように構成できる。その結果、反射ビーム126は、光ビーム122のパワーの75%を有することができ、透過ビームは光ビーム122のパワーの25%を有することができる。例えば、光学素子144は、光ビーム122の50%を反射させ、50%を透過させるように構成できる。例えば、光学素子146は、光ビーム122の25%を反射させ、75%を透過させるように構成できる。本明細書に記載されているように、使用者は光学アレイ140及び/又は光学素子142、144、146、148を光ビーム122の光路内に選択的に移動させて、光ビーム122が所望の方法で分割されるようにすることができる。例えば、光の所望の量をそれぞれ透過ビーム124と反射ビーム126としてポート112、114へと向けることができる。
【0021】
光学素子142、144、146、148は、光ビーム122の部分的な透過及び部分的反射を容易にするように適当に配置できる。例えば、光学素子142、144、146、148は、ガラスプリズム、金属コーティングミラー、ダイクロイックフィルタ、ダイクロイックミラー、ダイクロイックミラー付きプリズム、ノッチフィルタ、ホットミラー、及び/又はコールドミラーを含むことができる。光学素子142、144、146、148は、1つ又は複数の光学コーティング及び/又は埋設粒子を含むことができる。それに関して、光学コーティング及び/又は埋設粒子は、所望の透過/反射量を実現するように選択及び/又は適用できる。光学コーティング及び/又は埋設成分としては、プラスチック、酸化金属、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、フッ化ナトリウムアルミニウム、天然及び/又は合成染料、有機及び/又は無機染料、コロイド状染料、希土類遷移元素、又はその他の適当な材料を含むことができる。光学素子142、144、146、148は、光ビーム122を、多層誘電コーティングを用いる等、干渉に基づいて分割できる。光ビーム122の透過と反射は、波長依存とすることができる。例えば、光学素子142、144、146、148は、ロングパス、ショートパス、バンドパス、バンドストップ、及び/又はその他の適当なフィルタとすることができる。光学素子142、144、146、148は、堆積金属を使って光ビーム122を分割できる。光学素子142、144、146、148上の堆積金属のパターン及び/又は密度で、反射及び透過の量を決定できる。光学素子142、144、146、148上に材料を堆積させるために、何れの適当なプロセスでも使用でき、これには物理気相成長法、化学気相成長法、化学吸着法、物理吸着法、ディップコーティング、溶剤蒸発法、及び/又はその他の適当なプロセスが含まれる。
【0022】
図2、3A、3B、4、及び5に関して、移動式支持部150は、それに連結される眼科用照明システム100の1つ又は複数の構成要素を有するような大きさ及び形状とすることができる。
図3A及び3Bは、移動式支持部150を含むビームガイド130の上面図とすることができる。
図4は、移動式支持部150を含むビームガイド130の正面図とすることができる。
図5は、移動式支持部150を含むビームガイド130の別の上面図とすることができる。移動式支持部150は、鋼鉄を含む金属等の何れの適当な材料で製造することもできる。移動式支持部150は、光学アレイ140、駆動機構170、及び/又は連結機構160のための中実で安定な中間基礎を提供するように構成できる。例えば、光学アレイ150は、接着剤、機械的継手、及び/又はそれらの組合せを使って移動式支持部150に機械的に取り付けることができる。例えば、光学アレイ150は、移動式支持部150にしっかりと、及び/又は剛体的に連結できる。連結機構160の全部又は一部及び/又は駆動機構170の全部又は一部は、移動式支持部150に機械的に連結できる。それに関して、連結機構160及び/又は駆動機構170は、移動式支持部150に直接又は間接に連結できる。移動式支持部150は、スムーズに、予測可能に、及び/又は規則的に並進移動するように構成できる。それに関して、移動式支持部150はベースプレート180に移動可能に連結できる。例えば、移動式支持部150とベースプレート180との間に配置されたラジアル又は円錐軸受けにより、移動式支持部150をベースプレート180に関して並進移動させやすくすることができる。移動式支持部150は、ベースプレート180に関して左右及び/又は上下に移動するように構成できる。移動式支持部150は、直線に沿って、又はある平面内において、等、1つ又は複数の方向に移動できる。
【0023】
ベースプレート180は、それに連結された眼科用照明システム100の1つ又は複数の構成要素を有するような大きさ及び形状とすることができる。例えば、ベースプレート180は、移動式支持部150、連結機構160、及び/又は駆動機構170のための中実で安定な基礎とすることができる。連結機構160及び/又は駆動機構170の全部又は一部は、ベースプレート180に機械的に取り付けることができる。例えば、連結機構160及び/又は駆動機構170の全部又は一部は、ベースプレート180にしっかりと、及び/又は剛体的に連結できる。ベースプレート180は、照明サブシステム110の筐体及び/又は手術コンソール240の筐体に関して固定及び/又は不動化することができる。ベースプレートは、移動式支持部150、連結機構160、及び/又は駆動機構170の適正な位置付け、水平化、及び/又は整列を容易にする精密研削された上面を有することができる。例えば、移動式支持部150はベースプレート180の水平な上面に沿って並進移動でき、それによって光ビームは光学アレイ140と整列された状態に保たれる。
【0024】
駆動機構170は、移動式支持部150に動きを付与するように構成された、何れの適当な機器とすることもできる。例えば、駆動機構170は電気モータ等のモータ310とすることができる。駆動機構170は、移動式支持部150に直接又は間接に連結して、移動式支持部150が光学アレイ140を選択的に並進移動させるようにすることができる。駆動機構170を光学アレイ140に直接取り付けることは回避できる。駆動機構170は、有利な態様として、連結機構160を介して移動式支持部150に連結できる。例えば、駆動機構170は、連結機構160のある構成要素に直接取り付けることができる。駆動機構の不要な機械的属性、例えば振動及び/又は位置ずれは、光学アレイ140ではなく、連結機構160及び/又は移動式支持部150に生じるようにすることができる。駆動機構170は、歯車減速を行うためのギアボックス312を含むことができ、それによって駆動機構170及び/又は移動式支持部150の動きに関連する速度、加速、及び/又はその他の属性を制御できる。
【0025】
連結機構160は、駆動機構170と移動式支持部150を連結する機械的要素の何れの適当な組合せを含むこともできる。連結機構160はまた、移動式支持部150の動きと駆動機構170の動きの結果として、光学アレイ140がそれに対応して動きやすくすることもできる。光学アレイ140は、使用者の入力に応答して移動させることができ、それによって光ビーム122は所望の光学素子と相互作用して、透過ビーム124及び反射ビーム126を生成する。透過ビーム124と反射ビーム126は、使用者の照明の必要性に基づいて、光ビーム122からの光の量又は比率等、所望の特性を有することができる。
【0026】
移動式支持部150を移動させるステップは、連結機構160を作動させるステップを含むことができる。これに関して、連結機構160の1つ又は複数の構成要素を駆動機構170に直接取り付けることができる。連結機構160の1つ又は複数の構成要素は、駆動機構170に直接取り付けることができる。いくつかの例において、連結機構160はベルトプーリシステムを含むことができる。ベルトプーリシステムは、少なくとも2つのスピンドルを含むことができ、これには駆動スピンドル、駆動プーリ、従動プーリ、及び1つ又は複数のベルトが含まれる。駆動スピンドル及び/又は駆動プーリは、モータ310及び/又はギアボックス312等の駆動機構に機械的に連結できる。1つ又は複数のベルトは、駆動プーリと従動プーリとの間に延びるようにすることができる。駆動プーリの回転によって、従動プーリを回転させることができる。従動プーリは、1つ又は複数の歯車に機械的に連結できる。1つ又は複数の歯車は、移動式支持部150に連結して、移動式支持部150を並進させるように構成できる。移動式支持部150の並進移動により、光学アレイ150をそれに対応して並進移動させることができる。
【0027】
図3A、3B、及び4に示されている連結機構130は、ラックアンドピニオンシステムとすることができる。
図3A及び3Bは、ビームガイド130の上面図とすることができる。
図4は、ビームガイド130の正面図とすることができる。移動式支持部150は、ベースプレート180に移動可能に連結できる。光学素子142、144、146を含む光学アレイ140は、移動式支持部150に直接取り付けることができる。モータ310とギアボックス312は、ベースプレート180に直接取り付けることができる。ピニオン322は、例えばシャフトカプラを介してモータ310のシャフト314に機械的に連結できる。光学アレイ140は、シャフト314に直接取り付けられない。モータ310を作動させると、シャフト314が回転でき、それによってピニオン322が回転する。ピニオン322は、ラック320に機械的に係合させることができる。例えば、ピニオン322の歯は、ラック320の歯と機械的に係合させることができる。ラック320は、移動式支持部150に機械的に連結し、及び/又は直接取り付けることができる。ピニオン322の回転は、ラック320を並進移動させることができる。例えば、ピニオン322の時計回り又は反時計回り方向への回転によって、ラックをそれぞれ方向302又は方向304に並進移動させることができる。ラック320と移動式支持部150との間の機械的連結により、移動式支持部150は、ラック320が移動するとそれに対応して移動できる。例えば、移動式支持部150は方向302、304に並進移動できる。同様に、光学例140と移動式支持部150との間の機械的連結により、光学アレイ140は、それに対応して方向302、304に並進移動できる。
【0028】
図3A及び3Bに示されているように、光源120からの光ビーム122は、光学素子144と相互作用して、透過ビーム124と反射ビーム126を生成できる。光学アレイ140は方向302に並進移動でき、その一方で、光ビーム122は静止したままであり、それによって光ビーム122が光学素子146と相互作用する。光学アレイ140は方向304に並進移動でき、その一方で、光ビーム122は静止したままであり、光ビーム122は光学素子142と相互作用する。透過ビーム124と反射ビーム126の特性は、それぞれの光の量を含め、光ビーム122が光学素子142又は146と相互作用するときに光学素子144と比較して異なるようにすることができる。
【0029】
図3Aに示されているように、光ビーム122は、光学素子142に関する入射角αにより特徴付けることができる。反射ビーム126は、光学素子142に関する半射角βにより特徴付けることができる。反射の法則により、入射角αは半射角βと等しくすることができる。透過ビーム124と反射ビームは角度γだけ分離させることができる。角度γは事前に決定でき、90°等の数値を含むことができる。
【0030】
図5に示されている連結機構130は、親ねじと軸ベアリングブロックのシステムとすることができる。
図5は、ビームガイド130の上面図とすることができる。移動式支持部150は、ベースプレート180に移動可能に連結できる。光学素子142、144、146を含む光学アレイ140は、移動式支持部150に直接取り付けることができる。モータ310とギアボックス312は、ベースプレート180に直接取り付けることができる。親ねじ340はモータ310のシャフトに、例えばシャフトカプラ318を介して機械的に連結できる。エンドベアリング344は、ベースプレート180にしっかりと、直接取り付けることができる。親ねじ340は、モータ310のシャフトとエンドベアリング344との間に延びるようにすることができる。ベアリングブロック342は、親ねじ340と機械的に係合できる。例えば、親ねじ340は、何れかの雄ねじを有することができ、ベアリングブロック342はそれに対応する雌ねじを有することができる。アクメねじを含む何れの適当なねじでも、親ねじ340とベアリングブロック342に利用できる。ベアリングブロック342は、親ねじ340に沿って移動するように構成できる。例えば、ベアリングブロック342は、親ねじ340の時計回り及び反時計回り方向の回転の結果として、親ねじ342に沿って方向302、304に並進移動するように構成できる。モータ310を作動させると、親ねじ314は回転でき、それによってベアリングブロック342が移動する。ベアリングブロック342は、移動式支持部150に機械的に連結できる。したがって、ベアリングブロック342の時計回り又は半時計回り方向の回転により、移動式支持部150を方向302、304の一方又は他方に並進移動させることができる。同様に、光学アレイ140と移動式支持部150との間の機械的連結によって、光学アレイ140はそれに対応して方向302、304へと並進移動できる。
【0031】
図5において、光源120からの光ビーム122は光学素子146と相互作用して、透過ビーム124と反射ビーム126を生成できる。光学アレイ140は方向340に並進移動することができ、その一方で、光ビーム122は静止したままであり、それによって光ビーム122が光学素子144と相互作用する。光学アレイ140は、方向304にさらに並進移動することができ、その一方で光ビーム122は静止したままであり、それによって光ビーム122は光学素子142と相互作用する。それぞれの光の量を含めた透過ビーム124と反射ビーム126の特性は、光ビーム122が光学素子142又は144と相互作用するときに、光学素子146と比較して異なるようにすることができる。
【0032】
ベアリングブロック342は、減衰機構350を介して移動式支持部150に連結することができる。一般に、減衰機構350は、移動式支持部150と、連結機構160の1つ又は複数の素子との間の中間構成要素とすることができる。例えば、減衰機構350は、移動式支持部150とベアリングブロック342との間の中間構成要素とすることができる。減衰機構350は、モータ314等の駆動機構170及び/又は親ねじ340及び/又はベアリングブロック342等の連結機構160に関連する振動を最小化するように構成できる。減衰機構350は、ベルトプーリシステム及びラックアンドピニオンシステムを含む何れの適当な連結機構130とも一緒に実装できる。
【0033】
図3B及び5に示されているように、ビームガイド130は、光学アレイ140に隣接して位置付けられたスタビライザ330を含むことができる。スタビライザ330は、移動式支持部150の移動中に、光学素子142、144、146の望ましくない移動を最小化することによって、光学アレイ140を安定化させるように構成できる。スタビライザ330は、光学素子142、144、146を取り付けるための裏打ち板とすることができる。スタビライザ330は、光学素子142、144、146の各々について提供することができ(
図3A)、又はスタビライザ330は、光学素子142、144、146の全部のために提供することもできる(
図5)。スタビライザ330は、移動式支持部150に直接連結できる。
【0034】
図3Aに示されているように、ビームガイド130は、光学アレイ140に隣接して位置付けられたカウンタスタビライザ332を含むことができる。例えば、カウンタスタビライザ332は、スタビライザ330に関して光学アレイ140の反対側に位置付けることができる。カウンタスタビライザ332は、移動式支持部150の移動中に、光学素子142、144、146の望ましくない移動を最小化することによって光学アレイ140を安定化させるように構成できる。例えば、スタビライザ330は、移動式支持部150の移動中等に、光学アレイ140をカウンタスタビライザ332に押し付けて、光学素子142、144、146の望ましくない移動を制限することができる。カウンタスタビライザ332は、移動式支持部150に直接連結できる。カウンタスタビライザ332は、光学素子142、144、146の前面を横切って延びるような大きさ及び形状とすることができる。光ビーム122は、前面に入射するようにすることができる。カウンタスタビライザ332は、光ビーム122がそれと相互作用しないように、透明にすることができる。むしろ、光ビーム122はカウンタスタビライザ332を透過し、光学素子142、144、又は146と相互作用することができる。
【0035】
ビームガイド130は、光学アレイ140及び/又は駆動機構170の位置を判断するように構成された位置センサを含むことができる。位置センサは、光学アレイ140及び/又は駆動機構170の位置を追跡して、光ビーム122と光学アレイ140を確実に適正に整列させることができる。位置センサは、
図3Bに示されるように、エンコーダ316とすることができる。エンコーダ315は、モータ310のシャフト314の角度位置を判断し、追跡することができる。移動式支持部150及び/又は光学アレイ140の位置は、シャフト314の角度位置に基づいて判断できる。位置センサは、光学アレイ140及び/又は駆動機構170の位置を判断し、追跡するためのレーザ干渉計、ホール効果センサ、又はその他の適当な機構とすることができる。コンピューティングデバイス210は、光学アレイ140及び/又は駆動機構170の検出された位置を利用して、使用者の入力に基づき、移動式支持部150及び/又は光学アレイ140を移動させる駆動機構170のための制御信号を生成することができる。
【0036】
図6A〜6Cは、光学アレイ170の正面図とすることができ、光ビーム122と光学素子142、144、146の相対的整列を示している。光学素子142、144、146は、同様の大きさ及び形状とすることができる。光学素子142、144、146は、光ビーム122の断面全体がそれとそれぞれ相互作用するような大きさ及び形状とすることができる。光学アレイ140は、本明細書に記載されているように移動させ、その一方で、光ビーム122は光学素子142、144、146に関して適正に整列されたままとすることができる。例えば、光ビーム122は、光学素子142、144、146の中で中央に位置付けて、光ビーム122を透過及び反射させやすくすることができる。
図6Aにおいて、光ビーム122は光学素子146と相互作用できる。駆動機構170を作動させ、連結機構160を操作し、移動式支持部150を移動させ、それに対応して光学アレイ140を移動させることによって、光ビーム122が光学素子144(
図6B)と光学素子142(
図6C)に選択的に入射するようにできる。光学素子142、144、146は各々、光ビーム122のうちの異なる量を反射及び透過させることができる。光学アレイ140は、使用者の照明の必要性に基づいて使用者の入力に応答して移動させることができる。例えば、使用者は、ポート112及び114の各々に向けられる光の量を決定できる。使用者は、入力デバイス220(
図1)において使用者の入力を提供でき、これは光のうち、ポート112及び114の各々に向けられる量を示す。使用者の入力に応答して、コンピューティングデバイス210は、駆動機構170のための制御信号を生成できる。駆動機構170は、光学アレイ140を移動させて、光ビーム122が光の所望の量をポート112及び114の各々に方向付けることになる光学素子142、144、又は146に選択的に入射するようにできる。
【0037】
光学アレイ140は様々な方法で配置できる。例えば、
図7の光学アレイ140は光学素子142、144を含むことができる。光学素子142、144は、同様の大きさ及び形状とすることができる。光学素子142、144は、
図6A〜6Cの光学素子142、144、146より大きくすることができる。光ビーム122は、光学素子144に入射できる。光学アレイ140の移動により、光ビーム122が光学素子140に選択的に入射するようにできる。
【0038】
図7の光学アレイ140は、光学素子142、144、146、148を含むことができる。光学素子142、144、146、148は、異なる大きさとすることができる。例えば、光学素子142は、光学素子144、146、148より狭くすることができる。光学素子144は、光学素子142、146、148より広くすることができる。光ビーム122は、光学素子146及び148の両方と相互作用するように位置付けることができる。光学素子146及び148の特性は、光ビーム122とのこのような同時の相互作用によって光の反射及び透過量に関する所望の特性を提供することができる、というものとすることができる。
【0039】
一般に、光学素子142、144、146、148は、光ビーム122との相互作用を容易にするような大きさ、形状とし、そのような何れの方法でも配置することができる。例えば、
図9の光学アレイ140は、光学素子142を含む。コーティング又は埋設粒子は、光学素子142の上に階調的に配置できる。反射及び透過光の量の連続的変化は、光学アレイ140が光ビーム122に関して移動すると得られる。例えば、光学ビーム122が光学素子142の側部143により近い位置で相互作用すると、光ビーム122は完全に、又はほぼ完全に透過でき、ほとんど、又は全く反射されない。光学ビーム122が光学素子142の側部145により近い位置で相互作用すると、光ビーム122は完全に、又はほぼ完全に反射でき、ほとんど、又は全く反射されない。
【0040】
図1に関して、照明サブシステム110、光源120、ビームガイド130、及び/又はコンピューティングデバイス210は、手術コンソール240に組み込むことができる。外科医は、手術コンソール240を使って、眼科手術に関連する1つ又は複数のパラメータを制御できる。手術コンソール240の1つ又は複数の構成要素は、筐体に連結し、及び/又はその中に配置することができる。筐体は、眼科手術中に患者の近くに位置付けることができるように可動式とすることができる。筐体は、空気圧、光学、流体、及び/又は電気供給ラインを含むことができ、それによって眼科用照明システム100の構成要素間の通信が容易となる。
【0041】
コンピューティングデバイス200は、光源120と駆動機構170を含む照明サブシステム110と通信することができる。コンピューティングデバイス200はまた、入力デバイス220と通信することもできる。コンピューティングデバイス200は、制御信号を生成して眼科用照明システム100の構成要素にそれを送信し、及び/又はそこから入力又は状態信号を受信するように構成することができる。例えば、コンピューティングデバイス200は、光源120の作動と停止、駆動機構170の作動と停止、ポート112、114への光の選択的透過、光ファイバ262、272による光の選択的透過の他、光源120により発せられる光の強度、波長、及び/又はその他の特性を制御できる。それに関して、光源120と駆動機構170は、コンピューティングデバイス210と電気通信することができる。コンピューティングデバイス210は、プロセッサ212とメモリ214を有する処理回路を含むことができる。プロセッサ212は、メモリ214に記憶されているようなコンピュータ命令を実行して、眼科用照明システム100の各種の構成要素を制御することができる。プロセッサ212は、標的デバイスコントローラ及び/又はマイクロプロセッサとすることができる。半導体メモリ、RAM、FRAM、又はフラッシュメモリ等のメモリ214は、プロセッサ212とインタフェースにより接続できる。そのため、プロセッサ212は、メモリ214に書き込み、そこから読み取り、メモリ214の管理に関連するその他の一般的な機能を実行できる。コンピューティングデバイス210の処理回路は、ロジック機能を実行できる、電源、入力、及び出力ピンを備える集積回路とすることができる。コンピューティングデバイス210は、それと通信する表示装置230に表示データを出力することができる。表示装置230は、眼科手術中にシステムの動作及びパフォーマンスに関するデータを表示するように構成できる。
【0042】
プローブサブシステム252は、コンピューティングデバイス210と電気通信することができる。プローブサブシステム252は、プローブ250の操作を容易にする様々な構成要素を含むことができる。使用者は、術野内でプローブ250を利用し、1つ又は複数の外科的手技を施行することができる。例えば、プローブ250は、切開切除プローブ、硝子体切除プローブ、超音波水晶体乳化吸引プローブ、レーザプローブ、焼灼プローブ、真空プローブ、潅流プローブ、はさみ、鉗子、吸引機器、及び/又はその他の適当な手術器具とすることができる。プローブ250は、プローブサブシステム252と機械的、電気的、空気圧、流体、及び/又はその他の適当な方法により通信、連通することができる。
【0043】
入力デバイス220は、コンピューティングデバイス210と通信することができる。入力デバイス220は、駆動機構170の作動、移動式支持部150の移動、光学アレイ140の移動、光学素子142、144、146、148の選択、光ビーム122と選択された光学素子142、144、146、148との相互作用、透過ビーム124及び反射ビーム126に関連するそれぞれの光の量、光源120の作動/停止、及び/又は本明細書に記載されているその他の特徴を含め、使用者が眼科用照明システム100を制御できるように構成できる。入力デバイス220は、各種のオン/オフスイッチ、ボタン、トグル、ホイール、デジタルコントール、タッチスクリーンコントロール、又はその他のユーザインタフェース構成要素の何れを含むこともできる。入力デバイス220は、手術コンソール240上に一体に配置できる。表示装置230は、入力デバイス220とすることができる。入力デバイス162は、例えば、非限定的な例として、手術用フットスイッチ、遠隔操作デバイス、タッチスクリーン制御デバイス、及び/又はその他のコンピューティングデバイス等の個別の構成要素とすることができる。入力デバイス220は、受け取った使用者の入力に基づいて入力信号を生成し、送信できる。コンピューティングデバイス210は、入力信号を受信し、処理できる。コンピューティングデバイス210は、制御信号を生成し、照明サブシステム110、光源120、駆動機構170、プローブサブシステム172、及び表示装置168に送信することができる。例えば、使用者は入力デバイス180で、ポート112、114の各々において利用可能となるそれぞれの光の量を示す使用者の入力を提供できる。例えば、使用者の入力は、ポート112で光ビーム122の50%、ポート114で50%と指定することができる。使用者の入力に応答して、コンピューティングデバイス210は、移動式支持部150と光学アレイ140を移動させて、ポート112、114に所望の量の光を提供する光学素子が光ビーム122と相互作用するようにするための制御信号を生成し、送信することができる。光学アレイは、所望の特性を有する透過ビーム124と反射ビーム126をそれぞれポート112、114へと案内できる。
【0044】
本明細書に記載されている実施形態は、光を選択的に案内し、分割して、手術コンソールの筐体及び/又は照明サブシステムのポートに案内するための機器、システム、及び方法を提供することができる。入射ビームからの光は、異なる量の光を反射及び透過させる複数の光学構成要素を有する光学アレイによって分割できる。上述の例は、限定的ではなく、例示的な性質のものとすることができる。当業者であれば、開示されている実施形態と矛盾しないその他のシステムも容易に着想できるかもしれず、これも本開示の範囲内に含めるものとする。したがって、本願は以下の特許請求の範囲によってのみ限定できる。