(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6863986
(24)【登録日】2021年4月5日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】医療器具及び医療器械
(51)【国際特許分類】
A61B 17/70 20060101AFI20210412BHJP
【FI】
A61B17/70
【請求項の数】28
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-528693(P2018-528693)
(86)(22)【出願日】2016年12月2日
(65)【公表番号】特表2018-537195(P2018-537195A)
(43)【公表日】2018年12月20日
(86)【国際出願番号】EP2016079616
(87)【国際公開番号】WO2017093497
(87)【国際公開日】20170608
【審査請求日】2019年11月28日
(31)【優先権主張番号】102015120955.1
(32)【優先日】2015年12月2日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】502154016
【氏名又は名称】アエスキュラップ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001069
【氏名又は名称】特許業務法人京都国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カイ フィッシャー
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン リンドネール
(72)【発明者】
【氏名】スヴェン クリューゲル
【審査官】
宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2015/0066088(US,A1)
【文献】
特表2015−515346(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0077155(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0265212(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0226284(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0107659(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00 − 17/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのシャンク形又はスリーブ形器具(38)に一時的に連結するための医療器具(72)であって、
第1のシャンク形又はスリーブ形器具(38)に一時的に連結するための第1連結装置(76)と、第2のシャンク形又はスリーブ形器具(38)に連結するための第2連結装置(78)とを含み、
前記第1連結装置(76)及び前記第2連結装置(78)が、互いに対して枢動可能であるように配置又は形成され、
前記医療器具(72)が、本体(80)を備え、該本体(80)上で、前記第1連結装置(76)が、空間的に前記本体(80)から遠く離れている回転点(82)の周りで枢動可能であるように案内及び支持され、
前記医療器具(72)が、円形路(116)に沿った前記第1連結装置(76)の移動を案内するための第1ガイド装置(114)を備え、
前記第1ガイド装置(114)が、前記本体(80)上に少なくとも部分的に配置又は形成される、
医療器具(72)において、
前記第1ガイド装置(114)が、2つ以上の円弧形ガイド溝(118、120)を含むこと、を特徴とする医療器具(72)。
【請求項2】
請求項1に記載の医療器具であって、
a)前記第1連結装置(76)及び前記第2連結装置(78)が、互いに対して変位可能であるように配置又は形成されること、
及び/又は
b)前記第2連結装置(78)が、前記本体(80)上で変位可能に案内及び支持されること、
を特徴とする医療器具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の医療器具であって、前記第1連結装置(76)及び/又は前記第2連結装置(78)が、シャンク形又はスリーブ形器具(38)用の受け器(86、92)の形態に構成され、該受け器(86、92)が、連結装置長手方向軸(84、94)を規定すること、を特徴とする医療器具。
【請求項4】
請求項3に記載の医療器具であって、前記受け器(86、92)が、保持リング又は保持アーク(88)の形態に構成されること、を特徴とする医療器具。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の医療器具であって、シャンク形又はスリーブ形器具(38)に非ポジティブロック式の及び/又はポジティブロック式のやり方で連結するために、突出する少なくとも1つの連結突起(98、102)が前記受け器(86、92)に配置又は形成されること、を特徴とする医療器具。
【請求項6】
請求項5に記載の医療器具であって、前記少なくとも1つの連結突起(98、102)が、内壁面(96、103)から前記連結装置長手方向軸(84)に向かって突き出て形成されること、を特徴とする医療器具。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の医療器具であって、互いに同心円状に配置される2つの円弧形ガイド溝(118、120)を備えること、を特徴とする医療器具。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の医療器具であって、前記第1連結装置(76)を前記本体(80)上で第1配向において固定するための第1固定装置(122)を備えること、を特徴とする医療器具。
【請求項9】
請求項8に記載の医療器具であって、前記第1固定装置(122)が、緊締装置(124)の形態に構成されること、を特徴とする医療器具。
【請求項10】
請求項9に記載の医療器具であって、前記緊締装置が第1及び第2緊締要素(126、127)を含み、該第1及び第2緊締要素(126、127)が、前記少なくとも1つのガイド溝(118)を貫通する接続部材(130)により互いに連結されると共に、該第1及び第2緊締要素(126、127)を互いに向かって移動させるための第1緊締部材(142)を含むこと、を特徴とする医療器具。
【請求項11】
請求項10に記載の医療器具であって、
a)前記第1緊締部材(142)が緊締ねじ(143)の形態に構成され、該緊締ねじ(143)が、前記少なくとも1つのガイド溝(120)を少なくとも部分的に貫通し、調節位置から緊締位置へと及びその逆へともたらすことができること、
及び/又は
b)前記第1緊締要素(126)が、前記第1受け器(86)を含む又は支承すること、
を特徴とする医療器具。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の医療器具であって、前記少なくとも2つの連結装置(76、78)の請求項3に記載の連結装置長手方向軸(84、94)が互いに平行に整列する標準位置において、前記第1連結装置(76)を前記本体(80)上でロックするためのロック装置(152)を備えること、を特徴とする医療器具。
【請求項13】
請求項12に記載の医療器具であって、
前記ロック装置(152)が、移動可能な第1ラッチ部材(156)及び第2ラッチ部材(158)を有するラッチ接続装置(154)を含むこと、及び
前記第1及び前記第2ラッチ部材(156、158)が、前記標準位置において非ポジティブロック式の及び/又はポジティブロック式のやり方で係合され、解放位置において係合解除されること、
を特徴とする医療器具。
【請求項14】
請求項13に記載の医療器具であって、前記第1ラッチ部材(156)がラッチレバー(162)の形態に構成され、該ラッチレバー(162)が、前記本体(80)上に変位可能に及び/又は枢動式に装着されると共に、前記標準位置において前記第1連結装置(76)上の対応する凹部又は対応する突起(130)と係合する突起(176)又は凹部を有すること、を特徴とする医療器具。
【請求項15】
請求項14に記載の医療器具であって、前記第1ラッチ部材(156)が、前記第1及び/又は第2連結装置(76、78)の前記連結装置長手方向軸(84、94)に対して交差方向に走る枢動軸(160)の周りで枢動可能であるように装着されること、を特徴とする医療器具。
【請求項16】
請求項3〜15のいずれか1項に記載の医療器具であって、前記少なくとも2つの連結装置(76、78)の前記連結装置長手方向軸(84、94)間の角度(180)を表示するための表示装置(182)を備えること、を特徴とする医療器具。
【請求項17】
請求項16に記載の医療器具であって、前記表示装置(182)が、前記本体(80)上にある角度標識(186)と、前記角度標識(186)の方を向く、前記第1連結装置(76)上に配置又は形成される表示部材とを含むこと、を特徴とする医療器具。
【請求項18】
請求項17に記載の医療器具であって、前記表示部材(188)が、前記第1及び/又は第2緊締要素(126、127)上に配置又は形成されること、を特徴とする医療器具。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか1項に記載の医療器具であって、前記医療器具が更に、線形経路に沿った前記第2連結装置(78)の移動を案内するための第2ガイド装置(194)を備えること、を特徴とする医療器具。
【請求項20】
請求項19に記載の医療器具であって、前記第2ガイド装置(194)が、前記本体(80)上に形成されると共に、少なくとも1つのガイド受け器(198)を含むこと、を特徴とする医療器具。
【請求項21】
請求項20に記載の医療器具であって、前記第2連結装置(78)が、前記少なくとも1つのガイド受け器(198)内で又は該ガイド受け器(198)にて案内及び支持される、ロッド形又はシャンク形ガイド部材(202)を含むこと、を特徴とする医療器具。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれか1項に記載の医療器具であって、前記医療器具が更に、前記第2連結装置(78)を前記本体(80)上で第2配向(204)において固定するための第2固定装置を備えること、を特徴とする医療器具。
【請求項23】
請求項22に記載の医療器具であって、前記第2固定装置(204)が、緊締装置(206)の形態に構成されること、を特徴とする医療器具。
【請求項24】
請求項23に記載の医療器具であって、前記第2緊締装置(206)が、前記ガイド部材(202)を前記本体(80)上で緊締式のやり方で固定するための少なくとも1つの第2緊締部材(208)を含むこと、を特徴とする医療器具。
【請求項25】
請求項24に記載の医療器具であって、前記第2緊締部材(208)が、緊締ねじ(210)の形態に構成され、該緊締ねじ(210)が、前記少なくとも1つのガイド受け器(198)を貫通すると共に、緊締ねじシャンク(214)のシャンク自由端(216)でもって前記ガイド部材(202)を前記第2配向において押すこと、を特徴とする医療器具。
【請求項26】
請求項25に記載の医療器具であって、前記緊締ねじ(210)が、前記少なくとも1つのガイド受け器(198)を貫通すると共に、溝形のガイド凹部(218)の領域において、緊締ねじシャンク(214)のシャンク自由端(216)でもって前記ガイド部材(202)を前記第2配向において押すこと、を特徴とする医療器具。
【請求項27】
請求項26に記載の医療器具であって、前記ガイド凹部(218)が、前記ガイド部材(202)の前記本体(80)に対する変位移動のための端止め(220)を規定すること、を特徴とする医療器具。
【請求項28】
少なくとも2つのシャンク形又はスリーブ形器具(38)を含む、脊柱安定化システム(12)を埋込むための医療器械(10)において、
前記器械(10)が、請求項1〜27のいずれか1項に記載の器具(72)を更に含むこと、を特徴とする医療器械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つのシャンク形又はスリーブ形器具に一時的に連結するための医療器具であって、第1のシャンク形又はスリーブ形器具に一時的に連結するための第1連結装置と、第2のシャンク形又はスリーブ形器具に連結するための第2連結装置とを含む医療器具に関する。
【0002】
本発明は更に、少なくとも2つのシャンク形又はスリーブ形器具を含む、脊柱安定化システムを埋込むための医療器械に関する。
【背景技術】
【0003】
脊柱安定化システムを埋込むための、冒頭に記載した種類の医療器械が、例えばDE 10 2013 108 362 A1から知られている。知られている器械は、骨ねじの頭部に連結可能でありこれによって特に多軸ねじとして構成される多数のスリーブを含む。まず、骨ねじが安定させるべき脊柱の椎骨の椎弓根内で固着されるのであり、従ってこの骨ねじは椎弓根ねじとも称される。椎弓根ねじの頭部上の対応する受け器内に、接続ロッドを、更なる器具を用いて単純なやり方で挿入することができる。知られている伸延器を使用して、シャンク形又はスリーブ形器具を特に互いに平行に変位させることにより及び/又はこれらの器具を互いに対して枢動することにより、椎骨の互いからの間隔を調節することができる。このような手順が、特にDE 10 2012 107 056 A1に記載される。
【0004】
知られている器械は、高い複雑性を備えており、操作に時間を要する。更に患者の脊柱に特定の損傷がある場合、隣接した椎骨の互いからの特定の間隔だけでなく、場合によって、互いに対する特定の整列及び配向も必要になる。このことを達成するために、場合によって、骨ねじ及びそれらの頭部を所望のやり方で整列させ、隣接した椎骨の元の位置を復旧する又は位置異常の矯正を遂行することが知られている。骨ねじ及びそれらの頭部は、隣接した椎骨内で固着される。知られている器械を使用してこのような角度調節を遂行することは、非常に苦労して初めて可能である。というのも、例えば、所望の矯正角度、特に前彎角度に、段階的に接近せねばならないからである。知られている手順では、外科医により遂行される矯正調節は、外科医により調節される角度上でのX線による検査と交互に所望の角度が達成されるまで行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】DE 10 2013 108 362 A1
【特許文献2】DE 10 2012 107 056 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、冒頭に記載した種類の医療器具及び医療器械を、脊柱安定化システムの埋込みが簡素化されるように改良することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、冒頭に記載した種類の医療器具において、前記第1連結装置及び前記第2連結装置が、互いに対して枢動可能であるように配置又は形成されるという点で達成される。
【0008】
本発明により提案される更なる発展形態により、前記医療器具に2つのシャンク形又はスリーブ形器具を連結し、前記シャンク形又はスリーブ形器具を、前記第1連結装置及び前記第2連結装置の相対的枢動により、互いに対して規定のやり方で相応に枢動し、このやり方で、これらの連結装置間の特に、隣接した椎骨間の所望の角度を調節することが可能になる。前記シャンク形又はスリーブ形器具を互いに対して枢動することにより、前記脊柱安定化システムの前記ねじの前記頭部が、そして場合によっては前記骨ねじの前記シャンクも、対応するやり方で整列する。以前の手順とは異なり、矯正調節を遂行してこの矯正調節をX線画像によって交互に検査せねばならないのではなく、むしろ、提案される前記医療器具を使用して、例えば、外科手術前に捕捉されたX線画像を使用して決定される必要な矯正角度を、前記第1連結装置と前記第2連結装置とを互いに対して前記矯正角度を通して枢動することにより直接持ち越すことができる。提案される前記器具を用いれば、多数のX線検査、ならびに長期の矯正調節及び再調節はもはや必要でない。
【0009】
前記第1連結装置及び前記第2連結装置が、互いに対して変位可能であるように配置又は形成されると好ましい。前記第1連結装置と前記第2連結装置の互いに対する相対的枢動可能性の代わりに、相対的変位可能性によっても、前記2つのシャンク形又はスリーブ形器具の間隔を、従って場合によって、前記骨ねじ及びそれらの頭部の間隔をも、限定的に変更することが可能になる。これらの骨ねじ及びそれらの頭部は、前記シャンク形又はスリーブ形器具に連結される。
【0010】
本発明の別の好適な実施形態によれば、前記器具が本体を含み、該本体の上で、前記第1連結装置が回転点の周りで枢動可能であるように案内及び支持されることを実現することができる。特に前記回転点は、前記本体から空間的に遠く離れている回転点に関係しているものとすることができる。例えば前記回転点は、多軸ねじの場合、前記ねじの頭部とシャンクとの間に形成される玉継手の中心点により規定することができる。骨ねじ間の角度及び/又は間隔は、このようにして限定的に調節することができる。
【0011】
前記第2連結装置が前記本体上で変位可能に案内及び支持されると好ましい。従って、特に前記第1連結装置と前記第2連結装置との間の間隔を、前記本体に対して前記第2連結装置を変位させることにより限定的に変更することができる。特に前記第2連結装置が、前記本体上で直線路及び/又は曲線路に沿って、変位を行うことができる。
【0012】
前記第1連結装置及び/又は前記第2連結装置がシャンク形又はスリーブ形器具用の受け器の形態に構成され、該受け器が連結装置長手方向軸を規定すると有利である。この設計により、特に前記医療器具を1つ又は2つのシャンク形又はスリーブ形器具に、単純なやり方で連結することが可能になる。
【0013】
前記受け器が保持リング又は保持アークの形態に構成される場合、前記医療器具は特に単純なやり方で構築することができる。前記シャンク形又はスリーブ形器具が前記連結装置に対して極力大きく傾斜することを防止するために、例えば前記保持リングは、それ自体閉鎖され、前記それぞれの連結装置の前記連結装置長手方向軸と平行である適正な拡張部を有することができる。前記シャンク形又はスリーブ形器具を前記2つの連結装置のうちの一方の上で極力係着式に確実に支持するために、保持アークは、例えばC形であるように形成することができ、好ましくは180°超の角度範囲を含む。
【0014】
シャンク形又はスリーブ形器具に非ポジティブ式及び/又はポジティブロック式のやり方で連結するための突出する少なくとも1つの連結突起が、前記受け器にて配置又は形成されると好ましい。前記少なくとも1つの連結突起により、前記シャンク形又はスリーブ形器具を前記連結装置に、独特のやり方で、例えば前記連結装置に対して回転しないよう固定して係合させることが可能になる。
【0015】
前記少なくとも1つの連結突起は、好ましくは内壁面から前記連結装置長手方向軸に向かって突き出している状態で形成される。例えば、前記連結装置に対するその回転を防止するために、前記少なくとも1つの連結突起が―2つ、3つ、又はそれ以上の連結突起を設けることもできる―、前記シャンク形又はスリーブ形器具上の対応する凹部内に係合することができる。従って、更に前記シャンク形又はスリーブ形器具の前記連結装置上での誘導を達成することができる。前記少なくとも1つの連結突起に対応する受け器が、特に半径方向で前記連結装置長手方向軸から離れる方を向いている状態で開放していることができる。
【0016】
本発明の別の好適な実施形態によれば、前記医療器具が、円形路に沿った前記第1連結装置の移動を案内するための第1ガイド装置を含むことを実現することができる。このようなガイド装置により、特に前記第1連結装置と前記第2連結装置とを互いに対して移動させることが可能になり、これらの連結装置は、前記円形路により規定される中心点の周りでの互いに対する枢動移動を遂行することができる。特に前記円形路の中心点が例えば多軸ねじの回転点に一致するように、前記円形路の曲率を、前記連結装置に連結すべき前記シャンク形又はスリーブ形器具の長さに適合させることができる。2つの多軸ねじの互いに対する間隔が一定のままである場合、それらの多軸ねじの配向を単純なやり方で修正することができる。例えば2つの異なる長さのシャンク形又はスリーブ形器具が使用される場合には、前記円形路の曲率を、前記2つの異なる長さの平均値に対応するように設けることができる。
【0017】
前記第1ガイド装置が、前記本体上に少なくとも部分的に配置又は形成されると共に、少なくとも1つの円弧形ガイド溝を含む場合、前記医療器具は特に単純なやり方で構築することができる。例えば、前記本体は、プレートの形態に構成することができ又は円弧形ガイド溝が中に形成されるプレートを含むことができる。2つ以上の円弧形ガイド溝を形成することもできる。これらの円弧形ガイド溝は、好ましくは、前記本体上で互いに同心円状に形成される。
【0018】
前記医療器具は、好ましくは互いに同心円状に配置される2つの円弧形溝を含む。これらの円弧形溝により、特に前記第1連結装置を、前記本体に対して、従って前記第2連結装置に対して、規定の整列で移動させること、特にこれらの連結装置を共通の回転点の周りで枢動することが可能になる。
【0019】
前記医療器具が、前記第1連結装置を前記本体上で第1配向において固定するための固定装置を含むと特に有利である。従って、前記第1連結装置と第2連結装置との間の相対的角度を、前記第1配向において限定的に調節できるだけでなく固定することもできる。
【0020】
前記第1固定装置が、緊締装置の形態に構成されると有利である。緊締装置は様々な仕方で構築することができるのであり、緊締装置により、その迅速かつ単純な解放及び固定が可能になる。
【0021】
前記緊締装置が、前記少なくとも1つのガイド溝を貫通する前記接続部材により互いに連結される第1及び第2緊締要素を含み、これらの第1及び第2緊締要素が、前記第1緊締要素と第2緊締要素とを互いに向かって移動させるための第1緊締部材を含むと好ましい。この構成により、一方で、特に前記第1連結装置を前記本体上で規定のやり方で案内することが可能になり、前記第1及び第2緊締要素を互いに向かって移動させることにより、これらの緊締要素を前記本体上で前記第1配向において前記第1緊締部材を経由して固定することが可能になる。
【0022】
前記第1緊締部材が、前記少なくとも1つのガイド溝を少なくとも部分的に貫通して、調節位置から緊締位置へと及びその逆へともたらすことができる緊締ねじの形態に構成される場合、前記器具の特に単純な取扱いが可能になる。前記第1連結装置を前記本体上で前記配向において固定するには、前記緊締ねじを前記緊締位置にもたらすだけでよい。前記第1連結装置を再度移動できるようにするには、前記緊締ねじを再度解放するだけでよく、即ち前記調節位置へと転移するだけでよく、その結果、前記第1連結装置を前記本体及び前記第2連結装置に対して再度移動することができる。
【0023】
特に前記第1緊締要素が前記第1受け器を含む又は支承することにより、前記医療器具の特別なコンパクトな構築を達成することができる。特に、前記第1緊締要素は前記第1受け器と一体に形成することができる。従って、前記受け器の前記本体に対する規定の整列を、製造中に既に予定しておくことができる。
【0024】
本発明の別の好適な実施形態によれば、標準位置において前記第1連結装置を前記本体上でロックするためのロック装置を前記医療器具が含むことを実現することができ、標準位置において前記少なくとも2つの連結装置の前記連結装置長手方向軸が互いに平行に整列する。前記ロック装置により、特に前記器具を、特に前記第1及び前記第2連結装置の前記連結装置長手方向軸が互いに平行に整列する規定の標準位置にもたらすことが可能になる。前記標準位置から出発して前記ロック装置を解放した後に、例えば前記器具を使用して、前記第1連結装置と前記第2連結装置との間の所望の相対的角度を調節することができる。
【0025】
前記ロック装置が、移動可能な第1ラッチ部材及び第2ラッチ部材を有するラッチ接続装置を含み、前記第1及び前記第2ラッチ部材が、前記標準位置において非ポジティブ式及び/又はポジティブロック式のやり方で係合され、解放位置において係合解除されると有利である。前記解放位置において、前記第1連結装置は例えば前記本体に対して移動させることができる。記載した前記ラッチ接続装置は、特に単純なやり方で、かつ最小限の移動部品数で達成することができる。特に、手術中の取扱いのためにラッチ接続装置を最適化することもできる。
【0026】
前記第1ラッチ部材が、前記本体上に変位可能に及び/又は枢動式に装着されると共に前記標準位置において前記第1連結装置上の対応する凹部又は対応する突起と係合する突起又は凹部を有するラッチレバーの形態に構成される場合、前記ラッチ接続装置は単純なやり方で構築することができる。前記ラッチ接続装置を解放するには、前記第1ラッチ部材を、前記第2ラッチ部材と係合解除されるような仕方で変位及び/又は枢動させるだけでよく、その結果、前記ラッチ接続装置が、記載した解放位置を占める。
【0027】
前記第1ラッチ部材が、前記第1及び/又は第2連結装置の前記連結装置長手方向軸に対して交差方向に、特に垂直に走る枢動軸の周りで枢動可能であるように装着される場合、前記器具の前記取扱いを更に改良することができる。このようにして、前記第1連結装置は、前記標準位置において前記本体上で、特に最小限の力で支持することができる。前記枢動軸は、更に前記第1ガイド装置により規定される軸と平行に走ることができ、前記第1ガイド装置について前記第1連結装置と前記第2連結装置とが互いに対してその周りで枢動することができる。
【0028】
前記医療器具の特に単純な取扱いのために、医療器具が、前記少なくとも2つの連結装置の前記連結装置長手方向軸間の角度を表示するための表示装置を含むと好ましい。
【0029】
前記表示装置は、前記本体上にある角度標識と、前記角度標識の方を向く、前記第1連結装置上に配置又は形成される表示部材とを含む場合、特に単純なやり方で構築することができる。特にこのような表示装置は、手術中に、例えば水又は等張生理食塩水を用いて洗い流すことにより、よく洗浄することもできる。
【0030】
前記医療器具を特にコンパクトに構築するために、前記表示部材が前記第1及び/又は第2緊締要素上に配置又は形成されると好ましい。
【0031】
本発明の別の好適な実施形態によれば、前記医療器具が、線形経路に沿った前記第2連結装置の移動を案内するための第2ガイド装置を含むことを実現することができる。前記第2ガイド装置により、特に前記第1連結装置と前記第2連結装置とを互いに対して線形経路に沿って移動させること、即ち例えばこれらの連結装置間の間隔を限定的に変更することが可能になる。
【0032】
更に前記器具は、前記第2ガイド装置が前記本体上に形成されると共に少なくとも1つのガイド受け器を含む場合、特にコンパクトに構築することができる。特に、2つのガイド受け器を設けることもできる。2つのガイド受け器により、前記本体での前記第2連結装置の特に安定した、経路に忠実な誘導が可能になる。
【0033】
前記第2連結装置が、前記少なくとも1つのガイド受け器内で又はこのガイド受け器にて案内及び支持されるロッド形又はシャンク形ガイド部材を含むと有利である。例えば、前記ガイド受け器は、リングの形態に構成することができ、リングの形態で前記ロッド形又はシャンク形ガイド部材が中に挿入されてそこで変位可能に支持される。2つのガイド受け器を設けることもできる。2つのガイド受け器により、前記ロッド形又はシャンク形ガイド部材の、改良された誘導が可能になる。
【0034】
前記医療器具が、前記第2連結装置を前記本体上で第2配向において固定するための第2固定装置を含むと更に好ましいことがある。次に前記第2固定装置により、特に前記第1固定装置と同様に、前記第2連結装置を前記本体に対して、規定の位置において、具体的には前記第2配向において、固定することが可能になる。結果として、特に前記第1連結装置と前記第2連結装置との間の所望の間隔を調節することができるだけでなく、この間隔を一時的に固定することもできる。
【0035】
前記第2固定装置は、緊締装置の形態に構成される場合、特に単純なやり方で構築することができる。従って、特に前記第2連結装置は、前記本体上で前記第2配向において、緊締式のやり方で支持することができる。
【0036】
前記第2緊締装置が、前記ガイド部材を前記本体上で緊締式のやり方で固定するための少なくとも1つの第2緊締部材を含むと有利である。
【0037】
前記第2緊締部材が、前記少なくとも1つのガイド受け器を貫通すると共に緊締ねじの形態に構成される緊締ねじシャンクのシャンク自由端でもって前記ガイド部材を前記第2配向において圧迫すると好ましい。特に前記ガイド部材上に、溝形のガイド凹部を形成することができ、溝形のガイド凹部で前記緊締ねじシャンクの前記シャンク自由端が前記第2配向において中に押し込まれる。特に前記ガイド凹部により、前記少なくとも1つのガイド受け器内で前記ガイド部材が捩れることを防止することができる。前記ガイド部材は、任意で非円形断面を有することもできるため、ガイド受け器内で前記ガイド部材が長手方向軸の周りで捩れることを防止することもできる。ガイド受け器は、前記ガイド部材の前記断面に合致する、対応する内部断面を有する。
【0038】
前記第2連結装置の前記本体からの不用の脱離を防止するために、前記ガイド凹部が、前記ガイド部材の前記本体に対する変位移動のための端止めを規定すると有利である。従って、例えば前記緊締ねじシャンクの前記シャンク自由端が前記溝形のガイド凹部内へと突出する場合、前記シャンク自由端が、前記端止めのうちの1つ、例えば前記ガイド凹部の両側に形成されて互いに向かう方を向く止め面のうちの1つに突き当たる程度まで、前記ガイド部材を前後に押すことができる。
【0039】
冒頭で述べた目的は、更に本発明によれば、冒頭に記載した種類の医療器械において、この医療器械が、上述した有利な医療器具のうちの1つを含むという点で達成される。
【0040】
このようにして構築される医療器械により、特に脊柱安定化システムを単純なやり方で埋込むこと、特に例えば椎弓根ねじの形態の骨ねじを、椎体内に所望のやり方で、前記脊柱の椎骨における指定の間隔及び相対的整列角度でもって固着することが可能になる。
【0041】
更なる説明のため、図面と併せて、本発明の好適な実施形態を続いて記載する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】2つの多軸ねじの頭部上の受け器内に、接続ロッドを使用して脊柱安定化システムを埋込むための医療器械の一部の例示的な斜視図。
【
図3】多軸ねじの頭部に一時的に連結可能であるシャンク形又はスリーブ形器具の分解組立図。
【
図4】合計4つのシャンク形又はスリーブ形器具のうちの2つに一時的に連結するための医療器具を有する器械の全体斜視図。
【
図5】2つのシャンク形又はスリーブ形医療器具に連結される医療器具の斜視図。
【
図8】2つのシャンク形又はスリーブ形器具に一時的に連結するための医療器具の分解組立図。
【
図13】2つのシャンク形又はスリーブ形器具に一時的に連結するための医療器具と、伸延器とを有する医療器械の全体斜視図。
【
図15】医療器具の第1連結装置及び第2連結装置の互いに対する事前設定された角度にて接続ロッドを椎弓根ねじに固定した後の、
図14と同様の配置。
【
図17】更なる接続ロッドを椎弓根ねじに固定した後の
図16と同様の図。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1〜
図17に例示的に描くのは、脊柱安定化システム12を埋込むための医療器械10である。
【0044】
脊柱安定化システム12は、特に多軸ねじの形態に構成することのできる多数の骨ねじ14を含み、骨ねじ14は、雄ねじ18が設けられてシャンク長手方向軸20を規定する長尺シャンク16を有すると共に、シャンク16の球状の近位端26用の台座24を有する頭部22を有するのであり、頭部22は、シャンク16に対して球状端部26の中心点28の周りで枢動可能である。
【0045】
頭部22は、雌ねじ区域の設けられる2つの壁区域32間に形成される略U形のロッド受け器30を有する。ロッド受け器30内に脊柱安定化システム12の接続ロッド34を挿入することができ、この接続ロッドは、壁区域32の雌ねじ区域にその雄ねじが対応する固定ねじ36に固定することができる。
【0046】
骨ねじ14は、特に固定ねじ36を使用して接続ロッド34を頭部22に固定できるような仕方で構成できるだけでなく、頭部22がシャンク16の球状端部26に不動に固定可能であるような仕方で構成することもできる。
【0047】
器械10は更に、知られているやり方で頭部22に一時的にその遠位端40が連結するように構成される多数のシャンク形又はスリーブ形器具38を含む。器具38は、特に、端部40から開始してこの外側スリーブ42の長手方向軸と平行に延びる溝44を有する外側スリーブ42を含むことができる。器具38の溝44が頭部22と整列する結果、挿入器具46上で支持される接続ロッド34が、側部からロッド受け器30内に挿入可能である。特に、接続ロッド34の自由端48用の挿入開口が、壁区域32、台座24、及び固定ねじ36により画定される。
【0048】
ねじ込み要素50が、接続ロッド34をロッド受け器30内に固定するように働く。ねじ込み要素50は、その遠位端でもって外側スリーブ42を通って頭部22に案内可能であり、その遠位端に近位方向を向く固定ねじ36の道具要素受け器54に応じて形成される道具要素52を有する。図に、内側多環の形態の道具要素受け器54を例示的に描く。別法として、多角形ソケット又は溝の形態の骨ねじ14の道具要素受け器も可能である。
【0049】
単純な手渡しのために、ねじ込み器具50に近位側でラチェットグリップ56が装備され、外科医が固定ねじを頭部22上で単純なやり方で締め付けることが可能になる。特にラチェットグリップ56にトルク限定装置58を装備することができ、固定ねじ36の、予め規定された締め付けトルクを超えないようにされる。
【0050】
脊柱安定化システム12を埋込むには、まず、必要数の骨ねじ14が、脊柱62の互いに対して位置決めされるべき椎骨60にねじ込まれる。脊柱62の最適な安定化のために、骨ねじ14は例えば椎骨60の棘突起の両側で、椎骨60の椎弓根内にねじ込まれる。
【0051】
既に記載したように、まず骨ねじ14のシャンク16に対して頭部22が中心点28の周りで枢動することができる。器具38は、脊柱安定化システム12及び器械10の単純かつ特に低侵襲の取扱いに役立つ。これらの器具は、頭部22に連結され、従って患者の身体から突出するその拡張部を形成する。
【0052】
隣接した椎骨60の骨ねじ14間の間隔を限定的に調節できるようにするために、器械10は、特に互いに平行に走る2つの脚部66を有する伸延器64を含むことができ、この伸延器の遠位端68は器具38に、これらの器具の遠位端40の領域において連結可能である。脚部66の近位端は伸延ブラケット70により連結され、伸延ブラケット70でもって脚部66間の間隔が可変であり固定可能である。
【0053】
器械10は、角度調節器74の形態の更なる器具72を含む。角度調節器74は、2つの器具38に一時的に連結するように構成され、第1連結装置76及び第2連結装置78を含む。連結装置76と連結装置78とはそれぞれ、互いに対して枢動可能であるように器具72上に配置され形成される。更に、連結装置76と連結装置78とはそれぞれ、互いに対して変位可能でもあるように器具72上に配置され形成される。
【0054】
角度調節器74は、第1連結装置76は、空間的にこの本体80から遠く離れており好ましくは骨ねじ14の中心点28に対応する回転点の周りで枢動可能であるように本体80上で案内及び支持される、プレート形の本体80を含む。骨ねじ14には、第1連結装置76に連結される器具38が一時的に接続される。特に場合によって、枢動軸は回転点82を含むことができ、回転点82は枢動軸上に在る。枢動軸が角度調節器74により規定され、この枢動軸の周りで連結装置76及び78が互いに対して枢動可能である。
【0055】
第2連結装置78は、本体80上で変位可能に案内及び支持される。
【0056】
第1連結装置76は器具38用の受け器86を含み、受け器86は第1連結装置長手方向軸84を規定する。受け器86はスリーブ形の保持アーク88の形態に構成され、保持アーク88は略C形であり、270°超の角度範囲を包囲する。
【0057】
第2連結装置78はスリーブ形の保持リング90を含み、保持リング90は、それ自体閉鎖され、器具38の近位端用の受け器92を形成し、第2連結装置長手方向軸94を規定する。
【0058】
平行に走ると共に器具38上の連結凹部100に応じて形成されるストリップ形連結突起98が、第1連結装置長手方向軸84と平行に保持アーク88の内壁96から突出し、第1連結装置長手方向軸の方を向く。連結凹部100は、第1連結装置76と平行に走ると共に第1連結装置長手方向軸84から離れる方を向いて半径方向に開放している長手方向溝の形態に構成される。
【0059】
保持リング90上では近位端にて、第2連結装置長手方向軸94に向かう方向に突き出ると共に、器具38上の連結凹部100内に同じように係合することのできる多数の連結突起102が配置される。更に、平行に走ると共に器具38上の連結凹部100に応じて形成されるストリップ形連結突起99も形成され、この連結突起は、第2連結装置長手方向軸44と平行に保持リング90の内壁97から突出し、第2連結装置長手方向軸の方を向く。
【0060】
連結凹部100は、器具38に含まれる連結スリーブ112の近位端108に一時的に連結可能である拡張スリーブ104上に形成される。これらの近位端108には雄ねじ106が設けられ、これらの近位端108は具体的には特に角度調節器74に一時的に接続するために、溝付き外側スリーブ42にねじ付け可能である。
【0061】
器具72は更に、円形路116の区域に沿った第1連結装置76の移動を案内するための第1ガイド装置114を含む。第1ガイド装置114は、場合によって本体80上に部分的に配置され形成されるのであり、互いに同心円状に配置される2つの円弧形ガイド溝118及び120を含む。
【0062】
第1連結装置76を本体80上で第1配向において固定するために、具体的には第1緊締要素126及び第2緊締要素128を有する緊締装置124の形態の第1固定装置122が設けられる。
【0063】
第1緊締要素は、平坦なプレート128を含む。平坦なプレート128は、その片側で受け器86を、そのもう片側で、このプレートから垂直に突出してガイド溝118を貫通するボルト形の2つの接続部材130を支承する。2つの接続部材130には、各々、雌ねじを含むめくら孔132が設けられる。第2緊締要素128は、接続ねじのねじ式シャンク138が貫通する2つの穴136を有するプレート134の形態にも構成され、ねじ式シャンク138はめくら孔132にねじ込まれる。
【0064】
2つのプレート128及び134は、本体80の互いから離れる方を向く2つの側に在る。固定装置122が第1配向を占めるよう2つの緊締要素126及び127を互いに向かって移動できるようにするために、第1緊締部材142にボルト形のねじ式シャンク144及びT形の頭部146が設けられる。ねじ式シャンク144は、プレート134の穴148ならびにガイド溝120を貫通し、プレート128のねじ穴150にねじ込まれる。
【0065】
緊締部材142をその長手方向軸の周りで時計回りに捩ることによりプレート128及び134が互いに引き寄せられ、それらの間で本体80が緊締される。第1緊締部材142を反時計回りに捩ると、プレート128及び134はちょうど或る程度まで解放され、第1固定装置122は本体80に対して、ガイド溝118及び120の曲率により規定される枢動軸の周りで枢動可能である。既に概説したように、この枢動軸は、理想的には中心点28を通過する。
【0066】
第1緊締部材142は、緊締ねじ143の形態に構成される。この緊締ねじは、調節位置から、緊締位置へともたらすことができる。調節位置では、緊締装置124が本体80に対して移動可能であり、緊締位置では、緊締装置124が本体80に対して不動に固定される。
【0067】
器具72は、更に連結装置76の連結装置長手方向軸84と連結装置78の連結装置長手方向軸94とが互いに平行に整列する標準位置において第1連結装置76を本体80上でロックするためのロック装置152を含む。
【0068】
ロック装置152は、移動可能な第1ラッチ部材156と、2つの接続部材130のうちの1つにより形成される第2ラッチ部材158とを有するラッチ接続装置154を含む。第1ラッチ部材156及び第2ラッチ部材158は、例示的に描く
図11のロック装置152の標準位置において非ポジティブ式及び/又はポジティブロック式のやり方で係合され、解放位置において係合解除される。
【0069】
第1ラッチ部材156は、接続部材130の長手方向軸と平行に走る枢動軸160の周りで枢動可能であるように本体80上に装着されるラッチレバー162の形態に構成される。ラッチレバーは、本体80の貫通穴168内に挿入される円筒形の支承ピン166が貫通する穴164を含む。ラッチレバー162は、ラッチレバー凹部170内に挿入され、標準位置において、予備荷重をかけるやり方で、具体的には圧力ばねとして構成されるコイルばねの形態のばね要素172を用いて、支持される。ばね要素172は、めくら孔穴174内に挿入され、ラッチレバー162の近位端を圧迫し、枢動軸160に対してめくら孔穴174の長手方向軸が交差方向に走る。
【0070】
ラッチレバー162の他端に配置されるのは、標準位置において一方の接続部材130と係合させることのできる突出する突起176であり、具体的には、突起176は、標準位置おいてに突起176と枢動軸160との間で支持される一方の接続部材130の後方に係合するような仕方で配置される。
【0071】
ロック装置152を解放するには、ばね要素172から離れる方を向いて多数の交差方向溝を有する、ラッチレバー172上に設けられる作動面178に、ばね要素172を加圧してラッチレバー162を枢動軸160の周りで枢動する解放力を加え、突起176が、標準位置においてこの突起と協働する接続部材130を解放するようにすることができる。従って、更に第1緊締装置124が解放され、故にこの第1緊締装置が調節位置を占めると、第1固定装置122はガイド溝118及び120内で器具72の枢動軸の周りを移動させることができる。
【0072】
連結装置長手方向軸84と連結装置長手方向軸94との間の角度180を調節し表示できるようにするために、角度調節器74上に、表示装置182が更に形成される。この表示装置は、器具72の枢動軸と同心円状に走る本体80の側面184上に形成されると共に、平坦な狭窄溝の形態に構成される多数の角度標識186を含む。
【0073】
第1連結装置76上に形成されるのは表示部材188であり、具体的には、プレート128からその側縁で突き出ると共に角度標識186の方を向く突起190の形態である。任意で、第2緊締要素127上に、更なる表示要素を配置又は形成することもできる。従って図に描く角度調節器74の実施形態では、プレート134上にも、表示部材188に対応する表示部材192が配置される。
【0074】
角度調節器74は、更に線形経路に沿った第2連結装置78の移動を案内するための第2ガイド装置194を含む。この第2ガイド装置は、場合によって本体80上に形成され配置され、穿孔の形態に構成されたガイド受け器198を各々が有して共同の長手方向軸200を規定する2つのガイド体196を含む。2つのガイド体196は、本体80の角度標識186を備えた側面から離れる方を向く側面で互いから離間配置される。
【0075】
第2連結装置78は、ロッド形又はシャンク形ガイド部材202上に、具体的にはその端部上に、配置される。ガイド部材202は、非円形の特に多角形の断面を有する。断面が、ほぼガイド受け器198の断面に応じて形成される結果、ガイド部材202は、ガイド受け器198内で長手方向軸200と平行に変位可能である。
【0076】
保持リング90がガイド部材202上で横に配置される結果、連結装置長手方向軸84及び94は、枢動軸160に対して垂直に延びる共通の平面を規定する。
【0077】
第2連結装置78を本体80上で第2配向において固定するために、器具72は、更に緊締装置206の形態にも構成される第2固定装置204をも含む。この緊締装置は、ガイド部材202を本体80上に、緊締式のやり方で固定するための第2緊締部材208を含む。
【0078】
第2緊締部材208は、ガイド体196のうちの1つの上でねじ穴212を貫通する緊締ねじ210の形態に構成される。ねじ穴212の長手方向軸は、長手方向軸200に対して交差方向に走る。緊締ねじ210のねじ式シャンク214が、ねじ穴212内にねじ込まれ、シャンク自由端216でもって第2配向においてガイド部材202を圧迫する。
【0079】
ガイド部材202は、長手方向軸200と平行に走ると共に、シャンク端216が入り込む溝形のガイド凹部218を有する。ガイド凹部218の端部上で互いを向く内側側面が、ガイド部材202の本体80に対する変位移動を画定する端止め220を形成する。
【0080】
第2固定装置を作動させるために緊締ねじ210はT形の頭部222を含むのであり、緊締ねじ210を時計回りに捩ることによりガイド部材202に向かう方向へ、反時計回りに移動した場合にはガイド部材202から離れる方へ、シャンク端216を移動させることができる。
【0081】
続いて器械10の機能を、
図1〜
図17を参照することにより簡単に記載することにする。
【0082】
図1に概略的に描くように、第1ステップにおいて、所望の数量の骨ねじ14が椎骨60の椎弓根内にねじ込まれる。その後、骨ねじ14は各々、器具38に連結される。その後、挿入器具46を使用して、2つ以上の骨ねじ14のロッド受け器30内に、上述のやり方で接続ロッド34が挿入される。
【0083】
次に、接続ロッド34を各々、外側スリーブ42を通して挿入されるねじ込み器具50を使用して、骨ねじ14に事前に固定することができる。
【0084】
隣接した椎骨60内にねじ込まれる骨ねじ14に接続される器具38の長手方向軸間の角度を所望のやり方で整列させるために、接続ロッド34は、
図1に概略的に描くようにねじ込み器具50を使用して骨ねじ14に固定される。
【0085】
次に記載するやり方で、具体的には
図4及び
図5に描くように、連結装置76及び78を、器具38に接続される拡張スリーブ104上へと摺動することにより、これらの2つの器具38に器具72を接続することができる。
【0086】
角度調節器74は、まず標準位置に置かれ、連結装置長手方向軸84と連結装置長手方向軸94とが互いに平行に整列するようにされる。
【0087】
連結装置長手方向軸84と連結装置長手方向軸94との間で所望の角度180を調節するために、まずラッチレバー162が、作動面178に作動力を加えることにより作動する。その後、突起176がこの突起と係合された接続部材130を解放する。第1連結装置78を第2連結装置76に対して枢動することができ、場合によって、第1連結装置は第1ガイド装置114により規定される誘導経路に沿って移動させることができる。
【0088】
まず第1固定装置122が緩められ、表示装置182上で所望の角度180が読取可能になる程度まで連結装置76及び78が枢動される。
【0089】
次に、緊締装置124を使用して、第1連結装置76を第1配向において固定することができる。この目的で、緊締装置124がその間で本体80を緊締式のやり方で支持するまで、緊締ねじ143が時計回りに捩られる。
【0090】
隣接した椎骨60の更なる伸延が必要である場合、第2ガイド装置194を使用して、第1連結装置76及び第2連結装置80を、記載したやり方で、長手方向軸200と平行に互いに対して変位させることができる。任意で、上述の伸延器64を使用して、骨ねじ14を、接続ロッド34により規定される方向に、互いから離れる方へ又は互いに向かって移動させることができる。伸延器64は、器具38の端部40に直接連結可能である。
【0091】
記載したやり方で、任意の数の骨ねじ14を椎骨60にきつくねじ付けることができる。任意で、角度調節器74を使用して、同一の椎骨60に固定される骨ねじ14に連結される器具38をも互いに対して整列させることができる。
【符号の説明】
【0092】
10 器械
12 脊柱安定化システム
14 骨ねじ
16 シャンク
18 雄ねじ
20 シャンク長手方向軸
22 頭部
24 台座
26 端部
28 中心点
30 ロッド受け器
32 壁区域
34 接続ロッド
36 固定ねじ
38 器具
40 端部
42 外側スリーブ
44 溝
46 挿入器具
48 端部
50 ねじ込み器具
52 道具要素
54 道具要素受け器
56 ラチェットグリップ
58 トルク限定装置
60 椎骨
62 脊柱
64 伸延器
66 脚部
68 端部
70 伸延ブラケット
72 器具
74 角度調節器
76 第1連結装置
78 第2連結装置
80 本体
82 回転点
84 第1連結装置長手方向軸
86 受け器
88 保持アーク
90 保持リング
92 受け器
94 第2連結装置長手方向軸
96 内壁
97 内壁
98 連結突起
99 連結突起
100 連結凹部
102 連結突起
103 壁面
104 拡張スリーブ
106 雄ねじ区域
108 端部
110 スリーブ
112 連結スリーブ
114 第1ガイド装置
116 円形路
118 ガイド溝
120 ガイド溝
122 第1固定装置
124 緊締装置
126 第1緊締要素
127 第2緊締要素
128 プレート
130 接続部材
132 めくら孔
134 プレート
136 穴
138 ねじ式シャンク
140 接続ねじ
142 第1緊締部材
143 緊締ねじ
144 ねじ式シャンク
146 頭部
148 穴
150 ねじ穴
152 ロック装置
154 ラッチ接続装置
156 第1ラッチ部材
158 第2ラッチ部材
160 枢動軸
162 ラッチレバー
164 穴
166 支承ピン
168 貫通穴
170 ラッチレバー凹部
172 ばね要素
174 めくら孔穴
176 突起
178 作動面
180 角度
182 表示装置
184 側面
186 角度標識
188 表示部材
190 突起
192 表示部材
194 第2ガイド装置
196 ガイド体
198 ガイド受け器
200 長手方向軸
202 ガイド部材
204 第2固定装置
206 緊締装置
208 第2緊締部材
210 緊締ねじ
212 ねじ穴
214 ねじ式シャンク
216 シャンク端部
218 ガイド凹部
220 端止め
222 頭部