(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6864106
(24)【登録日】2021年4月5日
(45)【発行日】2021年4月21日
(54)【発明の名称】デュアルプロトコルスタックユーザ機器と、無線アクセス電気通信ネットワークの2つのベースバンドユニットとの間のデュアルコネクティビティのための、方法およびデバイス
(51)【国際特許分類】
H04W 72/14 20090101AFI20210412BHJP
H04W 16/32 20090101ALI20210412BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20210412BHJP
H04W 36/18 20090101ALI20210412BHJP
H04W 80/02 20090101ALI20210412BHJP
【FI】
H04W72/14
H04W16/32
H04W72/04 111
H04W36/18
H04W80/02
【請求項の数】14
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2019-543881(P2019-543881)
(86)(22)【出願日】2017年2月21日
(65)【公表番号】特表2020-508602(P2020-508602A)
(43)【公表日】2020年3月19日
(86)【国際出願番号】EP2017053875
(87)【国際公開番号】WO2018153427
(87)【国際公開日】20180830
【審査請求日】2019年10月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【弁理士】
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 亮
(72)【発明者】
【氏名】ヴィーバリ, ニクラス
(72)【発明者】
【氏名】アンデション, ホーカン
(72)【発明者】
【氏名】スケルドマン, ヨン
【審査官】
桑江 晃
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2016/095582(WO,A1)
【文献】
特表2017−500829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気通信ネットワークにおいてユーザ機器(UE)(1001)を無線アクセスネットワーク(RAN)に接続する方法であって、前記RANが複数のベースバンドユニット(BBU)(3、4、5、801)を備え、前記UE(1001)が2つの、マルチレイヤードプロトコルスタックであるプロトコルスタック(1010、1011)を備え、前記2つのプロトコルスタック(1010、1011)のそれぞれがBBU(3、4、5、801)との同一のタイプの接続のために使用され得る無線リンクコントローラ(RLC)レイヤを備え、前記接続が同一の無線アクセス技術に基づいており、前記UE(1001)が前記2つのプロトコルスタック(1010、1011)のうちの第1のものを使用して第1のBBU(3、4、5、801)との通信のために前記第1のBBUに接続され、前記方法が、
− 第2のBBUによって、前記電気通信ネットワークにおけるネットワークノードからスタックセレクタパラメータを受信するステップであって、前記スタックセレクタパラメータが前記第2のBBUとの前記通信のために前記2つのプロトコルスタック(1010、1011)のどちらが前記UE(1001)によって使用されることになるかを示す、受信するステップと、
− 前記第2のBBUによって、前記UE(1001)にダウンリンクグラントメッセージを送信するステップであって、前記ダウンリンクグラントメッセージが前記スタックセレクタパラメータを含む、送信するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記スタックセレクタパラメータを受信する前記ステップが、
前記第2のBBUによって、前記第1のBBU(3、4、5、801)から前記スタックセレクタパラメータを受信するステップと、
前記第2のBBUによって、前記複数のBBU(3、4、5、801)の中でスタックセレクタパラメータを協調するように構成される中央ネットワークノードから、前記スタックセレクタパラメータを受信するステップと
のいずれかを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スタックセレクタパラメータが、前記第1のBBU(3、4、5、801)による前記UE(1001)との通信に使用される前記プロトコルスタックと比較して、前記第2のBBU(3、4、5、801)による前記UE(1001)との通信について、使用されることになる異なるプロトコルスタックを示している、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記スタックセレクタパラメータが、前記第1のBBU(3、4、5、801)による前記UE(1001)との通信に使用される前記プロトコルスタックに関して、前記第2のBBU(3、4、5、801)による前記UE(1001)との通信について、使用されることになる同一のプロトコルスタックを示しており、前記方法が
− 前記第2のBBUによって、前記電気通信ネットワークにおける前記ネットワークノードから、スタックリセットパラメータを受信するステップであって、前記スタックリセットパラメータが前記UE(1001)に対して前記スタックセレクタパラメータに対応する前記プロトコルスタックの前記RLCレイヤがリセットされることになることを示す、受信するステップと、
− 前記第2のBBUによって、前記UE(1001)に前記スタックリセットパラメータを送信するステップと
をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記スタックリセットパラメータを送信する前記ステップが、
− 前記第2のBBUによって、前記ダウンリンクグラントメッセージ内の前記スタックリセットパラメータを送信するステップと、
− 前記第2のBBUによって、別個の制御メッセージ内の前記スタックリセットパラメータを送信するステップと
のいずれかを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
電気通信ネットワークにおいてデュアルコネクティビティ対応ユーザ機器(UE)(1001)を無線アクセスネットワーク(RAN)に接続する方法であって、前記UE(1001)が2つの、マルチレイヤードプロトコルスタックであるプロトコルスタック(1010、1011)を備え、前記2つのプロトコルスタック(1010、1011)のそれぞれがBBU(3、4、5、801)との同一のタイプの接続のために使用され得る無線リンクコントローラ(RLC)レイヤを備え、前記接続が同一の無線アクセス技術に基づいており、前記UE(1001)が前記2つのプロトコルスタック(1010、1011)のうちの第1のものを使用して第1のBBU(3、4、5、801)との通信のために前記第1のBBUに接続され、前記方法が、
− 前記UE(1001)によって、前記RANの第2のBBU(3、4、5、801)から、スタックセレクタパラメータを含むダウンリンクグラントメッセージを受信するステップであって、前記スタックセレクタパラメータが前記第2のBBUとの前記通信のために前記2つのプロトコルスタック(1010、1011)のどちらが前記UE(1001)によって使用されることになるかを示す、受信するステップと、
− 前記UE(1001)によって、前記受信したダウンリンクグラントメッセージを、前記受信されたスタックセレクタパラメータに対応する前記プロトコルスタックのRLCエンティティに伝達するステップと
を含む、方法。
【請求項7】
前記方法が、
− 前記UE(1001)によって、前記RANの別のBBU(3、4、5、801)からさらなるダウンリンクグラントメッセージを受信するステップであって、前記さらなるダウンリンクグラントメッセージがさらなるスタックセレクタパラメータを含み、前記スタックセレクタパラメータが前記2つのプロトコルスタック(1010、1011)の他のどちらが前記第2のBBUとの前記通信について前記UE(1001)によって使用されることになるかを示す、受信するステップと、
− 前記UE(1001)によって、前記受信されるさらなるダウンリンクグラントメッセージを、前記スタックセレクタパラメータに対応する前記2つのプロトコルスタックの別の1つのさらなるRLCエンティティに伝達するステップと
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記スタックセレクタパラメータが、前記第1のBBU(3、4、5、801)による前記UE(1001)との通信に使用される前記プロトコルスタックと比較して、前記第2のBBU(3、4、5、801)による前記UE(1001)との通信について、使用されることになる異なるプロトコルスタックを示している、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記スタックセレクタパラメータが、前記UE(1001)による前記第1のBBUとの通信に使用される前記プロトコルスタックに関して、前記UE(1001)による前記第2のBBU(3、4、5、801)との通信について、使用されることになる同一のプロトコルスタックを示しており、前記方法が、
− 前記UE(1001)によって、前記第2のBBUから、スタックリセットパラメータを受信するステップであって、前記スタックリセットパラメータが前記UE(1001)に対して前記スタックセレクタパラメータに対応する前記プロトコルスタックの前記RLCレイヤがリセットされることになることを示す、受信するステップと、
− 前記UE(1001)によって、前記スタックセレクタパラメータに対応する前記プロトコルスタックの、少なくとも前記無線リンクコントローラレイヤをリセットするステップと
をさらに含む、請求項6または7に記載の方法。
【請求項10】
前記スタックリセットパラメータを受信する前記ステップが、
− 前記UE(1001)によって、前記ダウンリンクグラントメッセージ内の前記スタックリセットパラメータを受信するステップと、
− 前記UE(1001)によって、別個の制御メッセージ内の前記スタックリセットパラメータを受信するステップと
のいずれかを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
電気通信ネットワークにおいてユーザ機器(UE)(1001)を無線アクセスネットワーク(RAN)に接続することをサポートするための第2のベースバンドユニット(BBU)であって、前記RANが複数のベースバンドユニット(BBU)(3、4、5、801)を備え、前記UE(1001)が2つの、マルチレイヤードプロトコルスタックであるプロトコルスタック(1010、1011)を備え、前記2つのプロトコルスタック(1010、1011)のそれぞれがBBU(3、4、5、801)との同一のタイプの接続のために使用され得る無線リンクコントローラ(RLC)レイヤを備え、前記接続が同一の無線アクセス技術に基づいており、前記UE(1001)が第1のBBU(3、4、5、801)との通信のための前記2つのプロトコルスタック(1010、1011)のうちの第1のものを使用して前記第1のBBUに接続され、前記第2のBBU(3、4、5、801)が、
− 前記電気通信ネットワークにおいてネットワークノードからスタックセレクタパラメータを受信するように動作可能である受信機器であって、前記スタックセレクタパラメータが前記2つのプロトコルスタック(1010、1011)のどちらが前記第2のBBUとの前記通信のために前記UE(1001)によって使用されることになるかを示す、受信機器と、
− 前記UE(1001)にダウンリンクグラントメッセージを送信するように動作可能である送信機器であって、前記ダウンリンクグラントメッセージが前記スタックセレクタパラメータを含む、送信機器と
を備える、第2のベースバンドユニット(BBU)。
【請求項12】
前記スタックセレクタパラメータが、前記第1のBBU(3、4、5、801)による前記UE(1001)との通信に使用される前記プロトコルスタックに関して、前記第2のBBU(3、4、5、801)による前記UE(1001)との通信について、使用されることになる同一のプロトコルスタックを示しており、
− 前記受信機器が前記電気通信ネットワークにおける前記ネットワークノードから、スタックリセットパラメータを受信するようにさらに動作可能であり、前記スタックリセットパラメータが前記UE(1001)に対して前記スタックセレクタパラメータに対応する前記プロトコルスタックがリセットされることになることを示し、
− 前記送信機器は前記UE(1001)に前記スタックリセットパラメータを送信するようにさらに動作可能である、
請求項11に記載の第2のベースバンドユニット(BBU)。
【請求項13】
電気通信ネットワークにおいてデュアルコネクティビティ対応ユーザ機器(UE)(1001)を無線アクセスネットワーク(RAN)に接続することをサポートするデュアルコネクティビティ対応ユーザ機器(UE)(1001)であって、前記UE(1001)が2つの、マルチレイヤードプロトコルスタックであるプロトコルスタック(1010、1011)を備え、前記2つのプロトコルスタック(1010、1011)のそれぞれがBBU(3、4、5、801)との同一のタイプの接続のために使用され得る無線リンクコントローラ(RLC)レイヤを備え、前記接続が同一の無線アクセス技術に基づいており、前記UE(1001)が第1のBBU(3、4、5、801)との通信のための前記2つのプロトコルスタック(1010、1011)のうちの第1のものを使用して前記第1のBBUに接続され、前記UE(1001)が、
− 前記RANの第2のBBU(3、4、5、801)からスタックセレクタパラメータを含むダウンリンクグラントメッセージを受信するように動作可能である受信機器あって、前記スタックセレクタパラメータが前記2つのプロトコルスタック(1010、1011)のどちらが前記第2のBBUとの前記通信のために前記UE(1001)によって使用されることになるかを示す、受信機器と、
− 前記受信したダウンリンクグラントメッセージを、前記受信されたスタックセレクタパラメータに対応する前記プロトコルスタックのRLCエンティティに伝達するように動作可能である伝達機器と
を備える、デュアルコネクティビティ対応ユーザ機器(UE)。
【請求項14】
少なくとも1つのプロセッサで実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、ベースバンドユニットで実行されている時は請求項1から5のいずれか一項に記載の方法を実行させ、ユーザ機器(UE)で実行されている時は請求項6から10のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を含むコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に無線アクセスネットワークに関し、より詳細にはユーザ機器(UE)をアクセスネットワークから成るベースバンドユニットに接続する働きに関する。
【背景技術】
【0002】
無線アクセスネットワーク(RAN)は、電気通信ネットワークの、ユーザ機器(UE)をコアネットワークに接続する役目を果たしている部分である。無線アクセスネットワークは、第3世代(3G)、第4世代(4G)、およびLong Term Evolution(LTE)などの、ある種の無線アクセス技術を実装している。
【0003】
異なるタイプの無線アクセスネットワークが存在する。例えば、ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(UTRAN)は、UEをパブリックなインターネットに接続するネットワークおよび機器について使用される用語である。UTRANはNodeBと称される基地局および無線ネットワークコントローラを含む。別の例として、拡張ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)があり、当初としてはUniversal Mobile Telecommunications System(UMTS)の置き換えを意図したものである。エボルブドNodeBは、UTRANアクセスネットワークのNodeBの進化であるE−UTRANの要素である。
【0004】
マルチポイント送信は電気通信ネットワークにおける能力および堅牢性を改善するための技法の1つである。ここで、RANとデバイスとの間の通信には2つ以上のネットワークの送受信ポイント(TRP)が関与する。
【0005】
ビームフォーミングは、電気通信ネットワークで使用され得る別の技法であり、ビーム追跡およびビーム管理の他の形態を必要とする。特に、マルチTRPシナリオにおいて、ビームフォーミングは、通信にどのTRPが使用されているかに依存してデバイスが異なるように設定されることを必要とすることがある。したがって、マルチポイント送信は、1つまたはいくつかのTRPにわたる通信間のスイッチングに関する、および異なるTRP間の通信のスイッチングに関する、ビーム管理手順を必要とすることがある。そのようなビーム管理手順は、TRP間の密な物理レイヤ協調から恩恵を享受することができる。
【0006】
電気通信ネットワークはいくつかのレベルにおいて制御シグナリングを使用する。物理レイヤは、送信時間間隔(TTI)毎の、RANからUEへの制御シグナリングを使用して、ダウンリンクおよびアップリンクデータ送信のスケジューリングを示し、どのUEがスケジューリングされるか、どの送信フォーマットが使用されるべきか、およびいくつかの他のパラメータについての情報を含む。そのようなメッセージはしばしばダウンリンクまたはアップリンクグラントと称される。上位レイヤはRANからUEへの制御メッセージを使用して、異なる通信シナリオについてデバイスを設定する。
【0007】
マルチポイント送信の1つのケースは、関与するTRPが同一のネットワークノード、例えば、ベースバンドユニット(BBU)に接続される時に起こる。そのようなケースでは、異なるTRPが高度に協調され得る。協調には、例えば、組み合わせたリンク適応およびスケジューリング、組み合わせた物理レイヤ処理、およびバッファリング、セグメント化、および再送信など組み合わせたパケット制御機能が関与することができる。そのようなケースはしばしば協調マルチポイント送信、すなわちCoMPと称される。
【0008】
典型的には、単一のプロトコルスタックが使用され、1つまたは複数の無線ベアラで設定される。それぞれの無線ベアラは無線リンク制御(RLC)エンティティ、およびパケットデータ収束プロトコル(PDCP)エンティティを有する。
【0009】
マルチポイント送信の別のケースは、関与するTRPが異なるBBUに接続される時に起こる。そのようなケースでは、異なるTRPがしばしば、それほど協調されない。例えば、TRPは独立してスケジューリングおよび適応されることができ、物理レイヤ処理は独立して実施され得、バッファリング、セグメント化、および再送信などのパケット制御機能は独立して実施され得る。そのようなケースはしばしばデュアルコネクティビティと称され、典型的には異なる接続が異なるTRPを使用する。典型的には、2つのプロトコルスタックが使用され、1つまたは複数の無線ベアラで設定される。それぞれの無線ベアラは、2つのRLCエンティティをスタック毎に1つ、および単一のPDCPエンティティを有する。
【0010】
LTEにおける既存のCoMP解決策は、関与するTRPが協調されるパケット制御機能を有し、スケジューリングおよび物理レイヤ処理の協調を考慮することを必要とする。典型的にはデバイスが単一の接続のために設定され、ネットワークはデバイスを再設定することなく異なるTRPを使用することを選択することができる。
【0011】
LTEにおける既存のデュアルコネクティビティ解決策は、接続が物理レイヤ(L1)、およびプロトコルレイヤの下位部分、RLCおよびメディアアクセス制御(MAC)に関して独立して動作することを想定している。典型的にUEは、それぞれ独立したRLC、MAC、およびL1エンティティで、2つの接続で設定される。
【0012】
既存技術の欠点の1つは、パケット制御機能の密な協調をさらに要求することなく、リンク適応、スケジューリングおよび物理レイヤ処理の密な協調を実現することが困難であることである。これは密なTRP協調を、TRPが同一のネットワークノードに接続されるシナリオに限定することがあり、それにより協調ゲインについての機会を限定している。
【0013】
文書WO2014/185953は無線リンク(RLC)グループを処理するための技術を開示している。一例において、RLCグループを処理するように動作可能であるキャリアアグリゲーション(CA)対応ユーザ機器(UE)は、UE RF送受信機およびプロセッサを含むことができる。UE RF送受信機は2つ以上のセルから送信ノードRF送受信機を介してパケットを受信するように設定することができる。プロセッサはプロトコルスタックのRLCエンティティ内のパケットのサービスデータユニットを処理するように設定することができる。
【0014】
文書EP2854444は、UEがデュアルコネクティビティにあり、UEのPDCPレイヤがMeNBおよびSeNBについてのアップリンク内で共有されるシナリオにおいて、UEにおいて実施されるバッファ状態報告および論理チャネル優先順位付け手順を開示している。ここで、比率が導入され、それにしたがって、前記比率にしたがってPDCPについてのバッファ値がUE内でSeNBとMeNBの間で分割される。
【発明の概要】
【0015】
ユーザ機器(UE)を無線アクセスネットワーク(RAN)に接続する方法を提供することが目的である。
【0016】
ベースバンドユニット(BBU)ならびにUEについて、UEをRANに接続することをサポートすることを提供することが別の目的である。
【0017】
第1の態様において、電気通信ネットワークにおいてユーザ機器(UE)を無線アクセスネットワーク(RAN)に接続する方法が提供され、前記RANが複数のベースバンドユニット(BBU)を備え、前記UEがBBUとの同一のタイプの接続のために使用され得る2つのマルチレイヤードプロトコルスタックを備え、前記UEは第1のBBUとの通信のための前記2つのプロトコルスタックの第1を使用して前記第1のBBUに接続される。
【0018】
方法は、第2のBBUによって前記電気通信ネットワークにおいてネットワークノードからスタックセレクタパラメータを受信するステップであって、前記スタックセレクタパラメータが前記第2のBBUとの前記通信のために前記2つのプロトコルスタックのどちらが前記UEによって使用されることになるかを示す、受信するステップと、前記第2のBBUによって、前記UEにダウンリンクグラントメッセージを送信するステップであって、前記ダウンリンクグラントメッセージが前記スタックセレクタパラメータを含む、送信するステップとを含む。
【0019】
方法は、2つのプロトコルスタックが単一の接続のために導入されるとの知見に、少なくとも基づいている。つまり、1つの特定の接続のために、UEは2つのプロトコルスタックのうちのいずれも利用することができる。
【0020】
提示される方法の利点の1つは、よりフレキシブルな協調の選択を考慮しているということである。特に、他の協調機能からプロトコルスタックの取り扱いを切り離す。結果として、BBUをまたぐマルチポイント送信を、必ずしも物理レイヤにインパクトを与えることなく実施することができる。
【0021】
スタックセレクタパラメータは1ビットのパラメータとして実装することができ、2つのプロトコルスタックのどちらがダウンリンクまたはアップリンク送信のために使用されることになるかを示すために使用される。
【0022】
単一のBBU送信シナリオにおいて、すなわち、UEが単一のBBUに接続されるシナリオにおいて、ダウンリンクおよびアップリンクグラントはスタックセレクタパラメータについて同一の値を使用することができ、それにより同一のプロトコルスタックが使用されることを示している。例えば、「0」の値である。したがって、あらゆる所与の無線ベアラについて、単一のRLCエンティティがBBUにおいて使用され、また単一のRLCエンティティがデバイスにおいて使用される。これに関わらず、複数のTRPが通信に関与し得、あらゆる単一の送信があらゆるTRP、またはさらに複数のTRPを使用することができる。
【0023】
デュアルBBU送信シナリオにおいて、それぞれのBBUはスタックセレクタパラメータについて特定の値を使用することができる。例えば、第1のBBUは値「0」を使用してもよく、第2のBBUは値「1」を使用してもよい。あらゆる所与の無線ベアラについて、それぞれのBBUは単一のRLCエンティティを有し、一方でデバイスは2つのRLCエンティティを有し、それぞれのスタックについて1つ、つまり、スタックセレクタパラメータのそれぞれの値について、1つである。したがって、第1のBBUはその無線ベアラについてのダウンリンク送信をスケジューリングし、そのベアラはそのRLCエンティティからデータをフェッチし、ダウンリンクグラントにおけるスタックセレクタパラメータとして値「0」を示し、一方で、デバイスは受信したデータを値「0」を有するスタックセレクタパラメータに関連付けられるRLCエンティティに伝達する。
【0024】
同様に、第2のBBUはスタックセレクタパラメータとして値「1」を使用することができる。2つのBBUは1つまたはいくつかのTRPをそれぞれ使用することができる。両方のBBUは、それぞれそれらのスタックセレクタパラメータおよび対応するRLCスタックを使用して、同一のTTI内でダウンリンクまたはアップリンクデータをスケジューリングすることができる。
【0025】
提案される方法の利点の1つは、プロトコルスタックのRLCレイヤ、すなわち無線リンク制御レイヤが、その特定の接続についてUEに接続されるBBUを効果的に知ることである。
【0026】
本開示の利点は、Long Term Evolution(LTE)無線アクセスネットワークに関連して主に開示されていることに留意されたい。しかしながら、利点はまた、GSM EDGE無線アクセスネットワーク、ユニバーサル地上無線アクセスネットワークまたはその類のもののような、他のタイプの無線アクセスネットワークにおいても得られる。
【0027】
本開示によると、BBUはベースバンド処理ユニットである。eNodeBのような典型的な無線基地局はベースバンド処理ユニット、および無線周波数(RF)処理ユニットを備える。BBUは機器室に配置され、光ファイバを介してRF処理ユニットに接続されてもよい。BBUは物理的なインターフェースを通じて通信する役目を果たしている。
【0028】
本開示によると、同一のタイプの接続とは、接続が同一の無線アクセス技術、すなわちセルラ接続に基づいていることを意味する。これは、例えば、第5世代(5G)New Radio(NR)技術に基づく2つの接続、またはLong Term Evolution(LTE)技術に基づく2つの接続である可能性がある。
【0029】
一例において、前記スタックセレクタパラメータを受信するステップは、
前記第2のBBUによって、前記第1のBBUから前記スタックセレクタパラメータを受信するステップと、
前記第2のBBUによって、前記複数のBBUの中でスタックセレクタパラメータを協調するように構成される中央ネットワークノードから、前記スタックセレクタパラメータを受信するステップと
のいずれかを含む。
【0030】
本開示によると、スタックセレクタパラメータの協調は、BBUそれ自身によって実施され得るか、または中央ネットワークノード、例えば、無線アクセスネットワーク内もしくはコアネットワーク内のノードによって実施され得ることに留意されたい。
【0031】
中央ネットワークノードは、代替的に、電気通信ネットワークのコアネットワーク内の移動体管理エンティティ(MME)であることもでき、または電気通信ネットワークのコアネットワーク内のサービスゲートウェイ(SGW)であることもできる。
【0032】
中央ネットワークノードの利点は、BBUそれ自身の同期処理における失敗に起因するエラーが起こりにくいことである。例えば、特定のBBUが、既に別のBBUによって使用中であるスタックセレクタパラメータについての値を使用し始めると、エラーが生じることがある。そのようなものとして、2つの可能性のある手法を考慮することができる。
【0033】
第1の手法において、スタックセレクタパラメータの協調についての情報がBBUの間で分散される。次に、BBUのそれぞれは、同一の無線アクセスネットワーク内の他のBBUについて、特定のUEについてのスタックセレクタパラメータについての値を知るべきである。これは特に、互いに隣り合うBBU、すなわち隣り合うカバレッジセルを有するBBU、または部分的に互いに重なり合うBBUに当てはまることであり、それは、これらのBBUが同時にUEにサーブすることが可能になりやすいからである。
【0034】
別の手法において、スタックセレクタパラメータの協調についての情報は中央ネットワークノードに集められる。この場合、同期スキームの失敗に起因するエラーが起こる確率は、減少する。中央ネットワークノードは、BBUおよびそれに接続されるUEの一覧を維持すること、ならびにそれらのUEとの通信について、どのBBUが接続されるUEのどのスタックを使用しているかを維持することについて役割を果たしている。
【0035】
さらなる例において、前記スタックセレクタパラメータは、前記第1のBBUによる前記UEとの通信に使用される前記プロトコルスタックと比較して、前記第2のBBUによる前記UEとの通信について、使用されることになる異なるプロトコルスタックを示している。
【0036】
本開示によると、スタックセレクタパラメータが使用され得る複数のシナリオが存在し得る。第1のシナリオにおいて、第2のBBUは、第1のBBUによってUEと使用されるプロトコルスタックと比較して、UEとの通信について異なるプロトコルスタックを使用することになる。
【0037】
上の必然的な結果、例えば、UE、例えば、デュアルコネクティビティ対応UEは、第1のBBUと第1の接続を有し、第1のBBUは、値「0」のスタックセレクタパラメータを使用し、UEがそのパラメータで受信した通信が第1のBBUから発せられたものであることを判断できるようにする。次に、UEは第2のBBUに接続されるか、またはハンドオーバされることもできる。特にプロトコルスタックのRLCレイヤにとって、2つのBBUから受信された通信を区別するために、第2のBBUは、そのUEとの通信におけるスタックセレクタパラメータについて異なる値「0」を使用することができる。UEは、次いでそのスタックセレクタパラメータに基づいて、メッセージを対応するプロトコルスタックのRLCレイヤ、すなわちスタックセレクタパラメータに対応するプロトコルスタックに伝達することができる。
【0038】
さらなる例において、スタックセレクタパラメータは、前記第1のBBUによる前記UEとの通信に使用される前記プロトコルスタックに関して、前記第2のBBUによる前記UEとの通信について、使用されることになる同一のプロトコルスタックを示しており、前記方法は、
− 前記第2のBBUによって、前記電気通信ネットワークにおける前記ネットワークノードから、スタックリセットパラメータを受信するステップであって、前記スタックリセットパラメータが前記UEに対して前記スタックセレクタパラメータに対応する前記プロトコルスタックがリセットされることになることを示す、受信するステップと、
− 前記第2のBBUによって、前記UEに前記スタックリセットパラメータを送信するステップと
をさらに含む。
【0039】
ここで、UEは第2のBBUにハンドオーバされ得る。スタックリセットパラメータは、UEを第2のBBUに効果的にハンドオーバするために、第2のBBUからUEへの通信に含められてもよい。UEはスタックリセットパラメータに気付くことになり、より具体的には、そのスタックセレクタパラメータに対応するプロトコルスタックのRLCレイヤがスタックリセットパラメータに気付くことになり、また続いて、プロトコルスタックが第2のBBUとの通信に使用され得るように、少なくともプロトコルスタックのRLCレイヤをリセットすることになる。
【0040】
この詳細な例において、前記スタックリセットパラメータを送信するステップは、
− 前記第2のBBUによって、前記ダウンリンクグラントメッセージ内の前記スタックリセットパラメータを送信するステップと、
− 前記第2のBBUによって、別個の制御メッセージ内の前記スタックリセットパラメータを送信するステップと
のいずれかを含む。
【0041】
本発明者らはスタックリセットパラメータが少なくとも2つの異なる方法でUEに転送され得ることを見出している。まず、スタックリセットパラメータは、スタックセレクタパラメータについて使用されるように、同一のダウンリンクグラントメッセージに含められてもよい。次に、スタックセレクタパラメータによって提供されるような値に対応するプロトコルスタックは、まずリセットされ、次いでその特定のBBUとの後続の通信に使用される。
【0042】
別の選択肢としては、スタックリセットパラメータが別個の制御メッセージで送信されることである。この場合、ダウンリンクグラントメッセージが送信されるよりも前に、別個の制御メッセージがUEに送信されることが有利である。これは、その特定のスタックが異なるBBUに連結されるよりも前に、対応するプロトコルスタックがリセットされていることを確実にする。
【0043】
さらなる例において、第2のBBUは前記第1のBBUである。
【0044】
この特定の例において、UEはデュアルコネクティビティ対応UEであってもよく、前記UEは同一のBBUに対して2つの同時的な接続を有することができる。それらの接続のそれぞれは、次に、効率目的で1つのプロトコルスタックに連結される。
【0045】
本開示による方法およびデバイスから成る異なる態様という表現、すなわち言い回しは、字義通りに取られるべきではない。態様という言い回しは、態様の実際の機能性の根底にある理論的根拠を正確に表現するために選択されているに過ぎない。
【0046】
本開示によると、上で言及した方法の例に適用可能な異なる態様は、その利点を含み、電気通信ネットワークのデバイスに適用可能な態様に対応する。
【0047】
第2の態様において、電気通信ネットワークにおいてデュアルコネクティビティ対応ユーザ機器(UE)を無線アクセスネットワーク(RAN)に接続する方法が提供され、前記UEがBBUとの同一のタイプの接続として使用され得る2つのマルチレイヤードプロトコルスタックを備え、前記UEは第1のBBUとの通信のための前記2つのプロトコルスタックの第1を使用して前記第1のBBUに接続され、前記方法は、
− 前記UEによって、前記RANの第2のBBUからスタックセレクタパラメータを受信するステップであって、前記スタックセレクタパラメータが前記2つのプロトコルスタックのどちらが前記第2のBBUとの前記通信のために前記UEによって使用されることになるかを示す、受信するステップと、
− 前記UEによって、前記受信したダウンリンクグラントメッセージを、前記スタック受信されたセレクタパラメータに対応するマルチレイヤードプロトコルスタックのRLCエンティティに伝達するステップと
を含む。
【0048】
上で開示されたように、方法の利点はUEがダウンリンクグラントメッセージを、ダウンリンクメッセージを送信したBBUに連結されたプロトコルスタック、すなわちダウンリンクメッセージを送信したBBUに対応するプロトコルスタックに伝達することができることである。より具体的には、ダウンリンクグラントメッセージは対応するプロトコルスタックのRLCエンティティに伝達される。
【0049】
これにより、UEが、特にUEが同時に複数のBBUに接続されている状況で効果的に展開されるようにすることが可能である。
【0050】
一例において、方法は、
− 前記UEによって、前記RANの同一または別のBBUからさらなるダウンリンクグラントメッセージを受信するステップであって、前記さらなるダウンリンクグラントメッセージがさらなるスタックセレクタパラメータを含み、前記スタックセレクタパラメータが前記2つのプロトコルスタックの他のどちらが前記第2のBBUとの前記通信について前記UEによって使用されることになるかを示す、受信するステップと、
− 前記UEによって、前記受信されるダウンリンクスケジューリング制御メッセージを、前記スタックセレクタパラメータに対応する前記2つのマルチレイヤードプロトコルスタックの別の1つのさらなるRLCエンティティに伝達するステップと
をさらに含む。
【0051】
さらなる例において、スタックセレクタパラメータは、前記第1のBBUによる前記UEとの通信に使用される前記プロトコルスタックと比較して、前記第2のBBUによる前記UEとの通信について、使用されることになる異なるプロトコルスタックを示している。
【0052】
本発明によると、2つのプロトコルスタックが同一の接続に使用されてもよいことに留意されたい。つまり、プロトコルスタックは異なる技術態様を対象としているものではない。プロトコルスタックは、例えば、無線アクセスネットワークへの、同一の、または類似のモバイル接続、例えば、3Gもしくは4Gについて使用され得る。
【0053】
一例において、スタックセレクタパラメータは、前記UEによる前記第1のBBUとの通信に使用される前記プロトコルスタックに関して、前記UEによる前記第2のBBUとの通信について、使用されることになる同一のプロトコルスタックを示しており、前記方法は、
− 前記UEによって、前記第2のBBUから、スタックリセットパラメータを受信するステップであって、前記スタックリセットパラメータが前記UEに対して前記スタックセレクタパラメータに対応する前記プロトコルスタックがリセットされることになることを示す、受信するステップと、
− 前記UEによって、前記スタックセレクタパラメータに対応する前記プロトコルスタックの、少なくとも無線リンク制御レイヤをリセットするステップと
をさらに含む。
【0054】
さらに別の例において、前記スタックリセットパラメータを受信するステップは、
− 前記UEによって、前記ダウンリンクグラントメッセージ内の前記スタックリセットパラメータを受信するステップと、
− 前記UEによって、別個の制御メッセージ内の前記スタックリセットパラメータを受信するステップと
を含む。
【0055】
別の例において、第2のBBUは前記第1のBBUである。
【0056】
第3の態様において、電気通信ネットワークにおいてユーザ機器(UE)を無線アクセスネットワーク(RAN)に接続することをサポートするための第2のベースバンドユニット(BBU)が提供され、前記RANが複数のベースバンドユニット(BBU)を備え、前記UEがBBUとの通信のために使用され得る2つのマルチレイヤードプロトコルスタックを備え、前記UEが第1のBBUとの通信のための前記2つのプロトコルスタックの第1を使用して前記第1のBBUに接続され、前記第2のBBUが、
− 前記電気通信ネットワークにおいてネットワークノードからスタックセレクタパラメータを受信するように動作可能である受信機器であって、前記スタックセレクタパラメータが前記2つのプロトコルスタックのどちらが前記第2のBBUとの前記通信のために前記UEによって使用されることになるかを示す、受信機器と、
− 前記UEにダウンリンクグラントメッセージを送信するように動作可能である送信機器であって、前記ダウンリンクグラントメッセージが前記スタックセレクタパラメータを含む、送信機器と
を備える。
【0057】
本開示によると、上で言及した本開示の第3の態様の例に適用可能な異なる態様は、その利点を含めて、本開示の第1および第2の態様に適用可能な態様に対応する。
【0058】
一例において、スタックセレクタパラメータは、前記第1のBBUによる前記UEとの通信に使用される前記プロトコルスタックに関して、前記第2のBBUによる前記UEとの通信について、使用されることになる同一のプロトコルスタックを示しており、
− 前記受信機器は前記電気通信ネットワークにおける前記ネットワークノードから、スタックリセットパラメータを受信するようにさらに動作可能であり、前記スタックリセットパラメータが前記UEに対して前記スタックセレクタパラメータに対応する前記プロトコルスタックがリセットされることになることを示し、
− 前記送信機器は前記UEに前記スタックリセットパラメータを送信するようにさらに動作可能である。
【0059】
第4の態様において、電気通信ネットワークにおいてデュアルコネクティビティ対応ユーザ機器(UE)を無線アクセスネットワーク(RAN)に接続することをサポートするためのデュアルコネクティビティ対応ユーザ機器(UE)が提供され、前記UEがBBUとの通信のために使用され得る2つのマルチレイヤードプロトコルスタックを備え、前記UEが第1のBBUとの通信のための前記2つのプロトコルスタックの第1を使用して前記第1のBBUに接続され、前記UEは、
− 前記RANの第2からスタックセレクタパラメータを受信するように動作可能である受信機器であって、前記スタックセレクタパラメータが前記2つのプロトコルスタックのどちらが前記第2のBBUとの前記通信のために前記UEによって使用されることになるかを示す、受信機器と、
− 前記受信したダウンリンクグラントメッセージを、前記スタック受信されたセレクタパラメータに対応するマルチレイヤードプロトコルスタックのRLCエンティティに伝達するように動作可能である伝達機器と
を備える。
【0060】
本開示によると、上で言及した本開示の第4の態様の例に適用可能な異なる態様は、その利点を含めて、本開示の第1、第2および第3の態様に適用可能な態様に対応する。
【0061】
本開示によると、デュアルコネクティビティユーザ機器(UE)は同時に同一のタイプの2つの同時的な接続を有することができるUEである。これはデュアルコネクティビティUEが、例えば、2つの無線基地局に対して同時に2つの5G NR接続を有すること、または単一の無線基地局に対して同時に2つの5G NR接続を有することを意味する。別の可能性としては、UEが2つのeNodeBに対して同時に2つのLTE接続を有することである。
【0062】
第5の態様において、少なくとも1つのプロセッサで実行されると、少なくとも1つのプロセッサに上記で提供されるような例のいずれかによる方法を実行させる命令を含む可読記憶媒体を備える、コンピュータプログラム製品が提供される。
【0063】
第6の態様において、電気通信ネットワークにおいてユーザ機器(UE)を無線アクセスネットワーク(RAN)に接続することをサポートするための第2のベースバンドユニット(BBU)が提供され、前記RANが複数のベースバンドユニット(BBU)を備え、前記UEがBBUとの通信のために使用され得る2つのマルチレイヤードプロトコルスタックを備え、前記UEが第1のBBUとの通信のための前記2つのプロトコルスタックの第1を使用して前記第1のBBUに接続され、前記第2のBBUは、
− 前記電気通信ネットワークにおいてネットワークノードからスタックセレクタパラメータを受信する受信モジュールであって、前記スタックセレクタパラメータが前記2つのプロトコルスタックのどちらが前記第2のBBUとの前記通信のために前記UEによって使用されることになるかを示す、受信モジュールと、
− 前記UEにダウンリンクグラントメッセージを送信する送信モジュールであって、前記ダウンリンクグラントメッセージが前記スタックセレクタパラメータを含む、送信モジュールと
を備える。
【0064】
第7の態様において、電気通信ネットワークにおいてデュアルコネクティビティ対応ユーザ機器(UE)を無線アクセスネットワーク(RAN)に接続することをサポートするためのデュアルコネクティビティ対応ユーザ機器(UE)が提供され、前記UEがBBUとの通信のために使用され得る2つのマルチレイヤードプロトコルスタックを備え、前記UEが第1のBBUとの通信のための前記2つのプロトコルスタックの第1を使用して前記第1のBBUに接続され、前記UEは、
− 前記RANのうちの第2のBBUからスタックセレクタパラメータを受信するように動作可能である受信機器であって、前記スタックセレクタパラメータが前記2つのプロトコルスタックのどちらが前記第2のBBUとの前記通信のために前記UEによって使用されることになるかを示す、受信機器と、
− 前記受信したダウンリンクグラントメッセージを、前記スタック受信されたセレクタパラメータに対応するマルチレイヤードプロトコルスタックのRLCエンティティに伝達するように動作可能である伝達機器と
を備える。
【0065】
上で言及した、および他の、本開示の特徴および利点は添付の図面を参照して以下の説明から最良に理解されよう。図面において、同一の参照符号は全く同一の部分、または全く同一もしくは同等の機能もしくは動作を実施する部分、を表記している。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【
図1】ユーザ機器が配置されている無線アクセスネットワーク(RAN)を図示する概略図である。
【
図2】ユーザ機器が配置されている別の無線アクセスネットワーク(RAN)を図示する概略図である。
【
図3】ユーザ機器が配置されているさらに別の無線アクセスネットワーク(RAN)を図示する概略図である。
【
図4】本開示の態様を図示するシグナリング図である。
【
図5】本開示のさらに別の態様を図示するシグナリング図である。
【
図6】本開示の態様を図示するシグナリング図である。
【
図7】第2のベースバンドユニット(BBU)の実施形態を図示する概略図である。
【
図8】ユーザ機器(UE)の実施形態を図示する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
図1はユーザ機器(UE)6、7、8が配置されている無線アクセスネットワーク(RAN)1を図示する概略図である。本開示は電気通信ネットワークに設定される。本開示によると、電気通信ネットワークは無線アクセスネットワーク(RAN)1、ならびにコアネットワーク(不図示)を備える。無線アクセスネットワークはユーザ機器(UE)6、7、8と直接通信すること、およびUEをコアネットワークに接続することについて、役割を果たしている。無線アクセスネットワークは複数の基地局を含んでもよく、それぞれの基地局はベースバンドユニット(BBU)に関連付けられている。つまり、第1のBBU5は第1の基地局に接続されており、第2のBBU3は第2の基地局に接続されており、第3のBBU4は第3の基地局に接続されている。
【0068】
基地局、すなわち無線アクセスノードは、例えば、eNodeBであり得る。本開示の利点は、LTEネットワークに関連して主に開示されていることに留意されたい。しかしながら、利点は他のタイプのネットワークにおいても得られる。
【0069】
本開示によると、UEはBBUとの同一のタイプの接続に使用され得る2つのマルチレイヤードプロトコルスタックを備える。UEは、例えば、第1のeNodeBに接続することができ、次いで同一の無線アクセス技術、例えば、5G New Radio(NR)接続を使用して第2のeNodeBに接続されることを意図される。
【0070】
本開示で開示するようなプロトコルスタックは、設定によって差別化され互いに独立して取り扱われる、一般的なまたはデフォルトのプロトコルスタックの例であり得る。これは、プロトコルスタックは基本的に互いのコピーであるが、互いに関して独立して取り扱われ得ることを意味する。したがって、プロトコルスタックは、UEが第1のプロトコルスタックから第2のプロトコルスタックにスイッチングする際はいつでも互換性の問題がないように、またはその逆の際も問題がないように、技術的には同一であり得る。
【0071】
本開示によると、参照符号9で示されるような第1の基地局のカバレッジエリアは、参照符号11で示されるような第2の基地局のカバレッジエリア、および参照符号10で示されるような第3の基地局のカバレッジエリアとオーバーラップしていることに留意されたい。
【0072】
UE6、7、8は最初、第1の基地局9のカバレッジエリアだけがUEをカバーするように配置されている。次いでUE6、7、8は、第1の基地局のカバレッジエリア、ならびに第2の基地局のカバレッジエリアによってカバーされる場所に移動する。最終的に、UE6、7、8は、第1の基地局のカバレッジエリア、ならびに第3の基地局のカバレッジエリアによってカバーされる場所に移動する。
【0073】
参照符号6で示される位置において、UEは第1の基地局、より具体的には、第1のBBU5と通信する。ここで、第1のBBU5からUEへ送信されるあらゆるダウンリンクグラントメッセージはスタックリセットパラメータならびにスタックセレクタパラメータを含む。スタックリセットパラメータは、スタックセレクタパラメータに対応するプロトコルスタックがリセットされるべきか否かを、UEに示す。この特定の状況において、スタックリセットパラメータは値「0」に設定される。これはスタックセレクタに対応するプロトコルスタックがリセットされないことをUEに示す。スタックセレクタパラメータは、2つのプロトコルスタックのうち第1がUEと第1のBBU5との間の通信に使用されることになることを示す値「0」を有する。
【0074】
次に、UEは参照符号9で示されるカバレッジエリアから、第1のBBU5ならびに第2のBBU3によってカバーされる位置に移動する。したがって、参照符号9および11で示されるカバレッジエリアがオーバーラップする位置である。これは参照符号7を有するUEで示されている。ここで、UEは第1のBBU5ならびに第2のBBU3によってサーブされ得る。
【0075】
この特定の状況において、UEはデュアルコネクティビティ、すなわち第1のBBU5への接続ならびに第2のBBU3への接続を同時に有したいことを決定する。第1のBBU5および第2のBBU3は互いに同期して第2のBBU3が、第1のBBU5と比較して第2のBBU3との通信のために異なるプロトコルスタックがUEによって使用されることになること示すためにスタックセレクタ値「1」を使用するべきかを判断することができる。代替的に、そのような判断は無線アクセスネットワーク内またはコアネットワーク内の中央ネットワークノードによって実施されてもよい。そのようにして、第2のBBU3からUEへ送信されるあらゆるダウンリンクグラントメッセージは値「1」を有するスタックセレクタパラメータ、および値「0」を有するスタックリセットパラメータを含むことになる。
【0076】
最終的に、UEは第1のBBU5ならびに第3のBBU4によってカバーされる第3の位置に移動し、参照符号9および10によって示されるカバレッジエリアによってカバーされる。この特定の状況において、UEはもはや第2のBBU3によってはカバーされていない。UEの現在の位置が、参照符号8で示されている。
【0077】
ここで、UEは第2のBBU3から第3のBBU4に効果的にハンドオーバされる。そのようにして、第2のBBU3と第3のBBU4の間で相互に、または中央ネットワークノードによって、第3のBBU4からUEへ送信されるあらゆるダウンリンクグラントメッセージが値「1」を有するスタックセレクタパラメータ、および値「1」を有するスタックリセットパラメータを含むことを確実にすることが決定される。これは、値「1」を有するスタックセレクタパラメータに対応するプロトコルスタックをリセットするべきであること、および、引き続き、第3のBBU3とのさらなる通信のためにその特定のプロトコルスタックを使用するべきであることをUEに示す。
【0078】
図2はユーザ機器が配置されている別の無線アクセスネットワーク(RAN)101を図示する概略図である。その態様において、同一のものは同一の参照符号によって示されることに留意されたい。
【0079】
この特定の状況において、UE102は最初、参照符号9で示されるカバレッジエリア内に配置されており、次にUEは、第1のBBU5に対応するカバレッジエリアによってカバーされる位置、すなわち、参照符号9で示される位置、ならびに第2のBBU3に対応するカバレッジエリアによってカバーされる位置、すなわち、参照符号11で示される位置、103に移動する。最終的にUE104は、参照符号9、11、および10、すなわち第1のBBU5、第2のBBU3、および第3のBBU4によって示されるカバレッジエリアによってカバーされる位置に移動する。
【0080】
やはり、第1のBBU5からUEへ送信されるダウンリンクグラントメッセージはスタックセレクタパラメータならびにスタックリセットパラメータを含む。スタックセレクタパラメータは、2つのプロトコルスタックのうち第1のスタックが第1のBBU5に連結されることになることを示す値「0」を有する。スタックリセットパラメータは、2つのプロトコルスタックのうち第1のスタックがリセットされる必要がないことを示す値「0」を有する。
【0081】
いったんUEが第1のBBU5ならびに第2のBBU3によってカバーされる位置に移動すると、UEは2つの接続を同時的には所望しないと決定する。UEを第1のBBU5から第2のBBU3へハンドオーバすることが決定され、第2のBBU3はUE内の同一のスタックを使用する。そのようにして、第2のBBU3からUEへ送信される少なくとも第1のダウンリンクグラントメッセージはスタックセレクタパラメータならびにスタックリセットパラメータを含むことになる。スタックセレクタパラメータは以前と同一の値、すなわち値「0」を有することになる。スタックリセットパラメータは値「1」を有して、UEにスタックセレクタパラメータに対応するプロトコルスタックがリセットされることになることを示すことになる。つまり、同一のプロトコルスタックが今度は異なるBBUに使用される。
【0082】
最終的に、UEは3つすべてのBBU、すなわち参照符号5、3、および4で示されるBBUによってカバーされる位置に移動する。ここで、UEは2つの接続、すなわち第2のBBU3への1接続、および第3のBBU4への1接続を、同時的に有することを意図することが決定される。そのようにして、第3のBBU4は値「1」を有するスタックセレクタパラメータ、および値「0」を有するスタックリセットパラメータを送信することになる。これは、UEに2つのプロトコルスタックのうち第2が第3のBBU4との通信のために使用されることになることを示す。
【0083】
図3はユーザ機器が配置されているさらに別の無線アクセスネットワーク(RAN)201を図示する概略図である。
【0084】
ここで、UEは第1のBBU5から第2のBBU3、次いで第3のBBU4に移動する。第1のBBU5のカバレッジエリア9は第2のBBU3のカバレッジエリア11と部分的にオーバーラップし、第2のBBU3のカバレッジエリア11は第3のBBU4のカバレッジエリア10と部分的にオーバーラップしている。
【0085】
次に、UEは第1のBBU5によって値「0」を有するスタックセレクタパラメータおよび値「0」を有するスタックリセットパラメータを使用して、最初にサーブされる。次いで2つの接続が同時的に、つまり第1のBBU5と第2のBBU3の間で、確立され、第2のBBUは値「1」を有するスタックセレクタパラメータおよび値「0」を有するスタックリセットパラメータを使用する。最終的に第3のBBU4は値「0」を有するスタックセレクタパラメータおよび値「1」を有するスタックリセットパラメータを使用して、第1のプロトコルスタックがリセットされ得ること、および第1のプロトコルスタックが第3のBBU4との接続に使用されることになることを、UEに示す。
【0086】
図4は本開示の態様を図示するシグナリング
図301である。
【0087】
参照符号303は、第1のBBU5からUE302への、すべての種類のダウンリンクトラフィックを示している。少なくともダウンリンクグラントメッセージはスタックセレクタパラメータならびにスタックリセットパラメータを含む。
【0088】
時間的にあるポイントにおいて、UE302を第1のBBU5から第2のBBU3にハンドオーバすることが決定される。これは参照符号304で示されている。この特定の状況において、UE302と第1のBBU5との間、ならびにUE302と第2のBBU3との間の、二重の同時的な接続はない。
【0089】
したがって、第2のBBU3からUE302へ送信されるトラフィックにおいて、UEにそのプロトコルスタックをリセットさせる、値「1」を有するスタックリセットパラメータが与えられる。
【0090】
上に続いて、電気通信ネットワークの無線アクセスネットワーク(RAN)においてユーザ機器(UE)をハンドオーバすることが提供され、前記RANが複数のベースバンドユニット(BBU)を備え、前記UEがBBUとの接続のために使用され得る少なくとも1つのマルチレイヤードプロトコルスタックを備え、前記UEは前記プロトコルスタックを使用して第1のBBU5に接続され、前記方法は
− 第2のBBUによって、前記電気通信ネットワーク内のネットワークノードから、前記UE302が前記第2のBBU3にハンドオーバされることになることの指示を受信するステップであって、前記第2のBBU3が前記UE302に前記プロトコルスタックが前記第2のBBU3との通信についてリセットされることになることを示すためのスタックリセットパラメータを使用することになる受信するステップと、
− 前記第2のBBUによって、前記UE302にダウンリンクグラントメッセージを送信するステップであって、前記ダウンリンクグラントメッセージが前記スタックリセットパラメータを含む、送信するステップと
を含む。
【0091】
スタックリセットパラメータは典型的には1ビットであり、その値は後続のダウンリンクグラントメッセージまたはアップリンクグラントメッセージ内で、同じものをたいてい保持される。スタックリセットパラメータがその値をトグルする場合はいつでも、つまり「0」から「1」へ、または「1」から「0」に変わる場合はいつでも、対応するプロトコルスタックのRLCスタックはリセットされる。
【0092】
単一のBBUが使用される時、SRI値は変わることなく保持され得、例えば、値「0」を有するスタックリセットパラメータである。
【0093】
デバイスのサービングが1つのBBUから別のBBUに移動する場合、スタックリセットパラメータは強制的にUEにその対応するプロトコルスタックのRLCスタックをリセットさせるためにトグルすることがある。例えば、UEは最初、第1のBBU5によって値「0」を有するスタックリセットパラメータを使用してサーブされる。ある時間において、デバイスは、別個のRLCスタックを有し第1のBBU5と協調していない第2のBBU3にハンドオーバされる。したがって、RLCはリセットされることになる。第1のBBU5はUEのサービングを停止し、第2のBBU3がUEのサービングを開始し、今度は値「1」を有するスタックリセットパラメータを使用する。UEが値「1」を有するスタックリセットパラメータを伴うグラントを受信すると、それに応じてそのRLCスタックをリセットする。
【0094】
スタックセレクタパラメータとスタックリセットパラメータとの組み合わせは、いくつかのBBUが関与する時に使用され得る。その時、それぞれのスタックセレクタパラメータはそれ自身のスタックリセットパラメータに関連付けられ、スタックリセットパラメータのトグリングは、値「0」を有するスタックセレクタパラメータを伴うグラントメッセージについて、および値「1」を有するセレクタパラメータを伴うグラントメッセージについて、別個に検出される。
【0095】
一例において、UEは最初に第1のBBUおよび第2のBBUによってサーブされる。第1のBBUは値「0」を有するスタックセレクタパラメータ、すなわちSS=0、および値「0」を有するスタックリセットパラメータ、すなわちSRI=0を使用する一方、第2のBBUはSS=1、およびSRI=0を使用する。ある時間において、UEは第2のBBUから第3のBBUにハンドオーバされ、その間、第1のBBUはUEをサーブし続ける。第3のBBUはSS=1およびSRI=1を使用し、その間、第1のBBUはSS=0およびSRI=0を使用し続ける。結果として、SS=1に関連付けられるRLCスタックはリセットされることになり、一方でSS=0に関連付けられるRLCスタックは影響を受けることはない。
【0096】
図5は本開示のさらに別の態様を図示するシグナリング
図601である。
【0097】
ここで、最初、UE602は第1のBBU5だけと接続される。第1のBBU5からUE602に送信されるダウンリンクグラントメッセージはスタックセレクタパラメータを含み、スタックセレクタパラメータは、第1のプロトコルスタックが第1のBBU5との通信に使用されることになることをUE602に示す値「0」を有する。
【0098】
時間的にあるポイントにおいて、デュアルコネクティビティ605が開始される、つまりUE602が同時に、第1のBBU5ならびに第2のBBU3との接続を有することを意図する。
【0099】
この特定の状況において、第2のBBU3は、第1のBBU5によって使用される値と比較して異なる値を有するスタックセレクタパラメータを含むダウンリンクグラントメッセージを送信する。第2のBBU3は、例えば、値「1」を有するスタックセレクタパラメータを使用する。
【0100】
上で言及したように、あらゆるBBUはスタックセレクタパラメータすなわちSS、および/またはスタックリセットパラメータすなわちSRIを使用することができる。
【0101】
SRIの代替として、RLCリセットを示すために別個の制御メッセージが導入される。一例において、RLCリセット制御メッセージは、SSなしで使用される。この場合、RLCリセットメッセージはUEに送信され、その際1つのBBUから別のBBUにハンドオーバされる。RLCリセットメッセージが送信される期間の間、RLCは信頼して使用されることができないが、それはRLCが既にリセットされたかどうかが知られていないためである。例えばRLCリセット確認メッセージを介して確認がネットワークにおいて受信されて初めてRLCスタックを再び使用することができる。
【0102】
別の例において、RLCリセット制御メッセージは、SSと共に使用される。この例において、それぞれのRLCリセット制御メッセージはどのSSがリセットされるべきかを示す。最初UEは、BBU1によってSS=0およびその関連付けされるRLCスタックを使用してサーブされる。この時、SS=1に関連付けられるRLCスタックは、リセットされているかのような同一の状態で、使用されない。ある時間において、UEは第1のBBUから第2のBBUにハンドオーバされ、第2のBBUはSS=1を使用してグラントメッセージの送信を開始する。結果として、SS=1に関連付けられるRLCスタックが使用される。次に、SS=0に関連付けられるRLCスタックがリセットされるべきであることを示すRLC制御メッセージがUEに送信される。この時点で、デバイスはいつでも別のBBU、例えば第3のBBUに、SS=0に関連付けられるRLCスタックを使用してハンドオーバされる準備ができている。
【0103】
図6は本開示の態様を図示するシグナリング
図701である。
【0104】
ここで、最初UE701は第1のBBU5ならびに第2のBBU3とのデュアルコネクティビティ接続を有する。つまり、UE702に送信されたグラントメッセージにおいて、第1のBBUはSS=0を使用し、第2のBBUはSS=1を使用する。
【0105】
しばらくして、UE702を第2のBBU3から第3のBBU4にハンドオーバすることが決定される。これは参照符号704で示されている。それを達成するために、第3のBBU4はダウンリンクグラントメッセージをUE702に送信し、ここにおいてダウンリンクグラントメッセージはスタックセレクタパラメータすなわちSS=1、ならびにスタックリセットパラメータすなわちSRI=1を含む。これは、値「1」を有するスタックセレクタパラメータに対応するスタックがリセットされることになることをUEに示す。
【0106】
BBUがUE702をサーブし始めると、BBUはどのSSおよびSRIを使用するかを知る必要があり得る。最初UEが第1のBBU5によってサーブされ、次いで第2のBBU3によってサーブされようとしている場合、第1のBBU5は、第1のBBUによって使用するためのSSおよびSRIについての適切な値に関する情報を送信することができる。UEが第1のBBUおよび第2のBBUの両方によって同時的にサーブされることになる場合、第1のBBUは、第1のBBUが使用するSSとは異なるSSを使用することを、第2のBBUに示すことができ、それによりUEに、第1のBBUおよび第2のBBUと通信している異なるRLC/MACスタックを使用させる。
【0107】
その一方で、UEが第1のBBUおよび第2のBBUへの同時的な接続なしに直接ハンドオーバされるようになる場合、第1のBBUは、第1のBBUが使用している同一のSSを使用するが、第1のBBUと比較して反対のSRIの値を使用することを第2のBBUに示すことができ、それによりUEに同一のRLC/MACスタックを使用させているが、それがリセットされるようにしている。
【0108】
最初UEが第1のBBUおよび第2のBBUの両方によってサーブされ、次に第1のBBUおよび第3のBBUによってサーブされるようになる場合、第1のBBUもしくは第2のBBUのいずれか、またはさらには両方が、SSおよびSRIについてどの値を使用するかを第3のBBUに示すことができる。
【0109】
代替的なものとしては、中央ネットワークノードからのSSおよびSRIの使用を協調することである。中央ネットワークノードは、UEをサービングするそれぞれのBBUによってどのSSおよびSRIが使用されるかの追跡をし続けるであろう。新しいBBUがUEをサービングすることになる時、中央ノードは新しいBBUにSSおよびSRIについてどの値を使用するかを知らせる。
【0110】
図7は第2のベースバンドユニット(BBU)801の実施形態を図示する概略図である。
【0111】
第2のベースバンドユニット(BBU)801は、電気通信ネットワークにおいてユーザ機器(UE)を無線アクセスネットワーク(RAN)に接続することをサポートするために使用され、前記RANが複数のベースバンドユニット(BBU)を備え、前記UEがBBUとの通信のために使用され得る2つのマルチレイヤードプロトコルスタックを備え、前記UEは前記第1のBBUとの通信のための前記2つのプロトコルスタックの第1を使用して第1のBBUに接続される。
【0112】
ハウジング805を有する第2のBBUは、
− 前記電気通信ネットワークにおけるネットワークノードから、スタックセレクタパラメータを受信するように動作可能である受信機器804であって、前記スタックセレクタパラメータが前記第2のBBUとの前記通信のために前記2つのプロトコルスタックのどちらが前記UEによって使用されることになるかを示す、受信機器804と、
− 前記UEにダウンリンクグラントメッセージを送信するように動作可能である送信機器806であって、前記ダウンリンクグラントメッセージが前記スタックセレクタパラメータを含む、送信機器806と
を含む。
【0113】
ここで、入来するデータパケットまたはメッセージは、それらが受信機器804または受信モジュールに到達する前に、入力端子803を通過する。出ていくデータパケットまたはメッセージは、出力端子807を介して、送信機器806または送信モジュールによって、通過または送信される。
【0114】
第2のBBU801は、制御ユニット808およびメモリ809をさらに備え、制御ユニット808はバス接続などを介して受信機器804、送信機器806および処理機器802に接続される。
【0115】
図8はユーザ機器(UE)の実施形態を図示する概略図である。
【0116】
電気通信ネットワークにおいてデュアルコネクティビティ対応ユーザ機器(UE)1001を無線アクセスネットワーク(RAN)に接続することをサポートするためのデュアルコネクティビティ対応ユーザ機器(UE)1001、前記UE1001がBBUとの通信のために使用され得る2つのマルチレイヤードプロトコルスタックを備え、前記UE1001が第1のBBUとの通信のための前記2つのプロトコルスタック1010、1011の第1を使用して前記第1のBBUに接続される。
【0117】
UE1001は、
− 前記RANにおいてスタックセレクタパラメータを第2のBBUから受信するように動作可能である受信機器1004であって、前記スタックセレクタパラメータが前記第2のBBUとの前記通信のために前記2つのプロトコルスタック1010、1011のどちらが前記UE1001によって使用されることになるかを示す、受信機器1004と、
− 前記受信したダウンリンクグラントメッセージを、前記スタック受信されたセレクタパラメータに対応するマルチレイヤードプロトコルスタックのRLCエンティティに伝達するように動作可能である伝達機器1002と
を備える。
【0118】
ここで、入来するデータパケットまたはメッセージは、それらが受信機器1004または受信モジュールに到達する前に、入力端子1003を通過する。出ていくデータパケットまたはメッセージは送信機器1006または送信モジュールによって、出力端子1007を介して、通過または送信される。
【0119】
UE1001は、制御ユニット1008およびメモリ1009をさらに備え、制御ユニット1008はバス接続などを介して受信機器1004、送信機器1006および伝達機器1002に接続される。
【0120】
本開示の利点の1つは、協調のよりフレキシブルな選択を考慮しているということである。特に、他の協調機能からプロトコルスタックの取り扱いを切り離す。結果として、BBUをまたぐマルチポイント送信は、物理レイヤにインパクトを与えることなく実施することができる。例えば、プロトコルスタックリセットを示すためにビットのトグリングを使用することによって、リセットは信頼でき、さらにリセットのための別個のメッセージを使用するよりも速い。
【0121】
したがって、異なるネットワークノード、すなわちBBUから、少ないオーバヘッドで、低いレイテンシで、および高い信頼性をもってUEをサービングすることを可能にする、スタック選択およびスタックリセットについて効率的なシグナリング方法が提供される。他の機能からスタック管理を切り離すことによって、ネットワークプロトコル処理をフレキシブルに展開されることが可能になる。
【0122】
開示される実施形態に対する他の変形例は、図面、開示、および添付の特許請求の範囲の検討より、特許請求される発明を実用化することにおいて当業者によって理解され得、行われ得る。特許請求の範囲において、語句「を含む」は他の要素またはステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」または「an」は複数を排除するものではない。単一のプロセッサまたは他のユニットは特許請求の範囲に列挙されるいくつかの項目の機能を満たすことができる。特定の策が相互に異なる従属請求項に列挙されるという単なる事実は、これらの策の組み合わせが利益を得るために使用され得ないことを示していない。コンピュータプログラムが、他のハードウェアと共にまたは他のハードウェアの一部として供給される光学記憶媒体またはソリッドステート媒体などの適切な媒体に記憶/分散され得るが、インターネットまたは他の有線もしくは無線の電気通信システムを介してなど、他の形態に分散されてもよい。特許請求の範囲におけるあらゆる参照符号はその範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0123】
本開示は上で開示した実施形態に限定されず、発明的な能力を適用する必要なく添付の特許請求の範囲において開示されるような本開示の範囲を超えて当業者によって修正および拡張することができる。