(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ユーザによる一度の取引における一以上の商品の購入金額の合計金額が所定金額以上であることを条件として割引が適用されるクーポンを利用した、前記取引の決済要求を受け付ける決済要求受付部と、
前記合計金額が前記所定金額以上である場合に、前記合計金額から前記割引に対応する割引額を差し引いた割引後金額で決済する決済部と、
前記取引において購入された一以上の商品の少なくともいずれかの返品要求を受け付ける返品要求受付部と、
前記合計金額が前記所定金額以上であり、前記合計金額から前記返品要求に対応する商品の金額を差し引いた金額である差引後金額が前記所定金額未満であるとともに、前記差引後金額が前記割引後金額以上である場合に前記商品の金額を前記ユーザに返金せずに返品に係る処理を行う返品処理部と、
を有する決済処理装置。
前記返品処理部は、前記差引後金額が前記所定金額未満であるとともに、前記差引後金額が前記割引後金額未満である場合に、前記割引後金額から前記差引後金額を差し引いた額の返金を前記ユーザに行う、
請求項1に記載の決済処理装置。
前記決済部は、前記決済に関する前記取引を識別するための取引識別情報と、前記合計金額と、前記クーポンによる前記割引額と、前記割引後金額とを関連付けて決済履歴情報として記憶部に記憶させ、
前記返品処理部は、前記決済履歴情報を参照し、前記差引後金額が前記所定金額以上であるか否かを判定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の決済処理装置。
前記返品処理部は、前記返品要求受付部が前記返品要求を受け付けると、前記返品要求に対応する取引を識別するための取引識別情報と、前記返品要求に対応する商品の金額とを関連付けて返品履歴情報として記憶部に記憶させる、
請求項1から5のいずれか1項に記載の決済処理装置。
前記決済要求受付部は、前記商品を購入するユーザが店舗で決済するための決済用コードから前記商品を販売する店舗で使用されている店舗端末又は前記ユーザの携帯端末により読み取られた、前記決済を行うための情報を取得することにより前記決済要求を受け付ける、
請求項1から6のいずれか1項に記載の決済処理装置。
前記返品に係る処理を行うステップにおいて、前記コンピュータは、前記差引後金額が前記所定金額未満であるとともに、前記差引後金額が前記割引後金額未満である場合に、前記割引後金額から前記差引後金額を差し引いた額の返金を前記ユーザに行う、
請求項9に記載の決済処理方法。
前記決済するステップにおいて、前記コンピュータは、前記決済に関する前記取引を識別するための取引識別情報と、前記合計金額と、前記クーポンによる前記割引額と、前記割引後金額とを関連付けて決済履歴情報として記憶部に記憶させ、
前記返品に係る処理を行うステップにおいて、前記コンピュータは、前記決済履歴情報を参照し、前記差引後金額が前記所定金額以上であるか否かを判定する、
請求項9から11のいずれか1項に記載の決済処理方法。
前記返品に係る処理を行うステップにおいて、前記コンピュータは、前記返品要求を受け付けると、前記返品要求に対応する取引を識別するための取引識別情報と、前記返品要求に対応する商品の金額とを関連付けて返品履歴情報として記憶部に記憶させる、
請求項9から12のいずれか1項に記載の決済処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[決済処理装置1の概要]
図1は、本実施形態に係る決済処理装置1の概要を示す図である。決済処理装置1は、決済処理及び決済後における商品の返品に係る返品処理を行うサーバである。決済処理装置1は、インターネット回線や携帯電話網等の通信ネットワークを介して店舗端末2と通信可能に接続されている。店舗端末2は、例えばPOS端末であるが、これに限らず、タブレットやスマートフォン等の携帯端末であってもよい。なお、以下の説明において、商品及びサービスをまとめて商品という。
【0011】
本実施形態において、店舗端末2は、商品の決済に関する決済要求を送信する(
図1の(1))。決済処理装置1は、決済要求を受信することにより決済要求を受け付ける。決済要求には、一度の取引における一以上の商品の購入金額の合計金額が所定金額以上であることを条件として一定額又は一定割合等の割引が適用されるクーポンを示すクーポン情報が含まれているものとする。
【0012】
決済処理装置1は、商品の購入金額の合計金額が所定金額以上であるか否かを判定することにより、クーポン適用の可否を判定する(
図1の(2))。そして、決済処理装置1は、商品の購入金額の合計金額が所定金額以上であると判定すると、クーポンによる割引を適用し、合計金額から当該割引に対応する割引額を差し引いた割引後金額で決済する(
図1の(3))。
【0013】
その後、決済処理装置1は、店舗端末2から、取引において購入された一以上の商品の少なくともいずれかの返品要求を受け付ける(
図1の(4))。決済処理装置1は、返品要求を受け付けた場合にクーポンの適用条件を満たさなくなったとしても、購入金額の追徴をせずに返品処理を行う(
図1の(5))。
【0014】
例えば、決済処理装置1は、合計金額から返品要求に対応する商品の金額を差し引いた額である差引後金額が、クーポンの適用条件である下限金額(所定金額)に満たず、合計金額に対する割引適用後の割引後金額以上である場合に、購入金額の追徴をせずに返品に係る処理を行う。
【0015】
このようにすることで、決済処理装置1は、割引の条件を踏まえた適切な返品処理を行うことができる。また、商品を購入したユーザは、返品時に購入金額の追徴をされることがない。また、店員も、返品時に追徴することがないので、追徴に関する説明を行うこともない。よって、決済処理装置1は、商品返品時における店員及びユーザの負担を軽減することができる。
【0016】
[決済処理装置1の構成]
続いて、決済処理装置1の構成を説明する。
図2は、本実施形態に係る決済処理装置1の構成を示す図である。
図2に示すように、決済処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。
【0017】
通信部11は、インターネット回線や携帯電話網等の通信ネットワークに接続するためのインターフェースである。
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶している。例えば、記憶部12は、制御部13を、決済要求受付部131、決済部132、返品要求受付部133、返品処理部134及び通知部135として機能させる決済処理プログラムを記憶している。
【0018】
また、記憶部12は、決済の履歴を示す決済履歴情報を記憶する。
図3は、決済履歴情報の一例を示す図である。決済履歴情報は、例えば、決済に対応する取引を識別するための取引IDと、当該取引が行われた日時を示す取引日時と、当該取引における商品の合計金額と、当該取引に適用されたクーポンを識別するためのクーポンIDと、当該クーポンによる割引額と、合計金額から割引額を減算した金額である割引後金額とを関連付けた情報である。
【0019】
また、記憶部12は、返品の履歴を示す返品履歴情報を記憶する。
図4は、返品履歴情報の一例を示す図である。返品履歴情報は、例えば、返品要求が行われた取引を識別するための取引IDと、当該返品要求が行われた日時を示す返品日時と、当該返品要求に対応する商品の金額である返金要求額と、返品要求に対して返金された金額である返金額と、割引額の残存額を示す残存割引額とを関連付けた情報である。残存割引額の初期値は、割引額であり、最小値は0であるものとする。
【0020】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、決済要求受付部131、決済部132、返品要求受付部133、返品処理部134及び通知部135として機能する。
【0021】
決済要求受付部131は、一度の取引における一以上の商品の購入金額の合計金額が所定金額以上であることを条件として一定額又は一定割合の割引が適用されるクーポンを利用した、当該取引の決済要求を受け付ける。
【0022】
例えば、決済要求受付部131は、商品を購入するユーザが店舗で決済するための決済用コードから、商品を販売する店舗で使用されている店舗端末2又はユーザの携帯端末等のユーザ端末により読み取られた、決済を行うための決済要求を取得することにより、決済要求を受け付ける。決済要求には、一以上の商品の購入金額の合計金額が含まれているものとする。また、ユーザがクーポンを使用する場合には、当該クーポンを示すクーポン情報が決済要求に含まれているものとする。
【0023】
決済部132は、決済要求受付部131が決済要求を受け付けると、決済を行う。決済部132は、決済要求にクーポン情報が含まれているとともに、決済要求に含まれる合計金額が所定金額以上である場合に、合計金額から割引に対応する割引額を差し引いた割引後金額で決済する。
【0024】
図5は、クーポンに基づく割引の一例を示す図である。
図5では、クーポンにより一定額が割り引かれるときの購入金額の合計金額と、ユーザの支払金額との関係を示している。
図5において、原点から延びる実線及び破線は、購入金額の合計金額とユーザの支払金額とが等しくなる線である。また、
図5において、金額Thは、クーポンが適用される所定金額を示している。合計金額Pは、ある取引におけるユーザの購入金額の合計金額を示している。割引後金額Pdは、当該取引に対してクーポンによる割引が行われた後の割引後金額を示している。また、金額Dは、クーポンの適用により割り引かれる割引額を示している。割引額Dが一定額である場合、
図5に示すように、購入金額の合計金額が所定金額を超えたことを条件として合計金額Pから割引額Dが差し引かれ、ユーザの支払金額として、割引後金額Pd=P−Dが算出される。
【0025】
決済部132は、決済を行うとともに、決済に関する取引を識別するための取引識別情報としての取引IDを生成する。決済部132は、生成した取引IDと、取引日時と、決済要求に含まれる合計金額と、決済要求に含まれるクーポン情報が示すクーポンIDと、当該クーポンによる割引額と、割引後金額とを関連付けて決済履歴情報として記憶部12に記憶させる。
【0026】
決済部132は、決済が完了すると、取引IDと、合計金額と、割引額と、割引後金額とを店舗端末2に通知する。これにより、店舗端末2は、取引IDを含むレシートを発行することができる。レシートは、返品要求を受け付ける際に利用される。なお、決済部132は、決済が完了すると、取引IDと、合計金額と、割引額と、割引後金額とを店舗端末2に通知することとしたが、これに限らない。例えば、決済要求受付部131が、ユーザが使用するユーザ端末から決済要求を取得した場合、決済部132は、当該ユーザ端末に、取引IDと、合計金額と、割引額と、割引後金額とを送信し、決済が完了したことを通知してもよい。
【0027】
返品要求受付部133は、決済部132が決済を行った取引において購入された一以上の商品の少なくともいずれかの返品要求を受け付ける。具体的には、返品要求受付部133は、店舗端末2から、取引IDと、当該取引IDに該当する取引に対応する返品対象商品の金額とを含む返品要求を受信することにより、返品要求を受け付ける。ここで、返品要求受付部133は、当該取引に対応して返品要求を複数回受け付けるようにしてもよい。
【0028】
返品処理部134は、返品要求受付部133が返品要求を受け付けると返品処理を行う。まず、返品処理部134は、記憶部12に記憶されている決済履歴情報を参照し、返品要求に含まれる取引IDに対応する取引の合計金額を特定する。また、返品処理部134は、記憶部12に記憶されている決済履歴情報を参照し、返品要求に対応する取引に対して適用されたクーポンのクーポンIDに基づいて、クーポンが適用となる所定金額を特定する。また、返品処理部134は、記憶部12に記憶されている返品履歴情報を参照し、返品要求に含まれる取引IDに関連付けられている返金要求額の累計金額と、返金額の累計金額と、残存割引額とを算出する。
【0029】
そして、返品処理部134は、合計金額から、返品要求に対応する商品の累計金額(返金要求額の累計金額)を差し引いた金額である差引後金額を算出する。返品処理部134は、差引後金額が所定金額以上である場合に、合計金額に対する割引適用後の金額と、差引後金額に対する割引適用後の金額との差額の返金を行う。また、返品処理部134は、差引後金額が所定金額未満であるとともに、差引後金額が割引後金額以上である場合に商品の金額を返金せずに返品に係る処理を行う。また、返品処理部134は、差引後金額が所定金額未満であるとともに、差引後金額が割引後金額未満である場合に、割引後金額から差引後金額を差し引いた額の返金を行う。
【0030】
図6は、返品処理部134による返品処理を説明する図である。
図6は、
図5に示すグラフの部分拡大図である。
図6に示す例では、説明を簡単にするため、返品要求が一回行われた例を示している。
図6において、Prは、返品要求に対応する商品の金額である。
【0031】
まず、返品処理部134は、購入金額の合計金額Pから、返品要求に対応する商品の金額Prを差し引いた後の金額である差引後金額P−Prが、所定金額Th以上であるか否かを判定する。返品処理部134は、差引後金額P−Prが所定金額Th以上であると判定すると、合計金額に対する割引適用後の金額(割引後金額)P−Dと、差引後金額に対して割引を適用した後の金額P−Pr−Dとの差額Prを返金する処理を行う。
図6(a)は、差引後金額P−Prが所定金額Th以上である場合の例を示している。差引後金額P−Prが所定金額Th以上である場合、商品の返品要求を受け付けた後もクーポンが適用され、割引額Dが差し引かれる。したがって、
図6(a)に示す例では、返品処理部134は、返品要求に対応する商品の金額Prを全額返金する。返品処理部134は、差引後金額P−Prが所定金額Th以上であると判定すると、残存割引額を更新しない。
【0032】
返品処理部134は、差引後金額P−Prが所定金額Th未満であるとともに、差引後金額P−Prが割引後金額P−D以上である場合、すなわち、割引額Dが返品要求に対応する金額Pr以上である場合、商品の金額Prを返金せずに返品に係る処理を行う。
図6(b)は、差引後金額P−Prが所定金額Th未満であるとともに、割引額Dが返品要求に対応する金額Pr以上であるときの例を示している。
図6(b)に示すように、差引後金額P−Prが所定金額Th未満となることにより、クーポンの割引額Dの適用が行われなくなり、返品後のユーザの支払金額は、P−Prとなる。そして、割引額Dが返品要求に対応する金額Pr以上であることから、割引額Dから返品要求に対応する金額Prを差し引いた金額D−Prがユーザに追徴すべき金額となる。これに対し、返品処理部134は、クーポンの割引額(残存割引額)Dに金額D−Prを充当し、ユーザの支払金額を、返品前の支払金額と同じ金額P−D(
図6(b)の白丸に対応)とし、商品の金額を返金せずに返品に係る処理を行う。返品処理部134は、残存割引額をD−Prに更新する。
【0033】
また、返品処理部134は、差引後金額P−Prが所定金額Th未満であるとともに、差引後金額P−Prが割引後金額P−D未満である場合、すなわち、割引額Dが返品要求に対応する金額Pr未満である場合、割引後金額P−Dから差引後金額P−Prを差し引いた額Pr−Dの返金を行う。
図6(c)は、差引後金額P−Prが所定金額Th未満であるとともに、割引額Dが返品要求に対応する金額Pr未満である時の例を示している。
図6(c)に示すように、差引後金額P−Prが所定金額Th未満となることにより、クーポンの割引額Dの適用が行われなくなり、返品後のユーザの支払金額は、P−Prとなる。そして、割引額Dが返品要求に対応する金額Pr未満であることから、返品後のユーザの支払金額P−Prは、返品前にユーザが支払った金額P−Dよりも低くなる。このため、返品処理部134は、返品前にユーザが支払った金額P−Dから、返品後のユーザの支払金額P−Prを差し引いた金額Pr−Dをユーザに返金する処理を行う。返品処理部134は、残存割引額を0とする。
【0034】
図6に示す例では、一つの取引に対して返品要求が一回行われた例を示しているが、返品処理部134は、一つの取引に対して返品要求が複数回行われた場合も同様に、返金額及び残存割引額を算出する。
【0035】
返品処理部134は、返品要求受付部133が返金要求を受け付けると、返品要求に対応する取引の取引IDと、返品日時と、当該返品要求に対応する商品の金額を示す返金要求額、返金額、残存割引額とを関連付けて、返品履歴情報として記憶部12に記憶させる。
【0036】
なお、返品処理部134は、返品要求により、クーポンの割引額の全てに対して返品要求に対応する商品の金額が充当され、残存割引額が0となった場合、ユーザに当該クーポンを付与する等により、再利用できるようにしてもよい。例えば、返品処理部134は、クーポンの割引額の全てに対して返品要求に対応する商品の金額が充当されたことに応じて、当該クーポンの使用履歴を削除したり、当該クーポンを再利用できることを示す再利用可能フラグを当該クーポンに関連付けたりすることにより、当該クーポンを付与する。そして、決済要求受付部131は、返品処理部134が返品要求に対応する商品の金額から割引額を差し引いた額を返金した場合、当該割引額に対応するクーポンを再利用した決済要求を受け付けるようにしてもよい。このようにすることで、ユーザはクーポンを再利用することができる。
【0037】
通知部135は、返品処理部134による返品処理が完了すると、返品処理が完了したことを示す情報を店舗端末2に通知する。通知部135は、返品処理部134が商品の金額の一部又は全額を返金しない場合に、商品の金額の一部又は全額を返金しない理由を示す情報を通知する。例えば、通知部135は、商品の金額の一部又は全額がクーポンの割引額に充当され、残存割引額が更新された結果、商品の金額の一部又は全額が返金されなくなったことを示す情報を通知する。これにより、店舗端末2を使用する店員は、ユーザに対して商品の金額の一部又は全額を返金しない理由を伝えることができ、返品時のトラブルを抑制することができる。
【0038】
なお、通知部135は、返品処理部134による返品処理が完了し、返品処理部134が商品の金額の一部又は全額を返金しない場合に、商品の金額又は全額の一部を返金しない理由を示す情報を通知したが、これに限らない。例えば、通知部135は、返品要求が行われるタイミングとは別のタイミングで、携帯端末等のユーザが使用するユーザ端末から、取引IDと、返品要求に対応する商品の金額を受け付けてもよい。そして、通知部135は、取引IDと返品要求に対応する商品の金額とに基づいて、返品処理部134と同様に返金額及びクーポンの割引額への充当額を算出し、算出結果をユーザ端末に通知してもよい。このようにすることで、ユーザが実際に返品する前に、返品を行うことによりどのくらい返金されるのかを把握することができる。
【0039】
また、通知部135は、返品要求により、クーポンの割引額の全てに対して返品要求に対応する商品の金額が充当され、ユーザに当該クーポンを付与された場合に、ユーザが使用するユーザ端末にクーポンが付与されたことを通知するようにしてもよい。このようにすることで、ユーザは、返品によりクーポンが付与されたことを認識し、当該クーポンを用いて別の商品等を購入することができる。
【0040】
[決済処理装置1における返品処理の流れ]
続いて、決済処理装置1における返品処理の流れについて説明する。
図7は、本実施形態に係る返品処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに係る処理は、返品要求受付部133が返金要求を受け付けると開始される。なお、本フローチャートに係る処理は、割引額が定額である場合の例を示している。
【0041】
まず、返品処理部134は、購入金額の合計金額Pから、返品要求に対応する商品の金額Prを差し引いた差引後金額P−Prが所定金額Th以上であるか否かを判定する(S1)。返品処理部134は、差引後金額P−Prが所定金額Th以上であると判定すると、S3に処理を移し、差引後金額P−Prが所定金額Th未満であると判定すると、S2に処理を移す。
【0042】
S2において、返品処理部134は、差引後金額P−Prが割引後金額P−D以上であるか否かを判定する。返品処理部134は、差引後金額P−Prが割引後金額P−D以上であると判定すると、S4に処理を移し、そうではないと判定すると、S5に処理を移す。
【0043】
S3において、返品処理部134は、割引後金額P−Dから、返品をした後の割引後金額P−Pr−Dを差し引いた金額、すなわち、返品要求に対応する商品の金額Prを返金する。
S4において、返品処理部134は、商品の金額Prを返金せずに返品に係る処理を行う。
S5において、返品処理部134は、返品前にユーザが支払った金額P−Dから、返品後のユーザの支払金額P−Prを差し引いた金額Pr−Dをユーザに返金する処理を行う。
【0044】
[本実施形態における効果]
以上説明したように、本実施形態に係る決済処理装置1は、取引において購入された一以上の商品の少なくともいずれかの返品要求を受け付け、商品の購入金額の合計金額から返品要求に対応する商品の金額を差し引いた金額である差引後金額が所定金額未満であるとともに、差引後金額が割引後金額以上である場合に商品の金額を返金せずに返品に係る処理を行う。このようにすることで、決済処理装置1は、割引の条件を踏まえた適切な返品処理を行うことができる。また、ユーザは、返品によりクーポンが適用されなくなり、購入金額の合計金額がクーポンの適用条件である所定金額を下回った場合であっても、購入金額を追加で支払う必要がない。また、店員も、ユーザに、クーポンが適用されなくなったことに基づいて購入金額を追加で支払うことを説明する必要もない。したがって、決済処理装置1は、商品返品時における店員及びユーザの負担を軽減することができる。
【0045】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、上述の実施の形態では、決済処理装置1が店舗端末2から返品要求を受け付け、返品処理を行うこととしたが、これに限らない。店舗端末2が、決済処理装置1の制御部13が有する決済要求受付部131、決済部132、返品要求受付部133、返品処理部134、及び通知部135を有してもよい。また、決済処理装置1は、POS端末としての店舗端末2と有線接続されること等により、決済処理装置1と店舗端末2とが一体のものであってもよい。
【0046】
また、上述の実施形態では、決済要求には、クーポン情報が含まれていることとしたが、これに限らない。決済要求と、クーポン情報やクーポンの利用要求が関連付けられていれば、クーポン情報が決済要求に含まれていなくてもよい。例えば、決済要求受付部131は、ユーザから、クーポン利用の要求を商品の購入前に受信し、クーポンを利用することを示すクーポン利用フラグと関連付けて、決済用コードを発行してもよい。そして、決済要求受付部131が、店舗端末2又はユーザの携帯端末により決済用コードから読み取られた決済要求を取得した場合に、当該決済要求に対応する決済用コードにクーポン利用フラグが関連付けられている場合に、決済部132がクーポンを適用して決済を行ってもよい。
【0047】
また、上述の実施の形態では、一度の取引における一以上の商品の購入金額の合計金額が所定金額以上であることを条件として一定額の割引が適用される例について説明したが、これに限らない。割引の手法は、一度の取引における一以上の商品の購入金額の合計金額が所定金額以上であることを条件として合計金額から一定割合の金額を割り引く手法や、その他のルールにより合計金額から一定割合の金額を割り引く手法であってもよい。そして、返品処理部134は、このような割引の手法において、合計金額から返品要求に対応する商品の金額を差し引いた金額である差引後金額が所定金額未満であるとともに、差引後金額が割引後金額以上である場合に商品の金額を返金せずに返品に係る処理を行うようにしてもよい。
【0048】
また、上述の実施の形態では、クーポンは、一度の取引における一以上の商品の購入金額の合計金額が所定金額以上であることを条件として一定額又は一定割合の割引が適用されるものとしたが、これに限らず、一度の取引における一以上の商品の購入金額の合計金額が所定金額以上であることを条件として一定額又は一定割合の現金をユーザに商品の購入者に還元するキャッシュバックであってもよい。
【0049】
また、例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【解決手段】決済処理装置1は、ユーザによる一度の取引における一以上の商品の購入金額の合計金額が所定金額以上であることを条件として一定額又は一定割合の割引が適用されるクーポンを利用した、取引の決済要求を受け付ける決済要求受付部131と、合計金額が所定金額以上である場合に、合計金額からクーポンの割引額を差し引いた割引後金額で決済する決済部132と、取引において購入された一以上の商品の少なくともいずれかの返品要求を受け付ける返品要求受付部133と、合計金額が所定金額以上であり、合計金額から返品要求に対応する商品の金額を差し引いた金額である差引後金額が所定金額未満であるとともに、差引後金額が割引後金額以上である場合に商品の金額をユーザに返金せずに返品の係る処理を行う返品処理部134と、を有する。