特許第6864237号(P6864237)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6864237情報提供方法、情報提供装置および情報提供プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6864237
(24)【登録日】2021年4月6日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】情報提供方法、情報提供装置および情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20210419BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20210419BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20210419BHJP
【FI】
   G06Q50/10
   G06Q30/02 470
   G06Q50/20
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-33939(P2018-33939)
(22)【出願日】2018年2月27日
(65)【公開番号】特開2019-149059(P2019-149059A)
(43)【公開日】2019年9月5日
【審査請求日】2019年12月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】500175565
【氏名又は名称】株式会社ぐるなび
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(72)【発明者】
【氏名】滝 久雄
【審査官】 加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−127291(JP,A)
【文献】 特開2012−168717(JP,A)
【文献】 特開2003−281400(JP,A)
【文献】 特開2007−207040(JP,A)
【文献】 特開2006−350903(JP,A)
【文献】 特開2002−032536(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
講習の受講者を登録する受講者登録ステップと、
登録された前記受講者が受講する前記講習であって実施開始前の講習又は実施途中の講習に関する特定情報を記録する記録ステップと、
求人条件を取得する求人条件取得ステップと、
取得された前記求人条件と記録された前記特定情報とに基づき、登録された前記受講者の中から前記求人条件に合致する受講者を選択する受講者選択ステップと、
選択された前記受講者に係る受講者情報を提供する受講者情報提供ステップと
を含み、
前記記録ステップにおいて、前記講習における前記受講者の受講実績に基づき予測される前記講習の修了予定を記録し、
前記受講者選択ステップにおいて、記録された前記修了予定が前記求人条件に合致する受講者を選択する、
情報提供方法。
【請求項2】
前記記録ステップにおいて、前記受講者が受講中の複数の前記講習に関する前記特定情報を記録し、
前記受講者選択ステップにおいて、複数の前記講習に関する前記特定情報の組合せが前記求人条件に合致する受講者を選択する、請求項1に記載の情報提供方法。
【請求項3】
前記求人条件取得ステップにおいて、飲食業における求人条件を取得し、
前記受講者選択ステップにおいて、前記飲食業に関係する前記特定情報が前記求人条件に合致する受講者を選択する、請求項1又は2に記載の情報提供方法。
【請求項4】
前記受講者選択ステップにおいて、取得された前記求人条件と記録された前記特定情報とのマッチングレベルを判定し、判定したマッチングレベルが前記求人条件に合致する受講者を選択し、
前記受講者情報提供ステップにおいて、選択された前記受講者に係るマッチングレベルを提供する、請求項1からのいずれか一項に記載の情報提供方法。
【請求項5】
前記記録ステップにおいて、前記特定情報の正当性を保証することができる管理者が提供する情報源から前記特定情報を取得して記録する、請求項1からのいずれか一項に記載の情報提供方法。
【請求項6】
取得された前記求人条件に係る情報と前記特定情報とを前記受講者に提供する求人情報提供ステップをさらに含む、請求項1からのいずれか一項に記載の情報提供方法。
【請求項7】
前記特定情報は、前記講習の進捗状況である、
請求項1からのいずれか一項に記載の情報提供方法。
【請求項8】
講習の受講者を登録する受講者登録部と、
登録された前記受講者が受講する前記講習であって実施開始前の講習又は実施途中の講習に関する特定情報を記録する記録部と、
求人条件を取得する求人条件取得部と、
取得された前記求人条件と記録された前記特定情報とに基づき、登録された前記受講者の中から前記求人条件に合致する受講者を選択する受講者選択部と、
選択された前記受講者に係る受講者情報を提供する受講者情報提供部と
を備え
前記記録部は、前記講習における前記受講者の受講実績に基づき予測される前記講習の修了予定を記録し、
前記受講者選択部は、記録された前記修了予定が前記求人条件に合致する受講者を選択する、
情報提供装置。
【請求項9】
コンピュータに、
講習の受講者を登録する受講者登録機能と、
登録された前記受講者が受講する前記講習であって実施開始前の講習又は実施途中の講習に関する特定情報を記録する記録機能と、
求人条件を取得する求人条件取得機能と、
取得された前記求人条件と記録された前記特定情報とに基づき、登録された前記受講者の中から前記求人条件に合致する受講者を選択する受講者選択機能と、
選択された前記受講者に係る受講者情報を提供する受講者情報提供機能と
を実現させるための情報提供プログラムであって、
前記記録機能では、前記講習における前記受講者の受講実績に基づき予測される前記講習の修了予定が記録され、
前記受講者選択機能では、記録された前記修了予定が前記求人条件に合致する受講者が選択される、
情報提供プログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供方法、情報提供装置および情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、講習を修了した受講者情報をデータベースに登録し、企業から求人情報を受け付けて登録されている受講者情報とのマッチングを行い、受講者に対して求人情報を配信するシステムがある(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−224352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、講習を修了した受講者に対して求人情報をマッチングさせる場合、講習の修了と求人のタイミングが一致しないと、求人情報を提供した企業に対して受講者情報を適切に提供できない場合があった。例えば、講習を修了した受講者情報がデータベースに登録されてから企業が求人情報を提供するまで相当の期間があると、受講者はその期間求人情報を得ることができないため他の企業に就職する場合がある。他の企業に就職した受講者の登録されている受講者情報は消去され、企業に受講者情報を提供することができない。また、講習が修了していない受講者の情報はデータベースに修了者として登録されないため、企業に受講者情報を提供することができない。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、1つの実施形態において、適切な受講者情報を提供することができる、情報提供方法、情報提供装置および情報提供プログラムを提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記の課題を解決するため、実施形態の情報提供方法は、講習の受講者を登録する受講者登録ステップと、登録された前記受講者が受講中の前記講習の進捗状況を記録する進捗状況記録ステップと、求人条件を取得する求人条件取得ステップと、取得された前記求人条件と記録された前記進捗状況とに基づき、登録された前記受講者の中から前記求人条件に合致する受講者を選択する受講者選択ステップと、選択された前記受講者に係る受講者情報を提供する受講者情報提供ステップとを含む。
【0007】
(2)また、実施形態の情報提供方法において、前記進捗状況記録ステップにおいて、前記講習における前記受講者の受講実績に基づき予測される前記講習の修了予定を記録し、前記受講者選択ステップにおいて、記録された前記修了予定が前記求人条件に合致する受講者を選択する。
【0008】
(3)また、実施形態の情報提供方法において、前記進捗状況記録ステップにおいて、前記受講者が受講中の複数の前記講習の進捗状況を記録し、前記受講者選択ステップにおいて、複数の前記講習の進捗状況の組合せが前記求人条件に合致する受講者を選択する。
【0009】
(4)また、実施形態の情報提供方法において、前記求人条件取得ステップにおいて、飲食業における求人条件を取得し、前記受講者選択ステップにおいて、前記飲食業に関係する前記講習の進捗状況が前記求人条件に合致する受講者を選択する。
【0010】
(5)また、実施形態の情報提供方法において、前記受講者選択ステップにおいて、取得された前記求人条件と記録された前記進捗状況とのマッチングレベルを判定し、判定したマッチングレベルが前記求人条件に合致する受講者を選択し、前記受講者情報提供ステップにおいて、選択された前記被教育者に係るマッチングレベルを提供する。
【0011】
(6)また、実施形態の情報提供方法において、前記進捗状況記録ステップにおいて、前記講習の進捗状況の正当性を保証することができる管理者が提供する情報源から前記進捗状況を取得して記録する。
【0012】
(7)また、実施形態の情報提供方法において、取得された前記求人条件に係る情報と前記進捗状況に係る情報とを前記受講者に提供する求人情報提供ステップをさらに含む。
【0013】
(8)上記の課題を解決するため、実施形態の情報提供装置は、講習の受講者を登録する受講者登録部と、登録された前記受講者が受講中の前記講習の進捗状況を記録する進捗状況記録部と、求人条件を取得する求人条件取得部と、取得された前記求人条件と記録された前記進捗状況とに基づき、登録された前記受講者の中から前記求人条件に合致する受講者を選択する受講者選択部と、選択された前記受講者に係る受講者情報を提供する受講者情報提供部とを備える。
【0014】
(9)上記の課題を解決するため、実施形態の受講者情報提供プログラムは、コンピュータに、講習の受講者を登録する受講者登録機能と、登録された前記受講者が受講中の前記講習の進捗状況を記録する進捗状況記録機能と、求人条件を取得する求人条件取得機能と、取得された前記求人条件と記録された前記進捗状況とに基づき、登録された前記受講者の中から前記求人条件に合致する受講者を選択する受講者選択機能と、選択された前記受講者に係る受講者情報を提供する受講者情報提供機能とを実現させる。
【発明の効果】
【0015】
一つの実施形態によれば、適切な受講者情報を提供することができる、情報提供方法、情報提供装置および情報提供プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態における情報提供装置のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2】実施形態における情報提供装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】実施形態における情報提供プログラムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態における情報提供方法、情報提供装置および情報提供プログラムについて詳細に説明する。
【0018】
先ず、図1を用いて、情報提供装置のソフトウェア構成を説明する。図1は、実施形態における情報提供装置のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
図1において、情報提供装置1は、受講者登録部11、進捗状況記録部12、求人条件取得部13、受講者選択部14、受講者情報提供部15および求人情報提供部16の各機能を有する。本実施形態における情報提供装置1の上記各機能は、情報提供装置1を制御する情報提供プログラム(ソフトウェア)によって実現される機能モジュールであるものとして説明する。
【0020】
情報提供装置1は、講習の受講者を登録しておき、企業等からの求人条件に合致する受講者の情報を提供する装置である。情報提供装置1は、例えば、サーバ装置、サーバシステム、デスクトップPC等である。情報提供装置1は、ネットワーク9を介して、有線通信または無線通信において求人条件提供装置2と受講者端末3と通信可能に接続される。ネットワーク9には図示しない携帯電話の基地局等の通信設備を含んでいてもよい。また、情報提供装置1は、複数の求人条件提供装置2または受講者端末3と通信するものであってもよい。
【0021】
受講者登録部11は、講習の受講者を登録する。本実施形態における講習とは、例えば、就職に必要なスキルを身につけるための講習であり、または修了が就職に有利となる講習である。講習は、例えば、飲食業において必要な知識や技能を習得するための講習である。受講者登録部11は受講者の登録において、例えば、受講者の氏名、年齢、学歴または職歴等を登録する。受講者の登録は、例えば、図示しないデータベース等に登録することができる。
【0022】
進捗状況記録部12は、受講者登録部11に登録された受講者が受講中の講習の進捗状況を記録する。講習の進捗状況とは、例えば、講習が所定回数(例えば、10回)に亘って実施される場合に、実施済みの回数(例えば、3回)の割合(例えば、3/10)である。「受講中の講習」には、実施開始前の講習、実施途中の講習、または、実施済み(修了済み)の講習を含めてもよい。講習の進捗状況には、受講者の受講実績を含んでいてもよい。受講者の受講実績とは、例えば、受講者の出席率、講習中または講習後に実施されるテストの受講者のテスト結果、または講習の講師による受講者の評価等である。進捗状況記録部12は、1人の受講者が複数の講習を受講する場合、複数の講習の進捗状況を記録する。
【0023】
進捗状況記録部12は、講習の進捗状況の正当性を保証することができる管理者が提供する情報源から進捗状況を取得して記録する。講習の進捗状況の正当性を保証することができる管理者とは、例えば、受講者に対する講習を実施する教育機関、または講習の進捗状況を管理する管理者等である。進捗状況の正当性を保証することができる管理者は、講習の進捗状況のデータの正当性を保証するために、例えば分散型台帳技術(Distributed Ledger Technology)を利用することができる。分散型台帳技術とは、データを複数のシステムで同期して記録することにより、データの改竄を防止してデータの正当性を保証する技術である。正当性が保証された進捗状況を取得して記録することにより、情報提供装置1は正確な進捗状況に基づく情報を提供することが可能となる。
【0024】
また、複数の講習がそれぞれ関連付けられている場合、進捗状況記録部12は、複数の講習の関連付けを記録するようにしてもよい。複数の講習の関連付けとは、例えば、複数の講習を分類するためのカテゴリである。講習が調理に関するものである場合、例えば、和食講習、中華講習、フレンチ講習もしくはイタリアン講習等の料理分野のカテゴリ、または、ワイン講習、日本酒講習、ウイスキー講習等の酒類のカテゴリ、または包丁さばき講習、テーブルマナー講習、ワインサービス講習等のスキルのカテゴリ等である。1つの講習は複数種類のカテゴリによって分類されてもよい。また、複数の講習の関連付けは、例えば、講習が初級、中級および上級で構成されていて、初級修了後に中級を受講可能であり、さらに中級修了後に上級を受講可能である場合、初級、中級および上級の講習の修了順位を関連付けるものであってもよい。講習の関連付けは、後述する受講者の選択に使用されるようにしてもよい。
【0025】
求人条件取得部13は、求人条件を取得する。求人条件の取得は、求人条件を提供する求人条件提供装置2から取得される。求人条件とは、講習の受講者の中からの求人に合致する受講者を選択するための条件である。求人条件は、例えば、就業に必要な講習を定める。求人条件は、必須(Must)条件であっても、希望的(Want)条件であってもよい。求人条件取得部13は、例えば、求人条件提供装置2が有するWebブラウザに対して求人条件を入力するためのWeb画面を提供するWebサーバである。求人条件取得部13は、入力されたWeb画面から求人条件を取得する。求人条件取得部13は、求人条件提供装置2から求人条件を含む電子データを取得するようにしてもよい。
【0026】
受講者選択部14は、求人条件取得部13において取得された求人条件と、進捗状況記録部12において記録された進捗状況とに基づき、受講者登録部11において登録された受講者の中から求人条件に合致する受講者を選択する。求人条件に合致する受講者とは、例えば、求人条件において必須条件とされる講習に関して進捗状況が記録されている受講者である。また、求人条件に合致する受講者は、求人条件において希望的条件とされる講習に関して進捗状況が記録されている受講者である。受講者選択部14は、登録された受講者の中から1または複数の受講者を選択するようにしてもよい。
【0027】
受講者選択部14は、進捗状況記録部12において記録された修了予定が求人条件に合致する受講者を選択してもよい。修了予定とは、例えば、受講中の講習が修了する修了日である。修了予定を求人条件として受講者を選択することにより、講習を修了している受講者に加えて、近日中に講習を修了する受講者に対しても選択することが可能となり、早期の求人活動を可能にする。修了予定には、例えば講習中の課題の達成状況、講習の出席率、または講習中のテストの成績等を含めることができる。例えば、講習中のテストの成績が所定レベルに無く追試が実施される場合、修了予定を追試の実施時期として受講者を選択するようにしてもよい。
【0028】
また、受講者選択部14は、複数の講習の進捗状況の組合せが求人条件に合致する受講者を選択するようにしてもよい。例えば、講習が、「A」〜「G」の7講習存在する場合、受講者選択部14は、「AかつB」、または「A、CかつE」等のように複数の講習を必須条件とした求人条件に合致する受講者を選択してもよい。
【0029】
また、受講者選択部14は、飲食業に関係する講習の進捗状況が求人条件に合致する受講者を選択するようにしてもよい。例えば、受講者選択部14は、飲食業と講習とを対応付けるテーブルを有し、求人条件における飲食業に対応した講習の受講者を選択する。飲食業が「フレンチレストラン」であり、求人条件が「ホール従業員」であった場合、受講者選択部14は、フレンチレストランのホールに従業するために必要なスキルを習得可能な講習を抽出して、その講習の受講者を選択するようにしてもよい。
【0030】
また、受講者選択部14は、求人条件と進捗状況とのマッチングレベルを判定し、判定したマッチングレベルが求人条件に合致する受講者を選択してもよい。マッチングレベルとは、例えば、求人条件とされる講習の数と進捗状況が記録されている講習の数の割合である。求人条件が特定の10講習を求人条件とする場合、進捗状況が記録されている講習の数が特定の10講習の内、8講習以上の受講者を「高レベル」、6〜7講習の受講者を「中レベル」、また5講習以下の受講者を「低レベル」のマッチングレベルとしてもよい。求人条件が「中レベル以上」である場合、受講者選択部14は、中レベル以上に合致する受講者を選択する。また、マッチングレベルは、講習の進捗状況であってもよい。例えば、講習が全10回の講義で構成される場合、マッチングレベルを10回の講義の中での受講済みの割合としてもよい。受講者選択部14は、10回の講義の中で8回以上を受講した受講者をマッチングレベルに合致する求人条件として選択するようにしてもよい。
【0031】
受講者情報提供部15は、受講者選択部14において選択された受講者に係る受講者情報を提供する。受講者情報とは、例えば、受講者の氏名、年齢、学歴、職歴、講習の進捗状況、または求人条件に対するマッチングレベル等である。受講者情報提供部15は、受講者情報を、例えば、求人条件を提供した求人条件提供装置2に対して提供する。受講者情報提供部15において受講者情報を提供することにより、求人条件に対して適切な受講者情報を提供することが可能となる。
【0032】
求人情報提供部16は、求人条件取得部13において取得された求人条件に係る情報と、進捗状況記録部12において記録された進捗状況に係る情報とを受講者に提供する。求人情報提供部16は、例えば、受講者が所有する受講者端末3に対して情報を提供する。求人条件に係る情報とは、例えば求人条件の一部または全部の情報を含む情報である。また進捗状況に係る情報とは、進捗状況の一部または全部の情報を含む情報である。例えば、求人情報提供部16は、求人条件が取得されたときに、受講者に対して、現在受講中または受講を検討中の講習の修了が求人条件であることを示す情報を提供する。情報を提供された受講者は、現在受講中の講習の修了が求人条件であることを知ることができる。これにより、講習に対する受講者の受講意欲を向上させることができる。例えば、求人条件が「A、BおよびC」の講習の修了である場合、求人情報提供部16は、受講者に対して、「AおよびB」の講習が修了している旨の情報を提供する。情報を提供された受講者は、「C」の講習に対して受講意欲が向上する場合がある。また、求人情報提供部16は、受講者に対して、求人条件とのマッチングレベルの情報を提供してもよい。情報を提供された受講者は、現在のマッチングレベルを知ることにより、将来的な講習の受講計画を検討することが可能となる。
【0033】
なお、情報提供装置1が有する、受講者登録部11、進捗状況記録部12、求人条件取得部13、受講者選択部14、受講者情報提供部15および求人情報提供部16の各機能は、情報提供装置1の機能の一例を示したものであり、情報提供装置1が有する機能を限定したものではない。例えば、情報提供装置1は、上記全ての機能を有している必要はなく、一部の機能を有するものであってもよい。また、情報提供装置1は、上記以外の他の機能を有していてもよい。例えば、情報提供装置1は、例えば機能の設定を行うための入力機能や、装置の稼働状態をLEDランプ等により報知する出力機能を有していてもよい。
【0034】
また情報提供装置1が有する上記各機能は、上述の通り、ソフトウェアによって実現されるものとして説明した。しかし、情報提供装置1が有する上記機能の中で少なくとも1つ以上の機能は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0035】
また、情報提供装置1が有する上記何れかの機能は、1つの機能を複数の機能に分割して実施してもよい。また、情報提供装置1が有する上記何れか2つ以上の機能を1つの機能に集約して実施してもよい。すなわち、図1は、情報提供装置1が有する機能を機能ブロックで表現したものであり、例えば、各機能がそれぞれ別個のプログラムファイル等で構成されていることを示すものではない。
【0036】
また、情報提供装置1は、1つの筐体によって実現される装置であっても、ネットワーク等を介して接続された複数の装置から実現されるシステムであってもよい。例えば、情報提供装置1は、その機能の一部または全部をクラウドコンピューティングシステムによって提供されるクラウドサービス等、仮想的な装置によって実現するものであってもよい。すなわち、情報提供装置1は、上記各機能のうち、少なくとも1以上の機能を他の装置において実現するようにしてもよい。また、情報提供装置1は、サーバ装置等の汎用的なコンピュータであってもよく、機能が限定された専用の装置であってもよい。
【0037】
次に、図2を用いて、情報提供装置1のハードウェア構成を説明する。図2は、実施形態における情報提供装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0038】
情報提供装置1は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、タッチパネル104および通信I/F(Interface)105を有する。情報提供装置1は、図1で説明した情報提供プログラムを実行する装置である。
【0039】
CPU101は、RAM102またはROM103に記憶された情報提供プログラムを実行することにより、情報提供装置1の制御を行う。情報提供プログラムは、例えば、情報提供プログラムを記録した記録媒体、またはネットワークを介したプログラム配信サーバ等から取得されて、ROM103にインストールされ、CPU101から読出されて実行される。
【0040】
タッチパネル104は、操作入力機能と表示機能(操作表示機能)を有する。タッチパネル104は、情報提供装置1の利用者に対して指先またはタッチペン等を用いた操作入力を可能にする。本実施形態における情報提供装置1は操作表示機能を有するタッチパネル104を用いる場合を説明するが、情報提供装置1は、表示機能を有する表示装置と操作入力機能を有する操作入力装置とを別個有するものであってもよい。その場合、タッチパネル104の表示画面は表示装置の表示画面、タッチパネル104の操作は操作入力装置の操作として実施することができる。なお、タッチパネル104は、ヘッドマウント型、メガネ型、腕時計型のディスプレイ等の種々の形態によって実現されてもよい。
【0041】
通信I/F105は、通信用のI/Fである。通信I/F105は、例えば、無線LAN、有線LAN、赤外線等の近距離無線通信を実行する。図2において通信I/Fは通信I/F105のみを図示するが、情報提供装置1は複数の通信方式においてそれぞれの通信I/Fを有するものであってもよい。
【0042】
次に、図3を用いて、情報提供プログラムの動作を説明する。図3は、実施形態における情報提供プログラムの動作の一例を示すフローチャートである。以下のフローチャートの説明において、動作の実行主体は情報提供装置1であるものとして説明するが、それぞれの動作は、上述した情報提供装置1の各機能において実行される。
【0043】
図3において、情報提供装置1は、受講者情報を取得したか否かを判断する(ステップS11)。受講者情報を取得したか否かは、受講者登録部11が新たな受講者に係る情報を取得したか否かで判断することができる。受講者情報を取得したと判断した場合(ステップS11:YES)、情報提供装置1は、取得した受講者情報を登録する(ステップS12)。受講者情報の登録は、受講者登録部11が取得した受講者情報をデータベースに登録することにより実行することができる。
【0044】
一方、受講者情報を取得していないと判断した場合(ステップS11:NO)、またはステップS12の処理を実行した後、情報提供装置1は、進捗状況を取得したか否かを判断する(ステップS13)。進捗状況を取得したか否かは、進捗状況記録部12がそれぞれの受講者において講習の進捗状況の変化を取得したか否かで判断することができる。進捗状況を取得したと判断した場合(ステップS13:YES)、情報提供装置1は、取得した進捗状況を記録する(ステップS14)。進捗状況の記録は、進捗状況記録部12が取得した進捗状況を更新して記録することにより実行することができる。
【0045】
一方、進捗状況を取得していないと判断した場合(ステップS13:NO)、またはステップS14の処理を実行した後、情報提供装置1は、求人条件を取得したか否かを判断する(ステップS15)。求人条件を取得したか否かは、求人条件取得部13が求人条件提供装置2から求人条件を取得したか否かで判断することができる。求人条件を取得していないと判断した場合(ステップS15:NO)、情報提供装置1は、ステップS11の処理を実行して、ステップS11からステップS15の処理を繰り返して求人条件の取得を待機する。
【0046】
一方、求人条件を取得したと判断した場合(ステップS15:YES)、情報提供装置1は、求人条件に合致する受講者を選択する(ステップS16)。求人条件に合致する受講者の選択は、受講者選択部14が、求人条件取得部13において取得された求人条件と、進捗状況記録部12において記録された進捗状況とに基づき、受講者登録部11において登録された受講者の中から求人条件に合致する受講者を選択することにより実行することができる。
【0047】
ステップS16の処理を実行した後、情報提供装置1は、選択した受講者の受講者情報を提供する(ステップS17)。受講者情報の提供は、受講者情報提供部15が、受講者選択部14において選択された受講者に係る受講者情報を提供することにより実行することができる。
【0048】
ステップS17の処理を実行した後、情報提供装置1は、求人情報を提供する(ステップS18)。求人情報の提供は、求人情報提供部16が、求人条件取得部13において取得された求人条件に係る情報と、進捗状況記録部12において記録された進捗状況に係る情報とを受講者に提供することにより実行することができる。
【0049】
ステップS18の処理を実行した後、情報提供装置1は、受講者情報提供のサービスの提供を終了するか否かを判断する(ステップS19)。サービスの提供の終了は、例えば、情報提供装置1の所有者が情報提供プログラムを停止することにより実行される。受講者情報提供のサービスの提供を終了しないと判断した場合(ステップS19:NO)、情報提供装置1は、ステップS11に戻り処理を繰り返す。受講者情報提供のサービスの提供を終了すると判断した場合(ステップS19:YES)、情報提供装置1は、フローチャートに示す動作を終了する。
【0050】
上述したフローチャートで示す動作は、受講者情報提供方法として実施することができる。すなわち、受講者情報提供方法は、講習の受講者を登録する受講者登録ステップ(ステップS12)と、登録された受講者が受講中の講習の進捗状況を記録する進捗状況記録ステップ(ステップS14)と、求人条件を取得する求人条件取得ステップ(ステップS15)と、取得された求人条件と記録された進捗状況とに基づき、登録された受講者の中から求人条件に合致する受講者を選択する受講者選択ステップ(ステップS16)と、選択された受講者に係る受講者情報を提供する受講者情報提供ステップ(ステップS17)と、を含んでいる。
【0051】
なお、本実施形態で説明した、情報提供装置1の各ステップにおける処理は、実行順序を限定するものではない。例えば、ステップS11、ステップS13またはステップS15における処理は実行順序を入れ替えても実施することができる。
【0052】
本実施形態で説明した装置を構成する機能を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、本実施形態の上述した種々の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0053】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0054】
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においての種々の変更も含まれる。
【符号の説明】
【0055】
1 情報提供装置
11 受講者登録部
12 進捗状況記録部
13 求人条件取得部
14 受講者選択部
15 受講者情報提供部
16 求人情報提供部
2 求人条件提供装置
3 受講者端末
9 ネットワーク
101 CPU
102 RAM
103 ROM
104 タッチパネル
105 通信I/F
図1
図2
図3