(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
始動口への遊技球の入賞に基づいて実行される図柄変動ごとに大当りに当選するか否かを判定する当否判定を実行し、前記大当りに当選した場合には当選した図柄変動の終了時に大当り遊技を開始し、低確率状態よりも前記当否判定によって前記大当りに当選し易い高確率状態、および入賞困難状態よりも前記始動口への遊技球の入賞が容易となる入賞容易状態を設定可能であり、前記大当り遊技中に大当り中演出を実行する遊技機であって、
前記大当りには所定の大当りが少なくとも含まれ、
前記大当り中演出は、第一の態様、第二の態様、および第三の態様となることが可能な演出であり、
前記第二の態様は、前記第一の態様と同一または異なる態様であり、
前記第三の態様は、前記第一の態様および前記第二の態様のいずれとも異なる態様であり、
前記高確率状態かつ前記入賞容易状態である第一の状態の図柄変動において前記所定の大当りに当選した場合には、該所定の大当りに対応する前記大当り中演出が前記第一の態様となり、
前記低確率状態かつ前記入賞容易状態である第二の状態の図柄変動において前記所定の大当りに当選した場合には、該所定の大当りに対応する前記大当り中演出が前記第二の態様となり、
前記第一の状態の次の状態が、前記低確率状態かつ前記入賞困難状態である第三の状態となる場合があり、かつ前記第二の状態の次の状態が、前記第三の状態となる場合があり、
前記第三の状態の図柄変動であって該第三の状態の最初の図柄変動を少なくとも含む所定の図柄変動において前記所定の大当りに当選した場合には、該所定の大当りに対応する前記大当り中演出が、該第三の状態の直前の状態である前記第一の状態又は前記第二の状態において前記所定の大当りに当選した場合に実行される大当り中演出と同一の態様となる一方、
前記第三の状態の図柄変動であって前記所定の図柄変動よりも後の図柄変動において前記所定の大当りに当選した場合には、該所定の大当りに対応する前記大当り中演出が前記第三の態様となり、
前記所定の図柄変動は、前記第三の状態の直前の状態である前記第一の状態又は前記第二の状態に基づいて決められる回数とされ、前記第二の状態の次の状態が前記第三の状態となった場合よりも前記第一の状態の次の状態が前記第三の状態となった場合の方が多い回数となることを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、
図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
なお、以降の説明における「有利」とは、遊技者に対して有利であることを指し、さらに、特に断りがない限り、いわゆるプレミア画像等の演出上の特典を除き、賞球の獲得量(遊技球の払い出し)に関して有利であることを指す。
【0010】
<概要>
本実施形態に係る遊技機10の詳細を説明する前に、本実施形態の特徴の概要を説明する。
本実施形態に係る遊技機10は、いわゆるパチンコ遊技機であり、始動口への遊技球の入賞に基づいて実行される図柄変動ごとに大当りに当選するか否かを判定する当否判定を実行する。後述の具体例では、始動口の具体例として第1始動口57又は第2始動口59が例示されており(
図4参照)、特図当否判定手段141がその当否判定を実行する(
図7参照)。
ここでの大当りには、所定の大当りが少なくとも含まれる。後述の具体例では、大当りとして通常大当り(特
図1の停止図柄である図柄Bに係る大当り)と確変大当り(特
図1の停止図柄である図柄A及び特
図2の停止図柄である図柄aに係る大当り)とが例示されており、そのうちの確変大当りが所定の大当りに対応付けられる。但し、所定の大当りが、通常大当りに対応付けられてもよいし、確変大当り及び通常大当りの両方が所定の大当りに対応付けられてもよい。
【0011】
また、遊技機10は、大当りに当選した場合には当選した図柄変動の終了時に大当り遊技を開始する。後述の具体例では、大当り遊技制御手段160が大当り遊技を開始させる(
図7参照)。
更に、遊技機10は、低確率状態よりも当否判定によって大当りに当選し易い高確率状態、及び入賞困難状態よりも始動口への遊技球の入賞が容易となる入賞容易状態を設定可能である。後述の具体例では、低確率状態、高確率状態、入賞困難状態及び入賞容易状態の各々に対応付けられる、特図低確、特図高確、普図低確及び普図高確が例示されており、遊技状態制御手段175により設定される(
図7参照)。
【0012】
加えて、遊技機10は、大当り遊技中に大当り中演出を実行する。後述の具体例では、大当り演出制御手段227が大当り中演出の内容を決定している。
ここでの大当り中演出とは、大当り開始演出と大当り終了演出との間に大当り遊技中であることを報知する演出であり、大当り遊技で最初に特別電動役物(アタッカーとも称される)が開放されてから最終ラウンドにおいて特別電動役物が閉鎖されるまでの間に少なくとも一部が実行される演出である。大当り中演出には、ラウンドの進行に伴い進行する演出や、ラウンド進行とは無関係に複数ラウンドに亘って流される一連の演出などが含まれる。
また、大当り中演出は、第一の態様、第二の態様、及び第三の態様となることが可能な演出であり、第二の態様は、第一の態様と同一又は異なる態様であり、第三の態様は、第一の態様及び第二の態様のいずれとも異なる態様である。
ここで、「大当り中演出の態様が同一である」或いは「大当り中演出の第二の態様が第一の態様と同一の態様である」とは、大当り遊技で最初にアタッカーが開放されてから最終ラウンドにおいてアタッカーが閉鎖されるまでの間に実行される演出内容が完全に一致することのみならず、当該演出内容が遊技者にとって共通すると把握され得る程度に近似していることも包含する意味で用いられる。例えば、ラウンドの進行に伴い進行する演出の流れが共通する大当り中演出どうしは、演出の態様が同一であるといえる。
逆に、「大当り中演出の態様が異なる」或いは「大当り中演出の第三の態様が第一の態様及び第二の態様のいずれとも異なる」とは、大当り遊技で最初にアタッカーが開放されてから最終ラウンドにおいてアタッカーが閉鎖されるまでの間に実行される演出内容が完全に相違することのみならず、当該演出内容が遊技者にとって相違すると把握され得る程度に相違していることも包含する意味で用いられる。例えば、ラウンドの進行に伴い進行する演出の流れが異なる大当り中演出どうしは、その演出の流れに同一の演出表示を含んでいたとしても、演出の態様が異なるといえる。
【0013】
遊技機10により実行される大当り中演出は、更に次のように説明できる。ここでは、高確率状態かつ入賞容易状態が第一の状態と称され、低確率状態かつ入賞容易状態が第二の状態と称され、低確率状態かつ入賞困難状態が第三の状態と称される。そして、第一の状態の次の状態が第三の状態となる場合があり、かつ第二の状態の次の状態が、第三の状態となる場合がある。
即ち、第一の状態の図柄変動において所定の大当りに当選した場合には、当該所定の大当りに対応する大当り中演出は、第一の態様となり、第二の状態の図柄変動において所定の大当りに当選した場合には、第二の態様となる。
また、当該所定の大当りに対応する大当り中演出は、第三の状態の図柄変動であって第三の状態の最初の図柄変動を少なくとも含む所定の図柄変動において所定の大当りに当選した場合には、第三の状態の直前の状態(即ち第一の状態又は第二の状態)において所定の大当りに当選する場合と同一の態様となり得る一方、第三の状態の図柄変動であって所定の図柄変動よりも後の図柄変動において所定の大当りに当選した場合には、第三の態様となる。
【0014】
ここで、「第三の状態の図柄変動であって第三の状態の最初の図柄変動を少なくとも含む所定の図柄変動」とは、第三の状態の最初の図柄変動のみを指し示してもよいし、その最初の図柄変動に加えて第三の状態におけるその最初の図柄変動に続く1以上の図柄変動を指し示すこともできる。
そして、当該所定の図柄変動は、第二の状態の次の状態が第三の状態となった場合よりも第一の状態の次の状態が第三の状態となった場合の方が多い回数となる。
このため、第二の状態の次の状態が第三の状態となる場合には、当該所定の図柄変動が0回となる態様と当該所定の図柄変動が1回以上となる態様とが存在する。後者の場合には、第二の状態の次の状態が第三の状態となる場合における当該所定の図柄変動は、第三の状態の最初の図柄変動を含むx回(x>=1)の図柄変動となり、第一の状態の次の状態が第三の状態となる場合における当該所定の図柄変動は、第三の状態の最初の図柄変動を含むy回(y>x)の図柄変動となる。前者の場合には、第一の状態の次の状態が第三の状態となる場合における当該所定の図柄変動は、第三の状態の最初の図柄変動を含む1以上の図柄変動となり、第二の状態の次の状態が第三の状態となった場合には、その最初の図柄変動を含むその第三の状態の図柄変動において所定の大当りに当選した場合には、所定の大当りに対応する大当り中演出が第三の態様となる。
また、「第三の状態の最初の図柄変動」は、図柄変動ごとに大当りに当選するか否かを判定する当否判定時に参照される状態が第三の状態となっている、その第三の状態の最初の図柄変動を意味する。よって、後述する本実施形態のように、特図高確から特図低確へ遷移する条件が規定回数の図柄変動(本実施形態では100回の図柄変動)の終了とされる形態では、「第三の状態の最初の図柄変動」は、第三の状態(特図低確かつ普図低確)にされた直後に実行される図柄変動に相当し、特図高確から特図低確へ遷移する条件が転落当否抽選に当選したこととされる形態では、「第三の状態の最初の図柄変動」は、転落当否抽選に当選した際に実行されている図柄変動(当該変動)に相当することになる。
【0015】
後述の具体例では、「第三の状態の図柄変動であって第三の状態の最初の図柄変動を少なくとも含む所定の図柄変動」として、特図高確且つ普図高確から特図低確且つ普図低確へ遷移した直後の規定回数(4回)の図柄変動と、特図低確且つ普図高確から特図低確且つ普図低確へ遷移した直後の規定回数(1回)の図柄変動とが例示されており、前者が特図変動パターン導出状態D及び確変後特殊モード(演出モード)として管理され、後者が特図変動パターン導出状態E及びチャンス後特殊モード(演出モード)として管理される例が挙げられている。
また、「第三の状態の図柄変動であって所定の図柄変動よりも後の図柄変動」が特図変動パターン導出状態A及び通常モード(演出モード)として管理される例が挙げられている。
これにより、大当り演出制御手段227は、当該所定の図柄変動に対応する演出モードである確変後特殊モード若しくはチャンス後特殊モード、又は当該所定の図柄変動よりも後の図柄変動に対応する演出モードである通常モードに基づいて、大当り中演出の内容を決定している。
但し、このような大当り中演出の決定手法は、一例に過ぎず、[変形例]として後述するように、様々に変形可能である。
【0016】
これにより、入賞容易状態から入賞困難状態へ遷移した後の最初の図柄変動を含む所定の図柄変動において、所定の大当りに当選した場合には、入賞容易状態において所定の大当りに当選した場合と同一態様の大当り中演出となり得るため、大当りの連続感を高めることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。更に、所定の図柄変動の回数の大小により、高確率状態かつ入賞容易状態(第一の状態)から低確率状態かつ入賞困難状態(第三の状態)へ遷移した場合には、低確率状態かつ入賞容易状態(第二の状態)から遷移した場合よりも、第三の状態の直前の状態と同一態様の大当り中演出が実行される可能性が高くなるため、高確率状態かつ入賞容易状態(第一の状態)の継続感をより高めることができる。
以下、上述の特徴を含む本実施形態に係る遊技機10についてより具体的に説明する。
【0017】
<遊技機10の構造について>
まず、
図1から
図5を用いて、遊技機10の構造について説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図2は、
図1に示す領域IIに配設される図柄表示装置90を示す図である。
図3は、
図1に示す領域IIIに配設される操作ボタン群及びその周辺を示す鳥瞰図である。
図4は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図である。
図5は、大入賞口55の奧方に位置する連通路を示す図である。
なお、
図1から
図5に図示される各構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要なものを挙げたに過ぎず、ここに図示しない構成及び機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成又は機能が省かれても良い。
【0018】
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ機であり、多数の遊技釘(図示省略)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、遊技領域50aと称す)に遊技球を発射し、遊技球が入賞口(例えば、大入賞口55等)に入球すると賞球が得られる遊技を行うものである。なお、以下の説明では、入賞口に遊技球が入球することを、単に「(入賞口に)入賞する」と表現する場合がある。
【0019】
遊技機10は、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠(図示省略)と、遊技盤50の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
【0020】
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を回動自在に支持され、中枠に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠・解錠が可能となっている。
前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50a及び遊技盤50を透視保護している。
前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27及び下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
【0021】
図3に示すように、上球受け皿27の上面には、遊技者に操作される操作ボタン群が配置されている。この操作ボタン群には、玉貸ボタン39a、プリペイドカードの返却操作を受け付ける返却ボタン39b、遊技中に発生する演出を切り替える又は遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができる演出ボタン37、及びそれぞれ上、下、左、右への操作を指示するためのカーソルボタン38(38a、38b、38c、38d)などが含まれる。
また、上球受け皿27の側方には、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動装飾体22が設けられている。
【0022】
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構36が設けられている。この球抜き機構36を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示省略)が開口して、当該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
なお、図示は省略するが、上球受け皿27には、球抜き機構36と同様に、操作することで貯留している球を下球受け皿29へ移動させる機構が設けられ、この機構と球抜き機構36の双方を操作することで、貯留している球を排出することが可能となる。
【0023】
前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34a、34bは光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ演出ランプ35(35a、35b、35c)が配設されている。スピーカ33や演出ランプ35は、遊技中に発生する演出やエラー演出等と連動して音声出力又は点灯若しくは消灯することができる。
【0024】
演出表示装置80は、遊技盤50の略中央に配設されているメイン表示部81と、メイン表示部81の周囲に配設されているサブ表示部82で構成されている。サブ表示部82は、さらに、メイン表示部81の上方に配設されている上サブ表示部82aと、メイン表示部81の左側に配設されている左サブ表示部82bと、メイン表示部81の右側に配設されている右サブ表示部82cと、を含んでいる。
ここで、メイン表示部81は、固定式の液晶装置であり、上サブ表示部82a、左サブ表示部82b、右サブ表示部82cは、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動式の液晶装置である。
【0025】
メイン表示部81は、後述する第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92における変動表示に連動して行われる装飾図柄の変動表示を表示することができ、さらに他の各種の演出も表示することができる。
メイン表示部81に表示される装飾図柄の変動表示において、表示される装飾図柄は、3つの図柄列をなす。各図柄列における装飾図柄の変動表示の方向は特に制限されず、例えば、上下方向、左右方向、奥行き方向、又はこれらの組合せ(斜め方向)のいずれであってもよい。
ここで、奥行き方向とは、実際にはメイン表示部81の表示画面上の平面的な変動表示であるにも関わらず、メイン表示部81の奧方から手前方向又はその逆方向に装飾図柄が変動表示しているかのように認識させる手法(例えば、遠近法)を用いた表示態様において、遊技者が認識する仮想的な方向をいう。
【0026】
また、メイン表示部81は、保留画像を表示(出力)する。保留画像が表示される領域と、装飾図柄が表示される領域とは、離間してもよいし重複してもよい。
ここで、保留画像とは、後述する作動保留情報のそれぞれに対応して表示される画像であり、その形状や色彩等によって対応する作動保留情報に基づいて実行される図柄変動の有利度を示唆する場合がある。
メイン表示部81は、実行中の図柄変動(いわゆる当該変動)に対応し、形状や色彩等によって対応する図柄変動の有利度を示唆する保留画像と同等の画像(以降、「当該保留画像」と称する場合がある)を表示することができる。
以下の説明では、「当該保留画像」と「保留画像」との各表記を区別して用いる。単に「保留画像」と記載した場合、その画像は、作動保留情報(保留されている図柄変動)に対応する保留画像を指し、当該保留画像を含まないものとする。本実施形態では、当該保留画像及び保留画像は共に、主としてメイン表示部81に表示される。
また、メイン表示部81における保留画像が表示される領域を保留表示領域と称し、保留表示領域内の保留画像を表示する位置を早くに保留された図柄変動に対応する保留画像が表示される位置から順に、保留1表示領域、保留2表示領域、保留3表示領域及び保留4表示領域と称する場合がある。
【0027】
サブ表示部82のそれぞれは、主として演出に関連する演出画像を表示するだけでなく、移動可能に構成されている。
なお、それぞれの初期位置は、上サブ表示部82aはメイン表示部81を基準として上側であり、左サブ表示部82bはメイン表示部81を基準として左側であり、右サブ表示部82cはメイン表示部81を基準として右側であり、サブ表示部82のそれぞれは、これらの初期位置からメイン表示部81における装飾図柄の表示領域に重なる位置まで移動可能に構成されている。
【0028】
なお、本実施形態における演出表示装置80(メイン表示部81、上サブ表示部82a、左サブ表示部82b、右サブ表示部82c)には、いずれも液晶表示装置が採用されているが、本発明の実施はこれに限るものではない。例えば、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置を演出表示装置80として採用することができる。
【0029】
メイン表示部81の右下側には、複数の発光ダイオード(light emitting diode、以下LEDと称す)が配設されており、これらのLEDによって図柄表示装置90の表示領域が構成されており、図柄表示装置90には、特別図柄及び普通図柄が表示される。
図柄表示装置90はメイン表示部81よりも遊技者が視認しにくい位置に配設され、図柄表示装置90の表示領域はメイン表示部81の表示領域よりも小さい面積になっている。
なお、本実施形態における図柄表示装置90に係るLEDの配置や数は
図2に示すとおりであるが、これは一例であって、図柄表示装置90に係るLEDの配置や数はこの例に制限されるものではない。
【0030】
特別図柄は、特別電動役物(例えば、特別電動役物65)を作動させるか否かを決定する図柄変動の結果として停止表示される図柄である。本実施形態における特別図柄には、第1特別図柄表示装置91に表示される第1特別図柄と第2特別図柄表示装置92に表示される第2特別図柄とが含まれる。
特別図柄は「特図」、第1特別図柄は「特
図1」、第2特別図柄は「特
図2」と略称される場合がある。
【0031】
普通図柄は、普通電動役物(例えば、普通電動役物61)を作動させるか否かを決定する図柄変動の結果として停止表示される図柄である。本実施形態における普通図柄は、普通図柄表示装置93に表示される。
普通図柄は、「普図」と略称される場合があり、普通電動役物は「電チュー」と称される場合がある。
【0032】
図柄表示装置90には、更に、第1特別図柄保留ランプ94、第2特別図柄保留ランプ95、普通図柄保留ランプ96が設けられている。
第1特別図柄保留ランプ94は、保留されている特
図1の図柄変動の数を特定可能とし、第2特別図柄保留ランプ95は、保留されている特
図2の図柄変動の数を特定可能とし、普通図柄保留ランプ96は、保留されている普図の図柄変動の数を特定可能とし、いずれも、2つのLEDの点灯態様(本実施形態では、右常時点灯のみ=1、左右常時点灯=2、右側点滅+左側常時点灯=3、左右点滅=4)によって対応する図柄変動の数を特定可能とするものである。
【0033】
以下の説明では、第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92で特図を変動表示させた後に特図を停止表示させる図柄変動を「特図の図柄変動」と称し、普通図柄表示装置93を変動表示させた後に普図を停止表示させる図柄変動を「普図の図柄変動」と称する場合がある。
また、以下の説明では、上述のメイン表示部81に表示される装飾図柄の変動表示は、「特図の図柄変動」や「普図の図柄変動」と区別して「装飾図柄の図柄変動」と称する場合がある。
なお、以下の説明では、単に「図柄変動」と称した場合には、特に断りがない限り特図の図柄変動を意味するものとする。
【0034】
遊技盤50の前面には、多数の遊技釘(図示省略)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。
また、遊技領域50aの左側及び上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51及び内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央を基準として内レール53より外側に位置している。ここで、風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構であって、くぎ状のものをいう。
【0035】
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっており、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
【0036】
図4には、主要な入賞口として、大入賞口55、第1始動口57、第2始動口59、ゲート63、一般入賞口67を図示する。ここで、図示する入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更しても構わない。
【0037】
大入賞口55は遊技領域50aの右下部に配置されている。大入賞口55には大入賞口センサ72が付設されており、大入賞口センサ72の検知結果によって大入賞口55への入賞が判定されて、大入賞口55への入賞に対して決められた数(本実施形態では、15)の賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が大入賞口55に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0038】
大入賞口55には特別電動役物65が付設されている。特別電動役物65は、大入賞口55への入賞が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、特別電動役物ソレノイド41により開放状態又は閉鎖状態のいずれかに遷移する。
より具体的には、特別電動役物65は、後述する特図当否判定によって大当りが導出されたことに起因して設定される大当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って大入賞口55への入賞が許容される。このように、特別電動役物65が開放状態である場合には大入賞口55への入賞が容易となるため、賞球を獲得できる機会が大幅に増大する大当り遊技は有利な遊技状態であると言える。
なお、特別電動役物は、「アタッカー」と称され、特別電動役物ソレノイド41によって特別電動役物が開放状態となることを、「アタッカー開放」と称し、逆に閉鎖状態となることを「アタッカー閉鎖」と称する場合がある。
また、特図当否判定によって小当りが導出されたことに起因する小当り遊技の少なくとも一部においても特別電動役物65が開放状態となるが、上記の大当り遊技と比較して当該開放状態となる時間が短い。そのため、小当り遊技は、大当り遊技よりも有利度の低い遊技状態と言える。
【0039】
図5に示されるように、大入賞口55の奧方には連通路58が設けられており、連通路58には、入球した遊技球を検知する大入賞口センサ72及び特定領域センサ73が配置されている。なお、
図5(a)又は
図5(b)における上流側の白抜き矢印は、大入賞口55から流下してきた遊技球が連通路58(通過経路58a)を通過する方向を示している。
大入賞口センサ72による遊技球の検知は、上述したとおり、大入賞口55に係る入賞の条件であり、その検知に基づいて大入賞口55に対応付けられた賞球が付与される。
特定領域センサ73による遊技球の検知は、大当り遊技終了後に特図高確とする条件であり、その検知に基づいて大当り遊技終了後に特図高確とされる。以降、遊技球の特定領域(通過経路58b)の通過をV入賞と称する場合もある。
【0040】
連通路58は、上流側から下流側に向かって、通過経路58aが通過経路58bと通過経路58cとに分かれる形状を有しており、通過経路58bと通過経路58cとの分岐部に振分部材68が設けられている。振分部材68は、通過する遊技球を通過経路58b又は通過経路58cのいずれか一方に振り分ける。
より詳細には、振分部材68は、基端部を軸にして回動可能に当該分岐部に支持されており、その回動位置に応じて、
図5(a)に示す状態と
図5(b)に示す状態とが切り替えられる。
図5(a)の状態においては、振分部材68が通過経路58bへの遊技球の流下を規制することで、通過経路58aを通過した遊技球は、通過経路58cへと流下する。一方、
図5(b)の状態においては、振分部材68が通過経路58cへの遊技球の流下を規制することで、通過経路58aを通過した遊技球は、通過経路58bへと流下する。
【0041】
振分部材68は、後述の電動役物制御手段170によって制御される振分部材ソレノイド42の作動に応じて回動し、その位置が切り替えられる。
また、連通路58には、振分部材68の位置を検知する振分部材センサ74が設けられている。振分部材センサ74は、回動する振分部材68の先端部が通過可能な通過空間を挟んだ両側(
図5における紙面手前側と紙面奥側)に配設された発光部及び受光部を有しているフォトセンサである。振分部材センサ74は、受光部が発光部から照射される光を振分部材68の先端部で遮蔽されずに受光する状態であるか或いは当該光が振分部材68の先端部で遮蔽される状態であるかを判別することで、振分部材68の位置を検知する。即ち、振分部材センサ74からの出力信号により、少なくとも、振分部材68が通過経路58bへの遊技球の流下を規制している状態(
図5(a)の状態)となっているか否かが判断可能である。
以降、振分部材ソレノイド42を作動させることで特定領域(通過経路58b)の通過が容易となるように(
図5(b)の状態)振分部材68を回動(変位)させることをV開放と称する場合がある。
なお、
図5(a)又は
図5(b)における下流側の白抜き矢印は、遊技球が連通路58(通過経路58bまたは通過経路58c)から排出される方向を示している。
【0042】
第1始動口57は、遊技領域50aの中央下部に配置されている。第1始動口57には第1始動口センサ70が付設されており、第1始動口センサ70の検知結果によって第1始動口57への入賞が判定されて、第1始動口57への入賞に対して決められた数(本実施形態では、4)の賞球が付与される。第1始動口57に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特
図1の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第2流路Yから転動した場合に比べて、第1流路Xから転動した場合に多くの遊技球が第1始動口57に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0043】
第2始動口59は、遊技領域50aの右下部に配置されている。第2始動口59には第2始動口センサ71が付設されており、第2始動口センサ71の検知結果によって第2始動口59への入賞が判定されて、第2始動口59への入賞に対して決められた数(本実施形態では、1)の賞球が付与される。
第2始動口59への入賞が判定された場合の少なくとも一部において、特
図2の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態に係る遊技領域50aは、第1流路Xから転動した場合に比べて、第2流路Yから転動した場合に多くの遊技球が第2始動口59に向けて転動するように、遊技釘等の障害物が配置されているものとする。
【0044】
第2始動口59に繋がる流路には普通電動役物61が配設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球への入球が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する部材であり、普通電動役物ソレノイド40により開放状態又は閉鎖状態のいずれかに遷移する。
より具体的には、普通電動役物61は、普図の図柄変動で当選して行われる普図当り遊技の少なくとも一部において開放状態になり、これに伴って第2始動口59への入賞が許容される。このように、普通電動役物61が開放状態である場合には、第2始動口59への入賞が容易となるため、賞球により遊技球の減少を抑えつつ、特
図2の図柄変動が実行される機会を大幅に増大しうる。
【0045】
ゲート63は、遊技領域50aの右中央部に配置されている。ゲート63には、ゲートセンサ76が付設されており、ゲートセンサ76の検知結果によってゲート63への入賞が判定される。ゲート63に係る入賞が判定された場合の少なくとも一部において、普図の図柄変動が行われることとなる。
なお、本実施形態において、第1流路Xから転動する場合と比較して、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球がゲート63に向けて転動するように各障害物が配置されている。
【0046】
一般入賞口67は、遊技領域50aの左下部に配置されている。一般入賞口67には、一般入賞口センサ75が付設されており、一般入賞口センサ75の検知結果によって一般入賞口67への入賞が判定されて、一般入賞口67への入賞に対して決められた数(本実施形態では、4)の賞球が付与される。
なお、本実施形態において、第2流路Yから転動する場合と比較して、第1流路Xから転動する場合に多くの遊技球が一般入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されているが、第2流路Yから転動する場合に多くの遊技球が一般入賞口67に向けて転動するように各障害物が配置されるようにしてもよい。また、一般入賞口67が複数個設けられていてもよい。
【0047】
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。遊技領域50aに打ち込まれ、上述した各入賞口に入球しなかった遊技球はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
【0048】
ここまで、本実施形態における遊技機10の構造について説明してきたが、これらは一具体例であって、別の構成によって本発明を実施することもできる。
【0049】
<遊技機10の制御構成について>
次に、
図6を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える制御構成を説明する。
図6は、遊技機10が備える制御構成を示すブロック図である。なお、
図6に示す制御構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、
図6で図示しない制御構成を備えていてもよい。
【0050】
主制御基板100は、遊技に関する各種の演算処理を行うCPU101と、制御プログラムや各種データ等を記憶したROM102と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM103と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート104と、乱数(ハード乱数)を生成する乱数回路105と、を備えており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
【0051】
CPU101は、ROM102に格納された各種の制御プログラムを読み出して演算処理を行うことで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。RAM103は、電源基板(図示省略)のバックアップ電源によってバックアップされている。なお、RAM103のバックアップされる領域は、電源断が生じた場合、電源断時に保持していたスタックポインタや各レジスタ等のデータを記憶しておくための領域となっており、電源断復帰時には当該領域でバックアップされている情報に基づいて遊技機の状態が電源断の生じる前の状態に復帰可能である。
【0052】
主制御基板100は、第1始動口センサ70、第2始動口センサ71、大入賞口センサ72、特定領域センサ73、振分部材センサ74、一般入賞口センサ75、ゲートセンサ76などと電気的に接続されており、I/Oポート104を介して、これらのセンサからの検出信号をCPU101に入力可能に構成されている。
【0053】
主制御基板100は、第1特別図柄表示装置91、第2特別図柄表示装置92、普通図柄表示装置93、第1特別図柄保留ランプ94、第2特別図柄保留ランプ95、及び普通図柄保留ランプ96にも電気的に接続されており、I/Oポート104を介してこれらの表示装置及びこれらの保留ランプを制御可能に構成されている。
主制御基板100は、普通電動役物ソレノイド40、特別電動役物ソレノイド41及び振分部材ソレノイド42にも電気的に接続されており、I/Oポート104を介してこれらのソレノイドを制御可能に構成されている。
更に、主制御基板100は、上述の玉貸ボタン39aや返却ボタン39bなどを含むメイン操作部39に電気的に接続されており、メイン操作部39に設けられたセンサによる操作検知状態の変化によってメイン操作部39の各種操作を検知可能に構成されている。
【0054】
主制御基板100と第1副制御基板200との間は、少なくとも、主制御基板100から第1副制御基板200へのデータ送信が可能となるように接続されている。例えば、主制御基板100と第1副制御基板200との間は、8本のパラレル信号線および1本のストローブ線で接続されており、主制御基板100から第1副制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、主制御基板100から第1副制御基板200へ各種の演出制御コマンドが送信される。
なお、第1副制御基板200から主制御基板100へデータを送信することはできず、また、第1副制御基板200は、主制御基板100に対してデータの送信を要求することはできないように構成されている。
【0055】
第1副制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を行うCPU201、演出制御プログラムや各種データ等を記憶したROM202、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート204と、を備えており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。第1副制御基板200は、CPU201がROM202に記憶された制御プログラムに従って遊技演出に係る主要な制御を実行可能となるように、構成されている。
第1副制御基板200は、上述の演出ボタン37やカーソルボタン38などに電気的に接続されており、センサによる操作検知状態の変化によってそれら各操作部の各種操作を検知可能に構成されている。
【0056】
また、第1副制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づく演出制御処理にて、第2副制御基板300へ画像演出および音響演出を指示する画像制御コマンド、演出ランプ35の点灯を制御するためのランプ制御データ、可動装飾体22及びサブ表示部82の可動を制御するための可動制御データなどを生成する。
第1副制御基板200は、第2副制御基板300と双方向通信が可能に接続されており、画像および音響に関する画像制御コマンドが第1副制御基板200から第2副制御基板300へ送信される一方、その応答として、当該制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)が第2副制御基板300から第1副制御基板200へ送信される。
【0057】
また、第1副制御基板200は、演出ランプ35と電気接続されており、I/Oポート204を介して、ランプ制御データを送信する。そして、演出ランプ35は、第1副制御基板200から送信されるランプ制御データによって点灯が制御されるように構成されている。
【0058】
第1副制御基板200は、可動装飾体22及びサブ表示部82とも電気接続されており、I/Oポート204を介して、可動制御データを送信する。
そして、可動装飾体22及びサブ表示部82は、第1副制御基板200から送信される可動制御データによって可動が制御されるように構成されている。
【0059】
第2副制御基板300は、第1副制御基板200からの画像制御コマンドに基づき画像や音響などの演出に関する各種の演算処理を行うCPU301と、画像制御プログラムや各種データ等を記憶したROM302と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM303と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート304とを備えており、CPU301がROM302に記憶された制御プログラムに従って画像演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。
その他、第2副制御基板300には、図示を省略するが、CPU301から受信した制御信号に基づき演出内容に沿った画像データを生成するVDPと、CPU301から受信した制御信号に基づき演出内容に沿った音響データを生成する音源ICとを搭載している。VDPは、いわゆる画像プロセッサであり、CPU301からの指示に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した画像データを演出表示装置へ送信する。このVDPには、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAMが接続されている。音源ICは、CPU301からの指示に応じて音声ROMに記憶された音響データを読み込み、読み込んだ音響データを合成処理して生成した最終的な音響データを増幅器を介してスピーカ33に出力する。
【0060】
払出制御基板400は、主な構成として、CPU401、ROM402およびRAM403を備えている。
払出制御基板400は、主制御基板100と双方向通信可能に接続されており、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて賞球払出ユニットを駆動させて賞球を払い出すための制御を実行するとともに、発射ハンドルの操作量に基づき球送り機構と発射機構とを同期的に駆動させて遊技球の発射を制御する。
【0061】
払出制御基板45には、更に、外部端子板410が通信可能に接続されている。
外部端子板410は、複数の接続端子を備えており、それら接続端子を介して、ホールコンピュータ、データ表示器、データランプのような外部装置と接続されている。
これにより、主制御基板100は、払出制御基板45へコマンドを送信することにより、外部端子板410に接続されている外部装置へ外部信号を出力することができる。このとき、主制御基板100からのコマンドに基づいて、払出制御基板400のCPU401が外部信号の出力を制御することもできる。
【0062】
<遊技機10の機能構成について>
次に、
図7を用いて、本実施形態に係る遊技機10が備える機能構成を説明する。
図7は、遊技機10が備える機能構成を示すブロック図である。なお、
図7に示す機能構成は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要となるものであり、遊技機10は、
図7で図示しない機能構成を備えていてもよい。また、必要に応じて、機能構成を説明する際に、
図8及び
図9も参照することとする。
【0063】
主制御基板100は、
図7に示すように、入球判定手段110、メイン乱数発生手段115、メイン保留制御手段120、事前判定手段130、特図抽選手段140、普図抽選手段150、大当り遊技制御手段160、図柄表示制御手段165、電動役物制御手段170、遊技状態制御手段175、メイン情報記憶手段180、メインエラー制御手段185、メインコマンド管理手段190、及び外部信号制御手段195を備えており、これらの手段は、
図6を用いて説明した主制御基板100上の各制御構成によって実現されるものを機能的に表したものである。
【0064】
なお、メイン情報記憶手段180は、主制御基板100が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。特に、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶されたデータ(演出制御コマンド)は、記憶された後にコマンド送信手段によって後述する第1副制御基板200のサブコマンド管理手段270に向けて送信される。
【0065】
入球判定手段110は、各入賞口に設けられたセンサの検知結果に基づいて各入賞口への入賞を判定する。
【0066】
メイン乱数発生手段115は、乱数回路105によって更新範囲が異なる複数種類の乱数を生成可能であり、入賞口への入賞が判定されたタイミングで乱数回路105から当該入賞口に対応する一又は複数の乱数を取得(ラッチ)する。
より具体的には、メイン乱数発生手段115は、第1始動口57又は第2始動口59への入賞が判定された場合には、後述する特図当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、及び特図変動パターン抽選用の乱数を取得する。ゲート63への入賞が判定された場合には、後述する普図当否判定用の乱数、普図図柄抽選用の乱数、及び普図変動パターン抽選用の乱数をメイン情報記憶手段180の対応する格納領域に格納する。
【0067】
メイン保留制御手段120は、特図の図柄変動の保留、及び普図の図柄変動の保留に関する制御を行う。特
図1に関しては、第1始動口57への入賞を契機として取得された、特図当否判定用の乱数、特図停止図柄抽選用の乱数、及び特図変動パターン抽選用の乱数を、特
図1の作動保留情報として保留する(記憶させる)。
より具体的には、メイン保留制御手段120は、特
図1の作動保留情報が保留されるごとに1加算され、特
図1の作動保留情報が使用される(特図抽選手段140の抽選で用いられる)ごとに1減算される保留カウンタ(以下、「特
図1保留カウンタ」と称する)を備え、特
図1保留カウンタの値が上限値(本実施形態では、4)となるまで、当該作動保留情報をメイン情報記憶手段180の現在の特
図1保留カウンタに対応する格納領域に記憶させ、作動保留情報が使用されるごとに、使用された作動保留情報をクリアし、残りの作動保留情報を、特
図1保留カウンタの小さいものから順に、現在の格納領域から現在の特
図1保留カウンタよりも1少ない特
図1保留カウンタに対応する格納領域に移動(シフト)させる制御を行う。
メイン保留制御手段120は、特
図2及び普図に関してもそれぞれ、特
図1に関する上述の制御と同様の制御を行う。特
図2の保留カウンタは特
図2保留カウンタと称する。
また、以降の説明では、「作動保留情報の保留」を「図柄変動の保留」と表現する場合がある。
また、メイン保留制御手段120は、特
図1又は特
図2の作動保留情報(保留カウンタ)を更新(加算又は減算)した際に、特
図1保留カウンタ及び特
図2保留カウンタの値を含む演出制御コマンド(保留コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。
なお、本実施形態では、特
図1に対応する作動保留情報及び特
図2に対応する作動保留情報の双方が保留されている場合には、特
図2に対応する作動保留情報が優先的に使用される。
【0068】
事前判定手段130は、所定の事前判定のタイミングにおいて特図の作動保留情報が保留された場合に、当該作動保留情報を対象とした先読み演出のための事前判定を実行する。
より具体的には、事前判定手段130は、今回保留した作動保留情報の各乱数を読み出し、特図当否判定の事前判定、特図停止図柄抽選の事前判定、特図変動パターン抽選の事前判定を実行する。各事前判定では、各事前判定に対応する抽選に用いられる抽選テーブル(詳細は、後述)と同等の抽選テーブル(図示省略)を用いられる。そのため、これらの事前判定は、後に実行される抽選の結果と同一の結果が導出される。
また、事前判定手段130は、導出された事前判定の結果を含む演出制御コマンド(事前判定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。
本実施形態では、これら事前判定のために、後述する遊技状態制御手段175により制御される特図抽選状態、普図抽選状態及び特図変動パターン導出状態についても事前判定され、当該事前判定コマンドにそれらの状態を示す情報が設定される。
なお、上述の通り、事前判定コマンドは、所定の事前判定のタイミングにおいて特図の作動保留情報が保留された場合の少なくとも一部で送信される(生成され、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶される)ものであるため、上述の保留コマンドに続いて送信されることとなる。ここで、所定の事前判定のタイミングとは、大当り遊技中ではないことを指し、さらに、本実施形態では、普図高確中の特
図1の作動保留情報が保留された場合には、事前判定コマンドの送信を規制している。
【0069】
特図抽選手段140は、特図当否判定手段141、特図停止図柄抽選手段142、及び特図変動パターン導出手段143を備え、特図当否判定手段141、特図停止図柄抽選手段142、特図変動パターン導出手段143の順に各手段による処理を実行する。特図抽選手段140は、特図の変動開始条件が充足された際に、メイン情報記憶手段180に保留されている作動保留情報のうちの最先の作動保留情報を読み出す。
「特図の変動開始条件が充足される」とは、その一例として、大当り中ではないこと、特
図1及び特
図2のいずれも図柄変動中でないこと、特
図1及び特
図2のうちの少なくともいずれか一方に作動保留情報が存在することの全ての条件が充足されたことである。
このため、遊技機10は、変動開始条件が充足されるまで図柄変動の開始を保留すると言える。
【0070】
図8は、主制御基板100における抽選で用いられる抽選テーブルを模式的に示す図である。
図8で示す抽選テーブルを含む以下の抽選テーブルを用いた抽選では、読み出した乱数に対して抽選テーブルに記憶された抽選値があらかじめ定められた順序に従って順次加算され、キャリー(桁あふれ)が発生した抽選値に対応する結果が当該抽選の結果として導出される。
以降の説明では、説明の便宜上、抽選テーブルに名前を付しているが、名前に対応する抽選テーブルに含まれる抽選値等のデータが各ROMに識別可能に記憶されていればよく、これらの名前は、当該データが記憶される領域を特定するものではない。また、以降で図示される抽選テーブルには、説明の便宜上記載された項目や、抽選値として「−」又は「0」が記載されているが、これらは各ROMに記憶されたデータを示すものではない。また、抽選に使用される乱数範囲の最大値と同一の抽選値が抽選テーブルに記載されている場合には、当該結果が100%導出されるため、必ずしも抽選を行う必要はない。
【0071】
特図当否判定手段141は、特図当否判定用の乱数を読み出し、読み出した乱数と特図当否判定用の抽選テーブルを用いて大当り、小当たり、はずれのいずれに該当するかを抽選によって決定する。
図8(a)は、特
図1当否判定用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0〜65535である。そのため、特
図1において特図抽選状態が低確率の場合(以下、「特図低確」と略称する場合がある)には、200/65536の確率で大当り、300/65536の確率で小当り、残りの65036/65536の確率ではずれとなり、特
図1において特図抽選状態が高確率の場合(以下、「特図高確」と略称する場合がある)には、500/65536の確率で大当り、300/65536の確率で小当り、残りの64736/65536の確率ではずれとなる。
【0072】
図8(b)は、特
図2当否判定用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、特
図1当否判定の場合と同様に、0〜65535である。そのため、特
図2の特図低確では、200/65536の確率で大当り、残りの65336/65536の確率ではずれとなり、特
図2の特図高確では、500/65536の確率で大当り、残りの65036/65536の確率ではずれとなる。
【0073】
このように、特図高確は、特図低確よりも大当りが導出される確率が高く、特図低確よりも有利度が高い状態であると言える。また、本実施形態における特
図2当否判定では、小当りが導出されることがない。
この特図当否判定手段141により、遊技機10は、始動口への遊技球の入賞に基づいて実行される図柄変動ごとに大当りに当選するか否かを判定する当否判定を実行すると言える。
【0074】
特図停止図柄抽選手段142は、特図当否判定手段141によって大当りが導出された場合に、特図停止図柄抽選用の乱数を読み出し、読み出した乱数と特図停止図柄抽選用の抽選テーブルを用いて特図の停止図柄を抽選によって決定する。
図8(c)は、特
図1停止図柄抽選用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、0〜99である。そのため、特
図1では、大当りが導出された際に、65/100の確率で図柄A、35/100の確率で図柄Bが停止図柄として決定される。
ここで、図柄Aは、大当り遊技中に特別電動役物65が十分な時間(概ね9球入賞する程度)に亘って解放される回数(ラウンド数(R数))が10であり、且つ大当り遊技終了後に特図高確且つ普図高確(詳細は後述)となり得る図柄(以下、「確変図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「確変大当り」と称する場合がある)である。なお、上述したとおり、本実施形態では、V入賞(遊技球の特定領域(通過経路58b)の通過)が特定領域センサ73により検知されることを条件として大当り遊技終了後に特図高確とされるため、確変大当りに係る大当り遊技には、V開放させるラウンド(本実施形態では10ラウンド目)が設けられている。
一方、図柄Bは、ラウンド数が9であり、且つ大当り遊技終了後に特図低確且つ普図高確(詳細は後述)となる図柄(以下、「通常図柄」と称する場合があり、当該図柄に係る大当りを「通常大当り」と称する場合がある)である。即ち、通常大当りに係る大当り遊技にはV開放させるラウンドは設けられない。
このように、図柄Aは、ラウンド数及びその後の特図抽選状態の双方において、図柄Bよりも有利な図柄であるといえる。
【0075】
図8(d)は、特
図2停止図柄抽選用の抽選テーブルを示したものであり、当該抽選で用いられる乱数の範囲は、特
図1停止図柄抽選と同様に、0〜99である。そのため、特
図2では、大当りが導出された際に、100/100の確率で図柄aとなる。
ここで、図柄aは、ラウンド数が10であり、且つ大当り遊技終了後に特図高確且つ普図高確となり得る確変図柄である。
このように、本実施形態では、特
図2で大当りが導出された場合には、常に、確変大当りとなる。
【0076】
以降の説明では、特図当否判定手段141による特図当否判定の結果が大当りを示し、且つ、特図停止図柄抽選手段142により確変図柄が決定された場合を「特図抽選の結果が確変大当りを示す場合」と表記し、特図当否判定手段141による特図当否判定の結果が大当りを示し、且つ、特図停止図柄抽選手段142により通常図柄が決定された場合を「特図抽選の結果が通常大当りを示す場合」と表記する場合がある。
なお、特図停止図柄抽選手段142は、特図当否判定手段によって大当りが導出されなかった場合には、特
図1の小当り時は図柄C、特
図1のはずれ時は図柄D、特
図2のはずれ時は図柄bを停止図柄として一律に決定する。
【0077】
特図変動パターン導出手段143は、特図変動パターン(変動時間)を導出する。具体的には、特図変動パターン導出手段143は、現在の特図変動パターン導出状態(詳細は、後述)と特図当否判定手段141による今回の抽選結果とに基づいて、複数種類の特図変動パターン抽選テーブルの中から今回の特図変動パターンを導出するための一つの特図変動パターン抽選テーブルを選択し、選択した特図変動パターン抽選テーブルと特図変動パターン抽選用の乱数とを用いて一つの特図変動パターンを導出する。
特図変動パターン導出手段143は、導出された特図変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動開始コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。なお、変動開始コマンドには、特図変動パターン導出状態Cが開始されてからの図柄変動の回数の情報が少なくとも含まれている。
なお、特図変動パターン抽選テーブル及び特図変動パターン導出状態、並びに特図変動パターン導出手法の詳細は、後述する。
【0078】
普図抽選手段150は、普図の図柄変動中でない場合に、メイン情報記憶手段180に保留されている作動保留情報のうちの最先の作動保留情報を読み出し、読み出した乱数を用いて、普図の当否を判定する普図当否判定を実行する。この普図当否判定によって普通電動役物61が開放状態に制御されることとなる普図当りに当選した場合に、普図抽選手段150は、普図の停止図柄を抽選により決定する普図停止図柄抽選、及び普図の変動パターン(変動時間)を抽選により決定する普図変動パターン抽選を実行する。
普図当否判定では、普図抽選状態が高確率の状態(「普図高確」と略称する場合がある)と、普図抽選状態が低確率の状態(「普図低確」と略称する場合がある)とがある。本実施形態では、普図高確では、65535/65536の確率で普図当りとなり、残りの1/65536の確率ではずれとなる一方、普図低確では、1/65536の確率で普図当りとなり、残りの65535/65536の確率ではずれとなる。なお、普図低確では、普図当りとならない(65536/65536ではずれとなる)ようにしてもよい。
【0079】
普図停止図柄抽選では、普通電動役物61の開放状態となるパターンが異なる複数種類の停止図柄から、普図停止図柄抽選用の抽選テーブル(図示省略)を用いた抽選によって一つの停止図柄が決定される。なお、普図当否判定ではずれとなった場合には、特
図1、2と同様に、停止図柄が一律に決定される。
また、普図変動パターン抽選では、特図変動パターン抽選と同様に、複数種類の普図変動パターンから、普図変動パターン抽選用の抽選テーブル(図示省略)を用いた抽選によって一つの普図変動パターンが決定される。
【0080】
大当り遊技制御手段160は、特図当否抽選の結果が大当りである場合、決定された大当り図柄に応じて、大当り開始デモに係るデモ時間、及び大当り終了デモに係るデモ時間を決定する。
大当り遊技制御手段160は、大当り開始時には、大当り開始デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り開始コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させ、大当り終了時には、大当り終了デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(大当り終了コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。
また、大当り遊技制御手段160は、特図当否抽選の結果が小当りの場合も同様に、小当り開始デモに係る時間、及び小当り終了デモに係るデモ時間を決定し、小当り開始時には、小当り開始デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(小当り開始コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させ、小当り終了時には、小当り終了デモに係るデモ時間を含む演出制御コマンド(小当り終了コマンド)を生成し、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。
【0081】
図柄表示制御手段165は、特
図1の特図変動パターン(変動時間)に従って、特
図1を第1特別図柄表示装置91に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に特図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で特
図1を停止表示させる。同様に、第2特別図柄の特図変動パターン(変動時間)に従って、特
図2を第2特別図柄表示装置92に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に特図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で特
図2を停止表示させる。
図柄表示制御手段165は、特
図1及び特
図2の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための特図遊技タイマを有し、特図を停止表示させる際に(特図遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、装飾図柄の確定表示を要求するための演出制御コマンド(変動停止コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に格納する。
【0082】
図柄表示制御手段165は、普図の普図変動パターン(変動時間)に従って、普図を普通図柄表示装置93に変動表示させるとともに、変動時間の経過後に普図を普図停止図柄抽選によって決定された停止図柄で停止表示させる。
図柄表示制御手段165は、普図の表示に係る時間(変動時間、停止表示時間)を管理するための普図遊技タイマを有する。
【0083】
電動役物制御手段170は、特図当否抽選の結果が大当りとなった場合、特図の停止表示後に、特別電動役物ソレノイド41に制御信号を出力し、特別電動役物65を特図の停止図柄に対応する解放パターンに従って開放させる。大当り遊技は、特別電動役物65の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(本例では、10R、9R)だけ連続して実行する遊技状態である。
また、電動役物制御手段170は、特図停止図柄抽選手段142による抽選で確変図柄(図柄A又は図柄a)が停止図柄として決定された場合、大当り遊技の規定ラウンド目(本実施形態では10ラウンド目)に、振分部材ソレノイド42に制御信号を出力し、特定領域(通過経路58b)の通過が容易となるように(
図5(b)の状態)振分部材68を回動(変位)させる、即ちV開放させる。この結果、特定領域センサ73により特定領域(通過経路58b)への遊技球の通過(V入賞)が検知されると、遊技状態制御手段175によりその大当り遊技の終了後に特図高確とされる。
【0084】
電動役物制御手段170は、特図当否抽選の結果が小当りとなった場合、特図の停止表示後に、特別電動役物ソレノイド41に制御信号を出力し、特別電動役物65を短期間(0.05秒)だけ開放させる。
また、電動役物制御手段170は、普図当否抽選に当選した場合、普通電動役物ソレノイド40に制御信号を出力して、普通電動役物61を普図の停止図柄に対応する開放パターンに従って開放させる。
【0085】
遊技状態制御手段175は、特図抽選状態を制御する。具体的には、遊技状態制御手段175は、上述の通り、通常大当りに係る大当り遊技の開始時に特図低確とし、確変大当りに係る大当り遊技におけるV入賞を条件にその大当りの終了時に規定回数(本実施形態では100回)の図柄変動が行われるまで特図高確とし、その規定回数の図柄変動(本実施形態では100回目の図柄変動)の終了時に特図低確とする。
但し、特図高確から特図低確に遷移する条件は、本実施形態のような図柄変動の回数に制限されることはなく、転落当否抽選の結果など他の条件とされてもよい。
また、確変大当りに係る大当り遊技終了時に特図高確とする条件は、V入賞に制限されることはなく、特図の停止図柄の種別のみとされてもよい。
【0086】
加えて、遊技状態制御手段175は、普図抽選状態を制御する。具体的には、遊技状態制御手段175は、大当り遊技の開始時に大当りに係る図柄に関わらず普図低確とし、通常大当りに係る大当り遊技の終了時に規定回数(本実施形態では100回)の図柄変動が行われるまで普図高確とし、その規定回数の図柄変動(本実施形態では100回目の図柄変動)の終了時に普図低確とし、確変大当りに係る大当り遊技におけるV入賞を条件にその大当りの終了時に規定回数(本実施形態では100回)の図柄変動が行われるまで普図高確とし、その規定回数の図柄変動(本実施形態では100回目の図柄変動)の終了時に普図低確とする。
【0087】
更に、遊技状態制御手段175は、特図変動パターン導出状態を制御する。この特図変動パターン導出状態の遷移については、
図9を参照しながら説明する。
図9は、特図抽選状態及び普図抽選状態による遊技状態の遷移、及び特図変動パターン導出状態の遷移を示した状態遷移図である。
特図変動パターン導出状態は、特図低確且つ普図低確に対応する特図変動パターン導出状態A、D及びE、特図高確且つ普図高確に対応する特図変動パターン導出状態B、並びに特図低確且つ普図高確に対応する特図変動パターン導出状態Cに大別できる。
各特図変動パターン導出状態間の遷移には、例えば、次のような条件が設けられる。遷移条件(i)は確変大当りに係る大当り遊技の終了であり、遷移条件(ii)は通常大当りに係る大当り遊技の終了であり、遷移条件(iii)は100回目の図柄変動の終了であり、遷移条件(iv)は1回目の図柄変動の終了であり、遷移条件(v)は4回目の図柄変動の終了である。
【0088】
このように、本実施形態では、特図低確且つ普図低確に対応する特図変動パターン導出状態は、特図変動パターン導出状態A、D及びEに分けられている。
遊技状態制御手段175は、特図変動パターン導出状態Bにおいて100回目の図柄変動が終了する際(遷移条件(iii))に特図変動パターン導出状態Dを設定し、その特図変動パターン導出状態Dにおいて4回目の図柄変動が終了する際(遷移条件(v))に特図変動パターン導出状態Aを設定する。また、遊技状態制御手段175は、特図変動パターン導出状態Cにおいて100回目の図柄変動が終了する際(遷移条件(iii))に特図変動パターン導出状態Eを設定し、その特図変動パターン導出状態Eにおいて1回目の図柄変動が終了する際(遷移条件(iv))に特図変動パターン導出状態Aを設定する。
このように、特図高確且つ普図高確に対応する特図変動パターン導出状態Bから遷移する特図変動パターン導出状態Dのほうが、特図低確且つ普図高確に対応する特図変動パターン導出状態Cから遷移する特図変動パターン導出状態Eよりも多い回数の図柄変動の終了を条件に、特図変動パターン導出状態Aに遷移する。
【0089】
遊技状態制御手段175は、特図抽選状態、普図抽選状態、及び特図変動パターン導出状態の更新が発生した場合に、更新後の各状態を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成し、当該コマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶させる。
【0090】
メイン情報記憶手段180は、上述の通り、各手段によって読み出されたデータや、各手段による演算等によって導出されたデータ等を一時的に記憶の結果導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。
【0091】
メインエラー制御手段185は、I/Oポート104の入力情報を監視し、遊技機10がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態であると判定された場合には、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(エラーコマンド)をメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に格納する。
なお、メインエラー制御手段185は、例えば、磁気センサ(図示省略)の検知によるエラー状態等、重要度の高いエラー状態となった場合には、払出制御基板400に遊技球の発射を規制させる等、エラーコマンドをメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に格納する以外の処理を実行するようにしてもよい。
【0092】
メインコマンド管理手段190は、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に演出制御コマンドが記憶されている場合に、当該演出制御コマンドを第1副制御基板200に向けて送信する。
なお、各演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
加えて、メインコマンド管理手段190は、メイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に払出制御コマンドが記憶されている場合に、当該払出制御コマンドを払出制御基板400に向けて送信する。
【0093】
外部信号制御手段195は、所定の外部信号の出力又は出力停止を指示する情報を含む払出制御コマンド(外部出力コマンド)をメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に格納する。
本実施形態では、外部信号制御手段195は、大当り遊技開始から普図高確が設定されている間は少なくとも、外部端子板410に接続されているデータランプを点灯させるための外部信号が出力されるよう、外部出力コマンドを格納する。加えて、外部信号制御手段195は、普図高確から普図低確へ遷移後の上述の特図変動パターン導出状態D又はEの間も、当該外部信号が出力されるよう、外部出力コマンドを格納し、特図変動パターン導出状態D又はEから特図変動パターン導出状態Aへ遷移する際に、当該外部信号の出力が停止されるよう、外部出力コマンドを格納する。
外部信号制御手段195は、外部信号の出力又は停止を決定する上で、上述のように特図変動パターン導出状態を参照してもよいし、普図高確から普図低確への遷移直後からの図柄変動の回数を自身でカウントしてもよいし、その回数を他の手段から取得してもよい。
【0094】
これにより、本実施形態では、大当り遊技開始から普図高確が設定されている間に加えて、普図高確から普図低確へ遷移した直後の規定回数(4回又は1回)の図柄変動の間、データランプが点灯することになる。更に言えば、特図高確且つ普図高確から特図低確且つ普図低確へ遷移した場合のほうが、特図低確且つ普図高確から特図低確且つ普図低確へ遷移した場合よりも多い回数の図柄変動の間、データランプの点灯が継続される。
これにより、普図高確から普図低確へ遷移した直後の当該規定回数の図柄変動中に、大当りに当選した場合には、大当りの連続感を高めることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。更に、特図高確且つ普図高確から遷移した場合には、特図低確且つ普図高確から遷移した場合よりもデータランプの点灯の継続時間が長くなるため、期待感を向上させ、興趣の向上に繋がる。
【0095】
第1副制御基板200は、
図7に示すように、サブ乱数発生手段210、通常演出制御手段220、サブエラー制御手段230、ランプ制御手段240、可動役物制御手段250、サブ情報記憶手段260、及びサブコマンド管理手段270を備えており、これらの手段は、
図6を用いて説明した第1副制御基板200上の各制御構成によって実現されるものを機能的に表したものである。
なお、サブ情報記憶手段260は、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。また、メインコマンド管理手段190から送信された演出制御コマンドは、サブコマンド管理手段270によってサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶される。
【0096】
サブ乱数発生手段210は、CPU201によってプログラム処理で更新される乱数(ソフトウェア乱数)を生成可能であり、通常演出制御手段220による各抽選(詳細は後述)が実行されるタイミングで乱数を取得する。
【0097】
通常演出制御手段220は、演出モード制御手段221、演出ルート決定手段222、サブ保留制御手段223、先読み演出制御手段224、演出内容決定手段225、装飾図柄制御手段226、及び大当り演出制御手段227を備える。
【0098】
演出モード制御手段221は、遊技状態指定コマンドが送信された場合に、主制御基板100側で管理された特図変動パターン導出状態との整合性をとるかたちで、演出モードの遷移を制御する。
本実施形態における演出モード制御手段221は、少なくとも、通常モード、確変モード、チャンスモード、確変後特殊モード、及びチャンス後特殊モードを管理する。
通常モードが特図変動パターン導出状態Aに対応付けられ、確変モードが特図変動パターン導出状態Bに対応付けられ、チャンスモードが特図変動パターン導出状態Cに対応付けられ、確変後特殊モードが特図変動パターン導出状態Dに対応付けられ、チャンス後特殊モードが特図変動パターン導出状態Eに対応付けられる。
また、演出モード制御手段221は、事前判定コマンドが送信された場合に、その事前判定コマンドに含まれる事前判定の結果(例えば、今回保留された図柄変動に対応する特図変動パターン導出状態)に基づいて、遊技状態指定コマンドが送信された場合と同様の手法で、今回保留された図柄変動に対応する演出モードを決定することもできる。
【0099】
演出ルート決定手段222は、事前判定コマンドが送信された場合に、当該コマンドに含まれる事前判定の結果に基づいて、今回保留された図柄変動に対応する演出モードに対応する複数種類の演出ルートから今回保留された図柄変動に対応する一の演出ルートを決定(設定)する。但し、演出ルート決定手段222は、変動開始コマンドで指定される特図変動パターン、現在設定されている演出モードなどに基づいて演出ルートを決定することもできる。
演出ルートとは、上述したとおり、図柄変動の開始から終了までの演出であって、当該図柄変動における特図当否判定の結果を報知するための演出の流れを特定可能とするものであり、当該図柄変動で実行される演出の内容は、当該図柄変動に対応する演出ルートに従って決定されることとなる。また、演出モードに対応する演出ルートの組合せは、演出モードごとに異なる。
演出ルートの決定手法の詳細については後述する。
【0100】
サブ保留制御手段223は、保留コマンドの受信があった場合に、当該コマンドに含まれる特
図1保留カウンタと特
図2保留カウンタの情報に基づいて、メイン表示部81の保留表示領域(図示省略)に、特
図1保留カウンタに対応する数の保留画像と、特
図2保留カウンタに対応する数の保留画像とを表示させるための演出データを設定する。
なお、保留画像は、大当り遊技の期待度等の有利度を示唆する種々の態様に変化する保留先読み演出の対象となる画像であり、本実施形態では、確変モード又はチャンスモード中の特
図2に対応する保留画像を用いて保留先読み演出を実行している。
ここで、本実施形態における保留先読み演出は、メイン表示部81の保留表示領域に、保留されている特
図2の図柄変動に対応する保留画像を表示させ、各保留画像に関して決定される保留変化パターンに従って各保留画像の態様を保留1表示領域、保留2表示領域、保留3表示領域及び保留4表示領域で段階的に変化させる演出である。そして、保留画像を最初に変化させる演出データを設定する保留先読み演出開始処理は、後述する先読み演出制御手段224によって実行され、保留画像の態様を段階的に変化させる保留先読み演出変化処理は、後述する演出内容決定手段225によって実行される。
【0101】
先読み演出制御手段224は、事前判定コマンドが送信された場合に、当該コマンドに含まれる事前判定の結果に基づいて先読み演出の内容を決定する。
先読み演出とは、先読み対象の図柄変動が開始される前の一又は複数回の図柄変動に亘って、先読み対象の図柄変動における特図当否判定の結果に対する期待度や、先読み対象の図柄変動において実行される演出の内容を示唆する演出である。
本実施形態では、この先読み演出として、特
図2に対応する保留画像を変化させる保留先読み演出を例示する。但し、先読み演出制御手段224により制御される先読み演出が保留先読み演出に限定されるわけではない。
なお、先読み演出制御手段224により実行される保留先読み演出開始処理の詳細については後述する。
【0102】
演出内容決定手段225は、変動開始コマンドが送信された場合に、演出ルート決定手段222によって既に決定された演出ルートに従って今回の図柄変動において実行する演出の内容を決定する。
より具体的には、演出ルート決定手段222は、決定された演出ルートの各段階において、実行する演出の内容(演出パターン)を、当該演出ルートに対応する演出パターン抽選テーブルを用いた抽選等によって決定する。このようにすることで、決定された演出ルートに係る(に従って実行される)演出の内容を変えることができるとともに、一つの図柄変動における演出に繋がりを持たせることができる。また、同一の演出ルートが決定された場合であっても、実行される演出を多彩にすることもできる。
また、本実施形態とは異なるが、演出ルートに対して実行する演出の内容が一義的に対応づけられていてもよく、このような場合であっても、演出ルートは、図柄変動の開始から終了までの演出であって、当該図柄変動における特図当否判定の結果を報知する演出の過程を規定するものと言える。
演出内容決定手段225は、保留先読み演出変化処理を実行し、この保留先読み演出変化処理の詳細については後述する。
【0103】
装飾図柄制御手段226は、変動開始コマンドが送信された場合に、演出内容決定手段225によって決定された演出内容等に基づいて、装飾図柄の最終的な停止図柄の組み合わせ(左図柄・中図柄・右図柄)を決定する。なお、以下の説明では、特に断りがない限り、装飾図柄の最終的な停止を、単に、装飾図柄の停止と表現する場合がある。
本実施形態における装飾図柄には、数字の「1」を模した「1図柄」、数字の「2」を模した「2図柄」、数字の「3」を模した「3図柄」、数字の「4」を模した「4図柄」、数字の「5」を模した「5図柄」、数字の「6」を模した「6図柄」、及び数字の「7」を模した「7図柄」があり、以降の説明では、「1図柄」、「3図柄」、「5図柄」、「7図柄」を総称して「奇数図柄」と称し、「2図柄」、「4図柄」、「6図柄」を総称して「偶数図柄」と称する場合がある。
【0104】
装飾図柄制御手段226は、停止させる装飾図柄の組合せを特図の停止図柄に対応させて決定することができる。具体的には、図柄Aと図柄aには7図柄揃いを対応させ、図柄Bには偶数図柄揃い(例えば、「2図柄」−「2図柄」−「2図柄」)及び7図柄揃いを除く奇数図柄揃い(例えば、「1図柄」−「1図柄」−「1図柄」)を対応させることができる。
なお、停止させる装飾図柄の組合せを特図の停止図柄に対応させるにあたっては、必ずしも上述の対応関係とする必要はなく、例えば、図柄Aに偶数図柄揃いを対応させるなど、上述の対応関係に対して停止させる装飾図柄の組合せの期待度が高くならない組合せであれば、一部の場合(上述の対応関係となる割合よりも低い割合)で上述の対応関係とは異なる装飾図柄の組合せを採用してもよく、このような場合であっても、停止させる装飾図柄の組合せが特図の停止図柄と対応していると言える。
【0105】
大当り演出制御手段227は、大当り開始コマンドが送信された場合に、当該コマンドに含まれる情報等に基づいて、大当り演出の内容を決定する。
大当り演出には、大当り開始演出(以降、開始デモ演出と称する場合もある)、大当り終了演出(以降、終了デモ演出と称する場合もある)、大当り中演出が存在する。
ここで、大当り開始演出は、大当り遊技の開始を報知する演出であり、実行中の図柄変動(いわゆる当該変動)が大当りであることを確定的に報知したタイミング(例えば、装飾図柄揃いを表示したタイミング)からアタッカーが最初に開放されるまでに開始される演出である。
大当り終了演出は、大当り遊技の終了を報知する演出であり、大当り遊技の最終ラウンドにおいてアタッカーが閉鎖されてから次の図柄変動が開始可能な状態となるまでに開始される演出である。
大当り中演出は、大当り開始演出と大当り終了演出との間に大当り遊技中であることを報知する演出であり、大当り遊技で最初にアタッカーが開放されてから最終ラウンドにおいてアタッカーが閉鎖されるまでの間に少なくとも一部が実行される演出である。大当り中演出には、ラウンドの進行に伴い進行する演出や、ラウンド進行とは無関係に複数ラウンドに亘って流される一連の演出などが含まれる。
【0106】
本実施形態では、大当り演出制御手段227は、大当り開始コマンドが送信された場合に、そのときの演出モード及び特図停止図柄に従って、大当り開始演出、大当り中演出及び大当り終了演出の各内容を決定する。
具体的には、確変後特殊モードにおいて特図停止図柄が確変図柄(図柄a又は図柄A)である場合、大当り演出制御手段227は、確変モードにおいて特図停止図柄が確変図柄である場合と同一の態様の大当り開始演出を決定する。また、チャンス後特殊モードにおいて特図停止図柄が確変図柄である場合、大当り演出制御手段227は、チャンスモードにおいて特図停止図柄が確変図柄である場合と同一の態様の大当り開始演出を決定する。本実施形態では、確変モードにおいて特図停止図柄が確変図柄である場合とチャンスモードにおいて特図停止図柄が確変図柄である場合とで同一の態様の大当り開始演出が決定される。
一方で、通常モードにおいて特図停止図柄が確変図柄である場合には、確変モード及びチャンスモードにおいて特図停止図柄が確変図柄である場合とは異なる態様の大当り開始演出を決定する。
【0107】
ここで、大当り開始演出の態様は、遊技者が大当り遊技の開始を把握可能となる表示態様を少なくとも含む。
そのため、「大当り開始演出の態様が同一である」或いは「大当り開始演出の第二の態様が第一の態様と同一の態様である」とは、表示態様が完全に一致することのみならず、遊技者にとって共通の演出であると把握され得る程度に近似していることも包含する意味で用いられる。例えば、大当り開始演出に含まれる大当りのタイトル文字が同一であれば、或いは所定の大当りに当選した場合に毎回の大当り開始演出で共通して出力される表示内容が同一であれば、色彩やキャラクタ等が異なっていたとしても、当該同一の態様となる。
逆に、「大当り開始演出の態様が異なる」或いは「大当り開始演出の第三の態様が第一の態様及び第二の態様のいずれにも異なる態様である」とは、表示態様が完全に不一致することのみならず、一部に共通の表示内容が含まれたとしても遊技者にとって表示態様が相違すると把握され得る程度に相違していることも包含する意味で用いられる。例えば、大当り開始演出に含まれる大当りのタイトル文字が相違していれば、或いは所定の大当りに当選した場合に毎回の大当り開始演出で共通して出力される表示内容が相違していれば、色彩やキャラクタ等が共通していたとしても、当該異なる態様となる。
【0108】
大当り中演出及び大当り終了演出についても、大当り開始演出と同一趣旨で決定される。即ち、確変後特殊モードにおいて特図停止図柄が確変図柄である場合、確変モードにおいて特図停止図柄が確変図柄である場合と同一の態様の大当り中演出が決定され、チャンス後特殊モードにおいて特図停止図柄が確変図柄である場合、チャンスモードにおいて特図停止図柄が確変図柄である場合と同一の態様の大当り中演出が決定される。一方で、通常モードにおいて特図停止図柄が確変図柄である場合には、確変モード及びチャンスモードにおいて特図停止図柄が確変図柄である場合とは異なる態様の大当り中演出が決定される。
ここで、「大当り中演出の態様が同一である」或いは「大当り中演出の第二の態様が第一の態様と同一の態様である」、及び「大当り中演出の態様が異なる」或いは「大当り中演出の第三の態様が第一の態様及び第二の態様のいずれとも異なる」の意味については概要の項で述べたとおりである。
【0109】
また、確変後特殊モードにおいて特図停止図柄が確変図柄である場合、確変モードにおいて特図停止図柄が確変図柄である場合と同一の態様の大当り終了演出が決定され、チャンス後特殊モードにおいて特図停止図柄が確変図柄である場合、チャンスモードにおいて特図停止図柄が確変図柄である場合と同一の態様の大当り終了演出が決定される。一方で、通常モードにおいて特図停止図柄が確変図柄である場合には、確変モード及びチャンスモードにおいて特図停止図柄が確変図柄である場合とは異なる態様の大当り終了演出が決定される。
ここで、「大当り終了演出の態様が同一である」或いは「大当り終了演出の第二の態様が第一の態様と同一の態様である」とは、大当り終了演出の表示態様が完全に一致することのみならず、遊技者にとって共通の演出であると把握され得る程度に近似していることも包含する意味で用いられる。例えば、大当り終了に相当する文字(例えば、後述の「チャンスタイム突入」や「確変突入」、「確変継続」など)が同一であれば、或いは所定の大当りに当選した場合に毎回の大当り終了演出で共通して出力される表示内容が同一であれば、色彩やキャラクタ等が異なっていたとしても、当該同一の態様となる。
逆に、「大当り終了演出の態様が異なる」或いは「大当り終了演出の第三の態様が第一の態様及び第二の態様のいずれにも異なる態様である」とは、大当り終了演出の表示態様が完全に不一致することのみならず、一部に共通の表示内容が含まれたとしても遊技者にとって表示態様が相違すると把握され得る程度に相違していることも包含する意味で用いられる。例えば、大当り終了に相当文字が相違していれば、或いは所定の大当りに当選した場合に毎回の大当り終了演出で共通して出力される表示内容が相違していれば、色彩やキャラクタ等が共通していたとしても、当該異なる態様となる。
【0110】
特図停止図柄が通常図柄(図柄B)である場合にも上述と同様の趣旨で大当り開始演出、大当り中演出及び大当り終了演出が決定されてもよいが、本実施形態では、上述の確変図柄の場合とは異なる手法で決定される。即ち、確変後特殊モード又はチャンス後特殊モードにおいて特図停止図柄が通常図柄である場合、通常モードにおいて特図停止図柄が通常図柄又は確変図柄である場合と同一の態様の大当り開始演出、大当り中演出及び大当り終了演出が決定される。
【0111】
このように、本実施形態では、特図高確且つ普図高確(確変モード)から特図低確且つ普図低確へ遷移した直後の規定回数(4回)の図柄変動の間、即ち確変後特殊モードにおいて確変大当りに当選した場合には、確変モードにおいて確変大当りに当選した場合と同一の態様の大当り演出(大当り開始演出、大当り中演出及び大当り終了演出)が実行される。また、特図低確且つ普図高確(チャンスモード)から特図低確且つ普図低確へ遷移した直後の規定回数(1回)の図柄変動の間、即ちチャンス後特殊モードにおいて確変大当りに当選した場合には、チャンスモードにおいて確変大当りに当選した場合と同一の態様の大当り演出(大当り開始演出、大当り中演出及び大当り終了演出)が実行される。更に言えば、確変モードから遷移する確変後特殊モードのほうが、チャンスモードから遷移するチャンス後特殊モードよりも実行される図柄変動の数が多い。
これにより、普図高確から普図低確へ遷移した直後の当該規定回数(4回又は1回)の図柄変動中に、確変大当りに当選した場合には、大当りの連続感を高めることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。更に、特図高確且つ普図高確から遷移した場合には、特図低確且つ普図高確から遷移した場合よりも、普図高確時と同一態様の大当り演出が実行される可能性が高くなるため、確変モードの継続感をより高め易くなっている。
【0112】
通常演出制御手段220は、第1副制御基板200が備える上述の手段によって決定された演出内容に従って、各演出の実行タイミングで当該演出に対応する各デバイスの演出データを読み出す。なお、読み出した演出データに画像及び音響に係る演出データがある場合には、当該演出データに基づいて画像及び音響に関する画像制御コマンドを生成し、当該コマンドをサブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に格納する。
【0113】
サブエラー制御手段230は、エラーコマンドが送信された場合に、エラー演出パターンを決定し、当該エラー演出パターンに従ってエラー演出を実行するための演出データを読み出す。
なお、サブエラー制御手段230は、独自に(メインエラー制御手段185と独立して)遊技機10がエラー状態であるか否かを判定し、エラー状態であると判定した場合にエラー演出を実行する演出データを読み出すようにしてもよく、当該エラー状態としては、例えば、普図低確時におけるゲート63の入賞回数に基づいて判定される右打ちエラー状態がある。
【0114】
ランプ制御手段240は、演出ランプ35の点灯を制御するためのランプ制御データを保持しており、通常演出制御手段220によって読み出された演出データに演出ランプ35に対応する演出データがある場合には、当該演出データに基づいてランプ制御データを読み出し、読み出したランプ制御データを演出ランプ35へ送信する。
【0115】
可動役物制御手段250は、可動装飾体22及びサブ表示部82の可動を制御するための可動制御データを保持しており、通常演出制御手段220によって読み出された演出データに可動役物に対応する演出データがある場合には、当該演出データに基づいて可動制御データを読み出し、読み出した可動制御データを可動装飾体22及びサブ表示部82へ送信する。
【0116】
サブ情報記憶手段260は、上述の通り、第1副制御基板200が備える手段によって読み出されたデータや、当該手段における演算によって導出されたデータ等を各々に対応する格納領域に一時的に記憶する手段である。
【0117】
サブコマンド管理手段270は、主制御基板100から送信された演出制御コマンドを受信し、受信した演出コマンドをサブ情報記憶手段260の受信コマンド格納領域に記憶させ、サブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に画像制御コマンドが記憶されている場合には、当該画像制御コマンドを第2副制御基板300に向けて送信する。なお、各画像制御コマンドは、原則として、サブ情報記憶手段260の送信コマンド格納領域に記憶された順番に従って送信される。
【0118】
<確変大当りに当選した場合の特図変動パターンの導出について>
次に、
図10を用いて、確変大当りに当選した場合に導出される可能性がある特図変動パターンの例を説明する。
特図変動パターン導出手段143は、特図当否判定手段141による今回の抽選結果が確変大当りを示す場合(特図停止図柄が図柄a又は図柄Aである場合)、
図10に示される特図変動パターン抽選テーブルを選択し、その選択された特図変動パターン抽選テーブルと特図変動パターン抽選用の乱数とを用いて一つの特図変動パターン(変動時間)を導出する。
【0119】
図10は、確変大当り用の特図変動パターン抽選テーブルを示す図である。
図10に示される特図変動パターン抽選テーブルには、特図変動パターン導出状態A、B、C、D及びEのそれぞれの特図変動パターン抽選テーブルが含まれている。
各特図変動パターン抽選テーブルでは、抽選値が存在する箇所に「●」を付しており、当該抽選値の記載を省略しているが、各特図変動パターン抽選テーブルを用いた抽選では更新範囲0〜255の乱数が使用されるため、「●」が付された箇所には、一の抽選で使用される可能性がある抽選値の合算が256を超えない範囲で、1〜255のいずれかの抽選値が対応づけられている。また、説明の便宜上、
図10で示す各特図変動パターンのそれぞれには、対応する変動時間も記載している。
【0120】
図10に示される、確変大当り用の特図変動パターン抽選テーブルでは、導出可能な特図変動パターンの一部として、特図変動パターンPTN1からPTN10までの10個の特図変動パターンが例示されている。
より具体的には、特図変動パターン導出状態Aでは、特図変動パターンPTN4、PTN6、PTN7、PTN8、PTN9及びPTN10が導出される可能性があり、特図変動パターン導出状態B又はDでは、特図変動パターンPTN1、PTN2、PTN3及びPTN4が導出される可能性があり、特図変動パターン導出状態C又はEでは、特図変動パターンPTN3、PTN4及びPTN5が導出される可能性がある。
このように、
図10の例では、特図変動パターン導出状態B及びDにおいて決定され得る特図変動パターンの候補の組合せ(PTN1からPTN4)が同一であり、特図変動パターン導出状態C及びEにおいて決定され得る特図変動パターンの候補の組合せ(PTN3からPTN5)が同一となっている。一方で、特図変動パターン導出状態Aにおいて決定され得る特図変動パターンの候補の組合せは、他の特図変動パターン導出状態のそれとは異なっている。
【0121】
即ち、特図変動パターン導出状態Dにおいて確変大当りに当選した場合には、特図変動パターン導出手段143は、特図変動パターン導出状態Bにおいて確変大当りに当選する場合と同一の特図変動パターンの候補の組合せ(PTN1からPTN4)の中から一の特図変動パターンを導出する。また、特図変動パターン導出状態Eにおいて確変大当りに当選した場合には、特図変動パターン導出手段143は、特図変動パターン導出状態Cにおいて確変大当りに当選する場合と同一の特図変動パターンの候補の組合せ(PTN3からPTN5)の中から一の特図変動パターンを導出する。
一方で、特図変動パターン導出状態Aにおいて確変大当りに当選した場合には、特図変動パターン導出手段143は、特図変動パターン導出状態B又はCにおいて確変大当りに当選する場合とは相互に異なる特図変動パターンの候補の組合せ(PTN4、PTN6からPTN10)の中から一の特図変動パターンを導出する。
なお、本実施形態では、特図変動パターン導出状態Bにおいて確変大当りに当選した場合と、特図変動パターン導出状態Cにおいて確変大当りに当選した場合とで、決定され得る特図変動パターンの候補の組合せが相互に異なっているが、両者は同一としてもよい。
【0122】
このように、本実施形態では、特図高確且つ普図高確(特図変動パターン導出状態Bに対応)から特図低確且つ普図低確へ遷移した直後の規定回数(4回)の図柄変動の間、即ち特図変動パターン導出状態Dにおいて確変大当りに当選した場合と、特図変動パターン導出状態Bにおいて確変大当りに当選した場合とで、特図変動パターンの候補の組合せが同一とされる。また、特図低確且つ普図高確(特図変動パターン導出状態Cに対応)から特図低確且つ普図低確へ遷移した直後の規定回数(1回)の図柄変動の間、即ち特図変動パターン導出状態Eにおいて確変大当りに当選した場合と、特図変動パターン導出状態Cにおいて確変大当りに当選した場合とで、特図変動パターンの候補の組合せが同一とされる。更に言えば、特図変動パターン導出状態Bから遷移する特図変動パターン導出状態Dのほうが、特図変動パターン導出状態Cから遷移する特図変動パターン導出状態Eよりも実行される図柄変動の数が多い。
これにより、普図高確から普図低確へ遷移した直後の当該規定回数(4回又は1回)の図柄変動中に、確変大当りに当選した場合には、普図高確時に確変大当りに当選した場合と同一態様の演出となる可能性が高まるため、大当りの連続感を高めることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。更に、特図高確且つ普図高確から遷移した場合には、特図低確且つ普図高確から遷移した場合よりも、普図高確時と同一態様の演出が実行される可能性が高くなるため、特図高確且つ普図高確の状態の継続感をより高め易くなっている。
【0123】
上述のように決定された特図変動パターンは、事前判定コマンドや演出制御コマンド(変動開始コマンド)などにより主制御基板100から第1副制御基板200へ送られる。
なお、特図変動パターン導出手段143は、特図当否判定手段141による今回の抽選結果が通常大当り又ははずれを示す場合には、図示されていない通常大当り用の特図変動パターン抽選テーブル又ははずれ用の特図変動パターン抽出テーブルを選択し、その選択された特図変動パターン抽選テーブルと特図変動パターン抽選用の乱数とを用いて一つの特図変動パターン(変動時間)を導出する。
【0124】
<確変大当りに当選した場合の演出ルートの決定について>
第1副制御基板200では、特図変動パターン導出状態と整合性をとるかたちで演出モード制御手段221により演出モードが制御されており、演出ルート決定手段222により、事前判定コマンドで指定される特図変動パターンに基づいて、演出モードに対応する複数種類の演出ルートから今回保留された図柄変動に対応する一の演出ルートが決定される。
【0125】
図11は、確変大当りに当選した場合に決定される可能性がある演出ルートの一部を例示するテーブルである。
図11には、今回保留された図柄変動に対応する演出モードとして、通常モード、確変モード、チャンスモード、確変後特殊モード及びチャンス後特殊モードが示されている。
また、
図11のテーブルでは、決定される可能性がある箇所に「■」を付している。
また、本実施形態では、導出された特図変動パターンに応じて演出ルートが決定されるため、各演出ルートに対して対応する特図変動パターンを記載している。但し、
図11では、説明の便宜のために、特図変動パターンと演出ルートとが1対1で対応付けられているが、特図変動パターンと演出ルートとは1対多若しくは多対1で対応付けられてもよい。
【0126】
図11には、通常モードにおいて選択され得る演出ルートの一部として、演出ルートRTE4、RTE6、RTE7、RTE8、RTE9及びRTE10が例示されており、確変モード又は確変後特殊モードにおいて選択され得る演出ルートの一部として、演出ルートRTE1、RTE2、RTE3及びRTE4が例示されており、チャンスモード又はチャンス後特殊モードにおいて選択され得る演出ルートの一部として、演出ルートRTE3、RTE4及びRTE5が例示されている。
このように、
図11の例では、確変モード及び確変後特殊モードにおいて選択され得る演出ルートの候補の組合せ(RTE1からRTE4)が同一であり、チャンスモード及びチャンス後特殊モードにおいて選択され得る演出ルートの候補の組合せ(RTE3からRTE5)が同一となっている。一方で、通常モードにおいて選択され得る演出ルートの候補の組合せ(RTN4、RTE6からRTE10)は、他の演出モードにおいて選択され得る演出ルートの候補の組合せとは異なっている。
【0127】
即ち、確変後特殊モードにおいて確変大当りに当選した場合には、演出ルート決定手段222は、確変モードにおいて確変大当りに当選する場合と同一の演出ルートの候補の組合せ(RTE1からRTE4)の中から一の演出ルートを決定する。また、チャンス後特殊モードにおいて確変大当りに当選した場合には、演出ルート決定手段222は、チャンスモードにおいて確変大当りに当選する場合と同一の演出ルートの候補の組合せ(RTE3からRTE5)の中から一の演出ルートを決定する。
一方で、通常モードにおいて確変大当りに当選した場合には、演出ルート決定手段222は、確変モード又はチャンスモードにおいて確変大当りに当選する場合とは相互に異なる演出ルートの候補の組合せ(RTE4、RTE6からRTE10)の中から一の演出ルートを決定する。
なお、本実施形態では、確変モードにおいて確変大当りに当選した場合と、チャンスモードにおいて確変大当りに当選した場合とで、決定され得る演出ルートの候補の組合せが相互に異なっているが、両者は同一としてもよい。
【0128】
このように、本実施形態では、特図高確且つ普図高確(確変モードに対応)から特図低確且つ普図低確へ遷移した直後の規定回数(4回)の図柄変動の間、即ち確変後特殊モードにおいて確変大当りに当選した場合と、確変モードにおいて確変大当りに当選した場合とで、演出ルートの候補の組合せが同一とされる。また、特図低確且つ普図高確(チャンスモードに対応)から特図低確且つ普図低確へ遷移した直後の規定回数(1回)の図柄変動の間、即ちチャンス後特殊モードにおいて確変大当りに当選した場合と、チャンスモードにおいて確変大当りに当選した場合とで、演出ルートの候補の組合せが同一とされる。更に言えば、確変モードから遷移する確変後特殊モードのほうが、チャンスモードから遷移するチャンス後特殊モードよりも実行される図柄変動の数が多い。
これにより、普図高確から普図低確へ遷移した直後の当該規定回数(4回又は1回)の図柄変動中に、確変大当りに当選した場合には、普図高確時に確変大当りに当選した場合と同一態様の演出となる可能性が高まるため、大当りの連続感を高めることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。更に、特図高確且つ普図高確から遷移した場合には、特図低確且つ普図高確から遷移した場合よりも、普図高確時と同一態様の演出が実行される可能性が高くなるため、特図高確且つ普図高確の状態の継続感をより高め易くなっている。
【0129】
上述のように決定された演出ルートは、対応する今回保留された図柄変動と関連付けられて保持され、その図柄変動が実行される際に用いられて演出内容が決められる。
【0130】
<大当り演出について>
ここで、大当り演出制御手段227により決定される大当り演出の内容について、
図12、
図13及び
図14の具体例を用いて詳細に説明する。
図12は、通常モードにおいて通常大当り又は確変大当りに当選した場合に実行される大当り遊技の内容を模式的に示す図であり、
図13は、確変モード又はチャンスタイムにおいて確変大当りに当選した場合に実行される大当り遊技の内容を模式的に示す図であり、
図14は、確変後特殊モード又はチャンス後特殊モードにおいて通常大当り又は確変大当りに当選した場合に実行される大当り遊技の内容を模式的に示す図である。
なお、各図に示される演出表示は、メイン表示部81に表示されるものとする。
【0131】
まず、通常モードにおいて確変大当りに当選した場合(特図停止図柄が図柄Aの場合)について
図12(a)を用いて説明する。
図12(a)は、通常モードにおいて確変大当りに当選した場合に実行される大当り遊技の内容を示している。
この場合、文字表示「チャレンジBONUS」を含む演出表示GS1は、大当りのタイトル表示であり、開始デモ演出として表示される。
その後、大当り遊技における1ラウンド開始後から8ラウンド終了までの間に演出表示GM11が表示される。演出表示GM11は、文字表示「Vチャレンジ」を含み、遊技者に演出ボタン37を連打することを促すボタン画像と、演出ボタン37の連打数に応じて増加するメータ画像とを含んでいる。この演出表示GM11が表示されている間、演出ボタン37に対する操作が有効とされる。
【0132】
その後、9ラウンド目に、文字表示「Vチャレンジ 成功」を含む演出表示GM12が表示され、10ラウンド目に、文字表示「Vを狙え!!」を含む演出表示GM13が表示される。このとき、V開放されるよう、即ち振分部材ソレノイド42を作動させることで振分部材68を回動させて特定領域(通過経路58b)の通過が容易となるように制御される。
このように、
図12(a)の例では、大当り中演出には、演出表示GM11、GM12及びGM13が含まれている。
【0133】
10ラウンド目が終わり、今回の大当り遊技が終了すると、V開放時にV入賞(特定領域センサ73により遊技球の特定領域の通過)が検知されていることを条件に特図高確且つ普図高確とされると共に、演出表示GE1が表示される。
演出表示GE1は、文字表示「確変突入」を含み、終了デモ演出として表示される。
【0134】
次に、通常モードにおいて通常大当りに当選した場合(特図停止図柄が図柄Bの場合)について
図12(b)を用いて説明する。
図12(b)は、通常モードにおいて通常大当りに当選した場合に実行される大当り遊技の内容を示している。
この場合、文字表示「チャレンジBONUS」を含む演出表示GS2が開始デモ演出として表示される。
開始デモ演出である演出表示GS2は、大当りのタイトル表示であり、
図12に示されるとおり、通常モードにおいて確変大当りに当選した場合の開始デモ演出である演出表示GS1と同一表示とされている。
【0135】
その後、大当り遊技における1ラウンド開始後から8ラウンド終了までの間に演出表示GM21が表示される。演出表示GM21は、
図12に示されるとおり、通常モードにおいて確変大当りに当選した場合の演出表示GM11と同一である。この場合も同様に、この演出表示GM21が表示されている間、演出ボタン37に対する操作が有効とされる。
その後、9ラウンド目に、文字表示「Vチャレンジ 失敗」を含む演出表示GM22が表示され、9ラウンド目が終わると、演出表示GE2が表示される。
このように、
図12(b)の例では、大当り中演出には、演出表示GM21及びGM22が含まれている。
演出表示GE2は、文字表示「チャンスタイム突入」を含む終了デモ演出である。
【0136】
次に、確変モードにおいて確変大当りに当選した場合(特図停止図柄が図柄aの場合)について
図13(a)を用いて説明する。
図13(a)は、確変モードにおいて確変大当りに当選した場合に実行される大当り遊技の内容を示している。
この場合、文字表示「スーパーBONUS」を含む演出表示GS3が開始デモ演出として表示される。開始デモ演出である演出表示GS3は、大当りのタイトル表示であり、
図12に示される、通常モードにおいて確変大当りに当選した場合の開始デモ演出である演出表示GS1と異なる態様とされている。
【0137】
その後、ラウンド遊技が進み、10ラウンド目において文字表示「Vを狙え!!」を含む演出表示GM31が表示される。このとき、V開放されるよう制御される。
このように、
図13(a)の例では、大当り中演出には、演出表示GM31が含まれている一方で、
図12(a)に示される、通常モードにおいて確変大当りに当選した場合の大当り中演出に含まれる演出表示GM11及びGM12と同一態様の演出表示は含まれていない。
【0138】
10ラウンド目が終わり、今回の大当り遊技が終了すると、V開放時にV入賞が検知されていることを条件に特図高確且つ普図高確とされると共に、演出表示GE3が表示される。
演出表示GE3は、文字表示「確変継続」を含む終了デモ演出である。
終了デモ演出である演出表示GE3は、
図12に示される、通常モードにおいて確変大当りに当選した場合の終了デモ演出である演出表示GE1と異なる態様とされている。
【0139】
次に、チャンスモードにおいて確変大当りに当選した場合(特図停止図柄が図柄aの場合)について
図13(b)を用いて説明する。
図13(b)は、チャンスモードにおいて確変大当りに当選した場合に実行される大当り遊技の内容を示している。
この場合、文字表示「スーパーBONUS」を含む演出表示GS4が開始デモ演出として表示される。開始デモ演出である演出表示GS4は、大当りのタイトル表示であり、
図12に示される、通常モードにおいて確変大当りに当選した場合の開始デモ演出である演出表示GS1と異なる態様とされている一方で、
図13(a)で示される、確変モードにおいて確変大当りに当選した場合の開始デモ演出である演出表示GS3と同一とされている。
【0140】
その後、ラウンド遊技が進み、10ラウンド目において文字表示「Vを狙え!!」を含む演出表示GM41が表示される。このとき、V開放されるよう制御される。
このように、
図13(a)の例では、大当り中演出には、確変モードにおいて確変大当りに当選した場合の演出表示GM31と同一態様の演出表示GM41が含まれている一方で、
図12(a)に示される、通常モードにおいて確変大当りに当選した場合の大当り中演出に含まれる演出表示GM11及びGM12と同一態様の演出表示は含まれていない。
【0141】
10ラウンド目が終わり、今回の大当り遊技が終了すると、V開放時にV入賞が検知されていることを条件に特図高確且つ普図高確とされると共に、演出表示GE4が表示される。
演出表示GE4は、文字表示「確変スライド」を含む終了デモ演出である。
終了デモ演出である演出表示GE4は、
図13(a)に示される、確変モードにおいて確変大当りに当選した場合の終了デモ演出である演出表示GE3とも、
図12(a)に示される、通常モードにおいて確変大当りに当選した場合の終了デモ演出である演出表示GE1とも異なる態様とされている。
【0142】
次に、確変後特殊モードにおいて確変大当りに当選した場合(特図停止図柄が図柄Aの場合)について
図14(a)を用いて説明する。
図14(a)は、確変後特殊モードにおいて確変大当りに当選した場合に実行される大当り遊技の内容を示している。
この場合、文字表示「スーパーBONUS」を含む演出表示GS5が開始デモ演出として表示される。開始デモ演出である演出表示GS5は、大当りのタイトル表示であり、
図12(a)に示される、通常モードにおいて確変大当りに当選した場合の開始デモ演出である演出表示GS1とは異なる態様とされており、
図13(a)に示される、確変モードにおいて確変大当りに当選した場合の開始デモ演出である演出表示GS3とは同一態様とされている。
【0143】
その後、ラウンド遊技が進み、10ラウンド目において文字表示「Vを狙え!!」を含む演出表示GM51が表示される。このとき、V開放されるよう制御される。
このように、
図14(a)の例では、大当り中演出には、
図13(a)に示される、確変モードにおいて確変大当りに当選した場合の大当り中演出に含まれる演出表示GM31と同一の演出表示GM51が含まれている一方で、
図12(a)に示される、通常モードにおいて確変大当りに当選した場合の大当り中演出に含まれる演出表示GM11及びGM12と同一態様の演出表示は含まれていない。
【0144】
10ラウンド目が終わり、今回の大当り遊技が終了すると、V開放時にV入賞が検知されていることを条件に特図高確且つ普図高確とされると共に、演出表示GE5が表示される。
演出表示GE5は、文字表示「確変継続」を含む終了デモ演出である。
終了デモ演出である演出表示GE5は、
図12(a)に示される、通常モードにおいて確変大当りに当選した場合の終了デモ演出である演出表示GE1とは異なる態様とされている一方で、
図13(a)に示される、確変モードにおいて確変大当りに当選した場合の終了デモ演出である演出表示GE3と同一態様とされている。
【0145】
次に、チャンス後特殊モードにおいて確変大当りに当選した場合(特図停止図柄が図柄Aの場合)について
図14(b)を用いて説明する。
図14(b)は、チャンス後特殊モードにおいて確変大当りに当選した場合に実行される大当り遊技の内容を示している。
この場合、文字表示「スーパーBONUS」を含む演出表示GS6が開始デモ演出として表示される。開始デモ演出である演出表示GS6は、大当りのタイトル表示であり、
図12(a)に示される、通常モードにおいて確変大当りに当選した場合の開始デモ演出である演出表示GS1とは異なる態様とされており、
図13(b)に示される、チャンスモードにおいて確変大当りに当選した場合の開始デモ演出である演出表示GS4とは同一態様とされている。
【0146】
その後、ラウンド遊技が進み、10ラウンド目において文字表示「Vを狙え!!」を含む演出表示GM61が表示される。このとき、V開放されるよう制御される。
このように、
図14(b)の例では、大当り中演出には、
図13(b)に示される、チャンスモードにおいて確変大当りに当選した場合の大当り中演出に含まれる演出表示GM41と同一の演出表示GM61が含まれている一方で、
図12(a)に示される、通常モードにおいて確変大当りに当選した場合の大当り中演出に含まれる演出表示GM11及びGM12と同一態様の演出表示は含まれていない。
【0147】
10ラウンド目が終わり、今回の大当り遊技が終了すると、V開放時にV入賞が検知されていることを条件に特図高確且つ普図高確とされると共に、演出表示GE6が表示される。
演出表示GE6は、文字表示「確変スライド」を含む終了デモ演出である。
終了デモ演出である演出表示GE6は、
図12(a)に示される、通常モードにおいて確変大当りに当選した場合の終了デモ演出である演出表示GE1とは異なる態様とされている一方で、
図13(b)に示される、チャンスモードにおいて確変大当りに当選した場合の終了デモ演出である演出表示GE4と同一態様とされている。
【0148】
最後に、確変後特殊モード又はチャンス後特殊モードにおいて通常大当りに当選した場合(特図停止図柄が図柄Bの場合)について
図14(c)を用いて説明する。
図14(c)は、確変後特殊モード又はチャンス後特殊モードにおいて通常大当りに当選した場合に実行される大当り遊技の内容を示している。
この場合、文字表示「チャレンジBONUS」を含む演出表示GS7が開始デモ演出として表示される。開始デモ演出である演出表示GS7は、
図12に示されるとおり、通常モードにおいて確変大当り及び通常大当りに当選した場合の開始デモ演出である演出表示GS1及びGS2と同一表示とされている。
【0149】
その後、大当り遊技における1ラウンド開始後から8ラウンド終了までの間に演出表示GM71が表示される。演出表示GM71は、
図12に示されるとおり、通常モードにおいて確変大当り及び通常大当りに当選した場合の演出表示GM11及びGM21と同一である。この場合も同様に、この演出表示GM71が表示されている間、演出ボタン37に対する操作が有効とされる。
その後、9ラウンド目に、文字表示「Vチャレンジ 失敗」を含む演出表示GM72が表示され、9ラウンド目が終わると、演出表示GE7が表示される。
このように、
図14(c)の例では、大当り中演出には、演出表示GM71及びGM72が含まれている。
演出表示GE7は、文字表示「チャンスタイム突入」を含む終了デモ演出であり、
図12(b)に示される、通常モードにおいて通常大当りに当選した場合の終了デモ演出である演出表示GE2と同一態様とされている。
【0150】
以上より、開始デモ演出、即ち大当り開始演出について、以下に整理する。
まず、上述の各々の場合の開始デモ演出はそれぞれ、大当りのタイトル表示である演出表示GS1、GS2、GS3、GS4、GS5、GS6又はGS7を含んでいる。
そして、確変モードにおいて確変大当りに当選した場合の演出表示GS3は、確変後特殊モードにおいて確変大当りに当選した場合の演出表示GS5と同一態様とされている一方で、通常モードにおいて確変大当りに当選した場合の演出表示GS1とは異なる態様とされている。
また、チャンスモードにおいて確変大当りに当選した場合の演出表示GS4は、チャンス後特殊モードにおいて確変大当りに当選した場合の演出表示GS6と同一態様とされている一方で、通常モードにおいて確変大当りに当選した場合の演出表示GS1とは異なる態様とされている。
本実施形態では、確変モードにおいて確変大当りに当選した場合の演出表示GS3と、チャンスモードにおいて確変大当りに当選した場合の演出表示GS4と、確変後特殊モードにおいて確変大当りに当選した場合の演出表示GS5と、チャンス後特殊モードにおいて確変大当りに当選した場合の演出表示GS6とは同一の態様とされているが、確変モード及び確変後特殊モードにおいて確変大当りに当選した場合の演出表示GS3及びGS5と、チャンスモード及びチャンス後特殊モードにおいて確変大当りに当選した場合の演出表示GS4及びGS6とは相互に異なる態様とされてもよい。
【0151】
このため、大当り開始演出に関して、遊技機10は次のような特徴を持つといえる。即ち、大当りには所定の大当り(確変大当り)が少なくとも含まれ、大当り開始演出は、第一の態様(演出表示GS3及びGS5)、第二の態様(演出表示GS4及びGS6)、および第三の態様(演出表示GS1)となることが可能な演出であり、第二の態様は、第一の態様と同一または異なる態様であり、第三の態様は、第一の態様及び第二の態様のいずれとも異なる態様であり、高確率状態かつ入賞容易状態である第一の状態(確変モードに対応する特図高確且つ普図高確)の図柄変動において所定の大当り(確変大当り)に当選した場合には、所定の大当り(確変大当り)に対応する大当り開始演出が第一の態様(演出表示GS3)となり、低確率状態かつ入賞容易状態である第二の状態(チャンスモードに対応する特図低確且つ普図高確)の図柄変動において所定の大当り(確変大当り)に当選した場合には、所定の大当り(確変大当り)に対応する大当り開始演出が第二の態様(演出表示GS4)となり、第一の状態の次の状態が、低確率状態かつ入賞困難状態である第三の状態(特図低確且つ普図低確)となる場合があり、かつ第二の状態の次の状態が、第三の状態となる場合があり、第三の状態の図柄変動であって第三の状態の最初の図柄変動を少なくとも含む所定の図柄変動(確変後特殊モード又はチャンス後特殊モードにおける図柄変動)において所定の大当り(確変大当り)に当選した場合には、所定の大当り(確変大当り)に対応する大当り開始演出が第三の状態の直前の状態(特図高確且つ普図高確又は特図低確且つ普図高確)において所定の大当り(確変大当り)に当選する場合と同一の態様となり得る一方、第三の状態の図柄変動であって所定の図柄変動(確変後特殊モード又はチャンス後特殊モードにおける図柄変動)よりも後の図柄変動(通常モードにおける図柄変動)において所定の大当り(確変大当り)に当選した場合には、所定の大当り(確変大当り)に対応する大当り開始演出が第三の態様(演出表示GS1)となり、当該所定の図柄変動は、第二の状態の次の状態が第三の状態となった場合(チャンス後特殊モードに対応)よりも第一の状態の次の状態が第三の状態となった場合(確変後特殊モード)の方が多い回数(4回と1回)となることを特徴とする。
これにより、普図高確から普図低確へ遷移した後の最初の図柄変動を含む所定の図柄変動において、所定の大当り(確変大当り)に当選した場合には、大当りの連続感を高めることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。更に、特図高確且つ普図高確から遷移した場合には、特図低確且つ普図高確から遷移した場合よりも、普図高確時と同一態様の大当り開始演出が実行される可能性が高くなるため、特図高確且つ普図高確の継続感をより高めることができる。
【0152】
次に、終了デモ演出、即ち大当り終了演出について、以下に整理する。
まず、上述の各々の場合の終了デモ演出は、大当り終了に相当する文字を含む演出表示GE1、GE2、GE3、GE4、GE5、GE6又はGE7を含んでいる。
態様としては、確変モードにおいて確変大当りに当選した場合の演出表示GE3は、確変後特殊モードにおいて確変大当りに当選した場合の演出表示GE5と同一態様とされている一方で、通常モードにおいて確変大当りに当選した場合の演出表示GE1とは異なる態様とされている。
また、チャンスモードにおいて確変大当りに当選した場合の演出表示GE4は、チャンス後特殊モードにおいて確変大当りに当選した場合の演出表示GE6と同一態様とされている一方で、通常モードにおいて確変大当りに当選した場合の演出表示GE1とは異なる態様とされている。
本実施形態では、確変モード及び確変後特殊モードにおいて確変大当りに当選した場合の演出表示GE3及びGE5と、チャンスモード及びチャンス後特殊モードにおいて確変大当りに当選した場合の演出表示GE4及びGE6とは相互に異なる態様とされているが、両者は同一態様とされてもよい。
【0153】
このため、大当り終了演出に関して、遊技機10は次のような特徴を持つといえる。即ち、大当りには所定の大当り(確変大当り)が少なくとも含まれ、大当り終了演出は、第一の態様(演出表示GE3及びGE5)、第二の態様(演出表示GE4及びGE6)、および第三の態様(演出表示GE1)となることが可能な演出であり、第二の態様は、第一の態様と同一または異なる態様であり、第三の態様は、第一の態様及び第二の態様のいずれとも異なる態様であり、高確率状態かつ入賞容易状態である第一の状態(確変モードに対応する特図高確且つ普図高確)の図柄変動において所定の大当り(確変大当り)に当選した場合には、所定の大当り(確変大当り)に対応する大当り終了演出が第一の態様(演出表示GE3)となり、低確率状態かつ入賞容易状態である第二の状態(チャンスモードに対応する特図低確且つ普図高確)の図柄変動において所定の大当り(確変大当り)に当選した場合には、所定の大当り(確変大当り)に対応する大当り終了演出が第二の態様(演出表示GE4)となり、第一の状態の次の状態が、低確率状態かつ入賞困難状態である第三の状態(特図低確且つ普図低確)となる場合があり、かつ第二の状態の次の状態が、第三の状態となる場合があり、第三の状態の図柄変動であって第三の状態の最初の図柄変動を少なくとも含む所定の図柄変動(確変後特殊モード又はチャンス後特殊モードにおける図柄変動)において所定の大当り(確変大当り)に当選した場合には、所定の大当り(確変大当り)に対応する大当り終了演出が第三の状態の直前の状態(特図低確且つ普図高確又は特図低確且つ普図高確)において所定の大当り(確変大当り)に当選する場合と同一の態様となり得る一方、第三の状態の図柄変動であって所定の図柄変動(確変後特殊モード又はチャンス後特殊モードにおける図柄変動)よりも後の図柄変動(通常モードにおける図柄変動)において所定の大当り(確変大当り)に当選した場合には、所定の大当り(確変大当り)に対応する大当り終了演出が第三の態様(演出表示GE1)となり、当該所定の図柄変動は、第二の状態の次の状態が第三の状態となった場合(チャンス後特殊モードに対応)よりも第一の状態の次の状態が第三の状態となった場合(確変後特殊モード)の方が多い回数(4回と1回)となることを特徴とする。
これにより、普図高確から普図低確へ遷移した後の最初の図柄変動を含む所定の図柄変動において、所定の大当り(確変大当り)に当選した場合には、大当りの連続感を高めることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。更に、特図高確且つ普図高確から遷移した場合には、特図低確且つ普図高確から遷移した場合よりも、普図高確時と同一態様の大当り終了演出が実行される可能性が高くなるため、特図高確且つ普図高確の継続感をより高めることができる。
【0154】
最後に、大当り中演出について、以下に整理する。
図12、
図13及び
図14に例示される各大当り中演出は、ラウンド進行に伴い進行する演出に加えて、演出表示GM11、GM12、GM13、GM21、GM22、GM31、GM41、GM51、GM61、GM71又はGM72を含んでいる。
そして、確変モードにおいて確変大当りに当選した場合の大当り中演出は、少なくとも演出表示GM11を含む演出の流れであるか、それを含まない演出の流れであるかという点において、確変後特殊モードにおいて確変大当りに当選した場合の大当り中演出と同一態様とされている一方で、通常モードにおいて確変大当りに当選した場合の大当り中演出とは異なる態様とされている。
また、チャンスモードにおいて確変大当りに当選した場合の大当り中演出についても、上述の点において、チャンス後特殊モードにおいて確変大当りに当選した場合の大当り中演出と同一態様とされている一方で、通常モードにおいて確変大当りに当選した場合の大当り中演出とは異なる態様とされている。
本実施形態では、確変モード及び確変後特殊モードにおいて確変大当りに当選した場合の大当り中演出と、チャンスモード及びチャンス後特殊モードにおいて確変大当りに当選した場合の大当り中演出とは、上述の点において演出の流れが同一であることから、相互に同一態様とされているが、演出の流れを変えるなどして、異なる態様とされてもよい。
【0155】
このため、大当り中演出に関して、遊技機10は次のような特徴を持つといえる。即ち、大当りには所定の大当り(確変大当り)が少なくとも含まれ、大当り中演出は、第一の態様(演出表示GM11及びGM12を含まない)、第二の態様(演出表示GM11及びGM12を含まない)、および第三の態様(演出表示GM11及びGM12を含む)となることが可能な演出であり、第二の態様は、第一の態様と同一または異なる態様であり、第三の態様は、第一の態様及び第二の態様のいずれとも異なる態様であり、高確率状態かつ入賞容易状態である第一の状態(確変モードに対応する特図高確且つ普図高確)の図柄変動において所定の大当り(確変大当り)に当選した場合には、所定の大当り(確変大当り)に対応する大当り中演出が第一の態様(演出表示GM11及びGM12を含まない)となり、低確率状態かつ入賞容易状態である第二の状態(チャンスモードに対応する特図低確且つ普図高確)の図柄変動において所定の大当り(確変大当り)に当選した場合には、所定の大当り(確変大当り)に対応する大当り中演出が第二の態様(演出表示GM11及びGM12を含まない)となり、第一の状態の次の状態が、低確率状態かつ入賞困難状態である第三の状態(特図低確且つ普図低確)となる場合があり、かつ第二の状態の次の状態が、第三の状態となる場合があり、第三の状態の図柄変動であって第三の状態の最初の図柄変動を少なくとも含む所定の図柄変動(確変後特殊モード又はチャンス後特殊モードにおける図柄変動)において所定の大当り(確変大当り)に当選した場合には、所定の大当り(確変大当り)に対応する大当り中演出が第三の状態の直前の状態(特図低確且つ普図高確又は特図低確且つ普図高確)において所定の大当り(確変大当り)に当選する場合と同一の態様となり得る一方、第三の状態の図柄変動であって所定の図柄変動(確変後特殊モード又はチャンス後特殊モードにおける図柄変動)よりも後の図柄変動(通常モードにおける図柄変動)において所定の大当り(確変大当り)に当選した場合には、所定の大当り(確変大当り)に対応する大当り中演出が第三の態様(演出表示GM11及びGM12を含む)となり、当該所定の図柄変動は、第二の状態の次の状態が第三の状態となった場合(チャンス後特殊モードに対応)よりも第一の状態の次の状態が第三の状態となった場合(確変後特殊モード)の方が多い回数(4回と1回)となることを特徴とする。
これにより、普図高確から普図低確へ遷移した後の最初の図柄変動を含む所定の図柄変動において、所定の大当り(確変大当り)に当選した場合には、大当りの連続感を高めることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。更に、特図高確且つ普図高確から遷移した場合には、特図低確且つ普図高確から遷移した場合よりも、普図高確時と同一態様の大当り中演出が実行される可能性が高くなるため、特図高確且つ普図高確の継続感をより高めることができる。
【0156】
<保留先読み演出開始処理について>
ここで、
図15、
図16及び
図17を用いて、先読み演出制御手段224により実行される保留先読み演出開始処理を詳細に説明する。
図15は、保留先読み演出開始処理のフローを例示する図であり、
図16は、保留変化パターン抽選テーブルを模式的に示す図であり、
図17は、保留変化パターンの内容を模式的に示す図である。
【0157】
保留変化パターンは、保留1表示領域、保留2表示領域、保留3表示領域及び保留4表示領域のそれぞれにおける、保留されている特
図2の図柄変動に対応する保留画像の態様を規定するものであり、
図17の例では、HCP1からHCP10までの10種の保留変化パターンが設けられている。
また、
図17の例における画像Dは、デフォルト設定される保留画像を示し、デフォルト画像と称される。画像A及び画像Bは、デフォルト画像Dとそれぞれ異なる態様の画像であり、変化後の保留画像を示す。画像Aと画像Bとは相互に異なる態様とされる。
ここでの画像の態様とは、画像の見た目の様子を意味し、例えば、色や形状、模様、大きさ、動きなどを含む。
【0158】
具体的には、保留変化パターンHCP1は、対象の図柄変動に対応する保留画像を、保留4表示領域、保留3表示領域及び保留2表示領域でデフォルト画像Dで表示し、保留1表示領域で画像Bに変化させるパターンを規定している。保留変化パターンHCP9は、対象の図柄変動に対応する保留画像を、保留4表示領域でデフォルト画像Dで表示し、保留2表示領域で画像Bに変化させ、保留3表示領域で画像Aに変化させ、保留4表示領域で継続して画像Aで表示させるパターンを規定している。なお、他の保留変化パターンについては、
図17に示されるとおりであるため、それらの説明は省略する。
図17に示される保留変化パターン群はあくまで例示であり、保留変化パターンの数や内容は
図17の例に限定されない。
【0159】
このような保留変化パターンは、
図16に示される保留変化パターン抽選テーブルを用いて選択される。
図16に示される保留変化パターン抽選テーブルは、保留された図柄変動の開始時の演出モードが確変モード又は確変後特殊モードである場合に参照される保留変化パターン抽選テーブルと、その演出モードがチャンスモードである場合に参照される保留変化パターン抽選テーブルとを含んでいる。更に、各保留変化パターン抽選テーブルには、保留された図柄変動における特図当否判定の結果が大当りである場合に参照される抽選テーブルとはずれである場合に参照される抽選テーブルとがそれぞれ含まれている。
各保留変化パターン抽選テーブルでは、各保留変化パターンに対して抽選値が対応づけられており、各保留変化抽選テーブルを用いた抽選では、更新範囲0〜255の乱数が使用される。
【0160】
保留された図柄変動の開始時の演出モードが確変モード又は確変後特殊モードであり、且つその図柄変動における特図当否判定の結果が大当りである場合における、保留変化パターン抽選テーブルを用いた抽選では、保留変化パターンHCP1からHCP10が選択候補とされており、保留変化パターンHCP1が24/256、保留変化パターンHCP2が18/256、保留変化パターンHCP3が15/256、保留変化パターンHCP4が21/256、保留変化パターンHCP5が12/256、保留変化パターンHCP6が9/256、保留変化パターンHCP7が8/256、保留変化パターンHCP8が11/256、保留変化パターンHCP9が13/256、保留変化パターンHCP10が3/256の確率で当選する。また、この保留変化パターン抽選テーブルを用いた抽選では、134/256の確率で当選となり、122/256の確率ではずれとなる。
【0161】
保留された図柄変動の開始時の演出モードが確変モード又は確変後特殊モードであり、且つその図柄変動における特図当否判定の結果がはずれである場合における、保留変化パターン抽選テーブルを用いた抽選では、保留変化パターンHCP1からHCP9が選択候補とされており、保留変化パターンHCP1が15/256、保留変化パターンHCP2が14/256、保留変化パターンHCP3が10/256、保留変化パターンHCP4が18/256、保留変化パターンHCP5が7/256、保留変化パターンHCP6が4/256、保留変化パターンHCP7が6/256、保留変化パターンHCP8が4/256、保留変化パターンHCP9が2/256の確率で当選する。この保留変化パターン抽選テーブルを用いた抽選では、80/256の確率で当選となり、176/256の確率ではずれとなる。
【0162】
このような保留変化パターン抽選テーブルを用いた抽選によれば、対象となる図柄変動における特図当否判定の結果が大当りである場合(134/256の確率)のほうが、はずれである場合よりも(80/256の確率)、当選する確率が高いため、開始時の演出モードが確変モード又は確変後特殊モードとなる図柄変動に対応する保留画像が変化した場合には、その図柄変動における特図当否判定の結果が大当りである期待度が、保留画像が変化しない場合よりも高くなる。
また、
図16の例では、保留変化パターンHCP10は、確変モード、確変後特殊モード及びチャンスモードのいずれにおいても大当り時にのみ選択され、はずれ時には選択され得ない。このため、保留変化パターンHCP10に対応する保留先読み演出は、大当り確定を示唆する演出であるといえる。
【0163】
保留された図柄変動の開始時の演出モードがチャンスモードである場合における、保留変化パターン抽選テーブルを用いた抽選については、
図16に示されるとおりであるため、ここでは具体的な説明を省略する。
保留された図柄変動の開始時の演出モードチャンスモードであり、且つその図柄変動における特図当否判定の結果が大当りである場合における、保留変化パターン抽選テーブルを用いた抽選では、110/256の確率で当選となり、146/256の確率ではずれとなり、保留された図柄変動の開始時の演出モードがチャンスモードであり、且つその図柄変動における特図当否判定の結果がはずれである場合における、保留変化パターン抽選テーブルを用いた抽選では、68/256の確率で当選となり、188/256の確率ではずれとなる。
このため、開始時の演出モードがチャンスモードとなる図柄変動に対応する保留画像が変化した場合についても、その図柄変動における特図当否判定の結果が大当りである期待度が、保留画像が変化しない場合よりも高くなる。
【0164】
上述のように、保留された図柄変動の開始時の演出モードが確変モードである場合に参照される保留変化パターン抽選テーブルと、その演出モードが確変後特殊モードである場合に参照される保留変化パターン抽選テーブルとが共通化されていることが好ましい。これにより、特図高確且つ普図高確(確変モードに対応)から特図低確且つ普図低確へ遷移した直後の規定回数(4回)の図柄変動、即ち確変後特殊モードで実行される図柄変動に対応する保留画像に対しても、確変モードで実行される図柄変動に対応する保留画像と同様の傾向で、保留先読み演出が行われるため、確変モードの継続感を出すことができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
一方で、保留された図柄変動の開始時の演出モードが確変モード又は確変後特殊モードである場合に参照される保留変化パターン抽選テーブルと、その演出モードがチャンスモードである場合に参照される保留変化パターン抽選テーブルとは相互に異なる内容とされることが好ましい。これにより、チャンスモードで実行される図柄変動に対しては、確変モードで実行される図柄変動に対応する保留画像とは異なる傾向で、保留先読み演出が行われるため、確変モードとチャンスモードとの違いを示唆することができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0165】
ここで、上述のような保留変化パターン抽選テーブルを用いた抽選を含む保留先読み演出開始処理について
図15を用いて説明する。
図15に例示される保留先読み演出開始処理は、確変モード又はチャンスモードにおいて事前判定コマンドを受信する(確変モード又はチャンスモードにおいて特
図2の図柄変動が保留される)度に実行される。また、この保留先読み演出開始処理の実行前には、サブ保留制御手段223により、その事前判定コマンドの対象となる作動保留情報(ここでは、対象保留と称する)に対応する保留画像を表示させるための演出データが設定されているものとする。
【0166】
最初のステップS151では、先読み演出制御手段224は、事前判定コマンドに含まれる情報(例えば、特図変動パターン導出状態など)に基づいて、その事前判定コマンドの対象となる作動保留情報(ここでは、対象保留と称する)が特図当否判定に使用される際の演出モードが確変モード、確変後特殊モード又はチャンスモードであるか否かを判定する。
図15では説明の便宜のため、ステップS151での判定内容を明確に区別していないが、具体的には、現在の演出モードが確変モードである場合には、ステップS151では、確変モード又は確変後特殊モードであるか否かが判定され、現在の演出モードがチャンスモードである場合には、ステップS151では、チャンスモードであるか否かが判定される。
その演出モードが確変モード、確変後特殊モード又はチャンスモードであると判定された場合には(S151;Y)、ステップS152に進み、そうでない場合には(S151;N)、保留先読み演出開始処理を終了する。
【0167】
ステップS152では、先読み演出制御手段224は、
図16に示される保留変化パターン抽選テーブルを用いた保留変化パターン抽選を実行する。ステップS152で実行される保留変化パターン抽選については上述したとおりである。
この保留変化パターン抽選ではずれとなった場合には(S153;N)、保留先読み演出開始処理を終了し、当選となった場合には(S153;Y)、ステップS154に進む。
【0168】
ステップS154では、先読み演出制御手段224は、ステップS152の保留変化パターン抽選で当選した保留変化パターンを対象保留に設定する。
設定された保留変化パターンは、対象保留に係る図柄変動が開始されるまで、その図柄変動と紐づけられた形でサブ情報記憶手段260に記憶される。
【0169】
ステップS155では、先読み演出制御手段224は、ステップS154で設定した保留変化パターンが、対象保留の保留カウンタの値に対応する保留表示領域(保留1表示領域、保留2表示領域、保留3表示領域又は保留4表示領域)で保留画像の変化を規定しているか否かを判定する。保留画像の変化は、デフォルト画像D以外の画像(
図17の画像A又はB)が示されているか否かで判定可能である。また、対象保留の保留カウンタの値は、例えば、事前判定コマンドの前に受信されている保留コマンドにより把握可能である。
保留画像の変化が規定されていた場合(S155;Y)、ステップS156に進み、規定されていない場合(S155;N)、保留先読み演出開始処理を終了する。
【0170】
ステップS156では、先読み演出制御手段224は、対象保留の保留カウンタの値に対応する保留表示領域に保留変化パターンで規定されている画像を表示させるための演出データを設定する。
【0171】
<保留先読み演出変化処理について>
次に、
図18を用いて、演出内容決定手段225によって実行される保留先読み演出変化処理の詳細を説明する。
図18は、保留先読み演出変化処理のフローを示す図である。この保留先読み演出変化処理は、確変モード又はチャンスモードにおいて変動開始コマンドを受信する度に実行される。
なお、
図18に示す保留先読み演出変化処理の実行前に、変動開始コマンドの対象となっている当該図柄変動に対応する作動保留情報はクリアされているものとする。
【0172】
最初のステップS181では、演出内容決定手段225は、参照保留カウンタに1を加算する。この参照保留カウンタは、処理開始時に0で初期化されており、保留1表示領域、保留2表示領域、保留3表示領域及び保留4表示領域のそれぞれを指し示すために用いられる。
ステップS182では、演出内容決定手段225は、保留されている図柄変動の中の保留先読み演出変化処理の対象とする図柄変動(ここでは、処理対象保留と称する)を特定する。ステップS182では、早く保留された図柄変動から順番に処理対象保留として特定される。
【0173】
ステップS183では、演出内容決定手段225は、処理対象保留に保留変化パターンが対応付けられているか否かを判定する。
保留変化パターンが対応付けられている場合には(S183;Y)、ステップS184に進み、対応付けられていない場合には(S183;N)、ステップS186に進む。
【0174】
ステップS184では、演出内容決定手段225は、対応付けられている保留変化パターンが、参照保留カウンタの値に対応する保留表示領域(保留1表示領域、保留2表示領域、保留3表示領域又は保留4表示領域)で保留画像の変化を規定しているか否かを判定する。保留画像の変化は、デフォルト画像D以外の画像(
図17の画像A又はB)が示されているか否かで判定可能である。
保留画像の変化が規定されていた場合(S184;Y)、ステップS185に進み、規定されていない場合(S184;N)、ステップS186に進む。
【0175】
ステップS185では、演出内容決定手段225は、参照保留カウンタの値に対応する保留表示領域に保留変化パターンで規定されている画像を表示させるための演出データを設定する。
ステップS186では、保留されている図柄変動の中で未だ処理対象保留として特定されていない図柄変動があるか否かが判定され、未だ図柄変動が残っている場合には、ステップS181に進み、残っていない場合には、保留先読み演出変化処理を終える。
【0176】
上述のように、本実施形態では、現在の演出モードが確変モードであり、且つ対象保留が特図当否判定に使用される際の演出モードが確変モード又は確変後特殊モードである場合に、保留変化パターン抽選が行われ、その抽選の結果に応じて対象保留に対する保留先読み演出が行われる場合がある。同様に、現在の演出モードがチャンスモードであり、且つ対象保留が特図当否判定に使用される際の演出モードがチャンスモードである場合に、保留変化パターン抽選が行われ、その抽選の結果に応じて対象保留に対する保留先読み演出が行われる場合がある。
一方で、現在の演出モードが確変モードであり、且つ対象保留が特図当否判定に使用される際の演出モードが通常モードである場合には、保留変化パターン抽選が行われず、結果として、対象保留に対する保留先読み演出は行われない。同様に、現在の演出モードがチャンスモードであり、且つ対象保留が特図当否判定に使用される際の演出モードがチャンス後特殊モード又は通常モードである場合には、保留変化パターン抽選が行われず、結果として、対象保留に対する保留先読み演出は行われない。
【0177】
このため、本実施形態における遊技機10は次のように説明できる。
即ち、遊技機10は、変動開始条件が充足されるまで図柄変動の開始を保留し、保留されている図柄変動で大当りに当選する可能性を示唆する先読み予告(保留先読み演出)をその図柄変動が開始される前に実行可能であり、第二の状態(特図低確且つ普図高確)の図柄変動に対する先読み予告(保留先読み演出)が、第二の状態(特図低確且つ普図高確)において実行される一方、第二の状態(特図低確且つ普図高確)の次の状態が第三の状態(特図低確且つ普図低確)となる場合におけるその第三の状態(特図低確且つ普図低確)の図柄変動に対する先読み予告(保留先読み演出)が、その第二の状態(特図低確且つ普図高確)において実行されず、第一の状態(特図高確且つ普図高確)の図柄変動に対する先読み予告(保留先読み演出)が、その第一の状態(特図高確且つ普図高確)において実行され、かつ第一の状態(特図高確且つ普図高確)の次の状態が第三の状態(特図低確且つ普図低確)となる場合におけるその第三の状態(特図低確且つ普図低確)の図柄変動に対する先読み予告(保留先読み演出)が、その第一の状態(特図高確且つ普図高確)において実行される場合がある。
これにより、先読み予告の対象となる保留されている図柄変動が、特図高確且つ普図高確の状態から遷移する特図低確且つ普図低確の状態で実行されるものであったとしても、特図高確且つ普図高確の状態においてその図柄変動を対象とする先読み予告が実行される場合があるため、特図高確且つ普図高確の状態(確変モードに対応)の継続感を出すことができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
【0178】
加えて、遊技機10は、第一の状態(特図高確且つ普図高確)の次の状態が第三の状態(特図低確且つ普図低確)となる場合における所定の図柄変動(第三の状態の最初の図柄変動を含む規定回数の図柄変動)よりも後の図柄変動に対する先読み予告(保留先読み演出)が、第一の状態(特図高確且つ普図高確)において実行されない一方、第一の状態(特図高確且つ普図高確)の次の状態が第三の状態(特図低確且つ普図低確)となる場合における所定の図柄変動(第三の状態の最初の図柄変動を含む規定回数の図柄変動)に対する先読み予告(保留先読み演出)が、その第一の状態(特図高確且つ普図高確)において実行される場合があるということもできる。
これにより、特図高確且つ普図高確の状態から遷移する特図低確且つ普図低確の状態であっても限定された図柄変動(本実施形態では遷移後の規定回数(4回)の図柄変動)に対してのみ先読み予告が実行されるため、特図高確且つ普図高確の状態(確変モードに対応)の継続感を一層高めることができる。
【0179】
<外部信号出力処理について>
ここで、
図19を用いて、外部信号制御手段195による外部信号出力処理について詳細に説明する。
図19は、外部信号出力処理のフローを示す図である。
この外部信号出力処理は、遊技状態制御手段175により特図変動パターン導出状態が更新される度及び大当り遊技制御手段160により大当り遊技が開始される度に実行される。
【0180】
ステップS191では、外部信号制御手段195は、大当り遊技が開始されたか否かを判定する。大当り遊技が開始されたと判定した場合(S191;Y)、ステップS192に進み、開始されたわけではないと判定した場合(S191;N)、ステップS195に進む。
ステップS192では、外部信号制御手段195は、外部端子板410に接続されている外部機器に向けて所定の外部信号が出力されている最中か否かを判定する。例えば、外部信号制御手段195は、当該所定の外部信号の出力を指示する外部出力コマンド(払出制御コマンド)を既にメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に格納しているか否かにより当該判定を行うことができる。
出力中であると判定した場合(S192;Y)、外部信号出力処理を終え、出力中でないと判定した場合(S192;N)、ステップS193に進む。
【0181】
ステップS193では、外部信号制御手段195は、外部端子板410に接続されている外部機器に向けて所定の外部信号を出力することを指示する外部出力コマンド(払出制御コマンド)をメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に格納する。これにより、本実施形態では、この外部出力コマンドを受信した払出制御基板45は、外部端子板410を経由して外部機器としてのデータランプを点灯させるための外部信号の出力を開始する。
【0182】
一方で、ステップS195では、外部信号制御手段195は、特図変動パターン導出状態Aに遷移したか否かを判定する。
特図変動パターン導出状態Aへ遷移したと判定した場合(S195;Y)、ステップS196に進み、特図変動パターン導出状態Aへ遷移したわけではないと判定した場合(S195;NO)、外部信号出力処理を終える。
【0183】
ステップS196では、外部信号制御手段195は、外部端子板410に接続されている外部機器に向けて所定の外部信号が出力されている最中か否かを判定する。この判定の具体的手法については、ステップS192で述べたとおりである。
出力中であると判定した場合(S196;Y)、ステップS197に進み、出力中でないと判定した場合(S196;N)、外部信号出力処理を終える。
【0184】
ステップS197では、外部信号制御手段195は、外部端子板410に接続されている外部機器に向けての所定の外部信号の出力の停止を指示する外部出力コマンド(払出制御コマンド)をメイン情報記憶手段180の送信コマンド格納領域に格納する。これにより、本実施形態では、この外部出力コマンドを受信した払出制御基板45は、外部端子板410を経由して外部機器としてのデータランプを点灯させるための外部信号の出力を止める。
【0185】
このように、本実施形態では、大当り遊技開始によりデータランプを点灯させるための外部信号の出力が開始され、大当り遊技の終了時に設定される普図高確の間は少なくとも、当該外部信号の出力が継続される。更に、普図高確から普図低確へ遷移した直後の規定回数(4回又は1回)の図柄変動の間、即ち特図変動パターン導出状態D又はEの間も当該外部信号の出力が継続され、その規定回数の図柄変動の終了後、即ち特図変動パターン導出状態Aに遷移したことによりその外部信号の出力が停止される。
これにより、普図高確から普図低確へ遷移した直後の当該規定回数の図柄変動中に、大当りに当選した場合には、大当りの連続感を高めることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。更に、特図高確且つ普図高確から遷移した場合には、特図低確且つ普図高確から遷移した場合よりもデータランプの点灯の継続時間が長くなるため、期待感を向上させ、興趣の向上に繋がる。
【0186】
[変形例]
上述の実施形態は、概要で述べた趣旨を逸脱しない範囲で変形可能である。
以下、以上の説明で記載されていない変形例について列挙する。
【0187】
上述の実施形態では、普図高確から移行した普図低確における最初の図柄変動を少なくとも含む所定の図柄変動が、実質的に、主制御基板100により管理された。具体的には、それは、遊技状態制御手段175により特図変動パターン導出状態D及びEとして管理され、演出モード制御手段221により、特図変動パターン導出状態D又はEに対応した確変後特殊モード及びチャンス後特殊モードとして管理された。しかしながら、当該所定の図柄変動は、第2副制御基板300側で管理されてもよい。この場合、主制御基板100が、普図高確から普図低確への遷移直後からの図柄変動の回数をカウントし、このカウント数を演出制御コマンドに含めて第2副制御基板300へ送り、第2副制御基板300が、受信された演出制御コマンドのカウント数に基づいて、当該所定の図柄変動に対応する状態を管理するようにしてもよいし、そもそもそのカウント数も第2副制御基板300側でカウントされてもよい。
【0188】
また、上述の実施形態では、当該所定の図柄変動の回数(4回及び1回)が、固定的に定められていたが、普図高確から普図低確へ遷移する度に抽選等により決定されてもよい。
この場合、遊技機10は、複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定されるようになっており、設定されている設定値に応じて大当りに当選する確率が異なるようになっていてもよい。例えば、
図8(a)及び
図8(b)には図示していないが、特図当否判定用の抽選テーブルに、複数段階の設定値(例えば設定値1、設定値2及び設定値3)ごとにそれぞれ抽選値が設定されていてもよい。主制御基板100における遊技盤50の背面から視認可能となるような位置に設定値などを表示する主制御基板モニタ(図示せず)が設けられており、設定基板(図示せず)に設けられた設定キースイッチ及びRAMクリアスイッチなどの操作により、当該設定値が変更可能に構成されていてもよい。
そして、当該所定の図柄変動、即ち上述の実施形態における普図高確から普図低確へ遷移直後の規定回数(4回又は1回)の図柄変動は、設定されている設定値に関わらない回数の図柄変動とされることが好ましい。ここで「設定されている設定値に関わらない回数」とは、上述の実施形態のように予め固定的に定められた回数(4回又は1回)、又は、設定値が参照されることなく抽選等により任意に決められる回数を意味する。
このようにすれば、現在の設定値に関わらずに、上述の作用効果を得ることができる。
【0189】
また、上述の実施形態では、特図変動パターン導出状態E及びチャンス後特殊モードが設けられたが、そのような状態は設けられなくてもよい。この場合、遊技状態制御手段175は、特図変動パターン導出状態Cにおいて100回目の図柄変動が終了する際(遷移条件(iii))に特図変動パターン導出状態Aを設定すればよい。
このようにすれば、特図低確且つ普図高確から特図低確且つ普図低確に遷移した直後に確変大当りに当選した場合であっても、特図低確且つ普図高確時に確変大当りに当選した場合とは異なる態様で、大当り開始演出、大当り中演出及び大当り終了演出が実行されることになる。
【0190】
また、上述の実施形態では、保留時の抽選により決められる保留変化パターンを用いて保留画像の態様を変化させたが、保留された特
図2の図柄変動が進行するごとに態様を変化させるか否かを抽選し、当該抽選に当選した場合に態様を変化させる等、種々の方法を用いて、保留画像の態様を変化させてもよい。
上述の実施形態は、上述の説明に限定されるものではなく、種々の変形、改良等が可能である。
【0191】
<付記>
本実施形態は、次のような技術思想を包含する。
(1)
始動口への遊技球の入賞に基づいて実行される図柄変動ごとに大当りに当選するか否かを判定する当否判定を実行し、前記大当りに当選した場合には当選した図柄変動の終了時に大当り遊技を開始し、低確率状態よりも前記当否判定によって前記大当りに当選し易い高確率状態、および入賞困難状態よりも前記始動口への遊技球の入賞が容易となる入賞容易状態を設定可能であり、前記大当り遊技中に大当り中演出を実行する遊技機であって、
前記大当りには所定の大当りが少なくとも含まれ、
前記大当り中演出は、第一の態様、第二の態様、および第三の態様となることが可能な演出であり、
前記第二の態様は、前記第一の態様と同一または異なる態様であり、
前記第三の態様は、前記第一の態様および前記第二の態様のいずれとも異なる態様であり、
前記高確率状態かつ前記入賞容易状態である第一の状態の図柄変動において前記所定の大当りに当選した場合には、該所定の大当りに対応する前記大当り中演出が前記第一の態様となり、
前記低確率状態かつ前記入賞容易状態である第二の状態の図柄変動において前記所定の大当りに当選した場合には、該所定の大当りに対応する前記大当り中演出が前記第二の態様となり、
前記第一の状態の次の状態が、前記低確率状態かつ前記入賞困難状態である第三の状態となる場合があり、かつ前記第二の状態の次の状態が、前記第三の状態となる場合があり、
前記第三の状態の図柄変動であって該第三の状態の最初の図柄変動を少なくとも含む所定の図柄変動において前記所定の大当りに当選した場合には、該所定の大当りに対応する前記大当り中演出が該第三の状態の直前の状態において前記所定の大当りに当選する場合と同一の態様となり得る一方、
前記第三の状態の図柄変動であって前記所定の図柄変動よりも後の図柄変動において前記所定の大当りに当選した場合には、該所定の大当りに対応する前記大当り中演出が前記第三の態様となり、
前記所定の図柄変動は、前記第二の状態の次の状態が前記第三の状態となった場合よりも前記第一の状態の次の状態が前記第三の状態となった場合の方が多い回数となることを特徴とする遊技機。
(2)
(1)に記載の遊技機であって、
変動開始条件が充足されるまで図柄変動の開始を保留し、保留されている図柄変動で大当りに当選する可能性を示唆する先読み予告を該図柄変動が開始される前に実行可能であり、
前記第二の状態の図柄変動に対する前記先読み予告が、該第二の状態において実行される一方、前記第二の状態の次の状態が前記第三の状態となる場合における該第三の状態の図柄変動に対する前記先読み予告が、該第二の状態において実行されず、
前記第一の状態の図柄変動に対する先読み予告が、該第一の状態において実行され、かつ前記第一の状態の次の状態が前記第三の状態となる場合における該第三の状態の図柄変動に対する前記先読み予告が、該第一の状態において実行される場合があることを特徴とする遊技機。
(3)
(2)に記載の遊技機であって、
前記第一の状態の次の状態が前記第三の状態となる場合における前記所定の図柄変動よりも後の図柄変動に対する前記先読み予告が、該第一の状態において実行されない一方、
前記第一の状態の次の状態が前記第三の状態となる場合における前記所定の図柄変動に対する前記先読み予告が、該第一の状態において実行される場合があることを特徴とする遊技機。
(4)
(1)乃至(3)のいずれか一つに記載の遊技機であって、
複数段階の設定値のうちの一の設定値が設定され、設定されている前記設定値に応じて大当りに当選する確率が異なり、
前記所定の図柄変動は、設定されている前記設定値に関わらない回数の図柄変動であることを特徴とする遊技機。