特許第6864423号(P6864423)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6864423
(24)【登録日】2021年4月6日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】特高盤・変圧器配置システム
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/20 20060101AFI20210419BHJP
   H02B 5/00 20060101ALI20210419BHJP
   H02B 7/00 20060101ALI20210419BHJP
【FI】
   H02B1/20 A
   H02B5/00 Z
   H02B7/00 Z
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-25626(P2017-25626)
(22)【出願日】2017年2月15日
(65)【公開番号】特開2018-133900(P2018-133900A)
(43)【公開日】2018年8月23日
【審査請求日】2020年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】512231417
【氏名又は名称】株式会社Wave Energy
(74)【代理人】
【識別番号】100150153
【弁理士】
【氏名又は名称】堀家 和博
(72)【発明者】
【氏名】本家 正雄
【審査官】 北岡 信恭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−093868(JP,A)
【文献】 米国特許第06233137(US,B1)
【文献】 特開2007−209125(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/00− 1/38
H02B 1/46− 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
低圧交流電流(L)をより高圧な高圧交流電流(H)に変圧する変圧器(2)と、この変圧器(2)からの高圧交流電流(H)を当該システム外へ送電する送電部(3)を有した配置システムであって、
前記変圧器(2)へ低圧交流電流(L)を流す低圧電路(4L)と、前記変圧器(2)から送電部(3)へ高圧交流電流(H)を流す高圧電路(4H)を有し、
この高圧電路(4H)が、前記低圧電路(4L)と立体交差する部分を有し、
前記立体交差する部分は、前記高圧電路(4H)が前記低圧電路(4L)とねじれの位置にある部分であり、
前記ねじれの位置にある部分の少なくとも一部は、平面視において、前記高圧電路(4H)と前記低圧電路(4L)が重複し
前記低圧電路(4L)が変圧器(2)に上方から接続され、前記高圧電路(4H)が変圧器(2)に側方から接続されると共に、
前記変圧器(2)の側方に送電部(3)が配置され、
前記送電部(3)と高圧電路(4H)が、前記低圧電路(4L)の下方に位置し、
前記ねじれの位置にある部分の少なくとも一部は、平面視において、前記高圧電路(4H)と前記低圧電路(4L)が略直交していることを特徴とする配置システム。
【請求項2】
前記低圧電路(4L)は、正面視において略コ字状である部分を有し、
前記略コ字状である部分が、前記高圧電路(4H)を跨いで配置されていることを特徴とする請求項に記載の配置システム。
【請求項3】
低圧交流電流(L)をより高圧な高圧交流電流(H)に変圧する変圧器(2)と、この変圧器(2)からの高圧交流電流(H)を当該システム外へ送電する送電部(3)を有した配置システムであって、
前記変圧器(2)へ低圧交流電流(L)を流す低圧電路(4L)と、前記変圧器(2)から送電部(3)へ高圧交流電流(H)を流す高圧電路(4H)を有し、
この高圧電路(4H)が、前記低圧電路(4L)と立体交差する部分を有し、
前記立体交差する部分は、前記高圧電路(4H)が前記低圧電路(4L)とねじれの位置にある部分であり、
前記ねじれの位置にある部分の少なくとも一部は、平面視において、前記高圧電路(4H)と前記低圧電路(4L)が重複し、
前記低圧電路(4L)は、正面視において略コ字状である部分を有し、
前記略コ字状である部分が、前記高圧電路(4H)を跨いで配置されていることを特徴とする配置システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低圧交流電流をより高圧な高圧交流電流に変圧する変圧器と、変圧器からの高圧交流電流を送電する送電部の配置システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、変電に要する機器を備えた変電設備ユニットが知られている(特許文献1参照)。
この変電設備ユニットは、ガス絶縁開閉装置を収納したガス絶縁開閉装置キュービクル、変圧器本体とこの変圧器本体よりも上方に配置して上記変圧器本体の熱を放散する冷却器とからなり、上記ガス絶縁開閉装置キュービクルに1次側を直結したガス絶縁変圧器、およびこのガス絶縁変圧器の2次側に直結した配電盤を備え、これらのガス絶縁開閉装置キュービクル、ガス絶縁変圧器、および配電盤を同一のベース上に設置して一つのパッケージとなし、トレーラによる一括輸送を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−184527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された変電設備ユニットは、それぞれの機器を、特許文献1の図8で示された電流の流れに従って、ただ単純に順に並べただけである。
そのため、変圧器から配電網等へ送電する際に、電力の損失を抑える目的で非常に高圧(特別高圧等)まで昇圧した場合、各機器を単純に電流の流れに沿って並べただけでは、並べた方向に長さが延び、ユニット全体の大型化や、輸送・設置に必要とされるスペースが非常に長大となる。
又、特許文献1の変電設備ユニットは、その特許文献1の実施の形態4で、各機器の外箱を冷媒通路として中空化するなど、各機器の外箱分だけ、重量・容量が増加する。
【0005】
本発明は、このような点に鑑み、高圧電路に、低圧電路と立体交差した部分を持たせることによって、システムの「長大化」や「大型化」を抑制した配置システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る配置システム1は、低圧交流電流Lをより高圧な高圧交流電流Hに変圧する変圧器2と、この変圧器2からの高圧交流電流Hを当該システム外へ送電する送電部3を有した配置システムであって、前記変圧器2へ低圧交流電流Lを流す低圧電路4Lと、前記変圧器2から送電部3へ高圧交流電流Hを流す高圧電路4Hを有し、この高圧電路4Hが、前記低圧電路4Lと立体交差する部分を有し、前記立体交差する部分は、前記高圧電路4Hが前記低圧電路4Lとねじれの位置にある部分であり、前記ねじれの位置にある部分の少なくとも一部は、平面視において、前記高圧電路4Hと前記低圧電路4Lが重複し、前記低圧電路4Lが変圧器2に上方から接続され、前記高圧電路4Hが変圧器2に側方から接続されると共に、前記変圧器2の側方に送電部3が配置され、前記送電部3と高圧電路4Hが、前記低圧電路4Lの下方に位置し、前記ねじれの位置にある部分の少なくとも一部は、平面視において、前記高圧電路4Hと前記低圧電路4Lが略直交していることを第1の特徴とする。
尚、本発明における「電路」とは、電気を流すものであって、銅、アルミニウム、銀、金、ニクロム等の導体や、この導体を絶縁物で覆ったケーブル、一般的な電線などを含む。
【0007】
本発明に係る配置システム1の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、前記低圧電路4Lは、正面視において略コ字状である部分を有し、前記略コ字状である部分が、前記高圧電路4Hを跨いで配置されている点にある。
【0008】
本発明に係る配置システム1の第3の特徴は、低圧交流電流Lをより高圧な高圧交流電流Hに変圧する変圧器2と、この変圧器2からの高圧交流電流Hを当該システム外へ送電する送電部3を有した配置システムであって、前記変圧器2へ低圧交流電流Lを流す低圧電路4Lと、前記変圧器2から送電部3へ高圧交流電流Hを流す高圧電路4Hを有し、この高圧電路4Hが、前記低圧電路4Lと立体交差する部分を有し、前記立体交差する部分は、前記高圧電路4Hが前記低圧電路4Lとねじれの位置にある部分であり、前記ねじれの位置にある部分の少なくとも一部は、平面視において、前記高圧電路4Hと前記低圧電路4Lが重複し、前記低圧電路4Lは、正面視において略コ字状である部分を有し、前記略コ字状である部分が、前記高圧電路4Hを跨いで配置されている点にある。
【0009】
これらの特徴により、高圧電路4Hに、低圧電路4Lと立体交差する部分を持たせることによって、特許文献1のように、各機器を単純に電流の流れに沿って並べた場合と比べて、高圧電路4Hと低圧電路4Lが立体交差する分だけ、配置システム1としての長さを低減することが可能となる。
これと同時に、高圧電路4Hと低圧電路4Lが立体交差する部分を1つの筐体(盤筐体10)内に収めることが可能となり、特許文献1のように各機器ごとに設けた筐体(外箱)を設けた場合と比べて、各機器の筐体(外箱)や、各機器の間のスペースの分だけ、コンパクト化が図られ、重量の低減にも繋がる。
つまり、システムにおける「長大化」や「大型化」の抑制が実現できる。
ここで、高圧交流電流Hの電圧が、例えば約22000V等であれば、送電部3は特高盤であるとも言え、本発明の配置システム1を、特高盤・変圧器配置システムと呼んでも良い。
【0010】
又、低圧電路4Lを変圧器2に上方から接続し、高圧電路4Hを変圧器2に側方から接続し、変圧器2の側方に送電部3を配置し、送電部3と高圧電路4Hを低圧電路4Lの下方に位置させることによって、システムの「長大化」・「大型化」を抑制しつつ、昇圧した高圧交流電流Hを流す高圧電路4Hを可及的に短く出来ると共に、配置システム1の下方から当該システム1外へ高圧交流電流Hを送電することも可能となるため、使用者による点検等の際に、高圧部分と不用意に接触する可能性が減る。
つまり、「不用意な接触の抑制」と「配置システムの小型化」の両立を実現できる。
【0011】
更に、変換部5と送電部3と変圧器2を、この順で所定方向に並べて配置し、高圧電路4Hを低圧電路4Lより短くすることによって、更に「不用意な接触の抑制」を図りつつ、「配置システムの小型化」も両立できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る配置システムによると、高圧電路に、低圧電路と立体交差した部分を持たせることによって、システムにおける「長大化」や「大型化」の抑制を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態に係る配置システムを示す正面図である。
図2】第1実施形態の配置システムを示す右側面である。
図3図1におけるA−A矢視図であって、第1実施形態の配置システム(特に、送電部)の上下方向略中央位置における平面断面図である。
図4図3におけるB−B矢視図であって、第1実施形態の配置システムの前後方向略中央位置における正面断面図である。
図5図4におけるC−C矢視図であって、第1実施形態の配置システムの上下方向上方位置における平面断面図である。
図6図4におけるD−D矢視図であって、第1実施形態の配置システムの左右方向略中央位置における右方側面断面図である。
図7図4におけるE−E矢視図であって、第1実施形態の配置システムの左右方向左方位置における左方側面断面図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る配置システム(扉閉め)を示す正面図である。
図9】第2実施形態の配置システム(扉開き)を示す側面である。
図10】第2実施形態の配置システムの内部構造を示す正面透視図である。
図11】第2実施形態の配置システムを示す右側面である。
図12図10におけるA−A矢視図であって、第2実施形態の配置システムの左右方向略中央位置における右方側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
図1〜7には、本発明の第1実施形態に係る配置システム1が示されている。
この配置システム1は、低圧交流電流Lをより高圧な高圧交流電流Hに変圧する変圧器2と、この変圧器2からの高圧交流電流Hを当該配置システム1外へ送電する送電部3を有すると共に、変圧器2へ低圧交流電流Lを流す低圧電路4Lと、変圧器2から送電部3へ高圧交流電流Hを流す高圧電路4Hも有している。
【0015】
配置システム1は、直流電流又は交流電流を低圧交流電流Lに変換する変換部5を有していても良い。
又、配置システム1は、送電部3や変換部5を収納する(1つ又は複数の)盤筐体10(後述の送電盤筐体10Aや変換盤筐体10Bなど)と、この盤筐体10外(太陽電池等)からの直流電流を集める集電部と、無停電電源装置(UPS)21、盤筐体10内の空気を循環させるエアコンと、上述した変換部5やUPS21、エアコン等に電流を供給する補機も有していても良い。
【0016】
ここで、配置システム1の変換部5へ盤筐体10外から直流電流を供給するのは、後述する太陽光発電プラントの場合は、太陽電池であるが、風力、水力、波力等によって回転される発電機(モータ)からの電流となる。
尚、このモータからの出力電流が交流であれば、変換部5は、交流を直流に変換するコンバータ装置と、この直流を交流に変換するインバータ装置の両方を備えていれば良く、出力電流が直流であれば、変換部5はインバータ装置だけを備えていれば良いが、以下は、太陽電池のように、直流電流が変換部5へ流れ込む場合を述べる。
【0017】
<変圧器2>
図1、3〜5で示したように、変圧器2は、変換部5からの低圧交流電流L(例えば、440Vや、100〜200V等)を、送電に適した高圧交流電流H(例えば、22000Vや6600V等)に変換する。
変圧器2は、上述したように送電部3を収納した送電盤筐体10Aに対してその右面に外から取り付けられ、略直方体状の本体と、この本体の側面に取り付けられた放熱器11と、本体の上方及び左方に設けられた2つの接続カバー12、13(上接続カバー12、側接続カバー13)を備えている。
【0018】
放熱器11は、変圧器2を冷却するための冷却媒体に溜まった熱を変圧器2外へ逃がす(放熱する)ものであり、冷却媒体には、絶縁性能を持つ鉱油やガス(不燃性)などが用いられる。
放熱器11は、冷却媒体を自然対流させて冷却したり、冷却ファン等を備えていても良く、又、冷却媒体がガスであれば、その圧力を管理するメータを取り付けていても構わない。
【0019】
接続カバー12、13のうち、上接続カバー12は、変換部5からの低圧電路4Lと変圧器2との接続部分(低圧接続端子14a)を被いつつ、送電部3を内蔵した盤筐体10(送電盤筐体10A))に連結している(よって、変圧器2上の部分だけでなく、送電盤筐体10Aまで連結する部分も含めて、上接続カバー12となっている)。
尚、上接続カバー12の具体的な構成は、何れのものでも良く、取り外した後も、その上カバー周部12aが残る構成であっても良い。又、複数(例えば、3本や6本等で3相)の低圧電路4Lが束として集まることで、低圧束6Lを形成しても良い。
【0020】
一方、側接続カバー13は、送電部3への高圧電路4Hと変圧器2との接続部分(高圧接続端子14b)を被いつつ、送電盤筐体10Aに連結している。
尚、側接続カバー13の具体的な構成は、何れのものでも良い。又、複数(例えば、3本や6本等で3相)の高圧電路4Hが束として集まることで、高圧束6Hを形成しても良い。
【0021】
このような構成によって、低圧電路4Lが変圧器2に上方から接続され、高圧電路4Hが変圧器2に側方から接続されることとなる。
又、図4で示されたように、ここまで述べてきた低圧電路4L(低圧束6L)と高圧電路4H(高圧束6H)について、低圧電路4Lを高圧電路4Hより長く(換言すれば、高圧電路4Hを低圧電路4Lより短く)しても良い。
【0022】
尚、送電盤筐体10Aと、後述する変換盤筐体10Bの間に距離がある場合には、その2つの盤筐体10A、10B間で低圧電路4L(低圧束6L)を覆う筐体間カバー12’が設けられていても良い。
一方、送電盤筐体10Aと、変換盤筐体10Bなど他の盤筐体10が近接して間に距離がない場合には、筐体間カバー12’はなくとも良い。
【0023】
<送電部3>
図1、6で示したように、送電部3は、1つ又は複数の盤筐体10内で最も変圧器2に近い側である右部に位置し、真空遮断機(VCB)15や、避雷器(SAR)などを備える。
送電部3内では、変圧器2からの高圧電路4Hで送られた高圧交流電流Hが、上述のVCB15等を経た後、配電接続端子14cを介して配電電路Gに接続される。
送電部3は、この配電電路Gを介して盤筐体10の外部へ直接配電網に接続したり(特に、変圧器2によって22000Vに昇圧した場合など)、又は、複数の配置システム1からの電力を取り纏めて送電する別の送電盤を介して配電網に接続するなど、最終的に配電網に導通し送電可能な構成であれば良い。
【0024】
このように構成することによって、送電部3や高圧電路4Hが、低圧電路4Lの下方に位置することとなって、システムの「長大化」・「大型化」を抑制しつつ、昇圧した高圧交流電流Hを流す高圧電路4Hを可及的に短く出来ると共に、配置システム1の下方から当該システム1外へ配電電路G等を介して高圧交流電流Hを送電することも可能となるため、高圧側(特高側)と低圧側を完全分離して、使用者による点検(メンテナンス)等の際に、高圧部分と不用意に接触する可能性が減る。
つまり、「不用意な接触の抑制(メンテナンス時の安全性向上)」と「配置システムの小型化」の両立を実現できる。
尚、送電部3は、特別高圧な電力(例えば、22000V等)を送電する場合には、特高部3であるとも言える。
【0025】
又、図5、6に示したように、送電部3内における高圧電路4Hは、低圧電路4Lと立体交差する(ねじれの位置にある)部分を有しており、高圧電路4Hと低圧電路4Lが立体交差する分だけ、配置システム1としての長さを低減することが可能となる。
更に詳解すれば、図6(後述の図12でも)示されたように、送電盤筐体10A内を、低圧電路4L(低圧束6L)が左右方向に貫通する(延びる)と共に、低圧電路4L(低圧束6L)の下方で、高圧電路4H(高圧束6H)が前後方向に延びるように配設されて、高圧電路4Hは、低圧電路4Lと立体交差する部分を有している。
【0026】
尚、高圧電路4Hは、低圧電路4Lと立体交差する部分を有するのであれば、低圧電路4Lが前後方向に延びつつ、高圧電路4Hが左右方向に延びたり、低圧電路4Lが上下方向に延びつつ、高圧電路4Hが左右方向又は前後方向に延びるように配設しても良い。
又、低圧電路4Lが左右方向に延びつつ、高圧電路4Hが前後方向に延びるように配設されるとは、平面視において、低圧電路4Lと高圧電路4Hが直交(又は略直交)している場合に限らず、低圧電路4Lと高圧電路4Hが平面視で45°や30°、60°などの所定の角度(交差角度)で交差している場合も含み、この交差角度が0°の場合は低圧電路4Lと高圧電路4Hが略平行となっている部分を有することを意味する。
この交差角度については、低圧電路4Lが前後方向に延びつつ、高圧電路4Hが左右方向に延びたり、低圧電路4Lが上下方向に延びつつ、高圧電路4Hが左右方向又は前後方向に延びるように配設されている場合も同様である。
高圧電路4Hと低圧電路4Lは、上下逆(その他、左右逆、前後逆等)であっても良く、低圧電路4L(低圧束6L)は、送電盤筐体10A内で、高圧電路4H(高圧束6H)や、後述するVCB15、配電電路G等とは仕切り10A’にて区切られている。
【0027】
これと同時に、高圧電路4Hと低圧電路4Lが立体交差する部分を1つの筐体(送電盤筐体10A)内に収めることが可能となり、各機器ごとに設けた筐体(外箱)を設けた場合と比べて、各機器の筐体(外箱)や、各機器の間のスペースの分だけ、コンパクト化が図られ、重量の低減にも繋がる。
つまり、システムにおける「長大化」や「大型化」の抑制が実現できる。
【0028】
<変換部5>
図1、3〜5にて示したように、変換部5は、太陽電池からの直流電流を低圧交流電流L(例えば、440Vや、100〜200V等)に変換するインバータ装置と、このインバータ装置が変換する交流の電圧や周波数を制御する制御部と、気中遮断機(ACB)等を備えている。
これらのインバータ装置や制御部、遮断機等は、変換筐体内に配設されており、この変換筐体には、その内部の空気を逃がす回転ファン状の送風手段が設けられている。
尚、このような変換部5を収納する盤筐体10は、変換盤筐体10Bであるとも言え、又、変換部5は、パワコン(パワーコンディショナーの略)とも呼ばれる。
【0029】
変換部5は、盤筐体10内に1つ又は複数配置されていても良く、この1つの変換部又は複数の変換部5のうち最も送電部3に近いものと、上述した送電部3と変圧器2が、この順で所定方向に並んで配置されている。
このように配置することで、更に「不用意な接触の抑制」を図りつつ、「配置システムの小型化」も両立できる。
【0030】
尚、UPS21、エアコン、補機等には、変換部5のように、変圧器2で変圧(昇圧)した高圧交流電流Hより低い電圧の電流が流れる。
従って、これらUPS21、エアコン、補機等を配置しているスペース(部分)は、低圧部(低圧盤)16とも言え、変換部5と同様に、変換盤筐体10Bに収納されていても良い。
【0031】
<盤筐体10>
図1〜7に示されたように、盤筐体10は、略直方体状に形成されていて、その前面等には、開閉可能な扉10aが設けられている。
尚、略直方体状の盤筐体10における「前後」とは、扉10aがある側を「前」とし、扉10aがある側とは反対の側を「後」とする。
更に、盤筐体10における「左右」とは、盤筐体10に入った使用者が、盤筐体10における「前」から「後」へ向いた時の左手側を「左」とし、「前」から「後」へ向いた時の右手側を「右」とする。
【0032】
従って、変圧器2が取り付けられているのは、盤筐体10(特に、送電盤筐体10A)の右面になる。
尚、当然、変圧器2など、送電盤筐体10Aや変換盤筐体10B等の盤筐体10における左右逆側の面材に取り付けられていても良い。
【0033】
<集電部、ブレーカ>
図1、6にて示したように、集電部は、変換部5が収納される盤筐体10(変換盤筐体10B)内に設けられている。 集電部は、盤筐体10外からの直流電流を集めるものであれば、その構成に特に限定はないが、例えば、盤筐体10内の左部に位置し、上下方向に並んだ複数のブレーカが、左右一対に配設されており、このブレーカは、何れの構成であっても良い。
尚、この集電部を経なくては、変換部5の変換だけでなく、変圧器2による変圧も、送電部3の送電も行うことが出来ないため、集電部は、送電部3の送電、変換部5の変換及び変圧器2の変圧を補う補助機器17である。
又、変換部5と同じ盤筐体10内に設けられた補助機器(集電部)17は、送電部3を中心として変圧器2から遠ざかる側に配置されていると言える。
【0034】
<UPS21、エアコン、補機>
UPS21やエアコンは、補機から電流(電力)を供給されている。
UPS21は、停電時などでもしばらくの間、各部に電気を供給する装置である。
エアコンは、盤筐体10内の空気を循環できるのであれば、盤筐体10内の左右上部で且つ前後中途位置など、何れの位置に設けていても構わない。
【0035】
補機は、補機変圧器(変圧器)や遮断機を備え、変換部5における制御電源やファン電源、UPS21、エアコン、盤筐体10内の照明、コンセント等に電力を供給する。
尚、この補機から制御電源を供給されるため、変換部5は、補機が無くては、電流の変換できない。
更に、変換部5が変換できなければ、変圧器2による変圧も、送電部3の送電も行うことが出来ないとも言える。よって、補機は、送電部3の送電、変換部5の変換、変圧器2の変圧を補う補助機器17に含まれる場合もある。
【0036】
又、上述した補機や集電部を含む補助機器17は、変換部5と共に、送電部3を中心として変圧器2から遠ざかる側に配置されていると言える。
これにより、盤筐体10内で、この補助機器17よりも、送電部3が変圧器2に近い側に配設されることとなり、その結果、盤筐体10内における送電部3から変圧器2への高圧電路4Hの長さが、可及的に短くなり、補助機器17を使用者が点検する等の際にも、高圧部分と不用意に接触する可能性が減る。
【0037】
<太陽光発電プラント>
以下、本発明の第1実施形態に係る配置システム1を用いた太陽光発電プラントについて述べる。
この太陽光発電プラントは、多数の太陽電池と、これら多数の太陽電池のうち所定数ごとと導通する複数の接続箱(遮断機等付き)と、これら複数の接続箱全てと導通する配置システム1と、この配置システム1と電力会社等が有する配電網を導通する配電電路Gなどを有している。
【0038】
尚、最終的に各配置システム1から配電網へ送電する時の電圧は、売電や買電が可能な電圧(例えば、6600V等)でも良いが、配電電路Gで送電する電圧を、売電・買電可能な電圧よりも高圧(例えば、特別高圧(特高)として、例えば、22000V等)としても構わない。
この場合、特高として流す配電電路Gを出来るだけ長くする(長距離配線とする)ことで、電路使用量・送電ロスが削減でき、更には、特高まで昇圧するサブ変電所を別途設ける必要がなくなり、コストダウンが図れる。
又、太陽電池、接続箱、配置システム1は、設置する土地の広さ・形状に応じて配列するが、例えば、1つの配置システム1の発電力を、例えば、1500kWや2000kW)とし、この配置システム1を複数台(例えば、10台以上で15000kW(=15MW)以上や20000kW(=20MW)以上、20台で30000kW(30MW)や40000kW(40MW))設けた太陽光発電プラントとしても良い。
【0039】
<第2実施形態>
図8〜12には、本発明の第2実施形態に係る配置システム1が示されている。
この第2実施形態において第1実施形態と最も異なるのは、送電部3と変換部5を1つの盤筐体10内に収納している点である。
つまり、第2実施形態は、盤筐体10内には送電部3と変換部5を設け、盤筐体10に外から変圧器2を取り付ける形でワンパッケージ化することで、変圧器2周辺のスペースを確保でき、変圧器2も盤筐体10内に設けた場合よりも、周辺スペース分だけ、所定方向の長さが短くなると同時に、盤筐体10内で送電部3と変換部5だけを冷却すれば良く、冷却に要する電力が抑えられる。又、現地組立工事不要なため、大幅な工期短縮が可能となる。
【0040】
これに加えて、変圧器2と送電部3と変換部5を、変換部5、送電部3、変圧器2の順で、所定方向に並べて配置することとなり、これにより、1つの盤筐体10内で、送電部3が変換部5より変圧器2に近い側に配設されることとなり、その結果、盤筐体10内における変圧器2から送電部3への高圧電路4Hの長さが、盤筐体10内における変換部5から変圧器2への低圧電路4Lの長さより短くなり、その短さの分だけ、点検時等に、高圧部分と不用意に接触する可能性が減る。
つまり、「不用意な接触の抑制」と「盤の小型化」の両立を実現できる。
この両立は、盤筐体10内で、補助機器17及び/又は変換部5(低圧部16)を、送電部3を中心として変圧器2から遠ざかる側に配置した場合でも同様である。
【0041】
第2実施形態では、送電盤筐体10Aの外面に熱交換機22が設けられていても良い。このような第2実施形態の配電システム1は、密閉型の構造であるため、各機器の故障率を低下させることも出来る。
又、第2実施形態の配電システム1では、盤筐体10に複数の扉10aをも設けていても良い(送電盤筐体10Aには、前後に1つずつ扉10aを設け、変換盤筐体10Bにも前面に扉10aを設けている)。
その他の配置システム1、配置システム1を用いた太陽光発電プラントの構成、作用効果及び使用態様は、第1実施形態と同様である。
【0042】
<その他>
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。配置システム1等の各構成又は全体の構造、形状、寸法などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することが出来る。
配置システム1は、太陽光発電以外に、風力発電等、交流電流を流入させた場合にも、利用可能である。
【0043】
配置システム1は蓄電池を内蔵しても良く、太陽光発電等の発電量に余剰が生じた場合には、蓄電池に充電し、発電量が減った場合(曇り・雨天時や夜間)には、蓄電池からの電力で、各住宅(需要家)の使用量をまかなっても良い。
配置システム1は、変換部5を有していなくても(盤筐体10内に変換部5が収納されていなくても)良く、その代わりに、変換部5を所定数の太陽電池を纏めた接続箱それぞれに内蔵させても良い。
この場合、盤筐体10内において、補助機器17及び/又は低圧部16が、送電部3を中心として変圧器2から遠ざかる側に配置されていることとなる。
尚、盤筐体10外では、1又は複数の変換部5が設けられていても良い。
【0044】
又、配置システム1は、盤筐体10の上面に、クレーン等で吊上可能なフックを設けていても良く、このフックを介して吊り上げた配置システム1全体を、事前に施工した基礎(土台)上に据え付けても構わない。
この基礎は、コンクリート製や、鋼材(H鋼)製など何れの素材でも良く、その形状も、一様な厚みを持つベタ基礎や、盤筐体10の床面下方に空間を形成するよう凹み等を有したゲタ基礎であっても構わない。
【0045】
変圧器2は、放熱器11の代わりに、放熱フィンを有していても良い。
送電部3におけるVCB15は、メンテナンス性の向上のため、例えば、前後方向に引出式となっていても良く、送電盤筐体10A内に扉10aを開けてメンテナンスをする点検者は、VCB15を手前に引き出す(送電盤筐体10A外まで引き出しても構わない)。
低圧部16には、油入変圧器(OTR)23や変流器(CT)24が設けられていても良い。
【産業上の利用可能性】
【0046】
配置システムは、太陽光発電プラント以外に、風力、水力、波力等によって回転される発電機(モータ)によって発電するプラント等において使用でき、屋外・屋内を問わず利用可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 配置システム
2 変圧器
3 送電部
4L 低圧電路
4H 高圧電路
5 変換部
L 低圧交流電流
H 高圧交流電流
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12