(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記(C−1)成分および/又は前記(C−2)成分が各々、ホウ素を前記(C−1)成分または前記(C−2)成分の質量に対して0.1〜3質量%の量で含有する、請求項4に記載の潤滑油組成物。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、低粘度化した場合においても金属間摩擦係数を低下させることなくシャダー防止寿命を延長された潤滑油組成物を提供することを第一の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは鋭意検討を進めた結果、無灰分散剤として、特定の質量平均分子量を有する2種類のコハク酸イミド化合物を組合せ、さらに特定の摩擦調整剤を併用することにより、低粘度化した場合においても金属間摩擦係数を低下させることなくシャダー防止寿命を延長できることを見出し、本発明を成すに至った。
【0008】
すなわち本発明は、
(A)潤滑油基油、
(C)(C-1)質量平均分子量4,000〜7,000のコハク酸イミド化合物またはホウ素化コハク酸イミド化合物、
(C-2)質量平均分子量7,000超〜10,000のコハク酸イミド化合物またはホウ素化コハク酸イミド化合物、
(D)(D−1)アミド系摩擦調整剤
からなることを特徴とする潤滑油組成物である。
【0009】
また、燃費向上のためには、高温(例えば100℃)での粘度をできるだけ維持しつつ、燃費に影響する低温(例えば40℃)の粘度を低減すること、すなわち高い粘度指数が求められるが、従来の無段変速機潤滑油組成物では、機械的せん断により基油や粘度指数向上剤の高分子鎖が切断され、走行に伴い高温粘度の低下を招くという問題がある。
【0010】
本発明者らは上記潤滑油組成物においてさらに潤滑油基油(A)と粘度指数向上剤の構成を特定することにより、金属間摩擦係数を低下させることなくシャダー防止寿命を延長する効果に加えて、せん断安定性を向上することができることを見出した。
すなわち、本発明の潤滑油組成物は、好ましくは、
前記(A)成分の一部又は全部として、100℃での動粘度6〜80mm
2/sを有するポリα−オレフィン又はα−オレフィン共重合体を、潤滑油組成物全体の質量に対して5〜30質量%で含有し、さらに
(B)質量平均分子量15,000〜40,000を有するポリメタクリレートを含有する。
【0011】
さらに本発明の潤滑油組成物の好適な態様は、下記(1)〜(11)の少なくとも1の特徴を有する。
(1)(D−2)ホウ酸または酸化ホウ素とエポキシドとの反応生成物からなる摩擦調整剤をさらに含有する。
(2)前記(C-1)成分および前記(C−2)成分の一部または全部が、ホウ素化コハク酸イミドである。
(3)前記(C-1)成分および/又は前記(C−2)成分が各々、ホウ素を前記(C-1)成分または前記(C−2)成分の質量に対して0.1〜3質量%の量で含有する。
(4)前記(C-1)成分と前記(C−2)成分の質量比が(C−2)/(C−1)=1〜10である。
(5)潤滑油組成物が、100℃における動粘度3〜10mm
2/sを有する。
(6)潤滑油組成物が、粘度指数150以上を有する。
(7)前記(D−1)が炭素数6〜30のアルキル基又はアルケニル基を有する脂肪酸から誘導されるアミド化合物から少なくとも1種以上選択される。
(8)前記(D−2)が下記の一般式で表されるエポキシドとホウ酸または酸化ホウ素との反応生成物、又はその開環物から少なくとも1種以上選択される。
(R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立して水素原子、または1個〜30個の炭素原子を含有する炭化水素を示し、そのうち少なくとも1個は炭化水素基である。)
(9)潤滑油組成物が、さらに、(E)金属清浄剤を含有する。
(10)潤滑油組成物が、さらに、(F)エーテルスルホラン化合物を含有する。
(11)潤滑油組成物が、無段変速機用である。
【0012】
特には、上記潤滑油組成物は、前記(A)成分の一部又は全部として、100℃での動粘度6〜80mm
2/sを有するポリα−オレフィン又はα−オレフィン共重合体を、潤滑油組成物全体の質量に対して5〜30質量%で含有し、且つ、(E)エーテルスルホラン化合物を含有するのが好ましい。合成基油は鉱物油に比べてパッキンやガスケットと呼ばれるオイルシールゴムとの親和性が低く、また、高分子量(高粘度)基油ほどその親和性は低くなる。親和性が低いとシールゴムの膨潤が低下し、逆に収縮しやすくなる。これによりシール性が低下し油漏れを起こすという問題がある。本発明の潤滑油組成物を当該構成とすることにより、シールゴムの膨潤性をより確保することができる。
さらに、上記潤滑油組成物は、(D−2)ホウ酸または酸化ホウ素とエポキシドとの反応生成物からなる摩擦調整剤を含有することにより、初期のシャダー特性に優れるという特徴を有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の潤滑油組成物は、金属間摩擦係数を低下させることなくシャダー防止寿命を延長することができる。当該効果は潤滑油組成物の100℃での動粘度を5.0程度にまで下げたとしても達成できる。また本発明によれば、当該効果に加えてさらに、せん断安定性を向上した潤滑油組成物を提供することができる。さらには、シールゴムの膨潤性を確保することもできる。さらにシャダー特性の中でも初期特性を改善することができる。本発明の潤滑油組成物は無段変速機用潤滑油組成物として特に好適に使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(A)潤滑油基油
本発明における潤滑油基油としては、従来公知の潤滑油基油を使用でき、鉱油、合成油、あるいはこれらの混合油がある。特には、潤滑油基油の一部又は全部として、100℃での動粘度6〜80mm
2/sを有するポリα−オレフィン又はα−オレフィン共重合体を、潤滑油組成物全体の質量に対して5〜30質量%含有するのが好ましく、より好ましくは下限は6質量%、より好ましくは、8質量%、上限は25質量%、より好ましくは、20質量%である。前記基油の含有量が前記下限値未満では十分な粘度指数、すなわち省燃費性と機械要素への保護性能の両立が得られず、前記上限値超ではせん断安定性の低下やゴムの適合性の悪化(ゴムの収縮)が起きるおそれがある。
【0016】
ポリα−オレフィン及びα−オレフィン共重合体は、100℃での動粘度6〜80mm
2/sを有するのがよく、好ましくは8〜80mm
2/sであり、より好ましくは8〜60mm
2/sであり、さらに好ましくは9〜40mm
2/sであるのがよい。100℃での動粘度が前記下限値未満では、粘度指数、すなわち省燃費性と機械要素への保護性能の両立が得られず、100℃での動粘度が前記上限値超では、せん断安定性やゴムの適合性の悪化(ゴムの収縮)するため好ましくない。
【0017】
ポリα−オレフィン又はα−オレフィン共重合体は、α−オレフィンの(コ)ポリマー又は(コ)オリゴマーであり、上記動粘度を有するものであればよく、潤滑油基油として従来公知のものを使用できる。α−オレフィンは、例えば、炭素数2〜14、好ましくは炭素数4〜12の直鎖又は分岐のオレフィン炭化水素から選ばれるものである。例えば、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー、エチレン−プロピレンオリゴマー、イソブテンオリゴマー並びにこれらの水素化物が挙げられる。また、ポリα−オレフィン又はα−オレフィン共重合体は、メタロセン触媒を用いて製造されたものであってもよい。該(コ)ポリマー又は(コ)オリゴマーの質量平均分子量は、100℃での動粘度が上記範囲を満たすものであればよい。例えば質量平均分子量1,000〜10,000、好ましくは1,100〜7,000を有するものである。ポリα−オレフィン又はα−オレフィン共重合体は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0018】
本発明の潤滑油組成物は、上記ポリα−オレフィン又はα−オレフィン共重合体と併用して他の潤滑油基油を含んでよい。これらの潤滑油基油は特に制限されるものでなく、従来公知の鉱油系基油及び上記ポリα−オレフィン及びα−オレフィン共重合体以外の合成系基油が使用できる。
【0019】
鉱油系基油としては、原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理等を適宜組み合わせて精製した、パラフィン系、ナフテン系等の潤滑油基油や、溶剤脱ロウで得たワックスを異性化、脱ろうして得られる潤滑油基油が挙げられる。該鉱油系基油の動粘度は特に制限されるものでないが、低粘度を有する潤滑油組成物を得るためには、1〜5mm
2/sであるのが好ましい。
【0020】
合成系基油としては、イソパラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、モノエステル、ジエステル、ポリオールエステル、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテル並びにGTL基油等が使用できる。該合成系基油の動粘度は特に制限されるものでない。また、100℃での動粘度が6mm
2/s未満又は80mm
2/s超であるポリα−オレフィン又はα−オレフィン共重合体を使用することも可能である。低粘度を有する潤滑油組成物を得るためには、合成系基油の動粘度は1〜6mm
2/sであるのが好ましい。
【0021】
上記併用出来る基油は、1種を単独で使用しても、2種以上を使用してもよい。2種以上を使用する場合、2種以上の鉱油系基油の使用、2種以上の合成系基油の使用、及び1種以上の鉱油系基油と1種以上の合成系基油の使用が可能である。中でも、鉱油系基油の単独使用、2種以上の鉱油系基油の使用、100℃の動粘度が1〜6mm
2/s未満である合成系基油の単独使用、100℃の動粘度が1〜6mm
2/s未満である2種以上の合成系基油の使用が好適である。
【0022】
また、低粘度を有する潤滑油組成物を得るためには、潤滑油基油全体として、100℃での動粘度2〜7mm
2/s、好ましくは2.3〜6mm
2/s、特には2.5〜5.6mm
2/sを有することが好ましい。
【0023】
(B)粘度指数向上剤
本発明の潤滑油組成物は従来公知の粘度指数向上剤を含有することができる。好ましくは、粘度指数向上剤として質量平均分子量15,000〜40,000を有するポリメタクリレートを含むのが好ましい。質量平均分子量の下限は、好ましくは17,000、より好ましくは18,000である。質量平均分子量の上限は、好ましくは38,000、より好ましくは36,000である。質量平均分子量が前記下限値未満であると、粘度指数向上の効果が不十分であり、質量平均分子量が前記上限値超である場合には、粘度指数向上の効果は得られるものの、せん断安定性が悪化するため好ましくない。前記ポリメタクリレートの含有量は限定的ではないが、潤滑油組成物中0.1〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、2〜10質量%がさらに好ましい。
【0024】
上記ポリメタクリレートは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0025】
本発明の潤滑油組成物は、上記ポリメタクリレートと併せて他の粘度指数向上剤を含んでもよい。当該他の粘度指数向上剤としては、質量平均分子量が15,000未満のポリメタクリレート、質量平均分子量が40,000超であるポリメタクリレート、ポリイソブチレン及びその水添物、スチレン−ジエン水素化共重合体、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体及びポリアルキルスチレンが挙げられる。他の粘度指数向上剤を含む場合に、その配合量は、潤滑油組成物中に 0.1〜15質量%となる量が好ましい。
【0026】
(C)コハク酸イミド化合物
本発明の潤滑油組成物は、無灰分散剤として、2種類の特定のコハク酸イミド化合物を含むことを特徴とする。すなわち本発明は、潤滑油組成物が、(C−1)質量平均分子量4,000〜7,000、好ましくは5,000〜7,000、を有するコハク酸イミド化合物と、(C−2)質量平均分子量7,000超〜10,000、好ましくは7,100〜9,600、を有するコハク酸イミド化合物とを組合わせることを特徴とする。以下において、上記(C−1)成分を第1のコハク酸イミド化合物といい、上記(C−2)成分を第2のコハク酸イミド化合物ということがある。
なお、限定的ではないが、(C-1)成分および前記(C−2)成分の一部または全部がホウ素化コハク酸イミドであってもよい。
(C)成分は好ましくは、組成物全体に対し0.5〜3.0質量%、より好ましくは0.6〜2.5質量%、さらに好ましくは0.9〜2.0質量%の量で組成物に含有される。上記下限未満では、シャダー防止性が確保できなくなる可能性がある。上記上限超では、低温における粘度が高くなる可能性がある。
【0027】
(C−1)成分と(C−2)成分との質量比は、限定的ではないが、(C−2)/(C−1)=1〜10が好ましく、1.5〜8がより好ましく、2〜6がさらに好ましい。上記範囲の比において、摩擦係数とシャダー特性とのより良い両立を図ることができる。
(C−1)の量が不足の場合には、シャダー防止性が低温、例えば40℃で不十分であり、この不十分さが耐久試験の中で早期に顕在化するという問題があり、
(C−2)の量が不足の場合には、高温、例えば120℃でのシャダー防止性が不十分であり、この不十分さが耐久試験の中で早期に顕在化するという問題がある。
【0028】
本発明における第1及び第2のコハク酸イミド化合物は、無灰分散剤として公知のコハク酸イミド化合物であってよい。
【0029】
コハク酸イミド化合物とは、より詳細には、ポリアミンに無水コハク酸が付加した化合物である。モノタイプのコハク酸イミド化合物及びビスタイプのコハク酸イミド化合物があり、いずれも使用することができる。モノタイプのコハク酸イミド化合物は例えば下記式(1)で表すことができる。ビスタイプのコハク酸イミド化合物は例えば下記式(2)で表すことができる。
【化1】
【化2】
上記式において、R
1は互いに独立に炭素数40〜400のアルキル基またはアルケニル基であり、mは1〜20の整数であり、nは0〜20の整数である。特にはビスタイプのコハク酸イミド化合物が好ましい。ホウ素化コハク酸イミド化合物は、モノタイプ及びビスタイプの併用、2種以上のモノタイプの併用、2種以上のビスタイプの併用であってもよい。コハク酸イミド化合物中の窒素含有量は、限定的ではないが、化合物の質量に対して0.3〜10質量%が好ましく、さらには0.5〜5質量%が好ましく、特には0.8〜2.5質量%が好ましい。
【0030】
任意であるホウ素化コハク酸イミド化合物は、より詳細には、上記式で表されるようなコハク酸イミド化合物とホウ素化合物とを反応して得られた化合物である。ホウ素化合物とは、ホウ酸、ホウ酸無水物、ホウ酸エステル、酸化ホウ素、及びハロゲン化ホウ素などである。なお、ホウ素化コハク酸イミド化合物とは、アルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有するコハク酸イミド化合物を、ホウ酸又はホウ酸塩等で変性した(ホウ素化した)ものが挙げられる。アルキル基又はアルケニル基とは、例えば、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン等のオレフィンのオリゴマー、エチレンとプロピレンのコオリゴマーなどから誘導される一価の基が挙げられる。
【0031】
(C−1)第1のコハク酸イミド化合物は、質量平均分子量4,000〜7,000を有する。該質量平均分子量は、好ましくは5,000〜7,000であり、さらに好ましくは5,200〜6,800である。第1のコハク酸イミド化合物の分子量が上記下限未満であると、シャダー特性が悪化する。
尚、本発明において、第1のホウ素化コハク酸イミド化合物の質量平均分子量は、溶媒:THF(テトラヒドロフラン)、充填カラム:スチレン・ジビニルベンゼン共重合体、設定温度:40℃、設定流量1.0ml/分で、RI(示差屈折)検出器にて測定された、ポリスチレン換算の値である。
【0032】
第1のコハク酸イミド化合物としてホウ素化コハク酸イミド化合物を使用する場合におけるホウ素含有量は、限定的ではないが、化合物の質量に対して0.1〜3質量%が好ましく、さらには0.2〜2.5質量%が好ましく、さらには0.2〜2質量%が好ましく、特には0.2〜1.5質量%が好ましい。
【0033】
潤滑油組成物中における第1のコハク酸イミド化合物の含有量は、限定的ではないが、潤滑油組成物の質量全体に対して0.05〜2.00質量%が好ましく、0.08〜1.80質量%がより好ましく、0.10〜1.50質量%がさらに好ましい。含有量が前記下限値未満では十分な清浄性が確保できない可能性があり、前記上限値を超えるとスラッジが発生する可能性がある。
なお、第1のコハク酸イミド化合物としてはホウ素化されていないコハク酸イミド化合物、ホウ素化コハク酸イミド化合物のうちから少なくとも1種以上選択されたものを使用することができる。したがって、ホウ素化されていないコハク酸イミド化合物を単独又は2種以上、ホウ素化コハク酸イミド化合物単独又は2種以上、ホウ素化されていないコハク酸イミド化合物1種以上とホウ素化コハク酸イミド化合物1種以上との組み合わせのいずれであってもよい。
【0034】
(C−2)第2のコハク酸イミド化合物は、質量平均分子量7,000超〜10,000を有する。該質量平均分子量は、好ましくは7,100〜9,600であり、さらに好ましくは7,500〜9,200であるのがよい。第2のコハク酸イミド化合物の分子量が上記上限を超えると、組成物の低温粘度が不都合なまでに上がる。
尚、本発明において、第2のコハク酸イミド化合物の質量平均分子量は、溶媒:THF(テトラヒドロフラン)、充填カラム:スチレン・ジビニルベンゼン共重合体、設定温度:40℃、設定流量1.0ml/分で、RI(示差屈折)検出器にて測定された、ポリスチレン換算の値である。
【0035】
第2のコハク酸イミド化合物としてホウ素化コハク酸イミド化合物を使用する場合、ホウ素含有量は、限定的ではないが、化合物の質量に対して0.1〜3質量%が好ましく、さらには0.2〜2.5質量%が好ましく、さらには0.2〜2質量%が好ましく、特には0.2〜1.5質量%が好ましい。コハク酸イミド化合物中の窒素含有量は、限定的ではないが、0.2〜5.0質量%が好ましく、さらには0.3〜2.5質量%が好ましく、特には0.5〜2.0質量%が好ましい。
【0036】
潤滑油組成物中における第2のコハク酸イミド化合物の含有量は、限定的ではないが、潤滑油組成物の質量全体に対して0.2〜3.0質量%が好ましく、0.4〜2.5質量%がより好ましく、0.6〜2.0質量%がさらに好ましい。前記下限値未満では十分な清浄性が確保できない可能性があり、前記上限値を超えると組成物の低温粘度が不都合なまでに上がる。
なお、第2のコハク酸イミド化合物としてはホウ素化されていないコハク酸イミド化合物、ホウ素化コハク酸イミド化合物のうちから少なくとも1種以上選択されたものを使用することができる。したがって、ホウ素化されていないコハク酸イミド化合物を単独又は2種以上、ホウ素化コハク酸イミド化合物単独又は2種以上、ホウ素化されていないコハク酸イミド化合物1種以上とホウ素化コハク酸イミド化合物1種以上との組み合わせのいずれであってもよい。
【0037】
本発明の潤滑剤組成物は、上記(C−1)成分及び上記(C−2)成分と併用して、他の無灰分散剤をさらに含有することができる。他の無灰分散剤として典型的には、コハク酸アミド化合物が挙げられる。
【0038】
本発明の潤滑油組成物は、上記(A)〜(C)成分に加えて、さらに(D)(D−1)アミド系摩擦調整剤を必須とし、必要に応じて(D−2)ホウ酸または酸化ホウ素とエポキシドとの反応生成物からなる摩擦調整剤を使用する。
(D)摩擦調整剤
摩擦調整剤は、(D−1)アミド系摩擦調整剤を必須とし、(D−2)ホウ酸または酸化ホウ素とエポキシドとの反応生成物からなる摩擦調整剤は必要に応じて使用される。
(D−1)アミド系摩擦調整剤としては、限定されることはないが、脂肪酸アミド化合物が好適に使用され、特に直鎖状の脂肪酸と、脂肪族モノアミンまたは脂肪族ポリアミンとのアミドが使用でき、中でも炭素数6〜30のアルキル基又はアルケニル基を有する脂肪酸アミド化合物が好適に使用することができる。より具体的には、例えば、ラウリン酸アミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノプロパノールアミド、ミリスチン酸アミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸モノプロパノールアミド、パルミチン酸アミド、パルミチン酸ジエタノールアミド、パルミチン酸モノプロパノールアミド、ステアリン酸アミド、イソステアリン酸アミド、ステアリン酸ジメタノールアミド、イソステアリン酸ジメタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、イソステアリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸モノプロパノールアミド、イソステアリン酸モノプロパノールアミド、イソステアリン酸トリス(ヒドロキシメチル)メチレンアミド、オレイン酸アミド、オレイン酸ジメタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、オレイン酸モノプロパノールアミド、ヤシ油脂肪酸アミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノプロパノールアミド、炭素数12〜13の合成混合脂肪酸アミド、炭素数12〜13の合成混合脂肪酸ジエタノールアミド、炭素数12〜13の合成混合脂肪酸モノプロパノールアミド、およびこれらの混合物等が特に好ましく用いられる。
この(D−1)アミド系摩擦調整剤は、必須成分である。
【0039】
本発明の潤滑油組成物は、(D−1)アミド系摩擦調整剤を必須成分として含有する限りにおいて、他の摩擦調整剤を含むことを妨げない。たとえば、他のエステル系摩擦調整剤、アミン系摩擦調整剤、アルコール系摩擦調整剤、モリブデン系摩擦調整剤などの任意の摩擦調整剤を包含することができる。
中でも(D−2)ホウ酸または酸化ホウ素とエポキシドとの反応生成物からなる摩擦調整剤を使用すると、初期のシャダー特性を改良することとなるため、好ましく用いられる。
【0040】
(D−2)ホウ酸または酸化ホウ素とエポキシドとの反応生成物からなる摩擦調整剤ある。該反応生成物からなる摩擦調整剤は、自体、周知であり、たとえば特開2000−87068号公報に記載されている。ホウ酸としては、種々の形のホウ酸(メタホウ酸、HBO
2、オルトホウ酸、H
3BO
3、およびテトラホウ酸、H
2B
4O
7を含めて)、および式(RO)
xB(OH)
y(ここで、xは、1〜3であり、そしてyは、0〜2であり、xおよびyの合計は、3であり、ここで、Rは、1個〜6個の炭素原子を含有するアルキル基である)のホウ酸アルキルが挙げられる。エポキシドそのもの、あるいはその反応の観点での等価物、例えば、ジオールおよびハロヒドリンである。米国特許第4,584,115号に詳細に記述されており、一般に、エポキシド(好ましくは、ヒドロカルビルエポキシド)とホウ酸または三酸化ホウ素とを反応させることにより、調製される。エポキシドは、以下の一般式により、表わされ得る。
【化3】
ここで、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素原子、または1個〜30個の炭素原子を含有する炭化水素基であり、その少なくとも1個は、炭化水素基である。このR1、R2、R3及びR4のうち任意の2個が、それらが結合される原子と一緒になって環状基(脂環式または複素環式であり得る)を形成していてもよい。
限定的ではないが、R1、R2、R3及びR4のうち、いずれか一つが炭素数6〜30を有する炭化水素基であり、残こりが水素原子であることが好ましい。
炭素数6〜30の炭化水素基としては、限定的ではないが、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、等が挙げられるほか、飽和又は不飽和の脂肪酸残基を挙げることができる。
たとえば、飽和脂肪酸残基としては、カブロン酸残基、カプリル酸残基、カプリン酸残基、ラウリン酸残基、ミリスチル酸残基、パルミチル酸残基、ステアリル酸残基及びイソステアリル酸残基が挙げられる。
また、不飽和脂肪酸残基としては、リノール酸残基、α-リノレン酸残基、γ-リノレン酸残基、アラキドン酸残基、ドコサペンタ塩酸残基、パルミトレイン酸残基、バクセン酸残基、パウリン酸残基、オレイン酸残基(オレイル基)、エライジン酸残基、エルカ酸残基、ネルボン酸残基などが挙げられる。
【0041】
これらのエポキシドは、C
14-16またはC
14-18エポキシドの市販混合物であり得、これは、ELF−ATOCHEMまたはUnion Carbideから購入でき、また、公知方法により、対応するオレフィンから調製され得る。ホウ酸または酸化ホウ素(以下、まとめて単にホウ酸ということがある)とエポキシドまたはその等価物(以下、まとめて単にエポキシドと言うことがある)とを混合し、適切な温度(典型的には、80℃〜250℃)で加熱することにより、反応物が調製される。ホウ酸とエポキシドのモル比は、一般に、4:1〜1:4である。1:1〜1:3の比が好ましく、1:2は、特に好ましい比である。この反応を行う際に、不活性液体を反応媒体として使用し得る。この液体は、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジメチルホルムアミドなどであり得る。反応により、水が形成され、典型的には、この反応操作中に留去される。この反応を促進するために、水酸化物が使用され得る。反応生成物においてエポキシ環が開環していいても良い。該反応性生物の調製方法は、特許出願公開昭57−200496号公報にも記載されている。
このようにして得られた化合物は、摩擦調整剤として有効に使用され、良好なシャダー特性をもたらす。
【0042】
(D−2)の例としては、限定されることはないが、脂肪酸エポキシエステルのホウ酸塩化物又はその開環物が好ましく、たとえば、カプリル酸グリシジルのホウ酸塩化物、カプリン酸グリシジルのホウ酸塩化物、ミリスチン酸グリシジルのホウ酸塩化物、パルミチン酸グリシジルのホウ酸塩化物、オレイン酸グリシジルのホウ酸塩化物、オレイン酸エチレンオキシドのホウ酸塩化物、ステアリン酸グリシジルのホウ酸塩化物、イソステアリン酸グリシジルのホウ酸塩化物、ラウリン酸グリシジルのホウ酸塩化物等を挙げることができる。
【0043】
(D−1)の添加量は、限定的ではないが、潤滑油組成物の全質量当たり0.01〜5質量%であることが好ましく、0.02〜4質量%であることがより好ましく、0.1〜3質量%であることが一層好ましい。
(D−2)は、
必須ではないが、添加する場合は、潤滑油組成物の全質量当たり0.01〜5質量%であることが好ましく、0.02〜4質量%であることがより好ましく、0.1〜3質量%であることが一層好ましい。
【0044】
本発明の潤滑油組成物は、上記(A)〜(D)成分に加えて、さらに(E)金属清浄剤及び/又は(F)エーテルスルホラン化合物を含むことが好ましい。
【0045】
(E)金属清浄剤
金属清浄剤としてはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を有する清浄剤が挙げられる。例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有するスルフォネート、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有するサリシレート、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有するフェネートが挙げられるが、これに限定されない。また、アルカリ金属又はアルカリ土類金属としては、マグネシウム、バリウム、ナトリウム、及びカルシウムが挙げられるが、これに限定されない。
【0046】
アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有するスルフォネートとしては、限定的ではないが、カルシウムスルフォネート、及びマグネシウムスルフォネートが好ましく用いられる。
【0047】
アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有するサリシレートとしては、限定的ではないが、カルシウムサリシレート、及びマグネシウムサリシレートが好ましく用いられる。
【0048】
アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有するフェネートとしては、限定的ではないが、カルシウムフェネート、及びマグネシウムフェネートが好ましく用いられる。
【0049】
金属清浄剤中に含まれるアルカリ金属又はアルカリ土類金属の量は、限定的ではないが、金属清浄剤の質量当たり0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がより好ましく、1.0〜15質量%がさらに好ましい。
【0050】
金属清浄剤は、限定的ではないが、全塩基価10〜500mgKOH/gを有するのが好ましく、50〜400mgKOH/gがより好ましく、150〜400mgKOH/gがさらに好ましい。特には、200〜400mgKOH/gとした場合、より一層好ましくは300〜400mgKOH/gとした場合、最も好ましくは310〜400mgKOH/gとした場合には、清浄性効果も高く、スラッジの発生も抑制可能となるため、最も好ましい。
【0051】
金属清浄剤は、潤滑油組成物中に任意の割合で含有される。例えば、潤滑油組成物全質量当たり0〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜2質量%であり、さらに好ましくは0.2〜1質量%である。
【0052】
金属清浄剤は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。併用する場合でも種類の限定はなく、たとえばスルフォネート化合物同士、サリシレート化合物同士、フェネート化合物同士でもよいが、スルフォネート化合物とサリシレート化合物、スルフォネート化合物とフェネート化合物、サリシレート化合物とフェネート化合物という組み合わせであってもよい。
【0053】
(F)エーテルスルホラン化合物
本発明の潤滑油組成物はエーテルスルホラン化合物を含有することにより適度なシールゴム膨潤性をより確保することができる。エーテルスルホラン化合物とは、以下のような化合物である。
【化4】
上記式において、Rは炭素数1〜20のアルキル基であり、好ましくは炭素数8〜16のアルキル基である。
【0054】
エーテルスルホラン化合物の配合量は、潤滑油組成物全質量当たり0〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%がさらに好ましく、0.2〜1質量%がより好ましい。
【0055】
本発明の潤滑油組成物中は、上記(B)ないし(F)以外のその他の添加剤をさらに含んでもよい。たとえば、油性剤、摩耗防止剤、極圧剤、さび止め剤、上記以外の摩擦調整剤、酸化防止剤、腐食防止剤、金属不活性化剤、流動点降下剤、消泡剤、着色剤、及び自動変速機油用パッケージ添加剤が挙げられる。これらのうち少なくとも1種を含有する各種潤滑油用パッケージ添加剤を添加することもできる。
【0056】
特に、極圧剤としては、限定的ではないが、リン系極圧剤を使用することができ、酸性リン酸エステル、酸性リン酸亜リン酸エステル、リン酸エステル又は亜リン酸エステル、及びこれらのアミン塩、リン酸又は亜リン酸から少なくとも1種以上選択されることが好ましい。
また、限定的ではないが、酸性リン酸エステル、酸性リン酸亜リン酸エステル、リン酸エステル又は亜リン酸エステル、及びこれらのアミン塩の中から少なくとも1種以上選択され、かつリン酸又は亜リン酸から少なくとも1種以上選択されることが好ましい。
さらに、限定的ではないが、酸性リン酸エステル、酸性リン酸亜リン酸エステル、リン酸エステル又は亜リン酸エステル、及びこれらのアミン塩の中から少なくとも1種以上選択され、かつリン酸又は亜リン酸から少なくとも1種以上選択されることが好ましい。
また、酸性リン酸エステルとリン酸又は亜リン酸から選ばれる1種以上の化合物との組み合わせも好ましく、特に酸性リン酸エステルのうち、酸性リン酸ブチルエステル、酸性リン酸ヘキシルエステル、酸性リン酸オクチルエステル、酸性リン酸ドデシルエステルの使用が好ましい。
これらのリン系極圧剤の量は、限定的ではないが、潤滑油組成物全質量当たり0.01〜2.5質量%が好ましく、0.02〜1.5質量%がより好ましく、0.02〜1.0質量%であることがさらに好ましい。
【0057】
本発明の潤滑油組成物の100℃での動粘度は、限定されることはないが、3〜10mm
2/sであることが好ましく、3〜8mm
2/sであることがより好ましく、4〜7.5mm
2/sであることがさらに好ましく、4〜6mm
2/sであることが一層好ましい。潤滑油組成物の100℃での動粘度が上記下限値未満であると、摩擦係数を十分に確保することができない可能性がある。また、上記上限値超であると、シャダー特性が悪くなる場合がある。
【0058】
本発明の潤滑油組成物の粘度指数は、限定されることはないが、150以上であることが好ましく、160以上であることがより好ましい。潤滑油組成物の粘度指数が上記下限値未満であると、40℃での燃費特性を十分に確保できない可能性がある。また、上限は限定されることはないが、250であることが好ましい。
【0059】
本発明の潤滑油組成物は、低粘度化されているにもかかわらず、十分大きな金属間摩擦係数を有し、且つ、シャダー特性も確保できるという効果を奏する。また、上記の通り、本発明に従いさらに基油及び粘度指数向上剤の構成を特定することにより、せん断安定性を確保することもできる。さらには、エーテルスルホラン化合物を含有することにより、適度なシールゴム膨潤性を確保することもできる。さらには、全塩基価が200〜400mgKOH/gの金属清浄剤を使用することによって、清浄性を確保しつつスラッジの発生を抑制できる。本発明の潤滑油組成物は無段変速機用として好適に用いることができる。
【実施例】
【0060】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0061】
実施例及び比較例にて使用した各成分は以下の通りである。下記に示す各成分を表1又は表2に示す組成にて混合して潤滑油組成物を調製した。下記においてKV100は100℃での動粘度を、VIは粘度指数を、PMAはポリメタクリレートを意味する。摩擦係数は、比較例8の組成物(市販品)を1とした場合の摩擦係数の比である。
(A)潤滑油基油
・鉱油1:高度水素化精製パラフィン系基油(KV100=3.1mm
2/s、VI=112)
・鉱油2:高度水素化精製パラフィン系基油(KV100=4.2mm
2/s、VI=122)
・鉱油3:高度水素化精製パラフィン系基油(KV100=4.2mm
2/s、VI=134)
・鉱油4:水素化精製パラフィン系基油(KV100=2.2mm
2/s、VI=109)
・鉱油5:水素化精製パラフィン系基油(KV100=2.5mm
2/s、VI=99)
・合成基油1:ポリ−α−オレフィン(KV100=10mm
2/s、VI=137)
・合成基油2:ポリ−α−オレフィン(KV100=40mm
2/s、VI=147)
・合成基油3:エチレン−α−オレフィン共重合体(KV100=10mm
2/s、 VI=150)
・合成基油4:エチレン−α−オレフィン共重合体(KV100=40mm
2/s、VI=155)
【0062】
(B)粘度指数向上剤
・PMA系粘度指数向上剤1(Mw=30,000)、-(CH
2-C(CH
3)(COOR))
n-構造を有する。
【0063】
(C)ホウ素化コハク酸イミド化合物
(C−1)
・ホウ素化コハク酸イミド化合物1(Mw=5,600、B:0.34wt%、N=1.58wt%、式(2)において、R1はポリイソブテニル基、n=4〜12の混合物)
・ホウ素化コハク酸イミド化合物3(Mw=4,600、 B:1.8wt%、N=2.35wt%、式(2)において、R1はポリイソブテニル基、n=4〜12の混合物)
(C−2)
・ホウ素化コハク酸イミド化合物2(Mw=8,500、B:0.23wt%、N=0.88wt%、式(2)において、R1はポリイソブテニル基、n=4〜12の混合物))
【0064】
(D)摩擦調整剤
(D-1)成分 アミド系摩擦調整剤
・(D-1a) イソステアリン酸とトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンとの反応物
・(D-1b) イソステアリン酸ジエタノールアミド
・(D-1c) ステアリン酸ジエタノールアミド
・(D-1d) オレイン酸ジエタノールアミド
・(D-1e) ラウリン酸ジエタノールアミド
(D-2)成分 ホウ素塩化エポキシド又はその開環物からなる摩擦調整剤
・(D-2a) オレイン酸エチレンオキシドのホウ素化物
・(D-2b) ステアリン酸エチレンオキシドのホウ素化物
・(D-2c) オレイン酸グリシジルのホウ素化物
・(D-2d) ラウリン酸グリシジルのホウ素化物
(E)金属清浄剤
・Caスルホネート(全塩基価350mgKOH/g)
・Caサリシレート(全塩基価300mgKOH/g)
・Mgサリシレート(全塩基価400mgKOH/g)
【0065】
(F)エーテルスルホラン化合物
・LUBRIZOL730(下記式において、R
1=C
10H
21の化合物)
【化5】
【0066】
(F)その他の添加剤
摩耗防止剤、摩擦調整剤、酸化防止剤、消泡剤、金属不活性化剤、及び着色剤
【0067】
【表1-1】
【0068】
【表1-2】
【0069】
【表2】