(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
[1]第1実施例
図1は第1実施例に係る贈り物情報紹介システム1の全体構成を表す。孫、甥及び姪等の生計が自立していない子供に対して、その子供の親戚である祖父、祖母、叔父及び叔母等が贈り物を贈ることがある。贈り物の贈り手は、様々な商品、様々なサービス、自分が持っている物及び手作りの物等のうちから、貰い手である子供が関心を持ってくれるものを贈りたいと考えるものである。
【0014】
しかし、子供は、保護者である親(実親又は養親)と一緒に住むことは普通であるが、親戚とは一緒に住んでいない場合が多い。そのため、贈り手である親戚は、貰い手である子供が関心を持つ贈り物が何かを知る機会が少ない。また、子供本人及び保護者である親とは連絡を取りづらいという親戚もいれば、本人達に聞かないで贈り物を贈って驚かせたいという親戚もいる。
【0015】
贈り物情報紹介システム1は、このような親戚に対して、貰い手である子供が関心を持ちそうな贈り物の候補を紹介するシステムであり、言い換えると、貰い手である子供が関心を持ちそうな贈り物を親戚にリコメンドするシステムである。贈り物情報紹介システム1は、ネットワーク2と、購入履歴蓄積装置10と、紹介情報サーバ装置20と、ユーザ端末30とを備える。
【0016】
ネットワーク2は、移動体通信網及びインターネット等を含む通信システムであり、自システムにアクセスする装置同士のデータのやり取りを仲介する。ネットワーク2には、購入履歴蓄積装置10及び紹介情報サーバ装置20が有線通信でアクセスしており、ユーザ端末30が無線通信でアクセスしている。なお、ネットワーク2とのアクセスは有線通信及び無線通信のどちらでもよい。
【0017】
贈り物情報紹介システム1においては、本実施例では、2通りのユーザが登録されている。保護者として登録される保護者ユーザと、贈り物の贈り手である親戚として登録される親戚ユーザである。もちろん、保護者の中にも、自分の親戚の子供に贈り物を贈る贈り手にもなるユーザもいるが、そのようなユーザは、保護者ユーザと親戚ユーザの両方で登録されるものとする。以下では、単に「保護者」と言った場合は登録された保護者ユーザを指し、単に「親戚」又は「贈り手」と言った場合は登録された親戚ユーザを指すものとする。
【0018】
購入履歴蓄積装置10は、保護者の購入履歴を蓄積する装置である。購入履歴蓄積装置10は、例えば図示せぬ電子決済システムから保護者の購入履歴を取得して蓄積する。保護者の購入履歴には、被保護者である子供のために商品又はサービス(例えばおもちゃ又は映画のチケット等)を購入したときの履歴が含まれている。そのため、保護者の購入履歴は、子供が関心を持つ対象を表すことになる。
【0019】
紹介情報サーバ装置20は、贈り物の候補を紹介する紹介情報を出力する装置である。紹介情報サーバ装置20は本発明の「情報処理装置」の一例である。紹介情報サーバ装置20は、本実施例では、購入履歴蓄積装置10が蓄積する保護者の購入履歴を取得して、取得した購入履歴に基づき、その保護者が保護する子供が関心を持ちそうな贈り物の候補を紹介する紹介情報を生成する。
【0020】
ユーザ端末30は、本実施例では、親戚(贈り物の贈り手として登録されたユーザ)が利用する端末装置であり、例えばスマートフォンである。この親戚は、ユーザ端末30に対して上記の紹介情報を要求する操作を行う。ユーザ端末30は、紹介情報を紹介情報サーバ装置20に要求し、紹介情報サーバ装置20は、要求された紹介情報を生成して要求元のユーザ端末30に対して出力する。ユーザ端末30は、出力されてきた紹介情報を表示する。上記の親戚は、表示された紹介情報を参考にして贈り物を用意することができる。
【0021】
図2は購入履歴蓄積装置10及び紹介情報サーバ装置20のハードウェア構成を表す。両装置は、いずれも、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信装置14と、入力装置15と、出力装置16と、バス17という各装置を備えるコンピュータである。なお、ここでいう「装置」という文言は、回路、デバイス及びユニット等に読み替えることができる。また、各装置は、1つ又は複数含まれていてもよいし、一部の装置が含まれていなくてもよい。
【0022】
プロセッサ11は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ11は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。また、プロセッサ11は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール及びデータ等を、ストレージ13及び/又は通信装置14からメモリ12に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。
【0023】
各種処理を実行するプロセッサ11は1つでもよいし、2以上であってもよく、2以上のプロセッサ11は、同時又は逐次に各種処理を実行してもよい。また、プロセッサ11は、1以上のチップで実装されてもよい。プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0024】
メモリ12は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)及びRAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ12は、レジスタ、キャッシュ及びメインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。メモリ12は、前述したプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール及びデータ等を保存することができる。
【0025】
ストレージ13は、コンピュータが読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ13は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ12及び/又はストレージ13を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0026】
通信装置14は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。入力装置15は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。
【0027】
出力装置16は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置15及び出力装置16は、一体となった構成(例えば、タッチスクリーン)であってもよい。また、プロセッサ11及びメモリ12等の各装置は、情報を通信するためのバス17を介して互いにアクセス可能となっている。バス17は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0028】
また、購入履歴蓄積装置10及び紹介情報サーバ装置20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、及び、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ11は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0029】
図3はユーザ端末30のハードウェア構成を表す。ユーザ端末30は、プロセッサ31と、メモリ32と、ストレージ33と、通信装置34と、入力装置35と、出力装置36と、測位装置37と、バス38という各装置を備えるコンピュータである。プロセッサ31から出力装置36及びバス38は、
図2に表す同名の各装置と共通するハードウェアである。測位装置37は、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を用いて自身の位置を測定するセンサを有し、測定した位置を緯度及び経度で表す位置データをプロセッサ31に供給する。
【0030】
贈り物情報紹介システム1が備える各装置のプロセッサがプログラムを実行して各部を制御することで、以下に述べる機能が実現される。
図4は贈り物情報紹介システム1が実現する機能構成を表す。購入履歴蓄積装置10は、購入履歴取得部101と、購入履歴蓄積部102とを備える。紹介情報サーバ装置20は、保護者特定部201と、親戚関係記憶部202と、保護者関連情報取得部203と、被保護者履歴抽出部204と、興味分野特定部205と、贈り物候補決定部206と、紹介情報生成部207と、紹介情報出力部208とを備える。ユーザ端末30は、紹介要求操作受付部301と、紹介情報表示部302とを備える。
【0031】
購入履歴蓄積装置10の購入履歴取得部101は、図示せぬ電子決済システム等から保護者の購入履歴を取得する。購入履歴取得部101は、取得した購入履歴を購入履歴蓄積部102に供給する。購入履歴蓄積部102は、取得された保護者の購入履歴を蓄積する。
図5は蓄積された購入履歴の一例を表す。購入履歴蓄積部102は、ユーザID、商品ID、商品名及び購入日時を対応付けて蓄積している。
【0032】
図5の例では、「U001」というユーザIDの保護者が、「シャンプー」、「お茶」、「キャラクターαのおまけ付きおやつ」、「化粧品」及び「サッカーボール」を購入した履歴が蓄積されている。また、
図5では図示を省いているが、購入履歴蓄積部102は、「U002」というユーザID及びその他のユーザIDについても購入履歴を蓄積しているものとする。
【0033】
ユーザ端末30の紹介要求操作受付部301は、紹介情報を要求する紹介要求操作を受け付ける。この紹介要求操作は、例えばユーザ端末30が被保護者への贈り物を検討する画面を表示させた状態で行われる。
図6は表示された贈り物検討画面の一例を表す。
図6の例では、ユーザ端末30が、「親戚のお子さんへの贈り物を検討しますか?」という文字列(上述した贈り物の贈り手である親戚にとっては、贈り物の貰い手である子供は当然ながら親戚である)と、はいボタンB1と、いいえボタンとを含む贈り物検討画面を出力装置36に表示している。
【0034】
この贈り物検討画面は、ユーザ端末30に導入されたアプリの機能で表示されてもよいし、例えば紹介情報サーバ装置20がウェブサーバの機能を有していてウェブページとして提供されてもよい。ユーザ端末30には、自端末を利用する親戚(贈り物の贈り手となるユーザ)のユーザIDが予め記憶されている。紹介要求操作受付部301は、はいボタンB1を選択する操作を紹介要求操作として受け付けると、記憶されているユーザIDを読み出して、読み出したユーザIDと紹介情報の要求とを示す要求データを紹介情報サーバ装置20に送信する。
【0035】
紹介情報サーバ装置20の保護者特定部201は、ユーザ端末30から送信されてきた要求データを受け取ると、その要求データが示す要求を行ったユーザIDに基づいて、贈り物の貰い手となる子供の保護者を特定する。保護者特定部201は、親戚関係記憶部202に記憶されている情報を用いてこの特定を行う。
【0036】
紹介情報サーバ装置20の親戚関係記憶部202は、登録されているユーザ(保護者及び親戚)の親戚関係を示す親戚関係情報を記憶する。
図7は記憶された親戚関係情報の一例を表す。
図7の例では、親戚関係記憶部202が、親戚ユーザID(親戚のユーザID)と、保護者ユーザID(保護者のユーザID)と、被保護者名前と、親戚との関係(孫、甥及び姪等)とを対応付けて記憶している。例えば「Aさん」の親戚ユーザIDである「U101」には、「U001」(父)及び「U002」(母)という保護者ユーザIDと、「太一くん」という被保護者の名前と、「孫」という親戚の関係とが対応付けられている。
【0037】
また、「Aさん」の「U101」には、別の保護者ユーザIDである「U007」(父)及び「U008」(母)と、「すみれちゃん」という被保護者の名前と、「孫」という親戚の関係も対応付けられている。また、「Bさん」の親戚ユーザIDである「U102」には、「U019」(父)及び「U020」(母)という保護者ユーザIDと、「渉くん、拓実くん」という被保護者の名前と、「甥、甥」という親戚の関係とが対応付けられている。これらの親戚関係情報は、本実施例では、ユーザ(保護者又は親戚)によって予め登録されているものとする。
【0038】
保護者特定部201は、受け取った要求データが示すユーザID(贈り物の贈り手である親戚のユーザID)に対応付けて親戚関係記憶部202が記憶している保護者ユーザIDを読み出し、読み出したユーザIDが示す保護者を贈り物の貰い手の保護者として特定する。例えば親戚ユーザIDが「U101」である場合、
図7に表す親戚関係情報では「U001」、「U002」、「U007」、「U008」という2組の保護者の保護者ユーザIDが対応付けられている。この場合に、本実施例では、保護者特定部201は保護者の絞り込みを行う。
【0039】
保護者特定部201は、両保護者ユーザIDに対応付けられた被保護者の名前を親戚関係記憶部202から読み出し、読み出した被保護者の名前と、名前の選択の要求とを示す要求データをユーザ端末30に送信する。ユーザ端末30は、受け取った要求データが示す名前を用いて、贈り物の貰い手の選択用画面を表示する。
図8は貰い手の名前の選択用画面の一例を表す。
図8の例では、ユーザ端末30は、「贈り物を贈るのはどのお子さんですか?」という文字列と、「太一くん」を示すボタンB2と、「すみれちゃん」を示すボタンB3とを表示している。
【0040】
紹介要求操作受付部301は、いずれかのボタンを選択する操作を要求操作として受け付け、自端末を利用する親戚(つまり贈り手)のユーザIDと選択されたボタンに対応する貰い手の名前と紹介情報の要求とを示す要求データを紹介情報サーバ装置20に送信する。保護者特定部201は、受け取った要求データが示す贈り手のユーザID及び貰い手の名前に対応付けて親戚関係記憶部202が記憶している保護者ユーザIDを読み出し、読み出したユーザIDが示す保護者を、贈り物の貰い手となる被保護者の保護者として特定する。保護者特定部201は、特定した保護者のユーザIDを保護者関連情報取得部203に供給する。
【0041】
保護者関連情報取得部203は、保護者特定部201により特定された保護者に関する情報である保護者関連情報を取得する。保護者関連情報取得部203は本発明の「取得部」の一例である。保護者関連情報取得部203は、本実施例では、保護者の購入履歴を保護者関連情報として取得する。保護者関連情報取得部203は、保護者特定部201から保護者のユーザIDが供給されると、そのユーザIDと、そのユーザIDに対応付けられた購入履歴の要求とを示す要求データを購入履歴蓄積装置10に送信する。
【0042】
購入履歴蓄積装置10の購入履歴蓄積部102は、送信されてきた要求データを受け取ると、その要求データが示すユーザIDに対応付けて蓄積している購入履歴を読み出して、要求元の紹介情報サーバ装置20に送信する。例えば
図7に表す「U001」、「U002」が保護者のユーザIDである場合、購入履歴蓄積部102は、
図5に表す「U001」、「U002」に対応付けられた商品ID、商品名及び購入日時を保護者の購入履歴として読み出して紹介情報サーバ装置20に送信する。保護者関連情報取得部203は、送信されてきた購入履歴を保護者関連情報として取得し、被保護者履歴抽出部204に供給する。
【0043】
被保護者履歴抽出部204は、保護者関連情報取得部203により取得された保護者の購入履歴から、被保護者のための購入を表す購入履歴を抽出する。被保護者履歴抽出部204は、例えば、子供向けの商品の商品名に含まれるキーワードリストを用いてこの抽出を行う。
図9は商品名キーワードの一例を表す。
図9の例では、「α」、「β」及び「γ」等のキャラクター名と、「積み木」、「トランプ」及び「パズル」等のおもちゃ名称と、「ピアノ、オルガン、キーボード、・・」、「水泳、水着、浮き輪、・・」及び「野球、グローブ、野球ボール、・・」等の習い事・チーム活動関連名称とを含む商品名キーワードリストが表されている。
【0044】
被保護者履歴抽出部204は、例えば
図5に表す「U001」に対応付けられた商品名を含む購入履歴が保護者関連情報として取得された場合、商品名キーワードリストに含まれるキーワードを含む「キャラクターαのおまけ付きおやつ」及び「野球ボール」を被保護者の購入履歴として抽出する。被保護者履歴抽出部204は、抽出した被保護者の購入履歴を興味分野特定部205に供給する。
【0045】
興味分野特定部205は、保護者関連情報取得部203により取得された保護者関連情報に基づいて、その保護者関連情報が関連する保護者により保護されている被保護者の興味分野を特定する。ここでいう興味分野、すなわち被保護者が興味を持つ分野は、被保護者が関心を持つ対象の1つである。つまり、興味分野特定部205は、被保護者が関心を持つ対象を特定する機能でもあり、本発明の「特定部」の一例である。
【0046】
興味分野特定部205は、本実施例では、保護者関連情報のうち被保護者履歴抽出部204により抽出された購入履歴(被保護者のための購入を表す購入履歴)に基づいて興味分野を特定する。興味分野特定部205は、例えば、商品名に含まれる興味分野キーワードと興味分野とを対応付けた興味分野テーブルを用いてこの特定を行う。
【0047】
図10は興味分野テーブルの一例を表す。
図10の例では、「α」、「β」及び「γ」という興味分野キーワードに、それぞれ「キャラクターα・αが登場する絵本」、「キャラクターβ・βが登場するゲーム」及び「キャラクターγ・γが登場するアニメ」という興味分野が対応付けられている。また、「積み木」、「トランプ」及び「パズル」という興味分野キーワードに「ブロックおもちゃ」、「カードゲーム」及び「パズル・知育玩具」という興味分野が対応付けられ、「ピアノ、オルガン、キーボード、・・」、「水泳、水着、浮き輪、・・」及び「野球、グローブ、野球ボール、・・」という興味分野キーワードに「鍵楽器」、「水泳・海水浴」及び「野球」という興味分野が対応付けられている。
【0048】
興味分野特定部205は、例えば前述した「キャラクターαのおまけ付きおやつ」及び「野球ボール」が被保護者の購入履歴として抽出された場合、興味分野テーブルで「α」に対応付けられた「キャラクターα・αが登場する絵本」という興味分野と、「野球、グローブ、野球ボール、・・」に対応付けられた「野球」という興味分野を、被保護者の興味分野として特定する。
【0049】
興味分野特定部205は、上記の例では興味分野キーワードが1つでもあればそれに対応する興味分野を特定したが、これに限らず、興味分野キーワードが閾値以上ある場合にそれに対応する興味分野を特定してもよい。この閾値としては、興味分野キーワード毎に適した値が定められるとよい。例えば関連商品に安価なものが多く購入頻度が高くなりやすいものについては閾値を大きくし、反対に関連商品に高価なものが多く購入頻度が低くなりやすいものについては閾値を小さくする。興味分野特定部205は、こうして特定した興味分野を贈り物候補決定部206に供給する。
【0050】
贈り物候補決定部206は、興味分野特定部205により特定された被保護者の興味分野に関連する贈り物の候補を決定する。贈り物候補決定部206は、例えば、興味分野と贈り物候補とを対応付けた贈り物候補テーブルを用いてこの決定を行う。
図11は贈り物候補テーブルの一例を表す。
図11の例では、「キャラクターα・αが登場する絵本」、「キャラクターβ・βが登場するゲーム」及び「キャラクターγ・γが登場するアニメ」という興味分野にそれぞれ「αのぬいぐるみ、αの絵本シリーズ、αの遊園地のチケット、・・」、「βのぬいぐるみ、βのゲーム及びゲーム機、βの映画のチケット、・・」及び「γの筆箱、γのアニメのDVDセット、γの映画のチケット、・・」という商品及びサービスが贈り物候補として対応付けられている。
【0051】
また、「ブロックおもちゃ」、「カードゲーム」及び「パズル・知育玩具」という興味分野に「組立おもちゃ、木製積み木、・・」、「トランプ、ウノ、・・」及び「立体パズル、3D迷路、・・」という贈り物候補が対応付けられ、「鍵楽器」、「水泳・海水浴」及び「野球」という興味分野に「マイクロピアノ、電子キーボード、ピアノコンサートのチケット、・・」、「水泳キャップ、ゴーグル、プールの入場券、・・」及び「子供用グルーブ、軟式ボール、野球の試合のチケット、・・」という商品及びサービスが贈り物候補として対応付けられている。
【0052】
贈り物候補決定部206は、例えば前述した「キャラクターα・αが登場する絵本」及び「野球」という興味分野が特定された場合、贈り物候補テーブルにおいてこれらに対応付けられている「αのぬいぐるみ、αの絵本シリーズ、αの遊園地のチケット、・・」及び「子供用グルーブ、軟式ボール、野球の試合のチケット、・・」という商品又はサービスを、贈り物候補を特定する。
【0053】
なお、贈り物候補決定部206は、これ以外の方法で贈り物候補を特定してもよい。贈り物候補決定部206は、例えば、特定した興味分野を通信販売サイトの商品検索キーワードとして入力した場合の検索結果における上位の決められた個数の商品を贈り物候補として特定してもよい。贈り物候補決定部206は、こうして特定した贈り物候補を紹介情報生成部207に供給する。
【0054】
紹介情報生成部207は、贈り物候補決定部206により決定された贈り物候補を紹介する紹介情報を生成する。紹介情報生成部207は、例えば、贈り物の貰い手である子供の名前と、贈り物候補の名称・画像・価格と、贈り物候補を販売している通信販売サイトのURLとを含む情報を紹介情報として生成する。紹介情報生成部207は、例えば、保護者特定部201が保護者を特定する際に親戚関係記憶部202から読み出した貰い手の子供の名前を供給してもらう。
【0055】
また、紹介情報生成部207は、贈り物候補の画像及び価格を、通信販売サイトに要求して取得してもよいし、通信販売サイトで贈り物候補を表示させたページをキャプチャして取得してもよい(いずれの場合も、贈り物情報紹介システム1の運営事業者は通信販売サイトの運営事業者の承諾を得ておくものとする)。紹介情報生成部207は、生成した紹介情報を紹介情報出力部208に供給する。
【0056】
紹介情報出力部208は、紹介情報生成部207により生成された紹介情報を、被保護者の親戚に対応する宛先に対して出力する。紹介情報出力部208は本発明の「出力部」の一例である。本実施例では、ユーザ端末30から送信されてきた要求データを受け取った保護者特定部201が、その要求データの送信元の宛先(IP(Internet Protocol)アドレス等)を紹介情報出力部208に供給する。この宛先は、被保護者である子供に贈り物を贈ることを検討している贈り手(被保護者の親戚)が利用するユーザ端末30への宛先、すなわち被保護者の親戚に対応する宛先である。紹介情報出力部208は、供給されたこの宛先に対して紹介情報を出力する。
【0057】
ユーザ端末30の紹介情報表示部302は、紹介情報サーバ装置20から出力されてきた紹介情報を受け取ると、その紹介情報を自端末の表示手段(出力装置36)に表示する。
図12は表示された紹介情報の一例を表す。
図12の例では、紹介情報表示部302は、「太一くんへの贈り物は以下のものでいかがですか?」という文字列と、「子供用グローブ」及び「軟式ボール」の商品写真、商品名、価格、通販サイトのURLとを出力装置36に表示している。
【0058】
贈り物情報紹介システム1が備える各装置は、上記の構成に基づいて、紹介情報を出力し及び表示する紹介処理を行う。
図13は紹介処理における各装置の動作手順の一例を表す。この動作手順は、ユーザ端末30を利用する親戚,すなわち被保護者の親戚が紹介情報を要求する要求操作を行うことを契機に開始される。
【0059】
まず、ユーザ端末30(紹介要求操作受付部301)が、紹介情報を要求する紹介要求操作を受け付けて(ステップS11)、その要求を示す要求データを送信する(ステップS12)。紹介情報サーバ装置20(保護者特定部201)は、送信されてきた要求データを受け取ると、贈り物の貰い手となる子供の保護者を特定する(ステップS13)。次に、紹介情報サーバ装置20(保護者関連情報取得部203)は、特定された保護者に関する情報である保護者関連情報を要求する要求データを購入履歴蓄積装置10に送信する(ステップS14)。
【0060】
購入履歴蓄積装置10(購入履歴蓄積部102)は、送信されてきた要求データを受け取ると、要求された保護者について蓄積している購入履歴を読み出して(ステップS15)、要求元の紹介情報サーバ装置20に送信する(ステップS16)。紹介情報サーバ装置20(保護者関連情報取得部203)は、送信されてきた購入履歴を保護者関連情報として取得する(ステップS17)。次に、紹介情報サーバ装置20(被保護者履歴抽出部204)は、取得された保護者の購入履歴から、被保護者のための購入を表す購入履歴を抽出する(ステップS18)。続いて、紹介情報サーバ装置20(興味分野特定部205)は、取得された保護者関連情報に基づいて、贈り物の貰い手である被保護者の興味分野を特定する(ステップS19)。
【0061】
次に、紹介情報サーバ装置20(贈り物候補決定部206)は、特定された被保護者の興味分野に関連する贈り物の候補を決定する(ステップS20)。続いて、紹介情報サーバ装置20(紹介情報生成部207)は、決定された贈り物候補を紹介する紹介情報を生成する(ステップS21)。そして、紹介情報サーバ装置20(紹介情報出力部208)は、生成された紹介情報を、被保護者の親戚に対応する宛先であるユーザ端末30に対して出力する(ステップS22)。ユーザ端末30(紹介情報表示部302)は、紹介情報サーバ装置20から出力されてきた紹介情報を受け取ると、その紹介情報を自端末の表示手段に表示する(ステップS23)。
【0062】
子供のように保護者に保護されている被保護者は、自分のクレジットカード及び電子マネー等を持っておらず、購入履歴が蓄積されていないことが多い。本実施例では、そのような被保護者の興味分野を、保護者の購入履歴に含まれている被保護者のための購入の履歴から特定し、特定した興味分野に関連する贈り物候補を紹介する紹介情報が生成及び出力されている。これにより、被保護者の購入履歴が蓄積されていない場合でも、被保護者の興味分野に合った贈り物の候補を紹介する情報をその親戚に提供することができる。
【0063】
[2]第2実施例
本発明の第2実施例について、以下、第1実施例と異なる点を中心に説明する。第1実施例では、購入履歴が示す購入の時期及び贈り物を贈る時期に関係なく贈り物候補が決定されたが、第2実施例では、前者の時期から後者の時期までに被保護者が成長する度合いを考慮して贈り物の候補が決定される。
【0064】
本実施例では、ユーザ端末30が、贈り物を贈る時期を入力させる贈り物検討画面を表示する。
図14は第2実施例で表示された贈り物検討画面の一例を表す。
図14の例では、ユーザ端末30が、
図6に表す文字列及びボタンの他に、贈り物を贈る時期を入力させる入力欄B4を出力装置36に表示している。この例では、「2016/12/25」、つまりクリスマスが贈り物の時期として入力されている。紹介要求操作受付部301は、入力された時期を示す要求データを紹介情報サーバ装置20に送信する。
【0065】
送信された要求データが示す贈り物の時期は、保護者特定部201等を経由して贈り物候補決定部206に供給される。贈り物候補決定部206は、興味分野特定部205により特定された興味分野に関連する複数の贈り物候補のうち、被保護者のための購入が行われた時期から贈り物をその被保護者に贈る時期までに経過する期間に応じて異なる贈り物候補を、被保護者への贈り物候補として決定する。この決定方法について、
図15及び
図16を参照して説明する。
【0066】
図15は抽出された被保護者の購入履歴の一例を表す。
図15の例では、「木製積み木基本セット」を「2014/12/22」に購入し、「木製積み木追加セット」を「2015/12/22」に購入した履歴が被保護者の購入履歴として抽出されている。この場合に、贈り物の贈り手である親戚が「2016/12/25」を贈り物の時期として選択すると、贈り物は、「木製積み木基本セット」の購入から約12カ月後、「木製積み木追加セット」の購入から約9カ月後ということになる。贈り物候補決定部206は、例えば、各商品の対象年齢を定めた対象年齢データを用いて上記決定を行う。
【0067】
図16は対象年齢データの一例を表す。
図16の例では、「木製積み木基本セット」は2歳、「木製積み木追加セット」は3歳から4歳まで、「プラスチック製組立基本セット」は4歳以上、「プラスチック製組立応用セット」は5歳以上が対象年齢となっている。これらはいずれも「ブロックおもちゃ」という興味分野の贈り物候補である。興味分野特定部205は、まず、「木製積み木基本セット」の購入日である「2014/12/22」には、被保護者が関心を持つ商品の対象年齢が「木製積み木基本セット」の対象年齢である2歳であったと推定する。
【0068】
前述した被保護者が関心を持つと推定される商品の対象年齢のことを以下では「推定対象年齢」という。この推定対象年齢は、被保護者の実年齢であるとは限らない。自分の年齢よりも高い対象年齢の商品に関心を持つ子もいれば、自分の年齢よりも低い対象年齢の商品に関心を持つ子もいるからである。贈り物候補決定部206は、「木製積み木追加セット」の購入日における推定対象年齢を2歳と判断したので、「木製積み木追加セット」の購入日である「2015/12/22」には推定対象年齢が3歳になっていると判断する。
【0069】
贈り物候補決定部206は、その推定対象年齢(3歳)が「木製積み木追加セット」の対象年齢である3歳から4歳までに含まれるので、「木製積み木追加セット」の購入日における推定対象年齢を3歳と判断する。贈り物候補決定部206は、入力された贈り物の時期である「2016/12/25」が、推定対象年齢を2歳と判断した購入日から2年後で且つ推定対象年齢を3歳と判断した購入日から1年後なので、
図16に表すように、贈り物を贈る時期における推定対象年齢を4歳と判断する。
【0070】
このように、贈り物候補決定部206は、過去の購入対象における対象年齢から購入日における推定対象年齢を判断し、全ての購入対象についての推定対象年齢に矛盾がない場合は、それらの推定対象年齢に、各々の購入日から上記の贈り物を贈る時期までに経過する期間を加えた年齢を、その贈り物の時期における推定対象年齢として判断する。
【0071】
贈り物候補決定部206は、「ブロックおもちゃ」という興味分野の贈り物候補のうち、成長した被保護者の推定対象年齢として判断された4歳を対象年齢として含むもの(
図16の例であれば「木製積み木追加セット」及び「プラスチック製組立基本セット」)を、被保護者への贈り物候補として決定する。この例の場合、対象年齢が2歳の「木製積み木基本セット」と対象年齢が5歳以上の「プラスチック製組立応用セット」は贈り物候補に含まれないことになる。
【0072】
なお、贈り物候補決定部206は、複数の推定対象年齢(いずれも購入日における推定対象年齢)に矛盾がある場合は、例えば贈り物の時期における推定対象年齢と購入日における推定対象年齢との差が最も平準化される年齢を贈り物の時期における推定対象年齢として判断する。例えば「木製積み木基本セット」の購入日時が「2012/12/22」で「木製積み木追加セット」の購入日時が「2015/12/22」であったとする。「2012/12/22」における推定対象年齢が「木製積み木基本セット」の対象年齢である2歳と判断すると「2015/12/22」には推定対象年齢が5歳になるが、「2015/12/22」における推定対象年齢は「木製積み木追加セット」の対象年齢である3歳又は4歳であるから、推定対象年齢が矛盾していることになる。
【0073】
この場合、贈り物候補決定部206は、「2012/12/22」における推定対象年齢を1.5歳、「2015/12/22」における推定対象年齢を4.5歳と判断する。すると、贈り物の時期における推定対象年齢との差がどちらも0.5歳になるので、上記の平準化がなされたことになる。贈り物候補決定部206は、このように判断した推定対象年齢から、贈り物を贈る時期(2016/12/22)における推定対象年齢を5.5歳と判断し、対象年齢に5.5歳を含む「プラスチック製組立基本セット」及び「プラスチック製組立応用セット」を贈り物候補として決定する。
【0074】
また、贈り物候補決定部206は、商品カテゴリ毎に異なる推定対象年齢を判断してもよい。贈り物候補決定部206は、例えば、「絵本」というカテゴリの商品の購入履歴からそのカテゴリの商品を購入する場合の購入日における推定対象年齢は5歳と判断し、「おもちゃ」というカテゴリの商品の購入履歴からそのカテゴリの商品を購入する場合の購入日における推定対象年齢は4歳と判断する、という具合である。これにより、被保護者の発育の程度が分野毎(読み書きの分野及び手先の器用さの分野等)に異なる場合でも、推定対象年齢を一律に判断する場合に比べて、それぞれの分野に関連する商品の推定対象年齢をより適切に判断することができる。
【0075】
こうして決定された贈り物の候補を紹介する紹介情報を紹介情報生成部207が生成することで、紹介情報出力部208は、被保護者のための購入が行われた時期から贈り物をその被保護者に贈る時期までに経過する期間に応じて異なる候補を紹介する情報を紹介情報として出力する。これにより、成長が早い子供に贈り物を贈る場合でも、贈り物を受け取るときに関心を持つ商品の対象年齢に合った贈り物候補を親戚に紹介することができる。
【0076】
なお、
図16の例において、「木製積み木追加セット」及び「プラスチック製組立基本セット」を被保護者への贈り物候補として決定しているが、「木製積み木追加セット」は既に保護者によって購入されている。このように、興味分野特定部205により特定された興味分野に関連する商品が、被保護者履歴抽出部204により抽出された購入履歴が示す購入すなわち被保護者のために購入された商品に含まれている場合、紹介情報出力部208は、その商品を除く贈り物の候補を紹介する情報を紹介情報として出力してもよい。これにより、既に購入されて被保護者が持っている商品が贈り物候補に含められ、その商品が贈られることを防ぐことができる。
【0077】
また、購入済みの商品だけでなく、購入済みのサービスが購入履歴に含まれている場合も、紹介情報出力部208は、そのサービスを除く贈り物の候補を紹介する情報を紹介情報として出力してもよい。例えばキャラクターαの映画のチケットが既に購入されていれば、紹介情報出力部208は、そのチケットを含まない贈り物の候補を紹介する情報を紹介情報として出力する。これにより、既に購入されて被保護者が体験済みのサービスが贈り物候補に含められ、そのサービスを受けるためのチケット等が贈られることを防ぐことができる。
【0078】
[3]第3実施例
本発明の第3実施例について、以下、上記の各実施例と異なる点を中心に説明する。上記の各実施例では、購入履歴が保護者関連情報として取得されたが、第3実施例では、それ以外の情報が保護者関連情報として取得される。
【0079】
図17は第3実施例の贈り物情報紹介システム1aが実現する機能構成を表す。贈り物情報紹介システム1aは、紹介情報サーバ装置20aと、ユーザ端末30と、保護者端末40とを備える。保護者端末40は、保護者が利用する可搬型のユーザ端末であり、
図3に表すユーザ端末30と同様のハードウェア構成を備えている。紹介情報サーバ装置20aは、
図4に表す被保護者履歴抽出部204の代わりに被保護者関連施設検出部211を備える。保護者端末40は、位置情報送信部401を備える。
【0080】
保護者端末40には、自端末を利用する保護者のユーザIDが予め記憶されている。位置情報送信部401は、自端末の位置を定期的に測定し、測定した位置を示す位置情報(例えば緯度・経度を示す情報)を、自端末に記憶されている保護者のユーザIDとともに紹介情報サーバ装置20aに送信する。保護者関連情報取得部203は、送信されてきた位置情報、すなわち保護者が所持する可搬型の端末(保護者端末40)の位置情報を保護者関連情報として取得する。
【0081】
保護者関連情報取得部203は、定期的に送信されてくる位置情報を、ともに送信されてくる保護者のユーザIDに対応付けて記憶しておく。そして、保護者特定部201から特定された保護者のユーザIDが供給されると、そのユーザIDに対応付けて記憶していた複数の位置情報を読み出して、被保護者関連施設検出部211に供給する。これら複数の位置情報は、保護者が訪れた場所の履歴を示している。
【0082】
被保護者関連施設検出部211は、保護者関連情報取得部203により取得された保護者関連情報が示す保護者端末40の位置に基づいて、その保護者が保護する被保護者が訪れた施設を検出する。被保護者関連施設検出部211は、例えば保護者が被保護者を連れて訪れそうな施設名とその施設の位置(緯度・経度)とを対応付けた施設テーブルを用いてこの検出を行う。
【0083】
図18は施設テーブルの一例を表す。
図18の例では、「河川敷野球場」、「市営プール」及び「ピアノ教室」等の施設名に、「xxxx1、yyyy1」等の緯度及び経度で表された施設位置が対応付けられている。被保護者関連施設検出部211は、供給された各位置情報が示す位置の中に、各施設位置との距離が閾値以下となる位置が含まれているか否かを判断する。閾値としては、施設が大きいほど大きな値が用いられる(例えば野球場だと100m、プールだと30m、ピアノ教室だと10mなど)。
【0084】
被保護者関連施設検出部211は、閾値以下となる位置が含まれていれば、その施設を被保護者が訪れた施設として検出する。被保護者関連施設検出部211は、こうして検出した施設の施設名を興味分野特定部205に供給する。興味分野特定部205は、被保護者関連施設検出部211により検出された施設、すなわち、保護者関連情報取得部203により取得された保護者関連情報が示す保護者端末40の位置によって示される被保護者が訪れた施設に基づいて興味分野を特定する。
【0085】
興味分野特定部205は、施設名と興味分野とを対応付けた興味分野テーブルを用いてこの特定を行う。
図19は第3実施例の興味分野テーブルの一例を表す。
図19の例では、「河川敷野球場」、「市営プール」及び「駅前ピアノ教室」という施設名に、「野球」、「水泳」、「鍵楽器」という興味分野が対応付けられている。
【0086】
興味分野特定部205は、例えば「河川敷野球場」が被保護者の訪れた施設として検出された場合、興味分野テーブルで「河川敷野球場」に対応付けられた「野球」という興味分野を被保護者の興味分野として特定する。なお、本実施例でも、「河川敷野球場」の検出回数が閾値以上である場合に「野球」という興味分野が特定されてもよい。本実施例によれば、保護者が位置情報を送信する機能を有するユーザ端末を所持していれば、保護者の購入履歴が得られなくても、被保護者への贈り物の紹介情報を出力及び表示することができる。
【0087】
[4]第4実施例
本発明の第4実施例について、以下、上記の各実施例と異なる点を中心に説明する。上述した贈り物の貰い手である子供(被保護者)と贈り手である親戚とは一緒に住んでいないことが多いが、親戚であるため会う機会があることも多い。第4実施例では、両者がどの程度会うかによって紹介する贈り物を異ならせる。
【0088】
図20は第4実施例の贈り物情報紹介システム1bが実現する機能構成を表す。贈り物情報紹介システム1bは、紹介情報サーバ装置20bと、ユーザ端末30bと、保護者端末40とを備える。紹介情報サーバ装置20bは、
図17に表す各部に加えて対面頻度判断部212を備える。ユーザ端末30bは、
図4に表す各部に加えて位置情報送信部303を備える。
【0089】
図20の例では、保護者端末40の位置情報送信部401、紹介情報サーバ装置20bの保護者関連情報取得部203、被保護者関連施設検出部211及び興味分野特定部205が第3実施例と同様に動作して、被保護者が訪れた施設に基づいて興味分野が特定される。その際に、保護者関連情報取得部203は、保護者端末40の位置情報を保護者関連情報として取得している。
【0090】
第4実施例では、それに加え、保護者関連情報取得部203が、贈り物の贈り手である親戚が貰い手である被保護者を保護する保護者に会う頻度を示す対面頻度情報を保護者関連情報として取得する。保護者関連情報取得部203は、例えば、保護者の居住地と親戚の居住地との距離を示す情報である居住地間の距離情報を対面頻度情報として取得する。居住地間の距離が長いほど、親戚が保護者に会う頻度が少なくなるから、居住地間の距離情報は親戚と保護者の対面頻度を示すことになる。
【0091】
ユーザ端末30bの位置情報送信部303は、自端末の位置を定期的に測定し、測定した位置を示す位置情報を、自端末に記憶されている親戚のユーザID及び測定時刻とともに紹介情報サーバ装置20bに送信する。また、保護者端末40の位置情報送信部401も、位置情報を保護者のユーザID及び測定時刻とともに紹介情報サーバ装置20bに送信する。
【0092】
本実施例では、保護者特定部201が、特定した保護者のユーザIDと、紹介情報の要求データが示す親戚のユーザIDとを保護者関連情報取得部203に供給する。保護者関連情報取得部203は、それらのユーザIDとともに送信されてきた位置情報及び測定時刻を、ユーザ端末30b及び保護者端末40から送信されてきた位置情報、ユーザID及び測定時刻として取得する。
【0093】
例えばユーザ端末の夜間又は早朝における位置情報は、そのユーザ端末を利用するユーザ(親戚又は保護者)の居住地の位置を示すことになるから、両端末(ユーザ端末30b及び保護者端末40)の位置情報及び測定時刻は、保護者の居住地と親戚の居住地との距離を示すことになる。従って、保護者関連情報取得部203は、これらの位置情報及び測定時刻を居住地間の距離情報として取得する。保護者関連情報取得部203は、取得した居住地間の距離情報(両端末の位置情報)を対面頻度判断部212に供給する。
【0094】
対面頻度判断部212は、供給された居住地間の距離情報に基づいて、被保護者と親戚とが対面する頻度(対面頻度)を判断する。対面頻度判断部212は、まず、居住地間の距離情報が示すユーザ端末30b及び保護者端末40の位置情報のうち特定の時刻(例えば早朝の時刻)に測定された位置情報が示す位置を、保護者の居住地及び親戚の居住地の位置として特定し、特定したそれらの位置の間の距離を居住地間距離として算出する。
【0095】
対面頻度判断部212は、居住地間距離と対面頻度とを対応付けた対面頻度テーブルを用いて上記取得を行う。
図21は対面頻度テーブルの一例を表す。
図21の例では、「20km未満」という居住地間距離に「1月に1回」という対面頻度が対応付けられている。同様に、「20km以上100km未満」、「100km以上300km未満」、「300km以上」という居住地間距離に、「3カ月に1回」、「半年に1回」、「1年に1回」という対面頻度が対応付けられている。
【0096】
対面頻度判断部212は、算出した居住地間距離に対応付けられている対面頻度を、被保護者及び親戚の対面頻度として判断する。対面頻度判断部212は、こうして判断した対面頻度を贈り物候補決定部206に供給する。贈り物候補決定部206は、興味分野特定部205により特定された被保護者の興味分野に関連する贈り物の候補のうち、対面頻度判断部212により判断された対面頻度に応じた価格帯の商品又はサービスを贈り物候補として決定する。
【0097】
贈り物候補決定部206は、対面頻度と価格帯とを対応付けた価格帯テーブルを用いて贈り物の価格帯を判断する。
図22は価格帯テーブルの一例を表す。
図22の例では、「1月に1回」という対面頻度に「2千円未満」という価格帯が対応付けられている。同様に、「3カ月に1回」、「半年に1回」、「1年に1回」という対面頻度に、「2千円以上5千円未満」、「5千円以上1万円未満」、「1万円以上」という価格帯が対応付けられている。贈り物候補決定部206は、対面頻度判断部212から供給された対面頻度に価格帯テーブルで対応付けられている価格帯を、贈り物の価格帯として読み出す。
【0098】
また、贈り物候補決定部206は、例えば
図11に表す贈り物候補テーブルに贈り物候補として含まれている商品及びサービスのうち興味分野特定部205により特定された被保護者の興味分野に対応付けられているものを読み出す。贈り物候補決定部206は、読み出した商品又はサービスの価格を例えばインターネットで検索し、検索した価格のうちの最低価格(平均価格や価格の中間値でもよい)が読み出した贈り物の価格帯に含まれている場合、その商品又はサービスを贈り物候補として決定する。
【0099】
こうして決定された贈り物の候補を紹介する紹介情報を紹介情報生成部207が生成することで、紹介情報出力部208は、保護者関連情報取得部203により取得された保護者関連情報が示す対面頻度に応じた価格帯の商品又はサービスに関する情報を紹介情報として出力する。具体的には、紹介情報出力部208は、対面頻度が多いほど低い価格帯の商品又はサービスに関する情報を紹介情報として出力する。
【0100】
親戚が子供に贈り物を渡す場合、子供の保護者にも会うことが普通であるから、保護者との対面頻度が多いということは、子供に贈り物を贈ることができる機会も多いということである。そのように贈り物を贈る機会が多い親戚は、1回当たりの贈り物の価格を下げないと金銭的な負担が大きくなる。
【0101】
一方、子供との対面頻度が少ない親戚は、贈り物を贈ることができる機会が少ないので、1回当たりの価格を上げても金銭的な負担はそれほど大きくならない。本実施例では、対面頻度が多い親戚ほど低い価格帯の商品又はサービスが贈り物候補として紹介されるので、対面頻度と価格帯を考慮せずに贈り物候補が紹介される場合に比べて、対面頻度が多い親戚の金銭的な負担を抑えることができる。
【0102】
なお、保護者関連情報取得部203が取得する居住地間の距離情報は、上記の情報(ユーザ端末30b及び保護者端末40の位置情報及び測定時刻)に限らない。例えば保護者関連情報取得部203が、保護者と親戚が住所を登録している外部システムからそれらの住所情報を居住地間の距離情報として取得してもよい。また、親戚が紹介情報を要求する操作を行う際に自分と保護者の住所を入力することで、保護者関連情報取得部203が入力された両者の住所情報を居住地間の距離情報として取得してもよい。
【0103】
また、親戚が保護者に会う頻度を示す対面頻度情報は、居住地間の距離情報に限らない。例えば、親戚が紹介情報を要求する操作を行う際に保護者との対面頻度を入力することで、保護者関連情報取得部203が入力された情報を対面頻度情報として取得してもよい。また、ユーザ端末30b及び保護者端末40の位置情報及び測定時刻を、居住地間の距離情報としてではなく、より単純に対面頻度情報として用いてもよい。
【0104】
その場合、対面頻度判断部212は、例えば測定時刻が近い(例えば時刻の違いが数分以内の)両端末の位置情報から、端末間の距離を算出し、算出した距離が閾値(例えば数m)以下であれば、その測定時刻を含む日に親戚と保護者が対面したと判断する。対面頻度判断部212は、そうして一定期間内に親戚と保護者が対面した日数をカウントし、対面頻度を判断する。
【0105】
また、保護者又は親戚がスケジュール機能を利用している場合に、その機能で入力された予定情報を対面頻度情報として用いてもよい。その場合、対面頻度判断部212は、例えば保護者の予定情報が示すスケジュールに親戚の名前が含まれていれば、その日を対面日としてカウントし、対面頻度を判断する。なお、親戚の名前だけでなく、「家」及び「訪問」等の単語も含まれている場合に対面日とカウントしてもよい。
【0106】
以上のとおり、親戚が保護者に会う頻度を示す情報であれば、どのような情報が保護者関連情報(対面頻度情報)として取得されてもよい。なお、本実施例では、居住地間の距離情報が対面頻度情報として取得されることで、例えば親戚自身も自分が保護者と対面する頻度を覚えていない場合でも、対面頻度に応じた価格帯の贈り物候補を紹介することができる。
【0107】
[5]変形例
上述した各実施例はそれぞれが本発明の実施の一例に過ぎず、以下のように変形させてもよい。また、各実施例及び各変形例は、必要に応じて組み合わせて実施してもよい。
【0108】
[5−1]紹介タイミング
上記の各例では、親戚が紹介情報を要求したタイミングで紹介情報が出力されて贈り物候補が紹介されたが、贈り物候補の紹介タイミングはこれに限らない。例えば、定期的に訪れるタイミングで紹介されてもよいし、クリスマス、正月及びお盆等の一般的なイベントを前にしたタイミングで紹介されてもよい。
【0109】
また、子供の誕生日又は年齢が贈り物情報紹介システムに登録されている場合に、誕生日、入学及び卒業等の個人的なイベントを前にしたタイミングで紹介されてもよい。本変形例では、例えば紹介情報サーバ装置に親戚のユーザIDが記憶されており、保護者特定部201がこれらのタイミングが訪れたときに親戚のユーザIDを読み出して保護者を特定する。これにより、紹介情報出力部208が、上記のタイミングで紹介情報を出力することになる。
【0110】
[5−2]対面頻度に応じたタイミング
第4実施例において、贈り物候補を親戚に紹介するタイミングが対面頻度(親戚が保護者に会う頻度)に応じて異なっていてもよい。本変形例では、例えば、対面頻度と紹介タイミングとが対応付けられた紹介タイミングテーブルが用いられる。
【0111】
図23は紹介タイミングテーブルの一例を表す。
図23の例では、「1月に1回」という対面頻度に、「毎月」という紹介タイミングが対応付けられている。同様に、「3カ月に1回」、「半年に1回」、「1年に1回」という対面頻度に、「春休み、冬休み、夏休み、GW(Golden Week)前、SW(Silver Week)前」、「春休み、冬休み、夏休み」、「対面時期の1月前」という紹介タイミングがそれぞれ対応付けられている。
【0112】
本変形例では、上述した例のように保護者特定部201がこれらのタイミングが訪れたときに親戚のユーザIDを読み出して保護者を特定する。また、紹介タイミングが「対面時期の1月前」である場合は、例えば第4実施例で説明したように対面頻度判断部212が親戚と保護者が対面した日を判断し、前年の対面日から11か月経過したタイミングで、保護者特定部201が保護者を特定する。
【0113】
こうして本変形例では、保護者関連情報取得部203が対面頻度情報を保護者関連情報として取得し、紹介情報出力部208が、取得された対面頻度情報が示す対面頻度に応じたタイミングで紹介情報を出力する。
図23の例では、紹介情報出力部208は、対面頻度が少なくなるほど、少ないタイミングで紹介情報を出力している。これにより、贈り物を贈る機会が少ないのに紹介情報がいくつも届いてしまい不満に思われる可能性を少なくすることができる。
【0114】
[5−3]贈り物候補の価格帯1
第4実施例では、贈り物候補決定部206が贈り物候補の価格帯を判断したが、価格帯の判断方法は上述した方法に限らない。
図24は本変形例の贈り物情報紹介システム1cが実現する機能構成を表す。贈り物情報紹介システム1cは、購入履歴蓄積装置10と、紹介情報サーバ装置20cと、ユーザ端末30とを備える。紹介情報サーバ装置20cは、
図4に表す各部に加えて資産規模情報取得部213を備える。
【0115】
資産規模情報取得部213は、贈り物の贈り手である親戚の資産規模を示す資産規模情報を取得する。資産規模情報取得部213は本発明の「規模情報取得部」の一例である。資産規模情報取得部213は、例えば、親戚が贈り物情報紹介システム1に自分の情報を登録する際に入力した実際の個人資産の情報を、資産規模情報として取得する。なお、資産規模情報取得部213は、口座情報、住宅情報、(戸建、集合住宅、間取り、居住地域等)、保険情報等を物理的にも契約的にも取得可能であれば、それらの情報を資産規模情報として取得してもよい。資産規模が多い親戚ほど口座額が高くなり、住宅の規模が大きくなり、保険の補償範囲が広くなる傾向にあるからである。
【0116】
また、資産規模情報取得部213は、親戚が毎月支払っている料金(通信料金、クレジットカード・電子マネーの支払い料金、家賃及び駐車場料金等)を物理的にも契約的にも取得可能であれば、その月々の料金を資産規模情報として取得してもよい。資産規模が多く金銭的に余裕がある親戚ほど月々の支払い料金が高くなる傾向にあるからである。これらの料金は、購入履歴蓄積装置10に蓄積されている購入履歴から取得されてもよい。資産規模情報取得部213は、取得した資産規模情報を贈り物候補決定部206に供給する。
【0117】
贈り物候補決定部206は、興味分野特定部205により特定された被保護者の興味分野に関連する贈り物の候補のうち、資産規模情報取得部213により取得された資産規模情報が示す資産規模に応じた価格帯の商品又はサービスを贈り物候補として決定する。贈り物候補決定部206は、資産規模と価格帯とを対応付けた価格帯テーブルを用いて贈り物の価格帯を判断する。
【0118】
図25は本変形例の価格帯テーブルの一例を表す。
図25の例では、「大」という資産規模に「1万円以上」という価格帯が対応付けられている。同様に、「中」、「小」という対面頻度に、「5千円以上1万円未満」、「5千円未満」という価格帯が対応付けられている。資産規模は、例えば資産規模情報が第1閾値未満なら「小」、第1閾値以上第2閾値未満なら「中」、第2閾値以上なら「大」となる。
【0119】
これらの閾値は、例えば親戚が入力した実際の個人資産であれば、数百万円から数千万円という単位となり、毎月の通信料金及び駐車場料金であれば数千円から数万円という単位、家賃、電子マネー及びクレジットカードの支払い料金であれば数万円から数十万円という単位となる。贈り物候補決定部206は、資産規模情報取得部213から供給された資産規模情報が示す資産規模に価格帯テーブルで対応付けられている価格帯を、贈り物の価格帯として読み出す。
【0120】
贈り物候補決定部206は、後は、
図22の説明で述べたように、読み出した価格帯、すなわち資産規模に応じた価格帯の商品又はサービスを贈り物候補として決定する。こうして決定された贈り物の候補を紹介する紹介情報を紹介情報生成部207が生成することで、紹介情報出力部208は、保護者関連情報取得部203により取得された保護者関連情報が示す親戚の資産規模に応じた価格帯の商品又はサービスに関する情報を紹介情報として出力する。
【0121】
具体的には、紹介情報出力部208は、資産規模が少ないほど低い価格帯の商品又はサービスに関する情報を紹介情報として出力する。これにより、親戚の資産規模を考慮せずに贈り物候補が紹介される場合に比べて、金銭的な余裕が少ない親戚に対しては金銭的な負担が少ない贈り物候補を紹介することができる。
【0122】
[5−4]贈り物候補の価格帯2
贈り物候補の価格帯の判断方法は上述したものに限らない。例えば、保護者の経済力に合わせた価格帯が判断されてもよい。
図26は本変形例の贈り物情報紹介システム1dが実現する機能構成を表す。贈り物情報紹介システム1dは、購入履歴蓄積装置10と、紹介情報サーバ装置20dと、ユーザ端末30とを備える。紹介情報サーバ装置20dは、
図4に表す各部に加えて保護者経済力判断部214を備える。
【0123】
本変形例では、第1実施例と同様に、保護者関連情報取得部203が、保護者の購入履歴を保護者関連情報として取得して、取得した購入履歴を保護者経済力判断部214に供給する。保護者経済力判断部214は、保護者関連情報取得部203により取得された保護者関連情報(購入履歴)が示す保護者の経済力を判断する。保護者経済力判断部214は、月当たりの購入金額合計と経済力とを対応付けた経済力テーブルを用いてこの判断を行う。
【0124】
図27は経済力テーブルの一例を表す。
図27の例では、「10万円未満」という月当たりの購入金額合計に「弱」という経済力が対応付けられている。同様に、「10万円以上20万円未満」、「20万円以上」という月当たりの購入金額合計に、「中」、「強」という経済力が対応付けられている。保護者経済力判断部214は、取得した保護者の購入履歴から月当たりの購入金額合計を算出し、算出した金額に経済力テーブルにおいて対応付けられている経済力を、保護者の経済力として判断する。保護者経済力判断部214は、こうして判断した保護者の経済力を贈り物候補決定部206に供給する。
【0125】
贈り物候補決定部206は、興味分野特定部205により特定された被保護者の興味分野に関連する贈り物の候補のうち、保護者経済力判断部214により判断された保護者の経済力に応じた価格帯の商品又はサービスを贈り物候補として決定する。贈り物候補決定部206は、保護者の経済力と価格帯とを対応付けた価格帯テーブルを用いて贈り物の価格帯を判断する。
【0126】
図28は本変形例の価格帯テーブルの一例を表す。
図28の例では、「弱」という保護者の経済力に「5千円未満」という価格帯が対応付けられている。同様に、「中」、「強」という保護者の経済力に、「5千円以上1万円未満」、「1万円以上」という価格帯が対応付けられている。贈り物候補決定部206は、保護者経済力判断部214から供給された保護者の経済力に価格帯テーブルで対応付けられている価格帯を、贈り物の価格帯として読み出す。贈り物候補決定部206は、第4実施例で述べたように、読み出した贈り物の価格帯に含まれている商品又はサービスを贈り物候補として決定する。
【0127】
こうして決定された贈り物の候補を紹介する紹介情報を紹介情報生成部207が生成することで、紹介情報出力部208は、保護者関連情報取得部203により取得された保護者関連情報が示す保護者の経済力に応じた価格帯の商品又はサービスに関する情報を紹介情報として出力する。具体的には、紹介情報出力部208は、保護者の経済力が強いほど高い価格帯の商品又はサービスに関する情報を紹介情報として出力する。
【0128】
保護者の経済力が弱くなるほど、普段子供に買い与えるものの価格帯が低くなるから、価格帯が低い贈り物であっても子供が満足しやすくなる。本変形例では、保護者の経済力が弱いほど低い価格帯の商品又はサービスが贈り物候補として紹介されるので、保護者の経済力と価格帯を考慮せずに贈り物候補が紹介される場合に比べて、親戚の金銭的な負担を抑えることができる。
【0129】
[5−5]被保護者が関心を持つ対象
上記の各例では、被保護者が関心を持つ対象として被保護者の興味分野が特定されたが、これに限らず、他の対象が特定されてもよい。
図29は本変形例の贈り物情報紹介システム1eが実現する機能構成を表す。贈り物情報紹介システム1eは、購入履歴蓄積装置10と、紹介情報サーバ装置20eと、ユーザ端末30とを備える。紹介情報サーバ装置20eは、
図4に表す各部に加えて好み特定部215を備える。
【0130】
被保護者履歴抽出部204は、抽出した被保護者の購入履歴を興味分野特定部205に加えて好み特定部215にも供給する。好み特定部215は、保護者関連情報取得部203により取得された保護者関連情報に基づいて、その保護者関連情報が関連する保護者が保護する被保護者の好みを特定する。被保護者の好みは、興味分野と同様に、被保護者が関心を持つ対象の1つである。つまり、好み特定部215は、被保護者が関心を持つ対象を特定する機能でもあり、本発明の「特定部」の一例である。
【0131】
好み特定部215は、例えば抽出された被保護者の購入履歴が示す商品名に色の名称が含まれている場合、その色を被保護者が好む色として特定する。なお、色の名称を含む商品が多数ある場合は、好み特定部215は、最も多く含まれている色を被保護者が好む色として特定する。また、好み特定部215は、例えば被保護者の購入履歴が示すおやつの中で最も購入回数が多い商品を被保護者が好むおやつとして特定する。好み特定部215は、おやつに限らず他の商品カテゴリについても同様に好みの商品を特定する。なお、好み特定部215は、これら以外にも、ユーザの好みを分析して特定する周知技術を用いて被保護者の好みを特定してもよい。
【0132】
贈り物候補決定部206は、興味分野特定部205により特定された被保護者の興味分野と、好み特定部215により特定された被保護者の好みとに関連する贈り物の候補を決定する。例えば特定された興味分野に関連する贈り物候補が「水泳キャップ」で特定された好みが「赤色」である場合、贈り物候補決定部206は「赤い水泳キャップ」を贈り物候補として決定する。
【0133】
なお、特定された興味分野と特定された好みの両方に関連する贈り物候補が常にあるとは限らない。その場合、贈り物候補決定部206は、例えば興味分野及び好みのうち予め決められている方にだけ関連する贈り物候補を決定するか、又はそれぞれに関連する2つの贈り物候補を決定すればよい。被保護者の好みにだけ関連する贈り物候補の決定は、例えば好みと贈り物候補とを対応付けたテーブルを用いて
図11で述べた例のように行われればよい。
【0134】
また、好みの特定方法は、被保護者の購入履歴を用いた方法に限らない。好み特定部215は、例えば
図17に表す被保護者関連施設検出部211により検出された被保護者が訪れた施設に基づいて被保護者の好みを特定してもよい。好み特定部215は、例えばカレー専門店が検出された場合はカレーが好みだと特定し、公園が検出された場合は公園で遊ぶことが好みだと特定する。
【0135】
また、被保護者が関心を持つ対象として、興味分野及び好み以外にも、例えば被保護者の趣味又は嗜好が用いられてもよい。それらのうちのどれが用いられたとしても、特定された対象に関連する贈り物候補は、その対象に関連しない贈り物候補に比べて被保護者の関心を得やすい。従って、贈り物候補が紹介された親戚は、被保護者に喜んでもらいやすい贈り物を贈ることができる。
【0136】
[5−6]贈り物
贈り物は、商品及びサービスのように購入するものに限らず、上述したように、贈り手である親戚が自分で持っている物及び手作りした物等であってもよい。その場合、例えば非売品又は絶版品を示す紹介情報が生成されてもよいし、手作りの贈り物の作り方を紹介したウェブサイトを示す紹介情報が生成されてもよい。
【0137】
[5−7]被保護者・保護者・親戚
上記の各例では、親(実親、養親)、すなわち親権者が保護者であったが、これに限定されず、後見人及び監護者等であってもよい。要するに、被保護者とともに生活して面倒を見ている者であればよい。
【0138】
また、被保護者にとっての親戚とは、その被保護者と血縁及び/又は婚姻で生じた関係によって繋がっている人々のことである(ただし被保護者の保護者及び被保護者の兄弟・姉妹を除く)。贈り物情報紹介システムにおいては、
図4に表す親戚関係記憶部202が記憶している親戚関係情報において親戚関係にあると示されている者同士が親戚と判断される。
【0139】
[5−8]各部を実現する装置
図4等に表す各部を実現する装置は、上述した装置だけに限らない。例えば購入履歴蓄積装置10が備える購入履歴に関する機能を紹介情報サーバ装置20が実現してもよい。また、親戚が紹介情報を要求する際に保護者を指定する操作を行うようにすれば、紹介情報サーバ装置20が保護者特定部201を備えていなくてもよい。また、紹介情報サーバ装置20が備える機能の一部を他の情報処理装置が実現してもよい。要するに、贈り物情報紹介システム1が備える装置が全体として、
図4等に表す各部を実現していればよい。
【0140】
[5−9]発明のカテゴリ
本発明は、購入履歴蓄積装置10、紹介情報サーバ装置、ユーザ端末及び保護者端末のような情報処理装置の他、それらの装置を備える贈り物情報紹介システムのような情報処理システムとしても捉えられる。また、本発明は、各装置が実施する処理を実現するための情報処理方法としても捉えられるし、各装置を制御するコンピュータを機能させるためのプログラムとしても捉えられる。このプログラムは、それを記憶させた光ディスク等の記録媒体の形態で提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してコンピュータにダウンロードさせ、それをインストールして利用可能にするなどの形態で提供されてもよい。
【0141】
[5−10]処理手順等
本明細書で説明した各実施例の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0142】
[5−11]入出力された情報等の扱い
入出力された情報等は特定の場所(例えばメモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0143】
[5−12]ソフトウェア
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0144】
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0145】
[5−13]情報、信号
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0146】
[5−14]システム、ネットワーク
本明細書で使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0147】
[5−15]「に基づいて」の意味
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0148】
[5−16]「及び」、「又は」
本明細書において、「A及びB」でも「A又はB」でも実施可能な構成については、一方の表現で記載された構成を、他方の表現で記載された構成として用いてもよい。例えば「A及びB」と記載されている場合、他の記載との不整合が生じず実施可能であれば、「A又はB」として用いてもよい。
【0149】
[5−17]態様のバリエーション等
本明細書で説明した各実施例は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0150】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施例に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。