(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照しつつ実施の形態について詳細に説明する。また理解容易の目的で、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。
【0030】
<1.基板処理システムの全体構成・全体動作>
図1は、基板処理システム1の構成の一例を概略的に示す図である。なお
図1及び以降の各図では、理解容易の目的で、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。
【0031】
図1の例では、基板処理システム1はコータ/デベロッパ装置であり、主として、洗浄装置12、脱水ベーク装置13、塗布関連装置14、プリベーク装置15、現像装置17及びポストベーク装置18の各処理装置を備える。また、基板処理システム1の一方側には、基板処理システム1に対して基板を搬入、搬出するインデクサ部11が配置される。さらに基板処理システム1の他方側に図示しないインターフェイス部を介して露光装置16が配置される。
【0032】
インデクサ部11から露光装置16までの行きラインには、洗浄装置12、脱水ベーク装置13、塗布関連装置14及びプリベーク装置15等がこの順で配置される。露光装置16からインデクサ部11までの帰りラインには、現像装置17及びポストベーク装置18等がこの順で配置される。
【0033】
インデクサ部11には複数の基板を収納する複数のカセットが載置される。インデクサ部11には、基板搬送手段としてのインデクサロボットが配置されている。インデクサロボットはカセットから基板を取り出し、この基板を洗浄装置12へと搬送する。洗浄装置12においては、基板に洗浄処理が行われる。洗浄処理が行われた基板は、脱水ベーク装置13に搬送される。脱水ベーク装置13においては、加熱により脱水処理(脱水ベーク処理)が行われる。脱水ベーク処理が行われた基板は、塗布関連装置14に搬送され、レジストの塗布処理を含む各種の処理が行われる。この処理が行われた基板は、プリベーク装置15に搬送され、加熱処理が行われる。加熱処理が行われた基板は、露光装置16に搬送され、露光処理が行われる。基板は、例えば液晶表示装置に用いられる矩形状のガラス基板である。
【0034】
これらの処理が行われた基板は、現像装置17に搬送され、現像処理が行われる。現像処理が行われた基板は、ポストベーク装置18に搬送され、加熱処理が行われる。その後、該基板は、インデクサロボットによってインデクサ部11に載置されるカセットに収容される。これらの一連の処理により、基板の表面にはレジストのパターンが形成される。
【0035】
また、基板処理システム1は、各処理装置での処理及び基板の搬送を制御する制御部60を有する。
図2は、制御部60の構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。
【0036】
制御部60は制御回路であって、
図2に示されるように、例えば、CPU(Central Processing Unit)61、ROM(Read Only Memory)62、RAM(Random Access Memory)63及び記憶装置64等が、バスライン65を介して相互接続された一般的なコンピュータによって構成される。ROM62は基本プログラム等を格納しており、RAM63はCPU61が所定の処理を行う際の作業領域として供される。記憶装置64は、フラッシュメモリ、あるいは、ハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置によって構成される。
【0037】
また、制御部60では、入力部66、表示部67、通信部68もバスライン65に接続されている。入力部66は、各種スイッチ、あるいは、タッチパネル等により構成されており、オペレータから処理レシピ等の各種の入力設定指示を受ける。表示部67は、液晶表示装置及びランプ等により構成されており、CPU61による制御のもと各種の情報を表示する。通信部68は、LAN(Local Area Network)等を介したデータ通信機能を有する。
【0038】
また、制御部60には、各ロボット(インデクサロボット等の搬送ロボットなど)及び上述の各処理装置が制御対象として接続されている。つまり制御部60は基板の搬送を制御する搬送制御部として機能できる。
【0039】
制御部60の記憶装置64には、基板処理システム1を構成する各装置の搬送制御についての複数のモードが予め設定されている(設定工程)。制御部60のCPU61が処理プログラムPを実行することによって、上記複数のモードのうちの1つのモードが選択され、該モードによって基板の搬送動作が制御される(実行工程)。また、処理プログラムPは、記録媒体に記憶されていてもよい。この記録媒体を用いれば、制御部60(コンピュータ)に処理プログラムPをインストールすることができる。また制御部60が実行する機能の一部または全部は必ずしもソフトウェアによって実現される必要は無く、専用の論理回路などのハードウェアによって実現されてもよい。
【0040】
<2.処理装置のタイプ>
この基板処理システム1では、処理装置のタイプとして次の2つのタイプの処理装置が混在している。すなわち、基板を順次に一方向に搬送しつつ当該基板Wに対して1枚ずつ処理を行う平流し処理装置と、N(2以上の整数)枚の基板に対して一括して同時に処理する同時処理装置とが混在する。なお同時処理装置によるN枚の基板の処理期間は完全に一致する必要はなく、各処理期間の少なくとも一部が重なっていればよい。要するに、ここでいう同時とは、各処理期間が全く重ならない状態と対比した意味で用いられる。平流し処理装置としては、洗浄装置12および現像装置17が例示され、同時処理装置としては、脱水ベーク装置13、塗布関連装置14、プリベーク装置15及びポストベーク装置18が例示される。
【0041】
<2−1.平流し処理装置>
図3は、平流し処理装置30の構成の一例を概略的に示す図である。平流し処理装置30は基板導入部31と処理装置本体32と基板導出部33とを備えている。基板導入部31は上流の装置から搬送される基板Wを受け取る。処理装置本体32は基板導入部31から搬送される基板Wを受け取り、この基板Wを一方向(搬送方向)に沿って搬送させつつ、基板Wに対して各種の処理を行う。処理後の基板Wは処理装置本体32から基板導出部33へと搬送される。基板導出部33は処理装置本体32から搬送された基板Wを順次に受け取る。基板導出部33は順次に受け取った基板Wを複数(N枚)保持することができる。複数の基板Wは基板導出部33から一括して取り出されて、下流の装置へと搬送される。
【0042】
以下では、平流し処理装置30として洗浄装置12を例に挙げて説明する。なお、基板導入部31および基板導出部33についての以下の説明は他の平流し処理装置30(例えば現像装置17)にも共通する。その一方で、処理装置本体32は実質的な基板の処理を司るブロックであるので、処理装置本体32の洗浄に関する以下の説明は洗浄装置12に固有の説明である。
【0043】
<2−1−1.基板導入部31>
基板導入部31は搬送コンベアとしての複数のローラ311および複数のローラ313を有している。ローラ311,313の断面は円形状を有しており、ローラ311,313は、その中心軸が基板Wの搬送方向D1に略垂直かつ略水平となる姿勢で設けられる。複数のローラ311は搬送方向D1に沿って間隔を空けて並んで設けられる。各ローラ311は自身の中心軸を回転軸として回転することができる。各ローラ311の中心軸における両端は、それぞれ支持板(不図示)に回転可能に固定される。この一対の支持板は搬送方向D1に沿って延びる板状部材であり、床面に設けられた所定の架台312に固定される。複数のローラ313は搬送方向D1に沿って間隔を空けて並んで設けられる。ローラ313はローラ311よりも下流側に位置しており、ローラ311と同じ高さに設けられている。各ローラ313は自身の中心軸を回転軸として回転することができる。各ローラ313の中心軸における両端は、それぞれ支持板に回転可能に固定される。
【0044】
複数のローラ311は駆動部(不図示)によって駆動されて、予め定められた同じ方向に略等しい回転速度で回転(同期回転)する。駆動部はモータを有しており、制御部60によって制御される。複数のローラ311の上に基板Wが載置される。基板Wはその主面の法線方向が鉛直方向に沿う姿勢で載置される。この状態で、複数のローラ311が同じ方向に同期回転することにより、基板Wはローラ311の上を搬送方向D1に沿って処理装置本体32へと移動する。複数のローラ313も駆動部(不図示)によって駆動されて同期回転する。ローラ311,313は独立して制御される。
【0045】
ローラ311,313の上には、1枚ずつ基板Wが載置されてもよい。例えばインデクサ部11から2枚の基板W1がローラ311,313の上に載置されてもよい。この状態で制御部60はローラ313のみを同期回転させることにより、ローラ313上の基板Wを処理装置本体32へと搬送する。次に制御部60はローラ311,313の両方を同期回転させることにより、ローラ313上の基板Wを処理装置本体32へと搬送する。
【0046】
<2−1−2.処理装置本体32>
処理装置本体32は薬液部34、水洗部35及び水切り部36を有している。薬液部34、水洗部35及び水切り部36は上流から下流へ向かってこの順で直列に設けられている。また処理装置本体32は搬送コンベアとしての複数のローラ321も有している。複数のローラ321はローラ311と同様の形状を有しており、ローラ311と同様の姿勢で配置される。複数のローラ321は搬送方向D1に沿って間隔を空けて並んでいる。複数のローラ321は基板導入部31のローラ311と同じ高さに設けられており、基板Wはローラ311からローラ321へと移動することができる。また複数のローラ321は薬液部34、水洗部35及び水切り部36に亘って設けられている。複数のローラ321は駆動部(不図示)によって駆動されて同期回転する。これにより、基板Wを搬送方向D1に搬送して、薬液部34、水洗部35及び水切り部36をこの順で通過させることができる。
【0047】
薬液部34は、ローラ321上の基板Wへと薬液を供給して基板Wを洗浄する装置である。薬液部34は、薬液を吐出する複数のノズル341と、薬液を貯留する薬液槽342と、薬液槽342およびノズル341を繋ぐ供給管343と、供給管343を経由して薬液をノズル341へ供給するポンプ344とを備えている。ノズル341は鉛直方向において基板Wの両側に設けられており、基板Wの両面へと薬液を供給する。薬液部34は、基板Wをブラッシングするためのブラシ(不図示)などを有していてもよい。薬液を基板Wに供給しながらブラッシングを行うことにより、洗浄効果を高めることができる。基板Wに供給された薬液は主として基板Wの周縁から落ちて、薬液槽342へと回収される。
【0048】
水洗部35は、基板Wに対して洗浄水を供給することで基板Wに残留した薬液を洗い流す装置である。水洗部35は洗浄水を貯留する第1水槽355及び第2水槽356を有している。また水洗部35は上流から下流に向かってこの順で配置される低圧水供給部351、高圧水供給部352、超音波洗浄水供給部353及び純水供給部354を有している。各部351〜354は薬液部34と同様に、基板Wに液を吐出するノズルと、当該ノズルに連結された供給管と、当該供給管を経由して当該ノズルに液を供給するポンプとを備えている。低圧水供給部351のポンプは低圧ポンプであって、低い圧力で第1水槽355から洗浄水を汲み上げてノズルに供給する。これにより、低圧水供給部351は低圧で洗浄水を基板Wに供給できる。高圧水供給部352のポンプは高圧ポンプであって、高い圧力で第1水槽355から洗浄水を汲み上げてノズルに供給する。これにより、高圧水供給部352は高圧で洗浄水を基板Wに供給できる。低圧水供給部351及び高圧水供給部352によって供給された洗浄水は主として基板Wの周縁から落ちて第1水槽355へと回収される。
【0049】
超音波洗浄水供給部353のノズルには、第2水槽356からの洗浄水に超音波振動を付与する超音波振動子が設けられている。超音波洗浄水供給部353は、振動状態の洗浄水を基板Wへと供給する。超音波洗浄水供給部353によって供給された洗浄水は主として第2水槽356へ回収される。純水供給部354のノズルからは、純水が基板Wに向かって供給される。この純水は主として第2水槽356へ回収される。
【0050】
水切り部36は基板Wへと高圧の気流を流すことで基板Wから水を吹き飛ばす装置である。水切り部36は、基板Wに気体を噴射する噴射部361と、気体を供給する気体供給部362と、噴射部361および気体供給部362を連結する管路363とを有している。気体供給部362は工場設備(ユーティリティ)として設けられた気体源である。
【0051】
以上のように、処理装置本体32において基板Wは搬送方向D1に沿って搬送されて、各位置において各種の処理が行われる。処理装置本体32によって全ての処理が行われた基板Wは基板導出部33へと搬送される。
【0052】
<2−1−3.基板導出部33>
基板導出部33は、処理装置本体32から順次に搬送される基板Wの複数(N枚)を保持することができる。基板導出部33が保持可能な基板Wの枚数は、次の同時処理装置40(例えば脱水ベーク装置13)で処理される基板Wの枚数と同じである。ここでは、一例として、基板導出部33は2枚の基板Wを保持し、同時処理装置40は2枚の基板Wに対して同時に処理を行うものとする。
【0053】
基板導出部33は、搬送コンベアとしての複数の第1ローラ331および複数の第2ローラ332と、センサ334,335とを備えている。第1ローラ331の断面は円形状を有している。第1ローラ331は、その中心軸が基板Wの搬送方向D1に垂直かつ水平となる姿勢で搬送方向D1に沿って間隔を空けて配置される。第2ローラ332は第1ローラ331よりも下流側に配置される。第2ローラ332も第1ローラ331と同様の形状を有し、第1ローラ331と同様の姿勢で搬送方向D1に沿って間隔を空けて配置される。複数の第1ローラ331は第1駆動部(不図示)によって同期回転し、第2ローラ332は第2駆動部(不図示)によって同期回転する。第1ローラ331および第2ローラ332は互いに異なる第1駆動部および第2駆動部によって駆動されるので、互いに独立して制御可能である。第1駆動部は例えばモータを有し、第2駆動部は例えばモータを有する。第1駆動部および第2駆動部は制御部60によって制御される。
【0054】
第1ローラ331および第2ローラ332は、ローラ321と同じ高さに設けられており、これらが同期回転することで、基板Wはローラ321から第1ローラ331へと搬送され、適宜に第1ローラ331から第2ローラ332へと搬送される。後に説明するように、第1ローラ331の上には1枚の基板Wが停止し、第2ローラ332の上には1枚の基板Wが停止する。これにより、基板導出部33は2枚の基板Wを保持することができる。
【0055】
センサ334は第1ローラ331上の停止位置に基板Wが存在しているか否かを検出する。センサ335は第2ローラ332上の停止位置に基板Wが存在しているか否かを検出する。センサ334,335は例えば光学式のセンサであって、基板Wからの反射光を受光したときに、基板Wを検出する。センサ334,335の検出結果は制御部60へと出力される。
【0056】
基板導出部33は処理装置本体32から2枚の基板Wを順次に受け取り、これらを保持することができる。まず1枚目の基板Wは第1ローラ331および第2ローラ332が同期回転することで、第2ローラ332の上の停止位置まで搬送される。具体的には、センサ334,335の両方が基板Wを検出していないときに、制御部60はローラ332、第1ローラ331および第2ローラ332を同期回転させて、処理装置本体32からの基板Wを基板導出部33へと搬送する。そしてセンサ335が基板Wを検出したときに制御部60は第2ローラ332の同期回転を停止する。これにより、1枚目の基板Wは第2ローラ332上で停止して支持される。2枚目の基板Wに対しては、制御部60は第2ローラ332を回転させず、ローラ321および第1ローラ331を同期回転させることにより、第1ローラ331の停止位置まで当該基板Wを搬送する。具体的にはセンサ334が基板Wを検出したときに制御部60は第1ローラ331の同期回転を停止する。つまり、センサ334,335の両方が基板Wを検出しているときに、制御部60は第1ローラ331の同期回転を停止する。これにより、2枚目の基板Wは第1ローラ331上で停止して支持される。このように基板導出部33は2枚の基板Wを保持することができる。
【0057】
以下では、2枚の基板Wの一方を基板W1とも呼び、他方を基板W2とも呼ぶ。ここでは基板W1は第1ローラ331上で停止し、基板W2は第2ローラ332上で停止するものとする。また以下では搬送方向D1に直交し且つ水平な方向を幅方向D2とも呼ぶ。
【0058】
また基板導出部33は2枚の基板Wの間隔を調整することができる。具体的には、基板導出部33は第1ローラ331および第2ローラ332の回転を制御することで、この搬送コンベア上に順次、搬入される2枚の基板Wの停止位置をそれぞれ制御して、2枚の基板Wの間隔を調整できる。基板導出部33は、この搬入された2枚の基板Wの間隔を、直後の脱水ベーク装置12にて2枚の基板Wを同時に処理する際の当該間隔に調整する。後に説明するように、調整後の間隔は、2枚の基板Wの両方が脱水ベーク装置12の基板保持部の上に載置できる程度の間隔である。つまり、2枚の基板Wの間隔が広すぎると下流側の基板保持部の上に載置できないので、基板導出部33は予め間隔を調整しておくのである。
【0059】
基板導出部33は2枚の基板W1,W2を整列するための整列部を備えてもよい。
図4は、整列部37の構成の一例を概略的に示す図である。整列部37は移動体37A,37B,38A,38Bを備えている。基板W1,W2はその一辺(短辺)が搬送方向D1に沿う姿勢で並んでいる。
【0060】
移動体37A,38Aは第1ローラ331上の基板W1を幅方向D2において挟むように対向配置される。移動体37Aは当接部材371A,372Aおよび連結部材373Aを備えている。当接部材371A,372Aは搬送方向D1に沿って間隔を空けて並んで配置される。当接部材371A,372Aは円柱形状を有しており、その中心軸が鉛直方向に沿う姿勢で配置されている。連結部材373Aは当接部材371A,372Aの下端を連結する。つまり当接部材371A,372Aは連結部材373Aから鉛直上方へと突出している。よって幅方向D2に沿って見れば、移動体37Aは鉛直上方に開口するU字形状を有している。当接部材371A,372Aは基板W1の側面と間隔を空けて対向する。
【0061】
移動体37Aには進退機構374Aが連結されている。進退機構374Aは移動体37Aを幅方向D2に沿って進退させる。進退機構374Aは例えばエアシリンダである。エアシリンダは、一端が開口し他端が閉じた筒状のシリンダチューブと、このシリンダチューブの内周面に当接するピストンと、ピストンに連結されてシリンダチューブの長手方向に延びるピストンロッドとを備えている。ピストンロッドはシリンダチューブの一端を貫通して、その外側まで延在する。つまり、ピストンロッドの先端はシリンダチューブの外側に位置している。またシリンダチューブの側面には、その内部の空気を吸排気するための孔が形成されている。この空気の吸排気により、ピストンがシリンダチューブに対して長手方向に移動する。進退機構374Aは、シリンダチューブの長手方向が幅方向D2に沿う姿勢で配置されている。シリンダチューブの先端は連結部材373Aに固定される。ピストンロッドの先端が幅方向D2に沿って移動することにより、連結部材373Aおよびこれに連結された当接部材371A,372Aが幅方向D2に沿って移動する。シリンダチューブ内の吸排気は制御部60によって制御される。
【0062】
移動体38Aは当接部材381A,382Aおよび連結部材383Aを備えている。移動体38Aの構成は移動体37Aと同様である。当接部材381Aは当接部材371Aと幅方向D2において対向する位置に配置され、当接部材382Aは当接部材372Aと幅方向D2において対向する位置に配置されている。移動体38Aは進退機構384Aに連結されており、この進退機構384Aは移動体38Aを幅方向D2に沿って進退させる。進退機構384Aの構成は進退機構374Aと同様である。
【0063】
移動体37A,38Aがそれぞれ幅方向D2における所定位置に移動することにより、当接部材371A,372Aの一組と、当接部材381A,382Aの一組とが、それぞれ基板W1の対向する側面に当接し、基板W1の幅方向D2の位置を調整する。
【0064】
移動体37B,38Bは第2ローラ332上の基板W2を幅方向D2において挟むように対向配置される。移動体37B,38Bはそれぞれ移動体37A,38Aと同様の構成を有する。移動体37B,38Bはそれぞれ進退機構374B,384Bに連結されている。進退機構374Bは移動体37Bを幅方向D2に沿って移動させ、進退機構384Bは移動体37Bを幅方向D2に沿って移動させる。進退機構374B,384Bはそれぞれ進退機構374A,384Aと同様の構成を有する。
【0065】
移動体37B,38Bがそれぞれ幅方向D2における所定位置に移動することにより、移動体37B,38Bが、それぞれ基板W2の対向する側面に当接し、基板W2の幅方向D2の位置を調整する。
【0066】
以上のように、基板W1,W2は幅方向D2における位置が調整されて、整列する。つまり、移動体37A,37Bが基板W1を挟むように移動し、移動体38A,38Bが基板W2を挟むように移動することで、基板W1,W2が整列する。
【0067】
<3.同時処理装置40>
図5および
図6は、同時処理装置40の構成の一例を概略的に示す図である。ここでは同時処理装置40として脱水ベーク装置13および塗布関連装置14を例に挙げて説明する。
図5は、脱水ベーク装置13の構成の一例を示す概略的な図であり、
図6は、塗布関連装置14の構成の一例を概略的に示す図である。
図5および
図6においては、基板Wの搬送方向がブロック矢印で示されている。
【0068】
<3−1.脱水ベーク装置13>
脱水ベーク装置13は加熱部HPおよび冷却部CPを備えている。この脱水ベーク装置13は、洗浄装置12によって洗浄処理が行われた2枚の基板Wを搬送ロボット(基板搬送手段)TR1から受け取り、受け取った2枚の基板Wに対して処理を行う。
【0069】
<3−1−1.搬送ロボットTR1>
搬送ロボットTR1はハンドH1と移動機構51と昇降機構52と回転機構53とを有している。移動機構51はハンドH1を水平面内で移動させることができる。例えば移動機構51は一対のアームを有している。各アームは長尺状の複数の連結部材を有しており、その連結部材の端部同士が回転可能に連結される。各アームの一端はハンドH1に連結され、他端は昇降機構52に連結される。連結部材の連結角度が制御されることで、ハンドH1を水平面内で移動させることができる。昇降機構52はアームを鉛直方向に沿って昇降させることで、ハンドH1を昇降させる。昇降機構52は例えばボールねじ機構を有している。回転機構53は鉛直方向に沿う回転軸を中心として昇降機構52を回転させることができる。これにより、ハンドH1は周方向に沿って回動する。この回動により、ハンドH1の向きを変えることができる。回転機構53は例えばモータを有している。移動機構51、昇降機構52および回転機構53は制御部60によって制御される。
【0070】
ハンドH1には、2枚の基板Wが水平な一方向において並んだ状態で載置される。ハンドH1は例えば複数本の指状部材F1と、指状部材F1の基端を連結する基端部材P1を有している。この基端部材P1にはアームの一端が連結される。指状部材F1は長尺状の形状を有しており、その上面において基板Wが載置される。この2枚の基板Wは指状部材F1の長手方向に沿って並んで載置される。よって、指状部材F1の長手方向の長さは、基板Wの2枚分の長さと、基板Wの間の間隔とに応じて設定される。
【0071】
搬送ロボットTR1はハンドH1を適宜に移動および回転させることで、ハンドH1を加熱部HP、冷却部CP、洗浄装置12の基板導出部33および次工程の塗布関連装置14(
図5において不図示)の各々へと移動させることができる。搬送ロボットTR1は2枚の基板Wを一括して基板導出部33、加熱部HPおよび冷却部CPの各々から取り出したり、あるいは、2枚の基板Wを一括して加熱部HP、冷却部CPおよび塗布関連装置14の各々へ渡したりすることができる。
【0072】
例えば搬送ロボットTR1は次のように基板導出部33から2枚の基板Wを一括して取り出す。すなわち、搬送ロボットTR1は、基板導出部33で保持された2枚の基板Wの下方にハンドH1を位置させるべく、ハンドH1を基板導出部33へと移動させる。
【0073】
なお第1ローラ331および第2ローラ332は、搬送ロボットTR1のハンドH1との衝突を避けるように構成されている。例えば
図5においては、複数の第1ローラ331は上から見て格子状に配置されている。具体的には、3つの第1ローラ331が配列方向D1に沿って間隔を空けて並んでいる。この3つの第1ローラ331を有する組が5つ設けられており、この5つの組が幅方向D2に沿って間隔を空けて設けられている。幅方向D2に沿って並ぶ5つの第1ローラ331は互いに同一の軸に連結されており、この軸の周りで回転する。第2ローラ332も同様に配置される。第1ローラ331の各組は第2ローラ332の各組と配列方向D1に沿って並んでいる。指状部材F1は、第1ローラ331および第2ローラ332に衝突しないように、第1ローラ311の組の相互間および第2ローラ332の組の相互間に挿入される。
【0074】
そして搬送ロボットTR1はハンドH1を鉛直上方へと上昇させることで、2枚の基板WがハンドH1によって持ち上げられる。これにより、2枚の基板Wはそれぞれ第1ローラ331および第2ローラ332から離れる。2枚の基板WはハンドH1の上において、その長手方向に沿って間隔を空けて並んで載置されることになる。2枚の基板Wはその主面の法線方向が鉛直方向に沿う姿勢でハンドH1の上に載置される。また、この搬出動作において2枚の基板Wには水平方向の力がほとんど生じないので、基板導出部33における2枚の基板Wの間隔は、搬送ロボットTR1においても実質的に維持される。
【0075】
次に搬送ロボットTR1はハンドH1を基板導出部33から遠ざけるように移動させることで、基板導出部33から2枚の基板Wを一括して取り出す。
【0076】
なお指状部材F1の上面(基板Wが載置される面)には、複数の吸引口が形成されていても構わない。この吸引口は2枚の基板Wと対向する位置に設けられており、当該吸引口から空気が引き抜かれて基板Wを吸引する。これにより、基板Wを保持するための保持力を向上できる。
【0077】
搬送ロボットTR1は上記動作と同様の動作によって加熱部HPおよび冷却部CPの各々から2枚の基板Wを一括して取り出す。一方、搬送ロボットTR1は上記動作とは逆の手順で、加熱部HP、冷却部CPおよび塗布関連装置14の各々(以下、各部と呼ぶ)へと2枚の基板Wを一括して渡す。つまり、搬送ロボットTR1は2枚の基板Wが載置されたハンドH1を各部の内部へと移動させ、ハンドH1を下降させて各部の基板保持部の上面に2枚の基板Wを一括して載置する。なお、各部の基板保持部は2枚の基板Wの搬出入の際にハンドH1と衝突しないように構成されている。そして搬送ロボットTR1はハンドH1を各部の内部から外部へと移動させる。これにより、2枚の基板Wが各部に一括して渡される。また、この搬入動作においても2枚の基板Wには水平方向の力がほとんど生じないので、搬送ロボットTR1における2枚の基板Wの間隔は、各部においても実質的に維持される。
【0078】
以上のように、搬送ロボットTR1は基板導出部33によって調整された間隔を維持しつつ、2枚の基板Wを基板導出部33から取り出し、この間隔を維持しつつ、2枚の基板Wを脱水ベーク装置12へと渡すことができる。また同様に、搬送ロボットTR1は、各部の相互間においても、間隔を維持しつつ2枚の基板Wを搬送することができる。
【0079】
搬送ロボットTR1はハンドH1を2つ有していてもよい。この2つのハンドH1は互いに独立して駆動される。例えば、一方のハンドH1用の移動機構51、昇降機構52および回転機構53が設けられ、他方のハンドH1用にも移動機構51、昇降機構52および回転機構53が設けられてもよい。例えば搬送ロボットTR1は、一方のハンドH1を用いて基板導出部33から2枚の基板Wを取り出す。このとき、他方のハンドH1は空である。そして搬送ロボットTR1は、加熱部HPによって処理された2枚の基板Wをこの他方のハンドH1を用いて加熱部HPから取り出し、一方のハンドH1の上に載置された2枚の基板Wを加熱部HPに渡す。これにより、基板搬送のスループットを向上することができる。以下、2つのハンドH1を有する搬送ロボットをダブルハンドタイプの搬送ロボットとも呼び、1つのハンドH1を有する搬送ロボットをシングルハンドタイプの搬送ロボットとも呼ぶ。
【0080】
以上のように、搬送ロボットTR1は、平流し処理部である洗浄装置12により処理された複数の基板のうちN枚(2枚)の基板Wを水平な一方向(D1方向)に並べて保持しつつ、このN枚(2枚)の基板を一括して同時処理部である脱水ベーク装置13へ搬送する。この結果、基板Wを1枚ずつ搬送する場合に比べて、搬送処理のスループットを向上することができる。
【0081】
<3−1−2.加熱部HP>
加熱部HPには、搬送ロボットTR1から2枚の基板Wが一括して渡される。この加熱部HPは、この2枚の基板Wを水平方向に並べて保持する基板保持部91と、この2枚の基板Wに対して一括して同時に加熱処理を行う加熱手段92とを備えている。換言すれば、加熱部HPは、2枚の基板に対して同時に加熱処理を行う。
【0082】
基板保持部は2枚の基板Wの下面を支持する部材を有している。2枚の基板Wはこの部材の上に載置されることによって保持される。2枚の基板Wはその主面の法線方向が鉛直方向に沿う姿勢で載置される。例えば基板保持部91は図示しない複数のリフトピンを備える。この複数のリフトピンは、基板保持部91の上面より、その先端を突出させた上位置と、前記上面より下に退避した下位置との間で昇降する。搬送ロボットTR1は上方に突出した複数のリフトピンに2枚の基板Wを渡した後、退避する。複数のリフトピンは2枚の基板Wを支持した状態で下降し、基板保持部91の上面に2枚の基板Wを載置する。なお、2枚の基板Wの間隔は洗浄装置12の基板導出部33によって適切な間隔に調整されているので、基板保持部91は適切に2枚の基板Wを保持することができる。逆にいえば、基板導出部33は処理装置本体32から搬送された2枚の基板Wの間隔を、当該2枚の基板Wが基板保持部91に載置できるように調整している。
【0083】
加熱手段92は例えばヒータなどであり、基板保持部91によって保持された2枚の基板Wに対して一括して同時に加熱処理を行う。加熱手段92は制御部60によって制御される。この加熱処理により、例えば基板Wに残留した純水を蒸発させることができる(脱水処理)。2枚の基板Wに対して一括して同時に加熱処理を行うので、基板Wに対して1枚ずつ加熱処理を行う場合に比べて、加熱処理のスループットを向上することができる。この加熱部HPは、N枚(例えば2枚)の基板に対して一括して同時に処理を行う同時処理部である、とも言える。
【0084】
<3−1−3.冷却部CP>
冷却部CPには、加熱部HPによって加熱された2枚の基板Wが搬送ロボットTR1から一括して渡される。つまり、搬送ロボットTR1は、平流し処理部たる洗浄装置12によって処理された後に加熱部HPによって処理された2枚の基板Wを、水平な一方向に並べて保持しつつ、当該2枚の基板Wを一括して冷却部CPへと搬送する。この冷却部CPは、この2枚の基板Wを水平方向に並べて保持する基板保持部93と、この2枚の基板Wに対して一括して冷却処理を行う冷却手段94とを備えている。換言すれば、冷却部CPは、2枚の基板に対して同時に冷却処理を行う。
【0085】
この基板保持部93は2枚の基板Wの下面を支持する部材を有している。2枚の基板Wはこの部材の上に載置されることによって保持される。2枚の基板Wはその主面の法線方向が鉛直方向に沿う姿勢で載置される。基板保持部93の構造は基板保持部91と同様である。
【0086】
冷却手段94は例えば金属板の内部に形成された液路に冷水を流す冷却板などであり、基板保持部に保持された2枚の基板Wに対して一括して冷却処理を行う。冷却手段94は制御部60によって制御される。この冷却処理により、2枚の基板Wが冷却され、2枚の基板Wの温度を下流側の処理装置(塗布関連装置14)に適した温度とすることができる。2枚の基板Wに対して一括して同時に冷却処理を行うので、基板Wに対して1枚ずつ冷却処理を行う場合に比べて、冷却処理のスループットを向上することができる。
【0087】
なお冷却部CPは自然冷却により2枚の基板Wを冷却してもよい。自然冷却とは、加熱された基板Wに対して動力(電力)を用いた冷却を行わずに、基板Wを放置して冷却することである。この場合、冷却板などの構成としての冷却手段94は不要である。この冷却部CPは、N枚(2枚)の基板に対して同時に処理を行う同時処理部ある、と言える。
【0088】
<3−1−4.脱水ベーク装置の一連の処理>
次に脱水ベーク装置13による一連の処理を簡単に説明する。搬送ロボットTR1は上流側の洗浄装置12の基板導出部33から2枚の基板Wを一括して取り出して、この2枚の基板Wを一括して加熱部HPへと渡す。この加熱部HPでも、2枚の基板Wは水平方向に並んだ状態で保持される。加熱部HPはこの2枚の基板Wに対して一括して加熱処理を行う。加熱処理後の2枚の基板Wは搬送ロボットTR1によって一括して取り出され、冷却部CPへと一括して渡される。冷却部CPでも、2枚の基板Wは水平方向に並んだ状態で保持される。冷却部CPはこの2枚の基板Wに対して一括して冷却処理を行う。冷却処理が行われた2枚の基板Wは搬送ロボットTR1によって一括して取り出されて、塗布関連装置14へと一括して搬送される。
【0089】
<3−2.塗布関連装置14>
図6に示すように、塗布関連装置14は間隔調整部41とレジスト塗布装置42と減圧乾燥装置43と搬送ロボットTR2,TR3とを備えている。この塗布関連装置14においては、2枚の基板Wに対して主として次の2つの処理が行われる。即ち、レジスト塗布装置42が2枚の基板Wに対して一括して同時にレジスト塗布処理を行い、次に、減圧乾燥装置43が2枚の基板Wに対して一括して同時に減圧乾燥処理を行う。
【0090】
ところで、このレジスト塗布装置42においては、2枚の基板Wの間隔が所定の間隔となっていることが望ましい。この所定の間隔(つまりレジスト塗布装置42にとって適した間隔)については後に詳述する。
【0091】
しかしながら、上流側の脱水ベーク装置13から塗布関連装置14に渡された時点での2枚の基板Wの間隔はこの所定の間隔となってない場合もあり得る。そこで、
図6の例においては、間隔調整部41が設けられている。この間隔調整部41は脱水ベーク装置13の搬送ロボットTR1から2枚の基板Wを一括して受け取り、当該2枚の基板Wの間隔をレジスト塗布装置42に適した間隔へと調整する。
【0092】
<3−2−1.間隔調整部>
図7は、間隔調整部41の構成の一例を概略的に示す平面図であり、
図8は、間隔調整部41の構成の一例を示す側面図である。ここでは一例として、搬入された2枚の基板Wの間隔を広げる間隔調整部41について説明する。つまり、ここでは、下流側(例えばレジスト処理装置42)で同時に処理される際の2枚の基板Wの間隔が、上流側(例えば脱水ベーク装置12)で同時に処理される際の2枚の基板Wの間隔よりも広いと仮定する。
図7および
図8に示すように、間隔調整部41は複数の支持部411と移動体412,413と回転体418,419とを備えている。
【0093】
複数の支持部411は、搬送ロボットTR1から渡された2枚の基板Wを支持する(
図8参照)。2枚の基板Wは支持部411の上において水平方向に沿って同じ高さに並んで載置される。2枚の基板Wはその主面の法線方向が鉛直方向に沿う姿勢で載置される。なお支持部411は基板Wの搬入の際に搬送ロボットTR1のハンドH1と衝突しないように構成されている。例えば複数の支持部411は例えば鉛直方向に延在するピン形状を有していてもよい。複数の支持部411は所定の支持台4110の上面から上側に突出しており、支持部411の上端が基板Wの下面に当接して基板Wを支持している。基板Wの搬出入の際には、搬送ロボットTR1のハンドH1は支持部411の相互間に挿入され、支持部411とは衝突しない。支持部411は2枚の基板Wを支持する一方で、水平面において2枚の基板Wの位置を固定していない。よって、2枚の基板Wは後述するように水平方向に沿って移動することができる。
【0094】
以下では、支持部411によって支持された2枚の基板Wが並ぶ方向を配列方向D11とも呼び、この配列方向D11に直交し且つ水平な方向を幅方向D12とも呼ぶ。また
図7および
図8の例においては、紙面左側に位置する基板Wが基板W1として示され、紙面右側に位置する基板Wが基板W2として示されている。
【0095】
移動体412,413は基板W1,W2の一組を配列方向D11において挟むように対向配置されている。移動体412は基板W1側に位置しており、移動体413は基板W2側に位置している。移動体412は端部材81A,82Aと連結部材83Aとを備えており、移動体413は端部材81B,82Bと連結部材83Bとを備えている。
【0096】
端部材81A,82Aは幅方向D12において間隔を空けて対向して配置されている。端部材81A,82Aは仮想線A1に対して互いに反対側に位置している。仮想線A1は基板Wの中心を通り配列方向D11に平行な線である。
図7の例においては端部材81A,82Aは仮想線A1に対して対称な位置に配置されている。
【0097】
端部材81A,82Aは円柱形状を有しており、その中心軸が鉛直方向に沿う姿勢で配置されている。連結部材83Aは板状の形状を有しており、端部材81A,82Aの下端を連結している。換言すれば、端部材81A,82Aは連結部材83から鉛直上方に向かって突出する。よって、配列方向D11に沿って見れば、移動体412は鉛直上方に開口するU字形状を有する。
図7の例においては、端部材81A,82Aは配列方向D11において基板W1の側面と間隔を空けて対向している。
【0098】
端部材81B,82Bおよび連結部材83Bはそれぞれ端部材81A,82Bおよび連結部材83Aと同様の構成を有している。端部材81A,81B(一対の端部材)は配列方向D11において互いに対向する位置に設けられており、端部材82A,82B(一対の端部材)は配列方向D11において互いに対向する位置に設けられている。
図7の例においては、端部材81B,82Bは配列方向D11において基板W2の側面と間隔を空けて対向している。
【0099】
移動体412,413はそれぞれ進退機構84A,84Bに連結されており、進退機構84A,84Bはそれぞれ移動体412,413を配列方向D11に沿って進退させる。進退機構84A,84Bは例えばエアシリンダである。進退機構84A,84Bはシリンダチューブの長手方向が配列方向D11に沿う姿勢で配置される。進退機構84A,84Bのピストンロッドの先端はそれぞれ連結部材83A,83Bに固定される。進退機構84Aのピストンロッドの先端が配列方向D11に沿って移動することにより、連結部材83Aおよびこれに連結された端部材81A,82Aが配列方向D11に沿って移動する。進退機構84Bも同様である。ここでは、
図7に示す移動体412,413の位置をそれぞれ移動体412,413の初期位置とする。
【0100】
進退機構84A,84Bは制御部60によって制御される。具体的には、制御部60は進退機構84A,84Bを制御して、移動体412,413を初期位置から互いに遠ざけるように移動させる。
【0101】
回転体418,419は、配列方向D11において隣り合う2枚の基板Wの間に位置している。回転体418,419は幅方向D12に沿って互いに間隔を空けて配置されている。より具体的には回転体418,419は仮想線A1に対して互いに反対側に位置している。
図7の例においては、回転体418,419は仮想線A1に対して対称な位置に配置されている。
【0102】
回転体418は中間部材71A,72Aと連結部材73Aとを備えている。中間部材71A,72A(一対の中間部材)は水平面において互いに間隔を空けて配置されており、連結部材73Aによって連結されている。中間部材71A,72Aは円柱形状を有しており、その中心軸が鉛直方向に沿う姿勢で配置されている。連結部材73Aは板状の形状を有しており、中間部材71A,72Aの下端を連結している。換言すれば、中間部材71A,72Aは連結部材73Aから鉛直上方に向かって突出する。
【0103】
回転体419は中間部材71B,72Bと連結部材73Bとを備えている。中間部材71B,72Bおよび連結部材73Bは中間部材71A,72Aと連結部材73Bと同様の構成を有している。
図7の例においては、中間部材71B,72Bは幅方向D12において対向しており、配列方向D11において基板W1,W2の側面とそれぞれ間隔を空けて対向している。以下では、
図7の回転体418,419の回転位置を回転体418,419の初期回転位置とする。初期回転位置では、中間部材71A,72Aが幅方向D22に沿う直線上に位置しており、中間部材71B,72Bが幅方向D22に沿う直線上に位置している。
【0104】
回転体418,419はそれぞれ回転機構74A,74Bに連結される。回転機構74A,74Bはそれぞれ回転体418,419を回転させる。具体的には、回転機構74A,74Bは、鉛直方向に沿う回転軸を中心としてそれぞれ連結部材73A,73Bを回転させる。つまり、回転機構74A,74Bはそれぞれ連結部材73A,73Bを水平面内で回転させる。
【0105】
次に代表的に、回転体418および回転機構74Aについて説明する。
図9は、回転体418および回転機構74Aの構成の一例を概略的に示す図である。回転機構74Aは支持部741とエアシリンダ742とを備えている。支持部741は板状の形状を有しており、その法線方向が鉛直方向に沿う姿勢で配置される。連結部材73Aはこの支持部741の主面に対して回転可能に固定されている。具体的には、この連結部材73Aは中間部材71A,72Aの間の中央の位置(回転中心Q)で支持部741に対して回転可能に固定されている。よって連結部材73Aはこの回転中心Qの周りで回転することができる。
【0106】
エアシリンダ742はその長手方向が配列方向D11に沿う姿勢で配置されており、支持部741に対して微小回転量で回転可能に固定されている。このエアシリンダ742のピストンロッド7421の先端は回転中心Qから少なくとも幅方向D12に沿ってずれた位置において連結部材73Aに回転可能に連結される。例えば連結部材73Aの当該位置には、遊挿孔731が形成されている。遊挿孔731は連結部材73Aを鉛直方向に沿って貫通する。ピストンロッド7421の先端には、鉛直方向に突出する突起部7422が設けられている。この突起部7422は遊挿孔731に遊挿される。
【0107】
このピストンロッド7421の先端(突起部7422)が配列方向D11に沿って移動することにより、連結部材73Aのうち遊挿孔731を形成する内面が突起部7422によって押圧される。この押圧により、連結部材73Aは回転中心Qの周りで回転する。
【0108】
図10は、回転体418および回転機構74Aの構成の一例を概略的に示す図である。
図10の例においては、ピストンロッド7421の先端(突起部7422)が配列方向D11に沿って紙面左側へと移動している。これにより、突起部7422が遊挿孔731において連結部材73Aを紙面左側へ押圧し、連結部材73Aが回転中心Qを中心として反時計回り方向に回転する。この回転により、中間部材71A,72Aは周方向に沿って互いに反対側に移動する。
【0109】
回転機構74A,74Bが回転体418,419を初期回転位置(
図7)から例えば反時計回り方向に回転させると、中間部材71A,71Bは基板W1の側面を押圧し、中間部材72A,72Bは基板W2の側面を押圧する。この押圧によって、基板W1,W2はその間の間隔を広げるように移動する。基板W1,W2は、それぞれ初期位置にある移動体412,413に当接するまで移動する。このとき中間部材71A,71Bは基板W1を押圧する押圧部材として機能し、中間部材72A,72Bは基板W2を押圧する押圧部材として機能し、移動体412の端部材81A,82Aは、基板W1の配列方向D11の位置を決めるためのストッパとして機能し、移動体413の端部材81B,82Bは基板W2の配列方向D11の位置を決めるためのストッパとして機能する。基板W1,W2の間隔は移動体412,413の配列方向D11の初期位置によって制御できる。
【0110】
図11および
図12は、基板W1,W1の間隔を広げたときの間隔調整部41の構成の一例を概略的に示す図である。このとき、基板W1は、例えば、
図7に示す初期位置にある移動体412の端部材81A,82A、および、反時計回りに回転した回転体418,419の中間部材71A,71Bによって挟まれる。また、基板W2は、同様に初期位置にある移動体413の端部材81B,82B、および、反時計回りに回転した回転体418,419の中間部材72A,72Bによって挟まれている。このように、回転体418,419を初期回転位置(
図7)から反時計回り方向に回転させることにより、基板W1,W2の間隔を
図7の状態よりも広げることができる。
【0111】
しかも、この間隔調整部41によれば、基板W1,W2の間隔を広げるために回転体418,419が設けられている。これによれば、例えば回転体418の回転により、中間部材71A,72Aがそれぞれ基板W1,W2を押圧することができる。よって回転体418は基板W1,W2の両方を押圧できる。つまり、単一の回転構造によって基板W1,W2の両方を押圧できる。回転体419も同様である。なお回転機構74A,74Bを共通化してもよい。例えば単一のピストンロッドの先端と、回転体418,419の連結部材73A,73Bとを連結する部材が設けられてもよい。この部材は例えばY字状の形状を有しており、その基端部がピストンロッドの先端に連結される。Y字形状の一対の先端部には、それぞれ連結部材73A,73Bの遊挿孔731を遊挿する突出部が設けられている。これによれば、ピストンロットの先端が配列方向D11に沿って移動することにより、回転体418,419は同方向に回転する。
【0112】
また
図7の例では、間隔調整部41には、基板W1,W2を整列させる整列部としての移動体37A,37B,38A,38Bおよび進退機構374A,374B,384A,384Bが設けられている。これらによって、基板W1,W2の幅方向D12の位置を調整して基板W1,W2を整列させることができる。
図11の例においては、移動体37A,37Bが基板W1を挟むように移動し、移動体38A,38Bが基板W2を挟むように移動しており、これによって基板W1,W2が整列している。
【0113】
<3−2−2.搬送ロボットTR2>
図6に戻り、搬送ロボットTR2は2枚の基板Wを間隔調整部41から一括して取り出す。この基板Wの搬出の際において、搬送ロボットTR2のハンドは支持部411の相互間に挿入される。よって搬送ロボットTR2は支持部411と衝突しない。搬送ロボットTR2はこの2枚の基板Wをレジスト塗布装置42へと一括して渡す。このとき搬送ロボットTR2は、間隔調整部41による変更後の間隔を維持しつつ2枚の基板Wを取り出し、この間隔を維持しつつ2枚の基板Wをレジスト塗布装置42へ渡す。レジスト塗布装置42においても、この間隔を維持しつつ2枚の基板Wが保持される。
【0114】
この搬送ロボットTR2は搬送ロボットTR1と同様の構成を有しており、搬送ロボットTR1と同様の動作を行う。つまり、搬送ロボットTR2は空のハンドを上昇させて2枚の基板Wを持ち上げることで2枚の基板Wを取り出す。また搬送ロボットTR2は2枚の基板Wが載置されたハンドを下降させて当該2枚の基板Wを基板保持部に載置する。これらの動作において2枚の基板Wには水平方向の力がほとんど生じないので、搬送ロボットTR2による2枚の基板Wの搬出入において、2枚の基板Wの間隔は実質的に維持される。つまり、搬送ロボットTR2は間隔調整部41によって変更された間隔を維持しつつ、2枚の基板Wを間隔調整部41から取り出し、この間隔を維持しつつ、2枚の基板Wをレジスト塗布装置42へと渡すことができる。搬送ロボットTR2はシングルハンドタイプの搬送ロボットであってよい。
【0115】
以上のように、搬送ロボットTR2は、搬送ロボットTR1と同様に、上流工程にて、平流し処理部である洗浄装置12により処理されたN枚(2枚)の基板Wを、水平な一方向(D1方向)に並べて保持しつつ、このN枚の基板Wを一括して同時処理部であるレジスト塗布装置42へ搬送する。この結果、基板Wを1枚ずつ搬送する場合に比べて、搬送処理のスループットを向上することができる。
【0116】
なお基板W1,W2は移動体412,413および回転体418,419と接触していない状態で搬送ロボットTR2によって取り出されることが望ましい。つまり、搬送ロボットTR2は、回転機構74A,74Bが中間部材71A,72A,71B,72Bを基板W1,W2から離間させた回転位置で連結部材73A,73Bを停止させつつ、進退機構84A,84Bが端部材81A,82A,81B,82Bを基板W1,W2から離間させた状態で、基板W1,W2を支持部411から取り出す。
【0117】
これによれば、基板W1と移動体412,413および回転体418,419の各々との間では摩擦が生じず、同様に基板W2と移動体412,413および回転体418,419の各々との間にも摩擦が生じない。よって、基板W1,W2を取り出しやすい。
【0118】
図13は間隔調整部41の動作の一例を示すフローチャートである。まずステップS1にて、脱水ベーク装置13の搬送ロボットTR1は2枚の基板W1,W2を塗布関連装置14の間隔調整部41へと渡す。これにより、基板W1,W2は支持部411の上に載置することになる。次にステップS2にて、制御部60は進退機構84A,84Bおよび回転機構74A,74Bを適宜に制御して基板W1,W2の間隔を、下流側の装置(レジスト塗布装置42)にとって適した間隔に変更する。例えば回転機構74A,74Bは回転体418,419に基板W1,W2を押圧させて、基板W1,W2が、それぞれ初期位置にある移動体412,413と当接するまで基板W1,W2を移動させる。これにより、基板W1,W2の間隔が広がる。この状態では、基板W1は移動体412と回転体418,419とに接触しており、基板W2は移動体413と回転体418,419とに接触している。
【0119】
またこのとき、進退機構374A,384Aがそれぞれ移動体37A,38Aを幅方向D12における所定位置に移動させることにより、移動体37A,38Aがそれぞれ基板W1の互いに対向する側面に当接し、基板W1の幅方向D2の位置を調整する。同様に、進退機構374B,384Bがそれぞれ移動体37B,38Bを幅方向D12における所定位置に移動することにより、移動体37B,38Bがそれぞれ基板W2の互いに対向する側面に当接し、基板W2の幅方向D2の位置を調整する。これにより、基板W1,W2が整列する。
【0120】
次にステップSS3にて、制御部60は進退機構84A,84Bおよび回転機構74A,74Bを制御して、移動体412,413および回転体418,419を基板W1,W2から離間させる。具体的には進退機構84A,84Bはそれぞれ移動体412,413を初期位置から互いに反対側へ移動させ、回転機構74A,74Bはそれぞれ回転体418,419を初期回転位置まで回転させる。
【0121】
またこのとき、進退機構374A,384Aがそれぞれ移動体37A,38Aを互いに反対側に移動させて、基板W1から離間させる。同様に、進退機構374B,384Bがそれぞれ移動体37B,38Bを互いに反対側に移動させて、基板W2から離間させる。
【0122】
次にステップS4にて、搬送ロボットTR2は2枚の基板W1,W2を一括して取り出す。
【0123】
以上のように、ステップS4の時点では、基板W1,W2は移動体412,413回転体418,419および移動体37A,37B,38A,38Bと離間しているので、搬送ロボットTR2は基板W1,W2を取り出しやすい。
【0124】
<3−2−3.レジスト塗布装置>
レジスト塗布装置42は、間隔調整部41によって変更された間隔で2枚の基板Wを搬送ロボットTR2から受け取り、受け取った2枚の基板Wに対して塗布処理を行う。
図14は、レジスト塗布装置42の構成の一例を示す側面図である。レジスト塗布装置42は基板保持部421とノズル422とノズル移動機構423とを備えている。基板保持部421は、搬送ロボットTR2から搬送された2枚の基板Wを水平方向に並べて保持するための部材である。2枚の基板Wはその主面の法線方向が鉛直方向に沿う姿勢で基板保持部421の上に載置される。基板保持部421は図示しない複数のリフトピンを備える。この複数のリフトピンは、基板保持部421の上面より、その先端を突出させた上位置と、前記上面より下に退避した下位置との間で昇降する。搬送ロボットTR2は上方に突出した複数のリフトピンに2枚の基板を渡した後、退避する。複数のリフトピンは2枚の基板を支持した状態で下降し、基板保持部421の上面に2枚の基板を載置する。この結果、基板保持部421は搬送ロボットTR2において保持されていた2枚の基板Wの間隔と同じ間隔で、2枚の基板Wを保持することとなる。なお、上述のリフトピントとその昇降機構については、例えば、特開2014−130868号公報に記載された技術を本実施形態に適用させればよい。
【0125】
以下では、基板保持部421において2枚の基板Wが並ぶ方向を配列方向D21とも呼び、配列方向D21に直交し水平な方向を幅方向D22とも呼ぶ。
図6の例においては、配列方向D11,D21が互いに同じ方向となるように、間隔調整部41およびレジスト塗布装置42が配置されている。
【0126】
図14に示すように、ノズル422は配列方向D21に沿って延在するノズルであって、そのノズル422の下端面において、塗布液を吐出するための2つの吐出口42a,42bが形成される。この2つの吐出口42a,42bは配列方向D21に沿って延びるスリット状の形状を有する。この2つの吐出口42a,42bはそれぞれ2枚の基板W1,W2の表面上の塗布領域R1,R2(
図6)に対応して形成されている。塗布領域R1,R2は塗布液が塗布される領域であって、塗布領域R1,R2は平面視で矩形状を有している。塗布領域R1の一辺は基板W1の一辺に平行であり、塗布領域R2の一辺は基板W2の一辺に平行である。
【0127】
吐出口42aの両端は、基板W1の塗布領域R1の配列方向D21における両端と鉛直方向で対向する。よって吐出口42aの配列方向D21の長さは基板W1の塗布領域R1の配列方向D21の長さとほぼ等しい。同様に吐出口42bの両端は、基板W2の塗布領域R2の配列方向D21における両端と鉛直方向で対向する。よって吐出口42bの配列方向D21の長さは基板W2の塗布領域R2の配列方向D21の長さとほぼ等しい。基板W1の塗布領域R1と基板W2の塗布領域R2との間の間隔は吐出口42a,42bの間の間隔とほぼ等しい。
【0128】
ノズル422の内部には、吐出口42a,42bへ塗布液を送液するための流路(不図示)が形成されている。この流路は不図示の塗布液供給管に接続される。塗布液はこの塗布液供給管および流路を経由して吐出口から塗布される。この流路は塗布液供給管から供給された塗布液を配列方向D21に広げつつ、2つの吐出口42a,42bからそれぞれ基板W1,W2へと塗布液を吐出させる。ノズル422からの塗布液の吐出は制御部60によって制御される。
【0129】
ノズル422はノズル保持部424によって支持される。ノズル保持部424は、基板保持部421の配列方向D21における両端を架橋する架橋構造を有している。つまりノズル保持部424は2枚の基板Wの一組を配列方向D21において跨ぐことができる。ノズル保持部424は、配列方向D21に沿って伸びる本体部4241と、本体部4241の両端を支持する一対の柱部4242とを備えている。ノズル422はこの本体部4241の下面に固定されている。一対の柱部4242は基板保持部421に対して幅方向D22に沿って移動可能に固定されている。
【0130】
ノズル移動機構423は、ノズル422を基板保持部421に対して幅方向D22に沿って移動させる。ノズル移動機構423は2つ設けられており、例えばリニアモータを有している。リニアモータは移動子4231と固定子4232とを備えている。固定子4232は基板保持部421の両側面にそれぞれ固定されており、幅方向D22に沿って並ぶ複数のコイルを有している。移動子4231はそれぞれ固定子4232に対向して配置されており、永久磁石を有している。この移動子4231はそれぞれ柱部4242に固定されている。コイルに電圧が印加されることにより、固定子4232は移動子4231に対して移動用の磁界を印加する。これにより、移動子4231が幅方向D22に沿って移動する。ひいては、移動子4231に固定された柱部4242と、この柱部4242に対して本体部4241を介して固定されたノズル422とが、基板保持部421に対して幅方向D22に沿って移動する。このノズル移動機構423(具体的にはコイルの電圧)は制御部60によって制御される。
【0131】
ノズル422は、基板保持部421に保持された2枚の基板W1,W2の上方を幅方向D22に沿って移動する。ノズル422が2枚の基板W1,W2の塗布領域の幅方向D22の一端と対向するときに、制御部60は塗布液の供給を開始し、ノズル422が塗布領域の他端と対向するときに、制御部60は塗布液の供給を終了する。このようにノズル422が塗布液を2枚の基板W1,W2へと吐出しながら幅方向D22に沿って移動することにより、2枚の基板W1,W2の塗布領域R,R2に塗膜を形成できる。
【0132】
以上のように、レジスト塗布装置42によれば、ノズル422の一度の移動によって2枚の基板W1,W2に対して一括して同時に塗布処理を行うことができる。これにより、塗布処理のスループットを向上することができる。このレジスト塗布装置42はN枚(2枚)の基板Wに対して同時に処理を行う同時処理部である、とも言える。
【0133】
しかも間隔調整部41は、洗浄装置12側から搬入された2枚の基板W1,W2の間隔を、レジスト塗布装置42にとって適した間隔に調整する。具体的には、基板W1の塗布領域R1と基板W2の塗布領域R2との間隔がノズル422の吐出口42a,42bの間隔と一致するように、基板W1,W2の間隔が調整される。これにより、基板W1,W2に対して高い位置精度で塗布領域R1,R2に塗布液を塗布することができる。
【0134】
またレジスト塗布装置42によれば、ノズル422は幅方向D22に沿って移動する。比較例として、幅方向D22に沿って延びる吐出口を有するノズルを、基板W1,W2に対して配列方向D21に沿って移動させる態様を想定する。この場合、ノズルは塗布領域R1の直上に位置する期間において塗布液を吐出し、塗布領域R1,R2の間に位置する期間において塗布液の吐出を一旦停止し、塗布領域R2の直上に位置する期間において塗布液の吐出を再開する。しかしながら、塗布液の吐出を一旦停止すると、ノズルの吐出口の近傍には不均一に塗布液が残留し得る。この状態で塗布液の吐出を再開すると、塗布領域R2に形成される塗膜の膜厚の精度が劣化し得る。
【0135】
これに対して、レジスト塗布装置42によれば、ノズル422の移動方向(幅方向D22)は基板W1,W2が並ぶ配列方向D21に直交している。よって、ノズル422からの塗布液の供給を中断する必要がない。したがって、このような膜厚の精度の劣化を回避できる。
【0136】
<3−2−4.搬送ロボットTR3>
図6を参照して、搬送ロボットTR3はレジスト塗布装置42に対して搬送ロボットTR2とは反対側に配置されている。搬送ロボットTR3は塗布処理が行われた2枚の基板Wをレジスト塗布装置42から一括して取り出す。搬送ロボットTR3の構造は搬送ロボットTR1と同様である。レジスト塗布装置42は、塗布処理を終えた2枚の基板Wを複数のリフトピンによって、基板保持部421の上面より上に持ち上げる。搬送ロボットTR3は複数のリフトピンにより支持された2枚の基板Wを一括して取り出し、この2枚の基板Wを一括して減圧乾燥装置43へと渡す。2枚の基板Wはその主面の法線方向が鉛直方向に沿う姿勢で搬送ロボットTR3に載置される。この搬送ロボットTR3も搬送ロボットTR1と同様に、上流工程にて、平流し処理部である洗浄装置12により処理されたN枚(2枚)の基板Wを、水平な一方向に並べて保持しつつ、この複数の基板を一括して同時処理部である減圧乾燥装置43へ搬送する。この結果、基板Wを1枚ずつ搬送する場合に比べて、搬送処理のスループットを向上することができる。搬送ロボットTR3はダブルハンドタイプの搬送ロボットであってもよい。
【0137】
また搬送ロボットTR3は減圧乾燥処理が行われた2枚の基板Wを水平な一方向(D21又はD22)に並べて保持しつつ、減圧乾燥装置43から一括して取り出し、この2枚の基板Wを下流側の装置(プリベーク装置15)へと搬送することができる。
【0138】
<3−2−5.減圧乾燥装置>
減圧乾燥装置43は例えば特開2014−126263号公報に記載されるような基板保持部と吸引装置とを備えている。この基板保持部は、搬送ロボットTR3から2枚の基板Wを一括して受け取り、これらを保持する。2枚の基板Wはその主面の法線方向が鉛直方向に沿う姿勢でこの基板保持部の上に載置される。この基板保持部は搬送ロボットTR3のハンドと衝突しないように構成されている。この基板保持部においても、2枚の基板Wは水平方向に並んで保持されており、その2枚の基板Wの間隔は搬送ロボットTR3における2枚の基板Wの間隔と同じである。基板保持部は例えばチャンバ内に配置されており、吸引装置はこのチャンバ内の気体を吸引して、チャンバ内の圧力を低減させる。具体的には例えばチャンバ内の圧力を塗布液の溶剤の蒸気圧まで低減させる。これにより、塗布液の溶剤が蒸発し、塗膜をプリベーク装置15によるプリベーキング処理に先立って、塗膜を適度に乾燥させることができる。つまり減圧乾燥処理が行われる。
【0139】
この減圧乾燥装置43においても、2枚の基板Wに対して一括して同時に減圧乾燥処理が行われるので、基板Wに対して1枚ずつ減圧乾燥処理を行う場合に比べて、減圧乾燥処理のスループットを向上できる。
【0140】
<4.変形例>
<4−1.間隔調整部>
上述の間隔調整部41は2枚の基板Wの間隔を広げた。しかるに、2枚の基板Wの間隔が広い上流側の処理装置と、2枚の基板Wの間隔が狭い下流側の処理装置とが設けられる場合、両処理装置の間には、2枚の基板Wの間隔を狭める間隔調整部41Aが設けられることが望ましい。
図15および
図16は、間隔調整部41Aの構成の一例を概略的に示す図である。間隔調整部41Aの構成は間隔調整部41と同様であるものの、回転体418,419の初期回転位置において、連結部材73A、73Bは幅方向D12に沿う位置から所定角度だけ反時計回りに回転した位置で停止している。
【0141】
移動体412,413がそれぞれ初期位置で停止し、回転体418,419が初期回転位置で停止している場合には、2枚の基板Wは移動体412,413および回転体418,419のいずれとも離間している。
【0142】
回転機構74A,74Bは回転体73A,73Bをそれぞれ時計回りに回転させる。また進退機構84A,84Bはそれぞれ移動体412,413を初期位置から互いに近づけるように移動させる。この状態で、進退機構84A,84Bが移動体412,413を初期位置(
図15)から互いに近づくように移動させると、移動体412,413がそれぞれ基板W1,W2の側面を、回転機構74A,74Bによる連結部材73A,73Bの回転により初期回転位置にある回転体418,419へと押圧する。この押圧によって、基板W1,W2はその間の間隔を狭めるように移動する。基板W1,W2は、初期回転位置にある回転体418,419に当接するまで移動する。
図17および
図18は、基板W1,W2の間隔を狭めたときの間隔調整部41の構成の一例を概略的に示す図である。基板W1は、基板W1側に移動した移動体412と、
図15の初期回転位置にある回転体418,419の一組とによって挟まれ、基板W2は、基板W2側に移動した移動体413と、初期回転位置にある回転体418,419の一組とによって挟まれている。移動体412,413を初期位置(
図15)から互いに近づくように移動させることにより、基板W1,W2の間隔を
図15の状態よりも狭くできる。基板W1,W2の間隔は、
図15の回転体418,419の初期回転位置によって制御される。
【0143】
このとき、移動体412の端部材81A,82Aは基板W1を押圧する押圧部材として機能し、移動体413の端部材81B,82Bは基板W2を押圧する押圧部材として機能し、中間部材71A,71B,72A,72Bは基板W1,W2の配列方向D11の位置を決めるためのストッパとして機能する。
【0144】
間隔調整部41Aの動作の一例は
図13と同様である。ただし、回転体418,419は
図13の動作前において初期回転位置にある。また、ステップS2においては、進退機構84A,84Bはそれぞれ移動体412,413を初期位置から互いに近づくように移動させる。これにより、2枚の基板Wの間隔が狭まる。ステップS3においては進退機構84A,84Bはそれぞれ移動体412,413を初期位置まで移動させる。これにより、移動体412,413の各々は基板W1,W2の両方と離間する。ステップS3では、回転機構74A,74Bはそれぞれ回転体418,419を初期回転位置から時計回りに回転させて、例えば連結部材72A,72Bが幅方向D12に沿う回転位置まで回転させる)。これにより、回転体418,419の各々は基板W1,W2の両方と離間する。また、進退機構374A,384Aはそれぞれ移動体37A,38Aを互いに反対側に移動させて、基板W1から離間させ、進退機構374B,384Bはそれぞれ移動体37B,38Bを互いに反対側に移動させて、基板W2から離間させる。ステップS4においては、基板W1,W2は、移動体412,413、回転体418,419および移動体37A,38A,37B,38Bの全てと離間した状態で、搬送ロボットTR2によって搬出される。よって、搬送ロボットTR2は基板W1,W2を搬出しやすい。
【0145】
以上のように、間隔調整部41,41Aについて説明したが、間隔調整部41,41Aの各々は上流側における基板Wの間隔と下流側における基板の間隔とが異なる場合に、これらの間に適宜に配置されればよい。
【0146】
また上述の例では、間隔調整部41,41Aには、2枚の基板Wを整列するための移動体37A,37B,38A,38Bが設けられている。しかるに、基板Wの整列が不要である場合には、これらは不要である。
【0147】
<4−2.整列部>
図4に例示する整列部37が各処理装置の間で適宜に設けられてもよい。
【0148】
<4−3.塗布関連装置14A>
図
19は、塗布関連装置14の他の一例たる塗布関連装置14Aの構成を概略的に示す図である。塗布関連装置14Aは間隔調整部41とレジスト塗布装置42Aと減圧乾燥装置43と搬送ロボットTR2,TR3とを備えている。つまり塗布関連装置14Aはレジスト塗布装置の構成を除いて、塗布関連装置14と同一の構成を有している。
【0149】
上述のレジスト塗布装置42は、ノズル422が幅方向D22に沿って移動する構成を有するのに対して、レジスト塗布装置42Aでは、2枚の基板Wが幅方向D22に沿って移動する。具体的には、レジスト塗布装置42Aは、コロコンベア423A、移載ユニット424A、一対の基板チャック部425A、浮上ステージ421A、ノズル422Aおよび進退機構
426Aを備えている。レジスト塗布装置42Aは、例えば、特開2011−210985号公報に記載されるような基板浮上式の塗布装置である。
【0150】
コロコンベア423Aは搬送ロボットTR2から2枚の基板W1,W2を受け取る。このコロコンベア423Aにおいても、搬送ロボットTR2における基板W1,W2の間隔が維持されつつ、基板W1,W2が載置される。基板W1,W2はその主面の法線方向が鉛直方向に沿う姿勢で載置される。コロコンベア30は図示しない複数のコロの外周面の最上部が2枚の基板Wの下面に接触することで、基板Wに推進力を与え、幅方向D22沿って移動させる接触式の搬送装置である。
【0151】
移載ユニット424Aはコロコンベア423Aと浮上ステージ421Aとの間に設置されている。移載ユニット424Aは図示しない複数のコロおよび浮上パッドを備える。浮上パッドは基板W1,W2の下面に圧縮気体、例えば空気を噴出して基板Wを浮上させ、基板W1,W2を非接触状態で支持する浮上機構である。浮上パッドはその上面に複数の噴出口が形成されている。この噴出口は気体供給経路を介して気体供給部(気体源)に接続されている。気体供給部からの気体がこの噴出口から噴出される。
【0152】
移載ユニット424Aの複数のコロは昇降可能に形成されている。上昇時の位置は、浮上パッドによる圧縮気体の噴射中であっても、複数のコロの外周面の最上部が2枚の基板Wの下面に接触する位置である。よってこのとき移載ユニット423Aの複数のコロも基板W1,W2に推進力を与え、幅方向D22に沿って基板W1,W2を移動させることができる。下降時の位置は、浮上パッドによる圧縮気体の噴射中において移載ユニット423Aの複数のコロが基板W1,W2と離れる位置である。つまり、複数のコロが下降しているときには、基板W1,W2は浮上パッドからの圧縮気体によって支持される。
【0153】
浮上ステージ421Aは幅方向D22に沿って延在している。この浮上ステージ421Aの上面(2枚の基板Wが載置される面)には複数の噴出口が形成されている。この噴出口は、浮上ステージ421Aの内部に形成された気体供給経路を介して気体供給部(気体源)に接続されている。気体供給部からの気体は浮上ステージ421Aの上面の噴出口から噴出し、これにより、基板W1,W2を浮上ステージ421Aの上面から浮上させる。浮上ステージ421Aには移載ユニット423Aから基板Wが搬送される。
【0154】
基板チャック部425Aは、移載ユニット423Aの複数のコロが下降して基板W1,W2が浮上した状態において、基板W1,W2の各端面を保持することができる。具体的には、基板チャック部425Aは基板W1のうち基板W2とは反対側の端面を保持し、基板W2のうち基板W1とは反対側の端面を保持する。基板チャック部425Aは、昇降可能に形成されており、基板チャック部425Aが上昇することにより、基板W1,W2の下面(端面)に吸着する。
【0155】
進退機構426Aは基板チャック部425Aを幅方向D22に沿って移動させる。例えば進退機構426Aはリニアモータなどである。基板チャック部425Aは移載ユニット
424Aから浮上ステージ
421Aへと基板W1,W2を移動させる。
【0156】
ノズル422Aは基板W1,W2の移動経路の途中において、基板W1,W2の上方に設けられている。ノズル422Aはノズル422と同様の構成を有する。つまりノズル422Aの下端面には、基板W1,W2の塗布領域R1,R2にそれぞれ対応した吐出口42a,42bが形成されている。なお図
19においては、模式的にノズル422Aのみ、その側面が示されているものの、実際には、吐出口42a,42bはノズル422Aの下面に形成されるので、平面視においては現れない。
【0157】
ノズル422Aは、図
14に例示するノズル保持部424と同様のノズル保持部によって、浮上ステージ421Aに固定されている。
【0158】
基板W1,W2の初期位置は、ノズル422Aと鉛直方向において対向しない位置である。基板チャック部425Aが基板W1,W2を幅方向D22に沿って移動させることで、基板W1,W2はノズル422Aの直下を横切って移動する。基板W1,W2の塗布領域R1,R2がノズル422Aの直下にいる期間において、適宜にノズル422Aの吐出口42a,42bから塗布液がそれぞれ基板W1,W2に対して吐出される。これにより、基板W1,W2の塗布領域R1,R2には塗膜が形成される。
【0159】
そして、
基板チャック部425Aは基板W1,W2がノズル422Aと鉛直方向で対向しない位置まで幅方向D22に沿って移動させる。つまり、基板W1,W2の停止位置はノズル422Aに対して基板W1,W2の初期位置とは反対側に位置している。
【0160】
このようなレジスト塗布装置42Aによっても、2枚の基板Wの一度の移動により、2枚の基板Wに対して一括して同時に塗布処理が行われる。よって2枚の基板Wに対して1枚ずつ塗布処理を行う場合に比して、塗布処理のスループットを向上できる。
【0161】
搬送ロボットTR3は、この停止位置で停止した2枚の基板Wを一括して取り出して、水平な一方向(D21又はD22)に並べて保持しつつ、この2枚の基板Wを減圧乾燥装置43へと一括して渡す。また搬送ロボットTR3は減圧乾燥処理が行われた後の2枚の基板Wを水平な一方向(D21又はD22)に並べて保持しつつ、減圧乾燥装置43から一括して取り出して、この2枚の基板Wを下流側の装置へ一括して渡す。
【0162】
なお上述の一例では、各搬送ロボットは2枚の基板Wを一括して搬送し、各同時処理装置は2枚の基板Wに対して同時に処理を行っているものの、搬送ロボットは3枚以上の基板を一括して搬送してもよく、同時処理装置は3枚以上の基板に対して同時に処理を行ってもよい。