(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記連結部は、前記本体部の前記吐水端側に対向して配置され、通水を浄化する浄水部を有し、前記流入水は、前記浄水部を経て前記流水経路を流通する請求項1〜6のいずれかに記載の散水装置。
給水路と連通する本体部と、該本体部の吐水端側に設けられ、多数の噴水孔を有する噴水部と、を備え、前記給水路より流入した流入水を前記噴水孔により分散して噴水する散水装置を用いて複数の吐水態様で散水する散水方法であって、
前記散水装置において、
前記噴水部に溝孔を穿設し、
前記本体部の吐水端に連結され通水可能な連結部を設け、
前記噴水部は、前記連結部の吐水端に回動軸の回りに回動可能に取着され、
前記連結部は、前記本体部に対し前記回動軸を中心にした円周軌跡上で異なる、少なくとも第1連結位置および第2連結位置のいずれかで連結可能であり、
前記連結部は、
前記流入水を前記噴水孔に導いて噴水する噴水経路と、前記流入水を前記溝孔に導いて前記溝孔から扇状に吐水させる扇状吐水経路とを含む流水経路を有し、
前記扇状吐水経路は、前記連結部を前記第1連結位置または前記第2連結位置のいずれかで前記本体部に連結した状態において扇状の吐水領域を異ならせる吐水経路を含み、
前記本体部と前記連結部とを前記第1連結位置または前記第2連結位置に連結した場合、それぞれの連結位置で異なる吐水領域の扇状吐水を散水し、前記第1連結位置および前記第2連結位置のいずれの連結状態であっても、前記噴水部を回動することによって前記流水経路を前記噴水経路または前記扇状吐水経路に切替可能にして噴水または扇状吐水を散水することを特徴とする散水方法。
前記第1連結位置および前記第2連結位置のいずれの連結状態であっても、前記噴水部の回動位置に応じて前記流水経路を前記噴水経路および前記扇状吐水経路に通水可能な混成通水経路に切替可能にして噴水および扇状吐水を同時散水する請求項9に記載の散水方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一定の部位や場所をおおまかに洗い流す場合には、シャワー水により洗浄作業を行うことができる。一方、例えば、風呂場内の清掃、住宅外壁、車両あるいはサッシ等の建物器材の清掃を行う場合、清掃箇所によっては、例えば、比較的広い壁面あるいは例えば、風呂場のタイルの目地、サッシのレールの隙間等の比較的狭い部位の汚れを落とす洗浄作業を伴う。
【0005】
しかしながら、シャワー水は、特許文献1のように、シャワー水の拡散範囲を切り替えたとしても、水流の噴付けによる洗浄用途に限られるため、上記のような比較的広い壁面と比較的狭い部位の汚れ落としを伴う清掃には、シャワー水では非効率な洗浄作業になってしまうという問題があった。比較的広い壁面と比較的狭い部位の洗浄には、散水装置の吐水ヘッドの吐水孔を溝形にして扇状の吐水を散水する散水方法を用いることができる。扇状吐水は、扇形に広がった吐水領域に噴出された水流を左右上下に移動させることにより刷毛で掃くように洗浄することができるので広い清掃面の洗浄清掃に適し、また、狭い条溝に沿って該水流を流し込むことで集中的に散水でき狭い清掃溝の洗浄清掃も行える。
【0006】
しかしながら、散水装置に扇状吐水態様の付加機能を設ける場合、扇状の吐水領域の向きが固定されると、利用範囲が限られるという問題を生じた。すなわち、扇状の吐水を生ずる溝孔を吐水ヘッドに形成しても、吐水領域の向きが固定されてしまうため、例えば、清掃箇所の縦方向清掃から横方向清掃に切り替える場合、吐水領域の向きを縦扇状から横扇状に切替ようとすると、散水装置を一旦、把持した状態から手首を回す範囲が限られるので、吐水ヘッドの傾きだけで扇状の吐水領域の向きを縦扇状ないし横扇状に大きく変えるのが難しく操作性が低下するという問題が生じた。
【0007】
本発明の目的は、種々の清掃部位に対応して効率的な洗浄清掃を行える利便性に富んだ扇状吐水機能を有した散水装置および該洗浄清掃の利便性に優れた散水方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る第1の形態は、
給水路と連通する本体部と、
該本体部の吐水端側に設けられ、多数の噴水孔を有する噴水部と、を備え、
前記給水路より流入した流入水を前記噴水孔により分散して噴水する散水装置において、
前記噴水部に溝孔を穿設し、
前記本体部の吐水端に連結され通水可能な連結部を有し、
前記噴水部は、前記連結部の吐水端に回動軸の回りに回動可能に取着され、
前記連結部は、前記本体部に対し前記回動軸を中心にした円周軌跡上で異なる、少なくとも第1連結位置および第2連結位置のいずれかで連結可能であり、
前記連結部は、
前記流入水を前記噴水孔に導いて噴水する噴水経路と、前記流入水を前記溝孔に導いて前記溝孔から扇状に吐水させる扇状吐水経路とを含む流水経路を有し、
前記扇状吐水経路は、前記連結部を前記第1連結位置または前記第2連結位置のいずれかで前記本体部に連結した状態において扇状の吐水領域を異ならせる吐水経路を含み、
前記本体部と前記連結部との連結位置が前記第1連結位置および前記第2連結位置のいずれであっても、前記噴水部の回動位置に応じて、前記流水経路を前記噴水経路または前記扇状吐水経路に切替可能にしたことを特徴とする散水装置である。
【0009】
本発明に係る第2の形態は、
前記流水経路は、
前記第1連結位置および前記第2連結位置のいずれの連結状態であっても、前記噴水部の回動位置に応じて前記流入水を前記噴水経路および前記扇状吐水経路に通水可能にする混成通水経路を含む散水装置である。
【0010】
本発明に係る第3の形態は、
前記連結部は、
前記本体部の吐水端側に取着される前記流入水の導入部と、
前記導入部と通水可能に連通し、前記導入部に対し回動可能で、吐水側で前記噴水部が取着される回動部と、を有し、
前記導入部は、前記本体部に設けた複数の係合部に係合する係止部を有し、
前記係合部と前記係止部との係合位置により、前記導入部は、前記本体部に対し前記第1連結位置または前記第2連結位置のいずれかに連結可能にした散水装置である。
【0011】
本発明に係る第4の形態は、
前記回動部は、
異なる回動位置で前記導入部と連通可能な、第1の通水部および第2の通水部を有し、
前記噴水部を前記噴水経路を開放する回動位置に回動した場合、前記第1の通水部は、前記導入部と連通して前記噴水経路を形成し、
前記噴水部を前記扇状吐水経路を開放する回動位置に回動した場合、前記第2の通水部は、前記導入部と連通して前記扇状吐水経路を形成する散水装置である。
【0012】
本発明に係る第5の形態は、前記溝孔は、1つの噴水孔よりも大きい開口面積を有する散水装置である。
【0013】
本発明に係る第6の形態は、前記溝孔の周囲に前記多数の噴水孔を配置した散水装置である。
【0014】
本発明に係る第7の形態は、前記連結部は、前記本体部の前記吐水端側に対向して配置され、通水を浄化する浄水部を有し、前記流入水は、前記浄水部を経て前記流水経路を流通する散水装置である。
【0015】
本発明に係る第8の形態は、前記浄水部は、浄水材を収容したカートリッジを収容可能な収容空間により構成された散水装置である。
【0016】
本発明に係る第9の形態は、
給水路と連通する本体部と、該本体部の吐水端側に設けられ、多数の噴水孔を有する噴水部と、を備え、前記給水路より流入した流入水を前記噴水孔により分散して噴水する散水装置を用いて複数の吐水態様で散水する散水方法であって、
前記散水装置において、
前記噴水部に溝孔を穿設し、
前記本体部の吐水端に連結され通水可能な連結部を設け、
前記噴水部は、前記連結部の吐水端に回動軸の回りに回動可能に取着され、
前記連結部は、前記本体部に対し前記回動軸を中心にした円周軌跡上で異なる、少なくとも第1連結位置および第2連結位置のいずれかで連結可能であり、
前記連結部は、
前記流入水を前記噴水孔に導いて噴水する噴水経路と、前記流入水を前記溝孔に導いて前記溝孔から扇状に吐水させる扇状吐水経路とを含む流水経路を有し、
前記扇状吐水経路は、前記連結部を前記第1連結位置または前記第2連結位置のいずれかで前記本体部に連結した状態において扇状の吐水領域を異ならせる吐水経路を含み、
前記本体部と前記連結部とを前記第1連結位置または前記第2連結位置に連結した場合、それぞれの連結位置で異なる吐水領域の扇状吐水を散水し、前記第1連結位置および前記第2連結位置のいずれの連結状態であっても、前記噴水部を回動することによって前記流水経路を前記噴水経路または前記扇状吐水経路に切替可能にして噴水または扇状吐水を散水することを特徴とする散水方法である。
【0017】
本発明に係る第10の形態は、
前記第1連結位置および前記第2連結位置のいずれの連結状態であっても、前記噴水部の回動位置に応じて前記流水経路を前記噴水経路および前記扇状吐水経路に通水可能な混成通水経路に切替可能にして噴水および扇状吐水を同時散水する散水方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る第1の形態によれば、噴水部に溝孔を穿設し、本体部の吐水端に連結され通水可能な連結部を有し、噴水部は、連結部の吐水端に回動軸の回りに回動可能に取着され、連結部は、本体部に対し回動軸を中心にした円周軌跡上で異なる、少なくとも第1連結位置および第2連結位置のいずれかで連結可能であり、連結部は、流入水を噴水孔に導いて噴水する噴水経路と、流入水を溝孔に導いて溝孔から扇状に吐水させる扇状吐水経路とを含む流水経路を有し、扇状吐水経路は、連結部を第1連結位置または第2連結位置のいずれかで本体部に連結した状態において扇状の吐水領域を異ならせる吐水経路を含み、本体部と連結部との連結位置が第1連結位置および第2連結位置のいずれであっても、噴水部の回動位置に応じて、流水経路を噴水経路または扇状吐水経路に切替可能にしたので、連結部を第1連結位置または第2連結位置に連結することにより異なった吐水領域の扇状吐水の使用が可能になり、特には、第1連結位置または第2連結位置は、回動軸を中心にした円周軌跡上で異なり、連結位置の切替で無理なく異なる吐水領域の扇状吐水を使用することができる。さらに、連結状態が第1連結位置および第2連結位置のいずれであっても、噴水部を回動することによって多数の噴水孔により噴出させるシャワー水の吐水と、扇状吐水経路を通じて溝孔から扇状に吐水させる扇状吐水とに吐水態様を切り替えることができる。したがって、本形態に係る散水装置は、本体部の持ち方を変えずともシャワー水と、第1連結位置または第2連結位置に応じた吐水領域で吐水し得る扇状吐水とを簡便に切替可能であるから、広い清掃面に対して一定の操作方向で(左右または上下)扇状吐水の散水による洗浄清掃を行え、また、狭い条溝箇所にも扇状吐水の集中的散水を行え、さらにシャワー水に適宜切り替えて、例えば、飛散した洗浄薬液等の除去清掃も行える
という、種々の清掃部位に対応して効率的な洗浄清掃を行える利便性に富んだ多機能散水装置を実現することができる。本発明は、美容やマッサージの洗浄に好適な扇状吐水を含む複数吐水態様の散水を行う散水装置にも適用することができる。
【0019】
連結位置の変更角度は、本体部の軸芯の回りに例えば、90°にすると、本体部の縦方向に沿った縦方向の吐水領域またはそれより90°回転した横方向の吐水領域で吐水し得る扇状吐水を散水することができる。本発明における連結位置の変更角度は、この90°の場合に限定されず、90°未満、例えば、60〜70°あるいは、90°を超えた、例えば、100〜110°等の所定値に設定することができる。
【0020】
本発明に係る第2の形態によれば、流水経路は、第1連結位置および第2連結位置のいずれの連結状態であっても、噴水部の回動位置に応じて流入水を噴水経路および扇状吐水経路に通水可能にする混成通水経路を含むので、シャワー水と、第1連結位置または第2連結位置に応じた吐水領域で吐水し得る扇状吐水と、シャワー水の噴水および扇状吐水の同時散水とを簡便に切替可能であり、広い清掃面や狭い条溝箇所を含む複合的な清掃部位に対して効率的な散水を行える利便性に優れた散水装置を実現することができる。
【0021】
本発明に係る第3の形態によれば、連結部は、本体部の吐水端側に取着される流入水の導入部と、導入部と通水可能に連通し、導入部に対し回動可能で、吐水側で噴水部が取着される回動部と、を有し、導入部は、本体部に設けた複数の係合部に係合する係止部を有し、係合部と係止部との係合位置によって本体部に対し第1連結位置または第2連結位置のいずれかに連結可能にしたので、異なった吐水領域の扇状吐水を使用する場合、導入部の係合位置を変更する操作だけで第1連結位置または第2連結位置の連結状態を変更して所望の吐水領域の扇状吐水の使用が可能になり、シャワー水と、複数の吐水領域で吐水し得る扇状吐水とを簡便に切り替えて使用でき、種々の清掃部位に対応して効率的な洗浄清掃を行える利便性に富んだ多機能散水装置を実現することができる。
【0022】
本発明に係る第4の形態によれば、回動部は、異なる回動位置で導入部と連通可能な、第1の通水部および第2の通水部を有し、噴水部を噴水経路を開放する回動位置に回動した場合、第1の通水部は、導入部と連通して噴水経路を形成し、噴水部を扇状吐水経路を開放する回動位置に回動した場合、第2の通水部は、導入部と連通して扇状吐水経路を形成するので、第1連結位置または第2連結位置のいずれかの連結状態において連結部を回動させる操作を行うだけで、該連結状態に対応した吐水領域の扇状吐水とシャワー水の吐水とに切替ることができ、種々の清掃部位に対応して効率的な洗浄清掃を行える利便性に富んだ多機能散水装置を実現することができる。
【0023】
本発明に係る第5の形態によれば、溝孔は、1つの噴水孔よりも大きい開口面積を有するので、本体部より拡散された吐水領域の扇状吐水を噴出させることができる。本形態は、係る扇状吐水を連結位置の変更によって吐水領域を異ならせることができ、種々の清掃部位に対応して効率的な洗浄清掃を行える好適な利便性に富む散水装置を提供できる。
【0024】
本発明に係る溝孔は、例えば、長孔や矩形スリットの形体にすることができる。本発明においては、単一の溝孔に限らず、例えば、所定間隔をあけて穿設された複数個の溝孔で構成された複合溝孔を使用することができる。
【0025】
本発明に係る第6の形態によれば、多数の噴水孔を溝孔の周囲に配置したので、シャワー水の使用時と同様の持ち方で所望の吐水領域による扇状吐水を使用した洗浄等を行え、種々の清掃部位に対応して効率的な洗浄清掃を行える利便性に富む散水装置を提供できる。
【0026】
本発明に係る第7の形態によれば、連結部は、本体部の吐水端側に対向して配置され、通水を浄化する浄水部を有し、流入水は、浄水部を経て流水経路を流通するので、流水経路に流入する前段階に位置する浄水部にて浄化された水を噴水経路または扇状吐水経路に通水し、浄化された水によるシャワー水および扇状吐水を散水させることにより、種々の清掃部位に対応して効率的な洗浄清掃を行える利便性に富む散水装置を提供できる。
【0027】
本発明に係る第8の形態によれば、浄水部は、浄水材を収容したカートリッジを収容可能な収容空間により構成されたので、連結部を着脱することによって浄化用のカートリッジを簡易に取り替えることができ、種々の清掃部位に対応して効率的な洗浄清掃を行える利便性に富む散水装置を提供できる。
【0028】
本発明に係る第9の形態によれば、
給水路と連通する本体部と、該本体部の吐水端側に設けられ、多数の噴水孔を有する噴水部と、を備え、給水路より流入した流入水を噴水孔により分散して噴水する散水装置を用いて複数の吐水態様で散水する散水方法であって、
散水装置において、噴水部に溝孔を穿設し、本体部の吐水端に連結され通水可能な連結部を設け、噴水部は、連結部の吐水端に回動軸の回りに回動可能に取着され、連結部は、本体部に対し前記回動軸を中心にした円周軌跡上で異なる、少なくとも第1連結位置および第2連結位置のいずれかで連結可能であり、
連結部は、流入水を前記噴水孔に導いて噴水する噴水経路と、流入水を溝孔に導いて前記溝孔から扇状に吐水させる扇状吐水経路とを含む流水経路を有し、
扇状吐水経路は、連結部を第1連結位置または第2連結位置のいずれかで本体部に連結した状態において扇状の吐水領域を異ならせる吐水経路を含み、
本体部と連結部とを第1連結位置または第2連結位置に連結した場合、それぞれの連結位置で異なる吐水領域の扇状吐水を散水し、第1連結位置および第2連結位置のいずれの連結状態であっても、噴水部を回動することによって流水経路を噴水経路または扇状吐水経路に切替可能にして噴水または扇状吐水を散水することができる。したがって、本形態に係る散水方法は、連結部を第1連結位置または第2連結位置に連結することにより異なった吐水領域の扇状吐水の散水が可能になり、特には、第1連結位置または第2連結位置は、回動軸を中心にした円周軌跡上で異なり、連結位置の切替で無理なく異なる吐水領域の扇状吐水を散水することができる。さらに、連結状態が第1連結位置および第2連結位置のいずれであっても、噴水部を回動することによって多数の噴水孔により噴出させるシャワー水の吐水と、扇状吐水経路を通じて溝孔から扇状に吐水させる扇状吐水とに吐水態様を切り替えることができる。すなわち、本形態は、本体部の持ち方を変えずともシャワー水と、第1連結位置または第2連結位置に応じた吐水領域で吐水し得る扇状吐水とを簡便に切り替えて、種々の清掃部位に対応して効率的な洗浄清掃を行える利便性に優れた散水方法を提供することができる。
【0029】
本発明に係る第10の形態によれば、第1連結位置および第2連結位置のいずれの連結状態であっても、噴水部の回動位置に応じて流水経路を噴水経路および扇状吐水経路に通水可能な混成通水経路に切替可能にして噴水および扇状吐水を同時散水するので、シャワー水と、第1連結位置または第2連結位置に応じた吐水領域で吐水し得る扇状吐水と、シャワー水の噴水および扇状吐水の同時散水とを簡便に切り替えて、広い清掃面や狭い条溝箇所を含む複合的な清掃部位に対して効率的な散水を行える利便性に優れた散水方法を提供することができる。本発明は、例えば、美容やマッサージのための洗浄に好適な扇状吐水を含む複数吐水態様の散水を行う散水方法としても使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、本発明に係る散水装置の実施形態を添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態に係る散水装置1の外観斜視図である。
図2〜
図4は、散水装置1の正面図、縦断面図、分解斜視図である。
図4の(4A)および(4B)は、それぞれ異なる方向から見た場合の散水装置1の分解斜視図である。
【0033】
散水装置1は、給水路9と連通する本体部2と、本体部2の吐水端に連結され通水可能な連結部6と、連結部6を介して本体部2の吐水端側に設けられ、シャワー吐水用の多数の噴水孔18および扇状吐水用の溝孔17を有する噴水部16とを備えたシャワー器具である。本体部2および噴水部16は、ABS、ポリアセタール、PC等の樹脂成形材で形成することができる。
【0034】
本体部2は、杓子様の形体を有し、椀状の頭部3と、頭部3に連通する筒状の把持部5とにより一体的に構成されている。頭部3の一側部に把持部5が連結し、その連結箇所に連通孔20aが設けられている。頭部3は、円筒状の凹部4を有する。凹部4の内側面には、円周状に90°づつ異なる位置に対称配置された薄肉状の凸部4cが4個形成されている。凸部4c間の円周内面の空隙は、段差状になった4個の係合部4dが設けられている。4個の係合部4dは、互いに対向する位置に配置された1対の係合部4dを1組として、2組分を構成している。各係合部4dは、凹部4の内径部分の中心軸を回動軸として、該回動軸の回りに等間隔で配設されている。つまり、各係合部4dは、該回動軸を中心にした円周軌跡上で異なる位置に対称的に配置されている。各組の係合部4d対は、互いに直交する位置関係になっている。凹部4の開口側の端縁内側には、連結部6を連結するための突起部4aが突設されている。
【0035】
連結部6は、本体部2の吐水端側に取着される流入水の導入部21と、導入部21と通水可能に連通し、導入部21に対し回動可能な回動部22とを有する。噴水部16は、回動部22の吐水側端部に取着されている。
【0036】
導入部21は、本体部2に設けた複数の係合部4dに係合する係止部11d、11eを有する導入本体部11と、係合部4dと係止部11d、11eとの係合状態をロック保持するためのロックハンドル部材12とを有する。導入本体部11は、通水可能な筒体11aで構成され、筒体11aの一端側に一対の係止部11d、11eが鉛直方向に突設されている。一対の係止部11d、11eは、導入本体部11の直径方向に互いに対向配置されている。
【0037】
ロックハンドル部材12は、操作部12aと、操作部12aより凹部4の内側に係合するロック係合部12bと、操作部12aおよびロック係合部12bを貫通する貫通孔12cを有する。貫通孔12cは、係止部11d、11eを形成した端部と反対側の筒体11aの端部が遊挿可能な内径で形成されている。ロック係合部12bは、外周に螺旋状に溝を形成した筒体により構成されている。操作部12aは、ロック係合部12bより外側に張り出して矩形の4隅に丸みを形成した鍔形状を有する。
【0038】
本体部2と導入本体部11とを連結する場合、筒体11aの端部を貫通孔12cに遊挿した状態で、指でロック係合部12bの外側部を掴み時計回りに回動させて、ロック係合部12bの溝を突起部4aと係着するまでねじ込むことによって、本体部2と導入本体部11との連結状態、つまり係合部4dと係止部11d、11eとの係合状態をロック保持することができる。
【0039】
係合部4d対と係止部11d、11e対との係合位置により、導入部21は、本体部2に対し略90°異なる2方向の連結位置(第1連結位置または第2連結位置)で連結可能になっている。すなわち、係合位置を変更することにより、導入部21を本体部2に対し第1連結位置または第2連結位置のいずれかに連結することができる。第1連結位置で連結した場合、
図2の(2A)に示すように、溝孔17の溝方向を本体部2の長手方向の中心線に沿わせた状態で、溝孔17からの噴水によって縦方向の扇状吐水領域による扇状吐水の散水が可能になる。第2連結位置で連結した場合、同図(2B)に示すように、溝孔17の溝方向を本体部2の長手方向の中心線に対し略直交する向きに合わせた状態で、溝孔17からの噴水によって(2A)と略90°異なる横方向の扇状吐水領域による扇状吐水の散水が可能になる。
【0040】
回動部22は、シャワー水と扇状吐水の吐水態様を切替操作するための切替ハンドル部材13と、導入本体部11の内部に内装される切替板14と、切替ハンドル部材13と連動して回動自在な切替キャップ部材15とを有する。切替ハンドル部材13は、操作部12aと類似した外形を備えたハンドル部13aと、中空部13eとを有する。
【0041】
噴水部16は、シャワー吐水用の多数の噴水孔18および扇状吐水用の溝孔17が穿設された円形板形状のノズル部16aと、ノズル部16aに一体的に形成された取付用の噴水筒部16bと、噴水筒部16bの中央にノズル部16aの裏側に立設された扇状吐水用のノズル筒部16eを有する。噴水筒部16bの外周には、4個に分断配置された溝部16dが設けられている。溝部16dは、切替ハンドル13と係合可能になっている。噴水部16は、ノズル部16aの外表面がハンドル部13の吐水側端面と面一になるように中空部13e内に嵌着されている。溝孔17は、ノズル部16aの外表面より僅かに突出した突部17aに形成されている。
【0042】
散水装置1の各構成部材の詳細を以下に説明する。
【0043】
図5の(5A)および(5B)は、本体部2の横断面図、外観斜視図である。
図6の(6A)、(6B)および(6C)は、本体部2の頭部3の縦断面図、正面図、外観斜視図である。
【0044】
2組の係合部4d対の傾斜線C2、C3は、本体部2の長手方向の中心線C1に対し略45°傾斜している。1組の係合部4d対のうちのひとつの係合部4dは、頭部3と把持部5との連結部分に位置する。把持部5は、下端側の下端開口(流入口)8から連通孔20aに至る直進流路20が貫通形成された管体で構成されている。連通孔20aは、凹部4内に臨むように、該連結部分に位置する係合部4dの中央に設けられている。把持部5の下端は、下端開口8により開口されている。把持部5の下端部には、
図3に示すように、給水管9の一端に取着されたロックナット部10と螺合するねじ部7が形成されている。ねじ部7をロックナット部10と螺着することにより、給水管9と直進流路20が連通し、給水管9からの給水を下端開口8より流入し直進流路20を通じて凹部4内に給水することができる。給水管9の他端は、図示しない水道蛇口部または給湯器の蛇口部に連結可能になっている。本体部2と給水管9との連通接続によって直進流路20は、凹部4に至る給水路の一部を形成する。
【0045】
凹部4の円形底面には、(6B)に示すように、導入本体部11の筒体11aの上端部が当接する4個の当接部4eが突設されている。各当接部4eは、微小直方体形状を有する。1組の当接部4e対は、中心線C1上に配設され、中心線Cに位置する係合部4dの中央近傍に位置する。別の1組の当接部4e対は、中心線Cと直交する直交線上に配設され、該直交線に位置する係合部4dの中央近傍に位置する。4個の突起部4aは、それぞれ4個の係合部4dに1対1で対応して凹部4の開口側に配設されている。正面視で斜め右下方に傾斜した傾斜線C3に対応する係合部4dの壁面および凹部4の底面には、縦向きの扇状吐水を行う場合の導入本体部11の取付方向をガイダンスするための「たて」の刻印成形が施されている。傾斜線C3に交差する傾斜線C2に対応する係合部4dの壁面には、横向きの扇状吐水を行う場合の導入本体部11の取付方向をガイダンスするための「よこ」の刻印成形が施されている。
【0046】
図7は、噴水部16を吐水側に嵌着した連結部6を凹部4に装着するときの取付前の状態を示す。
図7は、縦向きの扇状吐水を行う場合に対応する。
【0047】
縦向きの扇状吐水を行う場合、噴水部16を回動部22の吐水側に嵌着し、導入部21と回動部22を一体的に連結して組み立てた連結部6を、係止部11d、11eを「たて」の刻印成形を目安にして、傾斜線C2に対応する係合部4dに挿入するように、凹部4の開口4b側(吐水側)に導入部21から嵌入させる。ついで、指でロック係合部12bの外側部を掴み時計回りに回動させて、ロック係合部12bの溝を突起部4aと係着するまでねじ込みロック保持することによって、上記の一体的に連結して組み立てた連結部6を本体部2に対し、縦向きの扇状吐水を散水可能な状態にセットすることができる。横向きの扇状吐水を行う場合には、一体的に連結して組み立てた連結部6を、係止部11d、11eを「よこ」の刻印成形を目安にして、傾斜線C3に対応する係合部4dに挿入するように凹部4に導入部21から嵌入させた後、縦向きの場合と同様に、指でロック係合部12bの外側部を掴み時計回りに回動させて、ロック係合部12bの溝を突起部4aと係着するまでねじ込みロック保持することによって、上記の一体的に連結して組み立てた連結部6を本体部2に対し、横向きの扇状吐水を散水可能な状態にセットすることができる。
【0048】
図8は、導入本体部11の詳細構造を示し、同図(8A)〜(8E)はそれぞれ、導入本体部11の上面図、外観斜視図、縦断面図、側面図、横断面図である。
【0049】
筒体11aには、一対の係止部11d、11eが鉛直方向に突設された上部側に通水を浄化するための浄水器としてのカートリッジ19(
図3参照)を収容可能な円筒状の凹部11bが形成されている。凹部11bの上端側外周には、本体部2の凹部4内側面との間に、断面U字形ゴムパッキンP1を収納するパッキン収容溝11jが形成されている。凹部11bの底部11cは、下部側の空所との仕切部材になっている。下部側の空所は、底部11c直下の切替板14の切替板収容部11oと、切替板収容部11oの下方の切替キャップ部材15のキャップ収容部11nとにより構成されている。凹部11bには、下側に縮径された段差部11pが形成され、円盤状のカートリッジ19は、段差部11pに当接して収容可能になっている。カートリッジ19に収容される浄化材として、亜硫酸カルシウムや活性炭等のろ材を使用することができる。凹部11bの上端側外周には、切替ハンドル13と係合するための係合溝部11jが形成されている。凹部11bの底部11cは、下部側の空所との仕切部材になっている。
【0050】
底部11cには、十字状の仕切部分を残して4個の扇形貫通孔11f〜11iが穿設されている。筒体11a内部において、扇形貫通孔11f〜11iを通じて凹部11bと、切替板収容部11oおよびキャップ収容部11nとは通水可能に連通している。凹部11bの内径は、切替板収容部11oおよびキャップ収容部11nより大きく、切替板収容部11oの内径は、キャップ収容部11nより僅かに小さくなっている。切替板収容部11oの内側面下部からキャップ部材11n内側面にわたり、縦軸方向に沿った位置決め溝11qが刻設されている。位置決め溝11qは、直径方向に対向する位置に1対設けられている。1対の位置決め溝11qの配設方向は、扇形貫通孔11f、11hと扇形貫通孔11g、11iに分離する方向に一致している。
【0051】
筒体11aの底部11c近傍の外周には、切替ハンドル13の係合爪部13cと係合可能な係合溝部11l、11mが形成されている。(8E)に示すように、係合溝部11mは、外周に沿って90°づつ異なる位置に突設された突起で形成され、係合溝部11lは、係合溝部11m間に均等に配設された傾斜状の突起で形成されている。係合溝部11m間の2つの係合溝部11lは、隣接する係合溝部11l対と逆向きに傾斜している。筒体11aの下部外周には、切替ハンドル13の内側面との間に、断面Y字形ゴムパッキンP2を収納するパッキン収容溝11kが形成されている。
【0052】
図9は、ロックハンドル部材12の詳細構造を示し、同図(9A)〜(9C)はそれぞれ、ロックハンドル部材12の上面図、側面図、外観斜視図である。
【0053】
ロックハンドル部材12のロック係合部12bは、突起部4aと係合可能に操作部12aと反対側端部に向けて螺旋状に傾斜した溝により構成されている。操作部12aの外周には、指が係りやすい凹凸部12eが形成されている。筒体11aの端部を貫通孔12cに遊挿した状態で、指でロック係合部12bの外側部を掴み時計回りに回動させて、本体部2と導入本体部11とを連結する際には、ロック係合部12bは、ねじ様に本体部2側に進行して突起部4aと係着可能になっている。
【0054】
図10は、切替ハンドル13の詳細構造を示し、同図(10A)〜(10D)はそれぞれ、切替ハンドル13の外観斜視図、上面図、側面図、縦断面図である。
【0055】
切替ハンドル13のハンドル部13aは、上側に向けて逆台形状の側面を有する。中空部13eの外周部13bの上方には、内側に向いた係合端13dを先端に有した係合爪部13cが16個、立設されている。係合爪部13cは、中空部13eに導入本体部11を挿入した状態で係合溝部11jに嵌入し、切替ハンドル13を導入本体部11に嵌着することができる。中空部13eの下部内側には、噴水部16を係着するための係着部13g
が4個均等に配設されている。係着部13gは内周に沿った微小凹部形状を有し、係着部13g周辺には、内周に沿った略L字状の貫通溝13fが形成されている。係着部13gは、噴水筒部16bの外周に設けた溝部16dと係合可能になっている。
【0056】
図11は、切替板14の詳細構造を示し、同図(11A)〜(11E)はそれぞれ、切替板14の上面図、外観斜視図、側面図、縦断面図、側面図である。(11C)と(11E)は、90°異なる方向から示した側面図である。
【0057】
切替板14は、一対の係合突起14を直径方向の外周に突設した大径板部14aと、大径部14aの上面14c側に設けた小径筒部14bを有する。上面14cには、導入本体部11の底部11cに設けた扇形貫通孔11f〜11iに連通可能な貫通孔14d、14eが穿設されている。貫通孔14d、14eは、所定の間隔をあけて設けられている。4個の扇形貫通孔11f〜11iは、底部11cにおいて対向する2組、つまり扇形貫通孔11f、11h対と、扇形貫通孔11g、11i対で構成されている。貫通孔14d、14eは、それぞれ各対の扇形貫通孔内に対向し通水可能な位置に設けられている。大径板部14aと小径筒部14bとの外周段差部分は、Oリングr4(
図3参照)を収納するOリング段差部14gになっている。大径板部14aの外周には、直径方向に対向する1対の位置決め突起14fが突設されている。切替板14を切替板収容部11oに収容する場合、位置決め突起14fを切替板収容部11oおよびキャップ収容部11nに設けた位置決め溝11qに沿わせて挿入することにより所定の位置に内装することができる。切替板14を切替板収容部11oに内装した状態で、切替板1の回動不能にセットされ、貫通孔14d、14eは、1対の位置決め溝11qの配設方向で分離された扇形貫通孔11f、11hと、扇形貫通孔11g、11iのいずれかの貫通孔対の各孔に対向配置される。
【0058】
導入部21を本体部2に対し第1連結位置で連結した場合、扇形貫通孔11f、11h対は、それぞれ、貫通孔14d、14eに連通して、縦方向の扇状吐水の散水が可能になる。導入部21を本体部2に対し第2連結位置で連結した場合、扇形貫通孔11g、11i対は、それぞれ、貫通孔14d、14eに連通して、横方向の扇状吐水の散水が可能になる。
【0059】
図12は、切替キャップ部材15の詳細構造を示し、同図(12A)〜(12D)はそれぞれ、切替キャップ部材15の上面図、外観斜視図、縦断面図、側面図、縦断面図である。(12B)と(12E)は、90°異なる方向から示した縦断面図である。
図13は、切替キャップ部材15の底部の平面図である。
【0060】
切替キャップ部材15は、上側に蓋部15iを形成した略筒体で構成されたキャップ本体部15aを有する。蓋部15iの上面には、1対の円筒部15b、15cが設けられている。1対の円筒部15b、15cの各外周には、Oリングr1(
図3の(3A)参照)を収納可能なOリング溝15fが略8字状に設けられている。蓋部15iの下方に、流水可能な円筒状空間部15gが形成されている。円筒部15b、15cの貫通孔15eは、円筒状空間部15gに通水可能に連通している。円筒部15b、15cの間は、仕切部15dによりOリング溝15fどうしを非接触状態に分離している。
【0061】
1対の貫通孔15eは、切替板14の貫通孔14d、14eと略同径であり、蓋部15iの直径方向に並設され、扇状吐水の散水時に切替板14の貫通孔14d、14eに対峙する位置に設けられている。円筒状空間部15gには、噴水部16の噴水筒部16eと係合して回動を規制する規制部材15hと、噴水筒部16eと嵌入する櫛歯状に多数形成された歯部15jが設けられている。突起部15hは、各歯部15jより僅かに突出している。
【0062】
図14は、噴水部16の詳細構造を示し、同図(14A)〜(14D)はそれぞれ、噴水部16の外観斜視図、横断面図、側面図、下面図である。
【0063】
噴水部16のノズル部16aの底面部16cには、ノズル筒部16eを囲むように穿設された噴水孔18と、ノズル筒部16eの下方に設けた扇状吐水用の溝孔17が配設されている。ノズル筒部16eの上端側には、切替キャップ部材15の規制部材15hが嵌入可能な縦溝部16kが切欠き形成されている。一対の縦溝部16kは直径方向に対向して配設されている。溝部16dより吐水側下方の外周には、Oリングr2(
図3参照)を収納可能なOリング溝16gが設けられている。ノズル筒部16eの外径は、切替キャップ部材15の円筒状空間部15gに隙間なく嵌入し得る大きさである。ノズル筒部16eを円筒状空間部15gに挿入した状態で、円筒状空間部15gの内側外周にOリングr3(
図3参照)が収納される。ノズル筒部16eは、溝孔17からの噴出速度(流速)を大きくするために、溝孔17に連通する小径孔部16iと、小径孔部16iより上方の大径孔部16hが形成されている。噴水孔18は、微細径で形成され、霧状にシャワー水を吐水可能にしている。溝孔17の噴出口は、ノズル部16aの平坦面より僅かに突出した突部17aに設けられ、該平坦面より僅かに前方側に扇状吐水が散水されるようにしている。突部17aを設けずに面一状に溝孔17を設けてもよい。
【0064】
噴水筒部16bの溝部16dの内部側面の外周径R3は、(14D)の部分拡大
図Aに示すように、噴水筒部10bの外周径と同径である。溝部16dの一端側に切替ハンドル13と噴水部16との係合を強固にするための丸みを帯びた微小突起16fが突設されている。微小突起16fの先端の外周径R2は、溝部16dの外部側面の外周径R1より小さく、噴水筒部10bの外周径よりも僅かに大きい。切替ハンドル13の中空部13eに噴水部16を嵌入して、切替キャップ部材15の規制部材15hを縦溝部16kに嵌入することにより、微小突起16fは、切替ハンドル13の係着部13gと嵌着し、切替キャップ部材15と噴水部16は、回動不能に係着される。
【0065】
図6に示した連結部6および噴水部16の組立構造は、以下の組立手順により組立てられる。
【0066】
カートリッジ19は、導入本体部11の筒体11aの凹部11bに収納される。Oリング段差部14gにOリングr4を収納して、切替板収容部11nに切替板14が挿入される。切替板14の下側から切替キャップ部材15が、Oリング溝15fにOリングr1に収容してキャップ収容部11nに挿入される。これらの導入本体部11、切替板14および切替キャップ部材15は、ロックハンドル部材12の貫通孔12cに挿通させる。
【0067】
さらに、切替ハンドル13の中空部13eに噴水部16を嵌入して、切替キャップ部材15の規制部材15hを縦溝部16kに嵌入することにより、微小突起16fと係着部13gとの嵌着により、噴水部16は、切替キャップ部材15に対し回動不能に係着される。Oリングr2は、Oリング溝16gに収納される。ノズル筒部16eは、筒外周にOリングr3を収納した状態で円筒状空間部15gに挿入される。切替ハンドル13の中空部13eに導入本体部11を挿入した状態で、係合爪部13cが係合溝部11jに嵌入し、切替ハンドル13は導入本体部11に嵌着される。筒体11aと中空部13eの間には、断面Y字形ゴムパッキンP2が、パッキン収容溝11kに介挿される。
【0068】
上記の組立手順により連結部6および噴水部16が組立てられる。この組立状態において、ロックハンドル部材12は、導入本体部11の筒体11aの外周と、切替ハンドル13の係合爪部13cの外周との周りに回動自在に保持されている。ロックハンドル部材12の操作部12aは、頭部3とハンドル部13aとの間に挟持されている。噴水部16は、外周側にて係着部13gと微小突起16fとの係合により切替ハンドル13と係合し、
内周側にて係着部13gと微小突起16fとの係合により切替ハンドル13と係合し、ノズル筒部16eの縦溝部16kと規制部材15hとの嵌合により切替キャップ部材15と係合している。この係合関係により、噴水部16および切替キャップ部材15は、切替板14を筒体11aの底部11c裏側の切替板収容部11oに収容した状態を保持している。噴水部16および切替キャップ部材15は、切替ハンドル13の中心軸である回動軸周りに一体的に連動して回動することができる。
【0069】
溝孔17は、その溝の長手方向が、1対の規制部材15hの設置方向と直交する向きに形成され、1対の貫通孔15eの設置方向に沿った向きに形成されている。切替板14を切替板収容部11oに内装した状態で、切替板1の回動不能にセットされ、貫通孔14d、14eは、扇形貫通孔11f、11hと、扇形貫通孔11g、11iのいずれかの貫通孔対の各孔に対向配置されているので、切替ハンドル13の回動操作により、いずれかの扇形貫通孔対の各孔に1対の貫通孔15eが対向する位置に噴水部16をセットすることができる。
【0070】
本実施形態に係る散水装置1を用いた散水方法による使用態様を以下に説明する。
【0071】
図15は、散水装置1による扇状吐水の吐水状態を示す。
【0072】
図16は、切替ハンドル13の回動操作によって、切替板14の貫通孔14d、14eに対し、切替キャップ部材15の一対の貫通孔15eが回転移動する変化を示す。
【0073】
(15A)は、散水装置1を縦向きの扇状吐水を散水可能な状態にセットした場合を示す。(16A)は、扇状吐水を散水する位置に切替ハンドル13を回動操作した状態を示す。
【0074】
散水装置1を縦向きの扇状吐水を散水可能な状態にセットした場合、切替ハンドル13を回動操作して、
図2の(2A)に示すように、溝孔17を縦方向に位置させると、
図3の(3A)の矢印で示す流水経路が出現する。この場合、本体部2より給水された流入水は、凹部4に進入し、カートリッジ19を通過する。カートリッジ19の通過により、流入水は浄化されて扇形貫通孔11f〜11iを通じて切替板14の貫通孔14d、14eに流入する。このセット状態において、貫通孔14d、14eおよび切替キャップ部材15の各貫通孔15eは、互いに対向し合致した位置にあるので、扇形貫通孔11f〜11iを経て流入水は、縦方向にセットされた切替キャップ部材15の貫通孔15eに流入し、噴水部16のノズル筒部16eの大径孔部16hおよび小径孔部16iを通過して溝孔17から扇状吐水を散水することができる。以上の流水経路は、(15A)に示すように、前方に縦拡がりに拡散した吐水領域Lで縦方向の扇状吐水を散水可能にする扇状の吐水経路を形成している。
【0075】
散水装置1を横向きの扇状吐水を散水可能な状態にセットした場合、切替ハンドル13を回動操作して、溝孔17を横方向に位置させると、流水経路として横方向の扇状吐水を散水可能にする扇状吐水経路が出現する。扇状吐水経路は、(15B)に示すように、前方に横拡がりに拡散した吐水領域Hで横方向の扇状吐水を散水可能にする扇状の吐水経路を形成している。この場合、溝孔17の位置を横方向にシフト移動するだけで、(3A)と同様に吐水の散水を行える。縦方向または横方向の扇状吐水は、約50°の拡散角度に拡がった吐水領域(LまたはH)で散水される。吐水領域の拡散角度は、溝孔17の溝長さを調整することにより変更可能である。散水装置1は、上記扇状吐水の切替機能を備えており、散水装置1により例えば、浴室や風呂場の洗浄清掃する場合、把持部5を手で把持する持ち方を変えずとも、左右に移動させて(15A)による縦方向の扇状吐水による壁面洗浄を行え、また、(15B)による横方向の扇状吐水による壁面洗浄を行え、効率
的な洗浄清掃作業を行うことができる。特には、例えば、タイル面の縦横の目地の汚れも縦方向の扇状吐水と横方向の扇状吐水を目地の方向に沿って集中的に散水でき、円滑かつ効率的な洗浄清掃作業を行うことができる。
【0076】
図15の(15B)は、散水装置1をシャワー水を散水可能な状態にセットした場合を示す。(16C)は、シャワー水の噴水を散水する位置に切替ハンドル13を回動操作した状態を示す。
【0077】
(15A)に示す縦方向または横方向にセットされた状態から、切替板収容部11oの中心軸を回動軸Cにして切替ハンドル13を回して、流入水が切替キャップ部材15の貫通孔15eに流入しない位置に回動することによりシャワー水を散水する噴水経路が形成される。(15B)および(16C)は、縦方向または横方向にセットされた状態から90°回動した場合を示す。噴水経路の場合、Oリング溝15fに収納されたOリングr1により、切替板13と切替キャップ部材15の間は密閉され通水遮断状態なっているので、流入水は、カートリッジ19を通過した後、貫通孔14d、14eに流入することなく、扇形貫通孔11f〜11iを通じてノズル筒部16eの側方に流れ噴水孔18からシャワー水として散水することができる。切替ハンドル13の回動角度を調整して、噴水経路から扇状吐水経路に、あるいは扇状吐水経路から噴水経路に至る回動途中で、流入水の一部が貫通孔15eにも流入する位置に回動した場合には、シャワー水と扇状吐水を同時に散水する混成通水経路を形成することができる。(16B)は、貫通孔14d、14eおよび切替キャップ部材15の各貫通孔15eの一部が重なり合った重合領域Wを介して連通して通水可能になった混成通水経路の形成状態を示す。この形成状態においては、重合領域Wを通じて貫通孔15eの一部連通により扇状吐水の散水と、噴水孔18側に流れた水流による噴水(シャワー水)の散水との同時散水を行うことができる。
【0078】
上記構成に係る散水装置1において、回動部22は、噴水部16を上記噴水経路を開放する回動位置に回動した場合、導入部21と連通して(3B)に示す噴水経路を形成する第1の通水部を有し、噴水部16を上記扇状吐水経路を開放する回動位置に回動した場合、導入部21と連通して(3A)に示す扇状吐水経路を形成する第2の通水部を有している。第1の通水部および第2の通水部において、貫通孔14d、14e対および貫通孔15e対の組を介して通水する通水構造にしているが、単一の貫通孔の組、あるいは3個以上の貫通孔の組を介して通水する通水構造にすることができる。また、貫通孔14d、14eおよび貫通孔15eの孔形状は、円形に限らず多角形形状にしてもよい。
【0079】
本実施形態によれば、連結部6は、流入水を噴水孔18に導いて噴水する噴水経路と、流入水を溝孔17に導いて溝孔17から扇状に吐水させる扇状吐水経路とを含む流水経路を有し、該扇状吐水経路は、連結部6を第1連結位置(縦方向の扇状吐水位置)または第2連結位置(横方向の扇状吐水位置)のいずれかで本体部2に連結した状態において扇状の吐水領域(
図15のL、H)を異ならせる吐水経路を含み、本体部2と連結部6とを第1連結位置または第2連結位置に連結した場合、それぞれの連結位置で異なる吐水領域の扇状吐水を散水し、第1連結位置および第2連結位置のいずれの連結状態であっても、噴水部16を回動することによって流水経路を噴水経路または扇状吐水経路に切替可能にして噴水または扇状吐水を散水することができる。本実施形態に係る散水方法においては、連結部6を第1連結位置または第2連結位置に連結することにより異なった吐水領域の扇状吐水の散水が可能になり、特には、第1連結位置または第2連結位置は、回動軸を中心にした円周軌跡上で異なり、連結位置の切替で無理なく異なる吐水領域の扇状吐水を散水することができる。さらに、連結状態が第1連結位置および第2連結位置のいずれであっても、噴水部16を回動することによって多数の噴水孔18により噴出させるシャワー水の吐水と、扇状吐水経路を通じて溝孔から扇状に吐水させる扇状吐水とに吐水態様を切り替えることができるので、本体部2の持ち方を変えずともシャワー水と、第1連結位置ま
たは第2連結位置に応じた吐水領域で吐水し得る扇状吐水とを簡便に切り替えて、例えば、風呂場等の広い洗浄清掃面やタイル面の目地の清掃溝などの種々の清掃部位に対応して効率的な洗浄清掃を行える利便性に優れた散水装置を実現することができる。係る利便性に富んだ扇状吐水機能を有した散水装置散水装置1による散水方法は、洗浄対象として、例えば、人体や動物における美容やマッサージの洗浄に適用することができる。
【0080】
第1連結位置および第2連結位置のいずれの連結状態であっても、噴水部16の回動位置に応じて流水経路を噴水経路および扇状吐水経路に通水可能な混成通水経路に切替可能にして噴水および扇状吐水を同時散水することができるので、シャワー水と、第1連結位置または第2連結位置に応じた吐水領域で吐水し得る扇状吐水と、噴水および扇状吐水の同時散水とを簡便に切り替えて、効率的な洗浄清掃を行える利便性に優れた散水装置を提供することができる。
【0081】
本実施形態では、連結位置の変更角度は、本体部2の軸芯の回りに例えば、90°にして、本体部2の縦方向に沿った縦方向の吐水領域またはそれより90°回転した横方向の吐水領域で吐水し得る扇状吐水を散水するが、連結位置の変更角度は、90°の場合に限定されず、90°未満、例えば、60〜70°あるいは、90°を超えた、例えば、100〜110°の所定値に設定することができる。
【0082】
連結部6は、本体部2の吐水端側に取着される流入水の導入部21と、導入部21と通水可能に連通し、導入部21に対し回動可能で、吐水側で噴水部16が取着される回動部22と、を有し、導入部21は、本体部2に設けた複数の係合部に係合する係止部を有し、係合部4dと係止部11d、11eとの係合位置により、導入部21は、本体部2に対し第1連結位置または第2連結位置のいずれかに連結可能にすることができる。したがって、異なった吐水領域の扇状吐水を使用する場合、導入部21の係合位置を変更する操作だけで第1連結位置または第2連結位置の連結状態を変更して所望の吐水領域の扇状吐水の使用が可能になり、シャワー水と、複数の吐水領域で吐水し得る扇状吐水とを簡便に切り替えて使用でき利便性に富んだ多機能散水装置1を構成することができる。
【0083】
回動部22は、異なる回動位置で導入部21と連通可能な、
図15に示す第1の通水部および第2の通水部を有し、噴水部16を噴水経路を開放する回動位置に回動した場合、第1の通水部は、導入部21と連通して噴水経路((3B)参照)を形成し、噴水部16を扇状吐水経路を開放する回動位置に回動した場合、第2の通水部は、導入部21と連通して扇状吐水経路((3A)参照)を形成するので、第1連結位置または第2連結位置のいずれかの連結状態において連結部6を回動させる操作を行うだけで、該連結状態に対応した吐水領域の扇状吐水とシャワー水の吐水とに切り替ることができ、利便性に富んだ多機能散水装置1を構成することができる。
【0084】
溝孔17は、1つの噴水孔18よりも大きい開口面積を有することにより、本体部2より拡散された吐水領域の扇状吐水を噴出させることができ、しかも、扇状吐水を連結位置の変更によって吐水領域を異ならせることができ、効率的な洗浄清掃を行える利便性に優れた散水装置1を構成することができる。本実施形態においては、溝孔17は、ノズル部16aの中心部に形設されているが、該中心部より偏在した位置、例えば、中心部より上方側の位置に設け、それに合わせて扇状吐水経路を形成してもよい。
【0085】
本発明に係る溝孔17は、例えば、長孔や矩形スリットの形体にすることができる。本発明においては、単一の溝孔に限らず、例えば、所定間隔をあけて穿設された複数個の溝孔で構成された複合溝孔を使用することができる。