【実施例】
【0034】
実施例および比較例に用いた抗菌剤A〜D、ならびに各測定方法を以下に示す。
≪抗菌剤A≫
4−ヒドロキシ安息香酸ブチルエステル(4−ヒドロキシ安息香酸とブチルアルコールとを触媒の存在下で反応させることにより得た)
≪抗菌剤B≫
4−ヒドロキシ安息香酸ヘキシルエステル(4−ヒドロキシ安息香酸とヘキシルアルコールとを触媒の存在下で反応させることにより得た)
≪抗菌剤C≫
ゼオライト銀(富士ケミカル社製、商品名:バクテライト、品番:MP−102SVC13)
≪抗菌剤D≫
ベヘン酸銀(東京化成工業社製)
【0035】
(測定方法)
(1)抗菌性試験
試験方法:JIS Z 2801 : 2010
試験菌株:大腸菌 Escherichia coli NBRC 3972
試験菌株:黄色ブドウ球菌 Staphylococcus aureus NBRC 12732
【0036】
実施例および比較例において得られた抗菌剤を含む樹脂成形体表面に、大腸菌および黄色ブドウ球菌をそれぞれ含む菌液を滴下し、その上からポリエチレン製フィルムを密着させ、温度35℃、湿度90%の条件下で24時間培養した。培養後、ポリエチレン製フィルムおよび試験片に付着している菌体をSCDLP培地で洗いだした液(VmL)を1mL取り、希釈(D倍希釈)した液1mLをシャーレに移して、SPC培地約20mLを加え、混合した。培地が固まった後、温度35℃、湿度90%の条件下で40〜48時間培養した後、大腸菌および黄色ブドウ球菌の生菌数をそれぞれカウントした。評価の基準は、ペレットを含まないポリプロピレン製樹脂成形体(以下、無加工樹脂成形体ともいう)を用いた。試験はそれぞれ3回行い、平均値を算出した。
【0037】
抗菌試験の評価は以下の方法により算出した。
N=(C×D×V)/ A
N:生菌数(試験片1cm
2あたり)
C:集落数(採用した2枚のシャーレの集落数平均値)
D:希釈倍数(採用したシャーレに分注した希釈液の希釈倍率)
V:洗い出しに用いたSCDLP培地の液量(mL)
A:被覆フィルムの表面積(cm
2)
ただし、Cが<1の場合はCを1として生菌数を算出する。
たとえば、V=10mL、A=16cm
2、D=1の場合、N<0.63と表示する。
R=(U
t−U
0)−(A
t−U
0)=U
t−A
t
R :抗菌活性値
U
0:無加工樹脂成形体の接種直後の生菌数の対数値の平均値
U
t:無加工樹脂成形体の24時間後の生菌数の対数値の平均値
A
t:実施例および比較例において得られた抗菌剤を含む樹脂成形体の24時間後の生菌数の対数値の平均値
抗菌活性評価:抗菌活性値Rが3.0以上を◎、2.0以上3.0未満を○、1.5以上2.0未満を△、1.5未満を×とした。
【0038】
(2)抗菌剤粒子の観察
樹脂成形体の表面を、走査電子顕微鏡(SEM)を用い、倍率を適宜設定して観察した。次の基準で判定を行った。
○:粒子径1μmを超える粒子が観測されなかった。
△:粒子径1μm超え5μm以下の粒子が観測された。
×:粒子径5μmを超える粒子が観測された。
【0039】
(3)着色性の評価
樹脂成形体を分光測色計(形式CM−3600d(KONICA MINOLTA製)、色彩ソフトウェアCM−S100W Spectra Magic NXを用い、測定方法:反射、視野:10°、主光源:C光源、ジメオトリ:d/8、正反射光処理:SCI+SCE、測定径:LAV(25.4mm)、UV条件:100%の条件でb*を測定し、次の基準で判定を行った。
◎:b*が2未満
○:b*が2以上20未満
△:b*が20以上40未満
×:b*が40以上
【0040】
[実施例1]
(抗菌ペレットの作製)
抗菌剤A100gを
メタノール150gに50℃にて溶解した。ポリプロピレン樹脂(株式会社プライムポリマー製、J105G)100質量部に対して、抗菌剤Aが11質量部配合されることとなるように、メタノールに溶解した抗菌剤Aと、200℃の温度で溶融したポリプロピレン樹脂とを二軸押出機(株式会社池貝社製、PCM−30)に供給し、溶融混練し、メタノールを気体の状態で除去することにより得たものをペレット化し、抗菌ペレットを得た。
【0041】
(樹脂成形体の作製)
得られた抗菌ペレットとポリプロピレン樹脂(株式会社プライムポリマー製、J105G)を表1に記載の比率にて混合し、射出成形機(日精樹脂工業(株)製UH−1000−110)を用いて射出成形し、樹脂成形体を得た。得られた樹脂成形体の表面を走査電子顕微鏡(SEM)を用い10000倍に拡大して観察したところ、粒子は観察されなかった。走査電子顕微鏡写真を
図1に示す。また、得られた樹脂成形体について、抗菌性試験および着色性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0042】
[実施例2〜4]
樹脂成形体の抗菌ペレットとポリプロピレン樹脂との混合比を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして抗菌ペレットおよび樹脂成形体を得た。得られた各樹脂成形体について、抗菌性試験、走査電子顕微鏡にて表面の観察および着色性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0043】
[実施例5〜8]
抗菌剤の種類および樹脂成形体の抗菌ペレットとポリプロピレン樹脂との混合比を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして抗菌ペレットおよび樹脂成形体を得た。得られた各樹脂成形体の表面を走査電子顕微鏡(SEM)を用い10000倍に拡大して観察したところ、粒子は観察されなかった。実施例5の走査電子顕微鏡写真を
図2に示す。また、得られた各樹脂成形体について、抗菌性試験および着色性の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例9〜10]
【0044】
(抗菌ペレットの作製)
抗菌剤Aの比率を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして抗菌ペレットを得た。
【0045】
(樹脂成形体の作製)
得られた抗菌ペレットの比率を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂成形体を得た。得られた各樹脂成形体の表面を走査電子顕微鏡(SEM)を用い10000倍に拡大して観察したところ、粒子は観察されなかった。また、得られた各樹脂成形体について、抗菌性試験および着色性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0046】
[実施例11]
(参考例)
(抗菌ペレットの作製)
抗菌剤Aの比率を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして抗菌ペレットを得た。
【0047】
(樹脂成形体の作製)
得られた抗菌ペレットを射出成形機(日精樹脂工業(株)製UH−1000−110)を用いて射出成形し、樹脂成形体を得た。得られた各樹脂成形体の表面を走査電子顕微鏡(SEM)を用い10000倍に拡大して観察したところ、粒子は観察されなかった。また、得られた樹脂成形体について、抗菌性試験および着色性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0048】
[比較例1〜2]
表1に示す抗菌剤および割合でポリプロピレン樹脂と各抗菌剤とを二軸押出機(株式会社池貝社製、PCM−30)に供給し、溶融混練して抗菌ペレットを得た。得られた抗菌ペレットを用いて実施例1と同様にして樹脂成形体を得た。得られた各樹脂組成物の表面を走査電子顕微鏡(SEM)を用い3000倍に拡大して観察したところ、粒子径が5μmを超える粒子が観察された。また、得られた各樹脂成形体について、抗菌性試験および着色性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0049】
[比較例3]
(樹脂成形体の作製)
抗菌剤(A)とポリプロピレン樹脂(株式会社プライムポリマー製、J105G)を表1に記載の比率にて混合し、射出成形機(日精樹脂工業(株)製UH−1000−110)を用いて射出成形し、樹脂成形体を得た。得られた樹脂成形体の表面を走査電子顕微鏡(SEM)を用い3000倍に拡大して観察したところ、粒子径5μmを超える粒子が観察された。走査電子顕微鏡写真を
図3に示す。また、得られた樹脂成形体について、抗菌性試験および着色性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0050】
【表1】