(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
[画像形成装置]
図1に示す画像形成装置Aを説明する。図示の画像形成装置Aは画像形成本体装置A1とシート処理装置(フニッシャ)Bからなる。このうち、画像形成本体装置A1は、静電式印刷機構を示し、読み取り装置A2と原稿搬送装置A3で構成されている。画像形成本体装置A1の装置ハウジング1には、給紙部2と画像形成部3と排紙部4とデータ処理部5が内蔵されている。
【0021】
給紙部2は、画像形成する複数サイズのシートを収納するカセット機構2a〜2cで構成され、画像形成制御部200から給紙制御部202を介して指定されたサイズのシートを給紙経路6に繰り出す。このため装置ハウジング1には複数のカセット2a〜2cが着脱可能に配置され、各カセットには内部のシートを1枚ずつ分離する分離機構と、シートを繰り出す給紙機構が内蔵されている。給紙経路6には、複数のカセット2a〜2cから供給されるシートを下流側に給送する搬送ローラ7と、経路端部には各シートを先端揃えするレジストローラ対8が設けられている。
【0022】
尚、上述の給紙経路6には、大容量カセット2dと手差しトレイ2eが連結してあり、大容量カセット2dは大量に消費するサイズのシートを収納するオプションユニットで構成され、手差しトレイ2eは、分離給送が困難な厚紙シート、コーティングシート、フィルムシートなどの特殊シートを供給可能に構成する。
【0023】
画像形成部3は、静電印刷機構を一例として示し、感光体9(ドラム、ベルト)と、この感光体に光学ビームを発光する発光器10と、現像器11(ディベロッパー)と、クリーナ(不図示)が回転する感光体の周囲に配置されている。図示のものはモノクロ印刷機構を示し、感光体9に発光器で光学的に潜像を形成し、この潜像に現像器11でトナーインクを付着する。
【0024】
そして感光体9に画像形成するタイミングに合わせて給紙経路6からシートを画像形成部3に送り転写チャージャ12でシート上に画像を転写し、排紙経路14に配置されている定着ユニット(ローラ)13で定着する。排紙経路14には排紙ローラ15と、本体排紙口16が配置され、後述するシート処理装置Bにシートを搬送する。
【0025】
上述の読み取り装置A2は、原稿を載置するプラテン17と、プラテンに沿って往復動する光学キャリッジ18、19と、これらに搭載された光源と、プラテン上の原稿からの反射光を光電変換部材20に案内する縮小光学系(ミラー、レンズの組み合わせ)で構成されている。
【0026】
また、この読み取り装置A2は上記のプラテン17の側方に第2プラテンである走行プラテン21を設けている。この走行プラテン21では原稿搬送装置A3から送られたシート原稿を上述の光学キャリッジ18、19と光電変換部材20で画像読み取りする。光電変換部材20は光電変換した画像データを電気的に画像形成部3に転送する。
【0027】
上記の原稿搬送装置A3は、原稿給紙トレイ22から送り出したシート原稿を走行プラテン21に案内する原稿搬送経路23と、走行プラテン21で画像読取された原稿を収納する原稿排紙トレイ24で構成されている。
【0028】
ところで、上記画像形成本体装置A1は、上述の機構に限らず、オフセット印刷機構、インクジェット印刷機構、インクリボン転写印刷機構(熱転写リボン印刷、昇華型リボン印刷など)の印刷機構が採用可能である。
【0029】
[シート処理装置]
シート処理装置Bは、画像形成本体装置A1の本体排紙口16から搬出されたシートを入り口36から受け入れて処理する装置で、所謂フニッシャと称されている。このシート処理装置Bは、(1)プリントアウトモードと、(2)ジョグ仕分モードと、(3)綴じ処理モードと、(4)製本(中綴じ)処理モードと、さらには(5)マニュアル綴じモードを備える。これらのモードについては、後述する。
【0030】
シート処理装置Bは上述の全て処理モードを備える必要はなく、装置仕様(設計仕様)に応じて適宜構成すると良いが、ここで開示するシート処理装置Bにおいては、シートの端部の表裏から綴じを行う(端面)綴じ部B1と、シートの搬送方向中ほどで綴じを行う中綴じ部B2と、綴じ処理を行わず、仕分けなどを行うエスケープ部B3を示している。本発明においては、シートの綴じ処理などの際に、一旦シートを規準位置まで搬送して揃えて載置する載置・スタック構成は必要として説明する。
【0031】
図2は、シート処理装置Bの構成を示している。このシート処理装置Bは画像形成装置Aの本体排紙口16に連なるシートの入り口36を備えている。この入り口36からはシートを検出する入り口センサ38と必要に応じてシートの端部にパンチ孔を穿孔するパンチユニット40が配置されている。パンチユニット40の下方にはパンチ屑ボックスが処理装置フレーム30に着脱自在となっている。パンチユニット40の後方には、シートを下流側に搬送する搬入ローラ41および搬送ローラ48が設けられている。
【0032】
この搬入ローラ41によって搬送されるシートは、処理トレイ58側に搬送される略直線的な搬送経路43と、この搬送経路43から上方に分岐しエスケープ経路33と、搬送経路43の合流部45を通過するスイッチバックシートを案内する中綴じ経路65が設けられている。上記搬入ローラ41によって送られるシートを、エスケープ経路33か中綴じ経路65か何れに送るかの経路切り替えは、搬送経路43途中に設けられた第1ゲート42と第2ゲート44によって行われる。
【0033】
[エスケープ部]
搬送経路43を略直線的に搬送されるシートは一旦処理トレイ58に載置された後か、あるいは直接に排紙口54から1枚シートや束として積載トレイ34に集積される。一方、搬送経路43から上方のエスケープ経路33に送られたシートはエスケープトレイ32に集積される。このエスケープトレイ32の集積に際しては、特に図示していないが最終の排出ローラを指定枚数ごとに搬送経路43の搬送方向と交差する方向にシート排出の際に移動可能となっている。これにより、シートを仕分ける区分けジョグが可能となっていて、ここではエスケープ部B3を構成している。
【0034】
[中綴じ部]
また、搬送経路43には、シート後端を検出するシートセンサ39が設けられている。このシートセンサ39により検出された後、搬送ローラ48を逆転してシートを分岐ローラ64に送るようになっている。分岐ローラ64は中綴じ経路65に沿ってシートを送り、中綴じを行うために多少傾斜したスタッカ部72にシートを集積する。ここで集積されたシートの束は、中綴じシートストッパ74の上方への移動より、中綴じユニット66の綴じ位置にシートの搬送方向の中ほどを位置させる。
【0035】
搬送方向の中ほどが位置したシートの束は、中綴じ部B2に位置する中綴じユニット66によって綴じられる。綴じられたシートの束は、綴じ位置を多少下降させ、折り位置で折りブレード70と折りローラ68より2つ折り折られる。折りローラ68によって折られたシートの束は束排紙ローラ76より束スタッカ78に放出され、中綴じされた製本として集積される。以上のように、搬送経路43の上方側にエスケープ部B3が位置し、下方側に中綴じ部B3が位置している。
【0036】
[端面綴じ部(処理トレイおよびその周辺)]
次に、端面綴じ部B2は処理トレイおよび(加水圧着)綴じユニット60から構成されている。ここでは上述の搬送経路43から搬送ローラ48に送られるシートを処理するため、シートを一時載置する処理トレイ58が搬送ローラ48出口から段差を持って配置されている。この搬送ローラ48出口には、シートが搬送ローラ48から搬出されると同時にシートを処理トレイ58の載置面に落とし込む落とし込みガイド46が位置している。その下流側にはシートを処理トレイ58内で(スイッチバック)移送する鰭形状をした弾性片を有する戻しパドル51が位置している。
【0037】
この戻しパドル51の積載トレイ34側には、排紙ローラ52が位置している。この排紙ローラ52は回動移動する排紙上ローラ52aと固定側の排紙下ローラ52bから構成されている。この排紙ローラ52は、搬送ローラ48から送られるシートをニップへして送るか、処理トレイ58に収納する最初の1枚をニップしてスイッチバックするか、処理トレイ58に載置されたシートの束を積載トレイ34に送るようになっている。さらにここに開示の排紙ローラ52は、排紙上ローラ52aが戻しパドル51と同じ方向に回転して、処理トレイ58内でシートをスイッチバック搬送の際にバックアップできるようにもなっている。
【0038】
図3に示すようにシートを載置する処理トレイ58上にはシートが搬送ローラ48から搬出される毎にシート搬送方向から交差する幅方向に移動する整合板59が設けられている。この整合板59は、整合板モータ59Mにより移動されシート幅方向の両側にシートを挟むように設けられている。これより整合板59が互いに間隔が狭くなる方向に移動してシートの幅方向の揃えを行う。処理トレイ58は、排紙口54とこれから下方に傾斜して、その端部には、上述した戻しパドル51などによってスイッチバック搬送されるシートを突き当てる基準ストッパ62が配置されている。
【0039】
なお、
図2には、戻しパドル51とこの基準ストッパ62の間にはスイッチバックするシートを案内する搬入ガイド57が設けられている。この搬入ガイド57は搬送ローラ48の下側の軸に自重で回動自在に垂下して、スイッチバック搬送されるシートの搬入をガイドしている。また、戻しパドル51で送られたシートを基準ストッパ62にさらに送る戻しベルト61が配置されている。上記の基準ストッパ62に束として積み重なったシートの端部は、綴じユニット60が配置されている。
【0040】
ところで、
図3や
図2で示される綴じユニット60は、金属のステープル針を使用することなくシート同士を加圧歯により圧着して綴じる圧着綴じを採用し、さらに圧着の際に水をシートに加水して綴じる、いわゆる加水圧着綴じが可能となっている。なお、この発明においてシートとは水分が浸透して繊維がほぐれる薄材を言い、また水とは、水と同じ性質の液体を示すこととする。加水圧着綴じにいては
図4以降で詳しく述べる。
【0041】
上記の加水圧着綴じが可能な綴じユニット60は、シートの幅方向(装置のフロントとリア間)に、特に図示していないが、綴じユニット移動モータによって移動され、シート束の角隅位置や端部中央付近に複数位置を綴じることができるようになっている。
図3の例にあっては、シート処理装置Bの操作者に対して置く側のリア側隅部60(R)と、シートの幅方向の淵に沿った2箇所60(2)と、装置手前で操作者側のフロント側隅部60(F)に移動する。
【0042】
さらに、ここで開示の綴じユニット60は装置フレーム30束手差し口から挿入されたシート束を綴じるマニュアル綴じ位置を有している。このマニュアル綴じ位置は、追って説明する補水タンク174に水補給をする位置と、綴じユニット60の移動の初期位置だしを行うホームポジション位置と同じ位置となっている。
【0043】
そして、上記の綴じユニット60でのシート束の綴じが完了すると、基準ストッパ62を綴じられたシート束を基準ストッパ62で処理トレイ58の途中まで押し出し移動する。その後、押し出し移動の最中に排紙上ローラ52aが下降して排紙下ローラ52bともに綴じられたシート束をニップして排紙口54から積載トレイ34に向けて束排出する。
【0044】
上記の排紙口54の下方には1枚シートまたは綴じられたシートの束を集積する積載トレイ34が設けられている。この積載トレイ34には、集積したシートの上面高さ位置を一定に保つために、シート上面を検出してシートが一定量集積されると集積トレイモータ34Mを駆動して、積載トレイ34に積載されたシート上面がいつも排紙口54からの位置が一定にしている。
【0045】
[(加水圧着)綴じユニット]
ここから、
図4以降の図を参照しながらこの発明に関わるシートの綴じ位置に加水してから圧着する綴じユニット60について説明する。
図4は(加水圧着)綴じユニット60の斜視図で、
図4(a)は背面側、
図4(b)は正面側。
図5は綴じユニット60の側面図で、
図5(a)はシート処理装置のリア側から、
図5(b)は同フロント側からの図である。
【0046】
図4および
図5に示すように、綴じユニット60は、シートに水を加えるともに加圧歯の一方の昇降する加圧歯82を有する加水加圧部80と、受け歯130を有する受け歯部126とシートに水を加える補水ポンプ部(補水ポンプユニット)150からなる。上記の一対の加圧歯を構成する一方(上側)の加圧歯82はゴム板などからなる弾性部材92で囲われて加圧歯支持部84に設けられている。
【0047】
また、他方(下側)の加圧歯となる受け歯130は受け歯支持部128に支持されて受け歯部126を構成している。この加圧歯82と受け歯130との間に処理トレイ58に戴置されるシート(束)を挟んで位置するようになる。
【0048】
図5(b)に示すように、上記の加圧歯82の裏面側にはシートに加水する水を保持する水溜り部88を構成する円筒状のシリンダー90が配置され、その上方には後に説明する加圧ピストン104の円周方向外側にシリンダーガイド108が位置している。この加圧ピストン104とシリンダー90で加水する水の加圧部材(加水部材)を構成している。
【0049】
下方で受け歯130は、受け歯支持部128に支持され、この受け歯支持部128はシートの下面も支持するようになっている。また、この受け歯支持部128の下方には、シートに加水した残水を受ける排水皿133が配置されている。
【0050】
また、
図5(a)からわかるように、加圧歯82や受け歯130の後ろ側に隣接して、上記の水溜り部88に水を補水する補水ポンプ部となる補水ポンプユニット150が綴じユニット60の外フレーム120内に収容されている。この補水ポンプユニット150も後に説明するが、水溜り部88に水を供給する補水ピストン部154と、この補水ピストン部154を移動する補水ヘッド部156と、補水する水を貯める補水タンク174からなる補水タンク部152で構成されている。
図4(a)では、この補水タンク174を覆うポンプ保持カバー192が見えている。
【0051】
ところで、上述した水溜り部88を構成するシリンダー90の左右には加圧歯82および弾性部材(ゴム板)92を支持する加圧歯支持部84と加圧歯82を昇降する押え板102との間に圧縮スプリング96が配置してある。
【0052】
[押え板の昇降移動]
上記の押え板102の駆動は、受け歯支持部128と外フレーム120で区画されたスペースに配置された駆動モータ(綴じモータ60M)によって行われる。この綴じモータ60Mからの押え板102までの駆動は次のように構成されている。すなわち、
図4(a)および
図5(a)に示されるようにリア側の外フレーム120には、駆動モータとしての綴じモータ60Mの出力軸に設けられたモータ出力軸ギア136に中間ギア138が係合している。
【0053】
この中間ギア138の回転は、移動カム145を回転するカムギア140と、補水タンク底部175を支持する位置としない位置に移動する支えラック144を移動するピニオンギア142に伝達されている。なお、このピニオンギア142は中間ギア138から伝達を受け軸とともに回転するピニオンギア142aとこの回転軸とのワンウェイクラッチ147を介在して支えラック144に伝達するピニオンギア142bから構成されている。これにより駆動モータ60の回転方向により、支えラック144を移動するか否かが選択され、必要時のみ補水ピストン部154を作動するようになっている。この点については後述する。
【0054】
前記の移動カム145は、外フレーム120のフロント側とリア側の両側に配置されている。これによって移動する回動アーム134も外フレーム120に取り付けられたアーム支点146によって回動するように両側に取り付けられている。この回動アーム134は外フレーム120と間に張設された戻しスプリング149によって、アーム後端143が常時移動カム145に当接する状態に維持されている。
【0055】
一方、回動アーム134の先端側のアーム先端スリット148には、押え板102板の
押え板102の上移動ピン110が挿入されている。したがって、移動カム145が回転すると回動アーム134もその先端側が上下に移動して押え板102を昇降移動する。なお、押え板102はその前方側(加圧歯82側)において、上移動ピン110、下移動ピン112が外フレーム120の案内スリット124に挿入されている。
【0056】
押え板102の後方側(補水ポンプユニット150側)も、後案内ピン116が外フレーム120の案内スリット124に挿入されている。そして、上記の上移動ピン110が回動アーム134のアーム先端スリット148にも挿入しているので、回動アーム134の回動アーム134により押え板102が昇降移動する構成となっている。したがって、押え板102と回動アーム134が移動部材を構成していることになる。
【0057】
[加水加圧部]
上記の押え板102は、加水加圧部80を昇降移動するが、これについて
図6から
図9を参照して説明する。
図6は綴じユニットの加水加圧部80の斜視図で、
図6(a)は側方、
図6(b)はやや上方からの斜視図である。また、
図7は加水加圧部の断面説明図で、
図7(a)は正面、
図7(b)は側面を示している。
【0058】
この加水加圧部80は、押え板102と加圧歯支持部84と、これらの間に介在する圧縮スプリング96から構成されている。加圧歯支持部84のシートに接する側には、加圧歯82とこれを囲むゴム板からなる弾性部材92が設けられている。加圧歯82の裏面側(加圧歯裏面側)には、加圧歯支持部84と一体に形成された円筒状のシリンダー90と上記の圧縮スプリング96が巻回される案内バー94がシリンダー90の両側に設けられている。この案内バー94の先端は押え板102の案内孔114に常時挿通されている。
【0059】
上記のシリンダー90は、
図7に示したように、その高さ方向の約1/3がシートに加水される水を保持する水溜り部88が形成されている。また、このシリンダー90には後述する補水ポンプユニット150からの水を受け入れる補充口98が切り欠き形成してある。図示のものは加圧歯82も一体に形成され、この加圧歯82には水溜り部88の水をシートに加水できるように給水孔(給水管)86が開口してある。
【0060】
上記のシリンダー90の上方には、このシリンダー90に挿入して水溜り部88の水を加圧して加圧歯82の給水孔から加水するように加圧移動する加圧ピストン104が位置している。この加圧ピストン104は、その上方端で押え板102に固定して取り付けてある。この加圧ピストン104のシリンダー90への挿入部分には、円周上にピストンパッキン106が巻いてある。
図7のピストンパッキン106は一箇所に巻いてあるが、二箇所以上にすれば加水時の加圧が強くなっても良い。
【0061】
上記の押え板102には、シリンダー90の外側に移動するシリンダーガイド108が設けられていて、加圧ピストン104の挿入および水を加圧する加水動作がスムーズに行えるようにしている。また、押え板102には案内孔114と、外フレーム120の案内スリット124に挿入する上移動ピン110と下移動ピン112、および後案内ピン116が固定して設けられている。このうち上移動ピン110は、外フレーム120外側を回動する回動アーム134のアーム先端スリット148に挿入できるように他のピンよりも外側に向かって多少長くなっている。
【0062】
(圧縮状態での加水加圧部)
上記のように構成された加水加圧部80が、回動アーム134によって圧縮された状態を
図8および
図9に示してある。
図8(a)はやや上方、
図8(b)は下方からの斜視図である。この圧縮状態にする回動アーム134の動作については、追って
図14から
図19で説明する。
【0063】
この圧縮状態図は、それぞれ回動アーム134によって押え板102は受け歯支持部128に当接状態であり、案内バー94に巻回された圧縮スプリング96が圧縮され、案内バー94が押え板102の案内孔114が突出している。
図8(b)は、この状態を受け歯支持部128側から見た図であり、給水孔(給水管)86が設けられた加圧歯82の周囲は、ゴム板などからなる弾性部材92で囲っている。これは、まず、シート束にこの加圧歯支持部84が押圧してから、水溜り部88の水を加圧ピストン104で加水するが、その際に加圧歯82で圧着する範囲以外に加水した水が広がるのを防ぐためである。
【0064】
図9は、加水加圧部80の断面図で、
図9(a)はシリンダー90および案内バー94を横切る方向の正面断面図、で
図9(b)は、
図9(a)と交差する方向にシリンダー90を横切った断面図である。そして、これらの図では、シリンダー90内の水溜り部88に保持された水は加圧ピストン104により、加圧歯82の給水孔(給水管)86を通じてシートに加水され、この状態で加水したシートを受け歯130との間で歯合するように、さらに加圧ピストン104で押え板102の力を受けて押圧しシートを圧着する。
【0065】
なお、シリンダー90は加圧ピストン104が上方から移動するにしたがって内径が狭まるように形成され、前に述べたようにその高さ方向の約1/3がシートに加水される水を保持する水溜り部88が形成されている。この位置から加圧ピストン104で水溜り部88の水溜り部88を加圧して加水する。この上方側では、補水ポンプユニット150から吐出されて補充される水を補充口98から水溜り部88に受け入れで次の加圧ピストン104の動作を待つことになる。したがって、シートに加水される一度の水はおおよそこの水溜り部88に保持される量となる。
【0066】
[補水ポンプ部]
次に、この補充口98を通して、上記の水溜り部88に水を補水する補水ポンプ部である補水ポンプユニット150ついて、
図10から
図13により説明する。この補水ポンプユニット150は、既に
図4で説明したように、綴じユニット60の外フレーム120内レームに加圧歯支持部84や受け歯部126と同じように内装されている。したがって、これまでのように綴じユニット60の外から補水するパイプなどを這い回す必要がなくなり、扱いも容易で、装置もコンパクトになる。
【0067】
そこで、この補水ポンプユニット150について図面を参照して説明する。
図10は補水ポンプユニット150の断面説明図である。
図11は、この補水ポンプユニット150の重要な構成要素である補水ピストン部154の分解斜視図であり、補水ピストン部154の拡大説明図で、
図13はこれによる水吐出状態の拡大説明図である。
【0068】
まず、
図10に示されるように、補水ポンプユニット150は、押え板102で押圧され昇降移動する補水ヘッド部156と、水を一旦保持し、上記の補水ヘッド部156に水を吐出する補水ピストン部154と、この補水ピストン部154に補水する水を貯水する補水タンク部152から構成されている。上記の補水ヘッド部156の昇降移動により補水ピストン部154から吐出される水は、補水ヘッド部156から突出口が加水加圧部80の補充口98まで延設された補水ジョイント部158から水溜り部88に補水される。
【0069】
補水タンク部152には、次の
図11から
図13によって説明する補水ピストン部154によって、水が補水ジョイント部158に吐出されるごとに水の減少に伴って移動する移動プレート176が昇降移動可能になっている。また、補水タンク部152の補水タンク底部175には、この移動プレート176の移動を可能とする空気孔178が設けられている。
【0070】
[補水ピストン部]
次に、
図11および
図12により、補水ヘッド部156に水を吐出する補水ピストン部154について述べる。補水ピストン部154は、補水タンク部152に螺着するタンクキャップ172と、このタンクキャップ172に固定され補水タンク部152の水を一時保持する補水シリンダー167が設けられている。なお、タンクキャップ172と補水タンク部152の補水タンク174との間には密閉用のシーリング171が設けられている。なお、タンクキャップ172は綴じユニット60内では加圧歯支持部84の補充口98下の湾曲部(
図6、
図8)にはめ込まれて支持されている。
【0071】
さらに、この補水シリンダー167は上方に補水ヘッド部156の昇降移動により、同様に移動する上ピストン162が設けられている。この上ピストン162には、上スプリング169が巻回され、下方にはこの上スプリング169が同様に巻回されたポンプバルブ165が配置されている。このポンプバルブ165内には、補水シリンダー167下部との間に下スプリング170が巻回された下ピストン163が位置している。この上ピストン162の円周方向には、上記のポンプバルブ165に圧着して密閉する下ピストン突出部164が設けられている。この下ピストン突出部164の密閉は、下スプリング170によって行われる。
【0072】
上記の補水シリンダー167の下端には、補水タンク174の水を取り込んだり、補水シリンダー167を密閉したりするボール弁166が設けられている。このボール弁166は補水シリンダー167内部の内圧が大きくなると、補水シリンダー167の下端に位置し、内圧が減圧すると、補水タンク174の水を取り込むように、やや上方に移動する。
【0073】
[補水動作]
以上からなる補水ポンプユニット150は、
図13に示すように、補水ヘッド部156が押え板102の押圧されることにより下降すると、上ピストン162も下降する。この下降により巻回されている上スプリング169も押され、ポンプバルブ165を押す。このポンプバルブ165の下降により、ボール弁166弁は下端を塞いでいるので、補水シリンダー167の内圧が上昇する。
【0074】
この補水シリンダー167の内圧が一定値を超えると、この内圧により補水シリンダー167と上ピストン162に巻回された上スプリング169が縮むことにより、ポンプバルブ165と下ピストン突出部164との間に隙間が生じる。この隙間から補水シリンダー167の水が、
図13に矢印で示したようにポンプバルブ165、下ピストン163上部、上ピストン162を通じて、補水ヘッド部156の補水ジョイント部158から水溜り部88に吐出される。補水タンク174の水が減少すると、補水タンク174の減圧により移動プレート176が上昇し、常に補水タンク174内の液面を一定になるようにしている。
【0075】
このように、押え板102の押圧の都度補水タンク174の水は、補水ジョイント部158を通じて加水加圧部80の補充口98に補水される。なお、
図10から
図13に示した補水ポンプユニット150の機構は、日本特許出願公開2014−240286号に同様の機構装置が示され詳しく述べられている。
【0076】
次に、ここでの開示に綴じユニット60において、処理トレイ58に戴置されたシート束の圧着綴じ動作を説明する。この綴じユニット60は、一対の加圧歯(加圧歯82と受け歯130)で圧着する際に、加水せずに圧着する場合(加水なし圧着綴じ)と、圧着する箇所に加水してから圧着する場合(加水圧着綴じ)が選択的に実行できるようになっている。
【0077】
[加水なし圧着綴じ]
まず、
図14から
図16までより、加圧歯82による圧着範囲に加水することなく綴じる動作を示す。
図14は、綴じユニット60のフロント側からの状態説明図で、
図15はリア側からの状態説明図、そして
図16は、断面説明図である。これら、いずれの図であっても加圧歯支持部84(加圧歯82)が、(a)はシートから離間、(b)はシートに圧接時、(c)は加水せずにシートを圧着している状態を示している。
【0078】
まず、
図14(a)、
図15(a)、
図16(a)は、シート受入れ初期時を示し、処理トレイ58上に戴置され、シートは綴じユニット60の加圧歯82と受け歯130の間であって、受け歯支持部128上に戴置される。作図上、
図14および
図15はシートを省略し、
図16にシートが積層された状態を示している。受け歯130を備える受け歯支持部128にシートが、指定枚数積載されると綴じモータ60Mの駆動を開始する。
【0079】
この場合は、加水なし綴じなので、フロント側では移動カム145が時計方向に、リア側では反時計方向に回動する方向に綴じモータ60Mを駆動する(
図15では反時計方向駆動モータ)。これにより移動カム145の突出する側が回動アーム134の先端を押し下げる方向に移動する。 一方、中間ギア138に係合するピニオンギア142(ピニオンギア142b)は、ワンウェイクラッチ147の作用により、支えラック144を移動せずその位置に留まっている。
【0080】
次に、
図14(b)、
図15(b)、
図16(b)の状態では、押え板102が下降し、加圧歯82を有する加圧歯支持部84をシートに密着させる。その状態で押え板102を加圧すると加圧歯支持部84との間に介在する圧縮スプリング96により加圧歯支持部84をシートに押圧する。加圧歯支持部84には加圧歯82側に、これを囲う弾性部材(ゴム板)92が設けられおり加圧歯82とシート面との間に隙間が生じないように圧接させる。ここで開示の装置は70kgfから100kgfの力がシートに作用するように設定されている。
【0081】
次に、
図14(c)、
図15(c)、
図16(c)の状態では、加圧歯支持部84がシートに密着した状態で、さらに移動カム145により回動アーム134を移動して押え板10を下降する。そうすると、加圧ピストン104がシリンダー90内部に挿入され直接加圧歯支持部84を押圧して、加圧歯82でシートを圧着する。この際の圧着は500kgfから700kgf、ここに開示の装置では、600kgfになるように綴じモータ60Mのへの電圧をコントロールして、加圧力を発生させている。この綴じモータ60Mの出力トルクの調整は日本特許出願2015−199234号などに開示され公知なのでここでの説明を省略する。
【0082】
ところで、補水ポンプユニット150は、補水ヘッド部156と補水タンク底部175とを支えラック144で挟んで、補水ヘッド部156を押下することによって補水ピストン部154からの水を水溜り部88に補充するようになっている。しかし、
図16(c)に示されているように、補水タンク底部175には支えラック144が位置していないので、補水ポンプユニット150自体も下降して、補水ピストン部154を動作させない。
【0083】
これによりこの補水ピストン部154から水は吐出されず、水溜り部88には水が補水されず空のままで、シートに加圧歯82が圧接されシート束を加水なしで圧着綴じを行う。これは、既に説明しているように、ピニオンギア142(ピニオンギア142b)は、ワンウェイクラッチ147の作用により、支えラック144は依然として移動せずその位置に留まっていることにより行っている。なお、ここで開示の装置は、処理トレイ58に5枚までを所定枚数として、加水なし圧着綴じを行っている。この設定枚数の理由についは後述する。
【0084】
[加水あり(加水加圧)綴じ]
ここから
図17から
図19までにより、加圧歯82による圧着前に圧着範囲に加水してから綴じる加水圧着綴じを行う動作を説明する。
図17は、綴じユニット60のフロント側からの状態説明図で、
図18はリア側からの状態説明図、そして
図19は、加水圧着綴じの断面説明図である。これら、いずれの図であっても加圧歯支持部84(加圧歯82)が、(a)はシートから離間、(b)はシートに圧接時、(c)はシートに加水して圧着の状態を示している。
【0085】
図17(a)、
図18(a)、
図19(a)は、シート受入れ初期時を示し、処理トレイ58上に戴置され、シートは綴じユニット60の加圧歯82と受け歯130の間であって、受け歯支持部128上に戴置される。作図上、
図17および
図18はシートを省略し、
図19にシートが積層された状態を示している。受け歯130を備える受け歯支持部128にシートが、指定枚数積載されると綴じモータ60Mの駆動を開始する。この場合綴じモータ60Mの回転方向は加水を行うため、
図14、
図15、
図16に示した加水せずに圧着する方向と逆方向に回転する。また、戴置するシートの枚数は5枚よりも多く、ここでの開示では8枚を示している。
【0086】
すなわち、今回は加水あり綴じなので、フロント側では移動カム145が反時計方向に、リア側では時計方向に回動する方向に綴じモータ60Mを駆動する(
図18では時計方向駆動モータ)。この移動カム145は回転位置を中心として対称の形状となっているので、ここでも移動カム145の突出する側が回動アーム134の先端を押し下げる方向に移動する。 一方、中間ギア138に係合するピニオンギア142(ピニオンギア142b)は、ワンウェイクラッチ147の作用により、支えラック144で補水タンク底部175を支える方向に移動を開始する。
【0087】
ここで、上記の支えラック144は、綴じモータ60Mの一方向回転(
図18では時計方向回転)でピニオンギア142(ピニオンギア142b)と軸との間に介在するワンウェイクラッチ147が歯合して補水タンク底部175を支える位置に移動する。この移動により補水タンク底部175は固定され補水ヘッド部156を押え板102で押圧すると補水ピストン部154が作動して、補水タンク174内の水が補水ジョイント部158を介して水溜り部88に補水供給できる。なお、
図19に示してあるように、支えラック144と外フレーム120との間には、軸が逆転すると係合がはずれ元の位置に復帰させるラック戻しスプリング139が介在している。
【0088】
引き続き、
図17(b)、
図18(b)、
図19(b)では押え板102が下降し、加圧歯82を有する加圧歯支持部84をシートに密着させる。その状態で押え板102を加圧すると加圧歯支持部84との間に介在する圧縮スプリング96により加圧歯支持部84をシートに押圧する。加圧歯支持部84には加圧歯82側に、これを囲う弾性部材(ゴム板)92が設けられおり加圧歯82とシート面との間に隙間が生じないように圧接させる。ここで開示の装置は70kgfから100kgfの力がシートに作用するように設定されている。なお、この段階では、補水ピストン部154の動作により水溜り部88に水は保持されているが、加圧ピストン104がシリンダー90との間で加圧する位置に到来してないので、加圧による加水は行われていない。
【0089】
次に、
図14(c)、
図15(c)、
図16(c)の状態では、加圧歯支持部84がシートに密着した状態で、さらに移動カム145により回動アーム134を移動して押え板102を下降する。そうすると、加圧ピストン104がシリンダー90内部に挿入され水溜り部88の水を加圧歯82給水孔(給水管)86からシートに加水する。加水完了後も押え板102は移動カム145によりシートを圧着する方向に移動し、これにより加圧ピストン104が加圧歯82を受け歯130側に押圧してシートを圧着する。この際の圧着は、加水なしの圧着力よりも弱く300kgfから400kgfで圧着可能で、ここに開示の装置では、350kgfになるように綴じモータ60Mのへの電圧をコントロールして、加圧力を発生させている。
【0090】
既に説明しているように、補水ポンプユニット150は、補水ヘッド部156と補水タンク底部175とを支えラック144で挟んで、補水ヘッド部156を押下することによって補水ピストン部154からの水を水溜り部88に補充するようになっている。すなわち、
図19(b)から19(c)によく示されているように、補水タンク底部175には支えラック144が位置し、補水ポンプユニット150は固定される。これによりこの補水ピストン部154から水は吐出され、水溜り部88には水が補水される。なお、ここで開示の装置は、処理トレイ58に8枚のシートを、加水あり圧着綴じを行っている。
【0091】
[加水加圧部の加圧歯および受け歯]
ここからは、
図20で加水加圧部80の加圧歯82、受け歯130を説明し、
図21でこれらの歯合状態と給水孔(給水管)86の位置について説明する。まず、
図20(a)は加圧歯の平面説明図で、これまでも説明しているように加圧歯82のシートと歯合する裏面側にシートに加水する水を保持するシリンダー90が設けられている。このシリンダー90は一部が切りかかれた円柱形状で構成され、加圧ピストン104が水を加圧して加水する範囲(水溜り部88範囲)とこれよりも径が大きく加圧ピストン104の挿入ガイドと補水ポンプユニット150からの水を受け入れる補水口118から構成されている。
【0092】
図20(b)は、
図20(a)の二点鎖線の加圧歯82と受け歯部126の断面説明図である。この図から明らかなように、加圧歯支持部84は加圧歯82と裏面側のシリンダー90と案内バー94が一体に形成されている。これにより強度と組み立てやすさを確保している。この加圧歯支持部84に対向する位置に、加圧歯82と歯合する受け歯130(受け歯部126)とその下には加水した残りの水(残水)を一時保持する排水皿133が設けられている。
【0093】
そして、加圧歯82の傾斜部に水溜り部88の水をシートに加水可能とするための給水孔(給水管)86が複数個所に開けられている。また、受け歯130にも傾斜部部に加圧歯支持部84でのシート押圧時の空気と加水時の残水を通す外部への連通孔132が設けてある。なお、給水孔(給水管)86よりも連通孔132の通過する容量を大きく形成されていて、空気や残水抜きを効率的行うように形成している。
【0094】
図20(c)は、加圧歯支持部84を加圧歯82側の底面から見た図であり、加圧歯支持部84に加圧歯82を囲うゴム材からなる弾性部材92が貼り付けられている。これにより、加圧歯支持部84を圧縮スプリング96でシートに押圧する過程で、加圧歯82周辺の隙間をなくして、圧着加圧領域外に加水した水が広がることを低減している。
【0095】
[給水孔(給水管)と連通孔の配置]
次に、
図21は、
図20で触れた加圧歯82に形成した給水孔(給水管)86と受け歯130に形成した外部(排水皿133)への連通孔132について述べる。この図は加圧歯82と受け歯130を説明するために拡大したもので、加圧歯82は受け歯130と歯合してシート束に凹凸を形成し繊維を絡ませるように、受け歯130に突出する山部82aと凹んでいる谷部82bとこれらを形成する傾斜部82c綴じからなる。また、受け歯130も同様に受け山部130aと受け谷部130bと受け傾斜部130cとなる。
【0096】
そして、シリンダー90内の水溜り部88からの水を加圧ピストン104の押圧により加圧歯82に形成された給水孔(給水管)86から吐出させる。その際、図示のように傾斜部82cの複数個所から水が吐出するように配置する。この配置により、
図21の二点鎖線内に示すようにシートに凹凸を形成するように加圧歯82と受け歯130が歯合すると、もっとも傾斜部82c受け傾斜部130cがシートの繊維(紙の場合はセルロース繊維)が解けることを確認した(図示の相反矢印)。
【0097】
このもっとも繊維がほぐれる傾斜の位置に水を加水すると水が浸透し易く、その後の更なる加圧で繊維の絡まりと、所謂水素結合がなされ易かった。これにより、ここでの開示では、加圧歯82の傾斜部82cに加水する給水孔(給水管)86を配置している。また、受け歯130の受け傾斜部130cにも、空気や残水を抜きやすいように給水孔(給水管)86より容量を大きくした連通孔132を設けていることは、既に説明した通りである。
【0098】
[加圧歯支持部と受け歯支持部]
次に
図22と
図23により加圧歯支持部84と受け歯支持部128の位置と、これらの間で挟持押圧されるシートの位置との関係に工夫をしているので、この点について説明する。
図22は、既に
図3で説明した処理トレイ58のフロント側でシートの角部に圧着綴じを行う場合のシート位置を示している。ここで開示の装置では、シートの角部を圧着する際には、シートを加圧歯82とともに圧着する加圧歯支持部84と加圧歯82に歯合する受け歯130を支持する受け歯支持部128がシートの角部よりL3分外側になるようにシートを規制する。これとともに加圧歯82から加水される水が浸透する位置よりもL2分シートの重心側に入った加水がされていない(加水による水分が浸透していない)位置から押圧する。
【0099】
上記の内容は
図22にある線Scで断面とした図が、
図23(a)に示されている。これによれば加圧歯82と受け歯130による範囲でかつ加水領域L1を略中央として、シートの角部よりL3分外側で、加水領域よりもL2分シート重心側でシートを加圧歯支持部84と受け傾斜部130cで押圧している。
【0100】
一方、
図23(b)は、加水した範囲L2がシートの押圧範囲をシート重心側にL2分入り込んでいる。このため、加水よりシートの繊維が解れた状態のままになってしまい、加圧歯82からシート重心側の位置で千切れやすくなるとの課題が生じた。また、押圧しない状態で放置されるとシート表面に加水した範囲にしわが寄ってしまい見栄えも良くない。したがって、加水範囲を超えて
図23(a)に示すように押圧することで千切れにくくなる。
【0101】
また、
図23(c)では、加水領域L1がシートを押圧する領域L4よりも大きく、さらに角部が押圧位置から外側にL5分はみ出している。この場合には、押圧されない部分にも加水されているので、特に角部にあってはその位置が上下にバラバラになり易くなる。このため端部を加圧歯支持部84と受け歯支持部128の範囲内で押圧する
図23(a)の形態であると加水位置も押圧されてバラバラにならず、見栄えが良くなる。
【0102】
なお、以上の説明では、
図3で説明した処理トレイ58のフロント側を示したが、リア側でも同様にシートの角部を超え、かつ加水位置よりもシート重心位置側で押圧すれば、同じ効果が奏することは言うまでもない。
【0103】
ここで、
図14から
図19までで説明した加水せずに圧着する場合と、加水して圧着する加水圧着綴じを行う際の切り分けの基準となる所定枚数および圧着と加水する枚数について
図24で説明する。
【0104】
図24(a)は加圧歯とシートによる所定枚数関係を説明する図で、一対の加圧歯として上方が加圧歯82であり、下方が受け歯130を模式的に示している。この図に示すようにシートに凹凸への形成は、この相互の歯合する歯の高低差lhで、言い換えると山部82a部の頂部と谷部82bの底部の距離で構成されている。通常この高さは0.4mmから0.6mm程度に形成され、ここで開示の加圧歯82受け歯130の歯合は0.5mmに設定している。
【0105】
一方、通常のコピー紙として使用されるシートは68g/平方メートル紙であり、厚さlpは、0.1mmほどである。したがって、このシートに凹凸を形成するには5枚が適当で、これを超えるとシート同士の圧着力が弱くなる。したがって、ここで開示の加水圧着綴じユニット60で加水せずに圧着する所定枚数を5枚とし、これを超える枚数を閉じるときは一旦シートの紙繊維を解してから圧着する加水圧着綴じを採用している。しだかって、上記の歯合する歯の高低差が0.6mmあるならば、所定枚数は6枚となり、高低差が0.4mmならば所定枚数は4枚になる。
【0106】
ここから
図24(b)から
図24(d)により、上記の所定枚数(ここでは5枚)を超えて追加のシートが処理トレイ58に戴置された(ここでは追加シート3枚で合計8枚)場合の加水圧着綴じの加水と圧着のパターンについて、説明する。図中波線は加圧歯82により押圧している状態で、部分追記の直線は加水しているシートを示している。
【0107】
[追加枚数ごとに加水と圧着]
先ず、
図24(b)は、5枚を超える追加枚数3枚について、加圧歯82裏面の水溜り部88に水を補水し、加圧歯82により加圧する。なお、所定枚数の5枚になったときは、一度加圧歯82で加圧しても良いが、ここで開示の装置はこれを行わず、追加シート毎に加水と加圧を繰り返している。このようにすることにより、所定枚数を超えるシートの圧着綴じが可能となる。なお、加水するか、加水しないかは綴じモータ60Mの回転方向で切り替えることは既に説明した通りである。
【0108】
[追加枚数ごとに加水し、最後(一定追加枚数)で加圧]
次に、
図24(c)では、5枚を超える追加枚数3枚について、追加シート毎に水溜り部88からに加水だけを行い、最終のシートについて加水と加圧歯82による加圧綴じを行う。なお、所定枚数の5枚になったときは、上記同様に加圧せず、追加シート毎に加水を繰り返している。このようにすることにより、所定枚数を超えるシートの圧着綴じが可能となる。なお、加水だけは綴じモータ60Mの回転方向と回転範囲で設定する。また、加水だけを追加の枚数ごとに行い一定の追加枚数で加圧を行うことも可能である。
【0109】
[追加枚数の最後(一定追加枚数)で加水と加圧]
最後に、
図24(d)は、5枚を超える追加枚数3枚が戴置された8枚となった最終シートの段階で水溜り部88の水を加水しこれとともに加圧歯82による加圧も実行する。ここで開示の装置は、水溜り部88の水を加圧ピストン104のかなりの圧力で加圧するので、束となったシートにも水が浸透しやすい。
【0110】
このようにすることにより、所定枚数を超えるシートの圧着綴じが可能となる。なお、所定枚数の5枚になったときは、一度加圧歯82で加圧しても良いが、ここで開示の装置はこれを行わず、追加の最終シートで加水と加圧を行う。なお、最終の枚数までに多くのシートがある場合には、一定追加枚数で加水と加圧を行うようにしても良い。
【0111】
[補水ポンプユニットの取り出し]
図25には、綴じユニット60から補水ポンプユニット150を取り外す状態を示してある。この図のように、綴じユニット60の外フレーム120に設けたフレーム回動軸196を支点として、下方に底面フレーム194を回動することにより、ポンプ保持カバー192から補水ポンプユニット150を取り出すように構成している。この取出しにより補水タンク174からタンクキャップ172を取り外して水を補充する。なお、この図では底面フレーム194を下方に回動するように構成したが、ポンプ保持カバー192を開放可能にスライドさせて図示矢印方向に補水ポンプユニット150を取り外しても良い。
【0112】
[制御構成の説明]
ここから
図26のブロック図により、ここで開示の画像形成装置Aの制御構成を説明する。
図1に示す画像形成装置Aは画像形成本体装置A1の画像形成制御部200とシート処理装置Bのシート処理制御部205(制御CPU)を備えている。画像形成制御部200は、給紙制御部202と入力部203を備えている。 そして、この入力部203に設けられたコントロールパネル26から(1)プリントアウトモードと、(2)ジョグ仕分モードと、(3)綴じ処理モードと、(4)製本(中綴じ)処理モードと、さらには(5)マニュアル綴じモードの各設定を行う。これらの各モードについては後述する。
【0113】
シート処理制御部205は、前述の指定されたシート処理モードに応じてシート処理装置Bを動作させる制御CPUである。このシート処理制御部205は、動作プログラムを記憶したROM207と、制御データを記憶するRAM206とを備えている。また、このシート処理制御部205には、各種センサ入力部220から検出情報を取得している。
【0114】
[各種センサ入力部]
この各種センサ入力部220には、画像形成本体装置A1から画像形成したシートの搬入を検出する入り口センサ38を有し、シートの先後端を検出して主な各種モータ駆動を管理している。入り口センサ38の下流側にはシートのジャムなどを検出するシートセンサ39が位置している。また、処理トレイ58にはシートが載置されているか否かを検出する処理トレイエンプティセンサ58Sが設けられている。そして、排紙ローラ52によって排出されたシートを徐々に下降しながら集積する積載トレイ34の紙面を検出する積載トレイ位置センサ34Sが設けられている。これ以外にもパンチユニット40、綴じユニット60の位置検出、中綴じユニット66動作検出などおけるセンサもあるがここでの説明を省略する。
【0115】
[各種モータなどの出力部]
上記のシート処理制御部205には、シートを搬送する搬送制御部210が設けられている。この搬送制御部210は、シートを搬入するための搬入ローラモータ41Mと、処理トレイ58にシートを搬送するための搬送ローラモータ48Mを制御する。
【0116】
また、搬入ローラ41で搬入されたシートの後端に穿孔処理するためにパンチ制御部211が設けられている。このパンチ制御部211はシートの幅方向の指定位置に穿孔するパンチモータを制御する。さらに、次の処理トレイ制御部212トレイは、処理トレイ58に搬出したシートをシート幅方向の両側から挟んで整合する整合板59を移動する整合板モータ59Mを有している。
【0117】
次段の綴じ制御部213は、これまで説明してきた綴じモータ60Mと、この綴じユニット60をシート幅方向の指定位置に移動する綴じユニット移動モータ60SMを制御して、二箇所綴じや角のコーナ綴じをするようにする。綴じられたシート束は、特に図示していないが束移動ベルトと排紙ローラ52によって、積載トレイ34に排紙される。
【0118】
この際、排紙口54に対してシートの上面の位置が常に一定となるように、積載トレイ位置センサ34Sの検出により集積トレイモータ34Mをトレイ昇降制御部214で制御する。なお、製本(中綴じ)処理のための、スタッカ制御部215や折り・排出制御部217を有しているが、直接ここでの開示に関係しないので説明を省略する。
【0119】
[シート処理モードの説明]
シート処理装置Bは、画像形成本体装置A1の排紙口16から搬出されたシートを入り口36から受け入れて処理する装置である。このシート処理装置Bは、(1)画像形成されたシートを積載収容するプリントアウトモードと、(2)画像形成されたシートを部分け収納するジョグ仕分モードと、(3)画像形成されたシートを部揃え集積して綴じ処理する綴じ処理モードと、(4)画像形成されたシートを部揃えして綴じ処理した後に折り処理して製本仕上げする製本(中綴じ)処理モードと、さらには(5)束手差しスリット35に挿入されたシート束をその都度綴じるマニュアル綴じモードを有している。
【0120】
なお、上記の綴じ処理モードと、マニュアル綴じモードにおいては、綴じ位置に加水して綴じる加水綴じモードと加水せずに綴じる加水なし綴じモードも有しているが、ここで開示の装置においては、画像形成装置本体からの綴じシート枚数情報を取得して加水圧着綴じや加水なし綴じモードを設定するようになっている。
【0121】
なお、この綴じシートが所定枚数以下か、あるいは所定枚数を超えるかの判別を行う判別部は、加水圧着綴じ制御部213またはシート処理制御部(制御CPU)205、あるいは画像形成制御部から判別情報を取得しても良い。更には、加圧歯82と受け歯130とに挟まれ加圧するシートの束を公知の方法で測定して枚数に置き換えてこれらのモードを切り替えても良いことは言うまでもない。
【0122】
ここからは、これまでの実施の形態と異なる形態の変形例を説明する。
図27により変形例1を、
図28により変形例2、
図29により変形例3を夫々説明する。なお、これらの各変形例においても、これまでと類似の構成要素には、同様の参照符号を付して表すこととする。
【0123】
[変形例1 針綴じユニット60SPとの併用]
図27は、
図3の変形例を示すもので、加水圧着綴じユニット60と、公知の機構からなる針綴じユニット60SPを併用したもので、フロント側のシート角と手差しされるシート束のマニュアル綴じを加水圧着綴じユニット60で行うものである。この場合の手差しは処理トレイ58に差し込むもので、整合板59を手差し挿入位置に位置して案内ガイドするとともにシート束先端は基準ストッパ62を図示破線の位置に移動して、加水圧着綴じを実行する。このようにすることにより数枚のマニュアル綴じの場合など環境に配慮した装置となる。
【0124】
[変形例2 給水孔(給水管)位置変更]
図28には、特に
図20と
図21では加圧歯82の傾斜部82cに配置した加水可能とする複数の給水孔(給水管)86の位置を変更したものである。
図28(a)には加圧歯82の複数の山部82aごとに給水孔(給水管)86を配置している。このようにしても綴じ位置に効果的に加水できる。さらに受け歯130も受け谷部130bに外部への連通孔132を配置し、空気抜きと残水の排水を行っている。
【0125】
また、
図28(b)は、加圧歯82の複数の山部82aに給水孔(給水管)86設けていることは上記と同様であるが、受け歯130の連通孔132を大きく切り欠いて略四角形状としている。これにより空気抜きと残水の排水が効果的に行える。
【0126】
さらに、
図28(c)は、加圧歯82の複数の山部82aに給水孔(給水管)86設けていることは上記と同様であるが、受け歯130の受け山部130aに連通孔132を設けている。これにより歯合の精度が上がり圧着力が強くなるとともに空気抜きと残水の排水も行える。
【0127】
[変形例3 拡張タンク設置]
図29は、
図10の補水タンク部152の補水タンク174の容量を拡大する拡張タンク184を付加した説明図で、
図29(a)は拡張タンク184に略水が満たされた状態を示し、
図29(b)は水容量が減少した状態の説明図である。
【0128】
ここに示すように補水タンク174の連結パイプ180と拡張タンク184の拡張パイプ186を連結部190で結合している。これにより補水タンク174の水容量が少なくなると連結パイプ180および拡張パイプ186を通して水が供給できる。
【0129】
上述の連結パイプ180には水を止めたり開放したりするタンク手動弁182が設けられ、また、拡張パイプ186にも同様の拡張タンク手動弁188が設けられている。これにより、必要により拡張タンク184を補水タンク174から取り出して水を補充することも可能となる。
【0130】
また、補水タンク174の底部に取り付けられた連結パイプ180の入り口部は補水ポンプユニット150の昇降移動作が可能なように蛇腹部183が設けられ、綴じユニット60内での補水ピストン部154の動作を可能としている。なお、拡張タンク184においても、容量の減少によって移動する移動プレート176が設けられ、上蓋179にもこれまでに説明した空気孔178が設けられている。以上のようにこの変形例3によれば、補水ポンプユニット150自体を大きくしなくても多くの回数の加水が行うことができる。また、拡張タンク184を取り外して水をこれに補充するなど操作が容易になる。
【0131】
この発明はここで開示した実施の形態に限定されず、この発明を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項のすべてがこの発明の対象となる。これまでの実施の形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、この明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。