(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用されていることはいうまでもない。
【0017】
図1は、本発明の第1実施形態に係る漏洩検知装置を含むガス供給システムの正面図である。
図1に示すように、第1実施形態に係るガス供給システム1は、一次調整器(圧力調整器)10と、二次調整器(圧力調整器)20と、接続配管30と、漏洩検知装置40とから構成されている。
【0018】
一次調整器10は、いわゆる切替機能付きの元調整器であって、切替レバー11を正面に備えている。切替レバー11は、左右に接続されるLPガスボンベ(図示せず)のうち、どちらから燃料ガスを導入するかを選択するための操作部である。
図1に示す例において切替レバー11は、右側に接続されるLPガスボンベからの燃料ガスを導入するように選択されている。また、一次調整器10は、内部にダイヤフラム等を備えており、ダイヤフラムの動作に応じて内部の弁体を開閉動作させることによって一次減圧を行う構成となっている。一次減圧された燃料ガスは、二次調整器20に供給される。
【0019】
二次調整器20は、一次減圧された燃料ガスを更に減圧する二次減圧を行うものである。二次調整器20についても一次調整器10と同様に、内部にダイヤフラム等を備えており、ダイヤフラムの動作に応じて内部の弁体を開閉動作させることによって二次減圧を行う。二次減圧された燃料ガスは、下流側に供給される。
【0020】
接続配管30は、二次調整器20と漏洩検知装置40との間に介在する配管である。二次調整器20と漏洩検知装置40とは、それぞれの接続部21,41を介して接続配管30に接続されている。
【0021】
漏洩検知装置40は、漏洩検知ユニット42と、演算表示部43とから構成されている。
図2は、
図1に示した漏洩検知ユニット42の詳細を示す断面図である。
図2に示すように、漏洩検知ユニット42は、メイン流路45と、弁機構46と、バイパス流路47と、多層ユニット48と、漏洩検知センサ49とを備えて構成されている。
【0022】
メイン流路45は、一次及び二次調整器10,20により減圧された燃料ガスを下流の需要者側に導く流路である。弁機構46は、メイン流路45上に設けられて燃料ガスの流量が設定流量未満であるときに弁閉状態となり、設定流量以上となるときに弁開状態となるものである。
【0023】
また、メイン流路45には弁機構46の上流側の第1小孔45aと下流側の第2小孔45bとが形成されており、これら小孔45a,45bを接続するようにバイパス流路47が設けられている。バイパス流路47は、メイン流路45に沿って延在する流路である。第1実施形態においてメイン流路45は直線状となっていることから、バイパス流路47についても直線状に延びた形状となっている。特に、メイン流路45を形成する壁部45cの一部は、バイパス流路47を形成する壁部と兼用されるようになっており、バイパス流路47がメイン流路45と壁部45cを隔てて一体化された構成となっている。
【0024】
このようなバイパス流路47には、多層ユニット48と、漏洩検知センサ49が設けられる。多層ユニット48は、内部に複数の分流坂を有した四角筒状の部材である。漏洩検知センサ49は、例えば超音波式流量検知ユニットによって構成され、多層ユニット48内に超音波信号を送信して受信するための2つの超音波送受信器と、2つの超音波送受信器にて送受信された超音波信号の伝搬時間から流量を計測するための計測基板とを備えている。
【0025】
ここで、漏洩検知ユニット42よりも下流側において小さな配管亀裂等が発生した場合、微少な漏洩が発生する。微少漏洩時の流量は弁機構46の設定流量よりも小さいことから、燃料ガスはバイパス流路47を通じて流れることとなる。漏洩検知センサ49は、このような微少流量を検知することとなる。
【0026】
なお、
図2からも明らかなように、バイパス流路47は、特許文献1,2において設けられていた子調整器に相当するものが設けられないようになっている。このため、バイパス流路47は、上流部47aの燃料ガスを略同圧状態のまま下流部47bまで流す構造となっている。ここで、略同圧状態とは、多層ユニット48を通過する際の圧力損失については許容する概念であり、従来の子調整器のような積極的な減圧がないことを示す概念である。
【0027】
図1に示す演算表示部43は、漏洩検知ユニット42の外壁部分(バイパス流路47に相当する部位の外壁部分)に取り付けられ、漏洩検知センサ49からの流量信号を受信すると共に受信した流量信号に基づいて微少漏洩が発生しているかを判断するものである。また、演算表示部43は、微少漏洩が発生していると判断した場合に、その旨を表示する機能についても備えている。なお、図示を省略するがバイパス流路47内に圧力センサを備える場合、演算表示部43は調整圧力の異常を判断する機能など、その他の機能を備えていてもよい。
【0028】
図3は、
図2に示した弁機構46の詳細を示す拡大図であり、(a)は弁閉状態を示し、(b)は弁開状態を示している。
図3(a)及び
図3(b)に示すように、弁機構46は、弁体46aと、コイルスプリング(ばね部材)46bと、連結竿46cと、受圧板46dとを備えている。
【0029】
弁体46aは、メイン流路45の延在方向に移動可能な部材であって、メイン流路45に設けられた弁座45dに対して押し付けられることにより弁閉状態となり、弁座45dから離間することにより弁開状態となるものである。コイルスプリング46bは、弁体46aの下流側に設けられ、弁体46aを弁座45dに押し付けるための付勢力(上流側への力)を発生させるものである。
【0030】
連結竿46cは、コイルスプリング46bに挿通される棒状部材であって、一端が弁体46aに接続され、他端が受圧板46dに接続されている。受圧板46dは、弁体46aの下流側において連結竿46cを介して弁体46aに連結された板部材である。この受圧板46dは、
図3(b)に示すように、弁体46aの弁開状態において流れてくる燃料ガスの一部を受け止めるようになっている。
【0031】
次に、第1実施形態に係る漏洩検知装置40を含むガス供給システム1の動作を説明する。まず、LPガスボンベからの高圧の燃料ガスは、一次調整器10に導入され、一次調整器10において一次減圧される。そして、一次減圧された燃料ガスは、二次調整器20に流入し、二次調整器20において二次減圧される。次いで、二次減圧された燃料ガスは、接続配管30を介して漏洩検知装置40に流入する。
【0032】
ここで、需要者側において比較的大きな流量の燃料ガスが使用される場合、燃料ガスの流量は設定流量以上となる。これにより、弁機構46の弁体46aは弁座45dから離間して弁開状態となる。よって、燃料ガスは、メイン流路45とバイパス流路47との双方を流れることとなる。
【0033】
また、メイン流路45を流れる燃料ガスの一部は、受圧板46dにより受け止められるため、弁体46aが弁開状態となって弁体46aの上流側と下流側との差圧が小さくなったときに、すぐに弁体46aが弁閉状態に移行してしまうことを防止するようにしている。
【0034】
一方、微少漏洩時などの小流量の燃料ガスは、流量が設定流量未満であることから、弁体46aが弁閉状態を維持し、バイパス流路47のみを流れる。ここで、配管亀裂等に伴う微少漏洩は、亀裂等が存在し続ける限り継続する。このため、バイパス流路47に設けられる漏洩検知センサ49は、所定日数に亘り連続して微少流量を検知し続けることとなる。
【0035】
よって、演算表示部43は、所定日数(例えば30日であって、1〜30日まで設定可能)連続して微少な流量を検知した場合に微少漏洩であると判断し、警告表示することとなる。
【0036】
このようにして、第1実施形態に係る漏洩検知装置40によれば、設定流量未満で弁閉状態となり設定流量以上で弁開状態となる弁機構46と、バイパス流路47と、バイパス流路47に設けられた漏洩検知センサ49とを備えるため、二次調整器20によって減圧された燃料ガスの流量が設定流量未満であるときには、燃料ガスがバイパス流路47のみを流れることとなる。よって、微少な漏洩に対してもバイパス流路47のみを介して燃料ガスが流れて漏洩検知センサ49により微少漏洩が把握される。しかも、バイパス流路47はメイン流路45に沿って設けられると共に上流部47aの燃料ガスを略同圧状態のまま下流部47bまで流すものであることから、子調整器が設置されることなくメイン流路45に沿ったコンパクトな構造とすることができる。従って、漏洩検知を行いつつもコンパクト化を図ることが可能な漏洩検知装置40を提供することができる。
【0037】
また、弁座45dに対して押し付けられて弁閉状態となる弁体46aと、弁体46aを弁座45dに対して押し付けるための力を発生させるコイルスプリング46bとを備えるため、設定流量未満においてはコイルスプリング46bの付勢力によって弁体46aを弁閉状態とし設定流量以上においてはコイルスプリング46bの付勢力に抗して弁体46aを弁開状態とすることができる。さらに、弁体46aの弁開状態において流れてくる燃料ガスの一部を受け止める受圧板46dを有するため、弁体46aが弁開状態となり弁体46aの上流側と下流側との差圧が小さくなったときに、すぐに弁体46aが弁閉状態に移行してしまうことを防止することができる。
【0038】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る漏洩検知装置は第1実施形態のものと同様であるが、弁機構の構成が第1実施形態のものと異なっている。以下、第1実施形態との相違点について説明する。
【0039】
図4は、第2実施形態に係る弁機構46を示す構成図である。
図4に示すように、第2実施形態に係る弁機構46は、弁体46aと、連結竿46cと、ダイヤフラム46eと、コイルスプリング(ばね部材)46fと、軸部材46gと、作動竿46hと、ピン46iとを備えている。
【0040】
弁体46aは、第1実施形態のものと同様であって、メイン流路45に形成された弁座45dに対して押し付けられることにより弁閉状態となり弁座45dから離間することにより弁開状態となるものである。連結竿46cは、弁体46aの下流側に設けられる部材であって、一端が弁体46aに接続され、他端が作動竿46hに接続されている。
【0041】
さらに、第2実施形態においてメイン流路45は、側方に中空となる膨出部45eを備えると共に、膨出部45e内に燃料ガスを流すための小孔45fが形成されている。小孔45fは、弁体46aの上流側に形成されており、膨出部45eは、その小孔45fからメイン流路45の長手方向に沿って下流側に延びて形成されている。上記ダイヤフラム46eは、膨出部45e側とメイン流路45のうち弁体46aの下流側とを隔てて設けられる薄膜である。このような構成であるため、ダイヤフラム46eの一面は、小孔45fを介して弁体46aの上流側の燃料ガスからの圧力を受ける。一方、ダイヤフラム46eの他面は、弁体46aの下流側の燃料ガスからの圧力を受ける。よって、ダイヤフラム46eは、弁体46aの上流側の燃料ガスからの圧力と、弁体46aの下流側の燃料ガスからの圧力との差に応じて、側方に変位可能となる。
【0042】
コイルスプリング46fは、ダイヤフラム46eを一面側に付勢するばね部材である。軸部材46gは、ダイヤフラム46eを貫通して設けられる部材であって、ダイヤフラム46eの側方変位と共に変位するものである。また、軸部材46gの先端側(他面側)には、作動竿46hが接続されている。作動竿46hは、略L字形状の部材であって、L字の1辺に軸部材46gが接続され、L字のもう1辺に連結竿46cが接続されている。また、作動竿46hは、L字の折れ曲がり部分にはピン46iが設けられ、ピン46iを中心に回動可能となっている。
【0043】
次に、第2実施形態に係る漏洩検知装置40の動作を、
図4を参照して説明する。まず、需要者側において比較的大きな流量の燃料ガスが使用される場合、燃料ガスの流量は設定流量以上となる。これにより、弁体46aの下流側の圧力は大きく低下し、コイルスプリング46fの付勢力に抗してダイヤフラム46eは他面側に移動する。これにより、軸部材46gについても他面側に移動し(矢印A1参照)、作動竿46hはピン46iを中心に回動する(矢印A2参照)。さらに、作動竿46hのうち連結竿46cに接続される部位も同様に回動して(矢印A3参照)、連結竿46cを下流側に変位させることとなる。この結果、弁体46aについても下流側に変位して(矢印A4参照)、弁座45dから離れて弁開状態となる。よって、燃料ガスは、メイン流路45とバイパス流路47との双方を流れることとなる。
【0044】
一方、微少漏洩時などの小流量の燃料ガスは、流量が設定流量未満であることから、ダイヤフラム46eはコイルスプリング46fの付勢力によって、所定位置(
図4に示す位置)を維持する。この場合、弁体46aは弁閉状態のままとなり、小流量の燃料ガスはバイパス流路47のみを流れる。ここで、配管亀裂等に伴う微少漏洩は亀裂等が存在し続ける限り継続することから、漏洩検知センサ49は、所定日数に亘り微少流量を検知し続けることとなる。
【0045】
よって、演算表示部43は、所定日数連続して微少な流量を検知した場合に微少漏洩であると判断し、警告表示することとなる。
【0046】
このようにして、第2実施形態に係る漏洩検知装置40によれば、第1実施形態と同様に、漏洩検知を行いつつもコンパクト化を図ることが可能な漏洩検知装置40を提供することができる。
【0047】
また、第2実施形態によれば、一面が上流側の燃料ガスからの圧力を受け、他面が下流側の燃料ガスからの圧力を受けるダイヤフラム46eと、ダイヤフラム46eを一面側に付勢するコイルスプリング46fと、ダイヤフラム46eが所定位置にあるときに弁閉状態となりダイヤフラム46eがコイルスプリング46fの付勢力に抗して所定位置から他面側に移動した場合に弁開状態となる弁体46aを備える。このため、設定流量未満においてはコイルスプリング46fの付勢力によって弁体46aを弁閉状態とし設定流量以上においてはコイルスプリング46fの付勢力に抗して弁体46aを弁開状態とすることができる。
【0048】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態に係る漏洩検知装置は第1実施形態のものと同様であるが、弁機構の構成等が第1実施形態のものと異なっている。以下、第1実施形態との相違点について説明する。
【0049】
図5は、第3実施形態に係る弁機構46及び二次調整器20を示す構成図である。第3実施形態に係る漏洩検知装置40は少なくとも二次調整器20と一体化された構造となっており、弁機構46の弁体46aは二次調整器20の動作に連動して弁開状態となったり弁閉状態となったりする。以下詳細に説明する。
【0050】
まず、第3実施形態において二次調整器20は、減圧室Dと、大気圧室Aと、ダイヤフラム22と、コイルスプリング23と、軸部材(リンク機構)24と、作動竿(リンク機構)25と、回転ピン26と、連結ピン27と、棒状部材28と、減圧弁29とを備えている。
【0051】
減圧室Dは、一次調整器10から導入された中圧の燃料ガスを一時的に保持する部位である。大気圧室Aは、外部と連通することにより内部が大気圧となる部位である。ダイヤフラム22は、周縁が筐体Bに固定された略円形の薄膜であって、減圧室Dと大気圧室Aとを気密に隔てるものである。また、ダイヤフラム22は、コイルスプリング23により減圧室D側(一面側)に付勢されている。
【0052】
軸部材24は、ダイヤフラム22の中心を軸方向に貫通して設けられる部材であって、減圧室D側の先端に作動竿25の一端側が取り付けられている。作動竿25は、一次調整器10側(上下方向)に延びており、一次調整器10側の端部付近に回転ピン26が設けられている。作動竿25は、この回転ピン26を中心に回動可能となっている。また、作動竿25は、回転ピン26に隣接して連結ピン27が設けられている。連結ピン27は、棒状部材28に接続されている。また、棒状部材28の先端には減圧弁29が接続されている。減圧弁29は、一次調整器10からの燃料ガスを導入したり遮断したりする弁である。
【0053】
このような二次調整器20は、
図5に示すように、ダイヤフラム22が所定位置にあるときに、減圧弁29を弁座に接触させて弁閉状態とし、燃料ガスの導入を遮断している。このような状態から燃料ガスが使用されると、減圧室Dの圧力が低下する。減圧室Dの圧力が低下すると、コイルスプリング23の付勢力によってダイヤフラム22が一面側に変位する。このとき、軸部材24の先端に取り付けられる作動竿25も一面側に変位する。作動竿25は、回転ピン26を中心とした回動によって、減圧弁29を上方に変位させる。これにより、減圧弁29は弁座から離れて弁開状態となり、燃料ガスを減圧室Dに導入させる。
【0054】
その後、減圧室Dに燃料ガスが導入されると、減圧室Dの圧力が上昇する。これにより、ダイヤフラム22は、コイルスプリング23の付勢力に抗して他面側に変位する。このとき、作動竿25も他面側に変位する。作動竿25は、回転ピン26を中心とした回動によって、減圧弁29を弁座に近づけて、燃料ガスの導入量を制限する。導入量が制限されると、減圧室Dの圧力が減少して、ダイヤフラム22は再度一面側に移動する。これにより、減圧弁29は弁座から離れて燃料ガスの導入量を増加させる。以後、二次調整器20は、上記の動作を繰り返しながら、燃料ガスを減圧する。
【0055】
第3実施形態において弁機構46は、レバー46jと、ピン46kと、シャフト46lを備えている。レバー46jは、一端がピン46kを介して筐体Bに対して回動可能に接続され、他端が棒状のシャフト46lに接続されている。また、レバー46jは、軸部材24を上下方向に貫通するように設けられている。このため、レバー46jは、ダイヤフラム22の動作に応じてピン46kを中心に回動する。
【0056】
図6は、
図5に示した弁機構46の拡大図である。
図6に示すように、二次調整器20とメイン流路45との接続部には弁座45dが形成されている。また、弁機構46は、上記構成の他、弁体46aと、コイルスプリング46bと、フランジ46mとを備えている。
【0057】
弁体46aは、弁座45dに対して押し付けられることにより弁閉状態となり、弁座45dから離間することにより弁開状態となるものである。コイルスプリング46bは、弁体46aを弁座45dに押し付けるための付勢力を発生させるものである。フランジ46mは、棒状のシャフト46lに一体に設けられ、棒の周方向に部分的に拡大した拡大部となっている。また、シャフト46lは、弁体46a及び弁座45dを貫通する構成となっており、貫通方向に摺動自在となっている。フランジ46mは、弁体46aと弁座45dとの間に位置している。このため、フランジ46mは、弁体46aと弁座45dとの間を移動可能となっている。すなわち、フランジ46mは、弁体46aと弁座45dとの間の遊び空間PSで移動自在となっている。
【0058】
なお、
図5及び
図6に示すように、減圧室Dには、バイパス流路47につながる小孔45a(弁機構46の上流側の小孔)が形成されている。
【0059】
このような弁機構46では以下のように動作する。まず、燃料ガスが使用されていない場合、減圧弁29は閉じられており、ダイヤフラム22は所定位置となる。このダイヤフラム22が所定位置の状態において、弁体46aは弁座45dに押し付けられて弁閉状態となる。
【0060】
このような状態から燃料ガスが使用されると、ダイヤフラム22が一面側に変位する。これにより、シャフト46lも一面側に変位する。ここで、燃料ガスの流量が設定流量以上である場合、ダイヤフラム22の一面側への変位量は所定量以上となる。この所定量以上の変位が発生した場合、シャフト46lと一体に設けられるフランジ46mも一面側に大きく変位して、フランジ46mが弁体46aに接触するようになる。すなわち、フランジ46mを通じてシャフト46lが弁体46aを一面側に移動させることとなり、弁開状態となる。よって、燃料ガスは、メイン流路45とバイパス流路47との双方を流れることとなる。
【0061】
一方、微少漏洩時などの小流量の燃料ガスは、流量が設定流量未満であることから、ダイヤフラム22の変位量が所定量未満となる。この場合、フランジ46mの移動量は遊び空間PS内に収まるものであり、フランジ46mが弁体46aを押すことがない。よって、弁体46aは弁閉状態のままとなり、小流量の燃料ガスはバイパス流路47のみを流れる。ここで、配管亀裂等に伴う微少漏洩は亀裂等が存在し続ける限り継続することから、漏洩検知センサ49は、所定日数に亘り微少流量を検知し続けることとなる。
【0062】
よって、演算表示部43は、所定日数連続して微少な流量を検知した場合に微少漏洩であると判断し、警告表示することとなる。
【0063】
このようにして、第3実施形態に係る漏洩検知装置40によれば、第1実施形態と同様に、漏洩検知を行いつつもコンパクト化を図ることが可能な漏洩検知装置40を提供することができる。
【0064】
また、第3実施形態によれば、二次調整器20のダイヤフラム22が所定位置にあるとき、及び、所定位置から一面側へ所定量未満で変位しているときに弁閉状態となり、ダイヤフラム22が所定位置から一面側へ所定量以上変位したときに弁開状態となる弁体46aを有する。このため、ダイヤフラム22の変位が一面側へ所定量未満である設定流量未満となる場合には弁体46aを弁閉状態とし、ダイヤフラム22の変位が一面側へ所定量以上である設定流量以上となる場合には弁体46aを弁開状態とすることとなる。従って、二次調整器20のダイヤフラム22を利用して弁機構46を適切に動作させることができる。
【0065】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、可能な範囲で適宜他の技術を組み合わせてもよい。
【0066】
例えば本実施形態に係る漏洩検知装置40は、バイパス流路47内に超音波式の流量センサを備え、これにより、演算表示部43が微少漏洩を判断しているが、これに限らず、バイパス流路47内には、フローセンサなどの他のタイプの流量センサが設けられていてもよい。
【0067】
また、本実施形態において漏洩検知装置40は、流量式の微少漏洩の判断を行っているが、これに限らず、圧力式の微少漏洩の判断を行うようにしてもよい。
【0068】
また、第1及び第2実施形態に係る漏洩検知装置40は、接続配管30を介して二次調整器20と接続されており、二次調整器20と別体に構成されているが、特にこれに限らず、二次調整器20と同一筐体Bに収納されて一体とされてもよい。
【0069】
さらに、上記実施形態において漏洩検知装置40は、メイン流路45の壁部45cがバイパス流路47の壁部と兼用されているが、これに限らず、メイン流路45とバイパス流路47とは壁部45cが兼用されることなく外壁同士が接触するようになっていてもよい。さらに、両者は近接状態で離間していてもよい。具体的に近接状態とは、両者の距離が、メイン流路45とバイパス流路47との外壁間の左右距離を加算したもの以下であったり、メイン流路45とバイパス流路47とのいずれか一方の外壁間の左右距離以下であったりする場合をいう。これらによっても、同様に従来よりもコンパクト化が図られるからである。
【0070】
さらに、上記実施形態においては、二次調整器20と漏洩検知ユニット42との長さを、従来の二次調整器とバイパス流路との接続配管(二次調整器の下流側に接続される配管であってバイパスされたガスが戻ってくる配管)との長さと同じとすることが好ましい。これにより、既存設備(従来設備)への取付を容易とすることができるからである。