(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記開閉体の外周面には、前記開閉体の先端部から基端側に向けて延在するとともに周方向に連続的又は断続的に設けられた凹部が形成されている、請求項4に記載の液体入り容器の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明をより具体的に例示説明する。
【0017】
まず、
図1〜
図3を参照して、本発明の第1実施形態である液体入り容器の製造方法について例示説明する。
【0018】
本発明の第1実施形態である液体入り容器の製造方法は、ブロー成形用金型とノズルユニットとを用いて合成樹脂製のプリフォームから内容液を収容した液体入り容器を製造する液体入り容器の製造方法であって、ノズルユニットは、液体の供給路に設けられた環状の座部を有するノズルユニット本体と、座部を閉塞する閉塞位置と座部を開放する開放位置との間で移動可能なシール体と、シール体の内部に形成されるとともに供給路における座部より上流の部分と連通した予備供給路を開閉可能な開閉体とを有し、シール体が閉塞位置にある状態で開閉体によって予備供給路を開放して、ブロー成形用金型に装着したプリフォームの内部に予備供給路から液体を供給し、プリフォームの内部の空気を外部に排出させる空気排出工程と、シール体を閉塞位置から開放位置に移動させることで座部を通してプリフォームの内部に加圧した液体を供給し、プリフォームをブロー成形用金型の内面に沿った形状の液体入り容器に成形する液体ブロー成形工程と、を有する液体入り容器の製造方法である。
【0019】
本実施形態の液体入り容器の製造方法は、液体ブロー成形工程の前または液体ブロー成形工程の最中に、延伸ロッドによりプリフォームを軸方向に延伸させるロッド延伸工程をさらに有しており、開閉体は延伸ロッドである。
【0020】
本実施形態の液体入り容器の製造方法は、空気排出工程において、開閉体を突出方向に移動させることで予備供給路を開放するようにしている。
【0021】
このような本実施形態の液体入り容器の製造方法は、例えば
図1に示す構成の液体入り容器の製造装置1Aを用いて実施することができる。
【0022】
図1に示す液体入り容器の製造装置1Aは、合成樹脂製のプリフォーム2から内容液を収容した液体入り容器C(
図3参照)を製造するものである。液体入り容器Cに収容される液体(内容液)Lとしては、例えば飲料、化粧品、薬品、洗剤、シャンプー等のトイレタリーなどの様々な液体Lを採用することができる。
【0023】
プリフォーム2としては、例えばポリプロピレン(PP)やポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱可塑性を有する合成樹脂材料によって、開口端となる円筒状の口部2aと、口部2aに連なるとともに下端が閉塞された円筒状の胴部2bとを有する有底筒状に形成されたものを用いることができる。
【0024】
詳細は図示しないが、口部2aの外壁面には、成形後の液体入り容器Cの口部2aに閉塞キャップ(不図示)を打栓(アンダーカット係合)によって装着するための係合突起が設けられている。なお、口部2aの外壁面に係合突起に替えて雄ネジを設けて閉塞キャップを口部2aにねじ結合により装着する構成とすることもできる。
【0025】
液体入り容器の製造装置1Aは、ブロー成形用金型10を有している。ブロー成形用金型10は、例えばボトル形状などの液体入り容器Cの最終形状に対応した形状のキャビティ11を有している。キャビティ11はブロー成形用金型10の上面において上方に向けて開口している。プリフォーム2は、胴部2bがブロー成形用金型10のキャビティ11の内部に配置されるとともに口部2aがブロー成形用金型10から上方に突出した状態となってブロー成形用金型10に装着される。
【0026】
ブロー成形用金型10は左右に型開きすることができるようになっており、プリフォーム2を液体入り容器Cに成形した後にブロー成形用金型10を左右に開くことで、当該液体入り容器Cをブロー成形用金型10から取り出すことができるようになっている。
【0027】
ブロー成形用金型10の上方には、プリフォーム2の内部に加圧した液体Lを供給するためのノズルユニット20が設けられている。ノズルユニット20は本体ブロック21を有している。
【0028】
図2に示すように、本体ブロック21の下端には支持ブロック22が設けられ、この支持ブロック22により支持されて本体ブロック21の下端にはブローノズル23が装着されている。ブローノズル23は略円筒状に形成されており、その下端部の内側は液体供給口23aとなっている。本体ブロック21、支持ブロック22及びブローノズル23によって、ノズルユニット本体20aが構成されている。ノズルユニット本体20aはブロー成形用金型10に対して上下方向に相対移動自在となっている。ノズルユニット本体20aが下方側のストローク端にまで下降すると、ノズルユニット本体20a(より具体的には、ブローノズル23)は、ブロー成形用金型10に装着されたプリフォーム2の口部2aに上方側から密封状態で係合する。
【0029】
ノズルユニット本体20a(より具体的には、本体ブロック21及びブローノズル23)の内部には上下方向に延びる供給路24が設けられている。この供給路24の下端部には、ブローノズル23の液体供給口23aが形成されている。
【0030】
さらに、
図1に示すように、ノズルユニット本体20a(より具体的には、本体ブロック21)には、供給路24の上端に連通する供給ポート25が設けられている。
【0031】
ノズルユニット本体20a(より具体的には、ブローノズル23)は、供給路24に設けられた環状(リング状)の座部24aを有している。環状の座部24aは、ブローノズル23の上面によって構成されている。環状の座部24aは、ブローノズル23の内周面によって構成してもよいし、ブローノズル23の上面及び内周面によって構成してもよい。環状の座部24aは、下向き円錐状のテーパ面からなっている。しかし、環状の座部24aの形状は適宜変更が可能である。供給路24の内部には座部24aを開閉するためのシール体26が配置されている。シール体26は、座部24aを閉塞する閉塞位置と、座部24aを開放する開放位置との間で移動可能である。シール体26はノズルユニット本体20aに対して相対的に上下方向に移動自在に設けられた軸体27に固定され、供給路24の内部で上下方向に移動自在となっている。なお、シール体26は、軸体27と一体に形成してもよい。
【0032】
シール体26は円筒状に形成されており、下方側のストローク端位置である閉塞位置にまで移動したときに下端面においてブローノズル23の上面(座部24a)に当接して座部24aを閉塞する。一方、シール体26が閉塞位置から上方に向けて移動すると、シール体26の下端面がブローノズル23の上面(座部24a)から離脱して座部24aが開放される(
図3参照)。
【0033】
シール体26の内部には、供給路24における座部24aより上流の部分と連通した予備供給路28が形成されている。予備供給路28は、上下方向に延びる縦流路28aと、縦流路28aから径方向に延びる横流路28bとからなっている。横流路28bは、縦流路28aの上端部から径方向に延びている。しかし、横流路28bは、縦流路28aの上下方向中間部から径方向に延びていてもよい。横流路28bは、周方向に断続的に設けられた複数の流路からなっている。横流路28bは、単一の流路からなっていてもよい。シール体26の下端部における内側は、予備供給口26aとなっている。予備供給口26aは、予備供給路28(の縦流路28a)の下端部を構成している。予備供給口26aは、下方に向けて拡径する円錐状のテーパ面で形成されている。
【0034】
ノズルユニット20は、予備供給路28を開閉可能な開閉体29を有している。鋼材等によって略円柱状に形成された開閉体29は、軸体27の軸心に挿入されており、シール体26の軸心を貫通して予備供給路28内(より具体的には、縦流路28a内)に延びている。開閉体29は、図示しない駆動源により駆動されて軸体27及びシール体26に対して相対的に上下方向に移動することができる。開閉体29は、本実施形態では、開閉体29を突出方向に移動(下降)させることで予備供給路28を開放可能な開閉部29aを有している。開閉部29aは、開閉体29の下端部に形成されており、シール体26の予備供給口26aに当接することで予備供給路28の予備供給口26aを閉塞する一方、シール体26の予備供給口26aから離脱することで予備供給路28の予備供給口26aを開放する(
図2参照)ことが可能である。開閉部29aは、円錐状のテーパ面で形成された予備供給口26aと同様の傾きを有する円錐状のテーパ面で形成されている。
【0035】
予備供給路28の縦流路28aと開閉体29との間には、周方向に連続的に設けられた、液体Lが通過可能な円筒状の隙間が形成されている。しかし、予備供給路28の縦流路28aと開閉体29との間には、周方向に断続的に設けられた、液体Lが通過可能な複数の隙間が形成されていてもよいし、周方向の一部のみに設けられた、液体Lが通過可能な1つの隙間が形成されていてもよい。
【0036】
開閉体29は、本実施形態のように、延伸ロッドとして用いてもよい。開閉体29は、下方に向けて移動することにより、シール体26の下端部から出没してプリフォーム2を軸方向に延伸させることができる。
【0037】
供給ポート25には、配管P1により加圧液体供給源30が接続されている。加圧液体供給源30は、例えばシリンダ30aとピストン(プランジャー)30bとを備えたプランジャーポンプで構成することができる。
【0038】
加圧液体供給源30には供給タンク31が接続されている。供給タンク31は、液体Lを収容するとともに当該液体Lを所定温度にまで加熱して当該温度に保持する構成とすることができる。加圧液体供給源30と供給タンク31との間の流路には開閉弁V1が設けられ、この開閉弁V1により当該流路を開閉することができる。なお、符号32は配管P1に設けられた圧力計である。
【0039】
加圧液体供給源30は、ブロー成形用金型10に装着されたプリフォーム2の口部2aにノズルユニット20(より具体的には、ブローノズル23)が密封状態で係合するとともにシール体26が上方に移動した開放位置となって座部24aが開放された状態において、正方向(加圧方向)に作動することにより、配管P1、供給ポート25及び供給路24(の座部24a及び液体供給口23a)を介してプリフォーム2の内部に所定圧力にまで加圧した液体Lを供給することができる(
図3参照)。加圧液体供給源30は、
図2に示すように開閉体29が予備供給路28を開放した状態では、正方向(加圧方向)に作動させなくてもよい。この場合、重力のみによって予備供給路28からプリフォーム2の内部に液体Lが供給される。加圧液体供給源30は、
図2に示すように開閉体29が予備供給路28を開放した状態で、正方向(加圧方向)に作動させてもよい。この場合、配管P1、供給ポート25、供給路24及び予備供給路28を介してプリフォーム2の内部に加圧した液体Lを供給することができる。この場合の液体Lの圧力は、前記の所定圧力より小さくてよい。
【0040】
加圧液体供給源30は、シール体26により座部24aが閉塞され、開閉体29により予備供給路28が閉塞されるとともに開閉弁V1が開かれた状態において逆方向に作動することにより、供給タンク31に収容されている液体Lをシリンダ30aの内部に吸引し、次の液体ブロー成形に備えることができる。
【0041】
ノズルユニット本体20a、シール体26、開閉体(延伸ロッド)29、加圧液体供給源30及び開閉弁V1等の作動は、図示しない制御装置によって統合的に制御される。この制御は、圧力計32の値等を参照して行うことができる。なお、開閉弁V1は、制御装置によって制御可能な電磁弁により構成されるのが好ましい。
【0042】
次に、このような構成の液体入り容器の製造装置1Aを用いて、合成樹脂製のプリフォーム2から所定形状の容器の内部に液体(内容液)Lが収容されてなる液体入り容器Cを成形する方法(本実施形態に係る液体入り容器の製造方法)について説明する。
【0043】
まず、
図1に示すように、予めヒーター等の加熱手段(不図示)を用いて延伸性を発現する程度の所定の温度(例えば80℃〜150℃)にまで加熱しておいたプリフォーム2をブロー成形用金型10に装着し、型締めする。
【0044】
このとき、ノズルユニット20はブロー成形用金型10に対して上方に離れた位置にあり、シール体26は座部24aを閉塞し、開閉体29は予備供給路28を閉塞した状態となっている。また、プリフォーム2の口部2aは開放されているので、プリフォーム2は、その内部に空気が充満した状態である。
【0045】
次に、空気排出工程が行われる。空気排出工程においては、
図2に示すように、プリフォーム2の口部2aにノズルユニット20(のブローノズル23)が係合する直前の位置にまでノズルユニット20を下降させ、この状態で開閉体(延伸ロッド)29を突出方向に移動(下降)させることで予備供給路28を開放して、プリフォーム2の内部に予備供給路28から液体Lを供給し、プリフォーム2の内部の空気を外部に排出させる。すなわち、プリフォーム2の内部に液体Lを供給することで、プリフォーム2の内部に充満している空気の大部分を液体Lによって外部に押し出して排出させる。
【0046】
空気排出工程が完了すると、次に、液体ブロー成形工程が行われる。液体ブロー成形工程においては、まず、ノズルユニット20を下降させて、ノズルユニット20(のブローノズル23)をプリフォーム2の口部2aに係合させる。次に、シール体26を上昇させて座部24aを開放して、この状態で加圧液体供給源30を正方向に作動させて座部24aを通してプリフォーム2の内部に所定の圧力にまで加圧した液体Lを供給する。このように、プリフォーム2の内部に加圧した液体Lを供給して、プリフォーム2を液体Lの圧力により、ブロー成形用金型10のキャビティ11の内面に沿った所定形状の液体入り容器Cに成形する(
図3参照)。
【0047】
ここで、液体ブロー成形工程は、空気排出工程においてプリフォーム2の内部の空気の大部分が外部に排出された状態で行われるので、プリフォーム2の内部に加圧した液体Lを供給したときに当該液体Lが空気を巻き込むことがなく、これにより、液体入り容器Cの内部の液体Lへの空気の混入が抑制される。また、空気排出工程においては、環状の座部24aを介するのではなく、シール体26の内部に形成された予備供給路28を介して、プリフォーム2の内部に液体Lを供給するようにしている。予備供給路28を介して液体Lを供給するときの予備供給路28における開放部分全体の周方向長さは、環状の座部24aを介して液体Lを供給するときの環状の座部24aにおける開放部分全体の周方向長さよりも短くすることが可能である。また、予備供給路28を介して液体Lを供給するときの予備供給路28における開放部分全体の径寸法は、環状の座部24aを介して液体Lを供給するときの環状の座部24aにおける開放部分全体の径寸法よりも小さくすることが可能である。このため、予備供給路28の開放部分における液体Lの流れに周方向で偏りが生じることを抑制できる。したがって、本実施形態によれば、空気排出工程における液体Lの供給時に、開放部分から空気が供給路24内に混入するのを抑制することができる。
【0048】
本実施形態のように、液体ブロー成形工程の最中にロッド延伸工程を行うこともできる。ロッド延伸工程においては、開閉体(延伸ロッド)29を下方に向けて進出移動させ、当該延伸ロッド29によりプリフォーム2の胴部2bを軸方向(縦方向)に延伸させる。なお、ロッド延伸工程の後に液体ブロー成形工程を行う構成とすることもできる。ロッド延伸工程の後または最中に液体ブロー成形工程を行う(液体ブロー成形工程の開始後にロッド延伸工程を開始してもよい)ことにより、プリフォーム2を延伸ロッド29により軸方向に延伸させつつブロー成形を行う二軸延伸ブロー成形を行うことができるので、プリフォーム2をより精度よく所定形状の液体入り容器Cに成形することができる。しかし、ロッド延伸工程を行わずに液体ブロー成形工程を行うようにしてもよい。開閉体29を延伸ロッドとして使用する場合には、液体ブロー成形工程において座部24aと予備供給路28との両方が開放した状態で液体Lが供給される。一方、ロッド延伸工程を行わない場合には、予備供給路28を閉塞した状態で座部24aを開放して液体Lを供給することができる。しかし、ロッド延伸工程を行わない場合に、予備供給路28を開放した状態で座部24aを開放して液体Lを供給してもよい。
【0049】
液体ブロー成形工程が行われた後は、シール体26を下降させて座部24aを閉塞するとともに開閉体29を上昇させて予備供給路28を閉塞して、ノズルユニット20をブロー成形用金型10に対して上方に移動させることで、液体入り容器C(の口部2a)からノズルユニット20(のブローノズル23)を離脱させる。液体ブロー成形工程の後、液体入り容器Cからノズルユニット20を離脱させる前に、液体入り容器Cにヘッドスペースを形成するための追加の工程(例えば、シール体26によって座部24aを開放した状態で加圧液体供給源30を所定の作動量だけ逆方向(吸引方向)に作動させて、成形後の液体入り容器Cの内部から所定量の液体Lを供給路24に吸い戻すサックバック)を行ってもよい。完成した液体入り容器Cは、ブロー成形用金型10が開かれてブロー成形用金型10から取り出された後、口部2aに閉塞キャップが装着されて製品とされる。このとき、開閉弁V1を開いた状態で加圧液体供給源30が逆方向に作動して、供給タンク31に収容されている液体Lがシリンダ30aの内部に吸引される。なお、口部2aに閉塞キャップを装着した後に、ブロー成形用金型10を開いてブロー成形用金型10から液体入り容器Cを取り出すようにしてもよい。
【0050】
以上の通り、本実施形態における液体入り容器の製造方法では、空気排出工程においてプリフォーム2の内部の空気を外部に排出してから液体ブロー成形工程を行うようにしたので、液体ブロー成形工程においてプリフォーム2の内部に加圧した液体Lが供給されたときに、当該液体Lに空気が混入することを抑制することができる。また、本実施形態における液体入り容器の製造方法では、空気排出工程において、予備供給路28を介してプリフォーム2の内部に液体Lを供給するようにしたので、液体Lの供給時に供給路24内に空気が混入するのを抑制することができる。したがって、本実施形態によれば、液体ブロー成形時に、プリフォーム2の内部での液体Lの泡立ちや供給路24内への空気の混入等により、成形条件の安定性や容器の成形性等が低下することを防止して、液体入り容器Cを所定の内容量及び形状を有するように精度よく且つ低コストで製造することができる。
【0051】
また、本実施形態における液体入り容器の製造方法では、空気排出工程を行うための開閉体29を延伸ロッドと兼用したので、空気排出工程を行うための構成を簡素化して、そのコストを低減することができる。
【0052】
次に、
図4〜
図5を参照して、本発明の第2実施形態である液体入り容器の製造方法について例示説明する。
【0053】
本発明の第2実施形態である液体入り容器の製造方法は、空気排出工程において、開閉体を引込方向に移動させることで予備供給路を開放するようにしている。その他の構成は、本発明の第1実施形態の場合と同様である。
【0054】
このような本実施形態の液体入り容器の製造方法は、例えば
図4に示す構成の液体入り容器の製造装置1Bを用いて実施することができる。
【0055】
液体入り容器の製造装置1Bは、予備供給路33が内部に形成されたシール体34を有している。予備供給路33は、本実施形態では、上下方向に延びる縦流路33aと、縦流路33aの上端部から径方向に延びる横流路33bとからなっている。液体入り容器の製造装置1Bは、予備供給路33を開閉可能な開閉体35を有している。延伸ロッドを兼ねる開閉体35は、上下方向に延びており、予備供給路33内(より具体的には、縦流路33a内)に延びている。予備供給路33(より具体的には、縦流路33a)には、開閉体35との間を全周に亘ってシール可能な環状シール部36aが形成されている。環状シール部36aは、縦流路33aと横流路33bとの接続部における下流側部分に設けられている。しかし、環状シール部36aは、縦流路33aと横流路33bとの接続部より下流側に設けてもよい。縦流路33aと横流路33bとの接続部における上流側部分には、縦流路33aと開閉体35との間を全周に亘ってシール可能な上方環状シール部36bが設けられている。しかし、上方環状シール部36bは、縦流路33aと横流路33bとの接続部より上流側に設けてもよい。その他の構成は、第1実施形態で用いた液体入り容器の製造装置1Aの場合と同様である。
【0056】
本実施形態に係る液体入り容器の製造方法では、空気排出工程において、開閉体35を、開閉体35の下端が環状シール部36aを越えるまで引込方向に移動させることで予備供給路33を開放する。より具体的には本実施形態では、
図5に示すように、空気排出工程において、開閉体35を、開閉体35の下端が上方環状シール部36bに達するまで引込方向に移動させることで、縦流路33aを完全に開放する。このため、第1実施形態の場合のように縦流路28aと開閉体29との間に円筒状の隙間を形成する場合と比べ、縦流路33a内において液体Lの流れに周方向で偏りが生じることをより一層、抑制できる。したがって、本実施形態によれば、第1実施形態の場合と比べ、空気が供給路24内に混入するのをより一層、抑制することができる。
【0057】
次に、
図6〜
図7を参照して、本発明の第3実施形態である液体入り容器の製造方法について例示説明する。
【0058】
本発明の第3実施形態である液体入り容器の製造方法では、開閉体の外周面には、開閉体の先端部から基端側に向けて延在するとともに周方向に連続的に設けられた凹部が形成されている。その他の構成は、本発明の第2実施形態の場合と同様である。
【0059】
このような本実施形態の液体入り容器の製造方法は、例えば
図6に示す構成の液体入り容器の製造装置1Cを用いて実施することができる。
【0060】
液体入り容器の製造装置1Cは、予備供給路33を開閉可能な開閉体37を有している。延伸ロッドを兼ねる開閉体37は、上下方向に延びている。開閉体37の外周面には、開閉体37の先端部から基端側に向けて延在するとともに周方向に連続的に設けられた凹部37aが形成されている。すなわち、凹部37aは、開閉体37の縮径部を構成している。しかし、凹部37aは、開閉体37の先端部から基端側に向けて延在するとともに周方向に断続的に設けられていてもよい(すなわち、凹部37aは、複数の溝を構成していてもよい)。開閉体37は、予備供給路33内(より具体的には、縦流路33a内)に延びている。予備供給路33(より具体的には、縦流路33a)には、開閉体37との間を全周に亘ってシール可能な環状シール部36aが形成されている。縦流路33aと横流路33bとの接続部における下流側部分に設けられている。しかし、環状シール部36aは、縦流路33aと横流路33bとの接続部より下流側に設けてもよい。縦流路33aと横流路33bとの接続部における上流側部分には、縦流路33aと開閉体35との間を全周に亘ってシール可能な上方環状シール部36bが設けられている。しかし、上方環状シール部36bは、縦流路33aと横流路33bとの接続部より上流側に設けてもよい。その他の構成は、第2実施形態で用いた液体入り容器の製造装置1Bの場合と同様である。
【0061】
本実施形態に係る液体入り容器の製造方法では、空気排出工程において、開閉体37を、凹部37aの上端が環状シール部36を越えるまで引込方向に移動させることで、予備供給路33を開放する。より具体的には本実施形態では、
図7に示すように、空気排出工程において、開閉体37を、凹部37aの上端が上方環状シール部36bの下端に達するまで引込方向に移動させることで、予備供給路33を開放する。したがって、本実施形態では、第1実施形態の場合と同様に、空気が供給路24内に混入するのを抑制することができる。
【0062】
本発明は前記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0063】
例えば、前記の実施形態では、
図1に示す構成の液体入り容器の製造装置1A、
図4に示す構成の液体入り容器の製造装置1B、又は
図6に示す構成の液体入り容器の製造装置1Cを用いて本発明の液体入り容器の製造方法を行う場合を示したが、他の構成の液体入り容器の製造装置等を用いて本発明の液体入り容器の製造方法を行うこともできる。
【0064】
前記の実施形態においては、空気排出工程においてはノズルユニット20をプリフォーム2に係合させないようにしてプリフォーム2の内部から外部への空気の排出通路を確保するようにしているが、これに限られない。例えば、第1実施形態の変形例として、
図8に示す要領で空気排出工程を行ってもよい。本変形例では、ブローノズル23’の内周面には、ブローノズル23’の先端部から基端側に向けて延在するとともに周方向に連続的又は断続的に設けられた排気用凹部38が形成されている。排気用凹部38は、本変形例では周方向に間隔を開けて配置された複数の縦溝38aと、これら複数の縦溝38aの上端に連なる環状溝38bとからなっている。ブローノズル23’及び支持ブロック22’の内部には、排気用凹部38をノズルユニット20’の外部に連通させる排気流路39が形成されている。排気流路39には、排気用開閉弁V2が設けられている。排気用開閉弁V2は、電磁弁により構成されるのが好ましい。排気用開閉弁V2は、排気流路39に設けられた被開閉部40と、被開閉部40を開閉可能な排気用開閉体41とを有している。被開閉部40は、本変形例ではブローノズル23’の内部に位置している。液体ブロー成形工程において排気用凹部38から排気流路39の被開閉部40まで侵入し得る液体Lの量を低減する観点から、被開閉部40はブローノズル23’の内周面にできるだけ近い位置に設けることが好ましい。本変形例では、空気排出工程において、ノズルユニット20’(より具体的にはブローノズル23’)をプリフォーム2(より具体的には口部2a)に係合させた後、排気流路39の排気用開閉弁V2が開かれた状態で開閉体29によって予備供給路28を開放して液体Lをプリフォーム2の内部に供給することで、プリフォーム2の内部の空気を排気用凹部38及び排気流路39を介して外部へ排出する。第2実施形態及び第3実施形態の場合にも、本変形例と同様の装置及び要領で、空気排出工程を行うことができる。
【0065】
前記の実施形態においては、加圧液体供給源30はプランジャーポンプとされているが、これに限らず、液体Lを所定の圧力にまで加圧してプリフォーム2に供給することができるものであれば他種類のポンプなどの種々の構成のものを用いることができる。
【0066】
プリフォーム2として、成形後の液体入り容器Cの形状等に応じて種々の形状のものを用いることができる。