(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記導電性を有する材料は、炭化ケイ素(SiC)、銅、アルミニウム、銅−タングステン合金(Cu−W)および銅モリブデン合金(Cu−Mo)のうちの少なくとも1種を含む
請求項1に記載の素子構造体。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明は本開示の一具体例であって、本開示は以下の態様に限定されるものではない。また、本開示は、各図に示す各構成要素の配置や寸法、寸法比などについても、それらに限定されるものではない。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(素子構造体の支持部材の内部に応力緩和層を有する発光装置の例)
2.第2の実施の形態(支持部材のマウント材が導電性を有する場合の例)
3.変形例1(マウント材と応力緩和層との間に絶縁層を備えた例)
4.変形例2(絶縁層が多層膜である場合の例)
5.変形例3(応力緩和層が支持部材の選択的な領域に形成された例)
6.変形例4(応力緩和層が多層膜である場合の例)
7.変形例5(応力緩和層同士の間に接着層が介在する場合の例)
8.変形例6(応力緩和層の片側に複数のマウント材が設けられた場合の例)
【0013】
<第1の実施の形態>
[構成]
図1は、本開示の第1の実施の形態に係る素子構造体2を備えた発光装置1の構成例を表したものである。
図2は、
図1の素子構造体を拡大して表したものである。この発光装置1は、様々な電子機器の光源モジュールとして用いられるものである。電子機器の一例としては、高密度光ディスク装置、レーザビームプリンタおよびフルカラーディスプレイ等が挙げられる。
【0014】
発光装置1は、例えば、素子構造体2と、この素子構造体2の支持体となるステム30と、接続用端子としてのリードピン31と、このリードピン31と素子構造体2とを電気的に接続するボンディングワイヤ32とを備える。素子構造体2は、必要に応じて、例えばドーム状または円筒状等を有する外装部材によって封止されている。
【0015】
素子構造体2は、例えば発光素子10と、支持部材11と、放熱部材12とを有する。放熱部材12の上に、支持部材11と、発光素子10とがこの順に設けられている。
【0016】
発光素子10は、例えば半導体レーザ等の半導体発光素子である。この発光素子10は、支持部材11上に、例えばレーザダイオードチップまたはレーダダイオードバーとして実装されている。但し、発光素子10は、半導体レーザに限定されるものではなく、例えば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)またはスーパールミネッセントダイオード(SLD:Superluminescent diode)等の他の半導体発光素子であってもよい。また、発光素子10は、このような半導体発光素子に限定されず、例えば有機電界発光素子等であっても構わない。発光素子10は、例えば金(Au)および錫(Sn)の合金(Au−Sn合金)を含むはんだにより、またはロウ付けにより、支持部材11に接着されている。
【0017】
支持部材11は、例えばサブマウントなどのマウント材を含んで構成されており、発光素子10を支持するものである。
図3に、支持部材11の構成例を示す。支持部材11は、積層方向の内部に応力緩和層11Bを有する。具体的には、支持部材11は、例えば、マウント材11A1とマウント材11A2との間に応力緩和層11Bが挟まれた構成を有している。尚、面S1を、発光素子10に対向する面とし、面S2を、放熱部材12に対向する面とする。
【0018】
マウント材11A1,11A2は、例えば熱伝導性の高い材料を含んで構成されることが望ましい。このような材料としては、例えばダイヤモンドを含む材料、セラミックまたは金属を含む材料等が挙げられる。マウント材11A1,11A2の構成材料としては、発光素子10および放熱部材12の熱膨張係数を考慮して適切な材料が選択されるとよい。本実施の形態では、これらのマウント材11A1,11A2は、絶縁性を有する材料(ダイヤモンドまたはセラミック)から構成されている。一例としては、例えば窒化アルミニウム(AlN)(熱膨張係数4.5×10
-6[1/K])および酸化ベリリウム(BeO)(熱膨張係数7.6×10
-6[1/K])等が挙げられる。これらのマウント材11A1,11A2のトータルの厚みは、例えば200μmである。マウント材11A1,11A2の構成材料は、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、マウント材11A1,11A2の厚みは、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0019】
応力緩和層11Bは、素子構造体2において発生する応力を吸収または分断する機能を有するものである。具体的には、応力緩和層11Bは、発光素子10、支持部材11および放熱部材12の各熱膨張係数差に起因する応力、およびマウント材11A1,11A2間の熱膨張係数差に起因する応力等を吸収または分断するものである。このような応力緩和層11Bには、例えば軟質金属を用いることができる。軟質金属としては、例えば錫(Sn)、インジウム(In)およびアルミニウム(Al)等が挙げられ、応力緩和層11Bは、これらの錫、インジウムおよびアルミニウムのうちの少なくとも1種を含んで構成されている。応力緩和層11Bの厚みは、例えば1μm以上100μm以下であり、一例としては、10μm以上20μm以下である。尚、この応力緩和層11Bとマウント材11A1,11A2のそれぞれとの間に、接着層が介在していても構わない。この場合、接着層には、熱伝導性を有する材料が用いられることが望ましい。
【0020】
(支持部材11の製造方法)
図4A〜
図4Cに、支持部材11の製造工程の一例について示す。上述したような支持部材11は、例えば次のようにして製造することができる。即ち、まず
図4Aに示したように、マウント材11A1の一面に、上述した軟質金属よりなる応力緩和層11B1を、例えば蒸着法、スパッタリング法、めっき法またはイオンプレーティング法等により成膜する。あるいは、応力緩和層11B1に共晶金属を用いた場合には、この共晶金属を用いた共晶接合により、マウント材11A1と応力緩和層11B1とを貼り合わせることもできる。また、これらのマウント材11A1と応力緩和層11B1とは、熱伝導性を有する接着層を介して貼り合わされても構わない。
【0021】
同様にして、もう一方のマウント材11A2の一面にも、応力緩和層11B2を、例えば上記の応力緩和層11B1と同様の手法により成膜する。尚、ここでは、応力緩和層11B1,11B2は、互いに同一の材料から構成される場合を想定している。また、マウント材11A1,11A2のそれぞれに応力緩和層11B1,11B2を形成する場合について説明するが、マウント材11A1,11A2のどちらか一方にのみ、応力緩和層11B1(または応力緩和層11B2)を形成しても構わない。
【0022】
続いて、
図4Bに示したように、マウント材11A1とマウント材11A2とを、応力緩和層11B1,11B2同士が向かい合うように、貼り合わせる。貼り合わせの手法としては、上述したマウント材11A1と応力緩和層11B1との貼り合わせと同様、例えば、熱圧着、拡散接合、陽極接合、あるいは共晶接合等の手法を用いることができる。
【0023】
これにより、
図4Cに示したように、マウント材11A1とマウント材11A2との間で、応力緩和層11B1,11B2が一体化され、応力緩和層11Bが形成される。その後、所望のサイズとなるように、マウント材11A1,11A2の周縁部を、例えばダイシング等により加工する。このようにして、積層方向の内部に応力緩和層11Bを有する支持部材11を完成する。
【0024】
この支持部材11は、例えば金(Au)および錫(Sn)の合金(Au−Sn合金)を含むはんだにより、またはロウ付けにより、放熱部材12に接着される。
【0025】
放熱部材12は、例えばヒートシンクから構成され、発光素子10から発生する熱を放出させる機能を有するものである。この放熱部材12は、例えば熱伝導性の高い銅(Cu)を含んで構成されている。
【0026】
[作用・効果]
本実施の形態の発光装置1では、発光素子10が発光する(例えばレーザ光を出力する)一方で、その消費電力に応じて熱を発生する。また、発光装置1の製造プロセスでは、発光素子10、支持部材11および放熱部材12のそれぞれを、はんだ接合等により接着するため、発光素子10には、例えば200℃以上の熱が加わることとなる。発光素子10において生じた熱は、放熱部材12により放出されるものの、素子構造体2では、これらの熱の影響を受けて、支持部材11および放熱部材12の熱膨張係数差に起因する応力が発生する。
【0027】
ここで、上記のような応力を低減するために、例えば次のような手法が提案されている。即ち、例えば上記特許文献1,2に記載された素子構造では、マウント材と発光素子との間に部分的に厚みの大きな電極層を設け、この電極層により応力低減が図られている。ところが、この電極層を利用する素子構造では、ヒートシンク等の放熱部材からの応力が大きい場合、マウント材を介して発光素子には大きな応力がかかる。また、例えば上記特許文献3,4に記載された素子構造では、2層化されたマウント材を用いることで、発光素子および上部マウント材間の熱膨張係数差に起因する応力を低減することができる。ところが、この2層化されたマウント材を用いた素子構造では、下部マウント材および放熱部材間の熱膨張係数差に起因する応力、あるいは上部マウント材および下部マウント材間の熱膨張係数差に起因する応力が発光素子へ影響を及ぼす。
【0028】
これに対し、本実施の形態では、放熱部材12上に設けられた支持部材11が、積層方向の内部に応力緩和層11Bを有している。具体的には、一対のマウント材11A1,11A2の間に応力緩和層11Bを有する。この応力緩和層11Bにより、例えば放熱部材12および支持部材11の間の熱膨張係数差に起因して生じる応力が吸収または分断され、支持部材11上の発光素子10へ及ぶことが抑制される。
【0029】
また、本実施の形態では、支持部材11において、2つのマウント材11A1,11A2間の熱膨張係数差に起因して生じる応力についても吸収または分断することができる。このようなマウント材11A1,11A2間で発生した応力が発光素子10へ及ぶことを抑制できる。
【0030】
更に、本実施の形態では、マウント材11A1,11A2が絶縁材料(例えば、AlN)を含んで構成されることで、支持部材11においてリーク電流の発生を抑制することができる。
【0031】
以上のように本実施の形態では、放熱部材12上に設けられた支持部材11が、積層方向の内部に応力緩和層11Bを有する。これにより、例えば放熱部材12および支持部材11の間の熱膨張係数差に起因して生じる応力が吸収または分断され、支持部材11上の発光素子10へ及ぶことを抑制することができる。発光素子10への応力の影響を低減することが可能となる。
【0032】
次に、本開示の他の実施の形態および変形例について説明する。以下では、上記第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
【0033】
<第2の実施の形態>
図5は、本開示の第2の実施の形態に係る素子構造体2の支持部材11の構成例を表すものである。本実施の形態の支持部材11も、上記第1の実施の形態と同様、発光素子10と放熱部材12との間に設けられて、素子構造体2を構成するものである。
【0034】
本実施の形態の支持部材11は、上記第1の実施の形態と同様、積層方向の内部に、応力緩和層11Bを有している。具体的には、本実施の形態の支持部材11は、マウント材11C1とマウント材11C2との間に応力緩和層11Bが挟まれた構成を有している。但し、本実施の形態では、上記第1の実施の形態のマウント材11A1,11A2と異なり、マウント材11C1,11C2が、導電性を有する材料(導電体または半導体)を含んで構成されている。
【0035】
マウント材11C1,11C2は、導電性を有すると共に、熱伝導性の高い材料を含んで構成されることが望ましい。一例としては、例えば炭化ケイ素(SiC)(熱膨張係数3.8×10
-6[1/K])が挙げられる。この他にも、例えば銅、アルミニウム、銅−タングステン合金(Cu−W)および銅モリブデン合金(Cu−Mo)等が挙げられる。これらのマウント材11C1,11C2のトータルの厚みは、例えば200μmである。マウント材11C1,11C2の構成材料は、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、マウント材11C1,11C2の厚みは、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0036】
この支持部材11も、上記第1の実施の形態と同様にして、マウント材11C1,11C2の各一面に応力緩和層11B1,11B2を形成した後、これらを貼り合わせることにより製造することができる。
【0037】
本実施の形態においても、支持部材11が、積層方向の内部に応力緩和層11Bを有することから、例えば放熱部材12および支持部材11の間の熱膨張係数差に起因して生じる応力が吸収または分断され、支持部材11上の発光素子10へ及ぶことを抑制することができる。よって、上記第1の実施の形態と略同等の効果を得ることができる。
【0038】
<変形例1>
図6は、上記第2の実施の形態の変形例(変形例1)に係る支持部材の構成例を表すものである。本変形例の支持部材では、上記第2の実施の形態の積層構造において、マウント材11C1,11C2のそれぞれと応力緩和層11Bとの間に、絶縁層11Dが設けられている。
【0039】
絶縁層11Dは、例えば熱伝導性の高い絶縁材料を含んで構成されている。このような絶縁層11Dは、例えば窒化アルミニウム、窒化ホウ素(BN)、酸化ケイ素(SiO
2)、窒化ケイ素(Si
3N
4)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸窒化アルミニウム(AlO
XN
X-1)、酸化亜鉛(ZnO)および酸化タンタル(Ta
2O
5)等のうちの少なくとも1種を含んで構成されている。
【0040】
このように、マウント材11C1,11C2のそれぞれと応力緩和層11Bとの間に絶縁層11Dが介在していてもよく、この場合にも、上記第1の実施の形態と同等の効果を得ることができる。また、支持部材に、導電性を有するマウント材11C1,11C2を用いた場合には、リーク電流を発生することがあるが、絶縁層11Dの介在により、そのようなリーク電流の発生を抑制することができる。尚、本変形例では、絶縁層11Dを、マウント材11C1,11C2のそれぞれと応力緩和層11Bとの間に形成したが、絶縁層11Dは、マウント材11C1,11C2のうちのどちらか一方と応力緩和層11Bとの間にのみ形成されていてもよい。また、応力緩和層11Bについても、マウント材11C1,11C2の両方の側に形成されてもよいし、マウント材11C1,11C2のうちのどちらか一方にのみ形成されても構わない。
【0041】
<変形例2>
図7は、上記第2の実施の形態の変形例(変形例2)に係る支持部材の構成例を表すものである。上記変形例1では、マウント材11C1,11C2のそれぞれと応力緩和層11Bとの間に、絶縁層11Dが設けられた構成について説明したが、この絶縁層11Dは、本変形例のように、複数の層を含む多層膜であってもよい。具体的には、絶縁層11Dは、例えば2つの絶縁層11D1,11D2を含む多層膜であってもよい。絶縁層11D1,11D2の構成材料としては、上記絶縁層11Dの材料として列挙した絶縁材料と同様のものを用いることができる。絶縁層11D1,11D2の各構成材料は、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、絶縁層11D1,11D2の各厚みは、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0042】
尚、絶縁層11Dは、上記構成に限定されるものではなく、3層以上の多層膜であってもよい。また、マウント材11C1側の絶縁層11Dとマウント材11C2側の絶縁層11Dとの間で、絶縁材料は同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、マウント材11C1側の絶縁層11Dとマウント材11C2側の絶縁層11Dとの間で、層数や厚みは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0043】
<変形例3>
図8は、変形例3に係る支持部材の構成例を表すものである。本変形例の支持部材では、応力緩和層11Bが、支持部材の選択的な領域に形成されている。例えば、応力緩和層11Bは、支持部材(マウント材11A1,11A2)の周縁領域Dを除いた領域に形成されている。
【0044】
応力緩和層11Bは、マウント材11A1,11A2の全域にわたって形成されていてもよいが、本変形例のように選択的な領域にのみ形成されていてもよい。例えば、応力緩和層11Bが、周縁領域Dを除いた領域に形成されることで、例えば上述した支持部材の製造プロセスにおいて、ダイシング等の加工を施し易くなる。
【0045】
<変形例4>
図9は、変形例4に係る支持部材の構成例を表すものである。上記第1の実施の形態等では、マウント材11A1,11A2間に応力緩和層11Bが設けられた構成について説明したが、この応力緩和層11Bは、本変形例のように、複数の層からなる多層膜を含んで構成されていてもよい。具体的には、応力緩和層11Bは、例えば2つの応力緩和層11B3,11B4を含む多層膜であってもよい。応力緩和層11B3,11B4には、上記応力緩和層11Bの材料として列挙した軟質金属と同様のものを用いることができる。応力緩和層11B3,11B4の各構成材料は、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、応力緩和層11B3,11B4の各厚みは、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0046】
尚、応力緩和層11Bは、上記構成に限定されるものではなく、3層以上の多層膜であってもよい。
【0047】
<変形例5>
図10は、変形例5に係る支持部材の構成例を表すものである。上記変形例4では、応力緩和層11Bが2つの応力緩和層11B3,11B4を含む多層膜である場合について説明したが、本変形例では、それらの応力緩和層11B3,11B4の間に、接着層11Eが介在する。接着層11Eは、熱伝導性の高い材料から構成されることが望ましい。このように、応力緩和層11B3,11B4の間には、他の層(例えば接着層11E)が介在していても構わない。
【0048】
<変形例6>
図11は、変形例6に係る支持部材の構成例を表すものである。上記第1の実施の形態等では、2つのマウント材11A1,11A2(または2つのマウント材11C1,11C2)の間に応力緩和層11Bが設けられた構成について例示したが、支持部材に設けられるマウント材は、3つ以上(3層以上)であってもよい。一例として、
図11には、絶縁材料を含むマウント材11A1,11A2と、導電性を有するマウント材11C1,11C2とを積層した構成について示す。
【0049】
このように、応力緩和層11Bを挟むように複数のマウント材が貼り合わせられてもよい。また、応力緩和層11Bと面S1との間に設けられたマウント材の構成材料、数および厚み等と、応力緩和層11Bと面S2との間に設けられたマウント材の構成材料、数および厚み等とは、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0050】
以上、実施の形態および変形例を挙げて説明したが、本開示は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態において説明した各層の材料および厚み、または成膜方法などは限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、または他の成膜方法としてもよい。
【0051】
また、上記実施の形態等では、素子構造体2が発光素子10を有する構成を例示したが、素子構造体2は、発光素子以外の素子(機能素子)を有していても構わない。発光素子以外の機能素子の一例としては、ダイオード、小信号トランジスタ、パワートランジスタ、整流素子、サイリスタおよび光素子等が挙げられる。
【0052】
また、例えば、本開示は以下のような構成を取ることができる。
(1)
放熱部材と、
前記放熱部材の上に設けられると共に、
前記放熱部材の側から順に、第1のマウント材と、応力緩和層
と、第2のマウント材とを有する支持部材と、
前記支持部材上に設けられた機能素子とを備え
、
前記第1および第2のマウント材は、導電性を有する材料を含んで構成され、
前記支持部材は、前記第1および第2のマウント材の少なくともどちらか一方と前記応力緩和層との間に、熱伝導性をもつ絶縁層を有し、
前記応力緩和層は、前記支持部材の周縁部を除いた領域に形成されている
素子構造体。
(2)
前記導電性を有する材料は、炭化ケイ素(SiC)
、銅、アルミニウム、銅−タングステン合金(Cu−W)および銅モリブデン合金(Cu−Mo)のうちの少なくとも1種を含む
上部(1)に記載の素子構造体。
(3)
前記絶縁層は、窒化アルミニウムを含んで構成されている
上部
(1)または(2)に記載の素子構造体。
(4)
前記応力緩和層は、錫(Sn)、インジウム(In)およびアルミニウム(Al)のうちの少なくとも1種を含んで構成されている
上部(1)ないし
(3)のいずれか1つ1に記載の素子構造体。
(5)
前記応力緩和層は、多層膜を含んで構成されている
上部(1)ないし
(4)のいずれか1つ1に記載の素子構造体。
(6)
前記機能素子は、発光素子である
上部(1)ないし
(5)のいずれか1つ1に記載の素子構造体。
(7)
前記発光素子は、半導体レーザである
上部(6)に記載の素子構造体。
(8)
放熱部材と、
前記放熱部材の上に設けられると共に、
前記放熱部材の側から順に、第1のマウント材と、応力緩和層
と、第2のマウント材とを有する支持部材と、
前記支持部材上に設けられた発光素子とを備え
、
前記第1および第2のマウント材は、導電性を有する材料を含んで構成され、
前記支持部材は、前記第1および第2のマウント材の少なくともどちらか一方と前記応力緩和層との間に、熱伝導性をもつ絶縁層を有し、
前記応力緩和層は、前記支持部材の周縁部を除いた領域に形成されている
発光装置。
【0053】
本出願は、日本国特許庁において2016年7月22日に出願された日本特許出願番号第2016−144097号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願の全ての内容を参照によって本出願に援用する。
【0054】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。