(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
NGを含む非冷却タンクの自立時間とは、本発明に関して、タンクのバルブを開く前のタンク内の天然ガスの残りの保持時間(または貯蔵時間)を意味する。
【0003】
液化天然ガス(略してLNG)は、実質的に液体状態のメタンを凝縮した天然ガスであり、大気圧で約−160℃の温度に冷却すると、透明で無臭の形態をとる、非腐食性および非毒性の液体となる。LNGを含むタンク内では、このLNGは一般に液体層の形態を有し、気体層(「タンク屋根」)によって覆われる。
【0004】
LNG発熱は、従来の燃料に代わるシンプルで効果的な方法である。CO
2や汚染粒子の排出の観点、およびエネルギー密度の観点から、用途がますます増えており、特に道路、海上または鉄道の運搬業者に向けられている。
【0005】
しかし、LNGの本質的な欠点の1つとして、大気圧で極低温液体としての質が挙げられる。これは、LNGが液体状態に留まるために、周囲温度よりかなり低い温度に維持されなければならないことを意味する。これは、非冷却のLNGタンクに必然的に熱が入り込み、それにより、タンクのバルブを開けるまでの間に気体層における圧力が上昇してしまうことを示唆する。この圧力の上昇により、タンク内のLNGの自立時間が制限される。
【0006】
しかし、この自立時間が、重要なパラメータとなり、これにより、物流チェーン、特に、LNGの輸送チェーンの規模が決まり、オペレータに残りの自立時間をリアルタイムで通知することができる(電池の自立時間が、通常、そのユーザに伝達されるのと同じ方法で)。そのような情報がLNGタンクのオペレータに伝達されない場合、結果として、例えば、現在の環境要件に準拠しないメタンが大気中に排出されてしまう。
【0007】
現在のところ、バルブを開く前にLNGタンクの自立時間(または保持時間)をオペレータにリアルタイムで知らせるソリューションは知られていない。オペレータが唯一頼れる情報は、タンク屋根(すなわち、タンク内の気体の表面層)の圧力である。したがって、オペレータは、経験から推測される、タンク製造業者によって提供される良好な操作の規則に従うことにより、大気中へのガスの放出を防止している。
【0008】
現在の安全基準(特に「米国機械学会」、「国際海事機関」、「道路による危険物の国際運送に関する欧州協定」、「国際海上危険物」)により、タンクの製造業者は、特定の正確な充填状態、各基準に特有の温度および圧力の最大保持時間を計算し測定することが強いられている。この最大保持時間が、現在、ロジスティクスチェーンの規模に関する調査の参考資料となる。しかし、これは、タンクの自立時間に関するリアルタイムの情報ではなく、リアルタイムでのこの情報が欠如していることは以下の理由で問題である。
ロジスティクスチェーンの柔軟性の欠如が確認される。実際、最大保持時間はロジスティクスチェーンが確立される前に計算される。予想外の状況では、顧客やオペレータが、選択肢を決定する際にサポートするツールが用意されていない。
不均衡なLNGの管理は考慮されていない。実際、現在の基準で考慮されている事例とは異なり、LNGは必ずしも気相と平衡状態にあるとは限らない。不均衡の状態により、オペレータを驚かせる恐れがある。例えば、準冷却LNGの場合、平衡温度に達すると、圧力の上昇が急激に増加する可能性がある。明らかにオペレータではこの平衡温度を計算することができない。LNGを管理しなければならない全てのオペレータは、LNGを操作する上で適切な訓練を受ける必要がある。これは、ほとんどが、そのような訓練を受けたプロフェッショナルであり、最初からうまく操作を行っている現在の関係者のケースである。しかし、現在のLNG燃料の市場が比較的小さいため、これが可能である。しかし、市場が急速に拡大すれば、訓練の少ない関係者も、LNGとの関わり合うことになるであろう。ガス抜きまでの時間を知ることで、これらの新しい関係者はLNGを容易に管理することができる。
【発明の概要】
【0009】
結論として、今日の目的は、燃料としてのLNGの開発を確実にするために、その挙動をよりよくリアルタイムで予測することを可能にするソリューションを確立することである。事前に決められたストレートジャケットで動かなければならないことは、ディーゼルのような直接の競争相手に現在利益をもたらす技術的なロックの1つとなる。
【0010】
前述の目的を達成するために、本出願人は、LNGを含む非冷却タンクの自立時間をリアルタイムで計算する方法およびシステムを開発した。この方法およびシステムによって、
一方では、タンク内のセンサによって測定されるLNGの熱力学的パラメータ(タンク内の液体および気体の組成、ガス状LNGの圧力、およびタンク内の液体LNGの割合)により、
他方では、タンクに関するデータ(形状、寸法、タンクのバルブを較正する圧力、および自然気化(BOR))により、
LNGタンクの自立時間を即座に提供することが可能となった。
【0011】
したがって、本発明は、非冷却タンクの自立時間をリアルタイムで計算する方法であって、タンクは、バルブの設定圧力p
valve、その形状、および寸法、ならびにその自然気化率(BOR、そのタンクに関する入力データ)によって規定され、前記タンクは、天然ガス(NG)を含み、この天然ガスは、
液体状態(LNG)の天然ガスの層であって、液体状態(LNG)は、所与の時点tにおいて、温度T
liq(t)、組成x
liq(t)、および前記液体状態の前記天然ガス層による前記タンクの充填率(液体状態のNGに対する熱力学的パラメータ)によって規定される、液体状態(LNG)の天然ガスの層と、
気体状態(GNG)の天然ガス層であって、気体状態(GNG)は、所与の時点tにおいて、温度T
gas(t)およびその組成x
gas(t)、ならびに圧力p(t)(気体中のNGに対する熱力学的パラメータ)によって規定される、気体状態(GNG)の天然ガス層と、
に分割されており、
前記方法が、以下のステップからなるアルゴリズムを含むことを特徴とする。
A.時点t
0において、圧力センサと温度センサを用いて、液体の温度T
liq(t
0)、およびガスの圧力p(t
0)を測定することにより、前記液化天然ガス層の物理的パラメータを初期化するステップであって、液体x
liq(t
0)および気体x
gas(t
0)相のそれぞれの組成は、タンクの装填時における液体相および気相のそれぞれの組成に対応する、あるいは、使用されるLNGのタイプの平均の組成に対応する、既知の入力データである、ステップ。
B.時点t
0以降の時点tごとに、気体状態または液体状態の天然ガスの所定の体積のVを減算し、前記体積は、この時点tでのタンクの運転状態に対応しており(このタンクが、停止している車両によって輸送されている場合はV=0、そうでなければ、VはNGにおける車両の消費に対応する)、減算後の残存天然ガスの体積に基づいて、タンク内の液体の天然ガスと気体の天然ガスの質量とエネルギーの保存に基づく式を用いて、物理的パラメータp(t)、T
gas(t)、T
liq(t)を計算するステップ。
C.圧力p(t)がp
valveより小さい限り、一定の物理的時間δt(熱流、および熱力学的平衡の時定数による、具体的には約1分)を用いた次の時点t+δtに関しても、ステップBの計算を繰り返すステップ。
D.p(t)、p(t+δt)、…、p(t+N*δt)の計算プロセスのN回の反復の間に、圧力p(t+N*δt)が圧力p
valve以上になったらすぐに、計算を停止するステップ。
E.求められる自立時間は、計算の停止の瞬間にアルゴリズムによって経過した総持続時間N*δtと同じである。
【0012】
タンクは、開かれたシステム(この場合は運行中の車両によって運ばれる)または閉められたシステム(この場合、停止した車両によって運ばれる、すなわち運ばれていない)で動作可能である。
【0013】
図2には、本発明による方法が示されている。
【0014】
タンクに関する入力データに関し、このタンクは、様々な形態、例えば、角柱形、円筒形、または球形を有し得る。その寸法は、通常、長さが約1.5m、円筒形タンクの直径が0.5mである。タンクのバルブの設定圧力p
valveは、LNGタンクの製造業者によって与えられる。容積が300リットルの容器の場合、通常、約16バールであり、最大25バールの範囲であってもよい。
【0015】
この用途に関して、「自然気化率」という用語は、タンクが開かれるときの熱の入力のために、気化する液体の1日の等量を意味する。これはタンクの特定の値でもあり、通常は製造業者によって与えられる。
【0016】
NGに対する熱力学的パラメータに関しては、
図1に示すように、タンク内に含まれる液化天然ガスは、液体状態の天然ガス層と気体状態の天然ガス層とに分けられていると想定する。各層は、温度T
liq(t)およびT
gas(t)(それぞれ液体状態のLNG層および気体状態のLNG層に関する)およびその組成x
liq(t)およびx
gas(t)(それぞれLNGの層とGNGの層に関する)により、各時点で規定される。
【0017】
気相(すなわち、気体状態の天然ガス層)は、Peng−Robinsonの状態方程式
[1]によって各時点で計算される圧力p(t)によってより具体的に特徴付けられ、液相(すなわち液体状態の天然ガス層)は、液体状態の天然ガス層によるタンクの充填率zによって具体的に特徴付けられ、これは通常タンクの装填後約80〜90%容積であり、自立時間の終わりには、約10〜20%の量である。
【0018】
組成x
liq(t)およびx
gas(t)は、LNG(通常、CH
4、C
2H
6、C
3H
8、iC
4H
10、nC
4H
10、iC
5H
12、nC
5H
12、nC
6H
14およびN
2の質量含有率LNGの気相または液相)の各成分の質量含有率を与えるベクトルである。なお、液相および気相は、必ずしも熱力学的平衡にあるとは限らない。実際、充填中の気相の圧縮では、2つの相(過冷却状態の液体)の間の熱交換に遅れが誘発される。
【0019】
本発明による計算方法は、様々なステップA〜Dを含むアルゴリズム(またはNGの挙動コード)からなる。このコード(または、アルゴリズム)では、圧力に影響を与えるいくつかの物理現象(以下に詳細に説明する)が考慮されている。
ガスの圧縮性、
伝導による熱の侵入、
放射による熱の侵入
LNGの蒸発
【0020】
NGの挙動コードは反復型である。すなわちバブルの開放まで、各物理的時間ステップδtでの圧力の変化を計算する。
【0021】
第1のステップ(ステップA)では、圧力センサと温度センサを用いて、ガスの圧力p(t
0)と液体の温度T
liq(t
0)を測定することにより(連続的に)を、時点t
0での液化天然ガスの前記層の物理的パラメータを初期化する。一方、液体x
liq(t
0)および気体x
gas(t
0)相の各組成は、タンクの装填時の液相および気相のそれぞれの組成に対応する、あるいは、使用されるLNGのタイプの平均の組成に対応する、既知の入力データである。
【0022】
次に、時点t
0以降の時点tごとに、タンクの運転状態に対応する気体状態または液体状態の所定量の天然ガスVが減算される。次いで、ステップBの間に、タンク内に含まれる液体および気体の天然ガスのエネルギーおよび質量の保存に基づく方程式を用いて、物理的パラメータp(t)、T
gas(t)およびT
liq(t)の計算が行われる。
【0023】
以下に詳述するこれらの方程式は、非冷却タンクが閉められているシステムとみなされるという想定に基づき、したがって、質量保存式は気相と液相との間で相補的であり、表面蒸発が質量の移動を可能にする唯一の現象と考えられる。
【0024】
液体の質量の計算は、液体の温度T
liq(t)における天然ガスによるタンクの充填率zおよびLNGの密度を考慮に入れて行われる。
【0025】
気相の質量の変化は、関係式(1)によって得られる。
【数1】
なお、
m
iは天然ガスの成分の質量流量iを示し(挙動則で考慮されるべき物理現象を記述する記述部分の表面蒸発に関する段落をさらに参照)、
x
Ev,liq,iは、液体層の自由表面(言い換えれば、液体面と気体面との間の界面)におけるLNGの蒸発に関連する成分の質量含有率iを示す。
【0026】
液相に用いられるエネルギー保存の式は、関係式(2)で得られる。
【数2】
なお、
h
liqは、液相のトータルエンタルピーを示し、
Фは、LNGに作用する各現象に関連する熱流を示し、
φ
liqCondは、特にタンクの濡れた壁(側面と底面)を介した伝導による寄生熱の入力を示し、
Ф
Rayは、具体的には、気相への入射放射線(タンクの上層)を示し、
Ф
Evは、液体LNGの層の自由表面で蒸発したLNGの流れを示す。
【0027】
気相のエネルギー保存の均衡は、次の関係式(3)で得られる。
【数3】
なお、
h
gazは、気相のトータルエンタルピーを示し、
Ф
Evは上記に定義し、
φ
gazCondは、特にタンクの濡れた壁(側面と底面)を介した伝導による寄生熱の入力を示す。
【0028】
上述したように、気相の圧力p(t)はPeng−Robinson方程式
[1]によって計算することができる。
【0029】
気体の温度T
gas(t)および液体の温度T
liq(t)は、各相の一定体積における熱容量Cvによって決定され得、関係式(4)で得られる。
【数4】
なお、
T(t)は、時点tで計算される対象の相の温度を示す。
hは、対象の相のエンタルピーを示す。
Cvは、対象の相の一定体積における熱容量を示す。
【0030】
本発明による方法によるタンクの自立時間の計算において考慮される、圧力p(t)に影響を及ぼす主要な物理的現象には、具体的には、ガスの圧縮性、伝導による熱の侵入、放射を介する熱の侵入、およびLNGの蒸発が含まれる。次に、これらの現象を詳述する。
【0031】
表面蒸発
液相と気相との間の熱交換および質量は、液体状態で貯蔵されたLNGのコアとその自由表面との間の差である表面蒸発則によって誘導されると考えられる。タンクの気相における圧力p(T)は、この圧力に対応する液体/蒸気表面におけるNGの平衡温度に影響を与えることによって表面の蒸発に影響を及ぼす。LNGの自由表面の温度は、LNGの平衡温度と等しいと想定される。
【0032】
静止しているNGのタンク内での蒸発は、表面上で起こる局所的な現象である。相の変化は、比較的「穏やか」であり(すなわち、沸騰せず、比較的薄い限界層で)、沸騰することなく起こる。本発明による方法のアルゴリズムでは、自然の乱流対流の法則に基づく法則を用いることができ、これは特に形式
[2]をとる。
(5)q
ev=K・(ΔT
surchauffe)
α
なお、
Kは、常に正であるLNGに対する定数を示し、
ΔT
overheatは、LNGタンク内の蒸発現象中に発生する過熱を示し、
Q
evは、LNGの標準化された蒸発率を示し、
αは、LNGに関する係数を示し、1≦a≦2である。
【0033】
壁面の熱伝導
壁との熱交換のために、均一で一定の壁面流が考慮され得る。流量の値は計算した入力量であり、製造業者の基準による自然気化率(BOR)に直接的に関連する。
【0034】
壁の熱放射
濡れていない縦の壁も、熱流のシートとなり得、気相を加熱する効果を有するが、放射線による液体の加熱にも寄与する。
【0035】
液体を加熱するときの気相の寄与を考慮するために、全ての表面上の放射平衡を確立する、すなわち、LNG(界面)の自由表面、およびタンクの濡れていない表面(タンクの表面はタンク内のNGの気相とだけ接触する)上の放射平衡を確立する単純なモデルを使用することができる。このモデルの想定の詳細を以下に説明する。
自由表面は、LNGの飽和温度では、平坦であると想定される。一方、この面は、ε=α=1、ρ=0、(εは放射率、αは吸収率、ρは反射率を示す)の黒色であると想定される。
タンクの垂直壁は一定の温度にあると想定される。これらの面も一定の放射率ε=α=cte、ρ=1−αを有する灰色であると想定される。
気体は壁の放射に対して透明であると想定される。
【0036】
関与する表面ごとに、これらのエクスチェンジを支配するためにラジオシティの式を使用することが可能である。
(6)Φ
net=Surface×(Rayonnemert renvoye−Rayonnemert incident)=S×(J−E)
なお、
Eは、照明(または入射光束)を示し、
Jは、(εσT
4+ρE)として表されるラジオシティを示し、
S
Surfaceは、関与する表面の領域を示し、
Ф
netは、この表面で受信された正味フローを意味する。
【0037】
したがって、物理的パラメータp(t)、T
gas(t)、およびT
liq(t)のステップBにおける計算は、好都合にも、以下のように定義されたステップに従って実行することができる。
液体状態の天然ガスと気体状態の天然ガスの熱容量、タンクの製造者により規定されるタンクの断熱、ならびに、LNGおよびGNGの時点t−δtにおける温度を、入力データとして使用して、エネルギー変換式により、液相の温度T
liq(t)と気相の温度T
gas(t)を直接算出するステップ。
時点t−δtにおいて、前のステップで算出される液体の温度と圧力に従って関係式(5)によって、気相に蒸発した液体の質量を算出するステップであって、
(7)q
ev=K・(ΔT
surchauffe)
α
なお、
Kは、LNGに対する、常に正の値をとる定数を示し、
ΔT
overheatは、LNGタンク内の蒸発現象中に発生する過熱を示し、
Q
evは、LNGの標準の蒸発率を示し、
αは、LNGに対する係数を示し、1≦a≦2の条件を満たし、
aは、LNGに対する係数であり、1≦a≦2での条件を満たす、ステップ。
時点tにおける液体の蒸発質量、タンクの容積、および気体の温度を入力データとして、Peng−Robinson方程式によって、気相の圧力p(t)得るステップ。
【0038】
本発明による方法のアルゴリズムのステップCの間、圧力p(t)がp
valveより小さい限り、次の時点t+δt(一定の物理的時間ステップδtを用いる)に関して、質量およびエネルギーの保存の式を再スタートすることにより、ステップBの計算を繰り返す。この時間ステップδtは約1分でよい。その値は、熱力学的平衡の時定数である熱流に依存する。
【0039】
p(t)、p(t+δt)、…、p(t+N*δt)を計算するプロセスのN回の反復の間に、時点t+N*δtでの気相の圧力p(t+N*δt)が、バブルの開バブル圧力p
valve以上になると、アルゴリズムを終了させ(ステップD)、計算の終了と同時にアルゴリズムによって経過する総持続時間N*δtである、アルゴリズムによって移動された総持続時間を戻す(ステップE)。
【0040】
この自立時間を知っているオペレータは、タンクの自律性の持続時間、すなわち、タンクのバルブを開く前のタンク内のLNGの残りの保持時間(または貯蔵時間)を推定することができる。
【0041】
好都合にも、本発明の方法では、時刻t
0+ΔTにおける自立時間を再計算するために、時間間隔ΔT(計算機の技術に従って定義される)が経過するとすぐに、ステップAからDの全てのステップが繰り返される。通常、この時間間隔は約1分であるが、使用される技術(電卓、特にMMIインターフェース)によって異なり得る。
【0042】
好都合にも、本発明による方法のアルゴリズム(または挙動コードNG)は、MMIインターフェースに接続した計算機によって実行可能であり、これにより、この自立時間にオペレータに知らせることができる。MMIインターフェースに接続する計算機のおかげで、自立時間の物理的計算が、全ての時間間隔ΔT(使用される技術により様々である、例えば、1分ごと)で実行可能であり、この計算の結果をMMIに送信することができる。
【0043】
上述のように、異なるタイプのデータを計算機に入力しなければならない。
タンクに関するデータ(ユーザが一度だけ入力する):
タンクの形状(プリズム形、円筒形、球状など)、
タンクの寸法、
タンクの自然気化率(すなわちBOR)、
熱入力の評価(製造業者からのデータ)、ならびに
バルブp
valveの校正、
NGの組成(タンクの装填開始時または平均組成の使用開始時)、および
センサによって(連続的に)提供されるデータ:気体および液体の温度および気体の圧力
【0044】
したがって、本発明はまた、非冷却タンクの自立時間をリアルタイムで計算するシステムを対象としており、バルブの設定圧力p
valve、その形状、およびその寸法、ならびにその自然気化率によってタンクが規定された状態で、そのタンクの自立時間を計算する計算機によってアルゴリズムが実行さる。
この本発明によるシステムは、
液化天然ガスを含むタンクであって、液化天然ガスが、
液体状態の天然ガスの層であって、液体状態は、所与の時点tにおいて、温度T
liq(t)、組成x
liq(t)、および、前記天然ガス層によるタンクの充填率によって規定される、液体状態の天然ガスの層と、
気体状態の天然ガスの層であって、気体状態は、所与の時点tにおいて、温度T
gas(t)および組成x
gas(t)、ならびに圧力p(t)によって規定される、気体状態の天然ガスの層と、に分割されている、タンクと、
圧力センサおよび温度センサと、
を含み、前記システムが、
前記圧力センサおよび温度センサに接続されている計算機であって、前記計算機は、本発明に従って規定される方法のアルゴリズムを実行することができる、計算機と、
MMIインターフェースに接続する計算機によって実行されると、本発明による方法のアルゴリズム(すなわち挙動コードLNG)に従って計算される自立時間をオペレータに通知するために、前記計算機とやりとりをするMMIインターフェースと、
をさらに含む。
【0045】
本発明の枠組みの中で使用されているMMI(MMI:Man−Machine Interface)インターフェースにより、具体的には、車のダッシュボード、コンピュータ・キーボード、LED表示灯、タッチスクリーン、タブレットが可能となる。
【0046】
本発明によるシステムの好適な実施形態によれば、本発明によるシステムは、オンボードシステムであり、
この計算機は、前記圧力センサおよび温度センサに接続されているオンボード計算機であり、前記計算機は、本発明による方法のアルゴリズムを実行するように特別に設計され、
このMMIインターフェースもオンボードでよい、あるいは、例えば、車両が中央制御装置に接続していれば、オフセットでもよく、
オンボードの場合、このMMIインターフェースは、具体的には、本発明の方法に従って、このオンボード計算機とやりとりして、計算される自立時間をオペレータ(ここではドライバー)に報告する車両のオンボードダッシュボードタイプでよい。
【0047】
本発明による方法のアルゴリズムを実行するように特別に設計された計算機という用語は、本発明に関して、専用ストレージメモリおよびインターフェースのマザーボードに関連するプロセッサを備えるオンボードコンピュータを意味し、機械的、熱力学的、および電磁気的抵抗の観点から「オンボードコンピュータ」ユニットの堅牢性を保証するようこれらの要素の全てが組み立てられ、LNG車両に使用に適合可能となる。
【0048】
具体的には、この計算機には、画面やキーボードがさらに含まれ得る。この計算機は、2つのセンサ(1つは圧力用、もう1つは温度用)に接続し、これらのセンサにより、タンク内のLNGの状態に関する情報が提供される(
図1参照)。
【0049】
図2には、本発明によるシステムが示される。
【0050】
また、本発明は、本発明に従うLNGタンクおよびシステムを備える車両(陸上、海上、または航空)も対象とするものであり、タンクおよびシステムは上で定義したものである。オペレータにとって重要な情報である自立時間(例えば、車両のドライバーまたは遠隔操作者)は、例えば、車両のダッシュボード、および/または、車両の側面に好適に表示され得る。
【0051】
したがって、本発明は、以下の複数の利点を有する。
全てのLNGタンクに関する維持持続時間情報を即時に提供する。
純粋なメタンが基準となる現在の基準ではなく、計算におけるLNGの品質を考慮することができる。
不均衡なLNGを管理することができる。
タンク屋根の圧縮性を報告することができる。
【0052】
本発明のその他の利点および特徴は、非限定的な例として提供され、添付図面を参照して行われる以下の説明から明らかとなる。