特許第6864813号(P6864813)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーションの特許一覧
特許6864813テラヘルツ検出器およびその形成方法、およびスペクトル検出器
<>
  • 特許6864813-テラヘルツ検出器およびその形成方法、およびスペクトル検出器 図000002
  • 特許6864813-テラヘルツ検出器およびその形成方法、およびスペクトル検出器 図000003
  • 特許6864813-テラヘルツ検出器およびその形成方法、およびスペクトル検出器 図000004
  • 特許6864813-テラヘルツ検出器およびその形成方法、およびスペクトル検出器 図000005
  • 特許6864813-テラヘルツ検出器およびその形成方法、およびスペクトル検出器 図000006
  • 特許6864813-テラヘルツ検出器およびその形成方法、およびスペクトル検出器 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6864813
(24)【登録日】2021年4月7日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】テラヘルツ検出器およびその形成方法、およびスペクトル検出器
(51)【国際特許分類】
   G01J 1/02 20060101AFI20210419BHJP
   H01L 31/08 20060101ALI20210419BHJP
   G01J 3/36 20060101ALI20210419BHJP
   H01L 27/144 20060101ALI20210419BHJP
   C01B 32/172 20170101ALI20210419BHJP
   C01B 32/176 20170101ALI20210419BHJP
【FI】
   G01J1/02 C
   H01L31/08 Z
   G01J3/36
   H01L27/144 Z
   C01B32/172
   C01B32/176
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-545327(P2018-545327)
(86)(22)【出願日】2017年2月22日
(65)【公表番号】特表2019-518194(P2019-518194A)
(43)【公表日】2019年6月27日
(86)【国際出願番号】IB2017050996
(87)【国際公開番号】WO2017163137
(87)【国際公開日】20170928
【審査請求日】2019年7月29日
(31)【優先権主張番号】15/077,025
(32)【優先日】2016年3月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100108501
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 剛史
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(72)【発明者】
【氏名】ファルク、アブラム
(72)【発明者】
【氏名】ファーマー、デイモン、ブルックス
(72)【発明者】
【氏名】ハン、シュー−ジェン
【審査官】 蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0228897(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0267053(US,A1)
【文献】 特開平05−264343(JP,A)
【文献】 HE et al.,Carbon Nanotube Terahertz Detector,Nano Lett.,2014年 5月29日,14,3953-3958
【文献】 LI et al.,Langmuir-Blodgett Assembly of Densely Aligned Single-Walled Carbon Nanotubes from Bulk Materials,Journal of the American Chemical Society,2007年,129,4890-4891
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 1/00−1/60、5/00−5/62
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出器を形成する方法であって、
複数の半導体カーボン・ナノチューブを並列に基板上に整列させて、ナノチューブの単分子層の積層物を形成することと、ここで、該ナノチューブの単分子層の積層物は、複数のナノチューブの単分子層を積み重ねた物である、
前記ナノチューブ単分子層の積層物における整列させた前記複数の半導体カーボン・ナノチューブを、検出周波数に対応する均一長になるように、20nm〜5μmに切断することと、
前記ナノチューブ単分子層の積層物の両端部に金属接点を形成することと
を含む、前記方法。
【請求項2】
複数のカーボン・ナノチューブを成長させることと、
半導体ナノチューブのみが残るように前記複数のカーボン・ナノチューブを精製することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カーボン・ナノチューブを精製することは、
選択剤を含む溶液に前記カーボン・ナノチューブを溶かし、前記溶液を加熱して、前記選択剤を半導体カーボン・ナノチューブに結合させることと、
遠心機において非半導体カーボン・ナノチューブから前記半導体カーボン・ナノチューブを分離することと
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記溶液はトルエンであり、前記選択剤は、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−co−(6,6’−{2,2’−ビピリジン})]である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の半導体カーボン・ナノチューブを並列に基板上に整列させることは、
前記複数のカーボン・ナノチューブを含む分散液を収容する容器内に前記基板を置くことと、
前記複数のカーボン・ナノチューブを並列に整列させるために前記容器の壁を接近させることと、
前記基板の表面上に並列のカーボン・ナノチューブの層を付着させるために前記基板を前記容器から取り出すことと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記金属接点の上に誘電層をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記均一長はテラヘルツ放射線に関連したプラズモン共鳴に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の半導体カーボン・ナノチューブを並列に基板上に整列させることは、第1の金属接点および第2の金属接点の共有される軸に垂直である軸方向に並列に前記複数の半導体カーボン・ナノチューブを配置することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
検出器であって、
複数の半導体カーボン・ナノチューブが並列に基板上に整列されている、検出周波数に対応し、20nm〜5μmの均一長を有する該半導体カーボン・ナノチューブの単分子層の積層物であって、ここで、該ナノチューブの単分子層の積層物は、複数のナノチューブの単分子層を積み重ねた物であり、該半導体カーボン・ナノチューブが切断面を有する、前記積層物と、
前記カーボン・ナノチューブの単分子層の積層物の第1の側と接触する第1の金属接点と、
前記第1の側と反対の、前記カーボン・ナノチューブの単分子層の積層物の第2の側と接触する第2の金属接点と
を備えている、前記検出器。
【請求項10】
前記第1の金属接点は、前記第2の金属接点を形成する金属と異なる金属から形成されている、請求項に記載の検出器。
【請求項11】
前記第1の金属接点はパラジウムから形成され、前記第2の金属接点はスカンジウムから形成される、請求項10に記載の検出器。
【請求項12】
前記カーボン・ナノチューブは、前記第1の金属接点および前記第2の金属接点の共有される軸に垂直である軸方向に、並列して配置される、請求項9に記載の検出器。
【請求項13】
複数の個々の検出器を含む検出器配列を備えており、
各検出器は異なるそれぞれの周波数に調整されており、
各検出器は、請求項乃至12のいずれか1項に記載の検出器である、
スペクトル検出器。
【請求項14】
前記個々の検出器のそれぞれから電圧を読み取り、周波数の範囲にわたってスペクトル応答を決定するように構成されたセンサ制御モジュールをさらに含む、請求項13に記載のスペクトル検出器。
【請求項15】
前記センサ制御モジュールは、前記検出器配列に対する較正を決定するために既知の強度の放射線下で前記個々の検出器のそれぞれから電圧を読み取るようにさらに構成されている、請求項13に記載のスペクトル検出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テラヘルツ分光法に関し、より詳細には、テラヘルツ検出器および分光器における均質な半導体ナノチューブの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
テラヘルツ電磁スペクトル(例えば、赤外線)は、セキュリティ、医用画像、通信、および製造に使用される。しかしながら、伴う波長が短いため、ソース、検出器、および光学部品を含むテラヘルツ技術は相対的に未発達である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
テラヘルツ電磁スペクトルを高感度で検出する方法、およびそのための検出器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
検出器を形成する方法は、半導体カーボン・ナノチューブを並列に基板上に整列させて、ナノチューブ層を形成することを含む。ナノチューブ層における整列させた複数の半導体カーボン・ナノチューブは、検出周波数に対応する均一長になるように切断される。ナノチューブ層の両端部に金属接点が形成される。
【0005】
検出器は並列に整列させた均一長を有するカーボン・ナノチューブの層を含む。第1の金属接点は、カーボン・ナノチューブの層の第1の側と接触させて形成される。第2の金属接点は、第1の側と反対の、カーボン・ナノチューブの層の第2の側と接触させて形成される。
【0006】
スペクトル検出器は、複数の個々の検出器を有する検出器配列を含み、各検出器は、異なるそれぞれの周波数に調整される。各検出器は、並列に整列させた、検出器のそれぞれの周波数に対応する均一長を有するカーボン・ナノチューブの層を含む。第1の金属接点が、カーボン・ナノチューブのそれぞれの層の第1の側と接触させて形成される。第2の金属接点が、第1の側と反対の、カーボン・ナノチューブのそれぞれの層の第2の側と接触させて形成される。
【0007】
これらのおよび他の特徴ならびに利点は、これらの例示の実施形態の以下の詳細な説明が、添付の図面と結び付けて読み取られることで明らかとなるであろう。
【0008】
本開示は、以下の図を参照して好ましい実施形態の以下の説明における詳細を提供するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本原理によるテラヘルツ周波数放射線検出器の図である。
図2】本原理によるテラヘルツ周波数放射線検出器を形成する方法のブロック/フロー図である。
図3】本原理によるテラヘルツ周波数放射線検出器の配列の図である。
図4】本原理によるテラヘルツ放射線スペクトルを測定する方法のブロック/フロー図である。
図5】本原理によるテラヘルツ・スペクトル検知システムのブロック図である。
図6】本原理による処理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態は、電磁スペクトルのテラヘルツ領域における検出器としてカーボン・ナノチューブを使用する。カーボン・ナノチューブは、プラズモン共鳴によってテラヘルツ領域における強力な吸収を呈する。本実施形態は、均一のサイズにしたナノチューブを金属接点の間に配置し、かつ、共鳴周波数での放射線がナノチューブに当たる時に信号を生成する光熱電効果(photothermoelectric effect)を利用する。本明細書に説明される検出器は、室温で高感度を有し、複数のこのような検出器をそれぞれ異なる周波数に調整することで、スペクトル分解をもたらすことができる。本実施形態は、約1.5THz〜約30THzの範囲にピーク検出周波数を有する検出器を提供することができる。
【0011】
ここで、同様の数字が同じまたは同様の要素を表す図面を参照する。初めに図1を参照すると、テラヘルツ検出器100のトップダウン図が示されている。検出器100は、第1の金属材料から形成される第1の金属接点102、および第2の金属材料から形成される第2の金属接点104を含む、2つの金属接点を含む。2つの金属接点の間に、並列の半導体カーボン・ナノチューブ106の層がある。ナノチューブ層106におけるナノチューブは、関連する共鳴周波数を提供する均一長を有し、関連する共鳴周波数が、ナノチューブが感応するのは入射放射線のどの周波数かを決定する。図示されるように、ナノチューブ層106におけるナノチューブは、金属接点102/104の間に平行に並べて配向され、ナノチューブの軸方向配向は2つの金属接点102/104を接続する軸に垂直である。
【0012】
放射線がナノチューブ層106に入射する時、その放射線はカーボン・ナノチューブの長さに沿ったプラズモン振動を誘導し、これによって、ナノチューブ層106は加熱される。プラズモンは、表面上の電荷を振動させるために結合される光照射野である。閉じ込め系において、プラズモンのエネルギーは、量子化された光である光子、または量子化された機械的振動である音子の説明と類似しているやり方で量子化される。したがって、それぞれのナノチューブは、その長さによって決定される特徴的なプラズモン共鳴周波数を有し、これによって、その特徴的な周波数においてプラズモンに結合する関連した電磁周波数が決定される。
【0013】
ナノチューブ層106が金属接点102および104に対して加熱されるとき、光熱電圧は、ナノチューブ層106と金属接点102および104との間に誘導される。(金属カーボン・ナノチューブを含むのとは対照的に)ナノチューブ層106において半導体カーボン・ナノチューブのみを使用することによって、光熱電圧は増大する。
【0014】
第1の金属接点102および第2の金属接点104は、デバイスにダイオード特性を与える異なる仕事関数を有する金属から形成される。結果として、ナノチューブ層と各金属接点102および104との間の界面における光熱電圧は異なっており、それによって、第1の金属接点102から第2の金属接点104までの、検出器100全体にわたる正味光熱電圧は、バイアス電圧が加えられていないときでもゼロにはならない。この電圧は、2つの金属接点102および104の間で測定され、かつ検出電圧を表す。
【0015】
ここで図2を参照すると、テラヘルツ検出器を形成する方法が示されている。ブロック202ではカーボン・ナノチューブのセットを成長させる。ナノチューブは、例えば、化学気相成長(CVD)、レーザ蒸着、およびアーク放電プロセスを含むこれらの構造を形成するための任意の適切なプロセスによって成長させることができる。
【0016】
カーボン・ナノチューブは、成長させると、一般的に、ほぼ1/3の金属構造および2/3の半導体構造の割合で形成され、ナノチューブを表すためにグラフェン・シートをどのように「巻くことができる」かに応じた、ナノチューブの電気特性を有する。とりわけ、ナノチューブは、一対の指標(m、n)によって説明され、各指標はグラフェン格子に沿ったベクトルを表す。n−mが3で割り切れる場合、結果として生じるナノチューブは金属であるの対して、他のナノチューブは半導体である。
【0017】
ナノチューブ層106によって生じた光熱電圧は、ナノチューブが半導体ナノチューブである場合、より強力であるため、ブロック206ではナノチューブを精製する。これは、ブロック203において、溶液中のナノチューブを半導体の溶液および金属の溶液に分離することによって達成される。とりわけ、ナノチューブはトルエンおよびポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−co−(6,6’−{2,2’−ビピリジン})](PFO−BPyとして知られる)の溶液に溶かされる。ブロック204において、この溶液を数分間約80度まで加熱することで、PFO−BPyをカーボン・ナノチューブに巻き付け、それらをトルエン中に分散させる。PFO−BPyは半導体ナノチューブだけを選択し、それによって、半導体ナノチューブのみを分散させる。その後、ブロック205において、遠心機を使用して、半導体ナノチューブを溶液中の金属ナノチューブから分離することができる。
【0018】
半導体ナノチューブが精製された後、ブロック208において、それらを基板上に付着させて、整列したカーボン・ナノチューブの薄膜を形成する。この基板は、ポリイミド薄膜などの、任意の適切な、平坦で、熱的に絶縁しかつ電気的に絶縁する材料から形成可能である。ナノチューブを付着させるために、可動壁を有するウェルで囲まれた、精製されたナノチューブ分散液に基板を浸漬させる。壁の縁部を、ゆっくりと共に移動させる。壁が互いに接近すると、ナノチューブは表面上で整列するように押し込まれる。これらナノチューブが整列したら、分散液の中から基板をゆっくりと持ち上げて、基板上に平行に整列したナノチューブの薄膜を残す。これによって、薄膜上にナノチューブの単分子層が数個残る。このことは、ナノチューブのより厚い膜を得るために複数回繰り返すことができる。
【0019】
精製されたナノチューブが整列すると、ブロック216では、ナノチューブを均一長になるように切断する。これによって、ナノチューブの吸収スペクトルはシャープになり、検出器100は狭い範囲の周波数に感応する。このことは、例えば、酸素中における反応性イオン・エッチング、およびフォトリソグラフィまたは電子ビーム・リソグラフィ・プロセスを使用して、達成可能である。電子ビーム・リソグラフィ・プロセスが使用される場合、ナノチューブ薄膜は、例えば、ポリメチル・メタクリレート(PMMA)によって被覆され、ナノチューブがエッチングされるストライプは、走査型電子顕微鏡によって露光される。イソプロピル・アルコールおよび水の溶液における現像によって、露光したポリマーを選択的に溶解し、下のナノチューブの表面を露出させる。代わりに、フォトリソグラフィが使用される場合、紫外線露光は電子ビーム露光と置き換えられ、異なるポリマーを使用して、切断されるべきナノチューブの領域を定める。
【0020】
次いで、酸素中における反応性イオン・エッチングによって、露出したナノチューブ領域がエッチング除去され、その後、ポリマーは溶剤によって洗い流される。ナノチューブの多くのストライプをエッチングすることによって、ナノチューブの長さは、約5nm〜5μmの例示の範囲のどこかに正確に設定可能である。
【0021】
ブロック218では、ナノチューブ層106上にナノチューブの両縁部を接触させる金属接点102および104を形成する。上記のように、検出器100全体にわたる正味熱電力は、2つの異なる金属が金属接点102および104に使用されるとき最大化される。1つの例示の実施形態では、p型接点にはパラジウムが使用可能であり、n型接点にはスカンジウムが使用可能であるが、代わりに、代替的な金属が用いられてよいことは理解されるべきである。第1の金属接点102および第2の金属接点104の領域は、例えば、フォトリソグラフィ、電子ビーム金属蒸着、およびリフトオフプロセス(lift-off process)によって定められる。
【0022】
金属接点102および104の形成後、ブロック220では、誘電材料、例えば、約20nmの厚さの酸化アルミニウムを使用して不動態化層を形成して、検出器表面の酸化を防止し、検出器100の安定性を向上させる。
【0023】
本発明が、ウエハを有する所与の例示のアーキテクチャの観点から説明されることになるが、本発明の範囲内で、他のアーキテクチャ、構造、基板材料およびプロセスの特徴ならびにステップを変えることができることは理解されたい。
【0024】
また、層、領域、または基板などのある要素が別の要素「上に」またはこれの「上方に」あると称されるとき、この要素は、他の要素の上に直接あるとすることができる、または介在要素が存在する場合もあることは理解されるであろう。対照的に、ある要素が別の要素の「上に直接」または「真上に」あると称されるとき、存在する介在要素はない。また、ある要素が別の要素に「接続される」または「結合される」と称されるとき、この要素は、他の要素に直接接続または結合され得る、または介在要素が存在する場合があることは理解されるであろう。対照的に、ある要素が別の要素に「直接接続される」または「直接結合される」と称されるとき、存在する介在要素はない。
【0025】
集積回路チップの設計はグラフィカル・コンピュータ・プログラミング言語でもたらされてよく、(ディスク、テープ、物理ハード・ドライブ、またはストレージ・アクセス・ネットワークなどにおける仮想ハード・ドライブなどの)コンピュータ記憶媒体に記憶されてよい。設計者がチップまたはチップを製作するために使用されるフォトリソグラフィ・マスクを製作しない場合、設計者は結果として生じる設計を、物理的手段によって(例えば、設計を記憶する記憶媒体のコピーを提供することによって)または電子的に(例えば、インターネットによって)かかるエンティティに直接または間接的に送信可能である。記憶された設計は次いで、フォトリソグラフィ・マスクの製作のために適切なフォーマット(例えば、GDSII)に変換される。この設計は、典型的には、ウエハ上に形成されるべき、当該チップ設計の複数のコピーを含む。フォトリソグラフィ・マスクを活用して、エッチングあるいは別の処理が行われるべきウエハの領域(またはウエハ上の層あるいはその両方)を定める。
【0026】
本明細書に説明される方法は、集積回路チップの製作において使用されてよい。結果として生じる集積回路チップは、ベア・ダイとして、未加工のウエハ形態で(すなわち、複数の非パッケージ化チップを有する単一のウエハとして)、またはパッケージ化形態で、製作者によって分配することができる。後者の場合、チップは単一チップ・パッケージ(マザーボードに取り付けられたリードを有するプラスチック支持体、または他のより高レベルの支持体など)において、または、マルチチップ・パッケージ(表面相互接続または埋め込み相互接続のいずれかまたは両方を有するセラミック支持体など)において実装される。いずれの場合でも、チップは次いで、他のチップ、ディスクリート回路要素または他の信号処理デバイスあるいはその組み合わせと共に、(a)マザーボードなどの中間製品、または(b)最終製品のどちらかの一部として統合される。最終製品は、玩具および他の低価格帯の用途から、ディスプレイ、キーボードまたは他の入力デバイス、および中央処理装置を有する高度なコンピュータ製品に及ぶ、集積回路チップを含む任意の製品とすることができる。
【0027】
本明細書において、本原理の「1つの実施形態」または「一実施形態」、および、これらの他の変形に言及することは、実施形態に関連して説明される、特定の特徴、構造、および特性などが、本原理の少なくとも1つの実施形態に含まれるということを意味する。よって、本明細書全体を通してさまざまな場所に出現する、「1つの実施形態において」または「一実施形態において」という語句、および、任意の他の変形の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態に言及しているわけではない。
【0028】
例えば「A/B」、「AまたはBあるいはその両方」、および「AおよびBの少なくとも1つ」の場合の、以下の「/」、「〜または…あるいはその両方」、および「〜の少なくとも1つ」のいずれかの使用は、第1の列挙される選択肢(A)のみの選択、または、第2の列挙される選択肢(B)のみの選択、または、両方の選択肢(AおよびB)の選択を包含することが意図されるということは理解されたい。さらなる例として、「A、B、またはC、あるいはその組み合わせ」、および「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」の場合、そのような言い回しは、第1の列挙される選択肢(A)のみの選択、または、第2の列挙される選択肢(B)のみの選択、または、第3の列挙される選択肢(C)のみの選択、または、第1および第2の列挙される選択肢(AおよびB)のみの選択、または、第1および第3の列挙される選択肢(AおよびC)のみの選択、または、第2および第3の列挙される選択肢(BおよびC)のみの選択、または、3つの選択肢全て(AおよびBおよびC)の選択を包含することが意図される。このことは、当技術分野および関係する技術分野の当業者により容易に明らかなように、多くの列挙される項目だけ拡張され得る。
【0029】
ここで図3を参照すると、検出器配列300が示されている。検出器配列300は、いくつかの個々の検出器100を含み、これらのそれぞれは、異なる長さのナノチューブを有するそれぞれのナノチューブ層106を有する。センサ制御システム304は、検出器100のそれぞれに対して金属接点102および104にわたる電圧を監視し、かつそれぞれのこのような出力電圧を、それぞれの検出器100に関連付けられたそれぞれの周波数に関連付ける。
【0030】
検出器配列300はスペクトル感度をもたらす。カーボン・ナノチューブにおけるプラズモン共鳴は、テラヘルツ電磁場に結合される縦方向の電荷振動を特徴とする。ナノチューブの長さの上下の往復を行う電荷振動に対応する共鳴条件は、ナノチューブ長の影響を受ける。そしてまた、プラズモン共鳴の周波数は、検出器100が放射線を吸収するピーク周波数を決定する。したがって、ナノチューブを、例えば、約20nm〜約5μmのセグメントに切断することによって、特定の検出器100が放射線を吸収する周波数は制御される。さらに、ナノチューブは各検出器100に対して均一のセグメントに切断されるので、各検出器100のプラズモン共鳴は処理されないナノチューブよりシャープになる。
【0031】
ここで図4を参照すると、テラヘルツ・スペクトル検知の方法が示されている。ブロック402では、検出器402を較正する。とりわけ、較正は、センサ制御システム304によって行われ、かつ、放射線の既知の強度にさらされるとき各検出器100による電圧出力を決定する。
【0032】
動作中、ブロック404では、配列300上の各検出器100からの電圧出力を測定する。ブロック406では次いで、ブロック402からの較正情報を使用して、検出器100の電圧応答が大幅に強い放射線の場合を除いて概して線形であるという事実を利用して、各検出器100によって測定された対応する放射線強度を決定する。ブロック408では、各それぞれの検出器100上のナノチューブの長さによって決定される、対応する周波数で、各検出器100によって測定された強度をプロッティングすることによって配列300のスペクトル応答をプロッティングする。
【0033】
本発明は、システム、方法、もしくはコンピュータ・プログラム製品、あるいはその組み合わせであってよい。コンピュータ・プログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(単数または複数)を含むことができる。
【0034】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによる使用のための命令を保持しかつ記憶することができる有形デバイスとすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子ストレージ・デバイス、磁気ストレージ・デバイス、光学ストレージ・デバイス、電磁ストレージ・デバイス、半導体ストレージ・デバイス、または前述の任意の適した組み合わせであってよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストは、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ポータブル・コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリ・スティック、フロッピー(R)・ディスク、パンチカードまたは命令が記録された溝内の隆起構造などの機械的符号化デバイス、および前述の任意の適した組み合わせを含む。本明細書で使用されるコンピュータ可読記憶媒体は、電波または他の自由に伝搬する電磁波、導波路または他の伝送媒体を通して伝搬する電磁波(例えば光ファイバ・ケーブルを通過する光パルス)、または電線を通して送信される電気信号など、それ自体が一時的信号であると解釈されるものではない。
【0035】
本明細書で説明されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体から各コンピューティング/処理デバイスに、またはネットワーク、例えば、インターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、広域ネットワーク、またはワイヤレス・ネットワーク、あるいはそれらの組み合わせを介して、外部コンピュータまたは外部ストレージ・デバイスにダウンロードされ得る。ネットワークは、銅製伝送ケーブル、光伝送ファイバ、ワイヤレス伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータ、またはエッジ・サーバ、あるいはそれらの組み合わせを含むことができる。それぞれのコンピューティング/処理デバイスにおけるネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インターフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、かつコンピュータ可読プログラム命令を、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体における記憶のために転送する。
【0036】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セット・アーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(R)またはC++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれた、ソース・コードもしくはオブジェクト・コードのどちらかとすることができる。コンピュータ可読プログラム命令は、専らユーザのコンピュータ上で、スタンド・アロン・ソフトウェア・パッケージとして部分的にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、および部分的にリモート・コンピュータ上で、または専らリモート・コンピュータもしくはサーバ上で、実行することができる。後者のシナリオにおいてリモート・コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通してユーザのコンピュータに接続可能であり、または外部コンピュータへの接続が(例えばインターネット・サービス・プロバイダを使用してインターネットを通して)なされ得る。いくつかの実施形態において、例えば、プログラマブル・ロジック回路構成、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、またはプログラマブル・ロジック・アレイ(PLA)を含む電子回路構成は、本発明の態様を行うために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用することによってコンピュータ可読プログラム命令を実行して電子回路構成をカスタマイズすることができる。
【0037】
本発明の態様は、本明細書において、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータ・プログラム製品の、フローチャート図またはブロック図あるいはその両方を参照して説明される。フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の各ブロック、およびフローチャート図またはブロック図あるいはその両方におけるブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実行可能であることが理解されるであろう。
【0038】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサを介して実行する命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックに指定される機能/動作を実施するための手段を作成するように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサに提供されて、マシンを作り出すものであってよい。これらのコンピュータ可読プログラム命令はまた、命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックにおいて指定された機能/動作の態様を実施する命令を含む製品を備えるように、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され、コンピュータ、プログラマブル・データ処理装置、または他のデバイス、あるいはそれらの組み合わせに特定のやり方で機能するように指示することができるものであってもよい。
【0039】
コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で実行する命令がフローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実施するように、コンピュータによって実施されるプロセスをもたらすべく、コンピュータ、他のプログラマブル・データ処理装置、または他のデバイス上にロードされて、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で一連の動作ステップを行わせるものであってもよい。
【0040】
図におけるフローチャートおよびブロック図は、本発明のさまざまな実施形態による、システム、方法、およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能性、および動作を示す。この点に関して、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、指定された論理機能を実施するための1つまたは複数の実行可能命令を含む、モジュール、セグメント、または命令の一部分を表すことができる。いくつかの代替的な実装形態において、ブロックに記された機能は、図に記されたものとは異なる順序で行われ得る。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際は実質的に同時に実行可能であり、またはブロックは関わる機能性に応じて、逆の順序で実行される時があってよい。また、ブロック図またはフローチャート図あるいはその両方の各ブロック、およびブロック図またはフローチャート図あるいはその両方におけるブロックの組み合わせは、指定された機能または動作を行う、または専用ハードウェアおよびコンピュータ命令を組み合わせて実行する、専用ハードウェア・ベースのシステムによって実施可能であることは留意されるであろう。
【0041】
ここで図5を参照すると、テラヘルツ・スペクトル検知のシステム500が示されている。検知システム500は、ハードウェア・プロセッサ502およびメモリ504を含む。さらに、検知システム500は、検出器配列506を含み、これは検知システム500と一体的に形成可能であり、または代替的には、検知システム500との間に電圧読み取りおよび制御接続を有する別個のデバイスであってもよい。
【0042】
検知システム500はセンサ制御モジュール508をさらに含む。センサ制御モジュール508は、メモリ504に記憶され、かつプロセッサ502によって実行されるソフトウェアとして実装されてよい。代替的には、センサ制御モジュール508は、例えば、特定用途向け集積チップまたはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイの形態の1つまたは複数のディスクリート・ハードウェア構成要素として実装されてよい。センサ制御モジュール508は、検出器配列506と通信し、かつ検出器配列506における各検出器100から電圧を検知する。センサ制御モジュール508は、さらにまた、既知の周波数で制御された光度下の電圧を検知することによって検出器配列506を較正する能力を有する。
【0043】
ここで図6を参照すると、送信デバイス100または受信デバイス120を表すことができる、例示の処理システム600が示されている。処理システム600は、システム・バス602を介して他の構成要素に動作可能に結合される少なくとも1つのプロセッサ(CPU)604を含む。キャッシュ606、読み出し専用メモリ(ROM)608、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)610、入力/出力(I/O)アダプタ620、音声アダプタ630、ネットワーク・アダプタ640、ユーザ・インターフェース・アダプタ650、およびディスプレイ・アダプタ660は、システム・バス602に動作可能に結合される。
【0044】
第1のストレージ・デバイス622および第2のストレージ・デバイス624は、I/Oアダプタ620によってシステム・バス602に動作可能に結合される。ストレージ・デバイス622および624は、ディスク・ストレージ・デバイス(例えば、磁気または光学ディスク・ストレージ・デバイス)、およびソリッド・ステート磁気デバイスなどの任意のものとすることができる。ストレージ・デバイス622および624は、同じタイプのストレージ・デバイス、または異なるタイプのストレージ・デバイスとすることができる。
【0045】
スピーカ632は、音声アダプタ630によってシステム・バス602に動作可能に結合される。トランシーバ642はネットワーク・アダプタ640によってシステム・バス602に動作可能に結合される。ディスプレイ・デバイス662はディスプレイ・アダプタ660によってシステム・バス602に動作可能に結合される。
【0046】
第1のユーザ入力デバイス652、第2のユーザ入力デバイス654、および第3のユーザ入力デバイス656は、ユーザ・インターフェース650によってシステム・バス602に動作可能に結合される。ユーザ入力デバイス652、654、および656は、キーボード、マウス、キーパッド、画像取り込みデバイス、動き検知デバイス、マイクロホン、および先のデバイスの少なくとも2つの機能性を組み込むデバイスなどの任意のものとすることができる。当然ながら、他のタイプの入力デバイスはまた、本原理の思想を維持しながら使用可能である。ユーザ入力デバイス652、654、および656は、同じタイプのユーザ入力デバイス、または、異なるタイプのユーザ入力デバイスとすることができる。ユーザ入力デバイス652、654、および656は、システム600への、およびシステム600からの情報を、入力および出力するために使用される。
【0047】
当然ながら、処理システム600はまた、当業者により容易に企図されるように、他の要素(図示せず)を含み、ある特定の要素を省略する場合がある。例えば、さまざまな他の入力デバイスまたは出力デバイスあるいはその両方が、当業者により容易に理解されるように、処理システム600に、その特定の実装形態に応じて含まれる可能性がある。例えば、さまざまなタイプの、ワイヤレスまたはワイヤードあるいはその両方の、入力または出力あるいはその両方のデバイスが使用可能である。さらに、さまざまな構成での追加のプロセッサ、コントローラ、およびメモリなども、当業者により容易に理解されるように利用可能である。処理システム600のこれらのおよび他の変形は、本明細書に提供される本原理の教示を与えられることで、当業者により容易に企図される。
【0048】
均質なカーボン・ナノチューブの薄膜によるテラヘルツ検出および分光法の(例示であることが意図され、限定は意図されていない)好ましい実施形態を説明してきたが、上記の教示を考慮して変更および変形が当業者によってなされ得ることは留意されたい。したがって、添付の特許請求の範囲によって概説される本発明の範囲内にある、開示された特定の実施形態において変更がなされてよいことは、理解されたい。このように本発明の態様を、特許法により必要とされる詳細および特定性と共に説明したが、何が請求され、特許証により保護されるように所望されるかは、添付の特許請求の範囲に示される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6