(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ログアウト処理の際に、前記検出手段が当該ログアウトする識別情報とは異なる他の識別情報を検出している場合には、前記ログイン手段に前記他の識別情報で特定する操作者の自動でのログイン処理を行う交代手段、
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態おける管理システム1の構成を示した概略図である。管理システム1は、例えば、飲食店や、スーパーマーケットや、商業施設などの店舗において使用される。本図に示すように、管理システム1は、POS端末10と、識別タグ20−1,20−2,20−3とを備える。なお、以降の説明にあたり、識別タグ20−1,20−2,20−3について特に区別しない場合には、識別タグ20と記載する。POS端末10と識別タグ20とは、数メートル程度の通信距離により、非接触(無線)による通信を行う。
【0017】
なお、同図に示した管理システム1の構成は一例である。例えば、管理システム1の構成として、2台以上のPOS端末10を含む構成としてもよいし、2個以下または4個以上の識別タグ20を含む構成としてもよい。
【0018】
識別タグ20は、POS端末10を操作する操作者それぞれが所持する、UHF(Ultra High Frequency)帯域のRFID(Radio Frequency IDdentifier)のタグである。識別タグ20は、例えば操作者が胸の辺りで衣服に付ける名札に備えられればよい。識別タグ20は、対応する操作者を特定する識別情報を記憶している。識別タグ20は、通信相手となったPOSレジスタ20に対して、自己が記憶する識別情報を送信する。
【0019】
POS端末10は、店舗において顧客の購入商品の登録および精算を行うための装置である。POS端末10は、識別タグ20との通信状態に応じて、識別タグ20から受信した識別情報が特定する操作者のログイン又はログアウトに関する処理を実行する。ログイン又はログアウトに関する処理の詳細は後述する。
【0020】
以下、本実施形態によるPOS端末10について説明する。
図2は、本実施形態におけるPOS端末10の外観例を示す外観構成図である。
図2(A)は正面図であり、
図2(B)は斜視図である。
図3は、本実施形態におけるPOS端末10のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0021】
POS端末10は、CPU101と、ROM102と、RAM103と、スキャナ部104と、店員用表示部105と、客用表示部106と、ハードディスク107と、キー操作部108と、計量部109と、印字部110と、近距離通信部112とを備える。これらは、バス119を介して互いに接続されている。
【0022】
CPU101は、プログラムを実行することにより、POS端末10としての機能実現のための各種処理を実行する。
ROM102は、種々の情報を記憶する。例えば、CPU101が実行するプログラムを記憶する。また、ROM102は、店員用表示部105や客用表示部106による表示に関する情報(画面情報、メッセージ情報等)を記憶する。また、ROM102は、自装置を識別させるための装置番号(装置識別子)を記憶する。また、ROM102は、印字部110による印字に関する情報(印字内容、印字フォーマット情報等)を記憶してもよい。
RAM103は、CPU101が処理、演算を実行するにあたっての作業領域として利用される。
【0023】
スキャナ部104は、コード化された情報を光学的に読み取る。例えば、スキャナ部104は、客からは見えにくい位置に設置されている。
【0024】
店員用表示部105は、操作者(店員)側に向けて配置される。店員用表示部105は、タッチパネルとして構成され、表示された操作画面に対して指などの操作体が画面に触れることによる操作を受け付ける。
【0025】
客用表示部106は、客側に向けて配置され、客向けの表示を行う。なお、客用表示部106は、客による操作が可能なようにタッチパネルとして構成されてもよい。
【0026】
ハードディスク107は、CPU101の補助記憶装置としてPOS端末10に必要な各種の情報を記憶する。ハードディスク107は、例えば商品ファイル等を記憶してもよい。ハードディスク107は、登録処理等をCPU101に実行させるためのプログラムを記憶してもよい。また、ハードディスク107は、プログラムが実行されることによって生成される種々の情報を記憶してもよい。また、ハードディスク107は、店員用表示部105や客用表示部106による表示に関する情報や、印字部110による印字に関する情報を記憶してもよい。なお、ハードディスク107に代えて、SSD(Solid State Drive)が備えられてもよい。
【0027】
キー操作部108は、操作者からの種々の操作を受け付けるための各種の操作キー(置数キー、取消キー、風袋キー、追加キー、品番キー、実行キー等)を備える。
【0028】
計量部109は、秤台に置かれた商品等(商品及び該商品を入れた風袋)の重量を計量し、計量値を示したデータをCPU101に出力する。なお、計量部109から計量値を取得したCPU101は、計量値から所定の重量(風袋の重量)を減算して、秤台に置かれた商品を算出する。また、CPU101は、上述の如く算出した商品の重量をRAM103に一時記憶するとともに、表示部(店員用表示部105、客用表示部106)に表示させる。
【0029】
印字部110は、記録媒体に印字(印刷)し、発行口から発行(出力)する。例えば印字部110は、商品に貼り付けるラベルを発行することができる。
【0030】
近距離通信部112は、識別タグ20と非接触による近距離通信を行う。近距離通信部112は、通信している識別タグ20から識別情報を受信することにより、識別タグ20の記憶する識別情報が読み取り範囲内にあることを非接触で検出する検出手段を構成する。
【0031】
次に、POS端末10の店員用表示部105が表示する表示画面について説明する。
図4は、本実施形態におけるPOS端末10が表示するログイン前画面300の一例を示すイメージ図である。ログイン前画面300は、ログアウト処理後に表示される画面である。図示するように、ログイン前画面300には、各操作者を示すアイコン301−1〜301−6が表示される。なお、アイコン301−1〜301−6について特に区別しない場合には、アイコン301と記載する。POS端末10は、ログイン前画面300に表示しているアイコン301のうちいずれかが選択入力を受け付けると、パスワード入力画面400を表示する。
【0032】
図5は、本実施形態におけるPOS端末10が表示するパスワード入力画面400の一例を示すイメージ図である。図示するように、パスワード入力画面400には、パスワードを入力するためのボックス及びテンキーが表示される。POS端末10は、パスワード入力画面400においてパスワードの入力を受け付ける。POS端末10は、パスワード入力画面400において入力されたパスワードに基づいて認証し、認証OKである場合に、ログイン前画面300において選択されたアイコン301が示す操作者のログイン処理を実行する。そして、POS端末10は、ログイン後画面500を表示する。
【0033】
図6は、本実施形態におけるPOS端末10が表示するログイン後画面500の一例を示すイメージ図である。ログイン後画面500は、ログイン処理後に表示される画面である。図示するように、ログイン後画面500には、ログアウトするためのログアウトボタン501と、ログインした操作者「アルバイト」502とが表示される。また、ログイン後画面500には、POS端末10を操作するための各種アイコン(例えば、各メニューを示すアイコン等)が表示される。また、ログインした権限に応じてログイン後画面500に表示される或いは利用できるアイコンが異なる。
【0034】
続いて、管理システム1におけるPOS端末10へのログイン方法について説明する。まず、ログイン前画面300に表示されたアイコン301を選択し、パスワード入力画面400によりパスワードを入力することによりログインする手動ログインについて説明する。POS端末10のCPU101は、誰もログインしていない状態のときには、店員用表示部105にログイン前画面300を表示する。そして、CPU101は、ログイン前画面300に表示しているアイコン301のうちいずれかが選択入力を受け付けると、パスワード入力画面400を表示する。そして、CPU101は、パスワード入力画面400において入力されたパスワードが、ログイン前画面300において選択されたアイコン301が示す操作者のものである場合には認証OKとし、そうでない場合には認証NGとする。CPU101は、認証OKである場合に、選択されたアイコン301が示す操作者のログイン処理を実行してログイン後画面500を店員用表示部105に表示する。
【0035】
続いて、識別タグ20を用いて、識別情報に基づいて操作者のログイン処理を自動的に行う自動ログインについて説明する。
図7は、本実施形態におけるPOS端末10へのログイン方法を説明するための図である。POS端末10のCPU101は、誰もログインしていない状態のときには、店員用表示部105にログイン前画面300を表示する。そして、CPU101(ログイン手段)は、近距離通信部112が1つの識別情報のみを所定の設定時間(例えば、2秒)以上検出し続けた場合に、当該識別情報が特定する操作者(図示する例では「アルバイト」)のログイン処理を実行し、ログイン後画面500を店員用表示部105に表示する。これにより、操作者は、POS端末10に近づくだけで自動的にPOS端末10にログインすることができる。よって、ログインするためのパスワードを入力する手間が省けて、操作者の利便性が向上する。
【0036】
続いて、POS端末10が複数の識別情報を同時に検出した場合のログイン方法について説明する。
図8は、本実施形態におけるPOS端末10が表示するログイン前画面300の一例を示すイメージ図である。本図には、近距離通信部112が複数の識別情報を検出した場合の表示例を示す。
【0037】
POS端末10のCPU101(表示手段)は、近距離通信部112が複数の識別情報を同時に検出した場合には、検出した複数の識別情報それぞれに対応するボタン310−1〜310−3をログイン前画面300に選択可能に表示する。各ボタン310−1〜310−3には、それぞれ対応する操作者の名称が表示されている。図示する例では、ボタン310−1には「アルバイト」が表示され、ボタン310−2には「店員3」が表示され、ボタン310−3には「店員1」が表示されている。なお、ボタン310−1〜310−3について特に区別しない場合には、ボタン310と記載する。なお、CPU101は、複数人のボタン310を表示する場合には、例えば権限の強い操作者から順にボタン310を表示したり、電波強度(近い、遠い)の強い順にボタン310を表示したりしてもよい。
【0038】
ログインする操作者は、自身の名称が表示されたボタン310を選択する。CPU101は、表示したボタン310のうちいずれかが選択入力を受け付けると、選択入力を受け付けたボタン310に対応する操作者のログイン処理を実行し、ログイン後画面500を店員用表示部105に表示する。
【0039】
このように、CPU101は、複数の操作者が近くにいる場合には、各操作者それぞれに対応するボタン310を選択可能に表示し、選択されたボタン310に対応する操作者のログイン処理を実行する。すなわち、CPU101(第1の禁止手段)は、複数の識別情報を検出した場合には、自動ログインによるログイン処理を禁止する。これにより、複数の操作者が同時にログインすることを防ぐことができる。すなわち、ログインする操作者を一人にすることができる。また、複数の操作者がPOS端末10の近くにいる場合であっても、操作者はボタン310を選択するだけでログインすることができるため、パスワードを入力する手間が省けて利便性が向上する。
【0040】
続いて、管理システム1におけるPOS端末10からのログアウト方法について説明する。まず、識別タグ20を用いて、識別情報に基づいて操作者のログアウト処理を自動的に行う自動ログアウトについて説明する。POS端末10のCPU101(第1のログアウト手段)は、所定時間(例えば、1分)以上操作入力を受け付けておらず、かつ、検出していた(ログインしている操作者の)識別情報が検出されなくなると、当該識別情報に対応する操作者のログアウト処理を実行し、ログイン前画面300を店員用表示部105に表示する。これにより、操作者は、POS端末10から離れるだけで、自動的にPOS端末10からログアウトすることができる。よって、ログアウトボタン501を押下する手間が省けて、操作者の利便性が向上する。
【0041】
続いて、ログイン後画面500に表示されたログアウトボタン501を押下することによりログアウトする手動ログアウトについて説明する。
図9は、本実施形態におけるPOS端末10からのログアウト方法を説明するための図である。POS端末10のCPU101(第2のログアウト手段)は、ログインしている操作者(図示する例では「アルバイト」)の識別情報が検出されたままであっても、ログイン後画面500においてログアウトボタン501が入力を受け付けると、当該操作者のログアウト処理を実行し、ログイン前画面300を店員用表示部105に表示する。
【0042】
なお、CPU101(第2の禁止手段)は、手動ログアウトによるログアウト処理後は、当該ログアウト処理を行った操作者の識別情報を設定時間以上検出し続けている場合であっても、当該操作者の自動ログインを実行しない(自動ログインによるログイン処理を禁止する)。CPU101は、手動ログアウトによるログアウト処理後に、当該操作者の識別情報を設定時間以上検出し続けている場合には、当該操作者に対応するアイコン310をログイン前画面300に表示する。そして、CPU101は、表示されたアイコン310が入力を受け付けると、当該操作者のログイン処理を実行する。すなわち、POS端末10は、手動ログアウトによりログアウト処理をした場合には、直前にログアウトした操作者の自動ログインを禁止する。これにより、手動ログアウトした操作者が、POS端末10の近くにいることにより自動的に再度ログインしてしまうことを防ぐことができる。
【0043】
続いて、POS端末10の操作者が交代する場合の動作について説明する。
図10は、本実施形態におけるPOS端末10にログインする操作者の交代方法を説明するための図である。POS端末10のCPU101(交代手段)は、ログインしている操作者が手動ログアウトまたは自動ログアウトによりログアウト処理した際に、近距離通信部112が当該ログアウトする識別情報とは異なる他の操作者に対応する識別情報を設定時間以上検出し続けている場合には、自動ログインにより当該他の操作者のログイン処理を実行する(交代処理)。図示する例では、ログインしているアルバイトがPOS端末10から離れて自動ログアウトし、店員1がPOS端末10に近づいて自動ログインしている。
【0044】
このように、操作者が交代する場合には、一人目のログアウト処理と二人目のログイン処理は略同時に実行される。このため、CPU101(表示手段)は、交代処理をした際には、ログイン前画面300に戻ることなく、ログイン後画面500の表示を維持し続ける。すなわち、ログイン前画面300に戻らずに、ログイン者の切り替えができるため、不要な画面遷移をなくすことができ、すばやい交代を実現している。また、CPU101(表示手段)は、交代処理をした際には、ログイン後画面500に表示されているバー510を赤く点滅させることにより、操作者が交代したこと(交代処理が行われたこと)を報知する。これにより、操作者は、ログインしている操作者が交代したことを知ることができる。なお、CPU101は、例えば、店員1から店員2への交代処理の際に、店員1が商品登録を途中まで実施していた場合、「登録途中の商品があります」などのエラーを報知することで、交代を禁止してもよい。また、CPU101は、当該エラーを了承する旨を入力することで、店員1が登録した商品を店員2に引き継ぐ処理を実行してもよい。
【0045】
続いて、閉店処理後のログインについて説明する。通常、POS端末10では、店舗の閉店時等に閉店処理が実行される。閉店処理後は開店処理(翌日の利用開始)までPOS端末10を操作することはない。これは、開店処理及び閉店処理により営業時間を区切ることにより、営業日ごとの売り上げを集計することを可能にするためである。このため、閉店処理後にログイン処理が実行されると、当該ログイン処理が開店処理となってしまい、正しい売り上げ集計を阻害する可能性がある。これを防止するために、POS端末10のCPU101(禁止手段)は、閉店処理をするための所定の操作の後は、自動ログインを禁止する。これにより、誤って開店処理が実行されることを未然に防ぐことができる。すなわち、CPU101は、閉店処理をするための所定の操作後は、近距離通信部112が識別情報を検出した場合であっても、自動ログインによるログイン処理を実行しない。つまり、CPU101は、閉店処理をするための所定の操作後は、手動ログインによるログイン処理のみを実行する。
【0046】
続いて、本実施形態における管理システム1の動作について説明する。
図11は、本実施形態におけるPOS端末10が実行するログイン判定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。POS端末10は、操作者がログインしていないとき、すなわち、ログイン前画面300を表示しているときに、本図に示す処理を実行する。
【0047】
(ステップS101)CPU101は、近距離通信部112が識別情報を検出したか否かを判定する。識別情報を検出したとCPU101が判定した場合には、ステップS102の処理に進む。また、識別情報を検出していないとCPU101が判定した場合には、ステップS121の処理に進む。
【0048】
(ステップS102)CPU101は、検出した識別情報が複数であるか否かを判定する。検出した識別情報が複数であるとCPU101が判定した場合には、ステップS111の処理に進む。また、検出した識別情報が1つであるとCPU101が判定した場合には、ステップS103の処理に進む。
(ステップS103)CPU101は、検出した識別情報が特定する操作者のログイン処理を実行する。その後、ステップS130の処理に進む。
【0049】
(ステップS111)CPU101は、検出した複数の識別情報それぞれに対応する操作者のボタン310を選択可能にログイン前画面300に表示する。その後、ステップS112の処理に進む。
【0050】
(ステップS112)CPU101は、ボタン310のうちいずれかが選択入力を受け付けたか否かを判定する。選択入力を受け付けたとCPU101が判定した場合には、ステップS113の処理に進む。また、選択入力を受け付けていないとCPU101が判定した場合には、ステップS101の処理に戻る。
(ステップS113)CPU101は、選択入力を受け付けたボタン310が特定する操作者のログイン処理を実行する。その後、ステップS130の処理に進む。
【0051】
(ステップS121)CPU101は、ログイン前画面300に表示されているアイコン301のうちいずれかが選択入力を受け付けたか否かを判定する。選択入力を受け付けたとCPU101が判定した場合には、ステップS122の処理に進む。また、選択入力を受け付けていないとCPU101が判定した場合には、ステップS101の処理に戻る。
【0052】
(ステップS122)CPU101は、パスワード入力画面400を店員用表示部105に表示し、パスワードの入力を受け付ける。その後、ステップS123の処理に進む。
【0053】
(ステップS123)CPU101は、パスワード入力画面400において入力されたパスワードの認証結果が認証OKであるか否かを判定する。認証OKであるとCPU101が判定した場合には、ステップS124の処理に進む。また、認証NGであるとCPU101が判定した場合には、ログイン前画面300を店員用表示部105に表示してステップS101の処理に戻る。
【0054】
(ステップS124)CPU101は、ログイン前画面300において選択入力を受け付けたアイコン301が特定する使用者のログイン処理を実行する。その後、ステップS130の処理に進む。
【0055】
(ステップS130)CPU101は、ログイン後画面500を店員用表示部105に表示する。その後、処理を終了する。
【0056】
図12は、本実施形態におけるPOS端末10が実行するログアウト判定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。POS端末10は、操作者がログインしているとき、すなわち、ログイン後画面500を表示しているときに、本図に示す処理を実行する。
【0057】
(ステップS201)CPU101は、所定時間以上入力を受け付けていない(操作無しである)か否かを判定する。所定時間操作無しであるとCPU101が判定した場合には、ステップS202の処理に進む。また、所定時間以内に操作があったとCPU101が判定した場合には、ステップS211の処理に進む。
【0058】
(ステップS202)CPU101は、ログインしている操作者を特定する識別情報を近距離通信部112が検出していない(非検出である)か否かを判定する。非検出であるとCPU101が判定した場合には、ステップS203の処理に進む。また、検出しているとCPU101が判定した場合には、ステップS201の処理に戻る。
【0059】
(ステップS203)CPU101は、ログインしている操作者のログアウト処理を実行する。その後、ステップS220の処理に進む。
【0060】
(ステップS211)CPU101は、ログイン後画面500に表示しているログアウトボタン501が押下され、入力を受け付けたか否かを判定する。ログアウトボタン501が入力を受け付けたとCPU101が判定した場合には、ステップS212の処理に進む。また、ログアウトボタン501が入力を受け付けていないとCPU101が判定した場合には、ステップS201の処理に戻る。
【0061】
(ステップS212)CPU101は、ログインしている操作者のログアウト処理を実行する。その後、ステップS220の処理に進む。
【0062】
(ステップS220)CPU101は、近距離通信部112が、ログアウト処理をした操作者の識別情報と異なる他の識別情報を検出したか否かを判定する。他の識別情報を検出したとCPU101が判定した場合には、ステップS221の処理に進む。また、他の識別情報を検出していないとCPU101が判定した場合には、ステップS222の処理に進む。
【0063】
(ステップS221)CPU101は、ログイン後画面500の表示を維持したまま、検出した他の識別情報が特定する操作者のログイン処理を実行する。その後、ステップS201の処理に戻る。
【0064】
(ステップS222)CPU101は、ログイン前画面300を店員用表示部105に表示する。その後、処理を終了する。
【0065】
以上説明したように、本実施形態の管理システム1は、POS端末10と、識別タグ20とを備える。識別タグ20は、操作者を特定する識別情報を記憶する記憶手段と、記憶手段が記憶する識別情報を非接触による通信で送信する送信手段とを備える。POS端末10は、識別タグ20から識別情報を非接触による通信で受信することにより、識別情報が読み取り範囲内にあることを非接触で検出する近距離通信部112と、識別情報に基づいて操作者のログイン処理を行うログイン手段と、ログインした操作者の識別情報が検出されなくなると操作者のログアウト処理を行う第1のログアウト手段と、ログインした操作者の識別情報が検出されたまま操作者のログアウト処理を行う第2のログアウト手段と、を備える。
【0066】
上記構成によれば、ログイン・ログアウトの方法を複数備えることで、複数人での利用であってもセキュリティ性を保ちつつ利便性を向上させることができる。
【0067】
また、POS端末10は、近距離通信部112が複数の識別情報を検出すると、ログイン手段によるログイン処理を禁止する第1の禁止手段、を備える。これにより、複数の操作者が同時にログインすることを防ぎ、ログインする操作者を一人にすることができる。また、POS端末10の近くに複数の操作者がいる場合に、POS端末10を操作しない操作者が誤ってログインすることを防ぐことができる。
【0068】
第2のログアウト手段によるログアウト処理後は、当該ログアウト処理を行った操作者のログイン手段によるログイン処理を禁止する第2の禁止手段を備える。これにより、手動によりログアウトをした操作者がPOS端末10の近くにいるために、自動的に再度ログインしてしまうことを防ぐことができる。
【0069】
禁止手段は、閉店処理に関する所定の操作の際に、ログイン手段によるログイン処理を禁止する。これにより、閉店処理後に、操作者がPOS端末10の近くにいるために自動的にログインしてしまうことを防ぐことができる。すなわち、開店処理が誤って実行されることを防ぐことができる。
【0070】
POS端末10は、ログアウト処理の際に、近距離通信部112が当該ログアウトする識別情報とは異なる他の識別情報を検出していると、当該他の識別情報で特定する操作者をログイン手段がログインさせる交代手段、を備える。これにより、ログインする操作者を自動的に交代させることができる。
【0071】
ログアウト処理後に表示されるログイン前画面300と、ログイン処理後に表示されるログイン後画面500と、を表示する表示手段を備え、表示手段は、ログイン後画面500において、交代処理が行われたことを表示する、ことを特徴とする。これにより、操作者は、ログインしている操作者が交代したことを知ることができる。
【0072】
表示手段は、交代処理の際にログイン後画面500を維持する。これにより、交代処理の際にログイン前画面300に戻ることを防ぐことができる。
【0073】
近距離通信部112が複数の識別情報を検出すると、表示手段は、当該複数の識別情報を示すボタン310をログイン前画面300に選択可能に表示する。これにより、複数の操作者がPOS端末10の近くにいる場合であっても、ボタン310を選択することによりログインすることができるため、パスワードを入力する手間を省くことができる。
【0074】
また、UHF帯域のRFIDを用いているため、非接触でデータの読込み及び書き込みができる。また、複数のタグデータが同時に読み込みできる。また、識別タグに個別の識別情報が設定されているため、セキュリティ性に優れている。また、数cm〜数mの伝送距離の設定が可能である。また、リーダに指向性をつけることが可能である。
【0075】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0076】
例えば、上述した実施形態では、POS端末10にログイン・ログアウトする場合について説明したが、これに限らず、ログイン・ログアウトする装置は複数人で使用するものであれば他の装置であってもよい。例えば、パーソナルコンピュータや、プリンタや、工業機械など、ログイン・ログアウトが利用される装置であればよい。また、管理システム1は、装置単体で構成されるものであってもよい。
【0077】
なお、上述のPOS端末10又は識別タグ20としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述のPOS端末10又は識別タグ20としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。