(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
連続する第1乃至第nのフレーム(nは2以上の整数)において、第1の方向または第2の方向に配列された複数の画素をビニングし、第1乃至第nのビニング信号を生成するビニング処理部と、
前記第1乃至第nのビニング信号を合成し、解像度が復元された画像信号を生成する解像度復元処理部と、を含み、
ビニングされる前記複数の画素の組み合わせは、前記第1乃至第nのフレームごとに異なり、
前記第1乃至第nのフレームの少なくとも2つのフレームにおいて、前記第1の方向および前記第2の方向のうちの一方向でビニングされる前記画素の個数が異なる、撮像システム。
前記第1乃至第nのフレームのいずれか1つのフレームにおいて、ビニングされる前記複数の画素は、前記第1の方向で隣接する2個の画素または前記第2の方向で隣接する2個の画素を含む、請求項1または請求項2に記載の撮像システム。
前記第1乃至第nフレームの少なくとも2つのフレームの各々において、ビニングされる前記複数の画素は、前記第1の方向で隣接する2個の画素および前記第2の方向で隣接する2個の画素のうちの一方を含む4個の画素である、請求項1または請求項2に記載の撮像システム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、各実施形態の開示はあくまで一例にすぎない。すなわち、当業者が、発明の主旨を保ちつつ適宜変更することで容易に想到し得る構成は、当然に本発明の範囲に含まれる。図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、または形状などについて模式的に表される場合がある。しかし、これらはあくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書および本図面において、既出の図に関して前述したものと同様の構成には、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0017】
本明細書において、「αはA、B、またはCを含む」との表現は、特に明示が無い限り、αがA〜Cの複数の組み合わせを含む場合を排除しない。また、「αはA、B、またはCを含む」または「αはA、B、およびCを含む」との表現は、特に明示がない限り、αが他の構成を含む場合を排除しない。
【0018】
本明細書において、各構成に付記される「第1」、「第2」、または「第3」などの文字は、各構成を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限り、それ以上の意味を有さない。
【0019】
本明細書において、「互いに隣接する」との表現は、行方向および列方向において隣接することを表すだけでなく、行方向、列方向、および対角方向において隣接することを表す場合がある。
【0020】
本明細書において、ビニングされる画素は同色であり、「隣接する画素をビニングする」または「連続する画素をビニングする」との表現は、間に異色の画素を介して隣接する、または連続する同色の画素がビニングされることを表す場合がある。
【0021】
本明細書および図面において、同一、あるいは類似する複数の構成を総じて表記する際には同一の符号を用いる。また、1つの構成のうちの複数の部分をそれぞれ区別して表記する際には、同一の符号を用い、さらにハイフンと自然数を用いる場合がある。
【0022】
なお、以下の各実施形態は、技術的な矛盾を生じない限り、互いに組み合わせることができる。
【0023】
<第1実施形態>
図1〜
図6Dを参照して、本発明の一実施形態に係る撮像システム100の構成について説明する。
[1.撮像システム100]
図1は、本発明の一実施形態に係る撮像システム100の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、撮像システム100は、画素部110、ビニング処理部120、解像度復元処理部130、第1の記憶部140、センサ部150、画像信号処理部160、第2の記憶部170、および表示部180を含む。
【0024】
画素部110は、被写体が発する光を電気信号に変換することができる。すなわち、画素部110は、被写体の情報を電気信号として取得することができる(以下、画素部110が取得した電気信号を「画素信号」とする。)。換言すると、画素部110は、画素信号を生成し、出力することができる。画素部110は、複数の画素および複数の画素を制御する制御回路を含む。複数の画素の各々には、レンズ、フォトダイオード、トランジスタ、またはカラーフィルタなどを含む受光素子が設けられている。受光素子は、光によって起電力が発生する光電変換素子であってもよく、または光によって電気伝導度が変化する光電変換素子であってもよい。
【0025】
ここで、
図2を参照して、画素部110に含まれる複数の画素の配列(以下、「画素配列」とする。)について説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る撮像システム100の画素部110の画素配列を示す模式図である。
図2に示すように、画素部110は、第1の緑色画素(G1)、列方向において第1の緑色画素(G1)に隣接する青色画素(B)、行方向において第1の緑色画素(G1)に隣接する赤色画素(R)、および列方向と行方向との間の対角方向において第1の緑色画素(G1)に隣接する第2の緑色画素(G2)を含む。また、第1の緑色画素(G1)、青色画素(B)、赤色画素(R)、および第2の緑色画素(G2)は、列方向および行方向において等間隔で配置されている。ここで、隣接する1つの第1の緑色画素(G1)、1つの青色画素(B)、1つの赤色画素(R)、および1つの第2の緑色画素(G2)を画素ユニット200とすると、画素ユニット200は、マトリクス状に配置されている。
図2に示す画素配列は、いわゆるベイヤー配列である。ベイヤー配列では、人の目の視感度の高い緑色画素が、青色画素および赤色画素よりも多く配置される。本明細書では、便宜上、第1の緑色画素(G1)と第2の緑色画素(G2)とを区別して説明するが、同一の光学特性を有する緑色画素であってもよい。
【0026】
ビニング処理部120は、画素信号を受信し、画素信号に対してビニング処理を実行することができる。すなわち、ビニング処理部120は、画素信号に含まれるいくつかの同色の画素のアナログ画素値を加算または加算平均し、1つの画素の画素値として出力することができる。換言すると、ビニング処理部120は、画素信号に対してビニング処理を実行し、画素信号からビニング信号を生成し、出力することができる。ここで、アナログ画素値とは、画素における画像情報が反映された値であって、受光素子によって取得された光の強度に対応する値である。また、ビニング信号は、A/D変換されたデジタル信号であってもよい。なお、ビニング処理の詳細は後述する。
【0027】
解像度復元処理部130は、ビニング信号を受信し、ビニング信号を用いて解像度の復元処理を実行することができる。換言すると、解像度復元処理部130は、ビニング信号を用いて、解像度が復元された画像信号を生成し、画像信号処理部160に画像信号を出力することができる。ビニング処理部120によってビニング処理が実行されると画像の解像度が低下する。しかしながら、撮像システム100では、解像度復元処理部130によって、低下した画像の解像度を復元することができる。したがって、撮像システム100は、高解像度を有する画像信号を出力することができる。
【0028】
第1の記憶部140は、解像度復元処理部130が実行する解像度の復元処理に関連するデータを格納することができる。例えば、第1の記憶部140は、各フレームにおいて、ビニング処理部120が出力したビニング信号を格納することができる。解像度復元処理部130は、第1の記憶部140から複数のフレームにおけるビニング信号を読み出し、解像度の復元処理を実行することができる。第1の記憶部140として、例えば、メモリなどを用いることができる。
【0029】
解像度の復元処理の詳細は後述するが、解像度の復元処理は、例えば、情報処理装置(コンピュータ)によって実行することができる。情報処理装置は、例えば、中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)などの演算部およびレジスタまたはメモリなどの記憶部を含む。解像度の復元処理は、記憶部に予め格納されたプログラムを演算部で読み込むことによって実行することができる。
【0030】
センサ部150は、画素部110の動き(例えば、画素部110のブレ量など)を検出し、解像度復元処理部130にセンサ検出信号を出力することができる。解像度復元処理部130は、センサ検出信号に基づいて、ビニング信号を補正(例えば、ブレ補正など)し、解像度の復元処理を実行することができる。センサ部150に含まれるセンサの数は、1つであってもよく、複数であってもよい。センサ部150に含まれるセンサとして、例えば、加速度センサまたは角速度センサなどを用いることができる。
【0031】
撮像システム100にセンサ部150が含まれない場合には、解像度復元処理部130は、ビニング信号から画素部110のブレ量を算出してもよい。解像度復元処理部130は、算出されたブレ量を基に、ビニング信号を補正することができる。
【0032】
画像信号処理部160は、画像信号を受信し、画像信号に対して、色補間(デモザイク)、ノイズ低減補正、エッジ強調、またはガンマ補正など各種信号処理を実行することができる。また、画像信号処理部160は、表示画像信号を生成し、表示部180に表示画像信号を出力することができる。画像信号処理部160として、例えば、イメージシグナルプロセッサなどを用いることができる。
【0033】
第2の記憶部170は、画像信号処理部160が実行する各種信号処理に関連するデータを格納することができる。第2の記憶部170として、例えば、メモリなどを用いることができる。第2の記憶部170は、第1の記憶部140が設けられたメモリとは異なるメモリに設けられていてもよく、第1の記憶部140が設けられたメモリの一部の領域に設けられていてもよい。
【0034】
表示部180は、表示画像信号を受信し、表示画像信号に基づく画像を表示することができる。表示部180として、例えば、液晶表示装置またはOLED表示装置などを用いることができる。
【0035】
ビニング処理部120はA/D変換される前のアナログ信号に対してビニング処理を実行するため、ビニング処理部120は、画素部110とともにイメージセンサに含まれていてもよい。一方、解像度復元処理部130は、ビニング処理部120が出力したビニング信号に対して解像度の復元処理を実行することができればよい。そのため、解像度復元処理部130は、イメージセンサおよびイメージシグナルプロセッサとは別に設けられていてもよく、イメージセンサまたはイメージシグナルプロセッサのいずれか一方に含まれていてもよい。
【0036】
[2.ビニング処理]
撮像システム100では、フレームごとに異なるビニングパターンのビニング処理が実行される。例えば、3つの異なるビニングパターンのビニング処理を実行する場合、連続する第1のフレーム、第2のフレーム、および第3のフレームでは、それぞれ、第1のビニングパターン、第2のビニングパターン、および第3のビニングパターンのビニング処理が実行される。第4のフレーム以降では、このビニング処理が繰り返される。そのため、撮像システム100では、複数の異なるビニングパターンのビニング処理に対応した複数のビニング信号が生成される。以下では、一例として、3つの異なるビニングパターン(第1のビニングパターン〜第3のビニングパターン)のビニング処理について説明する。
【0037】
図3は、本発明の一実施形態に係る撮像システム100において、第1のフレームで実行される第1のビニングパターンのビニング処理を説明する模式図である。
【0038】
図3には、各々がベイヤー配列された4×4個の画素ユニット200を含む画素ユニット群500が示されている。画素ユニット群500は、画素部110の画素配列の一部である。第1のビニングパターンは、画素ユニット群500の中の4個の被ビニング領域510(第1の被ビニング領域510−1〜第4の被ビニング領域510−4)に対して実行されるビニング処理である。4個の被ビニング領域510の各々は、互いに隣接する4個(2×2個)の画素ユニット200を含む。また、4個の被ビニング領域510は、互いに隣接して配置されている。第1のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域510内の4個の画素ユニット200に含まれる同色の4個の画素がビニングされる。換言すれば、第1のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域510内の4個の画素ユニット200が、ビニング後画素ユニット610(第1のビニング後画素ユニット610−1〜第4のビニング後画素ユニット610−4)に変換される。
【0039】
したがって、第1のフレームにおいて第1のビニングパターンのビニング処理が実行されると、4個(2×2個)のビニング後画素ユニット610(第1のビニング後画素ユニット610−1〜第4のビニング後画素ユニット610−4)を含む第1のビニング信号600−1が生成される。
【0040】
なお、第1のビニングパターンのビニング処理では、2×2個の画素がビニングされるため、第1のビニングパターンは2×2ビニングパターンということもできる。
【0041】
図4は、本発明の一実施形態に係る撮像システム100において、第2のフレームで実行される第2のビニングパターンのビニング処理を説明する模式図である。
【0042】
図4には、
図3に示された4×4個の画素ユニット200を含む画素ユニット群500が示されている。第2のビニングパターンは、画素ユニット群500の中の被ビニング領域520(第1の被ビニング領域520−1〜第4の被ビニング領域520−4)に対して実行されるビニング処理である。4個の被ビニング領域520の各々は、行方向において連続する4個(4×1個)の画素ユニット200を含む。また、4個の被ビニング領域520は、列方向において連続して配置されている。第2のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域520内の4個の画素ユニット200に含まれる同色の4個の画素がビニングされる。換言すれば、第2のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域520内の4個の画素ユニット200が、ビニング後画素ユニット620(第1のビニング後画素ユニット620−1〜第4のビニング後画素ユニット620−4)に変換される。
【0043】
したがって、第2のフレームにおいて第2のビニングパターンのビニング処理が実行されると、4個(1×4個)のビニング後画素ユニット620(第1のビニング後画素ユニット620−1〜第4のビニング後画素ユニット620−4)を含む第2のビニング信号600−2が生成される。
【0044】
なお、第2のビニングパターンのビニング処理では、4×1個の画素がビニングされるため、第2のビニングパターンは4×1ビニングパターンということもできる。
【0045】
図5は、本発明の一実施形態に係る撮像システム100において、第3のフレームで実行される第3のビニングパターンのビニング処理を説明する模式図である。
【0046】
図5には、
図3に示された4×4個の画素ユニット200を含む画素ユニット群500が示されている。第3のビニングパターンは、画素ユニット群500の中の被ビニング領域530(第1の被ビニング領域530−1〜第4の被ビニング領域530−4)に対して実行されるビニング処理である。4個の被ビニング領域530の各々は、列方向において連続する4個(1×4個)の画素ユニット200を含む。また、4個の被ビニング領域530は、行方向において連続して配置されている。第3のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域530内の4個の画素ユニット200に含まれる同色の4個の画素がビニングされる。換言すれば、第3のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域530内の4個の画素ユニット200が、ビニング後画素ユニット630(第1のビニング後画素ユニット630−1〜第4のビニング後画素ユニット630−4)に変換される。
【0047】
したがって、第3のフレームにおいて第3のビニングパターンのビニング処理が実行されると、4個(4×1個)のビニング後画素ユニット630(第1のビニング後画素ユニット630−1〜第4のビニング後画素ユニット630−4)を含む第3のビニング信号600−3が生成される。
【0048】
なお、第3のビニングパターンのビニング処理では、1×4個の画素がビニングされるため、第3のビニングパターンは1×4ビニングパターンということもできる。
【0049】
第1のビニングパターン〜第3のビニングパターンのビニング処理の順序は特に限定されない。すなわち、本実施形態に係る撮像システム100のビニング処理では、連続する3つのフレームにおいて、第1のビニング信号600−1〜第3のビニング信号600−3が生成されればよい。
【0050】
第1のフレーム〜第3のフレームでは、同じ画素群500に含まれる画素に対するビニングであっても、被ビニング領域が異なる。そのため、ビニングされる複数の画素の組み合わせは、第1のフレーム〜第3のフレームごとに異なる。
【0051】
[3.解像度の復元処理]
上述のビニング処理によって画像の解像度は低下する。しかしながら、撮像システム100では、複数の異なるビニング信号を合成して画像の解像度を復元することができる。以下では、
図6A〜
図6Dを参照して、第1のビニング信号600−1〜第3のビニング信号600−3を合成する解像度の復元処理について説明する。
【0052】
本実施形態では、第1のビニング信号600−1の第1のビニング後画素ユニット610−1〜第4のビニング後画素ユニット610−4に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値を、それぞれ、K
1〜K
4とする。同様に、第2のビニング信号600−2の第1のビニング後画素ユニット620−1〜第4のビニング後画素ユニット620−4に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値を、それぞれ、L
1〜L
4とする。同様に、第3のビニング信号600−3の第1のビニング後画素ユニット630−1〜第4のビニング後画素ユニット630−4に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値を、それぞれ、
M1〜
M4とする。また、本実施形態では、ビニング後画素ユニット610〜630に含まれる第1の緑色画素(G1)に対する解像度の復元処理を説明するが、ビニング後画素ユニット610〜630に含まれる青色画素(B)、赤色画素(R)、および第2の緑色画素(G2)の各々に対しても同様に解像度の復元処理を適用することができる。
【0053】
図6A〜
図6Dは、本発明の一実施形態に係る撮像システム100において、解像度の復元処理を説明する模式図である。
【0054】
始めに、
図6Aに示すように、第1のビニング信号600−1に含まれるビニング後画素ユニット610の面積を、列方向において2倍に拡張する変換を実行する。すなわち、第1のビニング後画素ユニット610−1〜第4のビニング後画素ユニット610−4は、それぞれ、第1の拡張ビニング後画素ユニット611−1〜第4の拡張ビニング後画素ユニット611−4に変換される。なお、以下では、第1の拡張ビニング後画素ユニット611−1〜第4の拡張ビニング後画素ユニット611−4を特に区別しない場合は、拡張ビニング後画素ユニット611として説明する場合がある。
【0055】
拡張ビニング後画素ユニット611の面積は、ビニング後画素ユニット610の面積の2倍であるため、拡張ビニング後画素ユニット611に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値は、ビニング後画素ユニット610に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値の2倍となる。したがって、第1の拡張ビニング後画素ユニット611−1〜第4の拡張ビニング後画素ユニット611−4に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値は、それぞれ、2K
1、2K
2、2K
3、および2K
4となる。
【0056】
なお、上述の説明では、ビニング後画素ユニット610の面積を2倍に拡張する変換であるため、画素値の変換係数を2としたが、変換係数はこれに限られない。変換係数は、面積以外の重み付けが考慮されてもよい。
【0057】
次に、
図6Bに示すように、拡張ビニング後画素ユニット611を、列方向において2つに分割する変換を実行する。すなわち、第1の拡張ビニング後画素ユニット611−1は、第1の合成ビニング後画素ユニット621−1および第2の合成ビニング後画素ユニット621−2に分割される。同様に、第2の拡張ビニング後画素ユニット611−2、第3の拡張ビニング後画素ユニット611−3、および第4の拡張ビニング後画素ユニット611−4は、それぞれ、第3の合成ビニング後画素ユニット621−3および第4の合成ビニング後画素ユニット621−4、第5の合成ビニング後画素ユニット621−5および第6の合成ビニング後画素ユニット621−6、ならびに第7の合成ビニング後画素ユニット621−7および第8の合成ビニング後画素ユニット621−8に分割される。なお、以下では、第1の合成ビニング後画素ユニット621−1〜第8の合成ビニング後画素ユニット621−8を特に区別しない場合は、合成ビニング後画素ユニット621として説明する場合がある。
【0058】
合成ビニング後画素ユニット621に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値は、第2のビニング信号600−2の2つのビニング後画素ユニット620に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値の比率が考慮される。具体的には、第1の合成ビニング後画素ユニット621−1および第2の合成ビニング後画素ユニット621−2の各々に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値は、第2のビニング信号600−2の第1のビニング後画素ユニット620−1および第2のビニング後画素ユニット620−2に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値の比率が考慮される。同様に、第3の合成ビニング後画素ユニット621−3および第4の合成ビニング後画素ユニット621−4の各々に含まれる第1の緑色画素(G1)は、第2のビニング信号600−2の第1のビニング後画素ユニット620−1および第2のビニング後画素ユニット620−2に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値の比率が考慮される。また、同様に、第5の合成ビニング後画素ユニット621−5および第6の合成ビニング後画素ユニット621−6の各々に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値は、第2のビニング信号600−2の第3のビニング後画素ユニット620−3および第4のビニング後画素ユニット620−4に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値の比率が考慮される。また、同様に、第7の合成ビニング後画素ユニット621−7および第8の合成ビニング後画素ユニット621−8の各々に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値は、第2のビニング信号600−2の第3のビニング後画素ユニット620−3および第4のビニング後画素ユニット620−4に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値との比率が考慮される。したがって、第1の合成ビニング後画素ユニット621−1〜第8の合成ビニング後画素ユニット621−8の第1の緑色画素(G1)の画素値であるK
1’、K
1’’、K
2’、K
2’’、K
3’、K
3’’、K
4’、およびK
4’’は、表1に示す式で算出することができる。
【0060】
次に、
図6Cに示すように、合成ビニング後画素ユニット621の面積を、行方向において2倍に拡張する変換を実行する。すなわち、第1の合成ビニング後画素ユニット621−1〜第8の合成ビニング後画素ユニット621−8は、それぞれ、第1の拡張ビニング後画素ユニット622−1〜第8の拡張ビニング後画素ユニット622−8に変換される。なお、以下では、第1の拡張ビニング後画素ユニット622−1〜第8の拡張ビニング後画素ユニット622−8を特に区別しない場合は、拡張ビニング後画素ユニット622として説明する場合がある。
【0061】
拡張ビニング後画素ユニット622の面積は、合成ビニング後画素ユニット621の面積の2倍であるため、拡張ビニング後画素ユニット622に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値は、合成ビニング後画素ユニット621に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値の2倍となる。したがって、第1の拡張ビニング後画素ユニット622−1〜第8の拡張ビニング後画素ユニット622−8に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値は、それぞれ、2K
1’、2K
1’’、2K
2’、2K
2’’、2K
3’、2K
3’’、2K
4’、および2K
4’’となる。
【0062】
次に、
図6Dに示すように、拡張ビニング後画素ユニット622を、行方向において2つに分割する変換を実行する。その結果、第1の拡張ビニング後画素ユニット622−1〜第8の拡張ビニング後画素ユニット622−8は、第1の復元画素ユニット710−1〜第16の復元画素ユニット710−16に変換される。なお、以下では、第1の復元画素ユニット710−1〜第16の復元画素ユニット710−16を特に区別しない場合は、復元画素ユニット710として説明する場合がある。
【0063】
復元画素ユニット710に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値は、第3のビニング信号600−3の2つのビニング後画素ユニット630に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値の比率が考慮される。具体的には、復元画素ユニット710に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値は、第3のビニング信号600−3の第1のビニング後画素ユニット630−1および第2のビニング後画素ユニット630−2に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値の比率、または第3のビニング信号600−3の第3のビニング後画素ユニット630−3および第4のビニング後画素ユニット630−4に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値の比率が考慮される。したがって、第1の復元画素ユニット710−1〜第16の復元画素ユニット710−16に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値であるP
1〜P
16は、表2に示す式で算出することができる。
【0065】
図6Dに示す4×4個の復元画素ユニット710は、ビニング処理前の4×4個の画素ユニット200を含む画素ユニット群500に対応するものである。そのため、上述した解像度の復元処理を実行することによって、ビニング処理によって低下した解像度を復元することができる。また、解像度が復元された復元画素ユニット710のノイズ量は、ランダムノイズの性質により、ビニングされていない画素ユニット200のノイズ量よりも小さい。したがって、解像度の復元処理によって生成された復元画素ユニット710を含む画像信号700は、S/Nが向上し、画像の解像度の低下が軽減される。
【0066】
第4のフレーム以降も、順次、第1のビニング信号600−1〜第3のビニング信号600−3が生成される。すなわち、連続する3つのフレームには、第1のビニング信号600−1〜第3のビニング信号600−3が含まれる。したがって、各フレームに対応して、順次、画像信号700が生成されるため、フレームレートは変わらない。
【0067】
上述の解像度の復元処理では、第1のビニング信号600−1を基に、第2のビニング信号600−2および第3のビニング信号600−3を合成したが、合成する順序はこれに限られない。第2のビニング信号600−2を基に、第3のビニング信号600−3および第1のビニング信号600−1を合成してもよく、第3のビニング信号600−3を基に、第1のビニング信号600−1および第2のビニング信号600−2を合成してもよい。
【0068】
なお、上述したビニング処理および解像度の復元処理は、一例であって、これらに限られない。
【0069】
本発明の一実施形態に係る撮像システム100は、フレームレートを変更することなく、ビニング処理によって低下した画像の解像度を復元し、高感度および高解像度を有する画像信号700を出力することができる。
【0070】
<第2実施形態>
撮像システム100において、解像度の復元処理に用いるビニング信号は3つに限られない。ここでは、
図7〜
図9を参照して、2つの異なるビニングパターン(第1のビニングパターンおよび第2のビニングパターン)のビニング処理および解像度の復元処理について説明する。なお、以下では、第1実施形態で説明した構成と同様の構成については説明を省略する場合がある。
【0071】
[1.ビニング処理]
図7は、本発明の一実施形態に係る撮像システム100において、第1のフレームで実行される第1のビニングパターンのビニング処理を説明する模式図である。
【0072】
図7には、各々がベイヤー配列された2×2個の画素ユニット200を含む画素ユニット群500Aが示されている。画素ユニット群500Aは、画素部110の画素配列の一部である。第1のビニングパターンは、画素ユニット群500Aの中の2個の被ビニング領域510A(第1の被ビニング領域510A−1および第2の被ビニング領域510A−2)に対して実行されるビニング処理である。2個の被ビニング領域510Aの各々は、列方向において隣接する2個(1×2個)の画素ユニット200を含む。また、2個の被ビニング領域510Aは、行方向において隣接して配置されている。第1のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域510A内の2個の画素ユニット200に含まれる同色の2個の画素がビニングされる。換言すれば、第1のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域510A内の2個の画素ユニット200が、ビニング後画素ユニット610A(第1のビニング後画素ユニット610A−1および第2のビニング後画素ユニット610A−2)に変換される。
【0073】
したがって、第1のフレームにおいて第1のビニングパターンのビニング処理が実行されると、2個(2×1個)のビニング後画素ユニット610A(第1のビニング後画素ユニット610A−1および第2のビニング後画素ユニット610A−2)を含む第1のビニング信号600A−1が生成される。
【0074】
なお、第1のビニングパターンのビニング処理では、1×2個の画素がビニングされるため、第1のビニングパターンは、1×2ビニングパターンということもできる。
【0075】
図8は、本発明の一実施形態に係る撮像システム100において、第2のフレームで実行される第2のビニングパターンのビニング処理を説明する模式図である。
【0076】
図8には、
図7に示された2×2個の画素ユニット200を含む画素ユニット群500Aが示されている。第2のビニングパターンは、画素ユニット群500Aの中の被ビニング領域520A(第1の被ビニング領域520A−1および第2の被ビニング領域520A−2)に対して実行されるビニング処理である。2個の被ビニング領域520Aの各々は、行方向において隣接する2個(2×1個)の画素ユニットを含む。また、2個の被ビニング領域520Aは、列方向において隣接して配置されている。また、第2のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域520A内の2個の画素ユニット200に含まれる同色の2個の画素がビニングされる。換言すれば、第2のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域520A内の2個の画素ユニット200が、ビニング後画素ユニット620A(第1のビニング後画素ユニット620A−1および第2のビニング後画素ユニット620A−2)に変換される。
【0077】
したがって、第2のフレームにおいて第2のビニングパターンのビニング処理が実行されると、2個(1×2個)のビニング後画素ユニット620A(第1のビニング後画素ユニット620A−1および第2のビニング後画素ユニット620A−2)を含む第2のビニング信号600A−2が生成される。
【0078】
なお、第2のビニングパターンのビニング処理では、2×1個の画素がビニングされるため、第2のビニングパターンは、2×1ビニングパターンということもできる。
【0079】
第1のフレームと第2のフレームとでは、同じ画素群500Aに含まれる画素に対する被ビニング領域が異なる。そのため、ビニングされる複数の画素の組み合わせは、第1のフレームと第2のフレームとで異なる。
【0080】
[2.解像度の復元処理]
本実施形態では、上述のビニング処理によって生成された連続する2つのフレームに含まれる第1のビニング信号600A−1および第2のビニング信号600A−2を合成して解像度を復元する。以下では、
図9を参照して、第1のビニング信号600A−1および第2のビニング信号600A−2を合成する解像度の復元処理について説明する。
【0081】
本実施形態では、第1のビニング信号600A−1の第1のビニング後画素ユニット610A−1および第2のビニング後画素ユニット610A−2に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値を、それぞれ、K
1およびK
2とする。同様に、第2のビニング信号600A−2の第1のビニング後画素ユニット620A−1および第2のビニング後画素ユニット620A−2に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値を、それぞれ、L
1およびL
2とする。また、本実施形態では、ビニング後画素ユニット610Aおよび620Aに含まれる第1の緑色画素(G1)に対する解像度の復元処理を説明するが、ビニング後画素ユニット610Aおよび620Aに含まれる青色画素(B)、赤色画素(R)、および第2の緑色画素(G2)の各々に対しても同様に解像度の復元処理を適用することができる。
【0082】
図9は、本発明の一実施形態に係る撮像システム100において、第1のビニング信号600A−1を基に第2のビニング信号600A−2を合成する解像度の復元処理を説明する模式図である。
【0083】
図9に示すように、第1のビニング信号600A−1を基に第2のビニング信号600A−2が合成されて、復元画素ユニット710A(第1の復元画素ユニット710A−1〜第4の復元画素ユニット710A−4)を含む画像信号700Aが生成される。
【0084】
復元画素ユニット710Aは、第1のビニング信号600A−1のビニング後画素ユニット610Aの面積を列方向において2倍に拡張した後、2つに分割する変換によって生成される。復元画素ユニット710Aに含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値は、第1のビニング信号600A−1のビニング後画素ユニット610Aに含まれる第1の緑色画素(G1)を基に、第2のビニング信号600A−2の2つのビニング後画素ユニット620Aに含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値の比率が考慮される。したがって、第1の復元画素ユニット710A−1〜第4の復元画素ユニット710A−4に含まれる第1の緑色画素(G1)である画素値P
1〜P
4は、表3に示す式で算出することができる。
【0086】
図9に示す2×2個の復元画素ユニット710Aは、ビニング処理前の2×2個の画素ユニット200を含む画素ユニット群500Aに対応するものである。そのため、上述した解像度の復元処理を実行することによって、ビニング処理によって低下した解像度を復元することができる。また、解像度が復元された復元画素ユニット710Aのノイズ量は、ランダムノイズの性質により、ビニングされていない画素ユニット200のノイズ量よりも小さい。したがって、解像度の復元処理によって生成された復元画素ユニット710Aを含む画像信号700Aは、S/Nが向上し、画像の解像度の低下が軽減される。
【0087】
本実施形態では、第3のフレーム以降も、順次、第1のビニング信号600A−1および第2のビニング信号600A−2が生成される。すなわち、連続する2つのフレームには、第1のビニング信号600A−1および第2のビニング信号600A−2が含まれる。そのため、各フレームに対応して、順次、画像信号700Aが生成されるため、フレームレートは変わらない。
【0088】
上述の解像度の復元処理では、第1のビニング信号600A−1を基に、第2のビニング信号600A−2を合成したが、合成する順序はこれに限られない。第2のビニング信号600A−2を基に、第1のビニング信号600A−1を合成してもよい。
【0089】
なお、上述したビニング処理および解像度の復元処理は、一例であって、これらに限られない。
【0090】
本発明の一実施形態に係る撮像システム100は、フレームレートを変更することなく、ビニング処理によって低下した画像の解像度を復元し、高感度および高解像度を有する画像信号700Aを出力することができる。
【0091】
<第3実施形態>
撮像システム100において、各フレームでビニングされる画素の数は異なっていてもよく、そのようなビニング処理によって生成されたビニング信号を用いて、解像度の復元処理を実行することもできる。すなわち、解像度の復元処理に用いる複数のビニング信号の各々に含まれるビニング後画素ユニットの数は異なっていてもよい。ここでは、
図10を参照して、ビニング後画素ユニットの数が異なる複数のビニング信号を合成する解像度の復元処理について説明する。なお、以下では、第1実施形態および第2実施形態で説明した構成と同様の構成については説明を省略する場合がある。
【0092】
図10は、本発明の一実施形態に係る撮像システム100において、解像度の復元処理を説明する模式図である。
図10には、2×2個の画素ユニット200を含む画素ユニット群に対して、第1のフレームにおいて2×2ビニングパターンのビニング処理によって生成された第1のビニング信号600B−1、第1のフレームに続く第2のフレームにおいて2×1ビニングパターンのビニング処理によって生成された第2のビニング信号600B−2、および第2のフレームに続く第3のフレームにおいて1×2ビニングパターンのビニング処理によって生成された第3のビニング信号600B−3が示されている。第1のビニング信号600B−1を生成するビニング処理は、第1実施形態の2×2ビニングパターンと同様であり、第2のビニング信号600B−2を生成するビニング処理は、第2実施形態の2×1ビニングパターンと同様であり、第3のビニング信号600B−3を生成するビニング処理は、第2実施形態の1×2ビニングパターンと同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0093】
第1のビニング信号600B−1は、1個のビニング後画素ユニット610Bを含む。第2のビニング信号600B−2は、列方向に隣接する2個(1×2個)のビニング後画素ユニット620B(第1のビニング後画素ユニット620B−1および第2のビニング後画素ユニット620B−2)を含む。第3のビニング信号600B−3は、行方向に隣接する2個(2×1個)のビニング後画素ユニット630B(第1のビニング後画素ユニット630B−1および第2のビニング後画素ユニット630B−2)を含む。したがって、第1のビニング信号600B−1〜第3のビニング信号600B−3では、ビニング後画素ユニットの数が一致していない。この場合においても、第1実施形態と同様に、第1のビニング信号600B−1のビニング後画素ユニット610Bの面積を列方向または行方向に拡張する変換を実行し、または列方向または行方向において2つに分割する変換を実行する。これにより、第1のビニング信号600A−1、第2のビニング信号600A−2、および第3のビニング信号600A−3が合成されて、復元画素ユニット710B(第1の復元画素ユニット710B−1〜第4の復元画素ユニット710B−4)を含む画像信号700Bが生成される。復元画素ユニット710Bに含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値は、第1のビニング信号600B−1のビニング後画素ユニット610Bに含まれる第1の緑色画素(G1)を基に、第2のビニング信号600B−2の2つのビニング後画素ユニット620Bおよび第3のビニング信号600B−3の2つのビニング後画素ユニット630Bに含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値の比率が考慮される。復元画素ユニット710Bに含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値の算出方法は、第1実施形態または第2実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0094】
図10に示す2×2個の復元画素ユニット710Bは、ビニング処理前の2×2個の画素ユニット200を含む画素ユニット群に対応するものである。そのため、上述した解像度の復元処理を実行することによって、ビニング処理によって低下した解像度を復元することができる。また、解像度が復元された復元画素ユニット710Bのノイズ量は、ランダムノイズの性質により、ビニングされていない画素ユニット200のノイズ量よりも小さい。したがって、解像度の復元処理によって生成された復元画素ユニット710Bを含む画像信号700Bは、S/Nが向上し、画像の解像度の低下が軽減される。
【0095】
本実施形態では、第4のフレーム以降も、順次、第1のビニング信号600B−1〜第3のビニング信号600B−3が生成される。すなわち、連続する3つのフレームには、第1のビニング信号600B−1〜第3のビニング信号600B−3が含まれる。そのため、各フレームに対応して、順次、画像信号700Bが生成されるため、フレームレートは変わらない。
【0096】
上述の解像度の復元処理では、第1のビニング信号600B−1を基に、第2のビニング信号600B−2および第3のビニング信号600B−3を合成したが、合成する順序はこれに限られない。第2のビニング信号600B−2を基に、第3のビニング信号600B−3および第1のビニング信号600B−1を合成してもよく、第3のビニング信号600B−3を基に、第1のビニング信号600B−1および第2のビニング信号600B−2を合成してもよい。
【0097】
なお、上述したビニング処理および解像度の復元処理は、一例であって、これらに限られない。
【0098】
本発明の一実施形態に係る撮像システム100は、フレームレートを変更することなく、ビニング処理によって低下した画像の解像度を復元し、高感度および高解像度を有する画像信号700Bを出力することができる。
【0099】
<第4実施形態>
撮像システム100において、解像度の復元処理に用いるビニング信号は、各フレームごとに被ビニング領域の位置がシフトしたものであってもよい。ここでは、
図11〜
図15を参照して、各フレームの被ビニング領域の位置が異なる場合におけるビニング処理および解像度の復元処理について説明する。なお、以下では、第1実施形態〜第3実施形態で説明した構成と同様の構成については説明を省略する場合がある。
【0100】
[1.ビニング処理]
図11は、本発明の一実施形態に係る撮像システム100において、第1のフレームで実行される第1のビニングパターンのビニング処理を説明する模式図である。
【0101】
図11には、各々がベイヤー配列された5×5個の画素ユニット200を含む画素ユニット群500Cが示されている。画素ユニット群500Cは、画素部110の画素配列の一部である。第1のビニングパターンは、画素ユニット群500Cの中の4個の被ビニング領域510C(第1の被ビニング領域510C−1〜第4の被ビニング領域510C−4)に対して実行されるビニング処理である。4個の被ビニング領域510Cの各々は、互いに隣接する4個(2×2個)の画素ユニット200を含む。また、4個の被ビニング領域510Cは、互いに隣接して配置されている。また、第1のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域510C内の4個の画素ユニット200に含まれる同色の4個の画素がビニングされる。換言すれば、第1のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域510C内の4個の画素ユニット200が、ビニング後画素ユニット610C(第1のビニング後画素ユニット610C−1〜第4のビニング後画素ユニット610−4)に変換される。
【0102】
したがって、第1のフレームにおいて第1のビニングパターンのビニング処理が実行されると、4個(2×2個)のビニング後画素ユニット610C(第1のビニング後画素ユニット610C−1〜第4のビニング後画素ユニット610C−4)を含む第1のビニング信号600C−1が生成される。
【0103】
図12は、本発明の一実施形態に係る撮像システム100において、第2のフレームで実行される第2のビニングパターンのビニング処理を説明する模式図である。
【0104】
図12には、
図11に示された5×5個の画素ユニット200を含む画素ユニット群500Cが示されている。第2のビニングパターンは、画素ユニット群500Cの中の4個の被ビニング領域520C(第1の被ビニング領域520C−1〜第4の被ビニング領域520C−4)に対して実行されるビニング処理である。4個の被ビニング領域520Cの各々は、互いに隣接する4個(2×2個)の画素ユニット200を含む。また、4個の被ビニング領域520Cは、互いに隣接して配置されている。第2のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域520C内の4個の画素ユニット200に含まれる同色の4個の画素がビニングされる。換言すれば、第2のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域520C内の4個の画素ユニット200が、ビニング後画素ユニット620C(第1のビニング後画素ユニット620C−1〜第4のビニング後画素ユニット620−4)に変換される。
【0105】
したがって、第2のフレームにおいて第2のビニングパターンのビニング処理が実行されると、4個(2×2個)のビニング後画素ユニット620C(第1のビニング後画素ユニット620C−1〜第4のビニング後画素ユニット620−4)を含む第2のビニング信号600C−2が生成される。
【0106】
第2のビニングパターンも、2×2ビニングパターンということができる。しかしながら、第2のビニングパターンが適用される被ビニング領域520Cは、第1のビニングパターンが適用される被ビニング領域510Cに対して、行方向に1つの画素ユニット200だけシフトしているおり、被ビニング領域520Cは、被ビニング領域510Cと異なる。そのため、第2のフレームでビニングされる画素の組み合わせは、第1のフレームでビニングされる画素の組み合わせと異なる。
【0107】
図13は、本発明の一実施形態に係る撮像システム100において、第3のフレームで実行される第3のビニングパターンのビニング処理を説明する模式図である。
【0108】
図13には、
図11に示された5×5個の画素ユニット200を含む画素ユニット群500Cが示されている。第3のビニングパターンは、画素ユニット群500Cの中の4個の被ビニング領域530C(第1の被ビニング領域530C−1〜第4の被ビニング領域530C−4)に対して実行されるビニング処理である。4個の被ビニング領域530Cの各々は、互いに隣接する4個(2×2個)の画素ユニット200を含む。また、4個の被ビニング領域530Cは、互いに隣接して配置されている。第3のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域530C内の4個の画素ユニット200に含まれる同色の4個の画素がビニングされる。換言すれば、第3のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域530C内の4個の画素ユニット200が、ビニング後画素ユニット630C(第1のビニング後画素ユニット630C−1〜第4のビニング後画素ユニット630−4)に変換される。
【0109】
したがって、第3のフレームにおいて第3のビニングパターンのビニング処理が実行されると、4個(2×2個)のビニング後画素ユニット630C(第1のビニング後画素ユニット630C−1〜第4のビニング後画素ユニット630−4)を含む第3のビニング信号600C−3が生成される。
【0110】
第3のビニングパターンも、2×2ビニングパターンということができる。しかしながら、第3のビニングパターンが適用される被ビニング領域530Cは、第1のビニングパターンが適用される被ビニング領域510Cに対して、列方向に1つの画素ユニット200だけシフトしており、被ビニング領域530Cは、被ビニング領域510Cと異なる。また、被ビニング領域530Cは、第2のビニングパターンが適用される被ビニング領域520Cとも異なる。そのため、第3のフレームでビニングされる画素の組み合わせは、第1のフレームおよび第2のフレームでビニングされる画素の組み合わせと異なる。
【0111】
図14は、本発明の一実施形態に係る撮像システム100において、第4のフレームで実行される第4のビニングパターンのビニング処理を説明する模式図である。
【0112】
図14には、
図11に示された5×5個の画素ユニット200を含む画素ユニット群500Cが示されている。第4のビニングパターンは、画素ユニット群500Cの中の4個の被ビニング領域540C(第1の被ビニング領域540C−1〜第4の被ビニング領域540C−4)に対して実行されるビニング処理である。4個の被ビニング領域540Cの各々は、互いに隣接する4個(2×2個)の画素ユニット200を含む。また、4個の被ビニング領域540Cは、互いに隣接して配置されている。第4のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域540C内の4個の画素ユニット200に含まれる同色の4個の画素がビニングされる。換言すれば、第4のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域540C内の4個の画素ユニット200が、ビニング後画素ユニット640C(第1のビニング後画素ユニット640C−1〜第4のビニング後画素ユニット640−4)に変換される。
【0113】
したがって、第4のフレームにおいて第4のビニングパターンのビニング処理が実行されると、4個(2×2個)のビニング後画素ユニット640C(第1のビニング後画素ユニット640C−1〜第4のビニング後画素ユニット640−4)を含む第4のビニング信号600C−4が生成される。
【0114】
第4のビニングパターンも、2×2ビニングパターンということができる。しかしながら、第4のビニングパターンが適用される被ビニング領域540Cは、第1のビニングパターンが適用される被ビニング領域510Cに対して、行方向および列方向の各々に(すなわち、対角方向に)1つの画素ユニット200だけシフトしており、被ビニング領域540Cは、被ビニング領域510Cと異なる。また、被ビニング領域540Cは、第2のビニングパターンが適用される被ビニング領域520Cおよび第3のビニングパターンが適用される被ビニング領域530Cとも異なる。そのため、第4のフレームでビニングされる画素の組み合わせは、第1のフレーム〜第3のフレームでビニングされる画素の組み合わせと異なる。
【0115】
なお、画素配列の端部では、ビニング処理される画素が存在しない場合がある。そのような場合には、存在しない画素を無視してビニング処理を実行してもよく、画素を補間してビニング処理を実行してもよい。
【0116】
[2.解像度の復元処理]
本実施形態では、上述のビニング処理によって生成された連続する4つのフレームに含まれる第1のビニング信号600C−1〜第4のビニング信号600C−4を合成して解像度を復元する。以下では、
図15を参照して、第1のビニング信号600C−1〜第4のビニング信号600C−4を合成する解像度の復元処理について説明する。
【0117】
本実施形態では、第1のビニング信号600C−1の第1のビニング後画素ユニット610C−1〜第4のビニング後画素ユニット610C−4に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値を、それぞれ、K
1〜K
4とする。同様に、第2のビニング信号600C−2の第1のビニング後画素ユニット620C−1〜第4のビニング後画素ユニット620C−4に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値を、それぞれ、L
1〜L
4とする。同様に、第3のビニング信号600C−3の第1のビニング後画素ユニット630C−1〜第4のビニング後画素ユニット630C−4に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値を、それぞれ、M
1〜M
4とする。同様に、第4のビニング信号600C−4の第1のビニング後画素ユニット640C−1〜第4のビニング後画素ユニット640C−4に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値を、それぞれ、N
1〜N
4とする。また、本実施形態では、ビニング後画素ユニット610C〜640Cに含まれる第1の緑色画素(G1)に対する解像度の復元処理を説明するが、ビニング後画素ユニット610C〜640Cに含まれる青色画素(B)、赤色画素(R)、および第2の緑色画素(G2)の各々に対しても同様に解像度の復元処理を適用することができる。
【0118】
図15は、本発明の一実施形態に係る撮像システム100において、解像度の復元処理を説明する模式図である。
【0119】
図15に示すように、第1のビニング信号600C−1〜第4のビニング信号600C−4が合成されて、復元画素ユニット710C(第1の復元画素ユニット710C−1〜第16の復元画素ユニット710C−16)を含む画像信号700Cが生成される。
【0120】
本実施形態に係る撮像システム100のビニング処理では、第1のフレーム〜第4のフレームにおける被ビニング領域510C〜540Cの位置が異なる。そのため、解像度が復元された復元画素ユニット710Cに含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値は、被ビニング領域510C〜540Cの相対的な位置を考慮して算出することができる。被ビニング領域510Cの位置を基準とすると、被ビニング領域520Cの位置は行方向にシフトし、被ビニング領域530Cの位置は列方向にシフトし、および被ビニング領域540Cの位置は対角方向にシフトしている。そこで、第1のビニング信号600C−1のビニング後画素ユニット610Cを基準として、第2のビニング信号600C−2のビニング後画素ユニット620Cが行方向で隣接し、第3のビニング信号600C−3のビニング後画素ユニット630Cが列方向で隣接し、および第4のビニング信号600C−4のビニング後画素ユニット640Cが対角方向で隣接するように、ビニング後画素ユニット610C〜640Cを配置し、これを復元画素ユニット710とすることができる。なお、第1の復元画素ユニット710C−1〜第16の復元画素ユニット710C−16に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値は、それぞれ、
図15に示すとおりである。
【0121】
図15に示す4×4個の復元画素ユニット710Cは、ビニング処理前の画素ユニット群500Cに含まれる4×4個の画素ユニット200に対応するものである。そのため、上述した解像度の復元処理を実行することによって、ビニング処理によって低下した解像度を復元することができる。また、解像度が復元された復元画素ユニット710Cのノイズ量は、ランダムノイズの性質により、ビニングされていない画素ユニット200のノイズ量よりも小さい。したがって、解像度の復元処理によって生成された復元画素ユニット710Cを含む画像信号700Cは、S/Nが向上し、画像の解像度の低下が軽減される。
【0122】
本実施形態では、第5のフレーム以降も、順次、第1のビニング信号600C−1〜第4のビニング信号600C−4が生成される。すなわち、連続する4つのフレームには、第1のビニング信号600C−1〜第4のビニング信号600C−4が含まれる。そのため、各フレームに対応して、順次、画像信号700Cが生成されるため、フレームレートは変わらない。
【0123】
なお、上述したビニング処理および解像度の復元処理は、一例であって、これらに限られない。
【0124】
本発明の一実施形態に係る撮像システム100は、フレームレートを変更することなく、ビニング処理によって低下した画像の解像度を復元し、高感度および高解像度を有する画像信号700Cを出力することができる。
【0125】
<第5実施形態>
第4実施形態では、フレームごとに2×2ビニングパターンが適用される被ビニング領域をシフトしたビニング処理について説明したが、これらとは別のビニングパターン(例えば、1×4ビニングパターン)とを組み合わせて解像度の復元処理をしてもよい。ここでは、
図16〜
図19Bを参照して、第1実施形態〜第4実施形態とは異なるビニング処理および解像度の復元処理について説明する。
【0126】
[1.ビニング処理]
図16は、本発明の一実施形態に係る撮像システム100において、第1のフレームで実行される第1のビニングパターンのビニング処理を説明する模式図である。
【0127】
図16には、各々がベイヤー配列された4×6個の画素ユニット200を含む画素ユニット群500Dが示されている。画素ユニット群500Dは、画素部110の画素配列の一部である。第1のビニングパターンは、画素ユニット群500Dの中の4個の被ビニング領域510D(第1の被ビニング領域510D−1〜第4の被ビニング領域510D−4)に対して実行されるビニング処理である。4個の被ビニング領域510Dの各々は、互いに隣接する4個(2×2個)の画素ユニット200を含む。また、4個の被ビニング領域510Dは、互いに隣接して配置されている。また、第1のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域510D内の4個の画素ユニット200に含まれる同色の4個の画素がビニングされる。換言すれば、第1のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域510D内の4個の画素ユニットが、ビニング後画素ユニット610D(第1のビニング後画素ユニット610D−1〜第4のビニング後画素ユニット610D−4)に変換される。
【0128】
したがって、第1のフレームにおいて第1のビニングパターンのビニング処理が実行されると、4個(2×2個)のビニング後画素ユニット610D(第1のビニング後画素ユニット610D−1〜第4のビニング後画素ユニット610D−4)を含む第1のビニング信号600D−1が生成される。
【0129】
図17は、本発明の一実施形態に係る撮像システム100において、第2のフレームで実行される第2のビニングパターンのビニング処理を説明する模式図である。
【0130】
図17には、
図16に示された4×6個の画素ユニット200を含む画素ユニット群500Dが示されている。第2のビニングパターンは、画素ユニット群500Dの中の被ビニング領域520D(第1の被ビニング領域520D−1〜第6の被ビニング領域520D−6)に対して実行されるビニング処理である。6個の被ビニング領域520Dの各々は、互いに隣接する4個(2×2個)の画素ユニット200を含む。また、6個の被ビニング領域520Dは、隣接して配置されている。第2のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域520D内の4個の画素ユニット200に含まれる同色の4個の画素がビニングされる。換言すれば、第2のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域520D内の6個の画素ユニット200が、ビニング後画素ユニット620D(第1のビニング後画素ユニット620D−1〜第6のビニング後画素ユニット620D−6)に変換される。
【0131】
したがって、第2のフレームにおいて第2のビニングパターンのビニング処理が実行されると、6個(2×3個)のビニング後画素ユニット620D(第1のビニング後画素ユニット620D−1〜第6のビニング後画素ユニット620D−6)を含む第2のビニング信号600D−2が生成される。
【0132】
第1のビニングパターンと第2のビニングパターンとは、画素ユニット群500Dにおける被ビニング領域の位置および数が異なる。具体的には、第2のビニングパターンの被ビニング領域520Dは、第1のビニングパターンの被ビニング領域510Dに対して、列方向に1個の画素ユニット200だけシフトしている。なお、被ビニング領域520Dは、被ビニング領域510Dの上側にシフトされていてもよく、被ビニング領域510Dの下側にシフトされていてもよい。
【0133】
図18は、本発明の一実施形態に係る撮像システム100において、第3のフレームで実行される第3のビニングパターンのビニング処理を説明する模式図である。
【0134】
図18には、
図16に示された4×6個の画素ユニット200を含む画素ユニット群500Dが示されている。第3のビニングパターンは、画素ユニット群500Dの中の被ビニング領域530D(第1の被ビニング領域530D−1〜第4の被ビニング領域530D−4)に対して実行されるビニング処理である。4個の被ビニング領域530Dの各々は、列方向において連続する4個(1×4個)の画素ユニット200を含む。また、4個の被ビニング領域530Dは、行方向において連続して配置されている。第3のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域530D内の4個の画素ユニット200に含まれる同色の4個の画素がビニングされる。換言すれば、第3のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域530D内の4個の画素ユニット200が、ビニング後画素ユニット630D(第1のビニング後画素ユニット630D−1〜第4のビニング後画素ユニット630D−4)に変換される。
【0135】
したがって、第3のフレームにおいて第3のビニングパターンのビニング処理が実行されると、4個(4×1個)のビニング後画素ユニット630D(第1のビニング後画素ユニット630D−1〜第4のビニング後画素ユニット630D−4)を含む第3のビニング信号600D−3が生成される。
【0136】
第3のビニングパターンが適用される被ビニング領域530Dは、第1のビニングパターンが適用される被ビニング領域510Dおよび第2のビニングパターンが適用される被ビニング領域520Dと異なる。そのため、第3のフレームでビニングされる画素の組み合わせは、第1のフレームでビニングされる画素の組み合わせおよび第2のフレームでビニングされる画素の組み合わせのいずれとも異なる。
【0137】
[2.解像度の復元処理]
本実施形態では、上述のビニング処理によって生成された連続する3つのフレームに含まれる第1のビニング信号600D−1〜第3のビニング信号600D−3を用いて解像度を復元する。以下では、
図19Aおよび
図19Bを参照して、第1のビニング信号600D−1〜第3のビニング信号600D−3を用いた解像度の復元処理について説明する。
【0138】
図19Aおよび
図19Bは、本発明の一実施形態に係る撮像システム100において、解像度の復元処理を説明する模式図である。なお、以下では、ビニング後画素ユニット610D〜630Dに含まれる第1の緑色画素(G1)に対する解像度の復元処理を説明するが、ビニング後画素ユニット610D〜630Dに含まれる青色画素(B)、赤色画素(R)、および第2の緑色画素(G2)の各々に対しても同様に解像度の復元処理を適用することができる。
【0139】
本実施形態の解像度の復元処理では、第1のビニング信号600D−1と第2のビニング信号600D−2とを合成し、その後、第3のビニング信号600D−3を合成する。
【0140】
ここで、第1のビニング処理によって生成された第1のビニング後画素ユニット610D−1〜第4のビニング後画素ユニット610D−4に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値を、それぞれ、K
1〜K
4とする。同様に、第2のビニング処理によって生成された第1のビニング後画素ユニット620D−1〜第6のビニング後画素ユニット620D−6に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値を、それぞれ、L
1〜L
6とする。同様に、第3のビニング処理によって生成された第1のビニング後画素ユニット630D−1〜第4のビニング後画素ユニット630−4に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値を、それぞれ、M
1〜M
4とする。
【0141】
始めに、
図19Aに示すように、第1のビニング信号600D−1および第2のビニング信号600D−2を用いて、第1の合成ビニング後画素ユニット621D−1〜第8の合成ビニング後画素ユニット621D−8が生成される。なお、以下では、第1の合成ビニング後画素ユニット621D−1〜第4の合成ビニング後画素ユニット621D−4を特に区別しない場合は、合成ビニング後画素ユニット621Dとして説明する場合がある。
【0142】
合成ビニング後画素ユニット621Dは、線形補間により生成することができる。例えば、第1の合成ビニング後画素ユニット621D−1は、第1のビニング信号600D−1の第1のビニング後画素ユニット610D−1と第2のビニング信号600D−2の第1のビニング後画素ユニット620D−1との中間であるとする。また、第2の合成ビニング後画素ユニット621D−2は、第1のビニング信号600D−1の第1のビニング後画素ユニット610D−1と第2のビニング信号600D−2の第3のビニング後画素ユニット620D−3との中間であるとする。第3の合成ビニング後画素ユニット621D−3〜第8の合成ビニング後画素ユニット621D−8も同様である。したがって、合成ビニング後画素ユニット621Dに含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値であるK
1’、K
1’’、K
2’、K
2’’、K
3’、K
3’’、K
4’、およびK
4’’は、表4に示す式で算出することができる。
【0144】
次に、
図19Bに示すように、合成ビニング後画素ユニット621Dの面積を、行方向において2倍に拡張する変換を実行し、行方向において2つに分割する変換を実行する。その結果、第1の合成ビニング後画素ユニット621D−1〜第8の合成ビニング後画素ユニット621D−8は、第1の復元画素ユニット710−1〜第16の復元画素ユニット710D−16に変換される。なお、以下では、第1の復元画素ユニット710D−1〜第16の復元画素ユニット710D−16を特に区別しない場合は、復元画素ユニット710Dとして説明する場合がある。
【0145】
行方向における分割変換において、復元画素ユニット710Dに含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値は、第3のビニング信号600D−3が考慮される。具体的には、復元画素ユニット710Dに含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値は、第3のビニング信号600D−3の第1のビニング後画素ユニット630D−1および第2のビニング後画素ユニット630D−2に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値の比率、または第3のビニング信号600D−3の第3のビニング後画素ユニット630D−3および第4のビニング後画素ユニット630D−4に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値の比率が考慮される。したがって、第1の復元画素ユニット710D−1〜第16の復元画素ユニット710D−16に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値であるP
1〜P
16は、表5に示す式で算出することができる。
【0147】
図19Bに示す4×4個の復元画素ユニット710Dは、ビニング処理前の画素ユニット群500Dに含まれる4×4個の画素ユニット200に対応するものである。そのため、上述した解像度の復元処理を実行することによって、ビニング処理によって低下した解像度を復元することができる。また、解像度が復元された復元画素ユニット710のノイズ量は、ランダムノイズの性質により、ビニングされていない画素ユニット200のノイズ量よりも小さい。したがって、解像度の復元処理によって生成された復元画素ユニット710Dを含む画像信号700Dは、S/Nが向上し、画像の解像度の低下が軽減される。
【0148】
第4のフレーム以降も、順次、第1のビニング信号600D−1〜第3のビニング信号600D−3が生成される。すなわち、連続する3つのフレームには、第1のビニング信号600D−1〜第3のビニング信号600D−3が含まれる。したがって、各フレームに対応して、順次、画像信号700Dが生成されるため、フレームレートは変わらない。
【0149】
上述した解像度の復元処理の説明では、第1のビニング信号600D−1と第2のビニング信号600D−2とを合成し、その後、第3のビニング信号600D−3を合成したが、ビニング信号600Dを合成する順序はこれに限られない。第2のビニング信号600D−2と第3のビニング信号600D−3とを合成し、その後、第1のビニング信号600D−1を合成してもよい。また、第3のビニング信号600D−3と第1のビニング信号600D−1とを合成し、その後、第2のビニング信号600D−2を合成してもよい。
【0150】
なお、上述したビニング処理および解像度の復元処理は、一例であって、これらに限られない。
【0151】
本発明の一実施形態に係る撮像システム100は、フレームレートを変更することなく、ビニング処理によって低下した画像の解像度を復元し、高感度および高解像度を有する画像信号700Dを出力することができる。
【0152】
<第6実施形態>
撮像システム100において、ビニングされる画素は、隣接または連続する画素に限られない。ここでは、
図20〜
図23Bを参照して、隣接または連続しない画素を含む被ビニング領域に適用されるビニングパターンのビニング処理および解像度の復元処理について説明する。なお、以下では、第1実施形態〜第5実施形態で説明した構成と同様の構成については説明を省略する場合がある。
【0153】
[1.ビニング処理]
図20は、本発明の一実施形態に係る撮像システム100において、第1のフレームで実行される第1のビニングパターンのビニング処理を説明する模式図である。
【0154】
図20には、各々がベイヤー配列された4×4個の画素ユニット200を含む画素ユニット群500Eが示されている。画素ユニット群500Eは、画素部110の画素配列の一部である。第1のビニングパターンは、画素ユニット群500Eの中の4個の被ビニング領域510E(第1の被ビニング領域510E−1〜第4の被ビニング領域510E−4)に対して実行されるビニング処理である。4個の被ビニング領域51Eの各々は、互いに隣接する4個(2×2個)の画素ユニット200を含む。また、4個の被ビニング領域510Eは、互いに隣接して配置されている。第1のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域510E内の4個の画素ユニット200に含まれる同色の4個の画素がビニングされる。換言すれば、第1のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域510E内の4個の画素ユニットが、ビニング後画素ユニット610E(第1のビニング後画素ユニット610E−1〜第4のビニング後画素ユニット610E−4)に変換される。
【0155】
したがって、第1のフレームにおいて第1のビニングパターンのビニング処理が実行されると、4個(2×2個)のビニング後画素ユニット610E(第1のビニング後画素ユニット610E−1〜第4のビニング後画素ユニット610E−4)を含む第1のビニング信号600E−1が生成される。
【0156】
図21は、本発明の一実施形態に係る撮像システムにおいて、第2のフレームで実行される第2のビニングパターンのビニング処理を説明する模式図である。
【0157】
図21には、
図20に示された4×4個の画素ユニット200を含む画素ユニット群500Eが示されている。第2のビニングパターンは、画素ユニット群500Eの中の被ビニング領域520E(第1の被ビニング領域520E−1〜第4の被ビニング領域520E−4)に対して実行されるビニング処理である。第1の被ビニング領域520E−1は、第1の領域520E−1Aおよび第2の領域520E−1Bを含み、第1の領域520E−1Aおよび第2の領域520E−1Bの各々は、行方向において隣接する2個(2×1個)の画素ユニット200を含む。第1の領域520E−1Aと第2の領域520E−1Bとは隣接しておらず、列方向において1個の画素ユニット200だけ離れて配置されている。すなわち、第2のビニングパターンは、離れた画素をビニングするビニング処理である。
【0158】
同様に、第2の被ビニング領域520E−2は、第1の領域520E−2Aおよび第2の領域520E−2Bを含み、第3の被ビニング領域520E−3は、第1の領域520E−3Aおよび第2の領域520E−3Bを含み、第4の被ビニング領域520E−4は、第1の領域520E−4Aおよび第2の領域520E−4Bを含む。
【0159】
隣接する2つの列に着目すると、一方の列では、第1の被ビニング領域の第1の領域520E−1Aおよび第2の領域520E−1Bと第3の被ビニング領域の第1の領域520E−3Aおよび第2の領域520E−3Bとが互い違いに配置されている。また、他方の列では、第2の被ビニング領域の第1の領域520E−2Aおよび第2の領域520E−2Bと第4の被ビニング領域の第1の領域520E−4Aおよび第2の領域520E−4Bとが互い違いに配置されている。
【0160】
行方向においては、第1の被ビニング領域の第1の領域520E−1Aおよび第2の領域520E−1Bは、それぞれ、第2の被ビニング領域の第1の領域520E−2Aおよび第2の領域520E−2Bと隣接している。同様に、第3の被ビニング領域の第1の領域520E−3Aおよび第2の領域520E−3Bは、それぞれ、第4の被ビニング領域の第1の領域520E−4Aおよび第2の領域520E−4Bと隣接している。
【0161】
第2のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域520E内の4個の画素ユニット200に含まれる同色の4個の画素がビニングされる。換言すれば、第2のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域520E内の4個の画素ユニット200が、ビニング後画素ユニット620E(第1のビニング後画素ユニット620E−1〜第4のビニング後画素ユニット620E−4)に変換される。
【0162】
したがって、第2のフレームにおいて第2のビニングパターンのビニング処理が実行されると、4個(2×2個)のビニング後画素ユニット620E(第1のビニング後画素ユニット620E−1〜第4のビニング後画素ユニット620E−4)を含む第2のビニング信号600E−2が生成される。
【0163】
第2のビニングパターンが適用される被ビニング領域520Eは、第1のビニングパターンが適用される被ビニング領域510Eと異なる。そのため、第2のフレームでビニングされる画素の組み合わせは、第1のフレームでビニングされる画素の組み合わせと異なる。
【0164】
図22は、本発明の一実施形態に係る撮像システム100において、第3のフレームで実行される第3のビニングパターンのビニング処理を説明する模式図である。
【0165】
図22には、
図20に示された4×4個の画素ユニット200を含む画素ユニット群500Eが示されている。第3のビニングパターンは、画素ユニット群500Eの中の被ビニング領域530E(第1の被ビニング領域530E−1〜第4の被ビニング領域530E−4)に対して実行されるビニング処理である。4個の被ビニング領域530Eの各々は、列方向において連続する4個(1×4個)の画素ユニット200を含む。また、4個の被ビニング領域530Eは、行方向において連続して配置されている。第3のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域530E内の4個の画素ユニット200に含まれる同色の4個の画素がビニングされる。換言すれば、第3のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域530E内の4個の画素ユニットが、ビニング後画素ユニット630E(第1のビニング後画素ユニット630E−1〜第4のビニング後画素ユニット630E−4)に変換される。
【0166】
したがって、第3のフレームにおいて第3のビニングパターンのビニング処理が実行されると、4個(4×1個)のビニング後画素ユニット630E(第1のビニング後画素ユニット630E−1〜第4のビニング後画素ユニット630E−4)を含む第3のビニング信号600E−3が生成される。
【0167】
第3のビニングパターンが適用される被ビニング領域530Eは、第1のビニングパターンが適用される被ビニング領域510Eおよび第2のビニングパターンが適用される被ビニング領域520Eと異なる。そのため、第3のフレームでビニングされる画素の組み合わせは、第1のフレームでビニングされる画素の組み合わせおよび第2のフレームでビニングされる画素の組み合わせのいずれとも異なる。
【0168】
[2.解像度の復元処理]
本実施形態では、上述のビニング処理によって生成された連続する3つのフレームに含まれる第1のビニング信号600E−1〜第3のビニング信号600E−3を合成して解像度を復元する。以下では、
図23Aおよび
図23Bを参照して、第1のビニング信号600E−1〜第3のビニング信号600E−3を合成する解像度の復元処理について説明する。
【0169】
本実施形態では、第1のビニング信号600E−1の第1のビニング後画素ユニット610E−1〜第4のビニング後画素ユニット610E−4に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値を、それぞれ、K
1〜K
4とする。同様に、第2のビニング信号600E−2の第1のビニング後画素ユニット620E−1〜第4のビニング後画素ユニット620E−4に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値を、それぞれ、L
1〜L
4とする。同様に、第3のビニング信号600E−3の第1のビニング後画素ユニット630E−1〜第4のビニング後画素ユニット630E−4に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値を、それぞれ、M
1〜M
4とする。また、本実施形態では、ビニング後画素ユニット610E〜630Eに含まれる第1の緑色画素(G1)に対する解像度の復元処理を説明するが、ビニング後画素ユニット610E〜630Eに含まれる青色画素(B)、赤色画素(R)、および第2の緑色画素(G2)の各々に対しても同様に解像度の復元処理を適用することができる。
【0170】
図23Aおよび
図23Bは、本発明の一実施形態に係る撮像システム100において、解像度の復元処理を説明する模式図である。
【0171】
始めに、
図23Aに示すように、第1のビニング信号600E−1と第2のビニング信号600E−2とを合成し、合成ビニング後画素ユニット621E(第1の合成ビニング後画素ユニット621E−1〜第8の合成ビニング後画素ユニット621E−8)を生成する。
【0172】
合成ビニング後画素ユニット621Eは、第1のビニング信号600E−1のビニング後画素ユニット610Eの面積を列方向において2倍に拡張した後、2つに分割する変換によって生成される。合成ビニング後画素ユニット621Eに含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値は、第1のビニング信号600E−1のビニング後画素ユニット610Eに含まれる第1の緑色画素(G1)を基に、第2のビニング信号600E−2の2つのビニング後画素ユニット620Eに含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値の比率が考慮される。例えば、第1の合成ビニング後画素ユニット621E−1および第2の合成ビニング後画素ユニット621E−2は、第1のビニング信号600E−1の第1のビニング後画素ユニット610E−1に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値を基に、第2のビニング信号600E−2の第1のビニング後画素ユニット620E−1および第2のビニング後画素ユニット620E−2の第1の緑色画素(G1)の画素値の比率を考慮して算出することができる。したがって、第1の合成ビニング後画素ユニット621E−1〜第8の合成ビニング後画素ユニット621E−8に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値であるK
1’、K
1’’、K
2’、K
2’’、K
3’、K
3’’、K
4’、およびK
4’’は、表6に示す式で算出することができる。
【0174】
次に、
図23Bに示すように、第3のビニング信号600E−3が合成されて、復元画素ユニット710E(第1の復元画素ユニット710E−1〜第16の復元画素ユニット710E−16)を含む画像信号700Eが生成される。
【0175】
復元画素ユニット710Eは、合成ビニング後画素ユニット621Eの面積を行方向において2倍に拡張した後、2つに分割する変換によって生成される。復元画素ユニット710Eに含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値は、合成ビニング後画素ユニット621Eに含まれる第1の緑色画素(G1)を基に、第3のビニング信号600E−3の2つのビニング後画素ユニット630Eに含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値の比率が考慮される。例えば、第1の復元画素ユニット710E−1および第2の復元画素ユニット710E−2は、第1の合成ビニング後画素ユニット621E−1に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値を基に、第3のビニング信号600E−3の第1のビニング後画素ユニット630E−1および第2のビニング後画素ユニット630E−2に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値の比率を考慮して算出することができる。したがって、第1の復元画素ユニット710E−1〜第16の復元画素ユニット710E−16に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値であるP
1〜P
16は、表7に示す式で算出することができる。
【0177】
図23Bに示す4×4個の復元画素ユニット710Eは、ビニング処理前の画素ユニット群500Eに含まれる4×4個の画素ユニット200に対応するものである。そのため、上述した解像度の復元処理を実行することによって、ビニング処理によって低下した解像度を復元することができる。また、解像度が復元された復元画素ユニット710Eのノイズ量は、ランダムノイズの性質により、ビニングされていない画素ユニット200のノイズ量よりも小さい。したがって、解像度の復元処理によって生成された復元画素ユニット710Eを含む画像信号700Eは、S/Nが向上し、画像の解像度の低下が軽減される。
【0178】
本実施形態では、第4のフレーム以降も、順次、第1のビニング信号600E−1〜第3のビニング信号600E−3が生成される。すなわち、連続する3つのフレームには、第1のビニング信号600E−1〜第3のビニング信号600E−3が含まれる。したがって、各フレームに対応して、順次、画像信号700Eが生成されるため、フレームレートは変わらない。
【0179】
上述の解像度の復元処理では、第1のビニング信号600E−1を基に、第2のビニング信号600E−2および第3のビニング信号600E−3を合成したが、合成する順序はこれに限られない。第2のビニング信号600E−2を基に、第3のビニング信号600E−3および第1のビニング信号600E−1を合成してもよく、第3のビニング信号600E−3を基に、第1のビニング信号600E−1および第2のビニング信号600E−2を合成してもよい。
【0180】
なお、上述したビニング処理および解像度の復元処理は、一例であって、これらに限られない。
【0181】
本発明の一実施形態に係る撮像システム100は、フレームレートを変更することなく、ビニング処理によって低下した画像の解像度を復元し、高感度および高解像度を有する画像信号700Eを出力することができる。
【0182】
<第7実施形態>
第3実施形態で説明したように、撮像システム100において、解像度の復元処理に用いる複数のビニング信号の各々に含まれるビニング後画素ユニットの数は異なっていてもよい。ここでは、
図24〜
図27を参照して、第3実施形態とは異なるビニング処理および解像度の復元処理について説明する。なお、以下では、第1実施形態〜第6実施形態で説明した構成と同様の構成については説明を省略する場合がある。
【0183】
[1.ビニング処理]
図24は、本発明の一実施形態に係る撮像システム100において、第1のフレームで実行される第1のビニングパターンのビニング処理を説明する模式図である。
【0184】
図24には、各々がベイヤー配列された2×8個の画素ユニット200を含む画素ユニット群500Fが示されている。画素ユニット群500Fは、画素部110の画素配列の一部である。第1のビニングパターンは、画素ユニット群500Fの中の4個の被ビニング領域510F(第1の被ビニング領域510F−1〜第4の被ビニング領域510F−4)に対して実行されるビニング処理である。4個の被ビニング領域510Fの各々は、互いに隣接する4個(2×2個)の画素ユニット200を含む。また、4個の被ビニング領域510Fは、列方向に連続して配置されている。第1のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域510F内の4個の画素ユニット200に含まれる同色の4個の画素がビニングされる。換言すれば、第1のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域510F内の4個の画素ユニット200が、ビニング後画素ユニット610F(第1のビニング後画素ユニット610F−1〜第4のビニング後画素ユニット610F−4)に変換される。
【0185】
したがって、第1のフレームにおいて第1のビニングパターンのビニング処理が実行されると、4個(1×4個)のビニング後画素ユニット610F(第1のビニング後画素ユニット610F−1〜第4のビニング後画素ユニット610F−4)を含む第1のビニング信号600F−1が生成される。
【0186】
図25は、本発明の一実施形態に係る撮像システム100において、第2のフレームで実行される第2のビニングパターンのビニング処理を説明する模式図である。
【0187】
図25には、
図24に示された2×8個の画素ユニット200を含む画素ユニット群500Fが示されている。第2のビニングパターンは、画素ユニット群500Fの中の6個の被ビニング領域520F(第1の被ビニング領域520F−1〜第6の被ビニング領域520F−6)に対して実行されるビニング処理である。6個の被ビニング領域520Fの各々は、列方向において隣接する2個(1×2個)の画素ユニット200を含む。また、6個の被ビニング領域520Fは、隣接して配置されている。第2のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域520F内の2個の画素ユニットに含まれる同色の2個の画素がビニングされる。換言すれば、第2のビニングパターンのビニング処理では、被ビニング領域520F内の2個の画素ユニット200が、ビニング後画素ユニット620F(第1のビニング後画素ユニット620F−1〜第6のビニング後画素ユニット620F−6)に変換される。
【0188】
したがって、第2のフレームにおいて第2のビニングパターンのビニング処理が実行されると、6個(2×3個)のビニング後画素ユニット620F(第1のビニング後画素ユニット620F−1〜第6のビニング後画素ユニット620F−6)を含む第2のビニング信号600F−2が生成される。
【0189】
[2.解像度の復元処理]
本実施形態では、上述のビニング処理によって生成された連続する2つのフレームに含まれる第1のビニング信号600F−1および第2のビニング信号600F−2を用いて解像度を復元する。以下では、第1のビニング信号600F−1を基に第2のビニング信号600F−2を合成する解像度の復元処理(
図26)および第2のビニング信号600F−2を基に第1のビニング信号600F−1を合成する解像度の復元処理(
図27)について説明する。
【0190】
本実施形態では、第1のビニング信号600F−1の第1のビニング後画素ユニット610F−1〜第4のビニング後画素ユニット610F−4に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値を、それぞれ、K
1〜K
4とする。同様に、第2のビニング信号600F−2の第1のビニング後画素ユニット620F−1〜第6のビニング後画素ユニット620F−6に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値を、それぞれ、L
1〜L
6とする。また、本実施形態では、ビニング後画素ユニット610Fおよび620Fに含まれる第1の緑色画素(G1)に対する解像度の復元処理を説明するが、ビニング後画素ユニット610Fおよび620Fに含まれる青色画素(B)、赤色画素(R)、および第2の緑色画素(G2)の各々に対しても同様に解像度の復元処理を適用することができる。
【0191】
図26は、本発明の一実施形態に係る撮像システム100において、第1のビニング信号600F−1を基に第2のビニング信号600F−2を合成する解像度の復元処理を説明する模式図である。
【0192】
図26に示すように、第1のビニング信号600F−1を基に第2のビニング信号600F−2が合成されて、復元画素ユニット710F(第1の復元画素ユニット710F−1〜第8の復元画素ユニット710F−8)を含む画像信号700Fが生成される。
【0193】
第1のビニング信号600F−1を基に解像度を復元する場合、第1のビニング信号600F−1のビニング後画素ユニット610Fの一部である第2のビニング後画素ユニット610F−2および第3のビニング後画素ユニット610F−3を用いてもよい。復元画素ユニット710Fは、列方向に、第2のビニング後画素ユニット610F−2および第3のビニング後画素ユニット610F−3を補間し、それぞれの面積を行方向において2倍に拡張した後、2つに分割する変換によって生成される。復元画素ユニット710Fに含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値は、第1のビニング信号600F−1のビニング後画素ユニット610Fに含まれる第1の緑色画素(G1)を基に、第2のビニング信号600F−2の2つのビニング後画素ユニット620Fに含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値の比率が考慮される。したがって、第1の復元画素ユニット710F−1〜第8の復元画素ユニット710F−8に含まれる第1の緑色画素(G1)である画素値P
1〜P
8は、表8に示す式で算出することができる。
【0195】
図26に示す2×4個の復元画素ユニット710Fは、ビニング処理前の画素ユニット群500Fに含まれる2×4個の画素ユニット200に対応するものである。そのため、上述した解像度の復元処理を実行することによって、ビニング処理によって低下した解像度を復元することができる。また、解像度が復元された復元画素ユニット710Fのノイズ量は、ランダムノイズの性質により、ビニングされていない画素ユニット200のノイズ量よりも小さい。したがって、解像度の復元処理によって生成された復元画素ユニット710Fを含む画像信号700Fは、S/Nが向上し、画像の解像度の低下が軽減される。
【0196】
図27は、本発明の一実施形態に係る撮像システム100において、第2のビニング信号600F−2を基に第1のビニング信号600F−1を合成する解像度の復元処理を説明する模式図である。
【0197】
図27に示すように、第2のビニング信号600F−2を基に第1のビニング信号600F−1が合成されて、復元画素ユニット710F’(第1の復元画素ユニット710F’−1〜第8の復元画素ユニット710F’−8)を含む画像信号700F’が生成される。
【0198】
復元画素ユニット710F’は、列方向に第3のビニング後画素ユニット620F−3および第4のビニング後画素ユニット620F−4を補間し、2つに分割する変換によって生成される。ここでは、第3のビニング後画素ユニット620F−3および第4のビニング後画素ユニット620F−4を補間したが、第1のビニング後画素ユニット620F−1〜第6のビニング後画素ユニット620F−6のいずれを補間してもよい。復元画素ユニット710F’に含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値は、第2のビニング信号600F−2のビニング後画素ユニット620Fに含まれる第1の緑色画素(G1)を基に、第1のビニング信号600F−1の2つのビニング後画素ユニット610Fに含まれる第1の緑色画素(G1)の画素値の比率が考慮される。したがって、第1の復元画素ユニット710F’−1〜第8の復元画素ユニット710F’−8に含まれる第1の緑色画素(G1)である画素値P’
1〜P’
8は、表9に示す式で算出することができる。
【0200】
図27に示す2×4個の復元画素ユニット710F’は、ビニング処理前の画素ユニット群500Fに含まれる2×4個の画素ユニット200に対応するものである。そのため、上述した解像度の復元処理を実行することによって、ビニング処理によって低下した解像度を復元することができる。また、解像度が復元された復元画素ユニット710F’のノイズ量は、ランダムノイズの性質により、ビニングされていない画素ユニット200のノイズ量よりも小さい。したがって、解像度の復元処理によって生成された復元画素ユニット710F’を含む画像信号700F’は、S/Nが向上し、画像の解像度の低下が軽減される。
【0201】
以上、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、各実施形態の撮像システムを基にして、当業者が適宜構成の追加、削除、または設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。さらに、上述した各実施形態は、相互に矛盾がない限り適宜組み合わせが可能であり、各実施形態に共通する技術事項については、明示の記載がなくても各実施形態に含まれる。
【0202】
また、上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【解決手段】撮像システムは、連続する第1乃至第nのフレーム(nは2以上の整数)において、第1の方向または第2の方向に配列された複数の画素をビニングし、第1乃至第nのビニング信号を生成するビニング処理部と、第1乃至第nのビニング信号を合成し、解像度が復元された画像信号を生成する解像度復元処理と、を含み、ビニングされる複数の画素の組み合わせは、第1乃至第nのフレームごとに異なる。