特許第6865053号(P6865053)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6865053
(24)【登録日】2021年4月7日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/50 20210101AFI20210419BHJP
   H01M 50/20 20210101ALI20210419BHJP
   H01G 11/76 20130101ALI20210419BHJP
   H01G 11/10 20130101ALI20210419BHJP
【FI】
   H01M2/20 A
   H01M2/10 M
   H01G11/76
   H01G11/10
【請求項の数】10
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2017-19653(P2017-19653)
(22)【出願日】2017年2月6日
(65)【公開番号】特開2017-152373(P2017-152373A)
(43)【公開日】2017年8月31日
【審査請求日】2020年1月21日
(31)【優先権主張番号】特願2016-30357(P2016-30357)
(32)【優先日】2016年2月19日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 英司
(72)【発明者】
【氏名】澁谷 健太郎
【審査官】 儀同 孝信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−206840(JP,A)
【文献】 特開2014−197514(JP,A)
【文献】 特開2008−186725(JP,A)
【文献】 特開2012−186016(JP,A)
【文献】 特開2013−051175(JP,A)
【文献】 特開2007−005288(JP,A)
【文献】 特開2002−337631(JP,A)
【文献】 特開2014−222568(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0330594(US,A1)
【文献】 中国実用新案第202259520(CN,U)
【文献】 特開2013−179094(JP,A)
【文献】 特開2013−143281(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50
H01G 11/10
H01G 11/76
H01M 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部端子をそれぞれ有し且つ第一方向に並ぶ複数の蓄電素子と、
異なる蓄電素子の前記外部端子同士を導通させるバスバと、
第一方向において隣り合う前記蓄電素子の間に配置される隣接部材と、
前記隣接部材に対して取り外し可能に取り付けられる取付部材と、を備え、
前記バスバは、前記複数の蓄電素子のうちの前記隣接部材の第一方向の一方側に配置される蓄電素子の前記外部端子に接続される第一部材と、前記複数の蓄電素子のうちの前記隣接部材の第一方向の他方側に配置される蓄電素子の前記外部端子に接続される第二部材と、を有すると共に、これら前記隣接部材の第一方向の両側に配置される前記蓄電素子の外部端子同士を接続し、
前記第一部材と前記第二部材とは、直接又は間接に導通して導通経路を形成し、
前記導通経路は、途中を離間又は分断可能に構成されており、
前記第一部材は、前記隣接部材の一方側に配置される蓄電素子の前記外部端子に接続される第一接続部、及び前記第一接続部から延びる第一延設部、を有し、
前記第二部材は、前記隣接部材の他方側に配置される蓄電素子の前記外部端子に接続される第二接続部、及び前記第二接続部から延びる第二延設部、を有し、
前記第一延設部は、第一導通面を有し、
前記第二延設部は、前記第一導通面と向き合った状態で該第一導通面に離間可能に重ねられる第二導通面を有し、
前記取付部材は、前記第一延設部の前記第一導通面を含む部位である第一導通部位と、前記第二延設部の前記第二導通面を含む部位である第二導通部位とを前記隣接部材に押圧し、
前記第一導通面及び前記第二導通面のそれぞれは、前記取付部材が前記第一導通部位及び前記第二導通部位を前記隣接部材に向けて押圧する方向と交差する平面である、蓄電装置。
【請求項2】
前記バスバは、前記隣接部材と反対の側から前記第一延設部及び前記第二延設部に対して重ねられる第三部材を有し、
前記隣接部材は、第二方向に前記バスバと重なる位置に雌ねじ部を有し、
前記取付部材は、重なっている状態の前記第一延設部と前記第二延設部と前記第三部材とを該第三部材の側から貫通した状態で前記雌ねじ部にねじ込まれている雄ねじ部を有し、
前記第三部材は、前記雄ねじ部が前記雌ねじ部にねじ込まれるときの回転方向において前記隣接部材と当接する当接部を有する、請求項に記載の蓄電装置。
【請求項3】
外部端子をそれぞれ有し且つ第一方向に並ぶ複数の蓄電素子と、
異なる蓄電素子の前記外部端子同士を導通させるバスバと、
絶縁部材と、を備え、
前記バスバは、少なくとも、前記複数の蓄電素子のうちの所定の蓄電素子の前記外部端子に接続される第一部材と、前記複数の蓄電素子のうちの他の蓄電素子の前記外部端子に接続される第二部材と、を有し、
前記第一部材と前記第二部材とは、直接又は間接に導通して導通経路を形成し、
前記導通経路は、途中を離間又は分断可能に構成されており、
前記第一部材は、前記複数の蓄電素子のうちの所定の蓄電素子の前記外部端子に接続される第一接続部、及び前記第一接続部から延びる第一延設部、を有し、
前記第二部材は、前記複数の蓄電素子のうちの他の蓄電素子の前記外部端子に接続される第二接続部、及び前記第二接続部から延びる第二延設部、を有し、
前記第一延設部は、第一導通面を有し、
前記第二延設部は、前記第一導通面と向き合った状態で該第一導通面に離間可能に重ねられる第二導通面を有し、
前記絶縁部材は、前記第一導通面と前記第二導通面との間に引き抜き可能に差し込まれている、蓄電装置。
【請求項4】
外部端子をそれぞれ有し且つ第一方向に並ぶ複数の蓄電素子と、
異なる蓄電素子の前記外部端子同士を導通させるバスバと、を備え、
前記バスバは、少なくとも、前記複数の蓄電素子のうちの所定の蓄電素子の前記外部端子に接続される第一部材と、前記複数の蓄電素子のうちの他の蓄電素子の前記外部端子に接続される第二部材と、を有し、
前記第一部材と前記第二部材とは、直接又は間接に導通して導通経路を形成し、
前記導通経路は、途中を離間又は分断可能に構成されており、
前記第一部材は、前記複数の蓄電素子のうちの所定の蓄電素子の前記外部端子に接続される第一接続部、及び前記第一接続部から延びる第一延設部、を有し、
前記第二部材は、前記複数の蓄電素子のうちの他の蓄電素子の前記外部端子に接続される第二接続部、及び前記第二接続部から延びる第二延設部、を有し、
前記第一延設部は、第一導通面と、前記第一導通面の端縁から延びる第一案内部と、を有し、
前記第二延設部は、前記第一導通面と向き合った状態で該第一導通面に離間可能に重ねられる第二導通面と、前記第二導通面の端縁における前記第一案内部と対応する位置から延びる第二案内部と、を有し、
前記第一案内部と前記第二案内部との間隔は、前記第一導通面及び前記第二導通面から離れるにつれて大きくなっている、蓄電装置。
【請求項5】
前記第一導通面及び前記第二導通面のそれぞれは、第一方向を含む平面である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記第一延設部及び前記第二延設部のうちの少なくとも一方は、前記第一導通面又は前記第二導通面を含む部位より前記第一接続部に近い位置又は前記第二接続部に近い位置に、曲がっている部位を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項7】
外部端子を有する蓄電素子と、
前記蓄電素子を保持する保持部材と、
外部への電気の入出力に用いられる総端子を有し、前記保持部材に取り付けられる端子台と、
前記外部端子と前記総端子とを電気的に接続するバスバと、
前記端子台に対して取り外し可能に取り付けられる取付部材と、を備え、
前記バスバは、
前記外部端子に接続される第一接続部、及び前記第一接続部から延びる第一延設部、を有する第一部材と、
前記総端子に接続される第二接続部、及び前記第二接続部から延びる第二延設部、を有する第二部材と、
を有し、
前記第一延設部は、第一導通面を有し、
前記第二延設部は、前記第一導通面と向き合った状態で該第一導通面に離間可能に重ねられる第二導通面を有し、
前記取付部材は、前記第一延設部の前記第一導通面を含む部位である第一導通部位と、前記第二延設部の前記第二導通面を含む部位である第二導通部位とを前記端子台に押圧し、
前記第一導通面及び前記第二導通面のそれぞれは、前記取付部材が前記第一導通部位及び前記第二導通部位を前記端子台に向けて押圧する方向と交差する平面である、蓄電装置。
【請求項8】
外部端子を有する蓄電素子と、
外部への電気の入出力に用いられる総端子と、
前記外部端子と前記総端子とを電気的に接続するバスバと、
絶縁部材と、を備え、
前記バスバは、
前記外部端子に接続される第一接続部、及び前記第一接続部から延びる第一延設部、を有する第一部材と、
前記総端子に接続される第二接続部、及び前記第二接続部から延びる第二延設部、を有する第二部材と、
を有し、
前記第一延設部は、第一導通面を有し、
前記第二延設部は、前記第一導通面と向き合った状態で該第一導通面に離間可能に重ねられる第二導通面を有し、
前記絶縁部材は、前記第一導通面と前記第二導通面との間に引き抜き可能に差し込まれている、蓄電装置。
【請求項9】
外部端子を有する蓄電素子と、
外部への電気の入出力に用いられる総端子と、
前記外部端子と前記総端子とを電気的に接続するバスバと、を備え、
前記バスバは、
前記外部端子に接続される第一接続部、及び前記第一接続部から延びる第一延設部、を有する第一部材と、
前記総端子に接続される第二接続部、及び前記第二接続部から延びる第二延設部、を有する第二部材と、
を有し、
前記第一延設部は、第一導通面と、前記第一導通面の端縁から延びる第一案内部と、を有し、
前記第二延設部は、前記第一導通面と向き合った状態で該第一導通面に離間可能に重ねられる第二導通面と、前記第二導通面の端縁における前記第一案内部と対応する位置から延びる第二案内部と、を有し、
前記第一案内部と前記第二案内部との間隔は、前記第一導通面及び前記第二導通面から離れるにつれて大きくなる、蓄電装置。
【請求項10】
外部端子をそれぞれ有し且つ第一方向に並ぶ複数の蓄電素子と、
異なる蓄電素子の前記外部端子同士を導通させるバスバと、
第一方向において隣り合う前記蓄電素子の間に配置される隣接部材と、を備え、
前記バスバは、前記複数の蓄電素子のうちの前記隣接部材の第一方向の一方側に配置される蓄電素子の前記外部端子に接続される第一部材と、前記複数の蓄電素子のうちの前記隣接部材の第一方向の他方側に配置される蓄電素子の前記外部端子に接続される第二部材と、前記第一部材と前記第二部材とを導通可能に接続する接続部材と、を有すると共に、これら前記隣接部材の第一方向の両側に配置される前記蓄電素子の外部端子同士を接続し、
前記第一部材と前記第二部材とは、前記接続部材を介して導通して導通経路を形成し、
前記接続部材が前記第一部材及び前記第二部材の少なくとも一方と離間可能に接触することで、前記導通経路途中を離間又は分断可能に構成され
前記接続部材は、取り外し可能に前記隣接部材に固定されている、蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部端子を有する蓄電素子と前記外部端子に接続されるバスバとを備える蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の電池セルを備えた組電池が知られている(特許文献1参照)。具体的に、この組電池は、正極端子及び負極端子からなる電極端子をそれぞれ有する複数の電池セルと、全ての前記電池セルを直列に結線するように電極端子間を接続する複数のバスバと、を備える。
【0003】
前記組電池において、電気が流れる経路の一方端に位置する前記電池セルの前記正極端子が接続される前記バスバの端部が該組電池全体の総端子としての正極側端子に相当する。また、前記電気が流れる経路の他方端に位置する前記電池セルの前記負極端子が接続される前記バスバの端部が該組電池全体の総端子としての負極側端子に相当する。
【0004】
以上の組電池では、前記バスバが前記電極端子にレーザー溶接やアーク溶接によって接続(固着)されている。このため、前記電極端子から前記バスバを容易に取り外すことができず、これにより、前記組電池においては、前記正極側端子(正極側の総端子)と前記負極側端子(負極側の総端子)とから電気の入出力が常に可能である。このため、前記組電池では、該組電池が設置等される装置等への取り付け時又は輸送時等の電気の入出力が不要な場合であっても、前記正極側端子と前記負極側端子とから電気の入出力が可能な状態が維持される。
【0005】
前記バスバが前記電極端子に対してボルト等によって接続されている場合、該バスバは、前記電極端子から取り外し可能である。しかしながら、前記ボルト等による接続時のトルクが前記電極端子において何度も生じると、前記電池セルの気密性に影響を与える可能性がある。このため、前記電池セルの前記電極端子以外の部分で、前記組電池において前記正極側端子と前記負極側端子とから電気の入出力ができない状態にできることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−120690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本実施形態は、電気を入出力できない状態にできる蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態の蓄電装置は、
外部端子をそれぞれ有し且つ第一方向に並ぶ複数の蓄電素子と、
異なる蓄電素子の前記外部端子同士を導通させるバスバと、を備え、
前記バスバは、少なくとも、前記複数の蓄電素子のうちの所定の蓄電素子の前記外部端子に接続される第一部材と、前記複数の蓄電素子のうちの他の蓄電素子の前記外部端子に接続される第二部材と、を有し、
前記第一部材と前記第二部材とは、直接又は間接に導通して導通経路を形成し、
前記導通経路は、途中を離間又は分断可能に構成されている。
【0009】
かかる構成によれば、導通経路の途中を離間又は分断させることで、蓄電装置を電気の入出力できない状態にすることができる。
【0010】
前記蓄電装置では、
前記第一部材は、前記複数の蓄電素子のうちの所定の蓄電素子の前記外部端子に接続される第一接続部、及び前記第一接続部から延びる第一延設部、を有し、
前記第二部材は、前記複数の蓄電素子のうちの他の蓄電素子の前記外部端子に接続される第二接続部、及び前記第二接続部から延びる第二延設部、を有し、
前記第一延設部は、第一導通面を有し、
前記第二延設部は、前記第一導通面と向き合った状態で該第一導通面に離間可能に重ねられる第二導通面を有してもよい。
【0011】
かかる構成によれば、第一導通面と第二導通面とが離間可能に重ねられた状態であるため、これら第一導通面と第二導通面とを離間させることによって、蓄電装置を電気の入出力できない状態にすることができる。
【0012】
この場合、
前記第一導通面及び前記第二導通面のそれぞれは、第一方向を含む平面であってもよい。
【0013】
かかる構成によれば、両導通面が第二方向とそれぞれ直交する平面であるため、バスバによって外部端子同士が接続される蓄電素子の間隔(第一方向の間隔)に製造誤差等が生じても、第一導通面と第二導通面とが面接触した状態で第一方向に相対移動できる。これにより、前記製造誤差等が生じても第一導通面と第二導通面とを確実に導通(面接触)させることができる。
【0014】
また、前記蓄電装置では、
前記第一延設部及び前記第二延設部のうちの少なくとも一方は、前記第一導通面又は前記第二導通面を含む部位より前記第一接続部に近い位置又は前記第二接続部に近い位置に、曲がっている部位を有してもよい。
【0015】
このように曲がっている部位を有することで、バスバによって外部端子同士が接続される蓄電素子の第一方向の間隔が変化しても、前記曲がっている部位が広がる又はより曲がることで、第一部材及び第二部材における外部端子と接続している部位(第一及び第二接続部)に、前記間隔の変化に起因する応力が集中するのが抑えられる。これにより、第一部材及び第二部材において、前記間隔の変化に起因する損傷が防がれる。
【0016】
また、前記蓄電装置では、
第一方向において隣り合う前記蓄電素子の間に配置される隣接部材と、
前記隣接部材に対して取り外し可能に取り付けられる取付部材と、を備え、
前記バスバは、前記隣接部材の第一方向の両側に配置される前記蓄電素子の外部端子同士を接続し、
前記取付部材は、前記第一延設部の前記第一導通面を含む部位である第一導通部位と、前記第二延設部の前記第二導通面を含む部位である第二導通部位とを前記隣接部材に押圧し、
前記第一導通面及び前記第二導通面のそれぞれは、前記取付部材が前記第一導通部位及び前記第二導通部位を前記隣接部材に向けて押圧する方向と交差する平面であってもよい。
【0017】
かかる構成によれば、第一導通部位と第二導通部位とが取付部材によって隣接部材に押圧されるため、第一導通面と第二導通面とが互いに押し付けられ、これにより、蓄電装置に振動等が加わっても、第一導通部位と第二導通部位との導通状態を確実に維持できる。
【0018】
前記蓄電装置では、
前記バスバは、前記隣接部材と反対の側から前記第一延設部及び前記第二延設部に対して重ねられる第三部材を有し、
前記隣接部材は、第二方向に前記バスバと重なる位置に雌ねじ部を有し、
前記取付部材は、重なっている状態の前記第一延設部と前記第二延設部と前記第三部材とを該第三部材の側から貫通した状態で前記雌ねじ部にねじ込まれている雄ねじ部を有し、
前記第三部材は、前記雄ねじ部が前記雌ねじ部にねじ込まれるときの回転方向において前記隣接部材と当接する当接部を有してもよい。
【0019】
かかる構成によれば、隣接部材との間に第一部材及び第二部材を挟み込む第三部材が、雄ねじ部の回転方向において隣接部材と当接する当接部を有しているため、雄ねじ部を雌ねじ部にねじ込むときのトルクが第三部材によって第一部材及び第二部材に伝わるのを防ぐことができる。これにより、外部端子に接続されている接続部に前記トルクに起因する応力が加わるのを防ぐことができる。
【0020】
また、前記蓄電装置では、
前記第一導通面と前記第二導通面との間に引き抜き可能に差し込まれている絶縁部材を備えてもよい。
【0021】
かかる構成によれば、絶縁部材を第一導通面と第二導通面との間に差し込み、又は引き抜くことによって、蓄電装置から電気を入出力ができる状態とできない状態とに切り替えることができる。即ち、絶縁部材が第一導通面と第二導通面との間に差し込まれているときには、第一導通部位と第二導通部位との間の導通が遮断されて蓄電装置が電気を入出力できない状態になる一方、絶縁部材が引き抜かれているときには、第一導通部位と第二導通部位とが導通して(第一導通面と第二導通面とが面接触して)蓄電装置が電気を入出力できる状態になる。
【0022】
また、前記蓄電装置では、
前記第一延設部は、前記第一導通面の端縁から延びる第一案内部を有し、
前記第二延設部は、前記第二導通面の端縁における前記第一案内部と対応する位置から延びる第二案内部を有し、
前記第一案内部と前記第二案内部との間隔は、前記第一導通面及び前記第二導通面から離れるにつれて大きくなってもよい。
【0023】
かかる構成によれば、第一導通面と第二導通面とが重なっている位置に近づくにつれて第一案内部と第二案内部との間隔が小さくなっているため、第一導通面と第二導通面との間に絶縁部材等の部材を差し込むときに該部材が第一案内部と第二案内部とに案内され、これにより、第一導通面と第二導通面との間に前記部材が差し込みやすくなる。
【0024】
前記蓄電装置では、
第一方向において隣り合う前記蓄電素子の間に配置される隣接部材を備え、
前記バスバは、前記第一部材と前記第二部材とを導通可能に接続する接続部材を有し、前記隣接部材の第一方向の両側に配置される前記蓄電素子の外部端子同士を接続し、
前記接続部材は、前記第一部材及び前記第二部材の少なくとも一方と離間可能に接触していてもよい。
【0025】
かかる構成によれば、接続部材を第一部材及び第二部材の少なくとも一方と離間させることで導通経路が途中で分断されるため、蓄電装置を電気の入出力できない状態にすることができる。
【0026】
また、本実施形態の蓄電装置は、
外部端子を有する蓄電素子と、
外部への電気の入出力に用いられる総端子と、
前記外部端子と前記総端子とを電気的に接続するバスバと、を備え、
前記バスバは、
前記外部端子に接続される第一接続部、及び前記第一接続部から延びる第一延設部、を有する第一部材と、
前記総端子に接続される第二接続部、及び前記第二接続部から延びる第二延設部、を有する第二部材と、
を有し、
前記第一延設部は、第一導通面を有し、
前記第二延設部は、前記第一導通面と向き合った状態で該第一導通面に離間可能に重ねられる第二導通面を有する。
【0027】
かかる構成によれば、第一導通面と第二導通面とが離間可能に重ねられた状態であるため、これら第一導通面と第二導通面とを離間させることによって、蓄電装置を電気の入出力できない状態にすることができる。
【発明の効果】
【0028】
以上より、本実施形態によれば、電気を入出力できない状態にできる蓄電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、本実施形態の係る蓄電装置の斜視図である。
図2図2は、前記蓄電装置の構成を一部省略した状態の分解斜視図である。
図3図3は、前記蓄電装置に用いられる蓄電素子の斜視図である。
図4図4は、前記蓄電素子の分解斜視図である。
図5図5は、前記蓄電装置における第一バスバ及びその周辺の拡大斜視図である。
図6図6は、前記蓄電装置における第一バスバ及びその周辺の分解斜視図である。
図7図7は、取付部材及び第三部材を取り除いた状態の第一バスバ及びその周辺の拡大斜視図である。
図8図8は、第二バスバの斜視図である。
図9図9は、端部バスバの斜視図である。
図10図10は、図1のX−X位置における断面図であって、端子台及びその周辺の断面図である。
図11図11は、絶縁プレートの斜視図である。
図12図12は、取付部材及び第三部材を取り外した状態で、第一部材と第二部材との間に前記絶縁プレートを差し込んだ状態の第一バスバ及びその周辺の拡大斜視図である。
図13図13は、他実施形態に係る蓄電装置における端子台及びその周辺の分解斜視図である。
図14図14は、前記端子台及びその周辺の拡大断面図である。
図15図15は、他実施形態に係る第一バスバを説明するための図である。
図16図16は、他実施形態に係る第一バスバを説明するための図である。
図17図17は、他実施形態に係る第一バスバを説明するための図である。
図18図18は、他実施形態に係る迂回部を説明するための模式図である。
図19図19は、他実施形態に係る絶縁プレートの斜視図である。
図20図20は、他実施形態に係る絶縁プレートをバスバプレートの長穴に差し込んだ状態の部分拡大斜視図である。
図21図21は、他実施形態に係る絶縁プレートの斜視図である。
図22図22は、前記絶縁プレートが中間バスバを構成する第一部材と第二部材との間に配置された状態を説明するための図である。
図23図23は、他実施形態に係る絶縁プレートが中間バスバを構成する第一部材と第二部材との間に配置された状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態について、図1図12を参照しつつ説明する。尚、本実施形態の各構成部材(各構成要素)の名称は、本実施形態におけるものであり、背景技術における各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
【0031】
蓄電装置は、図1及び図2に示すように、外部端子13をそれぞれ有し且つ所定の方向に並ぶ複数の蓄電素子10と、異なる蓄電素子10の外部端子13同士を導通させる複数のバスバ5と、を備える。また、蓄電装置1は、蓄電素子10と隣り合う複数の隣接部材2と、複数の蓄電素子10と複数の隣接部材2とをひとまとめに保持する保持部材3と、複数の蓄電素子10と保持部材3との間に配置されるインシュレータ4と、を備える。本実施形態の蓄電装置1は、隣接部材2に対して取り外し可能に取り付けられる取付部材6を備える。また、蓄電装置1は、外部への電気の入出力に用いられる総端子71(図10参照)を有する一対の端子台7も備える。
【0032】
複数の蓄電素子10のそれぞれは、図3及び図4にも示すように、正極及び負極を含む電極体11と、電極体11を収容するケース12と、ケース12の外面に配置される一対の外部端子13とを備える。
【0033】
ケース12は、開口を有するケース本体120と、ケース本体120の開口を塞ぐ蓋板121とを有する。本実施形態のケース12は、直方体形状である。
【0034】
ケース本体120は、矩形板状の閉塞部123と、閉塞部123の周縁に接続された筒状の胴部124と、を有する。胴部124は、閉塞部123の輪郭に沿った角筒状、即ち、扁平な角筒状である。この胴部124の一端は、閉塞部123によって閉塞され、他端は、開口する。即ち、ケース本体120は、扁平な有底角筒形状を有する。
【0035】
蓋板121は、ケース本体120の開口を塞ぐ板状の部材である。具体的に、蓋板121は、法線方向から見て、ケース本体120の開口周縁部に対応した輪郭を有する。本実施形態の蓋板121には、一対の外部端子13が電極体11の各極(正極、負極)に電気的に接続された状態で取り付けられる。本実施形態の蓋板121では、一対の外部端子13は、矩形の蓋板121の長手方向に間隔をあけて配置されている。
【0036】
以上のケース12は、電極体11が内部に収容された状態で、蓋板121の周縁部がケース本体120の開口周縁部に重ねられて該ケース本体120の開口が塞がれ、この状態の蓋板121とケース本体120との境界部が溶接されることで構成される。
【0037】
本実施形態の蓄電装置1では、以上のように構成される蓄電素子10が複数配置されている。具体的には、複数の蓄電素子10が、胴部124の幅広の壁部同士を対向させるように並んでいる。尚、以下の説明では、蓄電素子10の整列する方向(胴部124の幅広の壁部同士が対向する方向:第一方向)を直交座標系におけるX軸方向とする。また、蓄電素子10の胴部124の幅狭の壁部同士が対向する方向(第三方向)を直交座標系におけるY軸方向とし、蓄電素子10の蓋板121と閉塞部123との対向する方向(第二方向)を直交座標系のZ軸方向とする。これに伴い、各図面に、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向のそれぞれに対応する直交座標軸を補助的に図示する。
【0038】
隣接部材2は、X軸方向に並ぶ蓄電素子10の間、又は蓄電素子10と該蓄電素子10に対してX軸方向に並ぶ部材(本実施形態の例では、保持部材3の一部)との間に配置される。この隣接部材2は、図2に示すように、複数種の隣接部材を含む。本実施形態の隣接部材2は、蓄電装置1のX軸方向の途中位置に配置される蓄電素子10と隣り合う第一隣接部材(隣接部材)21と、X軸方向に並ぶ複数の蓄電素子10のうちの最も端にある蓄電素子10と隣り合う第二隣接部材22と、第一隣接部材21と第二隣接部材22との間にある蓄電素子10と隣り合う第三隣接部材23と、を含む。
【0039】
第一隣接部材21は、X軸方向に隣り合う蓄電素子10の間に配置される。これにより、第一隣接部材21を介してX軸方向に並ぶ蓄電素子10の間に、所定の間隔(沿面距離等)が確保される。また、第一隣接部材21は、保持部材3に連結(固定)されている。
【0040】
具体的に、第一隣接部材21は、蓄電素子10(ケース本体120)と隣り合う本体部(以下、「第一本体部」と称する。)211と、第一本体部211と隣り合う蓄電素子10の該第一本体部211に対する移動を規制する規制部(以下、「第一規制部」と称する。)212と、を有する。また、第一隣接部材21は、保持部材3と係合する軸部213を備える。
【0041】
第一本体部211は、X軸方向から見て隣り合う蓄電素子10(ケース12)に対応する矩形の輪郭を有し、保持部材3に第一本体部211を固定(連結)するための連結部2111と、バスバ5を支持するバスバ支持部2112と、を有する。また、第一本体部211は、X軸方向に隣り合う蓄電素子10との間に冷却用の流体(本実施形態の例では空気)を通過させる通風路215を形成する。詳しくは、第一本体部211では、隣り合う蓄電素子10に向けて(X軸方向に)突出すると共にY軸方向に延びる複数の凸部216が、Z軸方向に間隔をあけて並ぶ。これにより、凸部216の先端(突出方向の先端)が隣り合う蓄電素子10と当接することで、第一隣接部材21と蓄電素子10との間に通風路215が形成される。また、本実施形態の第一隣接部材21では、第一本体部211のX軸方向の寸法は、第二隣接部材22及び第三隣接部材23における第一本体部211に相当する部位のX軸方向の寸法より大きい。
【0042】
連結部2111は、第一本体部211のY軸方向の端部に設けられている。本実施形態の連結部2111は、第一本体部211のY軸方向の両端部にそれぞれ設けられている。この連結部2111は、ボルトBが保持部材3を貫通した状態でねじ込まれる部位である。蓄電装置1では、このボルトBの連結部2111へのねじ込みにより、第一本体部211(第一隣接部材21)と保持部材3とが連結される。本実施形態の連結部2111は、第一本体部211のY軸方向の端部に埋め込まれたナットによって構成される。
【0043】
バスバ支持部2112は、図5及び図6にも示すように、Z軸方向における第一本体部211の一方(本実施形態の例では、蓄電素子10の蓋板121と対応する側)の端部に設けられる。このバスバ支持部2112は、第一本体部211における前記一方の側の端面から部分的に突出した部位である。本実施形態のバスバ支持部2112は、第一隣接部材21の両側に配置された蓄電素子10の外部端子13同士を導通させるバスバ5とZ軸方向に重なる位置に設けられる直方体形状の部位である。このバスバ支持部2112は、Y軸方向の両端にZ軸方向に延びる溝2112Aをそれぞれ有する。この溝2112Aは、第一隣接部材21を跨いで延びるバスバ5の一部と当接する。
【0044】
バスバ支持部2112は、バスバ5を固定する固定部2113を含む。この固定部2113は、雌ねじ部である。詳しくは、固定部2113は、バスバ支持部2112の突出方向の端面においてZ軸方向に開口する雌ねじ部である。本実施形態の固定部2113は、ナットである。
【0045】
第一規制部212は、第一本体部211からX軸方向に延び、第一本体部211と隣り合う蓄電素子10(詳しくはケース12)とY−Z面(Y軸とZ軸とを含む面)方向の外側から当接することによって該蓄電素子10の第一本体部211に対するY−Z面方向への相対移動を規制する。この第一規制部212は、第一本体部211の少なくとも各角部からX軸方向に延び、第一本体部211と隣り合う蓄電素子10(ケース12)の角部にY−Z面方向の外側から当接する面(当接面)を有する。
【0046】
軸部213は、第一本体部211のY軸方向の端から外側に向けて延び、保持部材3と係合する。本実施形態の軸部213は、第一本体部211のY軸方向の両端から外側に向けてそれぞれ延びている。具体的に、軸部213は、第一本体部211のY軸方向の端部におけるZ軸方向の途中位置からY軸方向に円柱状に延び、保持部材3において該軸部213と対応する部位に設けられた貫通孔3112に挿通されている。本実施形態の軸部213は、蓄電装置1の製造時等において、保持部材3に第一隣接部材21を連結(固定)するときの保持部材3に対する第一隣接部材21の位置決め等に用いられる。
【0047】
第二隣接部材22は、図1及び図2に示すように、X軸方向において蓄電素子10と保持部材3との間に配置される。これにより、第二隣接部材22を介してX軸方向に並ぶ蓄電素子10と保持部材3との間に、所定の間隔(沿面距離等)が確保される。
【0048】
具体的に、第二隣接部材22は、蓄電素子10と保持部材3との間において該蓄電素子10(ケース本体120)と隣り合う本体部(以下、「第二本体部」と称する。)221と、第二本体部221と隣り合う蓄電素子10の該第二本体部221に対する移動を規制する規制部(以下、「第二規制部」と称する。)222と、を有する。
【0049】
第二本体部221は、X軸方向から見て隣り合う蓄電素子10(ケース12)に対応する矩形の輪郭を有する。また、第二本体部221は、X軸方向に隣り合う蓄電素子10との間に冷却用の流体(本実施形態の例では空気)を通過させる通風路225を形成する。詳しくは、第二本体部221では、隣り合う蓄電素子10に向けて(X軸方向に)突出すると共にY軸方向に延びる複数の凸部226が、Z軸方向に間隔をあけて並ぶ。これにより、凸部226の先端(突出方向の先端)が隣り合う蓄電素子10と当接することで、第二隣接部材22と蓄電素子10との間に通風路225が形成される。
【0050】
第二規制部222は、第二本体部221からX軸方向に延び、第二本体部221と隣り合う蓄電素子10(詳しくはケース12)とY−Z面方向の外側から当接することによって該蓄電素子10の第二本体部221に対するY−Z面方向への相対移動を規制する。この第二規制部222は、第二本体部221の少なくとも各角部からX軸方向に延び、第二本体部221と隣り合う蓄電素子10(ケース12)の角部にY−Z面方向の外側から当接する面(当接面)を有する。
【0051】
第三隣接部材23は、第一隣接部材21と第二隣接部材22との間において、X軸方向に隣り合う蓄電素子10の間に配置される。これにより、第三隣接部材23を介してX軸方向に並ぶ蓄電素子10の間に、所定の間隔(沿面距離等)が確保される。
【0052】
具体的に、第三隣接部材23は、蓄電素子10(ケース本体120)と隣り合う本体部(以下、「第三本体部」と称する。)231と、第三本体部231と隣り合う蓄電素子10の該第三本体部231に対する移動を規制する規制部(以下、「第三規制部」と称する。)232と、を有する。
【0053】
第三本体部231は、X軸方向から見て隣り合う蓄電素子10(ケース12)に対応する矩形の輪郭を有する。また、第一本体部211は、X軸方向に隣り合う蓄電素子10との間に冷却用の流体(本実施形態の例では空気)を通過させる通風路235を形成する。詳しくは、第三本体部231は、矩形波形の断面形状を有する。これにより、第三本体部231が隣り合う蓄電素子10と当接することで、該蓄電素子10との間に通風路235が形成される。
【0054】
第三規制部232は、第三本体部231からX軸方向に延び、第三本体部231と隣り合う蓄電素子10(詳しくはケース12)とY−Z面方向の外側から当接することによって該蓄電素子10の第三本体部231に対するY−Z面方向への相対移動を規制する。この第三規制部232は、第三本体部231の少なくとも各角部からX軸方向に延び、第三本体部231と隣り合う蓄電素子10(ケース12)の角部にY−Z面方向の外側から当接する面(当接面)を有する。
【0055】
保持部材3は、複数の蓄電素子10と複数の隣接部材2との周囲を囲むことで、これら複数の蓄電素子10と複数の隣接部材2とをひとまとめに保持する。この保持部材3は、導電性を有する部材によって構成される。具体的に、保持部材3は、X軸方向において複数の蓄電素子10が間に位置するように配置される一対の終端部材30と、複数の蓄電素子10とY軸方向に対向した状態で一対の終端部材30同士を接続する対向部材31と、を備える。本実施形態の蓄電装置1では、一対の終端部材30が、X軸方向の端に配置された蓄電素子10との間に第二隣接部材22を挟み込んだ状態で配置され、一対の対向部材31がX軸方向に並ぶ複数の蓄電素子10のY軸方向の両側に配置される。
【0056】
一対の終端部材30のそれぞれは、Y−Z面方向に広がる。具体的に、一対の終端部材30のそれぞれは、蓄電素子10と対応する輪郭(本実施形態では矩形状の輪郭)を有する本体300と、本体300から第二隣接部材22の第二本体部221に向けて突出し且つ該第二隣接部材22に当接する圧接部301と、端子台7が取り付けられる支持片302と、を有する。この支持片302は、本体300の輪郭を構成する四つの辺(端縁)のうちの蓄電素子10の蓋板121と対応する辺から、X軸方向に延び且つY軸方向に長い板状の部位である。
【0057】
一対の対向部材31のそれぞれは、X軸方向に延び且つZ軸方向に間隔をあけて配置される一対の梁部310と、X軸方向における途中位置(本実施形態の例では、第一隣接部材21とY軸方向に重なる位置)において一対の梁部310同士を連結する第一連結部311と、一対の梁部310の端部同士を連結する一対の第二連結部312と、を有する。本実施形態の対向部材31は、第一連結部311と第二連結部312との間で一対の梁部310を連結する第三連結部313も備える。
【0058】
一対の梁部310のそれぞれは、X軸方向に並ぶ複数の蓄電素子10(ケース12)の角部に沿って延びる。第一連結部311は、Z軸方向に延び、第一隣接部材21の連結部2111及び軸部213と対応する位置(具体的には、Y軸方向に重なる位置)に貫通孔3111、3112を有する。貫通孔3111には、ボルトBが挿通され、該ボルトBは、第一隣接部材21の連結部2111にねじ込まれる。これにより、対向部材31と第一隣接部材21とが連結される。また、貫通孔3112には、第一隣接部材21の軸部213が挿通される。第二連結部312は、Z軸方向に延び、終端部材30と連結される。これにより、終端部材30と対向部材31とが接続(連結)される。第三連結部313は、Y軸方向における蓄電素子10と重なる位置においてZ軸方向に延びる。
【0059】
インシュレータ4は、絶縁性を有する。このインシュレータ4は、対向部材31と、X軸方向に並ぶ複数の蓄電素子10との間に配置される。具体的に、インシュレータ4は、保持部材3における少なくとも複数の蓄電素子10と対向する領域を覆う。これにより、インシュレータ4は、対向部材31と、X軸方向に並ぶ複数の蓄電素子10との間を絶縁する。
【0060】
バスバ5は、金属等の導電性を有する板状の部材によって構成される。このバスバ5は、複数種のバスバを含む。本実施形態のバスバ5は、蓄電素子10の外部端子13同士を導通させる中間バスバ50と、蓄電素子10の外部端子13と蓄電装置1の総端子71とを導通させる端部バスバ53と、を含む。
【0061】
中間バスバ50は、蓄電装置1において複数(複数の蓄電素子10と対応する数)設けられる。これら複数の中間バスバ50は、蓄電装置1に含まれる複数の蓄電素子10の全てを直列に接続する(導通させる)。また、複数の中間バスバ50は、第一隣接部材21を介して隣り合う蓄電素子10の外部端子13同士を導通させる(即ち、第一隣接部材21を跨いで接続する)第一バスバ51と、第三隣接部材23を介して隣り合う蓄電素子10の外部端子13同士を導通させる(即ち、第三隣接部材23を跨いで接続する)第二バスバ52と、を有する。本実施形態の蓄電装置1は、一つの第一バスバ51と、複数の第二バスバ52と、一対の端部バスバ53と、を有する。
【0062】
第一バスバ51は、図5及び図6にも示すように、複数の蓄電素子10のうちの所定の蓄電素子10(以下、「第一の蓄電素子10A」と称することがある。)の外部端子13と、複数の蓄電素子10のうちの他の蓄電素子10(以下、「第二の蓄電素子10B」と称することがある。)の外部端子13と、を導通させる。本実施形態の例では、第一の蓄電素子10Aは、X軸方向の一方側(図5の左側)において第一隣接部材21と隣り合う蓄電素子であり、第二の蓄電素子10Bは、X軸方向の他方側(図5の右側)において第一隣接部材21と隣り合う蓄電素子である。即ち、第一バスバ51は、第一隣接部材21を介して隣り合う蓄電素子10A、10Bの外部端子13同士を接続する。この第一バスバ51は、第一隣接部材21との間に間隔を設けた状態(即ち、第一隣接部材21と非接触状態)で該第一隣接部材21を跨ぐように第一の蓄電素子10Aの外部端子13と第二の蓄電素子10Bの外部端子13とを接続する。尚、第一バスバ51が導通させる(接続する)第一の蓄電素子10A及び第二の蓄電素子10Bの具体的な数は、限定されない。
【0063】
第一バスバ51は、少なくとも、第一の蓄電素子10Aの外部端子13に接続される第一部材55と、第二の蓄電素子10Bの外部端子13に接続される第二部材56と、を有する。第一部材55と第二部材56とは、直接又は間接に導通して導通経路を形成し、該導通経路は、途中を離間又は分断可能に構成されている。本実施形態の第一バスバ51は、第一部材55と、第二部材56とによって、第一の蓄電素子10Aの外部端子13と第二の蓄電素子10Bの外部端子13とを導通させる導通経路を形成する。本実施形態の第一バスバ51は、第一部材55と、その一部が第一部材55と重なる第二部材56と、を有する。また、本実施形態の第一バスバ51は、第一部材55及び第二部材56と重なる第三部材57も有する。
【0064】
第一部材55は、第一の蓄電素子10Aの外部端子13に接続される第一接続部551と、第一接続部551から延びる第一延設部552と、を有する。本実施形態の第一部材55は、第一の蓄電素子10Aの正極の外部端子13に接続され、矩形の板状の部材を曲げ加工等することによって形成されている。
【0065】
第一接続部551は、X−Y面(X軸及びY軸を含む面)方向に広がるZ軸方向視が矩形の部位である。第一接続部551は、中央部に貫通孔551Aを有する。本実施形態の第一接続部551は、貫通孔551Aの周縁に沿って溶接されることで外部端子13に接続される。
【0066】
第一延設部552は、第二部材56と導通する第一導通部(第一導通部位)553と、第一導通部553より第一接続部551側に設けられる第一迂回部554と、を有する。
【0067】
第一導通部553は、Z軸方向と交差する第一導通面553Aを有する。即ち、第一導通部553は、第一延設部552における第一導通面553Aを含む部位である。この第一導通部553は、Z軸方向において第一隣接部材21のバスバ支持部2112と重なる。本実施形態の第一導通部553は、X−Y面方向に広がるZ軸方向視が矩形状の部位であり、中央部(詳しくは、バスバ支持部2112の突出方向の端面においてZ軸方向に開口する雌ねじ部(固定部2113)とZ軸方向に重なる位置)に貫通孔553Bを有する。また、本実施形態の第一導通面553Aは、Z軸方向と直交する(即ち、第二部材56を向いてX−Y面方向に広がる)平面である。
【0068】
第一迂回部554は、第一接続部551と第一導通部553とを接続する。即ち、第一迂回部554は、第一延設部552において、第一導通部553より第一接続部551に近い位置に配置される。この第一迂回部554は、曲がっている部位である。具体的に、第一迂回部554は、図7にも示すように、第一接続部551から第一導通部553までの全体又はその一部が、Y軸方向から見て迂回するように延びている。本実施形態の第一迂回部554は、第一接続部551の端から立ち上がる(Z軸方向に延びる)第一起立部5541と、第一起立部5541とX軸方向に間隔を空けて第一導通部553の端から立ち上がる(Z軸方向に延びる)第二起立部5542と、第一起立部5541の先端と第二起立部5542の先端とを繋ぎ且つY軸方向から見て円弧状の湾曲部5543と、を有する。
【0069】
第二部材56は、第二の蓄電素子10Bの外部端子13に接続される第二接続部561と、第二接続部561から延びる第二延設部562と、を有する。本実施形態の第二部材56は、第二の蓄電素子10Bの負極の外部端子13に接続され、第一部材55と同様に矩形の板状の部材を曲げ加工等することによって形成されている。
【0070】
第二接続部561は、X−Y面方向に広がるZ軸方向視が矩形の部位である。第二接続部561は、中央部に貫通孔561Aを有する。この第二接続部561の貫通孔561Aは、第一接続部551の貫通孔551Aより大きい。本実施形態の第二接続部561は、貫通孔561Aの周縁に沿って溶接されることで外部端子13に接続される。
【0071】
第二延設部562は、第一部材55(詳しくは、第一導通部553)と導通する第二導通部(第二導通部位)563と、第二導通部563より第二接続部561側に設けられる第二迂回部(迂回部)564と、を有する。
【0072】
第二導通部563は、第一導通面553Aと向き合った状態で該第一導通面553Aに離間可能に重ねられる第二導通面563Aを有する(図6参照)。即ち、第二導通部563は、第二延設部562における第二導通面563Aを含む部位である。本実施形態の第二導通部563は、X−Y面方向に広がるZ軸方向視が矩形状の部位であり、第一導通部553とZ軸方向に重なる。この第二導通部563は、第一導通部553と同じ又は略同じ大きさであり、第一導通部553の貫通孔553B及びバスバ支持部2112の雌ねじ部(固定部2113)とZ軸方向に重なる位置に貫通孔563Bを有する。この貫通孔563Bは、貫通孔553Bと同じ又は略同じ大きさであり、バスバ支持部2112の雌ねじ部(固定部2113)より僅かに大きい。また、本実施形態の第二導通面563Aは、Z軸方向と直交する平面である。
【0073】
第二迂回部564は、第二接続部561と第二導通部563とを接続する。即ち、第二迂回部564は、第二延設部562において、第二導通部563より第二接続部561に近い位置に配置される。この第二迂回部564は、曲がっている部位である。具体的に、第二迂回部564は、第二接続部561から第二導通部563までの全体又はその一部が、Y軸方向から見て迂回するように延びている。本実施形態の第二迂回部564は、第二接続部561の端から立ち上がる(Z軸方向に延びる)第一起立部5641と、第一起立部5641とX軸方向に間隔を空けて第二導通部563の端から立ち上がる(Z軸方向に延びる)第二起立部5642と、第一起立部5641の先端と第二起立部5642の先端とを繋ぎ且つY軸方向から見て円弧状の湾曲部5643と、を有する。
【0074】
以上のように構成される第一部材55及び第二部材56は、第一導通面553Aと第二導通面563Aとの間に後述する絶縁プレート(絶縁部材)8(図11参照)を差し込むときに、該絶縁プレート8を案内する案内部を有する。本実施形態の案内部は、第一延設部552が有する第一案内部555と、第二延設部562が有する第二案内部565と、を含む。
【0075】
第一案内部555は、第一導通面553Aの端縁から延び、第二案内部565は、第二導通面563Aの端縁における第一案内部555と対応する位置から延びる。これら第一案内部555と第二案内部565との間隔(本実施形態の例では、Z軸方向の間隔)は、第一導通面553A及び第二導通面563Aから離れるほど大きい。
【0076】
本実施形態の第一バスバ51では、第一案内部555が、第一導通部553のY軸方向の外側の端縁から突出する一対の突出片555Aによって構成され、第二案内部565が、第二導通部563のY軸方向の外側の端縁から突出する一対の突出片565Aによって構成される。一対の突出片555A、565Aは、X軸方向に間隔を空けて突出する。対応する(本実施形態の例では、Z軸方向に重なる位置の)第一案内部555の突出片555A及び第二案内部565の突出片565Aとは、第一導通面553A又は第二導通面563Aから延び且つ第一導通面553A及び第二導通面563Aから離れるにつれてその間隔が大きくなるように湾曲する対向面555B、565Bをそれぞれ有する。
【0077】
第三部材57は、第一隣接部材21と反対の側から第一延設部552と第二延設部562とに対して重ねられる。第三部材57は、第一導通部553及び第二導通部563と重なる第三部材本体571と、第三部材本体571から延び且つ第一隣接部材21と当接する当接部572と、を有する。
【0078】
第三部材本体571は、X−Y面方向に広がる板状の部位であり、第一導通部553及び第二導通部563と略同一の矩形状の輪郭を有する。第三部材本体571は、Z軸方向において、バスバ支持部2112の雌ねじ部(固定部2113)、第一導通部553の貫通孔553B、及び第二導通部563の貫通孔563Bと重なる位置に、貫通孔571Aを有する。この貫通孔571Aは、貫通孔553B、563Bと同じ又は略同じ大きさであり、バスバ支持部2112の雌ねじ部(固定部2113)のねじ穴より僅かに大きい。
【0079】
当接部572は、バスバ支持部2112の雌ねじ部(固定部2113)の中心軸を回転中心とする回転方向(雌ねじ部にボルト等のねじ部(本実施形態の例では、取付部材6の雄ねじ部61)がねじ込まれるときの前記ねじ部の回転方向)において第一隣接部材21(本実施形態の例では、バスバ支持部2112の溝2112Aの内面)と当接する。具体的に、当接部572は、第三部材本体571におけるバスバ支持部2112の溝2112Aと対応する位置から、該溝2112Aに沿って(図5の下方に向けて)延びる。当接部572のX−Y面に沿った断面形状は、溝2112Aの断面形状に対応する。本実施形態の当接部572は、第三部材本体571のY軸方向の両端部から延びている。即ち、第三部材57は、一対の当接部572を有する。
【0080】
第二バスバ52は、図1図2、及び図8に示すように、X軸方向に延びる(詳しくは、X―Y平面方向に広がる)略矩形の板状であり、X軸方向の両端部に二つの貫通孔52Aを有する。これら二つの貫通孔52Aの大きさは異なる。本実施形態の蓄電装置1では、第二バスバ52の大きい貫通孔52Aが設けられた部位(端部)は、負極の外部端子13に接続され、小さい貫通孔52Aが設けられた部位(端部)は、正極の外部端子13に接続される。
【0081】
一対の端部バスバ53のそれぞれは、図1図2、及び図9に示されるように、一方の端子台7(総端子71)と、直列に接続された複数の蓄電素子10の一方の極(例えば、正極)側の端部に配置された蓄電素子10の外部端子13と、を導通させると共に、他方の端子台7(総端子71)と、直列に接続された複数の蓄電素子10の他方の極(例えば、負極)側の端部に配置された蓄電素子10の外部端子13と、を導通させる。
【0082】
本実施形態の端部バスバ53は、X軸方向に延びる板状の部材であり、X軸方向の途中位置に、曲がっている部位を有する。具体的に、端部バスバ53は、Y軸方向から見て迂回するように延びる第三迂回部531を有する。より具体的に、端部バスバ53は、端子台7に接続される第三接続部533と、蓄電素子10の外部端子13に接続される第四接続部534と、第三接続部533と第四接続部534とを接続する第三迂回部531と、を有する。第三接続部533及び第四接続部534は、X−Y面方向に広がる矩形板状の部位である。第三接続部533は、貫通孔533Aを有し、第四接続部534は、貫通孔534Aを有する。貫通孔533A、534Aの大きさは異なる。本実施形態の第三迂回部531の構成は、第一バスバ51の第一迂回部554及び第二迂回部564と同様である。即ち、第三迂回部531は、第三接続部533の端から立ち上がる(Z軸方向に延びる)第三起立部5311と、第三起立部5311とX軸方向に間隔を空けて第四接続部534の端から立ち上がる(Z軸方向に延びる)第四起立部5312と、第三起立部5311の先端と第四起立部5312の先端とを繋ぎ且つY軸方向視が円弧状の湾曲部5313と、を有する。
【0083】
取付部材6は、第一隣接部材21に、取り外し可能に取り付けられる。具体的に、取付部材6は、図5及び図6に示すように、Z軸方向に重なっている第一延設部552と、第二延設部562と、第三部材本体571と、を第三部材57の側から貫通した状態で第一隣接部材21の固定部(雌ねじ部)2113にねじ込まれている雄ねじ部61を有する。
【0084】
本実施形態の取付部材6は、ボルトであり、Z軸方向に延びる雄ねじ部61と、雄ねじ部61の端部に設けられ且つX−Y面方向の大きさが該雄ねじ部61より大きな頭部62と、を有する。そして、雄ねじ部61が第三部材本体571の貫通孔571A、第二導通部563の貫通孔563B、第一導通部553の貫通孔553Bを挿通した状態でバスバ支持部2112の固定部2113にねじ込まれることで、頭部62が、第三部材本体571、第二導通部563、及び第一導通部553をバスバ支持部2112に向けて押圧する。
【0085】
端子台7は、図1図2、及び図10に示すように、外部機器、他の蓄電装置1等と接続される総端子71と、保持部材3に取り付けられて総端子71を支持する基台部72と、を有する。また、本実施形態の端子台7は、蓄電装置1の不使用時等に総端子71が人、他の部材等と接触するのを防ぐために総端子71を覆う端子カバー73も有する。本実施形態の総端子71は、端部バスバ53(詳しくは第三接続部533)が接続(固着)される板状部材711と、外部機器等の端子を固定するために用いられるねじ部材712と、を有する。
【0086】
板状部材711は、導電性を有する。本実施形態の板状部材711は、Y軸方向から見てL字状の部材、即ち、中間位置で屈曲している板状の部材である。具体的に、板状部材711は、所定の方向(本実施形態の例ではX軸方向)に延び且つ基台部72を介して終端部材30に固定される第一部位7111と、第一部位7111から前記所定の方向と交差する方向(本実施形態の例ではZ軸方向)に延びる第二部位7112と、を有する。
【0087】
ねじ部材712は、板状部材711(本実施形態の例では、第二部位7112)から突出する。具体的に、ねじ部材712は、第二部位7112からX軸方向に延びる雄ねじ部7121と、雄ねじ部7121の一端においてY−Z面方向に広がる頭部7122と、を有する。
【0088】
基台部72は、終端部材30に固定され、且つ板状部材711に対して終端部材30が位置する側において該板状部材711を支持する。基台部72は、板状部材711の第二部位7112を貫通する雄ねじ部7121(ねじ部材712)が間に位置するように互いに対向する一対の側壁部721を有する。一対の側壁部721のZ軸方向の端部(図10における上端部)において、端子カバー73がY軸方向に延びる所定の軸Cを回転中心に回動可能に取り付けられている。この端子カバー73が閉じた状態(一対の側壁部721の端縁間に掛け渡された状態)では、一対の側壁部721と該端子カバー73とによって総端子71(詳しくは、板状部材711の第二部位7112及びねじ部材712)が囲われる。一方、端子カバー73が開いた状態(所定の軸Cを回転中心にして回動した状態:図2図10の二点鎖線参照)では、ねじ部材712)の先端側が開放された状態となる。
【0089】
以上のように構成される蓄電装置1では、輸送の際又は該蓄電装置1が搭載された機器等のメンテナンスの際等、電気の入出力が不要な際ときに総端子71から電気の入出力ができないように、絶縁プレート(絶縁部材)が取り付けられる。
【0090】
絶縁プレートは、絶縁性を有し、第一導通部553の第一導通面553Aと第二導通部563の第二導通面563Aとの間である導通面間に差し込み可能な形状を有する。図11に示すように、本実施形態の絶縁プレート8は、板状の部材である。
【0091】
この絶縁プレート8は、図12に示すように、取付部材6及び第三部材57が取り外された状態で、第一部材55の第一導通面553Aと第二部材56の第二導通面563Aとの間に差し込まれる。これにより、一対の総端子71間を繋ぐ電気経路が第一バスバ51の位置で遮断されるため、蓄電装置1において一対の総端子71から電気の入出力ができない状態となる。
【0092】
一方、蓄電装置1を使用する際には、絶縁プレート8が第一導通面553Aと第二導通面563Aとの間から引き抜かれ、第三部材57が第一導通部553及び第二導通部563に重ねられた状態で取付部材6の雄ねじ部61がバスバ支持部2112の固定部2113にねじ込まれる(図5参照)。これにより、第一部材55と第二部材56とが導通し、蓄電装置1において一対の総端子71から電気の入出力ができる状態になる。
【0093】
以上の蓄電装置1によれば、第一部材55と第二部材56とが対応する外部端子13にそれぞれ接続(本実施形態の例では、溶接)されているが、第一導通面553Aと第二導通面563Aとが離間可能に重ねられた状態であるため、これら第一導通面553Aと第二導通面563Aとを離間させることによって、蓄電装置1を電気の入出力できない状態にすることができる。
【0094】
本実施形態の蓄電装置1では、第一導通面553A及び第二導通面563Aのそれぞれが、Z軸方向と直交する(X軸を含む)平面である。このため、第一バスバ51によって外部端子13同士が接続される蓄電素子10の間隔(X軸方向の間隔)に製造誤差等が生じても、第一導通面553Aと第二導通面563Aとが面接触した状態でX軸方向に相対移動できる。このため、前記製造誤差等が生じていても、第一導通面553Aと第二導通面563Aとを無理に面接触させることに起因する応力を生じさせることなく、第一導通面553Aと第二導通面563Aとを確実に導通(面接触)させることができる。
【0095】
また、本実施形態の蓄電装置1では、第一部材55が第一迂回部(曲がっている部位)554を有し、第二部材56が第二迂回部(曲がっている部位)564を有している。このため、第一バスバ51によって外部端子13同士が接続される蓄電素子10のX軸方向の間隔が変化しても、第一迂回部554及び第二迂回部564が広がる又は狭まる(詳しくは、湾曲部5543、5643が伸び縮みして(湾曲部5543、5643の曲率が小さく又は大きくなって)第一起立部5541、5641及び第二起立部5542、5642が広がる又は狭まる)。これにより、第一部材55及び第二部材56における外部端子13と接続されている部位(第一接続部551、第二接続部561及びその周辺)に、前記間隔の変化に起因する応力が集中するのが抑えられる。これにより、第一部材55及び第二部材56において、前記間隔の変化に起因する損傷が防がれる。
【0096】
また、本実施形態の蓄電装置1では、取付部材6が、第一導通部553と、第二導通部563とを第一隣接部材21(本実施形態の例では、バスバ支持部2112)に押圧している。このため、第一導通面553Aと第二導通面563Aとが互いに押し付けられ、これにより、蓄電装置1に振動等が加わっても、第一導通部553と第二導通部563との導通状態が確実に維持される。
【0097】
本実施形態の蓄電装置1では、第一隣接部材21との間に第一部材55及び第二部材56を挟み込む第三部材57が、取付部材6の雄ねじ部61の回転方向において第一隣接部材21(詳しくは、バスバ支持部2112における溝2112Aの内面)と当接する当接部572を有している。このため、雄ねじ部61をバスバ支持部2112の固定部(雌ねじ部)2113にねじ込むときのトルクが第三部材57によって第一部材55及び第二部材56に伝わるのを防ぐことができる。これにより、外部端子13に接続されている第一接続部551及び第二接続部561に前記トルクに起因する応力が加わるのを防ぐことができる。
【0098】
また、本実施形態の蓄電装置1では、取付部材6の雄ねじ部61が、第一導通部553と第二導通部563と第三部材57(詳しくは、第三部材本体571)とを貫通している。このため、第一導通面553Aと第二導通面563Aとが面接触した状態で重なる第一導通部553と第二導通部563とが取付部材6によって第一隣接部材21と第三部材57との間で締め込まれる。これにより、第一導通部553(第一導通面553A)と第二導通部563(第二導通面563A)とがより強固に密着する。
【0099】
また、本実施形態の蓄電装置1では、第一導通面553Aと第二導通面563Aとの間に引き抜き可能に差し込まれる絶縁プレート8が用いられる。この絶縁プレート8を第一導通面553Aと第二導通面563Aとの間に差し込み、又は引き抜くことによって、蓄電装置1において、総端子71から電気を入出力ができる状態とできない状態とに切り替えることができる。即ち、絶縁プレート8が第一導通面553Aと第二導通面563Aとの間に差し込まれているときには、第一導通部553と第二導通部563との間の導通が遮断されて蓄電装置1が電気を入出力できない状態になる。一方、絶縁プレート8が引き抜かれているときには、第一導通部553と第二導通部563とが導通して(第一導通面553Aと第二導通面563Aとが面接触して)蓄電装置1が電気を入出力できる状態になる。
【0100】
また、本実施形態の蓄電装置1では、第一バスバ51において、第一案内部555と第二案内部565との間隔が、第一導通面553A及び第二導通面563Aから離れるに伴って大きくなっている、即ち、第一導通面553Aと第二導通面563Aとが重なっている位置に近づくにつれて第一案内部555と第二案内部565との間隔が小さくなっている。このため、第一導通面553Aと第二導通面563Aとの間に絶縁プレート8を差し込むときに、該絶縁プレート8が第一案内部555と第二案内部565とに案内され、これにより、第一導通面553Aと第二導通面563Aとの間に絶縁プレート8が差し込みやすくなる。
【0101】
尚、本発明の蓄電装置、及び絶縁部材は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0102】
上記実施形態の蓄電装置1では、第一バスバ51の第一部材55と第二部材56とを接離させることで、総端子71から電気を入出力できる状態とできない状態とに切り替えるが、この構成に限定されない。例えば、蓄電装置1において、端部バスバ53が複数の部材を有し、これら複数の部材の接離によって総端子71から電気を入出力できる状態とできない状態とに切り替える構成であってもよい。
【0103】
具体的には、図13及び図14に示すように、端部バスバ53Aが、外部端子13に接続される第一接続部911、及び第一接続部911から延びる第一延設部912、を有する第一部材91と、総端子71に接続される第二接続部921、及び第二接続部921から延びる第二延設部922、を有する第二部材92と、を備える。そして、第一延設部912が、Z軸方向と交差する第一導通面913Aを有し、第二延設部922が、第一導通面913Aと向き合った状態で該第一導通面913Aに離間可能に重ねられる第二導通面922Aを有する。より詳しくは、以下の通りである。
【0104】
端子台7の基台部72は、Z軸方向の端部バスバ53側の端面から突出するバスバ支持部722を有する。
【0105】
バスバ支持部722は、総端子71と蓄電素子10の外部端子13とを導通させる端部バスバ53とZ軸方向に重なる位置に設けられる直方体形状の部位である。このバスバ支持部722は、端部バスバ53を固定する固定部723を含む。本実施形態の固定部723は、雌ねじ部である。詳しくは、固定部723は、バスバ支持部722の突出方向の端面においてZ軸方向に開口する雌ねじ部である。本実施形態の固定部723は、ナットである。
【0106】
端部バスバ53Aは、終端部材30と隣り合う蓄電素子10の外部端子13に接続される第一部材91と、総端子71に接続され且つその一部が第一部材91と重なる第二部材92と、を有する。また、端部バスバ53Aは、第一部材91及び第二部材92と重なる第三部材93も有する。
【0107】
第一部材91は、X−Y面方向に広がる矩形の板状の部材である。第一部材91のY軸方向の寸法は、バスバ支持部722のY軸方向の寸法と対応する。第一部材91は、蓄電素子10の外部端子13に接続される第一接続部911と、第一接続部911から延びる第一延設部912と、を有する。
【0108】
第一接続部911は、貫通孔911Aを有する。第一接続部911は、貫通孔911Aの周縁に沿って溶接されることで外部端子13に接続される。
【0109】
第一延設部912は、第二部材92と導通する第一導通部913と、第一導通部913より第一接続部911側に設けられる第三迂回部(迂回部)914と、を有する。
【0110】
第一導通部913は、Z軸方向と交差する第一導通面913Aを有する。即ち、第一導通部913は、第一延設部912における第一導通面913Aを含む部位である。この第一導通部913は、Z軸方向において終端部材30のバスバ支持部722と重なる。本実施形態の第一導通部913は、バスバ支持部722の突出方向の端面においてZ軸方向に開口する雌ねじ部(固定部723)とZ軸方向に重なる位置に貫通孔913Bを有する。第一導通面913Aは、Z軸方向と直交する(即ち、第二部材92を向いてX−Y面方向に広がる)平面である。
【0111】
第三迂回部914は、第一接続部911と第一導通部913とを接続する。即ち、第三迂回部914は、第一延設部912において、第一導通部913より第一接続部911に近い位置に配置される。この第三迂回部914は、曲がっている部位である。具体的に、第三迂回部914は、第一接続部911から第一導通部913までの全体又はその一部が、X軸方向から見て迂回するように延びている。この第三迂回部914は、上記実施形態における端部バスバ53の第三迂回部531と同じ構成である。即ち、第三迂回部914は、第一接続部911の端から立ち上がる(Z軸方向に延びる)第三起立部9141と、第三起立部9141とX軸方向に間隔を空けて第一導通部913の端から立ち上がる(Z軸方向に延びる)第四起立部9142と、第三起立部9141の先端と第四起立部9142の先端とを繋ぎ且つY軸方向から見て円弧状の湾曲部9143と、を有する。
【0112】
第二部材92は、矩形の板状の部材であり、総端子71に接続される第二接続部921と、第二接続部921から延びる第二延設部922と、を有する。第二部材92のY軸方向の寸法は、バスバ支持部722のY軸方向の寸法と対応する。この第二部材92は、総端子71と一体的に形成されることで、総端子71に接続している。
【0113】
第二延設部922は、第一導通面913Aと向き合った状態で該第一導通面913Aに離間可能に重ねられる第二導通面922Aを有する。本実施形態の第二延設部922は、第一導通部913とZ軸方向に重なる。この第二延設部922は、第一導通部913の貫通孔913B及びバスバ支持部722の雌ねじ部(固定部723)とZ軸方向に重なる位置に貫通孔922Bを有する。この貫通孔922Bは、貫通孔913Bと同じ又は略同じ大きさであり、バスバ支持部722の雌ねじ部(固定部723)より僅かに大きい。また、この第二導通面922Aは、Z軸方向と直交する平面である。
【0114】
以上のように構成される第一部材91及び第二部材92は、第一導通面913Aと第二導通面922Aとの間に絶縁プレート(絶縁部材)8(図11参照)を差し込むときに、該絶縁プレート8を案内する案内部を有する。この案内部は、第一延設部912が有する第一案内部915と、第二延設部922が有する第二案内部925と、を含む。
【0115】
第一案内部915は、第一導通面913Aの端縁から延び、第二案内部925は、第二導通面922Aの端縁における第一案内部915と対応する位置から延びる。これら第一案内部915と第二案内部925との間隔は、第一導通面913A及び第二導通面922Aから離れるほど大きい。
【0116】
第三部材93は、基台部72と反対の側から第一延設部912と第二延設部922とに対して重ねられる。第三部材93は、第一導通部913及び第二延設部922と重なる第三部材本体931と、第三部材本体931から延び且つ終端部材30に対して固定される基台部72と当接する当接部932と、を有する。
【0117】
第三部材本体931は、X−Y面方向に広がる板状の部位である。第三部材本体931のY軸方向の寸法は、第一導通部913及び第二延設部922のY軸方向の寸法と対応する。第三部材本体931は、Z軸方向において、バスバ支持部722の雌ねじ部(固定部723)、第一導通部913の貫通孔913B、及び第二延設部922の貫通孔922Bと重なる位置に、貫通孔931Aを有する。この貫通孔931Aは、貫通孔913B、922Bと同じ又は略同じ大きさであり、バスバ支持部722の雌ねじ部(固定部723)のねじ穴より僅かに大きい。
【0118】
当接部932は、バスバ支持部722の雌ねじ部(固定部723)の中心軸を回転中心とする回転方向において基台部72(図13及び図14に示す例では、バスバ支持部722のY軸方向における側面)と当接する。具体的に、当接部932は、第三部材本体931におけるバスバ支持部722の前記側面と対応する位置から、該側面に沿って(図13の下方に向けて)延びる。当接部932は、第三部材本体931のY軸方向の両端部からそれぞれ延びている。
【0119】
総端子71の板状部材711は、上述のように、第二部材92と一体的に形成されている。即ち、Y軸方向から見て中間位置で屈曲する矩形状の板部材において、X−Y面方向に広がる部位が第二部材92を構成し、Y−Z面方向に広がる部位が板状部材711を構成する。
【0120】
以上の構成によっても、第一部材91が外部端子13に接続されると共に第二部材92が総端子71に接続されているが、第一導通面913Aと第二導通面922Aとが離間可能に重ねられた状態であるため、これら第一導通面913Aと第二導通面922Aとを離間させることによって、蓄電装置1を電気の入出力できない状態にすることができる。また、上記実施形態の蓄電装置1において得られる各種の効果も、この構成の蓄電装置(端部バスバ53が複数の部材で構成される蓄電装置)から得られる。また、この蓄電装置1の端子台7においても、取付部材6及び第三部材93を取り外すことで、絶縁プレート8を第一導通面913Aと第二導通面922Aとの間に引き抜き可能に差し込むことができる。
【0121】
また、上記実施形態の第一バスバ51は、第一部材55と第二部材56との二つの部材によって構成されているが、この構成に限定されない。例えば、第一バスバ51は、図15に示すように、第一部材55と第二部材56とを含む三つ以上の部材によって、異なる蓄電素子10の外部端子13同士を導通させる導通経路αを形成してもよい。具体的には、第一バスバ51は、第一部材55と、第二部材56と、第一部材55と第二部材56とを導通可能に接続する接続部材58と、を有してもよい。接続部材58は、図15に示す例では、第一方向に長い矩形板状の導電性を有する部材である。この接続部材58は、該接続部材58の長手方向(第一方向)の両端と第一隣接部材21との間に、第一部材55の第一導通部553と、第二部材56の第二導通部563とを挟み込むように、ボルト等の締結部材(又は固定部材)59によって第一隣接部材21に固定される。図15に示す例では、接続部材58における該接続部材58と第一隣接部材21との間に第一導通部533と第二導通部563とが存在していない領域(部位)を、締結部材59が貫通しているが、図16に示すように、接続部材58における該接続部材58と第一導通部553とが重なる領域、及び該接続部材58と第二導通部563とが重なる領域のそれぞれを締結部材59が貫通する構成等でもよい。
【0122】
また、図15及び図16に示す例では、接続部材58と第一部材55、及び接続部材58と第二部材56とは、厚み方向に重なることによって互いに導通しているが、この構成に限定されない。図17に示すように、接続部材58の端部と第一部材55の端部、及び接続部材58の端部と第二部材56の端部とが接触する(いわゆる突き合わせとなる)ことによって互いに導通してもよい。即ち、接続部材58と第一部材55及び第二部材56とは、導通可能に接触していればよい。
【0123】
また、蓄電装置1は、例えば、図17の構成において接続部材58を無くした構成、即ち、締結部材59等の導電性を有する部材によって第一部材55の端部と第二部材56の端部とを第一隣接部材21に固定し、この導電性を有する部材によって第一部材55と第二部材56とを導通させる構成であってもよい。
【0124】
また、図15図17に示す例では、接続部材58は、一つの部材であるが、複数の部材(導電性を有する部材)によって構成されていてもよい。
【0125】
上記実施形態の蓄電装置1では、第一バスバ51が第一迂回部554及び第二迂回部564を有しているが、この構成に限定されない。第一バスバ51は、迂回部のない構成でもよく、第一迂回部554及び第二迂回部564のいずれか一方のみを有する構成でもよい。
【0126】
また、バスバ5に設けられる迂回部の具体的な構成は、限定されない。上記実施形態の第一〜第三迂回部554、564、531は、Y軸方向から見てZ軸方向に突出するように迂回して延びているが、例えば、図18に示すように、X軸方向に突出するように迂回して延びる構成等でもよい。また、迂回部は、複数回突出するように迂回して延びる構成でもよい。即ち、迂回部は、1又は複数の屈曲部、湾曲部等を含むことで、バスバ5によって接続される蓄電素子10のX軸方向の間隔が変化したときに、この変化を吸収してバスバ5と外部端子13との接続部位に応力が集中するのを防ぐ構成であればよい。
【0127】
また、上記実施形態及び上記の他実施形態の蓄電装置1では、第一バスバ51及び端部バスバ53Aが第一〜第三部材51〜53、91〜93を有しているが、この構成に限定されない。第一バスバ51及び端部バスバ53Aは、例えば、第一部材55、91及び第二部材56、92のみ、即ち、第三部材57、93のない構成でもよい。かかる構成によっても、取付部材6が配置されることで第一導通面553A、913Aと第二導通面563A、922Aとが互いに押し付けられるため、蓄電装置1に振動等が加わっても、第一部材55、91と第二部材56、92との導通状態を確実に維持できる。
【0128】
また、上記実施形態の蓄電装置1では、取付部材6が第一導通部553及び第二導通部563を貫通しているが、この構成に限定されない。取付部材6は、第一導通部553及び第二導通部563を第一隣接部材21に押圧する構成であれば、第一部材55及び第二部材56の他の部位を貫通してもよく、第一部材55及び第二部材56を貫通しなくてもよい。
【0129】
上記実施形態の絶縁プレート(絶縁部材)8は、矩形の板状であるが、この構成に限定されない。例えば、図19に示すように、絶縁プレート8Aは、第一導通面553Aと第二導通面563Aとの間である導通面間に差し込み可能な板状の本体81と、本体81から突出する突出部82と、を備える構成でもよい。尚、図19に示す例では、突出部82は、円筒状であるが、この構成に限定されない。突出部82は、中空でなく、中実であってもよい。また、突出部82は、角柱等の他の断面形状を有する柱状でもよい。
【0130】
この場合、導通面553A、563A間への差し込み方向における本体81の寸法が、該差し込み方向における第一導通面553Aの寸法及び第二導通面563Aの寸法の少なくとも一方の寸法より大きく、突出部82が、本体81が導通面553A、563A間に差し込まれたときに該本体81における導通面553A、563A間から突き出る部位に配置される。
【0131】
また、この場合、図20に示すように、蓄電装置1が、バスバ5を保持するバスバプレート100を備え、バスバプレート100は、第一導通面553Aと第二導通面563Aとが重なっている位置と対応する位置(図20に示す例では、Y軸方向に重なる位置)に長穴101等を有すると共に、突出部82と係合する係合部102を有する。長穴101は、絶縁プレート8の本体81を挿通可能な大きさであり、係合部102は、絶縁プレート8が長穴101に差し込まれたときに突出部82が所定の大きさ以上の力によって押し込まれることで、該突出部82と係合する。この係合部102の具体的な構成は限定されない。即ち、係合部102は、絶縁プレート8を引き抜き可能に突出部82と係合する構成であればよい。
【0132】
かかる構成によれば、第一部材55と第二部材56とを有するバスバ5の第一導通面553Aと第二導通面563Aとの間に本体81を差し込んだときに突出部82を蓄電装置1(具体的には、バスバプレート100の係合部102)に係合させることで、第一導通面553Aと第二導通面563Aとの間から絶縁プレート8の本体81が抜け落ち難くなる。これにより、絶縁プレート8が取り付けられた蓄電装置1に対し、揺れ、振動等が加わっても、蓄電装置1の電気の入出力できない状態を維持することができる。尚、蓄電装置1において絶縁プレート8の突出部82を係合させる部位(部材)は、バスバプレート100に限定されず、蓄電装置1の一部であればよい。即ち、係合部102は、蓄電装置1において、バスバプレート以外の他の部位(部材)に設けられてもよい。
【0133】
また、例えば図21及び図22に示すように、絶縁プレート8Bは、第一導通面553Aと第二導通面563Aとの間である導通面間に差し込み可能な板状の本体81と、本体81の一方の端部(本体81が導通面553A、563A間に差し込まれた状態においてX軸方向の第一部材55側の端部)から本体81の一方の面側(図22における上方)に延びる第一凸部83と、本体81の他方の端部(本体81が導通面553A、563A間に差し込まれた状態においてX軸方向の第二部材56側の端部)から本体81の他方の面側(図22における下方)に延びる第二凸部84と、を有してもよい。この場合、第一凸部83は、第二導通面563Aを含む第二導通部563の第一部材55側の端面(図22における左端の端面)と該端面と対向する部材(部位)との間を遮るように本体81から延びる。第二凸部84は、第一導通面553Aを含む第一導通部553の第二部材56側の端面(図22における右端の端面)と該端面と対向する部材(部位)との間を遮るように本体81から延びる。ここで、第一凸部83及び第二凸部84は、図21に示す例では板状であるが、この構成に限定されず、例えば図23に示すように、本体81のX軸方向の端部の厚さ寸法を他の部位の厚さ寸法より大きくすること等によって第一凸部83及び第二凸部84を形成してもよい。また、図21に示す絶縁プレート8Bでは、第一凸部83及び第二凸部84は、本体81のX軸方向の端縁の延びる方向(Y軸方向)に連続しているが、この構成に限定されず、第一凸部83及び第二凸部84は、前記端縁の延びる方向に断続であってもよい。
【0134】
これらの構成によれば、第一部材55と第二部材56とが外部端子13に接続されている蓄電素子10同士の間隔(X軸方向の間隔)が小さくなったときに、第一導通部553の第二部材56側の先端の該先端とX軸方向に対向する部位(図22に示す例では、第一起立部5641)への当接が第二凸部84によって阻害されると共に、第二導通部563の第一部材55側の先端の該先端とX軸方向に対向する部位(図22に示す例では、第二起立部5542)への当接が第一凸部83によって阻害される。これにより、前記蓄電素子10同士の間隔が小さくなっても、第一導通部553が第二部材56に当接することが確実に防がれると共に、第二導通部563が第一部材55に当接することが確実に防がれる。
【0135】
上記実施形態の蓄電装置1は、端子台7を備えているが、この構成に限定されない。蓄電装置1は、端子台7を備えない構成でもよい。この場合、複数のバスバ5によって直列に接続された複数の蓄電素子10において、電流経路の最も端(正極側の端、及び負極側の端)に位置する外部端子13に接続されたバスバ5が総端子として機能する。
【0136】
上記実施形態の蓄電装置1では、第一導通面553Aと第二導通面563Aとが離間可能に重ねられている第一バスバ51が、第一隣接部材21を介して隣り合う蓄電素子10の外部端子13同士を接続している(導通させている)が、この構成に限定されない。第一バスバ51は、例えば、第二隣接部材22を介して隣り合う蓄電素子10の外部端子13同士を接続してもよい。
【0137】
上記実施形態の蓄電装置1では、第一バスバ51が、二つの外部端子13を互いに接続している(導通させている)が、この構成に限定されない。第一バスバ51は、三つ以上の外部端子13を互いに接続してもよい。例えば具体的に、第一部材55がX軸方向における第一隣接部材21の一方側において二つ以上の外部端子13に接続されてもよく、第二部材56がX軸方向における第一隣接部材21の他方側において二つ以上の外部端子13に接続されてもよい。
【0138】
上記実施形態又は上記の他実施形態の蓄電装置1では、第一導通面553A、913Aと第二導通面563A、922Aとが離間可能に重ねられたバスバ5が、隣接部材2を介して隣り合う蓄電素子10の外部端子13同士、又は隣接部材2を介して隣り合う総端子71と蓄電素子10の外部端子13とを接続しているが、この構成に限定されない。第一導通面553A、913Aと第二導通面563A、922Aとが離間可能に重ねられたバスバ5は、隣接部材2が間に位置することなく隣り合う蓄電素子10の外部端子13同士を接続する(導通させる)構成でもよい。
【0139】
上記実施形態の蓄電装置1では、バスバ5を蓄電素子10の外部端子13に溶接によって接続(固着)しているが、この構成に限定されない。例えば、蓄電素子10の外部端子をボルトによって構成し(換言すると、ボルト端子型の蓄電素子を用い)、このボルト型の外部端子をバスバ5に貫通させた状態で該外部端子にナットを螺合させることで、バスバ5を外部端子に接続(固定)する構成であってもよい。即ち、バスバ5が、蓄電素子10の外部端子に取り外し可能に固定(接続)されていてもよい。
【符号の説明】
【0140】
1…蓄電装置、2…隣接部材、21…第一隣接部材(隣接部材)、211…第一本体部、2111…連結部、2112…バスバ支持部、2112A…溝、2113…固定部、212…第一規制部、213…軸部、215…通風路、216…凸部、22…第二隣接部材、221…第二本体部、222…第二規制部、225…通風路、226…凸部、23…第三隣接部材、231…第三本体部、232…第三規制部、235…通風路、3…保持部材、30…終端部材、300…本体、301…圧接部、302…支持片、31…対向部材、310…梁部、311…第一連結部、3111、3112…貫通孔、312…第二連結部、313…第三連結部、4…インシュレータ、5…バスバ、50…中間バスバ、51…第一バスバ、52…第二バスバ、52A…貫通孔、53、53A…端部バスバ、531、914…第三迂回部、5311、9141…第三起立部、5312、9142…第四起立部、5313、9143…湾曲部、533…第三接続部、533A…貫通孔、534…第四接続部、534A…貫通孔、55、91…第一部材、551、911…第一接続部、551A、911A…貫通孔、552、912…第一延設部、553、913…第一導通部、553A、913A…第一導通面、553B、913B…貫通孔、554…第一迂回部、5541…第一起立部、5542…第二起立部、5543…湾曲部、555、915…第一案内部、555A…突出片、555B…対向面、56、92…第二部材、561、921…第二接続部、561A…貫通孔、562、922…第二延設部、563…第二導通部、563A、922A…第二導通面、563B、922B…貫通孔、564…第二迂回部、5641…第一起立部、5642…第二起立部、5643…湾曲部、565、925…第二案内部、565A…突出片、565B…対向面、57、93…第三部材、571、931…第三部材本体、571A、931A…貫通孔、572、932…当接部、58…接続部材、59…締結部材、6…取付部材、61…雄ねじ部、62…頭部、7…端子台、71…総端子、711…板状部材、7111…第一部位、7112…第二部位、712…ねじ部材、7121…雄ねじ部、7122…頭部、72…基台部、721…側壁部、722…バスバ支持部、723…固定部、73…端子カバー、8、8A…絶縁プレート(絶縁部材)、81…本体、82…突出部、83…第一凸部、84…第二凸部、10…蓄電素子、10A…第一の蓄電素子、10B…第二の蓄電素子、11…電極体、12…ケース、120…ケース本体、121…蓋板、123…閉塞部、124…胴部、13…外部端子、100…バスバプレート、101…長穴、102…係合部、B…ボルト
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