【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、端子を受容するように構成された中空レセプタクルを含む手動工具を提供することによってこの必要性を満たす。レセプタクルは装着方向に開口しており、手動工具は、レセプタクル内のスタッドコンタクトの少なくとも最終設置位置を検出するように構成されたスタッド検出装置と、スタッド検出装置に動作可能に接続され、手動工具の外側から見えるように配置された表示要素とをさらに含む。表示要素は、第1の視覚的外観と、代わりの第2の視覚的外観とを含み、第2の視覚的外観は第1の視覚的外観と異なる。表示要素は、スタッドコンタクトが最終設置位置にあることに応じて、第1の視覚的外観から第2の視覚的外観に自動的に切り替わるように構成される。
【0006】
このようにして、本発明による手動工具は、2つの視覚的外観の間を切り替えることによって、端子をスタッドコンタクト上に設置する作業者に視覚フィードバックを与える。したがって、本発明による手動工具は、設置が完了していることを作業者に信号で伝えることができ、それにより、端子をスタッドコンタクト上に装着するとき不必要に高い力を避けることができる。視覚フィードバックは、さらに、制約された設置状況に起因してスタッドコンタクトそれ自体が作業者に見えない場合であっても、端子のスタッドコンタクト上への設置が首尾よく完了したことを作業者に通知する。
【0007】
本発明による手動工具は、各々がそれ自体の利点を有し、他の有利な特徴のうちの任意のものと独立に組み合わせることができる以下の特徴のうちの任意の1つまたは複数を加えることによってさらに改善することができる。
【0008】
例えば、表示要素は、単色LEDまたは多色LEDなどの発光素子とすることができる。第1の視覚的外観は、第2の視覚的外観と異なる波長の光の放出を含むことができる。代替としてまたは追加として、表示要素は、機械的表示要素を含むことができ、第1の視覚的外観と第2の視覚的外観とは、機械的表示要素の場所および/または位置が異なる。
【0009】
スタッド検出装置は、静電容量、光学、電気、磁気、および機械センサのうちの少なくとも1つを含むことができる。センサは、最終設置位置にスタッドコンタクトがあるか、および/また最終設置位置にスタッドコンタクトがないかを検出するように構成される。センサは、例えば近接センサとすることができる。
【0010】
レセプタクルが装着方向にスタッドコンタクト上に移動されると、センサは、好ましくは少なくともスタッドコンタクトの最終設置位置にスタッドコンタクトがあることを検出する。検出されたとき、スタッド検出装置は、表示要素を第1の視覚的外観から第2の視覚的外観に切り替える。これは、電気および/もしくは電子回路、ならびに/または機械要素を使用して行うことができる。後者の場合、機械要素の移動は、スタッドコンタクトによって駆動されてもよい。これは、バッテリなどの尽きることのあるエネルギー貯蔵の必要性を除去する。
【0011】
スタッドコンタクトに装着されることになる端子を取り扱うために、手動工具の端子への安全な取り付けは、端子がスタッドコンタクト上に安全に設置される前に端子が手動工具から抜け落ちないようにするのに有利である。この問題を解決するために、手動工具は、1つの実施形態では、端子に係合するように構成されたラッチ組立体を含むことができ、ラッチ組立体、特に端子は、ラッチ組立体を係合解除するために解放要素を挿入するように構成された解放開口を含み、解放開口は装着方向に開口している。ラッチ組立体は、スタッドコンタクトにおよび端子に少なくとも1つのラッチ部材を含むことができる。この実施形態は、装着の前に端子を手動工具に確実に取り付けることだけでなく、装着プロセスの完了の後に端子を手動工具から自動的に係合解除する可能性も提供する。
【0012】
この係合解除を達成するために、別の実施形態ではスタッドコンタクトの一部とすることができる解放要素が、解放開口に挿入される必要がある。解放開口は、弾力的に撓み可能なロック突起またはロック舌状部などのラッチ組立体の少なくとも1つの係合解除可能なラッチ部材に接近するのを可能にすることができる。特に、少なくとも1つのラッチ部材は、解放開口に重なることができる。それにより、解放要素が解放開口に挿入される場合、ラッチ部材は係合部から自動的に押し出される。
【0013】
ラッチ組立体は、手動工具がスタッド検出装置および/または表示要素を含まない場合でさえ手動工具に存在することができる。この理由は、ラッチ組立体とスタッドコンタクトとの間の相互作用が、スタッドコンタクト上への端子の最終設置の際、手動工具からの端子の自動係合解除をもたらす場合、表示要素および/またはスタッドディフレクタ装置が不必要となり得るからである。
【0014】
別の実施形態によれば、スタッド検出装置、特に、そのセンサがレセプタクルの底部に配置される場合、スタッド検出器、特に、センサは、環境の影響から遮蔽され、機械的損傷から保護される。
【0015】
様々な異なるサイズおよび/または形状のスタッドコンタクトに対して手動工具を使用できるようにするために、レセプタクルは、手動工具に交換可能に装着される装着アダプタによって設けられることが好ましい。装着アダプタは、端子を受容することができる円筒形空間を設けるために釣鐘形状とすることができる。
【0016】
上述の実施形態のうちの1つにおける手動工具は、例えば、既に車体に装着されているスタッドコンタクト上に端子を装着するために自動車製造業者の現場で使用することができる接地コンタクト装着セットの一部とすることができる。スタッドコンタクトは、最終設置位置でスタッド検出装置と相互作用するように構成されたトリガ要素を含むことができる。
【0017】
製造を容易にするために、トリガ要素は少なくとも1つの突起を含むことが好ましい。追加としてまたは代替として、トリガ要素は、例えば、それぞれ、磁気検出または光学検出のための磁石または標示などの他の要素をさらに含むことができる。トリガ要素が、例えば静電容量センサまたは磁気センサのための異なる材料を含むスタッドコンタクトのセクションを含むことがさらに可能である。
【0018】
少なくとも1つの突起がトリガ要素として使用される場合、突起は、手動工具のスイッチに機械的に係合して、表示要素の外観を切り替えるために回路を閉じ、光バリアを影で覆い、および/または磁気センサおよび/または静電容量センサで検出されるように使用することができる。突起は、タブ形状、リブ形状、スタッド形状、またはピン形状とすることができる。これらの場合のいずれでも、突起は装着方向と平行な方向に延びることが好ましく、その装着方向は、一般に、スタッドコンタクトの長手方向と平行であることが好ましい。
【0019】
スタッド検出装置、特に、そのセンサがレセプタクルの底部に配置される場合、突起はスタッドコンタクトの上面に配置されることが好ましい。上面は、好ましくは、装着方向と反対方向に面し、突起は、上面から装着方向と反対方向に延出することができる。
【0020】
別の有利な実施形態によれば、スタッドコンタクトは、スタッドコンタクトの最終設置位置でラッチ組立体を自動的に係合解除するように構成された解放要素を含むことができる。解放要素は、1つの変形では、トリガ要素と同一とすることができ、その結果、解放要素は、同時に2つの機能、すなわち、作業者への視覚フィードバックをトリガすること、および端子を手動工具から自動的に係合解除することに役立つ。
【0021】
最終設置位置において、解放要素が解放開口に挿入され、ラッチ組立体が係合解除されることが好ましい。
【0022】
解放要素は、スタッドコンタクトと同じ方向に延在する、および/またはスタッドコンタクトと並んで延在することができる。
【0023】
別の変形によれば、解放要素は、スタッドコンタクトのフランジ状肩部セクションから延することができる。そのようなフランジ状のセクションは、スタッドコンタクトの装着状態において解放要素から離れて面する側で車体に当接するように使用することができる。フランジ状のセクションは、スタッドコンタクトを車体に挿入するために停止面を備え、それにより、車体に対するスタッドコンタクトの最終静止位置を規定する。
【0024】
解放要素は、少なくとも1つの突起を含むことができる。突起は、タブ状、リブ状、スタッド状、またはピン状とすることができる。
【0025】
別の有利な実施形態によれば、手動工具は、端子をスタッドコンタクト上に設置するためだけでなく端子をスタッドコンタクトから取り外すためにも使用することができる。特に、それぞれの要素がポジティブロック装置で係合するによって、端子がスタッドコンタクト上にラッチされる場合、抜き取りが端子とスタッドコンタクトとの間のポジティブロック装置の保持力に打ち勝つために、端子と手動工具との間の強い取り付けが必要とされる。
【0026】
そのような抜き取りは、例えば、少なくとも装着方向と反対方向に軸方向にしっかり固定した接続を形成するために、手動工具が、スタッドコンタクト上に装着された端子に係合するように構成された端子抜取りセクションを含む場合、達成することができる。このようにして、軸方向にしっかり固定した接続は、コンタクトスタッドから端子を引き抜くことを可能にする。そのような軸方向にしっかり固定した接続はフォームフィットによって確立され得る。
【0027】
端子抜取りセクションは、端子に回転運動で係合するように構成することができる。これは、端子がスタッドコンタクト上に装着方向に沿って直線運動で装着される場合に特に有利であり、その理由は、端子の上首尾の設置の直後に端子が意図せずに抜き取られることが防止されるからである。
【0028】
端子と、手動工具、特に、その端子抜取りセクションとは、バヨネット締結具の補完部分を形成することができる。補完部分は、回転運動によって相互係合させることができる。
【0029】
例えば、端子抜取りセクションは、半径方向突起を含むことができ、半径方向突起は、装着方向に対して垂直に突出する。半径方向突起は、端子の舌状部または、例えば、半径方向内側に突出する他の突起の下で回転するように構成することができる。代替として、端子抜取りセクションは、端子の半径方向突起の上で回転する凹部をさらに含むことができる。
【0030】
端子抜取りセクションは、レセプタクルに配置することができ、したがって、レセプタクルが交換可能なアダプタの一部である場合、端子抜取りセクションは、アダプタと共にシングルステップで交換することができる。端子抜取りセクションはレセプタクルの外側に配置することができ、特に、端子抜取りセクションはラッチ組立体に隣接して配置することができる。
【0031】
端子は、軸方向にしっかり固定した接続を形成するために端子抜取りセクションの少なくとも一部を受容するように構成されたポケットを備えることができる。ポケットは、さらに、解放部材を受容することができる。そのようなポケットは、U字形状舌状部によって端子に形成することができる。ポケットは、少なくとも1つの円周方向に開いており、回転運動での端子抜取りセクションによる係合および/または端子抜取りセクションの挿入を可能にすることができる。
【0032】
最後に、本発明は、さらに、手動工具を使用して、スリーブ状端子コンタクトをスタッドコンタクト上に、特に、車体に取り付けられた接地スタッドコンタクト上に装着する方法に関する。本発明の方法は、端子を手動工具の中空レセプタクルに挿入するステップと、レセプタクルをスタッドコンタクトの少なくとも一部の上に置いて、スタッドコンタクトを端子に挿入するステップと、スタッドコンタクトがレセプタクル内の最終設置位置に配置されたとき、表示要素の視覚的外観を自動的に変更するステップとを含むことができる。
【0033】
以下では、本発明によるデバイスおよび方法の設計および機能が、添付図面を参照しながら例示的に説明される。図面において、同じ参照番号が、機能および/または設計において互いに対応する要素に使用される。さらに、図面を参照しながら説明される様々な特徴は、互いに任意に組み合わせることができることが上述の説明から明らかである。特に、特定の用途において必要でない特徴は省略することができ、一方、特定の用途において必要とされる特徴は、上述のような図示された実施形態に加えることができる。