(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
本発明の第1の実施形態による位置特定システムの構成について説明する。
【0015】
本発明の第1の実施形態による位置特定システム1は、車両による地上子の認識結果に基づいて車両の位置を特定するシステムである。また、位置特定システム1は、自位置特定システム1が何らかの原因によりシャットダウンし再起動した後に、各車両の正確な位置を再度取得するシステムである。なお、ここでの地上子とは、相互に通信を行うものに限らず、例えばQR(Quick Response)コード(登録商標)などで、その地上子を識別でき、位置を特定することができるものであればどのようなものでもよい。位置特定システム1は、
図1に示すように、サーバ10(車両制御装置)と、複数の地上子20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g、20hと、車両30a、30b、30c、30d、30e、30f、30gと、複数の撮像装置40a、40b、40c、40d、40e、40fと、を備える。以下、複数の地上子20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g、20hを総称して、地上子20と呼ぶ。また、車両30a、30b、30c、30d、30e、30f、30gを総称して、車両30と呼ぶ。また、複数の撮像装置40a、40b、40c、40d、40e、40fを総称して、撮像装置40と呼ぶ。
なお、
図1には、通信ネットワークNWが記載されている。ここでの通信ネットワークNWは、車両30のそれぞれ及び撮像装置40のそれぞれと無線通信を行う中継装置を含む。
【0016】
サーバ10は、各車両30の走行を管理するサーバである。サーバ10は、
図2に示すように、記憶部101と、通信部102と、走行管理処理部103と、画像取得部104と、位置特定部105(第1位置特定部、第2位置特定部)と、領域特定部106と、を備える。
【0017】
記憶部101は、各車両30の識別子と、その車両30が走行する経路を示す走行経路情報とを関連付けた車両情報を記憶する。また、記憶部101は、地上子20のそれぞれの識別子と、その識別子に付与されている地上子20の位置を示す地上子位置情報とを関連付けた地上子情報を記憶する。また、記憶部101は、後述する各撮像装置40の備える撮像部402が設置されている位置を示す位置情報を記憶する。
通信部102は、通信ネットワークNWを介して、車両30のそれぞれ及び撮像装置40のそれぞれと通信を行う。
【0018】
走行管理処理部103は、通信部102を介して車両30に車両情報を送信する。また、走行管理処理部103は、車両30の位置を示す車両位置情報を、車両30のそれぞれから取得する。また、走行管理処理部103は、通信部102を介して車両30のそれぞれに地上子情報を送信する。
また、走行管理処理部103は、複数の車両30のうち不明車両30以外の車両30に、後述する領域特定部106が特定した不明車両30が存在し得る領域に侵入しないように制御信号を送信する。不明車両30とは、地上子20による正確な位置がわからなくなった車両30のことである。
【0019】
画像取得部104は、撮像装置40及び車両30のうちの少なくとも一方のそれぞれから画像を取得する。
位置特定部105は、記憶部101が各車両30の正確な位置を記憶している場合には、地上子認識部304が特定した地上子位置情報から各車両30の位置を特定する。
また、位置特定部105は、各車両30の走行中に、記憶部101が記憶していた各車両30の正確な位置を失った場合には、画像取得部104が取得した画像に基づいて、各車両30の位置を特定する。
なお、位置特定部105は、地上子認識部304が特定した地上子位置情報から各車両30の位置を特定する場合と、画像取得部104が取得した画像に基づいて、各車両30の位置を特定する場合とでは、地上子認識部304が特定した地上子位置情報から各車両30の位置を特定する場合の方がより高い精度で位置を特定することができる。
【0020】
ここで、位置特定部105が画像取得部104の取得した画像に基づいて、各車両30の位置を特定する具体例について説明する。
撮像部402の画角と設置位置は、予めわかっている。また、各車両30の大きさは、予めわかっている。そのため、位置特定部105は、撮像部402が撮像した画像に含まれる車両30と、その車両30を撮像した撮像部402との距離を、画像における車両30の位置と、その画像における車両30の大きさとに基づいて推定する。例えば、位置特定部105は、予めさまざまな位置にある車両30を撮像し、撮像した画像における車両30の位置と、車両30と撮像部402との実際の距離とを関連付けて記憶部101に書き込む。そして、位置特定部105は、撮像部402が車両30を撮像した場合、撮像した画像における車両30の位置を特定する。位置特定部105は、画像において特定した車両30の位置が一致する画像を、記憶部101が記憶する画像と比較し、記憶部101が記憶する画像の中から特定する。位置特定部105は、画像において車両30の位置が一致する特定した画像に関連付けられている車両30と撮像部402との実際の距離を特定する。また、本発明の別の実施形態では、例えば、複数の撮像部40の画像から、三角測量法を用いて距離を算出してもよい。
そして、位置特定部105は、車両30と撮像部402との実際の距離を3つ以上特定し、それぞれの撮像部402の位置を中心とし、車両30と撮像部402との距離を半径とする円を3つ特定する。位置特定部105は、特定した3つの円が重なる領域の重心を特定し、その重心を車両30の位置とする。すなわち、位置特定部105は、三角測量のように車両30の位置を特定する。また、重心を含んだ領域は、車両30が存在するかもしれない位置を範囲として取り扱うようにし、車両30が再起動後に地上子情報を取得することで、位置特定システム1は、精度の高い位置情報に特定することができる。
このようにすれば、位置特定部105は、画像取得部104の取得した画像に基づいて、各車両30の位置を特定することができる。
【0021】
領域特定部106は、複数の車両30のうち、地上子位置情報から位置を特定することができず、画像に基づいて位置を特定することができる不明車両30が存在し得る領域を特定する。
【0022】
地上子20は、車両30が走行中に走行経路における正確な位置を示し、自車両30の位置を補正するために使用される地上子である。地上子20は、車両30が走行する走行経路上の所定の位置に設けられる。
例えば、本発明の第1の実施形態による地上子20は、所定のマーク(例えば、QR(Quick Response)コード(登録商標))を有する地上子である。
また、例えば、本発明の別の実施形態による地上子20は、近距離無線通信を行うRFID(Radio Frequency IDentifier)(登録商標)タグなどの地上子であってもよい。
【0023】
車両30のそれぞれは、サーバ10から取得した車両情報に含まれる走行経路情報が示す経路を走行する車両である。車両30のそれぞれには、自車両30が他の車両30と区別しやすいように、例えば、自車両30に固有のマーク、固有の数字、固有の色の塗装などが施されている。車両30のそれぞれは、
図3に示すように、記憶部301と、通信部302と、走行制御部303と、地上子認識部304と、撮像部305と、を備える。
【0024】
記憶部301は、走行経路情報と走行制御信号とを関連付けた車両制御情報を予め記憶する。走行制御信号とは、走行経路情報が示す経路のとおりに車両30が走行するための制御信号である。例えば、走行経路情報が示す経路上に地上子20が3つ存在し、1つ目の地上子20の位置が車両30の現在位置であるとする。そして、車両30が走行する経路が、例えば、「1つ目の地上子20から2つ目の地上子20まで50メートル直進し、2つ目の地上子20の位置で右折し、2つ目の地上子20から3つ目の地上子20まで30メートル直進する経路」であるものとする。この場合、走行制御信号は、例えば、1つ目の地上子20から2つ目の地上子20まで車両30が50メートル直進するための「ステアリングの操作量と走行距離50メートルに相当する車輪のロータリーエンコーダのカウント数」、2つ目の地上子20の位置で車両30が右折するための「走行速度とステアリングの操作量」、2つ目の地上子20から3つ目の地上子20まで車両30が30メートル直進するための「ステアリングの操作量と走行距離30メートルに相当する車輪のロータリーエンコーダのカウント数」など情報を含む制御信号である。
また、記憶部301は、地上子20のそれぞれの識別子と、その識別子に付与されている地上子20の位置を示す地上子位置情報とを関連付けた地上子情報を記憶する。
通信部302は、通信ネットワークNWを介してサーバ10と通信を行う。
【0025】
走行制御部303は、記憶部301においてサーバ10から取得した車両情報に含まれる走行経路情報と一致する走行経路情報を特定する。走行制御部303は、特定した走行経路情報に関連づけられている走行制御信号に基づいて車両30の走行を制御する。
【0026】
また、走行制御部303は、地上子認識部304が認識した地上子20の地上子位置情報に基づいて、車両30の現在位置を補正する。
具体的には、例えば、走行制御部303は、走行制御信号に基づいて、走行経路上のある地上子20aから次の地上子20bまで車両30の走行を制御したとする。その結果、車両30が地上子20bの位置からずれた位置を走行したとする。この場合、走行制御部303は、地上子20bの地上子位置情報が示す位置と、地上子20aから次の地上子20bまでの走行を指示する走行制御信号に基づいて走行した車両30の位置との差分を特定する。走行制御部303は、地上子20bからその次の地上子20cまでの車両30の制御する際に、地上子20bから次の地上子20cまでの走行を指示する走行制御信号に、差分を打ち消す走行制御信号を加える。そして、走行制御部303は、その差分を打ち消す走行制御信号が加えられた地上子20bからその次の地上子20cまでの走行制御信号を用いて車両30の走行を制御する。
なお、走行制御部303は、地上子位置情報が示す地上子20の位置を絶対的なものとして車両30の走行経路を補正する。
【0027】
地上子認識部304は、車両30の走行中に、走行経路上に設けられている地上子20を認識する。
例えば、地上子20がQRコードである場合、地上子認識部304は、撮像機能を有し、QRコードを撮像する。地上子認識部304は、撮像したQRコードを2値化処理する。具体的には、地上子認識部304は、所定の輝度のしきい値(例えば、白レベルと黒レベルの中間値)と撮像したQRコードの各画素の輝度値とを比較する。地上子認識部304は、輝度のしきい値よりも高い輝度値を示す画素を白と認識し、輝度のしきい値よりも低い輝度値を示す画素を黒と認識する。地上子認識部304は、2値化処理された画像が示すQRコードを読み取り認識する。なお、QRコードは、エラー訂正機能を有する。地上子認識部304は、エラー訂正機能により訂正された後のQRコードを読み取るものであってもよい。
【0028】
地上子認識部304は、認識したQRコードに含まれる識別子を特定する。地上子認識部304は、記憶部301が記憶する地上子情報において、特定した識別子と一致する識別子を特定する。地上子認識部304は、記憶部301において特定した識別子に関連付けられている地上子位置情報を特定する。地上子認識部304は、特定した地上子位置情報をサーバ10に送信する。
【0029】
撮像部305は、車両30の前後左右の少なくとも一方向を撮像する。撮像部305は、例えば、カメラである。撮像部305は、撮像した画像をサーバ10に送信する。
【0030】
撮像装置40のそれぞれは、各車両30を撮像する装置である。撮像装置40のそれぞれは、
図4に示すように、通信部401と、撮像部402と、を備える。
通信部401は、サーバ10と通信を行う。
【0031】
撮像部402は、車両30が走行する領域全体を俯瞰する位置に固定して設置される。そのため、車両30が走行する領域全体に対する撮像部402の相対位置と姿勢は予めわかっている。撮像部402の相対位置と姿勢は、予め記憶部101に書き込まれる。撮像部402は、車両30のそれぞれを撮像する。
【0032】
次に、
図5及び
図6に示す本発明の第1の実施形態による位置特定システム1の処理フローについて説明する。
ここでは、車両30が走行中に位置特定システム1がシャットダウンし、再起動した際に、サーバ10の記憶していた各車両30の位置情報が失われた状態になった場合の位置特定システム1の処理について説明する。
なお、本発明の第1の実施形態による位置特定システム1において、車両30aは自車両の位置情報を失い、車両30b〜30gは自車両の位置情報を保持しているものとする。
【0033】
車両30の走行中に位置特定システム1がシャットダウンする。その後、位置特定システム1は再起動する。このとき、サーバ10の記憶していた各車両30の位置情報が失われた状態になっている。また、車両30aは、自車両30aの位置情報を失った状態となっている。車両30b〜30gは自車両の位置情報を保持した状態となっている。
【0034】
車両30b〜30gのそれぞれが備える走行制御部303は、通信部302を介して自車両の車両情報をサーバ10に送信する(ステップS1)。
【0035】
走行管理処理部103は、通信部102を介して車両30b〜30gのそれぞれが備える走行制御部303から車両情報を受信する(ステップS2)。走行管理処理部103は、受信した車両情報を記憶部101に書き込む(ステップS3)。
このステップS3の処理により、サーバ10は、車両30b〜30gの正確な位置を記憶したことになる。
【0036】
画像取得部104は、走行管理処理部103が位置情報を受信していない車両30が存在する場合、通信部102を介して、撮像装置40のそれぞれに撮像の開始を指示する撮像開始信号を送信する(ステップS4)。この例では、車両30aが不明車両である。
【0037】
各撮像装置40の撮像部402は、通信部401を介して画像取得部104から撮像開始信号を受信する(ステップS5)。各撮像装置40の撮像部402は、受信した撮像開始信号に応じて撮像を開始する(ステップS6)。各撮像装置40の撮像部402は、撮像した画像を自撮像装置40の識別子と関連付けて通信部401を介してサーバ10に送信する(ステップS7)。
【0038】
画像取得部104は、通信部102を介して各撮像装置40の撮像部402から画像を受信する(ステップS8)。
位置特定部105は、画像取得部104が受信したそれぞれの画像において車両30aを特定する(ステップS9)。具体的には、例えば、位置特定部105は、撮像装置40a〜40fから受信した全画像と、車両30aの固有の塗装のサンプル画像とを比較する。位置特定部105は、撮像装置40a、40c、40e、40fの4つから受信した画像において車両30aの固有の塗装のサンプル画像を検出したとする。この場合、位置特定部105は、車両30aを特定したことになる。
【0039】
位置特定部105は、特定した車両30aを撮像した3つ以上の撮像部402を特定する(ステップS10)。具体的には、例えば、位置特定部105は、撮像装置40a、40c、40e、40fの4つから受信した画像において車両30aの固有の塗装のサンプル画像を検出した場合、特定した車両30aを撮像した撮像部402を、撮像装置40a、40c、40e、40fそれぞれの撮像部402と特定する。
【0040】
位置特定部105は、特定した撮像部402の位置に基づいて、車両30aの位置を特定する(ステップS11)。例えば、位置特定部105は、三角測量の方法を用いて車両30aの位置を特定する。
領域特定部106は、車両30aが存在し得る領域を特定する(ステップS12)。例えば、領域特定部106は、位置特定部105が撮像部402の位置に基づいて特定した車両30aの位置に対して、車両30b〜30gのそれぞれと衝突が生じないマージンを持たせた領域を車両30aが存在し得る領域を特定する。このとき、各車両30が搭載している撮像部305の撮像した画像情報を用いて車両30aが存在し得る領域を特定してもよい。
【0041】
走行管理処理部103は、通信部102を介して、走行経路を示す走行指令と領域特定部106が特定した車両30aが存在し得る領域の走行を禁止する禁止制御信号とを車両30b〜30gのそれぞれに送信する(ステップS13)。
【0042】
走行制御部303は、通信部302を介して走行管理処理部103から走行指令と禁止制御信号とを受信する(ステップS14)。走行制御部303は、受信した走行指令と禁止制御信号とにしたがって車両30aが存在し得る領域を除く領域で車両30を走行させる(ステップS15)。
【0043】
また、走行管理処理部103は、通信部102を介して、車両30aに前方車両(位置は、ここまでの処理でサーバ10が認識済)に衝突しない範囲で、走行指令を送信する(ステップS16)。
【0044】
走行制御部303は、通信部302を介して走行管理処理部103から走行指令を受信する(ステップS17)。走行制御部303は、車両30aを前方車両に衝突しない範囲で、走行させて、地上子20まで移動させる(ステップS18)。
なお、この状態で、例えば、車両30aを有人運転に切り替えて地上子20まで移動させてもよい。または、例えば、人が車両30aを押すなどして地上子20まで移動させてもよい。
【0045】
地上子認識部304は、認識した地上子に含まれる識別子を特定する(ステップS19)。地上子認識部304は、記憶部301が記憶する地上子情報において、特定した識別子と一致する識別子を特定する。地上子認識部304は、記憶部301において特定した識別子に関連付けられている地上子位置情報を特定する(ステップS20)。地上子認識部304は、特定した地上子位置情報と車両30aの識別子とをサーバ10に送信する(ステップS21)。
【0046】
走行管理処理部103は、通信部102を介して地上子認識部304から地上子位置情報と車両30との識別子とを受信する(ステップS22)。走行管理処理部103は、受信した地上子位置情報と車両30との識別子とを関連付けて記憶部101に書き込む(ステップS23)。
このステップS23の処理により、サーバ10は、車両30aの正確な位置を記憶したことになる。
【0047】
以上、本発明の一実施形態による位置特定システム1について説明した。
本発明の一実施形態による位置特定システム1において、サーバ10(車両制御装置)は、位置特定部105(第1位置特定部、第2位置特定部)を備える。位置特定部105は、車両30による地上子20の認識結果に基づいて車両30b〜30gの位置を特定する。位置特定部105は、車両30b〜30gによる地上子20の認識結果に基づいて車両30b〜30gの位置を特定する方法とは異なり、車両30b〜30gによる地上子20の認識結果に基づいて車両30b〜30gの位置を特定する方法よりも低い精度で車両30aの位置を特定する画像取得部104が取得した画像に基づいて車両30aの位置を特定する。領域特定部106は、複数の車両30のうち、車両30aによる地上子20の認識結果に基づいて車両30aの位置を特定できず、それよりも低い精度で車両30aの位置を特定できる不明車両30aが存在しうる領域を特定する。走行管理処理部103は、複数の車両30のうち不明車両30a以外の車両30b〜30gに、領域特定部106が特定した領域に侵入しないように制御信号を送信する。
このようにすれば、本発明の一実施形態によるサーバ10は、位置特定システムがシャットダウンし再起動した後に、車両全体の走行の安全を図ることができる。
【0048】
なお、本発明の別の実施形態による位置特定システム1では、本発明の一実施形態による位置特定システム1のステップS16〜ステップS18の処理に代わり、車両30aを車両30aが存在し得る領域内で低速に走行させる走行指令をサーバ10が車両30aに送信し、車両30aに地上子20を認識させる走行の制御を行ってもよい。この場合、サーバ10は、車両30b〜30gの車両が車両30aの存在し得る領域に存在しないことを確認した上で、車両30aを車両30aが存在し得る領域内で低速に走行させる走行指令を車両30aに送信する。
【0049】
なお、本発明の別の実施形態による位置特定システム1では、不明車両30の位置を特定する手段として、各車両30を俯瞰する撮像装置以外に、車両30が搭載している撮像部305、GPS(Global Positioning System)などの測位システムなどを用いて不明車両30が存在し得る領域を特定してもよい。
より具体的には、例えば、位置特定システム1は、車両30が搭載している撮像部305が撮像する画像を用いる場合、画像における各車両30などから各車両30どうしの大まかな距離を特定し、その距離に衝突しない程度のマージンを持たせて不明車両30が存在し得る領域を特定すればよい。また、例えば、位置特定システム1は、GPSを用いる場合、GPSによる各車両30どうしの大まかな距離を特定し、その距離に衝突しない程度のマージンを持たせて不明車両30が存在し得る領域を特定すればよい。
【0050】
なお、本発明の実施形態における処理は、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わってもよい。
【0051】
本発明の実施形態における記憶部101、301、その他の記憶装置のそれぞれは、適切な情報の送受信が行われる範囲においてどこに備えられていてもよい。また、記憶部、その他の記憶装置のそれぞれは、適切な情報の送受信が行われる範囲において複数存在しデータを分散して記憶していてもよい。
【0052】
本発明の実施形態について説明したが、上述の位置特定システム1、撮像装置40、その他の制御装置は内部に、コンピュータシステムを有していてもよい。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。コンピュータの具体例を以下に示す。
図7は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ5は、
図7に示すように、CPU6、メインメモリ7、ストレージ8、インターフェース9を備える。
例えば、上述の位置特定システム1、撮像装置40、その他の制御装置のそれぞれは、コンピュータ5に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ8に記憶されている。CPU6は、プログラムをストレージ8から読み出してメインメモリ7に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU6は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ7に確保する。
【0053】
ストレージ8の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ8は、コンピュータ5のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インターフェース9または通信回線を介してコンピュータ5に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ5に配信される場合、配信を受けたコンピュータ5が当該プログラムをメインメモリ7に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ8は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0054】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるファイル、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例であり、発明の範囲を限定しない。これらの実施形態は、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、省略、置き換え、変更を行ってよい。