特許第6865090号(P6865090)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6865090
(24)【登録日】2021年4月7日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】排気ターボ過給機
(51)【国際特許分類】
   F02B 39/00 20060101AFI20210419BHJP
【FI】
   F02B39/00 B
   F02B39/00 D
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-72653(P2017-72653)
(22)【出願日】2017年3月31日
(65)【公開番号】特開2018-173056(P2018-173056A)
(43)【公開日】2018年11月8日
【審査請求日】2020年2月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099966
【弁理士】
【氏名又は名称】西 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100134751
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆一
(72)【発明者】
【氏名】澤下 真人
【審査官】 家喜 健太
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−203379(JP,A)
【文献】 特開2016−098671(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0290159(US,A1)
【文献】 中国実用新案第204827556(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングに、タービンが回転自在に配置されたタービン室と、前記タービン室を囲うスクロール室と、前記スクロール室に排気ガスを送り込む入口通路とを備えており、前記入口通路の終端部とタービン室との間の部分は、排気ガスの流れ方向に向かって厚さが縮小する舌部になっている構成であって、
前記ハウジングには、前記入口通路の軸線方向から見て前記スクロール室の左右両側に位置した冷却水ジャケットが、冷却水が下から上に向けて流れるように形成されて、前記左右両冷却水ジャケットは、前記舌部よりも下方の部位から上方に広がって前記舌部の横の箇所において高くなっている水平状の隔壁によって上下に仕切られており、
前記隔壁のうち前記舌部の略横に位置した水平状の部分に、冷却水及び空気が通過し得る連通穴を形成している、
排気ターボ過給機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、内燃機関に使用する排気ターボ過給機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
排気ターボ過給機は、タービンが回転自在に配置されたタービンハウジングを有しており、タービン室の外周外側には、回転軸心からの距離が始端から終端に向けて小さくなった渦巻き状のスクロール室を形成しており、スクロール室の始端に入口通路が連通している。そして、スクロール室の終端部は入口通路の終端部の近傍に位置しているが、スクロール室が渦巻き形であることに起因して、入口通路の終端部とスクロール室の終端部との間の部位は、排気ガスの流れ方向に向けて厚さが縮小する舌部になっている。
【0003】
排気ターボ過給機において、タービンハウジングの舌部は熱の影響を最も強く受ける部分であるため、熱害を軽減することが考えられている。その例として、特許文献1には、スクロール室の片側に冷却水ジャケットを形成した場合において、冷却水ジャケットのうち舌部の横に位置した部位にリブを設けることが開示されている。
【0004】
他方、特許文献2には、タービンハウジングをアルミ製とした場合において、舌部を鋼製にしてタービンハウジングに鋳込むことが開示されている。なお、特許文献2には、スクロール室を囲うように冷却水ジャケットを形成することも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016−173068号公報
【特許文献2】特開2016−75287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
タービンハウジングを水冷式とすることは、タービンハウジング全体にとって有益であり、特許文献2に開示されているように、冷却水ジャケットを設けることにより、タービンハウジングをアルミ化して軽量化することが可能になる。しかし、舌部はその構造に基づいて熱害を受けやすいため、特に熱害対策が要請される。
【0007】
しかるに、特許文献2のように舌部を鋼製にして鋳込む対策は、製造に多大の手間がかかる問題や、寸法のバラツキによる精度低下のおそれがある問題、或いは、鋼とアルミとの熱膨張率の違いによって舌部にガタ付きが発生するおそれがある問題などが懸念される。他方、特許文献1の対策は、舌部が受けた熱がリブを介して冷却水に放熱されるため、冷却水ジャケットを有効利用できるといえる。
【0008】
本願発明はこのような現状に鑑み成されたものであり、特許文献1と同様に冷却水ジャケットを設けつつ、更に冷却水を有効利用して舌部の冷却性能を向上させようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明の排気ターボ過給機は、ハウジングに、タービンが回転自在に配置されたタービン室と、前記タービン室を囲うスクロール室と、前記スクロール室に排気ガスを送り込む入口通路とを備えており、前記入口通路の終端部とタービン室との間の部分は、排気ガスの流れ方向に向かって厚さが縮小する舌部になっている、という基本構成である。
【0010】
そして、上記基本構成において、
前記ハウジングには、前記入口通路の軸線方向から見て前記スクロール室の左右両側に位置した冷却水ジャケットが、冷却水が下から上に向けて流れるように形成されて、前記左右両冷却水ジャケットは、前記舌部よりも下方の部位から上方に広がって前記舌部の横の箇所において高くなっている水平状の隔壁によって上下に仕切られており、
前記隔壁のうち前記舌部の略横に位置した水平状の部分に、冷却水及び空気が通過し得る連通穴を形成している
という特徴を有している。
【0011】
本願発明では、タービンハウジングの素材には限定はないが、アルミ等の軽金属製とすると、軽量化できて水冷式のメリットを大きく享受できる。冷却水ジャケットは、特許文献1と同様にスクロール室の片側のみに形成することも可能であるが、スクロール室を全体的に囲うように形成するのが好ましい。従って、スクロール室の左右両側に冷却水ジャケットを形成して、左右の冷却水ジャケットを舌部の箇所において隔壁で上下に仕切り、左右の隔壁にそれぞれ連通穴を空けると好適である。
【発明の効果】
【0012】
本願発明では、冷却水ジャケットは舌部の箇所において隔壁を介して上下に分離しているため、冷却水ジャケットを挟んで外側に位置した肉部と内側に位置した肉部とが、水平状の隔壁で繋がっている。このため、冷却水ジャケットでスクロール室を全体的に囲うような形態であっても、冷却水ジャケットで囲われた内側部分が容易に変形することはなくて、高い剛性を確保できる。また、隔壁は、特許文献1のリブと同様に放熱部としても機能するため、熱の籠もりを抑制して冷却性能向上にも貢献できる。
【0013】
そして、隔壁に連通穴が空いているため、この連通穴を通って、冷却水が、下部ジャケットから上部ジャケットに、又は、上部ジャケットから下部ジャケットに流れることにより、隔壁から冷却水への熱交換量が著しく高くなり、結果として、舌部から冷却水への放熱も促進される。その結果、舌部が過剰昇温することを防止して、高い信頼性を確保することができる。
【0014】
また、連通穴は空気抜き穴としても機能させることができるため、冷却水に混じっていた気泡が隔壁の下面部に滞留して放熱性が低下したり、冷却水が沸騰して発生した気泡が隔壁の下面部に滞留して放熱性が低下したりするといったことは無い。これよっても、高い信頼性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る排気ターボ過給機の全体図であり、(A)は吸気入口の方向から見た斜視図、(B)は排気ガスの入口方向から見た斜視図である。
図2】(A)は排気ターボ過給機の平面図、(B)の正面図である。
図3図2(A)のIII-III 視断面図である。
図4】(A)はタービンハウジングの平面図、(B)は冷却水ジャケットを実線で表示してタービンハウジングの外形を一点鎖線で表示した平面図、(C)は排気ガス通路を実線で表示してタービンハウジングの外形を一点鎖線で表示した平面図である。
図5】(A)はタービンハウジングの正面図、(B)は冷却水ジャケットを実線で表示してタービンハウジングの外形を一点鎖線で表示した正面図である。
図6】(A)はタービンハウジングの右側面図、(B)は冷却水ジャケットを実線で表示してタービンハウジングの外形を一点鎖線で表示した右側面図である。
図7】(A)はタービンハウジングの底面図、(B)は図4(A)の VIIB-VIIB視左断面図、(C)は冷却水ジャケットの左側面図である。
図8】(A)は図4(A)及び図5(A)の VIIIA-VIIIA視断面図、(B)は(A)のB−B視断面図で図5(A)の VIIIB-VIIIB視断面図、(C)は図4(A)及び図6(A)並びに図7(B)の VIIIC-VIIIC視概略断面図である。
図9】(A)は図4(A)及び図7(B)のIX-IX 視断面図、(B)は図6(A)及び図8(A)のIXB-IXB 視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(1).概要
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1〜3を参照して概要を説明する。本実施形態では、方向を明確にするため前後・左右・上下の文言を使用するが、回転軸の長手方向を左右方向として、これと直交すると共にシリンダヘッドの排気側面と直交した方向を前後方向として、シリンダヘッドから向いた方向を前としている。上下方向は鉛直方向である。念のため、図1,2等に方向を明示している。
【0017】
図3に示すように、排気ターボ過給機は、ブレード式のタービン1及びコンプレッサ翼2を備えており、両者は、水平姿勢の回転軸3の一端部と他端部とに固定されている。また、排気ターボ過給機は、タービンハウジング4とコンプレッサハウジング5、及び、両者の間に位置した中間ハウジング6とを有しており、タービンハウジング4と中間ハウジング6とは、アルミの鋳造品として一体に製造されている。コンプレッサハウジング5は、アルミのダイキャスト品又は鋳造品である。
【0018】
タービンハウジング4には、タービン1が回転自在に配置されたタービン室7と、タービン室7の外周部に連通したタービン側スクロール室8とが形成されている。タービン側スクロール室8は、タービン1の回転軸心からの距離が始端から終端に向けて徐々に小さくなる渦巻き形状になっており、その始端(上端)に、図1(B)に示す入口通路9が連通している。
【0019】
従って、タービンハウジング4は、タービン側スクロール室8が形成された円形状部4aと、入口通路9が形成された入口筒部4bとを有しており、かつ、中間ハウジング6と反対側に突出したサイド張り出し部4cが、円形状部4a及び入口筒部4bと一体に繋がった状態で形成されている。入口筒部4bの後端には、シリンダヘッド(又は排気マニホールドの集合部)にボルトで固定される入口側フランジ12が形成されている。
【0020】
また、図3から理解できるように、サイド張り出し部4cには、タービン室7から排出された排気ガスが流れる出口通路13と、入口通路9と出口通路13とを繋ぐウエストゲート通路14とが形成されており、ウエストゲート通路14は、回動式のウエストゲートバルブ15で開閉される。出口通路13には、タービン側スクロール室8の内周部を構成するためのシュラウドピース13aを装着している。ウエストゲートバルブ15は、図1に示すダイヤフラム式のアクチュェータ16によって駆動される。アクチュェータ16はロッド17を有しており、ロッド17が前後動すると、外リンク18と支軸19と内リンク20とを介して、ウエストゲートバルブ15が支軸19の軸心回りに回動する。
【0021】
サイド張り出し部4cには出口側フランジ21が形成されており、図示は省略するが、この出口側フランジ21に触媒ケースが固定される(排気管を固定してもよい。)。排気ガスが排出される出口穴13bは、斜め下向きに開口している。
【0022】
図3に示すように、コンプレッサハウジング5には、吸気入口22と、コンプレッサ翼2の外側に位置したコンプレッサ側スクロール室23とが形成されており、コンプレッサ側スクロール室23で加圧された吸気は、排出口24から吸気系に排出される。コンプレッサハウジング5は、C形又は2つ割り状のリング25を介して中間ハウジング6と連結されている。
【0023】
中間ハウジング6には、フローティングメタル26を介して回転軸3を回転自在に保持する軸受け部27が形成されている。軸受け部27には、上向きに開口したオイル供給穴28と、下向きに開口したオイル排出穴29とが形成されている。回転軸3のシール構造は、本願発明との関係はないので説明は省略する。
【0024】
(2).タービンハウジングの冷却構造
タービンハウジング4には、冷却水が流れる冷却水ジャケットを形成している。この点を、図4以下の図面を参照して説明する。図7(C)及び図8に示すように、冷却水ジャケット31は、タービン側スクロール室8及び入口通路9を挟んで左右両側に位置した前部隔壁32a及び後部隔壁32bを介して上下に分かれた上部ジャケット33と下部ジャケット34とを有しており、これら上下ジャケット33,34は、1つのフロント連通部35と、左右2つのリア連通部36によって連通している。前部隔壁32aと後部隔壁32bとは、概ねタービン側スクロール室8を挟んで前後に分かれている。
【0025】
そして、下部ジャケット34には冷却水入口37が連通して、上部ジャケット33は冷却水出口38が連通している。冷却水入口37及び冷却水出口38はボス部に形成されており、図8,9(A)に示すように、冷却水入口37及び冷却水出口38は、ボ継手筒37a,38aを介してホースに接続されている。
【0026】
タービンハウジング4の円形状部4a及び入口筒部4bは左右の前後隔壁32a,32bで内外の肉部が繋がっているので、排気ガスが流れる内部は安定的に保持されており、全体として高い剛性が確保されている。また、連通部35,36は前後に分かれているので、冷却水は上下ジャケット33,34の全体をまんべんなく流れて冷却水出口38から排出される。従って、タービンハウジング4の全体をできるだけ均等に冷却して、熱ひずみの発生を大幅に抑制できる。
【0027】
図3,5,7(A)(B)などに示すように、サイド張り出し部4cは、円形状部4a及び入口筒部4bよりも上に突出した山形になっており、最も高い部位に出口ボス39を形成して、これに冷却水出口38を形成している。従って、上部ジャケット33は、側面視及び正面視で上向きに窄まった漏斗状になっており、下から送られた冷却水は、途中で淀むことなく、冷却水出口38に集められて確実に排出される。例えば図6(B)において、上部ジャケット33の上向き突出部を符号33aで表示している。
【0028】
また、例えば図5に明示するように、冷却水ジャケット31の冷却水入口37はタービン室7の真下に位置して筒状の形態になっている一方、冷却水出口38は、スクロール室8よりも出口通路13及びウエストゲート通路14の側に偏っており、両者は左右方向に離れている(オフセットされている)。また、上下冷却水ジャケット33,34とも、中間ハウジング6の側よりも、出口通路13及びウエストゲート通路14の側において体積が遥かに大きくなっている。このため、高温に晒されて熱害を受けやすい部位(特に、排気ガス通路で囲まれた部位)を強く冷却して、熱ひずみの発生を大幅に抑制できる。
【0029】
連通穴35,36は、外向きに開口した空洞部40にねじ式のプラグ41を嵌め込むことによって形成されている。すなわち、プラグ41を空洞部40の途中までねじ込むことにより、空洞部40の一部を連通穴35,36と成している。
【0030】
図4(B)や図8(A)から理解できるように、円形状部4aには、上部ジャケット33と下部ジャケット34とを左右に二分する補助リブ42,43を設けている。このため、タービン1の保持部は高い剛性が確保されていて、タービン1の正確な回転を確保できる。また、リブ42,43には、水流を左右に分ける整流機能も保持させ得るため、冷却水の流れのスムース化にも貢献できる。更に、リブ42,43は放熱の機能も発揮するため、熱の籠もりを抑制できる利点もある。
【0031】
図7(B)に示すように、入口筒部4bは、その後端から前端に向けて高さが少し高くなるように傾斜している。このため、図7(C)に示すように、冷却水ジャケット31のうち入口筒部4bの箇所に位置した部分も、手前に向けて高くなるように側面視でやや傾斜している。この冷却水ジャケット31の形態に対応して、後部隔壁32bは、いったん立ち上がってから水平状の姿勢で後ろに向かい、それから後ろに向けて低くなるように傾斜しており、このため、下部ジャケット34の上面、概ね側面視で山形の形態を成している。
【0032】
そこで、下部ジャケット34の上端部に気泡が溜まることを確実に阻止すべく、後部隔壁32bのうち高さが高い部分に、図7(C)及び図9(A)に示すように連通穴44を形成している。このため、冷却水に気泡が含まれていたり、冷却水が沸騰して気泡が発生したりしても、気泡を速やかに排除でき、さらに高い冷却性も確保できる。連通穴44はドリル加工で形成されているため、タービンハウジング4には連通穴44と同心のドリル穴45が空いているが、このドリル穴45は図示しないプラグで塞がれている。
【0033】
図8に示すように、タービン側スクロール室8は渦巻き状になっているため、タービン側スクロール室8の始端部は入口通路9の終端部とで挟まれた部分は、先端に向けて厚さが薄くなった舌部46になっている。このため、舌部46はタービンハウジング4で最も過酷な熱環境に晒されるが、本実施形態では、概ね舌部46の横に後部隔壁32bの一部が位置しており、後部隔壁32bのうち舌部46の横に位置した部位に連通穴44が空いている。なお、舌部46と後部隔壁32bとは、多少の高さの相違はあってもよいが、側面視で少なくとも部分的に重なっているのが好ましい。
【0034】
そして、連通穴44を冷却水が流れることにより、後部隔壁32bから冷却水への熱交換が著しく促進されるため、舌部46の熱も後部隔壁32bを介して冷却水に放熱される。その結果、舌部46が過剰に昇温することを防止して、溶損のような問題を無くすことができる。
【0035】
図9(A)に示すように、入口通路9とウエストゲート通路14とは左右に並んでおり、両者の間に後部隔壁32bの片側が位置しているが、後部隔壁32bに空気抜き穴用連通穴44を空けると、ウエストゲート通路14の箇所からの伝熱も抑制できるため、舌部46の保護手段として一層有益である。なお、連通穴44は、1つの後部隔壁32bに複数空けてもよい。左右の後部隔壁32bにおいて、連通穴44の数や内径を異ならせることも可能である。
【0036】
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば冷却水ジャケットの形態は、タービンハウジングの形状等に応じて適宜設定できる。中間ハウジングとタービンハウジングとは別体であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本願発明は、実際に排気ターボ過給機に具体化できる。従って、産業上利用できる。
【符号の説明】
【0038】
1 回転軸
2 タービン
3 コンプレッサ翼
4 タービンハウジング
4a 円形状部
4b 入口筒部
4c サイド張り出し部
8 タービン側スクロール室
9 入口通路
31 冷却水ジャケット
32a,32b 隔壁
33 上部ジャケット
34 下部ジャケット
35,36 連通部
37 冷却水入口
39 冷却水出口
44 連通穴
46 舌部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9