特許第6865141号(P6865141)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6865141
(24)【登録日】2021年4月7日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】燃焼装置
(51)【国際特許分類】
   F23N 5/24 20060101AFI20210419BHJP
   F23N 5/00 20060101ALI20210419BHJP
   F23N 5/02 20060101ALI20210419BHJP
   F24D 19/10 20060101ALI20210419BHJP
   F24D 17/00 20060101ALI20210419BHJP
【FI】
   F23N5/24 112
   F23N5/00 C
   F23N5/02 341Z
   F24D19/10 B
   F24D17/00 U
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-178493(P2017-178493)
(22)【出願日】2017年9月19日
(65)【公開番号】特開2019-52813(P2019-52813A)
(43)【公開日】2019年4月4日
【審査請求日】2020年2月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】森田 誠
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 克史
(72)【発明者】
【氏名】大勝 幸次
【審査官】 岩▲崎▼ 則昌
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−235167(JP,A)
【文献】 特開2002−061920(JP,A)
【文献】 特開2005−055015(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23N 5/24
F23N 5/00
F23N 5/02
F24D 17/00
F24D 19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーナ部と、該バーナ部の燃焼で内方の熱媒体が加熱される缶体と、前記バーナ部と前記缶体とを内部に設けた枠体と、該枠体内の温度を検知する機内温度検知センサと、前記枠体内に設けられた制御基板と、該制御基板の近傍に設けられ、前記制御基板周辺の空気の温度を検知する基板雰囲気温度検知センサと、前記枠体内の空気を換気する換気扇とを備えた燃焼装置に於いて、前記制御基板は、前記バーナ部の燃焼で内方の前記熱媒体を当初設定されている目標沸き上げ温度まで加熱し、前記機内温度検知センサの検知する温度により前記換気扇を動作させて機内冷却運転を行なうと共に、前記基板雰囲気温度検知センサが検知する温度が所定温度以上の時、異常が発生していると判断し、前記目標沸き上げ温度を当初設定されている温度より低い温度に再設定することを特徴とする燃焼装置。
【請求項2】
前記制御基板は、前記目標沸き上げ温度を再設定後、前記基板雰囲気温度検知センサが検知する温度が前記所定温度以上の時、前記換気扇が故障していると判断して運転を停止し、異常を報知することを特徴とする請求項記載の燃焼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内方の熱媒体が加熱される缶体を備えた燃焼装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものに於いては、暖房用の熱媒体が貯溜された缶体内に、給湯用熱交換器や風呂用熱交換器を備え、暖房、給湯、風呂の追い炊きや保温をそれぞれ良好に行うものであった。(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
又、熱交換器のフィン詰まりなどの異常が発生すると、枠体の内部の空気の温度が上昇していき、枠体の内部に収容された基板からなる制御装置などの構成部品が高温に曝されることになので、枠体の内部の空気の温度を検出する機内温度センサを設け、バーナが燃焼しており、給気ファンが駆動しており、循環ポンプが駆動しており、かつ機内温度サーミスタで検出される温度が上限温度を超えると、バーナの燃焼を停止し、給気ファンを駆動し、循環ポンプを駆動する機内冷却運転を実行するものがあった。(例えば、特許文献2参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−65884号
【特許文献2】特開2016−118321号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この従来のものでは、機内温度サーミスタで検出される温度が上限温度を超えると、給気ファンを駆動して機内冷却運転を実行していたが、缶体内に高温の熱媒体やお湯を貯湯し、その高温の熱媒体やお湯と熱交換する熱交換器を缶体内に設けて給湯や暖房や風呂の追い焚きを行なうものでは、枠体の内部の冷却のための換気ファンを設けて、機内冷却運転を実行するものがあるが、この場合、換気ファンが故障していてもそれを検知できず、枠体内の温度が上昇して高温となり、枠体内の制御基板がその熱のために故障してしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、バーナ部と、該バーナ部の燃焼で内方の熱媒体が加熱される缶体と、前記バーナ部と前記缶体とを内部に設けた枠体と、該枠体内の温度を検知する機内温度検知センサと、前記枠体内に設けられた制御基板と、該制御基板の近傍に設けられ、前記制御基板周辺の空気の温度を検知する基板雰囲気温度検知センサと、前記枠体内の空気を換気する換気扇とを備えた燃焼装置に於いて、前記制御基板は、前記バーナ部の燃焼で内方の前記熱媒体を当初設定されている目標沸き上げ温度まで加熱し、前記機内温度検知センサの検知する温度により前記換気扇を動作させて機内冷却運転を行なうと共に、前記基板雰囲気温度検知センサが検知する温度が所定温度以上の時、異常が発生していると判断し、前記目標沸き上げ温度を当初設定されている温度より低い温度に再設定することを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項では、前記制御基板は、前記目標沸き上げ温度を再設定後、前記基板雰囲気温度検知センサが検知する温度が前記所定温度以上の時、前記換気扇が故障していると判断して運転を停止し、異常を報知するものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明の請求項1によれば、換気扇による機内冷却運転を機内温度検知センサの検知温度により制御し、制御基板の近傍に設けられた基板雰囲気温度検知センサの検知温度により温度の異常を判定するので、機内温度検知センサが故障しても基板雰囲気温度検知センサが制御基板の周辺温度を検知して異常が発生していると判断するので、機内温度検知センサが故障しても制御基板が熱で故障するのを防止するための対処を行えるものである。
【0010】
又、基板雰囲気温度検知センサが故障しても機内温度検知センサが機内の高温を検知して換気扇による機内冷却運転を行い、それでも機内温度検知センサが高温を検知したら、異常が発生していると判断するので、基板雰囲気温度検知センサが故障しても制御基板が熱で故障するのを防止するための対処を行えるものである。
【0011】
、前記基板雰囲気温度検知センサが制御基板の周辺温度を検知して暖房用缶体の目標沸き上げ温度を下げる制御を行なうので、制御基板の周辺温度が高温でも直ちに停止せず、制御基板を熱により故障させずに使い勝手の悪化を低減できるものである。
【0012】
又、請求項によれば、前記目標沸き上げ温度を再設定後、前記基板雰囲気温度検知センサが検知する温度が前記所定温度以上の時、換気扇が故障していると判断して運転を停止し、異常を報知するので、機内温度検知センサが故障しても基板雰囲気温度検知センサが制御基板の周辺温度を検知して暖房用缶体の目標沸き上げ温度を下げ、それでも基板雰囲気温度検知センサが高温を検知したら、換気扇が故障しているという異常が発生していると判断してバーナ部の燃焼運転を停止するので、機内温度検知センサが故障しても制御基板が熱で故障するのを防止できるものである。
【0013】
又、基板雰囲気温度検知センサが故障しても機内温度検知センサが機内の高温を検知して換気扇による機内冷却運転を行い、それでも機内温度検知センサが高温を検知したら、換気扇が故障しているという異常が発生していると判断してバーナ部の燃焼運転を停止するので、基板雰囲気温度検知センサが故障しても制御基板が熱で故障するのを防止できるものである。
【0014】
又、制御基板の周辺温度を検知する基板雰囲気温度検知センサの検知温度により換気扇の故障判断を行なうので、換気扇の故障判断を行なうための専用の検知手段が不要となり、コストアップすることなく換気扇の故障判断を行なうことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明一実施例を付した燃焼装置の概略構成図。
図2】同機内冷却運転のフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
1は下部に加熱用のバーナ部2を備える燃焼室3を形成した暖房用缶体で、この缶体1内方には蛇管による間接加熱式の給湯用の熱交換器を構成する給湯用熱交換器4と、蛇管による間接加熱式の風呂焚き用の熱交換器を構成する風呂用熱交換器5とを上下に配設し、温水暖房を行うと共に給湯及び風呂焚きを同時またはそれぞれ単独でも行えるようにしたものである。
【0017】
先ず、暖房回路Aについて説明すると、6は暖房往き管、7は例えば床暖房パネル等の暖房用放熱器、8は暖房戻り管、9は暖房用循環ポンプ、10は気液分離器、11は暖房用膨張タンク、12は開閉弁13が設けられた暖房バイパス管、14は暖房用缶体1の温度制御に用いる缶体温度センサで、暖房用缶体1にてバーナ部2の燃焼で缶体温度センサ14の目標沸き上げ温度(85℃)まで加熱された熱媒体が、暖房用循環ポンプ9により暖房往き管6を介して暖房用放熱器7に送られて暖房を行い、暖房用放熱器7で放熱した低温水(約30℃〜50℃程度)が暖房戻り管8を介して暖房用缶体1に戻り再度目標沸き上げ温度まで加熱されて循環するものである。
【0018】
次に給湯回路Bについて説明すると、15は水道に接続された給水管、16は水の流量を検知する流量センサ、17は給湯用熱交換器4で加熱された温水を出湯する給湯管、18は給湯栓、19はミキシング弁20を介して給湯管17に接続され給水管15と給湯管17とを連通する給湯バイパス管、21は給湯栓18の閉止時の熱膨張を吸収する給湯用膨張タンク、22は給水温度センサ、23は給湯温度センサで、給湯栓18が開かれて流量センサ16が最低作動流量を検知すると、暖房用缶体1内の熱媒体の温度を約88℃程度の高温に維持するようバーナ部2で燃焼を行い、給水管15からの冷水が給湯用熱交換器4で暖房用缶体1内の高温の熱媒体により間接加熱され、ミキシング弁20で水道水と混合され適温に調節されて給湯栓18から給湯されるものである。
【0019】
24は給湯管用凍結防止ヒータで、通電されることにより発熱し、給湯管17内の水が凍結するのを防止するものであり、25は給水管用凍結防止ヒータで、通電されることにより発熱し、給水管15内の水が凍結するのを防止するものである。
【0020】
次に風呂回路Cについて説明すると、26は風呂浴槽、27は風呂往き管、28は風呂戻り管、29は風呂戻り管28に設けられた風呂循環ポンプ、30は循環の有無を検知する流水スイッチ、31は風呂温度センサで、浴槽26内の湯の沸かし上げ要求があると、浴槽26内の湯を風呂循環ポンプ29で風呂用熱交換器5に循環させ、浴槽26内の湯が暖房用缶体1内の高温の熱媒体により間接加熱されることで浴槽26内の湯を適温まで沸かし上げたり保温したりするものである。
【0021】
そして、32は給湯回路Bの給湯管17から分岐されて風呂回路Cに湯張り弁33及び三方弁34を介して接続される湯張り管で、風呂の湯張り要求があると三方弁34を風呂回路Cと湯張り管32とを連通するよう切り換えると共に湯張り弁33を開弁し、給湯用熱交換器4で加熱された湯を風呂回路C内に流入させて風呂浴槽26への一定量の湯張りを行うものである。
【0022】
35は風呂回路用三方弁で、風呂往き管27に設けられ、一端が風呂戻り管28の風呂循環ポンプ29と三方弁34との間に接続されている風呂バイパス管36の他端が接続されているものである。
【0023】
37は風呂配管用凍結防止ヒータで、通電されることにより発熱し、風呂回路内の水が凍結するのを防止するものであり、該風呂配管用凍結防止ヒータ37の熱が風呂往き管27から風呂用熱交換器5を介して暖房用缶体1内の熱媒体に伝熱する位置である、風呂用熱交換器5と風呂往き管27の接続部分近傍の風呂往き管27に設けられているものである。
【0024】
ここで、38は暖房用缶体1の上下部を結ぶ連通パイプ、39はこの連通パイプ38途中に備えられた撹拌用循環ポンプで、給湯時または風呂運転時に駆動して、暖房用缶体1内の温度を上下均一化させるもので、給湯または風呂運転が終了するまで継続駆動して撹拌を行うものである。
尚、暖房運転時は暖房用循環ポンプ9が駆動されているため、撹拌用循環ポンプ39は駆動しないようにすることも可能である。
40は機内温度検知センサで、上記各部を収納する枠体41内に備えられ、この枠体41内の温度を検知するものである。
【0025】
42は換気扇で、枠体41内の空気を枠体41外に排気するものである。
43は制御基板で、枠体41内に設けられ、各回路の運転やバーナ部2の燃焼制御、異常発生時の停止や枠体41内の空気の換気などを行なうものである。
44は基板雰囲気温度検知センサで、前記制御基板43の近傍に設けられ、制御基板43周辺の空気の温度を検知するものである。
【0026】
次にこの一実施形態の作動について説明する。
先ず、暖房運転を説明すれば、缶体温度センサ14が暖房用缶体1内の温度を検知し、この温度が高温暖房負荷の場合は約80℃、低温暖房負荷の場合は約60℃になるようにバーナ部2の燃焼を制御すると共に、暖房用循環ポンプ9を駆動して暖房用缶体1内の高温となった温水や循環液や不凍液等の熱媒体を暖房用放熱器7に流通し、再び暖房用缶体1に戻す循環を繰り返して、暖房用放熱器7によって室内の暖房を行うものである。
【0027】
次に給湯運転は、暖房運転が行われている場合には既に暖房用缶体1内が高温となっているので、給湯栓18が開かれれば給水管15からの低温の水は直ぐに給湯用熱交換器4で暖房用缶体1内の高温の熱媒体により間接加熱されると同時に、撹拌用循環ポンプ39を駆動し連通パイプ38を介して缶体1の下部にある湯を缶体1上部に供給して暖房用缶体1の撹拌を行い暖房用缶体1内の上と下の温度差をなくし、常に同一の熱交換効率で熱交換できるようにして所望の温度の湯が供給されるものである。
【0028】
次に風呂運転は、図示しないリモコンの風呂保温スイッチをONした等の浴槽26内の湯の沸かし上げ要求があると、風呂用循環ポンプ29を駆動して浴槽26内の湯を風呂用熱交換器5に循環させて、高温に保持された暖房用缶体1内の熱媒体で加熱して浴槽26内の湯を所望の温度に追い焚きしたり保温したりするもので、風呂温度センサ31が所望の温度を検知すると自動的に停止されるものである。
【0029】
次に風呂回路Cでの凍結防止運転は、外気温が下がり枠体41内の温度が低下し、機内温度検知センサ40が0℃未満を検知した時、風呂循環ポンプ29を常時ONして駆動すると共に、風呂配管用凍結防止ヒータ37を常時ONして通電した状態にするものである。
【0030】
そして、機内温度検知センサ40の検知温度が5℃より高い温度を検知した時、風呂循環ポンプ29を常時OFFして停止すると共に、風呂配管用凍結防止ヒータ37を常時OFFして非通電の状態にして凍結防止運転を終了するものである。
【0031】
次に機内冷却運転を図2に示すフローチャートに従って説明すれば、まず運転スイッチがONされると(S1)、制御基板43は暖房用缶体1の目標沸き上げ温度を通常設定温度の85℃に設定し(S2)、バーナ部2の燃焼運転を開始する。(S3)
【0032】
次に機内温度検知センサ40の検知温度が制御基板43の耐熱温度、例えば60℃以上かを判定し(S4)、機内温度検知センサ40の検知温度が制御基板43の耐熱温度の60℃以上の時、機内冷却運転が必要と判断して換気扇42をONして枠体41内の空気を枠体41外に排気する機内冷却運転を開始する。(S5)
【0033】
そして制御基板43内のタイマ(図示せず)をスタートさせ(S6)、タイマの計時時間が所定時間、例えば10分経過したとき(S7)、再度機内温度検知センサ40の検知温度が60℃以上かを判定し(S8)、機内温度検知センサ40の検知温度が60℃以上の時、換気扇42による機内冷却運転では枠体41内の温度を低下できない異常が発生していると判断して(S9)、バーナ部2の燃焼運転を停止し(S10)、操作部(図示せず)の表示部(図示せず)に異常発生を表示して異常を報知する。(S11)
【0034】
又、(S8)で機内温度検知センサ40の検知温度が60℃未満の時は、機内温度検知センサ40の検知温度が機内冷却後温度、例えば50℃未満かを判定し(S12)、検知温度が50℃以上であれば(S8)に戻り、検知温度が50℃未満の場合は機内冷却が完了したと判断して、換気扇42を停止して機内冷却運転を終了する。(S13)
【0035】
尚、機内冷却後温度は機内冷却運転で換気扇42をONして枠体41内の空気を枠体41外に排気したときに低下する温度で、本実施例の場合は機内冷却運転で約10℃温度が下がることから、機内冷却運転を開始するかしないかの判定温度である60℃から10℃低い50℃を機内冷却後温度としているものである。
【0036】
次に(S13)で換気扇を停止して機内冷却運転を終了した後、又は、(S4)で機内温度検知センサ40の検知温度が制御基板43の耐熱温度の60℃未満の時、基板雰囲気温度検知センサ44の検知温度が制御基板43の耐熱温度、例えば60℃以上かを判定し(S14)、基板雰囲気温度検知センサ44の検知温度が60℃未満の時は(S4)に戻り、検知温度が60℃以上の時は換気扇42が故障していて正常に機内冷却運転が行なわれていないという異常が発生していると判断して(S15)、枠体41内の温度を下げるために暖房用缶体1の目標沸き上げ温度を通常設定温度の85℃から換気扇故障時設定温度の75℃に設定する。(S16)
【0037】
そして制御基板43内のタイマ(図示せず)をスタートさせ(S17)、タイマの計時時間が所定時間、例えば10分経過したとき(S18)、再度基板雰囲気温度検知センサ44の検知温度が制御基板43の耐熱温度の60℃以上かを判定し(S19)、基板雰囲気温度検知センサ44の検知温度が60℃以上の時、暖房用缶体1の目標沸き上げ温度を換気扇故障時設定温度に下げても枠体41内の温度を低下できずこのままでは制御基板43が破損すると判断して(S9)に戻るものである。
【0038】
又、(S19)で基板雰囲気温度検知センサ44の検知温度が60℃未満の時は、基板雰囲気温度検知センサ44の検知温度が機内冷却後温度、例えば50℃未満かを判定し(S20)、検知温度が50℃以上であれば再び60℃以上になる可能性があるので(S19)に戻り、検知温度が50℃未満の場合は暖房用缶体1の目標沸き上げ温度を換気扇故障時設定温度に下げれば、枠体41内の温度が制御基板43が破損する温度にならずそのまま燃焼運転が可能と判断して(S4)に戻るものである。
【0039】
上記のように換気扇42による機内冷却運転を機内温度検知センサ40の検知温度により制御し、換気扇42の故障判断を制御基板43の近傍に設けられた基板雰囲気温度検知センサ44の検知温度により判定するので、機内温度検知センサ40が故障しても基板雰囲気温度検知センサ44が制御基板43の周辺温度を検知して暖房用缶体1の目標沸き上げ温度を下げ、それでも基板雰囲気温度検知センサ44が高温を検知したら、異常が発生していると判断してバーナ部2の燃焼運転を停止するので、機内温度検知センサ40が故障しても制御基板43が熱で故障するのを防止でき、又、基板雰囲気温度検知センサ44が制御基板43の周辺温度を検知して暖房用缶体1の目標沸き上げ温度を下げる制御を行なうことで、制御基板43の周辺温度が高温でも直ちに停止せず、使い勝手の悪化を低減できるものである。
【0040】
又、基板雰囲気温度検知センサ44が故障しても機内温度検知センサ40が機内の高温を検知して換気扇42による機内冷却運転を行い、それでも機内温度検知センサ40が高温を検知したら、異常が発生していると判断してバーナ部2の燃焼運転を停止するので、基板雰囲気温度検知センサ44が故障しても制御基板43が熱で故障するのを防止できるものである。
【0041】
又、制御基板43の周辺温度を検知する基板雰囲気温度検知センサ44の検知温度により換気扇42の故障判断を行なうので、換気扇42の故障判断を行なうための専用の検知手段が不要となり、コストアップすることなく換気扇42の故障判断を行なうことができるものである。
【0042】
尚、本実施例は1缶3回路式給湯装置で説明したがこれに限定されず、枠体41内に高温の熱媒体や温水を貯湯する缶体を有すると共に、制御基板43を枠体41内に設け、換気扇42にて枠体41内の機内冷却運転を行うものであればよいものである。
【符号の説明】
【0043】
1 缶体
2 バーナ部
40 機内温度検知センサ
41 枠体
42 換気扇
43 制御基板
44 基板雰囲気温度検知センサ
図1
図2