特許第6865146号(P6865146)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6865146
(24)【登録日】2021年4月7日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】ヒートポンプ熱源機
(51)【国際特許分類】
   F25B 1/00 20060101AFI20210419BHJP
   F25B 13/00 20060101ALI20210419BHJP
   F25B 41/40 20210101ALI20210419BHJP
【FI】
   F25B1/00 399Y
   F25B13/00 P
   F25B41/00 F
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-195757(P2017-195757)
(22)【出願日】2017年10月6日
(65)【公開番号】特開2019-70463(P2019-70463A)
(43)【公開日】2019年5月9日
【審査請求日】2020年3月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】下司 大弥
(72)【発明者】
【氏名】眞柄 隆志
【審査官】 笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−114983(JP,A)
【文献】 特開2007−192461(JP,A)
【文献】 特開昭55−89666(JP,A)
【文献】 特開2017−110892(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00
F25B 13/00
F25B 30/06
F25B 41/40
F24F 1/26 〜 1/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と負荷側熱交換器とを接続する第1冷媒配管と、
前記圧縮機と熱源側熱交換器とを接続する第2冷媒配管と、
減圧手段と前記熱源側熱交換器とを接続する第3冷媒配管と、
前記減圧手段と前記負荷側熱交換器とを接続する第4冷媒配管と、
暖房運転時は、前記圧縮機から吐出された冷媒が前記第1冷媒配管、前記負荷側熱交換器、前記第4冷媒配管、前記減圧手段、前記第3冷媒配管、前記熱源側熱交換器、前記第2冷媒配管を介して前記圧縮機に流入し、
冷房運転時は、前記圧縮機から吐出された冷媒が前記第2冷媒配管、前記熱源側熱交換器、前記第3冷媒配管、前記減圧手段、前記第4冷媒配管、前記負荷側熱交換器、前記第1冷媒配管を介して前記圧縮機に流入するよう、前記第1冷媒配管、前記第2冷媒配管、前記第3冷媒配管、及び前記第4冷媒配管を環状に接続したヒートポンプ回路と、を備え、
前記第1冷媒配管、前記第2冷媒配管、前記第3冷媒配管、及び前記第4冷媒配管は、水平方向に対して略平行かつ鉛直方向に対して前記各冷媒配管同士が隣接し、少なくとも鉛直方向の最上段に前記第1冷媒配管を配置し、最下段に前記第4冷媒配管を配置したことを特徴とするヒートポンプ熱源機。
【請求項2】
前記圧縮機と水平方向に離れた位置に形成された前記第1冷媒配管、前記第2冷媒配管、前記第3冷媒配管、及び前記第4冷媒配管が水平方向に対して略平行かつ鉛直方向に対して前記各冷媒配管同士が隣接する箇所と前記圧縮機との間に仕切り板を設置したことを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ熱源機。
【請求項3】
前記第1冷媒配管、前記第2冷媒配管、前記第3冷媒配管、及び前記第4冷媒配管が水平方向に対して略平行かつ鉛直方向に対して前記各冷媒配管同士が隣接する箇所で固定手段により固定されていることを特徴とする請求項1または2記載のヒートポンプ熱源機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ヒートポンプ回路を備えたヒートポンプ熱源機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものにおいて、図8に示すように、室外機としてのヒートポンプユニット101内に圧縮機102と、負荷側熱交換器103と、減圧手段104と、熱源側熱交換器105と、圧縮機102と負荷側熱交換器103とを接続する第1冷媒配管106と、圧縮機102と熱源側熱交換器105とを接続する第2冷媒配管107と、減圧手段104と熱源側熱交換器105とを接続する第3冷媒配管108と、減圧手段104と負荷側熱交換器103とを接続する第4冷媒配管109とを環状に接続したヒートポンプ回路110とを備え、暖房運転時は、圧縮機102から吐出された冷媒が第1冷媒配管106、負荷側熱交換器103、第4冷媒配管109、減圧手段104、第3冷媒配管108、熱源側熱交換器105、第2冷媒配管107を介して圧縮機102に流入し、冷房運転時は、圧縮機102から吐出された冷媒が第2冷媒配管107、熱源側熱交換器105、第3冷媒配管108、減圧手段104、第4冷媒配管109、負荷側熱交換器103、第1冷媒配管106を介して圧縮機102に流入することで、負荷側熱交換器103と接続する負荷側配管111内を温水あるいは冷水が循環ポンプ112が駆動することで流動し、被空調空間に設置され負荷側配管111と接続された図示しない負荷端末へ温水あるいは冷水が流入することで暖房運転及び冷房運転を実施可能としたものがあった。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−156967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような従来のものでは、圧縮機102及び減圧手段104を負荷側熱交換器103及び熱源側熱交換器105と水平方向に離れた位置に配置すると、第1冷媒配管106、第2冷媒配管107、第3冷媒配管108、及び第4冷媒配管109を水平方向に対して略平行かつ鉛直方向に対して各冷媒配管が隣接するように配置する箇所が形成されることから、暖房運転時においては、高温の冷媒が流通する第1冷媒配管106の上方に低温の冷媒が流通する第3冷媒配管が位置すると、第3冷媒配管周囲の空気が冷やされることで低温の下降気流が発生し、第1冷媒配管106が冷やされて負荷側熱交換器103へ流入する冷媒温度が低下し、また、冷房運転時においては、低温の冷媒が流通する第4冷媒配管109の下方に高温の冷媒が流通する第3冷媒配管108が位置すると、第3冷媒配管周囲の空気が温められることで高温の上昇気流が発生し、第4冷媒配管が温められて負荷側熱交換器103へ流入する冷媒温度が上昇するため、暖房運転、冷房運転共に運転効率が低下することから、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、圧縮機と負荷側熱交換器とを接続する第1冷媒配管と、
前記圧縮機と熱源側熱交換器とを接続する第2冷媒配管と、
減圧手段と前記熱源側熱交換器とを接続する第3冷媒配管と、
前記減圧手段と前記負荷側熱交換器とを接続する第4冷媒配管と、
暖房運転時は、前記圧縮機から吐出された冷媒が前記第1冷媒配管、前記負荷側熱交換器、前記第4冷媒配管、前記減圧手段、前記第3冷媒配管、前記熱源側熱交換器、前記第2冷媒配管を介して前記圧縮機に流入し、
冷房運転時は、前記圧縮機から吐出された冷媒が前記第2冷媒配管、前記熱源側熱交換器、前記第3冷媒配管、前記減圧手段、前記第4冷媒配管、前記負荷側熱交換器、前記第1冷媒配管を介して前記圧縮機に流入するよう、前記第1冷媒配管、前記第2冷媒配管、前記第3冷媒配管、及び前記第4冷媒配管を環状に接続したヒートポンプ回路と、を備え、
前記第1冷媒配管、前記第2冷媒配管、前記第3冷媒配管、及び前記第4冷媒配管は、水平方向に対して略平行かつ鉛直方向に対して前記各冷媒配管同士が隣接し、少なくとも鉛直方向の最上段に前記第1冷媒配管を配置し、最下段に前記第4冷媒配管を配置したことを特徴とした。
【0006】
また、請求項2では、前記圧縮機と水平方向に離れた位置に形成された前記第1冷媒配管、前記第2冷媒配管、前記第3冷媒配管、及び前記第4冷媒配管が水平方向に対して略平行かつ鉛直方向に対して前記各冷媒配管同士が隣接する箇所と前記圧縮機との間に仕切り板を設置したことを特徴とした。
【0007】
また、請求項3では、前記第1冷媒配管、前記第2冷媒配管、前記第3冷媒配管、及び前記第4冷媒配管が水平方向に対して略平行かつ鉛直方向に対して前記各冷媒配管同士が隣接する箇所で固定手段により固定されていることを特徴とした。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、第1冷媒配管、第2冷媒配管、第3冷媒配管、及び第4冷媒配管は、水平方向に対して略平行かつ鉛直方向に対して各冷媒配管同士が隣接し、鉛直方向の最上段に第1冷媒配管を配置し、最下段に第4冷媒配管を配置したので、暖房運転時においては、高温の冷媒が流通する第1冷媒配管が鉛直方向の最上段に位置し、また、冷房運転時においては、低温の冷媒が流通する第4冷媒配管が鉛直方向の最下段に位置するため、冷媒配管周囲の空気温度が上昇あるいは低下して発生する気流が鉛直方向に隣接する冷媒配管に干渉することで冷媒温度が変化し、運転効率が低下するのを抑制することができる。
【0009】
また、圧縮機と水平方向に離れた位置に形成された第1冷媒配管、第2冷媒配管、第3冷媒配管、及び第4冷媒配管が水平方向に対して略平行かつ鉛直方向に対して各冷媒配管同士が隣接する箇所と圧縮機との間に仕切り板を設置したので、暖房運転及び冷房運転時に圧縮機が駆動することで発生する熱により上昇した周囲の空気が各冷媒配管に干渉することで冷媒温度が変化し、運転効率が低下するのを抑制することができる。
【0010】
また、第1冷媒配管、第2冷媒配管、第3冷媒配管、及び第4冷媒配管が水平方向に対して略平行かつ鉛直方向に対して各冷媒配管同士が隣接する箇所で固定手段により固定されているので、暖房運転や冷房運転が実施されることで圧縮機が駆動することに伴い振動し、各冷媒配管が圧縮機の駆動により共振する影響を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】この発明の一実施形態を示す概略構成図
図2】同実施形態のヒートポンプユニットの斜視図
図3】同実施形態のヒートポンプユニット内部を説明する平面図
図4】同実施形態のヒートポンプユニット内部を説明する背面側斜視図
図5】同実施形態の間隙空間Sにおける冷媒配管の配置を説明する図
図6】同実施形態の暖房運転時の冷媒配管による熱の干渉を説明する図
図7】同実施形態の冷房運転時の冷媒配管による熱の干渉を説明する図
図8】同発明の従来例を示す概略構成図
【発明を実施するための形態】
【0012】
次にこの発明を適用した空気調和器の一実施形態を図に基づいて説明する。
1は冷温熱を供給するヒートポンプ式の熱源機としてのヒートポンプユニットで、ヒートポンプユニット1は、その筐体内に、冷媒を圧縮する回転数可変の圧縮機2、四方弁3、負荷側熱交換器4、減圧手段としての膨張弁5、熱源側熱交換器6を備え、それらを冷媒配管で環状に接続してヒートポンプ回路7を形成しているものである。
また、圧縮機2及び膨張弁5と負荷側熱交換器4及び熱源側熱交換器6とをヒートポンプユニット1内において水平方向に離間した位置に配設したことで、ヒートポンプユニット1の鉛直方向の高さを大きくすることなく各構成部材を筐体内部に配設することが可能となる。
なお、ヒートポンプ回路7を循環する冷媒としては、HFC冷媒や二酸化炭素冷媒等の任意の冷媒を用いることができるものである。
【0013】
前記ヒートポンプ回路7は、圧縮機2と負荷側熱交換器4とを接続する第1冷媒配管8と、圧縮機2と熱源側熱交換器6とを接続する第2冷媒配管9と、膨張弁5と熱源側熱交換器6とを接続する第3冷媒配管10と、膨張弁5と負荷側熱交換器4とを接続する第4冷媒配管11とで形成されており、前記第1冷媒配管8に設けられた四方弁3は、ヒートポンプ回路7における冷媒の流れ方向を切り換える切換弁としての機能を有し、圧縮機2から吐出された冷媒を、負荷側熱交換器4、膨張弁5、熱源側熱交換器6の順に流通させ、圧縮機2に戻す流路を形成する状態(加熱運転時の状態)と、圧縮機2から吐出された冷媒を、熱源側熱交換器6、膨張弁5、負荷側熱交換器4の順に流通させ、圧縮機2に戻す流路を形成する状態(冷却運転時の状態)とに切換可能なものである。
【0014】
12は熱源側熱交換器6を流通する冷媒を加熱または冷却する熱源として地中に設置された地中熱交換器で、熱源側熱交換器6の液体流路と地中熱交換器12とを熱源側配管13で環状に接続して熱源側循環回路14を形成するものであり、熱源側配管13には、熱源側循環回路14に熱源側循環液(例えば、水や不凍液等)を循環させる回転数可変の熱源側循環ポンプ15と、熱源側循環液を貯留し熱源側循環回路14の圧力を調整する熱源側シスターン16とを備えているものである。
【0015】
17はヒートポンプユニット1で冷却または加熱された負荷側循環液が供給され、供給された負荷側循環液の熱を利用することで室内の空調を行う負荷端末であり、負荷端末17としては冷暖房兼用の輻射パネルやファンコイル等を用いるものである。なお、負荷端末17は、図1では1つしか設けられていないが、複数であってもよいものであり、数量や仕様が特に限定されるものではない。
【0016】
18は負荷側熱交換器4の液体流路と負荷端末17とを負荷側配管19で環状に接続した負荷側循環回路で、負荷側配管19には、負荷側循環回路18に負荷側循環液(例えば、水や不凍液等)を循環させる回転数可変の負荷側循環ポンプ20と、負荷端末17から負荷側熱交換器4に流入する負荷側循環液の温度を検出する戻り温度センサ21と、負荷側循環液を貯留し負荷側循環回路18の圧力を調整する負荷側シスターン22とを備えているものである。
【0017】
前記負荷側熱交換器4および前記熱源側熱交換器6は液−冷媒熱交換器であり、例えばプレート式熱交換器で構成されている。このプレート式熱交換器は、複数の伝熱プレートが積層され、冷媒を流通させる冷媒流路と循環液等の液体を流通させる液体流路とが各伝熱プレートを境にして交互に形成されている。
【0018】
23は各種のデータやプログラムを記憶する記憶手段と、演算・制御処理を行う制御手段とを備えた制御部であり、制御部23は、ヒートポンプユニット1内の各種センサの信号や、リモコン24からの信号を受け、圧縮機2、四方弁3、膨張弁5、熱源側循環ポンプ15、負荷側循環ポンプ20の駆動を制御するものである。
【0019】
25はヒートポンプユニット1の底面を構成するベース板、26は当該ベース板25の前後左右の各辺に立設しヒートポンプユニット1内部に設置された各構成部材を覆う側面板、27は当該側面板26の上部に載置された上面板であり、前記ベース板25には、圧縮機2と第1冷媒配管8から第4冷媒配管11とを水平方向に仕切る仕切り板28が載置されていることで、暖房運転、あるいは冷房運転時に圧縮機2が駆動することで発生する熱が各冷媒配管に干渉し冷媒温度が上昇するのを防止する。
また、ベース板25には、負荷側熱交換器4と熱源側熱交換器6とが載置する置き台29が設置されている。
また、側面板26と仕切り板28との間には、配管や構成部材等が配設可能な間隙空間Sが形成されている。
【0020】
第1冷媒配管8、第2冷媒配管9、第3冷媒配管10、及び第4冷媒配管11は、圧縮機2の駆動に伴う振動により各冷媒配管が共振する影響を低減させるため、図5で示すように各冷媒配管の間にゴム材の配管固定具30を挟み込むと共に、当該配管固定具30を覆うように第1冷媒配管8から第4冷媒配管11までを固定バンド31で巻き付けて強固に固定してある。
よって、水平方向に対して略平行かつ鉛直方向に対して各冷媒配管が近接するように隣接して配置することで、各冷媒配管をコストをかけずに強固に固定することが可能となり、圧縮機2の振動による共振の影響を低減させることができ、各冷媒配管が破損する等の不具合を未然に防止している。
なお、本実施形態では前記配管固定具30と前記固定バンド31とで固定手段を構成しているが、これに限らず各冷媒配管が共振しないように固定可能な部材を用いた構成であればよい。
【0021】
次に、本実施形態における各冷媒配管の位置と、各冷媒配管の位置による暖房運転、及び冷房運転時における影響について図4、5に基づいて詳述する。
ヒートポンプユニット1内において、圧縮機2及び膨張弁5は負荷側熱交換器4及び熱源側熱交換器6と水平方向に対して所定距離だけ離れた位置に設置されていることから、前記間隙空間Sにおいて、第1冷媒配管8から第4冷媒配管11までの各冷媒配管が、水平方向に対して平行かつ鉛直方向に対して隣接するように配置され、鉛直方向の最上段に第1冷媒配管8、最下段に第4冷媒配管11が位置し、鉛直上方から順に第1冷媒配管8、第2冷媒配管9、第3冷媒配管10、第4冷媒配管11がそれぞれ位置する。
【0022】
そして、リモコン24で暖房運転が指示されたと制御部23が判断したら、制御部23は、圧縮機2から吐出された高温冷媒が負荷側熱交換器4へ流入するよう四方弁3を切り替えると共に圧縮機2を駆動させ、ヒートポンプ回路7内の冷媒を循環させる。このとき、ヒートポンプ回路7内の冷媒は、図6で示すように圧縮機2から吐出された高温冷媒が第1冷媒配管8を介して負荷側熱交換器4へ流入し、負荷側熱交換器4内で負荷側配管19内を流動する循環液と熱交換した冷媒が第4冷媒配管11を介して膨張弁5内に流入し、膨張弁5により温度低下した低温冷媒が第3冷媒配管10を介して熱源側熱交換器6へ流入し、熱源側熱交換器6内で熱源側循環回路14内を流動する不凍液と熱交換した冷媒が第2冷媒配管9を介して圧縮機2内に流入する。
【0023】
このように、暖房運転時に冷媒がヒートポンプ回路7内を循環するので、間隙空間Sにおいて、圧縮機2から吐出された高温冷媒が流動する第1冷媒配管8が他の各冷媒配管より鉛直方向の最上段に位置するため、第1冷媒配管8は、他の各冷媒配管内を流動する冷媒により加熱、または冷却された各冷媒配管周囲の空気の干渉を受けることがないことから、第1冷媒配管8内を流動する高温冷媒を熱ロスなく負荷側熱交換器4内へ流入することができるため、負荷端末17での暖房効率低下を抑制することができる。
【0024】
また、リモコン24で冷房運転が指示されたと制御部23が判断したら、制御部23は、圧縮機2から吐出された高温冷媒が熱源側熱交換器6へ流入するよう四方弁3を切り替えると共に圧縮機2を駆動させヒートポンプ回路7内の冷媒を循環させる。このとき、ヒートポンプ回路7内の冷媒は、図7で示すように圧縮機2から吐出された高温冷媒が第2冷媒配管9を介して熱源側熱交換器6へ流入し、熱源側熱交換器6内で熱源側循環回路14内を流動する不凍液と熱交換器した冷媒が第3冷媒配管10を介して膨張弁5内に流入し、膨張弁5により温度低下した低温冷媒が第4冷媒配管11を介して負荷側熱交換器4内へ流入し、負荷側熱交換器4内で負荷側配管19内を流動する循環液と熱交換した冷媒が第1冷媒配管8を介して圧縮機2内に流入する。
【0025】
このように、冷房運転時に冷媒がヒートポンプ回路7内を循環するので、間隙空間Sにおいて、膨張弁5から流出した低温冷媒が流動する第4冷媒配管11が他の各冷媒配管より鉛直方向の最下段に位置するため、第4冷媒配管11は、他の各冷媒配管内を流動する冷媒により加熱、または冷却された各冷媒配管周囲の空気の干渉を受けることがないことから、第4冷媒配管11内を流動する低温冷媒を熱ロスなく負荷側熱交換器4内へ流入することができるため、負荷端末17での冷房効率低下を抑制することができる。
【0026】
以上のように、ヒートポンプユニット1内の間隙空間Sにおいて、第1冷媒配管8、第2冷媒配管9、第3冷媒配管10、及び第4冷媒配管11を水平方向に対して平行、かつ鉛直上方から順に第1冷媒配管8、第2冷媒配管9、第3冷媒配管10、第4冷媒配管11となるよう配置したことで、暖房運転時においては、圧縮機2から吐出し負荷側熱交換器4内へ流入する高温冷媒が流動する第1冷媒配管8が他の冷媒配管と比較して最も鉛直上方に位置し、冷房運転時においては、膨張弁5から流出し負荷側熱交換器4内へ流入する低温冷媒が流動する第4冷媒配管11が他の冷媒配管と比較して最も延長下方に位置するため、高温あるいは低温の冷媒によって加熱あるいは冷却された冷媒配管周囲の空気が他の冷媒配管に干渉し、負荷側熱交換器4内へ流入する冷媒温度を上昇あるいは低下させることがなく、負荷端末17での暖房効率、あるいは冷房効率の低下を抑制することができる。
【0027】
また、間隙空間Sと圧縮機2との間に仕切り板28を設置したことで、暖房運転や冷房運転時に圧縮機2が駆動して表面温度が上昇し、圧縮機2周囲の温度が高まっても、各冷媒配管側に圧縮機2周囲の高温空気が干渉し冷媒温度が上昇することを未然に防止することができるため、負荷端末17での暖房効率、あるいは冷房効率の低下を抑制することができる。
【0028】
また、第1冷媒配管8、第2冷媒配管9、第3冷媒配管10、及び第4冷媒配管11が水平方向に対して略平行かつ鉛直上方から順に第1冷媒配管8、第2冷媒配管9、第3冷媒配管10、第4冷媒配管11となるよう近接した状態で隣接して配置した箇所の配管間に配管固定具30を挟み込み、更に、配管固定具30覆うように各冷媒配管を固定バンド31で巻き付けることで、暖房運転や冷房運転の実施時に冷媒配管内を流通する高温あるいは低温の冷媒により周囲の空気温度が変化し、他の冷媒配管に干渉して冷媒温度が上昇あるいは下降することを未然に防止して負荷端末17での暖房効率、あるいは冷房効率の低下を抑制すると共に、暖房運転や冷房運転が実施され圧縮機2が駆動し振動が発生しても、各冷媒配管が共振する影響を低減させることができ、各冷媒配管が破損する等の不具合を未然に防止することができる。
【0029】
なお、本実施形態では第1冷媒配管8、第2冷媒配管9、第3冷媒配管10、及び第4冷媒配管11を鉛直方向に対して一律な距離で配置しているが、これに限らず、第1冷媒配管8と他の冷媒配管との距離のみを他の冷媒配管間の距離より大きくする等してもよく、各冷媒配管11の鉛直方向において、各冷媒配管内を通過する冷媒の温度により変化する冷媒配管周囲の空気温度が他の冷媒配管内の冷媒温度に干渉する範囲で各冷媒配管を隣接した状態のものは、本発明の範囲に含まれる。
【0030】
また、本実施形態で用いたその他の構成は一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図しておらず、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0031】
2 圧縮機
4 負荷側熱交換器
5 膨張弁(減圧手段)
6 熱源側熱交換器
7 ヒートポンプ回路
8 第1冷媒配管
9 第2冷媒配管
10 第3冷媒配管
11 第4冷媒配管
28 仕切り板
30 配管固定具(固定手段)
31 固定バンド(固定手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8