特許第6865148号(P6865148)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6865148
(24)【登録日】2021年4月7日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】魚釣用疑似餌
(51)【国際特許分類】
   A01K 85/01 20060101AFI20210419BHJP
   A01K 85/16 20060101ALI20210419BHJP
【FI】
   A01K85/01 Z
   A01K85/16
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-226712(P2017-226712)
(22)【出願日】2017年11月27日
(65)【公開番号】特開2019-92468(P2019-92468A)
(43)【公開日】2019年6月20日
【審査請求日】2019年12月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】田井中 佑基
【審査官】 田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06182391(US,B1)
【文献】 登録実用新案第3174888(JP,U)
【文献】 特開2009−072109(JP,A)
【文献】 特開2014−236699(JP,A)
【文献】 特開2000−333558(JP,A)
【文献】 国際公開第2003/101190(WO,A1)
【文献】 米国特許第06266916(US,B1)
【文献】 中国特許出願公開第102037939(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 85/00−85/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性を有する軟質樹脂材により形成された本体と、
該本体部の底部の両端部分であって該本体の長手方向に垂直な方向における両端部分から該本体部の底部より下方向にそれぞれ延びる、透光性を有する軟質樹脂材により形成された突出部と、
該本体部の側面方向から入光した光を反射させる反射板と、を備え、
該反射板は、前記本体部の長手方向に沿って埋設され、
該反射板の少なくとも一部は、前記突出部に埋設され
釣針のうち前記本体の前記長手方向に平行な部分が前記突出部の間に形成された凹部に収容されることを特徴とする魚釣用疑似餌。
【請求項2】
前記反射板は、前記本体の長手方向に垂直な方向でみて該本体部の長手方向の中心線を挟んで対向するように埋設されていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用疑似餌。
【請求項3】
前記突出部の間に凹部が形成され、前記本体部は、該凹部を通って該本体へ釣針を刺すことができる針刺部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の魚釣用疑似餌。
【請求項4】
前記凹部は、前記本体部の長手方向に沿って前記突出部の間に形成されることを特徴とする請求項3に記載の魚釣用疑似餌。
【請求項5】
前記本体部の上面の両端部分であって該本体部の長手方向に垂直な方向における両端部分から該本体部の上面より上方向にそれぞれ延びる突出部をさらに備えることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の魚釣用疑似餌。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣用疑似餌に係わり、より詳細には、軟質樹脂材により形成されたワームと呼ばれる疑似餌に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、本物の餌に似せた形状を備え、水中における動き、反射光、色等を再現することで魚を誘うように構成された疑似餌(ルアー)を使用した魚釣りが知られている。
【0003】
そのような疑似餌の1つとして、合成樹脂やゴム等の軟質材料により形成されるソフトルアー(ワームともいわれる)があり、硬質材料で形成されたハードルアーと比較して、水流に応じた変形や微細な動作を再現し易いという利点がある。
【0004】
特許文献1には、このようなワームにあって、魚に対して強いアピールができると共に、疑似餌の中心軸上に容易に刺すことができ、しかも、刺さった釣針が外部から目立たないようにすることができる疑似餌を提供することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−333558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示の疑似餌では、本物の餌に似せるために疑似餌の腹を中心とした広範囲に亘って反射板が埋め込まれているため、ワームの厚さや高さを一定程度大きく形成する必要があり、魚が疑似餌を銜えた際の釣り針によるフッキング力が必ずしも十分とはいえないという問題がある。
【0007】
一方で、疑似餌のサイズを小さく形成すればフッキング力を高めることはできるが、想定している本物の餌よりも小さく形成せざるを得ないため、本物の餌を再現するという目的を達成できないという問題がある。
【0008】
本発明の実施形態は、上記のような問題点に鑑み、本物の餌のサイズを再現しつつ、フッキング力を高めた疑似餌を提供することを目的とする。本発明の実施形態の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係る魚釣用疑似餌は、透光性を有する軟質樹脂材により形成された本体部と、該本体の底部の両端部分であって該本体の長手方向に垂直な方向における両端部分から該本体部の底部より下方向にそれぞれ延びる、透光性を有する軟質樹脂材により形成された突出部と、該本体部の側面方向から入光した光を反射させる反射板と、を備え、該反射板は、前記本体部の長手方向に沿って埋設され、該反射板の少なくとも一部は、前記突出部に埋設される。
【0010】
本発明の一実施形態に係る魚釣用疑似餌は、反射板が、本体の長手方向に垂直な方向でみて該本体部の長手方向の中心線を挟んで対向するように埋設されている。
【0011】
本発明の一実施形態に係る魚釣用疑似餌は、突出部の間に凹部が形成され、本体は、該凹部を通って該本体へ釣針を刺すことができる針刺部を備えている。
【0012】
本発明の一実施形態に係る魚釣用疑似餌は、凹部が、本体の長手方向に沿って突出部の間に形成される。
【0013】
本発明の一実施形態に係る魚釣用疑似餌は、本体部の上面の両端部分であって該本体部の長手方向に垂直な方向における両端部分から該本体部の上面より上方向にそれぞれ延びる突出部をさらに備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明の様々な実施形態により、疑似餌の腹から背の方向における寸法に対して本体の同方向の寸法を小さくすることでフッキング力を高めつつ、反射板を突出部にも埋設することで疑似餌の腹の外観を本物の腹の外観に近付けることが可能となる。その結果、本物により近く、かつ魚釣りに効果的な疑似餌を提供するが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態による疑似餌1を模式的に示す図である。
図2】本発明の一実施形態による疑似餌1を模式的に示す図である。
図3】本発明の一実施形態による疑似餌1を模式的に示す図である。
図4】本発明の一実施形態による疑似餌1の概略を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、適宜図面を参照し、本発明の様々な実施形態を説明する。なお、各図面において共通する構成要素に対しては同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない。以下、本発明の実施形態について図面に基づき説明する。
【0017】
まず、図4を参照して、本発明の実施形態における疑似餌1の部材の一部を説明する。本明細書では、図4(a)の紙面の左右方向を疑似餌1(若しくは後述する疑似餌1の本体2)の長手方向と定義する。本明細書では、当該長手方向に垂直な方向は、図4(a)の紙面の上下方向とする。本明細書では、図4(a)の紙面の上下方向における疑似餌1の長さは、疑似餌1の厚さという。また、疑似餌1の厚さが最も厚い箇所を最大厚さと呼ぶ。
【0018】
本明細書では、図4(b)の紙面の上下方向における疑似餌1の長さを疑似餌1の高さと定義する。疑似餌1の高さが最も高い箇所を最大高さと呼ぶ。その他、疑似餌1の構成部材の高さという場合には、図4(b)の紙面の上下方向における長さを意味するものとする。図4(b)の紙面の上下方向における疑似餌1の上端側を背側といい、下端側を腹側という。また、図4(b)の紙面の上下方向における上方向を疑似餌1の上方といい、下方向は下方という。
【0019】
疑似餌1は、透光性を有する軟質樹脂材、例えば、熱可塑剤を添加した塩化ビニル樹脂等からなり、中心軸を基準に当該長手方向に垂直な方向でみて対称に形成されている。
【0020】
疑似餌1の外形の形状に特段の限定はないが、水中において本体に水流を受けて蛇行したり泳ぐような動作をすることで、本物の餌(魚)の動きを再現できるような適宜形状が工夫されてよい。
【0021】
図4(a)に示すように、疑似餌1の内部には2つの反射板5が埋設されている。この反射板5は疑似餌1の長手方向に垂直な方向(疑似餌1の厚さ方向)でみて中心線を挟んで対向するように埋設されており、反射面が少なくとも疑似餌1の側面から見えるように中心軸X1(中心線)に沿って平行に配置されている。
【0022】
反射板5は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテフタレート等といった熱可撓性を有する合成樹脂材からなる基板に、ホログラムシートやアルミ箔等といった光輝性を有するシート材を接着剤によって貼着することによって形成されてもよい。その他、当該基板上に公知の手法(例えば湿式鍍金、真空蒸着、イオンプレーティング等)を用いてAl、Ni、Ag、Cu等の金属でコーティングを施したものであってもよい。これらは例示であり、反射板5の形成方法や材料は適宜決定することができる。
【0023】
反射板5をこのように配置することにより、疑似餌1の2つの反射板間の中心軸X1付近に釣針4を刺すことができる。詳細は後述する。
【0024】
反射板5の上下方向の高さは、疑似餌1の最大高さの30〜80%程度の大きさを有するように構成される。これにより、疑似餌の側面視における反射板5の視認率が高くなり、魚からの視認性を高めることができる。
【0025】
次に、図1に、本発明の一実施形態における疑似餌1の詳細を説明する。図1(a)は、疑似餌1を側面からみた構成を示す。疑似餌1は、本体部2と突出部3により構成される。なお、説明の便宜のため、図1(a)、(b)では反射板5を省略する。
【0026】
図1(a)では、疑似餌1に釣針8が刺された通常の状態を示している。一方、図1(b)では、疑似餌1が魚に銜えられた場合において釣針8の先端部分が疑似餌の上方向(疑似餌1の背方向)へ突出した様子を示している。
【0027】
図1(c)は、図1(a)の状態の疑似餌1を図示の所定の断面Hでみた断面図である。図示のように、疑似餌1は、本体部1と、疑似餌の腹側に形成された突出部3とから構成され、本体部1の中央領域には、釣針8が刺される針刺部4が形成される。釣刺部4は、疑似餌1の長手方向に沿って延びるように形成されている。このようにして、釣刺部4は、様々な釣針8の大きさに対応することができる。
【0028】
図1(c)に示すように、突出部3は、疑似餌1の本体部2の厚さ方向でみて両端部分から疑似餌の高さ方向でみて下方に延びるように形成されている。図示の例では、疑似餌1の本体部2の厚さ方向でみた各端部部分から下方向へ延びる2つの突出部3が形成され、当該突出部3の間に凹部6が形成される。
【0029】
本発明の一実施形態における突出部3の下方向に延びる最大長さ(A)は、疑似餌1の最大高さよりも小さい範囲で適宜設定可能に構成される。また、本発明の一実施形態における突出部3の下方向に延びる長さ(A)は、疑似餌1の本体部2の底部からの最大高さ(B)以上若しくは未満となる範囲で適宜設定可能に構成される。なお、突出部3の幅に限定はなく、任意に設定可能である。
【0030】
次に、図1(d)は、図1(b)の状態の疑似餌1を図示の所定の断面Hでみた断面図である。図示のように、疑似餌1は、本体部1と突出部3から構成され、本体部1の中央領域には、釣針8が刺される針刺部4が形成される。上述の通り、釣刺部4は、疑似餌1の長手方向に沿って延びるように形成されている。このようにして、釣刺部4は、様々な釣針8の大きさに対応することができる。
【0031】
本発明の一実施形態における疑似餌1の内部には、2つの反射板5が埋設されている。この反射板5は疑似餌1の長手方向に垂直な方向(疑似餌1の厚さ方向)でみて中心軸X2(中心線)を挟んで対向するように埋設されており、反射面が少なくとも疑似餌1の側面から見えるように中心軸X2(中心線)に沿って配置されている。当該反射板のそれぞれは、疑似餌の本体部2の側面に沿って疑似餌1の背側から腹側へ延びるように埋設され、当該反射板5の一部は突出部3にも埋設されている。これにより、反射板5の表面積を最大限確保することができるため、疑似餌1の側面視における反射板5の視認率を高め、魚からの視認性を向上させることができる。
【0032】
図1(d)に示すように、疑似餌1の本体部2の厚さ方向でみた各端部部分から下方向へ延びる2つの突出部3が形成されており、当該突出部3の間の凹部6に釣針8が収容される空間が形成されている。このようにして、疑似餌1が魚にくわえられた場合、釣針8の疑似餌1の長手方向に略平行となる部分が、当該凹部6に収容されることで、凹部6がない場合と比して、釣針8の先端部分の疑似餌1の高さ方向でみた上方への突出量を大きくすることができ、魚を針に掛けるためのフッキング力を大幅に向上させることができる。
【0033】
図2を参照して、本発明の一実施形態における疑似餌1の詳細を説明する。図2(a)は、図1(a)と同様、疑似餌1を側面からみた構成を示すものである。当該疑似餌1は、本体部2と突出部7により構成される。なお、説明の便宜のため、図2(a)、(b)では、図1(a)、(b)と同様に反射板5を省略する。
【0034】
図2(a)では、疑似餌1に釣針8が刺された通常の状態を示している。一方、図2(b)では、疑似餌1が魚に銜えられた場合において釣針8の先端部分が疑似餌の上方向(疑似餌1の背方向)へ突出した様子を示している。
【0035】
図2(c)は、図2(a)の状態の疑似餌1を図示の所定の断面Hでみた断面図である。図示のように、疑似餌1は、本体部1と、疑似餌1の背側に形成された突出部7とから構成され、本体部1の中央領域には、釣針8が刺される針刺部4が形成される。釣刺部4は、疑似餌1の長手方向に沿って延びるように形成されている。このようにして、釣刺部4は、様々な釣針8の大きさに対応することができる。
【0036】
図2(c)に示すように、突出部7は、疑似餌1の本体部2の厚さ方向でみて両端部分から疑似餌の高さ方向でみて上方に延びるように形成されている。図示の例では、疑似餌1の本体部2の厚さ方向でみた各端部部分から上方向へ延びる2つの突出部7が形成され、当該突出部7の間に凹部9が形成される。
【0037】
本発明の一実施形態における突出部7の上方向に延びる最大長さ(C)は、疑似餌1の最大高さよりも小さい範囲で適宜設定可能に構成される。また、本発明の一実施形態における突出部7の上方向に延びる長さ(C)は、疑似餌1の本体部2の底部からの最大高さ(B)以上若しくは未満となる範囲で適宜設定可能に構成される。なお、突出部3の幅に限定はなく、任意に設定可能である。
【0038】
図示のように、図2(a)の状態において、釣針8が突出部7の間に形成された凹部9に配置される。このようにして、釣針8の先端部分が、疑似餌1の最外周よりも内側に形成されるため、釣針8の根掛かりを効果的に防止することができる。
【0039】
図2(d)は、図1(b)の状態の疑似餌1を図示の所定の断面Hでみた断面図である。図示のように、疑似餌1は、本体部1と突出部7から構成され、本体部1の中央領域には、釣針8が刺される針刺部4が形成される。上述の通り、釣刺部4は、疑似餌1の長手方向に沿って延びるように形成されている。このようにして、釣刺部4は、様々な釣針8の大きさに対応することができる。
【0040】
本発明の一実施形態における疑似餌1の内部には、2つの反射板5が埋設されている。この反射板5は疑似餌1の長手方向で垂直な方向(疑似餌1の厚さ方向)でみて中心軸X2(中心線)を挟んで対向するように埋設されており、反射面が少なくとも疑似餌1の側面から見えるように中心軸X2(中心線)に沿って平行に配置されている。当該反射板のそれぞれは、疑似餌の本体部2の側面に沿って疑似餌1の背側から腹側へ延びるように埋設されている。これにより、反射板5の表面積を最大限確保することができるため、疑似餌1の側面視における反射板5の視認率を高め、魚からの視認性を向上させることができる。
【0041】
次に、図3を参照して、本発明の一実施形態における疑似餌1の詳細を説明する。図3(a)は、疑似餌1を側面からみた構成を示す。疑似餌1は、本体部2と突出部3と突出部7により構成される。なお、説明の便宜のため、図3(a)、(b)では反射板5を省略する。
【0042】
図3(a)では、疑似餌1に釣針8が刺された通常の状態を示している。一方、図3(b)では、疑似餌1が魚に銜えられた場合において釣針8の先端部分が疑似餌の上方向(疑似餌1の背方向)へ突出した様子を示している。
【0043】
図3(c)は、図3(a)の状態の疑似餌1を図示の所定の断面Hでみた断面図である。図示のように、疑似餌1は、本体部1と、疑似餌の腹側に形成された突出部3と、疑似餌の背側に形成された突出部7とから構成され、本体部1の中央領域には、釣針8が刺される針刺部4が形成される。釣刺部4は、疑似餌1の長手方向に沿って延びるように形成されている。このようにして、釣刺部4は、様々な釣針8の大きさに対応することができる。
【0044】
図3(c)に示すように、突出部3は、疑似餌1の本体部2の厚さ方向でみて両端部分から疑似餌の高さ方向でみて下方に延びるように形成されている。図示の例では、疑似餌1の本体部2の厚さ方向でみた各端部部分から下方向へ延びる2つの突出部3が形成され、当該突出部3の間に凹部6が形成される。
【0045】
また、図3(c)に示すように、突出部7は、疑似餌1の本体部2の厚さ方向でみて両端部分から疑似餌の高さ方向でみて上方に延びるように形成されている。図示の例では、疑似餌1の本体部2の厚さ方向でみた各端部部分から上方向へ延びる2つの突出部7が形成され、当該突出部7の間に凹部9が形成される。
【0046】
図示のように、図3(a)の状態において、釣針8が突出部7の間に形成された凹部9に配置される。このようにして、釣針8の先端部分が、疑似餌1の最外周よりも内側に形成されるため、釣針8の根掛かりを効果的に防止することができる。
【0047】
次に、図3(d)は、図3(b)の状態の疑似餌1を図示の所定の断面Hでみた断面図である。図示のように、疑似餌1は、本体部1と突出部3と突出部7とから構成され、本体部1の中央領域には、釣針8が刺される針刺部4が形成される。上述の通り、釣刺部4は、疑似餌1の長手方向に沿って延びるように形成されている。このようにして、釣刺部4は、様々な釣針8の大きさに対応することができる。
【0048】
本発明の一実施形態における疑似餌1の内部には、2つの反射板5が埋設されている。この反射板5は疑似餌1の長手方向で垂直な方向(疑似餌1の厚さ方向)でみて中心軸X2(中心線)を挟んで対向するように埋設されており、反射面が少なくとも疑似餌1の側面から見えるように中心軸X2(中心線)に沿って平行に配置されている。当該反射板のそれぞれは、疑似餌の本体部2の側面に沿って疑似餌1の背側から腹側へ延びるように埋設され、当該反射板5の一部は突出部3にも埋設されている。これにより、反射板5の表面積を最大限確保することができるため、疑似餌1の側面視における反射板5の視認率を高め、魚からの視認性を向上させることができる。
【0049】
図3(d)に示すように、疑似餌1の本体部2の厚さ方向でみた各端部部分から下方向へ延びる2つの突出部3が形成されており、当該突出部3の間の凹部6に釣針8が収容される空間が形成されている。このようにして、疑似餌1が魚に銜えられえた場合、釣針8の疑似餌1の長手方向に略平行となる部分が、当該凹部6に収容されることで、凹部6がない場合と比して、釣針8の先端部分の疑似餌1の高さ方向でみた上方への突出量を大きくすることができ、魚を針に掛けるためのフッキング力を大幅に向上させることができる。
【0050】
本発明の実施形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、疑似餌1の本体部2に埋設される反射板5は、平板状である必要はなく、断面が波形、円弧状、コ字状、く字状等の形状に形成されていてもよいし、中心軸Xを挟んで平行に設けたものではなく、断面がハ字状に埋設されているものであってもよい。また、突出部3や突出部7の形状は適宜変更可能であり、また、その数も2つのみに限定することを意図するものではない。
【0051】
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
【符号の説明】
【0052】
1 疑似餌
2 本体部
3 突出部
4 釣刺部
5 反射板
6 凹部
7 突出部
8 釣針
9 凹部
図1
図2
図3
図4