(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6865267
(24)【登録日】2021年4月7日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】電力クラスを基準にしたカバレッジ拡張レベルの選択
(51)【国際特許分類】
H04W 52/18 20090101AFI20210419BHJP
H04W 74/08 20090101ALI20210419BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20210419BHJP
H04W 52/30 20090101ALI20210419BHJP
【FI】
H04W52/18
H04W74/08
H04W72/04
H04W52/30
【請求項の数】18
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2019-505374(P2019-505374)
(86)(22)【出願日】2017年8月3日
(65)【公表番号】特表2019-527979(P2019-527979A)
(43)【公表日】2019年10月3日
(86)【国際出願番号】FI2017050563
(87)【国際公開番号】WO2018024947
(87)【国際公開日】20180208
【審査請求日】2019年3月15日
(31)【優先権主張番号】62/371,344
(32)【優先日】2016年8月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】315002955
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オーユー
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】コスキネン ユッシ−ペッカ
(72)【発明者】
【氏名】カイッコネン ヨーマ
【審査官】
野村 潔
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2015/116732(WO,A1)
【文献】
国際公開第2015/005701(WO,A1)
【文献】
国際公開第2016/070429(WO,A1)
【文献】
NTT DOCOMO, INC.,Functional extension for U-plane C-IoT optimisation[online],3GPP RAN2 WG#94 R2-164576,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_94/Docs/R2-164576.zip>,2016年 6月 8日,p.4
【文献】
3GPP,RAN4#78 Meeting report[online],3GPP TSG-RAN WG4#78bis R4-161502,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG4_Radio/TSGR4_78Bis/Docs/R4-161502.zip>,2016年 4月15日,p.414
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末によって、複数の参照信号受信電力(RSRP)閾値レベルの少なくとも1つを含むシグナリングを受信することと、
前記ユーザ端末によって、前記ユーザ端末の電力クラスパラメータを決定することと、
少なくとも前記複数の参照信号受信電力閾値レベルの前記少なくとも1つおよび前記電力クラスパラメータに基づいて、通信ネットワークへのネットワークアクセス手順を実施するべく1つまたは複数の物理ランダムアクセスチャネルリソースセットの内のある物理ランダムアクセスチャネルリソースセットを選択することと、
を含む方法であって、
前記電力クラスパラメータによって、前記複数の参照信号受信電力閾値レベルの前記少なくとも1つを調整すること、をさらに含み、
前記選択することは、前記通信ネットワークへの前記ネットワークアクセス手順のために前記物理ランダムアクセスチャネルリソースセットを選択するためのカバレッジ拡張レベルを判定するべく、前記調整された参照信号受信電力閾値レベルを用いることを含む、
方法。
【請求項2】
前記調整することは、
前記電力クラスパラメータが閾値レベルに満たない場合は前記閾値レベルを引き下げることを含み、
前記電力クラスパラメータが閾値レベルを超える場合は前記閾値レベルを引き上げることを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電力クラスパラメータは、いずれの送信帯域においても前記ユーザ端末が利用可能な最大出力電力を定義するものである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記物理ランダムアクセスチャネルリソースセットを選択するためのカバレッジ拡張レベルを判定するべく、前記複数の参照信号受信電力閾値レベルの前記少なくとも1つを用いる、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記複数の参照信号受信電力閾値レベルは、RSRP閾値1、RSRP閾値2、RSRP閾値3に対応する、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記電力クラスパラメータによって前記ユーザ端末は14dBmデバイスであることが示される場合は、前記通信ネットワークへの前記ネットワークアクセス手順を実施するべく前記RSRP閾値1が選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の参照信号受信電力閾値レベルは、システム情報ブロックにおいて前記通信ネットワークから受信される、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記通信ネットワークは、狭帯域IoT(Narrow Band Internet of Things:NB−IoT)ネットワークを含む、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記ユーザ端末は、14dBmの電力クラスに対応するデバイスである、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記ネットワークアクセス手順は、物理ランダムアクセスチャネル手順を含む、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
装置であって、
複数の参照信号受信電力(RSRP)閾値レベルの少なくとも1つを含むシグナリングを受信する手段と、
前記装置の電力クラスパラメータを決定する手段と、
少なくとも前記複数の参照信号受信電力閾値レベルの前記少なくとも1つおよび前記電力クラスパラメータに基づいて、通信ネットワークへのネットワークアクセス手順を実施するべく1つまたは複数の物理ランダムアクセスチャネルリソースセットの内のある物理ランダムアクセスチャネルリソースセットを選択する手段と、
を備える装置において、
前記電力クラスパラメータによって、前記複数の参照信号受信電力閾値レベルの前記少なくとも1つを調整する手段を更に備え、
前記選択することは、前記通信ネットワークへの前記ネットワークアクセス手順のために前記物理ランダムアクセスチャネルリソースセットを選択するためのカバレッジ拡張レベルを判定するべく、前記調整された参照信号受信電力閾値レベルを用いることを含む、
装置。
【請求項12】
処理手段及び記憶手段を備える装置であって、前記記憶手段はプログラム命令を格納し、前記プログラム命令は、前記処理手段に実行されると、前記装置に、請求項1から10のいずれかに記載の方法を遂行させるように構成される、装置。
【請求項13】
装置の処理手段に実行されると、前記装置に、請求項1から10のいずれかに記載の方法を遂行させるように構成されるプログラムコードを含む、コンピュータプログラム。
【請求項14】
ネットワークノードの動作方法であって、
複数の参照信号受信電力(RSRP)閾値レベルの少なくとも1つを含むシグナリングを送信することと、
ユーザ端末から、ネットワークアクセス手順によってアップリンク伝送を受信することと、
を含む、方法であって、
前記アップリンク伝送は、少なくとも前記複数の参照信号受信電力閾値レベルの前記少なくとも1つおよび前記ユーザ端末の電力クラスパラメータに基づいて、1つまたは複数の物理ランダムアクセスチャネルリソースセットから前記ユーザ端末によって選択された、物理ランダムアクセスチャネルリソースセットにおいて受信され、
前記複数の参照信号受信電力閾値レベルの前記少なくとも1つは前記電力クラスパラメータによって調整され、前記選択された物理ランダムアクセスチャネルリソースセットは、前記調整された参照信号受信電力閾値レベルに基づいて選択されている、
方法。
【請求項15】
前記電力クラスパラメータは、いずれの送信帯域においても前記ユーザ端末が利用可能な最大出力電力として定義される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
複数の参照信号受信電力(RSRP)閾値レベルの少なくとも1つを含むシグナリングを送信する手段と、
ユーザ端末から、ネットワークアクセス手順によってアップリンク伝送を受信する手段と、
を備える装置であって、
前記アップリンク伝送は、少なくとも前記複数の参照信号受信電力閾値レベルの前記少なくとも1つおよび前記ユーザ端末の電力クラスパラメータに基づいて、1つまたは複数の物理ランダムアクセスチャネルリソースセットから前記ユーザ端末によって選択された、物理ランダムアクセスチャネルリソースセットにおいて受信され、
前記複数の参照信号受信電力閾値レベルの前記少なくとも1つは前記電力クラスパラメータによって調整され、前記選択された物理ランダムアクセスチャネルリソースセットは、前記調整された参照信号受信電力閾値レベルに基づいて選択されている、
装置。
【請求項17】
処理手段及び記憶手段を備える装置であって、前記記憶手段はプログラム命令を格納し、前記プログラム命令は、前記処理手段に実行されると、前記装置に、請求項14又は15に記載の方法を遂行させるように構成される、装置。
【請求項18】
装置の処理手段に実行されると、前記装置に、請求項14又は15に記載の方法を遂行させるように構成されるプログラムコードを含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の例としての実施形態による教示は、一般的に、低電力NB−IoTのUEのためのランダムアクセスの最適化に関し、より具体的には、CEレベルの判定のためのPRACHリソースの選択において、UEの電力クラスを考慮することに関する。
【0002】
本セクションは、請求項に記載の発明に背景や文脈を添えることを意図したものである。本稿の説明は、特許化可能であって、既に必ずしも概念化、特許化されていないものを含みうる。したがって、本稿で別途記載しない限り、本セクションの内容は、本願の明細書および請求項に対する先行技術ではなく、本セクションに含めることで先行技術として認められるものではない。
【0003】
3GPP LTE RAN#69総会において、NB−IoTと呼ばれる新作業項目が承認された。以降、3GPPの組織は、マシン型通信(Machine-Type Communications:MTC)の動作および狭帯域IoT(Narrow Band Internet of Things:NB−IoT)についてソリューションを検討している。
【0004】
NB−IoTは、最大20dBのカバレッジ拡張、多量の低スループットデバイス、低遅延感度、超低デバイスコスト、低デバイス電力消費、および(例えば最適化された)ネットワーク構造を実現することが期待されている。さらに、NB−IoT帯域は180kHzに留まり、LTEにおけるPRB1つ分(12サブキャリア)に相当する。
【0005】
NB−IoTの利点として、電力、水道、ガスメーターのデータを、セルラーネットワークを介して遠隔に収集するスマートメータリングが挙げられる。NB−IoTのこの側面が取り上げられるのは、この技術によって提示される市場機会によるところが大きい。スマートメータリングによって、人手によって検針し、メーターのバッテリを交換する等から発生するコストの削減につながりうる。
【0006】
本発明の例としての実施形態では、NB−IoTを用いるデバイスのランダムアクセス障害率を少なくとも低減または削減するようにNB−IoTのためのランダムアクセス手順の最適化を対象としている。
【0007】
本明細書や図面に用いられる可能性のある特定の略語を以下に定義する。
CE (Coverage Enhancement)カバレッジ拡張
CP (Control Plane)制御プレーン
dB (Decibels)デシベル
dBm (Decibels milliwatt)デシベルミリワット
eNB (Enhanced Node B)eノードB
HO (Handover)ハンドオーバー
MT (Mobile Terminated)モバイル着信
MTC (Machine-Type Communications)マシン型通信
NB−IoT (Narrow Band Internet of Things)狭帯域IoT
PRACH (
Physical Random Access Channel)
物理ランダムアクセスチャネル
RLF (Radio Link Failure)無線リンク障害
RRC (Radio Resource Control)無線リソース制御
RSRP (Reference Signal Received Power)参照信号受信電力
TX (Transmission)送信
UE (User Equipment)ユーザ端末
UP (User Plane)ユーザプレーン
【0008】
本セクションは可能な実装例を示すが、本発明を限定するものではない。
【0009】
ある例示的実施形態では、方法は、ユーザ端末によって、複数の参照信号受信電力(RSRP)閾値レベルの少なくとも1つを含むシグナリングを受信することと、前記ユーザ端末によって、当該ユーザ端末に対応付けられた電力クラスパラメータを決定することと、少なくとも前記複数の参照信号受信電力閾値レベルの前記少なくとも1つおよび前記電力クラスパラメータに基づいて、通信ネットワークへのネットワークアクセス手順を実施するべく1つまたは複数のリソースセットの内のあるリソースセットを選択することと、を含む
【0010】
本発明のさらなる例示的実施形態は前段落の方法を含む方法であって、前記電力クラスパラメータは、いずれの送信帯域においても前記ユーザ端末が利用可能な最大出力電力を定義するものである。別の例示的実施形態では本段落および/または前段落の方法において、前記ユーザ端末に対応付けられた前記電力クラスパラメータは、システム情報ブロックにおいて前記通信ネットワークから受信される。別の例示的実施形態では本段落および/または前段落の方法において、前記リソースセットを選択するためのカバレッジ拡張レベルを判定するべく、前記複数の参照信号受信電力閾値レベルの前記少なくとも1つを用いる。別の例示的実施形態では本段落および/または前段落の方法において、前記電力クラスパラメータによって、前記複数の参照信号受信電力閾値レベルの前記少なくとも1つを調整することを含み、前記選択することは、前記通信ネットワークへの前記ネットワークアクセス手順のために前記リソースセットを選択するためのカバレッジ拡張レベルを判定するべく、前記調整された参照信号受信電力閾値レベルを用いることを含む。さらなる例示的実施形態では本段落および/または前段落の方法において、前記調整することは、前記電力クラスパラメータが閾値レベルに満たない場合は前記閾値レベルを引き下げることを含み、前記電力クラスパラメータが閾値レベルを超える場合は前記閾値レベルを引き上げることを含む。別の例示的実施形態では本段落および/または前段落の方法において、前記複数の参照信号受信電力閾値レベルは、RSRP閾値1、RSRP閾値2、RSRP閾値3に対応する。さらに別の例示的実施形態では本段落および/または前段落の方法において、前記電力クラスパラメータによって前記ユーザ端末は14dBmデバイスであることが示される場合は、前記通信ネットワークへの前記ネットワークアクセス手順を実施するべく前記RSRP閾値1が選択される。別の例示的実施形態では本段落および/または前段落の方法において、前記複数の参照信号受信電力閾値レベルは、システム情報ブロックにおいて前記通信ネットワークから受信される。さらなる例示的実施形態では本段落および/または前段落の方法において、前記通信ネットワークは、狭帯域IoT(NB−IoT)ネットワークを含む。さらに別の例示的実施形態では本段落および/または前段落の方法において、前記ユーザ端末は、14dBmの電力クラスに対応するデバイスである。さらに別の例示的実施形態では本段落および/または前段落の方法において、前記ネットワークアクセス手順は、物理ランダムアクセスチャネル手順を含む。
【0011】
別の例示的実施形態では、装置は、ユーザ端末によって、複数の参照信号受信電力(RSRP)閾値レベルの少なくとも1つを含むシグナリングを受信する手段と、前記ユーザ端末によって、当該ユーザ端末に対応付けられた電力クラスパラメータを決定する手段と、少なくとも前記複数の参照信号受信電力閾値レベルの前記少なくとも1つおよび前記電力クラスパラメータに基づいて、通信ネットワークへのネットワークアクセス手順を実施するべく1つまたは複数のリソースセットの内のあるリソースセットを選択する手段と、を含む。
【0012】
本発明のさらなる例示的実施形態は前段落の装置を含む装置であって、前記電力クラスパラメータは、いずれの送信帯域においても前記ユーザ端末が利用可能な最大出力電力を定義するものである。別の例示的実施形態では本段落および/または前段落の装置において、前記ユーザ端末に対応付けられた前記電力クラスパラメータは、システム情報ブロックにおいて前記通信ネットワークから受信される。さらなる例示的実施形態では本段落および/または前段落の装置において、前記リソースセットを選択するためのカバレッジ拡張レベルを判定するべく、前記複数の参照信号受信電力閾値レベルの前記少なくとも1つを用いる。さらに別の例示的実施形態では本段落および/または前段落の装置において、前記電力クラスパラメータによって、前記複数の参照信号受信電力閾値レベルの前記少なくとも1つを調整する手段を備え、前記選択する手段は、前記通信ネットワークへの前記ネットワークアクセス手順のために前記リソースセットを選択するためのカバレッジ拡張レベルを判定するべく、前記調整された参照信号受信電力閾値レベルを用いる手段を含む。さらに別の例示的実施形態では本段落および/または前段落の装置において、前記調整する手段は、前記電力クラスパラメータが閾値レベルに満たない場合は前記閾値レベルを引き下げることを含み、前記電力クラスパラメータが閾値レベルを超える場合は前記閾値レベルを引き上げることを含む。別の例示的実施形態では本段落および/または前段落の装置において、前記複数の参照信号受信電力閾値レベルは、RSRP閾値1、RSRP閾値2、RSRP閾値3に対応する。さらに別の例示的実施形態では本段落および/または前段落の装置において、前記電力クラスパラメータによって前記ユーザ端末は14dBmデバイスであることが示される場合は、前記通信ネットワークへの前記ネットワークアクセス手順を実施するべく前記RSRP閾値1が選択される。別の例示的実施形態では本段落および/または前段落の装置において、前記複数の参照信号受信電力閾値レベルは、システム情報ブロックにおいて前記通信ネットワークから受信される。さらに別の例示的実施形態では本段落および/または前段落の装置において、前記通信ネットワークは、狭帯域IoT(NB−IoT)ネットワークを含む。別の例示的実施形態では本段落および/または前段落の装置において、前記ユーザ端末は、14dBmの電力クラスに対応するデバイスである。さらに別の例示的実施形態では本段落および/または前段落の装置において、前記ネットワークアクセス手順は、物理ランダムアクセスチャネル手順を含む。
【0013】
本発明の別の例示的実施形態は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を備える装置であって、前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサにより、前記装置に少なくとも、ユーザ端末によって、複数の参照信号受信電力(RSRP)閾値レベルの少なくとも1つを含むシグナリングを受信することと、前記ユーザ端末によって、当該ユーザ端末に対応付けられた電力クラスパラメータを決定することと、少なくとも前記複数の参照信号受信電力閾値レベルの前記少なくとも1つおよび前記電力クラスパラメータに基づいて、通信ネットワークへのネットワークアクセス手順を実施するべく1つまたは複数のリソースセットの内のあるリソースセットを選択することと、を実施させるように構成される。
【0014】
別の例示的実施形態では本段落および/または前段落の装置において、前記電力クラスパラメータは、いずれの送信帯域においても前記ユーザ端末が利用可能な最大出力電力を定義するものである。別の例示的実施形態では本段落および/または前段落の装置において、前記ユーザ端末に対応付けられた前記電力クラスパラメータは、システム情報ブロックにおいて前記通信ネットワークから受信される。さらに別の例示的実施形態では本段落および/または前段落の装置において、前記リソースセットを選択するためのカバレッジ拡張レベルを判定するべく、前記複数の参照信号受信電力閾値レベルの前記少なくとも1つを用いる。別の例示的実施形態では本段落および/または前段落の装置において、前記コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリは、前記少なくとも1つのプロセッサにより、前記装置に、前記電力クラスパラメータによって、前記複数の参照信号受信電力閾値レベルの前記少なくとも1つを調整することを実施させるように構成され、前記選択することは、前記通信ネットワークへの前記ネットワークアクセス手順のために前記リソースセットを選択するためのカバレッジ拡張レベルを判定するべく、前記調整された参照信号受信電力閾値レベルを用いることを含む。さらなる例示的実施形態では本段落および/または前段落の装置において、前記調整することは、前記電力クラスパラメータが閾値レベルに満たない場合は前記閾値レベルを引き下げることを含み、前記電力クラスパラメータが閾値レベルを超える場合は前記閾値レベルを引き上げることを含む。別の例示的実施形態では本段落および/または前段落の装置において、前記複数の参照信号受信電力閾値レベルは、RSRP閾値1、RSRP閾値2、RSRP閾値3に対応する。別の例示的実施形態では本段落および/または前段落の装置において、前記電力クラスパラメータによって前記ユーザ端末は14dBmデバイスであることが示される場合は、前記通信ネットワークへの前記ネットワークアクセス手順を実施するべく前記RSRP閾値1が選択される。別の例示的実施形態では本段落および/または前段落の装置において、前記複数の参照信号受信電力閾値レベルは、システム情報ブロックにおいて前記通信ネットワークから受信される。さらに別の例示的実施形態では本段落および/または前段落の装置において、前記通信ネットワークは、狭帯域IoT(NB−IoT)ネットワークを含む。さらに別の例示的実施形態では本段落および/または前段落の装置において、前記ユーザ端末は、14dBmの電力クラスに対応するデバイスである。さらに別の例示的実施形態では本段落および/または前段落の装置において、前記ネットワークアクセス手順は、物理ランダムアクセスチャネル手順を含む。
【0015】
別の例示的実施形態は、請求項のいずれかに記載の方法を実行するためのプログラムコードを含むコンピュータプログラムである。
【0016】
別の例示的実施形態は、前段落のコンピュータプログラムコードであって、前記コンピュータプログラムは、コンピュータにより使用するコンピュータプログラムコードを内部に有する非一時的コンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品である。
【0017】
本発明の別の例示的実施形態は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を備える装置であって、前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサにより、前記装置に少なくとも、ネットワークノードによって、複数の参照信号受信電力(RSRP)閾値レベルの少なくとも1つを含むシグナリングを送信することと、前記ネットワークノードにおいて、ユーザ端末から、少なくとも前記複数の参照信号受信電力閾値レベルの前記少なくとも1つおよび前記ユーザ端末に対応付けられた電力クラスパラメータに基づいて、前記ユーザ端末によって選択された1つまたは複数のリソースセットの内のあるリソースセットについて、ネットワークアクセス手順によってアップリンク伝送を受信することと、を実施させるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の実施形態における前述およびその他の態様は、添付する図面と併せて読むと、以下の詳細な説明においてより明らかになる。
【0019】
【
図1】
図1は、3GPP TS 36.331 V13.2.0(2016−06)によるPRACH−Config情報要素を示す。
【0020】
【
図2】
図2は、3GPP TS 36.321 V13.1.0(2016−03)におけるPRACH−Configフィールドの説明を示す。
【0021】
【
図3】
図3は、本発明の例としての実施形態を実施するために有用な各種電子デバイスの簡略ブロック図を示す。
【0022】
【
図4A】
図4Aは、装置によって実行されてもよい例としての実施形態による方法をそれぞれ示す。
【
図4B】
図4Bは、装置によって実行されてもよい例としての実施形態による方法をそれぞれ示す。
【0023】
本発明では、CEレベルの判定のためのPRACHリソースの選択において、ユーザ端末(UE)の電力クラスを考慮することを含む、NB−IoTのUEに対するランダムアクセスを最適化する方法が提案される。
【0024】
3GPPの組織は、マシン型通信(MTC)における動作と、狭帯域IoT(Narrow Band Internet of Things:NB−IoT、作業項目種別RP−151621)についてのソリューションを検討している。データ送信については、制御プレーン(CP)ソリューションと、ユーザプレーン(UP)ソリューションの2つのモードが存在する。UPソリューションの場合、UEは接続モードとなるが、ハンドオーバーには対応していない。またデータ送信が長く途切れると、接続も後に接続設定手順が完了しないまま再開されるように中断されうる。
【0025】
このNB−IoT技術は、読んで字の如く、モノのインターネット(IoT)のために特別に設計された狭帯域無線技術である。この規格は、屋内カバレッジ、低価格、長バッテリ寿命、多数デバイス対応に注力したものとも捉えられる。このNB−IoT技術は、GSM(登録商標)およびLTEスペクトルで展開可能である。さらにこの技術は、通常LTEキャリア内のリソースブロックを利用する「インバンド(in-band)」で展開してもよいし、LTEキャリアのガードバンド内の未使用リソースブロックを利用するように展開されてもよいし、専用スペクトルにおいて展開されるように「スタンドアローン(standalone)」で展開されてもよい。NB−IoTは、GSMチャネルの周波数帯の再割当て(re-farming)にも好適である。
【0026】
NB−IoTは、以下の3つの動作モードに対応するだろうと言われている。
・ 例えば、1つまたは複数のGSMキャリアの代わりに、現在GERANシステムで利用されているスペクトルを利用するスタンドアローン動作。
・ LTEキャリアのガードバンド内の未使用リソースブロックを利用するガードバンド動作。
・ 通常のLTEキャリア内のリソースブロックを利用するインバンド動作。
【0027】
NB−IoTは、カバレッジ拡張、多量の低スループットデバイス、低遅延感度、超低デバイスコスト、低デバイス電力消費、および(例えば最適化された)ネットワーク構造を実現することが期待されている。
【0028】
本発明の例としての実施形態は、NB−IoTで動作するデバイスのCEレベル判定のためのPRACHリソースの選択において、UEの電力クラスを考慮することにより、NB−IoTのUEに対するランダムアクセス手順の最適化を図る。
【0029】
なお、UEがNB−IoTで動作することに合わせて、ランダムアクセスチャネル(RACH)手順がトリガされてもよい。この手順は、UEがセルにキャンプオンするかONとなる、さらに/あるいはUEがアイドル状態から接続状態に移行することに合わせてトリガされてもよい。さらに、eNBがダウンリンク(DL)データを受信したものの、UEとアップリンク(UL)同期ができないと判定された場合、eNBはUEにPRACH手順を踏むように通知してもよい。
【0030】
3GPP TS 36.321 V13.1.0(2016−03)のセクション5.1.1によれば、ランダムアクセス手順は以下のとおり実行される。
・ Msg3バッファをフラッシュし、
・ PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTERを1に設定し、
・ UEがBLのUEまたはカバレッジ拡張中のUEであれば、
・ PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTER_CEを1に設定し、
・ CEレベル3のRSRP閾値がrsrp-ThresholdsPrachInfoListにおいて上位レイヤによって設定され、測定されたRSRPがCEレベル3のRSRP閾値よりも小さい場合、
・ MACエンティティはCEレベル3にあるとみなし、
・ CEレベル2のRSRP閾値がrsrp-ThresholdsPrachInfoListにおいて上位レイヤによって設定され、測定されたRSRPがCEレベル2のRSRP閾値よりも小さい場合、
・ MACエンティティはCEレベル2にあるとみなし、
・ 測定されたRSRPが、rsrp-ThresholdsPrachInfoListにおいて上位レイヤによって設定されたCEレベル1のRSRP閾値よりも小さい場合、
・ MACエンティティはCEレベル1にあるとみなし、
・ それ以外の場合は、
・ MACエンティティはCEレベル0にあるとみなす。
【0031】
ここで、このランダムアクセス手順においては、PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTER_CEが1に設定され、RSRP閾値がカバレッジ拡張(CE)レベル3、2、または1であれば、MACエンティティはそれぞれCEレベル3、2、または1にあるとみなす。それ以外の場合は、MACエンティティはCEレベル0にあるとみなす。
【0032】
さらに、3GPP TS 36.321 V13.1.0(2016−03)のセクション5.1.2によれば、ランダムアクセスリソースの選択手順は以下のとおり実行される。
・ ra-PreambleIndex(ランダムアクセスプリアンブル)およびra-PRACH-MaskIndex(PRACHマスクインデックス)が明示的にシグナル送信され、ra-PreambleIndexが000000ではない場合、
・ ランダムアクセスプリアンブルおよびPRACHマスクインデックスは、それらの明示的にシグナル送信されたものである。
・ そうでない場合、ランダムアクセスプリアンブルは、MACエンティティによって以下のように選択されるものとする。
・ Msg3が送信されていない場合、MACエンティティは、BLのUEまたはカバレッジ拡張中のUEである場合を除いて、
・ ランダムアクセスプリアンブルグループBが存在し、潜在的メッセージサイズ(送信プラスMACヘッダー、および(必要に応じて)MAC制御要素に利用可能なULデータ)がmessageSizeGroupAよりも大きく、経路損失が(ランダムアクセス手順を実行しているサービングセルの)P
CMAX,c−preambleInitialReceivedTargetPower−deltaPreambleMsg3−messagePowerOffsetGroupBよりも小さい場合、
・ ランダムアクセスプリアンブルグループBを選択し、
・ そうでなければ、
・ ランダムアクセスプリアンブルグループAを選択する。
・ それ以外の場合は、Msg3が再送されている場合、MACエンティティは、以下を実行するものとする。
・ Msg3の最初の送信に対応するプリアンブル送信の試行に用いられたのと同じランダムアクセスプリアンブルのグループを選択する。
・ 選択されたグループから、ランダムアクセスプリアンブルをランダムに選択する。ランダム機能は、許可された選択肢のそれぞれが同じ確率で選ばれるようになっている。
・ PRACHマスクインデックスを0に設定する。
・ prach-ConfigIndex、PRACHマスクインデックス(7.3項を参照)、および物理レイヤのタイミング要件による制限によって許可されたPRACHを含む次の利用可能なサブフレームを決定し[2](MACエンティティは、次の利用可能なPRACHサブフレームを決定する際に測定ギャップが発生する可能性を考慮してもよい)、
・ 送信モードがTDDであり、PRACHマスクインデックスが0に等しい場合、
・ ra-PreambleIndexが明示的にシグナル送信され、000000ではない(すなわち、MACによって選択されたものではない)場合、
・ 決定されたサブフレームにおいて利用可能なPRACHから、1つのPRACHを同じ確率でランダムに選択する。
・ そうでない場合、
・ 決定されたサブフレームと、これに続く2つのサブフレームにおいて利用可能なPRACHから、1つのPRACHを同じ確率でランダムに選択する。
・ そうでない場合、
・ PRACHマスクインデックスの要件に従って、決定されたサブフレームの中からPRACHを決定する。
・ ランダムアクセスプリアンブル(5.1.3項を参照)の送信に進む。
【0033】
ここで、prach-ConfigIndexによる制限によって許可されたPRACHを含む次の利用可能なサブフレームが決定されることが示されている。
【0034】
図1は、3GPP TS 36.331 V13.2.0(2016−06)によるPRACH−Config情報要素を示す。
【0035】
図1に示すとおり、PRACH−Configフィールドの説明におけるPRACH−Config情報要素は、rsrp-ThresholdsPrachInfoListフィールドを含む。
【0036】
図2は、3GPP TS 36.321 V13.1.0(2016−03)によるPRACH−Configフィールドの説明を示す。
図2に示す、「rsrp-ThresholdsPrachInfoList」についての3GPPのPRACH−Configフィールドの説明は以下のとおりである。
BLのUEおよびCE中のUEがPRACHリソースセットを選択するための基準。PRACHについてCEレベルを判定するべく、最大3つのRSRP閾値がシグナル送信される。TS 36.213[23]参照。第1の要素がRSRP閾値1に対応し、第2の要素がRSRP閾値2に対応し、以下同様である。TS 36.321[6]参照。
【0037】
少なくとも上述のとおり、PRACHについてCEレベルを判定するべく、RSRP閾値がシグナル送信される。CEレベルの判定に使用されるランダムアクセスリソースの選択において、RSRP閾値のみが考慮されていると見られる。
【0038】
参照信号受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)は、考慮された測定周波数帯域においてセル特有の参照信号を伝搬するリソース要素の電力寄与分に対するリニア平均であると考えられる。このRSRPの決定に、セル特有の参照信号を用いることができる。RSRPに対する参照点は、通信デバイス(例えばユーザ端末(UE)および/またはネットワークアクセスデバイス(eNB))のアンテナ接続点であってもよい。RSRPの測定値は、通常dBm単位で示され、これを用いて信号強度に基づいて異なる候補セルのランキングを示すことができる。
【0039】
しかし、少なくとも上述のとおり、例えばカバレッジ拡張(CE)レベルの判定に使用されるランダムアクセスリソースの選択において、RSRP閾値のみが考慮されると見られる。通信デバイスの電力クラスがCEレベルの選択において考慮されておらず、その結果、誤った送信/受信の繰返しが選択されるおそれがある。上記により初期アクセスでの障害率が増加し、デバイスのバッテリ消費が増大し、ネットワークリソースの利用が最適化されずセル内およびセル間での干渉につながるおそれがある。
【0040】
これに加えて、RAN総会においては、Rel−14のNB−IoTに対する以下の新たな電力クラス目標が承認されている。
【0042】
Rel−13と比較してMCLを適宜緩和した、フォームファクタの小型電池に好適な低最大送信電力に対応するべく、新たなUE電力クラス(複数可)(例えば14dBm)とこれに必要なシグナリングの対応を評価し、適切であれば仕様を規定する(RAN4、RAN2)。
【0043】
これにより、Rel−13で導入された2つの電力クラス(23dBmおよび20dBm)の他に、追加の電力クラスが導入されることになる。
【0044】
3GPPによると、UEの電力クラスは、いずれの送信帯域においても最大出力電力を定義するものである。一方、本発明の例としての実施形態では、CEレベルの判定においてUEの電力クラスが考慮される。
【0045】
しかし、やはり上述のとおり、UEの電力クラスがCEレベルの選択において考慮されておらず、その結果、誤った送信/受信の繰返しが選択されるおそれがある。CEレベルの判定に使用されるランダムアクセスリソースの選択において、むしろRSRP閾値のみが考慮されている可能性がある。
【0046】
本発明の例としての実施形態は、CEレベルの判定のためのPRACHリソースの選択において、通信デバイス(例えばユーザ端末(UE))の電力クラスを考慮することに関する。
【0047】
本発明の例としての実施形態をさらに詳細に説明するにあたり、
図3を参照する。
【0048】
図3に、NB−IoTの最適化のための本発明の例としての実施形態を実施しうるある環境の概要が示されている。
図3は、複数のデバイス10が混合ネットワーク100内で通信しているブロック図である。混合ネットワーク100は、無線ネットワーク20、無線/有線ネットワーク25を含む。ネットワーク20はUE10−1を含み、ネットワーク25はeNB10−2およびネットワークノード10−3を含む。ネットワークノード10−3は、NCE、MME、および/またはSGWデバイスを備えてもよく、これらは有線または無線通信を介してeNB10−2および/またはUE10−1と通信可能である。
【0049】
UE10−1は、1つまたは複数のプロセッサ10−A1と、1つまたは複数のプログラム10−C1を含む1つまたは複数のメモリ10−B1と、データを送受信可能な無線周波数送受信機10−D1と、有線ネットワークインタフェース10−E1と、1つまたは複数のアンテナ10−F1と、を備える。さらに、UE10−1は、例としての実施形態に係る動作を実行するために電力プロセッサ10−G1を備えてもよい。
【0050】
同様に、eNB10−2は、1つまたは複数のプロセッサ10−A2と、1つまたは複数のプログラム10−C2を含む1つまたは複数のメモリ10−B2と、データを送受信可能な無線周波数送受信機10−D2と、有線ネットワークインタフェース10−E2と、1つまたは複数のアンテナ10−F2と、を備える。
図3の例では、ネットワークノード10−3は、1つまたは複数のプロセッサ10−A3と、1つまたは複数のプログラム10−C3を含む1つまたは複数のメモリ10−B3と、有線ネットワークインタフェース10−E3と、を含む。さらに、eNB10−2は、例としての実施形態に係る動作を実行するために電力プロセッサ10−G2を備えてもよい。
【0051】
ネットワークノード10−3は、仮想通信事業者(Virtual Network Operator:VNO)デバイスおよび/または特定モバイル端末のホームネットワークデバイス等のようなネットワークデバイスでありうる。さらに、eNB10−2とネットワークノード30との間の有線/無線接続に加えて、図示のように、UE10−1とネットワークノード10−3との間に無線接続10−D3が確立していてもよい。これらの接続の内のいずれも、本発明の例としての実施形態に係る通信に用いられてもよい。UE10−1およびeNB10−2と同様に、ネットワークノード10−3も、例としての実施形態に係る動作を実行するために電力プロセッサ10−G3を備えてもよい。
【0052】
UE10−1、eNB10−2、および/またはネットワークノード10−3の電力プロセッサはいずれも本発明を限定するものではなく、例としての実施形態に係る動作は、これらのデバイスの別のプロセッサ、例えばプロセッサ10−A1、10−A2、および/または10−A3によって実行されてもよい。
【0053】
さらに、
図3に示すデバイスおよび/または接続は、NB−IoTの最適化に好適なデバイスおよび/または接続の可能な例を単に示したものであり、本明細書に開示される例としての実施形態を限定するものではない。さらに、ここに説明される動作は混合ネットワークに関するが、これも本発明を限定するものではなく、本発明の例としての実施形態は非混合ネットワーク環境において実施されてもよい。
【0054】
コンピュータ可読メモリ10−B1、10−B2、10−B3は、ローカルの技術環境に好適な任意の種類のものであってもよく、半導体メモリデバイス、フラッシュメモリ、磁気メモリデバイスやシステム、光学メモリデバイスやシステム、固定記憶装置、リムーバブルメモリ等の任意の好適なデータ保存技術を用いて実装されてもよい。プロセッサ10−A1、10−A2、10−A3は、ローカルの技術環境に好適な任意の種類のものであってもよく、1つまたは複数の汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor:DSP)、マルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0055】
一般的に、UE10−1の各種実施形態としては、スマートフォン等の携帯電話、無線通信機能を持つ携帯端末(Personal Digital Assistant:PDA)、無線通信機能を持つポータブルコンピュータ、無線通信機能を持つデジタルカメラ等の撮像デバイス、無線通信機能を持つゲームデバイス、無線通信機能を持つ音楽記憶再生機器、無線インターネットアクセスと閲覧が可能なインターネット機器、無線通信機能を持つタブレット、さらにこれらの機能の組合せを内蔵するポータブルユニット、端末、各種マシン型通信(Machine-Type Communications:MTC)デバイスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
これに加えて、本発明の例としての実施形態は、GSMやLTEスペクトルにおいて実施されうるNB−IoTを参照して説明したが、これらに限定されない。本発明の例としての実施形態は、少なくとも次に控える5G技術を含む、現行および将来の通信技術によって実現することができる。
【0057】
上述のとおり、CEレベルの判定に使用されるランダムアクセスリソースの選択手順において、RSRP閾値のみが考慮されている。RSRPは、特定の帯域(RE数で示す)にわたる参照信号電力(ワットで示す)のリニア平均である。これは、UEがセルの選択および/または再選択のために測定すべき重要事項である。この手順において、UEは、ダウンリンクRSRPの測定値を平均することによって経路損失を推定してもよい。次にUEは、ダウンリンクRSRPの測定値によって決まるカバレッジレベルに基づいてCEレベルとPRACHリソースとを選択する。
【0058】
ランダムアクセス手順において、各カバレッジレベルに対して、例えば各レベルに対する複数のプリアンブルシーケンスに対して、一組のPRACHリソース(例えば時間、周波数、プリアンブルシーケンス)が提供される。カバレッジレベルごとのPRACHリソースは、システム情報によって設定可能である。UEのDL測定値(例えばRSRPの測定値)によって決まるカバレッジレベルに基づいて、UEはPRACHリソースを選択する。
【0059】
上述の複数の例としての実施形態によると、上述のとおり、CEレベルの判定のためのPRACHリソースの選択において、UEの電力クラスが考慮される。CE/繰返しレベルの選択のためのRSRP閾値は、UE電力クラスに特有のパラメータによって調整される。例としての実施形態では、上述のように新たな電力クラスに対応するUEの最適化されたCEレベルの選択を実現する。
【0060】
本発明の例としての実施形態によると、シグナル送信されたRSRP閾値は以下のように調整されてもよい。
以下のように想定する。
・ CEレベル1に対するCEレベル閾値=−100dBm
・ CEレベル2に対するCEレベル閾値=−130dBm
・ CEレベル3に対するCEレベル閾値=−150dBm
・ UE送信電力が目標値よりも低いまたは高い場合は、オフセット(固定または設定可能)が生じる
・ 一般的には送信電力が低くなる場合(例えば正のオフセット)が多いが、いずれの場合も十分対処される
RSRP−オフセット
・ 「特別」電力クラスに対する閾値は例えば−100dBm−10dB=−110dBm
・ 「特別」電力クラスに対する閾値は例えば−130dBm−10dB=−140dBm
・ 「特別」電力クラスに対する閾値は例えば−150dBm−10dB=−160dBm
RSRP+オフセット
・ 「特別」電力クラスに対する閾値は例えば−100dBm+10dB=−90dBm
・ 「特別」電力クラスに対する閾値は例えば−130dBm+10dB=−120dBm
・ 「特別」電力クラスに対する閾値は例えば−150dBm+10dB=−140dBm
RSRP×変数
・ 「特別」電力クラスに対する閾値は例えば−100dBm×1.1=−110dBm
・ 「特別」電力クラスに対する閾値は例えば−130dBm×1.1=−143dBm
・ 「特別」電力クラスに対する閾値は例えば−150dBm×1.1=−165dBm
RSRP/変数
・ 「特別」電力クラスに対する閾値は例えば−100dBm/0.9=−111dBm
・ 「特別」電力クラスに対する閾値は例えば−130dBm/0.9=−144dBm
・ 「特別」電力クラスに対する閾値は例えば−150dBm/0.9=−166dBm
前のCEレベル
・ UEが例えば23dBmデバイスであり、RSRPの測定値に基づいて判定されたCEレベルがCEレベル2の場合、UEはCEレベル2を選択するものとする
・ UEが例えば14dBmデバイスであり、RSRPの測定値に基づいて判定されたCEレベルがCEレベル2の場合、UEはCEレベル1を選択するものとする
次のCEレベル
・ UEが例えば23dBmデバイスであり、RSRPの測定値に基づいて判定されたCEレベルがCEレベル2の場合、UEはCEレベル2を選択するものとする
・ UEが例えば14dBmデバイであり、RSRPの測定値に基づいて判定されたCEレベルがCEレベル2の場合、UEはCEレベル3を選択するものとする
上記オフセットおよび変数は、例えば以下のように、UE電力クラスに基づいて計算されてもよい。
・ 電力−UEが利用可能な電力
・ 電力+UEが利用可能な電力
・ 変数×UEが利用可能な電力
・ 変数/UEが利用可能な電力
【0061】
上記オフセットはUE電力クラスに特有の値であってもよく、例えば23dBmデバイスに対して0、14dBmデバイスに対して5が与えられる。
【0062】
上記変数はUE電力クラスに特有の値であってもよく、例えば23dBmデバイスに対して1、14dBmデバイスに対して0.75が与えられる。
【0063】
あるいは、ネットワークから、CEレベル閾値の定義に用いられるUEの想定最大TX電力/クラスの標示が提供され、UEは、想定TX電力との関連で実際の最大送信電力に基づいて自発的にオフセットを決定してもよい。
【0064】
あるいは、RSRP閾値が各電力クラスに対してシグナル送信されてもよい。
【0065】
あるいは、例えば14dBmデバイスは常にPRACHリソース1を選択するというように、UEは自身の電力クラスに基づいてPRACHリソースセットを選択する。
【0066】
本発明の例としての実施形態によると、低電力NB−IoTのUE、例えば14dBmのデバイスに対してNB−IoTのUEランダムアクセスを最適化する。CEレベルの判定のためのPRACHリソースの選択において、UEの電力クラスが考慮され、CE/繰返しレベルを選択するためのRSRP閾値がUE電力クラスに特有のパラメータによって調整される。
【0067】
UE送信電力が目標値よりも低いまたは高い場合は、オフセット(固定または設定可能)が生じる。
RSRP−オフセット:オフセットはUE電力クラスに依存、
RSRP+オフセット:オフセットはUE電力クラスに依存、
RSRP×変数:変数はUE電力クラスに依存、
RSRP/変数:変数はUE電力クラスに依存、
前のCEレベル:UE電力クラスに依存、
次のCEレベル:UE電力クラスに依存。
【0068】
本発明の例としての実施形態に係る可能な変形例には以下のものを含みうる。
変形例1:ネットワークから、CEレベル閾値の定義に用いられるUEの想定最大TX電力/クラスの標示が提供され、UEは、想定TX電力との関連で実際の最大送信電力に基づいて自発的にオフセットを決定してもよい。
変形例2:RSRP閾値は、各電力クラスに対してシグナル送信されてもよい。
変形例3:14dBmデバイスは常にPRACHリソース1を選択するというように、UEは自身の電力クラスに基づいてPRACHリソースセットを選択する。
【0069】
これに加えて、ネットワークがDL無線リソース構成に組み込めるように、UEは最大TX電力レベルに基づいてCEレベルの選択を調整したか否かを標示してもよい。
【0070】
上述の複数の例としての実施形態によると、閾値は、CEレベル、CEレベル閾値、および/またはRSRPレベルのいずれに対して設定されてもよい。さらに、例としての実施形態に係るこれらのいずれの閾値または動作に対応付けられた値も、ネットワークデバイスが把握し、本明細書に記載されたCEレベル動作の間、またはそれに先駆けて、またはネットワークデバイスによって決定されてもよい。さらに、これらのいずれの閾値または動作に対応付けられた値も、ユニキャストまたはブロードキャストシグナリング等のシグナリングを介してネットワークデバイスに提供されてもよい。
【0071】
ブロードキャストおよび/または専用シグナリングを用いて、上述の情報をUEに提供してもよい。あるいは、上述の情報(の一部)は仕様によって静的に規定されていてもよい。
【0072】
さらに、上記に基づき好適なランダムアクセスリソースが利用可能でないと判断された場合、UEは、現在のセルが制限されている、すなわちアクセスが認められていないと判断し、別のセルを(再)選択する。
【0073】
あるいは上述のいずれかの組合せが採用される。
【0074】
これに代えて、またはこれに加えて、本発明の例としての実施形態によると、ネットワークがDL無線リソース構成に組み込めるように、UEは最大TX電力レベルに基づいてCEレベルの選択を調整したか否かを標示してもよい。この標示は、UE能力シグナリングに対して追加の情報であり、これと一緒にまたは別々に提供され、事前に、あらかじめ提供されてもよい。
【0075】
一例として、UEは、2つの仮定に基づく比較によりCEレベルの選択が異なるか否かを判断できる。すなわち、実際の対応可能な最大TX電力に基づいた修正を考慮した選択を想定した場合と、CEレベルの選択に対する追加の修正はないものとする場合との比較である。
【0076】
これら2つの仮定により選択されたCEレベルが同一であるか異なるかに応じて、UEは、ULおよびDLに対するCEレベルに差異がある可能性があることをネットワークに示してもよい。
【0077】
これにより、ネットワークはDLおよびULリソース割当てと設定を正しく最適化することができる。
【0078】
さらに、例としての実施形態において、UEは、DL無線リソースがPRACHに基づいて選択されたCEレベルに応じて設定されると想定するものであってもよい。
【0079】
図4Aに動作を示す。この動作は、
図3に示したようなUE10−1および/またはeNB10−2等のネットワークデバイスによって実行されてもよいが、これらに限定されない。ステップ410では、ランダムアクセス動作を用いてネットワークデバイスの前のカバレッジ拡張レベルを調整し、この動作には、少なくとも1つの参照信号受信電力閾値をネットワークデバイスとやり取りすることが含まれる。ステップ420では、ネットワークデバイスの送信電力を決定し、送信電力がネットワークデバイスの送信電力目標値よりも高いか低いかを判定する。
図4Aのステップ430では、送信電力が目標値より高いか低いかに基づいて、少なくとも1つの参照信号受信電力閾値をオフセットする。さらにステップ440では、ネットワークデバイスのカバレッジ拡張レベルを調整するべく、オフセットされた少なくとも1つの参照信号受信電力閾値を用いる。
【0080】
前段落に記載の例としての実施形態によると、送信電力が目標値よりも低い場合は、少なくとも1つの参照信号受信電力閾値に対するオフセットが正のオフセットを含み、送信電力が目標値よりも高い場合は、少なくとも1つの参照信号受信電力閾値に対するオフセットが負のオフセットを含む。
【0081】
前述の段落に記載の例としての実施形態によると、ネットワークデバイスの送信電力目標値は、ネットワークデバイスの電力クラスに基づいている。
【0082】
本発明の上記例としての実施形態によると、装置は、ランダムアクセス動作を用いてネットワークデバイス(
図3に示すUE10−1および/またはeNB10−2)の前のカバレッジ拡張レベルを調整する手段(
図3に示す1つまたは複数のプロセッサ10−A1、10−A2、10−G1、および/または10−G2)を備え、この動作には、少なくとも1つの参照信号受信電力閾値をネットワークデバイスとやり取りすることが含まれる。装置はさらに、ネットワークデバイスの送信電力を決定し、送信電力がネットワークデバイスの送信電力目標値よりも高いか低いかを判定する手段(
図3に示す1つまたは複数のプロセッサ10−A1、10−A2、10−G1、および/または10−G2)を備える。装置はさらに、送信電力が目標値より高いか低いかに基づいて、少なくとも1つの参照信号受信電力閾値をオフセットする手段(
図3に示す1つまたは複数のプロセッサ10−A1、10−A2、10−G1、および/または10−G2)を備える。装置はさらに、ネットワークデバイスのカバレッジ拡張レベルを調整するべく、オフセットされた少なくとも1つの参照信号受信電力閾値を用いる手段(
図3に示すUE10−1、eNB10−2、および/またはネットワークノード10−3によって)を備える。
【0083】
前段落による本発明の例としての態様において、前記調整する手段、判定する手段、オフセットする手段、用いる手段は、少なくとも1つのプロセッサ(
図3に示す1つまたは複数のプロセッサ10−A1、10−A2、10−G1、および/または10−G2)によって実行可能なコンピュータプログラム(
図3に示す1つまたは複数のプログラム10−C1、10−C2、および/または10−C3)によって符号化された非一時的コンピュータ可読媒体(
図3に示す1つまたは複数のメモリ10−B1、10−B2、および/または10−B3)を備える。
【0084】
図4Bにさらに動作を示す。この動作は、
図3に示したようなUE10−1および/またはeNB10−2等のネットワークデバイスによって実行されてもよいが、これらに限定されない。ステップ460では、ユーザ端末によって、複数の参照信号受信電力(RSRP)閾値レベルの少なくとも1つを含むシグナリングを受信する。ステップ470では、ユーザ端末によって、このユーザ端末に対応付けられた電力クラスパラメータを決定する。次に
図4Bのステップ480では、少なくとも前記複数の参照信号受信電力閾値レベルの前記少なくとも1つおよび前記電力クラスパラメータに基づいて、通信ネットワークへのネットワークアクセス手順を実施するべく1つまたは複数のリソースセットの内のあるリソースセットを選択する。
【0085】
前段落に記載の例としての実施形態によると、前記電力クラスパラメータは、いずれの送信帯域においても前記ユーザ端末が利用可能な最大出力電力を定義するものである。
【0086】
前述の段落に記載の例としての実施形態によると、前記ユーザ端末に対応付けられた前記電力クラスパラメータは、システム情報ブロックにおいて前記通信ネットワークから受信される。
【0087】
前述の段落に記載の例示的実施形態によると、前記リソースセットを選択するためのカバレッジ拡張レベルを判定するべく、前記複数の参照信号受信電力閾値レベルの前記少なくとも1つを用いる。
【0088】
前述の段落に記載の例としての実施形態によると、前記電力クラスパラメータによって、前記複数の参照信号受信電力閾値レベルの前記少なくとも1つを調整し、前記選択することは、前記通信ネットワークへの前記ネットワークアクセス手順のために前記リソースセットを選択するためのカバレッジ拡張レベルを判定するべく、前記調整された参照信号受信電力閾値レベルを用いることを含む。
【0089】
前述の段落に記載の例としての実施形態によると、前記調整することは、前記電力クラスパラメータが閾値レベルに満たない場合は前記閾値レベルを引き下げることを含み、前記電力クラスパラメータが閾値レベルを超える場合は前記閾値レベルを引き上げることを含む。
【0090】
前述の段落に記載の例としての実施形態によると、前記複数の参照信号受信電力閾値レベルは、RSRP閾値1、RSRP閾値2、RSRP閾値3に対応する。
【0091】
前述の段落に記載の例としての実施形態によると、前記電力クラスパラメータによって前記ユーザ端末は14dBmデバイスであることが示される場合は、前記通信ネットワークへの前記ネットワークアクセス手順を実施するべく前記RSRP閾値1が選択される。
【0092】
前述の段落に記載の例としての実施形態によると、前記複数の参照信号受信電力閾値レベルは、システム情報ブロックにおいて前記通信ネットワークから受信される。
【0093】
前述の段落に記載の例としての実施形態によると、前記通信ネットワークは、狭帯域IoT(NB−IoT)ネットワークを含む。
【0094】
前述の段落に記載の例としての実施形態によると、前記ユーザ端末は、14dBmの電力クラスに対応するデバイスである。
【0095】
前述の段落に記載の例としての実施形態によると、前記ネットワークアクセス手順は、パケットランダムアクセスチャネル手順を含む。
【0096】
本発明の上記例としての実施形態によると、装置は、ユーザ端末(
図3に示すUE10−1)によって、複数の参照信号受信電力(RSRP)閾値レベルの少なくとも1つを含むシグナリングを受信する手段(
図3に示す1つまたは複数のアンテナ10−F1および/または10−F2、1つまたは複数のプロセッサ10−A1、10−A2、10−G1、および/または10−G2)と、ユーザ端末によって、このユーザ端末に対応付けられた電力クラスパラメータを決定する手段(
図3に示す1つまたは複数のプロセッサ10−A1、10−A2、10−G1、および/または10−G2)と、少なくとも前記複数の参照信号受信電力閾値レベルの前記少なくとも1つおよび前記電力クラスパラメータに基づいて、通信ネットワークへのネットワークアクセス手順を実施するべく1つまたは複数のリソースセットの内のあるリソースセットを選択する手段(
図3に示す1つまたは複数のプロセッサ10−A1、10−A2、10−G1、および/または10−G2)と、を含む。
【0097】
前段落による本発明の例としての態様において、前記受信する手段、決定する手段、選択する手段は、少なくとも1つのプロセッサ (
図3に示す1つまたは複数のプロセッサ10−A1、10−A2、10−G1、および/または10−G2)によって実行可能なコンピュータプログラム(
図3に示す1つまたは複数のプログラム10−C1、10−C2、および/または10−C3)によって符号化された非一時的コンピュータ可読媒体(
図3に示す1つまたは複数のメモリ10−B1、10−B2、および/または10−B3)を備える。
【0098】
本発明の例としての実施形態の効果には、少なくとも以下が挙げられる。
・ CEレベルの判定においてUEの電力クラスを考慮する
・ ランダムアクセス手順における適正なCEレベルの利用による、同周波数および異周波数での干渉の削減
・ 最適化されたUEバッテリ消費
・ 最適化されたNWリソースの利用
・ 幅広い様々なMTCデバイス/サービスに対応していると考えられるNRにおいて、同様の挙動が顕著となりうる。
【0099】
一般的に、各種実施形態は、ハードウェアまたは専用回路、ソフトウェア、論理回路、またはこれらの組合せに実装されてもよい。例えば、一部の態様をハードウェアに、他の態様をコントローラ、マイクロプロセッサ、またはその他のコンピューティングデバイスによって実行可能なファームウェアやソフトウェアに実装してもよいが、本発明はこれらに限定されない。本発明の各種態様は、ブロック図、フローチャート、その他の図式を用いて例示、説明されたとしても、本明細書に記載されたこれらのブロック、装置、システム、技術、または方法は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路または論理回路、汎用ハードウェアまたはコントローラまたはその他のコンピューティングデバイス、またはこれらの何らかの組合せ(ただしこれらに限定されない)によって実装されてもよいことが理解されよう。
【0100】
本発明の例としての実施形態は、集積回路モジュールのような、様々な要素で実施することもできる。集積回路の設計は、概して高度に自動化されたプロセスである。論理レベルの設計を、半導体基板上にエッチングおよび形成するための半導体回路設計に変換する複雑で強力なソフトウェアツールが利用可能である。
【0101】
本明細書に使用される「例示的」という用語は、「一例となる、実例、例示」を意味してもよい。本明細書に「例示的」であると記載されたいずれの実施形態も、その他の実施形態に対して好適である、または有利であると認められるものでは必ずしもない。本セクション「詳細な説明」に記載されたすべての実施形態は、当業者が本発明を製造し使用できるように提供された例示的実施形態であり、請求項に定義された本発明の範囲を限定するものではない。
【0102】
前述の説明は、例示的で非限定的な例によって、本発明を実施するために発明者らによって目下のところ検討された最良の方法および装置を十分かつ詳細に記述している。しかし、こうした前述の説明を、添付する図面および特許請求の範囲と併せて読むと、種々の変更および適応が可能であることは、当該技術分野の当業者には明らかであろう。さらに、本発明が教示するこうした事項のすべておよび同様の変形は、本発明の範囲内にある。
【0103】
なお、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」、またはそれらのいかなる変形も、2つ以上の要素の直接的または間接的な任意の接続または結合を表し、「接続された」または「結合された」2つの要素間に1つ以上の中間要素が存在する場合を含んでもよいことに留意されたい。これらの要素間の結合または接続は、物理的、論理的、またはそれらの組合せであることができる。本明細書において採用したように、2つの要素は、非限定的かつ非網羅的ないくつかの例として、1つ以上のワイヤ、ケーブル、および/またはプリント電気接続部を用いて、または、無線周波数領域、マイクロ波領域、および光学(可視および不可視の両方)領域の波長を有するものなどの電磁エネルギーを用いて「接続された」または「結合された」とみなしてもよい。
【0104】
また、本発明の好ましい実施形態の特徴の一部は、他の特徴を用いることなく有利に用いることができるであろう。したがって、前述の記述は単に本発明の原理を説明するのみであり、それを限定するものではないとみなすべきである。