特許第6865274号(P6865274)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6865274セットアップ条件の設定装置、およびセットアップ条件の設定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6865274
(24)【登録日】2021年4月7日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】セットアップ条件の設定装置、およびセットアップ条件の設定方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/00 20060101AFI20210419BHJP
【FI】
   H05K13/00 Z
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-516761(P2019-516761)
(86)(22)【出願日】2017年5月9日
(86)【国際出願番号】JP2017017485
(87)【国際公開番号】WO2018207245
(87)【国際公開日】20181115
【審査請求日】2019年10月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】特許業務法人 共立
(72)【発明者】
【氏名】山下 幸宏
(72)【発明者】
【氏名】大橋 輝之
【審査官】 大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−042523(JP,A)
【文献】 特開2000−059090(JP,A)
【文献】 特開平09−223896(JP,A)
【文献】 特開2012−094663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00
H05K 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換および配設位置の変更の少なくとも一方が可能な構成装置を有して電子部品を基板に装着する部品装着機において、または、複数の前記部品装着機を列設して構成した部品装着ラインにおいて、前記基板の基板種に応じて選択的に使用する前記構成装置、および前記基板種に応じて変更する前記配設位置の少なくとも一方を規定するセットアップ条件を設定する装置であって、
前記基板の複数の前記基板種の現在以降の生産量または生産比率に関する予測情報を取得する生産予測情報取得部と、
前記生産量または前記生産比率の特徴的な変化時点に基づいて、現在以降を複数の生産期間に区切る期間区切り部と、
複数の前記生産期間の各々に対し、前記生産期間内で混合して生産する前記基板の複数の基板種に共通であって前記生産期間内でセットアップ作業を不要とする前記セットアップ条件を個別に設定する条件設定部と、
を備えるセットアップ条件の設定装置。
【請求項2】
前記条件設定部は、各前記生産期間の複数の前記基板種の前記生産量または前記生産比率に基づいて、各前記セットアップ条件を個別に設定する、
請求項1に記載のセットアップ条件の設定装置。
【請求項3】
前記条件設定部は、
各前記生産期間について、前記生産量または前記生産比率が大きな前記基板種の装着作業効率を高くし、かつ他の前記基板種の装着作業を行えるという条件下で前記セットアップ条件を最適化する最適化演算部を含む、
請求項1または2に記載のセットアップ条件の設定装置。
【請求項4】
特徴的な前記変化時点は、
二種類の前記基板種の前記生産量または前記生産比率の大小関係が入れ替わる時点、
或る前記基板種の前記生産量または前記生産比率が閾値をまたいで増加または減少する時点、および、
或る前記基板種の前記生産量または前記生産比率が閾変化量だけ増加または減少する時点、の少なくとも一つの時点を含む、
請求項1または2に記載のセットアップ条件の設定装置。
【請求項5】
特徴的な前記変化時点に前記セットアップ条件を変更するセットアップ作業が必要となる旨を、事前に、または必要になった時点に通知する通知部をさらに備える、
請求項1〜4のいずれか一項に記載のセットアップ条件の設定装置。
【請求項6】
前記構成装置は、
キャリアテープを用いて前記電子部品を供給するフィーダ装置、
トレイまたはダイシングシートを載置したパレットを用いて前記電子部品を供給するパレット装置、
前記フィーダ装置または前記パレット装置から前記電子部品を採取して前記基板に装着する部品装着具、および、
前記部品装着具を水平移動可能および昇降可能に保持する装着ヘッド、の少なくとも一つを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のセットアップ条件の設定装置。
【請求項7】
交換および配設位置の変更の少なくとも一方が可能な構成装置を有して電子部品を基板に装着する部品装着機において、または、複数の前記部品装着機を列設して構成した部品装着ラインにおいて、前記基板の基板種に応じて選択的に使用する前記構成装置、および前記基板種に応じて変更する前記配設位置の少なくとも一方を規定するセットアップ条件を設定する方法であって、
前記基板の複数の前記基板種の現在以降の生産量または生産比率に関する予測情報を取得し、
前記生産量または前記生産比率の特徴的な変化時点に基づいて、現在以降を複数の生産期間に区切り、
複数の前記生産期間の各々に対し、前記生産期間内で混合して生産する前記基板の複数の基板種に共通であって前記生産期間内でセットアップ作業を不要とする前記セットアップ条件を個別に設定する、
セットアップ条件の設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、部品装着機または部品装着ラインにおいて、フィーダ装置や部品装着具などの構成装置の取捨選択や、構成装置の配設位置を規定するセットアップ条件を設定する装置、および設定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント配線が施された基板に電子部品(以下、部品と称する)を実装するための諸作業(以下、対基板作業と称する)を実施して、回路基板を量産する技術が普及している。対基板作業を実施する対基板作業機として、はんだ印刷機、部品装着機、リフロー機、基板検査機などがある。これらの対基板作業機を連結して対基板作業ラインを構成することが一般的になっている。さらに、複数の部品装着機を列設して部品装着ラインを構成する場合も多い。部品装着機は、一般的に、基板搬送装置、部品供給装置、および部品移載装置を備える。部品供給装置として、複数のフィーダ装置を列設した構成が多用される。
【0003】
部品装着機や部品装着ラインでは、基板種の切り替えに対応して装着する部品の部品種が切り替わるため、必要に応じてフィーダ装置を交換するセットアップ作業が行なわれる。また、装着作業を効率化するために、複数のフィーダ装置の配設位置の列設順序、換言すると複数の部品種の供給位置の並び順も変更される。使用するフィーダ装置を規定し、複数のフィーダ装置の配設位置の列設順序を規定するものがセットアップ条件である。
【0004】
また、フィーダ装置の装備可能な数量に余裕がある場合には、複数の基板種に対してセットアップ作業を行わなくても済むように、共通のセットアップ条件が作成される。さらに、セットアップ作業では、部品移載装置の装着ヘッドや部品装着具が交換される場合もある。装着ヘッドや部品装着具の取捨選択も、セットアップ条件に規定される。この種のセットアップ条件に関する技術例が特許文献1に開示されている。
【0005】
特許文献1に開示された部品配置の決定方法は、複数の基板種の生産の頻度を特定する工程と、複数の基板種を部品供給手段(構成装置)の配設位置を変更することなく生産可能な複数のグループに分ける工程と、各グループについて部品供給手段の配設位置を決定する工程と、を備える。これによれば、複数の基板種を生産する部品装着機において、効率的に基板を生産できる部品供給手段の配置を決定できる、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2016−42523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1において、複数の基板種の生産量(生産の頻度)を考慮して部品供給手段の配設位置を決定することにより、効率的に基板を生産できる点は好ましい。しかしながら、それぞれの基板種は、固有のライフサイクルのトレンドをもち、時間の経過に伴って生産量(生産の頻度)が変化する。特に、パソコンや携帯電話などの情報関連機器に用いられる基板では、一般的にライフサイクルが短い。このため、複数の基板種に対して最適な共通のセットアップ条件を設定しても、時間が経過すると最適でなくなるという問題が生じる。
【0008】
例えば、共通のセットアップ条件を設定する時点で生産量が多くて重視していた特定の基板種が、数ヵ月後には殆ど生産されなくなる場合がある。この場合、特定の基板種の装着作業効率が高くなり、これによって総合的な生産効率が高くなるように、セットアップ条件が設定される。ところが、数ヵ月後には、特定の基板種を高い装着作業効率で生産することは稀になり、他の基板種を低い装着作業効率で生産するケースが多くなって、総合的な生産効率が低下する。
【0009】
本明細書では、複数の基板種のライフサイクルのトレンドを考慮しつつ部品装着機または部品装着ラインのセットアップ条件を設定して、高い装着作業効率を維持できるようにしたセットアップ条件の設定装置、およびセットアップ条件の設定方法を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書は、交換および配設位置の変更の少なくとも一方が可能な構成装置を有して電子部品を基板に装着する部品装着機において、または、複数の前記部品装着機を列設して構成した部品装着ラインにおいて、前記基板の基板種に応じて選択的に使用する前記構成装置、および前記基板種に応じて変更する前記配設位置の少なくとも一方を規定するセットアップ条件を設定する装置であって、前記基板の複数の前記基板種の現在以降の生産量または生産比率に関する予測情報を取得する生産予測情報取得部と、前記生産量または前記生産比率の特徴的な変化時点に基づいて、現在以降を複数の生産期間に区切る期間区切り部と、複数の前記生産期間の各々に対し、前記生産期間内で混合して生産する前記基板の複数の基板種に共通であって前記生産期間内でセットアップ作業を不要とする前記セットアップ条件を個別に設定する条件設定部と、を備えるセットアップ条件の設定装置を開示する。
【0011】
また、本明細書は、交換および配設位置の変更の少なくとも一方が可能な構成装置を有して電子部品を基板に装着する部品装着機において、または、複数の前記部品装着機を列設して構成した部品装着ラインにおいて、前記基板の基板種に応じて選択的に使用する前記構成装置、および前記基板種に応じて変更する前記配設位置の少なくとも一方を規定するセットアップ条件を設定する方法であって、前記基板の複数の前記基板種の現在以降の生産量または生産比率に関する予測情報を取得し、前記生産量または前記生産比率の特徴的な変化時点に基づいて、現在以降を複数の生産期間に区切り、複数の前記生産期間の各々に対し、前記生産期間内で混合して生産する前記基板の複数の基板種に共通であって前記生産期間内でセットアップ作業を不要とする前記セットアップ条件を個別に設定する、セットアップ条件の設定方法を開示する。
【発明の効果】
【0012】
本明細書で開示するセットアップ条件の設定装置や設定方法では、複数の基板種の現在以降の生産量または生産比率の特徴的な変化時点に基づいて、現在以降を複数の生産期間に区切り、複数の生産期間の各々に対し、生産期間内で混合して生産する基板の複数の基板種に共通であって生産期間内でセットアップ作業を不要とするセットアップ条件を個別に設定する。これにより、複数の基板種のライフサイクルの台頭や衰退のトレンドに合わせて、各生産期間で装着作業効率が高くなるようにセットアップ条件を適切に設定できる。したがって、複数の生産期間を通して、高い装着作業効率が維持される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】部品装着ラインの構成を模式的に示す平面図である。
図2】部品装着ラインを構成する部品装着機の構成を示す平面図である。
図3】セットアップ条件の設定装置の動作フローを示したフローチャートの図である。
図4】基板Kの複数の基板種の現在以降の生産量の予測情報を模式的に例示した図である。
図5】第2実施形態の期間区切り部の動作フローを示したフローチャートの図である。
図6】第2実施形態における特徴的な変化時点を例示説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.部品装着ライン6の構成
第1実施形態のセットアップ条件の設定装置7について、図1図4を参考にして説明する。まず、セットアップ条件の設定装置7の対象となる部品装着ライン6の構成について説明する。図1は、部品装着ライン6の構成を模式的に示す平面図である。図1の左右に延びるX軸方向は、基板を搬送する搬送方向であり、ライン長さ方向でもある。図1の上下に延びるY軸方向は、ライン幅方向である。部品装着ライン6は、6台の部品装着機1が直列に配置されて構成されている。部品装着ライン6の上流側に、半田印刷機61および印刷検査機62が列設される。また、部品装着ライン6の下流側に、基板外観検査機63およびリフロー機64が列設される。これにより、10台の対基板作業機からなる対基板作業ラインが構成される。
【0015】
6台の部品装着機1は、同一構造とされており、これに限定されない。図2は、部品装着ライン6を構成する部品装着機1の構成を示す平面図である。部品装着機1は、基台51上に基板搬送装置2、2個の部品供給装置(3A、3B)、および部品移載装置4などが配設されて構成される。
【0016】
基板搬送装置2は、第1ガイドレール21および第2ガイドレール22、一対のコンベアベルト、クランプ装置などで構成される。第1ガイドレール21および第2ガイドレール22は、基台51の上部中央を横断してX方向に延在し、かつ互いに平行するように基台51に組み付けられている。基板Kの幅に合わせて離間距離を調整できるように、第2ガイドレール22は移動可能となっている。第1ガイドレール21および第2ガイドレール22の向かい合う内側に、互いに平行に配置された一対のコンベアベルトが並設される。一対のコンベアベルトは、輪転することによって載置された基板Kを搬送する。また、基台51の中央部のコンベアベルトの下方に、基板Kを押し上げて装着実施位置にクランプするクランプ装置が配置される。
【0017】
第1部品供給装置3Aは、部品装着機1のライン幅方向の一側面(図1の下側)に設けられる。第2部品供給装置3Bは、部品装着機1のライン幅方向の他側面(図1の上側)に設けられる。第1部品供給装置3Aは、複数のフィーダ装置31が着脱可能に列設されて構成される。フィーダ装置31は、交換可能かつ配設位置の変更が可能な構成装置である。図2の例で、18個のフィーダ装置31が列設されている。フィーダ装置31は、本体32と、本体32の後部に設けられた供給リール33と、本体32の先端に設けられた部品取出部34と、を有する。供給リール33には、多数の部品が所定ピッチで封入されたキャリアテープ(図示省略)が巻回保持される。このキャリアテープが所定ピッチで引き出され、部品が封入状態を解除されて部品取出部34に順次送り込まれる。
【0018】
同様に、第2部品供給装置3Bも、18個のフィーダ装置31が着脱可能に列設されて構成される。第1部品供給装置3Aおよび第2部品供給装置3Bは、機台51に対して着脱可能に装備される。また、第1部品供給装置3Aおよび第2部品供給装置3Bは、6台の部品装着機1の一側面および他側面のどこにでも装備できる互換性を有する。
【0019】
なお、第1部品供給装置3Aおよび第2部品供給装置3Bは、上述したフィーダ装置31以外の別の構成装置を有してもよい。別の構成装置として、トレイ方式やダイシングシート方式のパレット装置を例示できる。トレイ方式のパレット装置は、複数の部品を保持するトレイを載置したパレットを用いて、部品を供給する。ダイシングシート方式のパレット装置は、複数の部品を保持するダイシングシートを張設したパレットを用いて、ダイ部品を供給する。
【0020】
部品移載装置4は、固定レール41、移動台42、装着ヘッド44、吸着ノズル45、および基板認識用カメラ46などで構成される。固定レール41は、基板搬送装置2の上方に配置されて、Y軸方向に延在する。移動台42は、固定レール41の下側に移動可能に装荷されて、X軸方向およびY軸方向に移動する。移動台42には、支持ベース43が着脱可能に設けられる。支持ベース43には、装着ヘッド44および基板認識用カメラ46が設けられる。
【0021】
装着ヘッド44は、下側に吸着ノズル45を有する。装着ヘッド44には、1本の吸着ノズル45を有するシングルノズルヘッドや、複数本の吸着ノズル45を回転可能に有するマルチノズルヘッドなどの種類が有る。吸着ノズル45は、フィーダ装置31から部品を吸着して基板Kに装着する。吸着ノズル45は、部品のサイズに合わせて、ノズル外径および下端の吸着開口部の大きさが異なる複数種類が使い分けられる。装着ヘッド44や吸着ノズル45は、交換可能な構成装置である。基板認識用カメラ46は、位置決めされた基板Kのフィデューシャルマークを読み取り、基板Kの装着実施位置の誤差を認識する。この誤差は、吸着ノズル45が部品を装着するときの位置制御に反映される。
【0022】
部品装着機1は、さらに、基板搬送装置2と第1部品供給装置3Aとの間の基台51上に、第1部品認識用カメラ52を有する。また、部品装着機1は、基板搬送装置2と第2部品供給装置3Bとの間の基台51上に、第2部品認識用カメラ53を有する。第1部品認識用カメラ52および第2部品認識用カメラ53は、吸着ノズル45に吸着された部品を撮像して、部品の吸着位置や回転角のずれ、リードの曲がりなどを検出する。
【0023】
図1に戻り、部品装着ライン6を含む対基板作業ラインの稼働状況を管理するために、ホストコンピュータ70が設けられている。ホストコンピュータ70は、対基板作業機(6台の部品装着機1、半田印刷機61、印刷検査機62、基板外観検査機63、およびリフロー機64)に通信接続されている。ホストコンピュータ70は、基板Kの基板種ごとのジョブデータを保持している。ジョブデータは、それぞれの対基板作業機が実施する対基板作業の詳細な方法や手順を記述したデータである。ホストコンピュータ70は、それぞれの対基板作業機にジョブデータや各種の指令を送信し、対基板作業機から稼動状況に関する情報などを受信する。
【0024】
また、ホストコンピュータ70は、生産計画サーバ8にアクセス可能とされている。生産計画サーバ8は、基板Kの基板種ごとの生産量や生産時期などの情報を一元的に管理する。生産計画サーバ8は、基板Kを生産する製造部門や、基板Kの原材料を調達する調達部門などに、管理している情報を提供する。
【0025】
2.第1実施形態のセットアップ条件の設定装置7
第1実施形態のセットアップ条件の設定装置7の説明に移る。設定装置7は、複数の部品装着機1を列設して構成した部品装着ライン6において、現在以降の複数の生産期間の各セットアップ条件を個別に設定する。設定装置7は、ホストコンピュータ70のソフトウェアの機能によって実現された生産予測情報取得部71、期間区切り部72、条件設定部73、および通知部75を備える。さらに、条件設定部73は、最適化演算部74を含む。生産予測情報取得部71、期間区切り部72、条件設定部73、最適化演算部74、および通知部75の機能については、後の動作説明に併せて詳述する。
【0026】
ここで、セットアップ条件について説明する。部品装着ライン6では、基板種の切り替えに対応して装着する部品の部品種が切り替わるため、必要に応じてフィーダ装置31を交換するセットアップ作業が行なわれる。また、装着作業を効率化するために、複数のフィーダ装置31の配設位置の列設順序、換言すると複数の部品種の供給位置の並び順も変更される。
【0027】
例えば、図2において、部品移載装置4の吸着ノズル45は、フィーダ装置31から部品を吸着し、次いで第1部品認識用カメラ52また第2部品認識用カメラ53に移動し、その後に基板Kへと移動する。したがって、部品供給装置(3A、3B)の中央付近のフィーダ装置31では、吸着ノズル45の移動距離が短くなる。このため、使用頻度の高い部品種を部品供給装置(3A、3B)の中央付近に並べることにより、装着作業を効率化できる。使用する複数のフィーダ装置31を規定するとともに、それらの列設順序を規定するものがセットアップ条件である。
【0028】
さらに、複数の基板種に対してセットアップ作業を行わなくても済むように、共通のセットアップ条件が作成される。これによれば、基板種の切り替え時にセットアップ作業を要しないケースが増加して、セットアップ作業の実施回数が削減される。
【0029】
また、セットアップ作業で、部品移載装置4の装着ヘッド44や吸着ノズル45が交換される場合もある。例えば、小型のチップ部品のみを装着する部品移載装置4の装着ヘッド44には、多数の吸着ノズル45を有するマルチノズルヘッドが有利となる。一方、大型部品や特殊部品を装着する部品移載装置4では、大形の吸着ノズル45が必要になる。部品移載装置4の構成装置である装着ヘッド44や吸着ノズル45の取捨選択も、セットアップ条件に規定される。
【0030】
図3は、セットアップ条件の設定装置7の動作フローを示したフローチャートの図である。図3のステップS1で、設定装置7の生産予測情報取得部71は、基板Kの複数の基板種の現在nowから予測終了時期endまでの生産量に関する予測情報を、生産計画サーバ8から取得する。これに限定されず、生産予測情報取得部71は、作業者が入力設定した予測情報を取得してもよい。図4は、基板Kの複数の基板種の現在now以降の生産量Vの予測情報を模式的に例示した図である。図4の横軸は現在nowを原点とする時間、縦軸は基板種ごとの生産量Vである。生産量Vは、単位期間当たりの生産量、例えば、1週間当たりの生産量や1月当たりの生産量で表される。
【0031】
図4には、A基板種の生産量VA、B基板種の生産量VB、およびC基板種の生産量VCの時間的推移が示されている。現在nowの時点で、大きい側から生産量VA、生産量VB、および生産量VCの順番となっている。現在nowの時点で、A基板種のライフサイクルは、衰退傾向にある。また、B基板種のライフサイクルは、台頭傾向にあり、C基板種のライフサイクルは、創成時期の横ばい傾向にある。
【0032】
次のステップS2で、設定装置7の期間区切り部72は、生産量の特徴的な変化時点を抽出する。本第1実施形態において、特徴的な変化時点は、二種類の基板種の生産量の大小関係が入れ替わる時点とされている。これに基づき、期間区切り部72は、まず、B基板種の生産量VBがA基板種の生産量VAを上回る第1変化時点T1を抽出する。第1変化時点T1以降の生産量は、大きい側から生産量VB、生産量VA、および生産量VCの順番となる。第1変化時点T1を過ぎてから、C基板種のライフサイクルは、台頭傾向に進展する。
【0033】
期間区切り部72は、次に、C基板種の生産量VCがA基板種の生産量VAを上回る第2変化時点T2を抽出する。第2変化時点T2以降の生産量は、大きい側から生産量VB、生産量VC、および生産量VAの順番となる。第2変化時点T2を過ぎると、B基板種のライフサイクルは、成熟時期の横ばい傾向となる。期間区切り部72は、その次に、C基板種の生産量VCがB基板種の生産量VBを上回る第3変化時点T3を抽出する。第3変化時点T3以降の生産量は、大きい側から生産量VC、生産量VB、および生産量VAの順番となる。第3変化時点T3から予測終了時期endまでの間に、大小関係が入れ替わる時点は存在しない。
【0034】
次のステップS3で、期間区切り部72は、三つの変化時点(T1、T2、T3)に基づいて、現在以降を四つの生産期間(P1、P2、P3、P4)に区切る。具体的に、期間区切り部72は、現在nowから第1変化時点T1までを第1生産期間P1とし、第1変化時点T1から第2変化時点T2までを第2生産期間P2とする。さらに、期間区切り部72は、第2変化時点T2から第3変化時点T3までを第3生産期間P3とし、第3変化時点T3から予測終了時期endまでを第4生産期間P4とする。
【0035】
なお、期間区切り部72は、現在nowの時点で四つ生産期間(P1、P2、P3、P4)を一挙に求めてもよいし、第1生産期間P1および第2生産期間P2のみを求めてもよい。後者の方法の場合、期間区切り部72は、第1生産期間P1の終わり頃に第2変化時点T2および第3生産期間P3を求め、第2生産期間P2の終わり頃に第3変化時点T3および第4生産期間P4を求める。後者の方法は、生産量の予測情報の誤差が大きくて、現在nowにおける第2変化時点T2や第3変化時点T3の予測精度が低い場合に有効である。
【0036】
次のステップS4で、条件設定部73の最適化演算部74は、求められた各生産期間(P1〜P4)について、最適化演算を行う。詳述すると、最適化演算部74は、第1生産期間P1について、生産量VAが最も大きなA基板種の装着作業効率を最優先で高くし、生産量VBが2番目のB基板種の装着作業効率を2番目に優先し、かつC基板種の装着作業を行えるという条件下で、セットアップ条件を最適化する。同様に、最適化演算部74は、第2生産期間P2について、生産量VBが最も大きなB基板種の装着作業効率を最優先で高くし、生産量VAが2番目のA基板種の装着作業効率を2番目に優先し、かつC基板種の装着作業を行えるという条件下で、セットアップ条件を最適化する。
【0037】
最適化演算部74は、第3生産期間P3および第4生産期間P4についても、同様の最適化演算を行う。これにより、全部の生産期間(P1、P2、P3、P4)で、それぞれ装着作業効率が高くなる。最適化演算の具体的な方法として、公知の各種技術の応用が可能である。公知の技術として、本願出願人が国際公開第2016/103472号や国際公開第2016/139793号に開示した技術を例示できる。
【0038】
なお、最適化演算の目標は、装着作業効率を高めることだけに限定されない。例えば、セットアップ作業の手間を軽減することを目標に付加してもよい。具体的には、フィーダ装置31の列設順序を部分的に引き継ぐようにすれば、位置変更数を削減できる。また、汎用の吸着ノズル45を多用すれば、ノズル交換回数を削減できる。これらの方策を採用することにより、セットアップ作業の手間を軽減できる。
【0039】
次のステップS5で、条件設定部73は、複数の生産期間(P1〜P4)の最適化されたセットアップ条件を個別に設定する。次のステップS6で、通知部75は、設定されたセットアップ条件を通知する。通知部75の具体的な通知手段として、図略の表示装置を用いた表示による通知や、図略の通信装置を用いた作業者の携帯端末への通知などを例示できる。
【0040】
また、通知部75の通知方法として、下記のa)、b)、c)を適宜選択できる。
a)通知部75は、全部の生産期間(P1、P2、P3、P4)の各セットアップ条件、および全部の変化時点(T1、T2、T3)を一挙に通知する。この場合、第1生産期間P1のセットアップ条件以外は、事前の予告通知となる。作業者は、第1生産期間P1のセットアップ条件にしたがって、今回のセットアップ作業を実施できる。また、作業者は、第1変化時点T1および第2生産期間P2のセットアップ条件を参照して、次回のセットアップ作業を計画的に実施できる。作業者は、さらに、第3生産期間P3および第4生産期間P4に対応するセットアップ作業についても、同様に計画的に実施できる。
【0041】
b)通知部75は、第1生産期間P1のセットアップ条件を通知するとともに、第1変化時点T1および第2生産期間P2のセットアップ条件を事前通知する。この後の時間の経過に応じて、通知部75は、次以降の変化時点(T2、T3)および次以降の生産期間(P3、P4)のセットアップ条件を逐次事前通知する。この場合、作業者は、第1生産期間P1に対応する今回のセットアップ作業を実施できる。また、作業者は、第2生産期間P2に対応する次回のセットアップ作業を計画的に実施できる。
【0042】
c)通知部75は、第1生産期間P1のセットアップ条件のみを通知する。この後に第1変化時点T1が到来し、または近付いてから、通知部75は、第2生産期間P2のセットアップ条件を通知する。以降の変化時点(T2、T3)が到来し、または近付くたびに、通知部75は、その後の生産期間(P3、P4)のセットアップ条件を通知する。この場合、作業者は、第1生産期間P1に対応する今回のセットアップ作業を実施できる。そして、以降の生産期間(P2、P3、P4)に対応する通知を逐次受け取るので、作業者は、遅滞なく次回以降のセットアップ作業を実施できる。この方法では、セットアップ作業の計画実施は難しいが、変化時点(T1、T2、T3)の予測精度が低い場合に有効となる。
【0043】
第1実施形態において、複数の基板種のライフサイクルの台頭や衰退のトレンドに合わせて、各生産期間(P1、P2、P3、P4)で装着作業効率が高くなるようにセットアップ条件を適切に設定できる。したがって、複数の生産期間(P1、P2、P3、P4)を通して、高い装着作業効率が維持される。さらに、作業者は、複数の生産期間(P1、P2、P3、P4)に対応するセットアップ作業を計画的に実施できる。これに対して、一般的な従来技術では、基板種の組合せが変化しないとセットアップ作業が行われないので、装着作業効率が次第に低下する。
【0044】
3.第2実施形態の段取り替え作業の設定装置7
第2実施形態の段取り替え作業の設定装置7について、図5および図6を参考にして、第1実施形態と異なる点を主に説明する。第2実施形態において、期間区切り部72は、基板種ごとの生産量(VA、VB、VC)でなく、生産比率(RA、RB、RC)の変化に着目して特徴的な変化時点を抽出する。すなわち、第2実施形態において、特徴的な変化時点は、或る基板種の生産比率(RA、RB、RC)が閾変化量ΔRだけ増加または減少する時点とされている。図5は、第2実施形態の期間区切り部72の動作フローを示したフローチャートの図である。図6は、第2実施形態における特徴的な変化時点を例示説明する図である。
【0045】
図6に示されるA基板種の生産量VA、B基板種の生産量VB、およびC基板種の生産量VCの時間的推移は、図4と同じである。任意の時点tのA基板種の生産比率RA(t)、B基板種の生産比率RB(t)、およびC基板種の生産比率RC(t)は、次式を用いて算出される。
RA(t)=VA/(VA+VB+VC)
RB(t)=VB/(VA+VB+VC)
RC(t)=VC/(VA+VB+VC)
ただし、生産量VA、生産量VB、および生産量VCは、時点tにおける値である。
【0046】
第2実施形態においても、設定装置7は、図3の動作フローを実行する。ただし、期間区切り部72は、ステップS2で、図5に示された詳細な動作フローを実行する。図5のステップS11で、期間区切り部72は、現在nowの生産比率RA(now)、生産比率RB(now)、および生産比率RC(now)を算出し、以降の増減変化の基準比率とする。
【0047】
図6に示されるように、現在nowの時点において、生産量VA=7300、生産量VB=1900、生産量VC=800である。したがって、現在nowのA基板種の生産比率RA(now)、B基板種の生産比率RB(now)、およびC基板種の生産比率RC(now)は、次の値になる。
RA(now)=7300/10000=0.73
RB(now)=1900/10000=0.19
RC(now)=800/10000=0.08
【0048】
次のステップS12で、期間区切り部72は、次の時点tに着目する。次のステップS13で、期間区切り部72は、時点tにおける生産比率RA(t)、生産比率RB(t)、および生産比率RC(t)を算出する。さらに、期間区切り部72は、絶対値記号を含んだ次式を用いて、A基板種の生産比率の変化量ΔA、B基板種の生産比率の変化量ΔB、およびC基板種の生産比率の変化量ΔCをそれぞれ算出する。
ΔA=|RA(t)−RA(now)|
ΔB=|RB(t)−RB(now)|
ΔC=|RC(t)−RC(now)|
【0049】
次のステップS14で、期間区切り部72は、変化量ΔA、変化量ΔB、および変化量ΔCの中の最大値が閾変化量ΔX以上となっているか否かを判定する。閾変化量ΔXとして、例えば0.2を設定でき、これに限定されない。最大値が閾変化量ΔX以上となっている場合のステップS15で、期間区切り部72は、この時点tを第1変化時点T11として記憶する。さらに、次のステップS16で、期間区切り部72は、第1変化時点T11の生産比率RA(T11)、生産比率RB(T11)、および生産比率RC(T11)を、以降の増減変化の基準比率に更新する。つまり、第1変化時点T11以降、変化量は、次式を用いて算出される。
ΔA=|RA(t)−RA(T11)|
ΔB=|RB(t)−RB(T11)|
ΔC=|RC(t)−RC(T11)|
【0050】
この後、期間区切り部72は、動作フローの実行をステップS12に戻して、第2変化時点T12以降の抽出を試みる。なお、2回目のステップS15で、期間区切り部72は、時点tを第2変化時点T12として記憶する。さらに、2回目のステップS16で、期間区切り部72は、第2変化時点T12の生産比率RA(T12)、生産比率RB(T12)、および生産比率RC(T12)を、以降の増減変化の基準比率に更新する。3回目以降のステップS16でも、同様に基準比率が更新される。
【0051】
また、ステップS14で最大値が閾変化量ΔX以上となってない場合に、期間区切り部72は、フローの実行をステップS17に進める。ステップS17で、期間区切り部72は、予測終了時期endに到達しているか否か判定する。予測終了時期endに到達していない場合、期間区切り部72は、動作フローの実行をステップS12に戻して、継続動作する。予測終了時期endに到達している場合、期間区切り部72は、動作フローを終了して、図3のステップS3に戻る。
【0052】
図6の例で、第1変化時点T11以前の時点tにおいて、変化量ΔA、変化量ΔB、および変化量ΔCは、閾変化量ΔRの0.2よりも小さい。したがって、現在nowから第1変化時点T11までの間、ステップS12、ステップS13、ステップS14、およびステップS17によって構成されるループが繰り返される。
【0053】
そして、第1変化時点T11において、生産量VA=4000、生産量VB=2700、生産量VC=800であり、次の生産比率RA(T11)、RB(T11)、RC(T11)が算出される。
RA(T11)=4000/7500≒0.53
RB(T11)=2700/7500=0.36
RC(T11)=800/7500≒0.11
【0054】
つまり、A基板種の生産比率RA(t)が0.73から0.53まで減少して、変化量ΔAが閾変化量ΔR(=0.2)に一致する。これにより、動作フローの実行がステップS14からステップS15に進められ、第1変化時点T11が抽出される。また、ステップS16で、上記した生産比率RA(T11)、生産比率RB(T11)、および生産比率RC(T11)の値が、以降の増減変化の基準比率に更新される。
【0055】
次に、図6の第2変化時点T12において、生産量VA=2300、生産量VB=3700、生産量VC=1000であり、次の生産比率RA(T12)、RB(T12)、RC(T12)が算出される。
RA(T12)=2300/7000≒0.33
RB(T12)=3700/7000≒0.53
RC(T12)=1000/7000≒0.14
【0056】
第1変化時点T11から第2変化時点T12までの間、変化量ΔA、変化量ΔB、および変化量ΔCは、閾変化量ΔRの0.2よりも小さい。そして、A基板種の生産比率RA(t)が0.53から0.33まで減少して、変化量ΔAが再び閾変化量ΔR(=0.2)に一致したことにより、第2変化時点T12が抽出される。
【0057】
その次に、図6の第3変化時点T13において、生産量VA=1300、生産量VB=4100、生産量VC=2800であり、次の生産比率RA(T13)、RB(T13)、RC(T13)が算出される。
RA(T13)=1300/8200≒0.16
RB(T13)=4100/8200≒0.50
RC(T13)=2800/8200≒0.34
【0058】
第2変化時点T12から第3変化時点T13までの間、変化量ΔA、変化量ΔB、および変化量ΔCは、閾変化量ΔRの0.2よりも小さい。そして、C基板種の生産比率RC(t)が0.14から0.34まで増加して、変化量ΔCが閾変化量ΔR(=0.2)に一致したことにより、第3変化時点T13が抽出される。
【0059】
第3変化時点T13から予測終了時期endまでの間に、条件を満たす変化時点は存在しない。したがって、動作フローのステップS15は、3回実行されて三つの変化時点(T11、T12、T13)が記憶される。期間区切り部72は、最終的に、現在nowから第1変化時点T11までを第1生産期間P11とし、第1変化時点T11から第2変化時点T12までを第2生産期間P12とする。さらに、期間区切り部72は、第2変化時点T12から第3変化時点T13までを第3生産期間P13とし、第3変化時点T13から予測終了時期endまでを第4生産期間P14とする。
【0060】
なお、最適化演算部74は、各生産期間(P11、P12、P13、P14)内で、生産比率RA(t)、生産比率RB(t)、および生産比率RC(t)を考慮した最適化演算を行うことが好ましい。第2実施形態において、生産期間(P11、P12、P13、P14)の区切り方は第1実施形態と異なるが、同様の作用および効果が生じる。すなわち、複数の生産期間(P11、P12、P13、P14)を通して、高い装着作業効率が維持される。また、作業者は、複数の生産期間(P11、P12、P13、P14)に対応するセットアップ作業を計画的に実施できる。
【0061】
4.実施形態の応用および変形
なお、第1および第2実施形態において、複数の基板種の生産量は必須でなく、予測情報として生産比率だけを用いてもよい。また、特徴的な変化時点は、或る基板種の生産量または生産比率が閾値をまたいで増加または減少する時点、としてもよい。例えば、図6において、30%の閾値を設定し、A基板種の生産比率RA(t)が30%未満まで減少する時点、ならびに、B基板種の生産比率RB(t)およびC基板種の生産比率RC(t)が30%を超えて増加する時点を、それぞれ変化時点とすることができる。さらに、予測情報が変化したときに、自動的に再動作して修正演算を行うように構成することも可能である。
【0062】
また、セットアップ条件の設定装置7は、ホストコンピュータ70と別体とすることもできる。さらに、セットアップ条件の設定装置7は、セットアップ条件の設定方法として実施することもできる。また、部品装着ライン6を構成する部品装着機1は6台以外でもよく、設定装置7は、単一の部品装着機1を対象としてもよい。さらに、対基板作業ラインのライン構成も限定されない。第1および第2実施形態は、その他にも様々な応用や変形が可能である。
【符号の説明】
【0063】
1:部品装着機 2:基板搬送装置 3A:第1部品供給装置 3B:第2部品供給装置 31:フィーダ装置 4:部品移載装置 6:部品装着ライン 7:セットアップ作業の設定装置 70:ホストコンピュータ 71:生産予測情報取得部 72:期間区切り部 73条件設定部 74:最適化演算部 75:通知部 8:生産計画サーバ T1、T11:第1変化時点 T2、T12:第2変化時点 T3、T13:第3変化時点 P1、P11:第1生産期間 P2、P12:第2生産期間 P3、P13:第3生産期間 P4、P14:第4生産期間
図1
図2
図3
図4
図5
図6