【実施例】
【0114】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は以下の実施例に記載したものに限定されるものではない。
なお、実施例中において特に限定されない限り、配合量は重量%を示す。
【0115】
(原料となる化合物5の合成)
【化65】
【0116】
(ニトロ化反応)
基質(10 mmol, 1.98g)をナスフラスコに入れ、17mL の硫酸を加え、0 ℃にした。その後、硝酸ナトリウム(10 mmol, 0.85g)を加え、5分間攪拌した。室温に戻し、1.5時間攪拌させた。反応終了後、0℃にし混合物に水を加え、桐山ろ過し、水で洗浄し乾燥させ、目的生成物2を得た。
【0117】
【化66】
【0118】
(還元反応)
化合物2(10 mmol, 2.4g)を三口フラスコに入れ、乾燥させた後に窒素を封入し、パラジウム炭素(1 mmol, 0.01g)、 テトラヒドロフラン20mLを加え、水素を封入した。室温下18時間攪拌した後、ジメチルホルムアミドでろ過・濃縮し、水を加え再沈殿し、粗生成物を得た。粗生成物に酢酸、トルエンで再結晶させ目的生成物3を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO): δ 8.14-8.12 (d, 1H), 8.10-8.08 (d, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.68-7.64 (t, 1H), 7.35 (s, 1H) , 6.13 (s, 1H).
【0119】
【化67】
【0120】
化合物3(8 mmol, 1.7g)を三口フラスコに入れ、硫酸水溶液 (硫酸:水1:5)を432mL加え、0 ℃にした。その後、亜硝酸ナトリウム(12 mmol, 0.81g)を加え、1時間攪拌した。室温に戻し、120℃下、12時間攪拌させた。反応終了後、室温に戻し、桐山ろ過、水で洗浄し乾燥させた。粗生成物をクロロホルムにより再結晶させ目的生成物5を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO): δ 10.7 (s, 1H), 8.35-8.33 (d, 1H), 8.30-8.28 (d, 1H), 8.02-8.01 (d, 1H), 7.81-7.76 (t, 1H) , 7.76-7.75 (d, 1H).
【0121】
(実施例1)N−(n−ブチル)ペリキサンテノキサンテンビスイミド
【化68】
【0122】
化合物5 (10 mmol, 2.15g)をナスフラスコに入れ、30mL のイソプロピルアルコールを加え、ノルマルブチルアミン(50 mmol, 5 mL)を滴下し85℃12時間攪拌した。濃縮し、10%塩酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層はsat. NaClで洗浄し、MgSO
4で乾燥後、ろ過・濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物にジエチルエーテルを加え再結晶し目的生成物6-1を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 8.45-8.43 (d, 1H), 8.23-8.22 (d, 1H), 8.06-8.04 (d, 1H), 7.72-7.69 (t, 1H), 7.68-7.68 (t, 1H) , 7.56-7.52 (d, 1H), 4.20-4.16 (t, 2H), 1.73-1.68 (m, 2H), 1.48-1.42 (m, 2H), 1.00-0.96 (t, 3H).
【0123】
【化69】
【0124】
化合物6-1(0.4 mmol, 0.11g)、塩化銅(I)をナスフラスコに入れ、含水DMSO 20mL加え、120℃、24時間攪拌した。反応終了後、室温に戻し水を加え桐山ろ過した。粗生成物にアセトニトリルを加え再結晶し目的生成物7-1を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ8.42-8.40 (d, 1H), 8.26 (s, 1H), 7.22-7.18 (d, 1H), 4.19-4.15 (m, 2H), 1.75-1.65 (m, 2H),1.46-1.42 (m, 2H), 1.00-0.97 (t, 3H).
【0125】
(酸化還元電位の測定)
化合物7−1のサイクリックボルタンメトリー測定を行ったところ、フェロセンの酸化を基準にして、-1.43Vに第一還元電位がある。この結果からLUMOのエネルギーを見積もると-3.37eVとなり、計算(B3LYP/6-311G)で求めた-3.23eVと非常に良い一致を示している。
【0126】
(実施例2)N−(イソプロピル)ペリキサンテノキサンテンビスイミド
【化70】
【0127】
化合物5 (0.1 mmol, 21.5 mg)をナスフラスコに入れ、8mL のジオキサンと2mLの水を加え、イソプロピルアミン(1 mmol, 59 mg) を滴下し150 ℃で12時間攪拌した。10%塩酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層はsat. NaClで洗浄し、MgSO
4で乾燥後、ろ過・濃縮し、粗生成物を得た。粗生成物にジエチルエーテルを加え再結晶し目的生成物をえた(6.8 mg 25%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 10.5 (s, 1H), 8.22 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 8.00 (s, 1H), 7.73 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 7.63 (s, 1H) , 5.27 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 1.49 (d, J = 5.6 Hz, 6H)
【0128】
【化71】
【0129】
実施例1の窒素上ブチル基のものと同様に、窒素上にイソプロピル基を持つナフトール(0.1 mmol, 25.5 mg)を原料に用いて反応を行った(21.6 mg, 83%)。
HRMS (ASAP) m/z calcd for C
30H
20N
2O
6 [M
-]: 504.1321, found 504.1322.
【0130】
(実施例3)N−(フェニル)ペリキサンテノキサンテンビスイミド
【化72】
【0131】
実施例1と同様の方法で化合物5 (0.1 mmol, 21.5 mg)、アミンとしてアニリン(1 mmol, 93 mg)を用いることにより合成した(27.6 mg, 95%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 10.6 (s, 1H), 8.30 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.26 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 8.03 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.75 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 2.4 Hz, 1H) , 7.60-7.44 (m, 4H), 7.37 (d, J = 6.8 Hz, 1H)
【0132】
【化73】
【0133】
実施例1と同様に、窒素上にフェニル基を持つナフトール(0.4 mmol, 115.6 mg)を原料に用いて反応を行った(85.5 mg, 75%)。
HRMS (ASAP) m/z calcd for C
36H
16N
2O
6 [M
-]: 572.1008, found 572.1001.
【0134】
(酸化還元電位の測定)
化合物7−4のサイクリックボルタンメトリー測定を行ったところ、フェロセンの酸化を基準にして、―1.15Vに第一還元電位がある。この結果からLUMOのエネルギーを見積もると―3.65eVとなり、計算(B3LYP/6-311G)で求めた―3.22eVと非常に良い一致を示している。
【0135】
(実施例4)N−(4−メチルフェニル)ペリキサンテノキサンテンビスイミド
【化74】
【0136】
実施例1と同様の方法で化合物5 (0.6 mmol, 129 mg)、アミンとしてp−トルイジン(6 mmol, 642 mg)を用いることにより合成した(163.8 mg, 90%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 10.5 (s, 1H), 8.28 (d, J =7.2 Hz, 1H), 8.25 (d, J =7.2 Hz, 1H) 8.02 (s, 1H), 7.75 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.70 (s, 1H) , 7.31 (d, J =7.2 Hz, 2H), 7.23 (d, J =7.2 Hz, 2H), 2.39 (s, 3H)
【0137】
【化75】
【0138】
実施例1と同様に、窒素上に4−トリル基を持つナフトール(0.4 mmol, 121.2 mg)を原料に用いて反応を行った(118.3 mg, 98%)。
HRMS (ASAP) m/z calcd for C
38H
21N
2O
6 ([M+H]
+): 601.1400, found 601.1429.
【0139】
実施例5 N−(3−トリル)ペリキサンテノキサンテンビスイミド
【化76】
【0140】
実施例1と同様の方法で化合物5 (0.6 mmol, 129 mg)、アミンとしてm−トルイジン(6 mmol, 642 mg)を用いることにより合成した(182.6 mg, 100%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 10.6 (s, 1H), 8.28 (d, J =8.8 Hz, 1H), 8.25 (d, J =6.8 Hz, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.77 (t, J =7.6 Hz, 1H), 7.71 (s, 1H) , 7.40 (t, J =7.6 Hz, 1H), 7.27 (d, J =8.0 Hz, 1H), 7.17(s, 1H), 7.16 (d, J =10.0 Hz, 1H), 2.36 (s, 3H).
【0141】
【化77】
【0142】
実施例1と同様に、窒素上に3−トリル基を持つナフトール(0.4 mmol, 121.2 mg)を原料に用いて反応を行った(79.4 mg, 66%)。
HRMS (ASAP) m/z calcd for C
38H
21N
2O
6 ([M+H]
+): 601.1400, found 601.1429.
【0143】
実施例6 N−(4−t−ブチルフェニル)ペリキサンテノキサンテンビスイミド
【化78】
【0144】
実施例1と同様の方法で化合物5 (0.6 mmol, 129 mg)、アミンとして4−t−ブチルアニリン(6 mmol, 894 mg)を用いることにより合成した(157.5 mg, 76%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 10.6 (s, 1H), 8.29 (d, J =8.8 Hz, 1H), 8.25(d, J =7.6 Hz, 1H), 8.02, (s, 1H), 7.77 (t, J =7.6 Hz, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.53 (d, J =7.6 Hz, 2H), 7.28 (d, J =7.2 Hz, 2H), 1.35 (s, 9H).
【0145】
【化79】
【0146】
実施例1と同様に、窒素上に4−t―ブチルフェニル基を持つナフトール(0.2 mmol, 69.1 mg)を原料に用いて反応を行った(35.8 mg, 99%)。
HRMS (ASAP) m/z calcd for C
44H
32N
2O
6 ([M]
−): 684.2260, found 684.2233.
【0147】
(酸化還元電位の測定)
化合物7−6のサイクリックボルタンメトリー測定を行ったところ、フェロセンの酸化を基準にして、―1.00Vに第一還元電位がある。この結果からLUMOのエネルギーを見積もると―3.80eVとなり、計算(B3LYP/6-311G)で求めた−3.18eVと非常に良い一致を示している。
【0148】
実施例7 R=4−フルオロフェニル
【化80】
【0149】
実施例1と同様の方法で化合物5 (0.6 mmol, 129 mg)、アミンとして4−フルオロアニリン(6 mmol, 894 mg)を用いることにより合成した(175.5, 95%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 9.71 (s, 1H), 7.44 (d, J =8.4 Hz, 1H), 7.41(d, J =7.6 Hz, 1H), 7.18 (d, J =2.0 Hz, 1H), 6.92 (t, J =7.6 Hz, 1H), 6.86 (d, J =2.8 Hz, 1H), 6.59 (dd, J =9.2, 5.2 Hz, 2H), 6.50 (dd, J =8.8, 8.8 Hz, 2H).
【0150】
【化81】
【0151】
実施例1に、窒素上に4−フルオロフェニル基を持つナフトール(0.4 mmol, 123 mg)を原料に用いて反応を行った(83.3 mg, 91%)。
HRMS (ASAP) m/z calcd for C
36H
14N
2O
6F
2 ([M]
−): 608.0820, found 608.0804.
【0152】
(酸化還元電位の測定)
化合物7−7のサイクリックボルタンメトリー測定を行ったところ、フェロセンの酸化を基準にして、―0.99Vに第一還元電位がある。この結果からLUMOのエネルギーを見積もると―3.81eVとなり、計算(B3LYP/6-311G)で求めた-3.44eVと非常に良い一致を示している。
【0153】
実施例8 R=4−アニシル
【化82】
【0154】
実施例1と同様の方法でアミンとして5 (0.6 mmol, 129 mg)、p−アニシジン(6 mmol, 738 mg)を用いることにより合成した(143.4, 75%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 10.5 (s, 1H), 8.28 (d, J =8.4 Hz, 1H), 8.25 (d, J =6.4 Hz, 1H), 8.02 (d, J =2.4 Hz, 1H), 7.77 (t, J =8.0 Hz, 1H), 7.70 (d, J =2.4 Hz, 1H) , 7.27 (d, J =9.2 Hz, 2H), 7.05 (d, J =8.8 Hz, 2H), 3.82 (s, 3H).
【0155】
【化83】
【0156】
実施例1と同様に、窒素上に4−アニシル基を持つナフトール(0.4 mmol, 127 mg)を原料に用いて反応を行った(67 mg, 53%)。
HRMS (ASAP) m/z calcd for C
38H
20N
2O
8 ([M]
−): 632.1220, found 632.1248.
【0157】
実施例9 R=3−アニシル
【化84】
【0158】
実施例1と同様の方法で5 (0.6 mmol, 129 mg)、アミンとしてm−アニシジン(6 mmol, 738 mg)を用いることにより合成した(175.5, 95%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ10.6 (s, 1H), 8.29 (d, J =8.0 Hz, 1H), 8.26 (d, J =7.2 Hz, 1H), 8.03 (d, J =2.4 Hz, 1H), 7.75 (t, J =8.0 Hz, 1H), 7.70 (d, J =2.0 Hz, 1H) , 7.42 (t, J =7.6 Hz, 1H), 7.03 (d, J =8.0 Hz, 1H), 7.01 (s, 1H), 6.94 (d, J =7.6 Hz 1H), 3.78 (s, 3H).
【0159】
【化85】
【0160】
実施例1と同様に、窒素上に3−アニシル基を持つナフトール(1 mmol, 327 mg)を原料に用いて反応を行った(321 mg, 66%)。
HRMS (ASAP) m/z calcd for C
38H
20N
2O
8 ([M]
−): 632.1220, found 632.1196.
【0161】
実施例10 R=2−ピリジル
【化86】
【0162】
実施例1と同様の方法で5 (0.6 mmol, 129 mg)、アミンとして2−アミノピリジン(6 mmol, 564 mg)を用いることにより合成した(235.1, 81%)
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 10.6 (s, 1H), 8.65 (d, J =5.2 Hz, 1H), 8.33 (d, J =8.0 Hz, 1H), 8.28 (d, J =6.8 Hz, 1H), 8.04 (d, J =2.0 Hz, 1H), 7.80 (t, J =8.0 Hz, 1H), 7.74 (d, J =2.8 Hz, 1H), 7.59 (d, J =8.0 Hz, 1H), 7.54 (dd, J =7.2, 5.2 Hz 1H)..
【0163】
【化87】
【0164】
実施例1と同様に、窒素上に2−ピリジル基を持つナフトール(0.4 mmol, 116 mg)を原料に用いて反応を行った(111.1 mg, 97%)。
HRMS (ASAP) m/z calcd for C
36H
14N
2O
6F
2 ([M]
−): 574.0913, found 574.0894.
【0165】
実施例11 R=n−オクチル
【化88】
【0166】
実施例1と同様の方法で5 (1 mmol, 215 mg)、アミンとしてオクチルアミン(10 mmol, 1.29 g)を用いることにより合成した(172.1 mg, 53%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ10.5 (s, 1H), 8.25 (d, J =6.8 Hz, 1H), 8.23 (d, J =6.8 Hz, 1H), 8.02 (d, J =2.0 Hz, 1H), 7.74 (t, J =8.0 Hz, 1H), 7.65 (d, J =2.4 Hz, 1H) , 4.00 (t, J =7.2 Hz, 2H), 1.60 (t, J =6.8 Hz, 2H), 1.40-1.10 (m, 14H), 0.84 (t, J =6.8 Hz, 3H).
【0167】
【化89】
【0168】
実施例1と同様に、窒素上にノルマルオクチル基を持つナフトール(0.4 mmol, 130 mg)を原料に用いて反応を行った(110.9 mg, 86%)。
HRMS (ASAP) m/z calcd for C
40H
42N
2O
6 [M
-]: 646.3043, found 646.3050.
【0169】
実施例12 R=3,5−ジメチルフェニル
【化90】
【0170】
実施例1と同様の方法で5 (0.6 mmol, 129 mg)、アミンとして3,5−ジメチアニリン(6 mmol, 726 mg)を用いることにより合成した(149.9 mg, 79%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 10.5 (s, 1H), 8.30-8.20 (m, 2H), 8.00 (s, 1H), 7.80-8.72 (m, 1H), 7.67 (s, 1H) , 7.06 (s, 1H), 6.92 (s, 2H), 2.28 (s, 6H).
【0171】
【化91】
【0172】
実施例1と同様に、窒素上に3,5−ジメチルフェニル基を持つナフトール(0.4 mmol, 127 mg)を原料に用いて反応を行った(93.5 mg, 74%)。
HRMS (ASAP) m/z calcd for C
40H
24N
2O
6 ([M]
−): 628.1634, found 628.1619.
【0173】
実施例13(ブロモ化)
【0174】
【化92】
【0175】
Bu
2-PXXBI (0.4 mmol, 213 mg)をナスフラスコに加え窒素雰囲気化にし、脱水ジクロロメタン(1.5 mL)と臭素(30mmol, 0.772 mL)を加え、50℃、2日間攪拌した。室温に戻し反応終了後、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液を加え1日攪拌させ、濃縮、桐山ろ過し、粗生成物にアセトニトリルを加え洗浄し目的生成物をえた(85.4 mg, 68%)。
HRMS Calcd for C
32H
22N
2O
6Br
2 [M
−]: 687.9845, found: 687.9870.
【0176】
(酸化還元電位の測定)
化合物7−13のサイクリックボルタンメトリー測定を行ったところ、フェロセンの酸化を基準にして、―1.15Vに第一還元電位がある。この結果からLUMOのエネルギーを見積もると―3.65eVとなり、計算(B3LYP/6-311G)で求めた―3.41eVと非常に良い一致を示している。
【0177】
(熱分析)
実際に熱重量分析装置を用いて熱的安定性を測定したところ、分解開始温度が7−1が250℃であるのに対しブロモ化した7−13は400℃となり安定性が向上した。
【0178】
実施例14(ピナコールボロン化)
【化93】
【0179】
[Ir(OMe)(cod)]
2 (0.0015 mmol, 1mg), ジターシャリーブチルビフェニル (0.003 mmol, 0.8052 mg),
nBu-PXXBI (0.05 mmol, 0.00266g), ビスピナコラトジボロン (0.11 mmol, 0.0279g)をシュレンクに加え、窒素置換し、THF(1mL)を加え、凍結脱気し、85
oC, 20 hで反応させたところ、42%で化合物7−14が得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ8.74 (s, 2H), 8.33 (s, 2H), 4.18 (t, J= 6.8 Hz, 4H), 1.70 (t, J= 8 Hz, 4H), 1.47 (m, 4H), 144 (s, 12H), 0.99 (t, J= 7.4 Hz, 6H)
【0180】
実施例15
【化94】
【0181】
[Ir(OMe)(cod)]
2 (1.0 mg, 1.5 μmol), ,ジターシャリーブチルビピリジル(0.8 mg, 3 μmol), ビスピナコラトジボロン (50.8 mg, 0.2 mmol), N-ブチルペリキサンテノキサンテンビスイミド(26.6 mg, 0.50 mmol)を加えTHF (1 mL)に溶解させた。85 °C で20 時間加熱し、溶媒を留去、メタノールから再結晶することにより目的化合物を合成した(31.4 mg, 0.04 mmol、80%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 8.72 (s, 1H), 8.36 (d, J= Hz, 1H), 8.28 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 7.14 (d, J= Hz, 1H), 4.28 (m, 4H), 1.45 (s, 12H), 0.99 (t, J= 7.4 Hz, 6H)
MS (ASAP) ([M+H]
+) 659
【0182】
実施例16
【化95】
【0183】
RuH
2(CO)(PPh
3)
4 (8.7 mg, 9 μmol), ピナコロン (15 μL, 10 μmol), ビスピナコラトジボロン (38.3 mg, 0.151 mmol), N−ブチルペリキサンテノキサンテンビスイミド (10.1 mg, 19 μmol)をメシチレン(0.2 mL)に溶解させ、140℃で48時間加熱攪拌を行った。室温まで冷却の後、シリカゲルパッドを用いてろ過、溶媒留去、メタノールから再結晶することにより生成物を1:1の位置置換体混合物として得た。(6.3 mg, 0.01 mmol).
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 659
【0184】
実施例17(1,7-ジブロモ-N-ブチルペリキサンテノキサンテンビスイミドの鈴木宮浦カップリング)
【化96】
【0185】
テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(1.2 mg, 2.0 μmol), 炭酸セシウム (14.3 mg, 0.045 mmol), 1,7-ジブロモ-N-ブチルペリキサンテノキサンテンビスイミド(13.8 mg, 0.02 mmol)と各種芳香族ボロン酸または芳香族ボロン酸ピナコールエステル(0.045 mmol)をトルエン(0.1 mL)に溶解させ、110℃20時間加熱した。反応終了後、シリカゲルパッドにより塩を除去、溶媒を留去しヘキサン:酢酸エチル:エタノール=10:1:1の溶媒を用いて再結晶を行うことにより、生成物を得た。
以下に詳述する、実施例17−1〜17−15は全てこのような鈴木宮浦カップリング反応に基づく合成である。
【0186】
実施例18(1,7-ビスピナコラトボリル-N-ブチルペリキサンテノキサンテンビスイミドの鈴木宮浦カップリング)
【化97】
【0187】
テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(1.2 mg, 2.0 μmol), 炭酸セシウム (14.3 mg, 0.045 mmol), 1,7-ビスピナコラトボリル-N-ブチルペリキサンテノキサンテンビスイミド (13.8 mg, 0.02 mmol)と各種芳香族ハロゲン化物(0.045 mmol)をトルエン(0.1 mL)に溶解させ、110℃で20時間加熱した。反応終了後、シリカゲルパッドにより塩を除去、溶媒を留去しヘキサン:酢酸エチル:エタノール=10:1:1の溶媒を用いて再結晶を行うことにより、生成物を得た。
以下に詳述する、実施例18−1〜18−12は全てこのような鈴木宮浦カップリング反応に基づく合成である。
【0188】
実施例17−1
【化98】
【0189】
フェニルボロン酸を用いてすべての試薬を5倍量用い(0.1 mmoスケール)実施例17に従い合成した(38.1 mg, 5.5 mmol, 56%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 685
【0190】
実施例18−1
【化99】
【0191】
ブロモベンゼン用いてすべての試薬を2倍量用い(0.04 mmolスケール)実施例18に従い合成した(25.0 mg, 0.037 mmol, 91%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 685
【0192】
(酸化還元電位の測定)
化合物8−3のサイクリックボルタンメトリー測定を行ったところフェロセンの酸化を基準にして−1.10eVのところに第一還元電位がある。この結果からLUMOを見積もると−3.30eVである。
【0193】
実施例17−2
【化100】
【0194】
4−トリルボロン酸を用いて実施例17に従い合成した(9.7 mg, 0.0136 mmol, 68%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 713
【0195】
実施例18−2
【化101】
【0196】
4−ブロモトルエンを用いてすべての試薬を2倍量用い(0.04 mmolスケール)実施例18に従い合成した(25.0 mg, 0.037 mmol, 91%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 713
【0197】
実施例18−3
【化102】
【0198】
3−ブロモトルエンを用いてすべての試薬を2倍量用い(0.04 mmolスケール)実施例18に従い合成した(28.4 mg, 0.038 mmol, 95%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 713
【0199】
実施例17−3
【化103】
【0200】
2−トリルボロン酸を用い実施例17に従い合成した(7.1 mg, 10.0 mmol, 50 %)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 713
【0201】
実施例18−4
【化104】
【0202】
2−ブロモトルエンを用いてすべての試薬を2倍量用い(0.04 mmolスケール)実施例18に従い合成した(26.5 mg, 0.037 mmol, 92%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 713
【0203】
実施例17−4
【化105】
【0204】
4-メトキシフェニルボロン酸を用い、すべての試薬を5倍量用い(0.1 mmolスケール)実施例17に従い合成した(71.9 mg, 0.097 mmol, 97%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 745
【0205】
実施例18−5
【化106】
【0206】
4−ブロモアニソールを用いてすべての試薬を2倍量用い(0.04 mmolスケール)実施例18に従い合成した(28.4 mg, 0.038 mmol, 95%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 745
【0207】
(酸化還元電位の測定)
化合物8−7のサイクリックボルタンメトリー測定を行ったところフェロセンの酸化を基準にして−1.00eVのところに第一還元電位がある。この結果からLUMOを見積もると−3.40eVである。
【0208】
実施例18−6
【化107】
【0209】
3−ブロモアニソールを用いてすべての試薬を2倍量用い(0.04 mmolスケール)実施例18に従い合成した(0.0213 mg, 0.029 mmol, 71%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 745
【0210】
実施例17−5
【化108】
【0211】
2−メトキシフェニルボロン酸を用いてすべての試薬を5倍量(0.10 mmolスケール)用い実施例17に従い合成した( 78.9 mg, 0.10 mmol, 100%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 745
【0212】
実施例18−7
【化109】
【0213】
2−ブロモアニソールを用い、実施例18に従い合成した(12.6 mg, 0.017 mmol, 85%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 745
【0214】
実施例17−6
【化110】
【0215】
4−フルオロフェニルボロン酸を用い実施例17に従い合成した(18.8 mg, 0.026 mmol ,100%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 721
【0216】
(酸化還元電位の測定)
化合物8−10のサイクリックボルタンメトリー測定を行ったところフェロセンの酸化を基準にして−1.15eVのところに第一還元電位がある。この結果からLUMOを見積もると−3.25eVである。
【0217】
実施例17−7
【化111】
【0218】
3-メトキシ-2-フルオロフェニルボロン酸を用い、実施例17に従い合成した(9.4 mg, 0.012 mmol, 60%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 781
【0219】
実施例17−8
【化112】
【0220】
3-トリフルオロメトキシフェニルボロン酸を用い実施例17に従い合成した( 6 mg, 0.007 mmol, 35%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 853
【0221】
実施例17−9
【化113】
【0222】
2−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸を用い実施例1に従い合成した(12.2 mg, 14.3 mmol, 72%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 853
【0223】
実施例17−10
【化114】
【0224】
2-トリフルオロメチルフェニルボロン酸を用い、実施例17に従い合成した(0.099 mg, 0.012 mmol, 60%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 821
【0225】
実施例18−8
【化115】
【0226】
3−ブロモベンゾトリフルオリドを用いてすべての試薬を2倍量用い(0.04 mmolスケール)実施例18に従い合成した(23.2 mg, 28.3 mmol, 71%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 821
【0227】
実施例17−11
【化116】
【0228】
4−トリフルオロメチルフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いてすべての試薬を2倍量用い(0.04 mmolスケール)実施例17に従い合成した(25.1 mg, 0.305 mmol, 76%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 821
【0229】
実施例18−9
【化117】
【0230】
ブロモメシチレンを用いてすべての試薬を2倍量用い(0.04 mmolスケール)実施例18に従い合成した(25.0 mg, 0.325 mmol, 81%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 769
【0231】
実施例17−12
【化118】
【0232】
3,5-ジメチルフェニルボロン酸を用い、実施例17に従い合成した(11.1 mg, 0.015 mmol, 75%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 741
【0233】
実施例17−13
【化119】
【0234】
3,5-ジフルオロフェニルボロン酸を用い実施例17に従い合成した(4.2 mg, 0.0055 mmol, 28%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 757
【0235】
実施例17−14
【化120】
【0236】
3-ピリジルボロン酸ピナコールエステルを用いてすべての試薬を5倍量用い(0.1 mmolスケール)実施例17に従い合成した(56.8 mg, 0.083 mmol, 83%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 687
【0237】
実施例18−10
【化121】
【0238】
3-ブロモピリジンを用いてすべての試薬を2倍量用い(0.04 mmolスケール)実施例18に従い合成した(28.9 mg, 0.042 mmol, 100%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 687
【0239】
(酸化還元電位の測定)
化合物8−20のサイクリックボルタンメトリー測定を行ったところフェロセンの酸化を基準にして−1.12eVのところに第一還元電位がある。この結果からLUMOを見積もると−3.28eVである。
【0240】
実施例18−11
【化122】
【0241】
2−ブロモナフタレンを用いてすべての試薬を2倍量用い(0.04 mmolスケール)実施例18に従い合成した(26.0 mg, 0.033 mmol, 83%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 785
【0242】
(酸化還元電位の測定)
化合物8−21のサイクリックボルタンメトリー測定を行ったところフェロセンの酸化を基準にして−1.01eVのところに第一還元電位がある。この結果からLUMOを見積もると−3.39eVである。
【0243】
実施例17−15
【化123】
【0244】
2−チエニルボロン酸ピナコールエステルを用いてすべての試薬を5倍量用い(0.1 mmolスケール)実施例17に従い合成した(63.3 mg, 0.091 mmol, 91%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 697
【0245】
(酸化還元電位の測定)
化合物8−22のサイクリックボルタンメトリー測定を行ったところフェロセンの酸化を基準にして−0.96eVのところに第一還元電位がある。この結果からLUMOを見積もると−3.44eVである。
【0246】
実施例18−12
【化124】
【0247】
4−ニトロブロモベンゼンを用いてすべての試薬を2倍量用い(0.04 mmolスケール)実施例18に従い合成した(32.0 mg, 0.041 mmol, 100%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 775
【0248】
実施例17−16
【化125】
【0249】
4-tert-ブチルフェニルボロン酸を用いてすべての試薬を2倍量用い(0.04 mmolスケール)実施例17に従い合成した(27.3 mg, 0.034 mmol, 86%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 797
【0250】
実施例17−17
【化126】
【0251】
2-アントラセンボロン酸を用いてすべての試薬を5倍量用い(0.1 mmolスケール)実施例17に従い合成した(89.3 mg, 0.101 mmol, 100%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 885
【0252】
(酸化還元電位の測定)
化合物8−25のサイクリックボルタンメトリー測定を行ったところフェロセンの酸化を基準にして−1.05eVのところに第一還元電位がある。この結果からLUMOを見積もると−3.35eVである。
【0253】
実施例19(1,7-ジブロモ-N-ブチルペリキサンテノキサンテンビスイミドの薗頭カップリング反応)
【0254】
【化127】
【0255】
PdCl
2(PPh
3)
2 (0.84 mg, 1.2 μmol), 塩化銅(I) (0.3 mg, 1.5 μmol),トリメチルシリルアセチレン(0.04 mL, 0.3 mmol),トリエチルアミン
(0.5 mL, 3.5 mmol), 1,7-ジブロモペリキサンテノキサンテンビスイミド (20.7 mg, 0.03 mmol)をTHF (0.1 mL)に溶解させ80℃で4時間攪拌した。反応終了後室温まで返却した後シリカゲルパッドでろ過、溶媒留去した。メタノールから再結晶することにより対応する生成物を得た (17.7 mg, 0.024 mmol, 81%)。
MS (ASAP) m/z [M+H]
+= 725
【0256】
また、上述した各実施例によって得られた本発明の化合物は高い結晶性を有するものであった。このため、分子性結晶を作りやすく、デバイス作成に適していると推測される。