【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示説明会名は、富士調査研究会同。展示説明日は、平成29年10月18日。展示説明場所は、陸上自衛隊富士駐屯地(静岡県駿東郡小山町須走481−27)。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1において、該動力装置はモータよりなり、該制動装置は、制動がリレーで切換えられる電磁ブレーキよりなり、その制御回路にリレーコイルとタイマーが直列接続されており、
該タイマーは、該制御回路での制動解除指示時から所定遅延時間経過後に、制動作動中の該電磁ブレーキを制動解除させる設定よりなり、
該遅延時間は、制動解除指示と同時に駆動開始される該モータが、必要な駆動トルクを発生可能な時間に設定されること、を特徴とする電動アシスト付の運搬台車。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このような従来の運搬台車1については、次の問題が指摘されていた。
《第1の問題点》
第1に、整備性,メンテナンス性に問題が指摘されていた。
上述したように、従来の運搬台車1において、駆動部3は、シャーシフレーム2側のケーシング4内に、モータ5,スプロケット6,チェーン7が組み込まれ、ケーシング4外に、電磁ブレーキ8や後輪9
1が組み付けられていた。
そこで、ケーシング4外にある駆動部3の電磁ブレーキ8や後輪9
1を、軸ごと取外し,交換等する作業は、駆動部3のモータ5がケーシング4内にあるため、容易でなかった。更に、モータ5,スプロケット6,チェーン7自体の取外し,交換等の作業も、容易でなかった。これらの部品についても同様であった。
しかも、このような駆動部3が組み込まれたケーシング4そしてシャーシフレーム2上に、荷台部が載せて取付けられていたので、駆動部3の取外し,交換等の作業に際しては、予め荷台部を完全に取外すことを要していた。もって、作業が一段と煩わしく面倒となっていた。
【0007】
例えば上述したように、従来の運搬台車1は、電動アシスト力を付与する駆動部3について、整備性,メンテナンス性に問題が指摘されていた。すなわち、駆動部3の手入れ,調整,整備,維持,管理,点検,交換等の作業が、容易でなかった。
もって、作業時間が長時間化することも多かった。又、車体下に作業者が入って行う作業を要していたので、作業の長時間化は、作業者にとって身体的にも不安が指摘されていた。
【0008】
《第2の問題点》
第2に、製造面にも問題が指摘されていた。
上述した第1の整備性,メンテナンス性の問題と同様の理由により、従来の運搬台車1は、製造が容易でなく、製造時間もかかり、コスト高となる、という指摘があった。
すなわち、シャーシフレーム2の構造が、ケーシング4の一体化等により複雑化していた。又、シャーシフレーム2と駆動部3とを、時間的,場所的(ライン的)に分離して、各々個別に製作してストックしておくことは、困難であった。更に、組立が長時間化する等、製造に長時間を要していた。
【0009】
《第3の問題点》
第3に、坂道発進時の安全性や操作性にも、問題が指摘されていた。
従来の運搬台車1は、坂道等の勾配途中で停車した状態から発進する際、操作者や周囲の人や物の安全に問題があり、為に、操作者が坂道発進操作に不安を感じ、一段と慎重な作業を要求されるという指摘もあった。
これらについて、更に詳述する。前述したように電動アシスト力を付与する駆動部3は、動力装置のモータ5や、制動装置の電磁ブレーキ8を備えている。→そして、坂道等の途中で停車する際は、電磁ブレーキ8が制動作動されると共に、モータ5が駆動停止される。
→このような状態から再び発進する際は、電磁ブレーキ8が制動解除されると共に、モータ5が駆動開始されることになる。
→そしてその際、電磁ブレーキ8は、その制動解除指示の信号Sと同時に、即制動解除される。→これに対しモータ5は、その駆動開始指示と、坂道勾配発進に必要な駆動トルク発生との間に、特性上タイムラグが存する。
【0010】
そこで坂道発進に際して、従来の運搬台車1は、一時的に走行制御が失われる危険があった。電磁ブレーキ8が即制動解除されるのに対し、モータ5が必要な駆動トルク発生に至っていない瞬間が、一時的に存在する危険があった。
例えば、坂道途中での停車状態から上りたい場合において、モータ5が必要な駆動トルクを発生するまで、電磁ブレーキ8が制動解除された運搬台車1を、人力で引き上げない限り、走行制御が失われた運搬台車1が、フリーとなって坂道を下り暴走する危険があった。
又例えば、坂道途中での停車状態から下りたい場合において、電磁ブレーキ8を制動解除した途端に、走行制御が失われた運搬台車1が、坂道を勢いよく下りへと走り出して暴走する危険があった。
このような両例の場合において、坂道下側に操作者,その他の人,車輌,物等が位置すると、重大事故発生の可能性があった。
【0011】
《本発明について》
本発明の電動アシスト付の運搬台車は、このような実情に鑑み、上記従来技術の課題を解決すべくなされたものである。
そして本発明は、第1に、整備性,メンテナンス性が向上すると共に、第2に、製造が簡単容易化し、第3に、坂道発進時の安全性や操作性も向上する、電動アシスト付の運搬台車を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
《各請求項について》
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、特許請求の範囲に記載したように、次のとおりである。
請求項1については、次のとおり。
請求項1の電動アシスト付の運搬台車は、人力やアシスト力が付与されて走行可能な、電動アシスト付の運搬台車であって、シャーシフレーム部,荷台部,駆動ユニット部を、有している。
該シャーシフレーム部は、自由輪よりなる左右の前輪と操舵部とを備えている。
該荷台部は、荷物を積載可能であり、床フレームと床板を備え、該床フレームが、該シャーシフレーム部上に取付け,取外し可能に装着され、もって該荷台部は、該シャーシフレーム部上に着脱自在に取付けられている。
【0013】
該駆動ユニット部は、左右一対設けられ、駆動輪よりなる左右の後輪と共にユニット化されてケースに共に収納され、該ケースごと該シャーシフレーム部および該荷台部のいずれかに、締結具により着脱可能,取付可能であり、それぞれの該後輪に電動アシスト力を付与可能である。
そして該駆動ユニット部のケースが、該シャーシフレーム部の後部および該荷台部の床フレーム後部に対し、該締結具により着脱可能となっている。
又、左右の該駆動ユニット部は、それぞれ動力装置,動力伝達装置,制動装置を備えていること、を特徴とする。
【0014】
請求項2については、次のとおり。
請求項2の電動アシスト付の運搬台車では、請求項1において、該動力装置はモータよりなり、該制動装置は、制動がリレーで切換えられる電磁ブレーキよりなり、その制御回路にリレーコイルとタイマーが直列接続されている。
該タイマーは、該制御回路での制動解除指示時から所定遅延時間経過後に、制動作動中の該電磁ブレーキを制動解除させる設定よりなる。そして該遅延時間は、制動解除指示と同時に駆動開始される該モータが、必要な駆動トルクを発生可能な時間に設定されること、を特徴とする。
【0015】
《作用等について》
本発明は、このような手段よりなるので、次のようになる。
(1)この運搬台車は、人力やアシスト力が付与されて走行する。
(2)そして、シャーシフレーム部と荷台部と駆動ユニット部とを、有している。駆動ユニット部は、モータ,スプロケット,チェーン,電磁ブレーキを備えている。すなわち、動力装置,動力伝達装置,制動装置を備えている。
(3)駆動ユニット部は、左右一対設けられ、それぞれ後輪と共にユニット化され共にケースに収納されており、後輪に電動アシスト力を付与可能である。
(4)そして、駆動ユニット部は、シャーシフレーム部又は荷台部に、簡単な締結具を用いて着脱可能に取付けられている。すなわち、駆動ユニット部のケースが、シャーシフレーム部の後部および荷台部の床フレーム後部に対し、締結具により着脱可能となっている。
(5)そこで駆動ユニット部は、シャーシフレーム部や荷台部から、容易に脱着,取外し可能である。もって、手入れ,調整,整備,維持,管理,点検,交換等の作業が、容易化する。荷台部も、床フレームがシャーシフレーム部上に取付け,取外し可能に装着されており、シャーシフレーム部上に着脱自在に取付けられている。
(6)又、その作業時間も短縮される。又、シャーシフレーム部上に荷台部が載ったままでも、作業可能である。
(7)更に、この運搬台車は、上述したように簡単な構造よりなるので、組立てが容易であり製造時間も短縮される。シャーシフレーム部と駆動ユニット部とを、個別に分離して製作,ストックしておくことも可能である。
(8)なお、この運搬台車では、動力装置が必要な駆動トルクを発生する時間まで、制動装置の制動解除を遅延させるタイマーが採用されている。
(9)そこで運搬台車が、坂道発進に際し一時的に走行制御が失われる事態は、回避される。
(10)そこで、本発明に係る電動アシスト付の運搬台車は、次の効果を発揮する。
【発明の効果】
【0016】
《第1の効果》
第1に、整備性,メンテナンス性が向上する。
本発明の電動アシスト付の運搬台車は、駆動ユニット部について、ユニット化して後輪と共にケースに収納した構造を採用すると共に、シャーシフレーム部又は荷台部に、簡単な締結具により着脱可能に取付けた構造を採用してなる。
すなわち、駆動ユニット部のケースが、シャーシフレーム部の後部および荷台部の床フレーム後部に対し、締結具により着脱可能となっている。
もって、駆動ユニット部を容易に脱着,取外しできるので、ユニット一式の整備,メンテナンスが容易化すると共に、ユニット単体毎の整備,メンテナンスも容易化する。前述したこの種従来例のように、駆動部がシャーシフレーム部に組み込まれ,組み付けられていたのに比し、整備,メンテナンス作業が容易化する。
又、シャーシフレーム部上に荷台部が載ったままでも、作業が可能となる。更に、作業時間も短縮化される。もって、車体下に入って作業を行う作業員について、身体的安全性も向上する。
【0017】
《第2の効果》
第2に、製造が簡単容易化する。
本発明の電動アシスト付の運搬台車は、ユニット化した駆動ユニット部を、シャーシフレーム部か荷台部に取付けた、簡単な構造よりなり、製造が容易化される。すなわち、駆動ユニット部のケースを、シャーシフレーム部の後部および荷台部の床フレーム後部に対し、締結具により着脱可能とした構造よりなる。
前述したこの種従来例に比し、まず、シャーシフレーム部の構造がシンプル化され、複雑化が回避される。又、シャーシフレーム部と駆動ユニット部とを、各々個別に製作,ストックしておくことも、可能となる。更に、組立て製造時間も短縮化される等、コスト面に優れている。
【0018】
《第3の効果》
第3に、坂道発進時の安全性や操作性が向上する。
本発明の電動アシスト付の運搬台車は、駆動ユニット部について、動力装置が坂道発進等に必要な駆動トルクを発生するまで、制動装置の制動解除を遅延させるタイマーを採用してなる。
そこで、前述したこの種従来例のように、坂道発進時に運搬台車の走行制御が失われることはなく、潤滑な坂道発進が実現され、運搬台車がフリーとなって坂道を下り,暴走する危険は回避される。
そこで、坂道下側に操作者,その他の人,車輌,物等が位置する場合も、重大事故発生の可能性は防止され、安全性が確保される。又、操作者の操作不安感が解消されると共に、坂道発進操作が簡単容易化される。
このように、この種従来技術に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明について、
図1〜
図5の図面を参照して、詳細に説明する。
《本発明の概要》
まず、本発明の概要については、次のとおり。
本発明の電動アシスト付の運搬台車12は、人力やアシスト力が付与されて走行可能である。そして、シャーシフレーム部13,荷台部14,駆動ユニット部15等を有している。
シャーシフレーム部13は、自由輪よりなる左右の前輪9
2と操舵部16とを備えている。荷台部14は、荷物を積載可能である。
駆動ユニット部15は、左右一対設けられ、駆動輪よりなる左右の後輪9
1と共に、ユニット化されてケース17に収納される。そして、シャーシフレーム部13又は荷台部14に、締結具により着脱可能に取付けられており、それぞれの後輪9
1に電動アシスト力を付与可能である。
又、左右の駆動ユニット部15は、それぞれ動力装置,動力伝達装置,制動装置を備えている。代表例では図示のように、それぞれモータ5,スプロケット6,チェーン7,電磁ブレーキ8を、備えている。
制動装置の電磁ブレーキ8は、制動解除指示時から所定遅延時間経過後に、制動解除される設定よりなる。
本発明の概要については、以上のとおり。以下、このような本発明の電動アシスト付の運搬台車12について、更に詳述する。
【0021】
《運搬台車12》
まず、電動アシスト付の運搬台車12について、
図5の(1)図を参照して、その概略を説明する。
この運搬台車12は、荷台部14に積載された荷物を、搬送,移動,集配等するために用いられる。そして、人力やアシスト力が付与されて、走行される。
すなわち、作業者が操舵部16のハンドルを牽引することによって入力される人力と、駆動ユニット部15にて付与される電動アシスト力とにより、走行される。
そして運搬台車12は、標準シャーシフレーム部13と、荷台部14と、駆動ユニット部15とを、少なくとも有している。なお、
図5に示した運搬台車12は低床タイプAよりなり、低床タイプAの荷台部14が取付けられている。
運搬台車12については、以上のとおり。
【0022】
《シャーシフレーム部13》
次に、シャーシフレーム部13について、
図2の(1)図,
図3の(1)図,
図5の(2)図等を、参照して説明する。
運搬台車12のシャーシフレーム部13は、荷台部14を載せる車台枠であり、後述するバリエーションの各種仕様の荷台部14について、いずれにも共通に標準的に使用可能となっている。
そしてシャーシフレーム部13は、本体部に加え更に、左右一対の車軸付自由輪よりなる前輪9
2と、前方上方に向け延出され、ハンドルや駆動ユニット部15の操作部付の操舵部16と、を備えている。
又、
図2の(1)図の例のシャーシフレーム部13には、駆動ユニット部15が取付けられている。これに対し、
図3の(1)図の例のシャーシフレーム部13には、駆動ユニット部15は取付けられていない。
シャーシフレーム部13については、以上のとおり。
【0023】
《駆動ユニット部15》
次に、駆動ユニット部15について、
図1,
図2の(1)図,
図3の(2)図〜(3)図,
図5の(1)図〜(3)図等を、参照して説明する。
運搬台車12のアシスト駆動部つまり駆動ユニット部15は、左右一対設けられ、駆動輪よりなる後輪9
1と共にユニット化されて、ケース17に収納されている。
そして、左右の駆動ユニット部15は、それぞれユニット単体として、動力装置,動力伝達装置,制動装置を備えている。図示例では、モータ5,スプロケット6,チェーン7,電磁ブレーキ8を備えている。
もって駆動ユニット部15により、それぞれの後輪9
1に、電動アシスト力(アシスト駆動力,アシスト回転力)を付与可能である。すなわち、モータ5の駆動力や電磁ブレーキ8の制動力が、スプロケット6やチェーン7を介し、後輪9
1に伝達される。
【0024】
駆動ユニット部15は、
図2や
図5の例では、シャーシフレーム部13に着脱可能に取付けられている。これに対し
図3の例では、荷台部14に取付けられている。
すなわち、
図2や
図5の例において、駆動ユニット部15のケース17は、シャーシフレーム部13の後部左右外側に、僅かな数のボルト,ナット,ねじ,止め輪等の締結金具,その他の締結具を用いて、着脱自在に取付け可能であると共に、そのように取付けられている。例えば、10本以下程度の僅かな数の締結金具を用いて取付けられている。
図3の例において、駆動ユニット部15のケース17は、荷台部14の床フレーム18の後部左右下側等に、上述に準じ、締結金具,その他の締結具を用いて、着脱自在に取付けられている。
駆動ユニット部15側と、シャーシフレーム部13や荷台部14側間の電気的結線も、着脱可能なコネクタ―で繋ぐことにより、実施されている。
図5の(2)図,(3)図中、19は、モータ5その他用のバッテリーである。
駆動ユニット部15については、以上のとおり。
【0025】
《荷台部14》
次に、荷台部14について、
図2の(2)図〜(4)図,
図3の(2)図〜(4)図,
図5の(1)図〜(3)図等を、参照して説明する。
運搬台車12の荷台部14は、少なくとも床フレーム18と床板20とを、備えている。床フレーム18は、パイプ材を枠状,桟状,格子状に組み合わせてなり、水平状態で横設されている。
床板20は、矩形の薄い平板よりなり、メッシュ板,鉄板,縞板等が使用される(
図2の(4)図,
図3の(4)図,
図5の(1)図等を参照)。そして、締結金具等により床フレーム18上に水平状態で取付けられており、荷物がその上に積載される。
このような床フレーム18と床板20とを備えた荷台部14は、シャーシフレーム部13上に、着脱自在に取付けられている。すなわち、その床フレーム18がシャーシフレーム部13上に、取付け,取外し可能に装着される。
【0026】
ところで図示例の荷台部14は、各種のバリエーションタイプよりなる。例えば、低床タイプA(
図2の(2)図,
図3の(2)図,
図5の(1)図〜(3)図等を参照)、リヤカータイプB(
図2の(3)図,
図3の(3)図を参照)、リフトテーブルタイプC(
図2の(4)図,
図3の(4)図を参照)が、考えられる。
更には図示しないが、屋根付タイプ,小屋タイプ,太陽光パネルタイプ、その他のタイプも可能である。
低床タイプAは、荷台部14が、フラットな床フレーム18と床板20とからなる。リヤカータイプBは、更に、パイプ材製の側枠フレーム21が、床フレーム18外周から立ち上げ形成されている。
リフトテーブルタイプCは、床フレーム18と床板20間に、昇降機構22が介装されており、もって床板20が、水平状態を維持しつつ垂直に昇降可能となっている。図示の昇降機構22は、リンクロッドをクロスさせたシザース方式よりなる。
【0027】
荷台部14は、このような各種のバリエーションタイプの中から、いずれか一つのタイプが選択されて、シャーシフレーム部13上に着脱自在に取付けられる。
例えば、低床タイプAの運搬台車2は、低床タイプAの荷台部14が、又、リヤカータイプBの運搬台車12には、リヤカータイプBの荷台部14が、又、リフトテーブルタイプCの運搬台車12には、リフトテーブルタイプCの荷台部14が、それぞれ選択,取付け,使用される。
なお、
図2の(2)図〜(4)図に示した各例の荷台部14には、駆動ユニット部15は取付けられていない。これに対し、
図3の(2)図〜(4)図に示した各例の荷台部14には、駆動ユニット部15が取付けられている。
荷台部14については、以上のとおり。
【0028】
《制動装置の制動解除遅延について》
次に、制動装置の制動解除遅延について、
図4の(1)図を参照して説明する。この運搬台車12において、駆動ユニット部15の制動装置は、動力装置が必要な駆動トルクを発生する時間まで、制動解除を遅延させる。
すなわち、駆動ユニット部15の動力装置はモータ5よりなり、制動装置は、制動がリレーRLで切換えられる電磁ブレーキ8よりなり、その制御回路10に、リレーコイルRとタイマーTが直列接続されている。
タイマーTは、制御回路10での制動解除指示時から所定遅延時間経過後に、電磁ブレーキ8を制動解除させる設定よりなる。該遅延時間は、制動解除指示と同時に駆動されるモータ5が、必要な駆動トルクを発生可能な時間に設定される。
【0029】
このような制動装置の制動解除遅延について、更に詳述する。駆動ユニット部15の制動装置の電磁ブレーキ8は、リレーRLで制動が切換えられる。
すなわち、操作者の操作によるオン指示(制動指示)信号Sにより、→制御回路10のリレーコイルRが通電,励磁されると、→駆動回路11の常開のリレー接点rが閉となり、→電磁ブレーキ8がオン(制動作動)する。
これに対し事後、操作者の操作によるオフ指示(制動解除指示)信号Sにより、→制御回路10のリレーコイルRの通電,励磁が解除されると、→駆動回路11のリレー接点rが開となり、→電磁ブレーキ8がオフ(制動解除,ブレーキ解放)する。
【0030】
本発明では、このような電磁ブレーキ8のオフ(制動解除)を遅延させるタイマーTが、制御回路10に組み込まれている。この制御回路10では、リレーコイルRとタイマーTが直列接続されている。
そして、電磁ブレーキ8がオン(制動作動)状態において、操作者がオフ指示(制動解除指示)しても、→まずは、電磁ブレーキ8のオン(制動作動)が、継続,維持,自己保持されるようになっている。
→そして、操作者の実際のオフ指示(制動解除指示)から、所定の遅延時間経過後に始めて、リレーコイルRの通電,励磁が解除されて、→リレー接点rが開となり、→電磁ブレーキ8が、オフ(制動解除)するようになる。
そして該遅延時間は、上述したオフ指示(制動解除指示)と同時に駆動開始される設定のモータ5が、発進に必要な駆動トルクを発生するのに十分な時間に設定される。つまり、モータ5が必要な駆動トルクを発生するまで、電磁ブレーキ8のオフ(制動解除)が、意図的に遅らせられるようになっている。
タイマーTは、該遅延時間を例えば0秒〜1秒間で調整可能であり、使用状況に合わせ適切な該遅延時間が設定される。
制動装置の制動解除遅延につては、以上のとおり。
【0031】
《作用等》
本発明の電動アシスト付の運搬台車12は、以上説明したように構成されている。そこで以下のようになる。
(1)この運搬台車12は、人力やアシスト力が付与されて走行する。そして、シャーシフレーム部13と荷台部14と駆動ユニット部15とを、少なくとも有している(例えば
図5を参照)。
【0032】
(2)シャーシフレーム部13は、前輪9
2と操舵部16も備えている。荷台部14は、床フレーム18と床板20を備えている(
図5を参照)。
駆動ユニット部15は、動力装置,動力伝達装置,制動装置を備えている。代表的には、モータ5,スプロケット6,チェーン7,電磁ブレーキ8を備えている(
図1を参照)。
【0033】
(3)駆動ユニット部15は、左右一対設けられ、それぞれ後輪9
1と共にユニット化されて、ケース17に収納されている。もって、後輪9
1に電動アシスト力を付与可能である(
図1を参照)。
【0034】
(4)そして駆動ユニット部15は、ケース17ごと、シャーシフレーム部13又は荷台部14に取付けられている。すなわち、僅かな数のボルト等の締結金具,その他の締結具を用いて、簡単容易に着脱可能に取付けられている(
図2,
図3,
図5を参照)
駆動ユニット部15のケース17が、シャーシフレーム部13の後部および荷台部14の床フレーム18後部に対し、締結具により着脱可能となっている。
なお電気的結線も、着脱可能なコネクタ―を用いて繋ぐことにより、簡単容易に実施されている。
【0035】
(5)さてそこで、本発明の運搬台車12は、以下のようになる。まず、この運搬台車12では、締結具による締結取付けを外すことにより、駆動ユニット部15一式をケース17ごと、シャーシフレーム部13や荷台部14から、容易に脱着,取外し可能である。
もって、駆動ユニット部15のユニット一式の手入れ,調整,整備,維持,管理,点検,交換等の作業が、容易化される。
特に、駆動ユニット部15の各ユニット単体について、これらの作業が容易化する。すなわち、モータ5,スプロケット6,チェーン7,電磁ブレーキ8等の動力装置,動力伝達装置,制動装置や,後輪9
1等の各ユニット単体について、作業性の良い状態で、これらの作業が容易化する。
荷台部14も、床フレーム18が、シャーシフレーム部13上に取付け,取外し可能に装着されており、シャーシフレーム部13上に着脱自在に取付けられている。
【0036】
(6)又、このような作業の容易化に伴い、作業時間も短縮化される。
なお、駆動ユニット部15のケース17が、シャーシフレーム部13に取付けられている場合において、シャーシフレーム部13上に荷台部14が載ったままでも、これらの作業が可能である。
【0037】
(7)更に、この運搬台車12は、駆動ユニット部15をユニット化してケース17に収納し、シャーシフレーム部13や荷台部14に取付けた、簡単な構造よりなる。
シャーシフレーム部13の構造もシンプルである(本発明の
図2の(1)図,
図3の(1)図,
図5の(2)図,(3)図等と、従来例の
図6とを、比較対照)。
もって、この運搬台車12は、組立て,製造が容易化されると共に、製造時間も短縮化される。又、シャーシフレーム部13と駆動ユニット部15とを、時間的,場所的(ライン的)に分離して、個別に製作,ストックしておくことも可能となる。
【0038】
(8)なお、この運搬台車12では、駆動ユニット部15の電磁ブレーキ8に関し、所定のタイマーTが採用されている。
もって、モータ5が坂道発進等に必要な駆動トルクを発生する時間まで、電磁ブレーキ8の制動解除が遅延される(
図4の(1)図を参照)。
【0039】
(9)そこで、運搬台車12が坂道等の勾配途中で停車した状態から再発進する際、一時的に走行制御が失われる事態は回避される。
すなわち、制動作動中だった電磁ブレーキ8の制動解除時と、駆動開始されたモータ5の必要トルク発生時に関し、両者間にタイムラグが存する事態は回避される。
この運搬台車12は、モータ5が必要トルクを発生してから、電磁ブレーキ8が制動解除されて、坂道発進するようになる。
本発明の作用等については、以上のとおり。