特許第6865513号(P6865513)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6865513
(24)【登録日】2021年4月8日
(45)【発行日】2021年4月28日
(54)【発明の名称】洗髪用シート
(51)【国際特許分類】
   A45D 19/00 20060101AFI20210419BHJP
   A45D 44/08 20060101ALI20210419BHJP
【FI】
   A45D19/00 Z
   A45D44/08 C
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-125721(P2019-125721)
(22)【出願日】2019年7月5日
(65)【公開番号】特開2021-10521(P2021-10521A)
(43)【公開日】2021年2月4日
【審査請求日】2020年12月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516202165
【氏名又は名称】李 美和
(72)【発明者】
【氏名】李 美和
【審査官】 田村 惠里加
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−280878(JP,A)
【文献】 特開平11−18824(JP,A)
【文献】 特開2016−202718(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3189630(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 19/00,19/02,19/18
A45D 44/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心線で線対称な非吸水性のシートであって、前記中心線上には、被装着者の頭部が辛うじて通る大きさの引っ張れば伸びて薄くなる貫通孔と、前記貫通孔から第1距離離れるとともに、前記中心線と略直交する方向に伸びる一段高い第1土手部とが形成され、前記貫通孔を挟んだ両側のそれぞれ第2距離離れた位置には、前記第1土手部の両脇に繋がる第2土手部がそれぞれ形成され、その形状の前記貫通孔に被装着者の頭部を通して前記第1土手部を被装着者の背中に配置し、前記第2土手部を被装着者の両肩に配置すると、被装着者の背中の上部と両肩と胸部とを覆う大きさとなり、その状態の被装着者の胸部に垂れるシート部分を持ち上げて前記貫通孔の周縁が被装着者のうなじから耳の下を通って額に至る顔周りの肌に密着するように、前記貫通孔から被装着者の顔を露出させて前屈みになると、被装着者の額から垂れる前記シート部分が、顔濡れ防止用のバリアーとなり、背中に配置した前記第1土手部と、両肩に配置した前記第2土手部とで囲まれる前記貫通孔周りのシート部分が、洗髪した洗浄水の流路となることを特徴とする洗髪用シート。
【請求項2】
被装着者のうなじから耳の下を通る前記貫通孔の周縁部分に複数の切れ目が設けられている、請求項1に記載の洗髪用シート。
【請求項3】
前記シートは、少なくとも三つの角部の真中の角部を通る中心線で線対称であり、前記中心線上の真中の角部を端から前記貫通孔に向けて巻くことにより、或いは、前記角部に形成した複数の波状の皺を前記貫通孔に向けて寄せることにより、前記第1土手部が形成されている請求項1又は2に記載の洗髪用シート。
【請求項4】
前記第2土手部は、前記中心線と交差する方向の、前記真中の角部に隣接する両側の角部を互いに連結することにより、形成されている請求項3に記載の洗髪用シート。
【請求項5】
被装着者のうなじから耳の下を通って額に至る顔周りの肌に密着する前記貫通孔の周縁部分と、前記第1土手部と第2土手部とで形成されるシート部分とは、厚みの異なる材質で形成されている請求項1から4の何れかに記載の洗髪用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗面台で洗髪するときに、衣服や顔に水が掛からないようにする洗髪用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
洗面化粧台で洗髪する時に問題になるのは、服や袖が濡れることである。この問題に対しては、例えば下記特許文献に記載の発明が知られている。
【0003】
特許文献1に記載の発明は、理容室で仰向けになったお客様の顔に被せるものであるため、洗面台で前屈みになって洗髪するときには、使用できない問題がある。
【0004】
また、特許文献2、3に記載の発明は、洗髪のときに、首や衣服をカバーするものなので、衣服が濡れる心配はないが、前屈みになって洗髪したときに、額や首筋に洗浄水が垂れる問題がある。
【0005】
顔や首筋に洗浄水が垂れても、首にタオルを巻き付けたり洗顔したりすれば済むが、目を患っている場合や化粧をした後の顔に水が掛かるのは、避けたいものである。しかし、下記特許文献に記載の発明は、何れも衣服と顔のどちらか一方を保護するものなので、これらの双方を同時に保護するものは、未だ開発されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−320663号公報
【特許文献2】特開2006−280878号公報
【特許文献3】特開2002−085133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、こうした背景から、服を着たまま前屈みになって洗髪するときに、衣服や顔に水が掛からない洗髪用シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
図1は、本発明に係る洗髪用シートを説明する簡易モデルの平面図である。この図において、洗髪用シート1は、中心線CLで線対称な非吸水性のシートであって、その中心線CL上には、被装着者の頭部が辛うじて通る大きさの、引っ張れば伸びて薄くなる貫通孔2と、該貫通孔2から第1距離L1離れ、前記中心線CLと略直交する方向に伸びる、一段高い第1土手部3とが形成されている。さらに、貫通孔2を挟んだ両サイドの、それぞれ第2距離L2離れた位置には、第1土手部3の両脇に繋がる第2土手部4がそれぞれ形成されている。そうした形状の貫通孔2に被装着者の頭部を通して第1土手部3を被装着者の背中に配置し、第2土手部4を被装着者の両肩に配置すると、洗髪用シート1が、被装着者の背中の上部と両肩と胸部とを覆う大きさとなる。さらに、その状態の被装着者の胸部に垂れるシート部分5を持ち上げて、貫通孔2の周縁が被装着者のうなじから耳の下を通って額に至る顔周りに位置するように露出させると、貫通孔2の周縁がうなじから耳の下を通って額に至る顔周りの肌に密着する。その状態で前屈みになると、被装着者の額から垂れ下がるシート部分5が、顔濡れ防止用のバリアーとなり、背中に配置した第1土手部3と、両肩に配置した第2土手部4とで囲まれる貫通孔2周りのシート部分6が、洗髪した洗浄水の流路となることを特徴とする。
【0009】
このシート1は、非吸水性の素材で構成され、特に貫通孔2の部分を、手で引っ張れば伸びて薄くなる素材で構成している。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等の薄手の素材でシート全体を形成している。これに代えて、貫通孔2を含むその周縁部分だけを薄手のポリエチレンシートやゴム製の薄いシートで構成し、それを大きめの貫通孔を有する厚手の防水シートの上に、それらの貫通孔を同軸上に配置して貼り合わせても良い。
【0010】
ポリエチレンシートは、手で引っ張れば、5倍以上は伸びるから、このシートの中心線CL上に頭部が辛うじて通る貫通孔2を開け、この貫通孔2に頭部を通してから、該貫通孔2から顔を露出させるには、おおよそ0.05mm以下の薄さのシートが好ましい。また、顔を露出させることによって伸びた貫通孔2は、薄くなって肌に密着するが、そのときの密着性と締め付け力を考慮すると、女性用では、例えば0.03mmから0.015mmの薄さのシートが好ましい。
【0011】
この素材で洗髪用シート1を構成するときは、一辺が略90cmの四角形のシートから例えば、図2(a)の菱形、図2(b)の五角形、その底辺を円弧にした図2(c)の形状のものを形成する。これらは、平面視において、隣接する三つの角部K1、K2,K3の真中の角部K2を通る仮想上の中心線CLで線対称である。ただし、これらの形状は一例であって、図2の形状には限定されない。また、各角部K1〜K3は、直角である必要はなく、円弧であっても良い。特に両側の角部K1,K3は、帯状に左右方向に飛び出た形状であるのが好ましい。また、これらのシートの中心線CLの下部、具体的には、左右の角部K1,K3を通る対角線より下側に被装着者の頭部が辛うじて通る大きさの貫通孔2を形成しておく。
【0012】
素材が0.03mmの厚みのポリエチレンシートであれば、引っ張れば5倍以上は伸びるから、例えば周囲長が略53cmの頭部に対しては、貫通孔2の周囲長を略38cmに形成しておく。そうすれば、小さな貫通孔2に頭部を通すことができる。また、シートの厚みが厚くなれば、貫通孔2の大きさを大きくすれば良い。例えば洗髪用シートを0.04mmのポリエチレンシートで形成する場合は、貫通孔2の周囲長を略40cmに広げておけば、0.03mmの薄さと略同程度の抵抗でもって小さな貫通孔2に頭部を通すことができる。また、この貫通孔2は、例えば円形若しくは長円形であるのが好ましい。そうすれば、貫通孔2から顔を露出させた時に、貫通孔2の周縁が伸びて、被装着者のうなじから耳の下を通って額に至る顔周りの肌に密着させることができる。この密着により、洗髪したときに、額や首筋に垂れる洗浄水を貫通孔2の周縁で遮断することができる。
【0013】
続いて図3に示すように、隣接する三つの角部K1〜K3の真中の角部K2を、端から貫通孔2に向けて緩く巻くことにより、一段高い、ふんわりとした第1土手部3を形成する。これに代えて、角部K2に波状の皺を複数形成し、それらの皺を貫通孔2に向けて寄せることにより、緩く束ねた第1土手部3を形成しても良い。こうして形成した第1土手部3を、後述の紐8や粘着テープによってふんわりと止めておく。このとき、第1土手部3と貫通孔2との間には、略20cm程度の第1距離L1を残しておく。このスペースがうなじから両肩に続く背中の上部を覆う部分となる。
【0014】
続いて、中心線CLに対し、線対称位置にある両角部K1、K3を互いに連結することによって、両角部K1、K3を立ち上げる。これにより、図4に示すように、第1土手部3と繋がった、一段高い第2土手部4を形成する。この場合の連結は、両角部K1、K3を粘着テープ等で連結しても良いし、図4に示すように、両角部K1、K3に紐7を取り付けて、その紐7でもって両角部K1,K3を結び合わせても良い。
【0015】
ただし、両角部K1、K3は、貫通孔2に被装着者の頭部を通した後に結んでも良いし先に結んでも良い。こうして形成された洗髪用シート1を装着するときは、まず貫通孔2に頭部を通して被り、続いて第1土手部3を被装着者の背中に配置し、第2土手部4を被装着者の両肩に配置する。すると、図8図10に示すように、洗髪用シート1が被装着者の背中の上部と両肩と胸部とを覆う大きさとなる。ただし、図8図10では、両角部K1,K3を紐7で連結する前の状態を示している。
【0016】
続いて、被装着者の前側に垂れるシート部分5を持ち上げて、図11に示すように貫通孔2から被装着者の顔を露出させる。このとき、貫通孔2の周縁は、引き伸ばされて被装着者のうなじから耳の下を通って額に至る顔周りの肌に張り付くように密着する。そうすると、貫通孔2の周縁を境にして、頭髪の領域と、うなじから額に至る顔の領域とに分かれ、しかも、伸びた貫通孔2の収縮力と弾力でもって、その周縁が適度な締め付け力でもって顔回りの肌に密着するから、洗浄水が顔や首筋に垂れるのを防止する。そうした状態で前屈みになって洗髪すると、被装着者の額から垂れるシート部分5が、顔濡れ防止用のバリアーとなり、背中に位置する第1土手部3と、それに続く両肩に位置する第2土手部4とで囲まれる貫通孔2周りのシート部分6が、洗髪した洗浄水の流路となる。
【0017】
さらに、被装着者の両腕は、洗髪のために持ち上げられるから、両腕に乗った第2土手部4は、両腕で支えられて、シート部分6より一段高い第1土手部3と連なった第2土手部4となる。これにより、洗髪した洗浄水は、顔や服、二の腕には掛からずに、シート部分6を伝って流れ落ちる。
また、バリアーとなるシート部分5を長くすると、洗面化粧台に接して邪魔になることがあるから、被装着者の腰の高さに合わせて、適宜な長さとしておくのが良い。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る洗髪用シートによれば、貫通孔2の周縁が被装着者のうなじから耳の下を通って額に至る顔周りの肌に密着するから、前屈みになって洗髪しても、貫通孔2の周縁から洗浄水が漏れ出ることはない。また、後頭部に掛けられた洗浄水は、背中側の第1土手部3とその両脇の第2土手部4に遮られて、貫通孔2周りのシート部分6を伝って流れ落ちるから、服や袖を濡らすことはない。さらに、顔の前面には、バリアーとなるシート部分5が垂れているから、額に流れる洗浄水を下方に導いて顔が濡れるのを防止することができる。したがって、顔、首回り、服等が濡れない洗髪用シートを市場に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】洗髪用シートの構成を説明する説明図。
図2】洗髪用シートを形成する前の展開平面図。
図3】洗髪用シートの真中の角部を端から巻いて第1土手部を形成する説明図。
図4】洗髪用シートの左右の角部を互いに連結して第2土手部を形成する説明図。
図5】洗髪用シートの一実施形態に係るシート状態の外観展開斜視図。
図6図5のシートの上部角部を折り畳んで第1土手部を形成する途中の説明図。
図7図6の折り畳んだ第1土手部を紐で綴じた状態の説明図。
図8図6の貫通孔に頭部を通して被ったときの被装着者の正面視イラスト。
図9図8の側面視イラスト。
図10図8の背面視イラスト。
図11図8の洗髪用シートの貫通孔から顔を露出させた状態の説明図。
図12】左右の第2土手部を互いに結び合わせて洗髪するときの状態のイラスト。
図13図2を側面から見た状態のイラスト。
図14図2を側面から見た状態の他のイラスト。
図15】貫通孔から顔を露出させたときの頭頂部から洗髪用シートを俯瞰したときの貫通孔周りのイラスト。
図16】貫通孔に複数の切れ目を入れた状態の平面図。
図17】貫通孔の一実施形態の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0021】
図5は、五角形のポリエチレンシートで構成した洗髪用シート1の展開斜視図を示す。この図に示す洗髪用シート1は、一辺が略90cmの正方形のポリエチレンシートから、一つの角部を切除して五角形にしたもので、真中の上部角部K2を通る中心線CLで線対称に形成している。
【0022】
また、中心線CLに対し、対称位置にある左右方向の角部K1,K3には、長さが略15cmの紐7をそれぞれ取り付け、両角部K1,K3を通る対角線より下方の中心線CL上には、被装着者の頭部が辛うじて通る長円形の貫通孔2を形成している。この貫通孔2の周囲長は、略38cmである。また、その貫通孔2より略20cm上方の中心線CL上には、中心線CLに沿う方向に伸びる略15cmの紐8を取り付け、この紐8でもって、角部K2を貫通孔2に向けて緩く巻いたときに形成される第1土手部3を保持するようにしている。
【0023】
具体的には、紐8の両端部に両面接着テープを貼り付け、貼り付けた一方の端部は、貫通孔2の周縁から略20cm離れた洗髪用シート1の表面に貼り付けて固定端8aとし、他方の自由端8bには、剥離シートを付けたままにしておく。そして、図6図7に示すように、中央の角部K2を貫通孔2に向けて緩く巻き、巻いた部分の端が紐8の固定端8aに到達すると、紐8の自由端8bから剥離シートを剥がして洗髪用シート1の裏面に貼り付けて、第1土手部3を形成している。また、この紐8の代わりに、接着テープを使って第1土手部3を押さえつけないように、ふんわりと固定しても良い。
【0024】
この第1土手部3は、平坦なシート面から2〜3cm程度の高さとするが、シート面と共に柔軟に変形するものでなければならない。それは、第1土手部3がしなやかに変形しないと、洗髪するときの両肩や二の腕の動きによって、第1土手部3が傾き、それによって洗浄水が第1土手部3を乗り越え易くなるからである。そのため、この実施形態では、図6図7に示すように、角部K2を端から緩く巻くことによって第1土手部3を形成している。ただし、これに代え、角部K2に波状の皺を複数形成し、それらを貫通孔2に向けて寄せることによって、第1土手部3を形成しても良い。
【0025】
また、こうした方法に代えて、貫通孔2から所定距離離れた周囲に、図1図2に示すような平面視馬蹄形のトンネル状の第1土手部3と、それに連なる第2土手部4を予め形成し、その中に細くて柔らかいスポンジを収納しても良いし、薄手の細長いポリエチレンシートを捻じって紐状にしたものをトンネル内に収納して、捻じったシートが元のシート状に解けることによって、トンネル内が膨らむようにしても良い。
【0026】
こうして第1土手部が形成されると、次に、両サイドの角部K1,K3の紐7を互いに結んで、貫通孔2を含むシート1全体をU字状に湾曲させる。これにより、第1土手部3の両脇がU字状に立ち上がり、立ち上がったシート面の内壁が第2土手部4として作用する。ただし、両サイドの紐7を結ぶ時期は、貫通孔2に頭部を通してからでも良い。
【0027】
次に、第1土手部3を後側に向け、貫通孔2に頭部を通して、図8図10に示すように、洗髪用シート1をケープのように被る。このとき、貫通孔2は、頭部が辛うじて通る大きさなので、紐7の付いたシート1の両サイドを下方へ引っ張って頭部を無理やり挿入する。これにより、貫通孔2は、伸びるが、その後若干縮む。なお、図8図10では、両サイドの紐7を結ぶ前の状態を示している。
【0028】
続いて、図11に示すように、胸部に垂れるシート部分5を掴んで持ち上げ、貫通孔2から顔を露出させる。このとき、貫通孔2の周縁が頭髪まで行き過ぎないように注意を払う。具体的には、貫通孔2の周縁が、耳の下に位置し、且つ眉毛の上部が少し露出した時点で顔の露出を止める。これにより、貫通孔2の周縁が薄くなりながらさらに伸びて、被装着者のうなじから耳の下を通って額に至る顔周りの肌に密着する。この状態では、第1土手部3が背中に位置し、第2土手部4が両肩から二の腕に位置するが、この状態で両サイドの紐7を結ぶと、結んだ紐7が額から垂れるシート部分5より内側に来ないように、紐7を外側に配置しておく。この状態で前屈みになると、図12図14に示すような状態になる。
【0029】
これらの図12図14からも判るように、貫通孔2から上側に頭髪を露出させた状態で、第1土手部3とそれに繋がる第2土手部4とが、頭髪を囲む。しかも、図14に示すように、持ち上げた二の腕によって第2土手部4が立ち上がるから、洗髪した洗浄水は、貫通孔2回りのシート部分6から前側のシート部分5を伝って流れ落ちる。
【0030】
これにより、衣服や顔を濡らさずに洗髪することができる。この状態の洗髪用シート1を被装着者の頭頂部側から俯瞰すると、概ね図15に示すような状態になるから、肌に密着した貫通孔2の周縁から洗浄水が漏れ出るようなことはない。
【0031】
ところで、前側のシート部分5を持ち上げて貫通孔2から顔を露出させるときは、貫通孔2のうなじに接する後側周縁部分が支点となって貫通孔2の前側周縁部分が持ち上げられるから、支点となる貫通孔2の後側周縁部分は、伸びて紐状になり易い。これに対し、持ち上げられる貫通孔2の前側周縁部分は、図11に示すように、顔で押し広げられて平面的に伸びながら顔周りの肌に密着する。そのため、うなじから耳の下を通って揉み上げに至る被装着者の頭髪回りの部分に窪みがある場合、例えば痩せた人や、顎の関節部分が発達した人の場合には、例えば耳たぶの後側の窪み部分から漏水することがある。
【0032】
そうした場合は、貫通孔2を小さく形成して、締め付け力を高めても良いが、図16に示すように、少し小さめの貫通孔2に、被装着者のうなじから耳の下を通る貫通孔2の後側周縁部分2aに深さ略1cm〜2cm程度の複数の切れ目20を入れておくのも良い。図16では、4箇所に切れ目20を入れたが、その数は、適宜に増やすことができる。そうすれば、貫通孔2に頭部を通すときに、切れ目20と切れ目20の間の、拘束されていない周縁部分21が、一点鎖線で示す折れ線22で折れて肌に貼り付くようになる。その結果、拘束されていない周縁部分21が、耳たぶの後側の窪み部分に貼り付いて、その窪み部分からの漏水を遮断する。
【0033】
また、貫通孔2の形状を、図17に示すように、うなじに接する後側周縁部分2aの横幅L3を長くし、額に接する前側周縁部分2bの横幅L4を短くしておけば、額への密着性を増加させることができる。それは、貫通孔2から顔を露出させるときに、後側周縁部分2aが、前述のように、紐状に周縁方向に伸びるのに対し、前側周縁部分2bが、図11に示すように、平面的に広がって伸びるから、前側周縁部分2bの横幅L4の方を短く形成しておけば、前側周縁部分2bが、より広がって、顔周りの肌に密着するようになるからである。
【0034】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではなく、他の形態も採用可能である。例えば、図5図7に示す形状の洗髪用シート1では、一度装着すると、貫通孔2が伸びるために、繰り返し使用することが困難になる。そこで、図1図2に示すような形状の厚手のシートに、周囲長が大きい貫通孔を開け、そこに頭部が辛うじて通る小さな貫通孔2を開けた薄いゴム製のシートや、薄いポリエチレンシートを、互いの貫通孔が同軸上で合わさるように、繰り返し着脱できるように粘着剤を介して貼り合わせておくと、前者のゴム製シートの場合は、それを繰り返し使用することができ、後者のポリエチレンシートの場合は、貫通孔の部分を取り換えて繰り返し使用することができる。これにより、プラスチックごみを減らすことができる。
【符号の説明】
【0035】
1 洗髪用シート
2 貫通孔
3 第1土手部
4 第2土手部
5 シート部分(バリアー)
6 シート部分(流路)
7 紐
8 紐
20 切れ目
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17