(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のサブフレームが、垂直方向に延在する長手形状を有し、および/または前記第2のサブフレームが、垂直方向に延在する長手形状を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のシステム。
前記第1のサブフレームおよび前記第2のサブフレームが、前記システムを使用するために互いに接続されかつ前記垂直壁から前記システムを取り外すために互いに切り離されるように配置されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシステム。
前記上部が、前記第1のサブフレームの上部および前記第2のサブフレームの上部によって形成されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシステム。
前記システムが、前記吊り車輪または他の車輪を含む運動手段を駆動する少なくとも第1のモータを備え、前記運動手段は、使用時に、前記垂直壁の前記部分の外側表面に接触して前記垂直壁の前記部分の前記上縁部の方向に沿って延在する溶接部を走査する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシステム。
前記システムは、前記運動手段と接触している前記垂直壁の前記外側表面に対向する前記垂直壁の表面に沿って転がるように配置された少なくとも1つのさらなる車輪を備えることを特徴とする、請求項6に記載のシステム。
前記放射線源および前記放射線検出器が垂直平面に存在し、前記吊り車輪の少なくとも1つが、前記垂直平面の第1の側面に存在し、かつ前記吊り車輪の少なくとも別のものは、前記垂直平面の他の側面に存在することを特徴とする、請求項8に記載のシステム。
前記放射線源および前記放射線検出器が互いに位置合わせされ、前記放射線源によって放射される放射線は、前記放射線源と前記放射線検出器との間に前記垂直壁の一部分がない場合には、直線に沿って前記放射線検出器に直接伝わり得ることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のシステム。
前記第1のサブフレームに取り付けられた前記放射線源が、垂直方向成分を含む第2の方向に可動であり、前記第2のサブフレームに取り付けられた前記放射線検出器が、前記第2の方向に可動であり、および前記システムは、前記第2の方向に延在する溶接部を走査するために、前記放射線源および放射線検出器を同期させて動かす第2のモータを備えることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のシステム。
前記放射線源および前記放射線検出器が、各々、前記第2のモータによって駆動されるスピンドルまたは歯付きベルトによって動かされることを特徴とする、請求項11に記載のシステム。
前記第1のサブフレームが、前記第2の方向に延在する第1のガイドレールを備え、前記第1のガイドレールは、前記放射線源が前記第2のモータによって前記第2の方向に動かされるときに、前記放射線源を案内し、および前記第2のサブフレームが、前記第2の方向に延在する第2のガイドレールを備え、前記第2のガイドレールは、前記放射線検出器が前記第2のモータによって動かされるときに、前記放射線検出器を案内することを特徴とする、請求項11または12に記載のシステム。
前記システムが、使用時に、前記吊り車輪を含む前記懸架式搬送手段が静止している間に前記第2の方向における走査を実施するように配置されること、および/または垂直走査の最中に、放射線源と検出器との間の位置合わせが維持されることを特徴とする、請求項11〜13のいずれか一項に記載のシステム。
前記システムが、一方では前記吊り車輪を含む前記懸架式搬送手段と他方では前記フレームとの間に、制動懸架装置を備えることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載のシステム。
前記第1のサブフレームが、少なくとも1つの第1の支持車輪を備え、前記第1の支持車輪の回転軸は垂直方向に延在し、および前記第1の支持車輪は、前記システムが前記上縁部上で移動される場合、前記垂直壁の前記部分の表面に沿って転がるように、配置され、および/または前記第2のサブフレームは、少なくとも1つの第2の支持車輪を備え、前記第2の支持車輪の回転軸は垂直方向に延在し、および前記第2の支持車輪は、前記システムが前記上縁部上で駆動される場合、前記垂直壁の前記部分の表面に沿って転がるように、配置されることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載のシステム。
前記第1のサブフレームが、少なくとも垂直方向に互いに分離される少なくとも2つの第1の支持車輪を備え、および前記第1の支持車輪の回転軸は垂直方向に延在し、および前記第1の支持車輪は、前記システムが前記上縁部上で移動される場合、前記垂直壁の前記部分の表面に沿って転がるように配置され、および/または前記第2のサブフレームは、少なくとも垂直方向に互いに分離される少なくとも2つの第2の支持車輪を備え、および前記第2の支持車輪の回転軸は垂直方向に延在し、および前記第2の支持車輪は、前記システムが前記上縁部上で駆動される場合、前記垂直壁の前記部分の表面に沿って転がるように配置されることを特徴とする、請求項16に記載のシステム。
前記第1の支持車輪は、垂直方向に調整されて、前記第1の支持車輪のうちの1つを、前記上縁部の方向に延在する被検査溶接部よりも上側に、および前記第1の支持車輪の別の1つを、前記被検査溶接部よりも下側に位置決めできること、および/または前記第2の支持車輪は、垂直方向に調整されて、前記第2の支持車輪のうちの1つを、前記上縁部の方向に延在する被検査溶接部よりも上側に、および前記第2の支持車輪の別の1つを、前記被検査溶接部よりも下側に位置決めできることを特徴とする、請求項17に記載のシステム。
少なくとも1つの第1の支持車輪と前記第1のサブフレームとの間の距離を調整して、前記少なくとも1つの第1の支持車輪を、この第1の支持車輪が前記垂直壁に接触するように位置決めするか、または前記少なくとも1つの第1の支持車輪を、この第1の支持車輪が前記垂直壁から自由になるように位置決めでき、および/または少なくとも1つの第2の支持車輪と前記第2のサブフレームとの間の距離を調整して、前記少なくとも1つの第2の支持車輪を、この第2の支持車輪が前記垂直壁と接触するように位置決めするか、または前記少なくとも1つの第2の支持車輪を、この第2の支持車輪が前記垂直壁から自由になるように位置決めできることを特徴とする、請求項16〜18のいずれか一項に記載のシステム。
前記システムが、前記少なくとも1つの第1の支持車輪の前記回転軸を水平方向に向けるように、配置され、および/または前記システムは、前記少なくとも1つの第2の支持車輪の前記回転軸を水平方向に向けるように、配置されることを特徴とする、請求項16〜19のいずれか一項に記載のシステム。
前記放射線源の位置が、前記第2のサブフレームへ向かうおよびそれから離れるような方向に調整可能であること、および/または前記放射線検出器の位置が、前記第1のサブフレームへ向かうおよびそれから離れるような方向に調整可能であることを特徴とする、請求項1〜20のいずれか一項に記載のシステム。
前記懸架式搬送手段の位置が、前記第1のサブフレームへ向かうおよびそれから離れるように水平方向に調整可能であり、および/または前記フレームに対する前記懸架式搬送手段の位置が垂直方向に調整可能であることを特徴とする、請求項1〜21のいずれか一項に記載のシステム。
前記システムが、前記放射線源の線と水平平面との間の角度を調整するために、前記放射線源の向きを調整するように、配置されること、および/または前記システムが、前記放射線検出器の線と水平平面との間の角度を調整するために、前記放射線検出器の向きを調整するように、配置されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
前記システムが、前記走査された溶接部の像をスクリーンに瞬間的に作製可能にするために、前記デジタル検出器に接続されたコンピュータを備えることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
前記放射線検出器が複数のピクセルを含み、前記ピクセルは複数の線に沿って配置され、前記線が互いに平行に延在し;または前記複数のピクセルは、規則的なパターンに配置されて二次元平面にわたって分割され、前記検出器は、前記線の長手方向において分離された複数のピクセル、および前記線の前記長手方向に垂直な方向に分離された複数のピクセルを含むことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
前記システムが、前記放射線源から前記放射線検出器へ向かう方向を除いた、所定の方向ないし全方向において、前記放射線源を遮蔽する第1の放射線遮蔽部を備えることを特徴とする、請求項26に記載のシステム。
前記システムが、前記放射線源から前記放射線検出器へ向かう方向を除いた、所定の方向ないし全方向において、前記放射線検出器を遮蔽する第2の放射線遮蔽部を備えることを特徴とする、請求項26または27に記載のシステム。
前記システムが、使用時に前記放射線源から前記垂直壁の部分へおよび/または前記垂直壁の前記部分から前記放射線検出器に向かって前記放射線が進む経路を取り囲む第3の放射線遮蔽部を備えることを特徴とする、請求項26〜28のいずれか一項に記載のシステム。
前記放射線遮蔽部の少なくとも1つが、被検査溶接部を有する前記垂直壁の一部分から前記システムを持ち上げるかまたは前記システムを取り外し可能とするために、後退するように、配置されることを特徴とする、請求項27〜29のいずれか一項に記載のシステム。
前記放射線源および/または前記放射線検出器が、被検査溶接部を有する前記垂直壁の一部分から前記システムを持ち上げるかまたは前記システムを取り外し可能とするために、後退するように、配置されることを特徴とする、請求項1〜30のいずれか一項に記載のシステム。
ガスまたはオイル用の貯蔵タンクの壁を含む壁の垂直部分の溶接部の走査方法であって、前記垂直壁の前記部分が、前記溶接部によって接続された複数の金属板を含み、前記方法は、請求項1〜34のいずれか一項に記載のシステムによって実施され、前記方法は、前記垂直壁の前記垂直部分の前記上縁部の方向に延在する溶接部を走査するために、前記システムを前記垂直壁の前記垂直部分の前記上縁部上で移動させながら溶接部を検査するステップを含む、方法。
前記方法が、前記フレームを前記垂直壁の前記部分の前記上縁部に対して静止した状態に保持する間に、垂直方向成分を含む第2の方向に延在する溶接部を走査するために、前記放射線源および放射線検出器を同期させて前記第2の方向に動かすステップを含む、請求項35に記載の方法。
ガスまたはオイル用の貯蔵タンクの壁を含む垂直壁を組立てかつ前記垂直壁の溶接部を走査する方法であって、完成した前記壁は、前記溶接部によって接続された複数の金属板を含み、前記方法は、請求項1〜34のいずれか一項に記載のシステムおよび/または請求項35または36に記載の方法を使用する間に実施され、前記方法は以下のステップ:
1.金属板を互いに溶接することによって、前記垂直壁の第1の最下環の少なくとも一部分を組立てるステップであって、完成した前記最下環が、垂直に延在する溶接部および場合により水平に延在する溶接部によって互いに接続される複数の金属板を含むステップ;
2.前記懸架式手段が、ステップ1において組立てられた前記タンク壁の前記第1の環の前記部分の上縁部に位置決めされるように、前記システムを備え付けるステップ;
3.前記第1の環の前記部分の前記上縁部に対して前記フレームを静止した状態に保つ間に、前記放射線源および前記放射線検出器を同期させて垂直方向に動かすことによって、垂直溶接部の検査を実施するステップ;
4.前記第1の環の前記部分の前記上縁部に沿って別の位置まで前記システムを動かし、かつステップ3を繰り返すステップ;
5.前記第1の環の前記部分の全ての垂直溶接部が走査されるまで、ステップ4を繰り返すステップ;
を含む方法。
ステップ10〜13の順序が、10、11、12、13または13、10、11、12または10、13、11、12を含み、固定されていない、請求項37に記載の方法。
ガスまたはオイル用の貯蔵タンクの壁を含む垂直壁を組立てかつ前記垂直壁の溶接部を走査する方法であって、完成した前記壁は、前記溶接部によって接続された複数の金属板を含み、前記方法は、請求項1〜34のいずれか一項に記載のシステムおよび/または請求項35〜37のいずれか一項に記載の方法を使用する間に実施され、前記方法は、以下のステップ:
1.金属板を互いに溶接することによって、前記垂直壁の第1の最下環の少なくとも一部分を組立てるステップであって、完成した前記最下環は、垂直に延在する溶接部によって互いに接続される複数の金属板を含むステップ;
2.前記懸架式手段が、ステップ1において組立てられた前記タンク壁の前記第1の環の前記部分の上縁部に位置決めされるように、前記システムを備え付けるステップ;
3.前記第1の環の前記部分の前記上縁部に対して前記フレームを静止した状態に保つ間に、前記放射線源および前記放射線検出器を同期させて垂直方向に動かしながら、垂直溶接部の検査を実施するステップ;
4.前記システムを前記第1の環の前記部分の前記上縁部に沿って別の位置へ動かし、かつステップ3を繰り返すステップ;
5.前記第1の環の前記部分の全ての垂直溶接部が走査されるまで、ステップ4を繰り返すステップ;
6.前記第1の環が完全に組立てられ、かつ前記第1の環の各溶接部が検査されるまで、ステップ1〜5を繰り返すステップ;
7.検査された前記最後の環の上に次の環の少なくとも一部分を組立てるステップであって、前記次の環の前記板は、垂直溶接部によって互いに溶接され、および前記次の環の前記板は、水平に延在する溶接部によって前記最後の環に溶接されることを含むステップ;
8.前記懸架式手段が、ステップ7で組立てられた前記タンク壁の前記次の環の少なくとも一部分の上縁部に位置決めされるように、前記システムを備え付けるステップ;
9.前記次の環の前記上縁部に対して前記フレームを静止した状態に保つ間に、前記放射線源および前記放射線検出器を同期させて垂直方向に動かすことによって、垂直溶接部の検査を実施するステップ;
10.前記システムを前記次の環の前記上縁部に沿って別の位置へ動かし、かつステップ9を繰り返すステップ;
11.前記次の環の前記部分の全ての垂直溶接部が走査されるまで、ステップ10を繰り返すステップ;
12.前記次の環の前記部分と前記次の環の下側の環との間の前記溶接部を走査しながら、前記次の環の前記部分の前記上縁部上で前記フレームを移動させるステップ;
13.前記次の環が完全に組立てられかつ前記次の環の各垂直溶接部が検査されるまで、および前記次の環とステップ7で述べたような前記最後の環との間の前記溶接部全体も検査されるまで、ステップ7〜12を繰り返すステップ;
14.前記タンクの前記垂直壁が完成されるまで、あるいは、かつ各溶接部が検査されるまで、ステップ7〜13を繰り返すステップ;
を含む方法。
ガスまたはオイル用の貯蔵タンクの壁を含む垂直壁を組立てかつ前記垂直壁の溶接部を走査する方法であって、完成した前記壁は、前記溶接部によって接続された複数の金属板を含み、前記方法は、請求項1〜34のいずれか一項に記載のシステムおよび/または請求項35〜37または40のいずれか一項に記載の方法を使用する間に実施され、前記方法は、以下のステップ:
1.金属板を互いに溶接することによって、前記垂直壁の第1の最下環を組立てるステップであって、完成した前記最下環が、垂直に延在する溶接部によって互いに接続される複数の金属板を含むステップ;
2.前記懸架式手段が、ステップ1で組立てられた前記タンク壁の前記第1の環の少なくとも一部分の上縁部に位置決めされるように、前記システムを備え付けるステップ;
3.前記第1の環の前記上縁部に対して前記フレームを静止した状態に保つ間に、前記放射線源および前記放射線検出器を同期させて垂直方向に動かすことによって、垂直溶接部の検査を実施するステップ;
4.前記システムを前記第1の環の前記部分の前記上縁部に沿って別の位置へ動かし、かつステップ3を繰り返すステップ;
5.全ての垂直溶接部が走査されるまで、ステップ4を繰り返すステップ;
6.検査された前記最後の環の上に次の環を組立てるステップであって、前記次の環の前記板が、垂直溶接部によって互いに溶接され、および前記次の環の前記板が、水平に延在する溶接部によって前記最後の環に溶接されることを含むステップ;
7.前記懸架式手段が、ステップ6で組立てられた前記タンク壁の前記次の環の少なくとも一部分の上縁部に位置決めされるように、前記システムを備え付けるステップ;
8.前記次の環の前記上縁部に対して前記フレームを静止した状態に保つ間に、前記放射線源および前記放射線検出器を同期させて垂直方向に動かすことによって、垂直溶接部の検査を実施するステップ;
9.前記システムを前記次の環の前記上縁部に沿って別の位置へ動かし、かつステップ8を繰り返すステップ;
10.前記次の環の全ての垂直溶接部が走査されるまで、ステップ9を繰り返すステップ;
11.前記次の環の前記部分と前記次の環の下側の環との間の前記溶接部を走査しながら、前記次の環の前記部分の前記上縁部上で前記フレームを移動させるステップ;
12.前記タンクの前記垂直壁が完成されるまで、あるいは、かつ各溶接部が検査されるまで、ステップ6〜11を繰り返すステップ;
を含む方法。
【背景技術】
【0002】
そのようなシステムは、特許文献1から公知である。当該システムは、貯蔵タンクの組立中に溶接部の検査をするために使用される。これらのタンクはまた、直径が最大100メートルまたはそれよりも大きくなり得るものの、設計が、基本的に垂直に位置決めされたシリンダーからなるため、垂直貯蔵タンクと呼ばれる。
【0003】
タンクの垂直部分(シェルまたは壁)は、複数の金属板で組立てられる。一般に、これらの板のサイズは、水平方向に10メートル、および垂直方向に3メートルであるが、他のサイズの板も使用できる。使用される板の厚さは、タンクの設計(直径、高さ、板の材料など)、および目的(圧力、貯蔵する物質、温度など)に依存する。一般に、垂直の板の厚さは、底部における比較的厚いものから、上部における薄いものまで様々である。低い個所の垂直の板は、例えば厚さ25〜30mmと厚みがあって、上側にある板の重量およびタンクに貯蔵される媒質の流体圧力に耐えるようにする。上側の板は、例えば10mm以下と薄くなり得る。これは、頂上部では重量が少なく、より高所では流体圧力がより小さくなることから、必要な材料の量を限定するためである。あるいは、設計および環境に依存して、タンク壁の板を全て同じ厚さとすることができる。
【0004】
タンク内部に貯蔵される物質に依存して、タンクの板の材料は、標準的な低合金炭素鋼(例えば、原油または油脂製品用)、または貯蔵された製品または環境に好適な合金鋼(例えば、−162℃での、LNG、液化天然ガスの貯蔵用の9%Ni鋼)とすることができる。一部の貯蔵タンクは、アルミニウムのような非フェライト系材料で作製される。
【0005】
一般に、タンクシェル(壁)の板間の全ての溶接部(水平および垂直)は、溶接部の完全性を保証するために検査される必要がある。
【0006】
いくつかの溶接部、例えば、タンク壁とタンクの床の(水平な)底板とを接続する溶接部は、アクセスまたは検査することがより困難である。これらの溶接部、およびタンクの底板の板間の溶接部は、ここでは考慮しない。被検査溶接部は、金属板間の溶接部である。
【0007】
公知のシステムの欠点は、一度に一回しか暴露できないフィルムを使用することである。これは時間がかかり、しかもフィルムの化学処理を必要とする。
【0008】
デジタルラジオグラフィーもそのようなものとして公知であり、かつ以下のような医療分野に対応する、様々な技術を網羅している:
− 潜像を一時的に記憶する、X線に感応する層(蛍光板のような)を有する画像プレート。潜像は、専用のスキャナー装置によって読み取ることができ、その後、像は、コンピュータに記憶される;
− デジタル信号が像として記憶されるコンピュータに接続された、X線をデジタル信号に(直接または間接的に)変換する材料を使用するフラットパネル、例えば、アモルファスシリコンパネル。
【0009】
上記の技術は、静的暴露にのみ好適である、つまり、X線源および検出器(フィルム、画像プレート、またはフラットパネル)の双方とも、検出器の放射線暴露の最中、互いに対しておよび物体に対して静止している必要がある。フィルム、画像プレートまたはフラットパネルの最大サイズは、典型的には、約30〜40センチメートルであり、これにより、1回の暴露で検査できる溶接の最大長さが決定される。溶接の全長を検査することを保証するために、連続的な暴露は、例えば、5センチメートル重ねて行う必要があるため、有効な暴露長は、常に、フィルムまたは検出器のサイズよりも小さい。その結果、設備の取り扱い、および新しい暴露を行うための次の静止位置への位置決めには、多大な時間がかかる。フィルムおよび画像プレートに関し説明したように、追加的な処理(現像、読み出し)も必要とされる。
【0010】
フィルムを用いる従来のラジオグラフィーは、静的暴露を使用し、かつ個々のフィルムそれぞれの暴露に対し、タンク壁の両側で(X線源用およびフィルム用)オペレータ操作を必要とする。
【0011】
デジタルラジオグラフィー用のシステムは、主に、例えばフラットパネル検出器での静的暴露を使用する。それゆえ、従来のラジオグラフィーと同様に、タンク壁の両側でのオペレータ操作が必要とされることになる。
【0012】
放射線溶接検査の場合には、存在し得る溶接の不完全性の適切な検出および評価を保証するために、得られる像の画質に厳しい条件を適用する。これらの条件は、国内の(国際的な)規格および基準で定められており、例えば、解像度およびコントラストがある。システムが条件を満たすことを示すために、溶接部に像質計が取り付けられており、規格および基準に従った検出結果像を見ることができるようにすることが義務付けられている。デジタルシステムに関し、追加的な条件を適用し得る。利用可能なデジタルシステムの全てが、貯蔵タンクの溶接検査の条件を満たすことができるわけではない。
【0013】
放射線検査中に他の作業員がいることが許されない放射線安全規制のため、いわゆる立入禁止区域を設定する必要がある。状況に依存して、立入禁止区域は、タンクの一部にわたってまたはさらにはタンク全体にわたって広がり得る。明らかに、これは、組立工程(溶接など)を制限する。一般に、溶接および組立作業は、日中の作業時間中に実施される一方、放射線検査は、夜間の作業時間中に実施される。休みなく(1日24時間)連続的に作業する複数の組立/溶接シフトを有することが有益であり得るが、これは、放射線安全に起因して、放射線検査を妨害する。多くの組立プロジェクトでは、溶接の検査は組立工程のクリティカルパスにあるため、プロジェクト全体の進捗は、検査の進捗に直接依存する。
【0014】
一部の溶接の不完全性は、溶接工程、溶接の材料および溶接システムの設定に関係し得る。例えば、溶接工または溶接機が溶接を進める速度は、溶接品質に影響を及ぼし得る。溶接品質に関する情報が、可能な限り直ちに溶接工にもたらされ、必要な場合には溶接工が溶接工程のいずれかのパラメータを調整できるようにすることが重要である。そのような溶接品質のフィードバックは、例えば、その溶接の品質には直接関係しないが、それでも溶接パラメータの準最適設定を示す小さな欠陥の存在からなり得る。溶接パラメータが調整されない場合、おそらくは、次の溶接において、許容できないより大きな欠陥が発生することがあり、おそらくはより長い距離にわたって溶接を修繕する必要がある。そのような修繕は、追加的な作業を必要とし(溶接の一部の除去、再溶接および再検査)、これは、最終的には、予定された組立工程を妨げる。そのため、溶接品質のフィードバックが溶接工に早期にもたらされる場合、溶接パラメータをタイムリーに調整すること、および大きな、許容できない欠陥の発生を防止することが可能になり得る。溶接工への早期のフィードバックは、溶接の検査の進捗が溶接の進捗に遅れておらず、および溶接部の可能な限り近くで検査を実施できる場合にのみ、可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、上記で言及した問題の少なくともいくつか、好ましくはそれぞれを解決することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明によるシステムは、システムが、使用時に、第1のサブフレームおよび第2のサブフレームが互いに機械的かつ剛的に接続されるように配置され、システムが、フレームに、好ましくはフレームの上部またはフレームの上半分部分に接続された吊り車輪などの懸架式搬送手段をさらに備え、懸架式搬送手段は、使用時に、壁の部分の上部自由縁部
(上縁部)に位置決めされるように配置されて、フレームは壁の部分の上部自由縁部上で駆動されて、放射線源および放射線検出器によって検査されるべき溶接部を走査し、溶接部は、壁の部分の上縁部の方向に延在していることを特徴とする。
【0018】
それゆえ、本発明によれば、上縁部の方向に延在する溶接部の検査は、移動しながら、および壁の部分の上縁部上でシステムを移動させることによって、実施することができる。これは、フレームが各暴露中静止している一連の暴露の代わりに、走査が実施されることを意味する。
【0019】
これまでのところ、従来のフィルムによるラジオグラフィーおよびフラットパネルデジタルラジオグラフィックシステのみを使用して、静的暴露を用いて、タンク壁にある溶接部を検査している。動的/走査システムはいまだ利用可能ではない。
【0020】
特に、タンク板と検出器との間の距離は、好ましくは正確に一定である必要がある。例えば、直線のガイドレールを使用して水平溶接部を検査する場合、検出器とタンク壁との間の距離が、タンクの曲率(直径)に起因して変化する。これは、画質に大きな影響を与え、この手法を不適切なものにする。さらに、放射線源と検出器との間の位置合わせを維持することは困難である。しかしながら、システムは、上縁部の方向に沿って走査する間、自動的に、壁の部分の曲率に従って動く。さらに、動的暴露のためには、安定性(振動がなく、衝撃がなく、距離が固定されている)も重要である。また、フレームは、上縁部の方向での走査の最中、全体として動かされるため、走査の最中、放射線源と検出器との間の適切な位置合わせが維持される。
【0021】
本発明によれば、第1のサブフレームおよび第2のサブフレームは互いに剛的に接続されるため、フレーム全体は剛体であり、およびシステムは安定し、かつ、走査の最中に放射線源および放射線検出器が振動するリスクを低くした状態で、動的走査に使用できる。ここで、剛接続は、少なくとも板に平行な複数の方向を網羅している。
必要により、支持車輪が配置されるフレームの下端部に対し、板に垂直ないくらかの限定された動きが可能である。好ましくは、フレームは、逆U字形状を有する。これは、システムが壁の部分の上縁部に懸架されると、システムに安定した特徴を提供する。好ましくは、第1のサブフレームが、垂直方向に延在する長手形状を有し、および/または第2のサブフレームが、垂直方向に延在する長手形状を有する。
【0022】
好ましい実施形態によれば、さらに、システムは、使用時に、壁の部分の上縁部の方向に沿って延在する溶接部を走査するために、壁の部分の外側表面と接触する吊り車輪または他の車輪などの懸架式搬送手段を駆動する少なくとも第1のモータを備える。
【0023】
また、走査速度の定常状態は、第1のモータによって実現され得る。それゆえ、好ましい実施形態によれば、システムは、使用時に、システム全体を実質的に一定速度で動かすことによって、上縁部の方向の走査を実施するように、配置される。
【0024】
実際的な実施形態によれば、放射線源および放射線検出器が互いに位置合わせされ、放射線源によって放射される放射線は、放射線源と放射線検出器との間に壁の一部分が存在しない場合には、直線に沿って放射線検出器に直接伝わり得る。
【0025】
特別な実施形態によれば、システムが、互いに水平方向に分離された複数の吊り車輪を含む。
【0026】
その場合、好ましくは、放射線源および放射線検出器が垂直平面に存在し、吊り車輪の少なくとも1つが、垂直平面の第1の側面に存在し、かつ吊り車輪の少なくとも別のものは、垂直平面の他の側面に存在する。また、この特別な実施形態は、壁の部分の上部の軸の方向に走査する間、使用時にフレームに追加的な安定性をもたらす。
【0027】
特別な実施形態によれば、第1のサブフレームに取り付けられた放射線源は、垂直方向成分を含む第2の方向に可動であり、第2のサブフレームに取り付けられた放射線検出器は、第2の方向に可動であり、およびシステムは、第2の方向に延在する溶接部を走査するために、放射線源および放射線検出器を第2の方向に同期させて動かす第2のモータを備える。
【0028】
それゆえ、その場合、システムはまた、第2の方向に溶接部を走査するように設計され、実際的な実施形態では、第2の方向は垂直方向である。これは、それぞれの板が、壁の上部の方向、通常水平方向に延在する溶接部、および垂直方向に延在する溶接部によって、互いに全体的に溶接されているという事実から見て、有益である。好ましくは、放射線源および放射線検出器は、第2のモータによって駆動されるスピンドルまたは歯付きベルトによって動かされる。放射線源および放射線検出器は、同一の第2のモータによって動かされるため、放射線源および放射線検出器は、互いに対して同期して動く。
【0029】
実際的な実施形態によれば、システムは、使用時に、懸架式
搬送手段
(懸架式手段)、特に、吊り車輪が静止している間に、このシステムが第2の方向の走査を実施するように、配置される。それゆえ、実際的な実施形態によれば、システムは、使用時に、フレームが静止状態に保たれている間、このシステムが第2の方向の走査を実施するように、配置される。このようにして、第2の方向に、実際には垂直方向に延在する溶接部が、非常に正確に走査され得る。また、この場合、検出器と放射線源との間の位置合わせが維持され、振動は、フレーム全体が静止状態に保たれるため、制限され得る。
【0030】
好ましくは、システムは、吊り車輪などの懸架手段とフレームとの間に、制動懸架装置を備える。この実施形態では、上縁部の方向に走査を行う間、放射線源および放射線検出器の振動の減衰のため、追加的な措置が取られる。
【0031】
走査中、フレームをさらに安定させるために、第1のサブフレームは、少なくとも1つの第1の支持車輪を備え、この第1の支持車輪の回転軸は垂直方向に延在し、およびこの第1の支持車輪は、システムが上縁部上で移動される場合、壁の部分の表面に沿って転がるように、配置され、および/または第2のサブフレームは、少なくとも1つの第2の支持車輪を備え、この第2の支持車輪の回転軸は垂直方向に延在し、およびこの第2の支持車輪は、システムが上縁部上で駆動される場合、壁の部分の表面に沿って転がるように、配置される。
【0032】
好ましくは、その場合、第1のサブフレームは、少なくとも垂直方向に互いに分離される少なくとも2つの第1の支持車輪を備え、およびこの第1の支持車輪の回転軸は垂直方向に延在し、およびこの第1の支持車輪は、システムが上縁部上で移動される場合、壁の部分の表面に沿って転がるように配置され、および/または第2のサブフレームは、少なくとも垂直方向に互いに分離される少なくとも2つの第2の支持車輪を備え、およびこの第2の支持車輪の回転軸は垂直方向に延在し、およびこの第2の支持車輪は、システムが上縁部上で駆動される場合、壁の部分の表面に沿って転がるように配置される。
【0033】
好ましくは、支持車輪と壁の表面との間の接触力は、走査中にフレームに最適な安定性をもたらすのに最適にされ得る。
【0034】
本発明の実施形態によれば、放射線源はライン放射線源であり、および/または放射線検出器はライン放射線検出器である。明瞭にするために、本出願の関連では、「ライン放射線源」は、実際に、放射線源自体の形状ではなく、放射線源によって生成された放射線ビームの形状を指すことに留意する必要がある。放射線源自体は基本的に点光源である一方、ビームはタングステンコリメータによって付形されることが多い。そのため、検出器に投射される放射線ビームは、線状、または実質的に線状の形状を有する。明瞭にするために、本出願では、ライン検出器は、実質的に線状の形状である検出器を意味し、主方向は、垂直方向と比較して著しく大きいことにも留意する必要がある。検出器は複数の線からなるが(それぞれ、放射線の検出に感度が高く、か
つ検出器がデジタル検出器であ
り、それぞれ、複数のピクセルを含む)、線の長さは、線の幅の距離よりも実質的に長い。その場合、好ましい実施形態によれば、システムは、放射線源の線と水平平面との間の角度を調整するために放射線源の向きを調整するように配置され、および/またはシステムが、放射線検出器の線と水平平面との間の角度を調整するために放射線検出器の向きを調整するように配置される。このようにして、同一のライン放射線源および同じライン検出器を使用して、縁部の方向に延在する溶接部および第2の方向に延在する溶接部の双方を走査し得る。その場合、ライン検出器の長手方向ならびにライン放射線源の長手方向は、走査されるべき溶接部に垂直な方向に向けられる。
【0035】
本発明では、放射線検出器はデジタル検出器であり、例えば、検査中に検出器によって生成されたデータは、タンクの床に位置決めされたコンピュータに転送され、後で評価される。このようにして、検出された放射線は、コンピュータによって直ちに分析され得る。それゆえ、好ましくは、システムは、走査された溶接部の像を好ましくは瞬間的にスクリーン上に生成するために、デジタル検出器に接続されたコンピュータを備える。
【0036】
実際的な実施形態によれば、放射線源はX線放射線源である。その場合、好ましくは、システムは、放射線源から放射線検出器への方向を除いた、好ましくは全方向において、放射線源を遮蔽する第1の放射線遮蔽部を備える。
【0037】
好ましくは、同様に、システムは、放射線源から放射線検出器への方向を除いた、好ましくは全方向において、放射線検出器を遮蔽する第2の放射線遮蔽部を備える。
【0038】
このようにして、作業員、例えば組立中の壁に新しい板を溶接している作業員は、以前に適用された溶接部の走査中に、作業を行うことができる。それゆえ、検査は、組立中の壁に新しい板が溶接されるのと同時に実施され得る。その場合、作業員は、放射線源と、一方では放射線検出器および他方では作業員との間に予め決められた最小距離を提供するように注意する必要があるにすぎない。好ましくは、さらに、システムは、使用時に放射線源から壁の部分へおよび/または壁の部分から放射線検出器に向かって放射線が進む経路を囲む第3の放射線遮蔽部を備える。
【0039】
本発明はまた、垂直壁を組立てかつ垂直壁の溶接部を走査する方法に関し、そのような方法は、本発明によるシステムによって実施される。方法は、以下のステップ:
1.金属板を互いに溶接することによって、壁の第1の最下環の少なくとも一部分を組立てるステップであって、完成した最下環が、垂直に延在する溶接部、および場合により水平に延在する溶接部によって、互いに接続される複数の金属板を含むステップ;
2.懸架式手段が、ステップ1において組立てられたタンク壁の第1の環の部分の上縁部に位置決めされるように、システムを備え付けるステップ;
3.第1の環の部分の上縁部に対してフレームを静止した状態に保つ間、放射線源および放射線検出器を同期させて垂直方向に動かすことによって、垂直溶接部の検査を実施するステップ;
4.システムを第1の環の部分の上縁部に沿って別の位置へ動かし、かつステップ3を繰り返すステップ;
5.第1の環の部分の全ての垂直溶接部が走査されるまで、ステップ4を繰り返すステップ;
6.
必要により、システムを第1の環の上縁部上で移動させることによって、第1の環の板間の垂直溶接部を検査するステップ;
7.第1の環が完全に組立てられ、かつ第1の環の各溶接部が検査されるまで、ステップ1〜6を繰り返すステップ;
8.タンク壁の第1の環から少なくとも部分的にシステムを取り外し、かつ場合によりシステムでの吊り車輪の垂直位置を調整するステップ;
9.検査された最後の環の上に次の環の少なくとも一部分を組立てるステップであって、次の環の板が、垂直溶接部および
、適宜、水平溶接部によって互いに接続され、および次の環の板が、水平溶接部によって最後の環の板に取り付けられるステップ;
10.懸架式手段が、ステップ9において組立てられたタンク壁の次の環の少なくとも一部分の上縁部に位置決めされるように、システムを備え付けるステップ;
11.次の環の上縁部に対してフレームを静止した状態に保つ間に、放射線源および放射線検出器を同期させて垂直方向に動かすことによって、垂直溶接部の検査を実施するステップ;
12.システムを次の環の上縁部に沿って別の位置へ動かし、かつステップ11を繰り返すステップ;
13.次の環の部分の全ての垂直溶接部が走査されるまで、ステップ12を繰り返すステップ;
14.次の環の部分と、次の環の下側に作られた最後の環との間の溶接部を走査するために、および
、適宜、次の環の板間の垂直溶接部を走査するために、次の環の部分の上縁部上でフレームを移動させるステップ;
15.次の環が完全に組立てられかつ次の環の各垂直溶接部が検査されるまで、ステップ9〜14を繰り返すステップであって、次の環とステップ9で述べた最後の環との間の水平溶接部全体も検査され、かつ
、適宜、次の環の板間の少なくとも1つの垂直溶接部が検査されるステップ;
16.タンク壁の次の環から少なくとも部分的にシステムを取り外すステップ;
17.タンクの壁が完成しかつ好ましくは各溶接部が検査されるまで、ステップ9〜16を繰り返すステップ、
を含む。方法ステップの番号は、必ずしも、方法ステップの順序を意味するものではないことが明らかである。例えば、ステップ11〜14の順序は変更でき、および固定されておらず、例えば11、12、13、14、または14、11、12、13とし得る。
【0040】
それゆえ、新しいスキャナーシステムは、既存のシステム/手法の制限を克服するために、以下の条件のいくつかまたは全てを満たすように設計される:
− 動的検査(走査)を実施できる、つまり、システムは、溶接部が検査される間、ある速度で動く(非静的暴露);
− 水平溶接部と垂直溶接部を簡単に切り替えることができる(2つの走査方向);
− 動的検査(走査)の最中、水平および垂直方向の双方において、放射線源と放射線検出器との間の位置合わせを維持する;
○ 位置合わせは安定しており(堅固、振動がない)、必要な画質に対する影響を回避する。これは、堅いフレームを使用して放射線源と放射線検出器を機械的に連結することによって達成される。垂直の位置合わせは、機械的に行われ得る;
− 溶接の進捗に遅れないようにするのに好適な速度で検査を実施できる(そのため、検査は、もはや、組立工程のクリティカルパスではない);
○ 全体的な検査速度は、溶接部の走査に必要な時間(走査速度、例えば10または15ミリメートル/秒)だけでなく、別の溶接部に動く、位置決めなどのようなスキャナーシステム全体を取り扱うために必要な時間を含むことに留意されたい。基本的に、全体的な検査速度は、一日または1つの作業シフトにおいて検査できる溶接長さ(メートル)の量である;
− フレーム内に全ての機能を有する(堅固、取り扱いおよび持ち上げるのに安全、放射線源への高電圧用の短いケーブル);
− タンクの直径に起因する壁の曲率の影響がない;
○ 設計は、水平運動の最中、広範なタンク直径に好適であり、スキャナーは、タンク壁の丸みを帯びた外形を辿る;
○ 検出器は、タンク壁に対しての距離は固定している(支持車輪を使用して);
− 放射線を遮蔽する、安全な作業距離は、スキャナーフレームの外形から3メートルである;
− リモートコントロールされる(フレームの外部);
− 必要な設備を全て備え、オペレータに重労働を課さない(放射線源、検出器、電力供給装置など)。
【0041】
本発明の考えられる実施形態を、以下、図面に基づいて説明する。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1では、参照符号1は、ガスまたはオイルの貯蔵タンクの壁などの垂直壁の少なくとも一部分を放射線検査するためのシステムを示す。システム1は、使用時に、壁4の一部分の第1の側面Aに位置決めされるように配置された第1のサブフレーム2Aを含むフレーム2を含む。フレーム2は、使用時に、壁4の部分の第1の側面Aに対向して存在する壁4の部分の第2の側面Bに配置された第2のサブフレーム2Bをさらに含む。サブフレーム2A、2Bの各々は、フレーム2の上部2Cから下方に延在する。この例では、上部2Cは、第1のサブフレームおよび第2のサブフレームのそれぞれの頂上部にある床5によって形成され、かつ、それぞれ、少なくとも部分的にフェンス7によって囲まれている。システムは、第1のサブフレーム2Aに取り付けられている放射線源6
(図2)をさらに含み、壁4の溶接部の方へ電磁放射線を放射する。さらに、システムは、第2のサブフレーム2Bに取り付けられている放射線検出器8
(図3)を含み、検査を実施するために、壁4の少なくとも一部分の溶接部を透過した放射線を検出する。システムは、使用時に、第1のサブフレームおよび第2のサブフレームが互いに機械的にかつ剛的に接続されるように、配置されている。この具体的な実施形態では、上部2Cおよび第1のサブフレーム2Aは、互いにまとめられて剛的に一体化されている。第2のサブフレーム2Bは、第2のサブフレーム2Bを第1のサブフレーム2Aに剛的に直接接続するために、フック10
(図3)を備える。このようにして、第1のサブフレーム2Aおよび第2のサブフレーム2Bは互いに剛接続され、フレーム全体は、少なくとも垂直の板の平面においては、剛体である。サブフレーム2Bを第1のサブフレーム2Aから切り離し得る理由は、下記で説明するように、壁へのシステムの備え付けおよびその後の除去に関係する。
【0044】
図1から分かるように、フレームは、逆U字形状を有する。第1のサブフレーム2Aは、垂直方向に延在する長手形状を有する。また、第2のサブフレーム2Bは、垂直方向に延在する長手形状を有する。システムを使用し、かつフレーム全体を壁から持ち上げて、場合によりシステムを壁の別の部分に位置決めするために、第1のサブフレームおよび第2のサブフレームは、互いに接続されるように、配置される。壁からシステムを取り外すために、特に壁の組立が終了すると、および/または自由空間がないことに起因して壁全体からフレームを持ち上げることができない場合に、第1のサブフレームおよび第2のサブフレームは、互いに切り離されるように、配置される。
【0045】
システムは、懸架式搬送手段12をさらに備える。この例では、
図2に示し得るように、搬送手段12は第1のサブフレーム2Aに取り付けられている。
図4にさらに詳細を示す。懸架式搬送手段は、4つの吊り車輪14.1〜14.4を含み、これらは、
図1に示すように組立てられた壁の一部分の上縁部16に位置決めされるように配置される。この例では、懸架式搬送手段の車輪14.1〜14.4
(図4参照)は、フレームの上部に、より具体的には、この例では第1のサブフレームの上部に、および第1のサブフレームの場合には上半分部分に接続される。車輪14.1〜14.4は第1のサブフレームに装着され、車輪が第1のサブフレームに装着される位置は、被検査壁の板の高さに依存して、垂直方向に調整できるようにされている。車輪は、壁の部分の上縁部に位置決めされるよう意図されているため、フレームは、壁の上縁部16上で駆動されて、放射線源および放射線検出器によって、検査されるべき溶接部の走査を行うことができる。これらの溶接部は、壁の部分の上縁部の方向に延在する。この例では、フレームは、運動手段18、19、この例では駆動車輪18をさらに備え、駆動車輪18は、吊り車輪14.1および14.2に隣接して配置される。
図6に駆動車輪18をより詳細に示す。駆動車輪18はモータ20によって駆動される。使用時、駆動車輪18は壁の外側表面に接触し、その外側表面の一部分を、
図1に示すように、参照符号22で示す。それゆえ、駆動車輪18と接触する外側表面領域は、この例では、壁4の上部自由縁部16のすぐ下に存在する。システムは、板4の反対側の表面には、板の表面に接触して位置決めされた車輪19をさらに備える。駆動車輪18と車輪19を一緒に機械的にクランプすることによって、駆動車輪18にかかる圧力は、表面22で滑らないようにするのに十分である。この例では、駆動車輪18は、吊り車輪14.1〜14.2の近くに位置決めされることに留意されたい。しかしながら、例えば第1のサブフレームの下半分部分に駆動車輪を位置決めすることが可能である。それゆえ、その場合、懸架式搬送手段は、第1のサブフレームの上半分に配置される吊り車輪を含み、駆動車輪は、第1のサブフレームの下半分に配置される。しかしながら、吊り車輪14.1〜14.4は同時に駆動車輪であることも可能であるため、駆動車輪18を省略できる。その場合、懸架式搬送手段はまた、運動手段を含む。吊り車輪14.1〜14.4は、同一のモータで駆動されることも可能である。しかしながら、駆動車輪を第2のサブフレームに位置決めすることが可能である。
【0046】
それゆえ、システムは、モータ20を作動させることによりシステム全体を実質的に一定速度で動かすことによって、上縁部の方向に走査を実行するように配置される。
【0047】
図4に示されているように、システムは、互いに水平方向に分離されている複数の吊り車輪を含む。この実施形態では、システムは、さらに、放射線源および放射線検出器が垂直平面Vに存在し、吊り車輪の少なくとも1つが垂直平面の第1の側面V1(この場合、吊り車輪14.1および14.2)に存在し、および、吊り車輪の少なくとも別の車輪(この場合、吊り車輪14.3および14.4)が垂直平面Vの別の側面V2に存在する。これは、同様に、放射線源6および検出器に追加的な安定性をもたらす。
【0048】
放射線源6および放射線検出器8は互いに位置合わせされて、壁の一部分が放射線源と放射線検出器との間に存在しない場合、放射線源によって放射される放射線が、
図7cに示すように、直線Lに沿って放射線検出器に直接進むことができるようにする。
【0049】
第1のサブフレームは、第2の方向D
2に延在する第1のガイドレール24Aを備え、前記第2の方向D
2は、垂直方向D
Vの成分を含む(
図7a参照)。この例では、方向D
2は、垂直方向D
Vに延在する。第1のガイドレールは、放射線源が第2の方向において上下に動く場合に、放射線源を案内するためのものである。第2のサブフレーム2Bは、同様に第2の方向D
2に延在する第2のガイドレール24Bを備える。第2のガイドレールは、放射線検出器を第2の方向において上下に案内するためのものである。放射線源6は、第2のモータ26によって駆動されるスピンドルや歯付きベルトによって上下に動かされる。スピンドルまたはベルトは、図示していない。放射線源がスピンドルや歯付きベルトによって上方に動かされる場合、その運動は、ガイドレール24Aによって案内される。同様に、放射線検出器8は、スピンドルまたは歯付きベルト(図示していない)によって上下に動かされる。また、放射線検出器が方向D
2において上下に動かされるスピンドルまたは歯付きベルトは、第2のモータ26によって駆動される。
図7bから明確に分かるように、第2のモータ26は、放射線検出器8に取り付けられたスピンドルまたは歯付きベルトを簡単に駆動できる。なぜなら、この例では、モータ26は第2のガイドレール24Bに取り付けられているためである。モータ26はまた軸29を駆動し(その軸からの長さを変えられてもよく)、かつその軸29は、第1のガイドレール24Aと第2のガイドレール24Bとの間に延びる。軸29によって、放射線源6に取り付けられているスピンドルや歯付きベルトを駆動できる。それゆえ、放射線源が第2の方向に可動であり、かつ第1のガイドレールによって第1のサブフレームに可動式に取り付けられている。さらに、放射線検出器はまた、第2のサブフレームに取り付けられている第2のガイドレール24Bによって、第2のサブフレームに可動式に取り付けられている。システムは、第2の方向に延在するまたは特にこの実施形態では垂直方向に延在する溶接部を走査するために、放射線源および放射線検出器を同期させて第2の方向D
2に上下に動かす第2のモータ26を備える。
【0050】
さらに、システムは、吊り車輪14.1〜14.4の間に、制動懸架装置を備える:
図5から分かるように、ゴム付きのヒンジ式結合ブロック30が設けられている。懸架式搬送手段は、第1のサブフレームと第2のサブフレームとの間の水平方向における距離を変化させる距離位置スライダー33を備える。これは、様々な厚さの壁の検査に重要となり得る。同じ理由から、放射線源と第1のサブフレームとの間の水平距離は調整可能であり、ならびに、放射線検出器と第2のサブフレームとの間の水平距離は調整可能である。
図2にさらに示すように、第1のサブフレームは、少なくとも1つの、およびこの実施形態では4つの支持車輪を備え、第1の支持車輪の回転軸は垂直方向に延びる。システムが上縁部上で移動する場合、第1の支持車輪32.1〜32.4は、検査される壁の部分の表面に沿って転がるように配置される。この例では、同様に、第2のサブフレームは、少なくとも1つの支持車輪を備え、およびこの例では、互いに水平方向に分離されている少なくとも4つの支持車輪34.1〜34.4を備え、第2の支持車輪の各々の回転軸は垂直方向に延びる(
図14aには、実際に、8個の支持車輪が対になって設けられ得ることを示す)。第2の支持車輪は、システムが上縁部上で駆動される場合、壁の一部分の表面にわたって転がるように配置される。支持車輪32.1〜32.4および支持車輪34.1〜34.4は、上縁部の方向に延在する溶接部の走査を行う間にこのフレームが上縁部の方向に動かされる場合に、追加的な安定性を提供する。また、垂直方向に延在する溶接部を走査するとき、支持車輪は、システムが静止しているときの追加的な安定性を提供する。
【0051】
この例では、第1の支持車輪のうちの少なくとも1つ、この例では一方では4つの第1の支持車輪のそれぞれと、他方では第1のサブフレームとの間の距離を調整できる。同様に、第2の支持車輪の少なくとも1つ、この例では一方では第2の支持車輪のそれぞれと、他方では第2のサブフレームとの間の距離を調整できる。この例では、支持車輪と第1のサブフレームとの間の距離は、前記支持車輪と第1のサブフレームとの間の水平距離であると定義され得る。同様に、第2の支持車輪と第2のサブフレームとの間の距離は、そのような支持車輪と第2の支持サブフレームとの間の水平距離であると定義され得る。
【0052】
第1および第2の支持車輪の回転軸の向きは、これらの車輪の回転軸の向きが水平になるように、変更され得る。そのような方法で、支持車輪は、第1のサブフレームまたは第2のサブフレームが備え付けられている期間中は、壁の外側表面に沿って転がることができ、支持車輪が被検査壁の外側表面に接触している間に、第1および第2のサブフレームは下げられる。降下は、例えば、第1のサブフレームに関して、被検査壁の自由上縁部に吊り車輪が接触するまで、継続される。第2のサブフレームに関して、第2のサブフレームを例えば下げることができ、支持車輪は、フック10が、既に位置決めされた第1のサブフレーム(サブフレームの上部を含む)に取り付けられるまで、壁の外側表面に沿って垂直に下方向に転がる。
【0053】
この例では、放射線源はライン放射線源であり(実際には、これは、放射線源が、実質的に線のような形状にされた放射線ビームを提供することを意味する)、および、放射線検出器はライン放射線検出器である。システムは、放射線源の線R(この線は、放射線が放射される、放射線源の開口部の長手方向である)と水平平面Qとの間の角度φ1を調整するために、放射線源の向きを変化させ得るように、配置される。より詳細には、線Rは、壁の上縁部の方向(この方向はほぼ水平である)に延在する溶接部を走査するために、または水平方向において、ほぼ垂直方向に延在する溶接部を走査するために、壁の上縁部に対して垂直に延在するように選択され得る。同様に、システムは、放射線検出器の線R2(この線R2は、この例では、放射線を受信し得る検出器の表面の長手方向である)と水平平面Qとの間の角度φ2を調整するために、放射線検出器8の向きを調整するように配置される。放射線源に関して説明したように、放射線検出器に関し、線R2は、実際に、壁の上縁部の方向(この方向はほぼ水平方向である)に延在する溶接部を走査するために、壁の上縁部に垂直に向けることができ、および線R2は、垂直方向に延在する溶接部を走査するために水平方向に方向付けられ得る。
【0054】
この例では、放射線検出器はデジタル検出器である。この例では、さらに、システムが、好ましくは溶接部の走査画像をスクリーン上に瞬時に作成するために、デジタル検出器に通信式に接続されたコンピュータまたはコントローラ40を備える(
図1参照)。この例では、放射線検出器は複数のピクセルを含み、ピクセル50は、
図10に示すように、複数の線分52上に沿って配置され、線分52は互いに平行に延在する。換言すると、複数のピクセルは矩形パターンに配置され、および二次元平面にわたって分割され、検出器は、(線R2の)ライン検出器の長手方向S(
図10参照)において分離された複数のピクセル、ならびに線分の長手方向に垂直な方向Tに分離された複数のピクセルを含む。後者の線R2は、ライン検出器の方向と定義される。R2の方向は、方向Sと同じである。線分52および線R2の方向も同じである。
【0055】
さらに、放射線源はX線放射線源である。当然ながら、これは、放射線検出器がX線を検出できる必要があることを意味する。
【0056】
図7cに示すように、システムは、放射線源から放射線検出器へ延びる方向Lを除く残りの全方向において放射線源を遮蔽する第1の放射線遮蔽部56を備える。さらに、システムは、好ましくは、放射線源から放射線検出器へ延びる方向Lを除く残りの全方向において放射線検出器を遮蔽する第2の放射線遮蔽部60を備える。さらに、システムは第3の放射線遮蔽部を備え、この第3の放射線遮蔽部は、使用時に、放射線遮蔽部が、放射線源から、検査される壁の部分まで移動する経路を囲む、および/または使用時に、放射線遮蔽部が壁の部分から放射線検出器の方へ移動する経路を囲む。
図7cでは、第3の放射線遮蔽部は、参照符号58によって示される第1の部分と、検出器を囲む、参照符号60による遮蔽部と同じとし得る第2の部分とを含む。
【0057】
放射線源および/またはこの例では同様に放射線検出器は、例えば、このために、被検査溶接部を有する壁からシステムを持ち上げるかまたはシステムの一部分を取り外すために、後退するように配置される。システムは、この特徴のためのハンドル61および63を備える。
【0058】
この例では、上述のモータ、放射線検出器および放射線源は、それぞれ、コンピュータ40に接続されて、コンピュータ40によって制御される。この例では、さらに、フレームを、次に検査されるべき溶接部に動かして放射線源および検出器の垂直な位置を位置決めするためにモータの制御を行うなどのシステムの機械的な機能を制御するために、リモートコントロール装置80とフレーム2との間にケーブル接続がある。制御装置80は、上縁部の方向に延在する溶接部を走査する間に、システムを上縁部16の方向に動かすために、およびそのようなフレームが壁の上縁部に対して固定されておりかつ静止している間に、換言するとシステムがモータ20によって駆動されていない期間に、検出器および放射線源を同期させて上下に動かして、垂直方向に延在する溶接部を検出するために使用される機能を制御する。
【0059】
説明されるシステムの動作は以下の通りである。
【0060】
図8aは、タンクの内部から見た、完成したタンク壁4を示す。タンク壁は、鋼板から煉瓦のような構成に築かれる。鋼板は、例えば、幅15メートルおよび高さ4メートルとし得る。
図8aに示すように、鋼板は、水平溶接部62および垂直溶接部64によって互いに接続される。
図8bに示すように、場合によっては、LNG貯蔵タンクのように、タンク壁4はコンクリート壁によって囲まれることが多い。その場合、壁の金属壁4とコンクリート壁との間には距離dがある。壁4を組立てるとき、第1のステップは、複数の板をタンクの底板66に溶接することである。
図11aに示すように、ある時点で、5枚の板60が水平溶接部68によって底板66に溶接された。さらに、板60は、垂直溶接部64.i(i=1、2、3...)によって互いに接続される。そのように、タンク壁の第1の下部環の一部分を製造した。この状況も、
図11bに実線4で示す。垂直溶接部64.iを検査するために、第1のステップでは、第1のサブフレーム2Aが上部2Cと一緒に、例えばクレーンによって持ち上げられて、吊り車輪14.1〜14.4が上縁部16に接触するように下部環の部分の上縁部に位置決めされる。このようにして、第1のサブフレームおよび上部は、作られた環の第1の部分に位置決めされる。次のステップでは、第2のサブフレーム2Bが持ち上げられて、作られた下部環70の部分の壁とコンクリート壁5との間に位置決めされる。その後、第2のサブフレーム2Bをフック10によって第1のサブフレーム2Aに剛的に取り付ける。これを、
図11aおよび
図11bに概略的に示し、システム1は上縁部16の頂上部に位置決めされる。支持車輪34.1〜34.4は水平方向において調整されるため、それらは下部環の外側表面72に接触する。同様に、支持車輪32.1〜32.4は水平方向において調整されるため、それらは、外側表面72に対向して存在する下部環の内側表面73に接触する。また、駆動車輪18は、内側表面73に接触するように位置決めされる。必要な場合には、また、支持車輪34.1〜34.4と第2のサブフレームとの間の距離は、壁4の厚さに依存して、下部環とシステムの適切な位置合わせのために変更され得る。また、壁の厚さに依存して、外側表面72と放射線検出器との間の水平距離が調整され、ならびに内側表面73と放射線源6との間の水平距離が調整され得る。
【0061】
その後、それに続いて、リモートコントロール80によってモータ20が作動され、
図11aに示すように、システムを、上縁部16上で垂直溶接部64.2の方へ方向Qに移動させる。システムは、垂直平面Vが垂直溶接部64.2と一致すると直ちに停止される。ライン放射線源の線ならびにライン検出器の線が水平に向けられていることが確認される。その後、コンピュータ40によってモータ26が作動され、放射線源6および放射線検出器8の双方を同期させて垂直方向に動かし、垂直溶接部64.2を走査する。放射線検出器8はデジタル検出器であるため、測定結果は、直接利用することができ、かつコンピュータ40に提供される。コンピュータ40は、走査された溶接部の像を生成する。コンピュータ40は、検出器から受信した情報を単に中央コンピュータに提供し、中央コンピュータが放射線検出器からの信号を処理して像を作成することも可能であることを述べておく。また、デジタル検出器から受信した信号は、コンピュータ40および/または中央コンピュータに記憶されて、後で検証されてもよい。それゆえ、垂直溶接部が、要求されている基準に適合しているかどうかを、作業員は直ちに見ることができる。溶接部が正しくない場合、次の板を溶接する作業員に直ちに通知することが可能であるため、作業員は、何らかの問題を解決するために、作業員のプロセスを検査できる。これは、2枚の板のみを一緒に溶接した後に行われ得る。当然ながら、溶接が条件を満たすことも可能である。
【0062】
その後、リモートコントロールによって、システム1は方向Qにさらに動かされ、例えば、溶接部64.2で説明した方法と同じ方法で溶接部64.3を検査する。その間に、
図11bに点線で示すような完全な環が組立てられるまで、板を溶接することによって第1の下部環70の残りが組立てられる。下部環全体の垂直溶接部のそれぞれが、上記で説明したような方法で検査される。
【0063】
底板66と下部環の板60との間の水平溶接部68は、このシステムによって検査されないが、他の周知の検査システムによって検査されることに留意されたい。
【0064】
第1の環70が完成した後、作業員は、下部環70の上の次の環74に着手する。この場合、次の環74の板は、水平溶接部76によって下部環70の板に溶接される。環74の板は、垂直溶接部64.1、64.2などによって一緒に溶接される。
【0065】
クレーンによって、第2のサブフレーム2Bを第1のサブフレーム2Aから切り離す。その後、第1のサブフレーム2Aも第1の環70から持ち上げられる。続いて、第1のサブフレーム2Aを、その間に組立てられた次の環74の一部分によって形成された上縁部に位置決めする(
図9)。
図12から分かるように、吊り車輪14.1〜14.4は、第1のサブフレーム2Aと比較してわずかに高い位置へ調整されるため、フレーム2全体が水平溶接部76の下側の位置に下方に延在する。また、第2のサブフレーム2Bのフック10が垂直に調整され、その後、サブフレーム2Bを再度第1のサブフレーム2Aに接続するため、第2のサブフレームは、コンクリート壁5と、その間に組立てられた壁4の部分との間に延在する。この状況を
図12に示す。フレーム全体(第1のサブフレームと第2のサブフレームを互いに切り離さずに;それゆえフレームは、全体的に第1の環70から取り外される)が、クレーンによって、第1の環70から次の環74に動かされることも可能である。
【0066】
その後、例えば第1のステップでは、モータ26をリモートコントロールによって作動させて、放射線源6および放射線検出器8を水平溶接部76のレベルに位置決めする。さらに、下部環70で行われた調整のそれぞれが繰り返され得る。その後、モータ20を始動し、矢印Qの方向に、つまり、水平溶接部76を走査するために、次の環74の上縁部16の方向にシステムを動かす。その後、水平溶接部76を走査する;垂直溶接部64.1、64.2などは、下部環70の垂直溶接部64.1、64.2、64.3に関して説明したのと同様に、検査され得る。そうしているうちに、溶接部76ならびに垂直溶接部64.1〜64.5の検査を完了する間に、作業員は次の環74全体の組立の仕上げを続け得る。システムを、水平溶接部76の残り、ならびに次の環74からの新しい垂直溶接部64.iのそれぞれを走査するために、使用する。それに続いて、作業員は、検査された最後の環74の上の次の環に着手してもよく、その位置から新しい環78を検査するプロセス全体を、最後に検査されかつ組立てられた環74に対して説明したのと同様に、
図12に示す。これらステップの全てを、壁4全体を組立て、かつ下部環と底板との間の水平溶接部を除いて水平溶接部および垂直溶接部の各々がシステムによって検査されるまで、繰り返す。
【0067】
それゆえ、説明した方法は、以下のステップを含む:
1.金属板を互いに溶接することによって、壁の第1の最下環の少なくとも一部分を組立てるステップであって、完成した最下環は、垂直に延在する溶接部(および場合により、後述するように、水平に延在する溶接部)によって互いに接続される複数の金属板を含むステップ;
2.懸架式手段が、ステップ1において組立てられたタンク壁の第1の環の部分の上縁部に位置決めされるように、システムを備え付けるステップ;
3.第1の環の部分の上縁部に対してフレームを静止した状態に保つ間に、放射線源および放射線検出器を同期させて垂直方向に動かすことによって、垂直溶接部の検査を実施するステップ;
4.第1の環の部分の上縁部に沿って別の位置までシステムを動かし、かつステップ3を繰り返すステップ;
5.第1の環の部分の全ての垂直溶接部が走査されるまで、ステップ4を繰り返すステップ;
6.
必要により、システムを第1の環の上縁部上で移動させることによって、第1の環の板間の垂直溶接部を検査するステップ;
7.第1の環が完全に組立てられ、かつ第1の環の各溶接部が検査されるまで、ステップ1〜6を繰り返すステップ;
8.タンク壁の第1の環からシステムを取り外し、かつ場合によりシステムでの吊り車輪の垂直位置を調整するステップ;
9.検査された最後の環の上に次の環の少なくとも一部分を組立てるステップであって、次の環の板が、垂直溶接部(および
、適宜、後述するように水平溶接部)によって互いに接続され、および次の環の板が、水平溶接部によって最後の環の板に取り付けられるステップ;
10.懸架式手段が、ステップ9で組立てられたタンク壁の次の環の少なくとも一部分の上縁部に位置決めされるように、システムを備え付けるステップ;
11.次の環の上縁部に対してフレームを静止した状態に保つ間に、放射線源および放射線検出器を同期させて垂直方向に動かすことによって、垂直溶接部の検査を実施するステップ;
12.システムを次の環の上縁部に沿って別の位置へ動かし、かつステップ11を繰り返すステップ;
13.次の環の部分の全ての垂直溶接部が走査されるまで、ステップ12を繰り返すステップ;
14.次の環の部分と次の環の下に作られた最後の環との間の溶接部を走査するために、および
、適宜、次の環の板間の垂直溶接部を走査するために、次の環の部分の上縁部でフレームを移動させるステップ;
15.次の環が完全に組立てられかつ次の環の各垂直溶接部が検査されるまでステップ9〜14を繰り返すステップであって、次の環とステップ9で述べたような最後の環との間の水平溶接部全体も検査され、かつ
、適宜、次の環の板間の少なくとも1つの垂直溶接部が検査されるステップ;
16.タンク壁の次の環からシステムを取り外すステップ;
17.タンクの壁が完成しかつ好ましくは各溶接部が検査されるまで、ステップ9〜16を繰り返すステップ。
【0068】
ステップ11〜14の順序は変更でき、かつ例えば11、12、13、14または14、11、12、13または11、14、12、13など、固定されていない。
【0069】
環70および環74などの複数の環は、検査されるべき単一の環であるとみなされることも可能である。例えば、2枚の板の高さが、フレーム2の高さにほぼ対応するかまたはそれよりもわずかに低い場合、環70および74は部分環であるとみなされ、部分環70および74は一緒に、まず検査されるべき単一の環を形成する。
【0070】
図13に示す例では、環70および74が実際に、システム1によって検査され得る、高さHを有する環の部分環であるとみなされる。その場合、システム1は、放射線源および検出器を水平溶接部76の高さに位置決めすることによって、水平溶接部76を走査する。さらに、垂直溶接部64の各々は、
図11aおよび
図12に関して説明したのと同様の方法で、走査される。環70、74全体が検査されたら、次の環78が水平溶接部84によって下部環70、74に溶接され得る。その場合、フレーム2は次の環78の上縁部16に位置決めされて、溶接部84および次の環78の板間の垂直溶接部を検査し得る(
図13では、その場合、フレームは点線で示し、かつまた2’で示す)。
【0071】
しかしながら、環78ならびに環82を組立てること、ならびに環78、および環82の少なくとも一部分または環82全体を組立てた後にのみ、システムを環82の上縁部に位置決めして、環78および環82の溶接部を検査することも可能である。その場合、環78および82は、一緒に、検査するべき新しい環であるとみなされ、次の新しい環は、垂直溶接部だけでなく水平溶接部も含む(その場合、フレームは、
図13において、点線で示し、かつまた2”で示される)。
【0072】
それゆえ、環は、互いに同じ水平レベルで整えられた板の集合体とみなし得る。しかしながら、環はまた、
図13に示すような(部分)環70、74の組み合わせ、またはさらには、環70、74および78の組み合わせ、または環78および82の組み合わせのように、互いに、様々な水平および垂直方向に対して、整えられた板の集合体とみなされ得る。
【0073】
それゆえ、その場合、垂直壁の組立方法は以下のステップを含む:
1.金属板を互いに溶接することによって、壁の第1の最下環の少なくとも一部分を組立てるステップであって、完成した最下環が、垂直に延在する溶接部および水平に延在する溶接部によって互いに接続される複数の金属板を含むステップ;
2.懸架式手段が、ステップ1において組立てられたタンク壁の第1の環の部分の上縁部に位置決めされるように、システムを備え付けるステップ;
3.第1の環の部分の上縁部に対してフレームを静止した状態に保つ間に、放射線源および放射線検出器を同期させて垂直方向に動かすことによって、垂直溶接部の検査を実施するステップ;
4.システムを第1の環の部分の上縁部に沿って別の位置へ動かし、かつステップ3を繰り返すステップ;
5.第1の環の部分の全ての垂直溶接部が走査されるまで、ステップ4を繰り返すステップ;
6.システムを第1の環の上縁部上で移動させることによって、第1の環の板間の垂直溶接部を検査するステップ;
7.第1の環が完全に組立てられ、かつ第1の環の各溶接部が検査されるまで、ステップ1〜6を繰り返すステップ;
8.タンク壁の第1の環からシステムを取り外し、かつ
、適宜、懸架式手段の垂直位置をシステムのフレームに対して調整するステップ;
9.検査された最後の環の上に次の環の少なくとも一部分を組立てるステップであって、次の環の板は、垂直溶接部および水平溶接部によって互いに接続され、および次の環の板は、水平溶接部によって、最後の環の板に取り付けられるステップ;
10.懸架式手段が、ステップ9において組立てられたタンク壁の次の環の少なくとも一部分の上縁部に位置決めされるように、システムを備え付けるステップ;
11.次の環の上縁部に対してフレームを静止した状態に保つ間に、放射線源および放射線検出器を同期させて垂直方向に動かすことによって、垂直溶接部の検査を実施するステップ;
12.システムを次の環の上縁部に沿って別の位置へ動かし、かつステップ11を繰り返すステップ;
13.次の環の部分の全ての垂直溶接部が走査されるまで、ステップ12を繰り返すステップ;
14.次の環の部分の上縁部上でフレームを移動させて、次の環の部分と次の環の下に作られた最後の環との間の溶接部を走査し、かつ次の環の板間の垂直溶接部を走査するステップ;
15.次の環が完全に組立てられかつ次の環の各垂直溶接部が検査され、次の環とステップ9で述べたような最後の環との間の水平溶接部全体も検査され、および次の環の板間の少なくとも1つの垂直溶接部が検査されるまで、ステップ9〜14を繰り返すステップ;
16.タンク壁の次の環からシステムを取り外すステップ;
17.タンクの壁が完成しかつ好ましくは各溶接部が検査されるまで、ステップ9〜16を繰り返すステップ。
【0074】
他の方法も可能である、例えば、環74などの環の検査を、それが完全に完成した後にのみ開始することが可能であることに留意されたい。その場合、方法は、以下のステップを含む:
1.金属板を互いに溶接することによって、壁の第1の最下環を組立てるステップであって、完成した最下環が、垂直に延在する溶接部によって互いに接続される複数の金属板を含むステップ;
2.懸架式手段が、ステップ1で組立てられたタンク壁の第1の環の少なくとも一部分の上縁部に位置決めされるように、システムを備え付けるステップ;
3.第1の環の上縁部に対してフレームを静止した状態に保つ間に、放射線源および放射線検出器を同期させて垂直方向に動かすことによって、垂直溶接部の検査を実施するステップ;
4.システムを第1の環の部分の上縁部に沿って別の位置へ動かし、かつステップ3を繰り返すステップ;
5.全ての垂直溶接部が走査されるまで、ステップ4を繰り返すステップ;
6.タンク壁の第1の環からシステムを取り外し、かつ
、適宜、システムでの吊り車輪の垂直位置を調整するステップ;
7.検査された最後の環の上に次の環を組立てるステップであって、次の環の板が、垂直溶接部によって互いに溶接され、および次の環の板が、好ましくは水平に延在する溶接部によって最後の環に溶接されるステップ;
8.懸架式手段が、ステップ7で組立てられたタンク壁の次の環の少なくとも一部分の上縁部に位置決めされるように、システムを備え付けるステップ;
9.次の環の上縁部に対してフレームを静止した状態に保つ間に、放射線源および放射線検出器を同期させて垂直方向に動かすことによって、垂直溶接部の検査を実施するステップ;
10.システムを次の環の上縁部に沿って別の位置へ動かし、かつステップ9を繰り返すステップ;
11.次の環の全ての垂直溶接部が走査されるまで、ステップ10を繰り返すステップ;
12.次の環の部分と次の環の下の環との間の溶接部を走査するために、次の環の部分の上縁部でフレームを移動させるステップ
13.タンク壁の次の環からシステムを取り外すステップ;
14.タンクの壁が完成しかつ好ましくは各溶接部が検査されるまで、ステップ7〜13を繰り返すステップ。
【0075】
本発明による方法およびシステムは、本実施形態に限定されない。例えば、第2のフレーム上の支持車輪34.1〜34.4は、
図14aおよび
図14bに示すような8個の支持車輪によって置き換えられ得る。
図14aに示すように、第2のサブフレームは2個の第1の支持車輪90.1および90.2を含み、これら支持車輪は、少なくとも垂直方向に互いに分離している。さらに、第2のサブフレームは2個の支持車輪90.3および90.4を含み、これらもまた、少なくとも垂直方向において互いに分離している。支持車輪90.1〜90.4の配置構成を、
図14bにより詳細に示す。同様に、他の支持車輪92.1〜92.4が設けられる。ここでも、支持車輪の各々は、システムが壁の上縁部上で移動される場合、壁の部分の表面に沿って転がるように配置される。支持車輪90.1および90.2は、第2のサブフレームに垂直方向に配置され、支持車輪90.1が、被検査水平溶接部より下側に存在するようにする一方、支持車輪90.2が、同じ被検査水平溶接部より上側に存在するようにする。同じことが、支持車輪90.3および90.4のそれぞれにも当てはまる。また、同じことが、支持車輪92.1および92.2のそれぞれにも、ならびに支持車輪92.3および92.4のそれぞれにも当てはまる。支持車輪90.1および90.2は、水平方向に調整でき、支持車輪90.1が、被検査水平溶接部の下側で、壁に接触するかまたは壁から自由に存在するようにする一方、支持車輪90.2が、同じ被検査水平溶接部の上側で、壁に接触するかまたは壁から自由に存在するようにする。水平走査中にシステムが垂直溶接部を通過するとき、水平溶接部の上側または下側の関連の支持車輪は、壁面から離れるように動かされ、溶接キャッ
プのような表面のむらに起因するいずれの機械的な影響も回避し得る。ここでも、これにより、システムに追加的な安定性をもたらす。この例では、上部2Cは、第1のサブフレーム2Aと剛的に一体化される。しかしながら、上部2Cを第2のサブフレーム2Bと剛的に一体化することも可能である。また、この例では、1つの放射線源6および1つの放射線検出器8が提供される。しかしながら、複数の放射線源ならびに複数の放射線検出器が提供されることも可能である。そのような多様性は全て、本出願の範囲内にある。本発明の実施形態において暗示され得るがその必要はない本発明の重要な特徴は、とりわけ、以下の通りである。
【0076】
検査システムは、環を周回するように動きながら、ある距離を置いて溶接工程の後ろに続く。同じように、ある距離を置いて水平溶接のための溶接工程の後ろに続いて、水平溶接部が検査される。環の垂直溶接部および水平溶接部の全ての検査が終了し、かつ次の環のための板の配置が進行中であると、
図9に示すように、スキャナーシステムは、次の環が閉じられる前に次の環に持ち上げられる。
【0077】
タンク壁内に足場が配置されて、組立中の環へのアクセスを提供する。足場は、組立中の環のすぐ下にある、完全に溶接される板の最も高い環(の上)に取り付けられる。
【0078】
図1に示すように、システムは、逆U字のように、貯蔵タンクシェル(壁)の垂直の板に位置決めされ、一方の側部(タンク内部)にX線源、および他方の側部(タンクの外部)に検出器を備える。
【0079】
システムは2つの側部からなり、これら側部は1つの部品として組み合わされて、タンク板に持ち上げられる。
□ X線源フレーム(第1のサブフレームとも呼ばれる)
□ 検出器フレーム(第2のサブフレームとも呼ばれる)
【0080】
基本概念は、放射線源フレームは、第1の構成要素として、タンク壁に、タンク壁の内部におけるそのキャリッジ車輪に掛けられて、備え付けることができる。X線源フレームは、重いX線設備を全て運ぶ。次に、検出器フレームは、タンク壁の外側に持ち上げられ、かつぴったりと嵌った2つのヒンジのような接続部によって放射線源フレームに引っ掛けられ、2つのフレームの独立した水平運動を防止する。放射線源フレームおよび検出器フレームは一緒に、システムの土台を形成する。あるいは、放射線源フレームは、そのキャリッジ車輪に掛けられて別個の垂直の板またはアセンブリに備え付けることができる。次に、検出器フレームは、持ち上げられて、放射線源フレームに引っ掛けられるため、システム全体がタンク壁の上に持ち上げられ得る。検出器フレームには支持車輪がないが、放射線源フレームから吊り下げられ、放射線源フレームおよび検出器フレームの下部が、独立して、タンク壁に垂直に、ある程度の距離を動くことができるようにする一方、タンク壁に平行な運動は、その方向での剛接続ゆえに、不可能であるようにする。
【0081】
プロジェクトの最後に、まず、検出器フレームが放射線源フレームから分離されて、システムを取り外し得る。
【0082】
両フレームの主要構成要素は、垂直案内配置構成およびプラットフォームを保持して設備を配置する垂直脚である。スキャナーフレームに梯子が組み込まれて、スキャナーの頂上部にあるプラットフォームへ/そこから昇る/降りることができるようにする。スキャナーは、放射線源側の足場からアクセスすることができ、検出器側は、上部プラットフォームを介して、および組み込まれた梯子を使用して、アクセスすることができる。
【0083】
検査品質およびX線の安全性の観点からすれば、板のいずれかの側での放射線源(遮蔽部を含む)および放射線検出器(遮蔽部を含む)の移動は、機械的に結合される。
【0084】
2つの別個の駆動ユニットが存在し、それぞれ、1つは水平走査用であり、1つは垂直走査用である。
【0085】
いくつかのタンク板材料に関し、タンク壁と接触し得るシステムの各構成要素が、特に溶接領域においておよび板セクションの上での溶接準備時に、汚染を防止するように選択される必要があることが重要である。
【0086】
システムへの振動および衝撃が、特にこれらがXおよびY方向(タンク壁に対して平行な平面)における検出器の変位を生じる場合、画質に対して影響を与え得る。それゆえ、影響を回避するための措置を取る必要がある。
【0087】
振動および衝撃は、スキャナーシステムにいくつかの方法で誘発され得る。
・ 車輪が、凸凹した表面を転がることから
・ システムの加速および減速
・ スキャナー内部で動く構成要素(モータの振動、案内)
・ 外部からの障害(壁または足場に沿ってケーブルを引きずること)
・ タンク壁の振動
【0088】
システムの低い走査速度および高質量によって、車輪による振動を、車輪を適切に懸架することによって、簡単に抑制する。
【0089】
システムの加速および減速は、システムに揺動または衝撃を誘発することがあり、これが、システムの振動を誘発し得る(固有振動数)。これは、建造物の適切なスティフネスおよび潜在的な原因の除去によって解決した。1つの考えられる原因は、支持車輪が溶接部を通過していることからである。いずれの車輪もこれらを回避する必要があるか、または溶接キャップを研磨する必要がある。別の原因はモータからの加速であり、これは、システムの振動を回避するように合わせることができる。また、システムの速度を合わせることは、振動の誘発を回避するために使用できる。
【0090】
モータ、ギアおよび案内方法を正しく使用する場合、スキャナー内で動いている構成要素からの振動を防止することができる。
【0091】
外的障害から誘発された振動および衝撃に関し、これは、加速や減速から誘発された揺動および衝撃と同様である。例えばケーブルが足場、支持点などで絡まらないようにするために、ケーブルの管理に細心の注意を払う。
【0092】
タンク壁の振動は、タンク壁に対して垂直な運動を引き起こし、かつ過剰な場合には、壁の方へのシステムまたは検出器の跳ね返りを誘発し得る。これは、解決することが困難であり得る。しかしながら、予見されたタンクのプロジェクトに関し、タンク壁の振動からの影響は予期されていない。
【0093】
図2に示すように、第1のサブフレームは、硬質のアルミニウムフレームからなり、そこにX線設備が配置される。タンク壁に対面する第1のサブフレームの側面は、第1のサブフレームの障害がない状態で、全高にわたって垂直溶接部を走査できるようにする、開いた「窓」を有する。
【0094】
図3に示すように、第2のサブフレームは第1のサブフレームよりも小さく、一般にLNGタンクに存在する、タンク壁とコンクリート壁との間の限定空間に入る。最小限に必要な設備、検出器自体および電子接続箱のみが、第2のサブフレームによって運ばれる。
【0095】
図2に示すように、キャリッジ車輪の組が、水平駆動ユニットと一緒に、重い支持板を備える第1のサブフレームに装着される。キャリッジが様々な高さで支持フレームに装着され、スキャナーを特定の板のサイズに適合させることができる。
【0096】
図4に示すように、最上部キャリッジは以下の特徴を有する:
□ ダブルフランジ型車輪を使用して、スキャナーが確実にタンク壁から落ちないようにする。
□ 各車輪の組が、ゴム付きのヒンジ式ブロックによって懸架装置に装着されたフレームに装着された2つの車輪からなる。ゴム付きにすることによって、回転自由度を2方向に限定することができ、かつ車輪からくる振動を吸収する。
□ タンク壁に対して位置合わせしかつ距離を設定するために、装着棒がスライダーブロックに装着されて、タンク壁に備え付けられるときに、壁の距離に対し第2のフレームを調整できるようにする。
□ 検出器フレーム用の装着棒。検出器フレームは、装着棒に引っ掛けて、両フレームを接続するために固定され得る。
【0097】
図6に示すように、水平走査のために、駆動ユニットはタンク壁の頂上部に配置され、かつシステム全体を動かす。フレームは、水平運動での安定性および正確さを達成するために、高いスティフネスを有する。
【0098】
水平駆動ユニットは以下の特徴を有する:
□ モータおよびギヤリング
□ 牽引するための、PU面を備える牽引車輪
□ 壁に高い圧力を加えるためのタンク壁の外側の支持車輪、および牽引車輪と支持車輪との間のバネ荷重
□ 備え付けに関し、駆動ユニットが、タンク壁から外れるように上方に回転できる。
【0099】
図7bに示すように、垂直走査のために、システムは、案内フレームとタイミングベルトとからなる案内システムを備える。各ベルトは、垂直ガイドレール上のスレッジに接続される。このスレッジには、放射線源または検出器を装着できる。あるいは、垂直運動のために、スピンドルを使用できる。
【0100】
両側面間で駆動するベルトは、調整可能な長さおよび/または自在継ぎ手を有し得るアクスルに機械的に結合される。このようにして、両垂直運動は、単一のモータによって駆動され得る。
【0101】
放射線源ヘッドおよび検出器は、システムの中心に、キャリッジ車輪間の中心に(水平方向に)位置決めされ、最適に機械的に保護し、かつタンク壁と位置合わせする。
【0102】
図7cおよび
図7dに示すように、X線源および検出器は、特別な特徴を有する特別に設計された懸架装置によって、垂直ガイドレールのスレッジに装着される。
【0103】
放射線源の特徴:
□ 傾斜角度、回転角度、放射線源の高さの調整
□ 回転機構の垂直−水平溶接検査
□ タンク壁の方へ調整可能な遮蔽部
【0104】
検出器ユニットの特徴:
□ タンク壁の方へ検出器を位置決めする機構
□ タンク壁の外形を辿るための検出器上の車輪
□ 検出器用のバネ仕掛けの懸架装置
□ 回転機構の垂直−水平溶接検査
□ システムを持ち上げるとき、検出器ユニットは、検出器を保護するために下方に回転できる。
【0105】
放射線検出器は、溶接の幅、およびまた、溶接の隣の熱影響域を含む、板材料の一部を覆うのに十分な大きさである必要がある。放射線検出器は、放射線エネルギーを電気信号に直接または間接的に変換する。個々の暴露(フレーム)は、短い時間間隔で、例えば、1秒間に300フレームで測定される。動的検査(走査)のために、放射線検出器は
、ライン検出器である、つまり、ピクセルの単一の線のみを測定して、各フレームの最中の検査下で放射線源および検出器が物体に対して動くことに起因した不鮮明な結果の発生を回避する。あるいは、測定されたデータが、異なる位置および運動に対して補正されることを条件として、運動方向に複数のピクセルを有するアレイ検出器を使用し得る。そのような補正は、公知の技術として時間遅延積分とし得る。そのような検出器は、例えば、100×100マイクロメートル毎に2200×60ピクセルを有し得る。この例では、60ピクセルが走査方向と実質的に位置合わせされる。
【0106】
システムは、動作中にX線を生成し、それゆえ、安全な動作のために、立入禁止区域を保持することが必要である。システムがアクティブであり、X線を生成しているとき、いかなる人も、ラジオグラフィーの操作者もこの立入禁止区域外にいる必要がある。立入禁止区域のサイズを限定するために、放射線源および検出器は、保護(鉛、タングステン)遮蔽部によって全体的に取り囲まれており、システムの周囲領域へのX線の放出を減少させる。明らかに、放射線源と、板と、放射線検出器との間には遮蔽部が存在しない。さらに、放射線ビームは、検出器のアクティブな部分にのみコリメート(制限)される。遮蔽部は、直接ビーム、およびタンク壁での散乱放射線を考慮に入れて、設計される。この専用の遮蔽部ゆえに、立入禁止区域は、システムの外形の周り3メートルに縮小される。これは、従来のラジオグラフィーと比較すると遥かに小さく、従来のラジオグラフィーでは、一般に遮蔽部を使用せず、かつ立入禁止区域が、タンクの一部またはさらにはタンク全体を覆って延在し得る。
【0107】
放射線源および検出器は脆性であり、かつ高価な構成要素である。それゆえ、システムは、予想外の影響を回避するように設計される。
・ 備え付け/引き上げ中の衝突
・ 電気または機械的な不調(
図7bのブレーキ)に起因した検出器懸架装置の落下(垂直案内/走査の場合)
【0108】
システムは、水平溶接部の走査から垂直溶接部の走査へ、およびその逆へ切り替えるために、放射線源および放射線検出器を90度回転させる機械的な手段を備える。これは、例えば、検出器がライン検出器でありかつ放射線ビームがそのような検出器のアクティブな領域にのみコリメート(制限)されるときに、必要とされる。回転時、検出器および放射線源は位置合わせされたままである必要がある。しかしながら、X線ビームの中心線を通って回転させる必要はない(および、質量中心に関して、有益ではない)。
【0109】
添付の特許請求の範囲において定義されるような本発明の趣旨から逸脱することなく、これらの特徴は、組み合わせて適用され得るがその必要はない。