(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る茶系アルコール飲料を実施するための形態について説明する。
【0014】
[茶系アルコール飲料]
本実施形態に係る茶系アルコール飲料は、茶系浸漬酒を含有し、茶系浸漬酒の含有量が所定量以上であることを特徴とする。
なお、茶系アルコール飲料とは、前記のとおり茶系の香味を呈する飲料であり、緑茶、紅茶、烏龍茶といった各種のお茶(飲料)の香味が付与されたアルコール飲料である。
【0015】
(茶系浸漬酒)
本実施形態に係る茶系アルコール飲料は、茶系浸漬酒を含有する。
茶系浸漬酒とは、飲み物であるお茶の原料(茶系原料)を、アルコールに浸漬させて得られるものである。そして、この茶系浸漬酒は、浸漬時に茶系原料とアルコールとがしっかりと馴染むことで、両者の香味の相性が非常に良い状態となっている。よって、当該茶系浸漬酒を含有させた茶系アルコール飲料は、茶系浸漬酒に由来する茶特有の苦渋味をしっかりと感じられつつも、アルコール感を感じる(アルコール感が苦渋味によって消され難く維持される)飲料となる。
【0016】
前記した茶系原料とは、ツバキ科の常緑低木であるチャノキ(茶の木:Camellia sinensis)の葉(以下、適宜「茶葉」という)や茎であるが、麦茶、そば茶、ハーブティ、マテ茶、コーン茶といったいわゆる茶外茶の原料、具体的には、焙煎した大麦の種子、そばの実、乾燥したハーブ、マテの葉、とうもろこしの種子等も含まれる。加えて、ジャスミン茶といったいわゆる花茶の原料、具体的には、茶葉にマツリカの花の香りを吸着させたものも含まれる。また、茶葉には、製茶の方法(火入れ、発酵等の方法)によって様々な種類が存在するが特に限定されず、緑茶、黒茶、紅茶、青茶(烏龍茶)等のいずれでもよい。なお、茶系浸漬酒は、これらの原料を1種使用しても2種以上使用してもよい。
本発明では、茶系原料として、茶特有の苦渋味をしっかりと感じることができるとともにアルコールとの相性の良い緑茶(摘み取った茶葉を加熱処理して発酵を妨げたもの)を特に好適に用いることができる。
【0017】
浸漬時に使用するアルコールは、飲用可能なアルコールであれば特に限定されず、後記する「(アルコール)」の項目に挙げるものを使用することができる。
また、浸漬時に使用するアルコールの度数は、茶系原料からの成分を十分に溶出させるべく、3v/v%以上が好ましく、20v/v%以上がより好ましい。なお、浸漬時に使用するアルコールの度数の上限は特に限定されない。
【0018】
茶系浸漬酒の含有量は、0.03v/v%以上であり、0.07v/v%以上が好ましく、0.10v/v%以上がより好ましい。茶系浸漬酒の含有量が所定値以上であることにより、茶系アルコール飲料に茶特有の苦渋味を付与することができるとともに、アルコール感の感じられる飲料とすることができる。
また、茶系浸漬酒の含有量は、4.00v/v%以下が好ましく、3.00v/v%以下がより好ましく、2.00v/v%以下がさらに好ましい。茶系浸漬酒の含有量が所定値以下であることにより、アルコール感の低下をより確実に回避することができる。
【0019】
(茶系抽出液)
本実施形態に係る茶系アルコール飲料は、茶系抽出液を含有していてもよい。
茶系抽出液とは、茶系原料を、湯で抽出して(湯に浸漬させて)得られるものである。この茶系抽出液を茶系アルコール飲料に含有させることにより、茶の香味をさらにしっかりと付与することができる。
なお、茶系抽出液に使用する茶系原料は、茶系浸漬酒に使用する茶系原料と同様である。
【0020】
茶系抽出液の含有量については、特に限定されないものの、タンニンの含有量が好ましくは0.04w/v%以上、より好ましくは0.05w/v%以上、また、好ましくは0.09w/v%以下、より好ましくは0.07w/v%以下となるように茶系アルコール飲料に茶系抽出液を含有させればよい。
なお、前記のタンニンの含有量は、茶系抽出液由来のものだけでなく、茶系浸漬酒由来のものも含む。
【0021】
(アルコール)
本実施形態に係る茶系アルコール飲料は、アルコール(茶系浸漬酒以外)を含有していてもよい。
アルコールは飲用することができるアルコールであればよく、種類、製法、原料などに限定されることがないが、蒸留酒もしくは醸造酒であることが好ましい。蒸留酒としては、例えば、焼酎、ブランデー、ウォッカなどの各種スピリッツ、原料用アルコールなどを1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。醸造酒としては、例えば、ビール、発泡酒、果実酒、甘味果実酒などを1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、蒸留酒と醸造酒を組み合わせて用いてもよい。
なお、本明細書においてアルコールとは、特に明記しない限り、エタノールのことをいう。
【0022】
(アルコール度数)
本実施形態に係る茶系アルコール飲料のアルコール度数(茶系浸漬酒由来のアルコールも含む)は、特に限定されないが、1v/v%以上であることが好ましく、3v/v%以上であることがさらに好ましい。また、本実施形態に係る茶系アルコール飲料のアルコール度数は、20v/v%以下であることが好ましく、10v/v%以下であることがさらに好ましい。
そして、アルコール度数は、前記の飲用のアルコールを含有させることによって調節することができる。
なお、茶系アルコール飲料のアルコール度数は、国税庁所定分析法(改正平19国税庁訓令第6号)3清酒3−4アルコール分(振動式密度計法)に基づき測定することができる。
【0023】
(発泡性)
本実施形態に係る茶系アルコール飲料は、発泡性であっても、非発泡性であってもよい。ここで、本実施形態における発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm
2)以上であることをいい、非発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm
2)未満であることをいう。
【0024】
(その他)
本実施形態に係る茶系アルコール飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で飲料として通常配合される甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類、食物繊維など(以下、適宜「添加剤」という)を添加することもできる。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲンやデンプンなどを用いることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームなどを用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどを用いることができる。酸味料としては、例えば、アジピン酸、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL−酒石酸、L−酒石酸、DL−酒石酸ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL−リンゴ酸、DL−リンゴ酸ナトリウム、リン酸などを用いることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムなどを用いることができる。食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ペクチン、ポリデキストロース、グアーガム分解物などを用いることができる。また、添加剤として、茶系アルコール飲料のpHを調整するために重曹を添加してもよい。
そして、前記した添加剤は、一般に市販されているものを使用することができる。
【0025】
以上説明したように、本実施形態に係る茶系アルコール飲料は、茶系浸漬酒を所定量以上含有していることから、苦渋味を感じられるとともにアルコール感も感じられるものとなる。
【0026】
[茶系アルコール飲料ベース]
本実施形態に係る茶系アルコール飲料ベースは、後記する割り材で希釈されることにより前記の茶系アルコール飲料とすることができる。
なお、本実施形態に係る茶系アルコール飲料ベースは、消費者や飲食店などに提供されるに際して、飲料ベースの状態(RTS:Ready To Serve)で提供された後に割り材で希釈されてもよいし、飲料ベースを割り材で希釈した後に飲料の状態(RTD:Ready To Drink)で提供されてもよい。
【0027】
以下、本実施形態に係る茶系アルコール飲料ベースを説明するに際して、前記の茶系アルコール飲料と共通する構成については説明を省略し、相違する構成(特に含有量等)を中心に説明する。
【0028】
(茶系浸漬酒)
本実施形態に係る茶系アルコール飲料ベースの茶系浸漬酒の含有量をXv/v%とし、希釈倍率をD倍とした場合、X/Dは、0.03以上であり、0.07以上が好ましく、0.10以上がより好ましい。また、X/Dは、4.00以下が好ましく、3.00以下がより好ましく、2.00以下がさらに好ましい。
【0029】
(アルコール度数)
本実施形態に係る茶系アルコール飲料ベースのアルコール度数は、特に限定されないが、茶系アルコール飲料ベースのアルコール度数をAv/v%とし、希釈倍率をD倍とした場合、A/Dは、1以上であることが好ましく、3以上であることがさらに好ましい。また、A/Dは、20以下であることが好ましく、10以下であることがさらに好ましい。
【0030】
(茶系抽出液)
本実施形態に係る茶系アルコール飲料ベースの茶系抽出液の含有量(タンニンの含有量)については、特に限定されないが、茶系アルコール飲料ベースのタンニンの含有量をBw/v%とし、希釈倍率をD倍とした場合、B/Dは、0.04以上であることが好ましく、0.05以上であることが好ましい。また、B/Dは、0.09以下であることが好ましく、0.07以下であることが好ましい。
【0031】
(割り材)
割り材とは、本実施形態に係る茶系アルコール飲料ベースの希釈に用いるものである。
割り材としては、例えば、水、炭酸水、お湯、氷、果汁、果汁入り飲料、牛乳、茶、アルコール等を挙げることができ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、割り材を用いた希釈は、本実施形態に係る茶系アルコール飲料ベースが1.2〜20倍、好ましくは1.5〜10倍、さらに好ましくは2〜5倍となるように実施すればよい。
【0032】
以上説明したように、本実施形態に係る茶系アルコール飲料ベース(希釈倍率:D倍用)は、X/Dが所定値以上となっている、言い換えると、希釈後(飲用時)の茶系アルコール飲料の茶系浸漬酒の含有量が前記した所定量以上となっている。その結果、希釈後の茶系アルコール飲料が苦渋味を感じられるとともにアルコール感も感じられるものとなる。
【0033】
[容器詰め茶系アルコール飲料、及び容器詰め茶系アルコール飲料ベース]
本実施形態に係る茶系アルコール飲料、及び容器詰め茶系アルコール飲料ベースは、各種容器に入れて提供することができる。各種容器に茶系アルコール飲料、又は容器詰め茶系アルコール飲料ベースを詰めることにより、長期間の保管による品質の劣化を好適に防止することができる。
なお、容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器などを適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分および光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
【0034】
なお、本実施形態に係る茶系アルコール飲料、及び茶系アルコール飲料ベースについて、明示していない特性や条件については、従来公知のものであればよく、前記特性や条件によって得られる効果を奏する限りにおいて、限定されないことは言うまでもない。
【0035】
[茶系アルコール飲料、及び茶系アルコール飲料ベースの製造方法]
次に、本実施形態に係る茶系アルコール飲料、及び茶系アルコール飲料ベースの製造方法を説明する。
本実施形態に係る茶系アルコール飲料、及び茶系アルコール飲料ベースの製造方法は、混合工程S1と、後処理工程S2と、を含む。
【0036】
混合工程S1では、混合タンクに、水、飲用アルコール、茶系浸漬酒、茶系抽出液、添加剤などを適宜投入して混合後液を製造する。
この混合工程S1において、茶系浸漬酒の含有量、X/Dが前記した所定範囲の量となるように各原料を混合し、調整すればよい。
【0037】
そして、後処理工程S2では、例えば、ろ過、殺菌、容器への充填などの処理を必要に応じて選択的に行う。
なお、後処理工程S2のろ過処理は、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。また、後処理工程S2の殺菌処理は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行うのが好ましいが、同様の処理を行うことができるのであればこれに限定されることなく適用可能である。また、後処理工程S2の充填処理は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにて充填するのが好ましい。そして、後処理工程S2での各処理の順序は特に限定されない。
【0038】
なお、混合工程S1及び後処理工程S2にて行われる各処理は、RTD・RTS飲料などを製造するために一般的に用いられている設備にて行うことができる。
【0039】
(茶系浸漬酒の製造方法)
茶系浸漬酒の製造方法は特に限定されないものの、例えば、以下のような方法がある。
茶系原料(例えば、緑茶)を、0〜60℃のアルコール(例えば、アルコール度数3〜95v/v%、好ましくは20〜95v/v%の原料用アルコール)に1〜24時間浸漬させる。ここで、1時間以上浸漬させれば、得られる茶系浸漬酒の成分にほとんど変化はなくなるものの、24時間を超えると風味が悪くなってしまう。また、アルコール度数が前記の範囲内であれば、得られる茶系浸漬酒の成分はほとんど同じになる。
なお、アルコールに対して茶系原料の含有量が1〜20w/v%(好ましくは、1〜10w/v%)となるように浸漬させればよい。アルコールに対する茶系原料の含有量がこの範囲内であれば、得られる茶系浸漬酒の成分はほとんど同じになる。
その後、アルコールから茶系原料を取り除くためにろ過処理を施すことにより、茶系浸漬酒を製造することができる。
【0040】
(茶系抽出液の製造方法)
茶系抽出液の製造方法は特に限定されないものの、例えば、以下のような方法がある。
茶系原料(例えば、緑茶)を、湯(40〜95℃)に3〜20分浸漬させ成分を抽出する。なお、湯に対して茶系原料の含有量が1〜20w/v%となるように浸漬させればよい。その後、湯から茶系原料を取り除くためにろ過処理を施すことにより、茶系抽出液を製造することができる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態に係る茶系アルコール飲料の製造方法は、茶系浸漬酒の含有量を所定量以上とする工程を含むことから、苦渋味を感じられるとともにアルコール感も感じられる茶系アルコール飲料を製造することができる。
また、本実施形態に係る茶系アルコール飲料ベースの製造方法は、X/Dを所定値以上とする工程を含むことから、希釈後の茶系アルコール飲料が、苦渋味を感じられるとともにアルコール感も感じられる茶系アルコール飲料ベースを製造することができる。
【0042】
[茶系アルコール飲料の香味向上方法]
次に、本実施形態に係る茶系アルコール飲料の香味向上方法を説明する。
本実施形態に係る茶系アルコール飲料の香味向上方法は、茶系浸漬酒の含有量を所定量以上とすることを特徴とする。
【0043】
詳細には、本実施形態に係る茶系アルコール飲料の香味向上方法は、茶系アルコール飲料の茶系浸漬酒の含有量を、0.03v/v%以上とし、0.07v/v%以上とするのが好ましく、0.10v/v%以上とするのがより好ましい。また、茶系浸漬酒の含有量を、4.00v/v%以下とするのが好ましく、3.00v/v%以下とするのがより好ましく、2.00v/v%以下とするのがさらに好ましい。
【0044】
以上説明したように、本実施形態に係る茶系アルコール飲料の香味向上方法は、茶系アルコール飲料の茶系浸漬酒の含有量を所定量以上とすることから、アルコール感を維持しつつ苦渋味を付与し、茶系アルコール飲料の香味を向上させることができる。
【実施例】
【0045】
次に、本発明の要件を満たす実施例とそうでない比較例とを例示して、本発明について説明する。
【0046】
[サンプルの準備]
茶系浸漬酒、茶系抽出液、飲用アルコール、ビタミンC(関東化学社製)、重曹(和光純薬工業社製)、純水を混合してサンプル液を準備した。
茶系浸漬酒としては、茶系原料が緑茶、アルコールが95v/v%の原料用アルコールであり、所定の浸漬条件(緑茶の浸漬量:4.0w/v%、アルコールの温度:30℃、浸漬時間:3時間)で浸漬させた後、ろ過(300メッシュフィルタ)を施して得られたものを使用した。また、茶系抽出液としては、茶系原料が緑茶であり、所定の抽出条件(緑茶の浸漬量:8.0w/v%、湯の温度:60℃、浸漬時間:7分)で抽出した後、ろ過(10μカートリッジフィルタ)を施して得られたものを使用した。
なお、茶系浸漬酒の含有量に基づく香味の影響を正確に把握するため、各サンプルのタンニンの含有量は、茶系抽出液の含有量によって一定となるように調製した。また、各サンプルのアルコール度数も、約7.0v/v%で揃えた。
【0047】
[試験内容]
前記の方法により製造した各サンプルについて、訓練された専門のパネル6名が下記評価基準に則って「アルコール感」、「青い香り」、「苦渋味」、「旨み」、「飲み応え」、「総合評価」について、1〜5点の5段階評価で独立点数付けし、その平均値を算出した。
なお、全ての評価は、サンプルを飲んで実施し、香りの評価については、サンプルを飲んでいる際、及び、飲んだ後に感じられる香りに基づいて実施した。
【0048】
(アルコール感:評価基準)
5点:アルコール感が非常に強い。
4点:アルコール感が強い。
3点:アルコール感がある。
2点:アルコール感がわずかにある。
1点:アルコール感がない。
【0049】
(青い香り:評価基準)
5点:茶特有の青い香りが非常に強い。
4点:茶特有の青い香りが強い。
3点:茶特有の青い香りがある。
2点:茶特有の青い香りがわずかにある。
1点:茶特有の青い香りがない。
【0050】
(苦渋味:評価基準)
5点:茶特有の苦渋味が非常に強い。
4点:茶特有の苦渋味が強い。
3点:茶特有の苦渋味がある。
2点:茶特有の苦渋味がわずかにある。
1点:茶特有の苦渋味がない。
【0051】
(旨み:評価基準)
5点:旨みが非常に強い。
4点:旨みが強い。
3点:旨みがある。
2点:旨みがわずかにある。
1点:旨みがない。
【0052】
(飲み応え:評価基準)
5点:茶特有の味の厚みが非常に大きく、飲み応えが非常に強い。
4点:茶特有の味の厚みが大きく、飲み応えが強い。
3点:茶特有の味の厚みがあり、飲み応えがある。
2点:茶特有の味の厚みがわずかにあり、飲み応えがわずかにある。
1点:茶特有の味の厚みがなく、飲み応えがない。
【0053】
(総合評価:評価基準)
5点:茶系のアルコール飲料として非常に好適な香味である。
4点:茶系のアルコール飲料としてかなり好適な香味である。
3点:茶系のアルコール飲料として好適な香味である。
2点:茶系のアルコール飲料として不適な香味である。
1点:茶系のアルコール飲料としてかなり不適な香味である。
【0054】
表1に、各サンプルの規格を示すとともに、各評価の結果を示す。
なお、表1では、各評価のうち、アルコール感、苦渋味、旨み、総合評価については、点数(平均値)が2.5以下のものを「×」、2.5を超え3.0以下のものを「△」、3.0を超え3.5以下のものを「○」、3.5を超えるものを「◎」と示した。
【0055】
【表1】
【0056】
[試験結果の検討]
サンプル1〜6の結果を確認すると明らかなように、茶系浸漬酒の含有量が増加するにしたがい、茶特有の苦渋味がしっかりと感じられるようになることが確認できた。
また、茶系浸漬酒の含有量が所定量以上のサンプル2〜6は、苦渋味、アルコール感の双方の結果が良かったことから、アルコール飲料としてのアルコール感と、茶系の飲料としての苦渋味とが両立した飲料となっており、茶系のアルコール飲料として非常に好ましい状態となっていることが確認できた。
加えて、茶系浸漬酒の含有量が所定量以上のサンプル2〜6は、苦渋味、アルコール感の評価が良いだけでなく、青い香り、旨みを感じられるとともに、飲み応えもあることが確認できた。
【0057】
以上、試験結果より、茶系浸漬酒が本発明で規定する所定量以上となるように茶系アルコール飲料に含有されていると、茶特有の苦渋味がしっかりと感じられるとともに、アルコール感も感じられるものとなることがわかった。